JP2008156719A - 単分散粒子製造装置、単分散粒子製造装置用オリフィスプレート、及び単分散粒子集合体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】容器18の下側に、タンディッシュ14を設ける。更にその下側にオリフィスプレート15を配置し、該オリフィスプレート15に複数個のオリフィス16を設ける。シリンダロッド12を圧電アクチュエータ11連結してタンディッシュ14内を上下動させることにより、単分散粒子を大量に製造できるようにする。また溶融金属17が接触する部分を円対称にすると共に、オリフィスプレート15上の円対称軸を中心とする円周上に複数個のオリフィス16を設ける。このとき、均一なサイズの単分散粒子を大量に製造することができる。
【選択図】図1
Description
装置に利用するオリフィスプレート、及び単分散粒子集合体に関する。特に、流動性材料が間欠的に噴出するオリフィスを複数個用い、その配置を工夫することにより、均一なサイズの単分散粒子の生産性を向上させようとするものである。
特許文献1に開示した技術は、圧電アクチュエータにパルス圧力を発生させて、溶融金属に伝達する。このパルス圧力に同期して、溶融金属に接触しているオリフィスから、溶融金属を1個ずつ単分散粒子として噴射して球状化し、冷却した後、球形単分散粒子を回収するものである。この製造方法及び装置によれば、製造しようとする単分散粒子の大きさに応じてオリフィスを選択することにより、オリフィス直径の0.9〜1.1倍の範囲にある球形単分散粒子を製造することが可能となった。
本発明(2)のように、ほぼ同じ大きさのパルス圧力のかかる円周上に、同じ口径のオリフィスを複数個配置することにより、サイズの揃った単分散粒子の生産性を向上させることができる。パルス圧力の偏りを少なくするために、オリフィスを等間隔、均一に配置することが好ましい。
本発明(3)〜(5)によれば、サイズの揃った単分散粒子の生産性を更に向上させることができる。ほぼ同じ大きさのパルス圧力のかかる部分が半径方向にも広がって、許容範囲のサイズの単分散粒子が生産できることが期待できる場合は、オリフィスを所定の平面内に配置することが好ましい。この場合も、パルス圧力の偏りを少なくするために、ほぼ均一に配置することが好ましい。
本発明(6)〜(8)は、本発明(1)〜(5)の単分散粒子製造装置に用いるオリフィスプレートであり、サイズの揃った単分散粒子の生産性を向上させることができる。
「円対称」とは、立体図形をある軸を中心として任意の角度だけ回転しても元の図形に重なることである。この軸を「円対称軸」と定義する。
「ばらつき」とは、複数個の測定値などが平均値や標準値の前後に不規則に分布していることをいう。本発明では、製造された単分散粒子の集合体を光学顕微鏡で観察する。同時に、光学顕微鏡を用いて撮影した画像の解析から、各粒子の断面積を測定する。それから各粒子の直径を算出することにより、粒径分布、すなわち直径の平均値やそのばらつきの度合などを求めている。
図1に、本発明の一つの実施の形態である単分散粒子製造装置の断面概略図を示す。
この単分散粒子製造装置は、流動性材料である溶融金属17を貯留するための容器18と、この容器18から溶融金属17が供給される複数個のオリフィス16を有するオリフィスプレート15と、所定のパルス圧力を発生する圧電アクチュエータ11と、該圧電アクチュエータ11で発生したパルス圧力を容器18に貯留された溶融金属17に伝達するパルス圧力伝達部、すなわちシリンダロッド12と、オリフィス12から噴射された溶融金属17を回収する回収部とを有する。
容器18の下側は、溶融金属保持用の中間容器であるタンディッシュ14になっている。
タンディッシュ14の下側には、例えばネジ式の支持筒28で、オリフィスプレート15が固定されている。オリフィスプレート15の固定は、ボルト等、他のもので行なうようにしてもよい。
オリフィス16からその口径にほぼ等しい大きさの球状の粒子を噴射するために、溶融金属17との濡れ性の低い材料を用いることが好ましい。例えば、ステンレス、アルミナ、カーボン、石英、ボロンナイトライド等を用いることが好ましい。
