JP2008171539A - 光情報記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

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圭史 錦織
Eiji Ono
鋭二 大野
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Abstract

【課題】シンプルな構造で、広範囲の環境変化においても反りの発生を最小限に止めた光情報記録媒体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の光情報記録媒体は、情報記録層を有する基板と、前記情報記録層を被覆し、放射線硬化樹脂からなる光透過層と、を備える記録情報の再生及び記録再生用の光情報記録媒体であって、前記情報記録層が形成された基板の反対側の面に、温度変化による光透過層の反りを調整するための反り調整層を配置する。そして、室温未満の温度において、前記光透過層の線膨張係数CL<前記反り調整層の線膨張係数SL、を満たす温度領域を少なくとも含む。
【選択図】図1

Description

本発明は光情報記録媒体及びその製造方法に関し、特に、凹凸を有する基板の一面に光透過層、他面に反り調整層が配置された光情報記録媒体に関する。
従来から、情報記録の分野では様々な光情報記録に関する研究が進められている。この光情報記録は、高密度化が可能であり、また、非接触で記録・再生を行うことができ、それを安価に実現できる方式として幅広い用途での応用が実現されつつある。特に、CD、DVDよりも高密度記録が可能な光ディスクとしては、ブルーレイディスク(BD)がある。このブルーレイディスクは、厚み1.1mmの透明樹脂基板に情報記録層を設け、それを光透過層によって保護した構造の単層ディスク、複数の情報記録層の間に中間層を有し、それを光透過層によって保護した構造の多層ディスクなどがある。
しかし、透明樹脂基板に光透過層やハードコート層等の別の材料層が積層されると、厚み方向に非対称な構造となる。このため、温度及び湿度等の環境の変化によって光ディスクに反りが生じる。
そこで、従来、片面に溝が形成された樹脂基板の溝が形成されている方の面に、第1の紫外線硬化樹脂膜を形成し、さらに他方の面に、第1の紫外線硬化樹脂膜と膜厚が異なる平坦な第2の紫外線硬化樹脂膜を形成することにより、反りを緩和した光ディスクが提案されている(例えば、特許文献1)。
特開平03−248341号公報
しかし、光ディスクの高密度化に伴い、光ヘッドの開口数や焦点位置との関係から、光ディスクに許容される反り量は厳しくなってきている。例えば、温度や湿度などの環境の変化に起因する反りの発生によって、光ディスクの再生及び記録再生信号の低下、トラッキングサーボの低下等の影響がより顕著になる。一般に、光ディスクの記録再生装置(ドライブ)内は、40〜50℃程度の高温になっていることが多いため、これまでは特に、室温近傍の温度から、100℃程度の比較的高い温度までの範囲において、反りを抑制するための研究がなされていた。
一方、室温近傍から高温までの範囲では反りを有効に防止することができることが確認されているものであっても、例えば、ゼロ℃を下回る温度においては、予想外にマイナス方向(光投入面方向)の反りが顕著に表れるものもある。
通常、ドライブは、光ディスクが挿入されると、再生する光ピックがディスクの反りに対応してフォーカス位置を学習するが、大きな反りが起こると、ディスクとの衝突の可能性から学習機能を起動させないことがあり、情報の記録及び再生に不都合が生じる。
また、コストメリットに対する要望も増大しており、特性の向上を図り、反り等の不都合を回避しながら、シンプルな構造で、かつ原料及び製造コストを最小限に止め、簡便な製造工程によって、歩留まりの低下を防止することができる光ディスクの開発が必要である。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、シンプルな構造で、ゼロ℃を下回る低温領域を含む広範囲の環境変化においても反りの発生を最小限に抑制した光情報記録媒体及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の光情報記録媒体は、情報記録層を有する基板と、前記情報記録層を被覆し、放射線硬化樹脂からなる光透過層とを備える光情報記録媒体であって、前記情報記録層が形成された基板の反対側の面に、温度変化による光透過層の反りを調整するための反り調整層を配置している。
この光情報記録媒体においては、(1)室温未満の温度において、光透過層の線膨張係数CL<反り調整層の線膨張係数SLを満たす温度領域を含むか、(2)室温未満の温度において、SL≧1×10-5/℃を満たす温度領域を含むか、(3)室温未満の温度において、光透過層の引張弾性率CM<反り調整層の引張弾性率SMを満たす温度領域を含むか、(4))室温未満の温度において、CM≦1000MPaである温度領域を含むか、(5)光透過層のガラス転位温度CT<反り調整層のガラス転位温度STを満たすか、(6)光透過層の膜厚CTh>反り調整層の膜厚SThを満たすか及び/又は(7)反り調整層の膜厚STh≦50μmであることが好ましい。
また、反り調整層が、モノマー成分としてウレタンアクリレートオリゴマーを含んでなる放射線硬化樹脂から構成されることが好ましい。
さらに、基板と反り調整層との間に、湿度による媒体の反りを調整する無機膜を配置されていることが好ましい。
