JP2008180506A - 空気調和機の室内機 - Google Patents

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Abstract

【課題】空気調和機の室内機の高さ方向の寸法を小さくすると共に、送風ファンの後方を覆う熱交換器を通る空気の量を十分に確保する。
【解決手段】空気調和機の室内機2では、上部ケーシング6は、天面の前側から後側にかけて設けられた天面吸込み口601を有する。クロスフローファン71は、天面吸込み口601から吸い込まれる空気の流れを生成する。室内熱交換器50は、クロスフローファン71を覆うように略逆V字型の断面形状を有するように形成され、クロスフローファン71の前方を覆う第3室内熱交換器50cと、クロスフローファン71の後方を覆う第4室内熱交換器50dとを有する。そして、第3室内熱交換器50cの下端は、クロスフローファン71の頂上部分の高さ以下に位置している。また、第4室内熱交換器50dの下端は、クロスフローファン71の頂上部分の高さ以下であり且つクロスフローファン71の底部より上方に位置している。
【選択図】図5

Description

本発明は、空気調和機の室内機に関する。
空気調和機の室内機には、熱交換器と、送風ファンと、吸込み口を有するケーシングとを備えるものがあり、送風ファンによって吸込み口から吸い込まれた空気が熱交換器を通る。この熱交換器は、逆V字型の断面形状を有するものが近年よく利用されており、送風ファンの前方、上方および後方を覆うように配置される。そして、このような逆V字型の断面形状を有する熱交換器は、その下端が送風ファンの頂上部分の高さ以下に位置するように配置されることがある(特許文献1参照)。これにより、熱交換器の配置を低くすることができ、室内機の高さ方向の寸法を小さくすることができる。
特開2002−195595号公報(第2図)
しかし、熱交換器の下端が送風ファンの頂上部分の高さ以下に位置する場合、熱交換器の部分のうち送風ファンの後方を覆う部分を通る空気の量が少なくなる恐れがある。すなわち、空気調和機の室内機の背面は室内の壁面に面することが多く、室内機の背面に吸込み口を設けても十分に空気を吸い込むことは困難である。このため、送風ファンの後方を覆う熱交換器を通る空気の量を十分に確保することが困難となる。そして、送風ファンの後方を覆う熱交換器を通る空気の量を十分に確保することができない場合は、熱交換器の効率が低下する恐れもある。
本発明の課題は、空気調和機の室内機の高さ方向の寸法を小さくすると共に、送風ファンの後方を覆う熱交換器を通る空気の量を十分に確保することにある。
請求項1に記載の空気調和機の室内機は、ケーシングと送風ファンと熱交換器とを備える。ケーシングは、天面の前側から後側にかけて設けられた天面吸込み口を有する。送風ファンは、天面吸込み口から吸い込まれる空気の流れを生成する。熱交換器は、送風ファンを覆うように略逆V字型の断面形状を有するように形成され、送風ファンの前方を覆う前部と、送風ファンの後方を覆う後部とを有する。そして、前部の下端は、送風ファンの頂上部分の高さ以下に位置している。また、後部の下端は、送風ファンの頂上部分の高さ以下であり且つ送風ファンの底部より上方に位置している。
この空気調和機の室内機では、熱交換器が送風ファンを覆うように略逆V字型の断面形状を有するように形成されている。そして、熱交換器の前部と後部とが、送風ファンの頂上部分の高さ以下に位置し、且つ、後部が送風ファンの底部より上方に位置している。このため、熱交換器の高さ位置を低くすることができ、空気調和機の室内機の高さ方向の寸法を小さくすることができる。また、天面吸込み口から十分に吸い込まれた空気が熱交換器の後部まで行き届き、後部を通る空気の量を十分に確保することができる。以上のように、空気調和機の室内機の高さ方向の寸法を小さくすると共に、送風ファンの後方を覆う熱交換器を通る空気の量を十分に確保することができる。
請求項2に記載の空気調和機の室内機は、請求項1に記載の空気調和機の室内機であって、前部の下端は、送風ファンの頂上部分の高さ以下であり且つ送風ファンの底部より上方に位置している。
