JP2008171852A - ガス放電型レーザ装置、露光方法及び装置、並びにデバイス製造方法 - Google Patents

ガス放電型レーザ装置、露光方法及び装置、並びにデバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】発振周波数を高くした場合でも、光学系の調整が容易で、かつ放電領域で発生する衝撃波の影響が小さいガス放電型レーザ装置を提供する。
【解決手段】それぞれレーザガスが封入された2つのチャンバ100,200と、チャンバ100内に対向配置された第1の放電用の電極10a,10bと、チャンバ200内にその第1の電極とほぼ同軸上に対向配置された第2の放電用の電極20a,20bと、その2対の電極を挟むように対向配置された出力ミラーOC及び狭帯域化モジュールLNMよりなるレーザ共振器と、その2対の電極を交互に放電させる放電回路部1,2とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガス放電型レーザ装置に関し、更に詳しくは、例えば露光装置の露光光源に使用可能な高い周波数でパルス発振可能なガス放電型レーザ装置に関する。さらに本発明は、ガス放電型レーザ装置を用いた露光技術及びデバイス製造技術に関する。
半導体素子又は液晶表示素子等のデバイス(電子デバイス、マイクロデバイス等)を製造するためのフォトリソグラフィ工程では、レチクル(又はフォトマスク等)に形成された回路パターンを投影光学系を介してフォトレジストが塗布されたウエハ(又はガラスプレート等)上に投影露光するために、ステッパ等の静止露光型(一括露光型)の投影露光装置、及びスキャニング・ステッパ等の走査露光型の投影露光装置等の露光装置が使用されている。斯かる露光装置では、半導体集積回路等の一層の微細化、高集積化に対応して、露光光を短波長化して解像力を向上させるために、その露光光源として、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、さらにはArFエキシマレーザ(波長193nm)のような遠紫外域から真空紫外域にかけてのパルスレーザ光を発生するガス放電型レーザ装置が使用されている。
近年、露光装置においては、スループットの向上及び色収差の低減も要請されている。そのため、露光光源用のガス放電型レーザ装置においては、更なる高出力化及びレーザ光のスペクトルの狭帯域化が求められている。後者のレーザ光のスペクトルの更なる狭帯域化を図るためには、例えば、プリズムとグレーティングとで構成される狭帯域化モジュールが使用される。一方、前者のガス放電型レーザ装置の高出力化を実現するには以下の2通りの方法がある。
第1の方法は、1パルスあたりのエネルギー(以下、パルスエネルギーという)を増加させる方法である。この場合、単にレーザパルスのピークパワーを大きくすると、露光装置の照明光学系及び投影光学系中の光学部材に損傷を与える恐れがある。そのような損傷を防止するために、パルス幅(発振時間)を電気的又は光学的に伸ばすパルスストレッチを行うものとすると、そのための装置が複雑になる。
第2の方法は、パルスレーザ光の発振周波数(繰り返し周波数)を増加させる方法(レーザ発振の高繰り返し化)である。この方法ではパルスエネルギーを高める必要がなく、露光装置の光学部材の損傷は殆ど生じないため、第1の方法よりも広く開発が行われている。そして、1台のレーザ光源では、これ以上に発振周波数を高められない場合に、さらに発振周波数を高めるために、2台の並列に配置されたレーザ光源を交互に発振させて、出力される2つのレーザ光を同軸に合成することによって、発振周波数を実質的に2倍にする方法も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−142306号公報
ガス放電型レーザ装置の高出力化を実現するためには、パルスレーザ光の光学部材への損傷を考慮すると、各パルスエネルギーをあまり大きくすることなく、レーザパルスの発振周波数を高めることが望まれる。現状では、例えば1台のArFエキシマレーザでは4kHz程度までの発振周波数が可能となっているため、上記の2台の並列に配置されたレーザ光源を交互に発振させる方法によれば、8kHz程度の発振周波数が可能になる。しかしながら、この場合には、2台のレーザ光源の共振器が互いに独立であるため、2つの共振器を独立に調整する必要がある。さらに、2台のレーザ光源から出力されるレーザ光を実質的に同じ開き角でほぼ完全な同軸に合成するための光学部材も必要であるため、光学系が複雑で、かつその調整が困難である。
また、エキシマレーザ光源等のパルス発振するガス放電型レーザ装置においては、放電の際、放電領域にて衝撃波が発生することが知られている。放電で生成された衝撃波は、チャンバ内壁や電極その他の構造物によって反射及び吸収が繰返され、減衰しながら伝搬する。なお、発振周波数が低い場合には、放電間隔(放電から次の放電までの時間間隔)が長いので、放電で生成された衝撃波は次の放電が発生するまでに減衰する。よって、電極間の放電領域にあるレーザガスに影響を及ぼさない。
一方、レーザ装置の高出力化のために、1台のレーザ光源の発振周波数を高くした場合には、放電間隔が短くなるので、放電により生成された衝撃波は次の放電が発生するまでに十分減衰しない。そのため、上記放電領域にあるレーザガスは、衝撃波によりその密度分布が不均一になり、部分的なガス圧力の疎密が発生する。これにより、電極の放電領域で均一な放電が行われなくなる。従って、その放電により生成された衝撃波の影響により、出力されるレーザ光のパルスエネルギー、発振中心波長、及びスペクトル線幅等のレーザビーム特性の安定性が損なわれたりするという問題が発生する。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、発振周波数を高くした場合でも、光学系の調整が容易で、かつ放電領域で発生する衝撃波の影響によるレーザビーム特性の劣化が小さいガス放電型レーザ装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、そのガス放電型レーザ装置を用いる露光技術及びデバイス製造技術を提供することをも目的とする。
上記課題を解決するために、本発明による第1のガス放電型レーザ装置は、チャンバ内に封入された気体を放電させてレーザ光を出力するガス放電型レーザ装置であって、放電用の気体が封入された雰囲気内に対向配置された第1の一対の放電電極(10a,10b)と、放電用の気体が封入された雰囲気内に、その第1の放電電極とほぼ同軸上に対向配置された第2の一対の放電電極(20a,20b)と、その第1及び第2の一対の放電電極を挟むように対向して配置されたレーザ共振器(LNM,OC)と、そのレーザ共振器からレーザ光をパルス出力させるために、その第1及び第2の一対の放電電極を交互に放電させる制御系(1,2,50)とを備えたものである。
また、本発明による第2のガス放電型レーザ装置は、チャンバ内に封入された気体を放電させてレーザ光を出力するガス放電型レーザ装置であって、放電用の気体が封入された雰囲気内に対向配置された第1の一対の放電電極(10a,10b)と、放電用の気体が封入された雰囲気内に、その第1の放電電極とほぼ同軸上に対向配置された第2の一対の放電電極(20a,20b)と、その第1及び第2の一対の放電電極を挟むように対向して配置されたレーザ共振器(OC,19)と、レーザ光をパルス出力するレーザ光源(GL2)と、そのレーザ光源から出力されたレーザ光の少なくとも一部をそのレーザ共振器に注入する光学系(BSA,18)と、そのレーザ光源から注入されたレーザ光を増幅してそのレーザ共振器から出力させるために、そのレーザ光源の出力に同期して、その第1及び第2の一対の放電電極を交互に放電させる制御系(1,2,50A)とを備えたものである。
これらの発明によれば、例えば交互に放電する各放電電極の繰り返し周波数を、単独の放電電極による最大の繰り返し周波数に設定することで、出力されるレーザ光の発振周波数を、その最大の繰り返し周波数の2倍に高めることができる。さらに、レーザ共振器は、その2対の放電電極に対して共通に使用されるとともに、レーザ光は最初から一軸状態で射出されるため、レーザ共振器等を含む光学系の調整が容易である。
