JP2008168952A - 位置ずれ量算出方法およびクレーン並びに搬送台車 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本体2からワイヤ14によって吊り下げられた吊具15によりコンテナ50を把持して移動させることにより荷役作業を行うクレーン1と、クレーン1との間でコンテナ50の受け渡しを行う搬送台車との相対的な位置ずれ量を算出する位置ずれ量算出方法であって、搬送台車の特定の位置に設けられた目印をクレーン1の吊具15に取り付けられた撮像装置により撮像し、撮像装置により取得された撮影画像上の目印の位置と吊具15における撮像装置の取り付け位置との関係に基づいて、搬送台車と吊具15との相対的な位置ずれ量を算出する。
【選択図】図1
Description
例えば、特開2003−252448号公報には、搬送台車にレーザ光源を設けると共に、クレーンにレーザ受光素子を設け、クレーンに搭載されたレーザ受光素子によって搬送台車に搭載されたレーザ光源からのレーザ光を受光することにより、クレーンと搬送台車との相対的な位置を把握する荷役システムが開示されている。
しかしながら、上述した特許文献1に記載の荷役システムでは、吊具と搬送台車との相対的な位置関係を把握することができないため、安定した信頼性の高いコンテナ移載が行えないという問題があった。
本発明は、本体からワイヤによって吊り下げられた吊具によりコンテナを把持して移動させることにより荷役作業を行うクレーンと、該クレーンとの間で前記コンテナの受け渡しを行う搬送台車との相対的な位置ずれ量を算出する位置ずれ量算出方法であって、前記搬送台車の特定の位置に設けられた目印を前記クレーンの吊具に取り付けられた撮像装置により撮像し、前記撮像装置により取得された撮影画像上の目印の位置と前記吊具における前記撮像装置の取り付け位置との関係に基づいて、前記搬送台車と前記吊具との相対的な位置ずれ量を算出する位置ずれ量算出方法を提供する。
図1に示すように、クレーン1は、水平方向に配設されたガータ11の両端部に柱状の脚構造体11a、11bを連結してなる門型構造の本体2を有している。
本体2を構成する脚構造体11a、11bには、それぞれその下端部に、複数の車輪12が設けられており、これら車輪12によってクレーン1が走行可能とされている。それぞれの脚構造体11a、11bの下端には、走行モータ(図示略)が設けられており、これら走行モータによって、それぞれの脚構造体11a、11bの下端部に設けられた車輪12の内の少なくとも一つが駆動されるようになっている。すなわち、走行モータによって車輪12が回転駆動されることにより、クレーン1が自走するようになっている。また、これら車輪12は、それぞれ操舵可能とされている。
図2は、吊具をトロリの走行方向(図1における横行方向)に見たときの図、図3は、吊具の平面図である。
図2及び図3に示すように、吊具15は、コンテナ50を把持するフリッパ21を備えた外枠体22を備えている。この外枠体22は、例えば、吊具15の長手方向に沿って設けられており、コンテナ50の上部を固定して把持するような構成となっている。この外枠体22のクレーン正面から見て左側面には、所定の間隔をあけて2つのカメラ(撮像装置)23a、23bが設けられている。
ここでは、説明の便宜上、クレーン正面からみて前側に配置されているカメラを前側カメラ23a、後側に配置されているカメラを後側カメラ23bという。
図4及び図5は、クレーン1の吊具15と搬送台車30に設けられた目印Mf,Mrとの位置関係を説明するための図であり、図4は吊具15をクレーン1の走行方向に見たときの前側カメラ23aと前側目印Mfとの位置を示した図、図5は吊具15の上方から見たときの前側カメラ23aと前側目印Mfとの位置関係、並びに後側カメラ23bと後側目印Mrとの位置関係を示した図である。
図4及び図5に示すように、搬送台車30には、クレーン1の吊具15に取り付けられた前側カメラ23a,後側カメラ23bと一対をなす目印Mf,Mrがそれぞれ設けられている。