また、反り調整層は、光透過層と異なる材料からなることが好ましい。
本発明の光情報記録媒体の製造方法では、情報記録層を有する基板と、
前記情報記録層を被覆し、紫外線硬化樹脂からなる光透過層と、
を備える、
記録情報の再生及び記録再生用の光情報記録媒体の製造方法であって、
基板における情報記録層が形成された側とは反対側の面に、印刷法によって、温度変化による光透過層の反りを調整するための反り調整層を形成する工程を含んでいる
この光情報記録媒体の製造方法では、印刷法がスクリーン印刷法であることが好ましい。
また、反り調整層に顔料が添加されていてもよい。
本発明の光情報記録媒体によれば、シンプルな構造で、求められる広範囲の環境変化、特にゼロ℃を下回る低温領域においても、反りの発生を防止することができる。
また、製造工程の複雑化を防止し、簡便な方法により、確実に反りの発生を最小限に抑制し、歩留まりを向上させることができる光情報記録媒体を製造することができる。
本発明の光情報記録媒体は、図1に示したように、少なくとも、基板11と、基板11の一面に形成された情報記録層14と、情報記録層14を被覆するように、基板11の一面に形成された光透過層12と、基板11の他面に形成された反り調整層13とを備えて構成される。
基板は、通常、中心孔を有し、一主面に凹凸(スパイラル状の溝、ピット列など)が形成され、凹凸が形成された一主面に、情報記録層が形成されている。基板を構成する材料は、特に限定されないが、適当な機械的強度を確保することができるものが適しており、例えば、樹脂からなるものが好ましい。このような樹脂としては、加工性、光学特性などの点から、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂(例えば、PMMA)等が例示される。基板の厚み、大きさ、形状等は、特に限定されないが、通常、1.1mm程度、円板状で、120mm程度の外径を有しているものが用いられる。
基板に形成された情報記録層は、書き換え型の記録膜、追記型の記録膜又はAl、Ag等を主成分とするような再生専用型の反射膜であってもよい。また、情報記録層は、任意に、記録膜に加えて誘電体膜や熱吸収膜等を含んでいてもよく、さらに反射膜を積層した構造であってもよい。情報記録層は、1つであってもよいし、2つ以上有していてもよい。情報記録層を2つ以上有する場合は、各層の間に、中間層又はスペーサ等の情報層を分離するための層を含むことが適している。溝及び/又はピット等の凹凸は、基板とは別個に形成され、基板に貼り付けられてもよいが、基板自体の成形の際に同時に形成されていてもよい。この場合、例えば、凹凸は、当該分野で公知のスタンパを用いた射出成形法等(例えば、特開2003−263794号公報、2005−100597号公報等参照)によって基板を形成する際に同時に形成することができる。グルーブの深さは、10〜40nm程度、ピッチは、0.2〜0.4μm程度が挙げられる。
光透過層は、情報記録層が形成された基板の一面に、情報記録層を被覆するように形成されている。光透過層は、例えば、情報記録又は再生用のレーザビームが透過するものであり、かつ放射線硬化樹脂からなるものであればよい。光透過層は、積層構造であってもよいが、単層構造であることが好ましい。なお、光透過層(カバー層)の表面にさらにハードコート層(例えば、0.5〜10μm程度)を形成したものであってもよい。ここで、放射線とは、電磁波、例えば、赤外線、可視光線、紫外線、X線等を含む。また、透過とは、用いる膜厚で約75%以上(好ましくは80%以上)の光を通過させることを意味する。放射線硬化樹脂としては、紫外線硬化性樹脂が好ましく、特に、アクリル系、メタクリル系、ウレタン系及びエポキシ系等の紫外線硬化樹脂が挙げられる。なお、光透過層(カバー層)の表面にさらにハードコート層を形成する場合及び光透過層を積層構造とする場合には、特に、線膨張係数、弾性率及び/又はガラス転移温度が、ほぼ同等のもの、好ましくは±20%程度のものを組み合わせて用いることが好ましい。
光透過層の膜厚は、特に限定されるものではないが、通常、75〜100μm程度が挙げられる。光透過層の表面にさらにハードコート層が形成されている場合には、光透過層とハードコート層との総厚みをこの範囲とすることが適当である。
反り調整層は、情報記録層が形成された基板の反対側の面に形成される層であって、温度変化による光透過層の反りを調整し、−30℃から25℃程度、好ましくは−30℃〜30℃程度、より好ましくは−35℃〜35℃程度の広範な温度範囲にわたって光透過層の反り、ひいては光情報記録媒体の反りを低減するための層である。
反り調整層は、放射線硬化樹脂を含んで構成されるものであればよく、例えば、アクリル系、メタクリル系、ウレタン系及びエポキシ系等の樹脂を含むものが挙げられる。一般に、反り調整層自体は光情報記録媒体に対して特有の性能を与えるものではないため、光情報記録媒体自体の反りを確実に低減しながら、可能な限り薄膜であることが好ましい。従って、反りの一因である光透過層よりも薄膜状態でも、十分な反り調整機能を備えるためには、光透過層を構成する材料とは異なる材料によって形成されていることが好ましい。例えば、ウレタン系樹脂を含むものが適しており、ウレタンアクリレートモノマー又はオリゴマーを由来とする放射線硬化樹脂が好ましい。