さらに、個々の放電電極の繰り返し周波数は低いため、個々の放電電極の近傍では、放電領域で発生する衝撃波の影響は少ない。また、その2対の放電電極は所定の距離を置いて配置されているため、お互いの放電による衝撃波が他方の放電に与える影響も殆ど無いため、良好なレーザビーム特性が得られる。
また、本発明による露光方法及び露光装置は、それぞれ露光光で光学部材を介して基板を露光する露光方法及び露光装置において、その露光光として本発明のガス放電型レーザ装置から出力されるレーザ光を用いるものである。これらの発明において使用される本発明のガス放電型レーザ装置からは、出力を高めるために、パルスエネルギーは低く抑えて、かつ発振周波数を高めたパルスレーザ光が出力される。従って、そのパルスレーザ光を露光装置側で使用した場合に、光学部材における損傷を抑制しながら、露光工程のスループットを向上できる。
また、本発明によるデバイス製造方法は、本発明の露光方法又は露光装置を用いるものである。
なお、以上の本発明の所定要素に付した括弧付き符号は、本発明の一実施形態を示す図面中の部材に対応しているが、各符号は本発明を分かり易くするために本発明の要素を例示したに過ぎず、本発明をその実施形態の構成に限定するものではない。
〔第1の実施形態〕
以下、本発明のガス放電型レーザ装置の好ましい第1の実施形態につき図1〜図3を参照して説明する。本実施形態は、ArFエキシマレーザ光源(波長193nm)に本発明を適用したものであるが、本発明は、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、Ar2 エキシマレーザ(波長126m)等の他のエキシマレーザ光源、及びF2 レーザ(波長157nm)等のハロゲン分子レーザ光源を含む他のガス放電型レーザ光源にも同様に適用できる。
図1は、本実施形態に係るArFエキシマレーザ光源として使用できるガス放電型のレーザ光源装置GL1の構成を示し、この図1において、レーザ光源装置GL1は、所定距離だけ離隔し、互いの長手方向が平行であって且つ放電面が対向する第1の一対の放電用の電極(カソード電極及びアノード電極)10a及び10bが内部に配置された第1のチャンバ100と、所定距離だけ離隔し、互いの長手方向が平行であって且つ放電面が対向する第2の一対の放電用の電極(カソード電極及びアノード電極)20a及び20bが内部に配置された第2のチャンバ200と、これらの2つのチャンバ100及び200を長手方向に挟むように配置された狭帯域化モジュール(Line Narrow Module)(以下、LNMという。)及び出力ミラーOCからなるレーザ共振器と、その一対の電極10a,10b間に放電を起こさせるための電源を含む第1の放電回路部1と、その一対の電極20a,20b間に放電を起こさせるための電源を含む第2の放電回路部2と、そのレーザ共振器から出力されるレーザ光LBの種々の特性をモニタするモニタ部MMと、このモニタ部MMでモニタされる情報等に基づいてその放電回路部1及び2等の動作を制御する制御部50とを備えている。
また、チャンバ100及び200の両端部(出力されるレーザ光の光軸上であって、かつレーザ光が出力される部分)にはそれぞれ窓部材17a,17b及び27a,27bが設けられている。窓部材17a,17b(窓部材27a,27bも同様)は、本例ではArFエキシマレーザ光(遠紫外域から真空紫外域にかけての紫外光)に対して透過性がある材料、例えば蛍石(CaF2 )等で形成された平行平面の光学部材である。両窓部材17a,17bは、レーザ光の偏光成分の反射損失を低減するとともに、レーザ光の位置シフトを生じないように互いに反対方向のブリュースタ角で設置される。
また、狭帯域化モジュールLNMは、チャンバ100の窓部材17aの外側のレーザ光の光軸上に設けられ、所定の透過率を持つ出力ミラーOCは、チャンバ200の窓部材27bの外側のレーザ光の光軸上に設けられている。狭帯域化モジュールLNMは、例えば3個又は4個の拡大プリズムと波長選択素子であるグレーティング(回折格子)等の光学素子とから構成される。なお、狭帯域化モジュールLNMは、波長選択素子であるエタロンと全反射ミラー等の光学素子とで構成される場合もある。本例では、2つのチャンバ100,200を挟むように狭帯域化モジュールLNM及び出力ミラーOCからなる1つのレーザ共振器が設けられているのみであるため、レーザ発振を行わせるための、レーザ共振器を含む光学系の調整は容易である。
また、チャンバ100,200内には、それぞれアルゴン(Ar)及びフッ素(F2 )を混合したレーザガスと、このレーザガスを希釈するためのガス(例えばネオン(Ne)とヘリウム(He)との混合ガス)とが封入されている。チャンバ100及び200には、そのレーザガス等の供給及び排気を行うためのガス供給・排気ユニット15及び25が接続されている。ガス供給・排気ユニット15(ガス供給・排気ユニット25も同様)は、チャンバ100内にレーザガスを供給するガス供給系と、チャンバ100内のレーザガスを排気するガス排気系と、レーザガスの供給及び排気を行うために内部の配管の開閉を行う複数のバルブ(不図示)とを備えている。ガス供給・排気ユニット15は、チャンバ100内のガス圧力をモニタして設定目標値と比較し、その比較結果に基づき、各バルブの開閉及びその開度(又はガス流量)を制御する。これによって、チャンバ100内のレーザガス圧力が設定目標値となるように制御される。さらに、ガス供給・排気ユニット15は、レーザガス充填時のレーザガス組成の制御、レーザガス交換時のレーザガスの排気、出力されるレーザ光のパルスエネルギー低下時に行われるレーザガスの部分注入等の制御も行う。
また、放電回路部1及び2は、通常はそれぞれチャンバ100及び200内の電極10a,10b及び20a,20b間に交互に高電圧パルスを印加する(詳細後述)。この結果、電極10a,10b及び20a,20b間で交互に放電が生じ、この放電によってチャンバ100及び200内に封入されたレーザガスが励起されて、レーザ光LBがパルス発光される。
さらに、第2の一対の電極20a,20bは、第1の一対の電極10a,10bと長手方向がほぼ平行に、かつほぼ同軸上に配置されている。ほぼ同軸上とは、電極10a,10b及び20a,20bのいずれで放電が生じても、上記のレーザ共振器間でレーザ発振が生じる程度の軸ずれが許容されることを意味している。また、チャンバ100及び200内には、内部のレーザガスを循環させるためクロスフロー用のファン13及び23が設置され、ファン13及び23はそれぞチャンバ外のモータM1及びM2によって回転される。これによって、チャンバ100及び200内でレーザガスが電極10a,10b及び20a,20b間に送り込まれる。
さらに、チャンバ100及び200内には、それぞれ熱交換器14及び24が設けられ、外部に熱交換器14及び24に冷却水(冷媒)を供給する冷却水供給ユニット16及び26が設置されている。熱交換器14(熱交換器24も同様)は、冷却水によってレーザチャンバ100内の排熱を行う。熱交換器14に対する冷却水の供給は、冷却水供給ユニット16内の配管系に設けられたバルブ(不図示)の開閉で制御される。冷却水供給ユニット16(冷却水供給ユニット26も同様)は、チャンバ100内のレーザガス温度をモニタし、ガス温度を所望温度にすべく、冷却水供給ユニット16内の配管系に設けられたバルブの開閉及びその開度(又は冷却水の流量)を制御し、レーザチャンバ100内の熱交換器14に供給される冷却水の流量(ひいては排熱量)を制御する。上述のように、レーザ光源装置GL1において、第2の電極20a,20b側の放電回路部2、チャンバ200、ファン23、熱交換器24、ガス供給・排気ユニット25、及び冷却水供給ユニット26の構成及び動作は、それぞれ第1の電極10a,10b側の放電回路部1、チャンバ100、ファン13、熱交換器14、ガス供給・排気ユニット15、及び冷却水供給ユニット16と同一である。
