JP2007134242A - 表示パネルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】表示パネルの生産効率の向上と、焼成工程時の放出熱量の削減を図る。
【解決手段】焼成炉F1内に設置されたローラ・コンベアV1を構成するセラミック・ローラR1の端部が焼成炉F1内から外方に突出されており、複数枚のガラス基板Pを、それぞれ長手方向が搬送方向と平行になる向きに向けられるとともに搬送方向と直交する方向に並べられた状態でセッタS1上に載置して、セッタS1とともにローラ・コンベアV1によって焼成炉F1内を搬送し、この焼成炉F1内において加熱することによりガラス基板Pの焼成を行う。
【選択図】図3
Description
この発明は、表示パネルの製造方法に関する。
一般に、プラズマディスプレイパネル(PDP)やフィールド・エミッション・ディスプレイパネル(FED)等の平面型表示パネルの製造工程において、パネルを構成するガラス基板上に配置される誘電体層や電極,リブ,蛍光体等の各種構造物は、これらの構造物を形成する材料層が所要の形状に成形された後、ガラス基板とともに焼成炉内において加熱されて焼成されることにより形成される。
図1および2は、従来の表示パネルの製造方法における焼成炉内部の稼働状態を示しており、図1はこの焼成炉Fの内部の側断面図、図2は平断面図である。
この図1および2において、Fは連続搬送式焼成炉(以下、単に焼成炉という)を示しており、ガラス基板P上に形成された材料層が各種構造物の所要の形状に成形された後、このガラス基板Pが、セッタSに載せられた状態で、焼成炉F内をローラ・コンベアVによって搬送されながら、加熱されてゆく(例えば、特許文献1参照)。
ここで、平面型表示パネルは、通常、横辺と縦辺の長さの比が4:3または16:9となるように設定されており、従来の表示パネルの製造方法では、ガラス基板Pの長手方向の辺がローラ・コンベアVの搬送方向と直角向きになるようにセッタS上に載置されて(以下、この状態を横置き状態という)、焼成炉F内を搬送される。
これは、焼成炉F内において、昇温エリアでは搬送方向に沿って上流側から下流側にゆくにしたがって加熱温度が上昇し、降温エリアでは搬送方向に沿って上流側から下流側にゆくにしたがって加熱温度が下降して、それぞれ上流側と下流側で加熱温度に差が生じるため、ガラス基板Pが、その長手方向の辺が搬送方向に対して平行になるようにセッタS上に載置される(以下、この状態を縦置き状態という)と、搬送方向においてガラス基板Pの前側部分と後側部分の間の面内温度差が、ガラス基板Pを横置き状態で搬送する場合に比べて大きくなることによって、ガラス基板Pに歪み等による割れが発生する虞が生じるためである。
このような従来の表示パネルの製造方法においては、以下のような問題が生じている。
すなわち、焼成炉F内においてガラス基板Pを搬送するローラ・コンベアVは、一般にセラミック・ローラRによって構成され、このセラミック・ローラRの両端部が、焼成炉Fの外部に配置される駆動部との連結のために、図2に示されるように焼成炉Fの炉壁から外方に突き出た構造になっている。
このため、焼成炉F内の熱エネルギの一部が、このローラ・コンベアVを構成するセラミック・ローラRを介して焼成炉Fの外部に放出されてしまい、この放出される熱エネルギが、ロス・エネルギになってしまう。
前述したように、ガラス基板Pを横置きしてローラ・コンベアVによって搬送する場合には、縦置きで搬送する場合に比べて、セラミック・ローラRの軸長を長くしなければならず、さらに、このセラミック・ローラRの軸長が長くなるのにともなって、自重で撓むのを防止するためにその直径を大きくする必要が生じる。
このセラミック・ローラRを介して外部に放出される放出熱量(ロス・エネルギ)Qは、
Q=K×ΔT×A/L
K :セラミック・ローラの熱伝導率
ΔT:炉内と炉外の温度差
A :セラミック・ローラの断面積
L :セラミック・ローラの軸長
の式によって求められ、この式から、放出熱量(ロス・エネルギ)Qは、セラミック・ローラRの断面積Aに比例し、軸長Lに反比例することが分かる。