また、このような材料において、線膨張係数を調整するために、光重合時の結合状態を考慮する必要があり、ウレタンアクリレートのみならず、ウレタンアクリレートモノマー又はオリゴマーと重合可能なモノマー成分を含むことが好ましい。なお、弾性率を増加させるためには、例えば、ベースとなるウレタンアクリレートの分子量が大きくなるように配合/重合し、硬化後の架橋密度を増大させることが適している。
ウレタンアクリレートは、通常、ポリイソシアネート、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート化合物及びポリオールをウレタン化反応させることにより、合成することができる。
ポリイソシアネートとしては、例えば、脂環式ジイソシアネート化合物等が挙げられる。また、ヘキサメチレンジイソシアネート、水添キシレンイソシアネート等を用いてもよい。
ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート化合物としては、ヒドロキシメチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート等が挙げられる。
ポリオールとしては、エチレン性不飽和化合物であるエチレングリコール等が挙げられる。
これらの成分は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、弾性率などに寄与する樹脂と収縮率などに寄与する樹脂とを混合し、2種類以上のウレタンアクリレートを用いてもよい。例えば、収縮率などを考慮するために、ポリイソシアネートとして、ヘキサメチレンジイソシアネート、水添キシレンイソシアネート等を用いることが好ましい。
ウレタンアクリレートモノマー又はオリゴマーと重合可能なモノマー成分としては、例えば、アクリレートモノマーを用いることが好ましい。上述したように、反り調整層を構成する材料における線膨張係数を効率よく調整することが容易になるからである。具体的には、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジアクリレート等のジアクリレートモノマー;フェノキシジエチレングリコールアクリレート、アクリロイロキシエチルコハク酸等のモノアクリレート等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらのモノマー成分は、ウレタンアクリレートモノマー又はオリゴマーに対して、50〜100重量%程度で用いることができる。
また、反り調整層を構成する樹脂は、光重合開始剤を含むことが好ましい。光重合開始剤は、特に限定されず、公知のもの、特に、ウレタン系アクリレートに好適に用いられるものが好ましく、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン等が挙げられる。光重合開始剤は、ウレタンアクリレートモノマー又はオリゴマーに対して、0〜10重量%程度で用いることができる。
なお、反り調整層を構成する材料には、反り調整以外の機能を付与するために、他の材料が含まれていてもよい。例えば、美観等の向上、帯電防止、紫外線吸収などの機能を付与するために、種々の色を呈する顔料(例えば、白色顔料を添加することによって、白色インキとすることができる)、充填材、帯電防止剤、紫外線防止剤、シランカップリング剤、レベリング剤、重合禁止剤、光安定剤、酸化防止剤、表面潤滑剤等の種々の添加物が挙げられる。これらの添加物は、当該分野又は樹脂の分野で公知のものを用いることができる。添加物の含有量は、本来の機能を阻害しない範囲で設定することができる。また、反り調整層にはこれらの添加物が並存することなく、これらの添加物層が1層又は複数の別個の層として、反り調整層の基板側又は反対側に配置させてもよい。
反り調整層の膜厚SThは、特に限定されるものではなく、通常、10〜100μm程度が挙げられる。特に、光透過層の膜厚CThよりも薄いことが好ましく、例えば、50μm以下であることがより好ましい。製造工程を簡便化し、原料コストを低減するとともに、光情報記録媒体本来の機能への影響を最小限に止めるためである。
本発明においては、上述した反り調整層によって、光透過層、ひいては光情報記録媒体の反りを低減するものであり、特に、光透過層の位置、材料、膜厚との組み合わせにおいて、反り調整層の特性が重要となる。
この反り調整層の特性として、最も重要な要素は、線膨張係数である。これは、光透過層の線膨張係数CLと反り調整層の線膨張係数SLとの大小関係およびその差が、反りの方向および程度に最も支配的に寄与するからである。
したがって、例えば、反り調整層は、室温(25℃)未満の温度において、光透過層の線膨張係数CL<反り調整層の線膨張係数SLを満たす温度領域を少なくとも含むことが好ましい。特に、低温領域において、光透過層の反りを低減又は相殺するためである。さらに、室温未満の温度で、SL≧1×10-5/℃である温度領域を少なくとも含むことがより好ましい。これにより、一般に形成されているどのような光透過層に対しても、確実に反りを低減することが可能となるからである。室温未満の温度では、さらに、SL>5×10-5/℃であることがより好ましい。
