JP2008169433A - 焼結鉱の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高炉操業に影響を及ぼす焼結鉱の化学成分を変更することなく、成品歩留を確保しつつ、安定かつ確実に生産性を向上しうる焼結鉱の製造方法を提供する。
【解決手段】焼結配合原料を造粒後、焼結機に装入して充填層を形成し、大気を下方に吸引することにより前記充填層を焼成して焼結鉱を製造する方法であって、前記充填層内における平均ガス空塔線速X(標準状態、単位:m/s)と、前記焼結配合原料中における0.5mm以下の微粉部の塩基度Y(質量比CaO/SiO)との関係が、下記式を満たす範囲で操業を行う。
式 X≦0.6のとき、1.96≦Y≦2.64
X>0.6のとき、15.66X−19.41X+7.97≦Y≦6.47X−4.89X+3.29
【選択図】図1

Description

本発明は、高炉原料である焼結鉱の製造方法に関し、詳しくは、例えばDL型焼結機により、高生産性かつ高歩留で焼結鉱を製造する技術に関する。
焼結鉱は、通常、複数銘柄の粉状鉄鉱石に、石灰石、生石灰、珪石、蛇紋岩等の副原料と、ダスト、スケール、返鉱等の雑原料と、粉コークス等の固体燃料を適量配合した焼結配合原料に、水分を添加してドラムミキサやディスクペレタイザで混合造粒して擬似粒子化した後、この擬似粒子を例えばDL型焼結機に充填し、この充填層表層部の固体燃料に着火し、大気を下向き吸引することにより焼成して得られる。
ところで、近年の世界的な鉄鋼需要の急激な高まりに対応して高炉での銑鉄増産に対するニーズが高まっており、これに伴い、高炉原料である焼結鉱の増産に対するニーズも高まっている。
例えばDL型焼結機で焼結鉱を増産しようとして、単に吸引風量を増加すると、充填層内における燃焼むらやガスの偏流によって焼けむらが生じやすくなり、歩留が低下することから、種々の対策が提案されている。
例えば、焼結配合原料の化学成分や溶融性によって決定される溶融性指数と、充填層の通気度との積を固体燃料配合率で除した値が一定値以上となるように操業条件を調整することで、焼結工程での焼けむらを防止できるとする提案が開示されている(特許文献1、2参照)。
しかしながら、上記特許文献1および2に記載の方法を用いて焼結鉱の増産を図ろうとする場合、吸引風量の増加に伴う充填層の通気度の悪化を補うために、焼結配合原料の溶融性を高める必要があるが、このためには、焼結配合原料全体の塩基度を高くせざるを得ず、焼成された焼結鉱の塩基度も必然的に高くなってしまう。そして、このような塩基度の高い焼結鉱を高炉原料として用いると、高炉で発生するスラグの量が増加し塩基度が高くなることから、排滓性の悪化など高炉操業に悪影響を及ぼしてしまう問題があった。
一方、実機DL型焼結機において、焼結鉱を増産するために、焼結配合原料の化学成分(成分組成)や溶融性を変更することなく、単に吸引風量を増加させていくと、図5に示すように、充填層内平均ガス空塔線速が所定値(0.75m/s)を超えると、焼結鉱の生産速度が頭打ちになり、目標とする増産効果が得られない問題があった。
なお、充填層内平均ガス空塔線速(m/s[標準状態])は、標準状態(0℃、1気圧)における空塔線速を意味し、実機焼結機では、焼成帯における総吸引ガス流量(Nm/s)を焼成帯面積(m)で除して求めることができる。
特開平4−154923号公報 特開平5−195092号公報
そこで、本発明は、高炉操業に影響を及ぼす焼結鉱の化学成分を変更することなく、すなわち、高炉操業に影響を与えることなく、焼結鉱の歩留を確保しつつ、安定かつ確実に生産性を向上しうる焼結鉱の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために、焼結鉱の歩留に及ぼす充填層内平均ガス空塔線速の影響を調査すべく以下の検討を行った。
