JP2008178166A - モータ駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な装置構成で、永久磁石モータの減磁を抑制可能なモータ駆動装置を提供する。
【解決手段】モータトルク制御手段301において、リプル電流演算部44は、インバータの入力電圧Vm、インバータの変調度Kおよびキャリア信号のキャリア周波数fcを受けると、これらの入力信号を用いて変調度Kにおけるリプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aを演算する。周波数制御部46は、その演算されたリプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aが連続して永久磁石モータの各相コイルを流れたときの通電時間を検出し、その検出した連続通電時間が予め定められた許容値を超えているか否かを判定する。そして、連続通電時間が許容値を超えている場合には、周波数制御部46は、リプル電流を低減するようにキャリア周波数fcを変更する。
【選択図】図3

Description

この発明は、モータ駆動装置に関し、特に、永久磁石モータを駆動するモータ駆動装置に関する。
通常、電気自動車(EV:Electric Vehicle)やハイブリッド自動車(HV:Hybrid Vehicle)等の車両において、電気エネルギーによる駆動力は、高電圧の電池から供給される直流電力をインバータによって三相交流電力に変換し、これにより三相交流モータを回転させることにより得ている。また、車両の減速時には、逆に3相交流モータの回生発電により得られる回生エネルギーを電池に蓄電することにより、エネルギーを無駄なく利用して走行している。
このようなハイブリッド自動車または電気自動車において、三相交流モータとしては、そのパワー密度の高さと効率の良さとから、永久磁石モータが広く用いられている。永久磁石モータの制御は、インバータを構成するスイッチング素子を、数kHz以上の高周波でスイッチングさせて、永久磁石モータを流れる電流の振幅および位相を制御することにより行なわれる。
特開2004−112904号公報 特開平11−69834号公報
ここで、インバータにおいては、スイッチング素子がスイッチング動作を行なうことにより、そのスイッチング周波数に応じたリプル電流が発生する。このリプル電流は、スイッチング周波数が低くなるほど大きくなる。そのため、インバータに発生するスイッチング動作時の電力損失を抑えるためにはスイッチング周波数を低下させることが好ましいが、スイッチング周波数を低下させると、リプル電流が増加することになる。
そして、リプル電流が増加すると、永久磁石モータでは、内部の磁束密度に高調波成分が含まれることによって、高調波損失が発生する。特に、希土類永久磁石を用いた場合には、導電率が比較的大きいことから、永久磁石に渦電流が発生して損失を増加させる可能性がある。このような渦電流損の増加は、磁石温度を上昇させるため、永久磁石モータに減磁を発生させる。この減磁の発生によって、永久磁石モータでは、運転効率(回転効率、発電効率)が低下するという問題が生じていた。
このような渦電流損を抑制するための手段としては、従来より、ロータの各磁極を構成する永久磁石を複数の磁石片に分割することにより、渦電流に対する電気抵抗を大きくして渦電流を流れにくくした構成などが検討されている。しかしながら、このような構成は、永久磁石のロータへの組付け作業を複雑なものとするため、生産コストが増大するといった不具合があった。
それゆえ、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、簡易な装置構成で、永久磁石モータの減磁を抑制可能なモータ駆動装置を提供することである。
この発明によれば、モータ駆動装置は、電源から電力の供給を受けて永久磁石モータを駆動する。モータ駆動装置は、スイッチング素子を含んで構成され、電源と永久磁石モータとの間で電力変換を行なう電力変換器と、永久磁石モータを流れるモータ電流に重畳したリプル電流を算出するリプル電流算出手段と、リプル電流算出手段によって算出されたリプル電流が連続して永久磁石モータを流れたときの連続通電時間を取得する連続通電時間取得手段と、連続通電時間取得手段によって取得された連続通電時間に応じて、スイッチング素子によるスイッチング動作を制御する制御手段とを備える。
上記のモータ駆動装置によれば、制御手段は、リプル電流の連続通電時間が長いときには、リプル電流によって増加した渦電流損によって磁石温度が上昇したと推定し、リプル電流を低減するように電力変換器のスイッチング動作を制御する。その結果、スイッチング制御のみによって渦電流損を低減することができるため、簡易な装置構成で永久磁石モータの減磁を抑制することができる。
好ましくは、電力変換器は、電源から供給される直流電力を交流電力に変換するインバータを含む。制御手段は、予め求められた連続通電時間と永久磁石モータの磁石温度との関係に基づいて、リプル電流算出手段によって算出されたリプル電流に対応する連続通電時間の許容値を設定する許容値設定手段と、連続通電時間が許容値を超えたときに、リプル電流を低減するようにインバータのキャリア周波数を変更するキャリア周波数制御手段とを含む。
上記のモータ駆動装置によれば、インバータのキャリア周波数を変更することによって渦電流損を低減できるため、簡易な装置構成で永久磁石モータの減磁を抑制することができる。
好ましくは、キャリア周波数制御手段は、連続通電時間が許容値を超えたときに、キャリア周波数を高くする。
上記のモータ駆動装置によれば、リプル電流の連続通電時間が許容値を越えたときには、磁石温度が永久磁石モータに減磁を生じさせる温度に達したと推定してキャリア周波数を高くしてリプル電流を低減する。その結果、簡易な装置構成で永久磁石モータの減磁を抑制することができる。
好ましくは、キャリア周波数制御手段は、キャリア周波数を変更してから所定期間が経過したときに、キャリア周波数を変更前のキャリア周波数に戻す。
上記のモータ駆動装置によれば、キャリア周波数の変更後において、磁石温度が減磁を抑制可能な温度にまで低下したと推定されたときにはキャリア周波数を復帰させることにより、永久磁石モータの出力特性を確保することができる。
好ましくは、電力変換器は、電源からの直流電圧を昇圧するコンバータと、コンバータによって昇圧された直流電力および永久磁石モータとの間で授受される交流電力の間で電力変換を行なうインバータとを含む。制御手段は、予め求められた連続通電時間と永久磁石モータの磁石温度との関係に基づいて、リプル電流算出手段によって算出されたリプル電流に対応する連続通電時間の許容値を設定する許容値設定手段と、連続通電時間が許容値を超えたときに、リプル電流を低減するようにインバータの入力電圧を変更するインバータ入力電圧制御手段とを含む。
上記のモータ駆動装置によれば、インバータの入力電圧を変更することによって渦電流損を低減できるため、簡易な装置構成で永久磁石モータの減磁を抑制することができる。
好ましくは、インバータ入力電圧制御手段は、連続通電時間が許容値を超えたときに、入力電圧を低くする。
上記のモータ駆動装置によれば、リプル電流の連続通電時間が許容値を越えたときには、磁石温度が永久磁石モータに減磁を生じさせる温度に達したと推定してインバータ入力電圧を低くしてリプル電流を低減する。その結果、簡易な装置構成で永久磁石モータの減磁を抑制することができる。
好ましくは、インバータ入力電圧制御手段は、入力電圧を変更してから所定期間が経過したときに、入力電圧を変更前の入力電圧に戻す。
上記のモータ駆動装置によれば、インバータ入力電圧の変更後において、磁石温度が減磁を抑制可能な温度にまで低下したと推定されたときには入力電圧を復帰させることにより、永久磁石モータの出力特性を確保することができる。
好ましくは、電力変換器は、電源から供給される直流電力を交流電力に変換するインバータを含む。制御手段は、予め求められた連続通電時間と永久磁石モータの磁石温度との関係に基づいて、リプル電流算出手段によって算出されたリプル電流に対応する連続通電時間の許容値を設定する許容値設定手段と、連続通電時間が許容値を超えたときに、リプル電流を低減するように永久磁石モータの動作点を変更するモータ駆動制御手段とを含む。
上記のモータ駆動装置によれば、永久磁石モータの動作点を変更することによって、インバータの変調度がリプル電流を小さくする値に変化する。その結果、簡易な装置構成で永久磁石モータの減磁を抑制することができる。
好ましくは、モータ駆動制御手段は、連続通電時間が許容値を超えたときに、モータ電流の位相を、所定の電流振幅における出力トルクの最大値を与える位相から遅らせて永久磁石モータを動作させる。
上記のモータ駆動装置によれば、リプル電流の連続通電時間が許容値を越えたときには、磁石温度が永久磁石モータに減磁を生じさせる温度に達したと推定して永久磁石モータの動作点を変調度が高くなるように変更してリプル電流を低減する。その結果、簡易な装置構成で永久磁石モータの減磁を抑制することができる。
好ましくは、モータ駆動制御手段は、連続通電時間が許容値を超えたときに、モータ電流の位相を、所定の電流振幅における出力トルクの最大値を与える位相から進めて永久磁石モータを動作させる。