また、例えば、目印として、図6に示すように、複数のレーザ光源31を配置することとしてもよい。この場合において、雨などの水に対する耐性を高めるために、図7に示すように、硝材32等の内部に複数の光源31を配置することで目印を構成し、更に、この硝材の上方Aを傾斜させることとしてもよい。このようにすることで、水溜りによる影響を低減させることができ、水溜りによる光の拡散を低減させることができる。また、気温が低い場合に備えて、目印の近傍、または、硝材内部にヒータを設けることとしてもよい。このように、ヒータを設けることで、雪等の堆積を防止することができ、天候にかかわらずに良好な撮影画像を得ることができる。
まず、本実施形態に係る位置ずれ量検出方法では、図8に示すように、搬送台車30における目標積載位置Sに対する吊具15の横行方向における位置ずれ量Fy、Ry、及び、走行方向における位置ずれ量C=(Fx+Rx)/2(例えば、図21参照)を求める。
なお、カメラ23a,23bにおいて位置ずれ量の算出方法は同じであるので、以下の説明においては、カメラ23aにおける位置ずれ量の算出方法について説明する。
横行方向における位置ずれ量Fyの算出は、前側カメラ23aにより取得された撮影画像上における前側目印MfのY座標yfと(図9参照)、吊具15における前側カメラ23aの取り付け位置の関係とから求められる。具体的には、位置ずれ量Fyは、以下の(1)式及び(2)式により求められる。
また、上記(2)式において、Cyは、上記交点Oyから前側カメラ23aの中心線と搬送台車の積載面との交点までの距離であり、位置ずれ量Fyは前側カメラ23aの中心線と搬送台車の積載面との交点から前側目印Mfまでの距離である。
走行方向における位置ずれ量Fxの算出は、前側カメラ23aにより取得された撮影画像上における前側目印MfのX座標xfと、吊具15における前側カメラ23aの取り付け位置の関係とから求められる。具体的には、走行方向における位置ずれ量Fxは、以下の(3)式及び(4)式により求められる。
また、上記(4)において、Cxは、上記交点Oxから前側カメラ23aの中心線と搬送台車の積載面との交点までの距離であり、位置ずれ量Fxは前側カメラ23aの中心線と搬送台車の積載面との交点から前側目印Mfまでの距離である。
そして、制御装置20は、前側カメラ23a,後側カメラ23bによって取得された撮影画像に基づいて算出した走行方向の位置ずれ量を平均化することにより、吊具15の走行方向における位置ずれ量C=(Fx+Rx)/2を算出する。
まず、図1に示した制御装置20は、トロリ13を横行させることにより、吊具15を搬送台車の着床目標領域Sの略上方まで移動させると、トロリ13の横行を停止する。続いて、制御装置20は、ワイヤ14の巻下げを開始する。例えば、制御装置20は、上述した昇降装置が備える巻取りモータを駆動させることにより、ドラムに巻取られているワイヤ14を送出させる。これにより、ワイヤ14が巻下げられ、ワイヤ14に吊り下げられている吊具15、つまりコンテナ50が除々に下降することとなる。そして、吊具15に設けられた前側カメラ23a,後側カメラ23bによって搬送台車に設けられた前側目印Mf,後側目印Mrをそれぞれ撮像可能な位置までワイヤ14が巻き下げられると、制御装置20は、着床制御を開始する。
この校正制御は、クレーン1の正面からみて右側に位置する脚構造体12bから搬送台車までの水平方向の距離であるオフセット量を求める処理である(図14参照)。
まず、校正制御では、吊具15に取り付けられた前側カメラ23aにより吊具下方の画像が取得され、この撮影画像が制御装置20に送信される。
制御装置20は、前側カメラ23aにより取得された撮影画像から前側目印Mfの座標(xf,yf)(図9参照)を検出する(図13のステップSB1)。この結果、前側目印Mfの座標(xf,yf)が検出できた場合には(図13のステップSB2において「YES」)、続いて、前側カメラ23aにより取得された撮影画像から横行方向における位置ずれ量Fyを算出する(図13のステップSB3)。この位置ずれ量Fyについての算出方法は、上述の通りである。
