JP2008174596A - 難燃性樹脂組成物およびそれを用いた成形物品 - Google Patents

難燃性樹脂組成物およびそれを用いた成形物品 Download PDF

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Abstract

【課題】難燃性、耐熱性、機械特性、耐油性、耐摩耗性、圧壊特性、圧接性に優れ、かつ埋立て、燃焼等による廃棄時においては、重金属化合物の溶出や、多量の煙、有害性ガスの発生がないリサイクルに適した難燃性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(a)スチレンおよび不飽和カルボン酸で変性されたポリプロピレン樹脂22〜85質量%、(b)ポリプロピレンとエチレンプロピレンの共重合体との反応物15〜78質量%、(c)ポリプロピレン0〜63質量%、〔但し、(b)成分中のポリプロピレンを除く〕及び(d)不飽和カルボン酸で変性されたスチレン系エラストマー0〜40質量%を含有する樹脂成分(A)100質量部に対し、水酸化マグネシウム(B)50〜300質量部を含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、成形加工時において架橋処理設備等の特殊な設備を必要としない、機械特性と耐摩耗性、耐油性、耐熱性、圧壊特性に優れた難燃性樹脂組成物およびそれを用いた成形物品に関するものであり、また難燃性に優れた成形物品、例えば、シート、チューブ、配線材、光ファイバコードその他の成形物品に関する。
電気・電子機器の内部および外部配線に使用される絶縁電線・ケーブル・コードや光ファイバ心線、光ファイバコードなどには、難燃性、耐熱性、機械特性(例えば、引張特性、耐摩耗性、圧壊特性)など種々の特性が要求されている。
シート材料には耐熱性や耐外傷性、またチューブについては耐熱性、耐外傷性、耐摩耗性、耐油性、難燃性が要求されている。
現在、前記用途には、ポリ塩化ビニル(PVC)コンパウンドや、分子中に臭素原子や塩素原子を含有するハロゲン系難燃剤を配合したポリオレフィンコンパウンドが主として使用されている。
しかし、前記ハロゲン原子を含有する材料を適切な処理をせずに廃棄し、埋め立てた場合には、被覆材料に配合されている可塑剤や重金属安定剤が溶出し、また燃焼した場合には、被覆材料に含まれるハロゲン化合物から有害ガスが発生することがあり、近年、この問題が議論されている。
このため、環境に影響をおよぼすことが懸念されている有害な可塑剤や重金属の溶出や、ハロゲン系ガスなどの発生の恐れがないノンハロゲン材料で成形を行った成形物品、配線材、ケーブル、シート、チューブの検討が行われている。
ノンハロゲン難燃材料は、ハロゲンを含有しない難燃剤を樹脂に配合することで難燃性を発現させており、例えばエチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体などのエチレン系共重合体に、難燃剤として水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの金属水和物を多量に配合した材料が配線材に使用されている。
電気・電子機器の配線材に求められる難燃性、耐熱性、機械特性(例えば引張特性、耐摩耗性)などの規格は、UL(Underwriters Laboratories
Inc.)、JIS(日本工業規格)などで規定されている。特に、難燃性に関しては、要求水準(その用途)に応じてその試験方法が変わってくる。したがって実際は、少なくとも要求水準に応じた難燃性を有すればよい。例えば、UL1581[電線、ケーブルおよびフレキシブルコードのための関連規格(Reference Standard for Electrical Wires,Cables and Flexible
Cords)〕に規定される垂直燃焼試験(Vertical Flame Test)(VW−1)や、JIS C 3005(ゴム・プラスチック絶縁電線試験方法)に規定される水平試験や傾斜試験に合格する難燃性などがそれぞれ挙げられる。
これまでノンハロゲン難燃材料に、VW−1や傾斜試験に合格するような高度の難燃性を付与する場合、樹脂成分100重量部に対して、難燃剤である金属水和物を150〜200重量部配合する必要があり(例えば特許文献1)、この結果として、被覆材料の引張特性や圧壊特性、耐摩耗性などの機械特性、耐摩耗性が著しく低下するという問題があった。
特に金属水和物を大量に加えると、耐摩耗性、圧壊特性、耐外傷性の低下が顕著であり、これを防止するために、例えば架橋を施す方法やポリプロピレンをベース材料として使用する方法が提案されてきた。しかしこれらの方法では難燃性を向上させると、著しく耐摩耗性や強度、圧壊特性、圧接特性が低下する等の問題があった。
さらに、この樹脂成分に金属水和物を大量に加えると耐油性が著しく低下し、油のかかる部分では使用することができなかった。
特開2001−135142号公報
本発明は、上記の問題点を解決し、難燃性、耐熱性、機械特性、耐油性、圧壊特性、耐摩耗性、圧接性に優れ、かつ埋立て、燃焼等による廃棄時においては、重金属化合物の溶出や、多量の煙、有害性ガスの発生がなく、昨今の環境問題に対応した難燃性樹脂組成物およびそれを用いた成形物品を提供することを目的とする。
さらに本発明は、これらの特性を満足しながら、成形物品の再溶融が可能なためにリサイクル処理に適し、再利用でき、折り曲げても白化することなく、また傷つきにくく、特に難燃性や耐摩耗性、耐油性を併せ持った樹脂組成物および圧接性に優れた配線材、光ファイバ心線、光ファイバコード、シート、チューブ等の成形物品を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために、種々検討を重ねた結果特定の成分と組成をもつ樹脂組成物が上記目的に適合することを見出し、この知見に基づき、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、下記(1)〜(8)の難燃性樹脂組成物と下記(9),(10)の成形物品を提供するものである。
(1)(a)スチレン及び不飽和カルボン酸をグラフト重合したポリプロピレン樹脂22〜85質量%、(b)ポリプロピレンとエチレンプロピレンの共重合体との反応物15〜78質量%、(c)ポリプロピレン0〜63質量%、〔但し、(b)成分中のポリプロピレンを除く〕及び(d)不飽和カルボン酸で変性されたスチレン系エラストマー0〜40質量%を含有する樹脂成分(A)100質量部に対し、水酸化マグネシウム(B)50〜300質量部を含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物、