図1において、本例のレーザ光源装置GL1からパルス発光されるレーザ光LBは、半導体素子等のデバイスを製造するための露光装置(不図示)において、レチクル等のパターンをフォトレジストが塗布されたウエハ等の基板上に露光するための露光光として使用される。そのため、その露光装置の制御系から制御部50に対して、レーザ光LBのパルス発光のタイミングを指示する発光トリガパルスTP、及びレーザ光LBのパルスエネルギーの設定目標値等の特性(詳細後述)を示す制御情報が供給されている。発光トリガパルスTPは、一例として周波数可変の周期的信号である。その制御情報及び発光トリガパルスTPに応じて制御部50は、レーザ光LBがその目標とする特性で、かつその発光トリガパルスTPに同期した発振周波数(繰り返し周波数)でパルス発光されるように、放電回路部1及び2にそれぞれトリガ信号TP1及びTP2を供給して、電極10a,10b及び20a,20b間の放電を制御する。
具体的に、放電回路部1及び2はそれぞれ、充電器12及び22と、トリガ信号TP1及びTP2が供給されるパルス圧縮回路11及び21とから構成されている。放電回路部1による電極10a,10bの放電動作と、放電回路部2による電極20a,20bの放電動作とは同様であるため、以下では代表的に放電回路部1の構成及び動作、並びにチャンバ100内での放電動作につき説明する。
図2は、放電回路部1の構成を示し、この図2において、充電器12の2つの出力端子はパルス圧縮回路11の入力側の端子11a,11bに接続され、パルス圧縮回路11の出力側の端子11c,11dは、チャンバ100内の電極10a,10bに接続されている。端子11a及び11cは接地されている。充電器12は、パルス圧縮回路11の端子11a,11b間に所定の充電電圧Vcになるまで電流を供給し、パルス圧縮回路11は高電圧パルスのパルス幅を圧縮して、エキシマレーザを効率よく励起するために、電極10a,10b間に立ち上がりの速い電圧Vpを印加する。
パルス圧縮回路11は、端子11aにそれぞれの一方の端子が接続されたコンデンサC0,C1,C2,C3と、端子11bに接続されたコンデンサC0の他方の端子とコンデンサC1の他方の端子とを接続するスイッチング素子SW及び誘導リアクタンス(コイル)L1と、コンデンサC1の他方の端子とコンデンサC2の他方の端子とを接続する可飽和リアクトル(強磁性体の鉄芯に巻回されたコイル)L2と、コンデンサC2の他方の端子とコンデンサC3の他方の端子とを接続する可飽和リアクトルL3とを備え、コンデンサC3の両端の出力が端子11c,11d間に供給されている。スイッチング素子SWは、例えば、GTO(Gate Turn Off)サイリスタやIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の半導体スイッチング素子である。図1の制御部50からのトリガ信号TP1によってスイッチング素子SWのオン/オフが制御される。
図2において、放電回路部1がチャンバ100内の電極10a,10b間に放電させる場合には、トリガ信号TP1がローレベルでスイッチング素子SWがオフの状態で、充電器12は、パルス圧縮回路11の端子11a,11b間のコンデンサC0を充電電圧Vcになるまで充電する。次に、トリガ信号TP1がハイレベルになりスイッチング素子SWがオンとなったとき、誘導リアクタンスL1を通じてコンデンサC0の充電電荷はコンデンサC1に転送される。コンデンサC1の充電電圧が可飽和リアクトルL2の特性で決まる限界値に達すると、可飽和リアクトルL2が飽和して導通状態になり、急速にコンデンサC1、可飽和リアクトルL2、及びコンデンサC2のループに電流が流れて、コンデンサC2が充電される。
同様に、コンデンサC2の充電電圧が可飽和リアクトルL3の特性で決まる限界値に達すると、可飽和リアクトルL3が飽和して導通状態になり、急速にコンデンサC2、可飽和リアクトルL3、及びコンデンサC3のループに電流が流れ、コンデンサC3へと電荷が転送され、出力側の端子11c,11dを介してチャンバ100内の電極10a,10b間に立ち上がりの速い電圧Vpが印加される。
図2に示すように、チャンバ100内には、電極10a,10bの近傍に誘電体に覆われた電極E1及び電極E2からなるコロナ予備電離部が設けられている(図1では不図示)。パルス圧縮回路11からの電圧Vpが所定の電圧になると、そのコロナ予備電離部の誘電体表面にコロナ放電が発生する。このコロナ放電によって誘電体の外周表面に紫外線が発生し、電極10a,10b間のレーザガスがイオン化され、電極10a,10b間のインピーダンスが減少して主放電が開始される。この主放電によりレーザ媒質が励起され、レーザ光が発生する。主放電により、パルス圧縮回路11内のコンデンサC3の電圧が急速に低下し、やがて充電開始前の状態に戻る。トリガ信号TP1に同期してこの充電、放電を繰り返すことによって、チャンバ100内、ひいては上記のレーザ共振器内でレーザ光LBがパルス発光される。同様に、図1において、トリガ信号TP2に同期してチャンバ200内、ひいては上記のレーザ共振器内でレーザ光LBがパルス発光される。従って、出力ミラーOCからは、露光装置からの発光トリガパルスTPに同期して、チャンバ100及び200内での放電によるレーザ光が連続して出力される。
出力ミラーOCを透過したレーザ光LBの大部分は露光装置に送られ、その一部(数%程度)は、ビームスプリッタBSで反射されてモニタ部MM内の種々のセンサに入射する。これらのセンサによって、レーザ光LBのパルス幅(発振時間)、パルスエネルギー、スペクトル線幅(例えば半値全幅)、発振中心波長、及びスペクトル純度(例えば、エネルギーの積分値が全エネルギーの95%になるようなスペクトル幅で定義される)等のレーザビーム特性がモニタされる。
また、そのレーザビーム特性に、出力されるレーザ光のビームプロファイル、ビームダイバージェンス(発散角)、及びビームポインティング等の特性をも合わせたレーザ光の特性を、以下ではレーザビーム品質と呼ぶ。そのモニタ部MMでは、これらのレーザ光LBのレーザビーム品質をモニタしてもよい。なお、モニタ部MMでは、これらのレーザビーム品質の全部をモニタする必要は必ずしもなく、例えばレーザ光のパルスエネルギー及び/又は中心波長のみをモニタするのみでもよい。モニタ部MMは、これらのレーザビーム品質を示す情報を制御部50に送出する。また、露光装置から制御部50に供給される制御情報には、そのモニタ部MMでモニタされているレーザビーム品質の設定目標値等を示す情報が含まれている。
以下、制御部50の動作について説明する。露光装置から制御部50に対しては、発光トリガパルスTPの他に、制御情報としてレーザ光のパルスエネルギー及び中心波長の設定目標値を示す情報が供給されているものとする。制御部50では、それらの情報に基づいて、以下で説明するように、(1)図1の放電回路部1及び2に供給するトリガ信号TP1及びTP2の制御、(2)レーザ光LBのパルスエネルギーの制御、及び(3)レーザ光LBの中心波長の制御をおこなう。
(1)トリガ信号の制御
上述のように、図1の各チャンバ100及び200内でのレーザ光は、放電回路部1及び2のパルス圧縮回路11及び21のスイッチング素子(図2のスイッチング素子SW)に、制御部50からトリガ信号TP1及びTP2のハイレベル信号を送出してスイッチング素子をオン状態にすることにより発生する。そこで、制御部50では、露光装置から送出される発光トリガパルスTPに同期して、パルス圧縮回路11及び21の各スイッチング素子に交互にトリガ信号TP1及びTP2のハイレベル信号を送出し、各チャンバ100及び200内の電極10a,10b及び20a,20b間で放電させる。すなわち、露光装置から送出される発光トリガパルスTPの半分の周波数で、各チャンバ100,200は放電して光を発生する。そして、各チャンバ100,200で発生した光は、狭帯域化モジュールLNM及び出力ミラーOCからなる共通のレーザ共振器によって、発光トリガパルスTPと同じ周波数のレーザ光LBとなって露光装置側に出力される。
