JP2001156388A - 波長安定化制御方法及び光源装置、露光方法及び露光装置、並びにデバイス製造方法及びデバイス - Google Patents
波長安定化制御方法及び光源装置、露光方法及び露光装置、並びにデバイス製造方法及びデバイスInfo
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- JP2001156388A JP2001156388A JP2000268045A JP2000268045A JP2001156388A JP 2001156388 A JP2001156388 A JP 2001156388A JP 2000268045 A JP2000268045 A JP 2000268045A JP 2000268045 A JP2000268045 A JP 2000268045A JP 2001156388 A JP2001156388 A JP 2001156388A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 レーザ光の中心波長を所定の設定波長に確実
に維持することができる光源装置を提供する。 【解決手段】 メモリ内にビームモニタ機構164の検
出基準波長の温度依存性のデータを含む温度依存性マッ
プが記憶されている。そして、制御装置50では、吸収
セル165の絶対波長に対してビームモニタ機構164
の検出基準波長をほぼ一致させる絶対波長キャリブレー
ションを行うとともに、温度依存性マップに基づいて検
出基準波長を設定波長に一致させる設定波長キャリブレ
ーションを行う。このため、常に確実にビームモニタ機
構の検出基準波長を設定波長に正確に設定することがで
き、これによりビームモニタ機構の雰囲気の温度等が変
動しても、それに影響を受けることなく、ビームモニタ
機構を用いてレーザ光源160Aの中心波長を所定の設
定波長に確実に維持するような波長安定化制御が可能に
なる。
に維持することができる光源装置を提供する。 【解決手段】 メモリ内にビームモニタ機構164の検
出基準波長の温度依存性のデータを含む温度依存性マッ
プが記憶されている。そして、制御装置50では、吸収
セル165の絶対波長に対してビームモニタ機構164
の検出基準波長をほぼ一致させる絶対波長キャリブレー
ションを行うとともに、温度依存性マップに基づいて検
出基準波長を設定波長に一致させる設定波長キャリブレ
ーションを行う。このため、常に確実にビームモニタ機
構の検出基準波長を設定波長に正確に設定することがで
き、これによりビームモニタ機構の雰囲気の温度等が変
動しても、それに影響を受けることなく、ビームモニタ
機構を用いてレーザ光源160Aの中心波長を所定の設
定波長に確実に維持するような波長安定化制御が可能に
なる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、波長安定化制御方
法及び光源装置、露光方法及び露光装置、並びにデバイ
ス製造方法及びデバイスに係り、更に詳しくは、レーザ
光の中心波長を所定の設定波長に維持するための波長安
定化制御方法及び該方法が適用される光源装置、前記方
法により波長が安定化されたレーザ光を用いて露光を行
う露光方法及び露光装置、並びに前記露光装置及び露光
方法を用いてデバイスを製造する方法及び該デバイス製
造方法によって製造されるデバイスに関する。
法及び光源装置、露光方法及び露光装置、並びにデバイ
ス製造方法及びデバイスに係り、更に詳しくは、レーザ
光の中心波長を所定の設定波長に維持するための波長安
定化制御方法及び該方法が適用される光源装置、前記方
法により波長が安定化されたレーザ光を用いて露光を行
う露光方法及び露光装置、並びに前記露光装置及び露光
方法を用いてデバイスを製造する方法及び該デバイス製
造方法によって製造されるデバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体素子(集積回路)、液
晶表示素子等を製造するためのリソグラフィ工程では、
種々の露光装置が用いられている。近年では、この種の
露光装置としては、フォトマスク又はレチクル上に形成
された微細回路パターンを、表面にフォトレジストが塗
布されたウエハ又はガラスプレート等の基板上に投影光
学系を介して縮小投影し、転写する、いわゆるステッパ
あるいはいわゆるスキャニング・ステッパ等の縮小投影
露光装置が、高いスループットを有する点から主流とな
っている。
晶表示素子等を製造するためのリソグラフィ工程では、
種々の露光装置が用いられている。近年では、この種の
露光装置としては、フォトマスク又はレチクル上に形成
された微細回路パターンを、表面にフォトレジストが塗
布されたウエハ又はガラスプレート等の基板上に投影光
学系を介して縮小投影し、転写する、いわゆるステッパ
あるいはいわゆるスキャニング・ステッパ等の縮小投影
露光装置が、高いスループットを有する点から主流とな
っている。
【0003】しかるに、投影露光装置等の露光装置で
は、高スループットとともに高い解像力(解像度)が要
請される。投影露光装置の解像力R、焦点深度DOF
は、露光用照明光の波長λ、投影光学系の開口数N.
A.を用いて、次式(1)、(2)によってそれぞれ表
される。
は、高スループットとともに高い解像力(解像度)が要
請される。投影露光装置の解像力R、焦点深度DOF
は、露光用照明光の波長λ、投影光学系の開口数N.
A.を用いて、次式(1)、(2)によってそれぞれ表
される。
【0004】 R=K・λ/N.A. ……(1)
【0005】 DOF=λ/(N.A.)2/2 ……(2)
【0006】上記の式(1)から明らかなように、解像
力R、すなわち解像できる最小パターン線幅をより小さ
くするために、比例定数Kを小さくする、N.A.
を大きくする、露光用照明光の波長λを小さくする、
の3つの方法が考えられる。ここで、比例定数Kは投影
光学系やプロセスによって決まる定数であり、通常0.
5〜0.8程度の値をとる。この定数Kを小さくする方
法は、広い意味での超解像と呼ばれている。今までに、
投影光学系の改良、変形照明、位相シフトレチクルなど
が提案、研究されてきた。しかし、適用できるパターン
に制限があるなどの難点があった。
力R、すなわち解像できる最小パターン線幅をより小さ
くするために、比例定数Kを小さくする、N.A.
を大きくする、露光用照明光の波長λを小さくする、
の3つの方法が考えられる。ここで、比例定数Kは投影
光学系やプロセスによって決まる定数であり、通常0.
5〜0.8程度の値をとる。この定数Kを小さくする方
法は、広い意味での超解像と呼ばれている。今までに、
投影光学系の改良、変形照明、位相シフトレチクルなど
が提案、研究されてきた。しかし、適用できるパターン
に制限があるなどの難点があった。
【0007】一方、開口数N.A.は式(1)からその
値が大きいほど解像力Rを小さくできるが、このことは
同時に式(2)から明らかなように焦点深度DOFが浅
くなってしまうことを意味する。このため、N.A.値
は大きくするにも限界があり、通常は0.5〜0.6程
度が適当とされている。
値が大きいほど解像力Rを小さくできるが、このことは
同時に式(2)から明らかなように焦点深度DOFが浅
くなってしまうことを意味する。このため、N.A.値
は大きくするにも限界があり、通常は0.5〜0.6程
度が適当とされている。
【0008】従って、解像力Rを小さくする最も単純か
つ有効な方法は、露光用照明光の波長λを小さくするこ
とである。
つ有効な方法は、露光用照明光の波長λを小さくするこ
とである。
【0009】かかる理由により、ステッパ等としては紫
外域の輝線(g線、i線等)を出力する超高圧水銀ラン
プを露光用光源とするg線ステッパ、i線ステッパが従
来主として用いられていたが、近年ではより短波長のK
rFエキシマレーザ光(波長248nm)を出力するK
rFエキシマレーザを光源とするKrFエキシマレーザ
・ステッパが主流となりつつある。現在ではさらに短波
長の光源としてArFエキシマレーザ(波長193n
m)を使用する露光装置の開発が進められている。
外域の輝線(g線、i線等)を出力する超高圧水銀ラン
プを露光用光源とするg線ステッパ、i線ステッパが従
来主として用いられていたが、近年ではより短波長のK
rFエキシマレーザ光(波長248nm)を出力するK
rFエキシマレーザを光源とするKrFエキシマレーザ
・ステッパが主流となりつつある。現在ではさらに短波
長の光源としてArFエキシマレーザ(波長193n
m)を使用する露光装置の開発が進められている。
【0010】周知の如く、このような短波長域のエキシ
マレーザ光を使用した場合、主として材料の透過率の問
題から、投影光学系のレンズに利用できる素材は現時点
では合成石英、ホタル石、あるいはフッ化リチウム等の
フッ化物結晶等の材料に限られている。
マレーザ光を使用した場合、主として材料の透過率の問
題から、投影光学系のレンズに利用できる素材は現時点
では合成石英、ホタル石、あるいはフッ化リチウム等の
フッ化物結晶等の材料に限られている。
【0011】しかし、投影光学系にこのような石英やホ
タル石等のレンズを使用した場合には、実質的に色収差
の補正が難しいので、色収差の発生による結像性能の劣
化を防ぐために、エキシマレ−ザ光の発振スペクトル幅
を狭める、いわゆる波長の狭帯域化が必要となる。この
波長の狭帯域化は、例えばレーザ共振器に設けられた狭
帯域化モジュール(例えばプリズムとグレーティング
(回折格子)とを組み合わせたものや、エタロン等の光
学素子が用いられる)を使用して行われ、露光中投影光
学系に供給されるエキシマレーザ光の波長のスぺクトル
幅を常に所定の波長幅に収めると同時に、その中心波長
を所定の波長に維持するための、いわゆる波長安定化の
制御が必要となる。
タル石等のレンズを使用した場合には、実質的に色収差
の補正が難しいので、色収差の発生による結像性能の劣
化を防ぐために、エキシマレ−ザ光の発振スペクトル幅
を狭める、いわゆる波長の狭帯域化が必要となる。この
波長の狭帯域化は、例えばレーザ共振器に設けられた狭
帯域化モジュール(例えばプリズムとグレーティング
(回折格子)とを組み合わせたものや、エタロン等の光
学素子が用いられる)を使用して行われ、露光中投影光
学系に供給されるエキシマレーザ光の波長のスぺクトル
幅を常に所定の波長幅に収めると同時に、その中心波長
を所定の波長に維持するための、いわゆる波長安定化の
制御が必要となる。
【0012】上記の波長安定化の制御を実現するために
は、エキシマレーザ光の光学特性(中心波長及びスペク
トル半値幅等)をモニタする必要がある。エキシマレー
ザ装置の波長モニタ部は、一般にファブリペロー分光器
であるファブリペロー・エタロン(Fabry-Perot etalo
n:以下、「エタロン素子」ともいう)を中心として構
成されている。
は、エキシマレーザ光の光学特性(中心波長及びスペク
トル半値幅等)をモニタする必要がある。エキシマレー
ザ装置の波長モニタ部は、一般にファブリペロー分光器
であるファブリペロー・エタロン(Fabry-Perot etalo
n:以下、「エタロン素子」ともいう)を中心として構
成されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たエキシマレーザ装置は大型であること、1パルスあた
りのエネルギが大きいことにより光学部品の損傷が生じ
やすいこと、有毒なフッ素ガスを使用するためレーザの
メンテナンスが煩雑でかつ費用が高額となるなどの、露
光装置の光源として不利な点が存在する。
たエキシマレーザ装置は大型であること、1パルスあた
りのエネルギが大きいことにより光学部品の損傷が生じ
やすいこと、有毒なフッ素ガスを使用するためレーザの
メンテナンスが煩雑でかつ費用が高額となるなどの、露
光装置の光源として不利な点が存在する。
【0014】また、半導体素子の高集積化に伴いパター
ン線幅がますます微細化し、ステッパ等の露光装置に
は、露光精度、例えばマスクと基板との重ね合せ精度の
ますますの向上が求められるようになってきた。この重
ね合せ精度は投影光学系のディストーション成分等の収
差を如何に抑えるかに左右される。このため、露光装置
には、露光用照明光の中心波長の安定性及びますますの
狭帯域化が求められるようになってきた。この内、狭帯
域化に対処する手法としては、レーザ光源そのものとし
て、単一波長光源を採用することが考えられる。
ン線幅がますます微細化し、ステッパ等の露光装置に
は、露光精度、例えばマスクと基板との重ね合せ精度の
ますますの向上が求められるようになってきた。この重
ね合せ精度は投影光学系のディストーション成分等の収
差を如何に抑えるかに左右される。このため、露光装置
には、露光用照明光の中心波長の安定性及びますますの
狭帯域化が求められるようになってきた。この内、狭帯
域化に対処する手法としては、レーザ光源そのものとし
て、単一波長光源を採用することが考えられる。
【0015】一方、投影光学系は所定の露光波長にのみ
合わせて調整されているため、中心波長を安定に維持で
きなければ、結果的に投影光学系の色収差が発生した
り、投影光学系の倍率、ディストーション及びフォーカ
ス等の結像特性が変動してしまうため、中心波長の安定
性を維持することは必要不可欠である。
合わせて調整されているため、中心波長を安定に維持で
きなければ、結果的に投影光学系の色収差が発生した
り、投影光学系の倍率、ディストーション及びフォーカ
ス等の結像特性が変動してしまうため、中心波長の安定
性を維持することは必要不可欠である。
【0016】しかしながら、エタロン素子はエタロン雰
囲気の温度や圧力の影響を受けるため、エタロン雰囲気
の温度変動や大気圧変動の影響が無視出来なくなる。
囲気の温度や圧力の影響を受けるため、エタロン雰囲気
の温度変動や大気圧変動の影響が無視出来なくなる。
【0017】また、デバイスルール(実用最小線幅)
は、将来的にますます微細化することは確実であり、次
世代の露光装置ではますます高い重ね合わせ精度が要求
される。この重ね合わせ精度は、例えばディス卜ーショ
ン成分を如何に抑えるかに左右される。また、焦点深度
の増大の為には、UDOF(ユーザブルDOF)の増化
及びフォーカスの安定性が必要になる。いずれも、高度
な中心波長の安定性及びスペク卜ル半値幅の制御性が要
求される。
は、将来的にますます微細化することは確実であり、次
世代の露光装置ではますます高い重ね合わせ精度が要求
される。この重ね合わせ精度は、例えばディス卜ーショ
ン成分を如何に抑えるかに左右される。また、焦点深度
の増大の為には、UDOF(ユーザブルDOF)の増化
及びフォーカスの安定性が必要になる。いずれも、高度
な中心波長の安定性及びスペク卜ル半値幅の制御性が要
求される。
【0018】本発明は、かかる事情の下になされたもの
で、その第1の目的は、レーザ光の中心波長を所定の設
定波長に確実に維持することができる波長安定化制御方
法及び光源装置を提供することにある。
で、その第1の目的は、レーザ光の中心波長を所定の設
定波長に確実に維持することができる波長安定化制御方
法及び光源装置を提供することにある。
【0019】また、本発明の第2の目的は、雰囲気の温
度変動等に影響されず、高精度な露光を行うことができ
る露光方法及び露光装置を提供することにある。
度変動等に影響されず、高精度な露光を行うことができ
る露光方法及び露光装置を提供することにある。
【0020】本発明の第3の目的は、高集積度のマイク
ロデバイスの生産性を向上することができるデバイス製
造方法を提供することにある。
ロデバイスの生産性を向上することができるデバイス製
造方法を提供することにある。
【0021】本発明の第4の目的は、感光剤の感度特性
の変化によらず精度良く露光を行うことができる露光装
置を提供することにある。
の変化によらず精度良く露光を行うことができる露光装
置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、レーザ光源(160A)から発振されるレーザ光の中
心波長を所定の設定波長に維持するための波長安定化制
御方法であって、前記レーザ光の波長を検出する波長検
出装置(164)の検出基準波長の温度依存性を予め測
定する第1工程と;前記設定波長に近い絶対波長を提供
する絶対波長提供源(165)から提供される絶対波長
に対して前記波長検出装置の検出基準波長をほぼ一致さ
せる絶対波長キャリブレーションを行う第2工程と;前
記第1工程で求めた前記温度依存性に基づいて、前記波
長検出装置の前記検出基準波長を前記設定波長に設定す
る第3工程とを含む。
は、レーザ光源(160A)から発振されるレーザ光の中
心波長を所定の設定波長に維持するための波長安定化制
御方法であって、前記レーザ光の波長を検出する波長検
出装置(164)の検出基準波長の温度依存性を予め測
定する第1工程と;前記設定波長に近い絶対波長を提供
する絶対波長提供源(165)から提供される絶対波長
に対して前記波長検出装置の検出基準波長をほぼ一致さ
せる絶対波長キャリブレーションを行う第2工程と;前
記第1工程で求めた前記温度依存性に基づいて、前記波
長検出装置の前記検出基準波長を前記設定波長に設定す
る第3工程とを含む。
【0023】ここで、「設定波長に近い絶対波長」は、
設定波長と同一の波長も含む概念である。
設定波長と同一の波長も含む概念である。
【0024】これによれば、第1工程でレーザ光の波長
を検出する波長検出装置の検出基準波長の温度依存性を
予め測定しておく。次いで、第2工程で設定波長に近い
絶対波長を提供する絶対波長提供源から提供される絶対
波長に対して波長検出装置の検出基準波長をほぼ一致さ
せる絶対波長キャリブレーションを行う。そして、第3
工程で第1工程で求めた温度依存性に基づいて、波長検
出装置の検出基準波長を設定波長に設定する。このよう
に、本発明によれば、予め測定した波長検出装置の検出
基準波長の温度依存性を用いて、絶対波長キャリブレー
ション後の波長検出装置の検出基準波長を設定波長に設
定するので、常に確実に波長検出装置の検出基準波長を
設定波長に正確に設定することができ、これにより波長
検出装置の雰囲気の温度等が変動しても、それに影響を
受けることなく、波長検出装置を用いてレーザ光の中心
波長を所定の設定波長に確実に維持するような波長安定
化制御が可能になる。
を検出する波長検出装置の検出基準波長の温度依存性を
予め測定しておく。次いで、第2工程で設定波長に近い
絶対波長を提供する絶対波長提供源から提供される絶対
波長に対して波長検出装置の検出基準波長をほぼ一致さ
せる絶対波長キャリブレーションを行う。そして、第3
工程で第1工程で求めた温度依存性に基づいて、波長検
出装置の検出基準波長を設定波長に設定する。このよう
に、本発明によれば、予め測定した波長検出装置の検出
基準波長の温度依存性を用いて、絶対波長キャリブレー
ション後の波長検出装置の検出基準波長を設定波長に設
定するので、常に確実に波長検出装置の検出基準波長を
設定波長に正確に設定することができ、これにより波長
検出装置の雰囲気の温度等が変動しても、それに影響を
受けることなく、波長検出装置を用いてレーザ光の中心
波長を所定の設定波長に確実に維持するような波長安定
化制御が可能になる。
【0025】この場合において、請求項2に記載の発明
の如く、前記波長検出装置が、ファブリぺロー・エタロ
ンである場合には、前記第1工程で前記波長検出装置の
共鳴波長の温度依存性を測定し、前記第2工程で前記波
長検出装置の温度を制御することにより前記共鳴波長を
前記絶対波長にほぼ一致させ、前記第3工程で前記波長
検出装置の温度を制御することにより前記共鳴波長を前
記設定波長に設定することとしても良い。かかる場合に
は、ファブリぺロー・エタロンの波長検出の基準となる
共鳴波長の温度依存性を利用して、その共鳴波長(検出
基準波長)を設定波長に設定することが可能となる。
の如く、前記波長検出装置が、ファブリぺロー・エタロ
ンである場合には、前記第1工程で前記波長検出装置の
共鳴波長の温度依存性を測定し、前記第2工程で前記波
長検出装置の温度を制御することにより前記共鳴波長を
前記絶対波長にほぼ一致させ、前記第3工程で前記波長
検出装置の温度を制御することにより前記共鳴波長を前
記設定波長に設定することとしても良い。かかる場合に
は、ファブリぺロー・エタロンの波長検出の基準となる
共鳴波長の温度依存性を利用して、その共鳴波長(検出
基準波長)を設定波長に設定することが可能となる。
【0026】この場合において、請求項3に記載の発明
の如く、前記絶対波長提供源が、前記レーザ光が入射す
る吸収セルである場合には、前記第2工程では、前記吸
収セルの前記設定波長に最も近い吸収線の吸収が最大と
なり、かつ前記波長検出装置の透過率が最大となるよう
にすることとしても良い。
の如く、前記絶対波長提供源が、前記レーザ光が入射す
る吸収セルである場合には、前記第2工程では、前記吸
収セルの前記設定波長に最も近い吸収線の吸収が最大と
なり、かつ前記波長検出装置の透過率が最大となるよう
にすることとしても良い。
【0027】ここで、「設定波長に最も近い吸収線」に
は、「設定波長と同一波長の吸収線」も含まれる。
は、「設定波長と同一波長の吸収線」も含まれる。
【0028】上記請求項1〜3に記載の各発明におい
て、請求項4に記載の発明の如く、前記第1工程では前
記レーザ光の中心波長の温度依存性をも予め計測し、前
記第2工程では、前記レーザ光の波長制御をも併せて行
うこととしても良い。かかる場合には、前述した絶対波
長キャリブレーションを、レーザ光の波長制御を行わな
い場合に比べて短時間で完了することができる。
て、請求項4に記載の発明の如く、前記第1工程では前
記レーザ光の中心波長の温度依存性をも予め計測し、前
記第2工程では、前記レーザ光の波長制御をも併せて行
うこととしても良い。かかる場合には、前述した絶対波
長キャリブレーションを、レーザ光の波長制御を行わな
い場合に比べて短時間で完了することができる。
【0029】上記請求項1〜4に記載の各発明におい
て、請求項5に記載の発明の如く、前記第3工程で前記
検出基準波長が前記設定波長に設定された前記波長検出
装置の検出結果に基づいて前記レーザ光源からの前記レ
ーザ光の波長を制御する第4工程を更に含んでいても良
い。かかる場合には、その検出基準波長が設定波長に正
確に設定された波長検出装置の検出結果に基づいてレー
ザ光源からのレーザ光の波長を制御するので、そのレー
ザ光の波長を設定波長に安定的に維持することができ
る。
て、請求項5に記載の発明の如く、前記第3工程で前記
検出基準波長が前記設定波長に設定された前記波長検出
装置の検出結果に基づいて前記レーザ光源からの前記レ
ーザ光の波長を制御する第4工程を更に含んでいても良
い。かかる場合には、その検出基準波長が設定波長に正
確に設定された波長検出装置の検出結果に基づいてレー
ザ光源からのレーザ光の波長を制御するので、そのレー
ザ光の波長を設定波長に安定的に維持することができ
る。
【0030】上記請求項4及び5に記載の各発明におい
て、請求項6に記載の発明の如く、前記レーザ光の波長
制御は、前記レーザ光源の温度、供給電流の少なくとも
一方を制御することにより行うこととしても良い。例え
ば、DFB半導体レーザやファイバーレーザのような単
一波長発振レーザの場合、温度制御によってレーザの発
振波長を制御することもできるし、DFB半導体レーザ
の場合、供給電流(ドライブ電流)の制御によってもレ
ーザの発振波長を制御することもできる。
て、請求項6に記載の発明の如く、前記レーザ光の波長
制御は、前記レーザ光源の温度、供給電流の少なくとも
一方を制御することにより行うこととしても良い。例え
ば、DFB半導体レーザやファイバーレーザのような単
一波長発振レーザの場合、温度制御によってレーザの発
振波長を制御することもできるし、DFB半導体レーザ
の場合、供給電流(ドライブ電流)の制御によってもレ
ーザの発振波長を制御することもできる。
【0031】請求項7に記載の発明に係る光源装置は、
レーザ光を発振するレーザ光源(160A)と;前記レ
ーザ光の中心波長を所定の設定波長に維持するための波
長安定化に関連する前記レーザ光の光学特性をモニタす
るビームモニタ機構(164)と;前記ビームモニタ機
構の検出基準波長の温度依存性のデータに基づいて、波
長キャリブレーションを行う第1の制御装置(50)
と;を備える。
レーザ光を発振するレーザ光源(160A)と;前記レ
ーザ光の中心波長を所定の設定波長に維持するための波
長安定化に関連する前記レーザ光の光学特性をモニタす
るビームモニタ機構(164)と;前記ビームモニタ機
構の検出基準波長の温度依存性のデータに基づいて、波
長キャリブレーションを行う第1の制御装置(50)
と;を備える。
【0032】これによれば、第1の制御装置により、ビ
ームモニタ機構の検出基準波長の温度依存性のデータに
基づいて、波長キャリブレーションが行われる。このた
め、ビームモニタ機構の検出基準波長を設定波長に正確
に設定することができ、これによりビームモニタ機構の
雰囲気の温度等が変動しても、それに影響を受けること
なく、ビームモニタ機構を用いてレーザ光の中心波長を
所定の設定波長に確実に維持するような波長安定化制御
が可能になる。
ームモニタ機構の検出基準波長の温度依存性のデータに
基づいて、波長キャリブレーションが行われる。このた
め、ビームモニタ機構の検出基準波長を設定波長に正確
に設定することができ、これによりビームモニタ機構の
雰囲気の温度等が変動しても、それに影響を受けること
なく、ビームモニタ機構を用いてレーザ光の中心波長を
所定の設定波長に確実に維持するような波長安定化制御
が可能になる。
【0033】この場合において、請求項8に記載の発明
の如く、前記設定波長に近い絶対波長を提供する絶対波
長提供源(165)を更に備えている場合には、前記第
1の制御装置は、前記絶対波長提供源から提供される絶
対波長に対して前記ビームモニタ機構の検出基準波長を
ほぼ一致させる絶対波長キャリブレーションを行うとと
もに、前記温度依存性のデータに基づいて前記検出基準
波長を前記設定波長に一致させる設定波長キャリブレー
ションを行うこととすることができる。かかる場合に
は、第1の制御装置により、絶対波長提供源から提供さ
れる絶対波長に対してビームモニタ機構の検出基準波長
をほぼ一致させる絶対波長キャリブレーションが行われ
るとともに、前記温度依存性データに基づいて前記検出
基準波長を前記設定波長に一致させる設定波長キャリブ
レーションが行われる。すなわち、既知のビームモニタ
機構の検出基準波長の温度依存性のデータを用いて、絶
対波長キャリブレーション後のビームモニタ機構の検出
基準波長を設定波長に一致させる設定波長キャリブレー
ションが行われる。このため、常に確実にビームモニタ
機構の検出基準波長を設定波長に正確に設定することが
でき、これにより、ビームモニタ機構の雰囲気の温度等
が変動しても、それに影響を受けることなく、ビームモ
ニタ機構を用いてレーザ光の中心波長を所定の設定波長
に確実に維持するような波長安定化制御が可能になる。
の如く、前記設定波長に近い絶対波長を提供する絶対波
長提供源(165)を更に備えている場合には、前記第
1の制御装置は、前記絶対波長提供源から提供される絶
対波長に対して前記ビームモニタ機構の検出基準波長を
ほぼ一致させる絶対波長キャリブレーションを行うとと
もに、前記温度依存性のデータに基づいて前記検出基準
波長を前記設定波長に一致させる設定波長キャリブレー
ションを行うこととすることができる。かかる場合に
は、第1の制御装置により、絶対波長提供源から提供さ
れる絶対波長に対してビームモニタ機構の検出基準波長
をほぼ一致させる絶対波長キャリブレーションが行われ
るとともに、前記温度依存性データに基づいて前記検出
基準波長を前記設定波長に一致させる設定波長キャリブ
レーションが行われる。すなわち、既知のビームモニタ
機構の検出基準波長の温度依存性のデータを用いて、絶
対波長キャリブレーション後のビームモニタ機構の検出
基準波長を設定波長に一致させる設定波長キャリブレー
ションが行われる。このため、常に確実にビームモニタ
機構の検出基準波長を設定波長に正確に設定することが
でき、これにより、ビームモニタ機構の雰囲気の温度等
が変動しても、それに影響を受けることなく、ビームモ
ニタ機構を用いてレーザ光の中心波長を所定の設定波長
に確実に維持するような波長安定化制御が可能になる。
【0034】ここで、「設定波長に近い絶対波長」は、
設定波長と同一の波長をも含む概念である。
設定波長と同一の波長をも含む概念である。
【0035】この場合において、請求項9に記載の発明
の如く、前記ビームモニタ機構が、ファブリぺロー・エ
タロンを含み、前記温度依存性のデータが、前記ファブ
リぺロー・エタロンの共鳴波長の温度依存性の測定結果
に基づくデータを含む場合には、前記第1の制御装置
は、前記ビームモニタ機構を構成する前記ファブリぺロ
ー・エタロンの温度を制御することにより、前記検出基
準波長の前記絶対波長キャリブレーション及び前記設定
波長キャリブレーションを行うこととしても良い。かか
る場合には、ファブリぺロー・エタロンの波長検出の基
準となる共鳴波長の温度依存性を利用して、その検出基
準波長を設定波長に設定することが可能となる。
の如く、前記ビームモニタ機構が、ファブリぺロー・エ
タロンを含み、前記温度依存性のデータが、前記ファブ
リぺロー・エタロンの共鳴波長の温度依存性の測定結果
に基づくデータを含む場合には、前記第1の制御装置
は、前記ビームモニタ機構を構成する前記ファブリぺロ
ー・エタロンの温度を制御することにより、前記検出基
準波長の前記絶対波長キャリブレーション及び前記設定
波長キャリブレーションを行うこととしても良い。かか
る場合には、ファブリぺロー・エタロンの波長検出の基
準となる共鳴波長の温度依存性を利用して、その検出基
準波長を設定波長に設定することが可能となる。
【0036】この場合において、請求項10に記載の発
明の如く、前記温度依存性のデータは、前記レーザ光源
から発振される前記レーザ光の中心波長の温度依存性の
データを更に含む場合には、前記第1の制御装置は、前
記絶対波長キャリブレーションを行う際に、前記レーザ
光源の波長制御をも併せて行うこととしても良い。かか
る場合には、前述した絶対波長キャリブレーションを、
レーザ光の波長制御を行わない場合に比べて短時間で完
了することができる。
明の如く、前記温度依存性のデータは、前記レーザ光源
から発振される前記レーザ光の中心波長の温度依存性の
データを更に含む場合には、前記第1の制御装置は、前
記絶対波長キャリブレーションを行う際に、前記レーザ
光源の波長制御をも併せて行うこととしても良い。かか
る場合には、前述した絶対波長キャリブレーションを、
レーザ光の波長制御を行わない場合に比べて短時間で完
了することができる。
【0037】請求項9及び10に記載の各発明におい
て、請求項11に記載の発明の如く、前記絶対波長提供
源は、前記レーザ光が入射する吸収セル(165)であ
り、前記第1の制御装置は、前記絶対波長キャリブレー
ションを行う際に、前記吸収セルの前記設定波長に最も
近い吸収線の吸収が最大となり、かつ前記ファブリぺロ
ー・エタロンの透過率が最大となるようにすることとし
ても良い。
て、請求項11に記載の発明の如く、前記絶対波長提供
源は、前記レーザ光が入射する吸収セル(165)であ
り、前記第1の制御装置は、前記絶対波長キャリブレー
ションを行う際に、前記吸収セルの前記設定波長に最も
近い吸収線の吸収が最大となり、かつ前記ファブリぺロ
ー・エタロンの透過率が最大となるようにすることとし
ても良い。
【0038】ここで、「設定波長に最も近い吸収線」に
は、「設定波長と同一波長の吸収線」も含まれる。
は、「設定波長と同一波長の吸収線」も含まれる。
【0039】上記請求項9〜11に記載の各発明におい
て、請求項12に記載の発明の如く、前記レーザ光源か
らのレーザ光を増幅するファイバ増幅器(168n、1
71n)を更に備えていても良い。かかる場合には、フ
ァイバ増幅器によりレーザ光源からのレーザ光を増幅す
ることができるので、要求される光量が大きい場合であ
っても、小型のレーザ光源、例えば、DFB半導体レー
ザ、ファイバーレーザ等の固体レーザを用いることが可
能となり、装置の小型・軽量化が可能となる。
て、請求項12に記載の発明の如く、前記レーザ光源か
らのレーザ光を増幅するファイバ増幅器(168n、1
71n)を更に備えていても良い。かかる場合には、フ
ァイバ増幅器によりレーザ光源からのレーザ光を増幅す
ることができるので、要求される光量が大きい場合であ
っても、小型のレーザ光源、例えば、DFB半導体レー
ザ、ファイバーレーザ等の固体レーザを用いることが可
能となり、装置の小型・軽量化が可能となる。
【0040】この場合において、請求項13に記載の発
明の如く、前記増幅されたレーザ光の波長を変換する非
線形光学結晶を含む波長変換器(163)を更に備えて
いても良い。かかる場合には、波長変換器により増幅さ
れたレーザ光の波長変換が可能となるので、例えば、波
長変換器によりレーザ光の波長変換を行って高調波を発
生させることにより、短波長の高いエネルギビームを出
力する小型の光源装置を得ることが可能になる。
明の如く、前記増幅されたレーザ光の波長を変換する非
線形光学結晶を含む波長変換器(163)を更に備えて
いても良い。かかる場合には、波長変換器により増幅さ
れたレーザ光の波長変換が可能となるので、例えば、波
長変換器によりレーザ光の波長変換を行って高調波を発
生させることにより、短波長の高いエネルギビームを出
力する小型の光源装置を得ることが可能になる。
【0041】上記請求項9〜13に記載の各発明に係る
光源装置において、請求項14に記載の発明の如く、前
記設定波長キャリブレーションの終了後に、前記設定波
長キャリブレーションが終了した前記ビームモニタ機構
のモニタ結果に基づいて、前記レーザ光源からの前記レ
ーザ光の波長をフィードバック制御する第2の制御装置
(50)を更に備えることとしても良い。かかる場合に
は、第2の制御装置により、その検出基準波長が設定波
長に正確に設定されたビームモニタ機構のモニタ結果に
基づいて、レーザ光源からのレーザ光の波長が制御され
るので、そのレーザ光の波長を設定波長に安定的に維持
することができる。
光源装置において、請求項14に記載の発明の如く、前
記設定波長キャリブレーションの終了後に、前記設定波
長キャリブレーションが終了した前記ビームモニタ機構
のモニタ結果に基づいて、前記レーザ光源からの前記レ
ーザ光の波長をフィードバック制御する第2の制御装置
(50)を更に備えることとしても良い。かかる場合に
は、第2の制御装置により、その検出基準波長が設定波
長に正確に設定されたビームモニタ機構のモニタ結果に
基づいて、レーザ光源からのレーザ光の波長が制御され
るので、そのレーザ光の波長を設定波長に安定的に維持
することができる。
【0042】請求項15に記載の発明は、レーザ光によ
り基板を露光して所定のパターンを基板上に形成する露
光方法であって、露光開始に先立って、前記レーザ光の
波長を検出する波長検出装置(164)の検出基準波長
の温度依存性を予め測定する第1副工程と、前記設定波
長に近い絶対波長を提供する絶対波長提供源(165)
から提供される絶対波長に対して前記波長検出装置の検
出基準波長をほぼ一致させる絶対波長キャリブレーショ
ンを行う第2副工程と、前記第1副工程で求めた前記温
度依存性に基づいて、前記波長検出装置の前記検出基準
波長を前記設定波長に設定する第3副工程との処理を順
次行う第1工程と;しかる後、前記第3副工程で前記検
出基準波長が前記設定波長に設定された前記波長検出装
置の検出結果に基づいて前記レーザ光源からの前記レー
ザ光の波長を制御しつつ、基板を前記レーザ光で繰り返
し露光する第2工程とを含む。
り基板を露光して所定のパターンを基板上に形成する露
光方法であって、露光開始に先立って、前記レーザ光の
波長を検出する波長検出装置(164)の検出基準波長
の温度依存性を予め測定する第1副工程と、前記設定波
長に近い絶対波長を提供する絶対波長提供源(165)
から提供される絶対波長に対して前記波長検出装置の検
出基準波長をほぼ一致させる絶対波長キャリブレーショ
ンを行う第2副工程と、前記第1副工程で求めた前記温
度依存性に基づいて、前記波長検出装置の前記検出基準
波長を前記設定波長に設定する第3副工程との処理を順
次行う第1工程と;しかる後、前記第3副工程で前記検
出基準波長が前記設定波長に設定された前記波長検出装
置の検出結果に基づいて前記レーザ光源からの前記レー
ザ光の波長を制御しつつ、基板を前記レーザ光で繰り返
し露光する第2工程とを含む。
【0043】これによれば、第1工程の処理により、予
め測定した波長検出装置の検出基準波長の温度依存性を
用いて、絶対波長キャリブレーション後の波長検出装置
の検出基準波長を設定波長に設定するので、常に確実に
波長検出装置の検出基準波長が設定波長に正確に設定さ
れる。そして、第2工程で、検出基準波長が設定波長に
設定された波長検出装置の検出結果に基づいてレーザ光
源からのレーザ光の波長を制御しつつ、基板がレーザ光
で繰り返し露光される。従って、本発明によれば、波長
検出装置の雰囲気の温度等が変動しても、それに影響を
受けることなく、波長検出装置の検出基準波長を設定波
長に正確に設定し、その波長検出装置を用いてレーザ光
の中心波長を所定の設定波長に確実に維持するような波
長安定化制御を行いつつ、基板がレーザ光で繰り返し露
光されるので、雰囲気の温度変動等の影響の少ない高精
度な露光が可能になる。
め測定した波長検出装置の検出基準波長の温度依存性を
用いて、絶対波長キャリブレーション後の波長検出装置
の検出基準波長を設定波長に設定するので、常に確実に
波長検出装置の検出基準波長が設定波長に正確に設定さ
れる。そして、第2工程で、検出基準波長が設定波長に
設定された波長検出装置の検出結果に基づいてレーザ光
源からのレーザ光の波長を制御しつつ、基板がレーザ光
で繰り返し露光される。従って、本発明によれば、波長
検出装置の雰囲気の温度等が変動しても、それに影響を