まず、内径105mmの試験焼結鍋に上記実機焼結機と同じ配合条件の焼結配合原料を充填し、吸引圧力を順次変更することにより総吸引風量を順次増加させ、吸引圧力を一定に制御する方法で焼成試験を行った。試験結果を、図6に充填層内平均ガス空塔線速と成品歩留(落下強度試験における+10mm割合、以下、単に「歩留」ともいう。))との関係、図7に充填層内平均ガス空塔線速と成品焼結鉱中の細粒割合(同落下強度試験における+3−10mm割合)との関係でそれぞれ整理して示す。これらの図から明らかなように、充填層内平均ガス空塔線速を増加させると焼結ケーキの強度が低下して焼結鉱の歩留が低下することがわかった。
なお、試験焼結鍋においては、充填層内平均ガス空塔線速(m/s[標準状態])は、焼成時の総吸引風量(Nm)を焼成時間(s)と試験鍋の断面積(m)とで除して求めることができる。
本発明者は、上記のように充填層内平均ガス空塔線速を増加させたときに焼結鉱の歩留が低下するのは、充填層内における擬似粒子(固体)の温度が十分に上がらないためと推定した。
これを確認するために、上記試験焼結鍋を用いて、焼成ペレットの表面から中心までドリルで穿孔して熱電対を埋め込んだものを充填層表面から200mm下方の位置に設置するとともに、このペレットに近接して別の熱電対を配置して、焼成中におけるガスと固体の温度推移をそれぞれ測定した。なお、本焼成試験は、吸引ガス流量を一定に制御する方法で実施した。測定結果を、図8に充填層内平均ガス空塔線速と、ガスおよび固体の最高到達温度との関係として示す。同図から明らかなように、ガスの最高到達温度は、充填層内平均ガス空塔線速によらず、ほぼ一定であるのに対し、固体の最高到達温度は、充填層内平均ガス空塔線速が所定値(0.75m/s)を超えると急激に低下し、ガスと固体との温度が大きく乖離することがわかった。
このようなガスと固体との温度乖離現象が現れる理由は、以下のように想定される。すなわち、充填層内平均ガス空塔線速の増大に伴い、高温燃焼ガスと擬似粒子(固体)との接触する時間が短くなることに加え、焼成終了後の吸引ガスによる冷却効果が高くなり、高温燃焼ガスから固体への伝熱量が減少して、固体の最高到達温度が低下するためと想定される。
上記のように、充填層内平均ガス空塔線速の増大に伴って固体温度が低下するため、熱不足となり固体(擬似粒子)からの融液生成量が減少し、その結果、焼結ケーキの強度が低下して焼結鉱の歩留が低下したものと想定される。
そこで、本発明者は、上記のように固体温度が従来より低下した状態でも、焼結配合原料中の微粉部の融点を低下させることで、擬似粒子の表面部に存在する微粉部からの融液の生成を促進することにより融液生成量を確保して、焼結ケーキの強度を維持し、焼結鉱の歩留を維持できるものと考えた(後記[発明を実施するための最良の形態]中で詳述)。
そして、微粉部の融点を低下させるには、微粉部の塩基度CaO/SiOを調整することが最も効果的と考え、さらに検討を進めた結果、後記実施例で示すように、充填層内における平均ガス空塔線速に応じて、焼結配合原料中における微粉部の塩基度を所定範囲に規定することで、焼結鉱の歩留および生産性をともに向上しうることを見出し、この知見に基づいて以下の発明を完成させるに至った。
請求項1に記載の発明は、焼結配合原料を造粒後、焼結機に装入して充填層を形成し、大気を下方に吸引することにより前記充填層を焼成して焼結鉱を製造する方法であって、前記充填層内における平均ガス空塔線速X(標準状態、単位:m/s)と、前記焼結配合原料中における0.5mm以下の微粉部の塩基度Y(質量比CaO/SiO)との関係が、下記式を満たす範囲で行うことを特徴とする焼結鉱の製造方法である。
式 X≦0.6のとき、1.96≦Y≦2.64
X>0.6のとき、15.66X−19.41X+7.97≦Y≦6.47X−4.89X+3.29
請求項2に記載の発明は、前記微粉部の塩基度の調整を、前記焼結配合原料に配合する石灰石の粉砕粒度を変更して、石灰石中の0.5mm以下の割合を調整することにより行う請求項1に記載の焼結鉱の製造方法である。
請求項3に記載の発明は、前記微粉部の塩基度の調整を、前記焼結配合原料に配合する生石灰の配合割合を調整することにより行う請求項1または2に記載の焼結鉱の製造方法である。