このとき、各チャンバ100,200内での個々の放電の周波数(トリガ信号TP1,TP2の周波数)は、放電によって生成される衝撃波によるレーザビーム品質への悪影響が生じない周波数範囲内(例えば、4kHz以下)に制限される。そのため、仮に、露光装置から送出される発光トリガパルスTPの周波数が8kHzを超える様な場合は、制御部50から露光装置の制御系にエラー信号を発して、レーザ光源装置GL1における発光動作を停止するようにすればよい。ただし、露光装置から送出される発光トリガパルスTPの周波数が、各チャンバ100,200内での放電によって生成される衝撃波によるレーザビーム品質への悪影響が生じない周波数範囲内(例えば、4kHz以下)の場合は、チャンバ100又は200の内のどちらか一方の放電回路部1又は2のパルス圧縮回路11又は21のスイッチング素子に、露光装置から送出される発光トリガパルスTPと同じ周波数のトリガ信号TP1又はTP2を送出して、一方のチャンバ100又は200のみでレーザ発光を行うようにしてもよい。
次に、図3を参照して、実質的にレーザ光LBの発振周波数(繰り返し周波数)を増加させて、レーザ発振の高繰り返し化を図るために、チャンバ100,200内で交互に放電を行う場合のチャンバ100,200内の放電タイミングについて説明する。図3(a)〜(d)の横軸は時間tである。この場合、放電回路部1,2のパルス圧縮回路11,21の各スイッチング素子へトリガ信号TP1,TP2のハイレベル信号が交互に送出される。
このために、先ず、図3(a)に示すように、露光装置から制御部50に対して所定周波数の発光トリガパルスTPが送出される。制御部50は、例えば受信した発光トリガパルスTPの各立ち上がりエッジを検出し、検出された立ち上がりエッジのうち1番目のエッジから一つおきのエッジに同期して所定期間(スイッチング素子SWをオンにするのに必要な時間)だけハイレベルとなるトリガ信号TP1(図3(b))を生成し、その立ち上がりエッジのうち2番目のエッジから一つおきのエッジに同期して所定期間だけハイレベルとなるトリガ信号TP2(図3(c))を生成する。制御部50は、これらのトリガ信号TP1,TP2を図1のパルス圧縮回路11,21のスイッチング素子に送出する。これによって、各チャンバ100及び200内で放電が交互に発生し、図3(d)(縦軸はレーザ光の光強度)に示すように、レーザ共振器からは発光トリガパルスTPに同期して、発光トリガパルスTPと同じ周波数のレーザ光LBが出力される。
ところで、パルス圧縮回路11,21の各スイッチング素子に発光トリガ信号(ハイレベル信号)が入力されてから、実際にチャンバ100,200内で放電が起こるまでの時間は、必ずしも一定ではない。これは以下の理由による。
先に述べたように、チャンバ100,200内の電極10a,10b及び20a,20b間に立ち上りの速い高電圧パルスを印加するために、それぞれパルス圧縮回路11及び21が用いられる。ここで、パルス圧縮回路11において用いられる図2の可飽和リアクトルL2,L3が導通状態になるまでの時間は、例えばコンデンサC0の充電電圧Vcの大きさによって変化する。よって、充電器12による充電電圧Vcが変動すると、スイッチング素子SWにトリガ信号TP1のハイレベル信号を送出してから電極10a,10bでの放電開始までの時間が変化し、同じタイミングでパルス圧縮回路11のスイッチング素子SWにトリガ信号TP1のハイレベル信号を送出したとしても、発光タイミングが変動する。
また、パルス圧縮回路11を構成する可飽和リアクトルL2,L3、コンデンサC0〜C3はそれぞれ温度特性を持っているため、パルス圧縮回路11の内部温度の変化によっても発光タイミングが変化する。その内部温度は、発振周波数、パルス幅(発振時間)、発振動作のデューティー(発振周期とパルス幅との比)、及び充電電圧Vcなどにより変化する。これらは、パルス圧縮回路21においても同様である。また、チャンバ100,200のレーザガス圧が高い(低い)と、放電開始の電圧が高く(低く)なるため放電開始時刻は遅く(早く)なる。したがって、トリガ信号TP1,TP2のハイレベル信号の送出から放電開始までの遅延時間は、充電電圧Vcとレーザガス圧力との関数となる。
後述するように、制御部50は、チャンバ100,200の放電によって発光されるレーザ光LBのパルスエネルギーを所望の値にするために、充電器12,22の出力電圧を調整することによって、パルス圧縮回路11及び21内の図2のコンデンサC0のそれぞれの充電電圧(以下、V1(n)及びV2(n)という。)を制御する。なお、nは放電の順序を示す整数である。
制御部50は、充電電圧V1(n),V2(n)、及び各パルス圧縮回路11,21に備えられた温度センサ(不図示)から送出されてくる各パルス圧縮回路11及び21の温度(以下、Tp1及びTp2という。)の情報に基づいて、さらには、図1のチャンバ100及び200内の圧力センサ(不図示)によりモニタされるレーザガス圧力(以下、Pp1及びPp2という。)の情報をも用いて、チャンバ100,200におけるトリガ信号TP1,TP2のハイレベル信号の送出からレーザ発光までの遅延時間を推測するか、又は事前に計測して記録したテーブルを参照してその遅延時間を求める。制御部50は、このように推測され又は求められた遅延時間に基づいて、各パルス圧縮回路11,21へのトリガ信号TP1,TP2のハイレベル信号の送出のタイミングを調整し、露光装置からの発光トリガパルスTP(図3(a))の立ち上がりからレーザ光LB(図3(d))が発光されるまでの時間が常に一定時間となるように制御する。
(2)パルスエネルギーの制御
レーザ光LBのパルスエネルギーは、チャンバ100,200内の電極10a,10b及び20a,20b間に印加する電圧、レーザガス温度、及び他のレーザガス条件(圧力等)等に依存する。図1の制御部50は、露光装置から送出されるレーザ光LBのパルスエネルギーの設定目標値の情報を受信するとともに、モニタ部MMによってモニタされた、各チャンバ100,200の放電動作によって放出される各レーザ光のパルスエネルギーに相当する情報を受信する。前述したように、露光装置の照明光学系及び投影光学系の光学部材に与える損傷を小さくするには、レーザ光LBはできるだけ小さなパルスエネルギーで、高い発振周波数で発振させる必要がある。すなわち、前記の露光装置から送出されるレーザ光のパルスエネルギーの設定目標値は、所定のエネルギー値以下に維持する必要がある。
制御部50は、露光装置からの設定目標値と、モニタ部MMによるモニタ結果とを比較する。そして、チャンバ100,200の放電によって放出されるレーザ光LBのパルスエネルギーをその設定目標値にするために、パルス圧縮回路11,21のコンデンサC0の充電電圧Vcをパラメータとして電極10a,10b及び20a,20b間に印加される電圧を調整する。以下、各チャンバ100,200の放電によって発光されるレーザ光LBのパルスエネルギーの制御例についてステップA〜Dに分けて説明する。
(2−1)ステップA
先ずモニタ部MMにより、チャンバ100及び200の放電によって発光されるレーザ光LBのパルスエネルギーを検出し、検出結果を制御部50に供給する。
(2−2)ステップB
制御部50は、モニタ部MMから供給された検出結果から、チャンバ100及び200の放電によってそれぞれ発光されたレーザ光LBのパルスエネルギーE1及びE2を求める。そして、これらの検出結果と、露光装置から送出されたパルスエネルギーの設定目標値Etとの偏差ΔE1及びΔE2を次式から計算する。
ΔE1=E1−Et …(1A)、 ΔE2=E2−Et …(1B)
(2−3)ステップC
次に、制御部50は、所定の係数Kを用いて、求めた偏差ΔE1,ΔE2が得られるような図1のパルス圧縮回路11,21内のコンデンサC0(図2参照)の充電電圧Vcの偏差分ΔV1,ΔV2を次式から求める。
ΔV1=K・ΔE1 …(2A)、 ΔV2=K・ΔE2 …(2B)
(2−4)ステップD
次に、制御部50は、チャンバ100及び200のn回目(nは整数)の放電において、レーザ光LBの目標エネルギーEtを得るためのパルス圧縮回路11及び21のコンデンサC0の充電電圧VcをV1(n)及びV2(n)として求める。すなわち、以下の式により、それぞれの前回の充電電圧V1(n−1)及びV1(n−1)に上記のステップCで求めた偏差分ΔV1及びΔV2を加えることで補正する。
