以下に、図面を参照して、本願に係る発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は本発明の一実施形態である遊技機の概略正面図、図2はその遊技機の概略ブロック図、図3はその遊技機における演出制御基板及びサブ中継基板の概略ブロック図である。ここでは、遊技機が、いわゆるパチスロ機といわれる回胴式遊技機である場合について説明する。
本実施形態の回胴式遊技機は、図1及び図2に示すように、第一回胴リール11a,第二回胴リール11b,第三回胴リール11cと、表示窓12と、メダル投入口13と、クレジット数表示部14と、MAXベットボタン15と、一枚投入ボタン16と、ベット枚数表示部17と、スタートレバー18と、第一停止ボタン19a,第二停止ボタン19b,第三停止ボタン19cと、精算ボタン21と、払出数表示部22と、メダル放出口23と、メダル受皿24と、払出装置25と、画像表示部30と、開閉扉装置40と、電飾表示部50と、スピーカ部60と、冷陰極管(不図示)と、冷陰極管基板71と、投入メダル検出センサ81と、MAXベットボタン操作検出センサ82と、一枚投入ボタン操作検出センサ83と、スタートレバー操作検出センサ84と、第一停止ボタン操作検出センサ85a,第二停止ボタン操作検出センサ85b,第三停止ボタン操作検出センサ85cと、第一回胴リール駆動手段86a,第二回胴リール駆動手段86b,第三回胴リール駆動手段86cと、主制御基板110と、演出制御基板120と、サブ中継基板130とを備える。尚、回胴式遊技機の筐体は、本体部と、その本体部の前面側に開閉可能に設けられたドア部とを有する。図1はそのドア部を正面から見たときの回胴式遊技機を示している。
図1に示すように、回胴式遊技機の中央部のやや上側には、第一回胴リール11a、第二回胴リール11b、第三回胴リール11cが並べて配設されている。各回胴リール11a,11b,11cは、複数の図柄を一列に配した図柄列を有しており、回転可能に構成されている。これらの回胴リール11a,11b,11cは、複数の図柄を変動させる変動表示及びその変動表示を停止させる停止表示が可能な図柄表示手段としての役割を果たすものである。第一回胴リール11aは第一回胴リール駆動手段86aにより駆動され、第二回胴リール11bは第二回胴リール駆動手段86bにより駆動され、そして、第三回胴リール11cは第三回胴リール駆動手段86cにより駆動される。ここで、各回胴リール駆動手段86a,86b,86cとしては、例えばステッピングモータが用いられる。これら回胴リール駆動手段86a,86b,86cの制御は、主制御基板110により行われる。尚、主制御基板110は、各回胴リール11a,11b,11cが表示窓12内の所定の位置に表示している図柄をステッピングモータのステップ数で把握することが可能であり、かかる表示図柄の把握には公知の方法が用いられる。
各回胴リール11a,11b,11cに配される図柄には、例えば、赤色の数字「7」図柄(赤7図柄)、青色の数字「7」図柄(青7図柄)、BAR図柄、リプレイ図柄、スイカ図柄、ベル図柄、チェリー図柄等がある。各回胴リール11a,11b,11cの外周には、これらの図柄が合計21個若しくはそれ以下の個数、配されている。また、回胴リール11a,11b,11c毎に各図柄の数及び図柄の配置順序は異なっている。
表示窓12は回胴リール11a,11b,11cの前側に設けられた透明な窓部である。この表示窓12は、三つの回胴リール11a,11b,11cの停止時に回胴リールの回転方向に沿って三つの図柄を、その回転方向に直交する方向に沿って三つの図柄を表示することができる。すなわち、遊技者は、図1に示すように、第一回胴リール11a、第二回胴リール11b、第三回胴リール11cの停止時において表示窓12からそれぞれの回胴リール11a,11b,11cに付された三つの図柄(合計九つの図柄)を目視することができる。
回胴式遊技機では、三つの回胴リール11a,11b,11cの停止時に表示される図柄を、各種の役に対応する図柄の組合せに揃えるというゲーム(遊技)が行われる。すなわち、三つの回胴リール11a,11b,11cが回転を開始した後に三つの回胴リール11a,11b,11cが停止したときに、複数種類の役のうちいずれかの役に対応する図柄の組合せが表示窓12に停止表示されれば、ゲームの結果は当該役の入賞となる。
メダル投入口13は、遊技者がメダル(遊技媒体)を投入するための投入口である。投入メダル検出センサ81はメダル投入口13の内部に設けられており、メダルがメダル投入口13に投入されたことを検出するものである。投入メダル検出センサ81からの検出信号は主制御基板110に送られる。主制御基板110は、かかる投入メダル検出センサ81からの検出信号に基づいて、メダルが何枚投入されたのかを認識することができる。
表示窓12のすぐ下側には、クレジット数表示部14が設けられている。クレジット数表示部14は、メダルのクレジット数(貯留数)を所定の範囲内(例えば50枚以内)で表示するものである。主制御基板110は、ゲームの結果が所定の役の入賞になると、その役に対応して払い出されるメダルの払出枚数を現在のクレジット数に加算し、その加算した数をクレジット数表示部14に表示させる。
本実施形態の回胴式遊技機では、メダルを1枚、2枚又は3枚投入することにより、一回のゲームを行うことができる。1枚、2枚又は3枚のメダルを投入することは、ゲームを行うための条件である。このため、遊技者は、ゲームを行う際に、1枚、2枚又は3枚のメダルをメダル投入口13から投入するか、或いは、現在のメダルのクレジット数からメダル1枚分、メダル2枚分又はメダル3枚分のクレジット数を使用しなければならない。
MAXベットボタン15及び一枚投入ボタン16は、メダル投入口13から実際にメダルを投入することに代えて、クレジットされているメダルの中から1枚、2枚又は3枚のメダルを使用してゲームを行う旨を指示するための遊技指示手段である。MAXベットボタン15及び一枚投入ボタン16は、表示窓12の左下側に設けられている。MAXベットボタン15は、クレジットされているメダルの中から3枚のメダルを使用してゲームを行うことを指示するボタンであり、また、一枚投入ボタン16は、クレジットされているメダルの中から1枚、2枚又は3枚のメダルを使用してゲームを行うことを指示するボタンである。具体的には、一枚投入ボタン16を一回押すことにより、クレジットされているメダルの中から1枚のメダルを使用してゲームを行うことが指示され、一枚投入ボタン16を二回押すことにより、クレジットされているメダルの中から2枚のメダルを使用してゲームを行うことが指示され、そして、一枚投入ボタン16を三回押すことにより、クレジットされているメダルの中から3枚のメダルを使用してゲームを行うことが指示される。すなわち、一枚投入ボタン16を三回押すことは、MAXベットボタン15を一回押すことと同じである。
