JP2008179552A - 毛髪化粧料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】泡盛蒸留粕の加工物を含有することを特徴とする毛髪化粧料。
【選択図】なし
Description
泡盛蒸留粕の製造:
蒸米6000kgと黒麹菌(Aspergillus awamori)2kgとを混合したものを35℃で40時間かけて蒸米に黒麹菌をはやした。次に、これに水10000kgと酵母(泡盛101号酵母)200Lとを加えて27℃で20日発酵させて醪を得た。最後にこの醪を銅製蒸留機に移し、蒸留温度を85℃としてアルコール(泡盛)だけを蒸気として回収(米6000kgから、アルコール度数の平均値は44度の泡盛が約6000リットル)する際に、蒸留せずに銅製蒸留機に残存したものを泡盛蒸留粕として得た。
泡盛蒸留粕溶液の製造:
参考例1で製造した泡盛蒸留粕をタンクで自然沈降させ、上部の透き通った液体部分を回収して泡盛蒸留粕溶液を得た。
泡盛蒸留粕ペーストの製造:
参考例1で製造した泡盛蒸留粕をタンクで自然沈降させ、下部の固体成分を多く含む部分を回収した。この回収した泡盛蒸留粕の固体部分を無菌的に充填することにより泡盛蒸留粕ペーストを製造した(水分含量約5質量%)。
ブリーチ毛の色調に与える効果:
<ブリーチ毛の調製>
長さ30cmに揃えられた中国人黒色頭髪束(原産国:中国、輸入元:株式会社ビューラックス)(約9g)に、ルウ フロスティ ルーライト(Colomer U.S.A. Inc.)とアリミノアジアンカラー(株式会社アリミノ)を等量混合したものを70g塗布し、ラップに包み、室温で1時間放置した。その後、十分に水道水で洗浄し、自然乾燥させ、ブリーチを行った。
泡盛蒸留粕の加工物である、もろみ酢(黒麹醪酢(無糖):ヘリオス酒造株式会社)20mL、参考例2で製造した泡盛蒸留粕溶液20mLと参考例3で製造した泡盛蒸留粕ペースト60gを、それぞれブリーチした頭髪束全体に塗布した。次に、これらをラップに包み、蛍光灯照射下、40℃の恒温器中に1時間放置した。その後、頭髪束は、十分に水道水で洗浄した後、自然乾燥させた。また、対照としては31質量%クエン酸水溶液20mLで上記と同様に処理したブリーチ毛および無処理のブリーチ毛を用いた。
頭髪束中の毛髪の色度の評価は、スキャナ(hp psc 1210:Hewlett-Packard Co.)とパーソナルコンピュータ(iMac:Apple Computer Inc.)を用いて、同一条件下で画像として取込み、解析することにより行った。解析は、デジタルカラーメーター(Digital Color Meter ver.3.1:Apple Computer Inc.)を用いて、CIE1976(L*a*b*表色系)モードで行った。
毛髪の色度をL*a*b*表色系で測定した結果を表1に示した。その結果、ブリーチ毛とクエン酸処理したブリーチ毛の間に大きな違いはなかったが、泡盛蒸留粕溶液、もろみ酢および泡盛蒸留粕ペーストで処理したブリーチ髪は、L*値が大きく増加する傾向が示され、a*値とb*値は多少の変動を示したが大きな変化はなかった。すなわち、泡盛蒸留粕の加工物で処理したブリーチ毛は、明るさを増していることを示したものであり、毛髪に艶を与えることが判明した。
銅イオンの吸着を指標としたヘナ染毛毛髪の修復効果:
< 実験操作 >
実施例1と同様にブリーチした頭髪束を用いて、以下の手順で染毛を行った。まず、ブリーチした頭髪束に、ヘナ粉末(商品名:こだわりのヘナ、原産国:インド、輸入元:株式会社丸初)10gをもろみ酢(黒麹醪酢(無糖):ヘリオス酒造株式会社)30mLに懸濁してペーストとしたもの、ヘナ粉末10gを参考例2で製造した蒸留粕溶液30mLに懸濁してペーストとしたものおよびヘナ粉末10gと参考例3で製造した蒸留粕ペースト20gを製造例2で製造した蒸留粕溶液20mLに懸濁してペーストとしたものを、それぞれ毛髪束全体に塗布した。次に、これらをラップに包み、40℃の恒温器中に1時間放置した。その後、染毛した毛髪束は、十分に水道水で洗浄した後、自然乾燥させた。また、対照としてはヘナ粉末10gを20mLの蒸留水に懸濁してペーストとしたもので上記と同様に染毛したブリーチ毛および無染毛のブリーチ毛を用いた。