加えて、室温以上の温度において、CL>SLを満たすことが好ましい。通常、媒体の温度特性及び湿度特性を考慮する場合、まず、膜厚が厚い光透過層の材料を決定する。これは、急激な温度変化、例えば、25℃から60℃程度に環境が変化した際の反りの変化が光透過層の材料特性に大きく起因するからである。このとき、光透過層は、急激な温度変化に対して大きく膨張するため、基板側に大きく反ることになる。このような状態で反り調整層の線膨張係数SLを大きくすると、その光透過層の変化を増長する結果となる可能性があり、光透過層の材料選定が難しくなる。しかし、室温未満の温度でCL<SL、かつ室温以上の温度でCL>SLを満たす場合には、反り調整層の効果が低温領域で見られることになり、反対に高温領域では光透過層の変化を増長することがない。例えば、室温以上の温度では、CL>3×10-4/℃であることが好ましい。また、SL<3×10-4/℃であることが好ましく、さらに、SL>1×10-4/℃であることがより好ましい。
なお、上述した線膨張係数の大小は、光透過層の弾性率と反り調整層の弾性率とがほぼ等程度(例えば、それらの差が約1000MPa以下)とした場合の関係とすることが適している。両者の弾性率が大きく異なると、線膨張係数のみの関係による反りの調整が弱くなるからである。
反り調整層は、室温未満の温度において、光透過層の引張弾性率CM<反り調整層の引張弾性率SMを満たす温度領域を少なくとも含むことが好ましい。特に、低温領域において、光透過層の反りをより低減又は相殺するためである。なお、室温未満の温度で、CM≦1000MPaである温度領域を少なくとも含むことが好ましい。これにより、確実に反りを低減することが可能となるからである。SMは、SM>500MPaを満たすことが好ましく、さらに、SM≧1000MPaを満たすことがより好ましい。
加えて、室温以上の温度において、CM>SMを満たすことが好ましい。これは、上述したように、温度に対する光透過層の反り変化を増長しないためであり、弾性率が高い場合は、線膨張係数が大きい場合と同じく、影響を及ぼす。従って、光透過層の材料選定が難しくなる。そのため、室温未満の温度でCM<SM、かつ室温以上の温度でCM>SMを満たす場合には、反り調整層の効果が低温領域で見られることになり、反対に高温領域では光透過層の変化を増長することがない。例えば、室温以上の温度では、CM≧1000MPaであることが好ましい。また、SM<1000MPaであることが好ましく、さらに、SM≦500MPa程度であることがより好ましい。
反り調整層は、光透過層のガラス転移温度CT<反り調整層のガラス転位温度STを満たすことが好ましい。これは、線膨張係数や弾性率を増加させるような材料構成をする場合に、ガラス転移点が高いほうが制御しやすいからである。一般に弾性率を大きくするためには、架橋密度をあげるが、この際ガラス転移点も上がる傾向があるため、材料の選定に制約が生じるからである。例えば、CT≦80/℃であることが好ましい。また、ST>80/℃であることが好ましく、さらに、ST>120/℃であることがより好ましい。
なお、上記において、光透過層(カバー層)にハードコート層等を積層する場合には、ハードコート層等は、光透過層に比較して極薄膜であると考えられることから、線膨張係数、弾性率、ガラス転移温は、光透過層を基準に考慮すればよい。
本発明の光情報記録媒体では、少なくとも上述した線膨張係数、弾性率、ガラス転移温度等のいずれかが上述した所定の値を示していればよいが、2以上又は全てを組み合わせて備えていることにより、−30℃から35℃におよぶ広範囲における環境変化において、反りを最小限に止めることができ、より高密度であって、厳しい規格条件にも適合させることが可能となる。
本発明の光情報記録媒体では、さらに、基板と反り調整層との間に、無機膜が配置されていてもよい。無機膜は、湿度による媒体の反りを調整する、光を反射するなどのいずれかの機能を果たす膜であればよい。無機膜の材料は、例えば、ZnS・SiO2、Si、Al等が挙げられる。また、膜厚は特に限定されるものではなく、例えば、5nm程度以上であることが適している。無機膜は、スパッタ法等により形成してもよいし、別途無機膜を形成し、それを、接着剤等により貼着してもよい。
本発明においては、光情報記録媒体における反り調整層は、例えば、スピンコート法、スクリーンコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、スプレーコート法等、当該分野で公知の方法により塗布し、乾燥することにより形成することができる。なかでも製造工程の簡便さの観点から印刷法によって形成することが好ましい。印刷法としては、凸版(フレキソ印刷)、平版(オフセット印刷)、凹版(グラビア印刷凹)、孔版印刷(スクリーン印刷)法等が挙げられる。なかでも、スクリーン印刷法が、所定の膜厚の反り調整層を簡便に形成することができる点で好ましい。
以下に、本発明の光情報記録媒体の構成及びその製造方法の実施の形態を説明する。
(実施の形態1:光情報記録媒体10)
本発明の光情報記録媒体10は、図1に示すように、中心孔(図示せず)が形成された基板11の一方の主面に、情報記録層14と、それを被覆する光透過層12とを有している。また、この光情報記録媒体10の基板11の情報記録層14が形成された主面とは反対側の面に、反り調整層13が形成されている。なお、情報記録層14が形成された領域の内周には、光情報記録媒体10がクランプされるクランプ領域が配置されている。
(実施の形態2:光情報記録媒体20a)
この光情報記録媒体20aは、図2(a)に示すように、基板21の一方の主面に、情報記録層24と、それを被覆する光透過層22とを有している。また、この光情報記録媒体の基板21の情報記録層24が形成された主面とは反対側の面に、反り調整層23が形成されている。反り調整層23を被覆するように、例えば、乳白色のインク層25が形成されている。
(実施の形態3:光情報記録媒体20b)