MAXベットボタン操作検出センサ82はMAXベットボタン15が押されたことを検出するものであり、一枚投入ボタン操作検出センサ83は一枚投入ボタン16が押されたことを検出するものである。各ボタン操作検出センサ82,83からの検出信号は、主制御基板110に送られる。主制御基板110は、かかる検出信号を受けると、何枚のメダルを使用してゲームを行うのかを認識すると共に、現在のクレジット数からその認識したメダル枚数分のクレジット数を減算し、その減算した数をクレジット数表示部14に表示させる。
表示窓12の左下側には、ベット枚数表示部17が設けられている。かかるベット枚数表示部17は、当該ゲームに使用するメダルの枚数を表示するものである。具体的には、一枚投入ボタン16が一回押されると、主制御基板110は、ベット枚数表示部17の「一」の部分に対応するランプを点灯させる。一枚投入ボタン16が二回押されると、主制御基板110は、ベット枚数表示部17の「二」の部分に対応するランプを点灯させる。そして、一枚投入ボタン16が三回押され、又はMAXベットボタン15が押されると、主制御基板110は、ベット枚数表示部17の「三」の部分に対応するランプを点灯させる。
スタートレバー18は、ゲームを開始する旨を指示するために遊技者が操作するものである。メダル投入口13から一回のゲームを行うのに必要な枚数のメダルが投入されるか、又は、既に一回のゲームを行うのに必要な枚数のメダルがクレジットされている状態でMAXベットボタン15の操作、若しくは一枚投入ボタン16の必要回数の操作のうちいずれかの操作が行われることにより、スタートレバー18の操作が可能となる。ここで、一回のゲームは、スタートレバー18が操作されることにより開始し、三つの停止ボタン19a,19b,19cがすべて押されることにより終了する。スタートレバー操作検出センサ84は、スタートレバー18が操作されたことを検出するものである。スタートレバー操作検出センサ84は、スタートレバー18が操作されたことを検出すると、ゲーム開始信号を主制御基板110に送る。主制御基板110は、投入メダル検出センサ81、MAXベットボタン操作検出センサ82、一枚投入ボタン操作検出センサ83のいずれかから信号が送られて、ゲームを行うのに必要な枚数のメダルが投入されていることを認識しているときに、スタートレバー操作検出センサ84からゲーム開始信号を受けると、ゲーム開始の処理を行う。具体的には、主制御基板110は、ゲーム開始信号を受けると、乱数値を取得し、その乱数値に基づいて役の抽選処理を行うと共に、前回のゲーム開始信号の受信時から4.1秒以上経過していれば直ちに、4.1秒経過前であれば4.1秒経過後に、三つの回胴リール11a,11b,11cの回転動作を開始する。このように、スタートレバー18は、三つの回胴リール11a,11b,11cの変動表示動作を開始する契機を与える変動指示手段としての役割を果たしている。
第一停止ボタン19aは第一回胴リール11aの回転動作の停止を指示するためのものであり、第二停止ボタン19bは第二回胴リール11bの回転動作の停止を指示するためのものであり、第三停止ボタン19cは第三回胴リール11cの回転動作の停止を指示するためのものである。すなわち、各停止ボタン19a,19b,19cは、当該回胴リールが停止表示する契機を与える停止指示手段としての役割を果たす。また、第一停止ボタン操作検出センサ85aは第一停止ボタン19aが押されたことを検出するものであり、第二停止ボタン操作検出センサ85bは第二停止ボタン19bが押されたことを検出するものであり、第三停止ボタン操作検出センサ85cは第三停止ボタン19cが押されたことを検出するものである。各停止ボタン操作検出センサ85a,85b,85cからの検出信号は、主制御基板110に送られる。主制御基板110は、停止ボタン操作検出センサ85a,85b,85cからの検出信号を受けると、当該停止ボタン操作検出センサに対応する回胴リールの回転動作を所定の制御方法により停止する。
本実施形態では、三つの回胴リール11a,11b,11cを停止させて所定の図柄を揃えるための入賞ラインが五つ設定されている。すなわち、表示窓12の上部、中央部、下部のそれぞれを通り水平方向に延びた三つのラインと、表示窓12の左上から右下に向かって延びるラインと、表示窓12の左下から右上に向かって延びるラインとである。メダルを何枚使用してゲームを行うかに応じて、有効な入賞ラインが異なる。1枚のメダルを使用してゲームを行う場合には、表示窓12の中央部を通り水平方向に延びる一つの入賞ラインだけが有効な入賞ラインとなる。2枚のメダルを使用してゲームを行う場合には、表示窓12の上部、中央部、下部のそれぞれを通り水平方向に延びた三つの入賞ラインだけが有効な入賞ラインとなる。そして、3枚のメダルを使用してゲームを行う場合には、五つの入賞ラインすべてが有効な入賞ラインとなる。三つの回胴リール11a,11b,11cが停止したときに、五つの入賞ラインのうち有効な入賞ライン上に所定の図柄の組合せが揃えば、ゲームの結果はその組合せに対応する役の入賞となる。
役の種類には、ベル小役と、チェリー小役と、スイカ小役と、リプレイ役と、ビッグボーナス(BB)と、チャレンジタイムビッグボーナス(CT)とがある。このうち、ベル小役、チェリー小役及びスイカ小役は、小当りである小役と称されるものである。主制御基板110による役の抽選処理によりベル小役に当選したときには、遊技者は当該ゲームにおいて三つのベル図柄を有効な入賞ライン上に揃えることが可能になる。そして、三つのベル図柄が有効な入賞ライン上に揃うと、ベル小役の入賞となる。また、主制御基板110による役の抽選処理によりチェリー小役に当選したときには、遊技者は当該ゲームにおいて第一回胴リール11aに配されたチェリー図柄を表示窓12内のいずれかの位置に停止表示させることが可能になる。そして、第一回胴リール11aに配されたチェリー図柄が表示窓12内のいずれかの位置に停止表示されると、チェリー小役の入賞となる。更に、主制御基板110による役の抽選処理によりスイカ小役に当選したときには、遊技者は当該ゲームにおいて三つのスイカ図柄を有効な入賞ライン上に揃えることが可能になる。そして、三つのスイカ図柄が有効な入賞ライン上に揃うと、スイカ小役の入賞となる。このように小役に入賞すると、当該小役の種類に応じて所定枚数のメダルが払い出される。