上記のモータ駆動装置によれば、リプル電流の連続通電時間が許容値を越えたときには、磁石温度が永久磁石モータに減磁を生じさせる温度に達したと推定して永久磁石モータの動作点を変調度が低くなるように変更してリプル電流を低減する。その結果、簡易な装置構成で永久磁石モータの減磁を抑制することができる。
好ましくは、モータ駆動制御手段は、動作点を変更してから所定期間が経過したときに、動作点を変更前の動作点に戻す。
上記のモータ駆動装置によれば、永久磁石モータの動作点の変更後において、磁石温度が減磁を抑制可能な温度にまで低下したと推定されたときには動作点を復帰させることにより、永久磁石モータの出力特性を保つことができる。
好ましくは、リプル電流算出手段は、電力変換器の変調度におけるリプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値を算出する。
上記のモータ駆動装置によれば、スイッチング素子のデューティー比に応じてピーク・トゥ・ピーク値が変化するリプル電流から磁石温度を推定することができるため、永久磁石モータの減磁を効果的に抑制することができる。
この発明によれば、簡易な装置構成で、永久磁石モータの減磁を抑制することができる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一符号は同一または相当部分を示す。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1によるモータ駆動装置の概略ブロック図である。
図1を参照して、モータ駆動装置100は、バッテリBと、電圧センサ10,13と、システムリレーSR1,SR2と、コンデンサC1,C2と、昇圧コンバータ12と、インバータ14と、電流センサ24と、制御装置30とを備える。
永久磁石モータM1は、三相の交流同期電動機(同期モータ)であり、U相コイル、V相コイルおよびW相コイルをステータコイルとして含む。永久磁石モータM1は、ハイブリッド自動車または電気自動車の駆動輪を駆動するためのトルクを発生するための駆動モータである。あるいは、永久磁石モータM1は、エンジンにて駆動される発電機の機能を持つように、そして、エンジンに対して電動機として動作し、たとえばエンジン始動を行ない得るようなモータとしてハイブリッド自動車に組み込まれるようにしてもよい。
バッテリBは、充放電可能な直流電源であり、例えば、ニッケル水素、リチウムイオン等の二次電池や燃料電池からなる。また、バッテリBに代わる蓄電装置として電気二重層コンデンサ等の大容量キャパシタを用いることもできる。電圧センサ10は、バッテリBから出力される直流電圧Vbを検出し、その検出した直流電圧Vbを制御装置30へ出力する。システムリレーSR1,SR2は、制御装置30からの信号SEに応じて導通/非導通が制御される。
コンデンサC1は、バッテリBから供給された直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧を昇圧コンバータ12へ出力する。
昇圧コンバータ12は、コンデンサC1から供給された直流電圧を昇圧してコンデンサC2へ供給する。インバータ14は、コンデンサC2から与えられる直流電圧を三相交流に変換して永久磁石モータM1へ出力する。
昇圧コンバータ12は、一方端がバッテリBの電源ラインに接続されるリアクトルL1と、昇圧後の電圧Vmを出力する昇圧コンバータ12の出力端子間に直列に接続されるIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)素子Q1,Q2と、IGBT素子Q1,Q2にそれぞれ並列に接続されるダイオードD1,D2とを含む。
リアクトルL1の他方端はIGBT素子Q1のエミッタおよびIGBT素子Q2のコレクタに接続される。ダイオードD1のカソードはIGBT素子Q1のコレクタと接続され、ダイオードD1のアノードはIGBT素子Q1のエミッタと接続される。ダイオードD2のカソードはIGBT素子Q2のコレクタと接続され、ダイオードD2のアノードはIGBT素子Q2のエミッタと接続される。
コンデンサC2は、昇圧コンバータ12によって昇圧された電圧を平滑化してインバータ14へ供給する。電圧センサ13は、コンデンサC2の両端の電圧、すなわち昇圧コンバータ12の出力電圧Vm(インバータ14への入力電圧に相当する。以下同じ。)を検出し、その検出した出力電圧Vmを制御装置30へ出力する。
インバータ14は、車輪を駆動する永久磁石モータM1に対して昇圧コンバータ12の出力電圧Vmを三相交流に変換して出力する。またインバータ14は、回生制動に伴ない、永久磁石モータM1において発電された電力を昇圧コンバータ12に戻す。このとき昇圧コンバータ12は降圧回路として動作するように制御装置30によって制御される。
インバータ14は、U相アーム15と、V相アーム16と、W相アーム17とを含む。U相アーム15,V相アーム16,およびW相アーム17は、昇圧コンバータ12の出力ライン間に並列に接続される。
U相アーム15は、直列接続されたIGBT素子Q3,Q4と、IGBT素子Q3,Q4とそれぞれ並列に接続されるダイオードD3,D4とを含む。ダイオードD3のカソードはIGBT素子Q3のコレクタと接続され、ダイオードD3のアノードはIGBT素子Q3のエミッタと接続される。ダイオードD4のカソードはIGBT素子Q4のコレクタと接続され、ダイオードD4のアノードはIGBT素子Q4のエミッタと接続される。
V相アーム16は、直列接続されたIGBT素子Q5,Q6と、IGBT素子Q5,Q6とそれぞれ並列に接続されるダイオードD5,D6とを含む。ダイオードD5のカソードはIGBT素子Q5のコレクタと接続され、ダイオードD5のアノードはIGBT素子Q5のエミッタと接続される。ダイオードD6のカソードはIGBT素子Q6のコレクタと接続され、ダイオードD6のアノードはIGBT素子Q6のエミッタと接続される。
W相アーム17は、直列接続されたIGBT素子Q7,Q8と、IGBT素子Q7,Q8とそれぞれ並列に接続されるダイオードD7,D8とを含む。ダイオードD7のカソードはIGBT素子Q7のコレクタと接続され、ダイオードD7のアノードはIGBT素子Q7のエミッタと接続される。ダイオードD8のカソードはIGBT素子Q8のコレクタと接続され、ダイオードD8のアノードはIGBT素子Q8のエミッタと接続される。
各相アームの中間点は、永久磁石モータM1の各相コイルの各相端に接続されている。すなわち、永久磁石モータM1は、三相の交流同期電動機であり、U,V,W相の3つのコイルは各々一方端が中性点に共に接続されている。そして、U相コイルの他方端がIGBT素子Q3,Q4の接続ノードに接続される。またV相コイルの他方端がIGBT素子Q5,Q6の接続ノードに接続される。またW相コイルの他方端がIGBT素子Q7,Q8の接続ノードに接続される。
電流センサ24は、永久磁石モータM1に流れる電流をモータ電流値MCRTとして検出し、その検出したモータ電流MCRTを制御装置30へ出力する。
制御装置30は、外部ECU(Electrical Control Unit)からトルク指令値TRおよびモータ回転数MRNを受け、電圧センサ10から直流電圧Vbを受け、電圧センサ13から出力電圧Vmを受け、電流センサ24からモータ電流MCRTを受ける。そして、制御装置30は、昇圧コンバータ12に対して昇圧指示を行なう信号PWUおよび降圧指示を行なう信号PWDを出力する。
さらに、制御装置30は、インバータ14に対して昇圧コンバータ12の出力である直流電圧を永久磁石モータM1を駆動するための交流電圧に変換する駆動指示を行なう信号PWMIと、永久磁石モータM1で発電された交流電圧を直流電圧に変換して昇圧コンバータ12側に戻す回生指示を行なう信号PWMCを出力する。信号PWUおよび信号PWMIの生成方法については後述する。
図2は、制御装置30の機能ブロック図である。
図2を参照して、制御装置30は、モータトルク制御手段301と、電圧変換制御手段302とを含む。
モータトルク制御手段301は、トルク指令値TR、バッテリBから出力された直流電圧Vb、モータ電流MCRT、モータ回転数MRNおよび昇圧コンバータ12の出力電圧Vmに基づいて、永久磁石モータM1の駆動時、後述する方法により昇圧コンバータ12のIGBT素子Q1,Q2をオン/オフするための信号PWUと、インバータ14のIGBT素子Q3〜Q8をオン/オフするための信号PWMIとを生成し、その生成した信号PWUおよび信号PWMIをそれぞれ昇圧コンバータ12およびインバータ14へ出力する。
また、モータトルク制御手段301は、出力電圧Vm、インバータ14の変調度Kおよび信号PWMIを生成するためのキャリア周波数fcを用いて後述する方法によりリプル電流のピーク・トゥ・ピーク値ΔIrの平均値ΔIr_aを演算する。なお、リプル電流のピーク・トゥ・ピーク値ΔIrとは、周期的に変動するリプル電流の極大値と極小値との差を表わしている。そして、モータトルク制御手段301は、その演算したリプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aが連続して永久磁石モータM1の各相コイルを流れたときの通電時間に応じて、信号PWMIを生成するためのキャリア周波数fcを変更する。
電圧変換制御手段302は、回生制動時、ハイブリッド自動車または電気自動車が回生制動モードに入ったことを示す信号RGEを外部ECUから受けると、永久磁石モータM1が発電した交流電圧を直流電圧に変換するための信号PWMCを生成してインバータ14へ出力する。
