JP2008185238A - 焼成炉 - Google Patents

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Abstract

【課題】焼成炉の炉壁を構成する耐熱基壁と耐熱性結晶化ガラス壁との位置関係を適切化することにより、耐熱性結晶化ガラス壁のヒータからの熱による悪影響を回避して、その耐久性の向上を図る。
【解決手段】隣り合うヒータ9の中心軸Zの相互間の距離をD、内外方向(縦方向)に平行に延びて開口部11の両側部にそれぞれ接する直線e、fの相互間の距離をd、ヒータ9の中心軸Zを始点としてその中心軸Zから拡開しつつ内側に向かってそれぞれ傾斜して延びる直線a、bが開口部11の両側部に接する終点g、iに至るまでの内外方向の距離をhとした場合に、ヒータ9の中心軸Zから耐熱性結晶化ガラス壁5の外面に至るまでの内外方向の距離Hを、D×h/3d≦H(好ましくは更に、H≦1.5D×h/d)の関係を満たすように設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、内部に熱処理空間が形成される焼成炉に係り、特に、焼成炉の炉壁の改良に関する。
周知のように、工業用製品に対して熱処理を施す場合には、熱源として、石油、ガス、電気等を単独使用或いは併用してなる焼成炉が使用されるが、近年では、超精密部材等を精度良く焼成する要請に応じるべく電気焼成炉が広く使用されているのが実情であり、更には量産を目的とした大規模な連続式電気焼成炉が使用されるに至っている。
また、焼成炉内の熱処理空間で精密部材等の製品の焼成を行う際には、炉壁を構成する耐火物や熱源からダストが発生して精密部材等に付着したり、或いは熱源が早期に劣化したり等の不具合が生じ得るため、焼成炉の内部にはこれらの不具合を回避すべく種々の工夫が講じられている。
具体的には、従来では、炉壁の構成要素である耐火物の一部の浮遊物から製品を保護するために、腐食し難い金属製の保護板で焼成炉内における熱処理空間を覆うことが一般的な対策とされていた。しかしながら、このような対策によるにしても、保護板が高温により変形し或いは腐食する事態を回避することができず、十分な製品の保護が図られていないのが実情であった。
そこで、下記の特許文献1によれば、焼成炉(熱処理炉)の炉壁として、耐火物からなる耐熱基壁の内側に、耐熱性を有する結晶化ガラス壁を離隔して配置すると共に、耐熱基壁に複数本のヒータを内側に突出させて埋設した構成が開示されている。
しかしながら、同文献に開示の焼成炉は、耐熱基壁の内面からヒータが内側に突出している関係上、ヒータから放射される熱線または光は、耐熱性結晶化ガラス壁を通じて被処理物に向かって集中して放射される形態をなすわけではなく、ヒータから熱処理空間側のあらゆる方向に向かって放射され得ることになる。そのため、ヒータによって被処理物を加熱する効率や迅速性が低下する傾向が現れるなどして、被処理物に対する加熱特性が要請に応じたものにならない場合がある。
特許第3844067号公報
このような問題に対処すべく、図8に示すように、炉壁を構成する耐熱基壁4Pに、複数本のヒータ9Pを内側に突出させずに収容するヒータ収容空間10Pと、各ヒータ9Pからそれぞれ内側に放熱を行わせるための複数の開口部11Pとを形成し、この耐熱基壁4Pの内面に耐熱性結晶化ガラス壁5Pの外面を接触させて配置することが試みられている。このような構成によれば、ヒータ9Pからの熱線または光の主たる放射領域は、ヒータ9Pの中心軸Z1から開口部11Pの両側部に接しつつ内側に向かって傾斜して延びる直線a1、b1により囲まれた領域となり、被処理物に対して熱線等を比較的集中して放射させることが可能となるなどして、被処理物に対する加熱特性を所定の要請に合致させ得ることになる。
