JP2008190215A - 符号錠装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ダイヤル毎の解錠符号を探索するための解錠符号探索機構100を備える。解錠符号探索機構100はアクチュエータの外筒の回動角度範囲を超えて内筒を回動させたときこれに応動して作動軸を設定量を超えて変位させる機構と、作動軸上の各ダイヤルの位置にそれぞれ配置される解錠符号の探索部材101とを含む。探索部材101と対向するロックギヤ5の側面に係合段部57が形成される。探索部材101は突部105を備え、突部105は作動軸が設定量を超えて変位したとき、解錠符号が揃えられていない回動角度のダイヤルに対応するロックギヤ5に対してはロックギヤ5の回動を許容する状態でロックギヤ5の側面に当接し、解錠符号が揃えられている回動角度のダイヤルに対応するロックギヤ5に対しては係合段部57に係合してロックギヤ5の回動を規制する。
【選択図】図25
Description
従来、符号錠装置には、各ダイヤルの解錠符号が固定的に設定されているタイプのものと、客が各ダイヤルの解錠符号を自在に設定するようにしたタイプのものとがある。ここで、「解錠符号」とは、符号錠装置を解錠するためのダイヤル毎の符号をいい、全てのダイヤルの解錠符号の並びを「解錠符号列」という。例えば、4個のダイヤルを備える符号錠装置であって各ダイヤルの符号が「0」〜「9」の数字で構成されている場合、解錠符号列は4桁で構成される数字になる。
解錠に際しては、各ダイヤルについてダイヤルを回して解錠符号を揃えることにより解錠符号列を整列させた後、撮みを掴んで前記と反対方向へ回動操作する。この回動操作に掛止機構が応動し、扉側の掛止片がロッカー本体側の受け金具より外れて扉の開放が可能となる。その後、施錠操作を行った上で解錠符号列を崩して施錠状態に戻しておく。
前記解錠符号探索機構は、前記アクチュエータの内筒と前記作動軸との間に設けられ前記外筒の回動角度範囲を超える内筒の回動に応動して作動軸を前記設定量を超えて変位させる変位機構と、前記作動軸上の各ダイヤルの位置にそれぞれ配置される解錠符号の探索部材とを含んでいる。各ロックギヤの前記探索部材と対向する側面にはそれぞれ係合段部が形成されるとともに、各探索部材は、作動軸が設定量を超えて変位したとき、解錠符号が揃えられていない回動角度のダイヤルに対応するロックギヤに対してはロックギヤの回動を許容する状態でロックギヤの側面に当接し、解錠符号が揃えられている回動角度のダイヤルに対応するロックギヤに対しては前記係合段部に係合してロックギヤの回動を規制する突部を備えている。
この実施態様では、内筒を外筒の回動角度範囲を超えて回動すると、内筒の外周面に突設された突起体は外筒に形成された貫通溝より突出しているので、突起体が作動軸の位置までくると、突起体の先端が作動軸の端部を押圧することにより作動軸が変位する。
この実施態様の探索部材は、突部が弾性変形する構成のものであるので、解錠符号が揃えられていない回動角度のダイヤルについては、突部が弾性変形することで、対応するロックギヤの側面にロックギヤの回動を許容する状態で当接する。ダイヤルを回して対応するロックギヤの係合段部が突部の角度位置まできたとき、突部がその弾性復元力によって係合段部と係合するもので、これによりロックギヤの回動が規制される。
この符号錠装置は、例えばロッカーの扉に取り付けられ、施錠時や解錠時の操作によって掛止片1が所定の角度範囲α(この実施例ではαは90度)で正逆回動し、ロッカー本体に取り付けられた受け金具10に係脱する。前記掛止片1と受け金具10とで掛止機構が構成される。
なお、図3〜図14において、図3,5,7,9,11,13は符号錠装置の構成を示す前面プレート3の側より見た断面図であり、図4,6,8,10,12,14はそれぞれ図3,6,7,9,11,13のa方向より見た断面図である。