V1(n)=V1(n−1)+ΔV1 …(3A)
V2(n)=V2(n−1)+ΔV2 …(3B)
制御部50の制御のもとで、充電器12及び22はそれぞれパルス圧縮回路11及び21のコンデンサC0を充電電圧V1(n)及びV2(n)で充電する。以上の充電電圧Vcの制御を各チャンバ100,200の放電毎に行うことで、レーザ光LBのパルスエネルギーの制御が行われる。
なお、制御部50は、上述のパルスエネルギー制御を行う前に、露光装置から送出されるパルスエネルギーの設定目標値が露光装置の光学部材に損傷を殆ど与えない値であるかどうか検定するようにしてもよい。この場合、制御部50は、レーザ光LBの各発振周波数をパラメータとしたテーブルに、露光装置の光学部材に損傷を殆ど与えない最大パルスエネルギーの値を記憶している。そして、制御部50は、露光装置から送出される発光トリガパルスTPの周波数(すなわち、発振周波数の目標値)を検出し、この検出結果と上記テーブルとから最大パルスエネルギーの値を求め、露光装置から送出されるパルスエネルギーの設定目標値と上記の最大パルスエネルギーの値とを比較する。この比較の結果、露光装置から送出されるレーザパルスエネルギーの設定目標値が最大パルスエネルギーの値以下であった場合は、上記のパルスエネルギー制御を行う。これによって、露光装置の光学部材に損傷を殆ど与えないレーザ光LBを出力することが可能となる。
一方、露光装置から送出されるレーザパルスエネルギーの設定目標値が最大パルスエネルギーより大きい場合は、制御部50は、チャンバ100及び200の放電動作を停止する。このとき、外部(例えば露光装置の制御系)に異常信号を送出してもよい。これによって、露光装置の光学部材に損傷を与えるのを回避することができる。
本例のレーザ光源装置GL1によれば、2台のチャンバ100,200を設けて交互に放電させてレーザ発振動作を行っている。そのため、実質的にレーザ光LBの発振周波数を、1台のチャンバ100(又は200)のみの放電によってレーザ発振を行う場合の2倍とすることが可能となる。従来、エキシマレーザにおいては、例えば4kHzを超える発振周波数を実現するのは困難であったが、本例によれば、容易に例えば8kHzまでの高発振周波数のエキシマレーザ型のガス放電型レーザ装置を実現することが可能となる。
また、各チャンバ100,200内での放電の繰り返し周波数は現状のままであるので、放電による衝撃波の影響は小さく、レーザビーム品質も所定の要求仕様を満足させることができる。
(3)中心波長の制御
制御部50は、露光装置から送出されるレーザ光LBの中心波長の設定目標値と、モニタ部MMによってモニタされたチャンバ100,200の放電によって発光されたレーザ光LBの中心波長とを比較する。そして、レーザ光LBの中心波長を設定目標値にすべく、制御部50は、狭帯域化モジュールLNM内の波長選択素子(グレーティング、エタロン等)の選択波長を変化させる信号を波長選択素子の駆動装置(不図示)に供給する。これに応じて、例えば、波長選択素子へ入射するレーザ光の入射角が変化して、選択される波長が設定目標値に一致する。なお、波長選択素子の波長選択制御はこれに限るものではない。例えば、波長選択素子がエアギャップ型のエタロンの場合は、エアギャップ内の気体(窒素等)の圧力(屈折率)を制御してもよいし、エアギャップ間隔を制御してもよい。
上述のように、本例のレーザ光源装置GL1によれば、露光装置の光学部材に与える損傷を小さくするために、できるだけ小さいパルスエネルギーで、しかも従来よりも発振周波数の高いレーザ光LBを出力することができる。また、従来よりも発振周波数が高いにも拘らず、個々のチャンバ100,200内での放電の周波数は従来と同じであるため、衝撃波の影響によるレーザビーム品質の劣化を小さくすることが可能となる。また、2つのチャンバ100,200はレーザ共振器中に直列に配置されているため、1つのレーザ共振器の光軸調整を行うだけでよく、光学系の調整が容易である。
なお、チャンバ100,200の劣化や、その他の部材のトラブルによって、いずれか1方のチャンバ100又は200によるレーザ発光動作ができなくなった際には、制御部50は、両方のチャンバの動作を停止してもよいし、動作ができなくなったチャンバの動作を停止し、一方のチャンバのみでレーザ発光の動作を続行させてもよい。この場合、レーザ光LBの単位時間あたりのエネルギーが低下するため、露光装置の露光時間が長くなり、スループットは低下するものの、露光処理の停止を回避することが可能である。
なお、上記の実施形態では、図1のレーザ共振器の間に2対の放電用の電極10a,10b及び20a,20bを設置しているが、そのレーザ共振器の間にn対(nは2以上の整数)の放電用の電極を直列にほぼ同軸上に設置して、これらの電極を順次放電させてもよい。この場合、n対の放電用の電極は、個々に専用のチャンバ内に設置されていてもよく、又は共通の1つのチャンバ内に設置されていてもよい。これによって、パルス発光されるレーザ光の発振周波数を電極が1対のレーザ光源装置の最大発振周波数のn倍に高めることができる。そのn対の電極を持つレーザ光源装置を露光光源として用いた場合には、レーザ光のパルスエネルギーを1対の電極のみを持つレーザ光源装置と同じにして、発振周波数をn倍に高めることができるため、露光装置の光学部材の損傷を抑制しながら、露光工程のスループットをほぼn倍に改善できる。しかも、レーザ共振器は1つであるため、光学系の調整は極めて容易である。具体的に、レーザ共振器間に3対の放電用の電極を直列に配置することで、レーザ光の発振周波数を3倍にして、スループットをほぼ3倍にできる。
〔第2の実施形態〕
次に、図4を参照して、本発明の第2の実施形態につき説明する。本例は、第1の実施形態(図1)のレーザ光源装置に対して、シード光を発生するレーザ光源を付加したものであり、図4において、図1に対応する部分には同一又は類似の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図4は、本例のArFエキシマレーザとして使用できるガス放電型のレーザ光源装置を示し、この図4において、本例のレーザ光源装置は、図1のレーザ光源装置GL1とほぼ同様の2対の放電用の電極10a,10b及び20a,20bを持つレーザ光源装置GL1Aと、通常の1対の放電用の電極を持つレーザ光源GL2とを備えている。図4中のレーザ光源装置GL1Aは、レーザ共振器の一方の反射部材(図1の狭帯域化モジュールLNMに対応する部材)がミラー19で置き換えられている点、及び制御部50Aがレーザ光源GL2の発振制御をも行う点が、図1のレーザ光源装置GL1と相違している。
また、レーザ光源GL2は、1対の電極10Aa,10Abが配置されてレーザガス等が封入されたチャンバ100Aと、チャンバ100Aを挟むように配置された出力ミラーOCA及び狭帯域化モジュールLNMからなるレーザ共振器と、電極10Aa,10Ab間に放電を起こすための放電回路部1A(パルス圧縮回路11A及び充電器12A)と、ガス供給・排気ユニット15Aと、チャンバ100A内に設置されてモータM1Aで回転されるファン13Aと、チャンバ100A内に設置された熱交換器14Aと、この熱交換器14Aに冷却水を供給する冷却水供給ユニット16Aとを備えている。これらの放電回路部1A、チャンバ100A、ファン13A、熱交換器14A、ガス供給・排気ユニット15A、及び冷却水供給ユニット16Aの構成は、それぞれ図1のレーザ光源装置GL1における放電回路部1、チャンバ100、ファン13、熱交換器14、ガス供給・排気ユニット15、及び冷却水供給ユニット16と実質的に同一であり、制御部50Aから放電回路部1Aのパルス圧縮回路11Aに供給されるトリガ信号TP3に同期して、チャンバ100A内での放電及びそのレーザ共振器からのレーザ光LB1のパルス発光が行われる。