また、主制御基板110による役の抽選処理によりリプレイ役に当選したときには、遊技者は当該ゲームにおいて三つのリプレイ図柄を有効な入賞ライン上に揃えることが可能になる。そして、三つのリプレイ図柄が有効な入賞ライン上に揃うと、リプレイ役の入賞となる。リプレイ役に入賞すると、回胴式遊技機は、再遊技の状態、すなわち、今回のゲームで使用したメダルの枚数と同数のメダルが自動投入されたものとみなされ、遊技者が新たにメダルを投入することなく、再度、ゲームを行うことが可能な状態となる。尚、本実施形態では、リプレイ役はメダルの払出しがないことから、リプレイ役を小役に含めていないが、次のゲームのための新たなメダルの投入操作が不要なので、そのゲームに使用したメダルが払い出されたと仮定して、リプレイ役を小役として取扱うことも可能である。
BB及びCTは、いわゆるボーナスと称される大役である。主制御基板110による役の抽選処理によりBBに当選すると、遊技者は、三つの赤7図柄を有効な入賞ライン上に揃えることができるようになる。三つの赤7図柄が有効な入賞ライン上に揃うと、BBの入賞となる。BBに入賞すると、回胴式遊技機では、BBゲームが実行される。BBゲームでは、小役の当選確率が飛躍的に向上して、遊技者が短期間に多量のメダルを獲得することができる。このBBゲームは、メダルの累積払出枚数が例えば345枚を超えたときに終了する。また、主制御基板110による役の抽選処理によりCTに当選すると、遊技者は、三つの青7図柄を有効な入賞ライン上に揃えることができるようになる。この三つの青7図柄が有効な入賞ライン上に揃うと、CTの入賞となる。CTに入賞すると、回胴式遊技機では、CTゲームが実行される。CTゲームでは、リール制御が特殊な制御状態となり、役の抽選結果に関係なく、遊技者の技量次第でいずれの小役をも有効な入賞ライン上に揃えることができるようになる。このCTゲームは、メダルの累積払出枚数が例えば150枚を超えたときに終了する。
払出数表示部22は、各ゲームにおいてそのゲームの結果に応じて払い出されるメダルの払出枚数を表示するものである。払出数表示部22の制御は主制御基板110により行われる。メダル放出口23からは、例えば、遊技者が精算ボタン21を押した場合にそのときのクレジット数に対応する数のメダルが放出される。メダル受皿24は、メダル放出口23から放出されるメダルを蓄積するための皿である。また、払出装置25は、所定の回転機構(不図示)を利用してメダルを一枚ずつメダル放出口23から払い出す装置である。かかる払出装置25の動作は、主制御基板110により制御される。
画像表示部(画像表示手段)30、開閉扉装置(開閉手段)40、電飾表示部50、スピーカ部60は、遊技の状況に応じて遊技に関わる演出を行う演出手段としての役割を果たすものである。画像表示部30は、表示窓12の上側に設けられている。本実施形態では、画像表示部30として液晶表示装置を用いている。かかる画像表示部30は、図1及び図2に示すように、液晶パネル(表示部)31と、液晶制御基板(個別制御手段)32とを有する。液晶パネル31は表示窓12の上側中央に配置されている。液晶制御基板32は液晶パネル31を制御するものである。画像表示部30は、複数の文字、数字、図形やキャラクター等の画像を液晶パネル31の画面に変動表示することにより、役の成立の予告、所定の情報の告知、その他の遊技に関わる演出を行う。例えば、大当り確定を予告するプレミアム演出を行ったり、有効な入賞ライン上に揃えるべき図柄の種類を告知したりする。この画像表示部30の演出制御は、主制御基板110からのコマンド(指令信号)に基づいて演出制御基板120により行われる。
開閉扉装置40は、液晶パネル31の前面側に設けられており、液晶パネル31を外部に開示又は閉鎖するものである。この開閉扉装置40は、図1及び図2に示すように、左扉部41aと、右扉部41bと、開閉扉制御基板(個別制御手段)42とを有する。左扉部41aは液晶パネル31の左前面側に配され、右扉部41bは液晶パネル31の右前面側に配されている。左扉部41a及び右扉部41bはそれぞれ、左右方向に移動可能に構成されている。かかる左扉部41a及び右扉部41bの基本的な状態には、左扉部41a及び右扉部41bが互いに中央で接している状態である完全閉状態、完全閉状態から左扉部41aだけが左方向に移動した状態である左開状態、完全閉状態から右扉部41bだけが右方向に移動した状態である右開状態、そして、完全閉状態から左扉部41aが左方向に、右扉部41bが右方向に移動した状態である完全開状態がある。扉部41a,41bが完全閉状態にある場合、遊技者は液晶パネル31の画面を全く見ることができない。扉部41a,41bが左開状態又は右開状態にある場合、遊技者は液晶パネル31の画面の左半分又は右半分しか見ることができない。扉部41a,41bが完全開状態にある場合、遊技者は液晶パネル31の画面をすべて見ることができる。尚、図1には扉部41a,41bが完全開状態にある場合を示している。
開閉扉制御基板42は、左扉部41aの動作と右扉部41bの動作とを個別に制御するものである。具体的に、開閉扉制御基板42は、扉部41a,41bが上記四つの基本的な状態のいずれかに移行するのを制御するが、その際に各扉部41a,41bをさまざまな速度で動作させることができる。本実施形態では、開閉扉装置40を、遊技に関わる演出を行う装置として使用している。例えば、開閉扉装置40は、液晶パネル31の画面に表示される画像の内容に応じて扉部41a,41bが動作を行うことにより、その画像が表示されている画面の全部又は一部を覆い隠して、その覆い隠した部分で表示されている画像の内容を遊技者に見せないようにするという演出を行う。この開閉扉装置40の制御は、主制御基板110からのコマンドに基づいて演出制御基板120により行われる。
