JP2008178951A - スナップリングの組付装置及び組付方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】スナップリングを周囲の部材に擦りつけることなく、切欠きのない円筒部に組み付けるスナップリングの組付装置及び組付方法を提供する。
【解決手段】円筒部内に挿入可能な凸部材であってスナップリング60を下端部分に形成された段部に引っ掛けて配置させるリング保持部材5cと、そのリング保持部材5cに沿って下方に突設した一対の引掛け爪21aの間隔を変化させた開閉動作を行う把持部材6と、その把持部材6の引掛け爪21aに開閉動作を行わせる開閉動作機構7,24,25,31とを有す。円弧状のスナップリング60を弾性変形させることにより縮径し、円筒部と同軸方向の昇降動作によりリング保持部材5cと引掛け爪21aとを円筒部内に入れ、拡径させることにより内径溝に組み付ける。
【選択図】図2
【解決手段】円筒部内に挿入可能な凸部材であってスナップリング60を下端部分に形成された段部に引っ掛けて配置させるリング保持部材5cと、そのリング保持部材5cに沿って下方に突設した一対の引掛け爪21aの間隔を変化させた開閉動作を行う把持部材6と、その把持部材6の引掛け爪21aに開閉動作を行わせる開閉動作機構7,24,25,31とを有す。円弧状のスナップリング60を弾性変形させることにより縮径し、円筒部と同軸方向の昇降動作によりリング保持部材5cと引掛け爪21aとを円筒部内に入れ、拡径させることにより内径溝に組み付ける。
【選択図】図2
Description
本発明は、円筒内に形成された内径溝に円弧状のスナップリングを組み付けるスナップリングの組付装置及び組付方法に関し、特にスナップリングを周囲の部材に擦りつけることなく組み付けることが可能なスナップリングの組付装置及び組付方法に関する。
スナップリングの組み付けが必要な箇所としては、例えばベアリングの装着箇所であって、円筒形のベアリング受けに入れたベアリングが抜けないように、開口部側で抜け止め防止のためのスナップリングが組み付けられる。一部が切断された円弧状のスナップリングは、縮径方向に弾性変形した状態でベアリング受けの内径溝の位置まで運ばれ、そこで解放されることで弾性復元により拡径して内径溝に組み付けられる。
そうした組付方法としては、図8に示すように、円筒部100にテーパガイド110を当て、そのテーパガイド110内に入れられたスナップリング80が、圧入ヘッド120によって押し下げられる。供給されたスナップリング80は、テーパ内面111に従って縮径しながら摺動し、連続する円筒部100内に押し込まれる。そして円筒部100の内径溝101に達したところで弾性復元により拡径することにより、外れないように組み付けられる。しかし、これではスナップリング80は、内径溝101までの間に強く擦れて削られ、その削りカスがベアリングに落ちて引っ掛かり等による品質不良を生じさせることがある。
そこで、特開平6−114645号公報には、損傷なしで確実に組付けることのできるスナップリング組付装置が提案されている。図9は、そのスナップリング組付装置による組付状態を示した平面図である。このスナップリング組付装置150には、一対の平行チャック151が把持部材として設けられ、その平行チャック151が閉動作によってスナップリング160の突出部161を挟み込むことにより縮径させる。次に、スナップリング160をこの状態のまま下降させ、突出部161が切欠き171に位置するように円筒部170内に挿入する。そして、円筒部170の内径溝172の位置まで下降したところで平行チャック151を開動作させて離反させることにより、弾性で拡径したスナップリング160が組み付けられる。
特開平6−114645号公報
こうした従来のスナップリング組付装置150を使用した組付方法によれば、図8に示す組付方法のようにスナップリング160が擦れないため削りカスなどによる品質不良を防止することができ、また手作業でなく自動によるスナップリングの組み付けも可能になる。しかし、こうした従来の組付装置や組付方法は、円筒部170に切欠き171が必要であり、スナップリング160には突出部161が形成されたものであった。そのため、切欠きのない円筒部の内径溝にはスナップリングを組み込むことはできず、そうした場合には図8に示すような方法で組み込むしかなかった。
