JP2008168905A - 車両逸脱防止装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の走行条件や周辺条件に応じた適切な強さの警報トルクを付与することを可能とした車両逸脱防止装置を提供する。
【解決手段】自車両が走行する走行区分を検出し、走行区分と自車両の位置関係に基づいて自車両が走行区分を逸脱するか否かを判断する逸脱判断手段と、逸脱すると判定した場合に、運転者に警報を発するためのトルクをステアリングに付与する警報手段と、を備える車両逸脱防止装置において、道路走行環境として車線幅に関する情報を把握する走行環境把握手段を有し、警報手段は、把握した道路走行環境に基づいて、運転者に警報を発するためのトルクを設定する。
【選択図】図8

Description

本発明は、自車が走行している走行区分(走行レーン)を検出し、自車の進路を推定してその走行区分から逸脱するか否かを判定し、逸脱すると判定した場合には、運転者に警報を発して逸脱回避を促す車両逸脱防止装置に関する。
車両に搭載されたカメラで車両前方の道路画像を取得して、画像処理により自車が走行中の走行レーンを検出し、検出した走行レーン情報と、自車の推定進路から自車が走行レーンを逸脱する可能性を判定し、逸脱する可能性が大きな場合に、運転者に警報を発してステアリング操作等による逸脱回避を促す技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この技術は、例えば、走行レーンのオフセット、ヨー角、カーブ半径等と、自車のヨーレート、舵角、車速等から走行レーンを逸脱する地点を判定し、この地点と自車両の距離およびこの地点における推定進路と走行区分の区画線のなす角度を基にして逸脱状態を予測するものである。そして、逸脱可能性ありと判定した場合には、運転者に警報を発し、あるいは、修正操舵を行う。
特開平7−105498号公報
ところで、このような車線逸脱を予測した際に、運転者に対してその旨を報知する手段として、操舵系にトルクを付与することで報知する手段が知られている。しかしながら、この警報時に操舵系に付与するトルク(以下、警報トルクと称する。)を車両の走行条件や周辺条件によらずに一定とすると、警報トルクが弱すぎて運転者に対する警報効果が充分に発揮されない場合や、逆に警報トルクが強すぎて運転者が違和感を感じる場合がある。
そこで本発明は、車両の走行条件や周辺条件に応じた適切な強さの警報トルクを付与することを可能とした車両逸脱防止装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る車両逸脱防止装置は、(1)自車両が走行する走行区分を検出し、走行区分と自車両の位置関係に基づいて自車両が走行区分を逸脱するか否かを判断する逸脱判断手段と、逸脱すると判定した場合に、ステアリングにトルクを付与して運転者に警報を発する警報手段と、を備える車両逸脱防止装置において、道路走行環境を把握する走行環境把握手段を有し、警報手段は、把握した道路走行環境に基づいて運転者に警報を発するためのトルクを設定する。
車両状況が同一であっても走行している道路走行環境によって運転者が感じる警報トルクの影響は変化する。そこで、把握した走行環境に応じて警報トルクを変えることで警報トルク付与時に運転者が感ずる違和感を軽減する。
狭い道路では広い道路に比べて対向車や並走車との距離が近いため、同じ警報トルクを付与した場合でも運転者は警報トルクが強いと感じやすい。そこで、この走行環境把握手段が把握する道路走行環境とは、車線幅に関する情報とするとよく、車線幅が狭い場合には、広い場合に比較して付与するトルクを小さくするとよい。
また、路面自体に勾配があると、同じ警報トルクを付与した場合でも車両挙動への影響は上り方向と下り方向とで異なることになる。そこで、この走行環境把握手段が把握する道路走行環境とは、走行方向に交差する方向の路面の傾き情報であるとよく、警報手段は、逸脱方向が路面の傾きの上り方向に該当するときは、下り方向に該当するときに比較して付与するトルクを小さくするとよい。
走行環境把握手段は、車両周辺の障害物情報を把握する障害物把握手段であり、警報手段は、把握した障害物情報に基づいて運転者に警報を発するためのトルクを設定する。
車両周辺に駐車中の車両や電柱等の障害物(対向車や並走車のほか二輪車、自転車、歩行者を含む。)が存在する場合、障害物がない場合に比較して同一の警報トルクを付与した場合でも、運転者は警報トルクが強いと感じやすい。そこで、障害物を考慮して警報トルクを設定することで違和感を軽減する。