Q=K×ΔT×A/L
K :セラミック・ローラの熱伝導率
ΔT:炉内と炉外の温度差
A :セラミック・ローラの断面積
L :セラミック・ローラの軸長
の式によって求められ、この式から、放出熱量(ロス・エネルギ)Qは、セラミック・ローラRの断面積Aに比例し、軸長Lに反比例することが分かる。
ここで、セラミック・ローラの軸長Lが、例えば2800mm,3600mm,4300mm,5600mmのとき、これらの軸長Lのセラミック・ローラRの自重による撓みが一定になるようにするためには、各軸長Lに対してそれぞれ直径を以下のように設定する必要がある。
2800mm:φ 60mm
3600mm:φ110mm
4300mm:φ170mm
5600mm:φ340mm
このように、セラミック・ローラは、軸長Lが長くなると、自重による撓みが一定になるようにするために、直径を軸長Lよりも大きい率で大きくしなければならず、断面積Aは直径の二乗に比例してさらに大きくなってしまう。
3600mm:φ110mm
4300mm:φ170mm
5600mm:φ340mm
このように、セラミック・ローラは、軸長Lが長くなると、自重による撓みが一定になるようにするために、直径を軸長Lよりも大きい率で大きくしなければならず、断面積Aは直径の二乗に比例してさらに大きくなってしまう。
前述したように、ロス・エネルギQはセラミック・ローラRの軸長Lに反比例し断面積Aに比例するために、セラミック・ローラRの軸長Lが長くなると、この軸長Lが大きくなることによって放出熱量(ロス・エネルギ)Qは減少するが、断面積Aが大きくなることによってロス・エネルギQは増加し、断面積Aが大きくなる率の方が軸長Lが長くなる率よりも大きいことによって、全体として放出熱量(ロス・エネルギ)Qは増加することになる。
このため、ガラス基板Pを横置きにして焼成炉F内を搬送する場合には、縦置きにして搬送する場合に比べて、ローラ・コンベアVを構成するセラミック・ローラRの軸長Lが長くなり、これに伴ってセラミック・ローラRの断面積Aを大きくしなければならないので、焼成炉F内からの放出熱量(ロス・エネルギ)Qが増大してしまうという問題が生じる。
この問題を解決するために、ガラス基板Pを縦置きにして焼成炉F内からの放出熱量(ロス・エネルギ)Qを小さくするとともに、焼成炉F内の昇温速度と降温速度を低下させることによって、ガラス基板Pの面内温度差による基板割れの発生を防止するようにすることも考えられる。
しかしながら、焼成炉F内の昇温速度と降温速度を低下させると、単位時間当たりの処理台数が減少して生産効率が低下してしまう。
また、昇温速度と降温速度を低下させた場合に、生産効率を確保するためには、焼成炉Fの炉長を長くする必要があり、この場合は、工場内のスペース効率が悪化したり、消費エネルギが増加するといった新たな問題が生じる。
この発明は、表示パネルの製造方法における上記のような従来の問題点を解決することをその技術的課題の一つとしている。
この発明による表示パネルの製造方法は、上記目的を達成するために、焼成炉内に設置されたローラ・コンベアのローラの端部が焼成炉内から外方に突出され、このローラ・コンベアによって表示パネル基板が載置された基板搬送板が焼成炉内を搬送されることにより、表示パネル基板の焼成が行われる表示パネルの製造方法において、複数枚の前記表示パネル基板を、それぞれ長手方向が搬送方向と平行になる向きに向けられるとともに搬送方向と直交する方向に並べられた状態で基板搬送板上に載置して、ローラ・コンベアにより焼成炉内を搬送することを特徴としている。
この発明は、焼成炉内に設置されたローラ・コンベアを構成するローラの端部が焼成炉内から外方に突出されており、複数枚の表示パネル基板を、それぞれ長手方向が搬送方向と平行になる向きに向けられるとともに搬送方向と直交する方向に並べられた状態で基板搬送板上に載置して、基板搬送板とともにローラ・コンベアによって焼成炉内を搬送し、この焼成炉内において加熱することにより表示パネル基板の焼成を行う表示パネルの製造方法を最良の実施形態としている。