そこで、本発明は、かかる課題を解決すべく、スナップリングを周囲の部材に擦りつけることなく、切欠きのない円筒部に組み付けるスナップリングの組付装置及び組付方法を提供することを目的とする。
本発明に係るスナップリング組付装置は、両端に引掛け部が形成された円弧状のスナップリングを、その引掛け部を介し弾性変形させることにより縮径した状態で円筒部に入れ、当該円筒部内に形成された内径溝の位置で解放して拡径させることにより、当該スナップリングを内径溝に組み付けるようにしたものであって、前記円筒部内に挿入可能な凸部材であって前記スナップリングを下端部分に形成された段部に引っ掛けて配置させるリング保持部材と、そのリング保持部材に沿って下方に突設した一対の引掛け爪の間隔を変化させた開閉動作を行う把持部材と、その把持部材の引掛け爪に開閉動作を行わせる開閉動作機構とを有し、前記円筒部と同軸方向の昇降動作により、前記リング保持部材と引掛け爪とが前記円筒部内に挿入可能なものであることを特徴とする。
また、本発明に係るスナップリング組付装置は、前記把持部材が、軸支された一対のアームが対称的に揺動することにより、その一端部に設けられた前記引掛け爪が開閉するものであり、前記開閉動作機構は、前記一対のアームの他端部に設けられた各カムフォロアの間に略楕円形の開閉カムが常に当接した状態で配置され、その開閉カムに回転を与えることにより前記一対のアームを揺動させるようにしたものであることが好ましい。
また、本発明に係るスナップリング組付装置は、前記開閉動作機構が、前記開閉カムには軸方向に突設した回転軸が形成され、その回転軸に固定されたクランク部材を介してシリンダが連結され、そのシリンダの伸縮によって前記開閉カムが回転するようにしたものであることが好ましい。
また、本発明に係るスナップリング組付装置は、前記開閉動作機構が、前記開閉カムには軸方向に突設した回転軸が形成され、その回転軸に固定されたクランク部材を介してシリンダが連結され、そのシリンダの伸縮によって前記開閉カムが回転するようにしたものであることが好ましい。
また、本発明に係るスナップリング組付装置は、前記回転軸には回転止が設けられ、その回転止がストッパに当たることによって前記開閉カムの回転域を設定するようにしたものであることが好ましい。
また、本発明に係るスナップリング組付装置は、前記リング保持部材が、その下端部分に付勢部材に付勢されたスライド可能な押圧片が設けられ、その押圧片は、前記一対の引掛け爪が引っかけられたスナップリングに対し、引掛け爪とは反対側の位置で内径側から当接するようにしたものであることが好ましい。
また、本発明に係るスナップリング組付装置は、前記リング保持部材が、その下端部分に付勢部材に付勢されたスライド可能な押圧片が設けられ、その押圧片は、前記一対の引掛け爪が引っかけられたスナップリングに対し、引掛け爪とは反対側の位置で内径側から当接するようにしたものであることが好ましい。
また、本発明に係るスナップリング組付装置は、前記リング保持部材が、その下端部分に前記スナップリングを吸着するためのマグネットが所定の位置に設けられたものであることが好ましい。
また、本発明に係るスナップリング組付装置は、前記リング保持部材が、その下端部分に前記スナップリングを検出するためのセンサが所定の位置に設けられたものであることが好ましい。
また、本発明に係るスナップリング組付装置は、前記リング保持部材、把持部材及び開閉動作機構が蓋部材の下面に構成され、スナップリングの組み付け時に、前記円筒部の周りを当該蓋部材で囲むようにしたものであることが好ましい。
また、本発明に係るスナップリング組付装置は、前記リング保持部材が、その下端部分に前記スナップリングを検出するためのセンサが所定の位置に設けられたものであることが好ましい。
また、本発明に係るスナップリング組付装置は、前記リング保持部材、把持部材及び開閉動作機構が蓋部材の下面に構成され、スナップリングの組み付け時に、前記円筒部の周りを当該蓋部材で囲むようにしたものであることが好ましい。