この空気調和機の室内機では、前部を通る空気の量を十分に確保することができる。
請求項3に記載の空気調和機の室内機は、請求項1または2に記載の空気調和機の室内機であって、前部の下端および後部の下端は、送風ファンの回転中心と同じ高さに位置している。
この空気調和機の室内機では、前部と後部との下端は、送風ファンの回転中心と同じ高さに位置している。このため、熱交換器の高さ位置を低くすることができ、空気調和機の室内機の高さ方向の寸法を小さくすることができる。
本発明に係る空気調和機の室内機では、熱交換器が送風ファンを覆うように略逆V字型の断面形状を有するように形成されている。また、熱交換器の前部と後部とが、送風ファンの頂上部分の高さ以下に位置し、且つ、後部が送風ファンの底部より上方に位置している。このため、熱交換器の高さ位置を低くすることができ、空気調和機の室内機の高さ方向の寸法を小さくすることができる。また、天面吸込み口から十分に吸い込まれた空気が熱交換器の後部まで行き届き、後部を通る空気の量を十分に確保することができる。以上のように、空気調和機の室内機の高さ方向の寸法を小さくすると共に、送風ファンの後方を覆う熱交換器を通る空気の量を十分に確保することができる。
〔空気調和機の全体構成〕
本発明の一実施形態が採用された空気調和機1の外観を図1に示す。
この空気調和機1は、室内の壁面などに取り付けられる室内機2と、室外に設置される室外機3とを備えている。
室内機2内には室内熱交換器50が収納され、室外機3内には室外熱交換器30が収納されており、各熱交換器30,50が冷媒配管4により接続されることにより冷媒回路を構成している。
〔空気調和機の冷媒回路の構成概略〕
空気調和機1の冷媒回路の構成を図2に示す。この冷媒回路は、主として室内熱交換器50、アキュムレータ31、圧縮機32、四路切換弁33、室外熱交換器30および電動膨張弁34で構成される。
室内機2に設けられている室内熱交換器50は、接触する空気との間で熱交換を行う。また、室内機2には、室内空気を吸い込んで室内熱交換器50に通し熱交換が行われた後の空気を室内に排出するためのクロスフローファン71が設けられている。このクロスフローファン71は、長細い円筒形状に構成され、中心軸が水平方向に平行になるように配置されている。クロスフローファン71は、室内機2内に設けられる室内ファンモータ72によって回転駆動される。室内機2の詳細な構成については後に説明する。
室外機3には、圧縮機32と、圧縮機32の吐出側に接続される四路切換弁33と、圧縮機32の吸入側に接続されるアキュムレータ31と、四路切換弁33に接続された室外熱交換器30と、室外熱交換器30に接続された電動膨張弁34とが設けられている。電動膨張弁34は、フィルタ35および液閉鎖弁36を介して配管41に接続されており、この配管41を介して室内熱交換器50の一端と接続される。また、四路切換弁33は、ガス閉鎖弁37を介して配管42に接続されており、この配管42を介して室内熱交換器50の他端と接続されている。この配管41,42は、図1の冷媒配管4に相当する。また、室外機3には、室外熱交換器30での熱交換後の空気を外部に排出するためのプロペラファン38が設けられている。このプロペラファン38は、室外ファンモータ39によって回転駆動される。
〔室内機の構成〕
図3(a)に室内機2の正面図、図3(b)に室内機2の側面図を示す。室内機2は、正面視に置いて横方向に長い形状を有しており、正面視および側面視において上下に色彩が分かれたツートンカラーとなっている。
室内機2は、主として、上部ケーシング6、下部ユニット7および室内機2の内部に収容されている室内熱交換器ユニット5によって構成されている。上部ケーシング6は、室内機2の上部を覆っている。下部ユニット7は室内機2の下部を構成している。上部ケーシング6と下部ユニット7とは別体に形成されており、上部ケーシング6と下部ユニット7の一部との境界が室内機2の外観において水平線として現れている。また、上部ケーシング6と下部ユニット7の一部とは異なる色となっており、上部ケーシング6と下部ユニット7との境界である水平線を境にして上下に異なる色のツートンカラーとなっている。
