JP2008189834A - ポリウレタン樹脂用ポリエステル、並びにそれを用いたポリウレタン樹脂成形体及び合成皮革 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールと、イソフタル酸を30〜75質量%含有する二塩基酸とを反応させて得られるものであることを特徴とするポリウレタン樹脂用ポリエステル。
【選択図】なし
Description
炭素数2〜9の短鎖グリコール及びポリヒドロキシ化合物からなる群から選択される少なくとも一つの架橋剤(B)、
を含有する樹脂組成物を硬化反応させて得られるものであることを特徴とするものである。
先ず、本発明のポリウレタン樹脂用ポリエステルについて説明する。すなわち、本発明のポリウレタン樹脂用ポリエステルは、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールと、イソフタル酸を30〜75質量%含有する二塩基酸とを反応させて得られるものであることを特徴とするものである。
次に、本発明のポリウレタン樹脂成形体について説明する。すなわち、本発明のポリウレタン樹脂成形体は、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールと、イソフタル酸を30〜75質量%含有する二塩基酸とを反応させて得られるポリエステルを、ジイソシアネート化合物と反応させて得られる、固形分に対する末端イソシアネート基含有濃度が4〜10質量%のウレタンプレポリマー(A)、及び
炭素数2〜9の短鎖グリコール及びポリヒドロキシ化合物からなる群から選択される少なくとも一つの架橋剤(B)、
を含有する樹脂組成物を硬化反応させて得られるものであることを特徴とするものである。
次に本発明の合成皮革について説明する。すなわち、本発明の合成皮革は、前記ポリウレタン樹脂成形体を備えるものである。そして、このような合成皮革は、繊維基布基材と前記ポリウレタン樹脂成形体とを備えるものであることが好ましい。
引張試験機(島津製作所社製、製品名「オートグラフ」)を用いて、試料の伸び及び引張強度を測定した。なお、伸びとは、引張試験において試料が破断した時の伸びた長さを試験前の長さで割った百分率(%)をいう。また、引張強度とは、引張試験で試料が降伏点・耐力を超えさらに大きな荷重に耐えたとし、その時の最大荷重を試験前の断面積で割った値(単位:kgf/mm2)をいう。
動的粘弾性試験機(レオメトリック社製)を用いて、ガラス転移点を測定した。すなわち、動的粘弾性試験機を用いて、試料の損失弾性率を測定し、その測定結果から損失弾性率の最大値を解析し、その値をガラス転移点とした。
先ず、試料の引張強度を測定した後に、試料に温度70℃、湿度95%の雰囲気下に10週間放置する耐湿熱性試験を施した。次に、このような耐湿熱性試験後の試料の引張強度を測定し、その測定値から引張強度保持率〔(耐湿熱性試験後の引張強度/耐湿熱性試験前の引張強度)×100〕を算出した。そして、算出された引張強度保持率に基づいて耐加水分解性を評価した。なお、引張強度保持率が50%以上の場合を「合格」と判定し、引張強度保持率が50%未満の場合を「不合格」と判定した。
先ず、攪拌機、温度計、分留器、水分分離器、還流冷却器、窒素導入管及び減圧装置を備えたフラスコに、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール(協和発酵ケミカル(株)製)121質量部、イソフタル酸40質量部、アジピン酸60質量部、及びテトラブチルチタネート0.005部を仕込み、温度220℃まで昇温した。その後、減圧度20mmHgの条件下において、12時間脱水縮合せしめてポリエステルを得た。なお、得られたポリエステルにおいては、水酸基価が56、酸価が0.1、数平均分子量が2000であった。また、得られたポリエステルは、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、イソフタル酸及びアジピン酸を原料とするものであり、原料の二塩基酸中におけるイソフタル酸含有量は40質量%である。
ポリエステルの原料として2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール119質量部、イソフタル酸50質量部及びアジピン酸50質量部を用いた以外は実施例1と同様にしてポリエステル、及びポリウレタン樹脂成形体を得た。なお、得られたポリエステルにおいては、数平均分子量が2000であった。また、得られたポリエステルは、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、イソフタル酸及びアジピン酸を原料とするものであり、原料の二塩基酸中におけるイソフタル酸含有量は50質量%である。
ポリエステルの原料として2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール118質量部、イソフタル酸60質量部及びアジピン酸40質量部を用いた以外は実施例1と同様にしてポリエステル、及びポリウレタン樹脂成形体を得た。なお、得られたポリエステルにおいては、数平均分子量が2000であった。また、得られたポリエステルは、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、イソフタル酸及びアジピン酸を原料とするものであり、原料の二塩基酸中におけるイソフタル酸含有量は60質量%である。
ポリエステルの原料として2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール116質量部、イソフタル酸75質量部及びアジピン酸25質量部を用いた以外は実施例1と同様にしてポリエステル、及びポリウレタン樹脂成形体を得た。なお、得られたポリエステルにおいては、数平均分子量が2000であった。また、得られたポリエステルは、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、イソフタル酸及びアジピン酸を原料とするものであり、原料の二塩基酸中におけるイソフタル酸含有量は75質量%である。
ポリエステルの原料として2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール138質量部、イソフタル酸50質量部及びアジピン酸50質量部を用いた以外は実施例1と同様にしてポリエステルを得た。なお、得られたポリエステルにおいては、数平均分子量が1000であった。また、得られたポリエステルは、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、イソフタル酸及びアジピン酸を原料とするものであり、原料の二塩基酸中におけるイソフタル酸含有量は50質量%である。
