JP2008179902A - 球状体の製造方法と製造装置 - Google Patents

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康一 河津
Nobuyoshi Tsukaguchi
信芳 塚口
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Keigo Kikuchi
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Abstract

【課題】半田ボールなどの球状体を少ない工程で容易かつ低コストで製造できる手段を提供する。
【解決手段】球状体の原料aを融液の状態で一定の量に分離させ,融液の状態において表面張力により球形にさせた後,冷却して固化させる方法であって,液面下に浸漬されたノズル21先端の吐出口22から融液を滴下させ,予め不活性ガスをバブリングさせておくことにより,酸素濃度を低減させておいた液体36中で球状体の原料aを球形にさせ,冷却する。
【選択図】図1

Description

本発明は,例えばBGA(ball grid array)やCSP等の半導体パッケージのバンプ材料に用いられる半田ボールの如き球状体を製造する方法と装置に関する。
例えば半導体パッケージの分野においては,基板などに対する電気的な接続を行うリードの代わりに半田ボール(半田バンプ)を装着したBGAと呼ばれるものが知られている。かかるBGAに利用される半田ボールを製造する場合,従来は箔等の板材や線材に加工された半田を固体の状態で精密切り出しや打ち抜き等をすることによって,半田を所望の量の原料片に分離し,その後,原料片を加熱溶融させて表面張力により球形化させ,更に冷却して固化させることにより,球状に成型した半田ボールを得ている。また,半田ペースト(クリーム半田)を作成し,これをスクリーン印刷や一定容積の穴があいた板などに刷り込む方法などにより半田を一定量分離し,その後,半田を加熱溶融させて表面張力により球形化させる方法も知られている。
しかしながら従来は,半田を所望の量ずつに分離する前工程として,板材,線材や半田ペーストなどに半田を加工しなければならず,製造工程の短縮化がはかり難かった。しかも半田を正確に計量するためには,前工程で形成される板材の厚さや線材等の太さなどについても正確な寸法精度等が要求されるため,半田ボール製造におけるコストアップの要因となっていた。
従って本発明の目的は,半田ボールなどの球状体を少ない工程で容易かつ低コストで製造できる手段を提供することにある。
この目的を達成するために,本発明によれば,球状体の原料を融液の状態で一定の量に分離させ,融液の状態において表面張力により球形にさせた後,冷却して固化させる方法であって,液面下に浸漬されたノズル先端の吐出口から融液を滴下させ,予め不活性ガスをバブリングさせておくことにより,酸素濃度を低減させておいた液体中で球状体の原料を球形にさせ,冷却することを特徴とする,球状体の製造方法が提供される。なお,液体中の酸素濃度を0.1%以下にまで低減させておくことが好ましい。
この製造方法によって製造される球状体としては,例えばBGAやCSP等の半導体パッケージのバンプ材料に用いられる半田ボールの如き球状体が例示される。また請求項7に記載したように,球状体の原料は例えば金属であり,一例として半田(例えばSn−Pb共晶半田)が例示される。また半田の他,球状体の原料は,請求項8に記載したように,融液の液相線温度が450℃以下(450℃以上であっても良い)である単体の金属又は2種類以上の金属よりなる合金であっても良い。更に,金属以外の材料を球状体の原料として用いることも可能である。
この製造方法によれば,球状体の原料を融液の状態で一定の量に分離させるので,従来のように半田などの原料を板材や線材に加工する工程が不要となり,製造工程の短縮化がはかれるようになる。また,正確な寸法精度等が要求される板材や線材に原料を加工しなくて良いので,製造が容易となり,低コスト化を実現できるようになる。