警報トルクは逸脱方向とは逆方向に付与される。したがって、障害物から離れる方向へ車線を逸脱しようとする場合に付与される警報トルクは車両を障害物へと接近させ、障害物へと近づく方向へ車線を逸脱しようとする場合に付与される警報トルクは車両を障害物から離隔させる。前者の場合には、後者に比べて警報トルク付与により運転者は危険感を感じる可能性がある。そこで、この警報手段は、逸脱方向が把握した障害物から離れる方向であるときは、近づく方向である場合に比べて付与するトルクを小さくするとよい。
これらの警報手段で行うトルク設定は、付与するトルクのピーク値の設定または立ち上がり時の時間変化率の設定の少なくとも一方であるとよい。このトルクのピーク値、時間変化率には最小値が設定されているとよい。
本発明によれば、道路環境、車両周辺の障害物に応じて警報トルクを設定しているので、走行条件や周辺条件に応じた適切な強さの警報トルクを付与することが可能となる。このため、運転者が付与される警報トルクに違和感を感じることがなく、ドライバビリティーが向上するとともに、適切な逸脱警報を発することができる。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の参照番号を附し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明に係る車両逸脱防止制御装置のブロック構成図であり、図2は、それを搭載した車両を示す斜視図である。この車両逸脱防止制御装置(以下、単に制御装置と称する。)100は、逸脱防止支援ECU2を中心に構成される。この逸脱防止支援ECU2は、CPU、ROM、RAM、その他の記憶装置等を組み合わせて構成されており、画像処理部21、逸脱判定部22、支援制御部23を備えている。各部21〜23は、ハードウェア的に区分されていてもよいが、一部または全てのハードウェアを共有し、ソフトウェア的に区分されていてもよいし、それぞれが一部を共有する複数のソフトウェアによって構成されていてもよいし、一つのソフトウェアの一部であってもよい。
画像処理部21は、車両前方の画像を取得するカメラ11で取得した画像情報から自車の走行している走行区分(走行レーン)の両端を区画する道路区画線(道路に描かれた白線、黄色線や道路上に配置、または埋め込まれたブロック等の場合があるが、以下、単に白線と称する。)を画像処理により認識することで、走行区分を認識して、認識した走行区分情報(カーブR、オフセット、ヨー角等)を出力する。
逸脱判定部22は、車速センサ12(例えば、各車輪に配置される車輪速センサである。)で取得した車速情報および操舵トルクセンサ13(ステアリングシャフトに配置され、運転者による操舵トルクを検出する。)で取得した操舵トルク情報から所定時間後の自車両の到達予想位置を推定し、これと画像処理部21で認識した走行区分情報から車両の走行区分からの逸脱可能性を判定する。
支援制御部23は、逸脱判定部22の判定結果を基にして、逸脱防止支援を行うものであり、本実施形態では、逸脱防止支援として、運転者に警報を発する。支援制御部23には、警報手段として電動パワーステアリングシステム(PS)31、ブザー32、メータ33が接続されている。また、支援制御部23には、ブレーキスイッチ14、ウィンカースイッチ15の出力信号も入力されている。また、エンジンECU41、ブレーキECU42、障害物検知ECU43と車内LANを通じて交信する機能を有している。
エンジンECU41からは、駆動力設定に関する情報(例えば、アクセル開度)が送られてきており、ブレーキECU42からは制動力設定に関する情報(例えば、ブレーキ踏力あるいは転舵輪のホイルシリンダ油圧)が送られてくる。障害物検知ECU43は図示していない障害物センサ(ソナー、レーダのように障害物を直接検知するセンサのほか、カメラと画像処理装置を組み合わせて障害物を検出するシステムを含む。)を用いて検出した障害物の位置、種別情報が送られてきている。
逸脱防止支援ECU2には、メインスイッチ16の出力信号が入力されており、運転者が逸脱防止支援の実行許可/禁止を切り換えられるようになっている。
カメラ11は、図2に示されるように車両200のフロントウィンドウ上部(例えば、バックミラーの裏側)に配置されており、車両200前方の画像、つまり、車両前方の走行区分300の画像(白線301を含む。)を取得するものである。なお、カメラ11は、車両の前方画像が取り込める場所であれば、車体のどの位置(例えば、車体前方)に設けても問題ない。