受けることなく、波長検出装置の検出基準波長を設定波
長に正確に設定し、その波長検出装置を用いてレーザ光
の中心波長を所定の設定波長に確実に維持するような波
長安定化制御を行いつつ、基板がレーザ光で繰り返し露
光されるので、雰囲気の温度変動等の影響の少ない高精
度な露光が可能になる。
【0044】この場合において、請求項16に記載の発
明の如く、前記レーザ光の経路に配置された光学系(1
2、PL)が更に設けられている場合には、前記光学系
の光学性能の変動をキャンセルするために前記設定波長
を変更する第3工程を更に含んでいても良い。例えば大
気圧の変動等があると光学系の光学性能(諸収差等)が
変動することがあるが、このような場合に、第3工程に
おいて光学系の光学性能の変動をキャンセルするために
設定波長が変更される結果、その変更後の設定波長を基
準として波長検出装置を用いてレーザ光の中心波長を所
定の設定波長に確実に維持するような波長安定化制御を
行いつつ、基板をレーザ光で繰り返し露光することがで
きる。このため、結果的に大気圧の変動が存在しなかっ
たかのような状態(すなわち、光学性能の変動量が相殺
された状態)で、精度良く露光が行われることとなる。
明の如く、前記レーザ光の経路に配置された光学系(1
2、PL)が更に設けられている場合には、前記光学系
の光学性能の変動をキャンセルするために前記設定波長
を変更する第3工程を更に含んでいても良い。例えば大
気圧の変動等があると光学系の光学性能(諸収差等)が
変動することがあるが、このような場合に、第3工程に
おいて光学系の光学性能の変動をキャンセルするために
設定波長が変更される結果、その変更後の設定波長を基
準として波長検出装置を用いてレーザ光の中心波長を所
定の設定波長に確実に維持するような波長安定化制御を
行いつつ、基板をレーザ光で繰り返し露光することがで
きる。このため、結果的に大気圧の変動が存在しなかっ
たかのような状態(すなわち、光学性能の変動量が相殺
された状態)で、精度良く露光が行われることとなる。
【0045】請求項17に記載の発明は、レーザ光によ
りマスク(R)を照明し、該マスクのパターンを基板
(W)上に転写する露光装置であって、前記レーザ光を
発振するレーザ光源(160A)と、前記レーザ光の中
心波長を所定の設定波長に維持するための波長安定化に
関連する前記レーザ光の光学特性をモニタするビームモ
ニタ機構(164)と、前記設定波長に近い絶対波長を
提供する絶対波長提供源(165)とを有する光源装置
(16)と;前記レーザ光源から発振される前記レーザ
光の中心波長及び前記ビームモニタ機構の検出基準波長
の温度依存性の測定データから成る温度依存性マップが
記憶された記憶装置(51)と;前記絶対波長提供源か
ら提供される絶対波長に対して前記ビームモニタ機構の
検出基準波長をほぼ一致させる絶対波長キャリブレーシ
ョンを行うとともに、前記温度依存性マップに基づいて
前記検出基準波長を前記設定波長に一致させる設定波長
キャリブレーションを行う第1の制御装置(50)と;
前記光源装置から射出されるレーザ光の波長を前記設定
波長キャリブレーションが終了した前記ビームモニタ機
構のモニタ結果に基づいてフィードバック制御しつつ、
前記レーザ光を前記マスクに照射して該マスクを介して
前記基板を露光する第2の制御装置(50)とを備え
る。
りマスク(R)を照明し、該マスクのパターンを基板
(W)上に転写する露光装置であって、前記レーザ光を
発振するレーザ光源(160A)と、前記レーザ光の中
心波長を所定の設定波長に維持するための波長安定化に
関連する前記レーザ光の光学特性をモニタするビームモ
ニタ機構(164)と、前記設定波長に近い絶対波長を
提供する絶対波長提供源(165)とを有する光源装置
(16)と;前記レーザ光源から発振される前記レーザ
光の中心波長及び前記ビームモニタ機構の検出基準波長
の温度依存性の測定データから成る温度依存性マップが
記憶された記憶装置(51)と;前記絶対波長提供源か
ら提供される絶対波長に対して前記ビームモニタ機構の
検出基準波長をほぼ一致させる絶対波長キャリブレーシ
ョンを行うとともに、前記温度依存性マップに基づいて
前記検出基準波長を前記設定波長に一致させる設定波長
キャリブレーションを行う第1の制御装置(50)と;
前記光源装置から射出されるレーザ光の波長を前記設定
波長キャリブレーションが終了した前記ビームモニタ機
構のモニタ結果に基づいてフィードバック制御しつつ、
前記レーザ光を前記マスクに照射して該マスクを介して
前記基板を露光する第2の制御装置(50)とを備え
る。
【0046】これによれば、第1の制御装置により絶対
波長提供源から提供される絶対波長に対してビームモニ
タ機構の検出基準波長をほぼ一致させる絶対波長キャリ
ブレーション、及び記憶装置に記憶された温度依存性マ
ップ(レーザ光源から発振されるレーザ光の中心波長及
びビームモニタ機構の検出基準波長の温度依存性の測定
データから成る)に基づいて検出基準波長を設定波長に
一致させる設定波長キャリブレーションが行われる。こ
のようにして、既知のビームモニタ機構の検出基準波長
の温度依存性を用いて、絶対波長キャリブレーション後
のビームモニタ機構の検出基準波長を設定波長に一致さ
せることができる。そして、第2の制御装置では、光源
装置から射出されるレーザ光の波長を設定波長キャリブ
レーションが終了したビームモニタ機構のモニタ結果に
基づいてフィードバック制御しつつ、レーザ光をマスク
に照射して該マスクを介して基板を露光する。従って、
ビームモニタ機構のモニタ結果に基づいてレーザ光の中
心波長を所定の設定波長に確実に維持するような波長安
定化制御を行いつつ、レーザ光をマスクに照射して該マ
スクを介して基板を露光することができるので、雰囲気
の温度変動等の影響の少ない高精度な露光が可能にな
る。
波長提供源から提供される絶対波長に対してビームモニ
タ機構の検出基準波長をほぼ一致させる絶対波長キャリ
ブレーション、及び記憶装置に記憶された温度依存性マ
ップ(レーザ光源から発振されるレーザ光の中心波長及
びビームモニタ機構の検出基準波長の温度依存性の測定
データから成る)に基づいて検出基準波長を設定波長に
一致させる設定波長キャリブレーションが行われる。こ
のようにして、既知のビームモニタ機構の検出基準波長
の温度依存性を用いて、絶対波長キャリブレーション後
のビームモニタ機構の検出基準波長を設定波長に一致さ
せることができる。そして、第2の制御装置では、光源
装置から射出されるレーザ光の波長を設定波長キャリブ
レーションが終了したビームモニタ機構のモニタ結果に
基づいてフィードバック制御しつつ、レーザ光をマスク
に照射して該マスクを介して基板を露光する。従って、
ビームモニタ機構のモニタ結果に基づいてレーザ光の中
心波長を所定の設定波長に確実に維持するような波長安
定化制御を行いつつ、レーザ光をマスクに照射して該マ
スクを介して基板を露光することができるので、雰囲気
の温度変動等の影響の少ない高精度な露光が可能にな
る。
【0047】この場合において、請求項18に記載の発
明の如く、前記マスクから出射された前記レーザ光を前
記基板に投射する投影光学系(PL)と;前記投影光学
系の近傍の環境に関連する物理量を測定する環境センサ
(77)とを更に備える場合、前記第2の制御装置によ
り前記基板の露光が開始されてから所定のタイミング毎
に、前記環境センサの計測値に基づいて標準状態からの
前記物理量の変化に起因する前記投影光学系の結像特性
の変動分をほぼ相殺するための波長変更量を計算で求
め、該波長変更量に応じて前記設定波長を変更する第3
の制御装置(50)とを更に備えることとすることがで
きる。投影光学系の設置環境に関連する物理量(周囲気
体の圧力、温度、湿度など)が標準状態から変動する
と、大気の屈折率が変動し、これにより投影光学系が本
来それに合わせて調整されていた露光波長(設定波長)
が変動し、露光光であるレーザ光の波長がもとのまま投
影光学系に照射されると、投影光学系の結像特性に前記
物理量の変動に起因する諸収差(色収差を含む)が発生
する。本発明によれば、かかる場合に、第3の制御装置
が、基板の露光が開始されてから所定のタイミング毎
に、環境センサの計測値に基づいて標準状態からの前記
物理量の変化に起因する投影光学系の結像特性の変動分
をほぼ相殺するための波長変更量を計算で求め、該波長
変更量に応じて設定波長を変更する。この結果、投影光
学系の諸収差が同時に補正され、第2の制御装置がその
変更後の設定波長を基準としてビームモニタ機構を用い
てレーザ光の中心波長を所定の設定波長に確実に維持す
るような波長安定化制御を行いつつ、レーザ光をマスク
に照射する。これにより、マスクから出射したレーザ光
が投影光学系により基板上に投射され基板が露光され
る。この場合、結果的に環境条件に関連する物理量の変
動が存在しなかったかのような状態(すなわち、結像特
性の変動量が相殺された状態)で、精度良く露光が行わ
れることとなる。
明の如く、前記マスクから出射された前記レーザ光を前
記基板に投射する投影光学系(PL)と;前記投影光学
系の近傍の環境に関連する物理量を測定する環境センサ
(77)とを更に備える場合、前記第2の制御装置によ
り前記基板の露光が開始されてから所定のタイミング毎
に、前記環境センサの計測値に基づいて標準状態からの
前記物理量の変化に起因する前記投影光学系の結像特性
の変動分をほぼ相殺するための波長変更量を計算で求
め、該波長変更量に応じて前記設定波長を変更する第3
の制御装置(50)とを更に備えることとすることがで
きる。投影光学系の設置環境に関連する物理量(周囲気
体の圧力、温度、湿度など)が標準状態から変動する
と、大気の屈折率が変動し、これにより投影光学系が本
来それに合わせて調整されていた露光波長(設定波長)
が変動し、露光光であるレーザ光の波長がもとのまま投
影光学系に照射されると、投影光学系の結像特性に前記
物理量の変動に起因する諸収差(色収差を含む)が発生
する。本発明によれば、かかる場合に、第3の制御装置
が、基板の露光が開始されてから所定のタイミング毎
に、環境センサの計測値に基づいて標準状態からの前記
物理量の変化に起因する投影光学系の結像特性の変動分
をほぼ相殺するための波長変更量を計算で求め、該波長
変更量に応じて設定波長を変更する。この結果、投影光
学系の諸収差が同時に補正され、第2の制御装置がその
変更後の設定波長を基準としてビームモニタ機構を用い
てレーザ光の中心波長を所定の設定波長に確実に維持す
るような波長安定化制御を行いつつ、レーザ光をマスク
に照射する。これにより、マスクから出射したレーザ光
が投影光学系により基板上に投射され基板が露光され
る。この場合、結果的に環境条件に関連する物理量の変
動が存在しなかったかのような状態(すなわち、結像特
性の変動量が相殺された状態)で、精度良く露光が行わ
れることとなる。
【0048】例えば、物理量が大気圧を含む場合、標準
状態における大気圧(標準大気圧)は任意で良いが、例
えば投影光学系などの光学性能(投影光学系の結像特性
を含む)が最良となるようにその調整を行うときの基準
となる大気圧であることが望ましく、この場合には、標
準大気圧では投影光学系などの光学性能の変動量が零と
なる。通常、標準大気圧は、露光装置が設置される納入
先(工場など)の平均大気圧に設定されることが多い。
従って、露光装置を製造する組立地と、露光装置が設置
される納入先(移設地)とに標高差があるときは、例え
ば標準大気圧(平均大気圧など)下に投影光学系などが
設置されているかのように、組立地ではその標高差に対
応する波長だけ露光波長をシフトさせた上で投影光学系
などの調整を行い、移設地ではその波長を露光波長に戻
す、あるいは組立地では露光波長のもとで投影光学系な
どの調整を行い、移設地でその標高差を相殺するように
露光波長をシフトさせる。
状態における大気圧(標準大気圧)は任意で良いが、例
えば投影光学系などの光学性能(投影光学系の結像特性
を含む)が最良となるようにその調整を行うときの基準
となる大気圧であることが望ましく、この場合には、標
準大気圧では投影光学系などの光学性能の変動量が零と
なる。通常、標準大気圧は、露光装置が設置される納入
先(工場など)の平均大気圧に設定されることが多い。
従って、露光装置を製造する組立地と、露光装置が設置
される納入先(移設地)とに標高差があるときは、例え
ば標準大気圧(平均大気圧など)下に投影光学系などが
設置されているかのように、組立地ではその標高差に対
応する波長だけ露光波長をシフトさせた上で投影光学系
などの調整を行い、移設地ではその波長を露光波長に戻
す、あるいは組立地では露光波長のもとで投影光学系な
どの調整を行い、移設地でその標高差を相殺するように
露光波長をシフトさせる。
【0049】なお、投影光学系が空気以外の気体中に設
置される場合、上記の「大気圧」はその投影光学系の周
囲の気体の圧力となる。
置される場合、上記の「大気圧」はその投影光学系の周
囲の気体の圧力となる。
【0050】ここで、本発明では、例えば投影光学系に
よって照明光の波長を変更することと、その投影光学系
の設置環境(周囲の気体の圧力、温度、湿度など)を変
更することは実質的に等価であることを利用している。
このとき、投影光学系の屈折素子の硝材の種類が単一で
あるときには、その等価性が完全に成立し、硝材が複数
種類であってもその等価性はほぼ成立する。従って、設
置環境に対する投影光学系(特に屈折素子)の屈折率の
変化特性を用いて、照明光の波長のみを変化させること
によって、実質的に投影光学系の設置環境が変化した場
合と等価な状態を実現することができる。
よって照明光の波長を変更することと、その投影光学系
の設置環境(周囲の気体の圧力、温度、湿度など)を変
更することは実質的に等価であることを利用している。
このとき、投影光学系の屈折素子の硝材の種類が単一で
あるときには、その等価性が完全に成立し、硝材が複数
種類であってもその等価性はほぼ成立する。従って、設
置環境に対する投影光学系(特に屈折素子)の屈折率の
変化特性を用いて、照明光の波長のみを変化させること
によって、実質的に投影光学系の設置環境が変化した場
合と等価な状態を実現することができる。
【0051】ここで、前記所定のタイミングは、所定枚
数の基板の露光終了毎のタイミングであっても良く、基
板上の1ショットの露光終了の度毎のタイミングであっ
ても良くあるいは露光条件の変更の度毎のタイミングで
あっても良い。ここで、所定枚数は1枚であっても良
く、1ロットに相当する枚数であっても良い。また、露
光条件の変更とは、照明条件の変更の他、マスクの交換
等の広い意味での露光に関する条件が変更された場合の
全てを含む。
数の基板の露光終了毎のタイミングであっても良く、基
板上の1ショットの露光終了の度毎のタイミングであっ
ても良くあるいは露光条件の変更の度毎のタイミングで
あっても良い。ここで、所定枚数は1枚であっても良
く、1ロットに相当する枚数であっても良い。また、露
光条件の変更とは、照明条件の変更の他、マスクの交換
等の広い意味での露光に関する条件が変更された場合の
全てを含む。
【0052】あるいは、所定のタイミングは、前記環境
センサの計測値に基づいて得られる環境に関連する物理
量(又はその変化量)が所定量以上変化したタイミング
であっても良く、あるいは投影光学系などの光学性能
(又はその変動量)を演算する間隔(例えば数μs)に
合わせて、ほぼリアルタイムで行っても良い。あるいは
所定のタイミングは、予め定めた所定の時間毎のタイミ
ングであっても良い。
センサの計測値に基づいて得られる環境に関連する物理
量(又はその変化量)が所定量以上変化したタイミング
であっても良く、あるいは投影光学系などの光学性能
(又はその変動量)を演算する間隔(例えば数μs)に
合わせて、ほぼリアルタイムで行っても良い。あるいは
所定のタイミングは、予め定めた所定の時間毎のタイミ
ングであっても良い。
【0053】この場合において、請求項19に記載の発
明の如く、前記投影光学系の結像特性を補正する結像特
性補正装置(50、74a,74b,74c、78)を
更に備え、前記結像特性補正装置は、前記第3の制御装
置による前記設定波長の変更の度毎に、前記設定波長の
変更により補正される前記投影光学系の結像特性の変動
分を除く、結像特性変動を補正することとしても良い。
明の如く、前記投影光学系の結像特性を補正する結像特
性補正装置(50、74a,74b,74c、78)を
更に備え、前記結像特性補正装置は、前記第3の制御装
置による前記設定波長の変更の度毎に、前記設定波長の
変更により補正される前記投影光学系の結像特性の変動
分を除く、結像特性変動を補正することとしても良い。
【0054】ここで、「設定波長の変更により補正され
る前記投影光学系の結像特性の変動分を除く、結像特性
変動」には、設定波長の変更により前記物理量の変動に
起因する投影光学系の結像特性の変動が完全に補正され
なかった場合には、その補正されなかった、前記物理量
の変動に起因する投影光学系の結像特性の変動分も含ま
れる。
る前記投影光学系の結像特性の変動分を除く、結像特性
変動」には、設定波長の変更により前記物理量の変動に
起因する投影光学系の結像特性の変動が完全に補正され
なかった場合には、その補正されなかった、前記物理量
の変動に起因する投影光学系の結像特性の変動分も含ま
れる。
【0055】かかる場合には、前記物理量の変動に起因
する投影光学系の結像特性の変動分(以下、適宜「環境
変動分」と呼ぶ)の大部分が上記の設定波長の変更によ
り補正され、その残りの環境変動分が他の照射変動分等
とともに、結像特性補正装置により補正される。この結
果、投影光学系の結像特性をほぼ完全に補正した状態で
高精度な露光が行われる。
する投影光学系の結像特性の変動分(以下、適宜「環境
変動分」と呼ぶ)の大部分が上記の設定波長の変更によ
り補正され、その残りの環境変動分が他の照射変動分等
とともに、結像特性補正装置により補正される。この結
果、投影光学系の結像特性をほぼ完全に補正した状態で
高精度な露光が行われる。
【0056】この場合において、請求項20に記載の発
明の如く、前記結像特性補正装置は、前記第3の制御装
置による前記設定波長の変更間では、前記レーザ光の波
長変動を考慮して前記結像特性変動を補正することとし
ても良い。設定波長の変更は上述した所定のタイミング
で行われるが、この設定波長の変更間隔が長いと、その
間で前記物理量の変動が生じるので、これに起因する環
境変動分を結像特性補正装置が補正することとしたもの
である。
明の如く、前記結像特性補正装置は、前記第3の制御装
置による前記設定波長の変更間では、前記レーザ光の波
長変動を考慮して前記結像特性変動を補正することとし
ても良い。設定波長の変更は上述した所定のタイミング
で行われるが、この設定波長の変更間隔が長いと、その
間で前記物理量の変動が生じるので、これに起因する環
境変動分を結像特性補正装置が補正することとしたもの
である。
【0057】上記請求項18〜20に記載の露光装置に
おいて、請求項21に記載の発明の如く、前記環境セン
サは、少なくとも大気圧を検出することとしても良い。
おいて、請求項21に記載の発明の如く、前記環境セン
サは、少なくとも大気圧を検出することとしても良い。
【0058】上記請求項17〜21に記載の各発明に係
る露光装置において、請求項21に記載の発明の如く、
前記光源装置(16)は、前記レーザ光源からのレーザ
光を増幅するファイバ増幅器(168n、171n)を更
に備えることとしても良い。かかる場合には、ファイバ
増幅器によりレーザ光源からのレーザ光を増幅すること
ができるので、要求される光量が大きい場合であって
も、小型のレーザ光源、例えば、DFB半導体レーザ、
ファイバーレーザ等の固体レーザを用いることが可能と
なり、光源装置の小型・軽量化、ひいては露光装置のフ
ットプリントの狭小化が可能となる。
る露光装置において、請求項21に記載の発明の如く、
前記光源装置(16)は、前記レーザ光源からのレーザ
光を増幅するファイバ増幅器(168n、171n)を更
に備えることとしても良い。かかる場合には、ファイバ
増幅器によりレーザ光源からのレーザ光を増幅すること
ができるので、要求される光量が大きい場合であって
も、小型のレーザ光源、例えば、DFB半導体レーザ、
ファイバーレーザ等の固体レーザを用いることが可能と
なり、光源装置の小型・軽量化、ひいては露光装置のフ
ットプリントの狭小化が可能となる。
【0059】この場合において、請求項23に記載の発
明の如く、前記光源装置は、前記増幅されたレーザ光の
波長を変換する非線形光学結晶を含む波長変換器(16
3)を更に備えていても良い。かかる場合には、波長変
換器により増幅されたレーザ光の波長変換が可能となる
ので、例えば、波長変換器によりレーザ光の波長変換を
行って高調波を発生させることにより、短波長の高エネ
ルギのエネルギビームを出力することが可能となるの
で、露光の解像力が向上し、微細パターンを高精度に基
板上に転写することが可能になる。
明の如く、前記光源装置は、前記増幅されたレーザ光の
波長を変換する非線形光学結晶を含む波長変換器(16
3)を更に備えていても良い。かかる場合には、波長変
換器により増幅されたレーザ光の波長変換が可能となる
ので、例えば、波長変換器によりレーザ光の波長変換を
行って高調波を発生させることにより、短波長の高エネ
ルギのエネルギビームを出力することが可能となるの
で、露光の解像力が向上し、微細パターンを高精度に基
板上に転写することが可能になる。
【0060】この場合において、請求項24に記載の発
明の如く、前記光源装置を構成する前記ビームモニタ機
構は、前記波長変換の途中の中間高調波及び波長変換後
の最終高調波のいずれか、あるいは両方の光学特性をモ
ニタすることとしても良い。
明の如く、前記光源装置を構成する前記ビームモニタ機
構は、前記波長変換の途中の中間高調波及び波長変換後
の最終高調波のいずれか、あるいは両方の光学特性をモ
ニタすることとしても良い。
【0061】上記請求項23に記載の発明に係る露光装
置において、請求項25に記載の発明の如く、前記レー
ザ光源は、可視域から赤外域までの間で単一波長のレー
ザ光を発振する固体レーザであり、前記波長変換器は前
記レーザ光を紫外域の波長のレーザ光に変換することと
しても良い。かかる場合には、波長の短い紫外光を用い
て解像力のより露光を行うことができる。
置において、請求項25に記載の発明の如く、前記レー
ザ光源は、可視域から赤外域までの間で単一波長のレー
ザ光を発振する固体レーザであり、前記波長変換器は前
記レーザ光を紫外域の波長のレーザ光に変換することと
しても良い。かかる場合には、波長の短い紫外光を用い
て解像力のより露光を行うことができる。
【0062】請求項26に記載の発明は、リソグラフィ
工程を含むデバイス製造方法であって、前記リソグラフ
ィ工程で請求項15又は16に記載の露光方法を用いる
ことを特徴とする。また、請求項27に記載の発明は、
リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法であって、前
記リソグラフィ工程で、請求項17〜25のいずれか一
項に記載の露光装置を用いて露光を行うことを特徴とす
る。
工程を含むデバイス製造方法であって、前記リソグラフ
ィ工程で請求項15又は16に記載の露光方法を用いる
ことを特徴とする。また、請求項27に記載の発明は、
リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法であって、前
記リソグラフィ工程で、請求項17〜25のいずれか一
項に記載の露光装置を用いて露光を行うことを特徴とす
る。
【0063】これらのデバイス製造方法によれば、上記
請求項15及び16に記載の各露光方法、請求項17〜
25に記載の各露光装置により精度良くパターンを基板
上に形成することが可能になる結果、高集積度のマイク
ロデバイスの生産性を向上することができる。
請求項15及び16に記載の各露光方法、請求項17〜
25に記載の各露光装置により精度良くパターンを基板
上に形成することが可能になる結果、高集積度のマイク
ロデバイスの生産性を向上することができる。
【0064】請求項29に記載の発明は、エネルギビー
ムにより感光剤が塗布された基板(W)を露光する露光
装置であって、前記エネルギビームを発生するビーム源
(16A)と;前記ビーム源から出力される前記エネル
ギビームの波長を変更する波長変更装置(16B、5
0)と;前記波長変更装置により前記波長が変更された
とき、その波長変更に伴って生じる前記感光剤の感度特
性の変化量に応じて前記基板に与えられる積算露光量を
制御する露光量制御装置(50)とを備える。
ムにより感光剤が塗布された基板(W)を露光する露光
装置であって、前記エネルギビームを発生するビーム源
(16A)と;前記ビーム源から出力される前記エネル
ギビームの波長を変更する波長変更装置(16B、5
0)と;前記波長変更装置により前記波長が変更された
とき、その波長変更に伴って生じる前記感光剤の感度特
性の変化量に応じて前記基板に与えられる積算露光量を
制御する露光量制御装置(50)とを備える。
【0065】これによれば、波長変更装置により、ビー
ム源から出力されるエネルギビームの波長が変更される
と、露光量制御装置によりその波長変更に伴って生じる
基板上の感光剤の感度特性の変化量に応じて基板に与え
られる積算露光量が制御される。
ム源から出力されるエネルギビームの波長が変更される
と、露光量制御装置によりその波長変更に伴って生じる
基板上の感光剤の感度特性の変化量に応じて基板に与え
られる積算露光量が制御される。
【0066】すなわち、エネルギビームの波長を変更す
ると、その波長の変更(波長シフト)によって基板上の
感光剤(レジスト)の感度特性が変化することがある
が、そのような場合に、本発明では、露光量制御装置に
より、その波長変更に伴って生じる感光剤の感度特性の
変化量に応じて基板に与えられる積算露光量を制御する
ことができる。従って、感光剤の感度特性の変化に影響
されることのない精度の良い露光が可能になる。
ると、その波長の変更(波長シフト)によって基板上の
感光剤(レジスト)の感度特性が変化することがある
が、そのような場合に、本発明では、露光量制御装置に
より、その波長変更に伴って生じる感光剤の感度特性の
変化量に応じて基板に与えられる積算露光量を制御する
ことができる。従って、感光剤の感度特性の変化に影響
されることのない精度の良い露光が可能になる。
【0067】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1
〜図6に基づいて説明する。
〜図6に基づいて説明する。
【0068】図1には、本発明に係る光源装置を含んで
構成された一実施形態に係る露光装置10の概略構成が
示されている。この露光装置10は、ステップ・アンド
・スキャン方式の走査型露光装置である。
構成された一実施形態に係る露光装置10の概略構成が
示されている。この露光装置10は、ステップ・アンド
・スキャン方式の走査型露光装置である。
【0069】この露光装置10は、光源装置16及び照
明光学系12から成る照明系、この照明系からの露光用
照明光(以下、「露光光」という)ILにより照明され
るマスクとしてのレチクルRを保持するレチクルステー
ジRST、レチクルRから射出された露光光ILを基板
としてのウエハW上に投射する投影光学系PL、ウエハ
Wを保持する基板ステージとしてのZチルトステージ5
8が搭載されたXYステージ14、及びこれらの制御系
等を備えている。
明光学系12から成る照明系、この照明系からの露光用
照明光(以下、「露光光」という)ILにより照明され
るマスクとしてのレチクルRを保持するレチクルステー
ジRST、レチクルRから射出された露光光ILを基板
としてのウエハW上に投射する投影光学系PL、ウエハ
Wを保持する基板ステージとしてのZチルトステージ5
8が搭載されたXYステージ14、及びこれらの制御系
等を備えている。
【0070】前記光源装置16は、例えば、波長193
nm(ArFエキシマレーザ光とほぼ同一波長)の紫外
パルス光、あるいは波長157nm(F2レーザ光とほ
ぼ同一波長)の紫外パルス光を出力する高調波発生装置
である。この光源装置16は、光源としてのレーザ光源
を含む光源部16A、レーザ制御装置16B及び光量制
御装置16Cとを備えている。この光源装置16は、前
記照明光学系12、レチクルステージRST、投影光学
系PL、Zチルトステージ58、XYステージ14及び
これら各部が搭載された不図示の本体コラム等から成る
露光装置本体とともに、温度、圧力、湿度等が高精度に
調整されたエンバイロンメンタル・チャンバ(以下、
「チャンバ」という)11内に収納されている。
nm(ArFエキシマレーザ光とほぼ同一波長)の紫外
パルス光、あるいは波長157nm(F2レーザ光とほ
ぼ同一波長)の紫外パルス光を出力する高調波発生装置
である。この光源装置16は、光源としてのレーザ光源
を含む光源部16A、レーザ制御装置16B及び光量制
御装置16Cとを備えている。この光源装置16は、前
記照明光学系12、レチクルステージRST、投影光学
系PL、Zチルトステージ58、XYステージ14及び
これら各部が搭載された不図示の本体コラム等から成る
露光装置本体とともに、温度、圧力、湿度等が高精度に
調整されたエンバイロンメンタル・チャンバ(以下、
「チャンバ」という)11内に収納されている。
【0071】図2には、光源装置16の内部構成が装置
全体を統括制御する主制御装置50とともにブロック図
にて示されている。
全体を統括制御する主制御装置50とともにブロック図
にて示されている。
【0072】この図2に示されるように、光源部16A
は、光発生部としてのパルス光発生部160、光増幅部
161、四分の一波長板162、波長変換部163、ビ
ームモニタ機構164及び吸収セル165等を含んで構
成されている。
は、光発生部としてのパルス光発生部160、光増幅部
161、四分の一波長板162、波長変換部163、ビ
ームモニタ機構164及び吸収セル165等を含んで構
成されている。
【0073】前記パルス光発生部160は、レーザ光源
160A、光カップラBS1,BS2、光アイソレータ
160B及び光変調器としての電気光学変調器(以下、
「EOM」という)160C等を有する。なお、レーザ
光源160Aと波長変換部163との間の各要素間は光
ファイバにより光学的に接続されている。
160A、光カップラBS1,BS2、光アイソレータ
160B及び光変調器としての電気光学変調器(以下、
「EOM」という)160C等を有する。なお、レーザ
光源160Aと波長変換部163との間の各要素間は光
ファイバにより光学的に接続されている。
【0074】これを更に詳述すると、レーザ光源160
Aとしては、ここでは、単一波長発振レーザ、例えば、
発振波長1.544μm、連続波出力(以下「CW出
力」という)20mWのInGaAsP,DFB半導体
レーザが用いられている。以下においては、レーザ光源
160Aを適宜「DFB半導体レーザ160A」とも呼
ぶものとする。
Aとしては、ここでは、単一波長発振レーザ、例えば、
発振波長1.544μm、連続波出力(以下「CW出
力」という)20mWのInGaAsP,DFB半導体
レーザが用いられている。以下においては、レーザ光源
160Aを適宜「DFB半導体レーザ160A」とも呼
ぶものとする。
【0075】ここで、DFB半導体レーザとは、縦モー
ド選択性の低いファブリーペロー型共振器の代わりに、
回折格子を半導体レーザ内に作り上げたもので、どのよ
うな状況下であっても単一縦モード発振をするように構
成されており、分布帰還型(Distributed Feedback:D
FB)レーザと呼ばれるものである。この様なレーザで
は基本的に単一縦モード発振をすることから、その発振
スペクトル線幅は0.01pm以下に抑えられる。
ド選択性の低いファブリーペロー型共振器の代わりに、
回折格子を半導体レーザ内に作り上げたもので、どのよ
うな状況下であっても単一縦モード発振をするように構
成されており、分布帰還型(Distributed Feedback:D
FB)レーザと呼ばれるものである。この様なレーザで
は基本的に単一縦モード発振をすることから、その発振
スペクトル線幅は0.01pm以下に抑えられる。
【0076】また、DFB半導体レーザは、通常、ヒー
トシンクの上に設けられ、これらが筐体内に収納されて
いる。本実施形態では、DFB半導体レーザ160Aに
付設されるヒートシンク上に温度調整器(例えばペルチ
ェ素子など)が設けられており、後述するように、レー
ザ制御装置16Bがその温度を制御することにより発振
波長が制御(調整)可能な構成となっている。
トシンクの上に設けられ、これらが筐体内に収納されて
いる。本実施形態では、DFB半導体レーザ160Aに
付設されるヒートシンク上に温度調整器(例えばペルチ
ェ素子など)が設けられており、後述するように、レー
ザ制御装置16Bがその温度を制御することにより発振
波長が制御(調整)可能な構成となっている。
【0077】本実施形態では、上記の発振波長の制御の
ため、DFB半導体レーザ160Aの発振波長の温度依
存性を予め測定し、その測定結果を温度依存性マップと
してを主制御装置50に併設された記憶装置としてのメ
モリ51内に、テーブルの形、変換関数、あるいは変換
係数として格納(記憶)している。
ため、DFB半導体レーザ160Aの発振波長の温度依
存性を予め測定し、その測定結果を温度依存性マップと
してを主制御装置50に併設された記憶装置としてのメ
モリ51内に、テーブルの形、変換関数、あるいは変換
係数として格納(記憶)している。
【0078】ここでは、DFB半導体レーザ160Aの
発振波長は0.1nm/℃程度の温度依存性を持つもの
とする。従って、例えば、DFB半導体レーザの温度を
1℃変化させると、基本波(1544nm)ではその波
長が0.1nm変化するので、8倍波(193nm)で
はその波長が0.0125nm変化し、10倍波(15
7nm)ではその波長が0.01nm変化することにな
る。
発振波長は0.1nm/℃程度の温度依存性を持つもの
とする。従って、例えば、DFB半導体レーザの温度を
1℃変化させると、基本波(1544nm)ではその波
長が0.1nm変化するので、8倍波(193nm)で
はその波長が0.0125nm変化し、10倍波(15
7nm)ではその波長が0.01nm変化することにな
る。
【0079】なお、露光装置では露光用照明光(パルス
光)の波長をその中心波長に対して±20pm程度変化
させることができれば十分である。従って、DFB半導
体レーザ160Aの温度を8倍波では±1.6℃程度、
10倍波では±2℃程度変化させれば良い。
光)の波長をその中心波長に対して±20pm程度変化
させることができれば十分である。従って、DFB半導
体レーザ160Aの温度を8倍波では±1.6℃程度、
10倍波では±2℃程度変化させれば良い。
【0080】なお、レーザ光源160Aとして、DFB
半導体レーザ等の半導体レーザに限らず、例えば発振波
長が990nm付近のイッテルビウム(Yb)・ドープ・
ファイバーレーザなどを用いることもできる。
半導体レーザ等の半導体レーザに限らず、例えば発振波
長が990nm付近のイッテルビウム(Yb)・ドープ・
ファイバーレーザなどを用いることもできる。
【0081】前記光カップラBS1、BS2としては、
透過率が97%程度のものが用いられている。このた
め、DFB半導体レーザ160Aからのレーザ光は光カ
ップラBS1で分波され、その97%程度が光カップラ
BS2に入射し、残り3%程度がビームモニタ機構16
4に入射する。また、光カップラBS2に入射したレー
ザ光は、該光カップラBS2で分波され、その97%程
度が次段の光アイソレータ160Bに向かって進み、残
り3%程度が吸収セル165に入射するようになってい
る。
透過率が97%程度のものが用いられている。このた
め、DFB半導体レーザ160Aからのレーザ光は光カ
ップラBS1で分波され、その97%程度が光カップラ
BS2に入射し、残り3%程度がビームモニタ機構16
4に入射する。また、光カップラBS2に入射したレー
ザ光は、該光カップラBS2で分波され、その97%程
度が次段の光アイソレータ160Bに向かって進み、残
り3%程度が吸収セル165に入射するようになってい
る。
【0082】なお、ビームモニタ機構164、吸収セル
165等については、後に更に詳述する。
165等については、後に更に詳述する。
【0083】前記光アイソレータ160Bは、光カップ
ラBS2からEOM160Cに向かう方向の光のみを通
過させ、反対向きの光の通過を阻止するためのデバイス
である。この光アイソレータ160Bにより、反射光
(戻り光)に起因するDFB半導体レーザ160Aの発
振モードの変化や雑音の発生等が防止される。
ラBS2からEOM160Cに向かう方向の光のみを通
過させ、反対向きの光の通過を阻止するためのデバイス
である。この光アイソレータ160Bにより、反射光
(戻り光)に起因するDFB半導体レーザ160Aの発
振モードの変化や雑音の発生等が防止される。
【0084】前記EOM160Cは、光アイソレータ1
60Bを通過したレーザ光(CW光(連続光))をパル
ス光に変換するためのものである。EOM160Cとし
ては、屈折率の時間変化に伴うチャープによる半導体レ
ーザ出力の波長広がりが小さくなるように、チャープ補
正を行った電極構造を持つ電気光学変調器(例えば二電
極型変調器)が用いられている。EOM160Cは、光
量制御装置16Cから印加される電圧パルスに同期して
変調されたパルス光を出力する。一例として、EOM1
60CによりDFB半導体レーザ160Aで発振された
レーザ光がパルス幅1ns、繰り返し周波数100kH
z(パルス周期約10μs)のパルス光に変調されるも
のとすると、この光変調の結果、EOM160Cから出
力されるパルス光のピーク出力は20mW、平均出力は
2μWとなる。なお、ここでは、EOM160Cの挿入
による損失がないものとしたが、その挿入損失がある、