球状体の原料を融液の状態で管に流し,一定の量が流れた時点で,管から融液を分離させる。この場合,融液の流れは連続的でも断続的でも良い。管から融液を分離させるには,例えば管の先端などにおいて,融液が一定量になった時点で自重で融液を落下させても良い。また,融液を吐出するノズルを水平方向に往復振動させ,この往復振動によってノズルから融液を分離させるようにしても良い。ノズルを水平方向に往復振動させる場合は,振動によってノズル先端から融液を振り切ることができるので,球状体の原料を融液の状態でノズルから一定の流量で連続的に吐出しても良い。この場合,前記往復振動の移動端部でノズル先端から融液を滴下させることが可能である。また,前記往復振動の往路におけるノズルの運動と復路におけるノズルの運動が対称であることが好ましい。ノズルの振動が対称であれば,往路におけるノズルの移動を終了した移動端部でノズル先端から滴下される融液の量と,復路におけるノズルの移動を終了した移動端部でノズル先端から滴下される融液の量が等しくなり,融液を一定量毎に滴下させることができるようになる。なお,前記往復振動は例えば単振動である。ノズルを水平方向に単振動させれば,ノズルから吐出される融液に対し,往復振動の移動端部で最大加速度が加わることとなり,これにより往復振動の移動端部でノズルから融液が振り切られて滴下されるようになる。
また,球状体の原料を,球状体の原料と反応しない液中で球形にさせ,冷却する。そうすれば球状体の原料を変質させることなく成型,冷却及び固化させることができ,品質の優れた球状体を製造できる。この場合,例えば,融液の状態で一定の量に分離させた球状体の原料を,上方が球状体の原料の融点以上の高温度となり,下方が球状体の原料の融点以下の低温度となるように温度勾配が形成された液体中に融液の状態のまま自重で落下させ,液体中の上方において表面張力により球形にさせた後,液体中の下方において冷却して固化させることが可能である。また,球状体の原料が金属であり,前記液体が金属の液相線温度T以上の沸点Tを有する液体であり,T以上T未満の温度にされた液体中で球状体の原料を融液の状態で表面張力により球形にさせた後,T未満の温度にされた液体中で球状体の原料を冷却して固化させることが好ましい。この場合,例えば球状体の原料が半田であれば,前記液体は植物油が例示される。
また,本発明によれば,球状体の原料を融液の状態で一定の量に分離させ,融液の状態において表面張力により球形にさせた後,冷却して固化させる球状体の製造装置であって,球状体の原料と反応しない液体が充填された容器と,前記容器内の液体の上方が球状体の原料の融点以上の高温度となり,下方が球状体の原料の融点以下の低温度となるように,温度勾配を形成させるヒーターと,ノズル先端の吐出口が液面下に浸漬された,球状体の原料を融液の状態で滴下させるノズルと,容器底部に配置された,不活性ガスを液体中にバブリングさせるシャワーノズルを備えることを特徴とする,球状体の製造装置が提供される。
この製造装置にあっては,ノズルから滴下された球状体の原料は,先ず成型部において融液の状態のうちに表面張力により球形に変形する。その後,球状体の原料は冷却部において,冷却され固化する。こうして球状体が製造される。
この製造装置において,前記ノズルを水平方向に往復振動させる駆動機構を備えていても良い。前記ノズルの先端に形成された吐出口が,水平に配置された円形状の断面形状を有することが好ましい。
なお,以下の(1)式および(2)式を満たしてなる球状体が提供される。
50個の球状体について,それぞれ長径Dと短径Dを測定し,平均値DM=(D+D)/2をそれぞれ,DM1,DM2,DM3…DM50として,これらDM1〜DM50の最大値をDML,最小値をDMSとし,真球度A=1−(D−D)/DをそれぞれA,A,A…A50として,これらA〜A50のうち最小値をAMinとすると,
(DML−DMS)/(DML+DMS)<0.02 … (1)式
Min>0.9 … (2)式
この球状体は,上記製造方法および上記製造装置によって好適に製造される。
本発明によれば,球状体の原料を融液の状態で分離させるので,容易に所望の分量の原料を精度よく分離させることができ,また従来のように半田などの原料を板材や線材に加工する予備工程が不要となり,製造工程の短縮化がはかれるようになる。また,正確な寸法精度等が要求される板材や線材に原料を加工しなくて良いので,製造が容易となり,大幅なコストダウンが可能となる。また球状体の原料を変質させることなく成型,冷却及び固化させることができ,品質の優れた球状体を製造でき,洗浄工程なども省けるようになる。
以下,本発明の好ましい実施の形態を図面を参照にして説明する。図1は,本発明の実施の形態にかかる球状体の製造装置1の説明図である。この実施の形態では,球状体の一例としてBGAやCSP等の半導体パッケージのバンプ材料に用いられる半田ボールを製造する製造装置1について説明する。