頭髪束中の毛髪の損傷度の測定は、ウェーバー(Weber)法に従い行った。すなわち、アンモニア水で、pH10.5に調整した0.3質量%の硫酸銅水溶液50mLに、末端から10cmまでの部分の毛髪サンプル500mgを加え、35℃で15分間放置し、毛髪の損傷部位に銅(II)イオンを吸着させた後、ろ過により毛髪を除去した。このろ液を一定量分取し、酢酸溶液で酸性にした後、ヨウ化カリウムを適量加えて、銅(II)イオンと反応させた。その後、銅(II)イオンとヨウ化カリウムが定量的に反応したことより生じたヨウ素を、0.01Mチオ硫酸ナトリウムにより定量した(チオサルフェート法)。そして、0.01Mチオ硫酸ナトリウム溶液の消費量から、毛髪に吸着した銅イオン量を算出した。また、毛髪の色度の評価を、実験1と同様の操作で行った。
毛髪の色度を測定した結果を表2に示した。その結果、ヘナのみで染毛をした毛髪と泡盛蒸留粕の加工物を加えて染毛をした毛髪の色調に大きな違いを見出すことはできなかった。この結果から、植物染毛剤のヘナに泡盛蒸留粕の加工物を添加して染毛を行った場合、一般的に行われているヘナによる染毛と変わらない色調が得られることが判明した。また、ヘナで染毛した毛髪に対する損傷修復効果を測定した結果を表3に示した。その結果、泡盛蒸留粕の加工物を用いた場合、ヘナと蒸留水で染毛した場合に比較して、毛髪への銅の吸着量が減少した。毛髪に対する損傷修復効果は、泡盛蒸留粕の加工物の中でも泡盛蒸留粕ペーストが最も強く、泡盛蒸留粕溶液が最も弱かった。
ブリーチ毛へのラジカル消去能の賦与による損傷抑制:
< 実験操作 >
実施例1と同様にブリーチした頭髪束を、もろみ酢(黒麹醪酢(無糖):ヘリオス酒造株式会社)または参考例3で製造した泡盛蒸留粕ペーストにそれぞれ20分間、浸漬した。その後、毛髪を水道水で洗浄し、一晩自然乾燥させた。この毛髪を2μg/mLの1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル(DPPH)を含有するエタノール溶液に20分間、浸漬した。20分経過後に、エタノール溶液の一部を分取し、520nmにおけるDPPHの吸光度を測定した。また、対照としては、ブリーチ束を水に浸漬したものを用いた。ラジカル消去活性は、次の計算式に従って算出した。算出の際には、毛髪をいずれにも浸漬させないDPPH−エタノール溶液をコントロールとして用いた。
各処理をした毛髪のラジカル消去活性を測定した結果を表4に示した。その結果、水に浸漬したブリーチ毛のラジカル消去活性は、0.30であったが、もろみ酢に浸漬したブリーチ毛と泡盛蒸留粕ペーストに浸漬したブリーチ毛のラジカル消去活性は、それぞれ、0.80と0.51であった。本結果から、ブリーチした毛髪を泡盛蒸留粕ペーストおよびもろみ酢に浸漬させることによって、毛髪のラジカル物質を吸収する能力が向上することが明らかとなった。すなわち、毛髪に、強いラジカル消去活性を示す泡盛蒸留粕ペーストやもろみ酢の有効成分が毛髪に吸着し、ラジカル物質に対する防御機能が向上したことが確認された。
パーマ毛へのラジカル消去能の賦与による損傷抑制:
< パーマ毛の調製 >
長さ30cmに揃えられた中国人頭白髪束(原産国:中国、輸入元:株式会社ビューラックス)の50本を一束とした。これをラウリル硫酸ナトリウム溶液で洗浄後、十分に水洗して自然乾燥させた。乾燥後、毛流を整え毛根の近い部分を接着剤で接着した。そして接着した側をスパイラルロッド(スクリュー状の突起のある長さ約12cm、直径約1cmの樹脂製の棒)の一端に粘着テープで固定し、実験用毛束とした。この実験用毛束に、健康毛に使われているヴィカールノーマルNT第1剤とノーマルNT第2剤(株式会社鳴尾化学研究所)からなるチオグリコール酸系パーマ剤またはヘアカラー毛専用のBSシス(Best stage for professionals)第1剤とBSシス第2剤(株式会社アリミノ)からなるシステイン系パーマ剤を使用して、以下のスパイラルロッド法を用いてパーマ施術を行った。