また、電圧変換制御手段302は、回生制動時、信号RGEを外部ECUから受けると、インバータ14から供給された直流電圧を降圧するための信号PWDを生成して昇圧コンバータ12へ出力する。このように、昇圧コンバータ12は、直流電圧を降圧するための信号PWDにより直流電圧を降下させることもできるので、双方向コンバータの機能を有するものである。
図3は、モータトルク制御手段301の機能ブロック図である。
図3を参照して、モータトルク制御手段301は、インバータ入力電圧指令演算部50と、フィードバック電圧指令演算部52と、デューティー比変換部54と、モータ制御用相電圧演算部40と、インバータ用PWM信号変換部42と、リプル電流演算部44と、周波数制御部46とを含む。
インバータ入力電圧指令演算部50は、トルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいてインバータ入力電圧の最適値(目標値)、すなわち、電圧指令Vdccomを演算し、その演算した電圧指令Vdccomをフィードバック電圧指令演算部52へ出力する。
フィードバック電圧指令演算部52は、電圧センサ13からの昇圧コンバータ12の出力電圧Vmと、インバータ入力電圧指令演算部50からの電圧指令Vdccomとに基づいて、フィードバック電圧指令Vdccom_fbを演算し、その演算したフィードバック電圧指令Vdccom_fbをデューティー比変換部54へ出力する。
デューティー比変換部54は、電圧センサ10からのバッテリ電圧Vbと、電圧センサ13からの出力電圧Vmと、フィードバック電圧指令演算部52からのフィードバック電圧指令Vdccom_fbとに基づいて、出力電圧Vmをフィードバック電圧指令Vdccom_fbに設定するためのデューティー比DRを演算し、その演算したデューティー比DRに基づいて昇圧コンバータ12のIGBT素子Q1,Q2をオン/オフするための信号PWUを生成する。そして、デューティー比変換部54は、その生成した信号PWUを昇圧コンバータ12のIGBT素子Q1,Q2へ出力する。
なお、昇圧コンバータ12の下側のIGBT素子Q2のオンデューティーを大きくすることによりリアクトルL1における電力蓄積が大きくなるため、より高電圧の出力を得ることができる。一方、上側のIGBT素子Q1のオンデューティーを大きくすることにより電源ラインの電圧が下がる。そこで、IGBT素子Q1,Q2のデューティー比を制御することで、電源ラインの電圧をバッテリBの出力電圧以上の任意の電圧に制御可能である。
モータ制御用相電圧演算部40は、昇圧コンバータ12の出力電圧Vm、すなわち、インバータ14の入力電圧Vmを電圧センサ13から受け、永久磁石モータM1の各相に流れるモータ電流MCRTを電流センサ24から受け、トルク指令値TRを外部ECUから受ける。そして、モータ制御用相電圧演算部40は、これらの入力信号に基づいて、永久磁石モータM1の各相のコイルに印加する電圧指令を演算し、その演算した各相コイルの電圧指令をインバータ用PWM信号変換部42へ出力する。
さらに、モータ制御用相電圧演算部40は、インバータ14の入力電圧Vmと、永久磁石モータM1の各相コイルの電圧指令とから変調度Kを算出し、その算出した変調度Kをリプル電流演算部44へ出力する。
インバータ用PWM信号変換部42は、モータ制御用相電圧演算部40から受けた計算結果と、周波数制御部46からのキャリア周波数fcとに基づいて、実際にインバータ14のIGBT素子Q3〜Q8をオン/オフする信号PWMIを生成し、その生成した信号PWMIをインバータ14の各IGBT素子Q3〜Q8へ出力する。
リプル電流演算部44は、インバータ14の入力電圧Vmを電圧センサ13から受け、モータ制御用相電圧演算部40から変調度Kを受け、周波数制御部46からキャリア周波数fcを受けると、これらの入力信号を用いて、現在の変調度Kにおけるリプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aを演算する。
以下に、リプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aを求める方法について説明する。
図4は、図3に示したインバータ用PWM信号変換部42による信号PWMIの生成方法を説明するための波形図である。なお、この図4では、U相に対する信号PWMIの生成方法について代表的に示され、その他のV,W各相についても同様にして生成される。
図4を参照して、曲線k1は、モータ制御用相電圧演算部40によって生成されたU相電圧指令信号である。三角波信号k2は、インバータ用PWM信号変換部42により生成されるキャリア信号であり、周波数制御部46により設定されたキャリア周波数fcを有する。
そして、インバータ用PWM信号変換部42は、曲線k1を三角波信号k2と比較し、曲線k1と三角波信号k2との大小関係に応じて電圧値が変化するパルス状の信号PWMIを生成する。そして、インバータ用PWM信号変換部42は、その生成した信号PWMIをインバータ14へ出力し、インバータ14のIGBT素子Q3〜Q8は、その信号PWMIに応じてスイッチング動作を行なう。
このように、インバータ14のIGBT素子Q3〜Q8がキャリア信号(三角波信号k2)のキャリア周波数fcに応じたスイッチング周波数でスイッチング動作を行なうことにより、スイッチング周波数に応じたリプル電流が発生する。このときリプル電流の極大値と極小値との差であるピーク・トゥ・ピーク値ΔIrは、信号PWMIの1周期T(IGBT素子Q3がオンされる時間とIGBT素子Q4がオンされる時間との和に相当)においては、次式のようになる。
ΔIr=Vm・T(−x+x)/L (1)
式(1)において、Vmはインバータ14の入力電圧を表わし、Tは信号PWMIの1周期Tを表わし、Lは各相コイルのインダクタンスを表わし、xはIGBT素子Q3,Q4のデューティー比を表わす。
これらの値のうち、電圧Vmは、電圧センサ13によって検出され、インダクタンスLは、永久磁石モータM1に対して固定値であるので、既知である。また、周期Tは、信号PWMIのキャリア周波数fc(すなわちキャリア周期)から求めることができる(T=1/fc)。
図5は、式(1)を用いて計算したリプル電流のピーク・トゥ・ピーク値ΔIrとデューティー比xとの関係を示す。図5を参照して、信号PWMIの1周期Tあたりのデューティー比xが0.5のときに、リプル電流のピーク・トゥ・ピーク値ΔIrは最大値(=VT/4L)を示している。
この関係を図4で示したパルス状の信号PWMIに当てはめると、信号PWMIの1周期Tあたりのリプル電流のピーク・トゥ・ピーク値ΔIrは、その周期Tにおけるデューティー比xに応じて変化することが分かる。そして、このデューティー比xは、曲線k1(U相電圧指令信号)と三角波信号k2との大小関係である、インバータ14の変調度Kによって決定される。
そこで、本実施の形態ではさらに、次式を用いて、変調度Kが一定である場合のリプル電流のピーク・トゥ・ピーク値ΔIrの平均値ΔIr_aを求める。
ΔIr_a=Vm・T(−K+4K/π)/2L (2)
このようにリプル電流のピーク・トゥ・ピーク値ΔIrの平均値ΔIr_aを求める構成としたのは、デューティー比xに応じてピーク・トゥ・ピーク値ΔIrが変化するリプル電流によって永久磁石モータM1に発生する渦電流損(発熱量)を見積もるためである。これによれば、磁石温度を推定することが可能となり、永久磁石モータM1の減磁を効果的に抑制することができる。
図6は、式(2)を用いて計算したリプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aとインバータ14の変調度Kとの関係を示す。
図6を参照して、リプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aは、変調度Kが2/πのときに最大値(=2VmT/πL)を示している。また、その最大値は、インバータ14の入力電圧Vmおよび周期T(=1/fc)に比例し、かつ、インダクタンスLに反比例した大きさとなっている。
以上に述べたように、インバータ14のIGBT素子Q3〜Q8をスイッチング動作することにより、インバータ14の入力電圧Vm、変調度Kおよびスイッチング周波数(キャリア周波数fc)に応じたリプル電流が発生する。そして、リプル電流が発生すると、永久磁石モータM1では、永久磁石に発生した渦電流による渦電流損が増加する。渦電流損の増加は、磁石温度を上昇させ、永久磁石モータM1に減磁を発生させる。そのため、永久磁石モータM1の運転効率(回転効率、発電効率)が低下する可能性がある。
そこで、本実施の形態によるモータ駆動装置は、永久磁石モータM1の減磁を抑制するための手段として、上述したリプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aが連続して永久磁石モータM1の各相コイルを流れたときの通電時間(以下、連続通電時間とも称する。)を検出し、その検出した連続通電時間に応じて信号PWMIを生成するためのキャリア信号のキャリア周波数fcを変更する構成とする。
具体的には、連続通電時間の許容値が予め定められ、検出された連続通電時間がその許容値を超えたときには、周波数制御部46が、リプル電流を低減するようにキャリア周波数fcを変更する。
