JP5360147B2 - 多結晶シリコン還元炉 - Google Patents

多結晶シリコン還元炉 Download PDF

Info

Publication number
JP5360147B2
JP5360147B2 JP2011152793A JP2011152793A JP5360147B2 JP 5360147 B2 JP5360147 B2 JP 5360147B2 JP 2011152793 A JP2011152793 A JP 2011152793A JP 2011152793 A JP2011152793 A JP 2011152793A JP 5360147 B2 JP5360147 B2 JP 5360147B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon core
silicon
core rod
polycrystalline silicon
rod
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011152793A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011231005A (ja
Inventor
祐司 清水
一樹 水嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP2011152793A priority Critical patent/JP5360147B2/ja
Publication of JP2011231005A publication Critical patent/JP2011231005A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5360147B2 publication Critical patent/JP5360147B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Silicon Compounds (AREA)

Description

本発明は、多結晶シリコン還元炉に関する。
半導体材料となる高純度の多結晶シリコンの製造方法としてシーメンス法がある。シーメンス法は、クロロシランと水素との混合ガスからなる原料ガスを加熱したシリコン芯棒に接触させ、その表面に原料ガスの加熱分解によって生じた多結晶シリコンを析出させる製造方法であり、密閉した反応炉に多数のシリコン芯棒を立設した多結晶シリコン還元炉が用いられている。一般にこのシリコン芯棒は、逆U字状に形成されており、その両端が反応炉の炉底に設置された電極に固定されている。操業時には、この両端に電極からシリコン芯棒全体に通電し、そのジュール熱によってシリコン芯棒全体を原料ガスの加熱分解温度である、例えば1050℃から1100℃程度に加熱する(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−139891号公報(図1)
しかしながら、上記従来の多結晶シリコン還元炉には、以下の課題がある。すなわち、上記従来の多結晶シリコン還元炉は、原料ガスを導入する導入口から原料ガスを吹き付けるとこの原料ガスによってシリコン芯棒が冷却されるが、導入口がシリコン芯棒の周囲に偏って配置されているため、シリコン芯棒の表面温度分布に偏りが生じてしまう。ここで、シリコン芯棒及びシリコン芯棒に析出される多結晶シリコンによって構成される多結晶シリコンロッドは温度が高くなるにしたがってその抵抗が小さくなるので、多結晶シリコンロッド内を流れる電流が、温度の高いほうにより流れ易くなる。そして、ジュール熱は流れる電流量の大きいほうにより発生するので、多結晶シリコンロッドの表面温度分布の格差がより顕著になる。
また、多結晶シリコンは、シリコン芯棒の表面温度が高いほどより析出し易くなる。これにより、シリコン芯棒の表面温度分布に偏りが生じると、析出される多結晶シリコンがシリコン芯棒の周方向に均一に析出しなくなる。したがって、周方向で均等に多結晶シリコンが析出されずにソリが発生した多結晶シリコンロッドとなる。
さらに、多結晶シリコンロッドの温度がある閾値を超えると、表面に析出される多結晶シリコンがさらに大きな結晶粒となって成長する。したがって、いわゆるポップコーンのような表面形状不良が生じる。このような表面形状不良によって、多結晶シリコンロッドの表面積が増大するので、不純物が付着しやすくなる。
