JP2004253075A - 光記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】使用環境温度範囲内における反り角を許容範囲内に収める。
【解決手段】基材2の一面に形成された記録膜3を覆うようにして光透過層4が形成された光記録媒体1であって、基材2の他面に調整層5を形成して構成され、調整層5は、その線膨張係数にそのヤング率を乗じた値が光透過層4の線膨張係数にそのヤング率を乗じた値よりも大きい樹脂材料によって光透過層4よりも薄厚に形成され、かつ、光記録媒体1の膨張または収縮に伴ってその厚み方向における調整層5側の半体1bが光透過層4側の半体1aに対して基材2の一面と平行の方向に作用する内部応力と、膨張または収縮に伴って光透過層4側の半体1aが調整層5側の半体1bに作用する内部応力との差が−10℃以上55℃以下の温度範囲内において3.3MPa以下となる条件を満たすように、所定の線膨張係数およびヤング率を有する材質で所定の厚みT3に形成されている。
【選択図】 図2
【解決手段】基材2の一面に形成された記録膜3を覆うようにして光透過層4が形成された光記録媒体1であって、基材2の他面に調整層5を形成して構成され、調整層5は、その線膨張係数にそのヤング率を乗じた値が光透過層4の線膨張係数にそのヤング率を乗じた値よりも大きい樹脂材料によって光透過層4よりも薄厚に形成され、かつ、光記録媒体1の膨張または収縮に伴ってその厚み方向における調整層5側の半体1bが光透過層4側の半体1aに対して基材2の一面と平行の方向に作用する内部応力と、膨張または収縮に伴って光透過層4側の半体1aが調整層5側の半体1bに作用する内部応力との差が−10℃以上55℃以下の温度範囲内において3.3MPa以下となる条件を満たすように、所定の線膨張係数およびヤング率を有する材質で所定の厚みT3に形成されている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基材の一面に形成された光透過層を透過したレーザービームによって記録データの再生または記録を可能に構成された光記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の光記録媒体として、出願人は、支持基体(20)の表面に記録層(4)および光透過層(2)が順に形成された光情報媒体を特開2000−339761号公報に開示している。この光情報媒体では、支持基体上(記録層上)に形成された光透過層を透過したレーザービームによって記録データの再生または記録が行われる。この場合、支持基体は、ポリカーボネート樹脂によって、厚みが1.1mm程度の円板状に形成されている。また、記録層は、光情報媒体を再生専用型、追記型および書き換え可能型などのタイプに応じた製作方法(材質や層構造等)で構成される。一例として、書き換え可能型の場合、記録層は、光反射層、相変化記録膜および誘電体層などの薄膜を厚みが数百nm程度となるようにスパッタリングによって支持基体上に順に成膜することによって形成される。一方、光透過層は、記録層を覆うようにして、一例として紫外線硬化型樹脂で100μm程度の厚みに形成されている。この場合、この光透過層は、樹脂材料のスピンコート(塗布)および紫外線硬化とを複数回に亘って繰り返して形成される。この結果、光情報媒体の表面全域に亘って均一な厚みの光透過層が形成される。また、一回当りに硬化させる樹脂材料の厚みを薄くすることができるため、硬化時における樹脂材料の収縮に起因する光情報媒体の反りが十分に回避される。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−339761号公報(第3−5頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この光情報媒体(光記録媒体)には、以下の改善すべき課題がある。すなわち、この光記録媒体では、樹脂材料の塗布および硬化を複数回に亘って繰り返して光透過層を形成することで硬化時における樹脂材料の収縮に起因する光情報媒体の反りが回避されている。この場合、この種の光記録媒体としては、室温での使用を想定して、25℃近傍で反り角が最も小さくなるように製造されている。しかしながら、近年、カメラなどに装着して屋外で使用するという一層幅広い環境条件下においても安定して使用可能な性能が光記録媒体に対して要求され始めている。この場合、この光記録媒体では、支持基体(基材)を形成する樹脂材料と光透過層を形成する樹脂材料とが異なっているため、周囲温度が上昇または低下して25℃に対して温度変化した状態では、図11に破線と一点鎖線とでそれぞれ示すように、光記録媒体に反りが生じることがある。
【0005】
具体的には、図12に示すように、この光記録媒体は、その厚み方向における光透過層側の半体11aが、厚みT11aのポリカーボネート樹脂(ディスク状基材の一部)と、厚みT12の光透過層とで構成され、光透過層が形成されていない側の半体11bが、厚み(T12+T11a)のポリカーボネート樹脂(ディスク状基材の残りの一部)で構成されている。この場合、ディスク状基材を形成する樹脂材料(ポリカーボネート樹脂)と、光透過層を形成する樹脂材料とでは、その線膨張係数およびヤング率が異なっている。したがって、光記録媒体の周囲温度が変化した際には、膨張または収縮に伴って半体11aが半体11bにディスク状基材の一面と平行の方向に作用する内部応力と、半体11bが半体11aに作用する内部応力との間で差が生じる。この際には、図11に破線で示すように、半体11aが半体11bに引っ張られるようにして湾曲するマイナス方向の反り(光記録媒体がピックアップから遠ざかる方向の反り)、または、同図に一点鎖線で示すように、半体11bが半体11aに引っ張られるようにして湾曲するプラス方向の反り(光記録媒体がピックアップに接近する方向の反り)が生じる。この際に、反りが大きいときには、ピックアップから射出されたレーザービームがピックアックから大きく外れた方向に反射されて、記録データの再生や光記録媒体に対するトラッキングが困難となる。
【0006】
この場合、この種の光記録媒体は、記録データの記録再生時におけるレーザービームの照射による発熱や、記録再生装置からの伝熱に起因して55℃程度まで加熱されることがある。また、厳寒期に屋外で使用する際には、−10℃程度まで冷却された状態で記録データの記録再生が行われることがある。したがって、−10℃以上55℃以下の温度範囲(以下、「使用環境温度範囲」ともいう)内において、その反り角が許容範囲内となるように製造するのが好ましい。
【0007】