このようにリプル電流の連続通電時間に応じてキャリア周波数fcを変更するのは、インバータ14からのリプル電流を受けて永久磁石モータM1に発生する渦電流損が、リプル電流の大きさとその連続通電時間とに比例するように増加することに基づいている。そして、渦電流損の増加によって磁石温度が上昇して永久磁石モータM1に減磁が発生する可能性があると判断される場合には、リプル電流を低減するようにキャリア周波数fcを変更することによって、磁石温度の上昇を抑えて減磁の発生を抑制する。
詳細には、再び図3を参照して、周波数制御部46は、リプル電流演算部44からリプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aを受けると、タイマ48に対して起動指示を出力する。タイマ48は、周波数制御部46からの指示に応じて起動し、リプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aが連続して流れる時間(連続通電時間)Tiを計時する。そして、その計時した結果を周波数制御部46へ出力する。
さらに、周波数制御部46は、リプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aに基づいて、リプル電流の連続通電許容時間T_tolを設定する。詳細には、周波数制御部46は、図7に示されるリプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aと連続通電許容時間T_tolとの関係に従って、連続通電許容時間T_tolを設定する。
図7は、リプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aと連続通電許容時間T_tolとの関係を示す。図7において、横軸は、式(2)を用いて計算したリプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aを表わし、縦軸は、連続通電許容時間T_tolを表わす。
図7を参照して、リプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aが大きいほど、連続通電許容時間T_tolは短くなる。図7の関係は、式(2)を用いて計算したピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aを有するリプル電流が、永久磁石モータM1の各相コイルを連続して流れた場合に、渦電流損の増加によって上昇した磁石温度が、永久磁石モータM1に減磁を生じさせる所定の許容温度を超えないように設定される。そして、周波数制御部46は、図7に示されるリプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aと連続通電許容時間T_tolとの関係を予め連続通電許容時間設定用マップとして図示しない記憶領域に格納しておき、リプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aが与えられると、当該マップを用いて連続通電許容時間T_tolを設定する。
なお、図7に示される関係は、例えば、予めリプル電流を永久磁石モータM1の各相コイルに流したときの磁石温度を検出し、その検出した磁石温度と永久磁石の減磁曲線の温度特性とに基づいて実験的に求めておくことができる。あるいは、永久磁石モータM1の電磁場解析によって算定した渦電流損に基づいて解析的に求めるようにしてもよい。
そして、図7の関係に従って連続通電許容時間T_tolを設定すると、周波数制御部46は、タイマ48により計時される連続通電時間Tiが、その設定した連続通電許容時間T_tolを越えているか否かを判定する。このとき、連続通電時間Tiが連続通電許容時間T_tolを越えていない場合には、周波数制御部46は、磁石温度が所定の許容温度を下回っており、永久磁石モータM1に減磁が発生する可能性が低いと判断する。そして、周波数制御部46は、永久磁石モータM1の回転数MRNおよびトルク指令値TRに基づいて設定されたキャリア周波数fcを維持する。
なお、通常時のキャリア周波数fcの設定は、周波数制御部46が、図8に示されるような、永久磁石モータM1の回転数およびトルクに応じたキャリア周波数fcがマップ化されたキャリア周波数マップを記憶領域に予め格納しており、記憶領域から読み出したキャリア周波数マップを用いて、永久磁石モータM1のトルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいてキャリア周波数fcを設定することにより行なわれる。
より具体的には、図8のキャリア周波数マップでは、キャリア周波数は、永久磁石モータM1の回転数およびトルクに応じて3つの領域に分けられる。永久磁石モータM1の回転数が低く、かつ、トルクが大きい領域では、キャリア周波数は、最も低いaHzに設定される。曲線k3と曲線k4との間の領域では、キャリア周波数は、aHzよりも高いbHzに設定される。そして、回転数の高い領域では、キャリア周波数は、bHzよりも高いcHzに設定される。
一方、連続通電時間Tiが連続通電許容時間T_tolを越えている場合には、周波数制御部46は、磁石温度が所定の許容温度以上であって、永久磁石モータM1に減磁が発生する可能性が高いと判断する。そして、周波数制御部46は、キャリア周波数fcを、通常時に設定されたキャリア周波数よりも高いキャリア周波数に変更し、その変更したキャリア周波数fcをインバータ用PWM信号変換部42へ出力する。
具体的には、磁石温度が高いときのキャリア周波数fcの変更は、例えば、周波数制御部46が、図9に示されるような、高温時用のキャリア周波数マップを記憶領域に予め格納しており、記憶領域から読み出した高温時用のキャリア周波数マップを用いて、永久磁石モータM1のトルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいてキャリア周波数fcを設定することにより行なわれる。
図9を参照して、高温時用のキャリア周波数マップでは、図8に示した通常時のキャリア周波数マップに対して、マップの領域の分割を同じとする一方で、マップ化されるキャリア周波数の値を全領域においてより高いキャリア周波数に設定される。すなわち、図8に示した通常時のキャリア周波数マップの3つの領域におけるキャリア周波数aHz,bHz,cHzはそれぞれ、dHz,eHz,fHz(dHz>aHz,eHz>bHz,fHz>cHz)に変更される。これにより、高温時にはリプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aが小さくなり、永久磁石モータM1の渦電流損が低減する。その結果、磁石温度の上昇を抑えて永久磁石モータM1の減磁を抑制することができる。
なお、高温時用のキャリア周波数マップとしては、図9に示したものに限らず、例えば、図8に示した通常時のキャリア周波数マップに対して、高周波領域を拡大したものであってもよい。
周波数制御部46は、設定したキャリア周波数fcをインバータ用PWM信号変換部42へ出力する。インバータ用PWM信号変換部42では、図4で説明した方法によって、設定されたキャリア周波数fcを有するキャリア信号と各相の電圧指令信号との大小関係に応じて電圧値が変化するパルス状の信号PWMIを生成してインバータ14へ出力する。
さらに、周波数制御部46は、タイマ48を用いて、キャリア周波数fcを変更した後におけるリプル電流の連続通電時間を計時する。この連続通電時間が予め設定された所定時間T_stdを超えたときには、周波数制御部46は、キャリア周波数fcを、高温時のキャリア周波数から通常時のキャリア周波数に復帰させる。なお、所定時間T_stdは、変更後のキャリア周波数fcに応じて減少したリプル電流が永久磁石モータM1の各相コイルを連続して流れた場合に、磁石温度が所定の許容温度を下回るのに要すると予測される時間に基づいて設定される。この所定時間T_stdについては、図9に示したキャリア周波数マップにおけるキャリア周波数dHz,eHz,fHzのそれぞれについて個別に設定するようにしてもよい。
このように一旦キャリア周波数fcを増加してリプル電流を低減した後に、磁石温度が所定の許容温度を下回ったと推定されたことに応じて、キャリア周波数fcを通常時のキャリア周波数に戻す構成としたことにより、キャリア周波数fcの増加が永久磁石モータM1の出力特性に及ぼす影響(サージ電圧の増加など)を最小限に抑えることができる。
図10は、図2に示すモータトルク制御手段301のキャリア周波数の設定に係る制御のフローチャートである。
図10を参照して、モータトルク制御手段301の周波数制御部46は、通常時のキャリア周波数マップ(図8)を用いて、永久磁石モータM1のトルク指令値および回転数に基づいてキャリア周波数fcを設定する(ステップS01)。
次に、リプル電流演算部44は、インバータ14の入力電圧Vmおよび変調度Kと、キャリア周波数fcとを受けると(ステップS02)、これらの入力信号を用いて上述の方法によってリプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aを演算する(ステップS03)。