この実施形態による表示パネルの製造方法によれば、表示パネル基板の焼成工程が、複数枚の表示パネルが一枚の基板搬送板上に搬送方向と直交する方向に並べられた状態で焼成炉内を搬送されることによって行われることにより、表示パネル基板を基板搬送板上に長手方向が搬送方向と平行な向き(縦置き)に載置した場合でも、各表示パネル基板に発生する面内温度差が低下することによって、焼成炉内の昇温と降温速度を低下させることなく基板割れの発生を防止することが出来るようになるとともに、基板搬送板上に複数枚の表示パネル基板を縦置きに配列することによって、表示パネル基板の一枚当たりの放出熱量(ロス・エネルギ)が従来と同等か従来よりも小さくなり、基板割れと放出熱量(ロス・エネルギ)の増大を防止しながら表示パネル基板の搬送数を増加させることによって、生産効率の向上を図ることが出来るようになる。
上記実施形態の表示パネルの製造方法において、表示パネル基板が基板搬送板上に縦向きに3列に並べられて載置されることによって、表示パネル基板の一枚当たりの放出熱量(ロス・エネルギ)が、従来のように基板搬送板上に1枚の表示パネル基板を長手方向が搬送方向と直交する方向に向けられた状態で載置して搬送する場合と比べて、大幅に小さくなる。
さらに、上記実施形態の表示パネルの製造方法において、表示パネル基板が搬送方向と平行な方向に複数行並べられた状態で基板搬送板上に載置されることによって、表示パネル基板の搬送数が増加されて、さらに生産効率が向上される。
さらに、上記実施形態の表示パネルの製造方法において、表示パネル基板が基板搬送板上に2行3列に並べられて載置されることによって、表示パネル基板の一枚当たりの放出熱量(ロス・エネルギ)が、従来のように基板搬送板上に1枚の表示パネル基板を長手方向が搬送方向と直交する方向に向けられた状態で載置して搬送する場合と比べて、大幅に小さくなるとともに、表示パネル基板の搬送数が大幅に増加されて、さらに生産効率が向上される。
さらに、上記実施形態の表示パネルの製造方法において、表示パネル基板が、プラズマディスプレイパネルのガラス基板である場合には、プラズマディスプレイパネルの生産効率の向上を図ることが出来るとともに、ガラス基板の焼成工程時における放出熱量(ロス・エネルギ)を減少させることが出来る。
以下、この発明による表示パネルの製造方法の実施例について、図面を参照しながら説明を行う。
なお、この発明は、連続搬送式焼成炉によって焼成工程を行う種々の平面型表示パネルの製造方法に適用することが可能であるが、以下においては、この発明をPDPの製造に適用した実施例について説明を行う。
図3は、この実施例において、PDPのガラス基板が連続搬送式焼成炉内を搬送されている状態を示す横断面図である。
この図3において、連続搬送式焼成炉(以下、単に焼成炉という)F1は、縦置きされた複数枚のガラス基板Pを搬送方向と直交する方向に並べた状態で収容することが出来る寸法の炉内有効幅wを有している。
この焼成炉F1内には、炉床と平行に、セラミック・ローラR1によって構成されるローラ・コンベアV1が設置されており、このローラ・コンベアV1の搬送方向と直交する方向に延びる各セラミック・ローラR1の両端部が、それぞれ焼成炉F1の側壁部から外方に突出して、図示しない駆動装置に連結されている。
ガラス基板Pが載置されてローラ・コンベアV1上を搬送されるセッタS1は、その搬送方向に直交する方向の幅が、縦置きのガラス基板Pを搬送方向と直交する方向に複数枚(図3の例では三枚)並べて載置出来る大きさに設定されている。
このセッタS1は、図4に示されるように、搬送方向と平行な方向の幅(図において上下方向の幅)が縦置きのガラス基板Pを1行分載置出来る大きさに設定されていても良く、図5に示されるように、複数行分(図示の例では2行分)載置出来る大きさに設定されていても良い。
すなわち、セッタS1は、縦置きのガラス基板Pをm行n列(m=1,2…,n=2,3…)に並べて載置出来る大きさを備えている。
この焼成炉F1によるガラス基板Pの焼成工程は、以下の様にして行われる。