しかしながら、このような構成としたならば、耐熱性結晶化ガラス壁5Pに、ヒータ9Pからの熱線等が集中して照射される部位と、殆ど照射されない部位との存在により、熱の分布が不均一となる。その結果として、図9に示すように、耐熱性結晶化ガラス壁5Pに縞状の歪みWが生じることになる。即ち、高温に加熱された高加熱部位5Paでは、相対的に大きな体積収縮が生じることによりその長手方向(A−A方向)に引っ張り応力が発生し、さほど加熱されていない低加熱部位5Pbでは、相対的に小さな体積収縮が生じることにより前者と直交する方向(B−B方向)に引っ張り応力が発生する。これに起因して、高加熱部位5Paでは矢印a−a方向に割れが発生し、低加熱部位5Pbでは矢印b−b方向に割れが発生するおそれがある。そのため、耐熱性結晶化ガラス壁が熱による悪影響を受けて長期使用に耐え得なくなり、耐久性の面で劣るという不具合を招く。
そこで、本発明者は、耐熱基壁4Pの内面から耐熱性結晶化ガラス壁5Pを離隔させれば、耐熱性結晶化ガラス壁5Pの高加熱部位5Paと低加熱部位5Pbとの温度差を低減でき得ることを見い出したが、この両炉壁材4P、5Pを単に離隔させたのみでは、上記の不具合を何らの支障も伴うことなく適切に回避することができないことを把握するに至った。
本発明は、上記事情に鑑み、焼成炉の炉壁を構成する耐熱基壁と耐熱性結晶化ガラス壁との位置関係を適切化することにより、耐熱性結晶化ガラス壁のヒータからの熱による悪影響を回避して、その耐久性の向上を図ることを技術的課題とする。
本発明者は鋭意研究を重ねた結果、炉壁を構成する耐熱基壁と耐熱性結晶化ガラス壁との位置関係として、耐熱性結晶化ガラス壁がヒータからの熱による悪影響を受けることなく耐久性に優れたものとなり、且つ被処理物に対して良好な熱処理を行い得る最低限の条件を案出するに至った。
即ち、上記課題を解決するために創案された本発明は、熱処理空間を覆う炉壁を、外側の耐熱基壁と、内側の耐熱性結晶化ガラス壁とで構成すると共に、前記耐熱基壁に、複数本のヒータを内側に突出させずに中心軸を平行に配列させた状態で収容するヒータ収容空間と、各ヒータからそれぞれ内側に放熱を行わせるための複数の開口部とを形成してなる焼成炉において、前記ヒータの中心軸と直交する断面で、隣り合うヒータの中心軸の相互間の距離Dと、内外方向に平行に延びて開口部の両側部にそれぞれ接する直線の相互間の距離dと、ヒータの中心軸を始点として該中心軸から拡開しつつ内側に向かってそれぞれ傾斜して延びる直線が開口部の両側部に接する終点に至るまでの内外方向の距離hとの関連において、ヒータの中心軸から耐熱性結晶化ガラス壁の外面に至るまでの内外方向の距離Hが、D×h/3d≦Hの関係を満たすように、前記ヒータ及び開口部に対して耐熱性結晶化ガラス壁が配設されていることに特徴づけられる。
このような構成によれば、炉壁材のうちの外側に存する耐熱基壁の内面から適切な距離だけ離隔した位置に、内側に存する耐熱性結晶化ガラス壁が配設され得ることになるので、耐熱基壁の内面よりも各ヒータが内側に突出していないことと相俟って、各ヒータから開口部を通じて放射された熱線や光は、適度な大きさに拡開した後に耐熱性結晶化ガラス壁に良好に照射されることになる。この場合、耐熱性結晶化ガラス壁が耐熱基壁から離隔している距離Hは、ヒータから開口部を通じて放射される熱線や光が拡開する度合い及び隣り合うヒータ相互間の距離が加味されて決められることになるため、当該距離Hの的確性が十分なものとなる。これにより、耐熱性結晶化ガラス壁においては、ヒータから熱線等が集中して照射される部位とさほど照射されない部位とに区分されて熱の分布が極端に不均一になるという事態が回避されると共に、耐熱性結晶化ガラス壁に縞状の歪みが生じ難くなり、不当な引っ張り応力に起因する割れの発生確率が低減する。その結果、耐熱性結晶化ガラス壁が熱による悪影響を受け難くなって、長期使用に耐え得ることが可能となり、耐久性の向上が図られる。尚、上記の距離Hの上限は、熱処理空間の大きさや、被処理物の大きさ或いは特性に応じて変わるものであるため、一義的に決められるものではないが、H≦1.5D×h/dの関係を満たしていることが好ましい。