以上より、多結晶シリコンがシリコン芯棒の表面に周方向で均一に析出されないだけでなく、表面形状不良や凹みなどを発生させるという問題がある。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、表面形状不良やソリがないように多結晶シリコンを析出することが容易な多結晶シリコン還元炉を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明の多結晶シリコン還元炉は、密閉された反応炉の底部に、立設された複数のシリコン芯棒と、原料ガスを供給する導入口と、反応後のガスを排気する排気口を有する多結晶シリコン還元炉において、前記シリコン芯棒が、下記の条件(1)から(3)のうちの少なくとも1つを満たすように配置されていることを特徴とする。(1)前記シリコン芯棒と隣接して配置された前記導入口が2箇所である場合、該2箇所の導入口の各中心と前記シリコン芯棒の中心とのなす角度が、135°以上である。(2)前記シリコン芯棒と隣接して配置された前記導入口がN箇所(N≧3)である場合、該N箇所の導入口のうちのいずれか2箇所の導入口の各中心と前記シリコン芯棒の中心とのなす角度が、160°以上である。(3)前記シリコン芯棒と隣接して配置された前記導入口がN箇所(N≧3)である場合、該N箇所の導入口のうちの互いに隣り合う2箇所の導入口の各中心と前記シリコン芯棒の中心とのなす角度が、すべての組み合わせで240/N°以上480/N°以下である。
この発明によれば、シリコン芯棒と隣接して配置された導入口が2箇所である場合、2箇所の導入口の各中心とシリコン芯棒の中心とのなす角度を135°以上とすることで、導入口がシリコン芯棒の周囲に偏りなく配置される。また、シリコン芯棒と隣接して配置された導入口がN箇所(N≧3)である場合、N箇所の導入口のうちのいずれか2箇所の導入口の各中心とシリコン芯棒の中心とのなす角度を160°以上とすることで、導入口がシリコン芯棒の周囲に偏りなく配置される。そして、シリコン芯棒と隣接して配置された導入口がN箇所(N≧3)である場合、N箇所の導入口のうちの互いに隣り合う2箇所の導入口の各中心とシリコン芯棒の中心とのなす角度を、すべての組み合わせで240/N°以上480/N°以下とすることによって、導入口がシリコン芯棒の周囲に偏りなく配置される。
このように、導入口がシリコン芯棒の周囲に偏りなく配置されることで、導入口から原料ガスを反応炉内に導入したとき、原料ガスがシリコン芯棒の周面において均等に吹き付けられる。これにより、シリコン芯棒及び析出された多結晶シリコンで構成される多結晶シリコンロッドの表面温度分布に偏りが生じにくくなり、多結晶シリコンロッドの表面形状不良や凹みなどの発生を抑制することができる。また、シリコン芯棒の表面温度分布に偏りが生じにくくなることで、シリコン芯棒への通電加熱温度を高く設定して、多結晶シリコンの析出速度を向上させることができる。さらに、多結晶シリコン還元炉内への原料ガスの導入速度を高く設定することができるので、より多結晶シリコンの析出速度を上げることができる。
したがって、表面形状不良のない多結晶シリコンロッドを効率よく生産することができる。
なお、本明細書において、「隣接する」とは、対象となるシリコン芯棒に対して、周囲のシリコン芯棒のうちで最近接のシリコン芯棒との距離よりも内側に存在していることを示している。
また、本発明の多結晶シリコン還元炉は、前記シリコン芯棒が、ほぼ同心円状に配置された複数のシリコン芯棒群を構成し、該複数のシリコン芯棒群のうちの最外周のものよりも内方に配置されたシリコン芯棒群を構成するシリコン芯棒のうちの少なくとも80%が、上記の条件(1)から(3)のうちの少なくとも1つを満たすように配置されていることが好ましい。
また、本発明の多結晶シリコン還元炉は、前記複数のシリコン芯棒のうちの前記排気口と隣り合うものを除いたシリコン芯棒のうちの少なくとも80%が、上記の条件(1)から(3)のうちの少なくとも1つを満たすように配置されていることが好ましい。
これらの発明によれば、上述と同様に、析出される多結晶シリコンの表面形状不良や凹みなどの発生を抑制できる。したがって、表面形状不良のない多結晶シリコンロッドを効率よく生産することができる。
また、本発明の多結晶シリコンロッドは、シリコン芯棒と、該シリコン芯棒の周面に成長した多結晶シリコン層とを備える多結晶シリコンロッドにおいて、前記多結晶シリコン層の表面に形成された結晶粒径が他の箇所よりも小さな箇所が、前記シリコン芯棒に対して、下記の条件(4)を満たすように配置されていることを特徴とする。(4)前記結晶粒径の小さな箇所が前記多結晶シリコン層の表面に2箇所形成されている場合、該2箇所と前記シリコン芯棒の中心とのなす角度が、135°以上である。
この発明によれば、結晶粒径の小さな箇所がシリコン層の表面に2箇所形成されている場合、2箇所とシリコン芯棒の中心とのなす角度を135°以上とすることで、表面形状不良や凹みなどが抑制された多結晶シリコンロッドとすることができる。