本発明は、かかる改善すべき課題に鑑みてなされたものであり、使用環境温度範囲内における反り角を許容範囲内に収め得る光記録媒体を提供することを主目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく本発明に係る光記録媒体は、基材の一面に形成された情報記録部を覆うようにしてレーザービームを透過可能な光透過層が形成された光記録媒体であって、前記基材の他面に樹脂層を形成して構成され、当該樹脂層は、その線膨張係数にそのヤング率を乗じた値が前記光透過層の線膨張係数に当該光透過層のヤング率を乗じた値よりも大きい樹脂材料によって当該光透過層よりも薄厚に形成され、かつ、当該光記録媒体の膨張または収縮に伴って当該光記録媒体の厚み方向における前記樹脂層側の半体が当該厚み方向における前記光透過層側の半体に対して前記一面と平行の方向に作用する内部応力と、当該膨張または収縮に伴って前記光透過層側の半体が前記樹脂層側の半体に作用する前記内部応力との差が−10℃以上55℃以下の温度範囲内において3.3MPa以下となる条件を満たすように、所定の前記線膨張係数および前記ヤング率を有する材質で所定の厚みに形成されている。この場合、本発明における情報記録部は、射出成形時にグルーブ、ランドおよびピット等が形成された基材そのものの一部に限定されず、例えば、有機色素層または相変化膜などからなる記録層を有する光記録媒体の場合には、この記録層が情報記録部に相当する。また、本発明では、光記録媒体の厚み方向における各中心点を含む面から樹脂層の表面までの部位を「樹脂層側の半体」といい、その各中心点を含む面から光透過層の表面までの部位を「光透過層側の半体」という。さらに、本発明における「一面と平行の方向に作用する内部応力」とは、平面方向(光記録媒体の板面方向)の線膨張係数に平面方向のヤング率と厚みとを乗じた値をいう。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る光記録媒体の好適な実施の形態について説明する。
【0010】
最初に、光記録媒体1の構成について、図面を参照して説明する。
【0011】
図1に示す光記録媒体1は、一例として、開口数(NA)0.85のピックアップによって矢印の向きで射出される波長(λ)405nmの青紫色レーザービームによって記録データの記録および再生を可能に構成された片面追記型の光ディスクであって、ディスク状の基材2、記録膜3、光透過層4および反り調整層(以下、「調整層」ともいう)5を備えて構成されている。基材2は、一例として、直径が120mm程度で厚みT1(図2参照)が1.1mm程度の円板状に射出成形されている。この場合、図4に示すように、基材2は、その線膨張係数が65E−6m/℃の樹脂材料(一例として、ポリカーボネート樹脂)で成形されている。また、図5に示すように、基材2を形成する樹脂材料は、−10.0℃〜55.0℃の温度範囲内におけるヤング率の変動幅が1.93〜2.13MPaとなる特性を有している。一方、記録膜3は、本発明における情報記録部に相当し、一例として、その厚みが数百nm程度であって、光反射層、相変化記録膜および誘電体層などの薄膜をスパッタリングによって基材2の一面上に順に形成して構成されている。この場合、この記録膜3の厚みが極く薄厚のため、膨張または収縮の際に記録膜3の存在に起因して光記録媒体1内で基材2の一面と平行の方向に作用する内部応力は極めて小さいものとなっている。したがって、以下の説明では、本発明についての理解を容易とするために、記録膜3の存在に起因する内部応力の変化に関する説明を省略する。
【0012】
光透過層4は、例えば、その厚みT2が100μmであって、図2に示すように、記録膜3を覆うようにして紫外線硬化型樹脂をスピンコートして形成されている。この場合、この光透過層4の材料として、一例として、下記の樹脂材料を混合した紫外線硬化型樹脂が使用されている。
根上工業株式会社製「アートレジンUN−5200」:77wt%
東亞合成株式会社製「アロニックスM−315」:10wt%
共栄社油脂株式会社製「THF−A」:10wt%
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製「Irgcure 184」:3wt%
この光透過層4は、図4に示すように、その線膨張係数が120E−6m/℃であって、図5に示すように、−10.0℃〜55.0℃の温度範囲におけるヤング率の変動幅が0.25〜2.64MPaとなる特性を有している。
【0013】
調整層5は、本発明における樹脂層に相当し、基材2の裏面側(記録膜3が形成された一面に対する他面)に、紫外線硬化型樹脂をスピンコートして形成されている。この場合、この調整層5の材料として、一例として、下記の樹脂材料を混合した紫外線硬化型樹脂が使用されている。
東亞合成株式会社製「アロニックスM−1200」:40wt%
東亞合成株式会社製「アロニックスM−309」:20wt%
日本化薬株式会社製「カヤラッドR−684」:27wt%
日立化成株式会社製「FA−513A」:10wt%
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製「Irgcure 184」:3wt%
以下、この紫外線硬化型樹脂を使用して形成した調整層5を「調整層5a」ともいう。この調整層5aは、図4に示すように、その線膨張係数が103E−6m/℃であって、図5に示すように、−10.0℃〜55.0℃の温度範囲内におけるヤング率の変動幅が1.68〜3.39MPaとなる特性を有している。また、図6に示すように、調整層5aは、−10.0℃〜55.0℃の温度範囲内において、その線膨張係数にヤング率を乗じた値が、光透過層4の線膨張係数にヤング率を乗じた値よりも大きな値となる特性を有している。さらに、調整層5aは、図2に示すように、その厚みT3が光透過層4の厚みT2よりも薄厚であって70μm以上80μ以下の範囲内で形成されている。
【0014】
一方、上記の紫外線硬化型樹脂に代えて、日本化薬株式会社製「MD450」(紫外線硬化型樹脂の他の一例)を使用して調整層5を形成することもできる。以下、この紫外線硬化型樹脂を使用して形成した調整層5を「調整層5b」ともいう。この調整層5bは、図4に示すように、その線膨張係数が85E−6m/℃であって、図5に示すように、−10.0℃〜55.0℃の温度範囲内におけるヤング率の変動幅が2.02〜4.88MPaとなる特性を有している。また、図6に示すように、調整層5bは、−10.0℃〜55.0℃の温度範囲内において、その線膨張係数にヤング率を乗じた値が、光透過層4の線膨張係数にヤング率を乗じた値よりも大きな値となる特性を有している。さらに、調整層5bは、図2に示すように、その厚みT3が光透過層4の厚みT2よりも薄厚であって、60μm以上80μ以下の範囲内で形成されている。なお、上記の基材2、光透過層4および調整層5a,5bの線膨張係数およびヤング率については、上記した樹脂材料によって100μm厚のフィルム(試料)を製作し、このフィルムについて、セイコー電子工業社製「TMA/SS100」を使用して線膨張係数を測定すると共に、株式会社オリエンテック製「レオバイブロン DDV−01FP」を使用してヤング率を測定した。
【0015】
次に、周囲温度変化に伴う光記録媒体1の反りについて、図面を参照して説明する。
【0016】