この場合、前記耐熱性結晶化ガラス壁は、耐熱基壁側から熱処理空間へのダストの侵入を阻止する防塵用の壁であることが好ましい。
このようにすれば、ヒータでの加熱時に、耐熱基壁を構成する耐火物等の一部がダストとなって浮遊しても、耐熱性結晶化ガラス壁の存在によりその浮遊物が熱処理空間に侵入することを阻止され、熱処理空間内に配置されている被処理物にダストが付着するという不具合が効果的に回避される。これにより、清浄な状態で被処理物に対して熱処理を施すことが可能となり、高品位の製品を得ることが可能となる。
以上の構成において、耐熱性結晶化ガラス壁は、耐熱基壁の天井面、底面及び側面の全域に対応して配設されていることが好ましい。
このようにすれば、上述の耐火物等のダストから被処理物を保護する効果を顕著に得ることが可能となる。尚、このような観点から、耐熱性結晶化ガラス壁は、熱処理空間の全周囲を隙間なく完全に覆っていることが好ましい。
また、以上の構成において、ヒータは、ニクロム線からなる筒状のコイルであることが好ましい。
このようにすれば、被処理物を約900℃以下の温度に加熱する場合に、ニクロム線の性能が最大限に発揮され、コスト面や温度特性面で極めて有利になるばかりでなく、耐熱基壁のヒータ収容空間にヒータを適正な状態で収容することが可能となる。
更に、以上の構成において、ヒータの外径は、前記開口部の幅方向寸法よりも長尺であることが好ましい。
このようにすれば、耐熱基壁のヒータ収容空間にヒータを固定することなく載置しておくだけで、ヒータとして上述の役割を果たすことができ、ヒータの設置の容易化が図られる。
また、以上の構成において、ヒータは、その外周面の大半が耐熱基壁との間に隙間を介在させた状態でヒータ収容空間に収容されていることが好ましい。
このようにすれば、ヒータの外周面と耐熱基壁とが密接することがないため、ヒータの熱が耐熱基壁に不当に吸熱されるという不具合が回避される。
更に、以上の構成において、熱処理空間には、被処理物としてプラズマディスプレイ用ガラス基板が配置されるようにしてもよい。
このようにすれば、表面に各種の薄膜が形成されるプラズマディスプレイ用ガラス基板の熱処理時における防塵効果が良好なものとなり、成膜不良や品質不良等が好適に回避される。
また、以上の構成において、熱処理空間では、被処理物がコンベアにより搬送される構成としてもよい。
このようにすれば、上述の種々の利点を享受しつつ、大規模な量産化を図ることが可能となる。
以上のように本発明に係る焼成炉によれば、各ヒータから開口部を通じて放射された熱線や光が、適度な大きさに拡開した後に耐熱性結晶化ガラス壁に良好に照射されることになるため、耐熱性結晶化ガラス壁においては、ヒータからの熱線等が集中して照射される部位と殆ど照射されない部位とに区分されて熱の分布が不均一になるという事態が回避され、耐熱性結晶化ガラス壁に縞状の歪みが生じ難くなる。従って、耐熱性結晶化ガラス壁には、不当な引っ張り応力が作用しなくなり、割れの発生確率が低減すると共に、熱による悪影響を受け難くなって、長期使用に耐え得ることが可能となり、耐久性の向上が図られる。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る焼成炉(電気焼成炉)を被処理物搬送方向と直角に切断した縦断正面図、図2は、その焼成炉の要部を示す拡大縦断正面図、図3は、その焼成炉の要部を示す拡大底面図である。