タンディッシュ14の断面の直径は、そこに入り込むシリンダロッド12の断面の直径よりも例えば0.1〜2.5mm大きくなっている。溶融金属17は、シリンダロッド12の下降によってタンディッシュ14に閉じ込められ、オリフィスプレート15に設けられた複数個のオリフィス16から噴射する。
初めに蓋18aを開けて、容器18に単分散粒子の材料、例えば金属を充填する。そして蓋18aを閉じた後、容器18の外側に配置された加熱装置13で加熱することにより、流動性材料、すなわち溶融金属17にする。溶解した金属17は、タンディッシュ14内に流れ込む。
圧電アクチュエータ11に周期的なパルス波を印加することにより、圧電アクチュエータ11からパルス圧力を周期的に発生する。このパルス圧力は、シリンダロッド12、溶融金属17に伝達される。パルス圧力によってシリンダロッド12が下降することにより、タンディッシュ14内に流れ込んだ溶融金属17は閉じ込められ、そしてオリフィス16から噴射する。
シリンダロッド12の先端がタンディッシュ14に入り込む体積は、複数個のオリフィス16から噴射する溶融金属17の容積よりも大きいことが好ましい。すなわち、シリンダロッド12の断面の面積をs、シリンダロッド12がタンディッシュ14内を移動する距離をl、オリフィス孔は半径δrの円で、その数をnとおいたとき、
オリフィス16から噴射した溶融金属17は、落下する間に固化して下側に配置された回収部に回収される。
また回収部に液体槽を設け、オリフィス16から噴射した溶融金属を急冷して固化するようにしてもよい。
落下中の溶融金属が結合して大きな粒にならないようにするために、各オリフィスは、オリフィスの直径の2倍以上離しておくことが好ましい。
図3に、オリフィス配置の他の例を示す。オリフィス配置以外の部分は、実施の形態1と同じである。
ほぼ同じ大きさのパルス圧力のかかる部分が半径方向にも広がって、許容範囲のサイズの単分散粒子を製造できることが期待できる場合は、図3に示すように半径方向にも広げてオリフィスを配置するようにしてもよい。
タンディッシュ14に入り込むシリンダロッド12の先端の円断面の半径をrとおいたとき、オリフィスプレート15と円対称軸との交点から、0.4×r〜1.5×r離れた位置にオリフィス16を配置することが好ましい。
またオリフィス16を1.5×rより離れた位置に配置する場合、それに応じてタンディッシュ14を広げなければならない。このとき、シリンダロッド12とタンディッシュ14との間の隙間が大きくなる。パルス圧力がかかったときに、溶融金属17の一部が隙間から戻ってしまい、オリフィス孔とほぼ同じ径の溶融金属を噴射するのに十分な圧力がかからなくなる。
本実施の形態の場合は、より多くのオリフィスを配置することができ、単分散粒子の生産性を更に高めることができる。
図4に、本発明の他の実施の形態である単分散粒子製造装置の概略図を示す。図中、図1と同じものは同一符号で示す。実施の形態3のパルス圧力伝達部は、図1に示したシリンダロッド12の代わりに、伝達ロッド23及びダイアフラム24を用いている。
溶融金属17を貯留する容器26の下側には、底が狭くなっている逆円錐型容器27が設けられている。更にその下側には、オリフィスプレート15があり、オリフィスプレート15に複数個のオリフィス16を設ける。
容器26に、単分散粒子の材料、例えば金属を充填する。そして容器26の外側に配置された加熱装置13で加熱することにより、流動性材料、溶融金属17にする。溶解した金属17は、逆円錐型容器27に流れ込む。
圧電アクチュエータ11に周期的なパルス波を印加することにより、圧電アクチュエータ11からパルス圧力を周期的に発生する。このパルス圧力は、伝達ロッド23を通じて、ダイアフラム24、溶融金属17に伝達する。パルス圧力でダイアフラム24がたわむことにより、オリフィス16から溶融金属17を噴射する。
パルス圧力を印加したときにダイアフラム24が溶融金属17側にたわむ体積は、複数個のオリフィス16から噴射する溶融金属17の容積よりも大きいことが好ましい。
容器26の溶融金属17が貯留される部分、逆円錐型容器27、及びダイアグラム24は円対称にすることが好ましい。圧電アクチュエータ11のパルス圧力が伝達されたとき、オリフィスプレート15上では、円対称軸を中心とした円周上でほぼ同じ大きさの圧力がかかる。この円周上に同じ口径のオリフィスを複数個配置することにより、均一なサイズの単分散粒子を大量に製造することができる。単分散粒子製造装置が安定に動作して均一なサイズの粒子を製造できるようにするために、円対称軸を中心とした円周上に、オリフィス16が等間隔、均一になるように配置しておくことが好ましい。