アクチュエータ2は、支持板15により区画された一方の空間Aに組み込まれており、前記撮み20による解錠操作および施錠操作に一体に応動する内筒21aおよび外筒21bを有している。前記内筒21aの内部には、外筒21bとの間に複数のディスクタンブラーより成るシリンダー錠の機構が組み込まれている。ディスクタンブラーは、外筒21bに対する内筒21aの回動を規制するためのもので、撮み20に設けられた鍵孔29より内筒21a内へ図示しないマスター鍵が挿入されていない状態では、ディスクタンブラーが内筒21aと外筒21bとの間に介在して内筒21aと外筒21bとを係合した状態となる。マスター鍵が挿入された状態では、全てのディスクタンブラーが内筒21a内に退避することで内筒21aと外筒21bとの係合が外れ、外筒21b内で内筒21aが回動可能な状態となる。なお、上記した構成のシリンダ錠は公知であり、ここでは錠機構についての詳細な説明は省略する。
内筒21aは、外筒21bとの係合が外れた状態では90度の角度範囲αを超えて正逆回動が可能となっている。鍵孔29より内筒21a内へマスター鍵を挿入した状態で内筒21aを回動させると、掛止片1は開状態の位置から前記90度の角度範囲αを超えて、さらに所定の角度範囲β(この実施例ではβ=25度)だけ正逆回動する(図1参照)。
外筒21bの外周面には往復動機構7を構成する凹凸カム面と、ロック機構9を構成するロック係合部25,26とが形成されているが、これらの構成については後述する。
作動軸3は、アクチュエータ2と直交する方向に水平に配置されており、その先端部には前部ブッシュ30が嵌められている。前部ブッシュ30は前記支持板15に設けられた軸受部(図示せず。)により、また、作動軸3の基端部は軸受16により、それぞれ摺動自由に支持されており、これにより作動軸3がアクチュエータ2と直交する水平方向に往復動可能となっている。
作動軸3の軸周面には、一定間隔毎に5枚のリング状の仕切板31〜35がそれぞれ一体に装着され、隣り合う仕切板間には合成樹脂製の中間ブッシュ54が嵌められている。また、作動軸3上の各ダイヤル4の位置には後述する解錠符号の探索部材101が配置されている。各探索部材101は各仕切板31〜34と中間ブッシュ54との間に挟持されて軸方向への移動が阻止されている。また、作動軸3の軸周面には軸方向に沿って断面矩形の溝37が形成され、この溝37に各探索部材101が回動不能に係止されている。
作動軸3の基端部寄りの仕切板35と前記軸受16との間には後述する往復動機構7を構成する圧縮バネ36が設けられ、その圧縮バネ36のバネ圧を作動軸13に作用させて作動軸3をアクチュエータ2の方向へ常時付勢している。
また、前部ブッシュ30は内筒21aの外周面に形成された突起体103により押圧されるもので、前記突起体103と協働して作動軸3を前記設定量を超えて変位させる変位機構102(詳細は後述する。)を構成している。
図4は、押圧部材87がアクチュエータ2の側に偏って位置し、第1の記憶方式に設定されている。同図中、点線で示すように、押圧部材87がアクチュエータ2と反対側へ偏って位置するとき、第2の記憶方式に設定される。第2の記憶方式に設定された状態のとき、前部ブッシュ30が押されて作動軸3と一体に後述する全てのロックギヤ5が押されるため、各ロックギヤ5が対応するダイヤルと噛み合い、解錠符号列が固定的に記憶される。
往復動機構7は、後述するダイヤル毎のロックギヤ5を一斉に往復動させるために、前記アクチュエータ2の作動に応動して作動軸3を所定のタイミングで設定量だけ往復動させる機構であり、外筒21bの外周面に形成された凹面23を含む凹凸カム面と、作動軸3の先端部に装着された前記の前部ブッシュ30と、作動軸3をアクチュエータ2の方向へバネ復元力により付勢する前記圧縮バネ36とがこの往復動作に関わっている。
前記凹凸カム面は、前記凹面23に対して外筒21bの外周面を凸面24となすものであり、前部ブッシュ30が凹面23に嵌まり込んだ状態から凸面24に乗り上がるとき、作動軸3がアクチュエータ2と反対側の方向へ押されて往動する。また、前部ブッシュ30が凸面24に乗り上がった状態から凹面23に嵌まり込むとき、圧縮バネ36のバネ圧を受けて作動軸3はアクチュエータ2の方向へ押されて復動する。
なお、詳細は後述するが、解錠符号の探索時には解錠符号探索機構100の変位機構102によって作動軸3は設定量を超えてさらに変位するもので(図13,14)、このときの位置を「第2変位位置」という。