このように、多結晶シリコンロッドは、表面形状不良や凹みなどが抑制されているので、表面に不純物が吸着しにくくなる。したがって、この多結晶シリコンロッドを用いて高純度な単結晶シリコンを製造することができる。
なお、本明細書において、「結晶粒径が小さい」とは、周囲の結晶粒径と比較して90%以下の大きさであることを示している。
また、本発明の多結晶シリコンロッドは、シリコン芯棒と、該シリコン芯棒の周面に成長した多結晶シリコン層とを備える多結晶シリコンロッドにおいて、前記多結晶シリコン層の表面に形成された結晶粒径が他の箇所よりも小さな箇所が、前記シリコン芯棒に対して、下記の条件(5)を満たすように配置されていることを特徴とする。(5)前記結晶粒径の小さな箇所が前記多結晶シリコン層の表面にN箇所(N≧3)である場合、該N箇所のいずれか2箇所と前記シリコン芯棒の中心とのなす角度が、160°以上である。
この発明によれば、結晶粒径の小さな箇所がN箇所(N≧3)である場合、N箇所のいずれか2箇所とシリコン芯棒の中心とのなす角度を160°以上することで、表面形状不良や凹みなどが抑制された多結晶シリコンロッドとすることができる。
したがって、上述と同様に、この多結晶シリコンロッドを用いて高純度な単結晶シリコンを製造することができる。
また、本発明の多結晶シリコンロッドは、シリコン芯棒と、該シリコン芯棒の周面に成長した多結晶シリコン層とを備える多結晶シリコンロッドにおいて、前記多結晶シリコン層の表面に形成された結晶粒径が他の箇所よりも小さな箇所が、前記シリコン芯棒に対して、下記の条件(6)を満たすように配置されていることを特徴とする。(6)前記結晶粒径の小さな箇所が前記多結晶シリコン層の表面にN箇所(N≧3)である場合、該N箇所のうちの互いに隣り合う2箇所と前記シリコン芯棒の中心とのなす角度が、すべての組み合わせで240/N°以上480/N°以下である。
この発明によれば、結晶粒径の小さな箇所がN箇所(N≧3)である場合、N箇所のうちの互いに隣り合う2箇所とシリコン芯棒の中心とのなす角度を、すべての組み合わせで240/N°以上480/N°以下とすることで、表面形状不良や凹みなどが抑制された多結晶シリコンロッドとすることができる。
したがって、上述と同様に、この多結晶シリコンロッドを用いて高純度な単結晶シリコンを製造することができる。
また、本発明の多結晶シリコンロッドは、シリコン芯棒と、該シリコン芯棒の周面に成長した多結晶シリコン層とを備える多結晶シリコンロッドにおいて、前記シリコン芯棒と、前記多結晶シリコン層の表面との距離が他の箇所よりも小さな箇所が、前記シリコン芯棒に対して、下記の条件(7)を満たすように配置されていることを特徴とする。(7)前記距離の小さな箇所が前記多結晶シリコン層の表面に2箇所形成されている場合、該2箇所と前記シリコン芯棒の中心とのなす角度が、135°以上である。
この発明によれば、距離の小さな箇所がシリコン層の表面に2箇所形成されている場合、2箇所とシリコン芯棒の中心とのなす角度を135°以上とすることで、表面形状不良や凹みなどが抑制された多結晶シリコンロッドとすることができる。
したがって、上述と同様に、この多結晶シリコンロッドを用いて高純度な単結晶シリコンを製造することができる。
また、本発明の多結晶シリコンロッドは、シリコン芯棒と、該シリコン芯棒の周面に成長した多結晶シリコン層とを備える多結晶シリコンロッドにおいて、前記シリコン芯棒と、前記多結晶シリコン層の表面との距離が他の箇所よりも小さな箇所が、前記シリコン芯棒に対して、下記の条件(8)を満たすように配置されていることを特徴とする。(8)前記距離の小さな箇所が前記多結晶シリコン層の表面にN箇所(N≧3)である場合、該N箇所のいずれか2箇所と前記シリコン芯棒の中心とのなす角度が、160°以上である。
この発明によれば、距離の小さな箇所がN箇所(N≧3)である場合、N箇所のいずれか2箇所とシリコン芯棒の中心とのなす角度を160°以上することで、表面形状不良や凹みなどが抑制された多結晶シリコンロッドとすることができる。
したがって、上述と同様に、この多結晶シリコンロッドを用いて高純度な単結晶シリコンを製造することができる。
また、本発明の多結晶シリコンロッドは、シリコン芯棒と、該シリコン芯棒の周面に成長した多結晶シリコン層とを備える多結晶シリコンロッドにおいて、前記シリコン芯棒と、前記多結晶シリコン層の表面との距離が他の箇所よりも小さな箇所が、前記シリコン芯棒に対して、下記の条件(9)を満たすように配置されていることを特徴とする。(9)前記距離の小さな箇所が前記多結晶シリコン層の表面にN箇所(N≧3)である場合、該N箇所のうちの互いに隣り合う2箇所と前記シリコン芯棒の中心とのなす角度が、すべての組み合わせで240/N°以上480/N°以下である。