例えば損失が−3dBである場合、パルス光のピーク出
力は10mW、平均出力は1μWとなる。
60Bを通過したレーザ光(CW光(連続光))をパル
ス光に変換するためのものである。EOM160Cとし
ては、屈折率の時間変化に伴うチャープによる半導体レ
ーザ出力の波長広がりが小さくなるように、チャープ補
正を行った電極構造を持つ電気光学変調器(例えば二電
極型変調器)が用いられている。EOM160Cは、光
量制御装置16Cから印加される電圧パルスに同期して
変調されたパルス光を出力する。一例として、EOM1
60CによりDFB半導体レーザ160Aで発振された
レーザ光がパルス幅1ns、繰り返し周波数100kH
z(パルス周期約10μs)のパルス光に変調されるも
のとすると、この光変調の結果、EOM160Cから出
力されるパルス光のピーク出力は20mW、平均出力は
2μWとなる。なお、ここでは、EOM160Cの挿入
による損失がないものとしたが、その挿入損失がある、
例えば損失が−3dBである場合、パルス光のピーク出
力は10mW、平均出力は1μWとなる。
【0085】なお、繰り返し周波数を100kHz程度
以上に設定した場合には、後述するファイバ増幅器にお
いてASE(Amplified Spontaneous Emission,自然放
出光)ノイズの影響による増幅率低下を阻止することが
できるので、このようにすることが望ましい。
以上に設定した場合には、後述するファイバ増幅器にお
いてASE(Amplified Spontaneous Emission,自然放
出光)ノイズの影響による増幅率低下を阻止することが
できるので、このようにすることが望ましい。
【0086】なお、EOM160Cのみを用いてパルス
光をオフの状態にしてもその消光比が充分でない場合に
は、DFB半導体レーザ160Aの電流制御を併用する
ことが望ましい。すなわち、半導体レーザなどではその
電流制御を行うことで、出力光をパルス発振させること
ができるので、DFB半導体レーザ160Aの電流制御
とEOM160Cとを併用してパルス光を発生させるこ
とが望ましい。一例として、DFB半導体レーザ160
Aの電流制御によって、例えば10〜20ns程度のパ
ルス幅を有するパルス光を発振させるとともに、EOM
160Cによってそのパルス光からその一部のみを切り
出し、パルス幅が1nsのパルス光に変調する。このよ
うにすれば、EOM160Cのみを用いる場合に比べ
て、パルス幅が狭いパルス光を容易に発生させることが
可能になるとともに、パルス光の発振間隔や発振の開始
及びその停止などをより簡単に制御することが可能にな
る。
光をオフの状態にしてもその消光比が充分でない場合に
は、DFB半導体レーザ160Aの電流制御を併用する
ことが望ましい。すなわち、半導体レーザなどではその
電流制御を行うことで、出力光をパルス発振させること
ができるので、DFB半導体レーザ160Aの電流制御
とEOM160Cとを併用してパルス光を発生させるこ
とが望ましい。一例として、DFB半導体レーザ160
Aの電流制御によって、例えば10〜20ns程度のパ
ルス幅を有するパルス光を発振させるとともに、EOM
160Cによってそのパルス光からその一部のみを切り
出し、パルス幅が1nsのパルス光に変調する。このよ
うにすれば、EOM160Cのみを用いる場合に比べ
て、パルス幅が狭いパルス光を容易に発生させることが
可能になるとともに、パルス光の発振間隔や発振の開始
及びその停止などをより簡単に制御することが可能にな
る。
【0087】なお、EOM160Cに代えて、音響光学
光変調素子(AOM)を用いることも可能である。
光変調素子(AOM)を用いることも可能である。
【0088】前記光増幅部161は、EOM160Cか
らのパルス光を増幅するもので、ここでは、複数のファ
イバ増幅器を含んで構成されている。図3には、この光
増幅部161の構成の一例が、EOM160Cとともに
示されている。
らのパルス光を増幅するもので、ここでは、複数のファ
イバ増幅器を含んで構成されている。図3には、この光
増幅部161の構成の一例が、EOM160Cとともに
示されている。
【0089】この図3に示されるように、光増幅部16
1は、チャネル0からチャネル127の総計128チャ
ネルを有する分岐及び遅延部167と、この分岐及び遅
延部167のチャネル0からチャネル127の総計12
8チャネルのそれぞれの出力段に接続されたファイバ増
幅器1681〜168128と、これらのファイバ増幅器1
681〜168128のそれぞれに狭帯域フィルタ1691
〜169128及び光アイソレータ1701〜170128を
それぞれ介して接続された最終段のファイバ増幅器17
11〜171128等を備えている。この場合、図3からも
明らかなように、ファイバ増幅器168n、狭帯域化フ
ィルタ169n、光アイソレータ170n、及びファイバ
増幅器171n(n=1、2、……、128)によっ
て、それぞれ光経路172n(n=1、2、……、12
8)が構成されている。
1は、チャネル0からチャネル127の総計128チャ
ネルを有する分岐及び遅延部167と、この分岐及び遅
延部167のチャネル0からチャネル127の総計12
8チャネルのそれぞれの出力段に接続されたファイバ増
幅器1681〜168128と、これらのファイバ増幅器1
681〜168128のそれぞれに狭帯域フィルタ1691
〜169128及び光アイソレータ1701〜170128を
それぞれ介して接続された最終段のファイバ増幅器17
11〜171128等を備えている。この場合、図3からも
明らかなように、ファイバ増幅器168n、狭帯域化フ
ィルタ169n、光アイソレータ170n、及びファイバ
増幅器171n(n=1、2、……、128)によっ
て、それぞれ光経路172n(n=1、2、……、12
8)が構成されている。
【0090】光増幅部161の上記構成各部について更
に詳述すると、前記分岐及び遅延部167は、総計12
8チャネルのチャネルを有し、各チャネルの出力に所定
の遅延時間(ここでは、3ns)を与えるためのもので
ある。この分岐及び遅延部167は、本実施形態では、
EOM160Cから出力されるパルス光を35dB(3
162倍)の光増幅を行うエルビウム(Er)・ドープ
・ファイバ増幅器(EDFA)と、このEDFAの出力
をチャネル0〜3の4出力に並列分割する光分岐手段で
あるスプリッタ(平板導波路1×4スプリッタ)と、こ
のスプリッタのチャネル0〜3の各出力端に接続された
各々長さの異なる4本の光ファイバと、これら4本の光
ファイバの出力をそれぞれチャネル0〜31に32分割
する4つのスプリッタ(平板導波路1×32スプリッ
タ)と、各スプリッタのチャネル0を除くチャネル1〜
31にそれぞれ接続された長さの異なる各31本(総計
124本)の光ファイバとを含んで構成されている。以
下、上記各スプリッタ(平板導波路1×32スプリッ
タ)の0〜31チャネルを総称してブロックと呼ぶ。
に詳述すると、前記分岐及び遅延部167は、総計12
8チャネルのチャネルを有し、各チャネルの出力に所定
の遅延時間(ここでは、3ns)を与えるためのもので
ある。この分岐及び遅延部167は、本実施形態では、
EOM160Cから出力されるパルス光を35dB(3
162倍)の光増幅を行うエルビウム(Er)・ドープ
・ファイバ増幅器(EDFA)と、このEDFAの出力
をチャネル0〜3の4出力に並列分割する光分岐手段で
あるスプリッタ(平板導波路1×4スプリッタ)と、こ
のスプリッタのチャネル0〜3の各出力端に接続された
各々長さの異なる4本の光ファイバと、これら4本の光
ファイバの出力をそれぞれチャネル0〜31に32分割
する4つのスプリッタ(平板導波路1×32スプリッ
タ)と、各スプリッタのチャネル0を除くチャネル1〜
31にそれぞれ接続された長さの異なる各31本(総計
124本)の光ファイバとを含んで構成されている。以
下、上記各スプリッタ(平板導波路1×32スプリッ
タ)の0〜31チャネルを総称してブロックと呼ぶ。
【0091】これを更に詳述すると、上記初段のEDF
Aから出力されるパルス光は、ピーク出力約63W、平
均出力約6.3mWとなる。このパルス光がスプリッタ
(平板導波路1×4スプリッタ)によりチャネル0〜3
の4出力に並列分割され、各チャネルの出力光には、上
記4本の光ファイバ長に対応した遅延が与えられる。例
えば本実施形態では、光ファイバ中の光の伝搬速度を2
×108m/sであるとし、スプリッタ(平板導波路1
×4スプリッタ)のチャネル0、1、2、3にそれぞれ
0.1m、19.3m、38.5m、57.7mの長さ
の光ファイバ(以下、「第1の遅延ファイバ」と呼ぶ)
が接続されている。この場合、各第1の遅延ファイバ出
口での隣り合うチャネル間の光の遅延は96nsとな
る。
Aから出力されるパルス光は、ピーク出力約63W、平
均出力約6.3mWとなる。このパルス光がスプリッタ
(平板導波路1×4スプリッタ)によりチャネル0〜3
の4出力に並列分割され、各チャネルの出力光には、上
記4本の光ファイバ長に対応した遅延が与えられる。例
えば本実施形態では、光ファイバ中の光の伝搬速度を2
×108m/sであるとし、スプリッタ(平板導波路1
×4スプリッタ)のチャネル0、1、2、3にそれぞれ
0.1m、19.3m、38.5m、57.7mの長さ
の光ファイバ(以下、「第1の遅延ファイバ」と呼ぶ)
が接続されている。この場合、各第1の遅延ファイバ出
口での隣り合うチャネル間の光の遅延は96nsとな
る。
【0092】また、上記4つのスプリッタ(平板導波路
1×32スプリッタ)のチャネル1〜31には、それぞ
れ0.6×Nメートル(Nはチャネル番号)の長さの光
ファイバ(以下、「第2の遅延ファイバ」と呼ぶ)が接
続されている。この結果、各ブロック内の隣り合うチャ
ネル間では3nsの遅延が与えられ、各ブロックのチャ
ネル0出力に対し、チャネル31出力は、3×31=9
3nsの遅延が与えられる。
1×32スプリッタ)のチャネル1〜31には、それぞ
れ0.6×Nメートル(Nはチャネル番号)の長さの光
ファイバ(以下、「第2の遅延ファイバ」と呼ぶ)が接
続されている。この結果、各ブロック内の隣り合うチャ
ネル間では3nsの遅延が与えられ、各ブロックのチャ
ネル0出力に対し、チャネル31出力は、3×31=9
3nsの遅延が与えられる。
【0093】一方、第1から第4までの各ブロック間に
は、前記のように第1の遅延ファイバによって、各ブロ
ックの入力時点で各々96nsの遅延が与えられてい
る。従って、第2ブロックのチャネル0出力は第1ブロ
ックのチャネル0出力に対し96nsの遅延となり、第
1ブロックのチャネル31との遅延は3nsとなる。こ
のことは、第2〜第3、第3〜第4のブロック間におい
ても同様である。この結果、全体の出力として総計12
8チャネルの出力端で、隣り合うチャネル間に3nsの
遅延を持つパルス光が得られる。
は、前記のように第1の遅延ファイバによって、各ブロ
ックの入力時点で各々96nsの遅延が与えられてい
る。従って、第2ブロックのチャネル0出力は第1ブロ
ックのチャネル0出力に対し96nsの遅延となり、第
1ブロックのチャネル31との遅延は3nsとなる。こ
のことは、第2〜第3、第3〜第4のブロック間におい
ても同様である。この結果、全体の出力として総計12
8チャネルの出力端で、隣り合うチャネル間に3nsの
遅延を持つパルス光が得られる。
【0094】以上の分岐及び遅延により、総計128チ
ャネルの出力端では、隣り合うチャネル間で3nsの遅
延を持つパルス光が得られるが、このとき各々の出力端
で観測される光パルスは、EOM160Cによって変調
されたパルスと同じ100kHz(パルス周期10μ
s)である。従って、レーザ光発生部全体として見る
と、128パルスが3ns間隔で発生した後、9.62
μsの間隔を置いて次のパルス列が発生するという繰り
返しが100kHzで行われる。即ち全体の出力は12
8×100×103=1.28×107パルス/秒とな
る。
ャネルの出力端では、隣り合うチャネル間で3nsの遅
延を持つパルス光が得られるが、このとき各々の出力端
で観測される光パルスは、EOM160Cによって変調
されたパルスと同じ100kHz(パルス周期10μ
s)である。従って、レーザ光発生部全体として見る
と、128パルスが3ns間隔で発生した後、9.62
μsの間隔を置いて次のパルス列が発生するという繰り
返しが100kHzで行われる。即ち全体の出力は12
8×100×103=1.28×107パルス/秒とな
る。
【0095】なお本実施形態では、分割数を128と
し、また遅延用ファイバとして短いものを用いた例につ
いて説明した。このため各パルス列の間に9.62μs
の発光しない間隔が生じたが、分割数を増加させる、ま
たは遅延用ファイバをより長くして適切な長さとする、
あるいはこれらを組み合わせて用いることにより、パル
ス間隔を完全な等間隔とすることも可能である。
し、また遅延用ファイバとして短いものを用いた例につ
いて説明した。このため各パルス列の間に9.62μs
の発光しない間隔が生じたが、分割数を増加させる、ま
たは遅延用ファイバをより長くして適切な長さとする、
あるいはこれらを組み合わせて用いることにより、パル
ス間隔を完全な等間隔とすることも可能である。
【0096】前記ファイバ増幅器168n(n=1、
2、……、128)としては、ここでは、通常通信で用
いられているものと同様に光ファイバのモードフィール
ド径(以下「モード径」という)が5〜6μmのエルビ
ウム(Er)・ドープ・ファイバ増幅器(EDFA)が
用いられている。このファイバ増幅器168nによっ
て、分岐及び遅延部167の各チャネルからの出力光
が、所定の増幅利得に応じて増幅される。なお、このフ
ァイバ増幅器168nの励起光源等については後述す
る。
2、……、128)としては、ここでは、通常通信で用
いられているものと同様に光ファイバのモードフィール
ド径(以下「モード径」という)が5〜6μmのエルビ
ウム(Er)・ドープ・ファイバ増幅器(EDFA)が
用いられている。このファイバ増幅器168nによっ
て、分岐及び遅延部167の各チャネルからの出力光
が、所定の増幅利得に応じて増幅される。なお、このフ
ァイバ増幅器168nの励起光源等については後述す
る。
【0097】前記狭帯域フィルタ169n(n=1、
2、……、128)は、ファイバ増幅器168nで発生
するASE光をカットし、かつDFB半導体レーザ16
0Aの出力波長(波長幅は1pm程度以下)を透過させ
ることで、透過光の波長幅を実質的に狭帯化するもので
ある。これにより、ASE光が後段のファイバ増幅器1
71nに入射してレーザ光の増幅利得を低下させるのを
防止し、あるいはASEノイズの伝播によるレーザ光の
散乱を防止することができる。ここで、狭帯域フィルタ
169nはその透過波長幅が1pm程度であることが好
ましいが、ASE光の波長幅は数十nm程度であるの
で、現時点で得られる透過波長幅が100pm程度の狭
帯域フィルタを用いても実用上問題がない程度にASE
光をカットすることができる。
2、……、128)は、ファイバ増幅器168nで発生
するASE光をカットし、かつDFB半導体レーザ16
0Aの出力波長(波長幅は1pm程度以下)を透過させ
ることで、透過光の波長幅を実質的に狭帯化するもので
ある。これにより、ASE光が後段のファイバ増幅器1
71nに入射してレーザ光の増幅利得を低下させるのを
防止し、あるいはASEノイズの伝播によるレーザ光の
散乱を防止することができる。ここで、狭帯域フィルタ
169nはその透過波長幅が1pm程度であることが好
ましいが、ASE光の波長幅は数十nm程度であるの
で、現時点で得られる透過波長幅が100pm程度の狭
帯域フィルタを用いても実用上問題がない程度にASE
光をカットすることができる。
【0098】また、本実施形態では、後述するようにD
FB半導体レーザ160Aの出力波長を積極的に変化さ
せることがあるので、その出力波長の可変幅(本実施形
態の露光装置では一例として±20pm程度)に応じた
透過波長幅(可変幅と同程度以上)を持つ狭帯域フィル
タを用いておくことが好ましい。なお、露光装置に適用
されるレーザ装置ではその波長幅が1pm程度以下に設
定される。
FB半導体レーザ160Aの出力波長を積極的に変化さ
せることがあるので、その出力波長の可変幅(本実施形
態の露光装置では一例として±20pm程度)に応じた
透過波長幅(可変幅と同程度以上)を持つ狭帯域フィル
タを用いておくことが好ましい。なお、露光装置に適用
されるレーザ装置ではその波長幅が1pm程度以下に設
定される。
【0099】前記光アイソレータ170n(n=1、
2、……、128)は、先に説明した光アイソレータ1
60Bと同様に、戻り光の影響を低減するためのもので
ある。
2、……、128)は、先に説明した光アイソレータ1
60Bと同様に、戻り光の影響を低減するためのもので
ある。
【0100】前記ファイバ増幅器171n(n=1、
2、……、128)としては、ここでは、光ファイバ中
での非線形効果による増幅光のスペクトル幅の増加を避
けるため光ファイバのモード径が通常通信で用いられて
いるもの(5〜6μm)よりも広い、例えば20〜30
μmの大モード径のEDFAが用いられている。このフ
ァイバ増幅器171nは、前述したファイバ増幅器16
8nで増幅された分岐及び遅延部167の各チャネルか
らの光出力を更に増幅する。一例として、分岐及び遅延
部167での各チャネルの平均出力約50μW、全チャ
ネルでの平均出力約6.3mWを2段のファイバ増幅器
168n、171nによって合計46dB(40600
倍)の増幅を行うものとすると、各チャネルに対応する
光経路172nの出力端(ファイバ増幅器171nを構成
する光ファイバの出力端)では、ピーク出力20kW、
パルス幅1ns、パルス繰り返し100kHz、平均出
力2W、全チャネルでの平均出力256Wを得る。な
お、このファイバ増幅器171nの励起光源等について
も後述する。
2、……、128)としては、ここでは、光ファイバ中
での非線形効果による増幅光のスペクトル幅の増加を避
けるため光ファイバのモード径が通常通信で用いられて
いるもの(5〜6μm)よりも広い、例えば20〜30
μmの大モード径のEDFAが用いられている。このフ
ァイバ増幅器171nは、前述したファイバ増幅器16
8nで増幅された分岐及び遅延部167の各チャネルか
らの光出力を更に増幅する。一例として、分岐及び遅延
部167での各チャネルの平均出力約50μW、全チャ
ネルでの平均出力約6.3mWを2段のファイバ増幅器
168n、171nによって合計46dB(40600
倍)の増幅を行うものとすると、各チャネルに対応する
光経路172nの出力端(ファイバ増幅器171nを構成
する光ファイバの出力端)では、ピーク出力20kW、
パルス幅1ns、パルス繰り返し100kHz、平均出
力2W、全チャネルでの平均出力256Wを得る。な
お、このファイバ増幅器171nの励起光源等について
も後述する。
【0101】本実施形態では、分岐及び遅延部167で
の各チャネルに対応する光経路172nの出力端、すな
わちファイバ増幅器171nを構成する各光ファイバの
出力端は、バンドル状に束ねられ、図4に示されるよう
な断面形状を有するバンドル−ファイバ173が形成さ
れている。このとき、各光ファイバのクラッド直径は1
25μm程度であることから、128本を束ねた出力端
でのバンドルの直径は約2mm以下とすることができ
る。本実施形態では、バンドル−ファイバ173は最終
段のファイバ増幅器171nの出力端をそのまま用いて
形成しているが、最終段のファイバ増幅器171nに無
ドープの光ファイバを結合させ、その出力端でバンドル
−ファイバを形成することも可能である。
の各チャネルに対応する光経路172nの出力端、すな
わちファイバ増幅器171nを構成する各光ファイバの
出力端は、バンドル状に束ねられ、図4に示されるよう
な断面形状を有するバンドル−ファイバ173が形成さ
れている。このとき、各光ファイバのクラッド直径は1
25μm程度であることから、128本を束ねた出力端
でのバンドルの直径は約2mm以下とすることができ
る。本実施形態では、バンドル−ファイバ173は最終
段のファイバ増幅器171nの出力端をそのまま用いて
形成しているが、最終段のファイバ増幅器171nに無
ドープの光ファイバを結合させ、その出力端でバンドル
−ファイバを形成することも可能である。
【0102】なお、標準的なモード径を持つ前段のファ
イバ増幅器168nと、上記モード径の広い最終段のフ
ァイバ増幅器171nとの接続は、テーパ状にモード径
が増加する光ファイバを用いて行われている。
イバ増幅器168nと、上記モード径の広い最終段のフ
ァイバ増幅器171nとの接続は、テーパ状にモード径
が増加する光ファイバを用いて行われている。
【0103】次に、図5に基づいて各ファイバ増幅器の
励起用光源等について説明する。図5には、光増幅部1
61を構成するファイバ増幅器及びその周辺部が、波長
変換部163の一部とともに概略的に示されている。
励起用光源等について説明する。図5には、光増幅部1
61を構成するファイバ増幅器及びその周辺部が、波長
変換部163の一部とともに概略的に示されている。
【0104】この図5において、ファイバ増幅器168
nにはその励起用の半導体レーザ178がファイバー結
合されるとともに、この半導体レーザ178の出力が波
長分割多重化装置(Wavelength Division Multiplexer:
WDM)179を通してファイバ増幅器用ドープ・ファ
イバに入力し、それによりこのドープ・ファイバが励起
されるようになっている。
nにはその励起用の半導体レーザ178がファイバー結
合されるとともに、この半導体レーザ178の出力が波
長分割多重化装置(Wavelength Division Multiplexer:
WDM)179を通してファイバ増幅器用ドープ・ファ
イバに入力し、それによりこのドープ・ファイバが励起
されるようになっている。
【0105】一方大モード径をもつファイバ増幅器17
1nでは、上記のモード径の大きいファイバ増幅器用ド
ープ・ファイバを励起するための励起用光源としての半
導体レーザ174を、ファイバ増幅器用ドープ・ファイ
バの径に合わせた大モード径ファイバにファイバー結合
し、この半導体レーザ174の出力をWDM176を用
いて、光増幅器用ドープ・ファイバに入力し、ドープ・
ファイバを励起する。
1nでは、上記のモード径の大きいファイバ増幅器用ド
ープ・ファイバを励起するための励起用光源としての半
導体レーザ174を、ファイバ増幅器用ドープ・ファイ
バの径に合わせた大モード径ファイバにファイバー結合
し、この半導体レーザ174の出力をWDM176を用
いて、光増幅器用ドープ・ファイバに入力し、ドープ・
ファイバを励起する。
【0106】この大モード径ファイバ(ファイバ増幅
器)171nで増幅されたレーザ光は波長変換部163
に入射し、ここで紫外レーザ光に波長変換される。な
お、この波長変化部163の構成等については後述す
る。
器)171nで増幅されたレーザ光は波長変換部163
に入射し、ここで紫外レーザ光に波長変換される。な
お、この波長変化部163の構成等については後述す
る。
【0107】大モード径ファイバ(ファイバ増幅器)1
71nを伝播する増幅されるべきレーザ光(信号)は、
主に基本モードであることが望ましく、これは、シング
ルモードあるいはモード次数の低いマルチモードファイ
バにおいて、主に基本モードを選択的に励起することに
より実現できる。
71nを伝播する増幅されるべきレーザ光(信号)は、
主に基本モードであることが望ましく、これは、シング
ルモードあるいはモード次数の低いマルチモードファイ
バにおいて、主に基本モードを選択的に励起することに
より実現できる。
【0108】本実施形態では、大モード径ファイバに結
合された高出力半導体レーザを、前方向から4個及び後
方向から4個ファイバ結合している。ここで、励起用半
導体レーザ光を効率良く光増幅用ドープ・ファイバに結
合するためには、光増幅用ドープ・ファイバとして、ク
ラッドが2重構造となったダブルクラッド構造の光ファ
イバを用いることが望ましい。このとき、励起用半導体
レーザ光は、WDM176により、ダブルクラッドの内
側クラッドに導入される。
合された高出力半導体レーザを、前方向から4個及び後
方向から4個ファイバ結合している。ここで、励起用半
導体レーザ光を効率良く光増幅用ドープ・ファイバに結
合するためには、光増幅用ドープ・ファイバとして、ク
ラッドが2重構造となったダブルクラッド構造の光ファ
イバを用いることが望ましい。このとき、励起用半導体
レーザ光は、WDM176により、ダブルクラッドの内
側クラッドに導入される。
【0109】前記半導体レーザ178、174は、光量
制御装置16Cによって制御されるようになっている。
制御装置16Cによって制御されるようになっている。
【0110】また、本実施形態では、光経路172nを
構成する光ファイバとしてファイバ増幅器168n、1
71nが設けられているため、各ファイバ増幅器のゲイ
ンの差が各チャネルの光出力のばらつきとなる。このた
め、本実施形態では、各チャネルのファイバ増幅器(1
68n、171n)で出力の一部が分岐され、それぞれの
分岐端に設けられた光電変換素子180、181によっ
てそれぞれ光電変換されるようになっている。これらの
光電変換素子180、181の出力信号が光量制御装置
16Cに供給されるようになっている。
構成する光ファイバとしてファイバ増幅器168n、1
71nが設けられているため、各ファイバ増幅器のゲイ
ンの差が各チャネルの光出力のばらつきとなる。このた
め、本実施形態では、各チャネルのファイバ増幅器(1
68n、171n)で出力の一部が分岐され、それぞれの
分岐端に設けられた光電変換素子180、181によっ
てそれぞれ光電変換されるようになっている。これらの
光電変換素子180、181の出力信号が光量制御装置
16Cに供給されるようになっている。
【0111】光量制御装置16Cでは、各ファイバ増幅
器からの光出力が各増幅段で一定になるように(即ちバ
ランスするように)、各励起用半導体レーザ(178、
174)のドライブ電流をフィードバック制御するよう
になっている。
器からの光出力が各増幅段で一定になるように(即ちバ
ランスするように)、各励起用半導体レーザ(178、
174)のドライブ電流をフィードバック制御するよう
になっている。
【0112】さらに、本実施形態では、図5に示される
ように、波長変換部163の途中でビームスプリッタに
より分岐された光が光電変換素子182によって光電変
換され、該光電変換素子182の出力信号が光量制御装
置16Cに供給されるようになっている。光量制御装置
16Cでは、この光電変換素子182の出力信号に基づ
いて波長変換部163における光強度をモニタし、波長
変換部163からの光出力が所定の光出力となるよう
に、励起用半導体レーザ178、174の少なくとも一
方のドライブ電流をフィードバック制御する。
ように、波長変換部163の途中でビームスプリッタに
より分岐された光が光電変換素子182によって光電変
換され、該光電変換素子182の出力信号が光量制御装
置16Cに供給されるようになっている。光量制御装置
16Cでは、この光電変換素子182の出力信号に基づ
いて波長変換部163における光強度をモニタし、波長
変換部163からの光出力が所定の光出力となるよう
に、励起用半導体レーザ178、174の少なくとも一
方のドライブ電流をフィードバック制御する。
【0113】このような構成とすることにより、各増幅
段毎に各チャネルのファイバ増幅器の増幅率が一定化さ
れるため、各ファイバ増幅器間に偏った負荷がかかるこ
とがなく全体として均一な光強度が得られる。また、波
長変換部163における光強度をモニタすることによ
り、予定される所定の光強度を各増幅段にフィードバッ
クし、所望の紫外光出力を安定して得ることができる。
段毎に各チャネルのファイバ増幅器の増幅率が一定化さ
れるため、各ファイバ増幅器間に偏った負荷がかかるこ
とがなく全体として均一な光強度が得られる。また、波
長変換部163における光強度をモニタすることによ
り、予定される所定の光強度を各増幅段にフィードバッ
クし、所望の紫外光出力を安定して得ることができる。
【0114】なお、光量制御装置16Cについては、後
に更に詳述する。
に更に詳述する。
【0115】上述のようにして構成された光増幅部16
1(バンドル−ファイバ173を形成する各光ファイバ
出力端)からはパルス光がすべて円偏光に揃えられて出
力される。これら円偏光であるパルス光は、四分の一波
長板162(図2参照)によって、すべて偏光方向が同
一方向となる直線偏光に変換され、次段の波長変換部1
63に入射する。
1(バンドル−ファイバ173を形成する各光ファイバ
出力端)からはパルス光がすべて円偏光に揃えられて出
力される。これら円偏光であるパルス光は、四分の一波
長板162(図2参照)によって、すべて偏光方向が同
一方向となる直線偏光に変換され、次段の波長変換部1
63に入射する。
【0116】前記波長変換部163は、複数の非線形光
学結晶を含み、前記増幅されたパルス光(波長1.54
4μmの光)をその8倍高調波又は10倍高調波に波長
変換して、ArFエキシマレーザと同じ出力波長(19
3nm)あるいはF2レーザと同じ出力波長(157n
m)のパルス紫外光を発生する。
学結晶を含み、前記増幅されたパルス光(波長1.54
4μmの光)をその8倍高調波又は10倍高調波に波長
変換して、ArFエキシマレーザと同じ出力波長(19
3nm)あるいはF2レーザと同じ出力波長(157n
m)のパルス紫外光を発生する。
【0117】図6(A)、(B)には、この波長変換部
163の構成例が示されている。ここで、これらの図に
基づいて波長変換部163の具体例について説明する。
163の構成例が示されている。ここで、これらの図に
基づいて波長変換部163の具体例について説明する。
【0118】図6(A)は、バンドル−ファイバ173
の出力端から射出される波長1.544μmの基本波
を、非線形光学結晶を用いて8倍波(高調波)に波長変
換して、ArFエキシマレーザと同じ波長である193
nmの紫外光を発生する構成例を示す。また、図6
(B)は、バンドル−ファイバ173の出力端から射出
される波長1.57μmの基本波を非線形光学結晶を用
いて10倍波の高調波発生を行い、F2レーザと同じ波
長である157nmの紫外光を発生する構成例を示す。
の出力端から射出される波長1.544μmの基本波
を、非線形光学結晶を用いて8倍波(高調波)に波長変
換して、ArFエキシマレーザと同じ波長である193
nmの紫外光を発生する構成例を示す。また、図6
(B)は、バンドル−ファイバ173の出力端から射出
される波長1.57μmの基本波を非線形光学結晶を用
いて10倍波の高調波発生を行い、F2レーザと同じ波
長である157nmの紫外光を発生する構成例を示す。
【0119】図6(A)の波長変換部では、基本波(波
長1.544μm)→2倍波(波長772nm)→3倍
波(波長515nm)→4倍波(波長386nm)→7
倍波(波長221nm)→8倍波(波長193nm)の
順に波長変換が行われる。
長1.544μm)→2倍波(波長772nm)→3倍
波(波長515nm)→4倍波(波長386nm)→7
倍波(波長221nm)→8倍波(波長193nm)の
順に波長変換が行われる。
【0120】これを更に詳述すると、バンドル−ファイ
バ173の出力端から出力される波長1.544μm
(周波数ω)の基本波は、1段目の非線形光学結晶53
3に入射する。基本波がこの非線形光学結晶533を通
る際に、2次高調波発生により基本波の周波数ωの2
倍、すなわち周波数2ω(波長は1/2の772nm)
の2倍波が発生する。
バ173の出力端から出力される波長1.544μm
(周波数ω)の基本波は、1段目の非線形光学結晶53
3に入射する。基本波がこの非線形光学結晶533を通
る際に、2次高調波発生により基本波の周波数ωの2
倍、すなわち周波数2ω(波長は1/2の772nm)
の2倍波が発生する。
【0121】この1段目の非線形光学結晶533とし
て、LiB3O5(LBO)結晶が用いられ、基本波を2
倍波に波長変換するための位相整合にLBO結晶の温度
調節による方法、NCPM(Non-Critical Phase Match
ing)が使用される。NCPMは、非線形光学結晶内で
の基本波と第二高調波との角度ずれ(Walk-off)が起こら
ないため高効率で2倍波への変換を可能にし、また発生
した2倍波はWalk-offによるビームの変形も受けないた
め有利である。
て、LiB3O5(LBO)結晶が用いられ、基本波を2
倍波に波長変換するための位相整合にLBO結晶の温度
調節による方法、NCPM(Non-Critical Phase Match
ing)が使用される。NCPMは、非線形光学結晶内で
の基本波と第二高調波との角度ずれ(Walk-off)が起こら
ないため高効率で2倍波への変換を可能にし、また発生
した2倍波はWalk-offによるビームの変形も受けないた
め有利である。
【0122】非線形光学結晶533で波長変換されずに
透過した基本波と、波長変換で発生した2倍波とは、次
段の波長板534でそれぞれ半波長、1波長の遅延が与
えられて、基本波のみその偏光方向が90度回転し、2
段目の非線形光学結晶536に入射する。2段目の非線
形光学結晶536としてLBO結晶が用いられるととも
に、そのLBO結晶は1段目の非線形光学結晶(LBO
結晶)533とは温度が異なるNCPMで使用される。
この非線形光学結晶536では、1段目の非線形光学結
晶533で発生した2倍波と、波長変換されずにその非
線形光学結晶533を透過した基本波とから和周波発生
により3倍波(波長515nm)を得る。
透過した基本波と、波長変換で発生した2倍波とは、次
段の波長板534でそれぞれ半波長、1波長の遅延が与
えられて、基本波のみその偏光方向が90度回転し、2
段目の非線形光学結晶536に入射する。2段目の非線
形光学結晶536としてLBO結晶が用いられるととも
に、そのLBO結晶は1段目の非線形光学結晶(LBO
結晶)533とは温度が異なるNCPMで使用される。
この非線形光学結晶536では、1段目の非線形光学結
晶533で発生した2倍波と、波長変換されずにその非
線形光学結晶533を透過した基本波とから和周波発生
により3倍波(波長515nm)を得る。
【0123】次に、非線形光学結晶536で得られた3
倍波と、波長変換されずにその非線形光学結晶536を
透過した基本波および2倍波とは、ダイクロイック・ミ
ラー537により分離され、ここで反射された3倍波は
集光レンズ540、及びダイクロイック・ミラー543
を通って4段目の非線形光学結晶545に入射する。一
方、ダイクロイック・ミラー537を透過した基本波お
よび2倍波は、集光レンズ538を通って3段目の非線
形光学結晶539に入射する。
倍波と、波長変換されずにその非線形光学結晶536を
透過した基本波および2倍波とは、ダイクロイック・ミ
ラー537により分離され、ここで反射された3倍波は
集光レンズ540、及びダイクロイック・ミラー543
を通って4段目の非線形光学結晶545に入射する。一
方、ダイクロイック・ミラー537を透過した基本波お
よび2倍波は、集光レンズ538を通って3段目の非線
形光学結晶539に入射する。
【0124】3段目の非線形光学結晶539としてはL
BO結晶が用いられ、基本波が波長変換されずにそのL
BO結晶を透過するとともに、2倍波がLBO結晶で2
次高調波発生により4倍波(波長386nm)に変換さ
れる。非線形光学結晶539で得られた4倍波とそれを
透過した基本波とは、ダイクロイック・ミラー541に
より分離され、ここを透過した基本波は集光レンズ54
4を通るとともに、ダイクロイックミラー546で反射
されて5段目の非線形光学結晶548に入射する。一
方、ダイクロイック・ミラー541で反射された4倍波
は、集光レンズ542を通ってダイクロイック・ミラー
543に達し、ここでダイクロイック・ミラー537で
反射された3倍波と同軸に合成されて4段目の非線形光
学結晶545に入射する。
BO結晶が用いられ、基本波が波長変換されずにそのL
BO結晶を透過するとともに、2倍波がLBO結晶で2
次高調波発生により4倍波(波長386nm)に変換さ
れる。非線形光学結晶539で得られた4倍波とそれを
透過した基本波とは、ダイクロイック・ミラー541に
より分離され、ここを透過した基本波は集光レンズ54
4を通るとともに、ダイクロイックミラー546で反射
されて5段目の非線形光学結晶548に入射する。一
方、ダイクロイック・ミラー541で反射された4倍波
は、集光レンズ542を通ってダイクロイック・ミラー
543に達し、ここでダイクロイック・ミラー537で
反射された3倍波と同軸に合成されて4段目の非線形光
学結晶545に入射する。
【0125】4段目の非線形光学結晶545としては、
β−BaB2O4(BBO)結晶が用いられ、3倍波と4
倍波とから和周波発生により7倍波(波長221nm)
を得る。非線形光学結晶545で得られた7倍波は集光
レンズ547を通るとともに、ダイクロイック・ミラー
546で、ダイクロイック・ミラー541を透過した基
本波と同軸に合成されて、5段目の非線形光学結晶54
8に入射する。
β−BaB2O4(BBO)結晶が用いられ、3倍波と4
倍波とから和周波発生により7倍波(波長221nm)
を得る。非線形光学結晶545で得られた7倍波は集光
レンズ547を通るとともに、ダイクロイック・ミラー
546で、ダイクロイック・ミラー541を透過した基
本波と同軸に合成されて、5段目の非線形光学結晶54
8に入射する。
【0126】5段目の非線形光学結晶548としてLB
O結晶が用いられ、基本波と7倍波とから和周波発生に
より8倍波(波長193nm)を得る。上記構成におい
て、7倍波発生用BBO結晶545、及び8倍波発生用
LBO結晶548のかわりに、CsLiB6O10(CL
BO)結晶、あるいはLi2B4O7(LB4)結晶を用
いることも可能である。
O結晶が用いられ、基本波と7倍波とから和周波発生に