周波数制御部46は、リプル電流演算部44からリプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aを受けると、タイマ48を起動してリプル電流の連続通電時間Tiの計時を開始する(ステップS04)。さらに、周波数制御部46は、リプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aに対応する連続通電許容時間T_tolを、図7に示される関係に基づいて設定する(ステップS05)。
そして、周波数制御部46は、タイマ48から出力される連続通電時間Tiが連続通電許容時間T_tolを超えているか否かを判定し(ステップS06)、連続通電時間Tiが連続通電許容時間T_tolを超えていないときには、磁石温度が所定の許容温度を下回っており、永久磁石モータM1に減磁が発生する可能性が低いと判断する。そして、周波数制御部46は、ステップS01で設定されたキャリア周波数fcを維持して処理を終了する。
一方、ステップS06において、連続通電時間Tiが連続通電許容時間T_tolを超えるときには、周波数制御部46は、磁石温度が所定の許容温度以上であって、永久磁石モータM1に減磁が発生する可能性が高いと判断し、キャリア周波数fcを増加させる。具体的には、周波数制御部46は、高温時用のキャリア周波数マップ(図9)を用いて、永久磁石モータM1のトルク指令値および回転数に基づいてキャリア周波数fcを設定する(ステップS07)。
次に、周波数制御部46は、キャリア周波数変更後の連続通電時間が所定時間T_stdを超えているか否かを判定する。具体的には、周波数制御部46は、タイマ48によって計時された連続通電時間Tiが連続通電許容時間T_tolと所定時間T_stdとの和を超えているか否かを判定し(ステップS08)、連続通電時間Tiが連続通電許容時間T_tolと所定時間T_stdとの和を越えているとき、キャリア周波数fcをステップS01にて設定したキャリア周波数に復帰させる(ステップS09)。さらに、周波数制御部46は、タイマ48をリセットする(ステップS10)。
以上のように、この発明の実施の形態1によれば、モータトルク制御手段301は、リプル電流によって増加した渦電流損によって永久磁石モータM1に減磁が発生する可能性があると判断したときには、リプル電流を低減するようにインバータ14のキャリア周波数fcを低くする。その結果、永久磁石モータM1の減磁を抑制することができ、運転効率が低下するのを防ぐことができる。
なお、上記の実施の形態においては、リプル電流の連続通電時間が所定の連続通電許容時間を超えたときに高温時用のキャリア周波数マップを用いてキャリア周波数を変更するものとしたが、連続通電許容時間およびキャリア周波数マップを段階的に多数設け、連続通電時間に応じてキャリア周波数を段階的に変更するようにしてもよい。
[変形例]
図11は、この発明の実施の形態1の変形例に係るモータ駆動装置におけるモータトルク制御手段301Aの機能ブロック図である。
図11を参照して、モータトルク制御手段301Aは、図3のモータトルク制御手段301に対して、周波数制御部46を除くとともに、リプル電流演算部44およびインバータ入力電圧指令演算部50を、それぞれリプル電流演算部44Aおよびインバータ入力電圧指令演算部50Aに変更したものである。よって、共通する部分についての詳細な説明は省略する。
リプル電流演算部44Aは、インバータ14の入力電圧Vmを電圧センサ13から受け、モータ制御用相電圧演算部40から変調度Kを受け、インバータ用PWM信号変換部42からキャリア周波数fcを受けると、これらの入力信号を用いてリプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aを演算する。リプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aの具体的な演算方法は、先の実施の形態1で説明した方法と同じである。そして、リプル電流演算部44Aは、その演算したリプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aをインバータ入力電圧指令演算部50Aへ出力する。
インバータ入力電圧指令演算部50Aは、トルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいて電圧指令Vdccomを演算し、その演算した電圧指令Vdccomをフィードバック電圧指令演算部52へ出力する。
また、インバータ入力電圧指令演算部50Aは、リプル電流演算部44Aからリプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aを受けると、タイマ48に対して起動指示を出力する。タイマ48は、インバータ入力電圧指令演算部50Aからの指示に応じて起動し、リプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aが連続して流れる時間(連続通電時間)Tiを計時する。そして、その計時した結果をインバータ入力電圧指令演算部50Aへ出力する。
さらに、インバータ入力電圧指令演算部50Aは、図7に示されるリプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aと連続通電許容時間T_tolとの関係を連続通電許容時間設定用マップとして図示しない記憶領域に格納しており、当該マップを用いて連続通電許容時間T_tolを設定する。
そして、インバータ入力電圧指令演算部50Aは、タイマ48により計時される連続通電時間Tiが、その設定した連続通電許容時間T_tolを越えているか否かを判定する。このとき、連続通電時間Tiが連続通電許容時間T_tolを越えていない場合には、インバータ入力電圧指令演算部50Aは、磁石温度が所定の許容温度を下回っており、永久磁石モータM1に減磁が発生する可能性が低いと判断する。そして、インバータ入力電圧指令演算部50Aは、トルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいて演算された電圧指令Vdccomを維持する。
一方、連続通電時間Tiが連続通電許容時間T_tolを超えている場合には、インバータ入力電圧指令演算部50Aは、磁石温度が所定の許容温度以上であって、永久磁石モータM1に減磁が発生する可能性が高いと判断する。そして、インバータ入力電圧指令演算部50Aは、電圧指令Vdccomを、通常時に演算される電圧指令よりも低い電圧指令に変更し、その変更した電圧指令Vdccomをフィードバック電圧指令演算部52へ出力する。
具体的には、磁石温度が高いときの電圧指令Vdccomの変更は、例えば、インバータ入力電圧指令演算部50Aが、図12に示される永久磁石モータM1への印加電圧とトルクとの関係に基づいて、永久磁石モータM1の目標出力(トルク指令値TR、回転数)を得るのに必要なモータ印加電圧の下限値以上となるように電圧指令Vdccomを設定することにより行なわれる。
図12を参照して、永久磁石モータM1の出力特性は、モータ印加電圧に応じて出力可能な最大トルクが変化している。そして、モータ印加電圧を高くすることによって、最大トルクはより高回転まで引き上げられる。通常時において、モータ印加電圧は、永久磁石モータM1が目標出力を出力するのに必要な電圧よりも高くなるように設定される。例えば、図12では、モータ印加電圧は、最大トルクがトルク指令値TRを上回るような電圧(=pV)に設定される。これは、弱め界磁制御を用いるよりは、モータ印加電圧を高くしたほうが電力損失を低減できることなどを理由としている。
これに対して、磁石温度が高い場合には、モータ印加電圧は、永久磁石モータM1がトルク指令値TRを出力するのに必要な電圧に略等しくなるように設定される。すなわち、図12において、モータ印加電圧は、最大トルクがトルク指令値TRに略等しくなるような電圧(=qV(<pV))に設定される。
このような構成としたことにより、高温時には、電圧指令Vdccomの低下に応じてインバータ14の入力電圧Vmが低下する。そのため、リプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aが小さくなり、永久磁石モータM1の渦電流損が低減する。その結果、磁石温度の上昇が抑えて永久磁石モータM1の減磁を抑制することができる。
なお、電圧指令Vdccomの変更後においても、インバータ14の入力電圧Vmは、永久磁石モータM1がトルク指令値TRを出力するのに必要な電圧を満たしているため、モータ出力が不足するといった不具合は回避される。
そして、インバータ入力電圧指令演算部50Aは、タイマ48を用いて、電圧指令Vdccomの変更後におけるリプル電流の連続通電時間Tiを計時する。連続通電時間Tiが予め設定された所定時間T_stdを超えたときには、インバータ入力電圧指令演算部50Aは、電圧指令Vdccomを、高温時の電圧指令から通常時の電圧指令に復帰させる。
なお、所定時間T_stdについては、電圧指令Vdccomに応じて可変となるように設定するようにしてもよい。また、一旦インバータ14の入力電圧Vmを低下してリプル電流を低減した後に、磁石温度が所定の許容温度を下回ったことに応じて通常時の入力電圧Vmに戻す構成としたのは、入力電圧Vmの低下がモータ出力特性に及ぼす影響(電力損失の増加など)は最小限に抑えるためである。
図13は、図11に示すモータトルク制御手段301Aの電圧指令の設定に係る制御のフローチャートである。