(2)前記(a)成分であるスチレン及び不飽和カルボン酸をグラフト重合したポリプロピレン樹脂はポリプロピレン樹脂にスチレンをグラフト重合した後に不飽和カルボン酸をスチレン部分にグラフト重合したことを特徴とする(1)記載の難燃性樹脂組成物、
(3)前記(a)成分であるスチレン及び不飽和カルボン酸をグラフト重合したポリプロピレン樹脂のグラフト割合が重量比で3〜10%であることを特徴とする(1)記載の難燃性樹脂組成物、
(4)前記(a)成分の不飽和カルボン酸がアクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸のうちいずれかであることを特徴とする(1)記載の難燃性樹脂組成物、
(5)前記(a)成分であるスチレン及び不飽和カルボン酸をグラフト重合したポリプロピレン樹脂がホモポリプロピレン樹脂であることを特徴とする(1)記載の難燃性樹脂組成物。
(6)前記樹脂成分(A)は、(e−1)不飽和カルボン酸で変性されたポリオレフィン、(e−2)不飽和カルボン酸で変性されたエチレン−酢酸ビニル共重合体、(e−3)不飽和カルボン酸で変性されたエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(e−4)エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体および(e−5)エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂を0〜63質量%さらに含有することを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
(7)前記樹脂成分(A)は、(f)エチレン−αオレフィン共重合体0〜63質量%、(g−1)エチレン−酢酸ビニル共重合体および/または(g−2)エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体0〜40質量%、(h)スチレン系エラストマー0〜40質量%、並びに(j)ゴム用軟化剤0〜20質量%のいずれか1種または2種以上をさらに含有することを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
(8) 前記水酸化マグネシウム(B)が、無処理の水酸化マグネシウムおよび/またはシラン処理された水酸化マグネシウムであることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
(9)(1)〜(8)のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物を、導体あるいは光ファイバ素線および/または光ファイバ心線の外側に、被覆層として有することを特徴とする成形物品。
(10)(1)〜(8)のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物を成形してなることを特徴とする成形物品。
本発明の難燃性樹脂組成物は、比較的柔軟性を有し、難燃性、耐熱性、機械特性、耐油性、耐摩耗性、圧接性、圧壊特性に優れ、配線時に傷つき易い配線材や、光ファイバ心線、光ファイバコード、シート、チューブ等の成形物品に好適である。また、使用後は、埋立て、燃焼などの廃棄時においては、重金属化合物の溶出や、多量の煙、有害性ガスの発生がなく、リサイクル処理に適し昨今の環境問題に対応した難燃性樹脂組成物である。
上記効果は、該難燃性樹脂組成物が水酸化マグネシウムとして、無処理の水酸化マグネシウムおよび/またはシラン処理された水酸化マグネシウムを使用したときに、特に効果がある。
また、本発明の成形物品は、上記全ての特性を満足しながら、成形物品の再溶融が可能なために再利用でき、折り曲げても白化することなく、また傷つきにくく、柔軟性を保持しつつ、難燃性や耐摩耗性、耐油性を併せ持った成形物品である。
以下、本発明の樹脂成分(A)と水酸化マグネシウム(B)を含有する難燃性樹脂組成物について詳細に説明する。
まず、本発明の難燃性樹脂組成物のうち、その樹脂成分(A)を構成する各成分について説明する。
(a)スチレン及び不飽和カルボン酸をグラフト重合したポリプロピレン樹脂
本発明の樹脂成分(A)におけるスチレン及び不飽和カルボン酸をグラフト重合したポリプロピレン樹脂は、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレンにスチレンおよび/またはポリスチレンをグラフト重合した樹脂に不飽和カルボン酸をグラフトした(つまりスチレンをグラフト重合した後に不飽和カルボン酸をスチレン部分にグラフト重合した)樹脂のことである。その変性量(つまりグラフト部分の割合)はグラフト重合したポリプロピレン樹脂全量に対して重量比で3〜10%が好ましい。この際のグラフト部分中のスチレン成分と不飽和カルボン酸成分との重量比は特に制限はないが、好ましくは2:1〜1:1.5である。
不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フマル酸などを挙げることができる。特に、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸が好ましい。
ここで言うランダムポリプロピレンはエチレン成分含量が5質量%以下、ブロックポリプロピレンはエチレン成分含量が15質量%以下程度のものをいう。
本発明においてスチレン及び不飽和カルボン酸でグラフト変性されたポリプロピレン樹脂は水酸化マグネシウムとイオン的に結合を行う。この反応により水酸化マグネシウムとの界面近傍の強度が非常に高く、しかも結晶性の高いポリプロピレンで形成されることから、樹脂組成物として非常に強度の高く、しかも耐油性の高いノンハロゲン樹脂組成物を得ることができる。特に大量に含まれている難燃剤(水酸化マグネシウム)の界面付近に結晶性の高いしかも強度の大きいポリプロピレンが存在するため、耐外傷性や耐摩耗性、圧壊強度のみならず、難燃性も向上する。さらに圧接用電線に使用される場合、圧接刃での割れやストレインリリーフの盛り上がりがほとんど無く、優れた圧接加工用の電線を得ることができる。
これらの特性は不飽和カルボン酸で変性された他のポリオレフィン樹脂を使用した場合よりも非常に顕著であり、特に(a)成分の中でもスチレンおよび不飽和カルボン酸で変性されたホモポリプロピレン樹脂を使用した場合が大きな効果を奏する。
本発明において、(a)スチレン及び不飽和カルボン酸をグラフト重合したポリプロピレン樹脂は、樹脂成分(A)100質量%中、22〜85質量%、好ましくは22〜60質量%、さらに好ましくは25〜50質量%含有する。この量が少なすぎると、耐外傷性、耐摩耗性、圧壊特性、圧接性に問題が生じたりし、これが多すぎると伸び特性、外観が著しく低下する。特にこの量が25〜50質量%の場合、強度、耐油性、耐外傷性、耐摩耗性、圧壊特性、圧接性の点で非常にバランスのとれた材料を得ることができる。
