JP2008170351A - 電気泳動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヘモグロビン類、特に糖尿病の診断指標となる安定型ヘモグロビンA1cの測定を、短時間で高精度に行うことが可能な電気泳動装置、ヘモグロビン類の測定方法、ヘモグロビン類及びグルコースの測定装置及びヘモグロビン類とグルコースとの同時測定方法を提供する。
【解決手段】ヘモグロビン類の測定に用いる電気泳動装置であって、電極及び内面が親水性ポリマーでコーティングされた泳動路を有するマイクロチップからなる測定部と、電源部と、検出部とからなる電気泳動装置。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ヘモグロビン類、特に糖尿病の診断指標となる安定型ヘモグロビンA1cの測定を、短時間で高精度に行うことが可能な電気泳動装置、ヘモグロビン類の測定方法、ヘモグロビン類及びグルコースの測定装置及びヘモグロビン類とグルコースとの同時測定方法に関する。
ヘモグロビン(以下、Hbともいう)類、特に糖化ヘモグロビン類の一種であるヘモグロビンA1c(以下、HbA1cともいう)は、過去1〜2カ月間の平均的な血糖値を反映しているため、糖尿病のスクリーニング検査や糖尿病患者の血糖管理状態を把握するための検査項目として広く利用されている。
従来、HbA1cの測定方法としては、HPLC法、免疫法、電気泳動法等が用いられている。このうち、臨床検査分野で多く用いられているHPLC法では、1試料当たり1〜2分での測定が可能であり、また、同時再現性試験のCV値が1.0%程度の測定精度が実現されている。糖尿病患者の血糖管理状態を把握するための測定方法としては、このレベルの性能が必要とされている。
一方、電気泳動法は、装置構成が簡便なため、マイクロチップ電気泳動のような安価で小型なシステムを作製することが可能な技術であり、電気泳動法におけるHbA1cの高精度測定技術の臨床検査への適用は、コスト面において非常に有益な効果が期待できる。
電気泳動法によるHb類の測定は、通常とは異なるアミノ酸配列を有する異常Hb類の分離方法として古くから用いられているが、HbA1cの分離は非常に困難であり、ゲル電気泳動の手法では30分以上の時間が必要であった。このように電気泳動法は、測定時間及び測定精度の点で問題があるため、現在では糖尿病診断への応用はほとんど行われていなかった。
これに対して、1990年頃に登場したキャピラリー電気泳動法は、一般的に高分離・高精度測定が可能とされており、例えば、特許文献1には、キャピラリー電気泳動法によってHbA1cを分離する方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示された方法を用いた場合、測定時間が長いという問題点は解消されず、加えて、使用する緩衝液のpHが9〜12と高く、Hbが変性してしまう可能性があることから、この方法を臨床検査に適用することは困難であった。
また、特許文献2には、キャピラリー電気泳動法において、キャピラリーにカチオン性ポリマーを通液することによって、キャピラリー内面にカチオン性ポリマーを動的にコーティングし、硫酸化多糖類を含有する緩衝液を用いる方法が開示されている。この方法によれば、10分間程度で測定することができ、ゲル電気泳動法と比較して短時間で測定することが可能となる。
これらの方法によって糖尿病診断を行う場合は、HbA1cの中でも糖尿病の指標となる安定型HbA1cを分離して、不安定型HbA1c、カルバミル化Hb、アセチル化Hb等の修飾Hb類の影響を排除しなければならない。しかしながら、特許文献1及び2に開示された方法によって得られるエレクトロフェログラムでは、分離性能及び測定精度が不充分であり、これらの方法に開示された技術範囲では安定型HbA1cを分離することは困難であった。
また、特許文献1及び2に開示された緩衝液や、電圧負荷等の条件は、大型で高価なキャピラリー電気泳動装置にのみ適用することが可能であることから、このような方法を、小型で安価なマイクロチップ電気泳動法に適用して測定を行うことは不可能であった。
特表平9−510792号公報 特開平9−105739号公報
本発明は、ヘモグロビン類、特に糖尿病の診断指標となる安定型ヘモグロビンA1cの測定を、短時間で高精度に行うことが可能な電気泳動装置、ヘモグロビン類の測定方法、ヘモグロビン類及びグルコースの測定装置及びヘモグロビン類とグルコースとの同時測定方法を提供することを目的とする。
本発明は、ヘモグロビン類の測定に用いる電気泳動装置であって、電極及び内面が親水性ポリマーでコーティングされた泳動路を有するマイクロチップからなる測定部と、電源部と、検出部とからなる電気泳動装置である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討した結果、内面が親水性ポリマーでコーティングされた泳動路を有するマイクロチップからなる測定部と、該測定部に電圧を負荷するための電源部と、分離されたHb成分を検出することができる検出部とからなる電気泳動装置を用いることにより、ヘモグロビン類の測定が、従来よりも低コストで、高精度かつ短時間に行うことが可能となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
図1に、本発明の電気泳動装置の一例を示す。図1aは、本発明の電気泳動装置の上面図を示す模式図である。図1aに示すように、電気泳動装置1は、リザーバー21、該リザーバー内に設置された電極22、電気泳動時に測定試料が移動・分離する泳動路23を含む流路を有する測定部2を有する。リザーバー21は、緩衝液を溜めるための液溜めである。