続いて、制御装置20は、横行方向における位置ずれ量Fyを用いて、前側オフセット量Hfの算出処理を行う(図13のステップSB4)。
前側オフセット量Hfは、以下の(5)式を用いて演算される。
Hf=T+Sf−Fy (5)
続いて、制御装置20は、横行方向における位置ずれ量Ryを用いて、後側オフセット量Hrの算出処理を行う(図13のステップSB9)。ここで、後側オフセット量Hrについても上述した前側オフセット量と同様、以下の(6)式により算出される。
Hr=T+Sr−Ry (6)
また、上述した図13のステップSB2において、前側目印Mfの座標(xf,yf)が検出できなかった場合には、トロリ13を横行させることにより、前側カメラ23aと搬送台車との水平方向における相対距離を変化させ(図13のステップSB11)、前側カメラ23aにより前側目印Mfが撮影されるようにした後、後側校正処理が終了しているかを判定する(図13のステップSB12)。この結果、後側校正処理が終了していなければ、後側校正処理に移行する(図13のステップSB6)。一方、ステップSB12において、後側校正処理が終了していれば、ステップSB1に戻り、前側目印Mfの座標検出を再度行う。
また、同様に、上述した図13のステップSB7において、後側目印Mrの座標(xr,yr)が検出できなかった場合には、トロリ13を横行させることにより、後側カメラ23bと搬送台車との水平方向における相対距離を変化させ(図13のステップSB13)、前側カメラ23bにより前側目印Mrが撮影されるようにした後、前側校正処理が終了しているかを判定する(図13のステップSB14)。この結果、前側校正処理が終了していなければ、前側校正処理に移行する(図13のステップSB1)。一方、ステップSB14において、前側校正処理が終了していれば、ステップSB6に戻り、後側目印Mrの座標検出を再度行う。
巻き下げ速度制御においては、図15に示すように、前側カメラ23aにより下方の様子が撮影され、このときの撮影画像が制御装置20に入力される。制御装置20は、この前側カメラ23aにより取得された撮影画像上において前側目印Mfが検出できるか否かを判定する(図15のステップSC1)。この結果、前側目印Mfが検出できなかった場合には(ステップSC1において「NO」)、ワイヤ14の巻き下げを停止し(ステップSC7)、当該巻き下げ速度制御を終了する。
吊具位置制御においては、上述した校正制御において算出した前側オフセット量Hfおよび後側オフセット量Hrを用いて、前側吊具位置Bf(=Fy)および後側吊具位置Br(=Ry)をそれぞれ算出する(図16のステップSD1,SD2)。
前側吊荷位置Bfは、以下の(7)式により、後側吊荷位置Brは、以下の(8)式によりそれぞれ算出される。
Bf=T+Sf−Hf=Fy (7)
Br=T+Sr−Hr=Ry (8)
これにより、例えば、吊具15の振れ幅Sfが大きくて、前側カメラ23a,後側カメラ23bにより前側目印Mf、後側目印Mrが撮像されないような状況下であっても、横行方向における位置ずれ量Bf(=Fy),Br(=Ry)を容易に算出することが可能となる。
具体的には、位置ずれ量Bf,Brの平均値(Bf+Br)/2が予め設定されている所定の値となる位置、つまり、吊具により把持されているコンテナ50が搬送台車の目標着床領域Sの真上となる位置にトロリ13を横行させるとともに、このときの速度変化がゼロとなるように、トロリを横行させる(図16のステップSD3)。これにより、横行方向における位置ずれを解消させるとともに、吊具15の振れを抑制させる。
このように、位置ずれ量をゼロとするようにトロリ13の横行制御と吊具15のスキュー制御を行うので、コンテナ50を搬送台車30の目標着床領域Sに正確に着床させることが可能となる。