光記録媒体1は、図2に示すように、その厚み方向における光透過層4側の半体1aが、厚みT1aのポリカーボネート樹脂(基材2の一部)と、厚みT2の紫外線硬化型樹脂(光透過層4)とで構成され、調整層5側の半体1bが厚み(T1a+T1b)のポリカーボネート樹脂(基材2の他の一部)と、厚みT3の紫外線硬化型樹脂(調整層5)とで構成されている。この場合、基材2を形成する樹脂材料(ポリカーボネート樹脂)と、光透過層4を形成する紫外線硬化型樹脂と、調整層5を形成する紫外線硬化型樹脂とでは、前述したように、その線膨張係数および各温度毎のヤング率がそれぞれ異なっている。このため、光記録媒体1の周囲温度が変化した際には、その周囲温度の変化に応じて光記録媒体1が加熱または冷却され、その際の膨張または収縮に伴って半体1aが半体1bに作用する基材2の一面と平行の方向に作用する内部応力と、半体1bが半体1aに対して基材2の一面と平行の方向に作用する内部応力との間に差が生じる。この状態では、図3に破線で示すように、半体1aが半体1bに引っ張られるようにして湾曲するマイナス方向の反り、または、同図に一点鎖線で示すように、半体1bが半体1aに引っ張られるようにして湾曲するプラス方向の反りが生じる。具体的には、半体1a側の内部応力が大きいときにはマイナス方向の反りが生じ、半体1b側の内部応力が大きいときにはプラス方向の反りが生じる。なお、同図では、本発明についての理解を容易とするために、光記録媒体1に生じる反りを誇張して図示している。
【0017】
この場合、反りが大きいときには、記録膜3に向けてピックアップから射出したレーザービームがピックアックから大きく外れた方向に反射される。この際に、レーザービームを出射した方向と、反りが生じた光記録媒体1によってレーザービームが反射される方向との差(レーザービームの反射角)が0.6°を超えるときには、記録データの再生や光記録媒体1に対するトラッキングが困難となる。したがって、光記録媒体1の使用環境温度範囲としての−10℃以上55℃以下の温度範囲内において、レーザービームの反射角(すなわち、光記録媒体1の反り角)を0.6°以内に収めるように製造する必要があり、より好ましくは、反り角を0.4°以内に収める必要がある。このため、使用環境温度範囲内における膨張または収縮に伴う半体1a,1b間の内部応力の差を可能な限り小さくする必要がある。
【0018】
なお、半体1aが半体1bに作用する内部応力、または半体1bが半体1aに作用する内部応力は、各々を形成する樹脂材料の線膨張係数、ヤング率および厚みに比例する。また、図2に示すように、半体1a,1bには、厚みT1aのポリカーボネート樹脂(基材2の一部)がそれぞれ存在するため、使用環境温度範囲内において半体1a,1b間に生じる内部応力差は、厚みT2の光透過層4の内部応力が厚み(T1a+T1a)の基材2に作用する内部応力と、厚みT3の調整層5および厚みT1b(光透過層4の厚みT2と調整層5の厚みT3との差)の基材2の内部応力が厚み(T1a+T1a)の基材2に作用する内部応力との差と等しくなっている。したがって、光透過層4および調整層5の形成に使用する樹脂材料として線膨張係数およびヤング率が所望値の樹脂材料を選択すると共に、光透過層4および調整層5の厚みを適宜調節することで、使用環境温度範囲内における半体1a,1bの内部応力の差を所望値以下に収めることができる。
【0019】
次いで、調整層5a,5bの厚みT3と半体1a,1b間の内部応力差との関係、および半体1a,1b間の内部応力差と光記録媒体1の反り角との関係について、図面を参照してさらに具体的に説明する。
【0020】
まず、調整層5a,5bが形成されていない光記録媒体(調整層5a,5bの厚みT3が0μmの光記録媒体)と、調整層5aの厚みT3を50μm〜90μmの範囲内で10μm刻みで変化させた5種類の光記録媒体と、調整層5bの厚みT3を50μm〜90μmの範囲内で10μm刻みで変化させた5種類の光記録媒体との計11種類の光記録媒体を製造した。次に、11種類の各光記録媒体について、使用環境温度範囲内における半体1a,1bの内部応力差をシミュレーションによって求めると共に、株式会社キーエンス製の高精度レーザー反り角測定器「LA−2000」を用いて使用環境温度範囲内における反り角を測定した。これらの結果を図7〜10に示す。この場合、内部応力差(図7,9)については、マイナス方向の反りをマイナスの数値で示している。また、反り角(図8,10)については、光記録媒体の中心からの距離が58mmの部位において測定を実施し、25℃における反りの状態を基準として、その状態に対する反り角を求めた。さらに、良否判定については、使用環境温度範囲内における反り角の変化量が0.6°以下−0.6°以上(以下、「0.6°以下」ともいう)の光記録媒体を「良」とし、0.4°以下−0.4°以上(以下、「0.4°以下」ともいう)の光記録媒体を「優」とし、0.6°以上または−0.6°以下の(以下、「0.6°を超える」ともいう)光記録媒体を「不」とした。
【0021】
調整層5a,5bが形成されていない光記録媒体では、図7,9に示すように、半体1a,1bの内部応力差が、55℃において0.88MPa、−10℃において11.08MPaというように、非常に広い範囲で変化する。したがって、図8,10に示すように、光記録媒体の反り角は、−10℃における1.86°を最大値として非常に大きく変動する。この場合、この光記録媒体では、−10℃、0℃および10℃の各温度において反り角が0.6°を超えるため、25℃以上での使用が可能なものの、これらの温度下では、記録データの記録再生が困難となる。一方、図7に示すように、調整層5aの厚みT3が50μmおよび60μmの光記録媒体では、使用環境温度範囲内における半体1a,1bの内部応力差が、−1.72MPa〜4.97MPa、および−2.24MPa〜3.75MPaというように、比較的狭い範囲で変化する。また、調整層5aの厚みT3が90μmの光記録媒体も、使用環境温度範囲内における半体1a,1bの内部応力差が、−3.80MPa〜0.08MPaというように、比較的狭い範囲で変化する。しかし、図8に示すように、調整層5aの厚みT3が50μmまたは60μmの光記録媒体では、−10℃において反り角が0.6°を超え、調整層5aの厚みT3が90μmの光記録媒体では、55℃において反り角が0.6°を超えている。したがって、これらの光記録媒体では、使用環境温度範囲内における低温側または高温側での記録データの記録再生が困難となる。
【0022】
これに対して、図7に示すように、調整層5aの厚みT3が70μmおよび80μmの光記録媒体(光記録媒体1)では、使用環境温度範囲内における半体1a,1bの内部応力差が−2.76MPa〜2.52MPa、および−3.28MPa〜1.30MPaというように、比較的狭い範囲で変化し、しかも3.3MPaを超えない範囲で変化する(本発明における条件が満たされた状態)。したがって、図8に示すように、調整層5aの厚みT3が70μmおよび80μmの光記録媒体1では、−10℃〜55℃の使用環境温度範囲内において反り角が0.6°を超えることなく、記録データの正常な記録再生が可能となっている。この結果、調整層5aに使用される樹脂材料の線膨張率およびヤング率と、調整層5aの厚みT3とを適宜調節して、半体1a,1bの内部応力差が使用環境温度範囲内において3.3MPa以内となるように製造することで、使用環境温度範囲内における光記録媒体1の反り角の変化量を0.6°以内に収めることができる。
【0023】
また、図9に示すように、調整層5bの厚みT3が50μmの光記録媒体では、使用環境温度範囲内における半体1a,1bの内部応力差が−1.69MPa〜3.82MPaというように、比較的狭い範囲で変化する。さらに、調整層5bの厚みT3が90μmの光記録媒体も、使用環境温度範囲内における半体1a,1bの内部応力差が、−3.74MPa〜0.00MPaというように、比較的狭い範囲で変化する。しかし、図10に示すように、調整層5bの厚みT3が50μmの光記録媒体では、−10℃において反り角が0.6°を超え、調整層5bの厚みT3が90μmの光記録媒体では、55℃において反り角が0.6°を超えている。したがって、これらの光記録媒体では、使用環境温度範囲内における低温側または高温側での使用が困難となる。