4個の各ダイヤル4は、作動軸3上にそれぞれ中間ブッシュ54およびロックギヤ5を介して回動可能に支持されている。各ダイヤル4は、図15〜図17に示すように、外周面の等角度位置毎に「0」〜「9」の符号43が表されたダイヤル操作板40を有し、そのダイヤル操作板40の一側面にボス部44が一体に設けられたものである。
解錠符号記憶機構6は、解錠符号列を構成するダイヤル4毎の解錠符号を自在に設定しかつ記憶させるための機構であり、4個のダイヤル4と、各ダイヤル4の位置に対応させて設けられたダイヤル毎のロックギヤ5とで構成されている。
各ロックギヤ5は、作動軸3上の各仕切板31〜35の内側に位置し、前記中間ブッシュ54を介してそれぞれが回動自由に支持されている。隣り合うロックギヤ5,5は互いに当接し、先頭のロックギヤ5は前部ブッシュ30に当接しており、前部ブッシュ30および作動軸3と一体に全てのロックギヤ5が一斉に往復動するようになっている。
各ロックギヤ5の外周面の一側には、図19および図20に示されるように、ロック機構9を構成する凹部52が形成されている。なお、ロック機構9については次項において詳述する。
ロック機構9は、各窓孔14に現れる各ダイヤル4の符号43がすべて解錠符号であるとき(解錠符号列が生成されたとき)、アクチュエータ2の作動を許容し、いずれかダイヤル4の符号43が解錠符号でないとき(解錠符号列が生成されていないとき)、アクチュエータ2の作動を規制するものである。
この実施例のロック機構9は、各ロックギヤ5の外周面に形成された前記の凹部52と、図22に示す形態の可動ロック部材90と、アクチュエータ2の外筒21bの外周面に形成されたロック係合部25,26とで構成されている。
したがって、各ロックギヤ5の凹部52は、解錠符号が窓孔14に出現している状態のとき、決められた同じ回動角度位置に位置するので、全てのダイヤル4が窓孔14に解錠符号が出現する回動角度位置にあるとき、図23に示すように、全ての検出アーム91の先端部91aが対応するロックギヤ5の凹部52にそれぞれ嵌り込み、回動軸93が矢印p方向へ回動変位した状態、すなわち、解錠符号列の出現が検出された状態となる。
これに対して、解錠符号が4個並んでいない状態(解錠符号列が揃っていない状態)にあれば、全てのロックギヤ5の凹部52が決められた同じ角度位置に位置していないので、どの検出アーム91の先端部91aもロックギヤ5の凹部52に嵌り込まず、ロックギヤ5の外周面に乗り上がる。その結果、回動軸93が前記と逆方向へ回動変位した状態にあり、規制片92の先端部がロック係合部25,26と係合する(図24参照)。これによりアクチュエータ2の作動が規制され、施錠操作や解錠操作が困難となる。
解錠符号探索機構100は、ロッカー使用者が解錠符号列を忘れたとき、ロッカー提供者においてダイヤル毎に解錠符号を探索するための機構であり、マスター鍵によってアクチュエータ2の内筒21aと外筒21bとの係わりを切った状態に設定した後、内筒21aを外筒21bの回動角度範囲α(この実施例ではαは90度)を超えてさらに所定の角度β(この実施例ではβは25度)だけ回動させることにより作動軸3を前記した「第2変位位置」まで変位させる変位機構102を含んでいる。
図示例の係合段部57は、ロックギヤ5の側面の外周部にほぼ半周にわたってリング状の凸部56Aを形成することにより凸部56Aの一端と凹部56Bとの間に形成されている。
なお、図26および図27は、ダイヤル4が窓孔14に解錠符号が出現する回動角度になっているときの探索部材101とロックギヤ4との位置関係を示している。
また、解錠符号が揃えられている回動角度のダイヤル4に対応するロックギヤ5に対しては、前記突部105の係合端部105aが係合段部57に係合してロックギヤ5の一定方向(図25中、矢印で示す方向)の回動を規制する。
まず、施錠操作時の動作について説明すると、符号錠装置が図3、4に示された「開状態」にあるとき、作動軸3は、先端部の前部ブッシュ30が外筒21bの凹面23に嵌まってアクチュエータ2の側へ変位した状態(第1変位位置)にある。この第1変位位置では、各ダイヤル4は各ロックギヤ4と係わりが切れた回動自由な状態にあり、解錠符号を自在に設定することが可能である。