原料融解部10の周囲にはバンドヒーター11が装着されており,このバンドヒーター11の加熱によって,原料融解部10内の炉部12に投入された半田インゴットが半田の融点(例えば183゜C)以上の温度(例えば220〜240゜C)に昇温されて融解されるようになっている。原料融解部10は,例えばSUS304等で構成されており,半田の融点以上に加熱されても溶融しないようになっている。また,原料融解部10内の炉部12の加熱温度は熱電対13によって検出され,炉部12内温度が半田の融点以上の温度(例えば220〜240゜C)になるように制御されている。
原料融解部10にはボンベ15に充填された不活性ガスとしての窒素ガス(N)が給気管16を介して供給され,炉部12内に窒素ガスが給気されるようになっている(図示では,原料融解部10の上部に給気管16が接続されているように描かれているが,給気管16の接続位置は任意に変更でき,例えば原料融解部10の下部に給気管16を接続しても良い)。これにより,炉部12に投入されて融液となった半田の酸化等が防止されている。原料融解部10の下方には送液管17が接続されており,炉部12に投入されて融液となった半田は,送液管17を通じて下方に排液されるようになっている。この場合,給気管16を通じて炉部12内に窒素ガスを圧入することにより,炉部12内にて融液となった半田を送液管17側に強制的に押し出すことも可能である。また送液管17には,融液となった半田の送液量を調整するためのニードルバルブ18が設けられている。
送液管17の下端には,フレキシブルホース20を介して管状のノズル21が接続されており,炉部12内にて融液となった半田は,送液管17,フレキシブルホース20及びノズル21を通じて送液されて,ノズル21先端(下端)に形成された吐出口22から下向きに吐出されるようになっている。前述のニードルバルブ18を操作することにより,吐出口22からの半田の吐出を停止させたり,吐出量を調整することができる。フレキシブルホース20を介して接続されることにより,原料融解部10の下方に固定された送液管17に対して,ノズル21は移動自在に取り付けられている。これら管17,フレキシブルホース20及びノズル21の周囲にはバンドヒーター23が装着されており,管17,フレキシブルホース20及びノズル21内を送液される半田を熱電対24によって検出し,バンドヒーター23の加熱によってその温度を融点以上の温度(例えば220〜240゜C)に制御することにより,融液の状態が維持されるようになっている。またこれら管17,フレキシブルホース20及びノズル21は,いずれも例えばSUS304等で構成され,半田の融点以上に加熱されても溶融しないようになっている。なおこの実施の形態では,ノズル21は中空円管からなり,ノズル21の先端面(下端面)を直交面に切断することにより,ノズル21先端の吐出口22は,水平に配置された円形状の断面形状を有している。また,ノズル21先端の吐出口22の内径は,例えば0.25φに設定されている。
このノズル21を水平方向に往復振動させる駆動機構25を備えている。即ち,ノズル21にはブロック26を介してロッド27の一端が垂直に取り付けられている。ロッド27はガイド28によって水平方向にスライド自在に支持されており,ロッド27の他端はカム29の周面に常時当接されるように付勢されている。カム29には,モータ30の回転動力が伝達されており,モータ30の稼働によってカム29が回転することにより,カム29の周面に他端が常時当接しているロッド27がガイド28内を往復移動するようになっている。そして,このロッド27の往復移動に伴って,ブロック26を介してロッド27の一端に取り付けられたノズル21が水平方向に往復振動するようになっている。
ノズル21の先端は,容器35内に入れられている。図2に示すように,容器35内には,例えば植物油の如き半田と反応しない液体36が充填されており,容器35内に入れられたノズル21の先端に形成された吐出口22は,液体36の液面下に浸漬されている。これにより,前述のようにノズル21先端の吐出口22から吐出された半田(融液となった半田)aは,液体36中に直接吐出された後,容器35内において液体36中を自重で落下していくようになっている。