最初に、メインスイッチ16がオンに設定されている場合の本発明の制御装置100の基本動作を説明する。
まずカメラ11では、車両前方の動画像を例えばTVフレームレートで取得し、画像処理部21へと出力する。画像処理部21は、既知のエッジ検出等の画像処理手法を用いた画像認識処理により、走行区分300の両端の白線301位置を認識し、所定の白線認識情報を出力する。
逸脱判定部22は、車速センサ12、操舵トルクセンサ13で取得した車両情報を基に所定の逸脱予想時間(TLC:Time to lane crossing)後の予想到達位置を求め、これと、画像処理部21から取得した白線認識情報から車両がTLC時に走行区分300内に位置するか否か(逸脱するか否か)を判定し、車両が走行区分300から逸脱すると判定した場合には、逸脱可能性ありとしてその旨を支援制御部23に出力する。
支援制御部23は、逸脱判定部22から逸脱可能性ありとの情報を受け取った場合には、ブザー32を鳴動させ、メータ33の該当個所にその旨を表示するとともに、電動PS31の電気モータを駆動してステアリングホイールに所定の警報トルクを付与して、運転者に逸脱の危険性を報知する。なお、運転者が制動操作中である場合(ブレーキスイッチ14がオンの場合)や、車線変更や右左折準備等で方向指示器を操作している場合(ウィンカースイッチ15がオンの場合)には、運転者に逸脱危険性を報知する必要はないと判断し、各種警報は行わない。
以下、付与する警報トルクの設定手法について具体例を挙げて説明する。図3は、警報トルクの設定処理の第1の参考形態を示すフローチャートである。最初に車速センサ12の出力から車速Vを読み込む(ステップS1)。次に、車速Vが第1のしきい値Vth以上であるか否かを判定する(ステップS2)。車速Vが第1のしきい値Vth1以上の場合には、ステップS3へと移行して、警報トルクを車速Vが高くなるほど小さくなるように設定し、処理を終了する。一方、車速Vが第1のしきい値Vth1未満の場合には、さらに、車速Vが第2のしきい値Vth2未満か否かを判定する(ステップS4)。この第2のしきい値Vth2は第1のしきい値Vth1より低くなるよう設定されている。車速Vが第2のしきい値Vth2未満の場合には、ステップS5へと移行して車速Vに略比例するよう警報トルクを設定して処理を終了する。一方、車速Vが第2のしきい値Vth2以上の場合(より詳細には、VがVth2以上でVth1未満の場合)には、警報トルクを所定の一定値に設定する(ステップS6)。
図4は、この制御形態による警報トルクの設定例(図4(a))と、それにより得られる実横加速度(図4(b))を示すグラフであり、図5は、従来の制御で設定される警報トルク(図5(a))とそれにより得られる実横加速度(図5(b))を示すグラフである。
従来の制御では、図5(b)に示されるように、高速領域において実際には大きな横加速度が発生してしまう。これは、図6に示されるように、同一の操舵トルクを付与したとしても車両のヨー運動のダンピング特性(操舵トルクに対する車両横加速度)が低下してしまうからである。さらに、高車速になると、図7に示されるように横加速度のオーバーシュート量が増大してしまうため、車両挙動が大きくなる。このような状態では、運転者は警報トルクが強すぎると感じやすい。
本制御形態によれば図4(a)に示されるように、低速領域(Vth2未満)の警報トルクは、ヨーレートが略一定となるように設定し、高速領域(Vth2以上)の警報トルクは、実横加速度が略一定となるように(図4(b)参照。)設定している。このため、高速領域での車両挙動の極端な変動を抑制することができ、運転者が感ずる警報トルクへの違和感を軽減し、ドライバビリティーを向上させる。
さらに、警報トルクを付与する際のトルクの時間変化率が可変である場合には、立ち上がり時の時間変化率が大きな場合ほど高速時の警報トルクのピーク値は、小さくすることが好ましい。ピーク値が同一の場合でも、立ち上がり時の時間変化率が大きいほど、実横加速度のオーバーシュート量は増大し、車両挙動への影響が大きくなる。一方で、立ち上がり時の時間変化率が大きいほど運転者は警報トルクの付与を認識しやすい(これを、以下、警報トルクの手応えと称する)。そこで、立ち上がり時の時間変化率が大きいほど、ピーク値を小さくすることで警報トルクの手応えを確保しつつ、オーバーシュート量を抑制する効果が得られる。