特に(a)成分の中でもスチレン及び不飽和カルボン酸でグラフト変性されたホモポリプロピレン樹脂を使用することにより、優れた耐外傷性、耐摩耗性、圧壊特性、圧接性を有する材料を得ることができる。
(b)ポリプロピレンとエチレンプロピレンの共重合体の反応物
本発明で使用するポリプロピレンとエチレンプロピレンの共重合体の反応物は、プロピレンブロックとエチレン−α−プロピレンブロックの共重合体等とが反応したポリマーである。
このポリプロピレンとエチレンプロピレンの共重合体との反応物には、ポリプロピレンが含まれている場合がある。
本発明で使用するポリプロピレンとエチレンプロピレンの共重合体の反応物は、プロピレン成分の含有量が5〜85質量%、通常20〜70質量%である。このプロピレン成分の含有量が小さいと耐油性や耐摩耗性、圧接性に乏しくなり、またプロピレン成分の含有量が多いと伸び特性が低下したり、耐熱老化特性が著しく低下したりする。
ポリプロピレンとエチレンプロピレンの共重合体としては、キャタロイ〔商品名、サンアロマー(株)製〕、ニューコン〔商品名、三菱化学(株)製〕などが挙げられる。
本発明において樹脂成分(A)100質量%中、ポリプロピレンとエチレンプロピレンの共重合体は15〜78質量%、好ましくは15〜60質量%、さらに好ましくは20〜50質量%である。このポリプロピレンとエチレンプロピレンの共重合体が少な過ぎると柔軟性が大幅に低下し、多過ぎると強度が低下したり、耐油性、耐摩耗性、圧接特性が低下する。
この成分(b)としてのポリプロピレンとエチレンプロピレンの共重合体との反応物は、(a)成分であるスチレン及び不飽和カルボン酸をグラフト重合したポリプロピレン樹脂と非常に良く相溶する。柔軟性を有するポリプロピレンとエチレンプロピレンの共重合体が水酸化マグネシウムとイオン的に結合した不飽和カルボン酸で変性されたポリプロピレン樹脂と一体化することにより、比較的柔軟性を有し、しかも強度、耐油性、耐摩耗性、圧接性、圧壊特性を確保することが可能となる。
(c)ポリプロピレン
本発明に用いることのできるポリプロピレンとしては、ホモポリプロピレン、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体などがある。
ここでいうエチレン−プロピレンランダム共重合体は、エチレン成分含量が1〜5質量%程度のものをいい、エチレン−プロピレンブロック共重合体はエチレン成分含量が5〜15質量%程度のものをいう。
上記のポリプロピレンとしてはMFR(ASTM‐D‐1238、L条件、230℃)が、好ましくは0.1〜60g/10分、より好ましくは0.1〜25g/10分、さらに好ましくは0.3〜15g/10分のものを用いる。
本発明において、この(C)成分としてポリプロピレンは必要により添加しうる任意成分であり、その含有量は樹脂成分(A)100質量%中、0〜63質量%であり、好ましくは10〜60質量%、さらに好ましくは15〜55質量%、さらに好ましくは20〜50質量%である。このポリプロピレンの含有量が多すぎると成形体の柔軟性が著しく損なわれたり、耐摩耗性が低下する。
但し、本発明の(c)成分であるポリプロピレンの量には、上記(b)成分であるポリプロピレンとエチレンプロピレンの共重合体に含まれているポリプロピレンは含まないものとする。
(d)不飽和カルボン酸で変性されたスチレン系エラストマー
本発明において、不飽和カルボン酸で変性されたスチレン系エラストマーとは、スチレン系共重合体を不飽和カルボン酸で変性することにより、不飽和カルボン酸がスチレン系共重合体にグラフト重合したエラストマーのことである。
不飽和カルボン酸としては、上記した(a)不飽和カルボン酸で変性されたポリプロピレン樹脂で使用されたものと同様のものを使用することが可能である。
上記のスチレン系共重合体とは、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とのブロック及びランダム構造を主体とする共重合体およびその水素添加物である。芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルトルエン、p−第3ブチルスチレンなどが挙げられる。また共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどを挙げることができる。
スチレン系共重合体の変性は、例えば、スチレン系共重合体と不飽和カルボン酸を有機パーオキサイドの存在下に加熱、混練することにより行うことができる。不飽和カルボン酸による変性量は、通常0.5〜15質量%である。
不飽和カルボン酸で変性されたスチレン系エラストマーとしては、たとえば、クレイトン1901FG〔JSR クレイトン(株)製〕、タフテック〔旭化成(株)製〕等をあげることができる。
この不飽和カルボン酸で変性されたスチレン系エラストマーは、樹脂成分(A)に含有してもしなくてもよいが、その含有量は樹脂成分(A)100質量%中、0〜40質量%に制限される。これが多すぎると耐油性が低下するのみならず、外観も大幅に低下する。 この不飽和カルボン酸で変性されたスチレン系エラストマーは、(a)成分のスチレン及び不飽和カルボン酸で変性されたポリプロピレン樹脂や(b)成分のポリプロピレンとエチレンプロピレンの共重合体と良く相溶する。また(d)成分でとしてのこの不飽和カルボン酸で変性されたスチレン系エラストマーは水酸化マグネシウムと混合することにより、強いイオン結合を有する。従って同様に水酸化マグネシウムと強いイオン結合を有するカルボン酸で変性されたポリプロピレン樹脂との相乗作用により、高強度、高摩耗性を維持することができ、さらに(b)成分であるポリプロピレンとエチレンプロピレンの共重合体との相乗効果で柔軟性をさらに向上させることができる。
(e−1)不飽和カルボン酸で変性されたポリオレフィン
本発明における不飽和カルボン酸で変性されたポリオレフィンとは、ポリオレフィンを不飽和カルボン酸で変性することにより、不飽和カルボン酸がポリオレフィンにグラフト重合した樹脂のことである。
この不飽和カルボン酸としては、(a)成分の場合と同様、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フマル酸などを挙げることができる。
このポリオレフィンとしては、ポリエチレン(直鎖状ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン)、プロピレンと他の少量のαオレフィン(例えば、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等)との共重合体、エチレンとαオレフィンとの共重合体等が挙げられる。
ポリオレフィンの変性は、例えば、ポリオレフィンと不飽和カルボン酸を有機パーオキサイドの存在下に加熱、混練することにより行うことができる。不飽和カルボン酸による変性量は、(e−1)成分全量に対して通常0.5〜15質量%である。