ただし、レーザ光源GL2から出力されるレーザ光LB1のパルスエネルギー(ひいては出力)は、図1のレーザ光源装置GL1から出力されるレーザ光LBのパルスエネルギーに比べてかなり小さく(例えば1/10以下程度に)設定されている。従って、レーザ光源GL2においては、仮に発振周波数を通常の1対の電極を持つレーザ光源の最大発振周波数の2倍程度に設定しても、放電領域で発生する衝撃波の影響によるレーザビーム品質の劣化が極めて小さくなっている。
また、図4のレーザ光源装置においては、レーザ光源GL2から出力されたレーザ光LB1の大部分を反射するビームスプリッタBSAと、ビームスプリッタBSAを透過したレーザ光のパルスエネルギー、中心波長、及びスペクトル線幅等のレーザビーム特性を計測するモニタ部MMAと、ビームスプリッタBSAで反射されたレーザ光LB1をチャンバ100及び200内のほぼレーザ光LBの光路上に送出するミラー18とを備えている。本例のレーザ光源装置GL1Aは、レーザ光源GL2から供給されるレーザ光LB1をシード光として、チャンバ100及び200においてそのレーザ光LB1を増幅して得られる光をレーザ光LBとして出力する。従って、レーザ光LBの波長はレーザ光源GL2から出力されるレーザ光LB1の波長と同じであるため、制御部50Aはモニタ部MMAで計測されるレーザ光LB1の中心波長が、露光装置側から指定される中心波長になるように波長制御を行う。これによって、レーザ光源装置GL1Aから出力されて露光装置に向かうレーザ光LBの中心波長が設定目標値になる。従って、レーザ光源装置GL1A側には狭帯域化モジュールLNMを設ける必要はない。
図4の制御部50Aに、不図示の露光装置から図3(a)に示す発光トリガパルスTPが送出された場合には、制御部50Aでは、発光トリガパルスTPに同期したこれと同じ周波数のトリガ信号TP3をレーザ光源GL2側のパルス圧縮回路11Aに供給する。これによって、レーザ光源GL2から出力された発光トリガパルスTPと同じ周波数のレーザ光LB1は、レーザ光源装置GL1Aのチャンバ100及び200内に注入される。また、制御部50Aは、第1の実施形態と同様に、図3(b)及び(c)に示すように、発光トリガパルスTPに同期して生成された周波数が1/2で交互にハイレベル信号となるトリガ信号TP1,TP2を図4の放電回路部1及び2のパルス圧縮回路11及び21に供給する。この結果、レーザ光源装置GL1Aからは、第1の実施形態と同様に発光トリガパルスTPに同期したレーザ光LBが出力される。
本例においては、中心波長の制御を行うためのレーザ光源GL2は出力が小さいため、高周波数であっても安定に動作して、高精度に波長制御を行うことができる。また、レーザ光源装置GL1Aは、波長制御されたレーザ光LB1を増幅するのみでよいため、レーザ共振器の構成は第1の実施形態よりも簡素化されており、全体として光学調整等が容易である場合がある。また、本例においても、レーザ共振器中には3対以上の電極を配置することが可能である。
なお、シード光を発生するレーザ光源としては、レーザ光源GL2のようなガス放電型レーザの代わりに、パルスレーザ光である基本波(例えば波長1544nm)を発生する固体レーザ光源方式の基本波発生部と、その基本波の高調波(例えば8倍高調波で、波長が193nmとなる)を生成する波長変換部とを備えたレーザ光源装置を用いてもよい。
その基本波発生部としては、単一モードの連続波であるレーザ光を発生する半導体レーザと、そのレーザ光をパルス光に変換する光変調素子(電気光学変調素子等)と、そのパルス光を増幅する光ファイバ増幅器等とから構成することができる。その半導体レーザとしては、例えばインジウム・ガリウム・ヒ素・リン(InGaAsP)構造で分布帰還型(DFB:Distributed feedback)の半導体レーザを用いることができる。この固体レーザ方式のシード光発生用のレーザ光源は、出力が小さくとも、発振周波数を高くできるという利点がある。
また、図4の実施形態においては、レーザ光LB1(シード光)を取り込むためのミラー18は、出力ミラーOCの内側に配置されているが、ミラー18を出力ミラーOCの外側に配置することも可能である。この場合には、その出力ミラーOCの中央部にミラー18からのレーザ光LB1をチャンバ100及び200側に通過させる開口を形成し、反対側のミラー19を凹面鏡としておけばよい。これによって、レーザ光LB1をチャンバ100及び200内で増幅して得られる光が、出力ミラーOCを介してレーザ光LBとして射出される。
〔第3の実施形態〕
次に、図5を参照して、本発明の第3の実施形態につき説明する。本例は、第1の実施形態(図1)のレーザ光源装置に対して、1つのチャンバ内に2対の放電用の電極を配置したものであり、図5において、図1に対応する部分には同一又は類似の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図5は、本例のArFエキシマレーザとして使用できるガス放電型のレーザ光源装置GL3を示し、この図5において、レーザ光源装置GL3は、図1のチャンバ100に対して長手方向にほぼ2倍の長さで、内部にレーザガス等が封入された1つのチャンバ300と、このチャンバ300内に長手方向に沿ってほぼ同軸上に直列に配置された第1及び第2の一対の放電用の電極10a,10b及び20a,20bと、このチャンバ300を長手方向に挟むように配置された狭帯域化モジュールLNM及び出力ミラーOCからなるレーザ共振器と、各電極10a,10b及び20a,20b間にそれぞれ放電を起こさせるための放電回路部1及び2と、そのレーザ共振器から出力されるレーザ光LBの種々の特性をモニタするモニタ部MMと、このモニタ部MMでモニタされる情報等に基づいて放電回路部1及び2等の動作を制御する制御部50とを備えている。
この場合、一方の電極10a,10b(又は20a,20b)の放電で発生した衝撃波が、他方の電極20a,20b(又は10a,10b)の放電時に影響しないように、チャンバ300内の2対の電極間に障壁38が設けられている。このとき、障壁38にはレーザ光が通るための開口38aを設ける。なお、障壁38を設けることなく、その2対の電極を所定距離以上の間隔を置いて設置してもよく、これによって衝撃波の影響を軽減することが可能である。言い換えると、障壁38を設けることによって、衝撃波の影響を軽減しながらチャンバ300を小型化できる。
また、図5において、チャンバ300の両端部において、出力されるレーザ光の光軸上でかつレーザ光が通過する部分には、図1の窓部材17a,17bと同様の窓部材37a,37bが設けられている。チャンバ300内には、モータM3の働きによってチャンバ300内のレーザガスを電極10a,10b及び20a,20b間に送り込むクロスフロー用のファン33と、冷却水によってレーザチャンバ300内の排熱を行う熱交換器34とが設けられている。そして、チャンバ300には、内部のレーザガスの排気及び供給を行うガス供給・排気ユニット35と、熱交換器34に冷却水を供給する図1の冷却水供給ユニット16と同様の冷却水供給ユニット36とが接続されている。なお、ファン33及び熱交換器34はチャンバ300内に隔壁38に設けられた開口を通して設置されているが、ファン33及び熱交換器34を2対の電極10a,10b及び20a,20bに対応させて2組設けてもよい。また、ガス供給・排気ユニット35についても、その2対の電極に対応させて2組設けてもよい。
図5の放電回路部1及び2の動作は第1の実施形態(図1)のレーザ光源装置と同様であり、不図示の露光装置から制御部50に対して図3(a)に示す発光トリガパルスTPが送出されると、制御部50では、図3(b)及び(c)に示すように一つおきに交互にハイレベル信号となるトリガ信号TP1及びTP2を生成し、これらのトリガ信号TP1及びTP2を図5の放電回路部1及び2のパルス圧縮回路11及び12に供給する。これによって、出力ミラーOCを含むレーザ共振器からは発光トリガパルスTPに同期した周波数のレーザ光LBが出力される。
本例においても、チャンバ300内の2対の電極10a,10b及び20a,20bで交互に放電させて、レーザ光LBを発光させている。従って、レーザ光LBの周波数が1対の電極のみを有するレーザ光源の最大発振周波数の2倍であっても、各電極10a,10b及び20a,20bではそれ自体の放電によって発生する衝撃波の影響を受けない周波数以下で放電されるため、レーザビーム品質は高く維持される。しかも、レーザ光LBのパルスエネルギーを露光装置の光学部材に損傷を殆ど与えない低いレベルに設定しても、発振周波数が2倍であるため出力が2倍になり、露光装置では高いスループットが得られる。
