JP2008183649A - 加工装置の加工用ミスト供給用ノズル - Google Patents

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Tatsuichi Iwai
辰一 岩井
Toshio Kira
登志夫 吉良
Shigeo Koyama
栄夫 小山
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Abstract

【課題】ワークの孔の内面を加工する工具の刃部に十分に加工用ミストを供給することができる加工装置の加工用ミスト供給用ノズルを提供する。
【解決手段】加工装置10のブローチ等の工具12をワーク30の孔32に挿入した状態で、工具12をその長手方向に移動させつつ工具12でワーク30の孔32の内面を加工する際に、工具12に加工用ミストを供給する加工装置10の加工用ミスト供給用ノズル20において、ノズル20の加工用ミスト噴出口23が工具12の長手方向の中心軸19を取り巻く環状に形成され、加工用ミスト噴出口23から加工用ミストを工具12に向けて噴き出すこと。
【選択図】図1

Description

本発明は、ワークの孔の内面を加工する加工装置においてワークの加工箇所に加工用ミストを供給する加工用ミスト供給用ノズルに関するものである。なお、加工用ミストは油分を霧状にして空気に含ませたものである。
従来、ワークの孔の内面を切削加工する加工装置が使用されている。図4はこの加工装置の縦断面を示し、図5は加工装置の第1治具の横断面を示す。
図4に示すように、この加工装置50は、ワーク80の孔81の内面を切削加工する工具51の周囲に、第1治具61および第2治具66を備えている。工具51は上下方向に長い形状のものであり、工具治具52により上下方向に駆動される。
第1治具61はワーク80の上側に配設され、第2治具66はワーク80の下側に配設されている。そして、工具51が第1治具61の工具挿通孔62および第2治具66の工具挿通孔67を挿通している。第1治具61および第2治具66のそれぞれには、工具51の軸方向および径方向に対して、所定角度傾斜した加工用ミスト噴出通路63、68が形成されている(図5参照)。なお、例えば加工用ミスト噴出通路63は第1治具61の工具挿通孔62の周方向に等間隔に設けられ、加工用ミスト噴出通路68は第2治具66の工具挿通孔67の周方向に等間隔に設けられている(例えば特許文献1参照)。
なお、第2治具66の下側に加工用ミストを供給する加工用ミスト通過孔69が設けられている。
これにより、この加工用ミストを工具51に噴き付けながら工具51でワーク80の孔81の内面を加工することができる。
特開平10−6175号公報
しかし、上述の従来例では、工具51の軸方向および径方向に対して、所定角度傾斜した加工用ミスト噴出通路63、68から加工用ミストを工具51に向けて噴出するために、工具51の表面の全てわたって加工用ミストを供給することができなかった。このため、特に、工具51がブローチカッターの場合には、加工用ミストとして水溶性クーラントミストを使用すると、水溶性クーラントミストの油性部分が少ないので、水溶性クーラントミストがブローチカッターに付着する状態にむらが発生し、ワーク80の孔81の内面の加工仕上面に「むしれ」等が発生して、孔81の内面の加工仕上面が悪くなるという問題があった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、上述の問題点を解決し、ワークの孔の内面を加工する工具の表面の全てに十分に加工用ミストを供給することができる加工装置の加工用ミスト供給用ノズルを提供することである。
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、加工装置のブローチ等の工具をワークの孔に挿入した状態で、前記工具をその長手方向に移動させつつ前記工具で前記ワークの孔の内面を加工する際に、前記工具に加工用ミストを供給する加工装置の加工用ミスト供給用ノズルにおいて、前記ノズルの加工用ミスト噴出口が前記工具の長手方向の中心軸を取り巻く環状に形成され、前記ノズルの加工用ミスト噴出口から前記加工用ミストを前記工具に向けて噴き出すことを特徴とする加工装置の加工用ミスト供給用ノズルである。
請求項1記載の発明により、加工装置のブローチ等の工具に加工用ミストを供給する加工装置の加工用ミスト供給用ノズルの加工用ミスト噴出口が前記工具の長手方向の中心軸を取り巻く環状に形成され、前記ノズルの加工用ミスト噴出口から前記加工用ミストを前記工具に向けて噴き出すので、前記加工用ミスト噴出口から前記工具の長手方向の中心軸を取り巻く表面に加工用ミストを供給することができる。このため、前記工具をワークの孔に挿入した状態で、前記工具をその長手方向に移動させつつ前記ワークの孔の内面を加工する際に、前記加工用ミストが前記工具の長手方向の移動によって前記ワークの孔の内面の加工箇所に供給される。