以下、室内機2の各構成について説明する。
〈室内熱交換器ユニット〉
室内熱交換器ユニット5は、図4に示すように、室内熱交換器50、補助配管51、補助支持部材52等によって構成されている。なお、図4は、上部ケーシング6が取り外された状態の室内機2の右側面図である。
図5に室内機2の側面断面図を示す。
室内熱交換器50は、クロスフローファン71の前方、上方および後方を取り囲むように取り付けられており、クロスフローファン71が回転することにより吸込み口601,611から吸い込まれた空気をクロスフローファン71側に通過させ、伝熱管の内部を通過する冷媒との間で熱交換を行わせる。室内熱交換器50は、第1室内熱交換器50a、第2室内熱交換器50b、第3室内熱交換器50c、第4室内熱交換器50dの4つの部分に分割されている。室内熱交換器50は、各室内熱交換器50a,50b,50c,50dがそれぞれ接合されることにより、側面視において両端が下方に向けて屈曲する概ね逆V字型の断面形状を有するように形成されている。
各室内熱交換器50a,50b,50c,50dは、それぞれ水平方向に長い板状の形状を有している。各室内熱交換器50a,50b,50c,50dは、両側端で複数回折り返されてなる伝熱管と、伝熱管が挿通される短冊状の複数のフィンとから構成されている。伝熱管は、各室内熱交換器50a,50b,50c,50dの両側端においてU字型伝熱管によって折り返されている。
第1室内熱交換器50aは、上端が室内機2の前方へ向けて傾斜しており、クロスフローファン71の中央上方から後側上方を覆うように配置されている。
第2室内熱交換器50bは、上端が室内機2の後方へ向けて傾斜しており、第1室内熱交換器50aの前方に配置されている。第2室内熱交換器50bの上端は、第1室内熱交換器50aの上端と接合されており、第1室内熱交換器50aと第2室内熱交換器50bとは、側面視において逆V字型になるように組み合わされている。第2室内熱交換器50bは、クロスフローファン71の中央上方から前側上方を覆うように配置されている。
第3室内熱交換器50cは、第2室内熱交換器50bの下方にクロスフローファン71の前方を覆うように配置されている。第3室内熱交換器50cの上端は第2室内熱交換器50bの下端に角度を付けて接合されており、第3室内熱交換器50cと第2室内熱交換器50bとによって鈍角が形成されている。第3室内熱交換器50cは、高さ方向、すなわち鉛直方向に平行になっており、室内熱交換器50の下方の水平面を覆う下部ユニット7に対して垂直になっている。また、第3室内熱交換器50cの下端は室内熱交換器50の下端となっており、第3室内熱交換器50cの下端、すなわち室内熱交換器50の前側の下端は、クロスフローファン71の中心軸と略同じ高さに位置している。
第4室内熱交換器50dは、第1室内熱交換器50aの下方にクロスフローファン71の後方を覆うように配置されている。第4室内熱交換器50dの上端は、第1室内熱交換器50aの下端に角度を付けて接合されており、第4室内熱交換器50dと第1室内熱交換器50aとによって鈍角が形成されている。第4室内熱交換器50dは、高さ方向に平行になっており、室内熱交換器50の下方の水平面を覆う下部ユニット7に対して垂直になっている。また、第4室内熱交換器50dの下端は、室内熱交換器50の後側の下端となっており、第4室内熱交換器50dの下端、すなわち室内熱交換器50の後側の下端は、クロスフローファン71の中心軸と略同じ高さに位置している。
第3室内熱交換器50cと第4室内熱交換器50dとは高さ方向に同じ長さを有しており、第3室内熱交換器50cと第4室内熱交換器50dとの上端および下端は同じ高さに位置している。従って、室内熱交換器50の前側の下端と後側の下端とは同じ高さになっており、クロスフローファン71の中心軸と略同じ高さに位置している。また、室内熱交換器50の前側下端と後側下端とは、逆V字型の部分の前後の下端から鉛直方向下向きにクロスフローファン71の中心軸と略同じ高さまで伸びている。