図1aは、泳動路23を含む流路がクロス十字型に構成され、泳動路23の各末端にリザーバー21が4箇所設けられ、各リザーバー21に電極22が設置されている本発明の電気泳動装置の一例である。各電極22は、電圧供給ケーブル31を介して高圧電源である電源部3と接続されている。
図1bは、本発明の電気泳動装置の横断面図を示す模式図である。図1bに示すように、電気泳動装置1は、検出部4を有する。検出部4は、光源41と、受光部42とを有する。検出部4において、光源41と、受光部42とは、測定部2を介して反対側に位置する。光源41は、測定部2に形成された泳動路23の所定の箇所に、特定波長の光を発生させる。受光部42は、泳動路23において分離された測定対象成分の吸光度を測定し、該吸光度のデータによって安定型HbA1c値を算出する。
本発明の電気泳動装置は、電極及びマイクロチップからなる測定部を有する。このような電気泳動装置は、従来Hb類の測定に用いられてきたHPLCやキャピラリー電気泳動装置よりも小型で安価な装置である。
本明細書において、マイクロチップとは、無機系又は有機系素材からなり、150mm角以下程度の大きさを有する板状の基板をいう。具体的には、例えば、μ−TAS、Lab−on−a−chipと呼ばれる技術に用いられる従来公知のチップ等が挙げられる。
上記マイクロチップを構成する素材としては特に限定されず従来公知の素材を用いることができるが、例えば、ホウケイ酸ガラス、石英等のガラス系、フューズドシリカ、ポリジメチルシロキサン等のシリカ系、ポリアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ乳酸系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、オレフィン系樹脂等の樹脂系等の素材が好ましい。なかでも、ガラス系、シリカ系、アクリル樹脂系の素材好ましい。
ただし、後述する特定波長の光を吸収しない素材であることが好ましい。
本発明の電気泳動装置において、上記測定部は、複数のマイクロチップからなるものであってもよい。このような場合、それぞれのマイクロチップは、同一の仕様であってもよく、異なる仕様であってもよい。
上記マイクロチップは、泳動路を有する。
本発明において、泳動路とは、マイクロチップ上又はマイクロチップ内に形成された流路であって、電気泳動が行われる際に、その流路の内において、試料が移動及び/又は分離される部位(試料が注入された部位から、検出部によって検出される部位)のことをいう。例えば、図1においては、流路の交差点24から、光源41によって光が照射される流路上の位置までの部分をいう。
上記泳動路を含む流路全体の形状としては特に限定されず、例えば、クロス十字型の他、直線状等、後述する泳動路の形状、大きさを確保できる形状であればよい。
上記泳動路は、長さの下限が10mm、上限が100mmである。10mm未満であると、充分に試料が分離されないため、正確な測定をすることができないことがある。100mmを超えると、測定時間の延長や得られるエレクトロフェログラムにおいてピーク形状の変形が生じることによって、正確な測定をすることができないことがある。
上記泳動路は、幅の下限が10μm、上限が100μmである。10μm未満であると、検出器により検出するための光路長が小さく、測定精度が低下することがある。100μmを越えると、泳動路内で試料が拡散することにより得られるエレクトロフェログラムにおいてピークがブロードになり、測定精度が低下することがある。
上記泳動路の形状としては特に限定されず、例えば、直線状、一定の曲率を有する曲線状、又は、渦巻状等が挙げられる。なかでも直線状であることが好ましい。
上記泳動路の断面の形状としては特に限定されず、例えば、矩形、円形等が挙げられる。
上記マイクロチップは、単数の泳動路を有していてもよく、複数の泳動路を有していてもよい。
上記泳動路は、内面が親水性ポリマーによってコーティングされている。
上記泳動路内面に形成されるコーティング層は、単層であってもよく、同一又は異なる材料からなる多層であってもよい。
このように親水性ポリマーを用いてコーティングすることによって、泳動路の内面に親水性を付与し、泳動路の内部を通過する測定試料であるヒト血液中の蛋白質、脂質等の各成分の非特異吸着を抑制し、測定対象であるヘモグロビン類を充分に分離測定することが可能となる。親水性が不充分であると、測定試料中の各成分が上記泳動路の内面に非特異吸着を起こし、各成分の分離に悪影響を及ぼすことがある。
本明細書において、親水性ポリマーとは親水性の官能基を有するポリマーをいう。
上記親水性ポリマーは、後述する特定波長(主波長及び副波長)の光を吸収しないものであることが好ましい。
上記泳動路のコーティングに用いられる親水性ポリマーとしては特に限定されず、例えば、イオン性又は非イオン性の親水性ポリマーが挙げられる。