さらに、請求項2記載の発明は、請求項1記載の加工装置の加工用ミスト供給用ノズルであって、前記ノズルの加工用ミスト噴出口から加工用ミストを噴き出す方向は前記工具の長手方向に直交する平面に対し10度〜30度傾斜していることを特徴とする加工装置の加工用ミスト供給用ノズルである。
請求項2記載の発明により、前記ノズルの加工用ミスト噴出口から加工用ミストを噴き出す方向は前記工具の長手方向に直交する平面に対し10度〜30度傾斜しているので、前記加工用ミスト噴出口から噴出した加工用ミスト同士が衝突しないで、前記工具に供給されるようにすることができる。
さらに、請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の加工装置の加工用ミスト供給用ノズルであって、前記ノズルの加工用ミスト噴出口は前記工具の長手方向の中心軸を中心とする円周上に位置するように形成されていることを特徴とする加工装置の加工用ミスト供給用ノズルである。
請求項3記載の発明により、前記ノズルの加工用ミスト噴出口は前記工具の長手方向の中心軸を中心とする円周状に形成されているので、前記加工用ミスト噴出口から加工用ミストが前記工具の表面に均等にむらなく供給される。
請求項1記載の発明によれば、ワークの孔の内面を加工する工具の表面の全てに十分に加工用ミストを供給することができる。このため、加工装置の工具により加工したワークの内面の仕上げの状態がよくなる。
さらに、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果とともに、前記加工用ミスト噴出口から噴出した加工用ミストの全てを工具に供給することができる。
さらに、請求項3記載の発明によれば、請求項1または2記載の発明の効果とともに、ワークの孔の内面の加工箇所にて均等に加工用ミストによる冷却、潤滑等をすることができる。
以下、本発明における実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る加工用ミスト供給用ノズルを備えた加工装置を示し、図2は図1の加工用ミスト供給用ノズル等を拡大してその詳細を示し、図3は図1のA−A断面を示している。
図1に示すように、加工装置10は、本体11、工具12、基準金具13、ブラケット16、加工用ミスト供給用ノズル20(以下「ノズル20」とする。)等を備えている。
本体11は工具12を上下方向に移動させることができる。工具12は上下方向に延びた棒状の切削工具であり、例えばブローチである。工具12の長手方向の中心軸19は上下方向を向いている。工具12は例えば下方に移動するときに、その刃部12aによりワーク30の孔31の内面を切削加工する。
ブラケット16は図示しないフレームにより本体11に取り付けられている。ノズル20は工具12の長手方向の中心軸19を取り巻く環状に構成されている。ノズル20の基部21aがブラケット16に取り付けられている。
ブラケット16には横方向の加工用ミスト用配管17が形成され、ブラケット16とノズル20の基部21aにより配管17のリング状部18が構成されている。そして、基部21a、蓋部21bおよびシム21cにより加工用ミスト供給路22a、22bおよび加工用ミスト噴出口23が構成されている。加工用ミスト供給路22a、22bはリング状部18と加工用ミスト噴出口23を連通している。加工用ミストは、配管17からリング状部18を通過し、さらに加工用ミスト供給路22a、22bを経てノズル20の加工用ミスト噴出口23に供給される。また、加工用ミスト噴出口23は工具12の長手方向の中心軸19を取り巻く環状に形成されている(図3参照)。この加工用ミストは工具12の冷却、潤滑等を行うことができる。
ノズル20の加工用ミスト噴出口23から加工用ミストを噴き出す方向25と工具12の長手方向の中心軸19に直交する平面26との角度α(図2参照)は10度〜30度である。また、加工用ミストを噴き出す方向25は平面26に対して下向きに角度α傾斜した方向である。
ノズル20の蓋部21bはシム21cを介して複数のボルト21dにより基部21aの下部に固定されている。シム21cの厚さを調節することにより、ノズル20の加工用ミスト噴出口23の幅を調節することができる。加工用ミスト噴出口23の前記幅は加工用ミストの噴き出す方向25(図2参照)に垂直な方向であり、工具12の長手方向の中心軸19と角度αをなしている。加工用ミスト噴出口23の前記幅は、例えば0.1mm〜0.5mmに調節されている。これにより、加工用ミスト噴出口23の前記幅と同じ層厚の加工用ミスト(空気圧1〜3kg/(cm平方))が工具12の刃部12aに向けて噴き出される。
また、基部21aの中心部に工具挿通孔24が形成され、工具12は工具挿通孔24を挿通している。なお、工具挿通孔24の加工用ミスト噴出口23付近の噴出口部分24aは加工用ミストを噴き出す方向25に直交する面となっている。
ノズル20は、工具12をワーク30の孔31に挿入した状態で、工具12をその長手方向に移動させつつ工具12でワーク30の孔31の内面を加工する際に、工具12に加工用ミストを供給する。