本発明によれば、充填層内における平均ガス空塔線速に応じて、焼結配合原料中における0.5mm以下の微粉部の塩基度を調整することで、焼結反応時に生成する融液の融点を変化させて融液の生成量を調整することが可能となり、この結果、高生産性を指向して充填層内における平均ガス空塔線速を高めたことにより、充填層内でのガス温度に比べて固体温度が低下する場合でも、十分な融液量を確保でき、歩留が確保できるようになった。したがって、高炉操業に影響を及ぼす焼結鉱の化学成分を変更することなく、焼結鉱の歩留を確保しつつ、安定かつ確実に焼結鉱を増産しうる焼結鉱製造方法を実現できるようになった。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
〔実施形態〕
本発明に係る焼結配合原料(以下、単に「配合原料」ともいう。)は、従来と同様、複数銘柄の粉状鉄鉱石に、石灰石、生石灰、珪石、蛇紋岩等の副原料と、ダスト、スケール、返鉱等の雑原料と、粉コークス等の固体燃料を適量配合して得られ、これら各原料の配合割合を調整することで焼結原料全体の塩基度および成分組成(SiO、Al、C含有量等)が調整される。そして、上記焼結原料全体の塩基度および成分組成の調整に加えて、焼結配合原料中の0.5mm以下の微粉部の塩基度Y(質量比CaO/SiO)が、充填層内における平均ガス空塔線速X(単位:m/s)との関係において、下記式(1)を満たす範囲となるように調整することを特徴とする。
式(1) X≦0.6のとき、1.96≦Y≦2.64
X>0.6のとき、15.66X−19.41X+7.97≦Y≦6.47X−4.89X+3.29
以下、上記のように規定した理由を順次説明する。
まず、焼結配合原料中の微粉部の塩基度を、充填層内における平均ガス空塔線速(以下「充填層内平均ガス空塔線速」または、単に「平均ガス空塔線速」ともいう。)に応じて調整するのは、以下の理由による。
すなわち、焼結配合原料に適量の水分を添加して造粒すると、比較的粒度の大きい粗粒部(核粒子)の表面に粒度の小さい微粉部が付着することで擬似粒子が形成される。そして、この擬似粒子で構成された充填層内で焼結反応が進行する際には、擬似粒子の表面部に存在する微粉部が優先的に溶融して融液が生成し、これにより擬似粒子同士が一体化し焼結ケーキが形成され、成品焼結鉱(単に「焼結鉱」と同じ意。以下同じ)が得られる。
ここで、例えば、高生産性を指向して吸引風量を増加すると、充填層内における平均ガス空塔線速が上昇し、高温燃焼ガスと擬似粒子との接触する時間が短くなることに加え、焼結反応終了後における吸引ガスによる冷却効果が高くなるため、高温燃焼ガスから擬似粒子への伝熱量が減少し、擬似粒子の到達最高温度が従来より低下する(図8参照)。したがって、従来法(焼結配合原料中における微粉部の塩基度一定の条件)では、融液生成量が減少して成品焼結鉱の強度が低下し、歩留が低下してしまうこととなる(図6参照)。
これに対し、本発明では、微粉部の塩基度を調整することによって融液の融点を調整することができる(後記実施例の図4参照)ので、上記のように、充填層内においてガス温度に比べて固体温度が低下する場合でも、微粉部の融点を低下させて融液量を確保することで、成品焼結鉱の強度を維持し、歩留を確保できることとなる。
つぎに、微粉部を0.5mm以下のものとしたのは、核粒子の表面に付着する微粉は0.5mm以下のものが大部分を占めることによる。
そして、この微粉部の塩基度Yを、充填層内における平均ガス空塔線速Xに応じて上記式(1)を満たすこととしたのは、後記実施例の図1に示すように、上記式(1)を満たす範囲において高い焼結鉱歩留を確保できることに基づく。
0.5mm以下の微粉部(以下、単に「微粉部」ともいう。)の塩基度を調整する手段としては、焼結配合原料に配合する石灰石の粉砕粒度を変更して、石灰石中の0.5mm以下の割合を調整する手段を用いることができる。石灰石は製品焼結鉱の塩基度を調整する目的で焼結配合原料に配合されるものであり、その配合割合は目標とする成品焼結鉱の塩基度により決まってしまう。そこで、例えば、焼結配合原料全体の塩基度を代えることなく、上記微粉部の塩基度だけを高めたい場合は、石灰石の粉砕時間を延長すること等によって、石灰石の粉砕粒度を細かくして、石灰石中の0.5mm以下の割合を増加させ、これを焼結配合原料に配合すればよい。