上記イオン性の親水性ポリマーとしては特に限定されず、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(2―アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)、ポリ(2−ジエチルアミノエチルメタクリレート)、ポリエチレンイミン、ポリブレン等のイオン性合成高分子;コンドロイチン硫酸、デキストラン硫酸、ヘパリン、ヘパラン、フコイダン等の硫酸基含有多糖類及びその塩類;アルギン酸、ヒアルロン酸、ペクチン酸等のカルボキシル基含有多糖類及びその塩類;セルロース、デキストラン、アガロース、マンナン、デンプン等の中性多糖類及びその誘導体へのイオン性基導入化物、及びその塩類等のアニオン性多糖類、キチン、キトサン等のキトサン誘導体及びその塩類;アミノセルロース、N−メチルアミノセルロース等のN−置換セルロースの誘導体及びその塩類;デキストラン、アガロース、マンナン、デンプン等の中性多糖類及びその誘導体へのアミノ基導入化物、及びその塩類等のカチオン性多糖類等;牛血清アルブミン、ラクトフェリン、スキムミルク等蛋白質類等が挙げられる。
上記コーティングに用いられる非イオン性の親水性ポリマーとしては特に限定されず、例えば、セルロース、デキストラン、アガロース、マンナン、デンプン等の多糖類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリビニルピロリドン等の親水性高分子類、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレート等のモノマーを重合又は共重合して得られる有機合成高分子類等が挙げられる。
上記親水性ポリマーを泳動路にコーティングする方法としては特に限定されず、従来公知の方法を用いることができ、例えば、上記親水性ポリマーを含有する溶液を上記泳動路の内部に通液することによってコーティングする動的コーティング法;上記親水性ポリマーを泳動路の内面に接触させて疎水性的又は静電気的な相互作用等を利用して物理的に吸着・固定化させる固定化コーティング法、泳動路の内面及び親水性ポリマーをそれぞれの物質が有する官能基や他の物質等を介して共有結合により結合・固定化させる固定化コーティング法等が挙げられる。上記固定化コーティング法を用いる場合、更に、加熱工程、乾燥工程等を経ることにより、コーティング層が剥離することがないため、繰り返し測定が可能となる。上記固定化コーティング法としては、具体的には例えば、上記泳動路内部に上記親水性ポリマーを含有する溶液を通液し、該泳動路に空気を注入することによって該溶液を追い出した後、乾燥することを繰り返す方法等が挙げられる。
なかでも、固定化コーティング法が好ましい。固定化コーティング法を用いることによって、いったんコーティングすれば剥離することがなく、測定毎に再びコーティングを行う必要がない。そのため、連続測定等の際には、測定時間の短縮を図ることができる。
上記泳動路に上記親水性ポリマーを固定化する際、上記泳動路内面と上記親水性ポリマーからなる層との間に、別種の層を形成してもよい。上記別種の層が形成される場合、上記親水性ポリマーからなる層は、上記泳動路最内面に形成されていればよい。
上記泳動路に上記親水性ポリマーをコーティングする際、上記親水性ポリマーは、その種類やコーティングの方法にもよるが、上記親水性ポリマーを含む溶液としてコーティングに供されることが好ましい。
上記親水性ポリマー溶液の濃度としては、好ましい下限が0.01%、好ましい上限が20%である。0.01%未満であると、コーティングが不充分となることがある。20%を超えると、上記親水性ポリマーからなる層を均一に形成することができず、ヘモグロビン類の測定途中に剥離し、再現性低下の原因となることがある。
上記測定部は、上記電極を有する。
上記電極は、測定部内の流路において後述する緩衝液と接触し、後述する電源部に接続される。このような構成を有するため、電願部から電圧供給がされ、測定部内の流路に満たされた緩衝液を介して試料に電圧が負荷されることによって電気泳動を行うことができる。
上記電極の設置位置としては、測定部内の流路内の緩衝液に接触できる態様であれば特に限定されず、例えば、上記測定部に固定されていてもよいし、上記測定部の蓋部や上記測定部を固定する支持台(チップホルダ)等に固定されていてもよい。
上記電極を緩衝液に接触させる態様としては、泳動路を挟み込む流路上であれば特に限定されないが、例えば、後述するリザーバー内において緩衝液に接触していることが好ましい。
上記電極の素材としては特に限定されず、従来公知の素材を用いることができ、例えば、白金等の導電性金属等が挙げられる。
上記測定部は、リザーバーを有することが好ましい。
上記リザーバーは、上記泳動路の端部に形成され、電気泳動に用いる緩衝液、測定試料等の供給口、排出口、及び、電極の挿入部としての役割を果たす。
上記リザーバーの形状としては特に限定されず、従来公知の形状のものを用いることができる。上記リザーバーの大きさとしては特に限定されず、従来公知の大きさのものを用いることができる。
上記リザーバーは、緩衝液、測定試料等の供給及び排水のために、必要に応じて底部や上部に給排水のための接続がなされていてもよい。
本発明の電気泳動装置は、電源部を有する。
上記電源部は、電気泳動のための電圧を供給する役割を果たす。
上記電源部が負荷する電圧は、好ましい下限が100V、好ましい上限が3000V。100V未満であると、電気泳動による測定対象成分の移動が充分に行われない可能性がある。3000Vを超えると、ジュール熱の発生等により得られるエレクトロフェログラムにおいてピークの変形等が発生することによって、測定精度が損なわれる可能性がある。
上記電源部は上記測定部内のリザーバー等に設置された上記電極と接続されることによって、電圧を上記測定部内の緩衝液へ供給する役割を果たす。
上記電源部と、上記電極とを接続する方法としては特に限定されず、例えば、従来公知のコード等を用いる方法が挙げられる。
本発明の電気泳動装置は、検出部を有する。