第1室内熱交換器50a、第2室内熱交換器50b、第3室内熱交換器50cおよび第4室内熱交換器50dは、それぞれ両側端(正面視における左右方向の端)に設けられた固定板によって相互に固定されることにより、一体に接合されて室内熱交換器50を形成している。室内熱交換器50は、第1室内熱交換器50aと第2室内熱交換器50bとによって形成される逆V字型の部分と、第1室内熱交換器50aと第2室内熱交換器50bとのそれぞれの下端から鉛直方向下向きに延びる直線部分とが組合された断面形状を有している。室内熱交換器50は、逆V字型の頂点を通る鉛直方向に平行な直線について前後に線対称な断面形状を有しており、第1室内熱交換器50aと第2室内熱交換器50bとが、また、第3室内熱交換器50cと第4室内熱交換器50dとが前後に対称になっている。室内熱交換器50は、側面視においては上記のように前後対称な逆V字型を含む断面形状に形成されているが、正面視においては横方向に長い形状を有している。
補助配管51は、室内熱交換器50と、室内機2の外部にある冷媒配管4を繋いでおり、室内熱交換器50と室外熱交換器30との間を行き来する冷媒が流れる。補助配管51は、図4および図6に示すように、室内熱交換器50の伝熱管に接続されている。なお、図6は、上部ケーシング6が取り外された室内機2の右側部分の上面図である。補助配管51は、室内熱交換器50の右側面から突出しており、室内熱交換器50の右側の空間で取り回されている。補助配管51は、室内熱交換器50の右側面から突出した後に室内機2の背面側へ向けて屈曲されており、複数の補助配管51がまとめられて保護チューブ53によって覆われている。まとめられた補助配管51は、室内熱交換器50の右側の空間を室内機2の背面側に沿って下方へと伸び、室内機2の後側下部の空間で室内機2の左側面に向けてさらに屈曲され、冷媒配管4に接続されている。
補助支持部材52は、室内熱交換器50の両側面付近に設けられており、図4に示すように、室内熱交換器50を内側から支持している。室内熱交換器ユニット5は、逆V字型の形状を有しており下方が開口しているため、クロスフローファン71や室内ファンモータ72が取り付けられた状態の下部ユニット7に上方から被せられ、補助支持部材52を介して下部ユニット7に支持される。
〈上部ケーシング〉
上部ケーシング6は、図3および図5に示すように、室内機2の上部を構成しており、上前面部60、天面部61および上側面部62,63によって構成されている。
上前面部60は、室内機2の前側上部を覆っており、室内熱交換器50の前方を覆っている。上前面部60は、概ね平坦に形成されており、その一部に段差が設けられている。この段差の上面には室内機2の長手方向に長いスリット状の開口からなる前面吸込み口601が設けられている。前面吸込み口601は室内機2の上方へ向けて設けられている。
天面部61は、室内機2の天面を覆っており、室内熱交換器50の上方を覆っている。天面部61には、複数のスリット状の開口からなる天面吸込み口611が設けられている。この天面吸込み口611は、天面部61の前側から後側にかけて設けられており、前面吸込み口601よりも吸い込み面積が大きくなっている。このため、室内機2の天面後側からも十分に空気が吸い込まれるようになっている。
上側面部62,63は、室内機2の側面上部を覆っており、室内熱交換器50の側方を覆っている。上側面部62,63には、右上側面部62と左上側面部63とがあり、右上側面部62は正面視において室内熱交換器50の右側方に配置され、左上側面部63は室内熱交換器50の左側方に配置されている。
また、上部ケーシング6の下端は水平に形成されており、上部ケーシング6が下部ユニット7に被せられることによって、上部ケーシング6と下部ユニット7との境界が水平線となって室内機2の正面視および側面視における外観に現れる。
〈下部ユニット〉
下部ユニット7は、室内機2の下部を構成しており、図7および図8に示すように、下部ケーシング70、クロスフローファン71、室内ファンモータ72、電装品箱73等がモジュール化されて構成されている。
(下部ケーシング)