この光情報記録媒体20bは、図2(b)に示すように、基板21の情報記録層24が形成された主面とは反対側の面に、反り調整層23が形成されている。反り調整層13を被覆するように、ZnS・SiO2からなる無機膜26、乳白色のインク層25が順次形成されている以外、上述した光情報記録媒体20aと同様の構成である。
(実施の形態4:光情報記録媒体30)
この光情報記録媒体30は、図3に示すように、基板31の一方の主面に、第1の情報記録層34aが形成されており、さらに、中間層35及び接着層36を介して、第2の情報記録層34bが積層されており、この第2の情報記録層34bを被覆する光透過層32を有している。また、この光情報記録媒体30の基板31の情報層34が形成された主面とは反対側の面に、反り調整層33が形成されている。
(実施の形態5:光情報記録媒体の作製1)
まず、所定の凹凸が形成されたスタンパを用いて、ポリカーボネートの射出成形によって、例えば、膜厚が1.1mm、直径120mm、中心孔径15mmの基板を作製する。
得られた基板の一面にスパッタリングによって、例えば、膜厚40nmの銀からなる反射膜を形成し、情報記録層を基板の一面に形成する。
続いて、例えば、図4(a)に示したように、一面に情報記録層44が形成された基板41を、情報記録層44を上に向けてスピンコート装置にセットし、中心孔付近に、後述する樹脂が塗布されないようにキャップ47を被せる。その後、ノズル43先端をキャップ47の外周部に配置し、例えば、粘度3000cpsのウレタンアクリレートからなる樹脂42aを、1g塗布し、8000rpmで1.5秒間延伸させる。
次に、図4(b)に示すように、ノズル43先端を基板41の中心部に移動し、キャップ47上から、同じ樹脂42aを2g塗布し、4000rpmで1.5秒間延伸させる。
その後、図4(c)に示すように、基板41上方から、フラッシュランプによって紫外線45を照射するとともに、2000rpmで基板41を回転させることにより、樹脂42aを振り切りながら、瞬時に樹脂42aを仮硬化させ、図4(d)に示すように、さらに2000rpmで基板41を回転させながら、フラッシュランプによって紫外線45を照射して、樹脂42aを本硬化させ、第1の樹脂層を形成する。
図4(e)に示すように、第1の樹脂層の上に、ノズル43先端を配置し、例えば、粘度50cpsの多官能ウレタンアクリレートからなる樹脂42bを、2g塗布し、8000rpmで2秒間延伸させる。
次に、図4(f)に示すように、基板41上方から、UVランプによって紫外線45を照射して、樹脂42bを硬化させ、膜厚100μmの光透過層42を形成する。
なお、この方法は、例えば、特開2005−259331号公報に記載されている。
続いて、情報記録層44及び光透過層42が形成された基板41の裏面(情報記録層44等が形成されていない面)に、以下のように、反り調整層を形成する。
まず、図5(a)に示したように、基板41をスクリーン印刷機にセットするとともに、孔版(スクリーン)57に、スクレイパー59を用いて、例えば、1500cpsの粘度の樹脂53aを塗布する。この際用いる孔版57には、予め樹脂53aを塗布すべきところ以外にマスクが形成されている。なお、この樹脂53aは、このような印刷工程で容易に用いることができるように、300cps〜10000cps程度の粘度に調製することが好ましく、さらに、1000cps〜6000cps程度がより好ましい。これにより、印刷工程において、高精度に、例えば、5〜30μm程度の膜厚に調整することができる。
続いて、図5(b)に示すように、基板41上で、スキージ58によって孔版57に圧力をかけながらスライドさせる。これにより、図5(c)に示すように、孔版57のマスクした領域以外のところから、樹脂53aが基板41上に印刷される。
その後、図5(d)に示すように、樹脂53aが印刷された基板41にUV光55を照射することにより、樹脂53aを硬化させ、反り調整層を形成することができる。
(実施の形態6:光情報記録媒体の作製2)
まず、図6(a)に示したように、上記と同様の情報層を第1の情報記録層64aとして有する基板61を準備する。
また、図6(b)に示したように、この基板61とは別個に、基板61の作製用のスタンパを用いて転写用のスタンパ基板67を、基板61と同様に形成する。なお、このスタンパ基板67は、後に除去するものであるため、例えば、厚みは基板61と同様の1.1mm前後としてもよいが、0.6mm程度と薄くしてもよい。スタンパ基板67の上に、例えば、スピンコート法により2gの300cpsの樹脂を、3600rpmで1秒間塗布し、放射線を照射して硬化させ、膜厚が25μm程度の転写層65を形成する。
続いて、図6(c)に示したように、真空中(20mPa)にて、基板61の第1の情報記録層64aと、転写層65とを、接着剤66を用いて貼り合わせ、図6(d)に示すように、紫外線68を照射して、転写層65及び接着剤66を硬化させる。
その後、図6(e)に示したように、スタンパ基板67を剥離する。
なお、ここでは、転写層65と接着剤66とを合わせて中間層としたが、中間層は、1種類の樹脂からなる1層となるように形成してもよい。
続いて、図6(f)に示しように、中間層上に、第2の情報記録層64bとして、銀を含む反射材料を25μm程度の膜厚で形成する。
次に、上記と同様に、図6(g)に示すように、第2の情報記録層64b上に、膜厚75μm程度の光透過層62を形成し、さらに図6(h)に示すように、基板61の裏面に反り調整層63を形成する。