すなわち、先ず、図4または5に示されるように、セッタS1上に、焼成を行うガラス基板Pが、縦置きの状態でm行n列(図4においては1行3列,図5においては2行3列)に並べて載置される。
この複数枚のガラス基板Pが載置されたセッタS1は、ローラ・コンベアV1に載せられて、このローラ・コンベアV1の駆動により、上流側から焼成炉F1内に搬入される。
焼成炉F1は、内部の加熱温度が、搬送路に沿って上流側から炉内のほぼ中央位置まで昇温され、その後、下流側に向かって降温されるように設定されており、セッタS1上に搭載されたガラス基板Pは、それぞれ、ローラ・コンベアV1によってセッタS1とともに焼成炉F1内の昇温エリアと降温エリアを搬送されながら加熱されて、ガラス基板Pに形成されている、例えば、電極や誘電体層,隔壁等の各種構造物の焼成が行われる。
ここで、前述したように、1枚のガラス基板を縦置きの状態でセッタに載せて焼成炉内で加熱を行った場合には、ガラス基板の搬送方向に沿った前側部分と後側部分の間の面内温度差が大きくなって、歪みによる基板割れが発生するが、上記のように、セッタS1上に複数枚のガラス基板Pをm行n列(m=1,2…,n=2,3…)に並べて載置して、焼成炉F1内を搬送することによって、ガラス基板Pの面内温度差による基板割れの発生を防止することが出来るとともに、焼成工程におけるガラス基板Pの1枚当たりの放出熱量(ロス・エネルギ)を、従来の場合と比べて、減少させることが出来る。
すなわち、1枚のセッタS1上にm行n列(m=1,2…,n=2,3…)に複数枚のガラス基板Pを載置して焼成炉F1内を搬送すると、このセッタS1とこのセッタS1上に載置された複数枚のガラス基板Pが有する合計の熱容量が、セッタS1のサイズが大きくなるとともに載置されたガラス基板Pの枚数が増えることによって、従来のように1枚のセッタ上に1枚のガラス基板を載置して焼成炉内を搬送する場合に比べて大きくなる。
このため、焼成炉F1内における昇温および降温の条件が同一の場合、セッタS1上に載置されて焼成炉F1内を搬送される各ガラス基板Pの昇温する速度と降温する速度がそれぞれ従来の場合と比べて遅くなり、ガラス基板Pの搬送方向に沿った前部部分と後部部分の間に発生する面内温度差が従来の場合よりも小さくなる。
これによって、焼成炉F1内における昇温および降温の条件が従来と同一の場合において、ガラス基板Pを縦置きにして搬送しても、ガラス基板Pに面内温度差による基板割れが発生するのが防止される。
図6は、セッタS1上に複数枚の縦置きのガラス基板Pを搬送方向に対して直交する方向に並べて焼成炉F1内を搬送した際にガラス基板Pに発生する面内温度差を、セッタS1上に載置されたガラス基板Pの枚数毎に示すグラフである。
この図6に示される面内温度差の測定値は、図7に示されるように、焼成炉F1の炉内有効幅wを3000mmとし、基板サイズ1200×800mmの縦置きのガラス基板Pを(a)4枚載置したセッタS1a,(b)3枚載置したセッタS1b,(c)2枚載置したセッタS1c,(d)1枚載置したセッタSを、それぞれ搬送速度300mm/minで焼成炉F1内を搬送し、図8に示されるように、ガラス基板Pの中央部ポイントpcにおける昇温速度を25℃/minに設定して、ガラス基板Pの前部ポイントpfと後部ポイントprにおけるそれぞれの基板温度を測定して算出した結果を示している。
この図6から分かるように、セッタS1上に載置されているガラス基板Pの枚数が多いほど、セッタS1のサイズが大きくなりガラス基板Pの枚数も多くなって、セッタS1とガラス基板Pの合計の熱容量が大きくなることにより、面内温度差が小さくなっていることが分かる。
そして、この図6から、従来のようにセッタ上に1枚のガラス基板Pが縦置きに載置されて搬送される場合(図7の(d)の場合)において、ガラス基板Pの面内温度差が基板割れを発生させる100℃になるような条件下(焼成炉F1内における昇温および降温速度,搬送速度等)においても、複数枚のガラス基板Pが搬送方向と直交する方向に並べて搬送される場合(図7の(a)〜(c)の場合)には、各ガラス基板Pの面内温度差が基板割れが発生する100℃よりも低くなることが分かる。