電飾表示部50は、複数の表示用ランプ(表示素子)を点灯表示することにより、各種の遊技状態を報知したり、遊技に関わる演出を行ったりするものである。本実施形態では、表示用ランプとして、発光ダイオード(light-emitting diode、以下「LED」とも称する。)を用いている。この電飾表示部50は、図1及び図2に示すように、中央トップLED基板51と、左側トップLED基板52と、右側トップLED基板53と、左サイドLED基板54と、右サイドLED基板55と、左パネルLED基板56と、右パネルLED基板57と、左操作部LED基板58と、右操作部LED基板59とを有する。
中央トップLED基板51は、図1に示すように、ドア部の上端部裏側であってその中央部に設けられている。中央トップLED基板51には中央トップLEDユニットが搭載されている。この中央トップLEDユニットは、24個の白色発光のLEDから構成されている。また、図1に示すように、左側トップLED基板52はドア部の上端部裏側であってその左側部に設けられ、右側トップLED基板53はドア部の上端部裏側であってその右側部に設けられている。左側トップLED基板52には左側トップLEDユニットが搭載され、右側トップLED基板53には右側トップLEDユニットが搭載されている。左側トップLEDユニット及び右側トップLEDユニットはそれぞれ、6個の三色(赤、緑、青)発光のLEDから構成されている。
左サイドLED基板54は、図1に示すように、ドア部の左端部裏側であってその外周部に設けられている。左サイドLED基板54には左サイドLEDユニットが搭載されている。この左サイドLEDユニットは、22個の単色(赤色)発光のLEDから構成されている。また、右サイドLED基板55は、図1に示すように、ドア部の右端部裏側であってその外周部に設けられている。右サイドLED基板55には右サイドLEDユニットが搭載されている。この右サイドLEDユニットは、22個の単色(赤色)発光のLEDから構成されている。
左パネルLED基板56は、図1に示すように、ドア部の裏側であって左サイドLED基板54よりも中央寄りの位置に設けられている。具体的に、表示窓12の左側には五つのパネル部が形成されており、かかるパネル部に対応する部分に左パネルLED基板56が設けられている。この左パネルLED基板56には左パネルLEDユニットが搭載されている。この左パネルLEDユニットは、10個の単色(赤色)発光のLEDから構成されている。ここで、左パネルLEDユニットを構成する10個の赤色発光のLEDは、上下方向に沿って各パネル部に対応する位置に設けられている。
右パネルLED基板57は、図1に示すように、ドア部の裏側であって右サイドLED基板55よりも中央寄りの位置に設けられている。具体的に、表示窓12の右側には三つのパネル部が形成されており、かかるパネル部に対応する部分に右パネルLED基板57が設けられている。この右パネルLED基板57には右パネルLEDユニットが搭載されている。この右パネルLEDユニットは、6個の単色(赤色)発光のLEDから構成されている。ここで、右パネルLEDユニットを構成する6個の赤色発光のLEDは、上下方向に沿って各パネル部に対応する位置に設けられている。
左操作部LED基板58は、図1に示すように、ドア部の裏側であって、遊技者が操作するスタートレバー18の近傍に設けられている。この左操作部LED基板58には左操作部LEDユニットが搭載されている。この左操作部LEDユニットは、2個の単色(赤色)発光のLEDから構成されている。また、右操作部LED基板59は、図1に示すように、ドア部の裏側であって、遊技者が操作する第三停止ボタン19cの近傍に設けられている。この右操作部LED基板59には右操作部LEDユニットが搭載されている。この右操作部LEDユニットは、2個の単色(赤色)発光のLEDから構成されている。
電飾表示部50の制御は、主制御基板110からのコマンドに基づいて演出制御基板120により行われる。具体的には、演出制御基板120は、主制御基板110からのコマンドに基づいて電飾演出の内容を決定する。演出制御基板110は、その決定した電飾演出の内容に基づいて所定の点灯指令信号を作成し、その点灯指令信号をサブ中継基板130に送信する。そして、サブ中継基板130は、演出制御基板120からの点灯指令信号に基づいて、複数のLEDを点灯表示制御する。すなわち、サブ中継基板130は、複数のLEDを点灯駆動する個別制御手段としての役割を果たしている。
スピーカ部60は、音により遊技に関わる演出を行うものである。スピーカ部60の制御は、主制御基板110からのコマンドに基づいて演出制御基板120により行われる。かかるスピーカ部60は、図1及び図2に示すように、第一ドアスピーカ61と、第二ドアスピーカ62と、背面スピーカ63とを有する。第一ドアスピーカ61及び第二ドアスピーカ62はそれぞれ、ドア部の裏側上部の左側、右側に設けられている。また、背面スピーカ63は回胴式遊技機の背面側に設けられている。
冷陰極管は、ドア部の裏側であって表示窓12の上方に設けられている。冷陰極管は、主に、回胴リール11a,11b,11cに光を照射して、回胴リール11a,11b,11cに記された図柄の視認性を良くするという役割を果たす。冷陰極管基板71は、冷陰極管を駆動するものである。具体的に、冷陰極管基板71には、インバータ回路や高電圧発生回路等が搭載されている。駆動用のパルス信号(ON信号)が演出制御基板120からサブ中継基板130を介して冷陰極管基板71に送られると、インバータ回路が駆動し、そのインバータ回路からの信号に基づいて高電圧発生回路が高電圧を発生させることにより、冷陰極管が点灯する。
次に、主制御基板110について説明する。主制御基板110は、主に遊技内容やメダルの払出しの制御及び管理を行う。かかる主制御基板110には、複数の集積回路素子が実装されている。具体的に、主制御基板110は、図2に示すように、ROM111と、RAM112と、CPU113とを備える。ROM111には、遊技内容の制御等に関する各種のプログラムが格納されている。また、RAM112は、データを一時的に記憶する作業用のメモリである。