また、本例においては、チャンバ300が1台であるため、第1の実施形態に比べて構成が簡素化されて、光学系の調整もさらに容易である。また、本例においても、例えば露光装置側で要求されるレーザ光の出力が低い場合には、チャンバ300内の一方の電極10a,10b(又は20a,20b)間でのみ連続して放電を行わせてレーザ光LBを発生してもよい。さらに、1台のチャンバ300内に直列3対以上の放電用の電極を直列に配置して、これらの電極に順次放電を行わせてレーザ光を発生させてもよい。
次に、上記の第1の実施形態のレーザ光源装置GL1を露光光源として使用する露光装置の一例につき図6を参照して説明する。なお、露光光源としては、図4又は図5のレーザ光源装置も同様に使用できる。
図6は、そのような走査露光型の露光装置(投影露光装置)EXの概略構成を示し、この図6において、露光光源として図1のレーザ光源装置GL1が使用されている。レーザ光源装置GL1からパルス発光されたレーザ光LBは、シリンドリカルレンズを含むビーム整形光学系62に入射して、断面形状がほぼ正方形のビームに整形される。ビーム整形光学系62から射出されたレーザ光LBは、ミラー61A及び61Bを経てビームエクスパンダ63に入射し、所定の断面寸法にまで断面形状が拡大される。ビームエクスパンダ63から射出された平行光束よりなるレーザ光LBは、ミラー61Cで反射された後、干渉縞の位相変調器としての振動ミラー64にて光路(進行方向)が折り曲げられる。振動ミラー64を直交する2つの回動軸64a及び64bを軸として独立に振動することによって、レーザ光LBのスペックルパターンの影響が低減される。振動ミラー64で反射されたレーザ光LBは、不図示のインプットレンズ等を介してフライアイレンズ65(オプティカル・インテグレータ)に入射する。フライアイレンズ65の射出面(照明光学系の瞳面)から射出されるレーザ光LBよりなる照明光IL(露光光)が透過率の大きい(反射率の小さい)ビームスプリッタ66に入射する。
ビームスプリッター66を透過した照明光ILは、第1リレーレンズ68によってレチクルRのパターン形成面とほぼ共役な面上のレチクルブラインド(視野絞り)69上に集光され、レチクルブラインド69の開口部の形状によりレチクルR上のスリット状の幅Dの照明領域73の形状が決定される。なお、レチクルブラインド69の近傍には、走査露光の開始時及び終了時に不要な部分の露光を防止するために照明領域73を走査方向に開閉するとともに、照明領域73の非走査方向の幅を制御するための可動ブラインド(不図示)も配置されている。
レチクルブラインド69及びその不図示の可動ブラインドの開口部を通過した照明光ILは、第2リレーレンズ70、光路折り曲げ用のミラー71、及びメインコンデンサーレンズ72を経て、レチクルRのパターン形成面上の照明領域73を照明する。ビーム整形光学系62からメインコンデンサーレンズ72までの光学部材を含んで照明光学系が構成されている。
また、図6において、照明光ILのうちビームスプリッタ66で反射された僅かの光が、不図示の集光光学系を介して光電変換素子よりなるインテグレータセンサ67に入射し、インテグレータセンサ67の検出信号が露光量制御系77に供給されている。インテグレータセンサ67の検出信号とウエハW上での照明光ILの照度(パルスエネルギー)との関係は予め計測されて記憶されており、露光量制御系77は、インテグレータセンサ77の検出信号に基づいて、ウエハW上で適正な露光量が得られるように、レーザ光LBのパルスエネルギー及び/又は例えばミラー61Bとビームエクスパンダ63との間に設置された可変減光器(不図示)の減光率等を設定する。なお、そのレーザ光LBのパルスエネルギーの設定目標値は、装置全体の動作を統括制御する主制御系76に供給され、主制御系76は、レーザ光源装置GL1内の制御部に対して、そのレーザ光LBのパルスエネルギー及び中心波長の設定目標値を含む制御情報と、レーザ光LBのパルス発光のタイミングを指定する発光トリガパルスTPとを送出する。これに応じて、レーザ光源装置GL1では、その発光トリガパルスTPに同期して、かつ指定されたパルスエネルギーでレーザ光LBを出力する。
レチクルRに形成された回路パターンのうち、照明光ILによって照射された照明領域73内のパターンが、両側テレセントリックで所定の投影倍率β(例えば1/4,1/5等)の投影光学系PLを介してフォトレジストが塗布されたウエハWの一つのショット領域上の投影領域74に結像投影される。投影光学系PLとしては、反射屈折系等も使用できる。図6において、投影光学系PLの光軸AXに平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で走査露光時のレチクルR及びウエハWの走査方向に沿ってX軸を取り、その走査方向に直交する非走査方向に沿ってY軸を取って説明する。
レチクルRは、レチクルベース(不図示)上をX方向に定速移動し、XY平面内で微小変位可能なレチクルステージ75上に吸着保持されている。レチクルステージ75の移動座標位置(少なくともX方向、Y方向の位置、及びZ軸の周りの回転角を含む)は、不図示のレーザ干渉計システムによって逐次計測され、その計測情報がステージ制御系78及び主制御系76に供給されている。主制御系76の制御のもとで、ステージ制御系78は、その計測情報に基づいて不図示の駆動系を介してレチクルステージ75の位置及び速度を制御する。
一方、ウエハWは、不図示のウエハホルダを介してウエハステージ79上に保持され、ウエハステージ79は、走査露光時に少なくともX方向に定速移動できるとともに、X方向及びY方向にステップ移動できるように、不図示のウエハベース上に載置されている。ウエハステージ79の移動座標位置(X方向、Y方向の位置、及びX軸、Y軸、Z軸の周りの回転角)は、不図示のレーザ干渉計システムによって逐次計測され、その計測情報がステージ制御系78及び主制御系76に供給されている。主制御系76の制御のもとで、ステージ制御系78は、その計測情報に基づいて不図示の駆動系を介してウエハステージ79の位置及び速度を制御する。さらに、ウエハステージ79には、ウエハWのZ方向の位置(フォーカス位置)、及びX軸、Y軸の周りの傾斜角を制御するZステージ機構も組み込まれている。
そして、ウエハWの露光時には、図6において、不図示のアライメント系を用いてレチクルRとウエハWとのアライメントが行われる。その後、レチクルRへの照明光ILの照射を開始して、レチクルRのパターンの一部の投影光学系PLを介した像をウエハW上の一つのショット領域に投影した状態で、レチクルステージ75を介して照明領域73に対してレチクルRを走査方向SR(+X方向又は−X方向)に速度VRで移動する動作に同期して、ウエハステージ79を介して投影領域74に対してウエハW上のショット領域を走査方向SW(−X方向又は+X方向)に速度β・VR(βは投影倍率)で移動する走査露光動作と、照明光ILの照射を停止して、ウエハステージ79を介してウエハWをX方向及び/又はY方向にステップ移動する動作とが繰り返される。これによって、ステップ・アンド・スキャン方式でウエハW上の全部のショット領域にレチクルRのパターン像が露光される。
この露光に際して、本例のレーザ光LB(照明光IL)は各パルスエネルギーは照明光学系や投影光学系PLの光学部材を損傷させないレベルであっても、その周波数が高いため、全体として出力が大きく、高いスループットが得られる。なお、本発明のレーザ光源装置は、ステッパー等の一括露光型の投影露光装置、及びプロキシミティ方式等の投影光学系を使用しない露光装置の露光光源としても使用できる。
また、上述の実施形態においては、光透過性の基材上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスク(レチクル)を用いているが、このマスクに替えて、例えば米国特許第6,778,257号公報に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する電子マスクを用いてもよい。