【0024】
これに対して、図9に示すように、調整層5bの厚みT3が60μm〜80μmの光記録媒体(光記録媒体1)では、使用環境温度範囲内における半体1a,1bの内部応力差が−2.20MPa〜2.37MPa、−2.71MPa〜0.91MPa、および−3.23MPa〜0.00MPaというように、比較的狭い範囲で変化し、しかも3.3MPaを超えない範囲で変化する(本発明における条件が満たされた状態)。したがって、図10に示すように、調整層5aの厚みT3が60μm〜80μmの光記録媒体1では、−10℃〜55℃の使用環境温度範囲内において反り角が0.6°を超えることなく、記録データの正常な記録再生が可能となっている。この結果、調整層5bに使用される樹脂材料の線膨張率およびヤング率と、調整層5bの厚みT3とを適宜調節して、半体1a,1bの内部応力差が使用環境温度範囲内において3.3MPa以内となるように製造することで、使用環境温度範囲内における光記録媒体1の反り角の変化量を0.6°以内に収めることができる。
【0025】
このように、この光記録媒体1によれば、その線膨張係数にそのヤング率を乗じた値が光透過層4の線膨張係数にそのヤング率を乗じた値よりも大きい紫外線硬化型樹脂で光透過層4よりも薄厚(この場合、60μm〜80μm)となるように調整層5を形成し、かつ、膨張または収縮に伴って半体1bが半体1aに対して基材2の一面と平行の方向に作用する内部応力と、半体1aが半体1bに対して基材2の一面と平行の方向に作用する内部応力との差が−10℃以上55℃以下の範囲内において3.3MPa以下となるように、上記の線膨張係数およびヤング率を有する材料を用いて上記の厚みT3の調整層5を形成したことにより、−10℃〜55℃の使用環境温度範囲内における光記録媒体1の反り角を許容範囲内の0.6°以下に収めることができる。したがって、使用環境温度範囲内における記録データの記録または再生や、記録再生時における光記録媒体1に対するトラッキングを正確に行うことができる。
【0026】
この場合、光透過層4に用いた樹脂材料と同一の樹脂材料によって、光透過層4と同一の厚みT2の調整層5を形成することで、使用環境温度範囲内における光記録媒体1の膨張または収縮に伴う半体1a,1bの応力差を極力小さく収めることが可能となる。しかし、光透過層4の樹脂材料としては、レーザービームを透過させるために、変色や傷付きが発生し難いものを採用する必要があるため、光透過層4用のこの高価な樹脂材料を調整層5の形成に際して大量に用いることで光記録媒体1の製造コストが高騰するおそれがある。一方、この光記録媒体1によれば、調整層5を光透過層4よりも薄厚に形成することにより、少量の樹脂材料で調整層5を形成できると共に、レーザービームを透過させる必要がないために変色や傷付き等を考慮することなく安価な樹脂材料を採用することができ、しかも光透過層4用の樹脂材料と比較して簡易な脱泡処理で構わない。したがって、光記録媒体1の製造コストの高騰を回避することができる。加えて、この光記録媒体1によれば、比較的薄厚の調整層5を形成すればよいため、その取り扱いが容易(脱泡処理や、ディスペンサへの供給が容易)な低粘度の樹脂材料を用いることができる結果、高粘度の樹脂材料を用いる製造方法と比較して光記録媒体1を安価に製造することができる。この場合、調整層5の厚みT3は、可能な限り薄厚であるのが好ましく、具体的には、光透過層4における厚みT2の80%以下であるのが好ましい。
【0027】
なお、本発明は、上記した実施の形態に限定されない。例えば、本発明の実施の形態において説明した各種の樹脂材料は、一例であって、本発明はこれに限定されるものではない。この場合、本発明の実施の形態において説明した樹脂材料以外の樹脂材料を用いるときには、半体1a,1bの内部応力差を3.3MPa以内とするためには、その線膨張率やヤング率等に応じて調整層5の厚みT3を適宜変更するのが好ましい。
【0028】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る光記録媒体によれば、その線膨張係数にそのヤング率を乗じた値が光透過層の線膨張係数にそのヤング率を乗じた値よりも大きい樹脂材料で光透過層よりも薄厚に形成し、かつ、膨張または収縮に伴って樹脂層側の半体が光透過層側の半体に基材の一面と平行の方向に作用する内部応力と、光透過層側の半体が樹脂層側の半体に作用する内部応力との差が−10℃以上55℃以下の温度範囲内において3.3MPa以下となるように、所定の線膨張係数およびヤング率を有する材質を用いて所定の厚みの樹脂層を形成したことにより、−10℃〜55℃の使用環境温度範囲内における光記録媒体の反り角を許容範囲内に収めることができる。したがって、その使用環境温度範囲内における記録データの記録または再生や、記録再生時における光記録媒体1に対するトラッキングを正確に行うことができる。
【0029】
また、この光記録媒体によれば、樹脂層を光透過層よりも薄厚に形成することにより、少量の樹脂材料で樹脂層を形成できると共に、レーザービームを透過させる必要がないために変色や傷付き等を考慮することなく安価な樹脂材料を採用することができ、しかも光透過層用の樹脂材料と比較して簡易な脱泡処理で構わない。したがって、その製造コストの高騰を回避することができる。加えて、この光記録媒体によれば、比較的薄厚の樹脂層を形成すればよいため、その取り扱いが容易(脱泡処理や、ディスペンサへの供給が容易)な低粘度の樹脂材料を用いることができる結果、高粘度の樹脂材料を用いる製造方法と比較して安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る光記録媒体1の層構造を示す断面図である。
【図2】光記録媒体1における各層の厚みを示す断面図である。
【図3】膨張および収縮に伴って反りが生じた光記録媒体1の断面図である。
【図4】光記録媒体1を製造するための各種樹脂材料の線膨張係数を示す材料特性図である。
【図5】光記録媒体1を製造するための各種樹脂材料の各温度毎のヤング率を示す材料特性図である。
【図6】光記録媒体1を製造するための各種樹脂材料の線膨張係数に各温度毎のヤング率を乗じた値を示す材料特性図である。
【図7】調整層5aを有する光記録媒体1における半体1a,1bの各温度毎の内部応力差および良否判定結果を示す説明図である。
【図8】調整層5aを有する光記録媒体1の各温度毎の反り角および良否判定結果を示す説明図である。
【図9】調整層5bを有する光記録媒体1における半体1a,1bの各温度毎の内部応力差および良否判定結果を示す説明図である。
【図10】調整層5bを有する光記録媒体1の各温度毎の反り角および良否判定結果を示す説明図である。
【図11】出願人が開示した光情報媒体に反りが生じた状態を示す断面図である。
【図12】出願人が開示した光情報媒体の層構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 光記録媒体
1a,1b 半体
2 基材
3 記録膜