上記検出部は、電気泳動によって分離された測定試料成分を光学的に検出する機構である。このような光学的検出の原理としては、測定試料であるヘモグロビン類を検出できるものであれば特に限定されないが、簡便性の観点から、ヘモグロビン類の最大吸収波長領域の可視光での吸光度測定法が好ましい。
このような可視光の吸光度は、具体的には例えば、光源から可視光を含む光を、上記泳動路上の所定の位置に照射することによって、該泳動路を挟んで反対側に設置された受光器において、泳動路内を移動するヘモグロビン類の各種成分の可視光における吸光度を測定することができる。
上記検出部は、光源と、受光器とを有することが好ましい。
上記検出部において、上記光源及び上記受光器の設置態様としては特に限定されず、例えば、上記泳動路を挟んで上記測定部の上部及び下部に設置される態様であってもよく、上記泳動路を挟んで上記測定部の側部に設置される態様であってもよい。
上記検出部において、上記光源から上記受光部へ照射される光は、上記光源及び上記受光器の設置態様に応じて、上部から下部へ照射されてもよく、下部から上部へ照射されてもよく、側面から側面へ照射されてもよく、所定の角度をもって斜めから照射されてもよい。
上記検出部において、400〜430nmから選ばれる一つの波長を主波長とし、450〜600nmから選ばれる一つの波長を副波長として、主波長の吸光度及び副波長の吸光度を同時に測定することが好ましい。このような特定の波長を用いることによって、低コストで高精度の測定を短時間に行うことが可能となる。
本発明の電気泳動装置を用いてヘモグロビン類を測定する方法であって、検出部において400〜430nmから選ばれる主波長と、450〜600nmから選ばれる副波長とにおける2つの吸光度を測定するヘモグロビン類の測定方法もまた、本発明の一つである。
上記主波長の好ましい範囲は410〜420nm、副波長の好ましい範囲は500〜550nmである。
本発明のヘモグロビン類の測定方法においては、主波長の範囲及び副波長の範囲の可視光のみを照射することによって、主波長の吸光度及び副波長の吸光度を測定してもよいし、主波長の範囲及び副波長の範囲を含む多波長の吸光度を全て測定した後に、主波長の吸光度及び副波長の吸光度のみを選択してもよい。こうして、いずれの場合も、同時間における主波長の吸光度と、副波長の吸光度との差(主波長の吸光度−副波長の吸光度)からエレクトロフェログラムを得ることによって、目的とするヘモグロビン類のピーク面積を算出することができる。
上記主波長の吸光度及び副波長の吸光度を測定する方法としては特に限定されず、例えば、波長フィルタ、分光器、各種ミラー類、各種レンズ類等、従来公知の検出技術を用いることができる。
本発明の電気泳動装置は、上記測定部、電源部及び検出部等からなる基本構成に加えて、他の付属部品を有してもよい。このような付属部品を有することによって、電気泳動をより効率よく実施することができる。
上記付属部品としては特に限定されず、例えば、上記電源部の電圧、極性、負荷時間を制御したり、一連の自動化プログラムを実施したりするための制御機構、必要に応じて上記リザーバー、上記泳動路、上記電極を洗浄するための洗浄液等を供給、排水等するための供給排水機構、測定された吸光度からエレクトロフェログラムを作成したり、安定型HbA1c値を算出し印字したりするためのデータ処理機構、測定試料の自動希釈や測定部への自動供給機構、試料容器、希釈槽や流路の洗浄、試料容器の架設、供給等を行う機構等が挙げられる。
本発明の電気泳動装置を用いて電気泳動法によりヘモグロビン類の測定を行う場合は、上記測定部の流路内に緩衝液を満たした後、試料を流路内に導入して、該流路内に電圧を負荷することによって実施することができる。
上記緩衝液としては、緩衝能を有する従来公知の緩衝液組成物を含有する溶液であれば特に限定されず、例えば、クエン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸等の有機酸、及び、その塩類等を含有する溶液等;グリシン、タウリン、アルギニン等のアミノ酸類;塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、酢酸等の無機酸、及び、その塩類等を含有する溶液等が挙げられる。
上記緩衝液には、カオトロピック化合物、界面活性剤、各種ポリマー、親水性の低分子化合物等、一般的に用いられる添加剤を適宜添加してもよい。
上記各種ポリマーとしては特に限定されず、例えば、イオン性ポリマーが挙げられる。
本明細書において、イオン性ポリマーは、分子内にイオン性の官能基を有するポリマーを意味する。
上記イオン性ポリマーは、イオン性の種類により、アニオン性ポリマーと、カチオン性ポリマーとに大別される。なかでも、アニオン性ポリマーが好ましい。
上記アニオン性ポリマーは、分子内にアニオン性の官能基を有するポリマーである。
上記アニオン性の官能基としては、特に限定されず、例えば、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基等が挙げられる。
上記アニオン性ポリマーは、親水性を有することが好ましい。
上記親水性を有するアニオン性ポリマーとしては特に限定されず、例えば、アニオン性基含有多糖類、アニオン性基含有有機合成高分子等が挙げられる。