より8倍波(波長193nm)を得る。上記構成におい
て、7倍波発生用BBO結晶545、及び8倍波発生用
LBO結晶548のかわりに、CsLiB6O10(CL
BO)結晶、あるいはLi2B4O7(LB4)結晶を用
いることも可能である。
【0127】この図6(A)の構成例では、4段目の非
線形光学結晶545に3倍波と4倍波とが互いに異なる
光路を通って入射するので、3倍波を集光するレンズ5
40と、4倍波を集光するレンズ542とを別々の光路
に置くことができる。3段目の非線形光学結晶539で
発生した4倍波はその断面形状がWalk-off現象により長
円形になっている。このため、4段目の非線形光学結晶
545で良好な変換効率を得るためには、その4倍波の
ビーム整形を行うことが望ましい。この場合、集光レン
ズ540、542を別々の光路に配置しているので、例
えばレンズ542としてシリンドリカルレンズ対を用い
ることができ、4倍波のビーム整形を容易に行うことが
可能となる。このため、4段目の非線形光学結晶(BB
O結晶)545での3倍波との重なりを良好にし、変換
効率を高めることが可能である。
線形光学結晶545に3倍波と4倍波とが互いに異なる
光路を通って入射するので、3倍波を集光するレンズ5
40と、4倍波を集光するレンズ542とを別々の光路
に置くことができる。3段目の非線形光学結晶539で
発生した4倍波はその断面形状がWalk-off現象により長
円形になっている。このため、4段目の非線形光学結晶
545で良好な変換効率を得るためには、その4倍波の
ビーム整形を行うことが望ましい。この場合、集光レン
ズ540、542を別々の光路に配置しているので、例
えばレンズ542としてシリンドリカルレンズ対を用い
ることができ、4倍波のビーム整形を容易に行うことが
可能となる。このため、4段目の非線形光学結晶(BB
O結晶)545での3倍波との重なりを良好にし、変換
効率を高めることが可能である。
【0128】さらに、5段目の非線形光学結晶548に
入射する基本波を集光するレンズ544と、7倍波を集
光するレンズ547とを別々の光路に置くことができ
る。4段目の非線形光学結晶545で発生した7倍波は
その断面形状がWalk-off現象により長円形になってい
る。このため、5段目の非線形光学結晶548で良好な
変換効率を得るためには、その7倍波のビーム整形を行
うことが好ましい。本実施例では、集光レンズ544、
547を別々の光路に配置することができるので、例え
ばレンズ547としてシリンドリカルレンズ対を用いる
ことができ、7倍波のビーム整形を容易に行うことが可
能となる。このため、5段目の非線形光学結晶(LBO
結晶)548での基本波との重なりを良好にし、変換効
率を高めることが可能である。
入射する基本波を集光するレンズ544と、7倍波を集
光するレンズ547とを別々の光路に置くことができ
る。4段目の非線形光学結晶545で発生した7倍波は
その断面形状がWalk-off現象により長円形になってい
る。このため、5段目の非線形光学結晶548で良好な
変換効率を得るためには、その7倍波のビーム整形を行
うことが好ましい。本実施例では、集光レンズ544、
547を別々の光路に配置することができるので、例え
ばレンズ547としてシリンドリカルレンズ対を用いる
ことができ、7倍波のビーム整形を容易に行うことが可
能となる。このため、5段目の非線形光学結晶(LBO
結晶)548での基本波との重なりを良好にし、変換効
率を高めることが可能である。
【0129】なお、2段目の非線形光学結晶536と4
段目の非線形光学結晶545との間の構成は図6(A)
に限られるものではなく、非線形光学結晶536から発
生してダイクロイック・ミラー537で反射される3倍
波と、非線形光学結晶536から発生してダイクロイッ
ク・ミラー537を透過する2倍波を非線形光学結晶5
39で波長変換して得られる4倍波とが同時に非線形光
学結晶545に入射するように、両非線形光学結晶53
6、545間の2つの光路長が等しくなっていれば、い
かなる構成であっても構わない。このことは3段目の非
線形光学結晶539と5段目の非線形光学結晶548と
の間でも同様である。
段目の非線形光学結晶545との間の構成は図6(A)
に限られるものではなく、非線形光学結晶536から発
生してダイクロイック・ミラー537で反射される3倍
波と、非線形光学結晶536から発生してダイクロイッ
ク・ミラー537を透過する2倍波を非線形光学結晶5
39で波長変換して得られる4倍波とが同時に非線形光
学結晶545に入射するように、両非線形光学結晶53
6、545間の2つの光路長が等しくなっていれば、い
かなる構成であっても構わない。このことは3段目の非
線形光学結晶539と5段目の非線形光学結晶548と
の間でも同様である。
【0130】発明者の行った実験によれば、図6(A)
の場合、各チャネル当たりの8倍波(波長193nm)
の平均出力は、45.9mWであった。従って、全12
8チャネルを合わせたバンドルからの平均出力は5.9
Wとなり、露光装置用光源として十分な出力の、波長1
93nmの紫外光を提供することができる。
の場合、各チャネル当たりの8倍波(波長193nm)
の平均出力は、45.9mWであった。従って、全12
8チャネルを合わせたバンドルからの平均出力は5.9
Wとなり、露光装置用光源として十分な出力の、波長1
93nmの紫外光を提供することができる。
【0131】この場合、8倍波(193nm)の発生
に、現在、市販品として良質の結晶が容易に入手可能な
LBO結晶が用いられている。このLBO結晶は、19
3nmの紫外光の吸収係数が非常に小さく、結晶の光損
傷が問題とならないため耐久性の面で有利である。
に、現在、市販品として良質の結晶が容易に入手可能な
LBO結晶が用いられている。このLBO結晶は、19
3nmの紫外光の吸収係数が非常に小さく、結晶の光損
傷が問題とならないため耐久性の面で有利である。
【0132】また、8倍波(例えば波長193nm)の
発生部ではLBO結晶を角度位相整合させて用いるが、
この位相整合角が大きいために実効非線形光学定数(d
eff)が小さくなる。そこで、このLBO結晶に温度制
御機構を設け、LBO結晶を高温で用いることが好まし
い。これにより、位相整合角を小さくすることができ
る、即ち上記定数(deff)を増加させることができ、
8倍波発生効率を向上させることができる。
発生部ではLBO結晶を角度位相整合させて用いるが、
この位相整合角が大きいために実効非線形光学定数(d
eff)が小さくなる。そこで、このLBO結晶に温度制
御機構を設け、LBO結晶を高温で用いることが好まし
い。これにより、位相整合角を小さくすることができ
る、即ち上記定数(deff)を増加させることができ、
8倍波発生効率を向上させることができる。
【0133】図6(B)の波長変換部では、基本波(波
長1.57μm)→2倍波(波長785nm)→4倍波
(波長392.5nm)→8倍波(波長196.25n
m)→10倍波(波長157nm)の順に波長変換す
る。本構成例では2倍波発生から8倍波発生までの各波
長変換段において、各波長変換段に入射された波長の2
次高調波発生を行っている。
長1.57μm)→2倍波(波長785nm)→4倍波
(波長392.5nm)→8倍波(波長196.25n
m)→10倍波(波長157nm)の順に波長変換す
る。本構成例では2倍波発生から8倍波発生までの各波
長変換段において、各波長変換段に入射された波長の2
次高調波発生を行っている。
【0134】また、本構成例では波長変換に使用する非
線型光学結晶として、基本波から2次高調波発生により
2倍波を発生する非線形光学結晶602としてLBO結
晶を使用し、2倍波から2次高調波発生により4倍波を
発生する非線形光学結晶604としてLBO結晶を使用
する。さらに、4倍波から2次高調波発生により8倍波
を発生する非線形光学結晶609にはSr2Be2B2O7
(SBBO)結晶を使用し、2倍波と8倍波とから和周
波発生により10倍波(波長157nm)を発生する非
線形光学結晶611にはSBBO結晶を使用する。
線型光学結晶として、基本波から2次高調波発生により
2倍波を発生する非線形光学結晶602としてLBO結
晶を使用し、2倍波から2次高調波発生により4倍波を
発生する非線形光学結晶604としてLBO結晶を使用
する。さらに、4倍波から2次高調波発生により8倍波
を発生する非線形光学結晶609にはSr2Be2B2O7
(SBBO)結晶を使用し、2倍波と8倍波とから和周
波発生により10倍波(波長157nm)を発生する非
線形光学結晶611にはSBBO結晶を使用する。
【0135】なお、非線形光学結晶602から発生する
2倍波は、集光レンズ603を通って非線形光学結晶6
04に入射し、この非線形光学結晶604は前述の4倍
波と波長変換されない2倍波とを発生する。次に、ダイ
クロイック・ミラー605を透過する2倍波は集光レン
ズ606を通るとともに、ダイクロイック・ミラー60
7で反射されて非線形光学結晶611に入射する。一
方、ダイクロイック・ミラー605で反射された4倍波
は、集光レンズ608を通って非線形光学結晶609に
入射し、ここで発生される8倍波は集光レンズ610、
及びダイクロイック・ミラー607を通って非線形光学
結晶611に入射する。さらに非線形光学結晶611
は、ダイクロイック・ミラー607で同軸に合成される
2倍波と8倍波とから和周波発生により10倍波(波長
157nm)を発生する。
2倍波は、集光レンズ603を通って非線形光学結晶6
04に入射し、この非線形光学結晶604は前述の4倍
波と波長変換されない2倍波とを発生する。次に、ダイ
クロイック・ミラー605を透過する2倍波は集光レン
ズ606を通るとともに、ダイクロイック・ミラー60
7で反射されて非線形光学結晶611に入射する。一
方、ダイクロイック・ミラー605で反射された4倍波
は、集光レンズ608を通って非線形光学結晶609に
入射し、ここで発生される8倍波は集光レンズ610、
及びダイクロイック・ミラー607を通って非線形光学
結晶611に入射する。さらに非線形光学結晶611
は、ダイクロイック・ミラー607で同軸に合成される
2倍波と8倍波とから和周波発生により10倍波(波長
157nm)を発生する。
【0136】ところで、本構成例では2段目の非線形光
学結晶604から発生する2倍波と4倍波とをダイクロ
イック・ミラー605で分岐することで、ここを透過し
た2倍波と、4倍波を非線形光学結晶609で波長変換
して得られる8倍波とが互いに異なる光路を通って4段
目の非線形光学結晶611に入射するように構成した
が、ダイクロイック・ミラー605、607を用いずに
4つの非線形光学結晶602、604、609、611
を同一光軸上に配置しても良い。
学結晶604から発生する2倍波と4倍波とをダイクロ
イック・ミラー605で分岐することで、ここを透過し
た2倍波と、4倍波を非線形光学結晶609で波長変換
して得られる8倍波とが互いに異なる光路を通って4段
目の非線形光学結晶611に入射するように構成した
が、ダイクロイック・ミラー605、607を用いずに
4つの非線形光学結晶602、604、609、611
を同一光軸上に配置しても良い。
【0137】但し、本構成例では2段目の非線形光学結
晶604で発生した4倍波はその断面形状がWalk-off現
象により長円形になっている。このため、このビームを
入力とする4段目の非線形光学結晶611で良好な変換
効率を得るためには、入射ビームとなる4倍波のビーム
形状を整形し、2倍波との重なりを良好にすることが望
ましい。本構成例では、集光レンズ606、608を別
々の光路に配置することができるので、例えばレンズ6
08としてシリンドリカルレンズを用いることが可能に
なり、4倍波のビーム整形を容易に行うことができる。
このため、4段目の非線形光学結晶611での2倍波と
の重なりを良好にし、変換効率を高めることが可能であ
る。
晶604で発生した4倍波はその断面形状がWalk-off現
象により長円形になっている。このため、このビームを
入力とする4段目の非線形光学結晶611で良好な変換
効率を得るためには、入射ビームとなる4倍波のビーム
形状を整形し、2倍波との重なりを良好にすることが望
ましい。本構成例では、集光レンズ606、608を別
々の光路に配置することができるので、例えばレンズ6
08としてシリンドリカルレンズを用いることが可能に
なり、4倍波のビーム整形を容易に行うことができる。
このため、4段目の非線形光学結晶611での2倍波と
の重なりを良好にし、変換効率を高めることが可能であ
る。
【0138】なお、上記図6(A)、(B)に示される
波長変換部は一例であって、本発明の波長変換部の構成
がこれに限定されないことは勿論である。
波長変換部は一例であって、本発明の波長変換部の構成
がこれに限定されないことは勿論である。
【0139】図2に戻り、前記ビームモニタ機構164
は、ここではファブリペロー・エタロン(Fabry-Perot
etalon:以下、「エタロン素子」ともいう)、及びフォ
トダイオード等の光電変換素子から成るエネルギモニタ
(いずれも図示省略)から構成されている。ビームモニ
タ機構164を構成するエタロン素子に入射した光は、
エタロン素子の共鳴周波数と入射光の周波数との周波数
差に対応した透過率で透過し、その透過光強度を検出す
るフォトダイオード等の出力信号がレーザ制御装置16
Bに供給される。レーザ制御装置16Bではこの信号に
所定の信号処理を施すことにより、ビームモニタ機構1
64、具体的にはエタロン素子に対する入射光の光学特
性に関する情報(具体的は、入射光の中心波長及び波長
幅(スペクトル半値幅)等を得る。そして、この光学特
性に関する情報は、リアルタイムで主制御装置50に通
知される。
は、ここではファブリペロー・エタロン(Fabry-Perot
etalon:以下、「エタロン素子」ともいう)、及びフォ
トダイオード等の光電変換素子から成るエネルギモニタ
(いずれも図示省略)から構成されている。ビームモニ
タ機構164を構成するエタロン素子に入射した光は、
エタロン素子の共鳴周波数と入射光の周波数との周波数
差に対応した透過率で透過し、その透過光強度を検出す
るフォトダイオード等の出力信号がレーザ制御装置16
Bに供給される。レーザ制御装置16Bではこの信号に
所定の信号処理を施すことにより、ビームモニタ機構1
64、具体的にはエタロン素子に対する入射光の光学特
性に関する情報(具体的は、入射光の中心波長及び波長
幅(スペクトル半値幅)等を得る。そして、この光学特
性に関する情報は、リアルタイムで主制御装置50に通
知される。
【0140】エタロン素子の生成する透過光強度の周波
数特性は、雰囲気の温度や圧力の影響を受け、特にその
共鳴周波数(共鳴波長)は温度依存性がある。このた
め、このエタロン素子の検出結果に基づいてレーザ光源
160Aから発振されるレーザ光の中心波長を精度良く
制御するためには、この共鳴波長の温度依存性を調べて
おくことが重要である。本実施形態では、この共鳴波長
の温度依存性を予め計測し、この計測結果が温度依存性
マップとして主制御装置50に併設された記憶装置とし
てのメモリ51(図1参照)に記憶されている。なお、
この温度依存性マップは、メモリ51内にテーブルの形
で持たせても良いし、関数又は係数として持たせても良
い。
数特性は、雰囲気の温度や圧力の影響を受け、特にその
共鳴周波数(共鳴波長)は温度依存性がある。このた
め、このエタロン素子の検出結果に基づいてレーザ光源
160Aから発振されるレーザ光の中心波長を精度良く
制御するためには、この共鳴波長の温度依存性を調べて
おくことが重要である。本実施形態では、この共鳴波長
の温度依存性を予め計測し、この計測結果が温度依存性
マップとして主制御装置50に併設された記憶装置とし
てのメモリ51(図1参照)に記憶されている。なお、
この温度依存性マップは、メモリ51内にテーブルの形
で持たせても良いし、関数又は係数として持たせても良
い。
【0141】そして、主制御装置50では、ビームモニ
タ機構164の後述する絶対波長キャリブレーションの
際等に、温度依存性マップに基づいて、エタロン素子の
透過率が最大となる共鳴波長(検出基準波長)が設定波
長に正確に一致するようにするため、レーザ制御装置1
6Bに指示を与えて、ビームモニタ機構164内のエタ
ロン素子の温度を積極的に制御するようになっている。
タ機構164の後述する絶対波長キャリブレーションの
際等に、温度依存性マップに基づいて、エタロン素子の
透過率が最大となる共鳴波長(検出基準波長)が設定波
長に正確に一致するようにするため、レーザ制御装置1
6Bに指示を与えて、ビームモニタ機構164内のエタ
ロン素子の温度を積極的に制御するようになっている。
【0142】また、ビームモニタ機構164を構成する
エネルギモニタの出力は、主制御装置50に供給されて
おり、主制御装置50ではエネルギモニタの出力に基づ
いてレーザ光のエネルギパワーを検出し、レーザ制御装
置16Bを介してDFB半導体レーザ160Aで発振さ
れるレーザ光の光量を必要に応じて制御したり、DFB
半導体レーザ160Aをオフしたりする。但し、本実施
形態では、後述するように、通常の光量制御(露光量制
御)は、主として光量制御装置16Cにより、EOM1
60Cの出力パルス光のピークパワーあるいは周波数の
制御、又は光増幅部161を構成する各ファイバ増幅器
の出力光のオン・オフ制御によって行われるので、レー
ザ光のエネルギパワーが何らかの原因で大きく変動した
場合に主制御装置50がレーザ制御装置16Bを上記の
如く制御することとなる。
エネルギモニタの出力は、主制御装置50に供給されて
おり、主制御装置50ではエネルギモニタの出力に基づ
いてレーザ光のエネルギパワーを検出し、レーザ制御装
置16Bを介してDFB半導体レーザ160Aで発振さ
れるレーザ光の光量を必要に応じて制御したり、DFB
半導体レーザ160Aをオフしたりする。但し、本実施
形態では、後述するように、通常の光量制御(露光量制
御)は、主として光量制御装置16Cにより、EOM1
60Cの出力パルス光のピークパワーあるいは周波数の
制御、又は光増幅部161を構成する各ファイバ増幅器
の出力光のオン・オフ制御によって行われるので、レー
ザ光のエネルギパワーが何らかの原因で大きく変動した
場合に主制御装置50がレーザ制御装置16Bを上記の
如く制御することとなる。
【0143】前記吸収セル165は、DFB半導体レー
ザ160Aの発振波長の絶対波長キャリブレーション、
すなわちビームモニタ機構164の絶対波長キャリブレ
ーションのための絶対波長源である。本実施形態では、
この吸収セル165として、レーザ光源として発振波長
1.544μmのDFB半導体レーザ160Aが用いら
れている関係から、この波長近傍の波長帯域に吸収線が
密に存在するアセチレンの同位体が用いられている。
ザ160Aの発振波長の絶対波長キャリブレーション、
すなわちビームモニタ機構164の絶対波長キャリブレ
ーションのための絶対波長源である。本実施形態では、
この吸収セル165として、レーザ光源として発振波長
1.544μmのDFB半導体レーザ160Aが用いら
れている関係から、この波長近傍の波長帯域に吸収線が
密に存在するアセチレンの同位体が用いられている。
【0144】なお、後述するように、レーザ光の波長の
モニタ用の光として、基本波とともにあるいはこれに代
えて、上述した波長変換部163の中間波(2倍波、3
倍波、4倍波等)あるいは波長変換後の光を選択する場
合には、それらの中間波等の波長帯域に吸収線が密に存
在する吸収セルを用いれば良い。例えば、波長のモニタ
用の光として、3倍波を選択する場合には、波長503
nm〜530nmの近傍に吸収線が密に存在するヨウ素
分子を吸収セルとして用い、そのヨウ素分子の適切な吸
収線を選んでその波長を絶対波長とすれば良い。
モニタ用の光として、基本波とともにあるいはこれに代
えて、上述した波長変換部163の中間波(2倍波、3
倍波、4倍波等)あるいは波長変換後の光を選択する場
合には、それらの中間波等の波長帯域に吸収線が密に存
在する吸収セルを用いれば良い。例えば、波長のモニタ
用の光として、3倍波を選択する場合には、波長503
nm〜530nmの近傍に吸収線が密に存在するヨウ素
分子を吸収セルとして用い、そのヨウ素分子の適切な吸
収線を選んでその波長を絶対波長とすれば良い。
【0145】また、絶対波長源としては、吸収セルに限
らず、絶対波長光源を用いても良い。
らず、絶対波長光源を用いても良い。
【0146】前記レーザ制御装置16Bは、主制御装置
50の管理の下、ビームモニタ機構164の出力に基づ
いてレーザ光の中心波長及びスペクトル半値幅を検出
し、中心波長が所望の値(設定波長)となるようにDF
B半導体レーザ160Aの温度制御及び電流制御をフィ
ードバック制御にて行う。本実施形態では、DFB半導
体レーザ160Aの温度を0.001℃単位で制御する
ことが可能となっている。
50の管理の下、ビームモニタ機構164の出力に基づ
いてレーザ光の中心波長及びスペクトル半値幅を検出
し、中心波長が所望の値(設定波長)となるようにDF
B半導体レーザ160Aの温度制御及び電流制御をフィ
ードバック制御にて行う。本実施形態では、DFB半導
体レーザ160Aの温度を0.001℃単位で制御する
ことが可能となっている。
【0147】また、このレーザ制御装置16Bは、主制
御装置50からの指示に応じて、DFB半導体レーザ1
60Aのパルス出力と連続出力との切替、及びそのパル
ス出力時における出力間隔やパルス幅などの制御を行う
とともに、パルス光の出力変動を補償するように、DF
B半導体レーザ160Aの発振制御を行う。
御装置50からの指示に応じて、DFB半導体レーザ1
60Aのパルス出力と連続出力との切替、及びそのパル
ス出力時における出力間隔やパルス幅などの制御を行う
とともに、パルス光の出力変動を補償するように、DF
B半導体レーザ160Aの発振制御を行う。
【0148】このようにして、レーザ制御装置16Bで
は、発振波長を安定化して一定の波長に制御したり、あ
るいは出力波長を微調整する。逆に、このレーザ制御装
置16Bは、主制御装置50からの指示に応じて、DF
B半導体レーザ160Aの発振波長を積極的に変化させ
てその出力波長を調整することもある。これについて
は、更に後述する。
は、発振波長を安定化して一定の波長に制御したり、あ
るいは出力波長を微調整する。逆に、このレーザ制御装
置16Bは、主制御装置50からの指示に応じて、DF
B半導体レーザ160Aの発振波長を積極的に変化させ
てその出力波長を調整することもある。これについて
は、更に後述する。
【0149】次に、DFB半導体レーザで発振されるレ
ーザ光の波長安定化制御方法について説明する。
ーザ光の波長安定化制御方法について説明する。
【0150】まず、波長安定化制御の前提となるビーム
モニタ機構164内のエタロン素子の絶対波長キャリブ
レーションについて説明する。
モニタ機構164内のエタロン素子の絶対波長キャリブ
レーションについて説明する。
【0151】前述の如く、本実施形態では、DFB半導
体レーザ160Aの発振波長及びビームモニタ機構16
4内のエタロン素子の共鳴波長(λres)の温度依存性
が予め測定され、その測定結果がメモリ51に記憶され
ている。
体レーザ160Aの発振波長及びビームモニタ機構16
4内のエタロン素子の共鳴波長(λres)の温度依存性
が予め測定され、その測定結果がメモリ51に記憶され
ている。
【0152】そこで、エタロン素子の絶対波長キャリブ
レーションに際して、主制御装置50では、レーザ制御
装置16Bを介してDFB半導体レーザ160Aを発振
させた状態で、レーザ制御装置16Bを介して吸収セル
165の透過率が最大となる設定波長(λset)に最も
近い、あるいは一致する波長(λref)の吸収線を選択
するとともに、そのときエタロン素子の透過率が最大と
なるように、レーザ制御装置16Bに指示を与えてビー
ムモニタ機構164内のエタロン素子の温度を制御す
る。すなわち、エタロン素子の共鳴波長(λres)が絶
対波長(λref)を用いてキャリブレーションする。こ
れにより、エタロン素子の検出基準波長であるλresが
絶対波長(λref)に一致する。
レーションに際して、主制御装置50では、レーザ制御
装置16Bを介してDFB半導体レーザ160Aを発振
させた状態で、レーザ制御装置16Bを介して吸収セル
165の透過率が最大となる設定波長(λset)に最も
近い、あるいは一致する波長(λref)の吸収線を選択
するとともに、そのときエタロン素子の透過率が最大と
なるように、レーザ制御装置16Bに指示を与えてビー
ムモニタ機構164内のエタロン素子の温度を制御す
る。すなわち、エタロン素子の共鳴波長(λres)が絶
対波長(λref)を用いてキャリブレーションする。こ
れにより、エタロン素子の検出基準波長であるλresが
絶対波長(λref)に一致する。
【0153】ここで、上記の絶対波長キャリブレーショ
ンを行う際に、主制御装置50は、レーザ制御装置16
Bを介してDFB半導体レーザ160Aの発振波長を所
定範囲内で変化させることとしても良い。このようにす
ると、発振開始時点でDFB半導体レーザ160Aの発
振波長が設定波長から大きくずれていたような場合であ
っても速やかに吸収セル165の透過率が最大となる設
定波長(λset)に最も近い、あるいは一致する波長
(λref)の吸収線を選択することが可能になり、絶対
波長キャリブレーションを短時間で完了することができ
る。
ンを行う際に、主制御装置50は、レーザ制御装置16
Bを介してDFB半導体レーザ160Aの発振波長を所
定範囲内で変化させることとしても良い。このようにす
ると、発振開始時点でDFB半導体レーザ160Aの発
振波長が設定波長から大きくずれていたような場合であ
っても速やかに吸収セル165の透過率が最大となる設
定波長(λset)に最も近い、あるいは一致する波長
(λref)の吸収線を選択することが可能になり、絶対
波長キャリブレーションを短時間で完了することができ
る。
【0154】そして、上記の絶対波長キャリブレーショ
ンが完了すると、主制御装置50ではメモリ51内に記
憶されているエタロン素子の共鳴波長(λres)の温度
依存性のデータを用いてレーザ制御装置16Bを介して
エタロン素子の温度制御を行い、エタロン素子の共鳴波
長(λres)を設定波長(λset)に設定する設定波長キ
ャリブレーションを実行する。
ンが完了すると、主制御装置50ではメモリ51内に記
憶されているエタロン素子の共鳴波長(λres)の温度
依存性のデータを用いてレーザ制御装置16Bを介して
エタロン素子の温度制御を行い、エタロン素子の共鳴波
長(λres)を設定波長(λset)に設定する設定波長キ
ャリブレーションを実行する。
【0155】このように、本実施形態の波長安定化制御
方法によると、エタロン素子の共鳴波長(λres)、す
なわち検出基準波長を設定波長に確実に一致させること
ができる。
方法によると、エタロン素子の共鳴波長(λres)、す
なわち検出基準波長を設定波長に確実に一致させること
ができる。
【0156】そして、それ以後は、レーザ制御装置16
Bにより、設定波長キャリブレーションが完了したエタ
ロン素子の検出値(ビームモニタ機構164のモニタ結
果)に基づいてDFB半導体レーザ160Aの温度制御
及び電流制御がフィードバック制御にて行われるように
なっている。ここで、レーザ制御装置16Bが、DFB
半導体レーザ160Aの温度制御のみでなく、供給電流
(ドライブ電流)の制御をも行うのは、電流制御による
方が応答性が良いためである。
Bにより、設定波長キャリブレーションが完了したエタ
ロン素子の検出値(ビームモニタ機構164のモニタ結
果)に基づいてDFB半導体レーザ160Aの温度制御
及び電流制御がフィードバック制御にて行われるように
なっている。ここで、レーザ制御装置16Bが、DFB
半導体レーザ160Aの温度制御のみでなく、供給電流
(ドライブ電流)の制御をも行うのは、電流制御による
方が応答性が良いためである。
【0157】前記光量制御装置16Cは、前述したよう
に、光増幅部161内のファイバ増幅器168n、17
1nの光出力を検出する光電変換素子180、181の
出力に基づいて各励起用半導体レーザ(178、17
4)のドライブ電流をフィードバック制御して、各増幅
段毎に各チャネルのファイバ増幅器の増幅率を一定化さ
せる機能と、波長変換部163途中でビームスプリッタ
により分岐された光を検出する光電変換素子182の出
力信号に基づいて、励起用半導体レーザ178、174
の少なくとも一方のドライブ電流をフィードバック制御
して予定される所定の光強度を各増幅段にフィードバッ
クし、所望の紫外光出力を安定させる機能とを有する。
に、光増幅部161内のファイバ増幅器168n、17
1nの光出力を検出する光電変換素子180、181の
出力に基づいて各励起用半導体レーザ(178、17
4)のドライブ電流をフィードバック制御して、各増幅
段毎に各チャネルのファイバ増幅器の増幅率を一定化さ
せる機能と、波長変換部163途中でビームスプリッタ
により分岐された光を検出する光電変換素子182の出
力信号に基づいて、励起用半導体レーザ178、174
の少なくとも一方のドライブ電流をフィードバック制御
して予定される所定の光強度を各増幅段にフィードバッ
クし、所望の紫外光出力を安定させる機能とを有する。
【0158】更に、本実施形態では、光量制御装置16
Cは、次のような機能をも有している。
Cは、次のような機能をも有している。
【0159】すなわち、光量制御装置16Cは、 主制御装置50からの指示に応じて、バンドル−フ
ァイバ173を構成する各チャネルのファイバの出力、
すなわち各光経路172nの出力を個別にオン・オフ制
御することにより、バンドル全体での平均光出力の制御
を行う機能(以下、便宜上「第1の機能」と呼ぶ)と、 主制御装置50からの指示に応じて、EOM160
Cから出力されるパルス光の周波数を制御することによ
り、単位時間当たりの光増幅部161の各チャネルの平
均光出力(出力エネルギ)、すなわち単位時間当たりの
各光経路172nからの出力光の強度を制御する機能
(以下、便宜上「第2の機能」と呼ぶ)と、 主制御装置50からの指示に応じて、EOM160
Cから出力されるパルス光のピークパワーを制御するこ
とにより、単位時間当たりの光増幅部161の各チャネ
ルの平均光出力(出力エネルギ)、すなわち単位時間当
たりの各光経路172nからの出力光の強度を制御する
機能(以下、便宜上「第3の機能」と呼ぶ)と、を有す
る。
ァイバ173を構成する各チャネルのファイバの出力、
すなわち各光経路172nの出力を個別にオン・オフ制
御することにより、バンドル全体での平均光出力の制御
を行う機能(以下、便宜上「第1の機能」と呼ぶ)と、 主制御装置50からの指示に応じて、EOM160
Cから出力されるパルス光の周波数を制御することによ
り、単位時間当たりの光増幅部161の各チャネルの平
均光出力(出力エネルギ)、すなわち単位時間当たりの
各光経路172nからの出力光の強度を制御する機能
(以下、便宜上「第2の機能」と呼ぶ)と、 主制御装置50からの指示に応じて、EOM160
Cから出力されるパルス光のピークパワーを制御するこ
とにより、単位時間当たりの光増幅部161の各チャネ
ルの平均光出力(出力エネルギ)、すなわち単位時間当
たりの各光経路172nからの出力光の強度を制御する
機能(以下、便宜上「第3の機能」と呼ぶ)と、を有す
る。
【0160】以下、上記第1〜第3の機能について、詳
述する。
述する。
【0161】まず、光量制御装置16Cは、上記第1の
機能における各光経路172nの出力のオン・オフを、
各チャネルの最終段のファイバ増幅器171nからの出
力をオン・オフすることにより行う。この場合、光量制
御装置16Cでは、ファイバ増幅器励起用半導体レーザ
174をオン・オフする、すなわち半導体レーザ174
からの励起光強度を所定レベルと零レベルとのいずれか
に択一的に設定することにより行うこともできるし、半
導体レーザ174のドライブ電流の電流値を調整するこ
とにより、半導体レーザ174からの励起光の強度をフ
ァイバ増幅器171nが増幅可能状態となる第1レベル
と、ファイバ増幅器171nが増幅不能状態となる第2
レベルとのいずれかに択一的に設定することにより行な
うこともできる。増幅不能状態では、光の吸収が大きく
なり、ファイバ増幅器からの出力は殆ど零となるので、
各光経路172nの出力がオフとなる。
機能における各光経路172nの出力のオン・オフを、
各チャネルの最終段のファイバ増幅器171nからの出
力をオン・オフすることにより行う。この場合、光量制
御装置16Cでは、ファイバ増幅器励起用半導体レーザ
174をオン・オフする、すなわち半導体レーザ174
からの励起光強度を所定レベルと零レベルとのいずれか
に択一的に設定することにより行うこともできるし、半
導体レーザ174のドライブ電流の電流値を調整するこ
とにより、半導体レーザ174からの励起光の強度をフ
ァイバ増幅器171nが増幅可能状態となる第1レベル
と、ファイバ増幅器171nが増幅不能状態となる第2
レベルとのいずれかに択一的に設定することにより行な
うこともできる。増幅不能状態では、光の吸収が大きく
なり、ファイバ増幅器からの出力は殆ど零となるので、
各光経路172nの出力がオフとなる。
【0162】半導体レーザ174をオン・オフする場合
には、半導体レーザ174をオフにしている状態では、
その分の消費電力はなくなるので、エネルギーセイブが
可能になる。一方、半導体レーザ174からの励起光強
度を上記第1レベルと第2レベルとで切り換える場合に
は、第1レベルと第2レベルとは固定値であっても良い
が、固定値でなくても良い。すなわち、ファイバ増幅器
では、励起光の強度がある値を境として、上にいくか下
にいくかで、増幅可能状態となるか増幅不能状態となる
かが定まるからである。
には、半導体レーザ174をオフにしている状態では、
その分の消費電力はなくなるので、エネルギーセイブが
可能になる。一方、半導体レーザ174からの励起光強
度を上記第1レベルと第2レベルとで切り換える場合に
は、第1レベルと第2レベルとは固定値であっても良い
が、固定値でなくても良い。すなわち、ファイバ増幅器
では、励起光の強度がある値を境として、上にいくか下
にいくかで、増幅可能状態となるか増幅不能状態となる
かが定まるからである。
【0163】この光量制御装置16Cの第1の機能によ
ると、バンドル全体での平均光出力(光量)は、最大出
力光量の1/128刻みで(約1%以下毎)に制御可能
である。すなわち、ダイナミックレンジが1〜1/12
8という広い範囲に設定可能である。各光経路172n
は同じ構成部材を用いて構成されているので、設計上
は、各光経路172nの光出力は等しくなる筈であり、
上記1/128刻みの光量制御はリニアリティの良いも
のとなる。
ると、バンドル全体での平均光出力(光量)は、最大出
力光量の1/128刻みで(約1%以下毎)に制御可能
である。すなわち、ダイナミックレンジが1〜1/12
8という広い範囲に設定可能である。各光経路172n
は同じ構成部材を用いて構成されているので、設計上
は、各光経路172nの光出力は等しくなる筈であり、
上記1/128刻みの光量制御はリニアリティの良いも
のとなる。
【0164】また、本実施形態では、光増幅部161の
出力、すなわちバンドル-ファイバ173の出力を波長
変換する波長変換部163が設けられているが、この波
長変換部163出力は、各光経路172nの出力、すな
わちファイバ増幅器171nの出力がオンであるファイ
バ数に比例するため、設定光量に対し、最大出力光量の
1/128刻みのリニアな(約1%ごと)制御が原則的
には可能となる筈である。
出力、すなわちバンドル-ファイバ173の出力を波長
変換する波長変換部163が設けられているが、この波
長変換部163出力は、各光経路172nの出力、すな
わちファイバ増幅器171nの出力がオンであるファイ
バ数に比例するため、設定光量に対し、最大出力光量の
1/128刻みのリニアな(約1%ごと)制御が原則的
には可能となる筈である。
【0165】しかしながら、実際には、製造上の誤差等
に起因して各光経路172nの出力のばらつきや、各光
経路172nの出力に対する波長変換効率のばらつき等
が存在する可能性が高いので、予め各光ファイバ(光経
路172n)の出力のばらつき、及び各光ファイバ出力
に対する波長変換効率のばらつきに等に起因する出力の
ばらつきを測定し、その測定結果に基づいて各光ファイ
バからの光出力のオン・オフ状況に対応する波長変換部
163からの光出力の強度のマップ(オンにするファイ
バグルーブに対応した出力強度の換算表)である第1の
出力強度マップを作成し、その第1の出力強度マップを
主制御装置50に併設されたメモリ51内に格納してい
る。なお、この第1の出力強度マップは、メモリ51内
にテーブルの形で持たせても良いし、関数又は係数とし
て持たせても良い。なお、後述する第2、第3の出力強
度マップも同様である。
に起因して各光経路172nの出力のばらつきや、各光
経路172nの出力に対する波長変換効率のばらつき等
が存在する可能性が高いので、予め各光ファイバ(光経
路172n)の出力のばらつき、及び各光ファイバ出力
に対する波長変換効率のばらつきに等に起因する出力の
ばらつきを測定し、その測定結果に基づいて各光ファイ
バからの光出力のオン・オフ状況に対応する波長変換部
163からの光出力の強度のマップ(オンにするファイ
バグルーブに対応した出力強度の換算表)である第1の
出力強度マップを作成し、その第1の出力強度マップを
主制御装置50に併設されたメモリ51内に格納してい
る。なお、この第1の出力強度マップは、メモリ51内
にテーブルの形で持たせても良いし、関数又は係数とし
て持たせても良い。なお、後述する第2、第3の出力強
度マップも同様である。
【0166】そして、光量制御装置16Cでは、本第1
の機能により光量制御を行う際に、主制御装置50から
与えられる設定光量と上記の出力強度マップとに基づい