下部ケーシング70は、下前面部74、底面部75、下側面部76,77、支持部78等によって構成されており、上部ケーシング6とは異なる色となっている。
下前面部74は、正面視において室内機2の前面下部として視野に現れる部分であり、上端が室内機2の前側に傾斜するように配置されている。図3(a)に示すように、下前面部74の上端は水平に形成されており、上部ケーシング6の下端と共に水平な境界線を構成している。また、下前面部74には、室内機2の長手方向に沿う開口からなる吹出し口741が設けられている。この吹出し口741は、図5に示すように、クロスフローファン71が収納されている支持部78の内部の空間に連通しており、クロスフローファン71によって生成された空気流は吹出し口741を通って室内へと吹き出す。また、吹出し口741には、室内へと吹出す空気が案内される水平フラップ742が設けられている。この水平フラップ742は、室内機2の長手方向に平行な軸を中心に回動自在に設けられており、フラップモータ(図示せず)によって回転駆動されることにより、吹出し口741の開閉を行うことができる。
底面部75は、室内機2の底面を覆っており、平坦に形成されている。底面部75は、水平に配置されており、その上に支持部78が配置されている。
下側面部76,77は、側面視において室内機2の側面下部として視野に現れる部分であり、室内機2の側面下部を覆っている。下側面部76,77には、右下側面部76と左下側面部77とがあり、右下側面部76は正面視において室内機2の右側に配置され、左下側面部77は室内熱交換器50の左側に配置されている。また、下側面部76,77の上端は、下前面部74と同様に水平に形成されている。上部ケーシング6が下部ユニット7に被せられた状態では、上部ケーシング6の下端と、下部ユニット7の下前面部74および下側面部76,77の上端が合致して、水平な境界線が構成される。
支持部78は、下前面部74、底面部75、下側面部76,77によって囲まれており、支持部78の上面は、下前面部74および下側面部76,77の上端より上方に位置している。支持部78には、上方からクロスフローファン71、室内ファンモータ72、電装品箱73、室内熱交換器ユニット5等が取り付けられ、クロスフローファン71、室内ファンモータ72、電装品箱73、室内熱交換器ユニット5等を下方から支持する。
支持部78は、室内熱交換器ユニット5の補助支持部材52を介して室内熱交換器50を支持する。支持部78の上面は、クロスフローファンの中心軸と略同じ高さとなっている。支持部78の上面には、図7に示すように、ドレンパン781,782とファン収容部787とが設けられている。
ドレンパン781,782は、熱交換時に室内熱交換器50の表面に発生する水滴を受け取る部分であり、支持部78の上面から下方に窪んだ凹状の部材によって形成されている。このドレンパン781,782には前ドレンパン781と後ドレンパン782とがあり、前ドレンパン781は、図5に示すように、第3室内熱交換器50cの下方に、すなわち室内熱交換器50の前側下端の下方に配置されている。後ドレンパン782は、第4室内熱交換器50d、すなわち室内熱交換器50の後側下端の下方に配置されている。前ドレンパン781と後ドレンパン782とは、クロスフローファン71を挟んで前後に配置されている。前ドレンパン781と後ドレンパン782とは、略同じ高さに位置しており、前ドレンパン781と後ドレンパン782との底面はクロスフローファン71の中心軸の高さよりも低い位置にあるが、室内熱交換器50の下端に近接して配置されている。なお、前ドレンパン781と後ドレンパン782とは、それぞれドレン水を受ける底面が室内機2の右側へと少し傾斜している。そして、支持部78の右側部分には、図8に示すように、前ドレンパン781と後ドレンパン782とを繋ぐ連通部分783が設けられており、この連通部分783には下方へと貫通している水抜き孔784が設けられている。この水抜き孔784は、図9に示すように、ドレン水をドレンパン781,782から外部へと排出するためのドレンホース785の内部と連通している。室内熱交換器50から滴下したドレン水は、前ドレンパン781と後ドレンパン782とによって受けられ、連通部分783で集められ、水抜き孔784からドレンホース785を経て機外へと排出される。