この発明によれば、距離の小さな箇所がN箇所(N≧3)である場合、N箇所のうちの互いに隣り合う2箇所とシリコン芯棒の中心とのなす角度を、すべての組み合わせで240/N°以上480/N°以下とすることで、表面形状不良や凹みなどが抑制された多結晶シリコンロッドとすることができる。
したがって、上述と同様に、この多結晶シリコンロッドを用いて高純度な単結晶シリコンを製造することができる。
また、本発明の多結晶シリコンロッドは、シリコン芯棒と、該シリコン芯棒の周面に成長した多結晶シリコン層とを備える多結晶シリコンロッドにおいて、前記多結晶シリコン層の表面に形成された結晶粒径が他の箇所よりも小さい箇所と前記シリコン芯棒との距離が、前記多結晶シリコン層の他の箇所と前記シリコン芯棒との距離よりも短いことを特徴とする。
この発明によれば、多結晶シリコン層の表面に形成された結晶粒径が他の箇所よりも小さい箇所とシリコン芯棒との距離が、多結晶シリコン層の他の箇所とシリコン芯棒との距離よりも短いので、上述と同様に、表面に不純物が吸着しにくくなり、この多結晶シリコンロッドを用いて高純度な単結晶シリコンを製造することができる。
本発明の多結晶シリコン還元炉によれば、シリコン芯棒の表面温度分布に偏りが生じにくくなり、析出される多結晶シリコンの表面形状不良や凹みなどの発生を抑制することができる。したがって、多結晶シリコンの表面への不純物の吸着が抑制され、この多結晶シリコンを用いることでより純度の高い単結晶シリコンを製造することができる。また、シリコン芯棒への通電加熱温度を高く設定することができるので、多結晶シリコンの析出速度を向上させることができる。さらに、多結晶シリコン還元炉内への原料ガスの導入速度を高く設定することができるので、より多結晶シリコンの析出速度を上げることができる。
また、本発明の多結晶シリコンロッドによれば、表面形状不良や凹み、ソリなどの発生がなく、不純物の吸着が抑制される。
本発明の一実施形態における多結晶シリコン還元炉の部分切欠斜視図である。 図1の多結晶シリコン還元炉の縦断面図である。 図1の炉底を示す平面図である。 図3のシリコン芯棒と導入口との配置を示す部分拡大図である。
以下、本発明による多結晶シリコン還元炉の一実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態における多結晶シリコン還元炉(以下、還元炉と省略する)1は、図1及び図2に示すように、炉台11と、釣鐘形状を有して炉台11を覆うベルジャ12とを備えている。
炉台11には、図1から図3に示すように、シリコン芯棒13を保持する電極14、原料ガスを還元炉1の内部に導入する導入口15及び反応後のガスを還元炉1の外部に排出する排気口16が複数設けられている。
シリコン芯棒13は、上端で連結されてほぼ逆U字状に形成されており、電極14に保持されている。そして、図3に示すように、3対のシリコン芯棒13によって第1シリコン芯棒群21が構成され、同様に6対のシリコン芯棒13によって第2シリコン芯棒群22が、8対のシリコン芯棒13によって第3シリコン芯棒群23がそれぞれ構成される。
第1から第3シリコン芯棒群21〜23を構成するシリコン芯棒13は、それぞれ同心円状に周方向に等間隔で配置されている。
導入口15は、炉台11に18箇所設けられており、第1シリコン芯棒群21と第2シリコン芯棒群22との間に配置された6箇所の導入口15により第1導入口群25が構成され、第2シリコン芯棒群22と第3シリコン芯棒群23との間とに配置された12箇所の導入口15により第2導入口群26が構成される。
第1導入口群25を構成する導入口16は、それぞれ第1から第3シリコン芯棒群21〜23と共に同心円状に周方向に等間隔で配置されている。
また、第2導入口群26を構成する導入口16は、それぞれ第1導入口群25と共に同心円状であって、周方向において1つおきに配置されたもの同士が周方向で等間隔となるように配置されている。
ここで、図3及び図4に示すように、シリコン芯棒13と導入口15とは、以下のように配置されている。
すなわち、図4(a)に示すように、第1シリコン芯棒群21を構成するシリコン芯棒13と、このシリコン芯棒13と隣接して配置された第1導入口群25を構成する導入口15のうちの2箇所との間において、導入口15aの中心とシリコン芯棒13aの中心と導入口15bの中心とのなす角度θ1が135°以上となるように配置されている。
なお、第1シリコン芯棒群21を構成するシリコン芯棒13及び第1導入口群25を構成する導入口15は、共に周方向に等間隔で配置されている。したがって、第1シリコン芯棒群21を構成する他のシリコン芯棒13においても、図4(a)と同様の配置となる。