て光量制御を行うようになっている。
の機能により光量制御を行う際に、主制御装置50から
与えられる設定光量と上記の出力強度マップとに基づい
て光量制御を行うようになっている。
【0167】また、光量制御装置16Cは、上記第2の
機能におけるEOM160Cから出力されるパルス光の
周波数制御を、EOM160Cに印加する矩形波(電圧
パルス)の周波数を変えることにより行う。EOM16
0Cから出力されるパルス光の周波数はEOM160C
に印加する電圧パルスの周波数に一致するため、印加電
圧を制御することにより出力パルス光の周波数を制御す
ることとしたものである。
機能におけるEOM160Cから出力されるパルス光の
周波数制御を、EOM160Cに印加する矩形波(電圧
パルス)の周波数を変えることにより行う。EOM16
0Cから出力されるパルス光の周波数はEOM160C
に印加する電圧パルスの周波数に一致するため、印加電
圧を制御することにより出力パルス光の周波数を制御す
ることとしたものである。
【0168】本実施形態の場合、前述の如く、EOM1
60Cに印加する矩形波の周波数は100kHzであ
る。例えば、この周波数を110kHzとすれば、EO
M160Cから出力される単位時間あたりの光パルス数
は10%増加し、このパルスが、前述と同様に、分岐及
び遅延部167により各パルス毎に順次チャネル0から
チャネル127の総計128チャネルに振り分けられる
結果、各チャネルについて見ても単位時間当たりのパル
ス光は10%増加し、光パルス1個あたりの光エネルギ
が同一、すなわちパルス光のピークパワーが一定であれ
ば、単位時間当たりの各光経路172nの出力光強度
(光量)も10%増加する。
60Cに印加する矩形波の周波数は100kHzであ
る。例えば、この周波数を110kHzとすれば、EO
M160Cから出力される単位時間あたりの光パルス数
は10%増加し、このパルスが、前述と同様に、分岐及
び遅延部167により各パルス毎に順次チャネル0から
チャネル127の総計128チャネルに振り分けられる
結果、各チャネルについて見ても単位時間当たりのパル
ス光は10%増加し、光パルス1個あたりの光エネルギ
が同一、すなわちパルス光のピークパワーが一定であれ
ば、単位時間当たりの各光経路172nの出力光強度
(光量)も10%増加する。
【0169】また、本実施形態では、光増幅部161の
各チャネルの出力光の波長変換を行う波長変換部163
が設けられているが、この波長変換部163の単位時間
当たりの出力光の光量は、ピークパワーが一定であれ
ば、各チャネルの出力パルスの周波数に比例する。この
ように、本第2の機能による光量制御は、リニアリティ
に優れた制御となる。
各チャネルの出力光の波長変換を行う波長変換部163
が設けられているが、この波長変換部163の単位時間
当たりの出力光の光量は、ピークパワーが一定であれ
ば、各チャネルの出力パルスの周波数に比例する。この
ように、本第2の機能による光量制御は、リニアリティ
に優れた制御となる。
【0170】但し、EOM160Cから出力されるパル
ス光は、分岐及び遅延部167を経て、ファイバ増幅器
168n、171nの入力となるため、実際には、上述の
ようなリニアリティが得られるとは限らない。すなわ
ち、一般に、ファイバ増幅器の増幅利得は、入力光強度
依存性があるため、EOM160Cの出力光の周波数を
変えると、ファイバ増幅器168n、171nの入力光強
度が変化し、その結果ファイバ増幅器168n、171n
から出力されるパルス光のピークパワーが変化する場合
があるからである。ファイバ増幅器168n、171nを
適切に設計することによリ、このピークパワー変化を小
さく抑えることも可能ではあるが、ファイバ増幅器の光
出力効率等の他の性能を低下させる場合もある。
ス光は、分岐及び遅延部167を経て、ファイバ増幅器
168n、171nの入力となるため、実際には、上述の
ようなリニアリティが得られるとは限らない。すなわ
ち、一般に、ファイバ増幅器の増幅利得は、入力光強度
依存性があるため、EOM160Cの出力光の周波数を
変えると、ファイバ増幅器168n、171nの入力光強
度が変化し、その結果ファイバ増幅器168n、171n
から出力されるパルス光のピークパワーが変化する場合
があるからである。ファイバ増幅器168n、171nを
適切に設計することによリ、このピークパワー変化を小
さく抑えることも可能ではあるが、ファイバ増幅器の光
出力効率等の他の性能を低下させる場合もある。
【0171】そこで、本実施形態では、予めファイバ増
幅器出力の入力周波数強度依存性を測定し、それに基づ
いて光増幅部161に入力するパルス光の周波数に応じ
た光増幅部161(の各チャネル)の出力強度のマップ
である第2の出力強度マップ(EOMの出力光の周波数
に対応した光増幅部161の出力強度の換算表)を作成
し、その第2の出力強度マップをメモリ51に記憶して
いる。
幅器出力の入力周波数強度依存性を測定し、それに基づ
いて光増幅部161に入力するパルス光の周波数に応じ
た光増幅部161(の各チャネル)の出力強度のマップ
である第2の出力強度マップ(EOMの出力光の周波数
に対応した光増幅部161の出力強度の換算表)を作成
し、その第2の出力強度マップをメモリ51に記憶して
いる。
【0172】そして、光量制御装置16Cでは、本第2
の機能により光量制御を行う際に、主制御装置50から
与えられる設定光量と上記の第2の出力強度マップとに
基づいて光量制御を行うようになっている。
の機能により光量制御を行う際に、主制御装置50から
与えられる設定光量と上記の第2の出力強度マップとに
基づいて光量制御を行うようになっている。
【0173】また、光量制御装置16Cは、上記第3の
機能におけるEOM160Cから出力されるパルス光の
ピークパワーの制御を、EOM160Cへ印加する電圧
パルスのピーク強度を制御することにより行う。EOM
160Cの出力光のピークパワーはEOM160Cに印
加する電圧パルスのピーク強度に依存するためである。
機能におけるEOM160Cから出力されるパルス光の
ピークパワーの制御を、EOM160Cへ印加する電圧
パルスのピーク強度を制御することにより行う。EOM
160Cの出力光のピークパワーはEOM160Cに印
加する電圧パルスのピーク強度に依存するためである。
【0174】また、本実施形態では、光増幅部161の
各チャネルの出力光の波長変換を行う波長変換部163
が設けられているが、この波長変換部163の出力光強
度は、各光ファイバ(光経路172n)から出力される
パルス光のピーク強度に対し、最高では高調波の次数の
ベき乗に比例した非線形の依存を示す。例えば、図6
(A)の8倍波発生による193nm光発生では、19
3nm光出力強度はファイバ増幅器出力のピークパワー
の最大で8乗に比例した強度変化を示す。
各チャネルの出力光の波長変換を行う波長変換部163
が設けられているが、この波長変換部163の出力光強
度は、各光ファイバ(光経路172n)から出力される
パルス光のピーク強度に対し、最高では高調波の次数の
ベき乗に比例した非線形の依存を示す。例えば、図6
(A)の8倍波発生による193nm光発生では、19
3nm光出力強度はファイバ増幅器出力のピークパワー
の最大で8乗に比例した強度変化を示す。
【0175】本実施形態の場合、EOM160Cから出
力されるパルス光のピークパワーのEOM160Cに印
加する電圧パルスのピーク強度に対する依存性は、co
s(V)であるため、結果的に上記の波長変換部163
の非線形な依存性は緩和されるようになっている。従っ
て、本実施形態のように波長変換部を有する光源装置で
は、出力光の強度(光量)制御をEOM160Cへ印加
する電圧パルスのピーク強度を制御することにより行う
ことは意味がある。
力されるパルス光のピークパワーのEOM160Cに印
加する電圧パルスのピーク強度に対する依存性は、co
s(V)であるため、結果的に上記の波長変換部163
の非線形な依存性は緩和されるようになっている。従っ
て、本実施形態のように波長変換部を有する光源装置で
は、出力光の強度(光量)制御をEOM160Cへ印加
する電圧パルスのピーク強度を制御することにより行う
ことは意味がある。
【0176】但し、前述の如く、ファイバ増幅器の増幅
利得は、入力光強度依存性があるため、EOM160C
から出力されるパルス光のピーク強度を変えると、ファ
イバ増幅器168n、171nの入力光強度が変化し、そ
の結果ファイバ増幅器168 n、171nから出力される
パルス光のピークパワーが変化する場合がある。ファイ
バ増幅器168n、171nを適切に設計することによ
リ、このピークパワー変化を小さく抑えることも可能で
はあるが、ファイバ増幅器の光出力効率等の他の性能を
低下させる場合もある。
利得は、入力光強度依存性があるため、EOM160C
から出力されるパルス光のピーク強度を変えると、ファ
イバ増幅器168n、171nの入力光強度が変化し、そ
の結果ファイバ増幅器168 n、171nから出力される
パルス光のピークパワーが変化する場合がある。ファイ
バ増幅器168n、171nを適切に設計することによ
リ、このピークパワー変化を小さく抑えることも可能で
はあるが、ファイバ増幅器の光出力効率等の他の性能を
低下させる場合もある。
【0177】そこで、本実施形態では、予めファイバ増
幅器出力の入力パルスピーク強度依存性を測定し、それ
に基づいて光増幅部161に入力するパルス光のピーク
強度に対応した光増幅部161(の各チャネル)の出力
強度のマップである第3の出力強度マップ(EOMの出
力光のピーク強度に対応した光増幅部161の出力パル
ス光の強度の換算表)を作成し、その第3の出力強度マ
ップをメモリ51に記憶している。この第3の出力強度
マップは波長変換部出力である紫外光強度マップであっ
ても良い。
幅器出力の入力パルスピーク強度依存性を測定し、それ
に基づいて光増幅部161に入力するパルス光のピーク
強度に対応した光増幅部161(の各チャネル)の出力
強度のマップである第3の出力強度マップ(EOMの出
力光のピーク強度に対応した光増幅部161の出力パル
ス光の強度の換算表)を作成し、その第3の出力強度マ
ップをメモリ51に記憶している。この第3の出力強度
マップは波長変換部出力である紫外光強度マップであっ
ても良い。
【0178】そして、光量制御装置16Cでは、本第3
の機能により光量制御を行う際に、主制御装置50から
与えられる設定光量と上記の第3の出力強度マップとに
基づいて光量制御を行うようになっている。
の機能により光量制御を行う際に、主制御装置50から
与えられる設定光量と上記の第3の出力強度マップとに
基づいて光量制御を行うようになっている。
【0179】なお、DFB半導体レーザ160Aの出力
段に、EOM160Cの他に透過率制御用のEOMを設
け、このEOMに印加する電圧を変化させることによリ
そのEOMの透過率を変化させて、単位時間あたりの光
増幅部、波長変換部からの放出エネルギを変えることも
可能である。
段に、EOM160Cの他に透過率制御用のEOMを設
け、このEOMに印加する電圧を変化させることによリ
そのEOMの透過率を変化させて、単位時間あたりの光
増幅部、波長変換部からの放出エネルギを変えることも
可能である。
【0180】これまでの説明から明らかなように、光量
制御装置16Cによる第2、第3の機能では、第1の機
能に比べて、より細やかな光源装置16の出力光の光量
制御が可能である。一方、第1の機能は、第2、第3の
機能に比べて、ダイナミックレンジを広く設定すること
が可能である。
制御装置16Cによる第2、第3の機能では、第1の機
能に比べて、より細やかな光源装置16の出力光の光量
制御が可能である。一方、第1の機能は、第2、第3の
機能に比べて、ダイナミックレンジを広く設定すること
が可能である。
【0181】そこで、本実施形態では、後述する露光に
際して、光量制御装置16Cの上記第1の機能により露
光量の粗調整を行い、第2、第3の機能を用いて露光量
の微調整を行うようになっている。これについては、後
述する。
際して、光量制御装置16Cの上記第1の機能により露
光量の粗調整を行い、第2、第3の機能を用いて露光量
の微調整を行うようになっている。これについては、後
述する。
【0182】光量制御装置16Cは、この他、主制御装
置50からの指示に基づいてパルス出力の開始と停止な
ども制御する。
置50からの指示に基づいてパルス出力の開始と停止な
ども制御する。
【0183】図1に戻り、前記照明光学系12は、ビー
ム整形光学系18、オプティカルインテグレータ(ホモ
ジナイザ)としてのフライアイレンズ系22、照明系開
口絞り板24、ビームスプリッタ26、第1リレーレン
ズ28A、第2リレーレンズ28B、固定レチクルブラ
インド30A、可動レチクルブラインド30B、光路折
り曲げ用のミラーM及びコンデンサレンズ32等を備え
ている。
ム整形光学系18、オプティカルインテグレータ(ホモ
ジナイザ)としてのフライアイレンズ系22、照明系開
口絞り板24、ビームスプリッタ26、第1リレーレン
ズ28A、第2リレーレンズ28B、固定レチクルブラ
インド30A、可動レチクルブラインド30B、光路折
り曲げ用のミラーM及びコンデンサレンズ32等を備え
ている。
【0184】前記ビーム整形光学系18は、光源装置1
6の波長変換部163の波長変換により発生した紫外域
の光、(以下、「レーザビーム」と呼ぶ)LBの断面形
状を、該レーザビームLBの光路後方に設けられたフラ
イアイレンズ系22に効率良く入射するように整形する
もので、例えばシリンダレンズやビームエキスパンダ
(いずれも図示省略)等で構成される。
6の波長変換部163の波長変換により発生した紫外域
の光、(以下、「レーザビーム」と呼ぶ)LBの断面形
状を、該レーザビームLBの光路後方に設けられたフラ
イアイレンズ系22に効率良く入射するように整形する
もので、例えばシリンダレンズやビームエキスパンダ
(いずれも図示省略)等で構成される。
【0185】前記フライアイレンズ系22は、ビーム整
形光学系18から出たレーザビームLBの光路上に配置
され、レチクルRを均一な照度分布で照明するために多
数の光源像からなる面光源、即ち2次光源を形成する。
この2次光源から射出されるレーザビームを本明細書に
おいては、「露光光IL」とも呼んでいる。
形光学系18から出たレーザビームLBの光路上に配置
され、レチクルRを均一な照度分布で照明するために多
数の光源像からなる面光源、即ち2次光源を形成する。
この2次光源から射出されるレーザビームを本明細書に
おいては、「露光光IL」とも呼んでいる。
【0186】フライアイレンズ系22の射出面の近傍
に、円板状部材から成る照明系開口絞り板24が配置さ
れている。この照明系開口絞り板24には、等角度間隔
で、例えば通常の円形開口より成る開口絞り、小さな円
形開口より成りコヒーレンスファクタであるσ値を小さ
くするための開口絞り、輪帯照明用の輪帯状の開口絞
り、及び変形光源法用に複数の開口を偏心させて配置し
て成る変形開口絞り(図1ではこのうちの2種類の開口
絞りのみが図示されている)等が配置されている。この
照明系開口絞り板24は、主制御装置50により制御さ
れるモータ等の駆動装置40により回転されるようにな
っており、これによりレチクルパターンに応じていずれ
かの開口絞りが露光光ILの光路上に選択的に設定され
る。
に、円板状部材から成る照明系開口絞り板24が配置さ
れている。この照明系開口絞り板24には、等角度間隔
で、例えば通常の円形開口より成る開口絞り、小さな円
形開口より成りコヒーレンスファクタであるσ値を小さ
くするための開口絞り、輪帯照明用の輪帯状の開口絞
り、及び変形光源法用に複数の開口を偏心させて配置し
て成る変形開口絞り(図1ではこのうちの2種類の開口
絞りのみが図示されている)等が配置されている。この
照明系開口絞り板24は、主制御装置50により制御さ
れるモータ等の駆動装置40により回転されるようにな
っており、これによりレチクルパターンに応じていずれ
かの開口絞りが露光光ILの光路上に選択的に設定され
る。
【0187】照明系開口絞り板24から出た露光光IL
の光路上に、反射率が小さく透過率の大きなビームスプ
リッタ26が配置され、更にこの後方の光路上に、固定
レチクルブラインド30A及び可動レチクルブラインド
30Bを介在させて第1リレーレンズ28A及び第2リ
レーレンズ28Bから成るリレー光学系が配置されてい
る。
の光路上に、反射率が小さく透過率の大きなビームスプ
リッタ26が配置され、更にこの後方の光路上に、固定
レチクルブラインド30A及び可動レチクルブラインド
30Bを介在させて第1リレーレンズ28A及び第2リ
レーレンズ28Bから成るリレー光学系が配置されてい
る。
【0188】固定レチクルブラインド30Aは、レチク
ルRのパターン面に対する共役面から僅かにデフォーカ
スした面に配置され、レチクルR上の照明領域42Rを
規定する矩形開口が形成されている。また、この固定レ
チクルブラインド30Aの近傍に走査方向の位置及び幅
が可変の開口部を有する可動レチクルブラインド30B
が配置され、走査露光の開始時及び終了時にその可動レ
チクルブラインド30Bを介して照明領域42Rを更に
制限することによって、不要な部分の露光が防止される
ようになっている。
ルRのパターン面に対する共役面から僅かにデフォーカ
スした面に配置され、レチクルR上の照明領域42Rを
規定する矩形開口が形成されている。また、この固定レ
チクルブラインド30Aの近傍に走査方向の位置及び幅
が可変の開口部を有する可動レチクルブラインド30B
が配置され、走査露光の開始時及び終了時にその可動レ
チクルブラインド30Bを介して照明領域42Rを更に
制限することによって、不要な部分の露光が防止される
ようになっている。
【0189】リレー光学系を構成する第2リレーレンズ
28B後方の露光光ILの光路上には、当該第2リレー
レンズ28Bを通過した露光光ILをレチクルRに向け
て反射する折り曲げミラーMが配置され、このミラーM
後方の露光光ILの光路上にコンデンサレンズ32が配
置されている。
28B後方の露光光ILの光路上には、当該第2リレー
レンズ28Bを通過した露光光ILをレチクルRに向け
て反射する折り曲げミラーMが配置され、このミラーM
後方の露光光ILの光路上にコンデンサレンズ32が配
置されている。
【0190】更に、照明光学系12内のビームスプリッ
タ26で垂直に折り曲げられる一方の光路上、他方の光
路上には、インテグレータセンサ46、反射光モニタ4
7がそれぞれ配置されている。これらインテグレータセ
ンサ46、反射光モニタ47としては、遠紫外域及び真
空紫外域で感度が良く、且つ光源装置16のパルス発光
を検出するために高い応答周波数を有するSi系PIN
型フォトダイオードが用いられている。なお、インテグ
レータセンサ46、反射光モニタ47としてGaN系結
晶を有する半導体受光素子を用いることも可能である。
タ26で垂直に折り曲げられる一方の光路上、他方の光
路上には、インテグレータセンサ46、反射光モニタ4
7がそれぞれ配置されている。これらインテグレータセ
ンサ46、反射光モニタ47としては、遠紫外域及び真
空紫外域で感度が良く、且つ光源装置16のパルス発光
を検出するために高い応答周波数を有するSi系PIN
型フォトダイオードが用いられている。なお、インテグ
レータセンサ46、反射光モニタ47としてGaN系結
晶を有する半導体受光素子を用いることも可能である。
【0191】以上の構成において、フライアイレンズ系
22の入射面、可動レチクルブラインド30Bの配置
面、レチクルRのパターン面は、光学的に互いに共役に
設定され、フライアイレンズ系22の射出面側に形成さ
れる光源面、投影光学系PLのフーリエ変換面(射出瞳
面)は光学的に互いに共役に設定され、ケーラー照明系
となっている。
22の入射面、可動レチクルブラインド30Bの配置
面、レチクルRのパターン面は、光学的に互いに共役に
設定され、フライアイレンズ系22の射出面側に形成さ
れる光源面、投影光学系PLのフーリエ変換面(射出瞳
面)は光学的に互いに共役に設定され、ケーラー照明系
となっている。
【0192】このようにして構成された照明系12の作
用を簡単に説明すると、光源装置16からパルス発光さ
れたレーザビームLBは、ビーム整形光学系18に入射
して、ここで後方のフライアイレンズ系22に効率良く
入射するようにその断面形状が整形された後、フライア
イレンズ系22に入射する。これにより、フライアイレ
ンズ系22の射出側焦点面(照明光学系12の瞳面)に
2次光源が形成される。この2次光源から射出された露
光光ILは、照明系開口絞り板24上のいずれかの開口
絞りを通過した後、透過率が大きく反射率が小さなビー
ムスプリッタ26に至る。このビームスプリッタ26を
透過した露光光ILは、第1リレーレンズ28Aを経て
固定レチクルブラインド30Aの矩形の開口部及び可動
レチクルブラインド30Bを通過した後、第2リレーレ
ンズ28Bを通過してミラーMによって光路が垂直下方
に折り曲げられた後、コンデンサレンズ32を経て、レ
チクルステージRST上に保持されたレチクルR上の矩
形の照明領域42Rを均一な照度分布で照明する。
用を簡単に説明すると、光源装置16からパルス発光さ
れたレーザビームLBは、ビーム整形光学系18に入射
して、ここで後方のフライアイレンズ系22に効率良く
入射するようにその断面形状が整形された後、フライア
イレンズ系22に入射する。これにより、フライアイレ
ンズ系22の射出側焦点面(照明光学系12の瞳面)に
2次光源が形成される。この2次光源から射出された露
光光ILは、照明系開口絞り板24上のいずれかの開口
絞りを通過した後、透過率が大きく反射率が小さなビー
ムスプリッタ26に至る。このビームスプリッタ26を
透過した露光光ILは、第1リレーレンズ28Aを経て
固定レチクルブラインド30Aの矩形の開口部及び可動
レチクルブラインド30Bを通過した後、第2リレーレ
ンズ28Bを通過してミラーMによって光路が垂直下方
に折り曲げられた後、コンデンサレンズ32を経て、レ
チクルステージRST上に保持されたレチクルR上の矩
形の照明領域42Rを均一な照度分布で照明する。
【0193】一方、ビームスプリッタ26で反射された
露光光ILは、集光レンズ44を介してインテグレータ
センサ46で受光され、インテグレータセンサ46の光
電変換信号が、不図示のピークホールド回路及びA/D
変換器を介して出力DS(digit/pulse)として主制御装
置50に供給される。このインテグレータセンサ46の
出力DSと、ウエハWの表面上での露光光ILの照度
(露光量)との相関係数は、予め求められ、主制御装置
50に併設された記憶装置としてのメモリ51内に記憶
されている。
露光光ILは、集光レンズ44を介してインテグレータ
センサ46で受光され、インテグレータセンサ46の光
電変換信号が、不図示のピークホールド回路及びA/D
変換器を介して出力DS(digit/pulse)として主制御装
置50に供給される。このインテグレータセンサ46の
出力DSと、ウエハWの表面上での露光光ILの照度
(露光量)との相関係数は、予め求められ、主制御装置
50に併設された記憶装置としてのメモリ51内に記憶
されている。
【0194】また、レチクルR上の照明領域42Rを照
明しそのレチクルのパターン面(図1における下面)で
反射された反射光束は、コンデンサレンズ32、リレー
光学系を前と逆向きに通過し、ビームスプリッタ26で
反射され、集光レンズ48を介して反射光モニタ47で
受光される。また、Zチルトステージ58が投影光学系
PLの下方にある場合には、レチクルのパターン面を透
過した露光光ILは、投影光学系PL及びウエハWの表
面(あるいは後述する基準マーク板FM表面)で反射さ
れ、その反射光束は、投影光学系PL、レチクルR、コ
ンデンサレンズ32、リレー光学系を前と逆向きに順次
通過し、ビームスプリッタ26で反射され、集光レンズ
48を介して反射光モニタ47で受光される。また、ビ
ームスプリッタ26とウエハWとの間に配置される各光
学素子はその表面に反射防止膜が形成されているもの
の、その表面で露光光ILがわずかに反射され、これら
反射光も反射光モニタ47で受光される。この反射光モ
ニタ47の光電変換信号が、不図示のピークホールド回
路及びA/D変換器を介して主制御装置50に供給され
る。反射光モニタ47は、本実施形態では、主としてウ
エハWの反射率の測定等に用いられる。なお、この反射
光モニタ47を、レチクルRの透過率の事前測定の際に
用いても良い。
明しそのレチクルのパターン面(図1における下面)で
反射された反射光束は、コンデンサレンズ32、リレー
光学系を前と逆向きに通過し、ビームスプリッタ26で
反射され、集光レンズ48を介して反射光モニタ47で
受光される。また、Zチルトステージ58が投影光学系
PLの下方にある場合には、レチクルのパターン面を透
過した露光光ILは、投影光学系PL及びウエハWの表
面(あるいは後述する基準マーク板FM表面)で反射さ
れ、その反射光束は、投影光学系PL、レチクルR、コ
ンデンサレンズ32、リレー光学系を前と逆向きに順次
通過し、ビームスプリッタ26で反射され、集光レンズ
48を介して反射光モニタ47で受光される。また、ビ
ームスプリッタ26とウエハWとの間に配置される各光
学素子はその表面に反射防止膜が形成されているもの
の、その表面で露光光ILがわずかに反射され、これら
反射光も反射光モニタ47で受光される。この反射光モ
ニタ47の光電変換信号が、不図示のピークホールド回
路及びA/D変換器を介して主制御装置50に供給され
る。反射光モニタ47は、本実施形態では、主としてウ
エハWの反射率の測定等に用いられる。なお、この反射
光モニタ47を、レチクルRの透過率の事前測定の際に
用いても良い。
【0195】なお、フライアイレンズ系として、例えば
特開平1−235289号公報(対応米国特許第5,3
07,207号)、特開平7−142354号(対応米
国特許第5,534,970号)などに開示されるダブ
ルフライアイレンズ系を採用し、ケーラー照明系を構成
しても良い。
特開平1−235289号公報(対応米国特許第5,3
07,207号)、特開平7−142354号(対応米
国特許第5,534,970号)などに開示されるダブ
ルフライアイレンズ系を採用し、ケーラー照明系を構成
しても良い。
【0196】また、フライアイレンズ系22とともに、
回折光学素子(diffractive optical element)を用い
ても良い。かかる回折光学素子を用いる場合には、光源
装置16と照明光学系12とを回折光学素子を介して接
続するようにしても良い。
回折光学素子(diffractive optical element)を用い
ても良い。かかる回折光学素子を用いる場合には、光源
装置16と照明光学系12とを回折光学素子を介して接
続するようにしても良い。
【0197】すなわち、バンドル−ファイバの各ファイ
バに対応して回折素子が形成される回折光学素子をビー
ム整形光学系18に設け、各ファイバから出力されるレ
ーザビームを回折させて、フライアイレンズ系22の入
射面上で重畳させるようにしても良い。本実施形態で
は、バンドル−ファイバの出力端を照明光学系の瞳面に
配置しても良いが、この場合には第1の機能(間引き)
によってその瞳面上での強度分布(即ち2次光源の形状
や大きさなど)が変化することになり、レチクルパター
ンに最適な形状、大きさとは異なってしまうことがあ
る。そこで、前述の回折光学素子などを用いて照明光学
系の瞳面、又はオプティカルインテグレータの入射面上
で各ファイバからのレーザビームを重畳させるようにす
ることが望ましい。
バに対応して回折素子が形成される回折光学素子をビー
ム整形光学系18に設け、各ファイバから出力されるレ
ーザビームを回折させて、フライアイレンズ系22の入
射面上で重畳させるようにしても良い。本実施形態で
は、バンドル−ファイバの出力端を照明光学系の瞳面に
配置しても良いが、この場合には第1の機能(間引き)
によってその瞳面上での強度分布(即ち2次光源の形状
や大きさなど)が変化することになり、レチクルパター
ンに最適な形状、大きさとは異なってしまうことがあ
る。そこで、前述の回折光学素子などを用いて照明光学
系の瞳面、又はオプティカルインテグレータの入射面上
で各ファイバからのレーザビームを重畳させるようにす
ることが望ましい。
【0198】いずれにしても、本実施形態では、前述し
た光量制御装置16Cの第1の機能によりバンドル−フ
ァイバ173の光を出力する部分の分布が変化した場合
であっても、レチクルRのパターン面(物体面)上及び
ウエハWの面(像面)上のいずれにおいても照度分布の
均一性を十分に確保することができる。
た光量制御装置16Cの第1の機能によりバンドル−フ
ァイバ173の光を出力する部分の分布が変化した場合
であっても、レチクルRのパターン面(物体面)上及び
ウエハWの面(像面)上のいずれにおいても照度分布の
均一性を十分に確保することができる。
【0199】前記レチクルステージRST上にレチクル
Rが載置され、不図示のバキュームチャック等を介して
吸着保持されている。レチクルステージRSTは、水平
面(XY平面)内で微小駆動可能であるとともに、レチ
クルステージ駆動部49によって走査方向(ここでは図
1の紙面左右方向であるY方向とする)に所定ストロー
ク範囲で走査されるようになっている。この走査中のレ
チクルステージRSTの位置及び回転量は、レチクルス
テージRST上に固定された移動鏡52Rを介して外部
のレーザ干渉計54Rによって計測され、このレーザ干
渉計54Rの計測値が主制御装置50に供給されるよう
になっている。
Rが載置され、不図示のバキュームチャック等を介して
吸着保持されている。レチクルステージRSTは、水平
面(XY平面)内で微小駆動可能であるとともに、レチ
クルステージ駆動部49によって走査方向(ここでは図
1の紙面左右方向であるY方向とする)に所定ストロー
ク範囲で走査されるようになっている。この走査中のレ
チクルステージRSTの位置及び回転量は、レチクルス
テージRST上に固定された移動鏡52Rを介して外部
のレーザ干渉計54Rによって計測され、このレーザ干
渉計54Rの計測値が主制御装置50に供給されるよう
になっている。
【0200】なお、レチクルRに用いる材質は、露光光
ILの波長によって使い分ける必要がある。すなわち、
波長193nmの露光光を用いる場合には合成石英を用
いることができるが、波長157nmの露光光を用いる
場合は、ホタル石、フッ素がドープされた合成石英、あ
るいは水晶などで形成する必要がある。
ILの波長によって使い分ける必要がある。すなわち、
波長193nmの露光光を用いる場合には合成石英を用
いることができるが、波長157nmの露光光を用いる
場合は、ホタル石、フッ素がドープされた合成石英、あ
るいは水晶などで形成する必要がある。
【0201】前記投影光学系PLは、例えば両側テレセ
ントリックな縮小系であり、共通のZ軸方向の光軸を有
する複数枚のレンズエレメント70a、70b、……か
ら構成されている。また、この投影光学系PLとして
は、投影倍率βが例えば1/4、1/5、1/6などの
ものが使用されている。このため、前記の如くして、露
光光ILによりレチクルR上の照明領域42Rが照明さ
れると、そのレチクルRに形成されたパターンが投影光
学系PLによって投影倍率βで縮小された像が表面にレ
ジスト(感光剤)が塗布されたウエハW上のスリット状
の露光領域42Wに投影され転写される。
ントリックな縮小系であり、共通のZ軸方向の光軸を有
する複数枚のレンズエレメント70a、70b、……か
ら構成されている。また、この投影光学系PLとして
は、投影倍率βが例えば1/4、1/5、1/6などの
ものが使用されている。このため、前記の如くして、露
光光ILによりレチクルR上の照明領域42Rが照明さ
れると、そのレチクルRに形成されたパターンが投影光
学系PLによって投影倍率βで縮小された像が表面にレ
ジスト(感光剤)が塗布されたウエハW上のスリット状
の露光領域42Wに投影され転写される。
【0202】本実施形態では、上記のレンズエレメント
のうち、複数のレンズエレメントがそれぞれ独立に移動
可能となっている。例えば、レチクルステージRSTに
最も近い一番上のレンズエレメント70aは、リング状
の支持部材72により保持され、この支持部材72は、
伸縮可能な駆動素子、例えばピエゾ素子74a,74
b,74c(紙面奥側の駆動素子74cは図示せず)に
よって、3点支持されるとともに鏡筒部76と連結され
ている。上記の駆動素子74a,74b,74cによっ
て、レンズエレメント70aの周辺3点を独立に、投影
光学系PLの光軸AX方向に移動させることができるよ
うになっている。すなわち、レンズエレメント70aを
駆動素子74a,74b,74cの変位量に応じて光軸
AXに沿って平行移動させることができるとともに、光
軸AXと垂直な平面に対して任意に傾斜させることもで
きる。そして、これらの駆動素子74a,74b,74
cに与えられる電圧が、主制御装置50からの指令に基
づいて結像特性補正コントローラ78によって制御さ
れ、これによって駆動素子74a,74b,74cの変
位量が制御されるようになっている。なお、図1中、投
影光学系PLの光軸AXとは鏡筒部76に固定されてい
るレンズエレメント70bその他のレンズエレメント
(図示省略)の光軸を指す。
のうち、複数のレンズエレメントがそれぞれ独立に移動
可能となっている。例えば、レチクルステージRSTに
最も近い一番上のレンズエレメント70aは、リング状
の支持部材72により保持され、この支持部材72は、
伸縮可能な駆動素子、例えばピエゾ素子74a,74
b,74c(紙面奥側の駆動素子74cは図示せず)に
よって、3点支持されるとともに鏡筒部76と連結され
ている。上記の駆動素子74a,74b,74cによっ
て、レンズエレメント70aの周辺3点を独立に、投影
光学系PLの光軸AX方向に移動させることができるよ
うになっている。すなわち、レンズエレメント70aを
駆動素子74a,74b,74cの変位量に応じて光軸
AXに沿って平行移動させることができるとともに、光
軸AXと垂直な平面に対して任意に傾斜させることもで
きる。そして、これらの駆動素子74a,74b,74
cに与えられる電圧が、主制御装置50からの指令に基
づいて結像特性補正コントローラ78によって制御さ
れ、これによって駆動素子74a,74b,74cの変
位量が制御されるようになっている。なお、図1中、投
影光学系PLの光軸AXとは鏡筒部76に固定されてい
るレンズエレメント70bその他のレンズエレメント
(図示省略)の光軸を指す。
【0203】また、本実施形態では、予め実験によりレ
ンズエレメント70aの上下量と倍率(又はディストー
ション)の変化量との関係を求めておき、これを主制御
装置50内部のメモリに記憶しておき、補正時に主制御
装置50が補正する倍率(又はディストーション)から
レンズエレメント70aの上下量を計算し、結像特性補
正コントローラ78に指示を与えて駆動素子74a,7
4b,74cを駆動することにより倍率(又はディスト
ーション)補正を行うようになっている。すなわち、本
実施形態では、結像特性補正コントローラ78、駆動素
子74a,74b,74c、及び主制御装置50によっ
て、投影光学系PLの結像特性を補正する結像特性補正
装置が構成されている。
ンズエレメント70aの上下量と倍率(又はディストー
ション)の変化量との関係を求めておき、これを主制御
装置50内部のメモリに記憶しておき、補正時に主制御
装置50が補正する倍率(又はディストーション)から
レンズエレメント70aの上下量を計算し、結像特性補
正コントローラ78に指示を与えて駆動素子74a,7
4b,74cを駆動することにより倍率(又はディスト
ーション)補正を行うようになっている。すなわち、本
実施形態では、結像特性補正コントローラ78、駆動素
子74a,74b,74c、及び主制御装置50によっ
て、投影光学系PLの結像特性を補正する結像特性補正
装置が構成されている。
【0204】なお、前記レンズエレメント70aの上下
量と倍率等の変化量との関係は光学的な計算値を用いて
もよく、この場合は前記レンズエレメント70aの上下
量と倍率変化量との関係を求める実験の工程が省けるこ
とになる。
量と倍率等の変化量との関係は光学的な計算値を用いて
もよく、この場合は前記レンズエレメント70aの上下
量と倍率変化量との関係を求める実験の工程が省けるこ
とになる。
【0205】前記の如く、レチクルRに最も近いレンズ
エレメント70aが移動可能となっているが、このエレ
メント70aは倍率、ディストーション特性に与える影
響が他のレンズエレメントに比べて大きく制御しやすい
ものの1つを選択したものであって、同様の条件を満た
すものであれば、このレンズエレメント70aに代えて
どのレンズエレメントをレンズ間隔調整のために移動可
能に構成しても良い。
エレメント70aが移動可能となっているが、このエレ
メント70aは倍率、ディストーション特性に与える影
響が他のレンズエレメントに比べて大きく制御しやすい
ものの1つを選択したものであって、同様の条件を満た
すものであれば、このレンズエレメント70aに代えて
どのレンズエレメントをレンズ間隔調整のために移動可
能に構成しても良い。
【0206】なお、レンズエレメント70a以外の少な
くとも1つのレンズエレメントを移動して他の光学特
性、例えば像面湾曲、非点収差、コマ収差、又は球面収
差などを調整できるようになっている。この他、投影光
学系PLの光軸方向中央部近傍の特定のレンズエレメン
ト相互間に密封室を設け、この密封室内の気体の圧力を
例えばべローズポンプ等の圧力調整機構により調整する
ことにより、投影光学系PLの倍率を調整する結像特性
補正機構を設けても良く、あるいは、例えば、投影光学
系PLを構成する一部のレンズエレメントとして非球面
状レンズを用い、これを回転させるようにしても良い。
この場合には、いわゆるひし形ディストーションの補正
が可能になる。あるいは、投影光学系PL内に平行平面