ファン収容部787は、クロスフローファン71と室内ファンモータ72とが収容される部分であり、支持部78の上面の中央付近に設けられている。ファン収容部787は支持部78の上面から下方に半円筒形状に窪んだ部材により形成されており、クロスフローファン71と室内ファンモータ72との下半分を収容する。また、支持部78の内部には、収容されたクロスフローファン71と吹出し口741とを連通する空気経路が設けられている。
また、支持部78は、後ドレンパン782とクロスフローファン71との間に、支持部78の上面から上方へと突出する舌部786を有している。この舌部786は、クロスフローファン71の後方を覆っており、舌部786の上端はクロスフローファン71の頂上部分より若干低い高さに位置している。
このように支持部78の上面には、前ドレンパン781、後ドレンパン782およびファン収容部787が設けられ、舌部786が上方へ突出しているが、支持部78の上面の他の部分は概ね平坦かつ水平に形成されており、クロスフローファン71の中心線と略同じ高さに位置している。
上記のように、支持部78の最も高い位置にある部分は舌部786であるが、舌部786は、クロスフローファン71の頂上部分の高さ以下に位置している。また、支持部78の上面は、下前面部74および下側面部76,77の上端より上方に位置している。このため、支持部78を含めた下部ケーシング70の各部分はクロスフローファン71の頂上部分の高さ以下となっている。
なお、支持部78の上面の背面側もクロスフローファン71の高さ以下となっているが、上部ケーシング6の天面部61と支持部78の上面の背面側との間の部分は、室内の壁面に取り付けられる据付板8によって塞がれる(図5参照)。据付板8は、室内機2の長手方向には室内熱交換器50と略同じ長さを有しており、室内熱交換器50の背面側を覆っている。据付板8は、室内機2の背面側を覆うことにより、室内熱交換器50で熱交換される空気が通る空気流路を上部ケーシング6と共に形成しており、特に背面側空気流路を形成している。
(クロスフローファン)
クロスフローファン71は、長細い円筒形状に構成され、中心軸が水平になるように配置される。クロスフローファン71の周面には羽根が設けられており、クロスフローファン71が中心軸周りに回転することにより、空気流を生成する。この空気流は、前面吸込み口601および天面吸込み口611から取り入れられ室内熱交換器50を通り吹出し口741から室内へと吹き出す空気の流れである。クロスフローファン71は、側面視において室内機2の概ね中央に位置している。クロスフローファン71は、支持部78によって支持され、支持された状態のクロスフローファン71の上半分は支持部78の上面から上方へ突出している。
(室内ファンモータ)
室内ファンモータ72は、クロスフローファン71を中心軸周りに回転駆動する。室内ファンモータ72は、クロスフローファン71と略同じ直径を有する薄い円筒形状を有している。室内ファンモータ72は、図8に示すように、クロスフローファン71の右側方にクロスフローファン71と同軸に配置されており、室内ファンモータ72が支持部78に取り付けられた状態では、室内ファンモータ72とクロスフローファン71との頂上部分との高さは略同じとなっている(図7参照)。
(電装品箱)
電装品箱73は、図6および図8に示すように、室内機2の運転を制御するための制御基板731を収容する。電装品箱73は、直方体の箱状の形状を有しており、下部ケーシング70の右下側面部76と支持部78との間に配置され、室内熱交換器ユニット5の右側方に位置する。電装品箱73は、室内ファンモータ72の右側方において支持部78の右側面に取り付けられて支持されており、室内熱交換器ユニット5が下部ユニット7に取り付けられる前に支持部78に取り付けることができる。また、電装品箱73は前側寄りに配置されており、電装品箱73の後方の空間は前述した室内熱交換器ユニット5の補助配管51が通る空間となっている。電装品箱73は、制御基板731に取り付けられた制御部品のうち容量の大きなコンデンサやパワートランジスタなどの強電部品732が室内ファンモータ72と軸方向に並ぶように配置されており、側面視において室内ファンモータ72と電装品箱73とが重なるように配置されている。また、電装品箱73の上面は、下部ケーシング70に支持された状態では、室内ファンモータ72の頂上部分、すなわちクロスフローファン71の頂上部分と略同じ高さに位置している。