CPU113は、ROM111に格納されたプログラムを実行することにより、遊技内容の制御等を行う。例えば、CPU113は、役の抽選処理を行う。具体的に、この役の抽選処理は次のようにして行われる。ROM111には、役と乱数値との対応関係を示した抽選テーブルが格納されている。CPU113は、スタートレバー操作検出センサ84からの信号を受けると、乱数値を取得する。そして、その取得した乱数値が、抽選テーブルにおいていずれの役に該当するかを調べることにより、どの役に当選したか、いずれの役にも該当しない、いわゆる「不当選」に当選したかを決定する。CPU113は、役抽選の結果に基づいて、遊技内容の制御を行ったり、所定のコマンドを演出制御基板120に送信したりする。
また、CPU113は、三つの回胴リールの駆動を開始するリール駆動開始制御及び回胴リールの駆動を停止するリール駆動停止制御を行う。このリール駆動停止制御には、小役、リプレイ役、大役のいずれかの役に当選した場合に行われるリール引込み制御、不当選に当選した場合に行われる外れ制御等が含まれる。
リール引込み制御とは、停止ボタンが押されたときに、その押されたタイミングで有効な入賞ライン上にある図柄を含めて当該図柄から所定のコマ数(例えば、5コマ)の範囲内に当該役を構成する図柄が存在するときに、その図柄を当該有効な入賞ライン上に引き込むように回胴リールの停止位置を制御することをいう。但し、遊技者が停止ボタンを押したタイミングにおいて上記の所定のコマ数の範囲内に当該役を構成する図柄が存在しないときには、リールの引込み制御が働かず、押したなりの図柄が有効な入賞ライン上に停止する。したがって、このときには、当該役を構成する図柄は有効な入賞ライン上に揃わず、当該役に入賞することはない。
一方、外れ制御とは、有効な入賞ラインには小役、リプレイ役、大役のいずれの役も成立しないように、回胴リールの停止位置を制御することをいう。したがって、この場合には、遊技者が特定の役を狙って停止ボタンを押したとしても、どのような役にも入賞せず、ゲームの結果はいわゆる「はずれ」となる。
また、CPU113は、遊技状態の管理をも行っている。本実施形態の回胴式遊技機では、遊技機の遊技状態として、「一般遊技状態」、「BB遊技状態」、「CT遊技状態」等の各種の遊技状態が設定されている。「一般遊技状態」とは、通常の遊技状態のことである。「BB遊技状態」は、小役の当選確率が飛躍的に向上したBBゲームが行われることにより遊技者が最も多量のメダルを獲得可能な遊技状態である。また、「CT遊技状態」は、CTゲームが行われることによりBB遊技状態に次いで遊技者が多量のメダルを獲得可能な遊技状態である。CPU73は、ゲームが開始されたときに行われる役抽選の結果やそのゲームの結果等に基づいて遊技状態の移行を制御する。このように回胴式遊技機が複数の遊技状態を有することにより、遊技状態に応じて多彩な内容の遊技を実現することができる。
更に、CPU113は、演出制御基板120へコマンドを送信する処理を行う。CPU113から演出制御基板120に送信するコマンドには多くの種類がある。例えば、役の抽選処理の結果に基づいて作成される遊技の演出に関するコマンド(演出コマンド)や、遊技者によって所定の操作が行われたときに作成されるコマンド(操作コマンド)等がある。主制御基板110から演出制御基板120に送信する上記各コマンド等、各種の信号の送信は、パラレル通信方式により行われる。
尚、回胴式遊技機に関しては、さまざまな規格が定められている。その一つに、スタートレバー18を操作してから4.1秒を経過しないと、次にスタートレバー18を操作しても、回胴リール11a,11b,11cが回転しないという規格がある。このため、CPU113は、かかる規格に合致するように、回胴リール11a,11b,11cの駆動開始制御を行う。但し、スタートレバー18を操作してから4.1秒以内に、次にスタートレバー18を操作した場合であっても、CPU113が、投入メダル検出センサ81、MAXベットボタン操作検出センサ82、一枚投入ボタン操作検出センサ83のいずれかから信号を受けて、1枚、2枚若しくは3枚のメダルが投入されたことをすでに認識していれば、乱数値に基づく役抽選処理は行われる。
次に、演出制御基板120について説明する。演出制御基板120は、主に遊技の演出に関する制御を行うものである。演出制御基板120には、複数の集積回路素子が実装されている。具体的に、演出制御基板120は、図3に示すように、ROM121と、RAM122と、CPU123と、音源LSI124と、音源データROM125と、パワーアンプ126とを備える。ROM121には、遊技演出の制御等に関する各種のプログラム、電飾演出用パターンデータ等の各種のデータが格納されている。RAM122は、データを一時的に記憶する作業用のメモリである。
音源LSI124は、音源データを送出するための複数のチャンネルを有しており、音源データROM125に記憶されている音源データを所定のチャンネルを通じて、スピーカ部60へ送出して音声を再生出力させるものである。音源データROM125には、複数の音源データと共に、各音源データに対する再生制御データが格納されている。再生制御データは、音源LSI124における当該音源データの送出を制御することによりスピーカ部60での音声の再生出力を制御するためのデータである。パワーアンプ126は、音源LSI124から送出された音信号を増幅して、スピーカ部60に出力するためのものである。
CPU123は、ROM121に格納されたプログラムを実行することにより、画像表示部30、開閉扉装置40、電飾表示部50、スピーカ部60等を制御する。具体的には、CPU123は、主制御基板110から演出コマンドを受けたとき、その演出コマンドに基づいて遊技の演出の内容を決定する。そして、CPU123は、その決定した演出内容に対応する画像演出制御用コマンド(制御データ)を作成し、サブ中継基板130を介して液晶制御基板32に送出する。これにより、液晶制御基板32は、その画像演出制御用コマンドに基づいて所定の画像パターンの表示を制御する。また、CPU123は、その決定した演出内容に対応する開閉扉演出制御用コマンド(制御データ)を作成し、サブ中継基板130を介して開閉扉制御基板42に送出する。これにより、開閉扉制御基板42は、その開閉扉演出制御用コマンドに基づいて扉部41a,41bの動作を制御する。また、CPU123は、その決定した演出内容に対応する電飾演出用パターンデータをROM121から読み出した後、その電飾演出用パターンデータに基づいて所定の点灯指令信号(制御データ)を生成する。そして、CPU123は、その生成した点灯指令信号をサブ中継基板130に送出し、そのサブ中継基板130を介して電飾表示部50を制御する。更に、CPU123は、その決定した演出内容についての情報を音源LSI124に送ると、音源LSI124は、当該情報に対応する音源データと再生制御データとを音源データROM125から読み出す。そして、音源LSI124は、その再生制御データに基づいて当該音源データの送出を制御する。音源LSI124から送出された音信号は、パワーアンプ126で増幅された後、スピーカ部60から出力される。尚、CPU123は、冷陰極管を駆動するための駆動信号を、サブ中継基板130を介して冷陰極管基板71に送出する。