図4においては、高車速域の実横加速度が略一定となるよう警報トルクを設定したが、高車速域においては、車速が速くなるほど実横加速度が小さくなるよう警報トルクを設定してもよい。車速が速くなるほど一般に運転者の緊張感は高まる。このため、車両挙動と警報トルクの手応えが同一であっても警報トルクが強いと感じやすい。車速が速くなるほど実横加速度が小さくなるよう警報トルクを付与することで、警報トルクの感覚的な強度が高速域で過大になることがなく、適切な強度の警報トルクが付与されることになる。
次に、第1の制御形態について説明する。図8は、警報トルクの設定処理の第1の実施形態を示すフローチャートである。最初に自車が走行している走行区分の車線幅情報を取得する(ステップS11)。この車線幅情報は、例えば、画像処理部21で取得した白線認識情報から算出すればよい。このとき、認識処理のノイズ等の影響を抑制するため、所定時間(例えば1秒間)の平均値を用いたり、ある範囲内の車線幅が継続した場合に車線幅の変更を判定する等のマスク処理を行うことが好ましい。
次に、車線幅を基にして警報トルクを設定し(ステップS12)、処理を終了する。図9は、車線幅に応じた警報トルクの設定例を示すグラフである。狭い道路においては、広い道路に比べて他の走行区分を走行する並走車・対向車や障害物(歩行者、自転車、路上駐車車両、電柱等)との距離が接近する。このため、これらの障害物との余裕距離が短くなりやすく、運転者は警報トルクを感覚的には強いと感じやすくなる。そこで、狭い道路では比較的小さな警報トルクを付与し、広い道路では比較的大きな警報トルクを付与することで、感覚的に警報トルクが過大になるのを抑制する。
ここでは、自車が走行している走行区分の車線幅情報をカメラ11で取得した画像から画像処理により取得する例を説明したが、ナビゲーションシステムから車線幅情報を取得してもよい。また、路車間通信等によって車線幅情報を取得してもよい。ここでいう車線幅情報には、車線幅自体のほか、道路種別を含むものとする。高速道路のような自動車専用道路では広い車線幅が採られているが、自動車専用道路でない主要幹線道路ではこれより車線幅が狭く、都道府県道や市町村道ではさらに車線幅が狭いことが多い(図9参照)。したがって、道路種別を基にして車線幅を判定しても略同様の効果が得られる。この場合は、例えば、自動車専用道路では、警報トルクを比較的大きく設定し、その他の道路では警報トルクを小さく設定するとよい。この切り換えは、2段階でなくとも道路種別に応じて数段階に段階的に切り換えてもよい。
次に、第2の制御形態について説明する。図10は、警報トルクの設定処理の第2の実施形態を示すフローチャートである。ここでは、基準となる警報トルクはすでに第1の参考形態や第1の実施形態の手法で設定されているものとする。
最初に自車が走行している走行区分の路面カント(道路の延長方向に直交する方向における路面の傾き)を取得する(ステップS21)。この路面カントは、例えば、画像処理部21で取得した白線認識情報から算出すればよい。あるいは、車両200に配置した横加速度センサから取得することもできる。このとき、マスク処理を行うことが好ましい点は第1の実施形態と同様である。
次に、車線逸脱方向と路面カントの方向の関係および路面カントの大きさを判定する(ステップS22)。車線逸脱方向が路面カントの上り方向に合致し、かつ、路面カントの大きさが所定値以上の場合には、ステップS23へと移行し、路面カントの大きさに応じて警報トルクを弱める。この場合、車両に作用する重力加速度の路面方向の分力は、車線逸脱を回避する方向に作用している。このため、警報トルクが同一でも、発生する実横加速度が大きくなるように感じるからこの重力加速度の影響を考慮して警報トルクを弱めておくことにより、運転者が感ずる違和感を抑制する。
逆に、車線逸脱方向が路面カントの下り方向に合致し、かつ、路面カントの大きさが所定値(上り方向における所定値とは異ならせてもよい。)以上の場合には、ステップS24へと移行し、路面カントの大きさに応じて警報トルクを強める。この場合、車両に作用する重力加速度の路面方向の分力は、車線逸脱を促進する方向に作用している。このため、警報トルクが同一でも、発生する実横加速度は小さくなるように感じるからこの重力加速度の影響を考慮して警報トルクを強めておくことにより、運転者が感ずる違和感を抑制するとともに、逸脱余裕時間を確保し、運転者に注意を促す。
そして、路面カントの傾きが小さい場合(ステップS23、S24への移行条件を満たしていない場合)には、そのまま処理を終了する。この場合には、警報トルクは基準値のままに維持される。