容器35内に充填された液体36のほぼ上半部は成型部37になっており,ほぼ下半部は冷却部38になっている。容器35の周面には複数のバンドヒーター40が多段に装着されており,これら各バンドヒーター40の加熱温度はそれぞれ独立して制御することができ,各バンドヒーター40の加熱温度を変えることによって,容器35内の液体36中に温度勾配を形成することが可能である。各バンドヒーター40の加熱温度は上方ほど高温に設定されており,これにより,容器35内上方の成型部37においては,バンドヒーター40の加熱温度の加熱温度が高く,熱電対41で検出される液体36の温度を半田aの融点以上の温度(例えば190〜200゜C)に制御するようになっている。一方,容器35内下方の冷却部38においては,バンドヒーター40の加熱温度の加熱温度が低く,熱電対42で検出される液体36の温度は半田aの融点以下の温度(例えば20〜40゜C)に保たれている。このように,容器35内に充填された液体36は,上方が半田aの融点以上の高温度となり,下方が半田aの融点以下の低温度となるように,緩やかな温度勾配が形成されている。
容器35の上面には蓋45が取り付けてあり,ノズル21先端の吐出口22は,この蓋45に形成されたスリット46を通して容器35内の液体36中に浸漬されている。スリット46は,先に説明したノズル21の水平方向への往復振動を受容できるように横長の形状を有している。また蓋45で囲まれた容器35内の上部空間(液体36の液面よりも上方の空間)は,給気管47から例えばNガスなどといった不活性ガスが供給されており,容器35内は不活性雰囲気に維持されている。更に容器35底部には,不活性ガスを液体36中にバブリングさせることにより,液体36中の酸素を低減させるためのシャワーノズル48が配置されている。また,容器35内において液面上の雰囲気をサンプリングして酸素濃度を検出するための濃度計49も備えている。
先に説明した駆動機構25においてモータ30が稼働することにより,ノズル21は,図3においてX軸(横軸)の原点(座標0)で示される中立位置を中心にして,X軸のLで示される一方の移動端部と,X軸の−Lで示される他方の移動端部との間を振幅L(例えば3.8mm)で直線的に水平方向に往復振動するようになっている。なお,往復振動の中止となる中立位置(原点)は,容器35の中心軸に一致するように設置されている。
ここで図4は,ノズル21の原点からの変位Xと時間Tとの関係を示すグラフであり,両者(変位Xと時間T)は,正弦曲線(もしくは余弦曲線)で示される関係(X=Lsin(ωT+θ))になっている。即ちこの図4に示されるように,図示の実施の形態の製造装置1において,ノズル21は,容器35内の液体36中にノズル21先端の吐出口22を浸漬させた状態で,容器35の中心軸を中心に水平方向に振幅Lの単振動(例えば振動数23Hz)を行うようになっている。
さて,以上のように構成された本発明の実施の形態の製造装置1において,原料融解部10内の炉部12に半田インゴット(例えばSn−Pb共晶半田)を投入し,給気管16を通じて炉部12内に窒素ガスを供給した不活性雰囲気で,バンドヒーター11によって,半田インゴットを半田の融点(例えば183゜C)以上の温度(例えば220〜240゜C)に昇温させて融解させる。なお,半田の温度が安定するまでは,ニードルバルブ18を操作することにより,吐出口22からの半田の吐出を停止させておく。こうして融液となった半田aは,送液管17,フレキシブルホース20及びノズル21を通じて送液されて,ノズル21先端の吐出口22から下向きに吐出される。この場合,ニードルバルブ18を操作することにより,半田の吐出量を調整することができる。また,給気管16を通じて炉部12内に窒素ガスを圧入することにより,炉部12内にて融液となった半田aを送液管17側に強制的に押し出すことも可能である。なお図示の例では,ニードルバルブ18の開度を固定し,給気管16を通じて炉部12内に圧入する窒素ガス圧を一定に保つことにより,送液管17での半田a(融液)の流量を一定に保ち,ノズル21先端の吐出口22からの吐出量を一定にさせる。
このようにノズル21先端の吐出口22から融液となった半田aを一定流量で吐出させる一方で,先に説明した駆動機構25においてモータ30が稼働する。これによりノズル21は,容器35内の液体36中にノズル21先端の吐出口22を浸漬させた状態で,容器35の中心軸を中立位置としながら水平方向に振幅Lの単振動を行う。このように,ノズル21先端の吐出口22から融液の状態の半田aを下向きに吐出しつつ,ノズル21を水平方向に往復振動させることにより,吐出口22から吐出された半田aは,振動によってノズル21先端から振り切られて滴下し,容器35内に充填された液体36中を自重で落下していく。