4 光透過層
5,5a,5b 調整層
T2,T3 厚み
【発明の属する技術分野】
本発明は、基材の一面に形成された光透過層を透過したレーザービームによって記録データの再生または記録を可能に構成された光記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の光記録媒体として、出願人は、支持基体(20)の表面に記録層(4)および光透過層(2)が順に形成された光情報媒体を特開2000−339761号公報に開示している。この光情報媒体では、支持基体上(記録層上)に形成された光透過層を透過したレーザービームによって記録データの再生または記録が行われる。この場合、支持基体は、ポリカーボネート樹脂によって、厚みが1.1mm程度の円板状に形成されている。また、記録層は、光情報媒体を再生専用型、追記型および書き換え可能型などのタイプに応じた製作方法(材質や層構造等)で構成される。一例として、書き換え可能型の場合、記録層は、光反射層、相変化記録膜および誘電体層などの薄膜を厚みが数百nm程度となるようにスパッタリングによって支持基体上に順に成膜することによって形成される。一方、光透過層は、記録層を覆うようにして、一例として紫外線硬化型樹脂で100μm程度の厚みに形成されている。この場合、この光透過層は、樹脂材料のスピンコート(塗布)および紫外線硬化とを複数回に亘って繰り返して形成される。この結果、光情報媒体の表面全域に亘って均一な厚みの光透過層が形成される。また、一回当りに硬化させる樹脂材料の厚みを薄くすることができるため、硬化時における樹脂材料の収縮に起因する光情報媒体の反りが十分に回避される。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−339761号公報(第3−5頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この光情報媒体(光記録媒体)には、以下の改善すべき課題がある。すなわち、この光記録媒体では、樹脂材料の塗布および硬化を複数回に亘って繰り返して光透過層を形成することで硬化時における樹脂材料の収縮に起因する光情報媒体の反りが回避されている。この場合、この種の光記録媒体としては、室温での使用を想定して、25℃近傍で反り角が最も小さくなるように製造されている。しかしながら、近年、カメラなどに装着して屋外で使用するという一層幅広い環境条件下においても安定して使用可能な性能が光記録媒体に対して要求され始めている。この場合、この光記録媒体では、支持基体(基材)を形成する樹脂材料と光透過層を形成する樹脂材料とが異なっているため、周囲温度が上昇または低下して25℃に対して温度変化した状態では、図11に破線と一点鎖線とでそれぞれ示すように、光記録媒体に反りが生じることがある。
【0005】
具体的には、図12に示すように、この光記録媒体は、その厚み方向における光透過層側の半体11aが、厚みT11aのポリカーボネート樹脂(ディスク状基材の一部)と、厚みT12の光透過層とで構成され、光透過層が形成されていない側の半体11bが、厚み(T12+T11a)のポリカーボネート樹脂(ディスク状基材の残りの一部)で構成されている。この場合、ディスク状基材を形成する樹脂材料(ポリカーボネート樹脂)と、光透過層を形成する樹脂材料とでは、その線膨張係数およびヤング率が異なっている。したがって、光記録媒体の周囲温度が変化した際には、膨張または収縮に伴って半体11aが半体11bにディスク状基材の一面と平行の方向に作用する内部応力と、半体11bが半体11aに作用する内部応力との間で差が生じる。この際には、図11に破線で示すように、半体11aが半体11bに引っ張られるようにして湾曲するマイナス方向の反り(光記録媒体がピックアップから遠ざかる方向の反り)、または、同図に一点鎖線で示すように、半体11bが半体11aに引っ張られるようにして湾曲するプラス方向の反り(光記録媒体がピックアップに接近する方向の反り)が生じる。この際に、反りが大きいときには、ピックアップから射出されたレーザービームがピックアックから大きく外れた方向に反射されて、記録データの再生や光記録媒体に対するトラッキングが困難となる。
【0006】
この場合、この種の光記録媒体は、記録データの記録再生時におけるレーザービームの照射による発熱や、記録再生装置からの伝熱に起因して55℃程度まで加熱されることがある。また、厳寒期に屋外で使用する際には、−10℃程度まで冷却された状態で記録データの記録再生が行われることがある。したがって、−10℃以上55℃以下の温度範囲(以下、「使用環境温度範囲」ともいう)内において、その反り角が許容範囲内となるように製造するのが好ましい。
【0007】
本発明は、かかる改善すべき課題に鑑みてなされたものであり、使用環境温度範囲内における反り角を許容範囲内に収め得る光記録媒体を提供することを主目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく本発明に係る光記録媒体は、基材の一面に形成された情報記録部を覆うようにしてレーザービームを透過可能な光透過層が形成された光記録媒体であって、前記基材の他面に樹脂層を形成して構成され、当該樹脂層は、その線膨張係数にそのヤング率を乗じた値が前記光透過層の線膨張係数に当該光透過層のヤング率を乗じた値よりも大きい樹脂材料によって当該光透過層よりも薄厚に形成され、かつ、当該光記録媒体の膨張または収縮に伴って当該光記録媒体の厚み方向における前記樹脂層側の半体が当該厚み方向における前記光透過層側の半体に対して前記一面と平行の方向に作用する内部応力と、当該膨張または収縮に伴って前記光透過層側の半体が前記樹脂層側の半体に作用する前記内部応力との差が−10℃以上55℃以下の温度範囲内において3.3MPa以下となる条件を満たすように、所定の前記線膨張係数および前記ヤング率を有する材質で所定の厚みに形成されている。この場合、本発明における情報記録部は、射出成形時にグルーブ、ランドおよびピット等が形成された基材そのものの一部に限定されず、例えば、有機色素層または相変化膜などからなる記録層を有する光記録媒体の場合には、この記録層が情報記録部に相当する。また、本発明では、光記録媒体の厚み方向における各中心点を含む面から樹脂層の表面までの部位を「樹脂層側の半体」といい、その各中心点を含む面から光透過層の表面までの部位を「光透過層側の半体」という。さらに、本発明における「一面と平行の方向に作用する内部応力」とは、平面方向(光記録媒体の板面方向)の線膨張係数に平面方向のヤング率と厚みとを乗じた値をいう。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る光記録媒体の好適な実施の形態について説明する。
【0010】
最初に、光記録媒体1の構成について、図面を参照して説明する。
【0011】