図13を参照して、モータトルク制御手段301Aのインバータ入力電圧指令演算部50Aは、トルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいて電圧指令Vdccomを演算する(ステップS011)。
次に、リプル電流演算部44Aは、インバータ14の入力電圧Vmおよび変調度Kと、キャリア周波数fcとを受けると(ステップS02)、これらの入力信号を用いて上述した方法によりリプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aを演算する(ステップS03)。
インバータ入力電圧指令演算部50Aは、リプル電流演算部44Aからリプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aを受けると、タイマ48を起動してリプル電流の連続通電時間Tiの計時を開始する(ステップS04)。さらに、インバータ入力電圧指令演算部50Aは、リプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aに対応する連続通電許容時間T_tolを図7に示すマップを参照して設定する(ステップS05)。
そして、インバータ入力電圧指令演算部50Aは、タイマ48から出力される連続通電時間Tiが連続通電許容時間T_tolを超えているか否かを判定し(ステップS06)、連続通電時間Tiが連続通電許容時間T_tolを超えていないときには、磁石温度が所定の許容温度を下回っており、永久磁石モータM1に減磁が発生する可能性が低いと判断する。そして、インバータ入力電圧指令演算部50Aは、ステップS011で演算された電圧指令Vdccomを維持して処理を終了する。
一方、ステップS06において、連続通電時間Tiが連続通電許容時間T_tolを超えるときには、インバータ入力電圧指令演算部50Aは、磁石温度が所定の許容温度以上であって、永久磁石モータM1に減磁が発生する可能性が高いと判断し、電圧指令Vdccomを低下させる(ステップS071)。具体的には、インバータ入力電圧指令演算部50Aは、モータ印加電圧が、永久磁石モータM1がトルク指令値TRを出力するのに必要な電圧となるように電圧指令Vdccomを設定する。
次に、インバータ入力電圧指令演算部50Aは、電圧指令変更後の連続通電時間が所定時間T_stdを超えているか否かを判定する。インバータ入力電圧指令演算部50Aは、連続通電時間Tiが連続通電許容時間T_tolと所定時間T_stdとの和を超えているか否かを判定し(ステップS08)、連続通電時間Tiが連続通電許容時間T_tolと所定時間T_stdとの和を越えているとき、電圧指令VdccomをステップS011にて演算した電圧指令に復帰させる(ステップS091)。さらに、インバータ入力電圧指令演算部50Aは、タイマ48をリセットする(ステップS10)。
[実施の形態2]
図14は、この発明の実施の形態2に係るモータ駆動装置におけるモータトルク制御手段301Bの機能ブロック図である。
図14を参照して、モータトルク制御手段301Bは、電流指令変換部60と、減算器62,64と、PI制御部66,68と、2相/3相変換部70と、PWM生成部72と、3相/2相変換部74と、リプル電流演算部44Bと、タイマ48とを含む。
3相/2相変換部74は、2個の電流センサ24,24からモータ電流Iv,Iwを受ける。そして、3相/2相変換部74は、モータ電流Iv,Iwに基づいてモータ電流Iu=−Iv−Iwを演算する。
さらに、3相/2相変換部74は、モータ電流Iu,Iv,Iwをレゾルバ80からの回転角度θを用いて三相二相変換する。つまり、3相/2相変換部74は、永久磁石モータM1の3相コイルにそれぞれ流れる3相のモータ電流Iu,Iv,Iwを、回転角度θを用いてd軸およびq軸に流れる電流値Id,Iqに変換する。そして、3相/2相変換部74は、演算した電流値Idを減算器62へ出力し、演算した電流値Iqを減算器64へ出力する。
電流指令変換部60は、外部ECUからトルク指令値TRおよびモータ回転数MRNを受け、電圧センサ13から電圧Vmを受ける。そして、電流指令変換部60は、トルク指令値TR、モータ回転数MRNおよび電圧Vmに基づいて、トルク指令値TRによって指定された要求トルクを出力するための電流指令Id*,Iq*を生成し、その生成した電流指令Id*,Iq*を減算器62,64へそれぞれ出力する。
減算器62は、電流指令変換部60から電流指令Id*を受け、3相/2相変換部74から電流値Idを受ける。そして、減算器62は、電流指令Id*と電流値Idとの偏差(=Id*−Id)を演算し、その演算した偏差をPI制御部66へ出力する。また、減算器64は、電流指令変換部60から電流指令Iq*を受け、3相/2相変換部74から電流値Iqを受ける。そして、減算器64は、電流指令Iq*と電流値Iqとの偏差(=Iq*−Iq)を演算し、その演算した偏差をPI制御部68へ出力する。
PI制御部66,68は、それぞれ、偏差Id*−Id,Iq*−Iqに対してPIゲインを用いてモータ電流調整用の電圧操作量Vd,Vqを演算し、その演算した電圧操作量Vd,Vqを2相/3相変換部70へ出力する。
2相/3相変換部70は、PI制御部66,68からの電圧操作量Vd,Vqをレゾルバ80からの回転角度θを用いて二相三相変換する。つまり、2相/3相変換部70は、d軸およびq軸に印加する電圧操作量Vd,Vqを、回転角度θを用いて永久磁石モータM1の3相コイルに印加する電圧操作量Vu,Vv,Vwに変換する。そして、2相/3相変換部70は、電圧操作量Vu,Vv,VwをPWM生成部72へ出力する。
PWM生成部72は、電圧操作量Vu,Vv,Vwと、電圧センサ13からの電圧Vmとに基づいて信号PWMIを生成し、その生成した信号PWMIをインバータ14へ出力する。また、PWM生成部72は、電圧Vmと電圧操作量Vu,Vv,Vwとから変調度Kを算出し、その算出した変調度Kを、キャリア周波数fcとともにリプル電流演算部44Bへ出力する。
以上のように、モータトルク制御手段301Bは、永久磁石モータM1の要求トルク(トルク指令値TRに相当)を、永久磁石モータM1のd軸成分とq軸成分との電流指令Id*,Iq*に変換し、実際の電流値Id,Iqがこれらの電流指令と一致するようにPI制御によってフィードバックをかける、いわゆる電流制御を採用する。
さらに、モータトルク制御手段301Bは、電圧Vm、変調度Kおよびキャリア周波数fcを用いて先の実施の形態1で示した方法によってリプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aを演算する。そして、モータトルク制御手段301Bは、その演算したリプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aが連続して永久磁石モータM1の各相コイルを流れたときの通電時間に応じて、永久磁石モータM1の動作点を変更する。
詳細には、リプル電流演算部44Bは、インバータ14の入力電圧Vmを電圧センサ13(図示せず)から受け、変調度Kおよびキャリア周波数fcをPWM生成部72から受けると、これらの入力信号を上記式(2)に代入することによって、現在の変調度Kにおけるリプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aを演算する。そして、リプル電流演算部44Bは、その演算したリプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aを電流指令変換部60へ出力する。
電流指令変換部60は、リプル電流演算部44Bからリプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aを受けると、タイマ48に対して起動指示を出力する。タイマ48は、電流指令変換部60からの指示に応じて起動し、リプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aの連続通電時間Tiを計時する。そして、その計時した結果を電流指令変換部60へ出力する。
さらに、電流指令変換部60は、図7に示されるリプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aと連続通電許容時間T_tolとの関係に基づいて、連続通電許容時間T_tolを設定する。そして、電流指令変換部60は、タイマ48により計時される連続通電時間Tiが、その設定した連続通電許容時間T_tolを越えているか否かを判定する。このとき、連続通電時間Tiが連続通電許容時間T_tolを越えていない場合には、電流指令変換部60は、磁石温度が所定の許容温度を下回っており、永久磁石モータM1に減磁が発生する可能性が低いと判断する。そして、電流指令変換部60は、トルク指令値TR、モータ回転数MRNおよび電圧Vmに基づいて生成された電流指令Id*,Iq*を維持する。
一方、連続通電時間Tiが連続通電許容時間T_tolを超えている場合には、電流指令変換部60は、磁石温度が所定の許容温度以上であって、永久磁石モータM1に減磁が発生する可能性が高いと判断する。そして、電流指令変換部60は、電流指令Id*,Iq*を、通常時に設定される電流指令に対して電流位相を遅らせた電流指令に変更し、その変更した電流指令Id*,Iq*を減算器62,64へそれぞれ出力する。