板を設け、これをチルトさせたり、回転させたりするよ
うな機構により結像特性補正機構を構成しても良い。
くとも1つのレンズエレメントを移動して他の光学特
性、例えば像面湾曲、非点収差、コマ収差、又は球面収
差などを調整できるようになっている。この他、投影光
学系PLの光軸方向中央部近傍の特定のレンズエレメン
ト相互間に密封室を設け、この密封室内の気体の圧力を
例えばべローズポンプ等の圧力調整機構により調整する
ことにより、投影光学系PLの倍率を調整する結像特性
補正機構を設けても良く、あるいは、例えば、投影光学
系PLを構成する一部のレンズエレメントとして非球面
状レンズを用い、これを回転させるようにしても良い。
この場合には、いわゆるひし形ディストーションの補正
が可能になる。あるいは、投影光学系PL内に平行平面
板を設け、これをチルトさせたり、回転させたりするよ
うな機構により結像特性補正機構を構成しても良い。
【0207】なお、露光光ILとして波長193nmの
レーザ光を用いる場合には、投影光学系PLを構成する
各レンズエレメント(及び上記平行平面板)としては合
成石英やホタル石等を用いることができるが、波長15
7nmのレーザ光を用いる場合には、この投影光学系P
Lに使用されるレンズ等の材質は、全てホタル石が用い
られる。
レーザ光を用いる場合には、投影光学系PLを構成する
各レンズエレメント(及び上記平行平面板)としては合
成石英やホタル石等を用いることができるが、波長15
7nmのレーザ光を用いる場合には、この投影光学系P
Lに使用されるレンズ等の材質は、全てホタル石が用い
られる。
【0208】また、本実施形態では、チャンバ11内の
少なくとも大気圧を測定する環境センサ77が設けられ
ている。この環境センサ77の計測値は、主制御装置5
0に供給されるようになっており、主制御装置50で
は、この環境センサ77の計測値に基づいて、標準大気
圧からの気圧の変動を算出するとともに、投影光学系P
Lの結像特性の大気圧変動を算出する。そして、この大
気圧変動分を考慮して結像特性補正コントローラ78に
指示を与えて、投影光学系PLの結像特性を補正する。
少なくとも大気圧を測定する環境センサ77が設けられ
ている。この環境センサ77の計測値は、主制御装置5
0に供給されるようになっており、主制御装置50で
は、この環境センサ77の計測値に基づいて、標準大気
圧からの気圧の変動を算出するとともに、投影光学系P
Lの結像特性の大気圧変動を算出する。そして、この大
気圧変動分を考慮して結像特性補正コントローラ78に
指示を与えて、投影光学系PLの結像特性を補正する。
【0209】なお、主制御装置50による結像特性の大
気圧変動分、照射変動分等の演算方法等については、例
えば特開平9−213619号公報等に詳細に開示され
ており、公知であるから、ここでは詳細な説明は省略す
る。
気圧変動分、照射変動分等の演算方法等については、例
えば特開平9−213619号公報等に詳細に開示され
ており、公知であるから、ここでは詳細な説明は省略す
る。
【0210】前記XYステージ14は、ウエハステージ
駆動部56によって走査方向であるY方向及びこれに直
交するX方向(図1における紙面直交方向)に2次元駆
動されるようになっている。このXYステージ14上に
搭載されたZチルトステージ58上に不図示のウエハホ
ルダを介してウエハWが真空吸着等により保持されてい
る。Zチルトステージ58は、例えば3つのアクチュエ
ータ(ピエゾ素子又はボイスコイルモータなど)によっ
てウエハWのZ方向の位置(フォーカス位置)を調整す
ると共に、XY平面(投影光学系PLの像面)に対する
ウエハWの傾斜角を調整する機能を有する。また、XY
ステージ14の位置は、Zチルトステージ58上に固定
された移動鏡52Wを介して外部のレーザ干渉計54W
により計測され、このレーザ干渉計54Wの計測値が主
制御装置50に供給されるようになっている。
駆動部56によって走査方向であるY方向及びこれに直
交するX方向(図1における紙面直交方向)に2次元駆
動されるようになっている。このXYステージ14上に
搭載されたZチルトステージ58上に不図示のウエハホ
ルダを介してウエハWが真空吸着等により保持されてい
る。Zチルトステージ58は、例えば3つのアクチュエ
ータ(ピエゾ素子又はボイスコイルモータなど)によっ
てウエハWのZ方向の位置(フォーカス位置)を調整す
ると共に、XY平面(投影光学系PLの像面)に対する
ウエハWの傾斜角を調整する機能を有する。また、XY
ステージ14の位置は、Zチルトステージ58上に固定
された移動鏡52Wを介して外部のレーザ干渉計54W
により計測され、このレーザ干渉計54Wの計測値が主
制御装置50に供給されるようになっている。
【0211】ここで、移動鏡は、実際には、X軸に垂直
な反射面を有するX移動鏡とY軸に垂直な反射面を有す
るY移動鏡とが存在し、これに対応してレーザ干渉計も
X軸位置計測用、Y軸位置計測用、及び回転(ヨーイン
グ量、ピッチング量、ローリング量を含む)計測用のも
のがそれぞれ設けられているが、図1では、これらが代
表的に、移動鏡52W、レーザ干渉計54Wとして示さ
れている。
な反射面を有するX移動鏡とY軸に垂直な反射面を有す
るY移動鏡とが存在し、これに対応してレーザ干渉計も
X軸位置計測用、Y軸位置計測用、及び回転(ヨーイン
グ量、ピッチング量、ローリング量を含む)計測用のも
のがそれぞれ設けられているが、図1では、これらが代
表的に、移動鏡52W、レーザ干渉計54Wとして示さ
れている。
【0212】また、Zチルトステージ58上には、ウエ
ハWの近傍に、ウエハWの露光面と同じ高さの受光面を
有し、投影光学系PLを通過した露光光ILの光量を検
出するための照射量モニタ59が設けられている。照射
量モニタ59は、露光領域42Wより一回り大きなX方
向に延びる平面視長方形のハウジングを有し、このハウ
ジングの中央部に露光領域42Wとほぼ同じ形状のスリ
ット状の開口が形成されている。この開口は、実際には
ハウジングの天井面を形成する合成石英等から成る受光
ガラスの上面に形成された遮光膜の一部が取り除かれて
形成されている。前記開口の真下にレンズを介してSi
系PIN型フォトダイオード等の受光素子を有する光セ
ンサが配置されている。
ハWの近傍に、ウエハWの露光面と同じ高さの受光面を
有し、投影光学系PLを通過した露光光ILの光量を検
出するための照射量モニタ59が設けられている。照射
量モニタ59は、露光領域42Wより一回り大きなX方
向に延びる平面視長方形のハウジングを有し、このハウ
ジングの中央部に露光領域42Wとほぼ同じ形状のスリ
ット状の開口が形成されている。この開口は、実際には
ハウジングの天井面を形成する合成石英等から成る受光
ガラスの上面に形成された遮光膜の一部が取り除かれて
形成されている。前記開口の真下にレンズを介してSi
系PIN型フォトダイオード等の受光素子を有する光セ
ンサが配置されている。
【0213】照射量モニタ59は、露光領域42Wに照
射される露光光ILの強度測定に用いられる。照射量モ
ニタ59を構成する受光素子の受光量に応じた光量信号
が主制御装置50に供給されるようになっている。
射される露光光ILの強度測定に用いられる。照射量モ
ニタ59を構成する受光素子の受光量に応じた光量信号
が主制御装置50に供給されるようになっている。
【0214】なお、光センサは、必ずしもZチルトステ
ージ58の内部に設ける必要はなく、Zチルトステージ
58の外部に光センサを配置し、リレー光学系でリレー
された照明光束を光ファイバ等を介してその光センサに
導くようにしても良いことは勿論である。
ージ58の内部に設ける必要はなく、Zチルトステージ
58の外部に光センサを配置し、リレー光学系でリレー
された照明光束を光ファイバ等を介してその光センサに
導くようにしても良いことは勿論である。
【0215】Zチルトステージ58上には、後述するレ
チクルアライメント等を行う際に使用される基準マーク
板FMが設けられている。この基準マーク板FMは、そ
の表面がウエハWの表面とほぼ同一の高さとされてい
る。この基準マーク板FMの表面には、レチクルアライ
メント用基準マーク、ベースライン計測用基準マーク等
の基準マークが形成されている。
チクルアライメント等を行う際に使用される基準マーク
板FMが設けられている。この基準マーク板FMは、そ
の表面がウエハWの表面とほぼ同一の高さとされてい
る。この基準マーク板FMの表面には、レチクルアライ
メント用基準マーク、ベースライン計測用基準マーク等
の基準マークが形成されている。
【0216】また、図1では図面の錯綜を避ける観点か
ら図示が省略されているが、この露光装置10は、実際
にはレチクルアライメントを行うためのレチクルアライ
メント系を備えている。
ら図示が省略されているが、この露光装置10は、実際
にはレチクルアライメントを行うためのレチクルアライ
メント系を備えている。
【0217】レチクルRのアライメントを行う場合に
は、まず主制御装置50によりレチクルステージ駆動部
49、ウエハステージ駆動部56を介してレチクルステ
ージRST及びXYステージ14が駆動され、矩形の露
光領域42W内に基準マーク板FM上のレチクルアライ
メント用基準マークが設定され、その基準マークにレチ
クルR上のレチクルマーク像がほぼ重なるようにレチク
ルRとZチルトステージ58との相対位置が設定され
る。この状態で、主制御装置50によりレチクルアライ
メント系を用いて両マークが撮像され、主制御装置50
では、その撮像信号を処理して対応する基準マークに対
するレチクルマークの投影像のX方向、Y方向の位置ず
れ量を算出する。
は、まず主制御装置50によりレチクルステージ駆動部
49、ウエハステージ駆動部56を介してレチクルステ
ージRST及びXYステージ14が駆動され、矩形の露
光領域42W内に基準マーク板FM上のレチクルアライ
メント用基準マークが設定され、その基準マークにレチ
クルR上のレチクルマーク像がほぼ重なるようにレチク
ルRとZチルトステージ58との相対位置が設定され
る。この状態で、主制御装置50によりレチクルアライ
メント系を用いて両マークが撮像され、主制御装置50
では、その撮像信号を処理して対応する基準マークに対
するレチクルマークの投影像のX方向、Y方向の位置ず
れ量を算出する。
【0218】また、上記のレチクルのアライメントの結
果得られた基準マークの投影像の検出信号(画像信号)
に含まれるコントラスト情報に基づいてフォーカスオフ
セットやレベリングオフセット(投影光学系PLの焦点
位置、像面傾斜など)を求めることも可能である。
果得られた基準マークの投影像の検出信号(画像信号)
に含まれるコントラスト情報に基づいてフォーカスオフ
セットやレベリングオフセット(投影光学系PLの焦点
位置、像面傾斜など)を求めることも可能である。
【0219】また、本実施形態では、上記のレチクルア
ライメント時に、主制御装置50によって、投影光学系
PLの側面に設けられた不図示のウエハ側のオフアクシ
ス・アライメントセンサのベースライン量の計測も行わ
れる。すなわち、基準マーク板FM上には、レチクルア
ライメント用基準マークに対して所定の位置関係でベー
スライン計測用基準マークが形成されており、レチクル
アライメント系を介してレチクルマークの位置ずれ量を
計測する際に、そのウエハ側のアライメントセンサを介
してベースライン計測用基準マークのそのアライメント
センサの検出中心に対する位置ずれ量を計測すること
で、アライメントセンサのベースライン量、すなわちレ
チクル投影位置とアライメントセンサとの相対位置関係
が計測される。
ライメント時に、主制御装置50によって、投影光学系
PLの側面に設けられた不図示のウエハ側のオフアクシ
ス・アライメントセンサのベースライン量の計測も行わ
れる。すなわち、基準マーク板FM上には、レチクルア
ライメント用基準マークに対して所定の位置関係でベー
スライン計測用基準マークが形成されており、レチクル
アライメント系を介してレチクルマークの位置ずれ量を
計測する際に、そのウエハ側のアライメントセンサを介
してベースライン計測用基準マークのそのアライメント
センサの検出中心に対する位置ずれ量を計測すること
で、アライメントセンサのベースライン量、すなわちレ
チクル投影位置とアライメントセンサとの相対位置関係
が計測される。
【0220】更に、本実施形態の露光装置10では、図
1に示されるように、主制御装置50によってオン・オ
フが制御される光源を有し、投影光学系PLの結像面に
向けて多数のピンホールまたはスリットの像を形成する
ための結像光束を、光軸AXに対して斜め方向より照射
する照射光学系60aと、それらの結像光束のウエハW
表面での反射光束を受光する受光光学系60bとからな
る斜入射光式の多点焦点位置検出系(フォーカスセン
サ)が設けられている。主制御装置50では、受光光学
系60b内の図示しない平行平板の反射光束の光軸に対
する傾きを制御することにより、投影光学系PLのフォ
ーカス変動に応じて焦点検出系(60a、60b)にオ
フセットを与えてそのキャリブレーションを行う。これ
により、前述の露光領域42W内で投影光学系PLの像
面とウエハWの表面とがその焦点深度の範囲(幅)内で
合致することになる。なお、本実施形態と同様の多点焦
点位置検出系(フォーカスセンサ)の詳細な構成は、例
えば特開平6−283403号公報等に開示されてい
る。
1に示されるように、主制御装置50によってオン・オ
フが制御される光源を有し、投影光学系PLの結像面に
向けて多数のピンホールまたはスリットの像を形成する
ための結像光束を、光軸AXに対して斜め方向より照射
する照射光学系60aと、それらの結像光束のウエハW
表面での反射光束を受光する受光光学系60bとからな
る斜入射光式の多点焦点位置検出系(フォーカスセン
サ)が設けられている。主制御装置50では、受光光学
系60b内の図示しない平行平板の反射光束の光軸に対
する傾きを制御することにより、投影光学系PLのフォ
ーカス変動に応じて焦点検出系(60a、60b)にオ
フセットを与えてそのキャリブレーションを行う。これ
により、前述の露光領域42W内で投影光学系PLの像
面とウエハWの表面とがその焦点深度の範囲(幅)内で
合致することになる。なお、本実施形態と同様の多点焦
点位置検出系(フォーカスセンサ)の詳細な構成は、例
えば特開平6−283403号公報等に開示されてい
る。
【0221】走査露光時等に、主制御装置50では、受
光光学系60bからの焦点ずれ信号(デフォーカス信
号)、例えばSカーブ信号に基づいて焦点ずれが零とな
るようにZチルトステージ58のZ位置を不図示の駆動
系を介して制御することにより、オートフォーカス(自
動焦点合わせ)及びオートレベリングを実行する。
光光学系60bからの焦点ずれ信号(デフォーカス信
号)、例えばSカーブ信号に基づいて焦点ずれが零とな
るようにZチルトステージ58のZ位置を不図示の駆動
系を介して制御することにより、オートフォーカス(自
動焦点合わせ)及びオートレベリングを実行する。
【0222】なお、受光光学系60b内に平行平板を設
けて焦点検出系(60a,60b)にオフセットを与え
るようにしたのは、例えば、倍率補正のためにレンズエ
レメント70aを上下することによりフォーカスも変化
し、また、投影光学系PLが露光光ILを吸収すること
により結像特性が変化して結像面の位置が変動するの
で、かかる場合に焦点検出系にオフセットを与え、焦点
検出系の合焦位置を投影光学系PLの結像面の位置に一
致させる必要があるためである。このため、本実施形態
では、レンズエレメント70aの上下量とフォーカス変
化量の関係も予め実験により求め、主制御装置50内部
のメモリに記憶している。なお、レンズエレメント70
aの上下量とフォーカス変化量の関係は計算値を用いて
も良い。また、オートレベリングでは走査方向について
は行わず、その走査方向と直交する非走査方向のみに関
して行うようにしても良い。
けて焦点検出系(60a,60b)にオフセットを与え
るようにしたのは、例えば、倍率補正のためにレンズエ
レメント70aを上下することによりフォーカスも変化
し、また、投影光学系PLが露光光ILを吸収すること
により結像特性が変化して結像面の位置が変動するの
で、かかる場合に焦点検出系にオフセットを与え、焦点
検出系の合焦位置を投影光学系PLの結像面の位置に一
致させる必要があるためである。このため、本実施形態
では、レンズエレメント70aの上下量とフォーカス変
化量の関係も予め実験により求め、主制御装置50内部
のメモリに記憶している。なお、レンズエレメント70
aの上下量とフォーカス変化量の関係は計算値を用いて
も良い。また、オートレベリングでは走査方向について
は行わず、その走査方向と直交する非走査方向のみに関
して行うようにしても良い。
【0223】前記主制御装置50は、CPU(中央演算
処理装置)、ROM(リード・オンリ・メモリ)、RA
M(ランダム・アクセス・メモリ)等から成るいわゆる
マイクロコンピュータ(又はワークステーション)を含
んで構成され、これまでに説明した各種の制御を行う
他、露光動作が的確に行われるように、例えばレチクル
RとウエハWの同期走査、ウエハWのステッピング、露
光タイミング等を制御する。また、本実施形態では、主
制御装置50は、後述するように走査露光の際の露光量
の制御を行ったり、投影光学系PLの結像特性の変動量
を演算にて算出し、その算出結果に基づいて結像特性補
正コントローラ78を介して投影光学系PLの結像特性
を調整する等の他、装置全体を統括制御する。
処理装置)、ROM(リード・オンリ・メモリ)、RA
M(ランダム・アクセス・メモリ)等から成るいわゆる
マイクロコンピュータ(又はワークステーション)を含
んで構成され、これまでに説明した各種の制御を行う
他、露光動作が的確に行われるように、例えばレチクル
RとウエハWの同期走査、ウエハWのステッピング、露
光タイミング等を制御する。また、本実施形態では、主
制御装置50は、後述するように走査露光の際の露光量
の制御を行ったり、投影光学系PLの結像特性の変動量
を演算にて算出し、その算出結果に基づいて結像特性補
正コントローラ78を介して投影光学系PLの結像特性
を調整する等の他、装置全体を統括制御する。
【0224】具体的には、主制御装置50は、例えば走
査露光時には、レチクルRがレチクルステージRSTを
介して+Y方向(又は−Y方向)に速度VR=Vで走査
されるのに同期して、XYステージ14を介してウエハ
Wが露光領域42Wに対して−Y方向(又は+Y方向)
に速度VW=β・V(βはレチクルRからウエハWに対
する投影倍率)で走査されるように、レーザ干渉計54
R、54Wの計測値に基づいてレチクルステージ駆動部
49、ウエハステージ駆動部56をそれぞれ介してレチ
クルステージRST、XYステージ14の位置及び速度
をそれぞれ制御する。また、ステッピングの際には、主
制御装置50ではレーザ干渉計54Wの計測値に基づい
てウエハステージ駆動部56を介してXYステージ14
の位置を制御する。
査露光時には、レチクルRがレチクルステージRSTを
介して+Y方向(又は−Y方向)に速度VR=Vで走査
されるのに同期して、XYステージ14を介してウエハ
Wが露光領域42Wに対して−Y方向(又は+Y方向)
に速度VW=β・V(βはレチクルRからウエハWに対
する投影倍率)で走査されるように、レーザ干渉計54
R、54Wの計測値に基づいてレチクルステージ駆動部
49、ウエハステージ駆動部56をそれぞれ介してレチ
クルステージRST、XYステージ14の位置及び速度
をそれぞれ制御する。また、ステッピングの際には、主
制御装置50ではレーザ干渉計54Wの計測値に基づい
てウエハステージ駆動部56を介してXYステージ14
の位置を制御する。
【0225】次に、本実施形態の露光装置10において
所定枚数(N枚)のウエハW上にレチクルパターンの露
光を行う場合の露光シーケンスについて主制御装置50
の制御動作を中心として説明する。
所定枚数(N枚)のウエハW上にレチクルパターンの露
光を行う場合の露光シーケンスについて主制御装置50
の制御動作を中心として説明する。
【0226】まず、前提条件について説明する。 オペレータによりコンソール等の入出力装置62
(図1参照)から入力されたショット配列、ショットサ
イズ、各ショットの露光順序その他の必要なデータに基
づいて、予めショットマップデータ(各ショット領域の
露光順序と走査方向とを定めたデータ)が作成され、メ
モリ51(図1参照)内に格納されているものとする。 また、インテグレータセンサ46の出力は、Zチル
トステージ58上で像面(即ち、ウエハの表面)と同じ
高さに設置された不図示の基準照度計の出力に対して予
め較正(キャリブレーション)されているものとする。
インテグレータセンサ46の較正とは、インテグレータ
センサ46の出力を、像面上の露光量に変換するための
変換係数(或いは変換関数)を得ることである。この変
換係数を用いると、インテグレータセンサ46の出力よ
り間接的に像面上に与えられている露光量(エネルギ)
を計測できることになる。 また、上記キャリブレーションが完了したインテグ
レータセンサ46の出力に対して、ビームモニタ機構1
64内のエネルギモニタ、光増幅部161内の光電変換
素子180、181及び波長変換部163内の光電変換
素子182等の出力もキャリブレーションされ、インテ
グレータセンサ46の出力に対する各センサ出力の相関
係数も予め求められ、メモリ51内に格納されている。 さらに、上記キャリブレーションが完了したインテ
グレータセンサ46の出力に対して反射光モニタ47の
出力がキャリブレーションされ、インテグレータセンサ
46の出力と反射光モニタ47の出力との相関係数が予
め求められてメモリ51内に格納されているものとす
る。
(図1参照)から入力されたショット配列、ショットサ
イズ、各ショットの露光順序その他の必要なデータに基
づいて、予めショットマップデータ(各ショット領域の
露光順序と走査方向とを定めたデータ)が作成され、メ
モリ51(図1参照)内に格納されているものとする。 また、インテグレータセンサ46の出力は、Zチル
トステージ58上で像面(即ち、ウエハの表面)と同じ
高さに設置された不図示の基準照度計の出力に対して予
め較正(キャリブレーション)されているものとする。
インテグレータセンサ46の較正とは、インテグレータ
センサ46の出力を、像面上の露光量に変換するための
変換係数(或いは変換関数)を得ることである。この変
換係数を用いると、インテグレータセンサ46の出力よ
り間接的に像面上に与えられている露光量(エネルギ)
を計測できることになる。 また、上記キャリブレーションが完了したインテグ
レータセンサ46の出力に対して、ビームモニタ機構1
64内のエネルギモニタ、光増幅部161内の光電変換
素子180、181及び波長変換部163内の光電変換
素子182等の出力もキャリブレーションされ、インテ
グレータセンサ46の出力に対する各センサ出力の相関
係数も予め求められ、メモリ51内に格納されている。 さらに、上記キャリブレーションが完了したインテ
グレータセンサ46の出力に対して反射光モニタ47の
出力がキャリブレーションされ、インテグレータセンサ
46の出力と反射光モニタ47の出力との相関係数が予
め求められてメモリ51内に格納されているものとす
る。
【0227】まず、オペレータによりコンソール等の入
出力装置62(図1参照)から照明条件(投影光学系の
開口数N.A.、2次光源の形状(開口絞り24の種
類)、コヒーレンスファクタσやレチクルパターンの種
類(コンタクトホール、ラインアンドスペース等)、レ
チクルの種類(位相差レチクル、ハーフトーンレチクル
等)、及び最小線幅又は露光量許容誤差など)を含む露
光条件が入力され、この入力に応じて、主制御装置50
が、投影光学系PLの不図示の開口絞りの設定、照明系
開口絞り板24の開口の選択設定、レジスト感度に応じ
た目標積算露光量(設定光量に対応する量である)の設
定等を行う。このとき、同時に主制御装置50では、目
標積算露光量を得るための光源装置16からの出力光量
を設定光量にほぼ一致させるための、バンドル-ファイ
バ173の出力をオン、及びオフにすべきチャネルの選
択を行い、この選択指令を光量制御装置に与える。これ
により、後述する走査露光の際にレーザ光源160Aの
発光とほぼ同時に、光量制御装置16Cにより、前述し
た第1の機能により選択指令に応じて各チャネルのファ
イバ増幅器171nのオン・オフが実行され、露光量の
粗調整が実行されることとなる。
出力装置62(図1参照)から照明条件(投影光学系の
開口数N.A.、2次光源の形状(開口絞り24の種
類)、コヒーレンスファクタσやレチクルパターンの種
類(コンタクトホール、ラインアンドスペース等)、レ
チクルの種類(位相差レチクル、ハーフトーンレチクル
等)、及び最小線幅又は露光量許容誤差など)を含む露
光条件が入力され、この入力に応じて、主制御装置50
が、投影光学系PLの不図示の開口絞りの設定、照明系
開口絞り板24の開口の選択設定、レジスト感度に応じ
た目標積算露光量(設定光量に対応する量である)の設
定等を行う。このとき、同時に主制御装置50では、目
標積算露光量を得るための光源装置16からの出力光量
を設定光量にほぼ一致させるための、バンドル-ファイ
バ173の出力をオン、及びオフにすべきチャネルの選
択を行い、この選択指令を光量制御装置に与える。これ
により、後述する走査露光の際にレーザ光源160Aの
発光とほぼ同時に、光量制御装置16Cにより、前述し
た第1の機能により選択指令に応じて各チャネルのファ
イバ増幅器171nのオン・オフが実行され、露光量の
粗調整が実行されることとなる。
【0228】次に、主制御装置50では、不図示のレチ
クルローダを用いて露光対象のレチクルRをレチクルス
テージRST上にロードする。
クルローダを用いて露光対象のレチクルRをレチクルス
テージRST上にロードする。
【0229】次いで、前述した如く、レチクルアライメ
ント系を用いてレチクルアライメントを行うとともに、
ベースライン計測を行う。
ント系を用いてレチクルアライメントを行うとともに、
ベースライン計測を行う。
【0230】次に、主制御装置50では、不図示のウエ
ハ搬送系にウエハWの交換を指示する。これにより、ウ
エハ搬送系及びXYステージ14上の不図示のウエハ受
け渡し機構によってウエハ交換(ステージ上にウエハが
無い場合は、単なるウエハロード)が行われ、次いでい
わゆるサーチアライメント及びファインアライメント
(EGA等)の一連のアライメント工程の処理を行う。
これらのウエハ交換、ウエハアライメントは、公知の露
光装置と同様に行われるので、ここではこれ以上の詳細
な説明は省略する。
ハ搬送系にウエハWの交換を指示する。これにより、ウ
エハ搬送系及びXYステージ14上の不図示のウエハ受
け渡し機構によってウエハ交換(ステージ上にウエハが
無い場合は、単なるウエハロード)が行われ、次いでい
わゆるサーチアライメント及びファインアライメント
(EGA等)の一連のアライメント工程の処理を行う。
これらのウエハ交換、ウエハアライメントは、公知の露
光装置と同様に行われるので、ここではこれ以上の詳細
な説明は省略する。
【0231】次に、上記のアライメント結果及びショッ
トマップデータに基づいて、ウエハW上の各ショット領
域の露光のための走査開始位置にウエハWを移動させる
動作と、前述した走査露光動作とを繰り返し行って、ス
テップ・アンド・スキャン方式でウエハW上の複数のシ
ョット領域にレチクルパターンを転写する。この走査露
光中に、主制御装置50では、露光条件及びレジスト感
度に応じて決定された目標積算露光量をウエハWに与え
るため、インテグレータセンサ46の出力をモニタしつ
つ光量制御装置16Cに指令を与える。これにより、光
量制御装置16Cでは、前述した第1の機能により露光
量の粗調整を行うとともに、前述した第2の機能、第3
の機能により、光源装置16からのレーザビーム(紫外
パルス光)の周波数及びピークパワーを制御し、露光量
の微調整を実行する。
トマップデータに基づいて、ウエハW上の各ショット領
域の露光のための走査開始位置にウエハWを移動させる
動作と、前述した走査露光動作とを繰り返し行って、ス
テップ・アンド・スキャン方式でウエハW上の複数のシ
ョット領域にレチクルパターンを転写する。この走査露
光中に、主制御装置50では、露光条件及びレジスト感
度に応じて決定された目標積算露光量をウエハWに与え
るため、インテグレータセンサ46の出力をモニタしつ
つ光量制御装置16Cに指令を与える。これにより、光
量制御装置16Cでは、前述した第1の機能により露光
量の粗調整を行うとともに、前述した第2の機能、第3
の機能により、光源装置16からのレーザビーム(紫外
パルス光)の周波数及びピークパワーを制御し、露光量
の微調整を実行する。
【0232】また、主制御装置50では、照明系開口絞
り板24を駆動装置40を介して制御し、更にステージ
系の動作情報に同期して可動レチクルブラインド30B
の開閉動作を制御する。
り板24を駆動装置40を介して制御し、更にステージ
系の動作情報に同期して可動レチクルブラインド30B
の開閉動作を制御する。
【0233】1枚目のウエハWに対する露光が終了する
と、主制御装置50では、不図示のウエハ搬送系にウエ
ハWの交換を指示する。これにより、ウエハ搬送系及び
XYステージ14上の不図示のウエハ受け渡し機構によ
ってウエハ交換が行われ、以後上記と同様にしてその交
換後のウエハに対してサーチアライメント、ファインア
ライメントを行う。また、この場合、主制御装置50に
より1枚目のウエハWに対する露光開始からの投影光学
系PLの結像特性(フォーカスの変動を含む)の照射変
動が、インテグレータセンサ46及び反射光モニタ47
の計測値に基づいて求められ、この照射変動を補正する
ような指令値を結像特性補正コントローラ78に与える
とともに受光光学系60bにオフセットを与える。ま
た、主制御装置50では、環境センサ77の計測値に基
づいて、投影光学系PLの結像特性の大気圧変動分等の
環境変動分も求めて、これらの変動を補正するような指
令値を結像特性補正コントローラ78に与えるとともに
受光光学系60bにオフセットを与える。
と、主制御装置50では、不図示のウエハ搬送系にウエ
ハWの交換を指示する。これにより、ウエハ搬送系及び
XYステージ14上の不図示のウエハ受け渡し機構によ
ってウエハ交換が行われ、以後上記と同様にしてその交
換後のウエハに対してサーチアライメント、ファインア
ライメントを行う。また、この場合、主制御装置50に
より1枚目のウエハWに対する露光開始からの投影光学
系PLの結像特性(フォーカスの変動を含む)の照射変
動が、インテグレータセンサ46及び反射光モニタ47
の計測値に基づいて求められ、この照射変動を補正する
ような指令値を結像特性補正コントローラ78に与える
とともに受光光学系60bにオフセットを与える。ま
た、主制御装置50では、環境センサ77の計測値に基
づいて、投影光学系PLの結像特性の大気圧変動分等の
環境変動分も求めて、これらの変動を補正するような指
令値を結像特性補正コントローラ78に与えるとともに
受光光学系60bにオフセットを与える。
【0234】そして、上記と同様に、このウエハW上の
複数のショット領域にステップ・アンド・スキャン方式
でレチクルパターンを転写する。そして、この2枚目の
ウエハの露光が終了すると、以後、上記と同様にして、
ウエハ交換、ステップ・アンド・スキャン方式の露光が
順次繰り返し行われる。
複数のショット領域にステップ・アンド・スキャン方式
でレチクルパターンを転写する。そして、この2枚目の
ウエハの露光が終了すると、以後、上記と同様にして、
ウエハ交換、ステップ・アンド・スキャン方式の露光が
順次繰り返し行われる。
【0235】ところで、上記のN枚のウエハWに対する
露光を行う際に、主制御装置50では、ビームモニタ機
構164のモニタ結果に基づいてレーザ制御装置16B
を介してレーザ光源160Aの発振波長を設定波長に安
定的に維持するようなフィードバック制御を行ってい
る。このため、波長変動による投影光学系PLの収差
(結像特性)の発生、又はその変動が防止され、パター
ン転写中にその像特性(像質などの光学的特性)が変化
することがない。
露光を行う際に、主制御装置50では、ビームモニタ機
構164のモニタ結果に基づいてレーザ制御装置16B
を介してレーザ光源160Aの発振波長を設定波長に安
定的に維持するようなフィードバック制御を行ってい
る。このため、波長変動による投影光学系PLの収差
(結像特性)の発生、又はその変動が防止され、パター
ン転写中にその像特性(像質などの光学的特性)が変化
することがない。
【0236】この一方、主制御装置50では、結像特性
補正コントローラ44に指示を与えて駆動素子74a,
74b,74cを駆動して投影光学系PLの上記の大気
圧変動分を含む環境変動分を補正する代わりに、1枚目
のウエハWの露光が開始されてから所定のタイミング毎
に、環境センサ77の計測値に基づいて標準状態からの
気圧、温度、湿度等の変化を求め、その気圧、温度、湿
度等の変化に起因する投影光学系PLの結像特性の環境
変動分をほぼ相殺するための波長変更量を計算で求め、
該波長変更量に応じてレーザ光源160Aの発振波長を
積極的に変更することとしても良い。
補正コントローラ44に指示を与えて駆動素子74a,
74b,74cを駆動して投影光学系PLの上記の大気
圧変動分を含む環境変動分を補正する代わりに、1枚目
のウエハWの露光が開始されてから所定のタイミング毎
に、環境センサ77の計測値に基づいて標準状態からの
気圧、温度、湿度等の変化を求め、その気圧、温度、湿
度等の変化に起因する投影光学系PLの結像特性の環境
変動分をほぼ相殺するための波長変更量を計算で求め、
該波長変更量に応じてレーザ光源160Aの発振波長を
積極的に変更することとしても良い。
【0237】かかる発振波長の変更は、主制御装置50
からの指示に基づき、レーザ制御装置16Bがビームモ
ニタ機構164を構成するエタロン素子の温度を積極的
に制御して、エタロン素子の透過率が最大となる共鳴波
長(検出基準波長)が一致している設定波長(目標波
長)を変更すると共に、この変更後の設定波長にDFB
半導体レーザ160Aの発振波長が一致するように、D
FB半導体レーザ160Aの温度をフィードバック制御
することにより容易に達成される。
からの指示に基づき、レーザ制御装置16Bがビームモ
ニタ機構164を構成するエタロン素子の温度を積極的
に制御して、エタロン素子の透過率が最大となる共鳴波
長(検出基準波長)が一致している設定波長(目標波
長)を変更すると共に、この変更後の設定波長にDFB
半導体レーザ160Aの発振波長が一致するように、D
FB半導体レーザ160Aの温度をフィードバック制御
することにより容易に達成される。
【0238】これにより、露光装置10の稼働中に、大
気圧、温度、湿度などの変化に起因して生じる投影光学
系PLの収差、投影倍率、及び焦点位置などの結像特性
の変動を同時に相殺することができる。すなわち、この
DFB半導体レーザ160Aの発振波長の変更により、
あたかも標準状態からの環境の変動がなかったかのよう
な状態(即ち、光学性能の変動量が相殺された状態)に
することができる。
気圧、温度、湿度などの変化に起因して生じる投影光学
系PLの収差、投影倍率、及び焦点位置などの結像特性
の変動を同時に相殺することができる。すなわち、この
DFB半導体レーザ160Aの発振波長の変更により、
あたかも標準状態からの環境の変動がなかったかのよう
な状態(即ち、光学性能の変動量が相殺された状態)に
することができる。
【0239】このような波長変更、より具体的には、設
定波長の変更、及びこの変更後の設定波長を基準とする
レーザ光源160Aの発振波長の安定化制御は次のよう
な場合に行われる。
定波長の変更、及びこの変更後の設定波長を基準とする
レーザ光源160Aの発振波長の安定化制御は次のよう
な場合に行われる。
【0240】例えば大気圧を採り上げて説明すると、通
常、標準大気圧は、露光装置が設置される納入先(工場
など)の平均大気圧に設定されることが多い。従って、
露光装置を製造する組立地と、露光装置が設置される納
入先(移設地)とに標高差があるときは、例えば標準大
気圧(平均大気圧など)下に投影光学系などが設置され
ているかのように、組立地ではその標高差に対応する波
長だけ露光波長をシフトさせた上で投影光学系などの調
整を行い、移設地ではその波長を露光波長に戻す、ある
いは組立地では露光波長のもとで投影光学系などの調整
を行い、移設地でその標高差を相殺するように露光波長
をシフトさせる。他の環境条件、すなわち温度、湿度等
についても同様のことが言える。これにより、組み立て
地と納入先との標高差や気圧差、更には環境(クリーン
ルーム内の雰囲気)の違いなどに応じて生じる投影光学
系PLの結像特性(収差など)の変動を相殺でき、納入
先で露光装置の立ち上げに要する時間を短縮することが
可能になる。さらに、露光装置の稼働中に、大気圧変化
などに起因して生じる投影光学系PLの収差、投影倍
率、及び焦点位置などの変動も相殺でき、常に最良の結
像状態でパターン像を基板上に転写することが可能とな
る。
常、標準大気圧は、露光装置が設置される納入先(工場
など)の平均大気圧に設定されることが多い。従って、
露光装置を製造する組立地と、露光装置が設置される納
入先(移設地)とに標高差があるときは、例えば標準大
気圧(平均大気圧など)下に投影光学系などが設置され
ているかのように、組立地ではその標高差に対応する波
長だけ露光波長をシフトさせた上で投影光学系などの調
整を行い、移設地ではその波長を露光波長に戻す、ある
いは組立地では露光波長のもとで投影光学系などの調整
を行い、移設地でその標高差を相殺するように露光波長
をシフトさせる。他の環境条件、すなわち温度、湿度等
についても同様のことが言える。これにより、組み立て
地と納入先との標高差や気圧差、更には環境(クリーン
ルーム内の雰囲気)の違いなどに応じて生じる投影光学
系PLの結像特性(収差など)の変動を相殺でき、納入
先で露光装置の立ち上げに要する時間を短縮することが