ここで,先に説明したようにノズル21が単振動(例えば振幅3.8mm,振動数23Hz)を行うことにより,ノズル21から吐出される融液状態の半田aに対し,往復振動の移動端部で最大加速度が加わることとなる。これにより,半田aに水平方向に作用する力が最大となる往復振動の移動端部においてノズル21先端から融液状態の半田aが振り切られて滴下されるようになる。そして,このようにノズル21先端から滴下した半田aが,図2に示すように,容器35内において往復振動の移動方向(図2においては左右方向)の両側に振り分けられて,順次液体36中を自重で落下していくこととなる。また単振動では,往路におけるノズル21の運動と復路におけるノズル21の運動が対称となり,往路を移動中にノズル21先端に溜まる半田a(融液)の量と,復路を移動中にノズル21先端に溜まる半田a(融液)の量が等しくなる。よって,往路の移動を終了した移動端部でノズル21先端から滴下される半田a(融液)の量と,復路の移動を終了した移動端部でノズル21先端から滴下される半田a(融液)の量は等しい。このため,容器35内において往復振動の移動端部で,常に半田a(融液)を一定量毎に滴下させることができる。
こうして,ノズル21先端から滴下されて液体36中を落下していく半田aは,先ず液体36の上半部に形成された成型部37を通過し,次いで下半部に形成された冷却部38を通過していく。そして,バンドヒーター40の加熱によって成型部37では液体36の温度が半田aの融点以上(例えば190〜200゜C)の温度にされていることにより,成型部37を落下している間は,半田aは融液の状態に維持され,その表面張力によって球形に変形する。そして,こうして球形に変形した半田aは,次に冷却部38を落下していくが,冷却部38ではバンドヒーター40の加熱温度の加熱温度が低く,液体36の温度は半田aの融点以下の温度(例えば20〜40゜C)となっているため,冷却部38を落下中に半田aは冷却されて固化することとなる。こうして球状体となった半田a(半田ボール)が製造されて,容器35の底部に溜まっていく。また前述のように,容器35内に充填された液体36は,各バンドヒーター40の加熱制御によって,上方が半田aの融点以上の高温度となり,下方が半田aの融点以下の低温度となるように,緩やかな温度勾配に形成されているため,成型部37から冷却部38を落下していく半田aは,急激な温度変化をうけることなく,温度の急変化による形状不良等が発生しなくなる。
以上説明した本発明の実施の形態によれば,ノズル21の振動によって半田aの融液を一定量毎に分離させることができるので,従来のように原料を板材や線材に加工する工程が不要となり,半田ボールの製造工程の短縮化がはかれるようになる。また,正確な寸法精度等が要求される板材や線材に原料を加工しなくて良いので,容易に半田ボールを製造でき,低コスト化を実現できる。なお,ノズル21先端において滴下させる半田aの量は,例えばノズル21からの半田の吐出量やノズル21の往復振動(単振動)の周期(2π/ω),振幅L等を変更することにより,調整することができ,これにより製造される半田ボールの大きさも調整することが可能である。
またノズル21先端から容器35内の液体36中に半田aを落下させるに際しては,予め容器35底部に設けられたシャワーノズル48から不活性ガス(例えば酸素濃度が1ppm以下の窒素ガス)を液体36中にバブリングさせておくことにより,液体36中の酸素を前もって低減させておくことが好ましい。なお,そのようにシャワーノズル48から不活性ガスをバブリングさせる場合は,図2に示したようなスリット46を有する蓋45に代えて,バブリングされた不活性ガスを外部に逃がすための最小限の孔が形成されたスリットの無い蓋(図示せず)を用いると,外気から遮断した雰囲気環境で液体36中の酸素を低減させることが可能となる。不活性ガスのバブリングをせずに,液体36中に酸素を巻き込んだ状態のまま半田ボールを製造した場合,液体36中の酸素濃度は数%程度のオーダーとなり,融液の状態の半田aが酸化して球形化が阻害されてしまう。しかるに,予めシャワーノズル48から不活性ガスを液体36中にバブリングさせて酸素濃度を低減させておけば,球形化が阻害されず,真球に近い形状の半田ボールが製造できるようになる。その場合,スリットの無い蓋(図示せず)を用いることにより液体36中の酸素濃度を0.1%以下にまで低減させてから,スリット46を有する蓋45に交換すると良い。