上記手段に代えてまたは加えて、焼結配合原料に配合する生灰石の配合割合を調整する手段を用いてもよい。生石灰は造粒時におけるバインダとしての役割と成品焼結鉱の塩基度調整の役割とを兼ねて焼結配合原料に配合されるものであり、通常ほぼ全量0.5mm以下の微粉のものが使用される。そこで、例えば、焼結配合原料全体の塩基度を代えることなく、上記微粉部の塩基度を高めたい場合は、焼結配合原料中のCaO換算での配合割合を維持しつつ、焼結配合原料への生石灰の配合割合を増加させると同時に、石灰石の配合割合を減少させればよい。
(変形例)
上記実施形態では、焼結配合原料全体(すなわち、成品焼結鉱)の塩基度を維持しつつ、0.5mm以下の微粉部の塩基度だけを変化させる例を示したが、0.5mm以下の微粉部の塩基度を変化させるとともに、高炉側が許容する範囲で焼結配合原料全体(すなわち、成品焼結鉱)の塩基度を変化させることも、当然に本発明の技術的範囲に属するものである。
本発明者は、上記[課題を解決するための手段]中でも述べたように、固体温度が従来より低下した状態でも、焼結配合原料中の微粉部の塩基度を調整して融点を低下させることで、焼成時における融液生成量を確保して、焼結ケーキの強度を維持し、成品焼結鉱の歩留を維持できるものと考え、以下の試験を実施した。
すなわち、焼結配合原料として配合する原料としては、表1に示す成分組成を有する、豪州産ヘマタイト鉱石、石灰石および珪石を、それぞれ+0.5mmと−0.5mmとに篩い分けた合計6種類の原料を用いた。そして、これら6種類の原料の配合割合を適宜調整して、焼結原料全体の塩基度CaO/SiOを2.10に維持するとともに、焼結配合原料全体の+0.5mmと−0.5mmの質量割合を78.55:21.45(一定)に維持しつつ、焼結配合原料中における0.5mm以下の微粉部の塩基度CaO/SiOを種々変更した焼結配合原料を作製した。
そして、この焼結配合原料5.0kgを上記試験焼結鍋に充填し、吸引風量を種々変更することにより、種々の平均ガス空塔線速にて大気を吸引して、吸引圧力を一定に制御する方法で焼成し、成品歩留および生産率を測定した。なお、同一条件にて3回ずつ焼成試験を繰り返し、成品歩留および生産率はそれぞれ3回の測定結果を平均した値とした。
試験結果を、図2に配合原料中における0.5mm以下の微粉部の塩基度CaO/SiOと成品歩留との関係、図3に配合原料中における0.5mm以下の微粉部の塩基度CaO/SiOと生産率との関係として、それぞれ示す。
これらの図から明らかなように、平均ガス空塔線速が0.6m/s[標準状態]以上の一定の条件下においては、成品歩留または生産率が最大(ピーク)となるような、配合原料中における0.5mm以下の微粉部の塩基度が存在することがわかる。(ただし、平均ガス空塔線速が0.5m/s[標準状態]の条件下においては、図2および3に示すように、明瞭なピークが認められなかった。)そして、その成品歩留および生産率が最大となる上記微粉部の塩基度は、平均ガス空塔線速が所定値(0.75m/s)より低い場合は、ほぼ一定であるが、前記所定値(0.75m/s)を超えると、平均ガス空塔線速の上昇に伴って高塩基度側にずれていくことが認められる。
ここで、配合原料中における0.5mm以下の微粉部の主要成分である、Fe、CaOおよびSiOの組成を、図4に示すFe−CaO−SiO系3元系状態図上にプロット(●印)してみると、該微粉部の塩基度CaO/SiOを上昇させるに伴って太矢印で示す方向、すなわち、融点が低下する方向に移動することがわかる。
したがって、平均ガス空塔線速に応じて、配合原料中における0.5mm以下の微粉部の塩基度を変化させることで、該微粉部の融点を調整して融液生成量を確保することが可能となり、成品焼結鉱の強度が維持され、歩留が確保できることとなる。