以下に、本発明の光情報記録媒体の構成の具体的な実施例について説明する。
製造例:反り調整層を構成する樹脂の製造
オリゴマーは、従来から知られているウレタンアクリレート合成法によって合成することができる。例えば、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート化合物とポリオールとを混合し、50℃に加熱し、それにジイソシアネートを数時間かけて滴下することにより合成する。
また、同様にウレタンアクリレート化合物は、例えば、ジイソシアネートを加熱しながら、ジオール化合物を滴下し、プレポリマーを作製する。そして、ヒドロキシ基含有アクリル酸エステルを滴下し、70℃前後まで加熱し、イソシアネート基を反応させることにより合成する。
本発明の反り調整層は、これら数種のオリゴマー、モノアクリレート成分及び光重合開始剤である1−ヒドロキシシクロフェニルケトンを混合することによって得られた樹脂A2〜F2及びCA〜CFを用いて作製した。なお、線膨張係数は、オリゴマ及びモノマーの種類を選択することによって調整することができる。このとき平均分子量は、7000〜12000程度となる。例えば、ヒドロキシ基含有アクリル酸エステルに、2−ヒドロキシルアクリレートを用いて作製した場合と6−ヒドロキシルヘキシルアクリレートを用いた場合とでは、温度に対する線膨張係数を変化させることが可能となる。
上記で得られた樹脂A2〜F2及びCA〜CFの−30℃/室温での弾性率、−30℃/室温での線膨張係数、反り改善量、分子量及びガラス転移点(Tg)を測定した。その結果を表1、表2及び図7に示す。
なお、室温での弾性率の測定及び線膨張係数の測定には、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製の応力・歪測定装置EXSTAR6000 TMA/SSを用いた。試験片は、ガラスディスク上にサンプル樹脂を100μm塗布し、硬化後、ガラス上から樹脂を剥離させて、5mm×10mmの大きさに切断して準備した。
分子量の測定は、GPC分析によって行い、平均分子量を求めた。
実施例1
図3に示した光情報記録媒体と同様の構成を有する2層構造の記録層を有する光情報記録媒体を、反り調整層として上述した樹脂A2〜F2を用いてそれぞれ作製した。
つまり、媒体は、幅0.32μmピッチにおいて、情報の信号となる凹凸が形成された、膜厚が1.1mm、直径120mm、中心孔径15mmのカーボネート(帝人化成製、パンライト)基板の凹凸上に、膜厚40nmの銀を含む反射膜、転写層、接着剤層、膜厚25nmの銀を含む反射膜と、光透過層とがこの順に積層され、基板の光透過層と反対面に反り調整層が形成されて構成されている。転写層は、膜厚18μmであり、アクリル樹脂(日本化薬製、POK100)からなる。接着剤層は、膜厚7μmであり、アクリル接着剤(日本化薬製、POK300)からなる。光透過層は、ウレタンアクリレート樹脂(日本化薬製、POK700)からなる膜厚98μmの樹脂膜と、シリコン形の添加剤を含有したウレタンアクリレートからなるハードコート(大日本インキ製、SD715)からなる膜厚2μmの樹脂膜との積層構造を有している。反り調整層は、上述した樹脂A2〜F2からなる膜厚20μmの層である。
これらの媒体について、反り改善量を測定した。反り改善量は、−30℃での反り調整層を形成しない光情報記録媒体を基準として、反り調整層を形成した光情報記録媒体のRチルト変化量の改善量(基準ディスクではマイナスの値。その値からのプラス方向への差異量)である。その結果を表1に示す。

表1の結果から、室温未満の温度範囲において、反り調整層の線膨張係数が1×10-5/℃程度以上で、反り改善量が+0.05°以上となり、媒体の反りを抑制することができる。また、3×10-5/℃程度以上でより有効であり、6×10-4/℃程度以上でさら
に有効であることが分かる。
なお、このような傾向は、反り調整層の膜厚に大きく影響されるものではないと考えられるが、例えば、光透過層が70〜105μm程度の膜厚で形成されている場合には、反り調整層が、10〜65μm程度、さらに10〜50μm程度において、反りを有効に改善することができる。
実施例2
図3に示した光情報記録媒体と同様の構成を有する2つの情報記録層を有する光情報記録媒体を、反り調整層として上述した樹脂A2、B2及びD2を用いてそれぞれ作製した。
つまり、媒体は、幅0.32μmピッチにおいて、情報の信号となる凹凸が形成された、膜厚が1.1mm、直径120mm、中心孔径15mmのカーボネート(帝人化成製、パンライト)基板の凹凸上に、膜厚40nmの銀を含む反射膜と、転写層、接着剤層、膜厚25nmの銀を含む反射膜と、光透過層とがこの順に積層され、基板の光透過層と反対面に反り調整層が形成されて構成されている。転写層は、膜厚18μmであり、アクリル樹脂(日本化薬製、POK100)からなる。接着剤層は、膜厚7μmであり、アクリル接着剤(日本化薬製、POK300)からなる。光透過層は、ウレタンアクリレート樹脂(日本化薬製、POK700)からなる膜厚73μmの樹脂膜と、シリコン系の添加剤を含有したウレタンアクリレートからなるハードコート(大日本インキ製、SD715)からなる膜厚2μmの樹脂膜との積層構造(総膜厚:75μm)を有しており、線膨張係数が室温で−5.7×10-4、室温未満の温度である−30℃で2.4×10-4、室温以上の温度50℃で5.9×10-4、引張弾性率が室温で800MPa、室温未満の温度である−30℃で900Mpa、室温以上の温度50℃で500Mpa、ガラス転移温度が80℃である。反り調整層は、上述した樹脂A2、B2及びD2からなる膜厚20μmの層である。