図1に示すように、焼成炉1は、被処理物であるプラズマディスプレイ用ガラス基板(PDP用ガラス基板)2に対して熱処理を施すための熱処理空間3が、外側の耐熱基壁4と内側の耐熱性結晶化ガラス壁5とから構成された炉壁6により覆われている。この場合、炉壁6を構成する耐熱基壁4は、天井壁部4Aと、底壁部4Bと、両側壁部4Cとを耐火物で形成してなり、断面が矩形枠状を呈すると共に、これらの各壁部4A、4B、4Cの全てから所定距離だけ内側に離隔して、断面が矩形枠状を呈する防塵用の耐熱性結晶化ガラス壁5が配設されている。詳しくは、この耐熱性結晶化ガラス壁5は、上記の4つの壁部4A、4B、4Cに対応して4つに分割されたガラス壁部分を連設してなる。また、焼成炉1の熱処理空間3内には、コンベヤ(ローラコンベヤ)7が引き通されており、このコンベヤ7によって搬送されるセッター8の上面にPDP用ガラス基板2が水平姿勢で載置されている。そして、このPDP用ガラス基板2は、熱処理空間3における高さ方向の略中央部に位置している。
上記の耐熱基壁4における天井壁部4Aと底壁部4Bとには、複数本のヒータ9が熱処理空間3を臨む状態でそれぞれの中心軸を平行にして内側に突出せずに幅方向(横方向)に所定間隔をおいて配列されている。更に、この天井壁部4Aと底壁部4Bとは両者何れについても、幅方向において複数(図例では4つ)に分割された壁部分を連設固定してなり、各壁部分毎に所定本数(図例では3本)のヒータ9が配列されている。
耐熱基壁4の天井壁部4Aと底壁部4Bとについて、天井壁部4Aの1つの壁部分を例に挙げて説明すると、図2に示すように、天井壁部4Aの内部には、相互に仕切られた矩形を呈する複数のヒータ収容空間10が形成され、これらの内側部分には各ヒータ収容空間10よりも幅方向寸法が短い開口部(スリット)11がそれぞれ形成されている。これらのヒータ収容空間10には、各開口部11の幅方向寸法よりも外径が長いヒータ9がそれぞれ収容されている。そして、これらのヒータ9は、図3に示すように、ニクロム線を円筒状のコイルに巻回してなる電熱ヒータであって、ヒータ収容空間10に固着することなく開口部11を塞ぐように収容され、その外周面の大半が耐熱基壁4との間に隙間を介在させた状態となっている。
図2を参照して、被処理物搬送方向と直角に切断した断面(ヒータ9の中心軸Zと直交する断面)において、隣り合うヒータ9の中心軸Zの相互間の距離をD、内外方向(縦方向)に平行に延びて開口部11の両側部にそれぞれ接する直線e、fの相互間の距離をd、ヒータ9の中心軸Zを始点としてその中心軸Zから拡開しつつ内側に向かってそれぞれ傾斜して延びる直線a、bが開口部11の両側部に接する終点g、iに至るまでの内外方向の距離をhとする。この場合に、ヒータ9の中心軸Zから耐熱性結晶化ガラス壁5の外面に至るまでの内外方向の距離Hは、D×h/3d≦H(好ましくは更に、H≦1.5D×h/d)の関係を満たすように、ヒータ9及び開口部11に対して耐熱性結晶化ガラス壁5が配設されている。
この場合、1つのヒータ9の中心軸Zから内側に向かって拡開する2つの直線a、bにより囲まれる領域が当該ヒータ9から放射される熱線または光の主流となるため、図2に示すように隣り合うヒータ9の中心軸Zからそれぞれ対応する開口部11の両側部に接しつつ内側に向かって傾斜して延びる直線a、bが交わる交点cの位置と、耐熱性結晶化ガラス壁5の外面の位置とが一致していることが、耐熱性結晶化ガラス壁5の熱分布を均一にする上で理論上は最も好ましいと考えられる。但し、この図示の位置よりも耐熱性結晶化ガラス壁5が天井壁部4Aに近づいても良いが、上記の距離HがD×h/3dよりも短くなると、耐熱性結晶化ガラス壁5の高加熱部位と低加熱部位との境が鮮明となって割れ等の損傷を来たすおそれがあるため、この最短距離Hよりも短くすることは避けなければならない。また、図示の位置よりも耐熱性結晶化ガラス壁5が天井壁部4Aから遠ざかっても良いが、上記の距離Hが1.5D×h/dよりも長くなると、熱処理空間3が狭くなるのに伴って均熱範囲(空間)も狭くなるため、PDP用ガラス基板2がむら無く焼成されず反ったり変形したりする等の理由から好ましくない。