次に、第3の制御形態について説明する。図11は、警報トルクの設定処理の第3の実施形態を示すフローチャートである。ここでも、基準となる警報トルクはすでに第1の参考形態や第1の実施形態の手法で設定されているものとする。
最初に障害物検知ECU43から車両周辺の障害物の位置情報を取得する(ステップS31)。まず、障害物が車線逸脱方向に存在するか否かを判定する(ステップS32)。逸脱方向に障害物が存在する場合、例えば、図12に示されるように道路外側にガードレール305が存在するカーブ路304でカーブから外側への逸脱可能性ありと判定した場合、ステップS33へと移行して、基準となる警報トルクより警報トルクを強める。図12に示されるように、逸脱方向に障害物が存在する場合、一般に運転者は、障害物接近への恐怖感から障害物がない場合に比べて警報トルクを小さく感じやすい。また、警報トルクが付与されても、自ら回避動作を行わなくとも障害物を回避できるのではないかという期待感から警報としての認識が遅れるおそれもある。そこで、障害物がない場合に比べて警報トルクを強めることで、運転者に逸脱可能性を早期に認識させ、回避動作を促す。
逸脱方向に障害物がないと判定した場合には、さらに逸脱方向と逆方向、つまり逸脱回避方向に障害物が存在するか否かを判定する(ステップS34)。逸脱方向と逆方向に障害物が存在する場合、例えば、図13に示されるように対向車線310を対向車210が走行している場合、ステップS35へと移行して、基準となる警報トルクより警報トルクを弱める。図13に示されるように、逸脱回避方向に障害物が存在する場合、警報トルクは障害物へ接近する方向に働くため、障害物接近への恐怖感から障害物がない場合に比べて警報トルクを強く感じやすい。そこで、障害物がない場合に比べて警報トルクを弱めることで、運転者が感じる警報トルクの違和感を軽減する。
ステップS34で逸脱方向と逆方向にも障害物は存在しないと判定した場合には、そのまま処理を終了する。この場合には、基準となる警報トルクが付与されることになる。
次に、他の制御形態について説明する。図14は、警報トルクの設定処理の第2の参考形態を示すフローチャートである。ここでも、基準となる警報トルクはすでに第1の参考形態や第1の実施形態の手法で設定されているものとする。ここでは、車両200は転舵輪に駆動力が付与される車両(前輪駆動車または四輪駆動車)であるものとする。
最初に、エンジンECU41、ブレーキECU42から制駆動力の制御情報を取得する(ステップS41)。次に、制動中または駆動中かを判定する(ステップS42)。制動中でも駆動中でもない場合には、そのまま処理を終了する。この場合には、基準となる警報トルクがそのまま付与されることになる。制動中または駆動中である場合には、制動力/駆動力に応じて警報トルクを強める(ステップS43)。
転舵輪に制動力または駆動力が付与されていると、転舵輪のセルフ・アライニング・トルクが低下するため、警報トルクの効きが低下し、ステアリングの手応え感が低下するとともに、発生する実横加速度も小さくなる。そこで、この警報トルクの効きの低下分を補償するように警報トルクを増大させる。
具体的には、(1)アクセル開度に応じて警報トルクを増大させる、(2)ブレーキ踏力に応じて警報トルクを増大させる、(3)ホイールシリンダ油圧に応じて警報トルクを増大させる、等の手法を用いるとよい。このうち、(1)は駆動力に応じて警報トルクを調整するものであり、(2)と(3)は制動力に応じて警報トルクを調整するものである。
ここでは、制動力/駆動力の両方に応じて調整する形態を説明したが、制動力または駆動力の一方に応じて警報トルクを調整してもよい。転舵輪が転動輪である後輪駆動車の場合には、駆動力に応じた制御は不要である。
また、必ずしも制駆動力の制御情報に基づいて制御を行う必要はない。例えば、車両の進行方向に対する勾配(路面勾配)を基にして警報トルクを調整してもよい。路面勾配が大きな登坂路では、駆動力が付与されており、路面勾配が大きな降坂路では、制動力(エンジンブレーキを含む。)が付与されているのが通常である。そこで、路面勾配により警報トルクを調整することで、路面勾配から制動力/駆動力の付与を推定したのと同様の効果が得られる。この路面勾配は車両の前後方向の加速度から求めてもよいし、ナビゲーションシステム、路車間通信等により勾配情報を取得してもよい。