ポリエステルの原料として2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール103質量部、イソフタル酸50質量部及びセバシン酸50質量部を用いた以外は実施例1と同様にしてポリエステル、及びポリウレタン樹脂成形体を得た。なお、得られたポリエステルにおいては、数平均分子量が2000であった。また、得られたポリエステルは、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、イソフタル酸及びセバシン酸を原料とするものであり、原料の二塩基酸中におけるイソフタル酸含有量は50質量%である。
実施例1で得られたコーティング用組成物にカルボジイミド化合物としてスターバックゾールP(バイエル社製)をコーティング用組成物の固形分に対して0.6質量%添加した以外は実施例1と同様にしてポリウレタン樹脂成形体を得た。
実施例1で得られたコーティング用組成物にエポキシ化合物としてEX614B(ナガセケムテックス(株)製)をコーティング用組成物の固形分に対して1.0質量%添加した以外は実施例1と同様にしてポリウレタン樹脂成形体を得た。
実施例1で得られたコーティング用組成物にカルボジイミド化合物としてスターバックゾールP(バイエル社製)をコーティング用組成物の固形分に対して0.6質量%添加し、エポキシ化合物としてEX614B(ナガセケムテックス(株)製)をコーティング用組成物の固形分に対して1.0質量%添加した以外は実施例1と同様にしてポリウレタン樹脂成形体を得た。
ポリエステルの原料としてエチレングリコール13質量部、ネオペンチルグリコール53質量部、イソフタル酸40質量部及びアジピン酸60質量部を用いた以外は実施例1と同様にして比較用のポリエステル、及び比較用のポリウレタン樹脂成形体を得た。なお、得られたポリエステルにおいては、数平均分子量が2000であった。また、得られたポリエステルは、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、イソフタル酸及びアジピン酸を原料とするものであり、原料の二塩基酸中におけるイソフタル酸含有量は40質量%である。
ポリエステルの原料として2−メチル−1,3−プロピレングリコール66質量部、イソフタル酸40質量部及びアジピン酸60質量部を用いた以外は実施例1と同様にして比較用のポリエステル、及び比較用のポリウレタン樹脂成形体を得た。なお、得られたポリエステルにおいては、数平均分子量が2000であった。また、得られたポリエステルは、2−メチル−1,3−プロピレングリコール、イソフタル酸及びアジピン酸を原料とするものであり、原料の二塩基酸中におけるイソフタル酸含有量は40質量%である。
ポリエステルの原料としてノナンジオール121質量部、イソフタル酸40質量部及びアジピン酸60質量部を用いた以外は実施例1と同様にして比較用のポリエステル、及び比較用のポリウレタン樹脂成形体を得た。なお、得られたポリエステルにおいては、数平均分子量が2000であった。また、得られたポリエステルは、ノナンジオール、イソフタル酸及びアジピン酸を原料とするものであり、原料の二塩基酸中におけるイソフタル酸含有量は40質量%である。
ポリエステルの原料として2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール123質量部、イソフタル酸25質量部及びアジピン酸75質量部を用いた以外は実施例1と同様にして比較用のポリエステル、及び比較用のポリウレタン樹脂成形体を得た。なお、得られたポリエステルにおいては、数平均分子量が2000であった。また、得られたポリエステルは、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、イソフタル酸及びアジピン酸を原料とするものであり、原料の二塩基酸中におけるイソフタル酸含有量は25質量%である。
ポリエステルの原料として2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール126質量部及びアジピン酸100質量部を用いた以外は実施例1と同様にして比較用のポリエステル、及び比較用のポリウレタン樹脂成形体を得た。なお、得られたポリエステルにおいては、数平均分子量が2000であった。また、得られたポリエステルは、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール及びアジピン酸を原料とするものであり、原料の二塩基酸中におけるイソフタル酸含有量は0質量%である。
実施例1〜9及び比較例1〜5で得られたポリウレタン樹脂成形体の伸び、引張強度、ガラス転移点、及び耐加水分解性を測定又は評価した。得られた結果を表1に示す。
Claims (5)
- 2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールと、イソフタル酸を30〜75質量%含有する二塩基酸とを反応させて得られるものであることを特徴とするポリウレタン樹脂用ポリエステル。
- 2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールと、イソフタル酸を30〜75質量%含有する二塩基酸とを反応させて得られるポリエステルを、ジイソシアネート化合物と反応させて得られる、固形分に対する末端イソシアネート基含有濃度が4〜10質量%のウレタンプレポリマー(A)、及び
炭素数2〜9の短鎖グリコール及びポリヒドロキシ化合物からなる群から選択される少なくとも一つの架橋剤(B)、
を含有する樹脂組成物を硬化反応させて得られるものであることを特徴とするポリウレタン樹脂成形体。 - 前記ウレタンプレポリマー(A)及び前記架橋剤(B)を含有する樹脂組成物が、カルボジイミド化合物及び/又はエポキシ化合物を含有する添加剤(C)を更に含有することを特徴とする請求項2に記載のポリウレタン樹脂成形体。
- 前記ウレタンプレポリマー(A)及び前記架橋剤(B)を含有する樹脂組成物の固形分に対する、前記カルボジイミド化合物の含有量が0.3〜1質量%の範囲であり、且つ前記エポキシ化合物の含有量が0.5〜2質量%の範囲であることを特徴とする請求項3に記載のポリウレタン樹脂成形体。
- 請求項2〜4のうちのいずれか一項に記載のポリウレタン樹脂成形体を備える合成皮革。
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