そして、上記の距離Hが、D×h/3d以上であれば、図4に示すように、天井壁部4Aに対応する耐熱性結晶化ガラス壁5(ガラス壁部分)の均一な体積収縮により、その周縁部、特に4つの辺部5aの中央部に矢印k方向の歪みが生じる。しかし、この歪みは圧縮歪みであることから耐熱性結晶化ガラス壁5が強化された状態となる。そして、ヒータ9により加熱されている耐熱性結晶化ガラス壁5の温度が、例えば体積収縮が発生しやすい700〜900℃の範囲にある場合であっても、上記の距離Hが、D×h/3d以上であれば、耐熱性結晶化ガラス壁5に従来のような縞状の歪みは生じないため、不当な引っ張り応力も生じず、そのような引っ張り応力が生じていた場合と比較して、割れ等の発生確率が極めて低くなる。尚、耐熱性結晶化ガラス壁5の温度が、700℃よりも低い場合には、上記の距離Hが、D×h/3d未満であっても、体積収縮が発生し難いため、不当な引っ張り応力が生じず、割れ等の発生確率が極めて低くなる。
尚、以上の利点は、底壁部4Bに対応する位置の耐熱性結晶化ガラス壁5についても同様に享受することができ、また仮に両側壁部4Cにヒータを同様の構造で配列させたならば、その両側壁部4Cに対応する位置の耐熱性結晶化ガラス壁5についても同様に上記の利点を享受することができる。
本発明が奏する効果を確認すべく、本発明の実施例1,2及び比較例として、図2に示す距離dが7mm、距離hが11.3mm及び距離Dが25mmの焼成炉を使用し、熱処理空間の温度が800〜900℃となるようにヒータで加熱し、その後に耐熱性結晶化ガラス壁に生じている歪みを観察した。尚、耐熱性結晶化ガラス壁の歪みの観察は、ポーラリメーター(光学歪計)により行った。
本発明の実施例1は、図2に示す距離Hが22.3mmの焼成炉を使用し、実施例2は、図2に示す距離Hが38.3mmの焼成炉を使用し、比較例は、図2に示す距離Hが11.3mmの焼成炉を使用して、上記の温度に加熱された耐熱性結晶化ガラス壁の歪みの観察を上記の手法で行った。尚、実施例及び比較例で使用したヒータ(ニクロム線)コイルの外径は14.4mmφであった。そして、図5は、実施例1に係る耐熱性結晶化ガラス壁の歪の状態を示し、図6は、実施例2に係る耐熱性結晶化ガラス壁の歪の状態を示し、図7は、比較例に係る耐熱性結晶化ガラス壁の歪の状態を示している。これらの各図において、水平、垂直軸に対して45°傾斜した正方形を呈する相対的に大きいものが偏光子であって、水平、垂直軸に対して傾斜せずに正方形を呈する相対的に小さいものが耐熱性結晶化ガラス壁である。また、これらの図5〜図7は、上記のポーラリメーターを使用して、光源からの光を偏光子を介して耐熱性結晶化ガラス壁に照射し、その時の耐熱性結晶化ガラス壁の通過光を、光源と反対側から画像として撮像したものである。そして、青系色の部分は縦方向に引っ張り応力(テンション)が発生していることを示し、赤系色の部分は横方向に引っ張り応力(テンション)が発生していることを示している。
上記の観察結果として、図5に示す実施例1に係る耐熱性結晶化ガラス壁には、僅かに歪みが生じているものの、縞状の歪みは生じていない。また、図6に示す実施例2に係る耐熱性結晶化ガラス壁にも、縞状の歪みが生じていない。これに対して、図7に示す比較例に係る耐熱性結晶化ガラス壁には、縞状の歪みが鮮明に生じている。そして、この縞状の歪みは、比較例における場合よりも僅かに内側に耐熱性結晶化ガラス壁を配置することにより生じなくなるものと解することができるため、D×h/3d≦Hの関係を満たしていれば、耐熱性結晶化ガラス壁に生じる歪みが問題とはならず、D×h/2d≦Hの関係を満たしていれば、より確実に歪みが問題とはならず、D×h/1.8d≦Hの関係を満たしていれば、更により確実に歪みが問題となることはない。