一方、本発明に係るスナップリング組付方法は、両端の引掛け部が外径側の周縁部よりも内径側に形成された円弧状のスナップリングを、その引掛け部を介し弾性変形させることにより縮径した状態で円筒部に入れ、当該円筒部内に形成された内径溝の位置で解放して拡径させることにより、当該スナップリングを内径溝に組み付けるようにしたスナップリング組付方法であって、前記スナップリングを、その内径側からリング保持部材で支え、引掛け部に引っ掛けた一対の引掛け爪の間隔を狭める閉動作によって縮径させ、そうした縮径状態のスナップリングを引掛け爪とリング保持部材とともに前記円筒部内に挿入し、所定の位置で前記一対の引掛け爪を開動作させてスナップリングを拡径した状態に戻して前記内径溝に組み付け、その後、スナップリングを残して前記引掛け爪とリング保持部材を円筒部から外に出すようにしたものであることを特徴とする。
本発明によれば、両端の引掛け部が外径側の周縁部よりも内径側に形成された円弧状のスナップリングを組み付ける際、スナップリングの内径側をリング保持部で支持し、スナップリングを縮径させための力を直接伝える引掛け爪をリング保持部材に沿って下方に突設しているため、スナップリングの引掛け部に引っ掛けても、そのスナップリングの周縁部よりも外側に引掛け爪がはみ出すことがない。そのため、保持部材と引掛け爪とはスナップリングを保持したまま下降させて円筒部内に入れることができ、その後、開動作によってスナップリングを内径溝に組み付けてそのまま上昇させれば、スナップリングを残してリング保持部と引掛け爪を円筒部から抜くことができる。
よって、本発明に係るスナップリングの組付装置及び組付方法によれば、スナップリングを周囲の部材に擦りつけることなく、切欠きのない円筒部にでも組み付けることができる。また、カムフォロアに当接した開閉カムを回転させて引掛け爪を備えた一対のアームを開閉させるようにしたため、開閉動作に伴うスナップリングの縮径に当たって、装置で最も力のかかる回転部の力を逃がすことで負荷を小さくすることができ、そして擦れも生じないためカスの発生を防止することにもなる。また、シリンダを使用して開閉カムを回転させるようにすれば、シリンダをアームと平行に配置することにより、アーム上方の小スペースに開閉動作機構を構成することができる。
そして、シリンダによってアームを開閉させる場合でも、回転止をストッパに当てて開閉カムの回転を制限することにより、シリンダのストロークを制御することなく簡単にアームの開閉をコントロールできる。また、引掛け爪とは別に付勢部材に付勢された押圧片をスナップリングに押し当てて支持することにより、スナップリングの安定した保持が可能になる。また、リング保持部材の下端部分に設けたマグネットによってスナップリングを吸着することにより、作業中の落下防止や正しい姿勢での保持が可能になる。また、センサでスナップリングを検出することにより、正しい姿勢で保持されているか否かが確認できる。更に、蓋部材を設けることにより、把持動作時にスナップリングが万一飛んでしまっても、作業者や設備などへ当たってしまうようなことが防止できる。
次に、本発明に係るスナップリングの組付装置及び組付方法について、その一実施形態を図面を参照しながら以下に説明する。本実施形態では、図7に示すような容体50内に設けられた軸受け部51に組み付けられるスナップリング60について説明する。容体50は、上方に大きく開口し、内部の中心には底を貫通した円筒部52が形成されている。円筒部52内にはベアリング53が装填され、その抜けを防止するためベアリング53の上にスナップリング60が取り付けられている。円筒部52の内周面には、ベアリング53を装填するための段差の他、上部開口近くにスナップリング60を入れるための内径溝55が形成されている。そして、この円筒部52には、図9に示す従来の円筒部170のような切欠きは形成されてはいない。
次に、こうした円筒部52の内径溝55へスナップリング60を組み付けるためのスナップリング組付装置について説明する。図1乃至図3は、スナップリング組付装置を示した平面図、側面図および下方からスナップリングの把持部を下方から示した図である。