このように、室内ファンモータ72、電装品箱73、下部ケーシング70の全ての部分が、下部ケーシング70に支持された状態のクロスフローファン71の頂上部分の高さ以下に位置しており、下部ユニット7は、全体として高さ方向に比較的寸法の小さい形状となっている。
〔特徴〕
(1)
この空気調和機1の室内機2では、室内熱交換器50がクロスフローファン71を覆うように略逆V字型の断面形状を有するように形成されており、室内熱交換器50の前側の下端と後側の下端とが、クロスフローファン71の中心軸と略同じ高さに位置している。このため、室内熱交換器50の高さ位置が比較的低くなっている。従って、室内熱交換器50を備える空気調和機1の室内機2の高さ方向の寸法も小さくなっている。
(2)
この空気調和機1の室内機2では、室内熱交換器50がクロスフローファン71の前方、上方および後方を覆うように配置されており、クロスフローファン71を囲むように配置されている。このため、クロスフローファン71によって生じる空気が十分に室内熱交換器50を通る。また、前面吸込み口601と天面吸込み口611とでは、天面吸込み口611の方が吸込み面積が大きくなっており、天面吸込み口611は上部ケーシング6の天面部61の前側から後側にかけて設けられている。このため、天面吸込み口611から吸い込まれた空気が十分に室内機2の内部の後側まで行き届く。従って、この空気調和機1の室内機2では、クロスフローファン71の後方を覆う第4室内熱交換器50dを通る空気の量が十分に確保されている。以上のように、この空気調和機1の室内機2では、クロスフローファン71の後方を覆う第4室内熱交換器50dでさえも十分な量の空気が通るようになっている。
(3)
この空気調和機1の室内機2では、室内熱交換器50の前側の下端と後側の下端とは、略同じ高さに位置している。このため、室内熱交換器50全体の高さ方向の寸法が比較的小さくなっている。例として、図10(a)に、前側の下端と後側の下端とが同じ高さになっている室内熱交換器50を示し、図10(b)に、前側の下端と後側の下端とが異なる高さになっている仮想室内熱交換器500を示す。仮想室内熱交換器500は、室内熱交換器50と側面視において同じ総長さを有しており、前側の下端が後側の下端よりも低くなっている。仮想室内熱交換器500の第1室内熱交換器500aと第2室内熱交換器500bとは、室内熱交換器50の第1室内熱交換器50aと第2室内熱交換器50bと同じ形状であり、同じ長さを有している。仮想室内熱交換器500の第3室内熱交換器500cは、室内熱交換器50の第3室内熱交換器50cと同様に、高さ方向に水平に配置されているが、室内熱交換器50の第3室内熱交換器50cの約1.5倍の高さ方向の長さを有している。仮想室内熱交換器500の第4室内熱交換器500dは、室内熱交換器50の第4室内熱交換器50dと同様に、高さ方向に水平に配置されているが、室内熱交換器50の第4室内熱交換器50dの約半分の高さ方向の長さを有している。従って、第1室内熱交換器50a、第2室内熱交換器50b、第3室内熱交換器50cおよび第4室内熱交換器50dの側面視における長さを合計した室内熱交換器50の総長さと、第1室内熱交換器500a、第2室内熱交換器500b、第3室内熱交換器500cおよび第4室内熱交換器500dの側面視における長さを合計した仮想室内熱交換器500の総長さとは略同じになっている。