また、上述の実施形態においては、投影光学系PLを使ってパターン像をウエハ上に投影することによってウエハを露光しているが、国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されているように、干渉縞を基板上に形成することによって、基板上にライン・アンド・スペースを露光する露光装置(リソグラフィシステム)の露光光源にも本発明を適用することができる。
さらに、本発明のレーザ光源装置(図1のレーザ光源装置GL1等)は、露光装置以外のレーザ加工用の装置等の光源としても使用可能である。
また、上記の実施形態の露光装置を用いて半導体デバイスを製造する場合、この半導体デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、このステップに基づいてレチクルを製造するステップ、シリコン材料からウエハを形成するステップ、上記の実施形態の露光装置によりアライメントを行ってレチクルのパターンを基板(ウエハ)に露光する工程、露光した基板を現像する工程、現像した基板の加熱(キュア)及びエッチング工程などを含む基板処理ステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、並びに検査ステップ等を経て製造される。
また、本発明は、半導体デバイスの製造プロセスへの適用に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレート等に形成される液晶表示素子、若しくはプラズマディスプレイ等のディスプレイ装置の製造プロセスや、撮像素子(CCD等)、マイクロマシーン、MEMS(Microelectromechanical Systems:微小電気機械システム)、セラミックスウエハ等を基板として用いる薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイスの製造プロセスにも広く適用できる。更に、本発明は、各種デバイスのマスクパターンが形成されたマスク(フォトマスク、レチクル等)をフォトリソグラフィ工程を用いて製造する際の、製造工程にも適用することができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。
本発明の露光装置によれば、パルスエネルギーは低く抑えて、かつ発振周波数を高めた高出力のパルスレーザ光を露光光として使用できる。従って、露光光による光学部材の損傷を抑制しながら、露光工程のスループットを向上できる。
第1の実施形態のレーザ光源装置の構成を示す一部を切り欠いた図である。 図1中の放電回路部1及びチャンバ100を示す図である。 図1中の発光トリガパルスTP、トリガ信号TP1及びTP2、並びにレーザ光LBの関係を示す図である。 第2の実施形態のレーザ光源装置の構成を示す一部を切り欠いた図である。 第3の実施形態のレーザ光源装置の構成を示す一部を切り欠いた図である。 第1の実施形態のレーザ光源装置を露光光源とする露光装置の一例の概略構成を示す一部を切り欠いた斜視図である。
符号の説明
R…レチクル、PL…投影光学系、W…ウエハ、GL1,GL3…レーザ光源装置、GL2…レーザ光源、LNM…狭帯域化モジュール、OC…出力ミラー、MM…モニタ部、1,2…放電回路部、10a,10b…放電用の電極、13,23,33…ファン、14,24,34…熱交換器、15,25,35…ガス供給・排気ユニット、16,26,36…冷水供給ユニット、20a,20b…放電用の電極、50,50A…制御部、100,200,300…チャンバ

Claims (13)

  1. チャンバ内に封入された気体を放電させてレーザ光を出力するガス放電型レーザ装置であって、
    放電用の気体が封入された雰囲気内に対向配置された第1の一対の放電電極と、
    放電用の気体が封入された雰囲気内に、前記第1の放電電極とほぼ同軸上に対向配置された第2の一対の放電電極と、
    前記第1及び第2の一対の放電電極を挟むように対向して配置されたレーザ共振器と、
    前記レーザ共振器からレーザ光をパルス出力させるために、前記第1及び第2の一対の放電電極を交互に放電させる制御系とを備えたことを特徴とするガス放電型レーザ装置。
  2. 前記レーザ共振器の間に、前記レーザ共振器から出力されるレーザ光の中心波長及び波長幅を制御する波長選択光学系を備えたことを特徴とする請求項1に記載のガス放電型レーザ装置。
  3. 前記制御系は、前記レーザ光を使用する装置から供給される発光トリガに同期して、前記第1及び第2の一対の放電電極を交互に放電させることを特徴とする請求項1又は2に記載のガス放電型レーザ装置。
  4. チャンバ内に封入された気体を放電させてレーザ光を出力するガス放電型レーザ装置であって、
    放電用の気体が封入された雰囲気内に対向配置された第1の一対の放電電極と、
    放電用の気体が封入された雰囲気内に、前記第1の放電電極とほぼ同軸上に対向配置された第2の一対の放電電極と、
    前記第1及び第2の一対の放電電極を挟むように対向して配置されたレーザ共振器と、
    レーザ光をパルス出力するレーザ光源と、
    前記レーザ光源から出力されたレーザ光の少なくとも一部を前記レーザ共振器に注入する光学系と、
    前記レーザ光源から注入されたレーザ光を増幅して前記レーザ共振器から出力させるために、前記レーザ光源の出力に同期して、前記第1及び第2の一対の放電電極を交互に放電させる制御系とを備えたことを特徴とするガス放電型レーザ装置。
  5. 前記レーザ光源は、出力されるレーザ光の中心波長及び波長幅を制御する波長選択光学系を備えたことを特徴とする請求項4に記載のガス放電型レーザ装置。
  6. 前記制御系は、前記レーザ光を使用する装置から供給される発光トリガに同期して、前記レーザ光源を発光させることを特徴とする請求項4又は5に記載のガス放電型レーザ装置。
  7. 前記第1及び第2の一対の放電電極は、それぞれ放電用の気体が封入された第1及び第2のチャンバ内に配置されたことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のガス放電型レーザ装置。
  8. 前記第1及び第2の一対の放電電極は、放電用の気体が封入された共通のチャンバ内に配置されたことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のガス放電型レーザ装置。
  9. 前記チャンバ内の前記第1及び第2の一対の放電電極が配置された2つの空間の境界部に、出力されるレーザ光を通す開口が形成された隔壁が設置されたことを特徴とする請求項8に記載のガス放電型レーザ装置。
  10. 前記第1及び第2の一対の放電電極に供給される電力を独立に制御する電源を備えたことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のガス放電型レーザ装置。
  11. 露光光で光学部材を介して基板を露光する露光方法において、
    前記露光光として請求項1から10のいずれか一項に記載のガス放電型レーザ装置から出力されるレーザ光を用いることを特徴とする露光方法。
  12. 露光光で光学部材を介して基板を露光する露光装置において、
    前記露光光として請求項1から10のいずれか一項に記載のガス放電型レーザ装置から出力されるレーザ光を用いることを特徴とする露光装置。
  13. 請求項11に記載の露光方法を用いることを特徴とするデバイス製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109633390A (zh) * 2018-12-19 2019-04-16 国网青海省电力公司电力科学研究院 一种水中针板电极放电冲击波测量装置及相应的方法
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