不飽和カルボン酸等により変性されたポリオレフィンとしては、具体的には、例えば、ポリボンドP−1009等〔商品名、クロンプトン(株)製〕、アドテックスL−6100M等〔商品名、日本ポリエチレン(株)製〕、アドマーXE070、NE070等〔商品名、三井化学(株)製〕などが市販されている。
(e−2)不飽和カルボン酸で変性されたエチレン−酢酸ビニル共重合体
本発明における不飽和カルボン酸で変性されたエチレン−酢酸ビニル共重合体とは、エチレン−酢酸ビニル共重合体を不飽和カルボン酸で変性したものであり、不飽和カルボン酸がエチレン−酢酸ビニル共重合体にグラフト重合した樹脂のことである。
不飽和カルボン酸としては、(e−1)の場合に使用されたものと同様のものを使用することができる。
また、エチレン−酢酸ビニル共重合体とは、エチレンに酢酸ビニルを共重合させたものである。
エチレン−酢酸ビニル共重合体の変性は、(e−1)と同様、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体と不飽和カルボン酸等を有機パーオキサイドの存在下に加熱、混練することにより行うことができる。不飽和カルボン酸等による変性量は、(e−2)成分全量に対し通常0.5〜15質量%である。
不飽和カルボン酸で変性されたエチレン−酢酸ビニル共重合体としては、たとえば、アドマーVF600,VF500〔いずれも商品名、三井化学(株)製〕をあげることができる。
(e−3)不飽和カルボン酸で変性されたエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体
本発明において、不飽和カルボン酸で変性されたエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体とは、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体を不飽和カルボン酸で変性したものであり、不飽和カルボン酸がエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体にグラフト重合した樹脂のことである。
不飽和カルボン酸としては、(e−1)で使用されたものと同様のものを使用することができる。
エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体とは、例えば、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体等が挙げられる。
エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体の変性は、(e−1)と同様、例えば、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体と不飽和カルボン酸を有機パーオキサイドの存在下に加熱、混練することにより行うことができる。不飽和カルボン酸による変性量は、(e−3)成分全量に対し、通常0.5〜15質量%である。
不飽和カルボン酸で変性されたエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体としては、たとえば、モディパーA−5200、A−8200〔いずれも商品名、日本油脂(株)製〕をあげることができる。
(e−4)エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、(e−5)エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体
本発明においては、前記(e−1)〜(e−3)の共重合体と共にまたはこれらの代わりにエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体を使用しても良い。
エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体としては、例えば、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体などが挙げられ、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体としては、例えば、エチレン−アクリル酸メチル−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル−メタクリル酸共重合体などが挙げられる。
具体的には、例えば、ニュクレル、ベイマック〔いずれも商品名、三井デュポンポリケミカル(株)製〕などを挙げることができる。
本発明においては、(e)成分として、(e−1)〜(e−5)からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂を使用する。本発明において(e−1)〜(e−5)からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂は、樹脂成分(A)100質量%中、0〜63質量%含有されるのが好ましい。
(f)エチレン−α−オレフィン共重合体
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体は、例えばエチレンと炭素数4〜12のα−オレフィンとの共重合体であり、α−オレフィンの具体例としては、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどが挙げられる。
エチレン−α−オレフィン共重合体として、具体的には、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、VLDPE(超低密度ポリエチレン)、EPR(エチレンプロピレンゴム)、EBR(エチレン−1‐ブテンゴム)、及びメタロセン触媒存在下に合成されたエチレン−α−オレフィン共重合体等が挙げられる。このなかでも、メタロセン触媒存在下に合成されたエチレン−α−オレフィン共重合体が好ましい。
エチレン−α−オレフィン共重合体の密度は特に制限しないが、940kg/m3 以下が好ましく、さらに好ましくは930kg/m3 以下である。この密度の下限は875kg/m3 が好ましい。
また、エチレン−α−オレフィン共重合体としては、メルトフローレート(以下、MFRと記す)(ASTM D−1238)が0.5〜50g/10分のものが好ましい。
本発明におけるエチレン−α−オレフィン共重合体は、上記したメタロセン触媒の存在下に合成されるものや通常の直鎖型低密度ポリエチレンや超低密度ポリエチレン等が挙げられるが、中でも、メタロセン触媒の存在下に合成されるものが好ましい。このようなものとしては、日本ポリケム(株)から「カーネル」(商品名)、プライムポリマー(株)から「エボリュー」(商品名)が上市されている。