図1に示す光記録媒体1は、一例として、開口数(NA)0.85のピックアップによって矢印の向きで射出される波長(λ)405nmの青紫色レーザービームによって記録データの記録および再生を可能に構成された片面追記型の光ディスクであって、ディスク状の基材2、記録膜3、光透過層4および反り調整層(以下、「調整層」ともいう)5を備えて構成されている。基材2は、一例として、直径が120mm程度で厚みT1(図2参照)が1.1mm程度の円板状に射出成形されている。この場合、図4に示すように、基材2は、その線膨張係数が65E−6m/℃の樹脂材料(一例として、ポリカーボネート樹脂)で成形されている。また、図5に示すように、基材2を形成する樹脂材料は、−10.0℃〜55.0℃の温度範囲内におけるヤング率の変動幅が1.93〜2.13MPaとなる特性を有している。一方、記録膜3は、本発明における情報記録部に相当し、一例として、その厚みが数百nm程度であって、光反射層、相変化記録膜および誘電体層などの薄膜をスパッタリングによって基材2の一面上に順に形成して構成されている。この場合、この記録膜3の厚みが極く薄厚のため、膨張または収縮の際に記録膜3の存在に起因して光記録媒体1内で基材2の一面と平行の方向に作用する内部応力は極めて小さいものとなっている。したがって、以下の説明では、本発明についての理解を容易とするために、記録膜3の存在に起因する内部応力の変化に関する説明を省略する。
【0012】
光透過層4は、例えば、その厚みT2が100μmであって、図2に示すように、記録膜3を覆うようにして紫外線硬化型樹脂をスピンコートして形成されている。この場合、この光透過層4の材料として、一例として、下記の樹脂材料を混合した紫外線硬化型樹脂が使用されている。
根上工業株式会社製「アートレジンUN−5200」:77wt%
東亞合成株式会社製「アロニックスM−315」:10wt%
共栄社油脂株式会社製「THF−A」:10wt%
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製「Irgcure 184」:3wt%
この光透過層4は、図4に示すように、その線膨張係数が120E−6m/℃であって、図5に示すように、−10.0℃〜55.0℃の温度範囲におけるヤング率の変動幅が0.25〜2.64MPaとなる特性を有している。
【0013】
調整層5は、本発明における樹脂層に相当し、基材2の裏面側(記録膜3が形成された一面に対する他面)に、紫外線硬化型樹脂をスピンコートして形成されている。この場合、この調整層5の材料として、一例として、下記の樹脂材料を混合した紫外線硬化型樹脂が使用されている。
東亞合成株式会社製「アロニックスM−1200」:40wt%
東亞合成株式会社製「アロニックスM−309」:20wt%
日本化薬株式会社製「カヤラッドR−684」:27wt%
日立化成株式会社製「FA−513A」:10wt%
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製「Irgcure 184」:3wt%
以下、この紫外線硬化型樹脂を使用して形成した調整層5を「調整層5a」ともいう。この調整層5aは、図4に示すように、その線膨張係数が103E−6m/℃であって、図5に示すように、−10.0℃〜55.0℃の温度範囲内におけるヤング率の変動幅が1.68〜3.39MPaとなる特性を有している。また、図6に示すように、調整層5aは、−10.0℃〜55.0℃の温度範囲内において、その線膨張係数にヤング率を乗じた値が、光透過層4の線膨張係数にヤング率を乗じた値よりも大きな値となる特性を有している。さらに、調整層5aは、図2に示すように、その厚みT3が光透過層4の厚みT2よりも薄厚であって70μm以上80μ以下の範囲内で形成されている。
【0014】
一方、上記の紫外線硬化型樹脂に代えて、日本化薬株式会社製「MD450」(紫外線硬化型樹脂の他の一例)を使用して調整層5を形成することもできる。以下、この紫外線硬化型樹脂を使用して形成した調整層5を「調整層5b」ともいう。この調整層5bは、図4に示すように、その線膨張係数が85E−6m/℃であって、図5に示すように、−10.0℃〜55.0℃の温度範囲内におけるヤング率の変動幅が2.02〜4.88MPaとなる特性を有している。また、図6に示すように、調整層5bは、−10.0℃〜55.0℃の温度範囲内において、その線膨張係数にヤング率を乗じた値が、光透過層4の線膨張係数にヤング率を乗じた値よりも大きな値となる特性を有している。さらに、調整層5bは、図2に示すように、その厚みT3が光透過層4の厚みT2よりも薄厚であって、60μm以上80μ以下の範囲内で形成されている。なお、上記の基材2、光透過層4および調整層5a,5bの線膨張係数およびヤング率については、上記した樹脂材料によって100μm厚のフィルム(試料)を製作し、このフィルムについて、セイコー電子工業社製「TMA/SS100」を使用して線膨張係数を測定すると共に、株式会社オリエンテック製「レオバイブロン DDV−01FP」を使用してヤング率を測定した。
【0015】
次に、周囲温度変化に伴う光記録媒体1の反りについて、図面を参照して説明する。
【0016】
光記録媒体1は、図2に示すように、その厚み方向における光透過層4側の半体1aが、厚みT1aのポリカーボネート樹脂(基材2の一部)と、厚みT2の紫外線硬化型樹脂(光透過層4)とで構成され、調整層5側の半体1bが厚み(T1a+T1b)のポリカーボネート樹脂(基材2の他の一部)と、厚みT3の紫外線硬化型樹脂(調整層5)とで構成されている。この場合、基材2を形成する樹脂材料(ポリカーボネート樹脂)と、光透過層4を形成する紫外線硬化型樹脂と、調整層5を形成する紫外線硬化型樹脂とでは、前述したように、その線膨張係数および各温度毎のヤング率がそれぞれ異なっている。このため、光記録媒体1の周囲温度が変化した際には、その周囲温度の変化に応じて光記録媒体1が加熱または冷却され、その際の膨張または収縮に伴って半体1aが半体1bに作用する基材2の一面と平行の方向に作用する内部応力と、半体1bが半体1aに対して基材2の一面と平行の方向に作用する内部応力との間に差が生じる。この状態では、図3に破線で示すように、半体1aが半体1bに引っ張られるようにして湾曲するマイナス方向の反り、または、同図に一点鎖線で示すように、半体1bが半体1aに引っ張られるようにして湾曲するプラス方向の反りが生じる。具体的には、半体1a側の内部応力が大きいときにはマイナス方向の反りが生じ、半体1b側の内部応力が大きいときにはプラス方向の反りが生じる。なお、同図では、本発明についての理解を容易とするために、光記録媒体1に生じる反りを誇張して図示している。
【0017】
この場合、反りが大きいときには、記録膜3に向けてピックアップから射出したレーザービームがピックアックから大きく外れた方向に反射される。この際に、レーザービームを出射した方向と、反りが生じた光記録媒体1によってレーザービームが反射される方向との差(レーザービームの反射角)が0.6°を超えるときには、記録データの再生や光記録媒体1に対するトラッキングが困難となる。したがって、光記録媒体1の使用環境温度範囲としての−10℃以上55℃以下の温度範囲内において、レーザービームの反射角(すなわち、光記録媒体1の反り角)を0.6°以内に収めるように製造する必要があり、より好ましくは、反り角を0.4°以内に収める必要がある。このため、使用環境温度範囲内における膨張または収縮に伴う半体1a,1b間の内部応力の差を可能な限り小さくする必要がある。
【0018】