そこで、図2および3より、平均ガス空塔線速が0.6m/s[標準状態]以上の領域においては、各平均ガス空塔線速ごとに、成品歩留および生産率がともにそれらの最大値の97%以上となる微粉部の塩基度の範囲を求めた。一方、平均ガス空塔線速が0.6m/s[標準状態]未満の領域においては、上述したように明瞭なピークが存在しなくなり、上記の手法にては微粉部の塩基度の範囲を定めることができなかった。そこで、平均ガス空塔線速0.6m/s[標準状態]において求めた上記微粉部の塩基度の範囲を0.6m/s[標準状態]未満の領域にそのまま適用することとした。すなわち、平均ガス空塔線速0.6m/s[標準状態]において求めた上記微粉部の塩基度の範囲内であれば、平均ガス空塔線速0.6m/s[標準状態]未満の領域においても、成品歩留および生産率がともにそれらの最大値の97%以上になることが明らかなことによる。
図1中に、各平均ガス空塔線速に対応する、上記微粉部の塩基度の範囲の上下限値を*印および回帰曲線B、B’(平均ガス空塔線速0.6m/s[標準状態]未満の直線部分を含む。)で示した。なお、同図には、図7より求めた、平均ガス空塔線速と、成品歩留が最大となる微粉部の塩基度との関係を●印および近似曲線Aで併せて示した。
したがって、図1から明らかなように、平均ガス空塔線速Xに応じて、回帰曲線BおよびB’で挟まれる範囲(すなわち、上記式(1)で示す範囲)の値となるように、配合原料中における0.5mm以下の微粉部の塩基度Yを調整することで、常に成品歩留および生産率が、ともに当該平均ガス空塔線速において得られる最大値の97%以上の高い値を達成できることとなる。
よって、本発明を適用することで、増産時においても高い歩留が確保され、安定かつ確実に生産性を向上させうることが明らかである。
実施例における、平均ガス空塔線速と、成品歩留および生産率がともにそれらの最大値の97%以上となる、焼結配合原料中における0.5mm以上の微粉部の塩基度との関係を示すグラフ図である。 実施例における、配合原料中における0.5mm以下の微粉部の塩基度CaO/SiOと、成品歩留との関係を示すグラフ図である。 実施例における、配合原料中における0.5mm以下の微粉部の塩基度CaO/SiOと、生産率との関係を示すグラフ図である。 配合原料中における0.5mm以下の微粉部の融点の変化の様子を説明するためのFe−CaO−SiO系3元系状態図である。 従来法による実機焼結機操業における、充填層内平均ガス空塔線速と生産速度との関係を示すグラフ図である。 従来法による焼結鍋試験における、充填層内平均ガス空塔線速と成品歩留との関係を示すグラフ図である。 従来法による焼結鍋試験における、充填層内平均ガス空塔線速と成品焼結鉱中の細粒割合との関係を示すグラフ図である。 従来法による焼結鍋試験における、充填層内平均ガス空塔線速と、ガス温度および固体温度との関係を示すグラフ図である。

Claims (3)

  1. 焼結配合原料を造粒後、焼結機に装入して充填層を形成し、大気を下方に吸引することにより前記充填層を焼成して焼結鉱を製造する方法であって、前記充填層内における平均ガス空塔線速X(単位:m/s[標準状態])と、前記焼結配合原料中における0.5mm以下の微粉部の塩基度Y(質量比CaO/SiO)との関係が、下記式を満たす範囲で行うことを特徴とする焼結鉱の製造方法。
    式 X≦0.6のとき、1.96≦Y≦2.64
    X>0.6のとき、15.66X−19.41X+7.97≦Y≦6.47X−4.89X+3.29
  2. 前記微粉部の塩基度の調整を、前記焼結配合原料に配合する石灰石の粉砕粒度を変更して、石灰石中の0.5mm以下の割合を調整することにより行う請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
  3. 前記微粉部の塩基度の調整を、前記焼結配合原料に配合する生石灰の配合割合を調整することにより行う請求項1または2に記載の焼結鉱の製造方法。
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