本発明において、樹脂成分としてエチレン−αオレフィン共重合体は含有してもしなくてもよいが、その含有量は、樹脂成分(A)100質量%中、0〜63質量%、好ましくは0〜50質量%、さらに好ましくは0〜40質量%である。含有量が多すぎると著しく摩耗性や圧接性、強度が低下する場合がある。
(g−1)エチレン−酢酸ビニル共重合体、(g−2)エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、
本発明のエチレン−酢酸ビニル共重合体とは、エチレンと酢酸ビニルが共重合した樹脂であり、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体とは、例えば、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体が挙げられる。
具体的には、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体としては、エバフレックス〔商品名、三井デュポンポリケミカル(株)製〕等が、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体としては、エバルロイAC〔商品名、三井デュポンポリケミカル(株)製〕などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
本発明では、(g−1)および/または(g−2)成分は含有しても含有しなくてもよいが、その樹脂成分(A)100質量%中の含有量は、0〜40質量%であり、好ましくは0〜25質量%、さらに好ましくは0〜15質量%である。含有量が多すぎると、摩耗性、強度が低下する恐れがある。
(h)スチレン系エラストマー
本発明のスチレン系エラストマーは、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とのブロック及びランダム構造を主体とする共重合体もしくはその水素添加物である。
芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルトルエン、p−第3ブチルスチレンなどがあり、1種または2種以上が選ばれ、中でもスチレンが好ましい。
また共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどがあり、1種または2種以上が選ばれ、中でもブタジエンが好ましい。
前記スチレン系エラストマーとして具体的には、例えば、セプトン4077、セプトン4055、セプトン8105〔商品名、(株)クラレ製〕、ダイナロン1320P〔商品名、JSR(株)製〕等が挙げられる。
本発明において、スチレン系エラストマーは、含有しても含有しなくてもよいが、その樹脂成分(A)100質量%中の含有量は0〜40質量%であり、好ましくは0〜35質量%、さらに好ましくは0〜20質量%である。含有量が多すぎると耐摩耗性、強度、耐油性が低下する恐れがある。
(j)ゴム用軟化剤
一般に、ゴム用として用いられる鉱物油軟化剤は、芳香族環、ナフテン環およびパラフィン鎖の三者の組み合わさった混合物であって、パラフィン鎖炭素数が全炭素数の50%以上を占めるものをパラフィン系とよび、ナフテン環炭素数が30〜40%のものはナフテン系、芳香族炭素数が30%以上のものは芳香族系と呼ばれて区別されている。
本発明のゴム用軟化剤としては、液状もしくは低分子量の合成軟化剤またはパラフィン系およびナフテン系の鉱物油を用いることができる。
前記ゴム用軟化剤として具体的には、ダイアナプロセスオイルPW90、PW380〔商品名、出光興産(株)製〕等がある。
本発明において、ゴム用軟化剤は含有してもしなくてもよいが、その含有量は樹脂成分(A)100質量%中0〜20質量%であり、好ましくは0〜10質量%である。含有量が多すぎると、耐磨耗性、強度、耐油性が低下する場合がある。
本発明の樹脂成分(A)として、(a)及び(b)成分を必須成分とし、必要により、(c)、(d)、さらには(e−1)〜(e−5)、(f)、(g−1)/(g−2)、(h)および(j)成分を含有する樹脂成分をベース材料とし、このベース材料に水酸化マグネシウムを含有することより、架橋せずに耐熱性を有し、高い難燃性を有し、しかも機械特性、耐摩耗性、耐油性に非常に優れた樹脂組成物及び成形体が得られる。
本発明の難燃性樹脂組成物は、樹脂成分(A)と共に水酸化マグネシウム(B)を含有するものである。
通常樹脂成分に対して水酸化マグネシウムなどの金属水和物を添加してゆくと、耐摩耗性が著しく低下する。しかし、本発明においては、金属水和物である水酸化マグネシウムを本発明の樹脂成分に対して多く添加しても耐摩耗性が低下することはなく、むしろ耐摩耗性が向上する。従って難燃性と耐摩耗性を両立させることができる。
同様に圧壊特性についても水酸化マグネシウムの大量の添加にもかかわらず高い強度を維持している。水酸化マグネシウム等の無機物を配合することで一般的には樹脂の粘性が失われ圧壊強度の低下をもたらすが本発明の材料では低下することはない。
またさらに、通常水酸化マグネシウムを大量に含有すると耐油性は大幅に低下するが、本発明の材料は水酸化マグネシウムを大量に含有しても耐油性の低下がなく、バランスの良い優れた物性を維持することができる。また、比較的柔軟性の確保も可能であり、成形性、加工性にも優れた樹脂組成物を得ることができる。
さらに、その樹脂組成物を電線に使用した場合は、非常に圧接性に優れた物性を有しており、ストレインリリーフの盛り上がり等の現象も生じず、優れた圧接性を示す。
本発明における、特定の成分とその組成に基づく樹脂成分に水酸化マグネシウムを大量に加えた場合、摩耗性が低下せずむしろ向上するメカニズムについては、はっきり解明されていないが、水酸化マグネシウムと(a)成分が強いイオン性結合を有し、水酸化マグネシウムとポリマー全体が微細にしかも強固に結合することにより、水酸化マグネシウムが本来有している硬質性、強度、補強性が樹脂成分と一体化することにより、樹脂組成物の耐摩耗性が格段に向上したものと想定される。このような作用効果により、成形体表面をこすっても白化現象は生じず、非常に高強度の成形体を得ることができる。また樹脂と水酸化マグネシウムの界面近傍に結晶性の高い樹脂が存在するため、さらに強度、耐摩耗性、耐外傷性、圧接性が優れていると考えられる。また水酸化マグネシウムを介して非常に強固でミクロな結合を有し、界面近傍に結晶性の高い樹脂が存在しているため、油成分で膨潤することなく物性を保持することが可能となる。また(a)成分と相溶する形で柔軟性を有する(b)成分が存在するため、比較的柔軟性を確保し、耐摩耗性、耐外傷性に優れた樹脂組成物を得ることができる。さらに、メカニズムははっきりしていないものの(b)成分の導入により長期的な耐熱性の向上が達成される。