図9は、セッタS1上に複数のガラス基板Pを縦置きにm行n列(m=1,2…,n=2,3…)に載置して焼成炉F1内を搬送した場合に、ローラ・コンベアV1のセラミック・ローラR1を介して外部に放出される放出熱量(ロス・エネルギ)Qの、ガラス基板一枚当たりの値を示している。
この図9において、セラミック・ローラR1の1本当たりの放出熱量(ロス・エネルギ)Qは、前述したように、
Q=K×ΔT×A/L
K :セラミック・ローラの熱伝導率
ΔT:炉内と炉外の温度差
A :セラミック・ローラの断面積
L :セラミック・ローラの軸長
の式から求められる。
Q=K×ΔT×A/L
K :セラミック・ローラの熱伝導率
ΔT:炉内と炉外の温度差
A :セラミック・ローラの断面積
L :セラミック・ローラの軸長
の式から求められる。
そして、ガラス基板Pの基板サイズは1200×800mmであり、セッタS1の搬送方向の幅(以下、セッタ長さ)Bは、ガラス基板Pが1行配列の場合には、セッタS1上に載置されたガラス基板Pの前後に30mmずつの余裕があるように1260mmに設定され、2行配列の場合には、セッタS1上に載置された2行の前側のガラス基板Pの前方側と後側のガラス基板Pの後方側にそれぞれ30mmずつの余裕とこの2行のガラス基板P間に60mmの間隔が空くように、2520mmに設定されている。
さらに、ローラ数は、一枚のセッタS1を支持するのに必要なセラミック・ローラR1の本数を示しており、図10から、
(セッタ長さB)/(セラミック・ローラR1間のピッチp)+1
の式によって求められる。
(セッタ長さB)/(セラミック・ローラR1間のピッチp)+1
の式によって求められる。
図9には、セラミック・ローラR1間のピッチpを350mmとして算出したローラ数が記載されている。
そして、セッタS1上に載置された複数枚のガラス基板Pの1枚当たりの放出熱量は、セラミック・ローラR1の1本当たりの放出熱量(ロス・エネルギ)Qから、
(放出熱量Q)×(ローラ数)/(ガラス基板Pの枚数)
によって求められ、図9にはガラス基板PがセッタS1上に1行3列(3枚),2行3列(6枚),1行4列(4枚),2行4列(8枚)に載置されている場合の、それぞれ上式から算出されたガラス基板Pの1枚当たりの放出熱量(ロス・エネルギ)が記載されている。
(放出熱量Q)×(ローラ数)/(ガラス基板Pの枚数)
によって求められ、図9にはガラス基板PがセッタS1上に1行3列(3枚),2行3列(6枚),1行4列(4枚),2行4列(8枚)に載置されている場合の、それぞれ上式から算出されたガラス基板Pの1枚当たりの放出熱量(ロス・エネルギ)が記載されている。
図11は、セッタ上に1枚のガラス基板Pを縦置きに載置した場合(1行1列)の放出熱量(ロス・エネルギ)と、従来のように1枚のガラス基板Pを横置きに載置した場合の放出熱量(ロス・エネルギ)とを示している。
この図11と図9を比較すると、セッタS1上にガラス基板Pが縦置きに複数枚配列されて焼成炉F1内を搬送される場合には、セッタS1上にガラス基板Pが縦置きに1枚載置されて搬送される場合に比べて、ガラス基板Pの1枚当たりの放出熱量(ロス・エネルギ)が小さくなっていることが分かる。
さらに、従来のように1枚のガラス基板Pが横置きに載置される場合と比較して、ガラス基板Pの1枚当たりの放出熱量(ロス・エネルギ)は、ガラス基板Pの配列が1行3列または2行3列の場合には大幅に小さくなっており、1行4列または2行4列の場合にも、従来とほぼ同等の値になっていることが分かる。