また、図4(b)に示すように、第2シリコン芯棒群22を構成するシリコン芯棒13と、このシリコン芯棒13と隣接して配置された第1または第2導入口群25、26を構成する導入口15のうちの2箇所との間において、導入口15aの中心とシリコン芯棒13bの中心と導入口15cの中心とのなす角度θ2と、導入口15cの中心とシリコン芯棒13bの中心と導入口15dの中心とのなす角度θ3と、導入口15dの中心とシリコン芯棒13bの中心と導入口15aの中心とのなす角度θ4とが、すべて80°以上160°以下となるように配置されている。
また、図4(c)に示すように、第2シリコン芯棒群22を構成するシリコン芯棒13と、このシリコン芯棒13と隣接して配置された第1または第2導入口群25、26を構成する導入口15のうちの2箇所との間において、導入口15bの中心とシリコン芯棒13cの中心と導入口15dの中心とのなす角度θ5と、導入口15dの中心とシリコン芯棒13cの中心と導入口15eの中心とのなす角度θ6と、導入口15eの中心とシリコン芯棒13の中心と導入口15bの中心とのなす角度θ7とのうちの角度θ7が、160°以上となるように配置されている。
なお、第2シリコン芯棒群22を構成するシリコン芯棒13及び第1導入口群25を構成する導入口15は、周方向に等間隔で配置され、第2導入口群26を構成する導入口15は、周方向で1つおきに等間隔で配置されている。したがって、第2シリコン芯棒群22を構成する他のシリコン芯棒13においても、図4(b)あるいは図4(c)と同様の配置となる。
以上より、第1及び第2シリコン芯棒群21、22を構成するシリコン芯棒13は、以下の条件式(A)〜(C)のうちの少なくとも1つを満足するように配置されている。
(A)シリコン芯棒13に隣接する導入口15が2箇所の場合、この2箇所の導入口15の各中心とシリコン芯棒13の中心とのなす角度が、135°以上である。
(B)シリコン芯棒13に隣接する導入口15が3箇所の場合、この3箇所の導入口15のうちのいずれか2箇所の導入口15の各中心とシリコン芯棒13の中心とのなす角度が、160°以上である。
(C)シリコン芯棒13に隣接する導入口15が3箇所の場合、この3箇所の導入口15のうちの互いに隣り合う2箇所の導入口15の各中心とシリコン芯棒13の中心とのなす角度が、どの組み合わせにおいても80°以上160°以下となっている。このようにすることで、なす角度が均等でなくても、なす角度の違いが−40°〜40°の範囲であれば、同様の効果を得ることができる。
排気口16は、炉台11に6箇所設けられており、第3シリコン芯棒群23の外周に、周方向に等間隔でシリコン芯棒13と同心円状となるように配置されている。
そして、ベルジャ12の外周には、熱損傷を防止するための水冷ジャケットなどの冷却手段(図示略)が設けられている。
以上のように構成された還元炉1を用いた多結晶シリコンロッドの製造方法について説明する。
まず、電極14に電流を流し、シリコン芯棒13を通電させることでジュール熱を発生させてシリコン芯棒を1100℃まで加熱する。そして、導入口15から11N(99.999999999%)の純度を有するトリクロロシラン(TCS:SiHCl)と水素との混合気体である原料ガスを導入する。
導入された原料ガスは、過熱したシリコン芯棒13に接触することで加熱分解され、シリコン芯棒13の表面に多結晶シリコンが析出することで多結晶シリコン層27を形成し、次第に太く成長して直径数十センチの多結晶シリコンロッド28になる。ここで、各シリコン芯棒13に対して導入口15から導入される原料ガスが、シリコン芯棒13の周囲に均等に吹き付ける。なお、反応後のガスは、排気口16から外部に排気される。以上のようにして、多結晶シリコンロッド28を製造する。
なお、多結晶シリコン層27において、導入口15と近接する箇所は、導入口15と近接しない箇所に比べ、その表面の結晶粒径が小さくなっている。ここで、シリコン芯棒13と導入口15とが、上述した(A)〜(C)のうちの少なくとも1つを満足するように配置されているので、多結晶シリコン層27も以下に示す(D)〜(F)のうちの少なくとも1つを満足するように形成される。
(D)結晶粒径の小さな箇所が多結晶シリコン層27の表面に2箇所形成されている場合、2箇所とシリコン芯棒13の中心とのなす角度が、135°以上である。
(E)結晶粒径の小さな箇所が多結晶シリコン層27の表面にN箇所(N≧3)である場合、N箇所のいずれか2箇所とシリコン芯棒13の中心とのなす角度が、160°以上である。