この状態においては、全てのロックギヤ5の凹部52が決められた同じ角度位置にあり、可動ロック部材90の全ての検出アーム91の先端部91aが前記凹部52と係合するので、回動軸93が所定の方向に回動した状態にあり、規制片92とロック係合部25との係合が外れ(図3参照)、符号錠装置は施錠操作が可能な状態に設定される。
つぎに、マスター鍵を回して内筒21aを外筒21bの回動角度範囲αを超えて回動させると、内筒21aの外周面に突設された突起体27は外筒2bに形成された貫通溝28より突出しているので、突起体27が作動軸3の位置まできたとき、突起体27の先端が作動軸3の先端部の前部ブッシュ30を押圧する。これにより、作動軸3は設定量を超えて第2変位位置まで変位し、各ダイヤル4について探索部材101の突部105がロックギヤ5の側面に当接する(図13,14)。
もし、解錠符号が揃えられている回動角度のダイヤル4が存在すれば、そのダイヤル4については、対応するロックギヤ5の係合段部57に探索部材101の突部105の係合端部105aが係合するので、ロックギヤ5の所定の方向への回動が規制される。このことによって、ダイヤル4の解錠符号が揃った状態になっていることが分かり、そのダイヤル4の回動角度、すなわち、整列ラインLに止まったダイヤル4の符号を確認することで解錠符号が判明する。
2 アクチュエータ
3 作動軸
4 ダイヤル
5 ロックギヤ
6 記憶機構
7 往復動機構
9 ロック機構
21a 内筒
21b 外筒
27 突起体
28 貫通溝
57 係合段部
100 解錠符号探索機構
101 探索部材
102 変位機構
105 突部
Claims (3)
- 周面に複数の符号が表された複数個のダイヤルと、各ダイヤルを決められた位置で回動可能に支持する軸方向へ往復動可能な作動軸と、解錠操作および施錠操作に一体に応動する内筒および外筒を有し前記内筒にはマスター鍵が未挿入の状態で外筒と係合しマスター鍵が挿入された状態で外筒との係合が外れて外筒内で内筒を回動可能となす錠機構が組み込まれたアクチュエータと、前記外筒と前記作動軸との間に設けられ外筒の回動に応動して作動軸を設定量だけ往復動させる往復動機構と、前記作動軸上の各ダイヤルの位置にそれぞれ設けられ前記作動軸の設定量の移動に伴って移動することにより各ダイヤルと係合して解錠符号を記憶するダイヤル毎のロックギヤと、全てのダイヤルの解錠符号が揃えられたときアクチュエータの作動を許容し全てのダイヤルの解錠符号が揃えられなかったときアクチュエータの作動を規制するロック機構と、各ダイヤルの解錠符号を探索するための解錠符号探索機構とを備え、前記内筒には内筒の正逆回動に応動して係脱動作する掛止機構が設けられ、前記外筒は掛止機構の係脱動作に必要な角度範囲を回動するように支持されて成る符号錠装置において、
前記解錠符号探索機構は、前記アクチュエータの内筒と前記作動軸との間に設けられ前記外筒の回動角度範囲を超える内筒の回動に応動して作動軸を前記設定量を超えて変位させる変位機構と、前記作動軸上の各ダイヤルの位置にそれぞれ配置される解錠符号の探索部材とを含み、各ロックギヤの前記探索部材と対向する側面にはそれぞれ係合段部が形成されるとともに、各探索部材は、作動軸が設定量を超えて変位したとき、解錠符号が揃えられていない回動角度のダイヤルに対応するロックギヤに対してはロックギヤの回動を許容する状態でロックギヤの側面に当接し、解錠符号が揃えられている回動角度のダイヤルに対応するロックギヤに対しては前記係合段部に係合してロックギヤの回動を規制する突部を備えて成る符号錠装置。 - 前記変位機構は、内筒の外周面に突設された突起体を含み、外筒の周方向に沿って形成された貫通溝より前記突起体の先端を外筒の外周へ突出させている請求項1に記載された符号錠装置。
- 前記探索部材は、作動軸上に板面をロックギヤの側面に対向させて固定される円板状の部材であり、円板の外周を所定の角度にわたって円弧状に切り起こして弾性変形が可能な前記突部が形成されている請求項1に記載された符号錠装置。
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