実施例3と同様の方法でこのパーマ毛のDPPHに対するラジカル消去能を評価した。
各処理をしたパーマ毛のラジカル消去活性を測定した結果を表5に示した。その結果、、水に浸漬したパーマ毛のラジカル消去活性は、チオグリコール酸系パーマ剤またはシステイン系パーマ剤の種類に関係なく、1以下の値であったのに対して、もろみ酢に浸漬したチオグリコール酸系パーマ剤およびシステイン系パーマ剤のラジカル消去活性は、著しく高い値を示した。本結果から、もろみ酢にパーマ毛を浸漬させることによって、毛髪のラジカル物質を吸収する能力が向上することが明らかとなった。すなわち、毛髪に、強いラジカル消去活性を示すもろみ酢の有効成分が毛髪に吸着し、ラジカル物質に対する防御機能が向上したことが確認された。
各種素材のラジカル消去活性:
実施例3と同様の方法によって、下記に示した素材のDPPHラジカル消去活性を測定した。その結果を表6に示した。
紫外線照射によるブリーチ毛のダメージに与える効果:
< 実験操作 >
中国人黒色頭髪束を実施例1と同様の方法でブリーチした。このブリーチした頭髪束を泡盛蒸留粕の加工物であるもろみ酢または泡盛蒸留粕ペーストを用いて実施例1と同様の方法により処理した。次に、上記の処理をしたブリーチ毛を殺菌用紫外線ランプの元で、72時間放置した。また、対照としては蒸留水で処理した後、紫外線照射を行ったブリーチ毛を用いた。更に、ブリーチを行っていない中国人黒色頭髪束(無処理毛)についてもブリーチ毛と同様の処理を行った。
頭髪束中の毛髪の損傷度の測定を実施例2と同様の方法により行った。
各処理をした頭髪束の損傷度を測定した結果を表7に示した。その結果、泡盛蒸留粕ペーストで処理したブリーチ毛では、蒸留水処理したブリーチ毛に比較して、毛髪への銅の吸着量が減少し、紫外線照射に対して防御効果を示すことが確認された。また、毛髪に対する損傷修復効果は、泡盛蒸留粕の加工物の中でも泡盛蒸留粕ペーストが最も強く、もろみ酢は弱かった。
モロミ酢の感覚に与える効果:
< 実験方法 >
市販のシャンプーで洗髪した後、リンスやトリートメントを使用せずに、もろみ酢(黒麹醪酢(無糖):ヘリオス酒造株式会社)の30mLを毛髪に塗布して、軽くすすぎ、乾燥させた。そして、手触りにより毛髪の状態を評価した。実験期間は1週間とし、被験者は、男性2名で行った。
市販のリンス使用時ともろみ酢使用時の感想を比較した結果、もろみ酢使用時の方が市販のリンス使用時よりもさっぱりとした感覚が得られた。また、散歩等の軽い運動により頭皮に汗をかいた場合には、市販のリンス使用時よりも、もろみ酢使用時の方が、ベタツキの感覚が少ないとの評価を得た。一方、ヘアスタイルのセットや櫛通りなどについては、もろみ酢使用時と市販のリンス使用時とでは感覚に違いはなかった。
以 上
Claims (6)
- 泡盛蒸留粕の加工物を含有することを特徴とする毛髪化粧料。
- 泡盛蒸留粕の加工物が、泡盛蒸留粕を固液分離することにより得られる液体画分である請求項第1項記載の毛髪化粧料。
- 泡盛蒸留粕の加工物が、泡盛蒸留粕を固液分離することにより得られる液体画分を、更に加熱・殺菌処理したものである請求項第1項記載の毛髪化粧料。
- 泡盛蒸留粕の加工物が、泡盛蒸留粕を固液分離することにより得られる固体画分である請求項第1項記載の毛髪化粧料。
- 洗髪用化粧品である請求項第1項ないし第4項の何れかの項に記載の毛髪化粧料。
- パーマ剤、染毛剤または脱色剤である請求項第1項ないし第4項の何れかの項に記載の毛髪化粧料。
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2007
- 2007-01-24 JP JP2007013282A patent/JP2008179552A/ja active Pending
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