具体的には例えば、デキストラン硫酸、コンドロイチン硫酸等の多糖類;ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(2―アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)及び、これらの共重合体等、コンドロイチン硫酸、デキストラン硫酸、ヘパリン、ヘパラン、フコイダン等の硫酸基含有多糖類及びその塩類;アルギン酸、ヒアルロン酸、ペクチン酸等のカルボキシル基含有多糖類、及び、その塩類;セルロース、デキストラン、アガロース、マンナン、デンプン等の中性多糖類、及び、その誘導体へのイオン性基導入化物、及び、その塩類等のアニオン性多糖類、ポリ(メタ)アクリル酸、リン酸基含有(メタ)アクリル酸エステル重合体、スルホン酸基含有(メタ)アクリル酸重合体、2−アクリルアミド−ブチルスルホン酸重合体、及び、これらの共重合物等の水溶性アニオン性基含有有機合成高分子類が挙げられる。
本発明の電気泳動装置において、上記測定部に、更に、グルコースを測定するための機構が設けられていることが好ましい。本発明の電気泳動装置がヘモグロビン類を測定するため機構としての役割を果たすことから、本発明の電気泳動装置の測定部に更にグルコースを測定するための機構が設けられることによって、糖尿病診断の指標である安定型HbA1cとグルコースとを同時に測定することが可能となる。
本発明の電気泳動装置と前記電気泳動装置の測定部に設けられたグルコースを測定するための機構とからなるヘモグロビン類及びグルコースの測定装置もまた、本発明の一つである。
上記グルコースを測定するための機構としては特に限定されず、従来公知の測定機構を用いることができ、例えば、アルカリ性溶液中のグルコースの還元作用を利用する還元法を用いた機構;グルコースと芳香族アミンとの縮合反応を利用する縮合法を用いた機構;グルコースとグルコースデヒドロゲナーゼ、グルコースオキシダーゼ、ヘキソキナーゼ等の酵素との反応を利用した酵素法を用いた機構等が挙げられる。なかでも、酵素法を用いた機構が好ましい。
上記グルコースを測定するための機構は、上記測定部における上記マイクロチップ上に設けられることが好ましい。
上記グルコースを測定するための機構、例えば、酵素法を用いた機構をマイクロチップ化する方法としては特に限定されず、例えば、スパッタリング等によって白金薄膜電極等をマイクロチップ上に形成し、該電極上に、グルコースデヒドロゲナーゼ、グルコースオキシダーゼ等を固定化することによって、酵素センサーをマイクロチップ上に作製する方法等が挙げられる。
本発明のヘモグロビン類及びグルコースの測定装置において、上記ヘモグロビン類を測定するための機構と、上記グルコースを測定するための機構とは、それぞれ別のマイクロチップ上に形成されてもよく、同一のマイクロチップ上に形成されてもよい。
上記ヘモグロビン類を測定するための機構と、上記グルコースを測定するための機構とが同一のマイクロチップ上に形成される場合、上記ヘモグロビン類を測定するための流路と、上記グルコースを測定するための流路とが独立して形成されてもよく、上記ヘモグロビン類と上記グルコースとを同一流路内において測定することができる機構を形成してもよい。
図5は、本発明のヘモグロビン類及びグルコースの測定装置の一例を示す模式図である。
図5aは、ヘモグロビン類測定用試料導入口25と、グルコース測定用試料導入口51とを、それぞれ独立して設置した態様を示す。
このような態様では、ヘモグロビン類の測定は、ヘモグロビン類測定用試料導入口25に試料を導入した後、電極22に電圧を負荷して電気泳動を行い、泳動路23内で各成分に分離して検出部4において光学的検出が行われる。グルコースの測定は、グルコース測定用試料導入口51に別途導入された試料について、酵素電極52により測定される。
このような態様によって、ヘモグロビン類と、グルコースとを、個別に測定することができる。こうした場合、ヘモグロビン類と、グルコースとのうち、一方を測定する場合には、もう一方の機構を動作させる必要がないため、試薬等の消費を節約することが可能となる。
図5bは、ヘモグロビン類測定用試料導入口とグルコース測定用試料導入口とが共通している態様を示す。
このような態様では、共通試料導入口60に試料を導入した後、各試料がヘモグロビン類測定用リザーバー26及びグルコース測定用リザーバー53に導かれる。ヘモグロビン類は、ヘモグロビン類測定用リザーバー26とリザーバー21と間に電圧を負荷して電気泳動を行い、泳動路23内で各成分に分離して検出部4において光学的検出が行われる。一方、グルコースは、グルコース測定用リザーバー53の酵素電極52により測定される。
このような態様によって、ヘモグロビン類と、グルコースとを同時に、又は、個別に測定することができる。
図5cは、ヘモグロビン類測定用試料導入口とグルコース測定用試料導入口とが共通している態様を示す。
このような態様では、例えば、共通試料導入口60に試料を導入した後、まず、共通試料導入口60内の酵素電極52によってグルコースの測定を行った後、共通試料導入口60とリザーバー21とに設置した電極22に電圧を負荷して電気泳動を行い、泳動路23内で各成分に分離して検出部4において光学的検出を行うことによってヘモグロビン類の測定を行うことができる。
このような態様において、測定の順序としては特に限定されず、グルコースの測定を行った後、ヘモグロビン類の測定を行ってもよく、ヘモグロビン類の測定を行った後、グルコースの測定を行ってもよい。
このような態様によって、ヘモグロビン類と、グルコースとを同時に、又は、個別に測定することができる。
このような電気泳動装置を用いることによって、上記ヘモグロビン類とグルコースとを同時に又は個別に、低コストで作製することが可能な装置を用いて高精度の測定を短時間に行うことが可能となる。