本発明においては、樹脂成分(A)を構成する不飽和カルボン酸成分の含有量が0.4〜6.0質量%が好ましく、さらに好ましくは0.8〜5.0質量%である。
不飽和カルボン酸成分とは、例えば、(a)、(d)、(e−1)〜(e−3)成分の不飽和カルボン酸による変性に用いられた不飽和カルボン酸成分であり、また(e−4)、(e−5)成分の酸共重合成分であるアクリル酸やメタクリル酸のことである。不飽和カルボン酸成分の含有量が特定の範囲内であることにより、特に優れた強度、耐摩耗性、耐油性、電線の圧接性を保持しつつ、優れた伸び、難燃性を有することが可能となる。
(B)水酸化マグネシウム
本発明においては、通常市販されている水酸化マグネシウムを使用することが可能である。本発明において、水酸化マグネシウムは、無処理のままでも、表面処理を施されていてもよい。表面処理としては、たとえば、脂肪酸処理、リン酸処理、チタネート処理、シランカップリング剤による処理などがあげられる。樹脂成分(A)との結合特性の点から、本発明においては、無処理のものか、シランカップリング剤を用いたものを使用するのが好ましい。
さらに、本発明においては、無処理の水酸化マグネシウムや、表面処理を行った水酸化マグネシウムをそれぞれ単独で使用するのは勿論、両者を併用してもよい。さらに、異なる表面処理を行った水酸化マグネシウムを併用することも可能である。
本発明におけるシランカップリング剤は、末端にビニル基、メタクリロキシ基、グリシジル基、アミノ基を有するものが好ましい。具体的には、たとえば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ―アミノプロピルトリプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ―アミノプロピルトリプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。中でもビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等が好ましい。
水酸化マグネシウムをシランカップリング剤で処理をする場合には、いずれか1種のシランカップリング剤のみでも、2種以上を併用してもよい。
シランカップリング剤による表面処理の方法としては、通常使用される方法で処理を行うことが可能であるが、たとえば、表面処理をしていない水酸化マグネシウムをあらかじめドライブレンドしたり、湿式処理を行ったり、混練り時にシランカップリング剤をブレンドすることなどにより得ることが可能である。
使用するシランカップリング剤の含有量は、表面処理をするのに十分な量が適宜加えられるが、具体的には水酸化マグネシウムに対し0.1〜2.5重量%、好ましくは0.2〜1.8重量%、さらに好ましくは0.3〜1.0重量%である。
すでにシランカップリング剤処理をおこなった水酸化マグネシウムを入手することも可能である。シランカップリング剤で表面処理された水酸化マグネシウムとしては、具体的には、キスマ5L、キスマ5N、キスマ5P〔いずれも商品名、協和化学(株)製)〕などがあげられる。
また、無処理の水酸化マグネシウムとしては、たとえばキスマ5〔商品名、協和化学(株)〕、マグニフィンH5〔商品名、アルベマール(株)〕などがあげられる。
本発明の難燃性樹脂組成物では、水酸化マグネシウムの含有量は、樹脂成分100質量部に対し50〜300質量部であり、好ましくは100〜260質量部、さらに好ましくは120〜250質量部である。含有量が少なすぎると、難燃性に問題があり、多すぎると機械特性が著しく低下したり、耐低温性が悪化する問題がある。
その他、難燃性を向上させるために、メラミンシアヌレート化合物を加えることもできる。メラミンシアヌレートは、粒径が細かい物が好ましい。本発明で用いるメラミンシアヌレート化合物の平均粒径は、好ましくは10μm以下、より好ましくは7μm以下、さらに好ましくは5μm以下である。また、分散性の面から、表面処理されたメラミンシアヌレート化合物が好ましく用いられる。
本発明で用いることのできるメラミンシアヌレート化合物としては、例えばMCA−0、MCA−1〔いずれも商品名、三菱化学(株)製〕や、Chemie Linz Gmbhより上市されているものがある。また、脂肪酸で表面処理したメラミンシアヌレート化合物、シラン表面処理したメラミンシアヌレート化合物としては、MC640、MC6000〔いずれも商品名、日産化学(株)製〕などがある。
本発明で用いることのできるメラミンシアヌレート化合物として、例えば以下のような構造のメラミンシアヌレートがある。
Figure 2008174596
本発明の難燃性樹脂組成物には、必要に応じ、スズ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛及びホウ酸亜鉛から選ばれる少なくとも1種を含有することができ、さらに難燃性を向上させることができる。これらの化合物を用いることにより、燃焼時の殻形成の速度が増大し、殻形成がより強固になる。従って、燃焼時に内部よりガスを発生するメラミンシアヌレート化合物とともに、難燃性を飛躍的に向上させることができる。
本発明で用いるホウ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛、スズ酸亜鉛は平均粒子径が5μm以下が好ましく、3μm以下がさらに好ましい。
本発明で用いることのできるホウ酸亜鉛として、具体的には、例えば、アルカネックスFRC−500(2ZnO/3B・3.5HO)、アルカネックスFRC−600〔いずれも商品名、水澤化学(株)製〕などがある。また、スズ酸亜鉛(ZnSnO)、ヒドロキシスズ酸亜鉛〔ZnSn(OH)〕として、アルカネックスZS、アルカネックスZHS〔いずれも商品名、水澤化学(株)製〕などがある。
本発明の難燃性樹脂組成物には、成形物品において、一般的に使用されている各種の添加剤、例えば、酸化防止剤、金属不活性剤、難燃(助)剤、充填剤、滑剤などを本発明の目的を損なわない範囲で適宜含有することができる。
酸化防止剤としては、4,4’−ジオクチル・ジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物などのアミン系酸化防止剤、ペンタエリスリチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等のフェノール系酸化防止剤、ビス(2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル)スルフィド、2−メルカプトベンゾイミダゾールおよびその亜鉛塩、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ラウリル−チオプロピオネート)などのイオウ系酸化防止剤などがあげられる。