図15および図16は、この発明の実施の形態2による永久磁石モータM1の制御を説明するための図である。
図15を参照して、永久磁石モータM1のトルクTとモータ電流の電流位相θとの関係は、曲線k5〜k7によって表わされる。なお、曲線k5〜k7は、互いにモータ電流の振幅が異なっており、曲線k7が最も振幅が小さく、曲線k5が最も振幅が大きい。
そして、曲線k5〜k7のそれぞれにおいて、トルクTは、ある電流位相θoptに対して最大となるように変化する。すなわち、電流位相θoptで永久磁石モータM1に電流を流すことにより、最大トルクが得られる。このように最大トルクが得られるように電流位相θを変化させる制御は、最大トルク制御とも称され、電流位相θ=θoptとなるときの永久磁石モータM1の動作点Aは、最適動作点とも称される。図中に示される電流振幅が互いに異なるモータ電流の各々における最適動作点を結んだ線が最適動作ラインである。
モータトルク制御手段301Bは、通常時には最大トルク制御を行なうことによって、永久磁石モータM1を最適動作ライン上で動作させる。これにより、永久磁石モータM1から効率良く大きなトルクを得ることができる。
一方、磁石温度が高いと推定される場合には、モータトルク制御手段301Bは、図15に示すように、電流位相θを最適動作点Aの電流位相θoptから遅らせた電流位相θ1とした動作点Bで永久磁石モータM1を動作させる。
このように最適動作点Aに対して低位相側にずれた動作点Bで永久磁石モータM1を動作させることによって、トルクTが減少する。その一方で、図16に示される永久磁石モータM1の端子電圧Vとモータ電流の電流位相θとの関係からは、端子電圧Vが増加しているのが分かる。
端子電圧Vの増加によってインバータ14の変調度Kが高くなると、永久磁石モータM1の制御モードはPWM制御から過変調制御に切替えられる。過変調制御での変調度Kは、0.61〜0.78の範囲内とされ、PWM制御での変調度K(0〜0.61)を上回っている。したがって、図6に示したリプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aと変調度Kとの関係によれば、変調度Kが、最大値を与える変調度K(=2/π)よりも高くなるため、リプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aが低減することが分かる。その結果、渦電流損の増加による磁石温度の上昇が抑えられて永久磁石モータM1の減磁が抑制される。
さらに、端子電圧Vの増加は、反磁界を小さくするため、上述した熱による減磁に加えて、反磁界による減磁を抑制するのにも有効である。
図17は、図14に示すモータトルク制御手段301Bの電流指令の設定に係る制御のフローチャートである。
図17を参照して、モータトルク制御手段301Bの電流指令変換部60は、トルク指令値TR、モータ回転数MRNおよびインバータ14の入力電圧Vmに基づいて電流指令Id*,Iq*を生成する(ステップS012)。
次に、リプル電流演算部44Bは、インバータ14の入力電圧Vmおよび変調度Kと、キャリア周波数fcとを受けると(ステップS02)、これらの入力信号を用いて上述した方法によりリプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aを演算する(ステップS03)。
電流指令変換部60は、リプル電流演算部44Bからリプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aを受けると、タイマ48を起動してリプル電流の連続通電時間Tiの計時を開始する(ステップS04)。さらに、電流指令変換部60は、リプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aに対応する連続通電許容時間T_tolを図7に示す関係に基づいて設定する(ステップS05)。
そして、電流指令変換部60は、タイマ48から出力される連続通電時間Tiが連続通電許容時間T_tolを超えているか否かを判定し(ステップS06)、連続通電時間Tiが連続通電許容時間T_tolを超えていないときには、磁石温度が所定の許容温度を下回っており、永久磁石モータM1に減磁が発生する可能性が低いと判断する。そして、電流指令変換部60は、ステップS012で生成された電流指令Id*,Iq*を維持して処理を終了する。
一方、ステップS06において、連続通電時間Tiが連続通電許容時間T_tolを超えるときには、電流指令変換部60は、磁石温度が所定の許容温度以上であって、永久磁石モータM1に減磁が発生する可能性が高いと判断し、モータ電流の電流位相θを最適動作点Aの電流位相θoptから遅らせた電流位相θ1に変更する(ステップS072)。そして、電流指令変換部60は、その変更した電流位相θ1を用いて電流指令Id*,Iq*を生成する。
次に、電流指令変換部60は、電流指令変更後の連続通電時間が所定時間T_stdを超えているか否かを判定する。具体的には、電流指令変換部60は、連続通電時間Tiが連続通電許容時間T_tolと所定時間T_stdとの和を超えているか否かを判定し(ステップS08)、連続通電時間Tiが連続通電許容時間T_tolと所定時間T_stdとの和を越えているとき、電流指令Id*,Iq*をステップS012にて生成した電流指令に復帰させる(ステップS092)。さらに、電流指令変換部60は、タイマ48をリセットする(ステップS10)。
以上のように、この発明の実施の形態2によれば、モータトルク制御手段301Bは、リプル電流による渦電流損の増加によって永久磁石モータM1に減磁が発生する可能性があると判断したとき、リプル電流を低減するように永久磁石モータM1の動作点を変更する。その結果、永久磁石モータM1の減磁を抑制することができ、運転効率が低下するのを防ぐことができる。
なお、上記の実施の形態においては、リプル電流の連続通電時間が所定の連続通電許容時間を超えたときに永久磁石モータM1の動作点を変更するものとしたが、連続通電許容時間および動作点を段階的に多数設け、連続通電時間に応じて動作点を段階的に変更するようにしてもよい。
[変形例]
先の実施の形態2では、永久磁石モータM1の動作点を、最適動作点から電流位相を遅らせた動作点に変更することによってリプル電流を低減する構成としたが、最適動作点から電流位相を進めた動作点に変更することによってもリプル電流を低減することができる。すなわち、リプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aが最大となる変調度K=2/π(図6)に対して、変調度Kが高くなる、もしくは変調度Kが低くなるように永久磁石モータM1の動作点を変更することによってリプル電流を小さくすることができる。
図18および図19は、この発明の実施の形態2の変形例による永久磁石モータM1の制御を説明するための図である。なお、図18および図19に示される永久磁石モータM1のトルクTおよび端子電圧Vとモータ電流の電流位相θとの関係は、図15および図16で示した関係と同じである。
図18を参照して、モータトルク制御手段301Bは、通常時には最大トルク制御を行なうことによって、永久磁石モータM1を最適動作ライン上で動作させる。これにより、永久磁石モータM1から効率良く大きなトルクを得ることができる。
一方、磁石温度が高いと推定される場合には、モータトルク制御手段301Bは、電流位相θを最適動作点Aの電流位相θoptから進めた電流位相θ2とした動作点Cで永久磁石モータM1を動作させる。
動作点Cで永久磁石モータM1を動作させることによって、トルクTが減少するものの、図19に示される永久磁石モータM1の端子電圧Vとモータ電流の電流位相θとの関係からは、端子電圧Vが減少しているのが分かる。
そして、端子電圧Vが減少すると、インバータ14の変調度Kが低くなり、図6に示したリプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aと変調度Kとの関係からリプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aが減少することが分かる。その結果、渦電流損の増加による磁石温度の上昇が抑えられて永久磁石モータM1の減磁を抑制する。
図20は、モータトルク制御手段301Bの電流指令の設定に係る制御のフローチャートである。
図20を参照して、モータトルク制御手段301Bの電流指令変換部60は、トルク指令値TR、モータ回転数MRNおよびインバータ14の入力電圧Vmに基づいて電流指令Id*,Iq*を生成する(ステップS012)。
次に、リプル電流演算部44Bは、インバータ14の入力電圧Vmおよび変調度Kと、キャリア周波数fcとを受けると(ステップS02)、これらの入力信号を用いて上述した方法によりリプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aを演算する(ステップS03)。
電流指令変換部60は、リプル電流演算部44Bからリプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aを受けると、タイマ48を起動してリプル電流の連続通電時間Tiの計時を開始する(ステップS04)。さらに、電流指令変換部60は、リプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aに対応する連続通電許容時間T_tolを図7に示すマップを参照して設定する(ステップS05)。