本発明のヘモグロビン類及びグルコースの測定装置を用いてヘモグロビン類とグルコースとを同時に測定する方法もまた、本発明の一つである。
本発明は、簡便な構成により装置化が可能な電気泳動の原理を用い、更に測定部を小型化が容易なマイクロチップを用いているため、低コストで、高精度の測定を短時間に行うことが可能な電気泳動装置、ヘモグロビン類の測定方法、ヘモグロビン類及びグルコースの測定装置及びヘモグロビン類とグルコースとの同時測定方法を提供することができる。具体的には、電気泳動法という簡易かつ低コストな方法を用いながら、特に安定型HbA1cの測定において、1検体当たり数分という短時間に、同時再現性を示すCV値が1.0%程度という高精度で測定することができる。そのため、電気泳動法によって糖尿病患者の安定型HbA1c値の管理を好適に行うことが可能となる。また、電気泳動装置の測定部には、グルコースを測定するための機構を容易に組み込むことができ、ヘモグロビン類及びグルコースの測定装置を得ることができる。こうして、装置全体を大きくすることなく、すなわちコストを大幅に増大させることなく、安定型HbA1cとグルコースとの糖尿病指標の2項目を同時に測定することも可能となる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)電気泳動装置の作製
ポリジメチルシロキサン製マイクロチップに長さ80mm、幅80μmの泳動路を形成し、クロス十字型の電気泳動用マイクロチップを作製した。泳動路に0.5%キトサン溶液を満たし、20分間放置した。その後、空気を泳動路内に注入してキトサン溶液を追い出した後、40℃の乾燥機内で12時間乾燥させた。その後、再び、キトサン溶液の注入、空気の注入、及び、乾燥を5回繰り返すことによって、泳動路がコーティングされたマイクロチップを得た。得られたキトサンコーティングマイクロチップの泳動路に、2.0%のコンドロイチン硫酸を含む150mMクエン酸緩衝液(pH5.2)を満たして、測定用マイクロチップを得た。得られた測定用マイクロチップを、白金電極(直径1mm×長さ5mm)を有する支持台に乗せて、該電極をマイクロチップ上のリザーバーに挿入させ、該電極と電源(ラボスミス社製)とを電圧供給コードを用いて接続し、ハロゲンランプ光源(モリテックス社製MHF−V501)、分光器(B&Wテック社製、BTC112)、及び、データ処理用パソコンを有する検出器をマイクロチップ上に設置することによって電気泳動装置を作製した。
(2)健常人血の測定
健常人よりフッ化ナトリウム採血した健常人全血70μLに、0.05%のTriton X−100(界面活性剤、和光純薬社製)を含むクエン酸緩衝液(pH6.0)200μLを添加して溶血希釈し、健常人血溶血試料を得た。
得られたマイクロチップの泳動路の一方の端部に形成されているリザーバーに上述の溶血試料を添加し、泳動路の両端に1000Vの電圧をかけて電気泳動を行い、主波長415nm及び副波長500nmの可視光における吸光度変化を測定することにより、健常人血液中の安定型HbA1cの測定を行った。
図2は、実施例1において、健常人血の測定によって得られたエレクトロフェログラムである。図2中、ピーク1は安定型HbA1c、ピーク2はHbA0を示す。なお、安定型HbA1cの分離は、約60秒の電気泳動時間で行うことができた。
(3)修飾Hbを含む試料の測定
健常人よりフッ化ナトリウム採血した健常人全血に、グルコースを2500mg/dLとなるように添加し、37℃で3時間加温し、修飾Hbの一種である不安定型HbA1cを多量に含む試料を人為的に調製した。上述の(2)健常人血の測定と同様に処理して修飾Hb含有溶血試料を得た。
上述の(1)電気泳動装置の作製で得られたマイクロチップの泳動路の一方の端部に形成されているリザーバーに上述の修飾Hb含有溶血試料を添加し、泳動路の両端に1000Vの電圧をかけて電気泳動を行い、主波長415nm及び副波長500nmの可視光における吸光度変化を測定することにより、修飾Hb含有試料中の、安定型HbA1cの測定を行った。
図3は、実施例1において、修飾Hbを含む試料の測定によって得られたエレクトロフェログラムをに示す模式図である。図3中、ピーク1は安定型HbA1c、ピーク2はHbA0、ピーク3は修飾Hb(不安定型HbA1c)を示す。図2に示すように、安定型HbA1cと修飾Hbである不安定型HbA1cが良好に分離された。
(実施例2)
フューズドシリカ製マイクロチップに、長さ50mm、幅50μmの泳動路を形成し、クロス十字型の電気泳動用マイクロチップを作製した。泳動路に0.5%プリブレン水溶液を満たし、20分間放置した。その後、空気を泳動路内に注入してプリブレン水溶液を追い出した後、40℃の乾燥機内で12時間乾燥させた。その後、再び、プリブレン水溶液をの注入、空気の注入、及び、乾燥を5回繰り返すことによって、泳動路がコーティングされたマイクロチップを得た。得られたポリブレンコーティングマイクロチップの泳動路に、1.5%のデキストラン硫酸を含む50mMコハク酸緩衝液(pH5.8)を満たして、測定用マイクロチップを得た。得られた測定用マイクロチップを用いた以外は、実施例1と同様の方法によって、健常人血の測定及び修飾Hbを含む試料の測定を行った。健常人血の測定では、図2と同様のエレクトロフェログラムが得られた。修飾Hbを含む試料の測定では、図3と同様のエレクトロフェログラムが得られた。
(実施例3)