このような媒体について、25℃での媒体のRチルト変化量(反り量:α角度)を0とした場合の、−30℃から25℃の範囲でのRチルト変化量を、図8に示すように、r=58mmの位置(半径58mmの位置)で測定した。
また、図3に示した光情報記録媒体において、反り調整層を形成しない以外、実施例1と同様の光情報記録媒体を比較例として作製し、実施例1と同様の反り量を測定した。
その結果を図9に示す。
図9の結果から、線膨張係数が樹脂C2の1×10-5/℃程度以上で、媒体の反りを有効に抑制することができる。
なお、反り調整層の膜厚が大きくなるにしたがって、反りを抑制する効果が大きくなるが、例えば、光透過層の膜厚(75μm)の1/5程度の厚さの反り調整層では、3×10-5以上で抑制効果が発揮されることが確認された。
実施例3
上記で得られた樹脂A2とCAとについての温度変化に対する線膨張係数の変化を図10に、弾性率の変化を図11に示す。
これらの樹脂A2及びCAを反り調整層材料として用いて、実施例2と同様の2つの情報記録層を有する光情報記録媒体を作製し、実施例2と同様に、r=58mmの位置のRチルとを測定した。
なお、比較例として、反り調整層を形成しない以外、同様の構成の光情報記録媒体を作製し、同様にRチルトを測定した。
それらの結果を図12に示す。
図12によれは、線膨張係数が1桁異なるが、弾性率が、樹脂CAでは、樹脂Aの1/5であるため、反りの改善効果が小さい。つまり、線膨張係数が大きくても、弾性率が小さければ反りの改善効果が小さくなり、よって、弾性率は、大きいほど好ましい。
実施例4
実施例1及び実施例2と同様の2つの情報記録層を有する光情報記録媒体を、反り調整層として、上述した樹脂CA〜CFを用いてそれぞれ作製した。
これらの媒体について、実施例1と同様に反り改善量を測定した。その結果を表2に示す。

表2によれば、室温での弾性率が100MPa以上であれば、媒体の反りを抑制することができ、300MPa程度以上でより有効であり、1000MPa程度以上でさらに有効である。特に、線膨張係数が略一定の場合には、この効果はより顕著である。
実施例5
表2で示したCE樹脂を100重量部をバインダーとし、それに、白色顔料として酸化チタンを30重量部添加して白色インクを調製した。
この白色インクを、反り調整層の基板と反対面に、スクリーン印刷法により塗布し、UV照射して、膜厚20μm程度のインク層を形成した以外、実施例1と同様にして、図2(a)に示すのと同様の構造の光情報記録媒体を作製した。
得られた媒体を、実施例1と同様に評価したところ、実施例1と略同様の結果が得られた。
実施例6
反り調整層を構成する樹脂100重量部に、白色顔料として酸化チタンを30重量部添加した以外、実施例1と同様にして、光情報記録媒体を作製し、評価したところ、実施例1と同様の結果が得られた。
実施例7
反り調整層とインク層との間に、無機膜として、膜厚20μmの表2のCEからなる膜を形成した以外、実施例5と同様の光情報記録媒体を作製した。
得られた媒体を、実施例1と同様に評価したところ、実施例1及び5と略同様の結果が得られた。
実施例8
図1に示した光情報記録媒体と同様の構成を有する単層構造の情報記録層を有する光情報記録媒体を、反り調整層として上述した樹脂CD及びCFを用いてそれぞれ作製した。
つまり、媒体は、幅0.32μmピッチにおいて、情報の信号となる凹凸が形成された、膜厚が1.1mm、直径120mm、中心孔径15mmのカーボネート(帝人化成製、パンライト)基板の凹凸上に、膜厚40nmの銀を含む反射膜と光透過層とがこの順に積層され、基板の光透過層と反対面に反り調整層が形成されて構成されている。光透過層は、ウレタンアクリレート樹脂(日本化薬製、POK700)からなる膜厚98μmの樹脂膜と、シリコン系の添加剤を含有したウレタンアクリレートからなるハードコート(大日本インキ製、SD715)からなる膜厚2μmの樹脂膜との積層構造(総膜厚:100μm)を有している。反り調整層は、上述した樹脂CD及びCFからなる膜厚20μmの層である。
このような媒体について、25℃での媒体のRチルト変化量(反り量:α角度)を0とした場合の、−30℃から25℃の範囲でのRチルト変化量を、図13に示すように、r=58mmの位置で測定した。
また、図1に示した光情報記録媒体において、反り調整層を形成しない以外、上記と同様の光情報記録媒体を比較例として作製し、同様に反り量を測定した。
その結果を図13に示す。
図13の結果から、実施例4(2層ディスクの構成)と同様に、媒体の反りを有効に抑制することができる。すなわち、引張弾性率の大きい樹脂CFを用いて反り調整層を形成する方が、樹脂CDを用いる場合よりも、媒体の反り抑制効果が大きいことが分かる。
なお、本実施形態や実施例においては、2層構造までの構成を例に挙げて説明したが、本発明は、情報記録層が3層以上の多層構造においても、当然に適用可能であり、同様の効果を奏することができる。
本発明の光情報記録媒体は、例えば、Blue−rayディスク、DVD、CD、MD、MOなどの全ての媒体に利用することが可能である。
