JP2008188798A - フィルム搬送装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】使用済みのフィルムに発生する皺を除去し、1回のモールド工程に必要なフィルム搬送量を可及的に短くすることができるフィルム搬送装置を提供する。
【解決手段】モールド金型1のフィルム搬送方向上流側及び下流側においてテンションローラ4a、4b、テンションローラ5a、5bとの間に各々設けられ、水平方向に対して上方に所定の巻付け角θ2でフィルムを平滑面15a、16aに各々巻き付けて案内するガイド部15、16を備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、ワークが搬入されたモールド金型の金型クランプ面に張設されるフィルムを搬送するフィルム搬送装置に関する。
樹脂封止装置の一例として、モールド金型のクランプ面にリリースフィルムが張設された装置が実用化されている。この装置は、耐熱性を有するフィルムで金型面を覆って樹脂成形するため、離型性がよく金型メンテナンスを簡易にできることから利用されている。
図6を参照して従来のフィルム搬送装置の一例を説明する。リリースフィルム51は長尺状のフィルムが用いられ、供給ロール52からモールド金型53へ順次繰り出される。そしてモールド後のリリースフィルム51はモールド金型53の反対側に設けられた巻取ロール54に巻き取られる。リリースフィルム51は、モールド金型53の搬送方向上流側及び下流側に設けられたテンションローラ55(55a、55b)、テンションローラ56(56a、56b)に所定の巻付け角で巻き付けられて所定のテンションでモールド金型53の金型面と平行に張設される。また、上下動シリンダ59、60を作動させてテンションローラ55、56の位置を上下動させることができる。リリースフィルム51は、モールド金型53から離間した位置で搬送されるようになっている。
具体的には、未使用のリリースフィルム51がおよそ175℃に余熱されたモールド金型53へ搬送され、金型面に形成されたキャビティ形状にならって吸着保持される。その後モールド金型53を型閉じて溶融した樹脂がキャビティに注入されて熱硬化される。樹脂モールド後、モールド金型53を型開きしてワークが取り出され、テンションローラ55、56を利用してリリースフィルム51を金型面より引き剥がしてから、1工程分だけリリースフィルム51を巻き取るようになっている。図6では上型57にリリースフィルム51を張設する場合を例示したが下型58であってもよい。尚、リリースフィルム51は、上型57に張設する場合と下型58に設ける場合とで重力により異なる影響を受けるが、テンションローラ55、56によりフィルム張力が微調整される(特許文献1)。
特開2003−165134号公報
リリースフィルム51を例えば上型面に対して重力に抗してたるみなく平行な状態で吸着保持するには金型の両側で大きなテンションで引っ張る必要がある。しかしながら、リリースフィルム51は同じテンションで引かれていても金型面から受ける熱によりフィルムが軟化し伸びが生ずる。このため、テンションを強めると幅方向中央(短手方向)に向かって痩せ細るように縦皺(長手方向に連なる皺)が発生し、成形後にキャビティ部で伸びや凹凸が形成されて変形した部位を起点とする縦皺と結びついて巻取り側のテンションローラ56から金型面を横切って供給側のテンションローラ55の直前まで連なる長い縦皺が形成される。この縦皺を矯正すべくリリースフィルム51のテンションを強めると、変形部分に応力集中して更に変形する。
長尺状のリリースフィルム51を用いて樹脂モールドを行なう場合、製造コストを減らすためにはリリースフィルム51の使用量を可能な限り抑える必要がある。しかしながら、成形品質を維持するためには、リリースフィルム51に皺の寄らない平坦面を使用して樹脂モールドする必要がある。このため、本来なら有効利用できるフィルムエリアも皺のないフィルム面となるまでモールドに必要な長さより長い送り量を搬送しては樹脂モールドする作業を繰り返していた。
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、使用済みのフィルムに発生する皺を除去し、1回のモールド工程に必要なフィルム搬送量を可及的に短くすることができるフィルム搬送装置を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するため、次の構成を備える。