金属不活性剤としては、N,N’−ビス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル)ヒドラジン、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、2,2’−オキサミドビス−(エチル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)などがあげられる。
難燃(助)剤、充填剤としては、カーボン、クレー、酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化モリブデン、三酸化アンチモン、シリコーン化合物、石英、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ホワイトカーボンなどがあげられる。
滑剤としては、炭化水素系、脂肪酸系、脂肪酸アミド系、エステル系、アルコール系、金属石けん系、シリコーン系などがあげられ、なかでも、炭化水素系やシリコーン系が好ましい。
本発明の難燃性樹脂組成物は、上記の各成分を、一軸混練押出機、二軸混練押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなど通常用いられる混練装置で、好ましくは150〜240℃で溶融混練して得ることができる。
本発明の成形物品には、上記の難燃性樹脂組成物を、導体あるいは光ファイバ素線および/または光ファイバ心線の外側に、被覆層として有することを特徴とする成形物品や、他に上記の難燃性樹脂組成物を成形してなることを特徴とする成形物品がある。以下に、本発明の絶縁電線、ケーブル、光コード等の成形物品について説明する。
本発明の成形物品としては、例えば、導体や光ファイバやその他成形体の周りに上記の本発明の難燃性樹脂組成物が被覆された絶縁電線やケーブルなどがある。この絶縁電線やケーブルは、本発明の難燃性樹脂組成物を通常の押出成形機を用いて導体、光ファイバ、集合絶縁電線やその他成形体の周囲に押出被覆することにより製造することができる。またチューブについても同様な方式で製造することができる。
例えば、絶縁電線に使用される場合、導体の周りに形成される絶縁樹脂組成物の被覆層の肉厚も特に制限はないが、0.15〜3mmが好ましい。また、絶縁層が多層構造であってもよく、本発明の難燃性の絶縁樹脂組成物で形成した被覆層のほかに中間層などを有するものでもよい。
また、本発明の配線材においては、本発明の樹脂組成物を押出被覆してそのまま被覆層を形成することが好ましいが、さらに耐熱性を向上させることを目的として、押出後の被覆層を架橋させることも可能である。但し、この架橋処理を施すと、被覆層の押出材料としての再利用は困難になる。
架橋を行う方法として、常法による電子線照射架橋法や化学架橋法が採用できる。
電子線架橋法の場合は、樹脂組成物を押出成形して被覆層とした後に常法により電子線を照射することにより架橋を行う。電子線の線量は1〜30Mradが適当であり、効率よく架橋を行うために、被覆層を構成する樹脂組成物に、トリメチロールプロパントリアクリレートなどのメタクリレート系化合物、トリアリルシアヌレートなどのアリル系化合物、マレイミド系化合物、ジビニル系化合物などの多官能性化合物を架橋助剤として含有してもよい。
化学架橋法の場合は、樹脂組成物に有機パーオキサイドを架橋剤として含有し、押出成形して被覆層とした後に常法により加熱処理により架橋を行う。
本発明の成形物品としては、その大きさや形状については特に制限されるものではなく、例えば、電源プラグ、コネクタ、スリーブ、ボックス、テープ基材、チューブ、シート、等を挙げることができる。
本発明の成形物品は、通常の射出成形等の成形方法により、本発明の難燃性樹脂組成物から成形される。また、シートやチューブ等についても電線被覆と同様な方式で製造することができ、必要であれば、配線材と同様架橋を行うこともできる。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1〜9、比較例1〜5
表1に実施例1〜9および表2に比較例1〜5それぞれの樹脂組成物の各成分の含有量(表中の数値は質量部である)を示す。
表に示された各成分を室温にてドライブレンドし、バンバリーミキサーを用いて195〜205℃で溶融混練して、各難燃性樹脂組成物を製造した。
各成分材料としては、下記のものを使用した。
(a)スチレンおよび不飽和カルボン酸で変性されたポリプロピレン樹脂
イ.変性率4%品
ロ.変性率7%品
(b)ポリプロピレンとエチレンプロピレンの共重合体との反応物(PP−EP共重合体)
イ.商品名:キャタロイQ300F〔製造元:サンアロマー(株)〕
(c)ポリプロピレン
ブロックポリプロピレン
商品名:150GK〔製造元:プライムポリマー(株)〕
ランダムポリプロピレン
商品名:BC6DR〔製造元:日本ポリプロピレン(株)〕
(d)マレイン酸変性スチレン系エラストマー(MAH−SBC)
商品名:クレイトンFG1901X〔製造元:クレイトンポリマー(株)〕
マレイン酸変性量:1質量%
(f)エチレン−αオレフィン共重合体(ME−PE)
メタロセン触媒ポリエチレン(密度:898kg/m3
商品名:カーネルKF−360〔製造元:日本ポリエチレン(株)〕
(g−1)エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)
商品名:エバフレックスV−527−4
〔製造元:三井デュポンポリケミカル(株)〕
酢酸ビニル含有量:17質量%
(h)スチレン系エラストマー
SEPS(スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体)
商品名:セプトン4077〔製造元:(株)クラレ〕
(j)ゴム用軟化剤
パラフィンオイル
商品名:ダイアナプロセスオイルPW−90〔製造元:出光興産(株)〕
(B)水酸化マグネシウム
シラン処理水酸化マグネシウム
商品名:キスマ5L〔製造元:協和化学工業(株)〕
無処理水酸化マグネシウム
商品名:キスマ5〔製造元:協和化学工業(株)〕
酸化防止剤
ヒンダードフェノール系酸化防止剤
商品名:イルガノックス1010〔製造元:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社〕
滑剤
ポリエチレンワックス
商品名:ACポリエチレンNO.6〔製造元:ヘキスト社〕
次に、電線製造用の押出被覆装置を用いて、導体(導体径0.48mmφの錫メッキ軟銅撚線 構成:7本/0. 16mmφ)上に、予め溶融混練した上記各実施例1〜9および比較例1〜5の難燃性樹脂組成物を押し出し法により被覆して、各々絶縁電線を製造した。外径は0.98mm、絶縁層の肉厚0.25mmとした。
得られた各々の絶縁電線に対して、以下の評価を行い、得られた結果をそれぞれ表1および表2に示した。
○引張試験