なお、半体1aが半体1bに作用する内部応力、または半体1bが半体1aに作用する内部応力は、各々を形成する樹脂材料の線膨張係数、ヤング率および厚みに比例する。また、図2に示すように、半体1a,1bには、厚みT1aのポリカーボネート樹脂(基材2の一部)がそれぞれ存在するため、使用環境温度範囲内において半体1a,1b間に生じる内部応力差は、厚みT2の光透過層4の内部応力が厚み(T1a+T1a)の基材2に作用する内部応力と、厚みT3の調整層5および厚みT1b(光透過層4の厚みT2と調整層5の厚みT3との差)の基材2の内部応力が厚み(T1a+T1a)の基材2に作用する内部応力との差と等しくなっている。したがって、光透過層4および調整層5の形成に使用する樹脂材料として線膨張係数およびヤング率が所望値の樹脂材料を選択すると共に、光透過層4および調整層5の厚みを適宜調節することで、使用環境温度範囲内における半体1a,1bの内部応力の差を所望値以下に収めることができる。
【0019】
次いで、調整層5a,5bの厚みT3と半体1a,1b間の内部応力差との関係、および半体1a,1b間の内部応力差と光記録媒体1の反り角との関係について、図面を参照してさらに具体的に説明する。
【0020】
まず、調整層5a,5bが形成されていない光記録媒体(調整層5a,5bの厚みT3が0μmの光記録媒体)と、調整層5aの厚みT3を50μm〜90μmの範囲内で10μm刻みで変化させた5種類の光記録媒体と、調整層5bの厚みT3を50μm〜90μmの範囲内で10μm刻みで変化させた5種類の光記録媒体との計11種類の光記録媒体を製造した。次に、11種類の各光記録媒体について、使用環境温度範囲内における半体1a,1bの内部応力差をシミュレーションによって求めると共に、株式会社キーエンス製の高精度レーザー反り角測定器「LA−2000」を用いて使用環境温度範囲内における反り角を測定した。これらの結果を図7〜10に示す。この場合、内部応力差(図7,9)については、マイナス方向の反りをマイナスの数値で示している。また、反り角(図8,10)については、光記録媒体の中心からの距離が58mmの部位において測定を実施し、25℃における反りの状態を基準として、その状態に対する反り角を求めた。さらに、良否判定については、使用環境温度範囲内における反り角の変化量が0.6°以下−0.6°以上(以下、「0.6°以下」ともいう)の光記録媒体を「良」とし、0.4°以下−0.4°以上(以下、「0.4°以下」ともいう)の光記録媒体を「優」とし、0.6°以上または−0.6°以下の(以下、「0.6°を超える」ともいう)光記録媒体を「不」とした。
【0021】
調整層5a,5bが形成されていない光記録媒体では、図7,9に示すように、半体1a,1bの内部応力差が、55℃において0.88MPa、−10℃において11.08MPaというように、非常に広い範囲で変化する。したがって、図8,10に示すように、光記録媒体の反り角は、−10℃における1.86°を最大値として非常に大きく変動する。この場合、この光記録媒体では、−10℃、0℃および10℃の各温度において反り角が0.6°を超えるため、25℃以上での使用が可能なものの、これらの温度下では、記録データの記録再生が困難となる。一方、図7に示すように、調整層5aの厚みT3が50μmおよび60μmの光記録媒体では、使用環境温度範囲内における半体1a,1bの内部応力差が、−1.72MPa〜4.97MPa、および−2.24MPa〜3.75MPaというように、比較的狭い範囲で変化する。また、調整層5aの厚みT3が90μmの光記録媒体も、使用環境温度範囲内における半体1a,1bの内部応力差が、−3.80MPa〜0.08MPaというように、比較的狭い範囲で変化する。しかし、図8に示すように、調整層5aの厚みT3が50μmまたは60μmの光記録媒体では、−10℃において反り角が0.6°を超え、調整層5aの厚みT3が90μmの光記録媒体では、55℃において反り角が0.6°を超えている。したがって、これらの光記録媒体では、使用環境温度範囲内における低温側または高温側での記録データの記録再生が困難となる。
【0022】
これに対して、図7に示すように、調整層5aの厚みT3が70μmおよび80μmの光記録媒体(光記録媒体1)では、使用環境温度範囲内における半体1a,1bの内部応力差が−2.76MPa〜2.52MPa、および−3.28MPa〜1.30MPaというように、比較的狭い範囲で変化し、しかも3.3MPaを超えない範囲で変化する(本発明における条件が満たされた状態)。したがって、図8に示すように、調整層5aの厚みT3が70μmおよび80μmの光記録媒体1では、−10℃〜55℃の使用環境温度範囲内において反り角が0.6°を超えることなく、記録データの正常な記録再生が可能となっている。この結果、調整層5aに使用される樹脂材料の線膨張率およびヤング率と、調整層5aの厚みT3とを適宜調節して、半体1a,1bの内部応力差が使用環境温度範囲内において3.3MPa以内となるように製造することで、使用環境温度範囲内における光記録媒体1の反り角の変化量を0.6°以内に収めることができる。
【0023】
また、図9に示すように、調整層5bの厚みT3が50μmの光記録媒体では、使用環境温度範囲内における半体1a,1bの内部応力差が−1.69MPa〜3.82MPaというように、比較的狭い範囲で変化する。さらに、調整層5bの厚みT3が90μmの光記録媒体も、使用環境温度範囲内における半体1a,1bの内部応力差が、−3.74MPa〜0.00MPaというように、比較的狭い範囲で変化する。しかし、図10に示すように、調整層5bの厚みT3が50μmの光記録媒体では、−10℃において反り角が0.6°を超え、調整層5bの厚みT3が90μmの光記録媒体では、55℃において反り角が0.6°を超えている。したがって、これらの光記録媒体では、使用環境温度範囲内における低温側または高温側での使用が困難となる。
【0024】
これに対して、図9に示すように、調整層5bの厚みT3が60μm〜80μmの光記録媒体(光記録媒体1)では、使用環境温度範囲内における半体1a,1bの内部応力差が−2.20MPa〜2.37MPa、−2.71MPa〜0.91MPa、および−3.23MPa〜0.00MPaというように、比較的狭い範囲で変化し、しかも3.3MPaを超えない範囲で変化する(本発明における条件が満たされた状態)。したがって、図10に示すように、調整層5aの厚みT3が60μm〜80μmの光記録媒体1では、−10℃〜55℃の使用環境温度範囲内において反り角が0.6°を超えることなく、記録データの正常な記録再生が可能となっている。この結果、調整層5bに使用される樹脂材料の線膨張率およびヤング率と、調整層5bの厚みT3とを適宜調節して、半体1a,1bの内部応力差が使用環境温度範囲内において3.3MPa以内となるように製造することで、使用環境温度範囲内における光記録媒体1の反り角の変化量を0.6°以内に収めることができる。
【0025】
このように、この光記録媒体1によれば、その線膨張係数にそのヤング率を乗じた値が光透過層4の線膨張係数にそのヤング率を乗じた値よりも大きい紫外線硬化型樹脂で光透過層4よりも薄厚(この場合、60μm〜80μm)となるように調整層5を形成し、かつ、膨張または収縮に伴って半体1bが半体1aに対して基材2の一面と平行の方向に作用する内部応力と、半体1aが半体1bに対して基材2の一面と平行の方向に作用する内部応力との差が−10℃以上55℃以下の範囲内において3.3MPa以下となるように、上記の線膨張係数およびヤング率を有する材料を用いて上記の厚みT3の調整層5を形成したことにより、−10℃〜55℃の使用環境温度範囲内における光記録媒体1の反り角を許容範囲内の0.6°以下に収めることができる。したがって、使用環境温度範囲内における記録データの記録または再生や、記録再生時における光記録媒体1に対するトラッキングを正確に行うことができる。