そして、電流指令変換部60は、タイマ48から出力される連続通電時間Tiが連続通電許容時間T_tolを超えているか否かを判定し(ステップS06)、連続通電時間Tiが連続通電許容時間T_tolを超えていないときには、磁石温度が所定の許容温度を下回っており、永久磁石モータM1に減磁が発生する可能性が低いと判断する。そして、電流指令変換部60は、ステップS012で生成された電流指令Id*,Iq*を維持して処理を終了する。
一方、ステップS06において、連続通電時間Tiが連続通電許容時間T_tolを超えるときには、電流指令変換部60は、磁石温度が所定の許容温度以上であって、永久磁石モータM1に減磁が発生する可能性が高いと判断し、モータ電流の電流位相θを最適動作点Aの電流位相θoptから進めた電流位相θ2に変更する(ステップS073)。そして、電流指令変換部60は、その変更した電流位相θ2を用いて電流指令Id*,Iq*を生成する。
次に、電流指令変換部60は、電流指令変更後の連続通電時間が所定時間T_stdを超えているか否かを判定する。電流指令変換部60は、連続通電時間Tiが連続通電許容時間T_tolと所定時間T_stdとの和を超えているか否かを判定し(ステップS08)、連続通電時間Tiが連続通電許容時間T_tolと所定時間T_stdとの和を越えているとき、電流指令Id*,Iq*をステップS012にて生成した電流指令に復帰させる(ステップS092)。さらに、電流指令変換部60は、タイマ48をリセットする(ステップS10)。
なお、本変形例においても、リプル電流の連続通電許容時間および動作点を段階的に多数設け、連続通電時間に応じて動作点を段階的に変更するようにしてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、永久磁石モータを駆動するモータ駆動装置に適用することができる。
この発明の実施の形態1によるモータ駆動装置の概略ブロック図である。 図1における制御装置の機能ブロック図である。 モータトルク制御手段の機能ブロック図である。 図3に示したインバータ用PWM信号変換部による信号PWMIの生成方法を説明するための波形図である。 リプル電流のピーク・トゥ・ピーク値ΔIrとデューティー比xとの関係を示す図である。 リプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aとインバータの変調度Kとの関係を示す図である。 リプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値ΔIr_aと連続通電許容時間T_tolとの関係を示す図である。 磁石温度が低いときの通常のキャリア周波数マップである。 磁石温度が高いときのキャリア周波数マップである。 図2に示すモータトルク制御手段のキャリア周波数の設定に係る制御のフローチャートである。 この発明の実施の形態1の変形例に係るモータ駆動装置におけるモータトルク制御手段の機能ブロック図である。 永久磁石モータM1への印加電圧とトルクとの関係を示す図である。 図11に示すモータトルク制御手段の電圧指令の設定に係る制御のフローチャートである。 この発明の実施の形態2に係るモータ駆動装置におけるモータトルク制御手段の機能ブロック図である。 永久磁石モータのトルクTとモータ電流の電流位相θとの関係を示す図である。 永久磁石モータの端子電圧Vとモータ電流の電流位相θとの関係を示す図である。 図14に示すモータトルク制御手段の電流指令の設定に係る制御のフローチャートである。 永久磁石モータのトルクTとモータ電流の電流位相θとの関係を示す図である。 永久磁石モータの端子電圧Vとモータ電流の電流位相θとの関係を示す図である。 モータトルク制御手段の電流指令の設定に係る制御のフローチャートである。
符号の説明
10,13 電圧センサ、12 昇圧コンバータ、14 インバータ、15 U相アーム、16 V相アーム、17 W相アーム、24 電流センサ、30 制御装置、40 モータ制御用相電圧演算部、42 インバータ用PWM信号変換部、44,44A,44B リプル電流演算部、46 周波数制御部、48 タイマ、50,50A インバータ入力電圧指令演算部、52 フィードバック電圧指令演算部、54 デューティー比変換部、60 電流指令変換部、62,64 減算器、66,68 PI制御部、70 2相/3相変換部、72 PWM生成部、74 3相/2相変換部、80 レゾルバ、100 モータ駆動装置、301,301A,301B モータトルク制御手段、302 電圧変換制御手段、B バッテリ、C1,C2 コンデンサ、D1〜D8 ダイオード、L1 リアクトル、M1 永久磁石モータ、Q1〜Q8 IGBT素子、SR1,SR2 システムリレー。

Claims (12)

  1. 電源から電力の供給を受けて永久磁石モータを駆動するモータ駆動装置であって、
    スイッチング素子を含んで構成され、前記電源と前記永久磁石モータとの間で電力変換を行なう電力変換器と、
    前記永久磁石モータを流れるモータ電流に重畳したリプル電流を算出するリプル電流算出手段と、
    前記リプル電流算出手段によって算出された前記リプル電流が連続して前記永久磁石モータを流れたときの連続通電時間を取得する連続通電時間取得手段と、
    前記連続通電時間取得手段によって取得された前記連続通電時間に応じて、前記スイッチング素子によるスイッチング動作を制御する制御手段とを備える、モータ駆動装置。
  2. 前記電力変換器は、前記電源から供給される直流電力を交流電力に変換するインバータを含み、
    前記制御手段は、
    予め求められた前記連続通電時間と前記永久磁石モータの磁石温度との関係に基づいて、前記リプル電流算出手段によって算出された前記リプル電流に対応する前記連続通電時間の許容値を設定する許容値設定手段と、
    前記連続通電時間が前記許容値を超えたときに、前記リプル電流を低減するように前記インバータのキャリア周波数を変更するキャリア周波数制御手段とを含む、請求項1に記載のモータ駆動装置。
  3. 前記キャリア周波数制御手段は、前記連続通電時間が前記許容値を超えたときに、前記キャリア周波数を高くする、請求項2に記載のモータ駆動装置。
  4. 前記キャリア周波数制御手段は、前記キャリア周波数を変更してから所定期間が経過したときに、前記キャリア周波数を変更前のキャリア周波数に戻す、請求項3に記載のモータ駆動装置。
  5. 前記電力変換器は、
    前記電源からの直流電圧を昇圧するコンバータと、
    前記コンバータによって昇圧された直流電力および前記永久磁石モータとの間で授受される交流電力の間で電力変換を行なうインバータとを含み、
    前記制御手段は、
    予め求められた前記連続通電時間と前記永久磁石モータの磁石温度との関係に基づいて、前記リプル電流算出手段によって算出された前記リプル電流に対応する前記連続通電時間の許容値を設定する許容値設定手段と、
    前記連続通電時間が前記許容値を超えたときに、前記リプル電流を低減するように前記インバータの入力電圧を変更するインバータ入力電圧制御手段とを含む、請求項1に記載のモータ駆動装置。
  6. 前記インバータ入力電圧制御手段は、前記連続通電時間が前記許容値を超えたときに、前記入力電圧を低くする、請求項5に記載のモータ駆動装置。
  7. 前記インバータ入力電圧制御手段は、前記入力電圧を変更してから所定期間が経過したときに、前記入力電圧を変更前の入力電圧に戻す、請求項6に記載のモータ駆動装置。
  8. 前記電力変換器は、前記電源から供給される直流電力を交流電力に変換するインバータを含み、
    前記制御手段は、
    予め求められた前記連続通電時間と前記永久磁石モータの磁石温度との関係に基づいて、前記リプル電流算出手段によって算出された前記リプル電流に対応する前記連続通電時間の許容値を設定する許容値設定手段と、
    前記連続通電時間が前記許容値を超えたときに、前記リプル電流を低減するように前記永久磁石モータの動作点を変更するモータ駆動制御手段とを含む、請求項1に記載のモータ駆動装置。
  9. 前記モータ駆動制御手段は、前記連続通電時間が前記許容値を超えたときに、前記モータ電流の位相を、所定の電流振幅における出力トルクの最大値を与える位相から遅らせて前記永久磁石モータを動作させる、請求項8に記載のモータ駆動装置。
  10. 前記モータ駆動制御手段は、前記連続通電時間が前記許容値を超えたときに、前記モータ電流の位相を、所定の電流振幅における出力トルクの最大値を与える位相から進めて前記永久磁石モータを動作させる、請求項8に記載のモータ駆動装置。
  11. 前記モータ駆動制御手段は、前記動作点を変更してから所定期間が経過したときに、前記動作点を変更前の動作点に戻す、請求項8から請求項10のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
  12. 前記リプル電流算出手段は、前記電力変換器の変調度における前記リプル電流のピーク・トゥ・ピーク値の平均値を算出する、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
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