このスナップリング組付装置1は、容体50の上部開口を塞ぐ大きさの天板2の下面に固定され、その天板2に連結された不図示の搬送装置によって所定の位置への移動が行われるようになっている。スナップリング組付装置1を天板2に取り付けるのは、組み付け時に、弾性変形したスナップリング60が万一外れて勢いよく飛んでしまっても、天板2が容体50の蓋となって作業者などへ当たらないようにするためである。
このスナップリング組付装置1は、容体50の上部開口を塞ぐ大きさの天板2の下面に固定され、その天板2に連結された不図示の搬送装置によって所定の位置への移動が行われるようになっている。スナップリング組付装置1を天板2に取り付けるのは、組み付け時に、弾性変形したスナップリング60が万一外れて勢いよく飛んでしまっても、天板2が容体50の蓋となって作業者などへ当たらないようにするためである。
天板2の下面には取付ボード3が固定され、そこにスナップリング組付装置1が取り付けられている。スナップリング組付装置1は、取付ボード3に対してベースブロック5が固定され、そのベースブロック5にスナップリング60を把持する一対のアーム6,6が揺動自在に軸支されている。そして、その把持部材であるアーム6,6は、間に挟まれた開閉カム7が回転することによって開閉するように構成され、その開閉カム7を回転させる駆動手段としてシリンダ8が設けられている。
先ず、ベースブロック5は、固定部5aが取付ボード3に当てられてネジ止めされ、その固定部から水平に張りだした支持部5bや、円柱形状のリング保持部5cを有し、そのリング保持部5cの下端部分には、スナップリング60を位置決めするための段部5dが形成されている。段部5dは、縮径したスナップリング60の大きさに合わせて形成され、リング保持部5cは、スナップリング60を組み付ける円筒部52内に入る径の大きさで形成されている。そして、リング保持部5cは、スナップリング60を引っ掛ける爪が干渉しないように前面5eが面取りされている。更に、リング保持部5cからは、円筒部52内のベアリング53に入り込むガイドロッド5fが下方に突き出している。
ところで、本実施形態で対象とするスナップリング60は、図4に示すようにC形の円弧形状であり、その両端には内径側に向けて引掛け部となる鉤部61が形成されている。このスナップリング60は、後述するように、アーム6,6に設けられた2つの爪部材21,21がこの鉤部61に引っ掛けられるようにしたものである。しかし、組み付け時にその2点だけに力を加えて保持するのは不安定なため、リング保持部5cには、鉤部61の反対側でスナップリング60を外側に押さえる押圧片13が設けられている。押圧片13は、リング保持部5cの下面に形成されたスライド溝に嵌め込まれ、スプリング14によって付勢されている。従って、図3に示すようにスナップリング60を装着した状態で押圧片13が内径側に当たり、スプリング14の押圧力で3点支持するよう構成されている。
ただし、それだけでは下支えがないため、スナップリング60が作業中に落下してしまうことも考えられる。また、落下しないまでも、正確に引っ掛かっていない状態でスナップリング60が縮められると、外れた場合に勢い良く飛んでしまうことが考えられる。そこで、本実施形態では、段部5dの位置に合わせてリング保持部5cにマグネット11が埋め込まれ、金属のスナップリング60を吸着して落下しないようにしている。更に、リング保持部5cには、段部5dの位置に合わせて近接センサ12が埋め込まれ、スナップリング60が正確に保持されているかの確認ができるようになっている。
なお、スナップリング60が2つの爪部材21,21に引っ掛けられた状態で落ちないようであれば、押圧片13は必ずしも必須の構成ではない。また、マグネット11や近接センサ12も任意であって、必ずしも必須の構成ではない。そして、マグネット11や近接センサ12は、その数や位置を様々に変更することができ、例えばマグネット11の数や位置によってスナップリング60が安定して保持できれば、この点でも押圧片13を省略することができる。