図17は、横行方向における位置ずれ量Bf(=Fy),Br(=Ry)をゼロにするための制御ブロックの一例を示した図、図18はスキュー成分をゼロにするための制御ブロックの一例を示した図である。また、図19に、トロリ13の位置制御およびスキューシリンダの制御を行ったときの位置ずれ量Bf,Brの変化の一例を示す。
走行方向位置合わせ制御においては、上述と同様の方法により、走行方向における位置ずれ量C=(Fx+Rx)/2を求め(図20のステップSE1)、この走行方向における位置ずれ量Cから走行方向におけるトロリ13に対する吊具15の振れ変位Sxを減算することにより、基本ずれ量C´を求める。換言すると、基本ずれ量C´は、図21に示すように、走行方向に対する位置ずれ量Cから吊具15の振れ変位による位置ずれ量Sxを除外した値に相当する。そして、制御装置20は、この基本ずれ量C´=C−Sxが予め設定されている所定の許容範囲内であるか否かを判定する(図20のステップSE2)。
なお、上記搬送台車への移動指令は、クレーン1の制御装置20から無線により直接的に搬送台車に送信されてもよく、また、搬送台車を一元管理している管理棟に対して移動指令を送信し、この管理棟から搬送台車に対して指令が送信されることとしてもよい。
また、上記巻き下げ速度制御(図12のステップSA2)においては、図22に示すように、校正制御を行っている場合には、ワイヤの巻き下げ速度を早くしてコンテナ50の降下を迅速に行い、一方、校正速度が行われた後においては、ワイヤの巻き下げ速度を低下させることにより、位置ずれ量に基づいてトロリ13の位置ずれや搬送台車の位置を調整しながらコンテナ50を目標積載領域Sに正確に着床させるようにしてもよい。
2 本体
11 ガータ
13 トロリ
15 吊具
20 制御装置
23a 前側カメラ
23b 後側カメラ
30 搬送台車
31 光源
50 コンテナ
Mf 前側目印
Mr 後側目印
Claims (7)
- 本体からワイヤによって吊り下げられた吊具によりコンテナを把持して移動させることにより荷役作業を行うクレーンと、該クレーンとの間で前記コンテナの受け渡しを行う搬送台車との相対的な位置ずれ量を算出する位置ずれ量算出方法であって、
前記搬送台車の特定の位置に設けられた目印を前記クレーンの吊具に取り付けられた撮像装置により撮像し、前記撮像装置により取得された撮影画像上の目印の位置と前記吊具における前記撮像装置の取り付け位置との関係に基づいて、前記搬送台車と前記吊具との相対的な位置ずれ量を算出する位置ずれ量算出方法。 - 前記本体に対する前記吊具の位置を検出し、
前記本体に対する吊具の位置、および前記搬送台車と吊具との相対的な位置ずれ量に基づいて、前記本体に対する搬送台車の位置を算出し、
前記本体に対する搬送台車の位置と、前記本体に対する吊具の位置とから前記吊具と搬送台車との相対位置ずれ量を求める請求項1に記載の位置ずれ量算出方法。 - 本体からワイヤによって吊り下げられた吊具によりコンテナを把持して移動させることにより荷役作業を行うクレーンであって、
前記コンテナを積載する搬送台車の特定の位置に設けられた目印を撮像する撮像装置が前記吊具に設けられているクレーン。 - 前記撮像装置により取得された撮影画像上の目印の位置と前記吊具における前記撮像装置の取り付け位置との関係に基づいて前記搬送台車と前記吊具との相対的な位置ずれ量を算出する制御装置を備える請求項3に記載のクレーン。
- 前記制御装置は、前記搬送台車と前記吊具との相対的な位置ずれ量に基づいて、前記吊具の巻き下げ制御を行う請求項4に記載のクレーン。
- 本体からワイヤによって吊り下げられた吊具によりコンテナを把持して移動させることにより荷役作業を行うクレーンとの間で、前記コンテナの受け渡しを行う搬送台車であって、
コンテナを積載する目標積載領域の近傍に、前記クレーンに位置を検出させるための目印が設けられている搬送台車。 - 前記目印は、1または複数の光源からなる請求項6に記載の搬送台車。
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