以上,本発明の好ましい実施の形態の一例を説明したが,本発明はここで説明した形態に限定されない。図5は,本発明の他の実施の形態にかかるノズル50を示している。このノズル50の下面51には,多数の吐出口52が形成されている。ノズル50の上面53は可動に構成され,プッシャー54を介して加えられる圧力によりノズル50の内方に向かって上面53が押圧されている。ノズル50の内部には,融点以上に加熱されて融液の状態にされた半田aが充填されている。そして,上面53が押圧されることにより,ノズル50内部の半田aが,各吐出口52からそれぞれ滴下するようになっている。なお図示はしないが,この図4に示す実施の形態のノズル50の内部には,先に図1で説明した実施の形態と同様に,原料融解部で融解された半田が融液の状態で供給されるようになっている。またノズル50の下面51に形成された各吐出口52からそれぞれ滴下させられた半田aは,先に図2で説明した場合と同様に,液体36中を自重で落下し,成型部37にて球形に変形した後,冷却部38で冷却,固化されるようになっている。この図5で説明した実施の形態のノズル50を用いれば,多数の吐出口52から半田aを滴下することにより,短時間でより多くの半田ボールを製造することが可能となる。
また以上の実施の形態では,球状体の一例として半田ボールを製造する例について説明したが,球状体の原料は,半田以外の金属や金属以外の材料などでも良い。また,液体36は植物油に限らず他の液体や気体であっても良い。更に,ノズル21の運動は往復振動に限らず,他の振動運動(例えばノズル21を正三角形に移動させるような振動運動)などによって融液を振り切るようにしても良い。また,ノズル21を固定しておき,融液を断続的に吐出することにより,ノズル21から融液を滴下させることも可能である。更にまた,固定されたノズル21から融液を自重で落下させることにより,融液を一定量毎に分離させても良い。
図1等で説明した本発明の実施の形態の製造装置1を実際に用いて半田ボールを製造した。ノズル21はSUS316製の内径0.25φの管を用い,ノズル21先端の吐出口22を液体36(大豆油)中に約2〜3mmつけた状態とした。原料融解部10内の炉部12(内寸25φ×100)にSn−Pb共晶半田を50gセットし,酸化をおさえるため炉部12に窒素パージを行った後,バンドヒーター11で加熱して半田を融解させた。原料融解部10での昇温温度は220〜240℃とし,管17,フレキシブルホース20及びノズル21の温度もバンドヒーター23の加熱によって半田の融点以上の温度(実施例では220〜240℃)に制御した。そして,給気管16を通じて炉部12内に窒素ガスをリークし,ノズル21先端の吐出口22融液状体の半田を吐出させた。
その後,駆動機構25を稼働させ,ノズル21を周波数23Hz,振幅3.79mmで単振動させ,ノズル21先端から液体36(大豆油)中に半田融液を滴下させた。なお,予め成型部37では大豆油は190〜200℃にし,冷却部38では20〜40゜Cとした。
図6は,ノズル21先端から大豆油中に滴下された半田aの落下状態を示す図面である。この図6に示すように,半田aはノズル21の往復振動によって左右に振り分けられて滴下されていた。図7は,本発明の実施の形態によって製造された半田ボールの拡大図(SEM像のスケッチ)である。本発明の実施例で製造された半田ボール50個について長径Dと短径Dを測定し,平均径と真球度を各半田ボールについて求めた。ここで,平均径は(D+D)/2,真球度Aは3次元的なものではなく,A=(1−(D−D)/((D+D)/2))×100(%)と定義した。その結果,平均径の平均値は763(μm),最小値DMSは751(μm),最大値DMLは772(μm)となり,真球度(%)は98.3(平均),97.6(最小AMin),100.0(最大AMax)となり,バンプ材用半田ボールとして一般的な規格である,760±20μmの径精度,95%以上の真球度が得られた。また,本発明の実施の形態によって製造された半田ボールは,以下の(1)式および(2)式を満たした。
(DML−DMS)/(DML+DMS)<0.02 … (1)式
Min>90% … (2)式