次に、アーム6,6は、ベースブロック5のリング保持部5cを回避するようにコの字の形状をしており、その先端には着脱可能な爪部材21が取り付けられている。この爪部材21は、図2に示すように、リング保持部5cに沿って下方に突出した引掛け爪21aが形成され、スナップリング60の鉤部61に引っ掛けられるようになっている。その爪部材21は、スナップリングを縮径する際には大きな荷重がかかるため、金属材料を焼入れして硬化させたものが使用される。また、アーム6,6は、中間位置に軸部が形成され、ベースブロック5に固定されたピン22によって揺動可能に軸支されている。そして、爪部材21の反対側端部にスプリング23が連結されているため、互いが引っ張られ、通常時のアーム6,6は爪部材21側が開いた状態になっている。
アーム6,6の端部にはそれぞれカムフォロア24,24が設けられ、その間には図3に示すような楕円形状をした開閉カム7が配置されている。この開閉カム7には、スプリング23の力によってカムフォロア24,24が常に押し当てられた状態になっている。そのため、開閉カム7が図3に示す平面上を回転することによってカムフォロア24,24の間隔が変化し、それによってアーム6,6の対称的な揺動動作が行われるようになっている。つまり、開閉カム7の回転によって爪部材21,21に引っ掛けられたスナップリング60の径が調整できるように構成されている。
開閉カム7は、ベースブロック5を貫いた回転軸25が一体に形成され、その上端には水平方向に張り出したクランク31が取り付けられている。クランク31の先端は、シリンダ8のピストンロッドに固定された連結部材32に軸着されている。従って、シリンダ8がストロークを変化させれば、クランク31が回転軸25を支点に揺動するが、シリンダ8自身もその揺動動作に追従できるようにシリンダチューブが軸支されている。つまり、取付ボード3にシリンダ用ブラケット30が固定され、そのシリンダ用ブラケット30に対してシリンダ8が軸支されている。
こうして本実施形態では、シリンダ8の伸縮に連動して開閉カム7を回転させる構成がとられているが、開閉カム7は90度の回転域で回転する必要がある。開閉カム7とカムフォロア24,24との当接位置が、開閉カム7の短径側と長径側とで切り替えられる必要があるからである。そこで、ベースブロック5の上面にはストッパ26が固定され、回転軸25には回転止27が固定され、両者が当たることで回転軸25の回転が90度の範囲内で制限されるようになっている。
次に、このスナップリング組付装置1を使用したスナップリングの組付方法について説明する。通常状態のスナップリング組付装置1は、シリンダ8が図1の実線で示すように収縮した状態にあり、クランク31が引っ張られた角度で位置決めされている。そのため、クランク31の位置に合わせて回転軸25や開閉カム7の回転位置も決められ、開閉カム7は、その短径側が両方のカムフォロア24,24に当たっている。そして、アーム6,6は、スプリング23の連結された一端が互いに引き寄せられ、爪部材21,21が装着された他端側が開いた状態になっている。
スナップリング60は、こうした状態のスナップリング組付装置1に対して取り付けられる。つまり、スナップリング60は、下方に突設されたリング保持部5cの下端部において段部5dに対応して配置される。そこでスナップリング60は、両端の鉤部61,61が爪部材21,21の引掛け爪21a,21aに引っ掛けられ、中間部分が押圧片13を介してスプリング14の押圧を受けて保持される。
その後、シリンダ8が伸長作動してピストンロッドが突き出されると、その先端に軸着されたクランク31が回転軸25を中心にして揺動する。このとき回転軸25は、回転止27がストッパ26に当たって90度回転した位置で止められる。そのため、シリンダ8の伸長動作によって開閉カム7が90度回転し、その長径側が両方のカムフォロア24,24に当たるように姿勢が変化する。従って、一対のアーム6,6は、スプリング23の付勢力に抗してピン22を支点に揺動し、爪部材21,21の装着された端部側が閉じる。こうしてスナップリング60の縮径が行われるが、図5は、そうしたスナップリング60を縮径させた状態の把持部を示した図である。