図10(a)および図10(b)を比較すれば分かるように、側面視において室内熱交換器50の総長さと仮想室内熱交換器500の総長さが同じであるならば、室内熱交換器50全体の高さ方向の寸法H1は、仮想室内熱交換器500全体の高さ方向の寸法H2よりも小さい。このため、室内熱交換器50を備える空気調和機1の室内機2の高さ方向の寸法も比較的小さくなっている。
(4)
この空気調和機1の室内機2では、室内熱交換器50は前後に対称な形状に形成されている。このため、前後で共通の形状を有する熱交換器を組み合わせて、室内熱交換器50を構成することができる。これにより、室内熱交換器50の製造コストを削減することができる。具体的には、第1室内熱交換器50aおよび第2室内熱交換器50b、または第3室内熱交換器50cおよび第4室内熱交換器50dをそれぞれ共通形状のフィンや固定板を用いて製造することができ、部品の共有化によるコストダウンが可能となる。
また、共通の製造装置を用いて第1室内熱交換器50aと第2室内熱交換器50bおよび第3室内熱交換器50cと第4室内熱交換器50dを製造することができる。ここでいう製造装置とは、プレス機、フィン型、配管挿入機、拡管機、ロウ付け機、精密試験機、乾燥機、運搬機などをいう。
このように、この空気調和機群の製造方法では、室内熱交換器50の製造コストを低減することができる。
なお、室内熱交換器50が前後で完全に同一の形状を有するものでなくても、概ね同一の形状を有するものであれば、製造装置および製造工程の共通化は可能である。
〔他の実施形態〕
上記の実施形態では、室内熱交換器50の下端はクロスフローファン71の中心軸と略同じ高さに位置しているが、室内熱交換器50の下端の位置は、これに限られるものではなく、クロスフローファン71の頂上部分の高さ以下であれば、クロスフローファン71の中心軸と異なる高さの位置であってもよい。
本発明は、空気調和機の室内機の高さ方向の寸法を小さくすると共に、送風ファンの後方を覆う熱交換器を通る空気の量を十分に確保することができる効果を有し、空気調和機の室内機として有用である。
空気調和機の外観図。 冷媒回路の構成図。 (a)室内機の正面図。(b)室内機の右側面図。 上部ケーシングが外された室内機の右側面図。 室内機の右側面断面図。 上部ケーシングが外された室内機の右側部分の上面図。 下部ユニットの右側面図。 下部ユニットの右側部分の上面図。 下部ユニットの右側面断面図。 下端が同じ高さに位置する室内熱交換器の高さ方向の寸法と、下端が異なる高さに位置する室内熱交換器の高さ方向の寸法との比較を表す図。
符号の説明
1 空気調和機
2 室内機
6 上部ケーシング(ケーシング)
50 室内熱交換器(熱交換器)
50c 第3室内熱交換器(前部)
50d 第4室内熱交換器(後部)
71 クロスフローファン(送風ファン)
601 前面吸込み口
611 天面吸込み口

Claims (3)

  1. 天面の前側から後側にかけて設けられた天面吸込み口(611)を有するケーシング(6)と、
    前記天面吸込み口(611)から吸い込まれる空気の流れを生成する送風ファン(71)と、
    前記送風ファン(71)を覆うように略逆V字型の断面形状を有するように形成され、前記送風ファン(71)の前方を覆う前部(50c)と、前記送風ファン(71)の後方を覆う後部(50d)とを有する熱交換器(50)と、
    を備え、
    前記前部(50c)の下端は、前記送風ファン(71)の頂上部分の高さ以下に位置しており、
    前記後部(50d)の下端は、前記送風ファン(71)の頂上部分の高さ以下であり且つ前記送風ファン(71)の底部より上方に位置している、
    空気調和機(1)の室内機(2)。
  2. 前記前部(50c)の下端は、前記送風ファン(71)の頂上部分の高さ以下であり且つ前記送風ファン(71)の底部より上方に位置している、
    請求項1に記載の空気調和機(1)の室内機(2)。
  3. 前記前部(50c)の下端および前記後部(50d)の下端は、前記送風ファン(71)の回転中心と同じ高さに位置している、
    請求項1または2に記載の空気調和機(1)の室内機(2)。
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