電線より管状片を作成し引張試験を行った。標線間25mm、引張速度500mm/分で試験を行い、引張り強さおよび伸びを測定した。
伸び150%以上、引張り強さ10.3MPa以上が必要である。
○長期耐熱試験
電線より管状片を作成し、136℃のギアー付き恒温槽に168時間放置した。取り出し後、上記条件で引張試験を行った。
引張強さ残率50%以上、伸び残率45%以上で合格である。
○耐摩耗性試験
R=0.125のブレードを用い、ブレード往復法により試験を行った。
加重は10Nとした。
回数10回以上で合格であるが、20回以上がより好ましい。
○難燃性
UL1581に規定されるVW−1(垂直検体)燃焼試験方法に従って行う。
60秒以上の残炎または250mm以上の延焼、垂れ落ちによる脱脂綿の着火を不合格とする。試験本数は5本で行いその合格数を示した。
○耐外傷性
JASO D 608に基づく耐摩耗試験のブレード往復法の試験方法で、R=0.125mmのブレードを使用し、荷重5Nで4往復摩耗を行った。
その後のサンプルを観察した。外傷がない又は白化が無いものを「○」、外傷がある又は白化が著しいものを「×」で示した。
○外観
外観は、絶縁電線の外径の変動の有無や表面の状態を目視で調査し、これらが良好であったものを「○」、外径が変動しており不安定なもの、表面に肌荒れが発生したもの、ブリードが発生したものを「×」で示した。
○耐油性試験
試験方法はJIS C3005に基づきJIS2号試験油を用い85℃で24時間浸せきを行った後に引張試験を行った。
引張り強さ残率60%以上、伸び残率80%以上が合格である。前記の引張試験で伸び100%未満のものはこの試験は行わず、表中「−」で示した。
○圧壊特性
R=0.125のエッジを持つブレードをワイヤーにブレードが垂直に交差する方向で押し当てブレードが導体に達するまでの最大力を測定し圧壊強度とする。
終点はブレードと導体間に電圧をかけその通電をもって検知する。試験はN=10で行い、平均値をとる。
○電線の圧接性
ハンドプレス機を用い、モレックスMi−コネクタを用い圧接を行った後に、観察を行った。圧接刃の部分で1カ所でも割れがあるサンプル及びストレインリリーフ部分で電線被覆部の盛り上がりが矢尻部分を超えたものが発生したものを不合格とし、「×」で示した。
Figure 2008174596
Figure 2008174596
表1、2の結果が示すように、本発明の難燃性樹脂組成物を用いた実施例1〜9のものは、優れた耐摩耗性、難燃性、耐熱性、耐油性、圧壊特性、圧接性等を有し、巻きぐせのつき難いものであることが明らかとなった。
これに対し、本発明とは異なる難燃性樹脂組成物を用いた比較例1〜5、つまり、樹脂成分(A)を構成する(a)成分および/または(b)成分の使用量が本発明の範囲外となる比較例1および3〜5、水酸化マグネシウム(B)の使用量が多すぎる比較例2のものは、上記いずれかの特性に劣っていることが明らかである。

Claims (10)

  1. (a)スチレン及び不飽和カルボン酸をグラフト重合したポリプロピレン樹脂22〜85質量%、(b)ポリプロピレンとエチレンプロピレンの共重合体との反応物15〜78質量%、(c)ポリプロピレン0〜63質量%、〔但し、(b)成分中のポリプロピレンを除く〕及び(d)不飽和カルボン酸で変性されたスチレン系エラストマー0〜40質量%を含有する樹脂成分(A)100質量部に対し、水酸化マグネシウム(B)50〜300質量部を含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物。
  2. 前記(a)成分であるスチレン及び不飽和カルボン酸をグラフト重合したポリプロピレン樹脂はポリプロピレン樹脂にスチレンをグラフト重合した後に不飽和カルボン酸をスチレン部分にグラフト重合したことを特徴とする請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
  3. 前記(a)成分であるスチレン及び不飽和カルボン酸をグラフト重合したポリプロピレン樹脂のグラフト割合が重量比で3〜10%であることを特徴とする請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
  4. 前記(a)成分の不飽和カルボン酸がアクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸のうちいずれかであることを特徴とする請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
  5. 前記(a)成分であるスチレン及び不飽和カルボン酸をグラフト重合したポリプロピレン樹脂がホモポリプロピレン樹脂であることを特徴とする請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
  6. 前記樹脂成分(A)は、(e−1)不飽和カルボン酸で変性されたポリオレフィン、(e−2)不飽和カルボン酸で変性されたエチレン−酢酸ビニル共重合体、(e−3)不飽和カルボン酸で変性されたエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(e−4)エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体および(e−5)エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂を0〜63質量さらに含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
  7. 前記樹脂成分(A)は、(f)エチレン−αオレフィン共重合体0〜63質量%、(g−1)エチレン−酢酸ビニル共重合体および/または(g−2)エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体0〜40質量%、(h)スチレン系エラストマー0〜40質量%、並びに(j)ゴム用軟化剤0〜20質量%のいずれか1種または2種以上をさらに含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
  8. 前記水酸化マグネシウム(B)が、無処理の水酸化マグネシウムおよび/またはシラン処理された水酸化マグネシウムであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物を、導体あるいは光ファイバ素線および/または光ファイバ心線の外側に、被覆層として有することを特徴とする成形物品。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物を成形してなることを特徴とする成形物品。

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