アーム6,6のこうした動きによって爪部材21,21同士が近づき、引掛け爪21aに引っ掛けられたスナップリング60の端部同士が引っ張られるようにして縮径した状態になる。このとき、スナップリング60は、段部5dの壁面に当てられ、リング保持部5cに埋設された同一円上のマグネット11や近接センサ12に重なるようになる。しかし、スナップリング60がずれて近接センサ12によって検出できないような場合には、装置に設けられた不図示の警報ランプを点灯させるなどして作業者に知らせられる。この場合、作業者は、シリンダ8を収縮作動させてスナップリング60を広げ、正しい状態に付け直しする。
一方、正しい状態で縮径したスナップリング60は、その外径がリング保持部5cと同じか若干小さくなる。従って、スナップリング組付装置1が天板2とともに下降し、その天板2が容体50を塞ぐような状態で、リング保持部5cが円筒部52内に入り込む。ここで、図6は、スナップリング組付装置1によってスナップリング60を円筒部52内に挿入した状態を示した図である。
スナップリング組付装置1が下降すると、リング保持部5cから下方に突き出したガイドロッド5fがベアリング53内に入り込む。そして、スナップリング60は内径側から引掛け爪21aを介して縮径しているため、引掛け爪21aなどが邪魔になることなく、スナップリング60とともに円筒部52内に入れことができる。そして、スナップリング60がベアリング53に当たる位置で下降が止められ、そこで内径溝55にスナップリング60が組み付けられる。
それには、シリンダ8を収縮作動させ、クランク31を介して回転軸25及び開閉カム7を回転させる。開閉カム7は、その短径側が両方のカムフォロア24,24に当たる位置まで90度回転し、アーム6,6は、スプリング23に引っ張られて揺動し、爪部材21,21の装着された端部側が開く。そのため、それまで縮径状態のスナップリング60が弾性復元によって拡径し、外径側が内径溝55に入り込んで組み付けられる。その後、天板2とともにスナップリング組付装置1が上昇しても、内径溝55に嵌ったスナップリング60は上面が内径溝55に当たって引っ掛かるため、引掛け爪21aなどの上昇によって一緒に引き上げられることはない。これにより内径溝55へのスナップリング60の組み付けが完了し、上昇したスナップリング組付装置1は、次の組み付けに備え、所定の位置に開始状態で待機する。
よって、本実施形態のスナップリング組付装置及びその組付方法は、両端の鉤部61がその外径側の周縁部よりも内径側に形成された円弧状のスナップリング60を組み付けるものであるが、縮径したスナップリング60と一緒にリング保持部5cや引掛け爪21aが円筒部52内に入るため、スナップリング60を周囲の部材に擦りつけることなく、切欠きのない円筒部52でも組み付けることが可能になった。
また、カムフォロア24に当接した開閉カム7を回転させて引掛け爪21aを備えた一対のアーム6,6を開閉させるようにしたため、装置で最も力のかかる回転部の力を逃がすことができるため負荷が小さくすることができ、そして擦れも生じないためカスが発生してベアリング53の品質不良を防止できるようになった。また、シリンダ8を使用して開閉カム7を回転させるようにしたので、シリンダ8をアームと平行に配置することにより、ベースブロック5と天板2との間が狭くても、その小スペースに開閉動作機構を構成することが可能になった。
また、カムフォロア24に当接した開閉カム7を回転させて引掛け爪21aを備えた一対のアーム6,6を開閉させるようにしたため、装置で最も力のかかる回転部の力を逃がすことができるため負荷が小さくすることができ、そして擦れも生じないためカスが発生してベアリング53の品質不良を防止できるようになった。また、シリンダ8を使用して開閉カム7を回転させるようにしたので、シリンダ8をアームと平行に配置することにより、ベースブロック5と天板2との間が狭くても、その小スペースに開閉動作機構を構成することが可能になった。