可能になる。さらに、露光装置の稼働中に、大気圧変化
などに起因して生じる投影光学系PLの収差、投影倍
率、及び焦点位置などの変動も相殺でき、常に最良の結
像状態でパターン像を基板上に転写することが可能とな
る。
【0241】このように、本実施形態では、例えば投影
光学系によって照明光の波長を変更することと、その投
影光学系の設置環境(周囲の気体の圧力、温度、湿度な
ど)を変更することは実質的に等価であることを利用し
ている。このとき、投影光学系の屈折素子の硝材の種類
が単一であるときには、その等価性が完全に成立し、硝
材が複数種類であってもその等価性はほぼ成立する。従
って、設置環境に対する投影光学系(特に屈折素子)の
屈折率の変化特性を用いて、照明光の波長のみを変化さ
せることによって、実質的に投影光学系の設置環境が変
化した場合と等価な状態を実現することができる。
光学系によって照明光の波長を変更することと、その投
影光学系の設置環境(周囲の気体の圧力、温度、湿度な
ど)を変更することは実質的に等価であることを利用し
ている。このとき、投影光学系の屈折素子の硝材の種類
が単一であるときには、その等価性が完全に成立し、硝
材が複数種類であってもその等価性はほぼ成立する。従
って、設置環境に対する投影光学系(特に屈折素子)の
屈折率の変化特性を用いて、照明光の波長のみを変化さ
せることによって、実質的に投影光学系の設置環境が変
化した場合と等価な状態を実現することができる。
【0242】なお、標準大気圧は任意で良いが、例えば
投影光学系などの光学性能が最良となるようにその調整
を行うときの基準となる大気圧であることが望ましく、
この場合には、標準大気圧では投影光学系などの光学性
能の変動量が零となる。
投影光学系などの光学性能が最良となるようにその調整
を行うときの基準となる大気圧であることが望ましく、
この場合には、標準大気圧では投影光学系などの光学性
能の変動量が零となる。
【0243】また、投影光学系PLが空気以外の雰囲気
中に設置される場合、大気圧とは、投影光学系PLの周
囲の雰囲気(気体)の圧力となる。すなわち、本明細書
において、大気圧とは通常の意味、すなわち大気(空
気)の圧力より広く、雰囲気気体の圧力を含む。
中に設置される場合、大気圧とは、投影光学系PLの周
囲の雰囲気(気体)の圧力となる。すなわち、本明細書
において、大気圧とは通常の意味、すなわち大気(空
気)の圧力より広く、雰囲気気体の圧力を含む。
【0244】なお、主制御装置50では、上記の波長の
変更によりキャンセルできない投影光学系PLの結像特
性の環境変動分がある場合には、主制御装置50では、
前記設定波長の変更の度毎に、結像特性補正コントロー
ラ78を介して駆動素子74a、74b、74cを駆動
して設定波長の変更により補正される投影光学系PLの
環境変動分を除く、結像特性変動を補正する。これによ
り、投影光学系PLの結像特性の環境変動分の大部分が
上記の設定波長の変更により補正され、投影光学系PL
の残りの環境変動分、照射変動分等が、結像特性補正コ
ントローラ78による駆動素子74a、74b、74c
の駆動により補正される。この結果、投影光学系PLの
結像特性をほぼ完全に補正した状態で高精度な露光が行
われる。
変更によりキャンセルできない投影光学系PLの結像特
性の環境変動分がある場合には、主制御装置50では、
前記設定波長の変更の度毎に、結像特性補正コントロー
ラ78を介して駆動素子74a、74b、74cを駆動
して設定波長の変更により補正される投影光学系PLの
環境変動分を除く、結像特性変動を補正する。これによ
り、投影光学系PLの結像特性の環境変動分の大部分が
上記の設定波長の変更により補正され、投影光学系PL
の残りの環境変動分、照射変動分等が、結像特性補正コ
ントローラ78による駆動素子74a、74b、74c
の駆動により補正される。この結果、投影光学系PLの
結像特性をほぼ完全に補正した状態で高精度な露光が行
われる。
【0245】更に、主制御装置50は、前記設定波長の
変更間では、環境変動を考慮して結像特性変動を補正す
ることとしても良い。設定波長の変更は上述した所定の
タイミングで行われるが、この設定波長の変更間隔が長
いと、その間で気圧、温度、湿度等の変動が生じるが、
このような場合にもそれらに起因する投影光学系の結像
特性の変動分を補正することができる。
変更間では、環境変動を考慮して結像特性変動を補正す
ることとしても良い。設定波長の変更は上述した所定の
タイミングで行われるが、この設定波長の変更間隔が長
いと、その間で気圧、温度、湿度等の変動が生じるが、
このような場合にもそれらに起因する投影光学系の結像
特性の変動分を補正することができる。
【0246】ここで、前記所定のタイミングは、所定枚
数のウエハWの露光終了毎のタイミングであっても良
く、ウエハW上の1ショットの露光終了の度毎のタイミ
ングであっても良い。ここで、所定枚数は1枚であって
も良く、1ロットに相当する枚数であっても良い。
数のウエハWの露光終了毎のタイミングであっても良
く、ウエハW上の1ショットの露光終了の度毎のタイミ
ングであっても良い。ここで、所定枚数は1枚であって
も良く、1ロットに相当する枚数であっても良い。
【0247】あるいは、前記所定のタイミングは、露光
条件の変更の度毎のタイミングであっても良い。また、
露光条件の変更とは、照明条件の変更の他、レチクルの
交換等の広い意味での露光に関する条件が変更された場
合の全てを含む。例えば、いわゆる二重露光時のレチク
ル交換や照明系開口絞りの変更と並行して波長の変更を
行えば、時間ロスが殆ど殆どないので、スループットの
低下を防止することができる。
条件の変更の度毎のタイミングであっても良い。また、
露光条件の変更とは、照明条件の変更の他、レチクルの
交換等の広い意味での露光に関する条件が変更された場
合の全てを含む。例えば、いわゆる二重露光時のレチク
ル交換や照明系開口絞りの変更と並行して波長の変更を
行えば、時間ロスが殆ど殆どないので、スループットの
低下を防止することができる。
【0248】あるいは、所定のタイミングは、環境セン
サ77の計測値に基づいて得られる大気圧等の物理量の
変化が所定量以上変化したタイミングであっても良く、
あるいは投影光学系PLの光学性能を演算する間隔(例
えば数μs)に合わせて、ほぼリアルタイムで行っても
良い。あるいは所定のタイミングは、予め定められた所
定時間毎のタイミングであっても良い。
サ77の計測値に基づいて得られる大気圧等の物理量の
変化が所定量以上変化したタイミングであっても良く、
あるいは投影光学系PLの光学性能を演算する間隔(例
えば数μs)に合わせて、ほぼリアルタイムで行っても
良い。あるいは所定のタイミングは、予め定められた所
定時間毎のタイミングであっても良い。
【0249】更に、照射変動分の補正をも含めてレーザ
光の波長変更により対処することも可能である。このと
き、複数の代表的な波長毎に実験又はシミュレーション
にて照射変動モデルを求めておくとよい。ここで、変更
された波長が、照射変動モデルを求めた波長の間である
場合は、例えば補間計算などによって結像特性又はその
変動量を算出することが望ましい。
光の波長変更により対処することも可能である。このと
き、複数の代表的な波長毎に実験又はシミュレーション
にて照射変動モデルを求めておくとよい。ここで、変更
された波長が、照射変動モデルを求めた波長の間である
場合は、例えば補間計算などによって結像特性又はその
変動量を算出することが望ましい。
【0250】また、波長シフトによってウエハW上に塗
布されるレジスト(感光剤)の感度特性が変化すること
があり、この場合、主制御装置50では、その感度特性
の変化に応じて後述する積算露光のパラメータ、すなわ
ち走査速度、照明領域の幅、照明光の強度、及び発振周
波数の少なくとも1つを変更することにより露光量を制
御することが望ましい。なお、複数の代表的な波長に対
応して実験又はシミュレーションにてレジストの感度特
性を求めておくと良く、さらに変更された波長が、感度
特性を求めた波長の間であるときは、例えば補間計算な
どによってその感度特性を算出することが望ましい。
布されるレジスト(感光剤)の感度特性が変化すること
があり、この場合、主制御装置50では、その感度特性
の変化に応じて後述する積算露光のパラメータ、すなわ
ち走査速度、照明領域の幅、照明光の強度、及び発振周
波数の少なくとも1つを変更することにより露光量を制
御することが望ましい。なお、複数の代表的な波長に対
応して実験又はシミュレーションにてレジストの感度特
性を求めておくと良く、さらに変更された波長が、感度
特性を求めた波長の間であるときは、例えば補間計算な
どによってその感度特性を算出することが望ましい。
【0251】なお、前述した露光量(光量)の粗調整
を、実露光前にテス卜発光を行い、露光量設定値に対
し、1%以下の精度で制御を確実に行うようにしても良
い。
を、実露光前にテス卜発光を行い、露光量設定値に対
し、1%以下の精度で制御を確実に行うようにしても良
い。
【0252】本実施形態の露光量の粗調整のダイナミッ
クレンジは、1〜1/128の範囲内で設定可能である
が、通常要求されるダイナミックレンジは、典型的には
1〜1/7程度であるため、光出力をオンにすべきチャ
ネル数(光ファイバ数)を128〜18の間で制御する
ことによって行えば良い。このように、本実施形態で
は、各チャネルの光出力の個別オン・オフによる露光量
制御により、ウエハ毎のレジス卜感度等の違いにあわせ
た露光量の粗調整を正確に行うことができる。
クレンジは、1〜1/128の範囲内で設定可能である
が、通常要求されるダイナミックレンジは、典型的には
1〜1/7程度であるため、光出力をオンにすべきチャ
ネル数(光ファイバ数)を128〜18の間で制御する
ことによって行えば良い。このように、本実施形態で
は、各チャネルの光出力の個別オン・オフによる露光量
制御により、ウエハ毎のレジス卜感度等の違いにあわせ
た露光量の粗調整を正確に行うことができる。
【0253】従って、本実施形態では、従来のエキシマ
レーザ露光装置に用いられていたNDフィルタ等のエネ
ルギ粗調器が不要となる。
レーザ露光装置に用いられていたNDフィルタ等のエネ
ルギ粗調器が不要となる。
【0254】また、上述した光量制御装置16Cによ
る、第2、第3の機能による光量制御は、制御速度が速
く、制御精度が高いという特徴を持つため、以下の現状
の露光装置に要求されている制御要請を確実に満たすこ
とが可能である。
る、第2、第3の機能による光量制御は、制御速度が速
く、制御精度が高いという特徴を持つため、以下の現状
の露光装置に要求されている制御要請を確実に満たすこ
とが可能である。
【0255】すなわち、同一ウエハ内における、例えば
レジストの膜厚のばらつきに起因して生じる、ショット
領域(チップ毎)のプロセスばらつきを補正する露光量
制御のための要請である、ダイナミックレンジが設定露
光量の±10%程度、ショット間ステッピング時間であ
る100ms程度の時間内に設定値に制御すること、制
御精度として設定露光量の±1%程度、1ショット領域
の線幅均一性を実現するための露光制御のための要請で
ある、制御精度として典型的には1ショットの露光時間
である20msecの時間内に設定露光量の±0.2%
に設定すること、制御速度1ms程度、の全てを満た
す。
レジストの膜厚のばらつきに起因して生じる、ショット
領域(チップ毎)のプロセスばらつきを補正する露光量
制御のための要請である、ダイナミックレンジが設定露
光量の±10%程度、ショット間ステッピング時間であ
る100ms程度の時間内に設定値に制御すること、制
御精度として設定露光量の±1%程度、1ショット領域
の線幅均一性を実現するための露光制御のための要請で
ある、制御精度として典型的には1ショットの露光時間
である20msecの時間内に設定露光量の±0.2%
に設定すること、制御速度1ms程度、の全てを満た
す。
【0256】従って、露光量制御のためには、光量制御
装置16Cでは、第2、第3の機能による光量制御の少
なくとも一方を行えば足りる。
装置16Cでは、第2、第3の機能による光量制御の少
なくとも一方を行えば足りる。
【0257】また、本実施形態の露光装置10のような
レーザ光源(パルス光源)を有する走査型露光装置で
は、ウエハWの走査速度(スキャン速度)をVW、ウエ
ハW上のスリット状の露光領域42Wの走査方向の幅
(スリット幅)をD、レーザ光源のパルスの繰り返し周
波数をFとすると、パルス発光間にウエハWが移動する
間隔はVW/Fであるため、ウエハ上の1点当たりに照
射すべき露光光ILのパルス数(露光パルス数)Nは次
式(3)で表される。
レーザ光源(パルス光源)を有する走査型露光装置で
は、ウエハWの走査速度(スキャン速度)をVW、ウエ
ハW上のスリット状の露光領域42Wの走査方向の幅
(スリット幅)をD、レーザ光源のパルスの繰り返し周
波数をFとすると、パルス発光間にウエハWが移動する
間隔はVW/Fであるため、ウエハ上の1点当たりに照
射すべき露光光ILのパルス数(露光パルス数)Nは次
式(3)で表される。
【0258】 N=D/(VW/F) ……(3)
【0259】パルスエネルギをPとすると、単位時間に
ウエハ上の1点当たりに与えられるべきエネルギは、次
式(4)で表される。
ウエハ上の1点当たりに与えられるべきエネルギは、次
式(4)で表される。
【0260】 E=NP=PD/(VW/F) ……(4)
【0261】従って、走査型露光装置では、スリット幅
D、スキャン速度VW、レーザ光源のパルスの繰り返し
周波数F、パルスエネルギPのいずれかを制御すること
により、露光量(積算露光量)の制御が可能である。応
答速度の問題から走査露光中にスリット幅Dを調整する
ことには難点があるので、スキャン速度VW、レーザ光
源のパルスの繰り返し周波数F、パルスエネルギPのい
ずれかを制御すれば良い。
D、スキャン速度VW、レーザ光源のパルスの繰り返し
周波数F、パルスエネルギPのいずれかを制御すること
により、露光量(積算露光量)の制御が可能である。応
答速度の問題から走査露光中にスリット幅Dを調整する
ことには難点があるので、スキャン速度VW、レーザ光
源のパルスの繰り返し周波数F、パルスエネルギPのい
ずれかを制御すれば良い。
【0262】従って、本実施形態の露光装置10におい
ても、光量制御装置16Cの第2、第3の機能による光
量制御のいずれかと、スキャン速度とを組み合わせて、
露光量を制御するようにしても、勿論良い。
ても、光量制御装置16Cの第2、第3の機能による光
量制御のいずれかと、スキャン速度とを組み合わせて、
露光量を制御するようにしても、勿論良い。
【0263】例えば、ウエハW上に転写すべきレチクル
パ夕ーンに応じてウエハWの露光条件を変更する、例え
ば照明光学系の瞳面上での照明光の強度分布(即ち2次
光源の形状や大きさ)を変化させたり、あるいは投影光
学系PLのほぼ瞳面上でその光軸を中心とする円形領域
を遮光する光学フィルタを挿脱する。この露光条件の変
更によってウエハW上での照度が変化するが、このこと
はレチクルパターンの変更によっても生じる。これは、
パターンの遮光部(又は透過部)の占有面積の違いによ
るものである。そこで、露光条件及びレチクルパターン
の少なくとも一方の変更によって照度が変化するとき
は、ウエハ(レジスト)に適正な露光量が与えられるよ
うに、前述した周波数とピークパワーとの少なくとも一
方を制御することが望ましい。このとき、周波数及びピ
ークパワーの少なくとも一方に加えてレチクル及びウエ
ハの走査速度を調整するようにしても良い。
パ夕ーンに応じてウエハWの露光条件を変更する、例え
ば照明光学系の瞳面上での照明光の強度分布(即ち2次
光源の形状や大きさ)を変化させたり、あるいは投影光
学系PLのほぼ瞳面上でその光軸を中心とする円形領域
を遮光する光学フィルタを挿脱する。この露光条件の変
更によってウエハW上での照度が変化するが、このこと
はレチクルパターンの変更によっても生じる。これは、
パターンの遮光部(又は透過部)の占有面積の違いによ
るものである。そこで、露光条件及びレチクルパターン
の少なくとも一方の変更によって照度が変化するとき
は、ウエハ(レジスト)に適正な露光量が与えられるよ
うに、前述した周波数とピークパワーとの少なくとも一
方を制御することが望ましい。このとき、周波数及びピ
ークパワーの少なくとも一方に加えてレチクル及びウエ
ハの走査速度を調整するようにしても良い。
【0264】これまでの説明から明らかなように、本実
施形態では、主制御装置50によって、第1の制御装
置、第2の制御装置、第3の制御装置のすべてが実現さ
れているが、これらの制御装置を別々の制御装置によっ
て構成しても良いことは勿論である。
施形態では、主制御装置50によって、第1の制御装
置、第2の制御装置、第3の制御装置のすべてが実現さ
れているが、これらの制御装置を別々の制御装置によっ
て構成しても良いことは勿論である。
【0265】以上説明したように、本実施形態に係る光
源装置16によると、レーザ光の波長を検出する波長検
出装置(具体的には、ビームモニタ機構164内のエタ
ロン素子)の検出基準波長(共鳴波長)の温度依存性が
DFB半導体レーザ16Bの発振波長の温度依存性とと
もに予め計測され、それらのデータから成る温度依存性
マップがメモリに記憶されている。そして、主制御装置
50では、吸収セル165から提供される絶対波長に対
してビームモニタ機構164の検出基準波長(エタロン
素子の共鳴波長)をほぼ一致させる絶対波長キャリブレ
ーションを行うとともに、前記温度依存性マップに基づ
いて前記検出基準波長を設定波長に一致させる設定波長
キャリブレーションを行う。このように、本実施形態の
光源装置によると、既知のビームモニタ機構164の検
出基準波長の温度依存性のデータを含む温度依存性マッ
プを用いて、絶対波長キャリブレーション後のビームモ
ニタ機構164の検出基準波長を設定波長に一致させる
設定波長キャリブレーションが行われる。このため、常
に確実にビームモニタ機構164の検出基準波長を設定
波長に正確に設定することができ、これによりビームモ
ニタ機構164の雰囲気の温度等が変動しても、それに
影響を受けることなく、ビームモニタ機構164を用い
てレーザ光の中心波長を所定の設定波長に確実に維持す
るような波長安定化制御が可能になる。
源装置16によると、レーザ光の波長を検出する波長検
出装置(具体的には、ビームモニタ機構164内のエタ
ロン素子)の検出基準波長(共鳴波長)の温度依存性が
DFB半導体レーザ16Bの発振波長の温度依存性とと
もに予め計測され、それらのデータから成る温度依存性
マップがメモリに記憶されている。そして、主制御装置
50では、吸収セル165から提供される絶対波長に対
してビームモニタ機構164の検出基準波長(エタロン
素子の共鳴波長)をほぼ一致させる絶対波長キャリブレ
ーションを行うとともに、前記温度依存性マップに基づ
いて前記検出基準波長を設定波長に一致させる設定波長
キャリブレーションを行う。このように、本実施形態の
光源装置によると、既知のビームモニタ機構164の検
出基準波長の温度依存性のデータを含む温度依存性マッ
プを用いて、絶対波長キャリブレーション後のビームモ
ニタ機構164の検出基準波長を設定波長に一致させる
設定波長キャリブレーションが行われる。このため、常
に確実にビームモニタ機構164の検出基準波長を設定
波長に正確に設定することができ、これによりビームモ
ニタ機構164の雰囲気の温度等が変動しても、それに
影響を受けることなく、ビームモニタ機構164を用い
てレーザ光の中心波長を所定の設定波長に確実に維持す
るような波長安定化制御が可能になる。
【0266】また、主制御装置50は、レーザ制御装置
16Bを介してビームモニタ機構164を構成するエタ
ロン素子(ファブリぺロー・エタロン)の温度を制御す
ることにより、検出基準波長の絶対波長キャリブレーシ
ョン及び設定波長キャリブレーションを行うので、エタ
ロン素子の波長検出の基準となる共鳴波長の温度依存性
を利用して、その検出基準波長を設定波長に設定するこ
とが可能となる。
16Bを介してビームモニタ機構164を構成するエタ
ロン素子(ファブリぺロー・エタロン)の温度を制御す
ることにより、検出基準波長の絶対波長キャリブレーシ
ョン及び設定波長キャリブレーションを行うので、エタ
ロン素子の波長検出の基準となる共鳴波長の温度依存性
を利用して、その検出基準波長を設定波長に設定するこ
とが可能となる。
【0267】また、主制御装置50は、絶対波長キャリ
ブレーションを行うに際に、レーザ制御装置16Bを介
してレーザ光源160Aの波長制御をも併せて行うよう
になっていることから、絶対波長キャリブレーション
を、レーザ光の波長制御を行わない場合に比べて短時間
で完了することができる。但し、絶対波長キャリブレー
ションを行う際に、レーザ光源160Aの波長制御を必
ずしも行う必要はない。
ブレーションを行うに際に、レーザ制御装置16Bを介
してレーザ光源160Aの波長制御をも併せて行うよう
になっていることから、絶対波長キャリブレーション
を、レーザ光の波長制御を行わない場合に比べて短時間
で完了することができる。但し、絶対波長キャリブレー
ションを行う際に、レーザ光源160Aの波長制御を必
ずしも行う必要はない。
【0268】また、主制御装置50は、前記設定波長キ
ャリブレーションの終了後に、その設定波長キャリブレ
ーションが終了したビームモニタ機構164のモニタ結
果に基づいて、レーザ制御装置16Bを介してレーザ光
源160Aからのレーザ光の波長をフィードバック制御
するようになっている。このため、主制御装置50によ
り、その検出基準波長が設定波長に正確に設定されたビ
ームモニタ機構164のモニタ結果に基づいて、レーザ
制御装置16Bを介してレーザ光源160Aからのレー
ザ光の波長が制御されることとなり、これによりそのレ
ーザ光の波長を設定波長に安定的に維持することができ
る。
ャリブレーションの終了後に、その設定波長キャリブレ
ーションが終了したビームモニタ機構164のモニタ結
果に基づいて、レーザ制御装置16Bを介してレーザ光
源160Aからのレーザ光の波長をフィードバック制御
するようになっている。このため、主制御装置50によ
り、その検出基準波長が設定波長に正確に設定されたビ
ームモニタ機構164のモニタ結果に基づいて、レーザ
制御装置16Bを介してレーザ光源160Aからのレー
ザ光の波長が制御されることとなり、これによりそのレ
ーザ光の波長を設定波長に安定的に維持することができ
る。
【0269】また、本実施形態に係る光源装置16は、
レーザ光源160Aからのレーザ光を増幅するファイバ
増幅器168n、171nを含む光増幅部161を備えて
いることから、それらのファイバ増幅器によりレーザ光
源160Aからのレーザ光を増幅することができる。こ
のため、小型のDFB半導体レーザ、ファイバーレーザ
等の固体レーザをレーザ光源160Aとして用いても、
出力光の強度を十分に高く設定することができる。ま
た、光源装置16は、前記増幅されたレーザ光の波長を
変換する非線形光学結晶を含む波長変換部163を備
え、波長変換部163により光増幅部161から発生さ
れる波長1.5μm近傍のレーザ光の波長変換を行っ
て、ArFエキシマレーザ光と同一波長の波長193n
mの8倍高調波、又はF2レーザ光と同一波長の10高
調波を発生することができる。従って、光源装置160
により、小型・軽量で短波長の高いエネルギビームを出
力する優れた光源装置が実現されている。
レーザ光源160Aからのレーザ光を増幅するファイバ
増幅器168n、171nを含む光増幅部161を備えて
いることから、それらのファイバ増幅器によりレーザ光
源160Aからのレーザ光を増幅することができる。こ
のため、小型のDFB半導体レーザ、ファイバーレーザ
等の固体レーザをレーザ光源160Aとして用いても、
出力光の強度を十分に高く設定することができる。ま
た、光源装置16は、前記増幅されたレーザ光の波長を
変換する非線形光学結晶を含む波長変換部163を備
え、波長変換部163により光増幅部161から発生さ
れる波長1.5μm近傍のレーザ光の波長変換を行っ
て、ArFエキシマレーザ光と同一波長の波長193n
mの8倍高調波、又はF2レーザ光と同一波長の10高
調波を発生することができる。従って、光源装置160
により、小型・軽量で短波長の高いエネルギビームを出
力する優れた光源装置が実現されている。
【0270】また、本実施形態に係る光源装置16は、
複数の光経路それぞれからの光出力を個別に遅延させ
て、光出力を時間的にずらして行わせる分岐及び遅延部
167を備えているので、各光経路から出力される光が
時間的に重なることがなくなるので、結果的に該光源装
置16からの出力光は、極めて狭帯域化された単一波長
の光でありながら、お互いに時間的に重なり合うことが
なく、各チャネル出力間の空間的コヒーレンスを低減す
ることができる。
複数の光経路それぞれからの光出力を個別に遅延させ
て、光出力を時間的にずらして行わせる分岐及び遅延部
167を備えているので、各光経路から出力される光が
時間的に重なることがなくなるので、結果的に該光源装
置16からの出力光は、極めて狭帯域化された単一波長
の光でありながら、お互いに時間的に重なり合うことが
なく、各チャネル出力間の空間的コヒーレンスを低減す
ることができる。
【0271】本実施形態に係る露光装置10によると、
主制御装置50では、露光に先立って、前述した絶対波
長キャリブレーション、及びそれに続く設定波長キャリ
ブレーションを行い、露光中は、その設定波長キャリブ
レーションが終了したビームモニタ機構のモニタ結果に
基づいてレーザ制御装置16Bを介してレーザ光源16
0Aの温度及び電流をフィードバック制御する。すなわ
ち、主制御装置50では、設定波長キャリブレーション
が終了したビームモニタ機構164のモニタ結果に基づ
いてレーザ光の中心波長を所定の設定波長に確実に維持
するような波長安定化制御を行いつつ、レーザ光をレチ
クルRに照射して該レチクルRのパターンを投影光学系
PLを介してウエハWに転写するので、雰囲気の温度変
動等の影響の少ない高精度な露光が可能になる。
主制御装置50では、露光に先立って、前述した絶対波
長キャリブレーション、及びそれに続く設定波長キャリ
ブレーションを行い、露光中は、その設定波長キャリブ
レーションが終了したビームモニタ機構のモニタ結果に
基づいてレーザ制御装置16Bを介してレーザ光源16
0Aの温度及び電流をフィードバック制御する。すなわ
ち、主制御装置50では、設定波長キャリブレーション
が終了したビームモニタ機構164のモニタ結果に基づ
いてレーザ光の中心波長を所定の設定波長に確実に維持
するような波長安定化制御を行いつつ、レーザ光をレチ
クルRに照射して該レチクルRのパターンを投影光学系
PLを介してウエハWに転写するので、雰囲気の温度変
動等の影響の少ない高精度な露光が可能になる。
【0272】また、露光装置10によると、主制御装置
50が、ウエハWの露光が開始されてから前述した所定
のタイミング毎に、環境センサ77の計測値に基づいて
標準状態からの環境の変化(気圧、温度、湿度等)の変
化に起因する投影光学系PLの結像特性の変動分をほぼ
相殺するための波長変更量を計算で求め、該波長変更量
に応じて設定波長を変更する。この結果、投影光学系P
Lの諸収差が同時に補正され、主制御装置50では、そ
の変更後の設定波長を基準としてビームモニタ機構16
4を用いてレーザ光の中心波長を所定の設定波長に確実
に維持するような波長安定化制御を行いつつ、レーザ光
をレチクルRに照射して露光、すなわち、レチクルパタ
ーンの投影光学系PLを介したウエハW上への転写を行
う。この場合、結果的に環境の変動が存在しなかったか
のような状態(すなわち、光学性能の変動が相殺された
状態)で、精度良く露光が行われることとなる。
50が、ウエハWの露光が開始されてから前述した所定
のタイミング毎に、環境センサ77の計測値に基づいて
標準状態からの環境の変化(気圧、温度、湿度等)の変
化に起因する投影光学系PLの結像特性の変動分をほぼ
相殺するための波長変更量を計算で求め、該波長変更量
に応じて設定波長を変更する。この結果、投影光学系P
Lの諸収差が同時に補正され、主制御装置50では、そ
の変更後の設定波長を基準としてビームモニタ機構16
4を用いてレーザ光の中心波長を所定の設定波長に確実
に維持するような波長安定化制御を行いつつ、レーザ光
をレチクルRに照射して露光、すなわち、レチクルパタ
ーンの投影光学系PLを介したウエハW上への転写を行
う。この場合、結果的に環境の変動が存在しなかったか
のような状態(すなわち、光学性能の変動が相殺された
状態)で、精度良く露光が行われることとなる。
【0273】また、本実施形態の露光装置10では、主
制御装置50では、前記設定波長の変更の度毎に、結像
特性補正コントローラ78を介して駆動素子74a、7
4b、74cを駆動して設定波長の変更により補正され
る投影光学系PLの環境変動分を除く、結像特性変動を
補正する。これにより、投影光学系PLの結像特性の環
境変動分の大部分が上記の設定波長の変更により補正さ
れ、投影光学系PLの残りの環境変動分、照射変動分、
温度変動分等が、結像特性補正コントローラ78による
駆動素子74a、74b、74cの駆動により補正され
る。この結果、投影光学系PLの結像特性をほぼ完全に
補正した状態で高精度な露光が行われる。
制御装置50では、前記設定波長の変更の度毎に、結像
特性補正コントローラ78を介して駆動素子74a、7
4b、74cを駆動して設定波長の変更により補正され
る投影光学系PLの環境変動分を除く、結像特性変動を
補正する。これにより、投影光学系PLの結像特性の環
境変動分の大部分が上記の設定波長の変更により補正さ
れ、投影光学系PLの残りの環境変動分、照射変動分、
温度変動分等が、結像特性補正コントローラ78による
駆動素子74a、74b、74cの駆動により補正され
る。この結果、投影光学系PLの結像特性をほぼ完全に
補正した状態で高精度な露光が行われる。
【0274】また、本実施形態に係る露光装置10によ
ると、照明光学系12により光源装置16の波長変換部
163から出力される紫外光(波長193nm又は15
7nm)を露光用照明光としてレチクルRが照明され、
該レチクルRに形成されたパターンがウエハW上に転写
される。この場合、光源装置16により、レチクルRに
照射される紫外光の光量制御を必要な要請に応じて行う
ことができるので、結果的に要求される露光量制御を実
現することができる。
ると、照明光学系12により光源装置16の波長変換部
163から出力される紫外光(波長193nm又は15
7nm)を露光用照明光としてレチクルRが照明され、
該レチクルRに形成されたパターンがウエハW上に転写
される。この場合、光源装置16により、レチクルRに
照射される紫外光の光量制御を必要な要請に応じて行う
ことができるので、結果的に要求される露光量制御を実
現することができる。
【0275】また、露光装置10によると、光発生部1
60では、光源160Aで発生した単一波長の光をEO
M160Cによりパルス光に変換することによりパルス
光を発生し、そのパルス光がファイバ増幅器を含む光増
幅部161によって増幅される。そして、主制御装置5
0により、その増幅されたパルス光をレチクルRに照射
して、該レチクルを介してウエハWを露光する際に、そ
の露光対象領域のウエハ上の位置、すなわち各ショット
領域のウエハ上の位置又は各ショット内のスリット状照
明領域で照明される領域の位置に応じてEOM160C
を介してパルス光の周波数及びピークパワーの少なくと
も一方が光量制御装置16Cを介して制御され、これに
よりレチクルRに照射される光量、ひいてはウエハの露
光量が高精度に制御される。従って、ウエハ上の露光対
象領域の位置によらず、常に適切な露光量制御が可能と
なり、精度良くマスクのパターンを基板上に転写するこ
とが可能になる。すなわち、ウエハ上の各ショット領域
毎のプロセスばらつきの補正や各ショット領域内の線幅
均一性の向上が可能になる。
60では、光源160Aで発生した単一波長の光をEO
M160Cによりパルス光に変換することによりパルス
光を発生し、そのパルス光がファイバ増幅器を含む光増
幅部161によって増幅される。そして、主制御装置5
0により、その増幅されたパルス光をレチクルRに照射
して、該レチクルを介してウエハWを露光する際に、そ
の露光対象領域のウエハ上の位置、すなわち各ショット
領域のウエハ上の位置又は各ショット内のスリット状照
明領域で照明される領域の位置に応じてEOM160C
を介してパルス光の周波数及びピークパワーの少なくと
も一方が光量制御装置16Cを介して制御され、これに
よりレチクルRに照射される光量、ひいてはウエハの露
光量が高精度に制御される。従って、ウエハ上の露光対
象領域の位置によらず、常に適切な露光量制御が可能と
なり、精度良くマスクのパターンを基板上に転写するこ
とが可能になる。すなわち、ウエハ上の各ショット領域
毎のプロセスばらつきの補正や各ショット領域内の線幅
均一性の向上が可能になる。
【0276】また、本実施形態に係る露光装置による
と、主制御装置50により、前記の如く、増幅されたパ
ルス光をレチクルRに照射して、該レチクルRを介して
ウエハWを露光する際に、各光経路172nからの光出
力を個別にオン・オフすることにより光増幅部161か
ら出力されるパルス光の光量が光量制御装置16Cを介
して制御され、これによりレチクルRに照射される光
量、ひいてはウエハの露光量が広い範囲に渡って段階的
に制御される。従って、複数枚のウエハを繰り返し露光
する際のウエハ毎のレジスト感度等の違いに合わせた露
光量制御が可能になる。従って、レジスト感度等に影響
を受けることなく、ウエハ上にレチクルパターンを要求
される精度で転写することが可能になる。
と、主制御装置50により、前記の如く、増幅されたパ
ルス光をレチクルRに照射して、該レチクルRを介して
ウエハWを露光する際に、各光経路172nからの光出
力を個別にオン・オフすることにより光増幅部161か
ら出力されるパルス光の光量が光量制御装置16Cを介
して制御され、これによりレチクルRに照射される光
量、ひいてはウエハの露光量が広い範囲に渡って段階的
に制御される。従って、複数枚のウエハを繰り返し露光
する際のウエハ毎のレジスト感度等の違いに合わせた露
光量制御が可能になる。従って、レジスト感度等に影響
を受けることなく、ウエハ上にレチクルパターンを要求
される精度で転写することが可能になる。
【0277】なお、上記実施形態では、レーザ光源16
0Aの発振波長の制御のため、レーザ光源160Aの直
後でそのレーザ光をビームモニタ機構164によりモニ
タするものとしたが、これに限らず、例えば図5中に点
線で示されるように、波長変換部163内(あるいは波
長変換部163の後方)で光束を分岐して、これをビー
ムモニタ機構164と同様のビームモニタ機構183で
モニタするようにしても良い。そして、このビームモニ
タ機構183によるモニタ結果に基づいて、波長変換が
正確に行われているか否かを検出し、この検出結果に基
づいて主制御装置50がレーザ制御装置16Bをフィー
ドバック制御するようにしても良い。勿論、両方のビー
ムモニタ機構のモニタ結果を用いてレーザ光源160A
の発振波長制御を行っても良い。さらに、前述した投影
光学系PLの環境(例えば大気圧を少なくとも含む)変
動分を補正するための設定波長の変更の際に、ビームモ
ニタ機構183を構成するエタロン素子の検出基準波長
をその設定波長に変更することとしても良い。
0Aの発振波長の制御のため、レーザ光源160Aの直
後でそのレーザ光をビームモニタ機構164によりモニ
タするものとしたが、これに限らず、例えば図5中に点
線で示されるように、波長変換部163内(あるいは波
長変換部163の後方)で光束を分岐して、これをビー
ムモニタ機構164と同様のビームモニタ機構183で
モニタするようにしても良い。そして、このビームモニ
タ機構183によるモニタ結果に基づいて、波長変換が
正確に行われているか否かを検出し、この検出結果に基
づいて主制御装置50がレーザ制御装置16Bをフィー
ドバック制御するようにしても良い。勿論、両方のビー
ムモニタ機構のモニタ結果を用いてレーザ光源160A
の発振波長制御を行っても良い。さらに、前述した投影
光学系PLの環境(例えば大気圧を少なくとも含む)変
動分を補正するための設定波長の変更の際に、ビームモ
ニタ機構183を構成するエタロン素子の検出基準波長
をその設定波長に変更することとしても良い。
【0278】なお、上記実施形態中で説明した波長検出
装置の共鳴波長温度依存性の代わりに、波長検出装置を
構成するファブリぺロー・エタロンの共振器長をピエゾ
素子などで可変にし、共鳴波長の共振器長依存性を使用
するようにしても良い。これにより高速で波長を変更す
ることが可能となる。
装置の共鳴波長温度依存性の代わりに、波長検出装置を
構成するファブリぺロー・エタロンの共振器長をピエゾ
素子などで可変にし、共鳴波長の共振器長依存性を使用
するようにしても良い。これにより高速で波長を変更す
ることが可能となる。
【0279】なお、上記実施形態では、バンドル−ファ
イバを形成するファイバの本数を128本としたが、そ
の本数は任意でよく、本発明に係る光源装置が適用され
る製品、例えば露光装置で要求される仕様(ウエハ上で
の照度)、及び光学性能、即ち照明光学系や投影光学系
の透過率、波長変換部の変換効率、及び各ファイバの出
力などに応じてその本数を決定すればよい。さらに上記
実施形態では、紫外光の波長を、ArFエキシマレーザ
又はF2レーザの波長とほぼ同一に設定するものとした
が、その設定波長は任意で良く、この設定すべき波長に
応じて、レーザ光源160Aの発振波長や波長変換部の
構成及び高調波の倍率などを決定すれば良い。なお、設
定波長は、一例として、ウエハ上に転写すべきパターン
のデザインルール(線幅、ピッチなど)に応じて決定す
るようにしても良く、更にはその決定に際して前述の露
光条件やレチクルの種類(位相シフト型か否か)などを