このCPU123としては、パラレル通信機能とシリアル通信機能とを兼ね備えるものを用いている。このため、CPU123は、主制御基板110からの各種のコマンド(パラレル信号)を受信することができる。また、CPU123と演出制御基板120内の各集積回路素子との間では、双方向シリアルバス方式により情報の伝送を行う。ここで、双方向シリアルバス方式とは、集積回路素子を複数個並列に接続可能な伝送線を介して情報を双方向に逐次伝送する方式である。特に、本実施形態では、双方向シリアルバス方式として、I2Cバス(Inter-Integrated Circuit Bus)方式を採用している。
また、本実施形態では、演出制御基板120とサブ中継基板130との間における点灯指令信号の送信をシリアル通信方式により行うと共に、演出制御基板120と液晶制御基板32との間における画像演出制御用コマンドの送信、及び、演出制御基板120と開閉扉制御基板42との間における開閉扉演出制御用コマンドの送信を、パラレル通信方式により行うことにしている。実際、画像演出制御用コマンド及び開閉扉演出制御用コマンドとしてはそれぞれ、8ビットの信号を用いている。このため、演出制御基板120とサブ中継基板130との間を接続する伝送線は、シリアル通信用の信号線とパラレル通信用の信号線とを含んで構成されている。ここで、シリアル通信用の信号線としては、フィリップス社によって開発されたI2Cバスが用いられ、演出制御基板120とサブ中継基板130との間では、I2Cバス方式により点灯指令信号の送信が行われる。
特に、本実施形態では、演出制御基板120がサブ中継基板130を介して液晶制御基板32に画像演出制御用コマンドを送信するためのデータ線、演出制御基板120がサブ中継基板130を介して開閉扉制御基板42に開閉扉演出制御用コマンドを送信するためのデータ線としては、共通のものを使用することにしている。すなわち、演出制御基板120は、画像演出制御用コマンド及び開閉扉演出制御用コマンドを、共通のデータ線を用いて所定の制御基板32,42に送信する。かかる共通のデータ線は本発明の「第1の信号線」に該当する。このように共通のデータ線を用いて画像演出制御用コマンド及び開閉扉演出制御用コマンドの送信を行うには、演出制御基板120は各制御基板32,42に対してトリガ信号を送信する必要がある。このため、本実施形態では、演出制御基板120がサブ中継基板130を介して液晶制御基板32にトリガ信号を送信するためのスロトーブ線と、演出制御基板120がサブ中継基板130を介して開閉扉制御基板42にトリガ信号を送信するためのスロトーブ線とを個別に設けている。これら二つのストローブ線は本発明の「第2の信号線」に該当する。ここで、トリガ信号は1ビットの信号であり、このトリガ信号としてはON信号が用いられる。演出制御基板120は、画像表示部30に所定の演出を実行させる場合、液晶制御基板32にトリガ信号(ON信号)を付与することにより液晶制御基板32に画像演出制御用コマンドを受信させ、一方、開閉扉装置40に所定の演出動作を行わせる場合には、開閉扉制御基板42にトリガ信号(ON信号)を付与することにより開閉扉制御基板42に開閉扉演出制御用コマンドを受信させる。尚、以下では、画像演出制御用コマンド及び開閉扉演出制御用コマンドをまとめて単に「演出制御用コマンド」とも称することにする。また、画像表示部30及び開閉扉装置40は本発明の「特定演出手段」に該当する。
次に、サブ中継基板130について説明する。サブ中継基板130は、例えばドア部の裏面に取り付けられている。かかるサブ中継基板130には、演出制御基板120から各種の信号、すなわち、演出制御用コマンド、トリガ信号、点灯指令信号、冷陰極管駆動信号等が送られる。サブ中継基板130は、これらの信号を中継して、液晶制御基板32、開閉扉制御基板42、各LED基板51〜59、冷陰極管基板71に送信するものである。
サブ中継基板130には、図3に示すように、各基板120,32,42,51〜59,71と接続するための複数のコネクタCN1〜CN13が設けられている。具体的に、コネクタCN1は演出制御基板120のコネクタと接続するためのものである。ここで、コネクタCN1と演出制御基板130のコネクタとの間を接続する伝送線L1は、演出制御用コマンドDを送信するための8本のデータ線(第1の信号線)と、液晶制御基板32に対するトリガ信号T1を送信するための1本のストローブ線(第2の信号線)と、開閉扉制御基板42に対するトリガ信号T2を送信するための1本のストローブ線(第2の信号線)と、点灯指令信号Sを送信するためのシリアル通信線(I2Cバス)と、冷陰極管駆動信号Pを送信するための1本のデータ線とを含んで構成されている。また、コネクタCN2は伝送線L2により液晶制御基板32のコネクタと接続され、コネクタCN3は伝送線L3により開閉扉制御基板42のコネクタと接続される。ここで、伝送線L2は、演出制御用コマンドDを送信するための8本のデータ線(第1の信号線)と、液晶制御基板32に対するトリガ信号T1を送信するための1本のストローブ線(第2の信号線)とを含み、伝送線L3は、演出制御用コマンドDを送信するための8本のデータ線(第1の信号線)と、開閉扉制御基板42に対するトリガ信号T2を送信するための1本のストローブ線(第2の信号線)とを含んでいる。更に、コネクタCN4〜CN12はそれぞれ、伝送線L4〜L12によりLED基板51〜59のコネクタと接続される。そして、コネクタCN13は、冷陰極管駆動信号Pを送信するための1本のデータ線を含む伝送線L13により冷陰極管基板71のコネクタと接続される。尚、ここでは詳細な説明を省略するが、回胴式遊技機では、電源ユニット(不図示)から各基板に電力を供給しており、上記の各伝送線L1〜L13には、通常、データ線の他に、電源線及び接地線が含まれている。