また、シリンダ8によってアーム6,6を開閉させる場合、回転止27をストッパ26に当てて開閉カム7の回転を制限するようにしたので、シリンダ8のストロークを制御することなく簡単にアーム6,6の開閉をコントロールできるようになった。また、引掛け爪21aとは別にスプリング14に付勢された押圧片13をスナップリング60に押し当てて支持するようにしたので、スナップリング60の安定した保持が可能になった。また、リング保持部5cにマグネット11を設けたことにより、スナップリング60を吸着して作業中の落下防止や正しい姿勢での保持が可能になる。また、近接センサ12でスナップリング60を検出するようにしたので、スナップリング60が正しい姿勢で保持されているか否かが確認できる。更に、天板2を設けたので、スナップリング60が万一飛んでしまっても、作業者や設備などへ当たってしまうようなことを防止できる。
以上、本発明に係るスナップリングの組付装置及び組付方法について一実施形態を説明したが、本発明はこうしたものに限定されることはなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、スナップリング60の引掛け部は、鉤部61ではなく円周上にあけられた孔であってもよく、そうした場合、アーム6の引掛け爪は、その孔に合わせて挿入できるものであればよい。
また、前記実施形態では、把持部材として揺動可能な一対のアーム6,6を示したが、例えば、図9に示す従来例のように揺動するアームに引掛け爪を設けた構成の他、従来例のような一対の平行チャックに、引掛け爪をリング保持部材に沿って設けるような構成であってもよい。
また、前記実施形態では、開閉動作機構として開閉カム7をシリンダ8で回転させるようにしたが、例えば、開閉カム7の回転軸25をサーボモータで回転させるようにしてもよい。
例えば、スナップリング60の引掛け部は、鉤部61ではなく円周上にあけられた孔であってもよく、そうした場合、アーム6の引掛け爪は、その孔に合わせて挿入できるものであればよい。
また、前記実施形態では、把持部材として揺動可能な一対のアーム6,6を示したが、例えば、図9に示す従来例のように揺動するアームに引掛け爪を設けた構成の他、従来例のような一対の平行チャックに、引掛け爪をリング保持部材に沿って設けるような構成であってもよい。
また、前記実施形態では、開閉動作機構として開閉カム7をシリンダ8で回転させるようにしたが、例えば、開閉カム7の回転軸25をサーボモータで回転させるようにしてもよい。
1 スナップリング組付装置
2 天板
5 ベースブロック
5c リング保持部
5d 段部
6 アーム
7 開閉カム
8 シリンダ
11 マグネット
12 近接センサ
13 押圧片
21 爪部材
21a 引掛け爪
24 カムフォロア
25 回転軸
31 クランク
52 円筒部
55 内径溝
60 スナップリング
61 鉤部
2 天板
5 ベースブロック
5c リング保持部
5d 段部
6 アーム
7 開閉カム
8 シリンダ
11 マグネット
12 近接センサ
13 押圧片
21 爪部材
21a 引掛け爪
24 カムフォロア
25 回転軸
31 クランク
52 円筒部
55 内径溝
60 スナップリング
61 鉤部
Claims (9)
- 両端に引掛け部が形成された円弧状のスナップリングを、その引掛け部を介し弾性変形させることにより縮径した状態で円筒部に入れ、当該円筒部内に形成された内径溝の位置で解放して拡径させることにより、当該スナップリングを内径溝に組み付けるようにしたスナップリング組付装置において、
前記円筒部内に挿入可能な凸部材であって前記スナップリングを下端部分に形成された段部に引っ掛けて配置させるリング保持部材と、そのリング保持部材に沿って下方に突設した一対の引掛け爪の間隔を変化させた開閉動作を行う把持部材と、その把持部材の引掛け爪に開閉動作を行わせる開閉動作機構とを有し、前記円筒部と同軸方向の昇降動作により、前記リング保持部材と引掛け爪とが前記円筒部内に挿入可能なものであることを特徴とするスナップリング組付装置。 - 請求項1に記載するスナップリング組付装置において、