以上の説明において、警報トルクの調整は、警報トルクのピーク値を変更するだけでなく、警報トルクの立ち上がり時の時間変化率を変更することによって行ってもよい(図15参照)。なお、警報トルクを弱める場合でも、ピーク値、時間変化率には下限値(0より大きい)を設定しておくとよい。この下限値は、運転者が警報トルクの付与を認識可能なレベルに設定される。
本発明に係る車両逸脱防止制御装置のブロック構成図である。 図1の制御装置を搭載した車両を示す斜視図である。 図1の制御装置における警報トルクの設定処理の第1の参考形態を示すフローチャートである。 図3の制御形態による警報トルクの設定例と、それにより得られる実横加速度を示すグラフである。 従来の制御で設定される警報トルクとそれにより得られる実横加速度を示すグラフである。 同一の操舵トルクを付与した場合の車速−ダンピング特性、横加速度を示したものである。 車速が異なる場合の車両横加速度の時間変化を示すグラフである。 図1の制御装置における警報トルクの設定処理の第1の実施形態を示すフローチャートである。 車線幅に応じた警報トルクの設定例を示すグラフである。 図1の制御装置における警報トルクの設定処理の第2の実施形態を示すフローチャートである。 図1の制御装置における警報トルクの設定処理の第3の実施形態を示すフローチャートである。 車線逸脱方向に障害物が存在する例を示す図である。 車線逸脱方向と逆方向(逸脱回避方向)に障害物が存在する例を示す図である。 図1の制御装置における警報トルクの設定処理の第2の参考形態を示すフローチャートである。 警報トルクのピーク値と立ち上がり時の勾配を説明する図である。
符号の説明
2…逸脱防止支援ECU、11…カメラ、12…車速センサ、13…操舵トルクセンサ、14…ブレーキスイッチ、15…ウィンカースイッチ、16…メインスイッチ、21…画像処理部、22…逸脱判定部、23…支援制御部、31…電動PS、32…ブザー、33…メータ、41…エンジンECU、42…ブレーキECU、43…障害物検知ECU、100…制御装置、200…車両、210…対向車、300…走行区分、301…白線、304…カーブ路、305…ガードレール、310…対向車線。

Claims (9)

  1. 自車両が走行する走行区分を検出し、走行区分と自車両の位置関係に基づいて自車両が走行区分を逸脱するか否かを判断する逸脱判断手段と、
    逸脱すると判定した場合に、運転者に警報を発するためのトルクをステアリングに付与する警報手段と、
    を備える車両逸脱防止装置において、
    道路走行環境を把握する走行環境把握手段を有し、
    前記警報手段は、把握した道路走行環境に基づいて、運転者に警報を発するためのトルクを設定することを特徴とする車両逸脱防止装置。
  2. 前記走行環境把握手段が把握する道路走行環境とは、車線幅に関する情報であることを特徴とする請求項1記載の車両逸脱防止装置。
  3. 前記警報手段は、車線幅が狭い場合には、広い場合に比較して運転者に警報を発するためのトルクを小さくすることを特徴とする請求項2記載の車両逸脱防止装置。
  4. 前記走行環境把握手段が把握する道路走行環境とは、走行方向に交差する方向の路面の傾き情報であることを特徴とする請求項1記載の車両逸脱防止装置。
  5. 前記警報手段は、逸脱方向が路面の傾きの上り方向に該当するときは、下り方向に該当するときに比較して運転者に警報を発するためのトルクを小さくすることを特徴とする請求項4記載の車両逸脱防止装置。
  6. 前記走行環境把握手段は、車両周辺の障害物情報を把握する障害物把握手段であり、
    前記警報手段は、把握した障害物情報に基づいて運転者に警報を発するためのトルクを設定することを特徴とする請求項1記載の車両逸脱防止装置。
  7. 前記警報手段は、逸脱方向が把握した障害物から離れる方向であるときは、近づく方向である場合に比べて運転者に警報を発するためのトルクを小さくすることを特徴とする請求項6記載の車両逸脱防止装置。
  8. 前記警報手段で行うトルク設定は、運転者に警報を発するためのトルクのピーク値の設定または立ち上がり時の時間変化率の設定の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の車両逸脱防止装置。
  9. 前記警報手段が設定する運転者に警報を発するためのトルクのピーク値、時間変化率には最小値が設定されていることを特徴とする請求項8記載の車両逸脱防止装置。
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