メチルメタクリレート製マイクロチップに、長さ90mm、幅30μmの泳動路を形成し、電気泳動用のマイクロチップを作製した。泳動路に0.5%のコンドロイチン硫酸水溶液を満たし、20分間放置した。その後、空気を泳動路内に注入してコンドロイチン硫酸水溶液を追い出した後、40℃の乾燥機内で12時間乾燥させた。その後、再び、コンドロイチン硫酸水溶液の注入、空気の注入、及び、乾燥を5回繰り返すことによって、泳動路がコーティングされたマイクロチップを得た。得られたコンドロイチン硫酸コーティングマイクロチップの泳動路に、2.0%のコンドロイチン硫酸を含む100mMリン酸緩衝液(pH5.5)を満たして、測定用マイクロチップを得た。得られた測定用マイクロチップを用いた以外は、実施例1と同様の方法によって、健常人血の測定及び修飾Hbを含む試料の測定を行った。健常人血の測定では、図2と同様のエレクトロフェログラムが得られた。修飾Hbを含む試料の測定では、図3と同様のエレクトロフェログラムが得られた。
(実施例4)
メチルメタクリレート製マイクロチップに、長さ60mm、幅60μmの泳動路を形成し、電気泳動用のマイクロチップを作製した。泳動路に0.5%ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)(以下、ポリ2−HEMAともいう)水溶液を満たし、20分間放置した。その後、空気を泳動路内に注入してポリ2−HEMA水溶液を追い出した後、40℃の乾燥機内で12時間乾燥させた。その後、再び、ポリ2−HEMA水溶液の注入、空気の注入、及び、乾燥を5回繰り返すことによって、泳動路がコーティングされたマイクロチップを得た。得られたポリ2−HEMAコーティングマイクロチップの泳動路に、2.0%の(2−アクリルアミド−ブチルスルホン酸)−(2−HEMA)共重合体を含む100mMリンゴ酸緩衝液(pH5.4)を満たして、測定用マイクロチップを得た。得られた測定用マイクロチップを用いた以外は、実施例1と同様の方法によって、健常人血の測定及び修飾Hbを含む試料の測定を行った。健常人血の測定では、図2と同様のエレクトロフェログラムが得られた。修飾Hbを含む試料の測定では、図3と同様のエレクトロフェログラムが得られた。
(比較例1)
フューズドシリカからなるキャピラリー(GLサイエンス製:内径25μm×全長30cm)を0.2N−NaOH、イオン交換水、0.5N−HClの順で通液してキャピラリー内を洗浄した後、BSA(カチオン性ポリマー:牛血清アルブミン、和光純薬社製)を0.5重量%含有するリンゴ酸緩衝液を1分間通液し、コーティングした。
得られたキャピラリーを、キャピラリー電気泳動装置(Beckman−Couler社製P/ACE MDQ)にセットし、0.2重量%のコンドロイチン硫酸(和光純薬社製)を含有するリンゴ酸緩衝液(pH4.7)を上述のキャピラリー内に満たし、測定用キャピラリー電気泳動装置を得た。
10kVの電圧を負荷して修飾Hbを含む試料の測定を行った。
図4は、比較例1において、修飾Hbを含む試料の測定によって得られたエレクトロフェログラムを示す模式図である。
図4中、ピーク1は安定型HbA1c、ピーク2はHbA0、ピーク3は修飾Hb(不安定型HbA1c)を示す。図5に示すように、得られたエレクトロフェログラムにおいて、安定型HbA1cを示すピーク1と修飾Hbを示すピーク3とが重なっている。
(比較例2)
マイクロチップの泳動路にコーティングを実施しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法を用いて、健常人血の測定を実施した。
得られたエレクトロフェログラムにはピークが検出されなかった。これはコーティングが施されていない泳動路内面に測定試料中のヘモグロビン類が非特異吸着を起したためと考えられる。親水性ポリマーによるコーティングをしていない泳動路を用いた場合には、ヘモグロビン類の測定ができないことがわかった。
(評価)
(1)修飾Hb類の分離性能試験
実施例1〜4及び比較例1の測定条件について、健常人血試料と、同一健常人血を元に調製した修飾Hb含有試料、すなわち実施例1(3)修飾Hbを含む試料の測定において調製した健常人血にグルコースを2500mg/dLとなるように添加して得られた不安定型HbA1c含有試料と、更に他の修飾Hb含有試料、すなわち該健常人血にアセトアルデヒドを50mg/dLとなるように添加して得られたアセチル化Hb含有試料、シアン酸ナトリウムを50mg/dLとなるように添加して得られたカルバミル化Hb含有試料を調製し、各試料における安定型HbA1c値を求めた。
なお、各試料の安定型HbA1c値は、全ヘモグロビンピークの面積に対する安定型HbA1cピークの面積の比率(%)を求めることにより算出した。
得られた修飾Hb含有試料の安定型HbA1c値から、得られた健常人血試料の安定型HbA1c値を差し引いた値を求めた。
結果を表1に示した。
Figure 2008170351
実施例1〜4の測定条件においては、修飾Hb含有試料と修飾Hbを含まない健常人血試料の安定型HbA1cの測定値の差はほとんどなく、測定値差は0.2%以下であり、修飾Hb類の存在下においても、安定型HbA1cが正確に測定できることがわかった。一方、比較例1の測定条件では、修飾Hb類と安定型HbA1cの分離が不充分なため、安定型HbA1c値が大きく変動し、正確な測定ができないことがわかった。
(2)同時再現性試験
実施例1〜4及び比較例1の測定条件を用いて、健常人血試料の同一試料を10回連続して得られた安定型HbA1c値のCV値を算出した。