また、サブ中継基板130は、演出制御基板120が行う遊技演出の制御のうち電飾表示部50に対する制御を補助する役割をも果たしている。具体的に、サブ中継基板130は、演出制御基板120から伝送線L1のシリアル通信線を介して送られた点灯指令信号Sに基づいて電飾表示部50の点灯・消灯を制御する。このサブ中継基板130には、図3に示すように、変換回路131が搭載されている。この変換回路131は、複数のシリアル−パラレル変換素子を備えている。演出制御基板120から伝送線L1のシリアル通信線を介してコネクタCN2に送られた点灯指令信号Sは、サブ中継基板130内においてシリアル通信線134を介して、双方向シリアルバス方式により各シリアル−パラレル変換素子に伝達される。この場合も、双方向シリアルバス方式としてI2Cバス方式が採用されている。
I2Cバスは、一般に、二本のワイヤー(信号伝送線)からなる簡単な構造の双方向性バスである。すなわち、I2Cバスは、シリアル・データ・ライン(SDA)とシリアル・クロック・ライン(SCL)という二本のバス・ラインのみで構成される。このバス・ラインには、回路基板や集積回路素子等の複数のデバイスの並設が可能である。また、I2Cバスに接続されている各デバイスはそれぞれ固有のアドレスを持つので、その固有アドレスを用いることにより、ソフトウエアによる各デバイスのアドレス指定が可能である。更に、かかるI2Cバスには、集積回路素子間相互の制御を効率よく行うことができ、ハードウエアの効率を最大限に引き上げ、回路の簡素化を図ることができるといった、さまざまな利点がある。
演出制御基板120が変換回路131内の各シリアル−パラレル変換素子に送る点灯指令信号(シリアル信号)にはアドレスが含まれている。各シリアル−パラレル変換素子は、自己のアドレスに対応する点灯指令信号(シリアル信号)を受信し、その点灯指令信号(シリアル信号)をパラレル信号に変換する。そして、その変換された点灯指令信号(パラレル信号)を、信号線141,142,・・・,149を介してコネクタCN4〜CN12に送信し、コネクタCN4〜C12から伝送線L4〜L12を介して所定のLED基板51〜59に出力する。
また、サブ中継基板130は、演出制御基板120から送られた各種の信号のうち、点灯指令信号以外の信号については、何らの処理をも行わずに、それらの信号を、このサブ中継基板130上に配線された後述の信号線135a〜135h,136,137を介して単に中継する役割を果たしている。いま、サブ中継基板130において演出制御用コマンドD及びトリガ信号T1,T2の送信を中継する回路の具体例を説明する。図4はサブ中継基板130において演出制御用コマンドD及びトリガ信号T1,T2の送信を中継する回路の具体例を示す図である。
演出制御用コマンドDは8ビットの信号であり、図4の例では、コネクタCN1の第23番端子から第30番端子までの合計8つの端子を介してサブ中継基板130に入力する。ここでは、演出制御用コマンドDの各ビットをそれぞれ、D0,D1,・・・,D7で表している。サブ中継基板130上には、この8ビットの演出制御用コマンドD0〜D7を送信するための8本のデータ線(第1の信号線)135a,135b,・・・,135hが形成されている。そして、これら8本のデータ線135a,135b,・・・,135hはそれぞれ、コネクタCN2の第1番端子から第8番端子までの各端子に接続されると共に、途中で分岐させて、コネクタCN3の第5番端子から第12番端子までの各端子に接続されている。これにより、演出制御用コマンドD0〜D7は、演出制御基板120からサブ中継基板130を介して液晶制御基板32及び開閉扉制御基板42に送られることになる。
また、液晶制御基板32に対するトリガ信号T1、開閉扉制御基板42に対するトリガ信号T2はそれぞれ、1ビットの信号であり、図4の例では、液晶制御基板32に対するトリガ信号T1はコネクタCN1の第31番端子を介してサブ中継基板130に入力し、開閉扉制御基板42に対するトリガ信号T2はコネクタCN1の第13番端子を介してサブ中継基板130に入力する。サブ中継基板130上には、液晶制御基板32に対するトリガ信号T1を送信するための1本のストローブ線(第2の信号線)136と、開閉扉制御基板42に対するトリガ信号T2を送信するための1本のストローブ線(第2の信号線)137とが形成されている。そして、液晶制御基板32に対するトリガ信号T1を送信するためのストローブ線136は、コネクタCN2の第9番端子に接続され、一方、開閉扉制御基板42に対するトリガ信号T2を送信するためのストローブ線137は、コネクタCN3の第13番端子に接続されている。これにより、液晶制御基板32に対するトリガ信号T1は、演出制御基板120からサブ中継基板130を介して液晶制御基板32に送られ、一方、開閉扉制御基板42に対するトリガ信号T2は、演出制御基板120からサブ中継基板130を介して開閉扉制御基板42に送られることになる。
次に、本実施形態の回胴式遊技機において、画像表示部30及び開閉扉装置40を制御する処理の手順について説明する。