考慮しても良い。
イバを形成するファイバの本数を128本としたが、そ
の本数は任意でよく、本発明に係る光源装置が適用され
る製品、例えば露光装置で要求される仕様(ウエハ上で
の照度)、及び光学性能、即ち照明光学系や投影光学系
の透過率、波長変換部の変換効率、及び各ファイバの出
力などに応じてその本数を決定すればよい。さらに上記
実施形態では、紫外光の波長を、ArFエキシマレーザ
又はF2レーザの波長とほぼ同一に設定するものとした
が、その設定波長は任意で良く、この設定すべき波長に
応じて、レーザ光源160Aの発振波長や波長変換部の
構成及び高調波の倍率などを決定すれば良い。なお、設
定波長は、一例として、ウエハ上に転写すべきパターン
のデザインルール(線幅、ピッチなど)に応じて決定す
るようにしても良く、更にはその決定に際して前述の露
光条件やレチクルの種類(位相シフト型か否か)などを
考慮しても良い。
【0280】また、上記実施形態中では特に説明をしな
かったが、本実施形態のように、193nm以下の露光
波長により露光を行う装置の場合には、光束通過部分に
はケミカルフィルタを通過したクリーンエアーや、ドラ
イエアー、N2ガス、若しくはヘリウム、アルゴン、ク
リプトン等の不活性ガスを充填させあるいはフローさせ
たり、該光束通過部分を真空にする等の処置が必要とな
る。
かったが、本実施形態のように、193nm以下の露光
波長により露光を行う装置の場合には、光束通過部分に
はケミカルフィルタを通過したクリーンエアーや、ドラ
イエアー、N2ガス、若しくはヘリウム、アルゴン、ク
リプトン等の不活性ガスを充填させあるいはフローさせ
たり、該光束通過部分を真空にする等の処置が必要とな
る。
【0281】上記実施形態の露光装置は、本願の特許請
求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステ
ムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保
つように、組み立てることで製造される。これら各種精
度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光
学系については光学的精度を達成するための調整、各種
機械系については機械的精度を達成するための調整、各
種電気系については電気的精度を達成するための調整が
行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て
工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回
路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この
各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前
に、各サブシステム個々の組み立て工程があることは言
うまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立
て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体
としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造
は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルーム
で行うことが望ましい。
求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステ
ムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保
つように、組み立てることで製造される。これら各種精
度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光
学系については光学的精度を達成するための調整、各種
機械系については機械的精度を達成するための調整、各
種電気系については電気的精度を達成するための調整が
行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て
工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回
路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この
各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前
に、各サブシステム個々の組み立て工程があることは言
うまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立
て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体
としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造
は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルーム
で行うことが望ましい。
【0282】また、上記実施形態では、本発明に係る光
源装置がステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光
装置に適用された場合について説明したが、露光装置以
外の装置、例えば、ウエハ上に形成された回路パターン
の一部(ヒューズなど)を切断するために用いられるレ
ーザリペア装置などにも本発明に係る光源装置を適用す
ることができる。また、本発明に係る光源装置は可視光
または赤外光を用いる検査装置などにも適用することが
できる。そしてこの場合には前述の波長変換部を光源装
置に組み込む必要がない。すなわち、本発明は紫外レー
ザ装置だけでなく、可視域または赤外域の基本波を発生
する、波長変換部がないレーザ装置に対しても有効なも
のである。また、本発明は、ステップ・アンド・スキャ
ン方式の走査型露光装置に限らず、静止露光型、例えば
ステップ・アンド・リピート方式の露光装置(ステッパ
など)にも好適に適用できるものである。更にはステッ
プ・アンド・スティッチ方式の露光装置、ミラープロジ
ェクション・アライナーなどにも適用できる。
源装置がステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光
装置に適用された場合について説明したが、露光装置以
外の装置、例えば、ウエハ上に形成された回路パターン
の一部(ヒューズなど)を切断するために用いられるレ
ーザリペア装置などにも本発明に係る光源装置を適用す
ることができる。また、本発明に係る光源装置は可視光
または赤外光を用いる検査装置などにも適用することが
できる。そしてこの場合には前述の波長変換部を光源装
置に組み込む必要がない。すなわち、本発明は紫外レー
ザ装置だけでなく、可視域または赤外域の基本波を発生
する、波長変換部がないレーザ装置に対しても有効なも
のである。また、本発明は、ステップ・アンド・スキャ
ン方式の走査型露光装置に限らず、静止露光型、例えば
ステップ・アンド・リピート方式の露光装置(ステッパ
など)にも好適に適用できるものである。更にはステッ
プ・アンド・スティッチ方式の露光装置、ミラープロジ
ェクション・アライナーなどにも適用できる。
【0283】なお、上記実施形態で示した投影光学系
や、照明光学系はほんの一例であって、本発明がこれに
限定されないことは勿論である。例えば、投影光学系と
して屈折光学系に限らず、反射光学素子のみからなる反
射系、又は反射光学素子と屈折光学素子とを有する反射
屈折系(カタッディオプトリック系)を採用しても良
い。波長200nm程度以下の真空紫外光(VUV光)
を用いる露光装置では、投影光学系として反射屈折系を
用いることも考えられる。この反射屈折型の投影光学系
としては、例えば特開平8―171054号公報及び特
開平10−20195号公報などに開示される、反射光
学素子としてビームスプリッタと凹面鏡とを有する反射
屈折系、又は特開平8−334695号公報及び特開平
10−3039号公報などに開示される、反射光学素子
としてビームスプリッタを用いずに凹面鏡などを有する
反射屈折系を用いることができる。
や、照明光学系はほんの一例であって、本発明がこれに
限定されないことは勿論である。例えば、投影光学系と
して屈折光学系に限らず、反射光学素子のみからなる反
射系、又は反射光学素子と屈折光学素子とを有する反射
屈折系(カタッディオプトリック系)を採用しても良
い。波長200nm程度以下の真空紫外光(VUV光)
を用いる露光装置では、投影光学系として反射屈折系を
用いることも考えられる。この反射屈折型の投影光学系
としては、例えば特開平8―171054号公報及び特
開平10−20195号公報などに開示される、反射光
学素子としてビームスプリッタと凹面鏡とを有する反射
屈折系、又は特開平8−334695号公報及び特開平
10−3039号公報などに開示される、反射光学素子
としてビームスプリッタを用いずに凹面鏡などを有する
反射屈折系を用いることができる。
【0284】この他、米国特許第5,488,229
号、及び特開平10−104513号公報に開示され
る、複数の屈折光学素子と2枚のミラー(凹面鏡である
主鏡と、屈折素子又は平行平面板の入射面と反対側に反
射面が形成される裏面鏡である副鏡)とを同一軸上に配
置し、その複数の屈折光学素子によって形成されるレチ
クルパターンの中間像を、主鏡と副鏡とによってウエハ
上に再結像させる反射屈折系を用いても良い。この反射
屈折系では、複数の屈折光学素子に続けて主鏡と副鏡と
が配置され、照明光が主鏡の一部を通って副鏡、主鏡の
順に反射され、さらに副鏡の一部を通ってウエハ上に達
することになる。
号、及び特開平10−104513号公報に開示され
る、複数の屈折光学素子と2枚のミラー(凹面鏡である
主鏡と、屈折素子又は平行平面板の入射面と反対側に反
射面が形成される裏面鏡である副鏡)とを同一軸上に配
置し、その複数の屈折光学素子によって形成されるレチ
クルパターンの中間像を、主鏡と副鏡とによってウエハ
上に再結像させる反射屈折系を用いても良い。この反射
屈折系では、複数の屈折光学素子に続けて主鏡と副鏡と
が配置され、照明光が主鏡の一部を通って副鏡、主鏡の
順に反射され、さらに副鏡の一部を通ってウエハ上に達
することになる。
【0285】また、上記実施形態では、オプティカルイ
ンテグレ一タ(ホモジナイザ)としてフライアイレンズ
系を用いるものとしたが、その代わりにロッド・インテ
グレータを用いるようにしてもよい。ロッド・インテグ
レータを用いる照明光学系では、ロッド・インテグレー
タはその射出面がレチクルRのパターン面とほぼ共役に
なるように配置されるので、例えばロッド・インテグレ
ータの射出面に近接して前述の固定レチクルブラインド
30Aや可動レチクルブラインド30Bを配置しても良
い。
ンテグレ一タ(ホモジナイザ)としてフライアイレンズ
系を用いるものとしたが、その代わりにロッド・インテ
グレータを用いるようにしてもよい。ロッド・インテグ
レータを用いる照明光学系では、ロッド・インテグレー
タはその射出面がレチクルRのパターン面とほぼ共役に
なるように配置されるので、例えばロッド・インテグレ
ータの射出面に近接して前述の固定レチクルブラインド
30Aや可動レチクルブラインド30Bを配置しても良
い。
【0286】勿論、半導体素子の製造に用いられる露光
装置だけでなく、液晶表示素子などを含むディスプレイ
の製造に用いられる、デバイスパターンをガラスプレー
ト上に転写する露光装置、薄膜磁気へッドの製造に用い
られる、デバイスパターンをセラミックウエハ上に転写
する露光装置、及び撮像素子(CCDなど)の製造に用
いられる露光装置などにも本発明を適用することができ
る。
装置だけでなく、液晶表示素子などを含むディスプレイ
の製造に用いられる、デバイスパターンをガラスプレー
ト上に転写する露光装置、薄膜磁気へッドの製造に用い
られる、デバイスパターンをセラミックウエハ上に転写
する露光装置、及び撮像素子(CCDなど)の製造に用
いられる露光装置などにも本発明を適用することができ
る。
【0287】《デバイス製造方法》
【0288】次に、上述した露光装置をリソグラフィ工
程で使用したデバイスの製造方法の実施形態について説
明する。
程で使用したデバイスの製造方法の実施形態について説
明する。
【0289】図7には、デバイス(ICやLSI等の半
導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マ
イクロマシン等)の製造例のフローチャートが示されて
いる。図7に示されるように、まず、ステップ201
(設計ステップ)において、デバイスの機能・性能設計
(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その
機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、
ステップ202(マスク製作ステップ)において、設計
した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、
ステップ203(ウエハ製造ステップ)において、シリ
コン等の材料を用いてウエハを製造する。
導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マ
イクロマシン等)の製造例のフローチャートが示されて
いる。図7に示されるように、まず、ステップ201
(設計ステップ)において、デバイスの機能・性能設計
(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その
機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、
ステップ202(マスク製作ステップ)において、設計
した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、
ステップ203(ウエハ製造ステップ)において、シリ
コン等の材料を用いてウエハを製造する。
【0290】次に、ステップ204(ウエハ処理ステッ
プ)において、ステップ201〜ステップ203で用意
したマスクとウエハを使用して、後述するように、リソ
グラフィ技術等によってウエハ上に実際の回路等を形成
する。次いで、ステップ205(デバイス組立ステッ
プ)において、ステップ204で処理されたウエハを用
いてデバイス組立を行う。このステップ205には、ダ
イシング工程、ボンディング工程、及びパッケージング
工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。
プ)において、ステップ201〜ステップ203で用意
したマスクとウエハを使用して、後述するように、リソ
グラフィ技術等によってウエハ上に実際の回路等を形成
する。次いで、ステップ205(デバイス組立ステッ
プ)において、ステップ204で処理されたウエハを用
いてデバイス組立を行う。このステップ205には、ダ
イシング工程、ボンディング工程、及びパッケージング
工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。
【0291】最後に、ステップ206(検査ステップ)
において、ステップ205で作製されたデバイスの動作
確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工
程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
において、ステップ205で作製されたデバイスの動作
確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工
程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
【0292】図8には、半導体デバイスの場合におけ
る、上記ステップ204の詳細なフロー例が示されてい
る。図8において、ステップ211(酸化ステップ)に
おいてはウエハの表面を酸化させる。ステップ212
(CVDステップ)においてはウエハ表面に絶縁膜を形
成する。ステップ213(電極形成ステップ)において
はウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ2
14(イオン打込みステップ)においてはウエハにイオ
ンを打ち込む。以上のステップ211〜ステップ214
それぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成し
ており、各段階において必要な処理に応じて選択されて
実行される。
る、上記ステップ204の詳細なフロー例が示されてい
る。図8において、ステップ211(酸化ステップ)に
おいてはウエハの表面を酸化させる。ステップ212
(CVDステップ)においてはウエハ表面に絶縁膜を形
成する。ステップ213(電極形成ステップ)において
はウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ2
14(イオン打込みステップ)においてはウエハにイオ
ンを打ち込む。以上のステップ211〜ステップ214
それぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成し
ており、各段階において必要な処理に応じて選択されて
実行される。
【0293】ウエハプロセスの各段階において、上述の
前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程
が実行される。この後処理工程では、まず、ステップ2
15(レジスト形成ステップ)において、ウエハに感光
剤を塗布する。引き続き、ステップ216(露光ステッ
プ)において、上で説明した露光装置10を用いてマス
クの回路パターンをウエハに転写する。次に、ステップ
217(現像ステップ)においては露光されたウエハを
現像し、ステップ218(エッチングステップ)におい
て、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材
をエッチングにより取り去る。そして、ステップ219
(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済ん
で不要となったレジストを取り除く。
前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程
が実行される。この後処理工程では、まず、ステップ2
15(レジスト形成ステップ)において、ウエハに感光
剤を塗布する。引き続き、ステップ216(露光ステッ
プ)において、上で説明した露光装置10を用いてマス
クの回路パターンをウエハに転写する。次に、ステップ
217(現像ステップ)においては露光されたウエハを
現像し、ステップ218(エッチングステップ)におい
て、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材
をエッチングにより取り去る。そして、ステップ219
(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済ん
で不要となったレジストを取り除く。
【0294】これらの前処理工程と後処理工程とを繰り
返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターン
が形成される。
返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターン
が形成される。
【0295】以上説明した本実施形態のデバイス製造方
法によると、露光工程(ステップ216)において上記
実施形態の露光装置10を用いて露光が行われるので、
露光精度の向上により、高集積度のデバイスを歩留まり
良く生産することができる。
法によると、露光工程(ステップ216)において上記
実施形態の露光装置10を用いて露光が行われるので、
露光精度の向上により、高集積度のデバイスを歩留まり
良く生産することができる。
【0296】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜6に記
載の各発明によれば、レーザ光の中心波長を所定の設定
波長に確実に維持することができる波長安定化制御方法
を提供するができる。
載の各発明によれば、レーザ光の中心波長を所定の設定
波長に確実に維持することができる波長安定化制御方法
を提供するができる。
【0297】また、請求項7〜14に記載の各発明によ
れば、レーザ光の中心波長を所定の設定波長に確実に維
持することができる光源装置を提供することができる。
れば、レーザ光の中心波長を所定の設定波長に確実に維
持することができる光源装置を提供することができる。
【0298】また、請求項15及び16に記載の各発明
によれば、雰囲気の温度変動等に影響されず、高精度な
露光を行うことができる露光方法を提供することができ
る。
によれば、雰囲気の温度変動等に影響されず、高精度な
露光を行うことができる露光方法を提供することができ
る。
【0299】また、請求項17〜25に記載の各発明に
よれば、雰囲気の温度変動等に影響されず、高精度な露
光を行うことができる露光装置を提供することができ
る。
よれば、雰囲気の温度変動等に影響されず、高精度な露
光を行うことができる露光装置を提供することができ
る。
【0300】また、請求項26及び27に記載の各発明
によれば、高集積度のマイクロデバイスの生産性を向上
することができるデバイス製造方法を提供することがで
きる。また、請求項28に記載の発明に係るデバイス
は、高集積度のマイクロデバイスである。
によれば、高集積度のマイクロデバイスの生産性を向上
することができるデバイス製造方法を提供することがで
きる。また、請求項28に記載の発明に係るデバイス
は、高集積度のマイクロデバイスである。
【0301】また、請求項29に記載の発明によれば、
エネルギビームの中心波長の変更に伴う感光剤の感度特
性の変化によらず、精度良く露光を行うことができると
いう効果がある。
エネルギビームの中心波長の変更に伴う感光剤の感度特
性の変化によらず、精度良く露光を行うことができると
いう効果がある。
【図1】本発明の一実施形態に係る露光装置の構成を概
略的に示す図である。
略的に示す図である。
【図2】図1の光源装置の内部構成を主制御装置ととも
に示すブロック図である。
に示すブロック図である。
【図3】図2の光増幅部の構成を概略的に示す図であ
る。
る。
【図4】光増幅部を構成する最終段のファイバ増幅器の
出力端部が束ねられて形成されたバンドル−ファイバの
断面を示す図である。
出力端部が束ねられて形成されたバンドル−ファイバの
断面を示す図である。
【図5】図2の光増幅部を構成するファイバ増幅器及び
その周辺部を、波長変換部の一部とともに概略的に示す
図である。
その周辺部を、波長変換部の一部とともに概略的に示す
図である。
【図6】図6(A)は、バンドル−ファイバ173の出
力端から射出される波長1.544μmの基本波を、非
線形光学結晶を用いて8倍波(高調波)に波長変換して
193nmの紫外光を発生する波長変換部の構成例を示
す図、図6(B)は、バンドル−ファイバ173の出力
端から射出される波長1.57μmの基本波を非線形光
学結晶を用いて10倍波に波長変換して157nmの紫
外光を発生する波長変換部の構成例を示す図である。
力端から射出される波長1.544μmの基本波を、非
線形光学結晶を用いて8倍波(高調波)に波長変換して
193nmの紫外光を発生する波長変換部の構成例を示
す図、図6(B)は、バンドル−ファイバ173の出力
端から射出される波長1.57μmの基本波を非線形光
学結晶を用いて10倍波に波長変換して157nmの紫
外光を発生する波長変換部の構成例を示す図である。
【図7】本発明の係るデバイス製造方法の実施形態を説
明するためのフローチャートである。
明するためのフローチャートである。
【図8】図7のステップ204における処理を示すフロ
ーチャートである。
ーチャートである。
10…露光装置、12…照明光学系(光学系)、16…
光源装置、50…主制御装置(第1の制御装置、第2の
制御装置、第3の制御装置、結像特性補正装置の一
部)、51…メモリ(記憶装置)、74a、74b…駆
動素子(結像特性補正装置の一部)、77…環境セン
サ、78…結像特性補正コントローラ(結像特性補正装
置の一部)、160A…DFB半導体レーザ(レーザ光
源)、163…波長変換部(波長変換器)、164…ビ
ームモニタ機構(波長検出装置)、165…吸収セル
(絶対波長提供源)、168n…ファイバ増幅器、17
1n…ファイバ増幅器、W…ウエハ(基板)、PL…投
影光学系(光学系)、R…レチクル(マスク)。
光源装置、50…主制御装置(第1の制御装置、第2の
制御装置、第3の制御装置、結像特性補正装置の一
部)、51…メモリ(記憶装置)、74a、74b…駆
動素子(結像特性補正装置の一部)、77…環境セン
サ、78…結像特性補正コントローラ(結像特性補正装
置の一部)、160A…DFB半導体レーザ(レーザ光
源)、163…波長変換部(波長変換器)、164…ビ
ームモニタ機構(波長検出装置)、165…吸収セル
(絶対波長提供源)、168n…ファイバ増幅器、17
1n…ファイバ増幅器、W…ウエハ(基板)、PL…投
影光学系(光学系)、R…レチクル(マスク)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01S 3/00 H01S 3/06 B 3/06 3/10 Z 3/10 H01L 21/30 515B
Claims (29)
- 【請求項1】 レーザ光源から発振されるレーザ光の中
心波長を所定の設定波長に維持するための波長安定化制
御方法であって、 前記レーザ光の波長を検出する波長検出装置の検出基準
波長の温度依存性を予め測定する第1工程と;前記設定
波長に近い絶対波長を提供する絶対波長提供源から提供
される絶対波長に対して前記波長検出装置の検出基準波
長をほぼ一致させる絶対波長キャリブレーションを行う
第2工程と;前記第1工程で求めた前記温度依存性に基
づいて、前記波長検出装置の前記検出基準波長を前記設
定波長に設定する第3工程とを含む波長安定化制御方
法。 - 【請求項2】 前記波長検出装置は、ファブリぺロー・
エタロンであり、 前記第1工程で前記波長検出装置の共鳴波長の温度依存
性を測定し、 前記第2工程で前記波長検出装置の温度を制御すること
により前記共鳴波長を前記絶対波長にほぼ一致させ、 前記第3工程で前記波長検出装置の温度を制御すること
により前記共鳴波長を前記設定波長に設定することを特
徴とする請求項1に記載の波長安定化制御方法。 - 【請求項3】 前記絶対波長提供源は、前記レーザ光が
入射する吸収セルであり、 前記第2工程では、前記吸収セルの前記設定波長に最も
近い吸収線の吸収が最大となり、かつ前記波長検出装置
の透過率が最大となるようにすることを特徴とする請求
項2に記載の波長安定化制御方法。 - 【請求項4】 前記第1工程では前記レーザ光の中心波
長の温度依存性をも予め計測し、 前記第2工程では、前記レーザ光の波長制御をも併せて
行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記
載の波長安定化制御方法。 - 【請求項5】 前記第3工程で前記検出基準波長が前記
設定波長に設定された前記波長検出装置の検出結果に基
づいて前記レーザ光源からの前記レーザ光の波長を制御
する第4工程を更に含むことを特徴とする請求項1〜4
のいずれか一項に記載の波長安定化制御方法。 - 【請求項6】 前記レーザ光の波長制御は、前記レーザ
光源の温度、供給電流の少なくとも一方を制御すること
により行うことを特徴とする請求項4又は5に記載の波
長安定化制御方法。 - 【請求項7】 レーザ光を発振するレーザ光源と;前記
レーザ光の中心波長を所定の設定波長に維持するための
波長安定化に関連する前記レーザ光の光学特性をモニタ
するビームモニタ機構と;前記ビームモニタ機構の検出
基準波長の温度依存性のデータに基づいて、波長キャリ
ブレーションを行う第1の制御装置と;を備える光源装
置。 - 【請求項8】 前記設定波長に近い絶対波長を提供する
絶対波長提供源を更に備え、 前記第1の制御装置は、前記絶対波長提供源から提供さ
れる絶対波長に対して前記ビームモニタ機構の検出基準
波長をほぼ一致させる絶対波長キャリブレーションを行
うとともに、前記温度依存性のデータに基づいて前記検
出基準波長を前記設定波長に一致させる設定波長キャリ
ブレーションを行うことを特徴とする請求項7に記載の
光源装置。 - 【請求項9】 前記ビームモニタ機構は、ファブリぺロ
ー・エタロンを含み、 前記温度依存性のデータは、前記ファブリぺロー・エタ
ロンの共鳴波長の温度依存性の測定結果に基づくデータ
を含み、 前記第1の制御装置は、前記ビームモニタ機構を構成す
る前記ファブリぺロー・エタロンの温度を制御すること
により、前記検出基準波長の前記絶対波長キャリブレー
ション及び前記設定波長キャリブレーションを行うこと
を特徴とする請求項8に記載の光源装置。 - 【請求項10】 前記温度依存性のデータは、前記レー
ザ光源から発振される前記レーザ光の中心波長の温度依
存性のデータを更に含み、 前記第1の制御装置は、前記絶対波長キャリブレーショ
ンを行う際に、前記レーザ光源の波長制御をも併せて行
うことを特徴とする請求項8に記載の光源装置。 - 【請求項11】 前記絶対波長提供源は、前記レーザ光
が入射する吸収セルであり、 前記第1の制御装置は、前記絶対波長キャリブレーショ
ンを行う際に、前記吸収セルの前記設定波長に最も近い
吸収線の吸収が最大となり、かつ前記ファブリぺロー・
エタロンの透過率が最大となるようにすることを特徴と
する請求項9又は10に記載の光源装置。 - 【請求項12】 前記レーザ光源からのレーザ光を増幅
するファイバ増幅器を更に備えることを特徴とする請求
項9〜11のいずれか一項に記載の光源装置。 - 【請求項13】 前記増幅されたレーザ光の波長を変換
する非線形光学結晶を含む波長変換器を更に備えること
を特徴とする請求項12に記載の光源装置。 - 【請求項14】 前記設定波長キャリブレーションの終
了後に、前記設定波長キャリブレーションが終了した前
記ビームモニタ機構のモニタ結果に基づいて、前記レー
ザ光源からの前記レーザ光の波長をフィードバック制御
する第2の制御装置を更に備えることを特徴とする請求
項9〜13のいずれか一項に記載の光源装置。 - 【請求項15】 レーザ光により基板を露光して所定の
パターンを基板上に形成する露光方法であって、 露光開始に先立って、前記レーザ光の波長を検出する波
長検出装置の検出基準波長の温度依存性を予め測定する
第1副工程と、前記設定波長に近い絶対波長を提供する
絶対波長提供源から提供される絶対波長に対して前記波
長検出装置の検出基準波長をほぼ一致させる絶対波長キ
ャリブレーションを行う第2副工程と、前記第1副工程
で求めた前記温度依存性に基づいて、前記波長検出装置
の前記検出基準波長を前記設定波長に設定する第3副工
程との処理を順次行う第1工程と;しかる後、前記第3
副工程で前記検出基準波長が前記設定波長に設定された
前記波長検出装置の検出結果に基づいて前記レーザ光源
からの前記レーザ光の波長を制御しつつ、基板を前記レ
ーザ光で繰り返し露光する第2工程とを含む露光方法。 - 【請求項16】 前記レーザ光の経路に配置された光学
系が更に設けられ、 前記光学系の光学性能の変動をキャンセルするために前
記設定波長を変更する第3工程を更に含むことを特徴と
する請求項15に記載の露光方法。 - 【請求項17】 レーザ光によりマスクを照明し、該マ
スクのパターンを基板上に転写する露光装置であって、 前記レーザ光を発振するレーザ光源と、前記レーザ光の
中心波長を所定の設定波長に維持するための波長安定化
に関連する前記レーザ光の光学特性をモニタするビーム
モニタ機構と、前記設定波長に近い絶対波長を提供する
絶対波長提供源とを有する光源装置と;前記レーザ光源
から発振される前記レーザ光の中心波長及び前記ビーム
モニタ機構の検出基準波長の温度依存性の測定データか
ら成る温度依存性マップが記憶された記憶装置と;前記
絶対波長提供源から提供される絶対波長に対して前記ビ
ームモニタ機構の検出基準波長をほぼ一致させる絶対波
長キャリブレーションを行うとともに、前記温度依存性
マップに基づいて前記検出基準波長を前記設定波長に一
致させる設定波長キャリブレーションを行う第1の制御
装置と;前記光源装置から射出されるレーザ光の波長を
前記設定波長キャリブレーションが終了した前記ビーム
モニタ機構のモニタ結果に基づいてフィードバック制御
しつつ、前記レーザ光を前記マスクに照射して該マスク
を介して前記基板を露光する第2の制御装置とを備える
ことを特徴とする露光装置。 - 【請求項18】 前記マスクから出射された前記レーザ
光を前記基板に投射する投影光学系と;前記投影光学系
の近傍の環境に関連する物理量を測定する環境センサと
を更に備え、 前記第2の制御装置により前記基板の露光が開始されて
から所定のタイミング毎に、前記環境センサの計測値に
基づいて標準状態からの前記物理量の変化に起因する前
記投影光学系の結像特性の変動分をほぼ相殺するための
波長変更量を計算で求め、該波長変更量に応じて前記設
定波長を変更する第3の制御装置とを更に備えることを
特徴とする請求項17に記載の露光装置。 - 【請求項19】 前記投影光学系の結像特性を補正する
結像特性補正装置を更に備え、 前記結像特性補正装置は、前記第3の制御装置による前
記設定波長の変更の度毎に、前記設定波長の変更により
補正される前記投影光学系の結像特性の変動分を除く、
結像特性変動を補正することを特徴とする請求項18に
記載の露光装置。 - 【請求項20】 前記結像特性補正装置は、前記第3の
制御装置による前記設定波長の変更間では、前記物理量
の変動を考慮して前記結像特性変動を補正することを特
徴とする請求項19に記載の露光装置。 - 【請求項21】 前記環境センサは、少なくとも大気圧
を検出することを特徴とする請求項18〜20のいずれ
か一項に記載の露光装置。 - 【請求項22】 前記光源装置は、前記レーザ光源から
のレーザ光を増幅するファイバ増幅器を更に備えること
を特徴とする請求項17〜21のいずれか一項に記載の
露光装置。 - 【請求項23】 前記光源装置は、前記増幅されたレー
ザ光の波長を変換する非線形光学結晶を含む波長変換器
を更に備えることを特徴とする請求項22に記載の露光
装置。 - 【請求項24】 前記光源装置を構成する前記ビームモ
ニタ機構は、前記波長変換の途中の中間高調波及び波長
変換後の最終高調波のいずれかの光学特性をモニタする
ことを特徴とする請求項23に記載の露光装置。 - 【請求項25】 前記レーザ光源は、可視域から赤外域
までの間で単一波長のレーザ光を発振する固体レーザで
あり、前記波長変換器は前記レーザ光を紫外域の波長の
レーザ光に変換することを特徴とする請求項23に記載
の露光装置。 - 【請求項26】 リソグラフィ工程を含むデバイス製造
方法であって、 前記リソグラフィ工程で請求項15又は16に記載の露
光方法を用いることを特徴とするデバイス製造方法。 - 【請求項27】 リソグラフィ工程を含むデバイス製造
方法であって、 前記リソグラフィ工程で請求項17〜25のいずれか一
項に記載の露光装置を用いて露光を行うことを特徴とす
るデバイス製造方法。 - 【請求項28】 請求項26又は27に記載のデバイス
製造方法によって製造されたことを特徴とするデバイ
ス。 - 【請求項29】 エネルギビームにより感光剤が塗布さ
れた基板を露光する露光装置であって、 前記エネルギビームを発生するビーム源と;前記ビーム
源から出力される前記エネルギビームの波長を変更する
波長変更装置と;前記波長変更装置により前記波長が変
更されたとき、その波長変更に伴って生じる前記感光剤
の感度特性の変化量に応じて前記基板に与えられる積算
露光量を制御する露光量制御装置とを備える露光装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000268045A JP2001156388A (ja) | 1999-09-13 | 2000-09-05 | 波長安定化制御方法及び光源装置、露光方法及び露光装置、並びにデバイス製造方法及びデバイス |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25961599 | 1999-09-13 | ||
JP11-259615 | 1999-09-13 | ||
JP2000268045A JP2001156388A (ja) | 1999-09-13 | 2000-09-05 | 波長安定化制御方法及び光源装置、露光方法及び露光装置、並びにデバイス製造方法及びデバイス |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001156388A true JP2001156388A (ja) | 2001-06-08 |
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---|---|---|---|
JP2000268045A Pending JP2001156388A (ja) | 1999-09-13 | 2000-09-05 | 波長安定化制御方法及び光源装置、露光方法及び露光装置、並びにデバイス製造方法及びデバイス |
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---|---|
JP (1) | JP2001156388A (ja) |
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