即ち、長尺状の未使用フィルムが巻き付けられた供給ロールと、使用済みのフィルムが巻き取られる巻取りロール間でフィルムをテンションローラに巻き付けることでテンションを付与しながら金型クランプ面を通過して搬送されるフィルム搬送装置であって、モールド金型のフィルム搬送方向上流側及び下流側においてテンションローラとの間に各々設けられ、水平方向に対して上方に所定の巻付け角θ2でフィルムを平滑面に巻き付けて金型面内の皺を除去するガイド部を備えたことを特徴とする。
また、フィルムの搬送量はモールド金型の上流側及び下流側に設けられたガイド部間に相当する長さL以下であることを特徴とする。
また、ガイド部はモールド金型側面、金型プラテン又はフィルムハンドラーのいずれかに設けられていることを特徴とする。
また、ガイド部のフィルムを案内する平滑面の温度はフィルムが軟化する所定温度(例えば120℃)より低いことを特徴とする。
また、モールド金型のフィルム搬送方向上流側及び下流側においてテンションローラとの間に各々設けられ水平方向に対して上方に第1の巻付け角θ1でフィルムを平滑面に巻き付けて案内する第1のガイド部と、第1の巻付け部とテンションローラとの間に各々設けられ、水平方向に対して上方に第1の巻付け角θ1より大きい第2の巻付け角θ2でフィルムを平滑面に巻き付けて案内する第2のガイド部を有し、第2のガイド部への実巻付け角θがθ=θ2−θ1で与えられ、モールド金型に対しフィルム皺の尾根部分で水平方向に対して上方にθ1だけ傾いて接していることを特徴とする。
また、フィルムの搬送量はモールド金型の上流側及び下流側に設けられた第2のガイド部間に相当する長さL2以下、より好ましくは第1のガイド部間に相当する長さL1以下(L2>L1)に設定されることを特徴とする。
本発明に係るフィルム搬送装置を用いれば、モールド金型のフィルム搬送方向上流側及び下流側においてテンションローラとの間に各々設けられ、水平方向に対して上方に所定の巻付け角θ2でフィルムを平滑面に巻き付けて案内するガイド部を備え、モールド後の凹凸や伸びが生じたフィルムを平滑面に巻き付けるように張設するので、フィルムテンションを必要以上に大きくしなくても、フィルム長手方向に沿って生ずる縦皺を幅方向両側に押し出して除去することができる。また、水平方向に対して上方に所定の巻付け角θ2でフィルムを案内するので、モールド金型と干渉することもなく、ガイド面にエッジを形成することなく適度なテンションを付与して張設することができる。
また、ガイド部のフィルムを巻き付けるR面の温度は120℃以下であるとフィルムの強度低下と伸びを抑え皺の挫屈を防いで皺を除去することができる。
また、モールド金型のフィルム搬送方向上流側及び下流側においてテンションローラとの間に各々設けられ水平方向に対して上方に第1の巻付け角θ1でフィルムを平滑面に巻き付けて案内する第1のガイド部を設けることで、モールド金型の直近でフィルムに発生した縦皺の尾根部分を平滑面上で幅方法に伸ばすことができる。また、水平方向に対して上方に第1の巻付け角θ1より大きい第2の巻付け角θ2でフィルムを平滑面に巻き付けて案内する第2のガイド部を設けることで、金型より離間した高温にさらされ難いテンションローラの手前側で再度縦皺を平滑面上で幅方向に伸ばすことができ、使用済みのフィルムの強度を損なうことなく長手方向に発生する縦皺を除去することができる。
また、フィルムの第1、第2のガイド部への実巻付け角θがθ=θ2−θ1で与えられ、金型面内のフィルム皺を除去するためのフィルムの第1のガイド部への巻付き角θ1を必要以上に大きくすることがないので、平滑面に当接するフィルムの摩擦抵抗を適度に抑えて皺が座屈せずに幅方向へ滑らせてフィルムを平坦化することができる。
また、フィルムの搬送量はモールド金型の上流側及び下流側に設けられた第2のガイド部間に相当する長さL2以下、より好ましくは第1のガイド部間に相当する長さL1以下(L2>L1)に設定されると、1回のモールド工程に必要なフィルム搬送量を可及的に短くすることができ、生産コストを低減できる。
以下、本発明に係るフィルム搬送装置の好適な実施の形態について添付図面と共に詳述する。樹脂封止装置に設けられたモールド金型のうち上型クランプ面に長尺状のリリースフィルムが張設されるフィルム搬送装置を例示して説明する。
図1において、モールド金型1のフィルム搬送方向上流側及び下流側にはフィルムハンドラーE及びFが各々設けられている。フィルムハンドラーEには、供給ロール2、送りローラ3、テンションローラ4a、4bが設けられている。フィルムハンドラーFには、テンションローラ5a、5b、送りローラ6、巻取りロール7が設けられている。供給ロール2には、未使用リリースフィルム8が巻き付けられている。巻取りロール7は樹脂モールド後の使用済みリリースフィルム8が巻き取られる。