なお、ノズル20の加工用ミスト噴出口23の下側にワーク30の孔31の上側の縁33が配置されている。
また、ノズル20の加工用ミスト噴出口23は工具12の長手方向の中心軸19を中心とする円周上に位置するように形成されている。なお、孔31の中心軸34は工具12の長手方向の中心軸19に一致することになる。
さらに、本体11の上側に治具40が配設されている。治具40には横方向の配管41が形成され、配管41の先端にリング状部42が接続されている。リング状部42の側壁には切粉飛ばしノズル43(径が1〜3mmであり、その噴出し方向は、工具12の長手方向の中心軸19に直交する平面26に対し下向きに角度10〜30度をなす。)が形成され、切粉飛ばしノズル43からエアが工具12に向けて矢印44方向に噴出される。この噴出されたエアにより工具12に付着している切粉が吹き飛ばされる。
さらに、治具40の上に基準金具13が配設され、基準金具13の上にワーク30が取り付けられている。なお、ワーク30を基準金具13に着脱するときには、ブラケット16を上方に移動させることができるようになっている。
上記構成の加工装置10のノズル20は、以下の動作をする。
加工装置10の工具12に加工用ミストを供給するノズル20の加工用ミスト噴出口23が工具12の長手方向の中心軸19を取り巻く環状に形成され、加工用ミスト噴出口23から加工用ミストを工具12に向けて噴き出すので、加工用ミスト噴出口23から工具12の長手方向の中心軸19を取り巻く表面に加工用ミストを供給することができる。このため、工具12をワーク30の孔31に挿入した状態で、工具12をその長手方向(図1では下方)に移動させつつワーク30の孔31の内面を加工する際に、加工用ミストが工具12の長手方向の移動によってワーク30の孔31の内面の加工箇所32に供給される。
さらに、ノズル20の加工用ミスト噴出口23から加工用ミストを噴き出す方向は工具12の長手方向に直交する平面26に対し10度〜30度傾斜しているので、加工用ミスト噴出口23から噴出した加工用ミスト同士が衝突しないで、工具12に供給されるようにすることができる。
さらに、ノズル20の加工用ミスト噴出口23は工具12の長手方向の中心軸19を中心とする円周状に形成されているので、加工用ミスト噴出口23から噴き出す方向25に噴き出された加工用ミストが工具12の表面に均等にむらなく噴き付けられる(図3参照)。
なお、上記本発明の実施の形態は、切削工具による切削加工の場合であるが、これに限定されず、例えば研削工具による研削加工でもよい。
また、加工用ミスト噴出口23は環状に一体に形成されているが、これに限定されず、複数の扇状のものを結合して環状にしたものでもよい。
また、リング状部18と加工用ミスト噴出口23を連通している2つの加工用ミスト供給路22a、22bが並列に構成されているが、これに限定されず、並列の加工用ミスト供給路の数は任意でよい。例えば加工用ミスト供給路を1または3以上としてもよい。並列の加工用ミスト供給路が多くなるほど、リング状部18から加工用ミスト噴出口23の各部分にむらなく加工用ミストを供給することができる。
本発明の実施の形態に係る加工用ミスト供給用ノズルを備えた加工装置を示す縦断面図である。 図1の加工用ミスト供給用ノズル等を拡大してその詳細を示す断面図である。 図1のA−A断面図である。 従来の加工装置の縦断面図である。 図4の加工装置の第1治具の横断面図である。
符号の説明
10 加工装置
12 工具
19 工具の長手方向の中心軸
20 加工用ミスト供給用ノズル
23 加工用ミスト噴出口
25 噴き出す方向
α 角度
26 中心軸に直交する平面
30 ワーク
31 孔

Claims (3)

  1. 加工装置のブローチ等の工具をワークの孔に挿入した状態で、前記工具をその長手方向に移動させつつ前記工具で前記ワークの孔の内面を加工する際に、前記工具に加工用ミストを供給する加工装置の加工用ミスト供給用ノズルにおいて、
    前記ノズルの加工用ミスト噴出口が前記工具の長手方向の中心軸を取り巻く環状に形成され、
    前記ノズルの加工用ミスト噴出口から前記加工用ミストを前記工具に向けて噴き出すことを特徴とする加工装置の加工用ミスト供給用ノズル。
  2. 請求項1記載の加工装置の加工用ミスト供給用ノズルであって、
    前記ノズルの加工用ミスト噴出口から加工用ミストを噴き出す方向は前記工具の長手方向に直交する平面に対し10度〜30度傾斜していることを特徴とする加工装置の加工用ミスト供給用ノズル。
  3. 請求項1または2記載の加工装置の加工用ミスト供給用ノズルであって、
    前記ノズルの加工用ミスト噴出口は前記工具の長手方向の中心軸を中心とする円周上に位置するように形成されていることを特徴とする加工装置の加工用ミスト供給用ノズル。
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