前記把持部材は、軸支された一対のアームが対称的に揺動することにより、その一端部に設けられた前記引掛け爪が開閉するものであり、
前記開閉動作機構は、前記一対のアームの他端部に設けられた各カムフォロアの間に略楕円形の開閉カムが常に当接した状態で配置され、その開閉カムに回転を与えることにより前記一対のアームを揺動させるようにしたものであることを特徴とするスナップリング組付装置。 - 請求項2に記載するスナップリング組付装置において、
前記開閉動作機構は、前記開閉カムには軸方向に突設した回転軸が形成され、その回転軸に固定されたクランク部材を介してシリンダが連結され、そのシリンダの伸縮によって前記開閉カムが回転するようにしたものであることを特徴とするスナップリング組付装置。 - 請求項3に記載するスナップリング組付装置において、
前記回転軸には回転止が設けられ、その回転止がストッパに当たることによって前記開閉カムの回転域を設定するようにしたものであることを特徴とするスナップリング組付装置。 - 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載するスナップリング組付装置において、
前記リング保持部材は、その下端部分に付勢部材に付勢されたスライド可能な押圧片が設けられ、その押圧片は、前記一対の引掛け爪が引っかけられたスナップリングに対し、引掛け爪とは反対側の位置で内径側から当接するようにしたものであることを特徴とするスナップリング組付装置。 - 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載するスナップリング組付装置において、
前記リング保持部材は、その下端部分に前記スナップリングを吸着するためのマグネットが所定の位置に設けられたものであることを特徴とするスナップリング組付装置。 - 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載するスナップリング組付装置において、
前記リング保持部材は、その下端部分に前記スナップリングを検出するためのセンサが所定の位置に設けられたものであることを特徴とするスナップリング組付装置。 - 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載するスナップリング組付装置において、
前記リング保持部材、把持部材及び開閉動作機構が蓋部材の下面に構成され、スナップリングの組み付け時に、前記円筒部の周りを当該蓋部材で囲むようにしたものであることを特徴とするスナップリング組付装置。 - 両端の引掛け部が外径側の周縁部よりも内径側に形成された円弧状のスナップリングを、その引掛け部を介し弾性変形させることにより縮径した状態で円筒部に入れ、当該円筒部内に形成された内径溝の位置で解放して拡径させることにより、当該スナップリングを内径溝に組み付けるようにしたスナップリング組付方法であって、
前記スナップリングを、その内径側からリング保持部材で支え、引掛け部に引っ掛けた一対の引掛け爪の間隔を狭める閉動作によって縮径させ、
そうした縮径状態のスナップリングを引掛け爪とリング保持部材とともに前記円筒部内に挿入し、
所定の位置で前記一対の引掛け爪を開動作させてスナップリングを拡径した状態に戻して前記内径溝に組み付け、
その後、スナップリングを残して前記引掛け爪とリング保持部材を円筒部から外に出すようにしたものであることを特徴とするスナップリング組付方法。
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JP2007015325A JP2008178951A (ja) | 2007-01-25 | 2007-01-25 | スナップリングの組付装置及び組付方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN110834187A (zh) * | 2019-11-25 | 2020-02-25 | 广东英达思迅智能制造有限公司 | 一种轴用卡簧自动化安装机械手 |
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