リリースフィルム8は、封止樹脂に接触する金型面を覆うものであり、本実施例では上型9の樹脂路やキャビティ凹部を覆ってクランプ面に吸着保持される。リリースフィルム8は、モールド金型1の加熱温度に耐えられる耐熱性を有するもので、金型面より容易に剥離するものであって、柔軟性、伸展性を有するフィルム材、例えば、PTFE、ETFE、PET、FEP、フッ素含浸ガラスクロス、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリジン等が好適に用いられる。上記リリースフィルム8を用いることでモールド金型1にエジェクタピンや樹脂モールド後に金型面をクリーニングするクリーナー部を設ける必要がない。
また、上型9のフィルム搬送方向両端面には第1のガイド部10、11が設けられている。これらの第1のガイド部10、11は、図2A,Bにおいて、水平方向に対して上方に所定の巻付け角θ1(例えば0≦<θ1≦3度)でリリースフィルム8を平滑面10a、11aに巻き付けて案内する。巻付け角θ1は0度を含みこの場合にはリリースフィルム8は上型9のクランプ面と平行に搬送される。また、リリースフィルム8が第1のガイド部10、11の端部でエッヂに当たらないように滑らかな面で逃がす必要がある。
また、上型9とそのフィルム搬送方向上流側に設けられたテンションローラ4a、4bの間、上型9とそのフィルム搬送方向下流側に設けられたテンションローラ5a、5bの間には第2のガイド部15、16が各々設けられている。これらの第2のガイド部15、16は、図2A,Bにおいて、水平方向に対して上方に所定の巻付け角θ2(例えば6≦θ2≦13度)でリリースフィルム8を平滑面に巻き付けて案内することで、金型面内で長手方向に発生する皺を幅方向に逃がして除去する。
また、図1において、リリースフィルムの1回のモールド工程に必要な搬送量は、上型9の上流側及び下流側に設けられた第2のガイド部15、16間に相当する長さL以下になっている。実験では、第2のガイド部15、16がない場合に比べて10%程度リリースフィルム8の搬送量を削減できることが判明している。このため、1回のモールド工程に必要なフィルム搬送量を可及的に短くすることができ、生産コストを低減できる。
また、第2のガイド部15、16はモールド金型1の搬送方向上流側及び下流側の側面に各々設けられている。尚、第2のガイド部15、16はプレスベースやフィルムハンドラーE、Fに設けられていてもよい。図2A、Bにおいて、第2のガイド部15、16のリリースフィルム8を案内する平滑面15a、16aは、例えばテフロン(登録商標)樹脂がコーティングされている。第2のガイド部15、16は、モールド金型1の温度(およそ170℃〜180℃)比べて低温、例えば120℃以下であることが好ましい。これにより、リリースフィルム8の伸びを抑え、長手方向に連続する縦皺を幅方向に送る際の挫屈を防いで皺を除去することができる。平滑面15a、16aは平面形状であっても、R面形状であってもいずれでもよいが、テンションローラ4a側並びにテンションローラ5a側の端面はリリースフィルム8がθ2で巻き付いたときにエッヂが当たらないように滑らかな面で逃がす必要がある。
ここで、リリースフィルム8の搬送動作について説明する。
図1において、リリースフィルム8は供給ロール2から送りローラ3、テンションローラ4a、4b、ガイド部10を経てモールド金型1(上型9)へ搬送される。モールド金型1を通過したリリースフィルム8は、ガイド部11を経てテンションローラ5a、5b、送りローラ6を経て巻取りロール7に巻き取られるようになっている。
テンションローラ4a、4b及びテンションローラ5a、5bは、上下動シリンダ12、13によって上下動するようになっている。リリースフィルム8が搬送される場合には、上下動シリンダ12、13によってリリースフィルム8を上型9より離間させた状態で所定量搬送される。また、リリースフィルム8を上型9に吸着保持させる場合には、上下動シリンダ12、13によってリリースフィルム8を上型9に当接させてから吸着保持される。
図3は、モールド金型1をクランプした状態を示す。リリースフィルム8が上型9に吸着保持されたまま、図示しないワークを載せた下型14が上動した型閉じが行なわれ、樹脂モールドされる。図4A,Bにおいてリリースフィルム8は、第1のガイド部10、11に対して水平方向に対して巻付き角θ1、第2のガイド部15、16に対して水平方向に対して巻付き角θ2をもって各々巻付けられている。
樹脂モールドが終了すると、型開きして下型14よりワークが取り出される。また上型9のリリースフィルム8の吸着を解除して上下動シリンダ12、13を作動させて上型9よりリリースフィルム8を離間させてから(図1参照)、所定量Lだけ巻き取って皺のないフィルム面をモールド金型1へ搬送する。