演出制御基板120のCPU123は、役の抽選処理の結果に基づいて生成された演出コマンドが主制御基板110から送られると、遊技の演出の内容を決定し、その決定した内容に対応する演出制御用コマンド(画像演出制御用コマンド、開閉扉演出制御用コマンド)を生成する。次に、CPU123は、その生成した画像演出制御用コマンド及び開閉扉演出制御用コマンドをそれぞれ、液晶制御基板32、開閉扉制御基板42に送信する。この送信処理は次のように行われる。液晶制御基板32及び開閉扉制御基板42はそれぞれ、トリガ信号(ON信号)が送られている期間中、演出制御基板120から送られる8ビットの演出制御用コマンドを受信する。このため、例えば、CPU123は、まず、液晶制御基板32にトリガ信号を送信し、開閉扉制御基板42にはトリガ信号を送信しないでおく。そして、CPU123は、液晶制御基板32にトリガ信号を送信している期間中に、画像演出制御用コマンドを共通のデータ線から送信する。これにより、当該期間中には、開閉扉制御基板42はその共通のデータ線から送られる画像演出制御用コマンドを受信せず、液晶制御基板32がその共通のデータ線から送られる画像演出制御用コマンドを受信する。その後、CPU123は、液晶制御基板32にはトリガ信号を送信せず、開閉扉制御基板42にトリガ信号を送信する。そして、CPU123は、開閉扉制御基板42にトリガ信号を送信している期間中に、開閉扉演出制御用コマンドを共通のデータ線から送信する。これにより、当該期間中には、液晶制御基板32はその共通のデータ線から送られる開閉扉演出制御用コマンドを受信せず、開閉扉制御基板42がその共通のデータ線から送られる開閉扉演出制御用コマンドを受信する。こうして、液晶制御基板32及び開閉扉制御基板42にはそれぞれ、画像演出制御用コマンド、開閉扉演出制御用コマンドが送られる。液晶制御基板32はその画像演出制御用コマンドに基づいて所定の画像パターンの表示を制御すると共に、開閉扉制御基板42はその開閉扉演出制御用コマンドに基づいて扉部41a,41bの動作を制御する。
本実施形態の回胴式遊技機では、演出制御基板が液晶制御基板、開閉扉制御基板に対して演出制御用コマンドを送信するための信号線として共通のものを使用し、且つ、演出制御基板が液晶制御基板、開閉扉制御基板に対してトリガ信号を送信するための信号線として個別のものを使用しており、演出制御基板は、画像表示部に所定の演出を実行させる場合、液晶制御基板にトリガ信号を付与することにより液晶制御基板に演出制御用コマンドを受信させ、一方、開閉扉装置に所定の演出を実行させる場合、開閉扉制御基板にトリガ信号を付与することにより開閉扉制御基板に演出制御用コマンドを受信させる。このように、演出制御基板が液晶制御基板、開閉扉制御基板に対して演出制御用コマンドを送信するための信号線を共用することにより、データ送信のための配線や制御素子の数を減らすことができる。しかも、演出制御用コマンドを送信するための信号線の数を少なくしても、画像表示部及び開閉扉装置の制御を確実に行うことができると共に画像表示装置及び開閉扉装置に多彩な内容の演出を実行させることができる。
ところで、通常、遊技機には画像表示部が設けられており、演出制御基板からその画像表示部の液晶制御基板へはパラレル通信方式で信号送信が行われている。本実施形態では、かかる画像表示部を、演出制御基板が共通の信号線を使用して制御データの送信を行う特定演出手段の一つとしているので、そのパラレル通信線を、演出制御基板から画像表示部の液晶制御基板への信号送信だけでなく、演出制御基板から他の特定演出手段である開閉扉装置の開閉扉制御基板への信号送信を行うために有効に使用することができるという利点がある。
尚、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
例えば、上記の実施形態では、画像表示部及び開閉扉装置を、演出制御基板が共通の信号線を使用して制御データの送信を行う特定演出手段とした場合について説明したが、一般には、複数の演出手段のうち少なくとも二つの演出手段を特定演出手段とすればよい。
いま、複数の演出手段を特定演出手段とした場合の具体例を説明する。図5は複数の演出手段を特定演出手段とした場合における演出制御基板とサブ中継基板との間、サブ中継基板と各特定演出手段の個別制御手段との間での配線構造を説明するための図である。図5の例では、液晶表示装置、第一役物装置、第二役物装置、第三役物装置、第四役物装置、第五役物装置の合計6つの演出手段を、特定演出手段としている。役物装置とは、上記の実施形態における開閉扉装置のように、所定の制御対象物が動くように構成されている装置のことをいう。各役物装置には役物制御基板(個別制御手段)が含まれており、この役物制御基板は、演出制御基板から送られる演出制御用コマンドに基づいて当該制御対象物の動作を制御する。図5では、第n役物装置に含まれる役物制御基板のことを「第n役物制御基板」と記載している。
この場合、演出制御基板が液晶制御基板、各役物制御基板に対して演出制御用コマンド(制御データ)を送信するためのデータ線として共通のものを使用している。具体的に、演出制御基板とサブ中継基板との間を共通のデータ線で接続している。その共通のデータ線は、サブ中継基板上で分岐されており、その分岐後の各データ線は、液晶制御基板、第一役物制御基板、第三役物制御基板、第五役物制御基板の各々と接続されている。そして、第三役物制御基板上では、そのデータ線がさらに分岐され、その分岐後の各データ線は、当該第三役物制御基板のCPUと繋がれると共に、第二役物制御基板及び第四役物制御基板の各々と接続されている。また、演出制御基板が液晶制御基板、各役物制御基板に対してトリガ信号を送信するためのストローブ線としては個別のものを使用している。すなわち、演出制御基板と液晶制御基板、各役物制御基板との間を、個別のストローブ線で接続している。
演出制御基板は、共通のデータ線、個々のストローブ線を使用して、液晶制御基板、各役物制御基板を制御する。具体的には、演出制御基板は、所定の制御基板にトリガ信号を送信すると共に、その制御基板に対する制御データを共通のデータ線を使用して送信する。当該制御基板は、トリガ信号が送られている期間中、共通のデータ線を使用して送られる制御データを受信する。こうして、演出制御基板は、各特定演出手段の制御基板を制御することができる。尚、少ないビット数で制御できる制御基板がいくつかある場合には、演出制御基板は、例えば、データのエリア分割を行い、その上位ビットを一方の制御基板に対する制御データとして使用し、その下位ビットを他方の制御基板に対する制御データとして使用することにより、それら二つの制御基板に対して同時に制御データを送信することも可能である。
また、上記の実施形態では、制御データがパラレル通信方式で送信される場合に本発明を適用した例を説明したが、制御データがシリアル通信方式で送信される場合にも本発明を適用することができる。
更に、上記の実施形態では、本発明を、遊技媒体としてメダルを使用した回胴式遊技機に適用した場合について説明したが、例えば、パロット機、パチロット機等と称される、遊技媒体としてパチンコ球を使用したスロットマシン遊技機に適用してもよい。また、本発明をパチンコ遊技機に適用してもよい。