(F)結晶粒径の小さな箇所が多結晶シリコン層27の表面にN箇所(N≧3)である場合、N箇所のうちの互いに隣り合う2箇所とシリコン芯棒13の中心とのなす角度が、すべての組み合わせで240/N°以上480/N°以下である。
また、導入口15との距離が短いことで、多結晶シリコンの析出速度が遅くなるので、多結晶シリコン層27の表面においてシリコン芯棒13との距離が、その周囲と比較して小さくなるように形成されている。ここで、シリコン芯棒13と導入口15とが、上述した(A)〜(C)のうちの少なくとも1つを満足するように配置されているので、多結晶シリコン層27も以下に示す(G)〜(I)のうちの少なくとも1つを満足するように形成される。
(G)距離の小さな箇所が多結晶シリコン層27の表面に2箇所形成されている場合、2箇所とシリコン芯棒13の中心とのなす角度が、135°以上である。
(H)距離の小さな箇所が多結晶シリコン層27の表面にN箇所(N≧3)である場合、N箇所のいずれか2箇所とシリコン芯棒13の中心とのなす角度が、160°以上である。
(I)距離の小さな箇所が多結晶シリコン層27の表面にN箇所(N≧3)である場合、N箇所のうちの互いに隣り合う2箇所とシリコン芯棒13の中心とのなす角度が、すべての組み合わせで240/N°以上480/N°以下である。
このように製造された多結晶シリコンロッド28から、これをルツボ内で溶融して引き上げるCZ(チョクラルスキー)法によって単結晶シリコンインゴットが製造される。
このように構成された還元炉1によれば、第1及び第2シリコン芯棒群21、22を構成するシリコン芯棒13が上述した条件(A)〜(C)のいずれかを満足するように配置されているので、第1及び第2シリコン芯棒群21、22を構成するシリコン芯棒13の表面温度分布にムラが生じにくくなる。これにより、シリコン芯棒13及び析出した多結晶シリコンによって構成される多結晶シリコンロッド28の表面にポップコーンや凹み、ソリなどの表面形状不良が抑制される。
また、均等に通電加熱することができるので、シリコン芯棒13に流す電流量を高く設定して多結晶シリコンの析出速度を向上させることや、導入口15から導入する原料ガスの流量を高く設定することができる。したがって、表面形状不良のない多結晶シリコンロッド28を効率よく製造することができる。
また、このように構成された多結晶シリコンロッド28によれば、上述した条件(D)〜(F)のいずれかを満足しており、表面形状不良や凹みなどが抑制されているので、表面に不純物が吸着しにくくなる。したがって、この多結晶シリコンロッドを用いて高純度な単結晶シリコンを製造することができる。
次に、本発明かかる還元炉1を用いて多結晶シリコンロッドを製造した。
シリコン芯棒13に対して導入口15を上述した(A)から(C)のそれぞれの条件を満足するように配置したものと、(A)から(C)のいずれの条件も満足しないように配置したものとでシリコン芯棒13の表面に多結晶シリコンを析出させて多結晶シリコンロッドを製造した。
それぞれの多結晶シリコンロッド28において、表面形状を観察した。この結果を表1から3に示す。なお、表面から見て凹部分の底が明確に確認でき、隙間が観察されない表面状態を「ポップコーンなし」とし、凹部分の底が明確に確認できず、隙間が観察されるが、結晶粒として独立していない表面状態を「表面あれ」とし、表面から見て結晶粒として独立している状態を「ポップコーン」とした。
Figure 0005360147
Figure 0005360147
Figure 0005360147
表1から3より、上述した(A)から(C)のそれぞれの条件を満足するようにシリコン芯棒13と導入口15とを配置することによって、表面形状の不良が抑制された多結晶シリコンロッドを効率よく製造することができることを確認した。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態において、排気口16と隣り合う第3シリコン芯棒群23を除いた他のシリコン芯棒13のすべてに対して上述した条件を満足するように導入口15を配置しているが、排気口16と隣接するシリコン芯棒13を除いた他のシリコン芯棒13のうちの80%(望ましくは90%以上)が上述した(A)〜(C)のうちの少なくとも1つを満足できれば、他の位置に配置されてもよい。
また、排気口16を第3シリコン芯棒群23の外周に設けているが、排気口16と隣り合うシリコン芯棒13を除いたもののうちの80%以上(望ましくは90%以上)が上述した(A)〜(C)のうちの少なくとも1つを満足するように配置されていれば、排気口16が他の場所に配置されてもよい。
1 還元炉(多結晶シリコン還元炉)
11 炉台(底部)
13 シリコン芯棒
15 導入口
16 排気口
23 第3シリコン芯棒群
27 多結晶シリコン層
28 多結晶シリコンロッド