次に、フィルム搬送装置の他例について図5を参照して説明する。尚、図5はモールド金型のフィルム搬送方向下流側の構成を示すものである。また、上記実施例と同一部材には同様の番号を付して説明を援用するものとする。
本実施例は、上型9のフィルム搬送方向上流側端部及び下流側端部に第1のガイド部10(図示せず)、11が各々設けられている。また、上型9の金型プラテン17上であって第1のガイド部10とフィルム搬送方向上流側テンションローラ4a、4bとの間(図示せず)、第1のガイド部11とフィルム搬送方向下流側のテンションローラ5a、5bとの間には、第2のガイド部15(図示せず)、16が各々設けられている。第2のガイド部15、16はリリースフィルム8を水平方向に対して上方に第2の巻付け角θ2で平滑面15a(図示せず)、16aに巻き付けてリリースフィルム8の金型面内の皺を除去する。
上述した各実施例において、リリースフィルム8の第1、第2のガイド部11、16への実巻付け角θはθ=θ2−θ1で与えられる。例えばθ1は0≦θ1≦3°、θ2は6°≦θ2≦13°に設定されると、実巻付け角θは3°≦θ≦13°となる(θ1=0のときθ=θ2)。これによりリリースフィルム8の第1のガイド部11への巻付き角を必要以上に大きくすることなく、平滑面11aに当接するリリースフィルム8の摩擦抵抗を適度に抑えて皺が座屈せずに幅方向へ滑るので、フィルム面を平坦化することができる。
また、リリースフィルム8の搬送量はモールド金型1の上流側及び下流側に設けられた第2のガイド部15、16間に相当する長さL2以下、より好ましくは第1のガイド部10、11間に相当する長さL1以下(L2>L1)に設定されると、1回のモールド工程に必要なフィルム搬送量を可及的に短くすることができ、生産コストを低減できる。
尚、フィルム搬送装置は、モールド金型の上型面のみならず下型面にも設けられていても良いし、下型面のみに設けられていてもよい。
樹脂封止装置は上述したトランスファー成形装置のみならず圧縮成形装置などにおいても適用可能である。
フィルム搬送状態を示すフィルム搬送装置の説明図である。 図1のフィルム搬送方法上流側及び下流側のガイド部の拡大図である。 金型クランプ状態を示すフィルム搬送装置の説明図である。 図3のフィルム搬送方法上流側及び下流側のガイド部の拡大図である。 他例に係るフィルム搬送装置の説明図である。 従来のフィルム搬送装置の説明図である。
符号の説明
E、F フィルムハンドラー
1 モールド金型
2 供給ロール
3、6 送りローラ
4a、5a、4b、5b テンションローラ
7 巻取りロール
8 リリースフィルム
9 上型
10、11 第1のガイド部
10a、11a、15a、16a 平滑面
12、13 上下動シリンダ
14 下型
15、16 第2のガイド部
17 金型プラテン

Claims (6)

  1. 長尺状の未使用フィルムが巻き付けられる供給ロールと、使用済みのフィルムが巻き取られる巻取りロール間でフィルムをテンションローラに巻き付けることでテンションを付与しながら金型クランプ面を通過して搬送されるフィルム搬送装置であって、
    モールド金型のフィルム搬送方向上流側及び下流側においてテンションローラとの間に各々設けられ、水平方向に対して上方に所定の巻付け角θ2でフィルムを平滑面に巻き付けて金型面内の皺を除去するガイド部を備えたフィルム搬送装置。
  2. フィルムの搬送量はモールド金型の上流側及び下流側に設けられたガイド部間に相当する長さL以下である請求項1記載のフィルム搬送装置。
  3. ガイド部はモールド金型側面、金型プラテン又はフィルムハンドラーのいずれかに設けられている請求項1記載のフィルム搬送装置。
  4. ガイド部のフィルムを案内する平滑面の温度はフィルムが軟化する所定温度より低い請求項1記載のフィルム搬送装置。
  5. モールド金型のフィルム搬送方向上流側及び下流側においてテンションローラとの間に各々設けられて水平方向に対して上方に第1の巻付け角θ1でフィルムを平滑面に巻き付けて案内する第1のガイド部と、
    第1の巻付け部とテンションローラとの間に各々設けられ、水平方向に対して上方に第1の巻付け角θ1より大きい第2の巻付け角θ2でフィルムを平滑面に巻き付けて案内する第2のガイド部を有する請求項1記載のフィルム搬送装置。
  6. フィルムの搬送量はモールド金型の上流側及び下流側に設けられた第2のガイド部間に相当する長さL2以下、より好ましくは第1のガイド部間に相当する長さL1以下(L2>L1)に設定される請求項5記載のフィルム搬送装置。
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