図5に、本発明の更に他の実施の形態である単分散粒子製造装置の概略図を示す。図中、図1と同じものは同一符号で示す。
実施の形態4では、シリンダロッド12の先端と、タンディッシュ14の径をほぼ同じにしている。そして容器18にノズル29を設けている。圧電アクチュエータ11のパルス圧力でシリンダロッド12を上下動させることにより、溶融金属17はノズル29、タンディッシュ14を通じて、オリフィス16から噴射される。
圧電アクチュエータ11でパルス圧力を発生したときに、オリフィスプレート15上の円対称軸を中心とした円周上でほぼ同じ大きさの圧力がかかる場合は、この円周上に複数個のオリフィスを配置することが好ましい。このとき、均一なサイズの単分散粒子を、大量に製造することができる。
図6に示すように、オリフィスプレート15上には、中心から半径3mmの円周上に、180度広げて2個のオリフィス16が配置されている。
シリンダロッド12とダンディッシュ14は、5〜30mmの範囲にあるものをいくつか使って実験を行なった。
容器18内の温度は略260℃に保ち、2つのガス導入口19、20からはアルゴンガスを導入した。
図8に、光学顕微鏡に備えられている画像解析手段で測定した単分散粒子の粒径分布を示す。粒径は170.1〜175.9μmの範囲に入っており、平均粒径は172.9μmであった。この平均粒径から±3%の範囲(167.7〜178.1μm)に入っている粒子が99.99%以上あり、良好な粒径分布が得られた。更に噴射の様子から、直径6mm以外の円周上にオリフィスを配置しても、粒径の揃った分散粒子を製造できることが期待できる。
12:シリンダロッド
13:加熱装置
14:タンディッシュ
15:オリフィスプレート
16:オリフィス
17:溶融金属
18、26:容器
19、20:ガス導入口
21:壁
22:円周
23:伝達ロッド
24:ダイアフラム
25:ダイアフラム保持部
27:逆円錐型容器
28:支持筒
29:ノズル
Claims (8)
- 流動性材料を貯留するための容器と、この容器から流動性材料が供給される複数個のオリフィスを有するオリフィスプレートと、所定のパルス圧力を発生する圧電アクチュエータと、該圧電アクチュエータで発生したパルス圧力を該容器に貯留された流動性材料に伝達するパルス圧力伝達部と、該オリフィスから噴射された流動性材料を回収する回収部とを有することを特徴とする単分散粒子製造装置。
- 前記容器の流動性材料貯留部分と、前記パルス圧力伝達部は円対称であり、前記オリフィスプレートは円対称軸に垂直に配置され、複数個の前記オリフィスは、オリフィスプレートと円対称軸との交点を中心とする円周上に配置されていることを特徴とする請求項1記載の単分散粒子製造装置。
- 前記容器の流動性材料貯留部分と、前記パルス圧力伝達部は円対称であり、前記オリフィスプレートは円対称軸に垂直に配置され、複数個の前記オリフィスは、オリフィスプレートと円対称軸との交点から所定の距離にある平面内に配置されていることを特徴とする請求項1記載の単分散粒子製造装置。
- 前記パルス圧力伝達部は円柱状のシリンダロッドであり、該シリンダロッドの断面の半径rに対し、円対称軸との交点から0.4×r〜1.5×rの距離にある前記オリフィスプレートの平面内に、前記オリフィスが配置されていることを特徴とする請求項3記載の単分散粒子製造装置。
- 前記容器の流動性材料貯留部分と、前記パルス圧力伝達部は円対称であり、前記オリフィスプレートは円対称軸に垂直に配置され、複数個の前記オリフィスは、オリフィスプレートと円対称軸との交点を中心とする円平面内に配置されていることを特徴とする請求項1記載の単分散粒子製造装置。
- 円周上に複数のオリフィスが配置されていることを特徴とする単分散粒子製造装置用オリフィスプレート。
- ある点から所定の距離にある平面内に複数のオリフィスが配置されていることを特徴とする単分散粒子製造装置用オリフィスプレート。
- 円平面内に複数のオリフィスが配置されていることを特徴とする単分散粒子製造装置用オリフィスプレート。
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