また、比較例1では、1回の測定が終了した時点で、0.2NのNaOH、イオン交換水、0.5NのHCl溶液の順で通液してキャピラリー内を洗浄した後、BSA(カチオン性ポリマー:牛血清アルブミン:和光純薬社製)の0.5%リンゴ酸緩衝液を1分間通液して動的コーティングを施した後、次検体を測定することによって、測定を繰り返し行うことによって同時再現性試験を行った。
結果を表2に示した。
(3)耐久性試験
実施例1〜4及び比較例1の測定条件を用いて、健常人血試料の同一試料を100回連続して測定して得られた安定型HbA1c値の最大値と最小値との差(R値)を算出した。
結果を表2に示した。
Figure 2008170351
表2に示すように、実施例1〜4では、同時再現性試験において、バラツキ度合いを示すCV値が1%前後であり良好な結果であった。また、耐久性試験における連続100試料測定時のバラツキ幅についても、0.2%程度と非常に小さく、大量検体の連続測定においても精度良く安定型HbA1cを測定できることがわかった。
一方、比較例1については、同時再現性試験におけるCV値が3%以上と大きく、また耐久性試験時のバラツキ幅も最大0.5%程度であり、糖尿病患者のHbA1c値を管理する上で全く不充分な値となっていた。
(4)測定波長の影響試験
実施例1〜4の測定条件において、使用した測定波長(主波長及び副波長)を変化させて、測定を行った。具体的には、同時間における主波長の吸光度から副波長の吸光度を差し引いた数値を、当該時間における吸光度とし、エレクトロフェログラムを得ることによって安定型HbA1c値を算出した。次いで、上述した同時再現性試験を行うことによって、測定波長の影響を測定した。
Figure 2008170351
副波長をとらず、主波長である415nmの吸光度のみで安定型HbA1c値を算出した場合には、実施例1〜4の場合ともにCV値が3%前後となった。一方、副波長として500nm及び550nmを選択し吸光度を測定し、主波長である415nmの吸光度との差から安定型HbA1c値を算出した場合は、CV値が1%前後とより高精度な測定が可能であった。
(5)安定型HbA1cとグルコースとの同時測定
実施例1〜3で用いたのと同様のマイクロチップに、それぞれ図5cと同様の構成を有する流路(長さ80mm、幅80μm)を形成した。
グルコースを測定するための酵素電極(王子計測機器社製、BF−6M)は、白金製過酸化水素電極の表面に、グルコースオキシダーゼ(GOD)を膜状に固定化した酵素固定化膜(厚さ0.6mm)を用い、該固定化膜中のGODが測定試料中のグルコースと反応して発生する過酸化水素を、過酸化水素電極により電気分解することによってグルコースの測定を行った。
試料導入口から測定試料を導入し、上述の方法によりグルコースを測定した後、実施例1〜3と同様の電気泳動条件により電気泳動を実施して安定型HbA1cの測定を行った。
結果を表4に示した。
Figure 2008170351
健常人血を10回連続測定した場合の安定型HbA1c値及びグルコース値のCV値について、良好な測定結果が得られた。
更に、実施例1〜3で用いたのと同様のマイクロチップに、それぞれ図5a又は図5bと同様の流路を形成して安定型HbA1cとグルコースとの同時測定を場合でも、同等の良好な性能が得られた。
本発明によれば、ヘモグロビン類、特に糖尿病の診断指標となる安定型ヘモグロビンA1cの測定を、短時間で高精度に行うことが可能な電気泳動装置、ヘモグロビン類の測定方法、ヘモグロビン類及びグルコースの測定装置及びヘモグロビン類とグルコースとの同時測定方法を提供することができる。
本発明のヘモグロビン類測定用電気泳動装置の一例を示す模式図である。 本発明のヘモグロビン類測定用電気泳動装置の一例を示す模式図である。 実施例1、2、3及び4において、健常人血の測定によって得られたエレクトロフェログラムである。 実施例1、2、3及び4において、修飾Hbを含む試料の測定によって得られたエレクトロフェログラムである。 比較例1において、修飾Hbを含む試料の測定によって得られたエレクトロフェログラムである。 本発明のヘモグロビン類及びグルコースの測定装置の一例を示す模式図である。 本発明のヘモグロビン類及びグルコースの測定装置の一例を示す模式図である。 本発明のヘモグロビン類及びグルコースの測定装置の一例を示す模式図である。
符号の説明
1 電気泳動装置
2 測定部
21 リザーバー
22 電極
23 泳動路
24 交差点
25 ヘモグロビン類測定用試料導入口
26 ヘモグロビン類測定用リザーバー
3 電源部
31 電圧供給コード
4 検出部
41 光源部
42 受光部
51 グルコース測定用試料導入口
52 酵素電極
53 グルコース測定用リザーバー
60 共通試料導入口

Claims (4)

  1. ヘモグロビン類の測定に用いる電気泳動装置であって、電極及び内面が親水性ポリマーでコーティングされた泳動路を有するマイクロチップからなる測定部と、電源部と、検出部とからなることを特徴とする電気泳動装置。
  2. 請求項1記載の電気泳動装置を用いてヘモグロビン類を測定する方法であって、検出部において、400〜430nmから選ばれる主波長と、450〜600nmから選ばれる副波長とにおける2つの吸光度を測定することを特徴とするヘモグロビン類の測定方法。
  3. 請求項1記載の電気泳動装置と、前記電気泳動装置の測定部に設けられたグルコースを測定するための機構とからなることを特徴とするヘモグロビン類及びグルコースの測定装置。
  4. 請求項3記載のヘモグロビン類及びグルコースの測定装置を用いることを特徴とするヘモグロビン類とグルコースとの同時測定方法。
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