本発明の実施形態に係る焼成炉の概略構成を示す縦断正面図。 上記焼成炉の要部を示す拡大縦断正面図。 上記焼成炉の要部を示す拡大底面図。 上記焼成炉における耐熱性結晶化ガラス壁の加熱後の歪の状態を示す概略平面図。 本発明の第1実施例に係る焼成炉における耐熱性結晶化ガラス壁の加熱後の歪の状態を示す詳細に示す平面図。 本発明の第2実施例に係る焼成炉における耐熱性結晶化ガラス壁の加熱後の歪の状態を詳細に示す平面図。 比較例に係る焼成炉における耐熱性結晶化ガラス壁の加熱後の歪の状態を詳細に示す平面図。 従来例に係る焼成炉の要部を示す縦断正面図。 従来の問題点を示す耐熱性結晶化ガラス壁の概略正面図。
符号の説明
1 焼成炉(電気焼成炉)
2 被処理物(プラズマディスプレイ用ガラス基板)
3 熱処理空間
4 耐熱基壁
5 耐熱性結晶化ガラス壁
6 炉壁
9 ヒータ
10 ヒータ収容空間
11 開口部
a、b 隣り合うヒータの中心軸からそれぞれ対応する開口部の両側部に接しつつ内側に向かって傾斜して延びる直線
c 直線a、bが交わる交点
D 隣り合うヒータの中心軸の相互間の距離
e、f 内外方向(縦方向)に平行に延びて開口部11の両側部にそれぞれ接する直線
d 直線e、fの相互間の距離
g、i 直線a、bが開口部に接する終点
h ヒータの中心軸を始点として該中心軸から拡開しつつ内側に向かってそれぞれ傾斜して延びる直線が開口部の両側部に接する終点に至るまでの内外方向の距離
H ヒータの中心軸から耐熱性結晶化ガラス壁の外面に至るまでの内外方向の距離
Z ヒータの中心軸

Claims (8)

  1. 熱処理空間を覆う炉壁を、外側の耐熱基壁と、内側の耐熱性結晶化ガラス壁とで構成すると共に、前記耐熱基壁に、複数本のヒータを内側に突出させずに中心軸を平行に配列させた状態で収容するヒータ収容空間と、各ヒータからそれぞれ内側に放熱を行わせるための複数の開口部とを形成してなる焼成炉において、
    前記ヒータの中心軸と直交する断面で、隣り合うヒータの中心軸の相互間の距離Dと、内外方向に平行に延びて開口部の両側部にそれぞれ接する直線の相互間の距離dと、ヒータの中心軸を始点として該中心軸から拡開しつつ内側に向かってそれぞれ傾斜して延びる直線が開口部の両側部に接する終点に至るまでの内外方向の距離hとの関連において、ヒータの中心軸から耐熱性結晶化ガラス壁の外面に至るまでの内外方向の距離Hが、
    D×h/3d≦Hの関係を満たすように、前記ヒータ及び開口部に対して耐熱性結晶化ガラス壁が配設されていることを特徴とする焼成炉。
  2. 前記耐熱性結晶化ガラス壁は、耐熱基壁側から熱処理空間へのダストの侵入を阻止する防塵用の壁であることを特徴とする請求項1に記載の焼成炉。
  3. 前記耐熱性結晶化ガラス壁は、耐熱基壁の天井面、底面及び側面の全域に対応して配設されていることを特徴とする請求項1または2に記載の焼成炉。
  4. 前記ヒータは、ニクロム線からなる筒状のコイルであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の焼成炉。
  5. 前記ヒータの外径は、前記開口部の幅方向寸法よりも長尺であることを特徴とする請求項4に記載の焼成炉。
  6. 前記ヒータは、その外周面の大半が耐熱基壁との間に隙間を介在させた状態でヒータ収容空間に収容されていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の焼成炉。
  7. 前記熱処理空間には、被処理物としてプラズマディスプレイ用ガラス基板が配置されることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の焼成炉。
  8. 前記熱処理空間では、被処理物がコンベアにより搬送されていることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の焼成炉。
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