なお,上記と同様の製造方法で,液体36(大豆油)中の酸素調整時において,サンプリングガス中の酸素濃度が0.5%までしか下がっていない時点で半田ボールの製造を始めた場合,得られた半田ボールは平均径(μm)は765(平均),748(最小),791(最大)となり,真球度(%)は94.2(平均),89.8(最小),97.2(最大)となり,径のバラツキが大きく,真球度も下がった。
本発明の実施の形態にかかる球状体の製造装置の説明図である。 成型部と冷却部の拡大図である。 ノズルの往復振動の説明図である。 ノズルの原点からの変位と時間との関係を示すグラフである。 本発明の他の実施の形態にかかるノズルの拡大断面図である。 ノズル先端から滴下された半田の落下状態を示す図面である。 本発明の実施例によって製造された半田ボールの拡大図である。
符号の説明
1 製造装置
10 原料融解部
11,23,40 バンドヒーター
12 炉部
13,24,41,42 熱電対
15 ボンベ
16 給気管
17 送液管
18 ニードルバルブ
20 フレキシブルホース
21 ノズル
22 吐出口
25 駆動機構
28 ガイド
29 カム
30 モータ
35 容器
36 液体
37 成型部
38 冷却部
45 蓋
46 スリット
47 給気管
48 シャワーノズル
49 濃度計

Claims (13)

  1. 球状体の原料を融液の状態で一定の量に分離させ,融液の状態において表面張力により球形にさせた後,冷却して固化させる方法であって,
    液面下に浸漬されたノズル先端の吐出口から融液を滴下させ,
    予め不活性ガスをバブリングさせておくことにより,酸素濃度を低減させておいた液体中で球状体の原料を球形にさせ,冷却することを特徴とする,球状体の製造方法。
  2. 液体中の酸素濃度を0.1%以下にまで低減させておくことを特徴とする,請求項1の球状体の製造方法。
  3. 融液を吐出するノズルを水平方向に往復振動させ,この往復振動によってノズルから融液を分離させることを特徴とする,請求項1または2の球状体の製造方法。
  4. 前記往復振動の移動端部でノズルから融液を滴下させることを特徴とする,請求項3の球状体の製造方法。
  5. 前記往復振動の往路におけるノズルの運動と復路におけるノズルの運動が対称であることを特徴とする,請求項3又は4の球状体の製造方法。
  6. 前記往復振動が単振動であることを特徴とする,請求項3〜5のいずれかの球状体の製造方法。
  7. 球状体の原料が金属であることを特徴とする,請求項1〜6のいずれかの球状体の製造方法。
  8. 球状体の原料が,融液の液相線温度が450゜C以下である単体の金属又は2種以上の金属よりなる合金であることを特徴とする,請求項7の球状体の製造方法。
  9. 融液の状態で一定の量に分離させた球状体の原料を,上方が球状体の原料の融点以上の高温度となり,下方が球状体の原料の融点以下の低温度となるように温度勾配が形成された液体中に融液の状態のまま自重で落下させ,液体中の上方において表面張力により球形にさせた後,液体中の下方において冷却して固化させることを特徴とする,請求項請求項1〜8のいずれかの球状体の製造方法。
  10. 球状体の原料が金属であり,前記液体が金属の液相線温度T以上の沸点Tを有する液体であり,T以上T未満の温度にされた液体中で球状体の原料を融液の状態で表面張力により球形にさせた後,T未満の温度にされた液体中で球状体の原料を冷却して固化させることを特徴とする,請求項9の球状体の製造方法。
  11. 球状体の原料を融液の状態で一定の量に分離させ,融液の状態において表面張力により球形にさせた後,冷却して固化させる球状体の製造装置であって,
    球状体の原料と反応しない液体が充填された容器と,
    前記容器内の液体の上方が球状体の原料の融点以上の高温度となり,下方が球状体の原料の融点以下の低温度となるように,温度勾配を形成させるヒーターと,
    ノズル先端の吐出口が液面下に浸漬された,球状体の原料を融液の状態で滴下させるノズルと,
    容器底部に配置された,不活性ガスを液体中にバブリングさせるシャワーノズルを備えることを特徴とする,球状体の製造装置。
  12. 前記ノズルを水平方向に往復振動させる駆動機構を備えていることを特徴とする,請求項11の球状体の製造装置。
  13. 前記ノズルの先端に形成された吐出口が,水平に配置された円形状の断面形状を有することを特徴とする,請求項11または12の球状体の製造装置。
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