以上のように、上記表示パネルの製造方法によれば、ガラス基板Pの焼成工程が、複数枚のガラス基板Pが1枚のセッタS1上にm行n列(m=1,2…,n=2,3…)に載置された状態で焼成炉F1内を搬送されることによって行われることにより、ガラス基板PをセッタS1上に縦置きに載置した場合でも各ガラス基板Pに発生する面内温度差が小さくなることによって、焼成炉内の昇温と降温速度を低下させることなく基板割れの発生を防止することが出来るようになるとともに、セッタS1上にガラス基板Pを縦置きに配列することによって、ガラス基板Pの1枚当たりの放出熱量(ロス・エネルギ)が従来と同等か従来よりも小さくなり、基板割れと放出熱量(ロス・エネルギ)の増大を防止しながら、ガラス基板Pの搬送数の増大による生産効率の向上を図ることが出来るようになる。
上記実施例のPDPの製造方法は、焼成炉内に設置されたローラ・コンベアを構成するローラの端部が焼成炉内から外方に突出されており、複数枚の表示パネル基板を、それぞれ長手方向が搬送方向と平行になる向きに向けられるとともに搬送方向と直交する方向に並べられた状態で基板搬送板上に載置して、基板搬送板とともにローラ・コンベアによって焼成炉内を搬送し、この焼成炉内において加熱することにより表示パネル基板の焼成を行う表示パネルの製造方法をその上位概念の実施形態としている。
この上位概念を構成する表示パネルの製造方法によれば、表示パネル基板の焼成工程が、複数枚の表示パネルが一枚の基板搬送板上に搬送方向と直交する方向に並べられた状態で焼成炉内を搬送されることによって行われることにより、表示パネル基板を基板搬送板上に長手方向が搬送方向と平行な向き(縦置き)に載置した場合でも、各表示パネル基板に発生する面内温度差が小さくなることによって、焼成炉内の昇温と降温速度を低下させることなく基板割れの発生を防止することが出来るようになるとともに、基板搬送板上に表示パネル基板を縦置きに配列することによって、表示パネル基板の1枚当たりの放出熱量(ロス・エネルギ)が従来と同等か従来よりも小さくなり、基板割れと放出熱量(ロス・エネルギ)の増大を防止しながら表示パネル基板の搬送数を増加させることによって、生産効率の向上を図ることが出来るようになる。
F1 …焼成炉
P …ガラス基板(表示パネル基板)
R1 …セラミック・ローラ(ローラ)
S1 …セッタ(基板搬送板)
V1 …ローラ・コンベア
P …ガラス基板(表示パネル基板)
R1 …セラミック・ローラ(ローラ)
S1 …セッタ(基板搬送板)
V1 …ローラ・コンベア
Claims (5)
- 焼成炉内に設置されたローラ・コンベアのローラの端部が焼成炉内から外方に突出され、このローラ・コンベアによって表示パネル基板が載置された基板搬送板が焼成炉内を搬送されることにより、表示パネル基板の焼成が行われる表示パネルの製造方法において、
複数枚の前記表示パネル基板を、それぞれ長手方向が搬送方向と平行になる向きに向けられるとともに搬送方向と直交する方向に並べられた状態で基板搬送板上に載置して、ローラ・コンベアにより焼成炉内を搬送することを特徴とする表示パネルの製造方法。 - 前記表示パネル基板が、基板搬送板上に3列に並べられて載置される請求項1に記載の表示パネルの製造方法。
- 前記表示パネル基板が、搬送方向と平行な方向に複数行並べられた状態で基板搬送板上に載置される請求項1に記載の表示パネルの製造方法。
- 前記表示パネル基板が、基板搬送板上に2行3列に並べられて載置される請求項3に記載の表示パネルの製造方法。
- 前記表示パネル基板が、プラズマディスプレイパネルのガラス基板である請求項1に記載の表示パネルの製造方法。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP2851639A1 (en) * | 2013-08-30 | 2015-03-25 | NGK Insulators, Ltd. | Setter for roller hearth kiln |
WO2020134075A1 (zh) * | 2018-12-28 | 2020-07-02 | 太仓岭川实业有限公司 | 针对模具钢的预处理装置及预处理方法 |
-
2005
- 2005-11-11 JP JP2005327919A patent/JP2007134242A/ja active Pending
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