Claims (2)

  1. 密閉された反応炉の底部に、立設された複数のシリコン芯棒と、原料ガスを供給する複数の導入口と、反応後のガスを排気する排気口を有する多結晶シリコン還元炉において、
    前記シリコン芯棒が、ほぼ同心円状に配置された複数のシリコン芯棒群を構成し、
    該複数のシリコン芯棒群のうちの最外周のものよりも内方に配置されたシリコン芯棒群を構成するシリコン芯棒のうちの少なくとも80%が、当該シリコン芯棒と隣接して配置される前記導入口が2または3箇所であり、下記の条件(1)及び(2)を満たすように配置されていることを特徴とする多結晶シリコン還元炉。
    (1)前記シリコン芯棒と隣接して配置された前記導入口が2箇所である場合、該2箇所の導入口の各中心と前記シリコン芯棒の中心とのなす角度が、135°以上である。
    (2)前記シリコン芯棒と隣接して配置された前記導入口が3箇所である場合、該3箇所の導入口のうちの互いに隣り合う2箇所の導入口の各中心と前記シリコン芯棒の中心とのなす角度が、すべての組み合わせで80°以上160°以下である。
  2. 前記複数のシリコン芯棒のうちの前記排気口と隣り合うものを除いたシリコン芯棒のうちの少なくとも80%が、上記の条件(1)及び(2)を満たすように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の多結晶シリコン還元炉。
JP2011152793A 2011-07-11 2011-07-11 多結晶シリコン還元炉 Active JP5360147B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011152793A JP5360147B2 (ja) 2011-07-11 2011-07-11 多結晶シリコン還元炉