【0026】
この場合、光透過層4に用いた樹脂材料と同一の樹脂材料によって、光透過層4と同一の厚みT2の調整層5を形成することで、使用環境温度範囲内における光記録媒体1の膨張または収縮に伴う半体1a,1bの応力差を極力小さく収めることが可能となる。しかし、光透過層4の樹脂材料としては、レーザービームを透過させるために、変色や傷付きが発生し難いものを採用する必要があるため、光透過層4用のこの高価な樹脂材料を調整層5の形成に際して大量に用いることで光記録媒体1の製造コストが高騰するおそれがある。一方、この光記録媒体1によれば、調整層5を光透過層4よりも薄厚に形成することにより、少量の樹脂材料で調整層5を形成できると共に、レーザービームを透過させる必要がないために変色や傷付き等を考慮することなく安価な樹脂材料を採用することができ、しかも光透過層4用の樹脂材料と比較して簡易な脱泡処理で構わない。したがって、光記録媒体1の製造コストの高騰を回避することができる。加えて、この光記録媒体1によれば、比較的薄厚の調整層5を形成すればよいため、その取り扱いが容易(脱泡処理や、ディスペンサへの供給が容易)な低粘度の樹脂材料を用いることができる結果、高粘度の樹脂材料を用いる製造方法と比較して光記録媒体1を安価に製造することができる。この場合、調整層5の厚みT3は、可能な限り薄厚であるのが好ましく、具体的には、光透過層4における厚みT2の80%以下であるのが好ましい。
【0027】
なお、本発明は、上記した実施の形態に限定されない。例えば、本発明の実施の形態において説明した各種の樹脂材料は、一例であって、本発明はこれに限定されるものではない。この場合、本発明の実施の形態において説明した樹脂材料以外の樹脂材料を用いるときには、半体1a,1bの内部応力差を3.3MPa以内とするためには、その線膨張率やヤング率等に応じて調整層5の厚みT3を適宜変更するのが好ましい。
【0028】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る光記録媒体によれば、その線膨張係数にそのヤング率を乗じた値が光透過層の線膨張係数にそのヤング率を乗じた値よりも大きい樹脂材料で光透過層よりも薄厚に形成し、かつ、膨張または収縮に伴って樹脂層側の半体が光透過層側の半体に基材の一面と平行の方向に作用する内部応力と、光透過層側の半体が樹脂層側の半体に作用する内部応力との差が−10℃以上55℃以下の温度範囲内において3.3MPa以下となるように、所定の線膨張係数およびヤング率を有する材質を用いて所定の厚みの樹脂層を形成したことにより、−10℃〜55℃の使用環境温度範囲内における光記録媒体の反り角を許容範囲内に収めることができる。したがって、その使用環境温度範囲内における記録データの記録または再生や、記録再生時における光記録媒体1に対するトラッキングを正確に行うことができる。
【0029】
また、この光記録媒体によれば、樹脂層を光透過層よりも薄厚に形成することにより、少量の樹脂材料で樹脂層を形成できると共に、レーザービームを透過させる必要がないために変色や傷付き等を考慮することなく安価な樹脂材料を採用することができ、しかも光透過層用の樹脂材料と比較して簡易な脱泡処理で構わない。したがって、その製造コストの高騰を回避することができる。加えて、この光記録媒体によれば、比較的薄厚の樹脂層を形成すればよいため、その取り扱いが容易(脱泡処理や、ディスペンサへの供給が容易)な低粘度の樹脂材料を用いることができる結果、高粘度の樹脂材料を用いる製造方法と比較して安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る光記録媒体1の層構造を示す断面図である。
【図2】光記録媒体1における各層の厚みを示す断面図である。
【図3】膨張および収縮に伴って反りが生じた光記録媒体1の断面図である。
【図4】光記録媒体1を製造するための各種樹脂材料の線膨張係数を示す材料特性図である。
【図5】光記録媒体1を製造するための各種樹脂材料の各温度毎のヤング率を示す材料特性図である。
【図6】光記録媒体1を製造するための各種樹脂材料の線膨張係数に各温度毎のヤング率を乗じた値を示す材料特性図である。
【図7】調整層5aを有する光記録媒体1における半体1a,1bの各温度毎の内部応力差および良否判定結果を示す説明図である。
【図8】調整層5aを有する光記録媒体1の各温度毎の反り角および良否判定結果を示す説明図である。
【図9】調整層5bを有する光記録媒体1における半体1a,1bの各温度毎の内部応力差および良否判定結果を示す説明図である。
【図10】調整層5bを有する光記録媒体1の各温度毎の反り角および良否判定結果を示す説明図である。
【図11】出願人が開示した光情報媒体に反りが生じた状態を示す断面図である。
【図12】出願人が開示した光情報媒体の層構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 光記録媒体
1a,1b 半体
2 基材
3 記録膜
4 光透過層
5,5a,5b 調整層
T2,T3 厚み
Claims (1)
- 基材の一面に形成された情報記録部を覆うようにしてレーザービームを透過可能な光透過層が形成された光記録媒体であって、
前記基材の他面に樹脂層を形成して構成され、
当該樹脂層は、その線膨張係数にそのヤング率を乗じた値が前記光透過層の線膨張係数に当該光透過層のヤング率を乗じた値よりも大きい樹脂材料によって当該光透過層よりも薄厚に形成され、かつ、当該光記録媒体の膨張または収縮に伴って当該光記録媒体の厚み方向における前記樹脂層側の半体が当該厚み方向における前記光透過層側の半体に対して前記一面と平行の方向に作用する内部応力と、当該膨張または収縮に伴って前記光透過層側の半体が前記樹脂層側の半体に作用する前記内部応力との差が−10℃以上55℃以下の温度範囲内において3.3MPa以下となる条件を満たすように、所定の前記線膨張係数および前記ヤング率を有する材質で所定の厚みに形成されている光記録媒体。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006100930A1 (ja) * | 2005-03-18 | 2006-09-28 | Fujifilm Corporation | 光ディスク |
US7782746B2 (en) | 2006-12-15 | 2010-08-24 | Panasonic Corporation | Optical information recording medium and method for manufacturing same |
-
2003
- 2003-02-21 JP JP2003043469A patent/JP2004253075A/ja active Pending
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