本発明の光情報媒体の一実施形態を示す要部の概略断面図である。 本発明の別の光情報媒体の一実施形態を示す要部の概略断面図である。 本発明のさらに別の光情報媒体の一実施形態を示す要部の概略断面図である。 本発明の光情報媒体の製造方法の一実施形態を示す要部の概略断面工程図である。 本発明の光情報媒体の製造方法の一実施形態を示す要部の概略断面工程図である。 本発明の光情報媒体の製造方法の一実施形態を示す要部の概略断面工程図である。 本発明の光情報媒体の温度変化に対する線膨張係数の変化を示すグラフである。 本発明の光情報媒体の反り量を説明するための要部の概略断面図である。 本発明の光情報媒体の温度変化に対する反り量の変化を示すグラフである。 本発明の光情報媒体の温度変化に対する線膨張係数の変化を示すグラフである。 本発明の光情報媒体の温度変化に対する弾性率の変化を示すグラフである。 本発明の光情報媒体の温度変化に対する反り量の変化を示すグラフである。 本発明の光情報媒体の温度変化に対する反り量の変化を示すグラフである。
符号の説明
10、20a、20b 30 基板
11、21、31、41、61 基板
12、22、32、42、62 光透過層
13、23、33、63 反り調整層
14、24、34a、34b、44、64a、64b 情報記録層
25 インク層
26 無機膜
42a、42b、53a 樹脂
43 ノズル
45、55 紫外線
47 キャップ
57 孔版
58 スキージ
59 スクレイパー
65 転写層
67 スタンパ基板
66 接着剤

Claims (21)

  1. 情報記録層を有する基板と、
    前記情報記録層を被覆し、放射線硬化樹脂からなる光透過層と、
    前記基板における前記情報記録層が形成された側とは反対側の面に、温度変化による前記光透過層の反りを調整するための反り調整層と、
    を備え、
    室温未満の温度において、前記光透過層の線膨張係数CL<前記反り調整層の線膨張係数SL、を満たす温度領域を少なくとも含む光情報記録媒体。
  2. 室温未満の温度において、前記SL≧1×10-5/℃を満たす温度領域を少なくとも含む請求項1に記載の光情報記録媒体。
  3. 室温未満の温度において、前記光透過層の引張弾性率CM<前記反り調整層の引張弾性率SM、を満たす温度領域を少なくとも含む請求項1または2に記載の光情報記録媒体。
  4. 室温未満の温度において、CM≦1000MPaである温度領域を少なくとも含む請求項1〜3のいずれか1つに記載の光情報記録媒体。
  5. 前記光透過層のガラス転位温度CT<前記反り調整層のガラス転位温度ST、を満たす請求項1〜4のいずれか1つに記載の光情報記録媒体。
  6. 前記光透過層の膜厚CTh>前記反り調整層の膜厚STh、を満たす請求項1〜5のいずれか1つに記載の光情報記録媒体。
  7. STh≦50μmである請求項1〜6のいずれか1つに記載の光情報記録媒体。
  8. 前記反り調整層が、モノマー成分としてウレタンアクリレートオリゴマーを含んでなる放射線硬化樹脂から構成される請求項1〜7のいずれか1つに記載の光情報記録媒体。
  9. さらに、前記基板と前記反り調整層との間に、湿度によって生じる反りを調整する無機膜を配置する請求項1〜8のいずれか1つに記載の光情報記録媒体。
  10. さらに、前記反り調整層は、前記光透過層とは異なる材料からなる請求項1〜9のいずれか1つに記載の光情報記録媒体。
  11. 情報記録層を有する基板と、
    前記情報記録層を被覆し、放射線硬化樹脂からなる光透過層と、
    前記基板における前記情報記録層が形成された側とは反対側の面に、温度変化による前記光透過層の反りを調整するための反り調整層と、
    を備え、
    室温未満の温度において、前記光透過層の引張弾性率CM<前記反り調整層の引張弾性率SM、を満たす温度領域を少なくとも含む光情報記録媒体。
  12. 室温未満の温度において、前記CM≦1000MPaである温度領域を少なくとも含む請求項11に記載の光情報記録媒体。
  13. 前記光透過層のガラス転位温度CT<前記反り調整層のガラス転位温度ST、を満たす請求項11または12に記載の光情報記録媒体。
  14. 前記光透過層の膜厚CTh>前記反り調整層の膜厚STh、を満たす請求項11〜13のいずれか1つに記載の光情報記録媒体。
  15. 前記STh≦50μmである請求項11〜14のいずれか1つに記載の光情報記録媒体。
  16. 前記反り調整層が、モノマー成分としてウレタンアクリレートオリゴマーを含んでなる放射線硬化樹脂から構成される請求項11〜15のいずれか1つに記載の光情報記録媒体。
  17. さらに、前記基板と前記反り調整層との間に、湿度によって生じる反りを調整する無機膜を配置する請求項11〜16のいずれか1つに記載の光情報記録媒体。
  18. さらに、前記反り調整層は、前記光透過層とは異なる材料からなる請求項11〜17のいずれか1つに記載の光情報記録媒体。
  19. 情報記録層を有する基板と、
    前記情報記録層を被覆し、紫外線硬化樹脂からなる光透過層と、
    を備える、
    記録情報の再生及び記録再生用の光情報記録媒体の製造方法であって、
    前記基板における前記情報記録層が形成された側とは反対側の面に、印刷法によって、温度変化による前記光透過層の反りを調整するための反り調整層を形成する工程を含む光情報記録媒体の製造方法。
  20. 前記印刷法がスクリーン印刷法である請求項19に記載の製造方法。
  21. 前記反り調整層に顔料が添加されてなる請求項19又は20に記載の製造方法。

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