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011152793A JP5360147B2 (ja) 2011-07-11 2011-07-11 多結晶シリコン還元炉

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010091649A Division JP5633174B2 (ja) 2010-04-12 2010-04-12 多結晶シリコンロッド

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011231005A JP2011231005A (ja) 2011-11-17
JP5360147B2 true JP5360147B2 (ja) 2013-12-04

Family

ID=45320709

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011152793A Active JP5360147B2 (ja) 2011-07-11 2011-07-11 多結晶シリコン還元炉

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5360147B2 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5847104B2 (ja) * 2012-03-05 2016-01-20 株式会社トクヤマ 多結晶シリコンの製造方法及び該製造方法に還元剤として用いる水素ガスの製造方法
CN102674359B (zh) * 2012-05-09 2013-10-16 天津大学 带内胆的多晶硅还原炉的尾气回收液冷却装置及方法
JP5917359B2 (ja) * 2012-10-16 2016-05-11 信越化学工業株式会社 多結晶シリコン製造用原料ガスの供給方法および多結晶シリコン
CN103613099B (zh) * 2013-11-19 2015-10-14 新特能源股份有限公司 48对棒多晶硅还原炉供电系统及启动方法
JP6181620B2 (ja) 2014-09-04 2017-08-16 信越化学工業株式会社 多結晶シリコン製造用反応炉、多結晶シリコン製造装置、多結晶シリコンの製造方法、及び、多結晶シリコン棒または多結晶シリコン塊
CN106044775B (zh) * 2016-07-22 2018-08-07 中国恩菲工程技术有限公司 用于多晶硅还原炉的底盘组件和多晶硅还原炉
WO2021010051A1 (ja) * 2019-07-12 2021-01-21 株式会社トクヤマ 多結晶シリコンの製造方法
WO2021013177A1 (zh) * 2019-07-24 2021-01-28 中国恩菲工程技术有限公司 多晶硅还原炉的冷却系统和方法
CN113375058B (zh) * 2021-06-15 2023-12-01 新疆硅基新材料创新中心有限公司 一种尾气排放结构和还原炉
JP2023008110A (ja) 2021-07-05 2023-01-19 信越化学工業株式会社 多結晶シリコンロッドの製造装置及び製造方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2867306B2 (ja) * 1991-11-15 1999-03-08 三菱マテリアルポリシリコン株式会社 半導体級多結晶シリコンの製造方法とその装置
JP3345929B2 (ja) * 1992-12-10 2002-11-18 三菱マテリアルポリシリコン株式会社 半導体級多結晶シリコン製造反応炉
JP3227549B2 (ja) * 1992-12-10 2001-11-12 三菱マテリアルポリシリコン株式会社 半導体級多結晶シリコン製造用反応炉
JP2001278611A (ja) * 2000-03-31 2001-10-10 Mitsubishi Materials Polycrystalline Silicon Corp 多結晶シリコンの製造方法および装置
JP2002241120A (ja) * 2001-02-15 2002-08-28 Sumitomo Titanium Corp 多結晶シリコン製造用反応炉及び多結晶シリコン製造方法
JP4150532B2 (ja) * 2002-04-11 2008-09-17 株式会社大阪チタニウムテクノロジーズ 多結晶シリコン

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011231005A (ja) 2011-11-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5360147B2 (ja) 多結晶シリコン還元炉
JP2006206387A (ja) 多結晶シリコン還元炉及び多結晶シリコンロッド
JP5633174B2 (ja) 多結晶シリコンロッド
TWI622556B (zh) Fluidized bed reactor and method for preparing high-purity granular polycrystalline silicon therewith
JP4773340B2 (ja) 半導体単結晶製造装置
US9624602B2 (en) Epitaxial wafer manufacturing device and manufacturing method
JP5562188B2 (ja) 基板処理装置及び半導体装置の製造方法
JPWO2012011423A1 (ja) 基板処理装置および半導体装置の製造方法
US9607832B2 (en) Epitaxial wafer manufacturing device and manufacturing method
EP2679541B1 (en) Polycrystalline silicon rod
JP2002241120A (ja) 多結晶シリコン製造用反応炉及び多結晶シリコン製造方法
WO2018076139A1 (zh) 多晶硅的制造方法以及单晶硅的制造方法
JP5642755B2 (ja) 多結晶シリコンを析出させるための装置及び方法
JPH06172093A (ja) 半導体級多結晶シリコン製造反応炉
JP6147872B2 (ja) 多結晶シリコンの堆積法
WO1992000245A1 (en) Method of producing polycrystalline silicon rods for semiconductors and thermal decomposition furnace therefor
JP2022166478A (ja) 多結晶シリコンの製造装置
JP4890044B2 (ja) クロロシラン類の反応装置
TWI542742B (zh) 用於生產多晶矽的化學氣相沉積反應器
JP4261289B2 (ja) シリコン製造装置
EP2633096B1 (en) Thermal shield for silicon production reactors
TWI605871B (zh) 多晶矽製造裝置
JP5542031B2 (ja) 多結晶シリコンの製造方法および多結晶シリコンの製造システム
KR101420338B1 (ko) 씨브이디 반응장치용 절연 슬리브 및 그 절연 슬리브가 구비된 씨브이디 반응장치
JP4854639B2 (ja) 多結晶シリコンの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121024

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130806

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130819

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5360147

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250