JP2008168273A - セレン含有排水の処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】安価且つ簡便な処理を可能とするセレン含有排水の処理技術を提供する。
【解決手段】セレン含有排水に硫酸イオンと難溶解性塩を形成する薬剤として塩又は金属イオンを添加した後に、前記セレン含有排水中のセレンを樹脂で吸着除去する。前記薬剤の添加により難溶解性塩が形成された場合には、前記形成された難溶解性塩を前記セレン含有排水から分離除去した後に、前記セレン含有排水中のセレンを樹脂で吸着除去するようにしてもよい。また、前記難溶解性塩を形成する薬剤は、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩であってもよいし、金属イオン等のイオンであってもよい。
【選択図】図1
【解決手段】セレン含有排水に硫酸イオンと難溶解性塩を形成する薬剤として塩又は金属イオンを添加した後に、前記セレン含有排水中のセレンを樹脂で吸着除去する。前記薬剤の添加により難溶解性塩が形成された場合には、前記形成された難溶解性塩を前記セレン含有排水から分離除去した後に、前記セレン含有排水中のセレンを樹脂で吸着除去するようにしてもよい。また、前記難溶解性塩を形成する薬剤は、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩であってもよいし、金属イオン等のイオンであってもよい。
【選択図】図1
Description
セレンが溶解しているセレン含有液の処理方法に関し、とくに産業のため発生したセレン含有排水やセレン含有処理水の処理方法に関する。また、セレンが含まれている天然由来の水の処理方法に関する。
排水中のセレンは、法的に規制された濃度があり、具体的には0.1mg/L以下にしなければならない。このためセレンを排水中から除去、分離するためさまざまな排水処理技術が提唱されている。
例えば、特許文献1には、セレンが溶解し、含まれている排水に、薬剤を投入し塩を生成させ、セレンと共沈させることで、ろ過等により排水からセレンを除去する排水処理技術が提唱されている。また、特許文献2には、排水中のセレン(セレンオキシアニオン)を樹脂によって吸着し、分離する排水処理技術が提唱されている。
特開平6−79286号公報
特開2001−3544232号公報
しかしながら、上記特許文献1の排水処理技術では、薬剤を投入の際には、セレンを確実に塩と共沈させるため過剰に添加しなければならないため薬剤量が増加し、コストが増大する。また、塩を生成させるためには、薬剤の種類も限られため、安価な薬剤への安易な変更もできないなどコストを削減するための弊害が大きかった。
また、上記特許文献2の排水処理技術では、共沈によらず樹脂等で回収することができるが、セレンにおいては、特別な樹脂が必要であり、専用性が高いためかえって、コストが増大してしまうという問題があった。
一方、排水は、産業上のため発生することが多いが、周辺環境の配慮や、輸送によるコスト増大、事故のリスクを軽減するために、発生した場所にて行う原位置での処理が望まれている。原位置での処理においては、原位置で使用できる土地面積、処理により排ガス、処理排水の成分、または薬剤の種類等が限定されてしまう。このような原位置でも使用可能な設備規模の省面積で可能で、特別な排ガスおよび処理排水を発生しないセレン含有排水の処理技術はなかった。
従って、コストを増大させない観点から安価であり、且つ簡便で原位置での処理を可能とするセレン含有排水の処理技術が望まれていた。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、安価且つ簡便な処理を可能とするセレン含有排水の処理技術の提供をその目的とする。
上記課題を解決するために、本発明によれば、セレン含有排水に硫酸イオンと難溶解性塩を形成する薬剤として塩又は金属イオンを添加した後に、前記セレン含有排水中のセレンを樹脂で吸着除去することを特徴とするセレン含有排水の排水処理方法が提供される。
上記処理方法において、前記薬剤としての塩又は金属イオンの添加により形成した難溶解性塩を前記セレン含有排水から除去した後に、前記セレン含有排水中のセレンを樹脂で吸着除去するようにしてもよい。
上記処理方法において、前記難溶解性塩を形成する薬剤がアルカリ土類金属塩であってもよい。
上記処理方法において、前記難溶解性塩を形成する薬剤がバリウム塩であってもよい。
上記処理方法において、前記樹脂がOH型イオン交換樹脂であってもよい。
本発明によれば、セレン含有排水中の硫酸イオンの濃度を低減し、その後に樹脂を用いてセレンの除去処理を行うようにしたことによって、特別な樹脂を用いずにセレンを吸着、分離することが可能になる。これにより、セレン含有排水の処理を容易に行うことができるため、セレン含有排水の発生した原位置での処理が可能になるうえに、処理にかかるコストを著しく低減することが可能になる。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明をする。図1は、本発明の実施の形態に係るセレン含有排水の処理方法の手順の一例を示すフロー図である。
セレンを含む排水(以下、セレン含有排水又は単に排水とも言う)は、産業上発生した排水等であり、この排水の処理を開始する(ステップ0)にあたって、まず、この排水を例えば配管等により集水する(ステップ1)。なお、セレン含有排水は、産業上発生した排水ではなく、自然由来のものであってもよい。セレン含有排水のセレン濃度は1mg/L以下の低濃度であってもよいし、1mg/Lを超過する高濃度、例えば20mg/L程度であってもよい。本発明の実施の形態に係る処理方法は、特別な薬剤を用いないため、特に高濃度のセレンの処理において有効である。特に、セレン含有排水中に硫酸が含まれている場合において有効である。
集水したセレン含有排水に、硫酸イオンと反応して該集水に対する難溶解性塩を形成する薬剤として水酸化バリウムを添加する(ステップ2)。この添加の際に、若しくは添加の後に、セレン含有排水を撹拌する。セレン含有排水には、通常、硫酸イオンが含まれているため、水酸化バリウムを添加すると水酸化バリウムと硫酸イオンが反応し、バリウム塩が沈殿する。硫酸イオンと難溶解性塩を形成する薬剤としては、水酸化バリウム以外に塩化バリウム等、その他のバリウム塩を用いてもよいし、さらにはその他のアルカリ土類金属塩を用いてもよい。また、硫酸イオンと難溶解性塩を形成する薬剤として、塩の代りにイオンを用いるようにしてもよい。例えば、金属イオンとしてストロンチウム、金属イオンとして鉛等を用いてもよい。
このようにして集水したセレン含有排水に対する難溶解性塩を形成させることにより、セレン含有排水中の硫酸イオンの濃度が、セレンの濃度に対してモル比で40倍以下になるように低減するのが望ましい。ただし、セレン含有排水中のセレンの濃度が1mg/L以下と低い場合には、セレンが少量であるため、硫酸イオンが多くても処理可能できるので、セレン含有排水中の硫酸イオンの濃度がセレンの濃度に対してモル比で100倍以下程度であってもよい。また、セレン含有排水に硫酸イオンが含まれていない場合には、バリウム塩の沈殿は生じないため、図1の点線矢印で示すように、後述のステップ4に進み、樹脂を用いてセレンを吸着除去するようにしてもよい。
上記ステップ2の添加により形成された難溶解性のバリウム塩をセレン含有排水から除去する(ステップ3)。本発明の実施の形態では、セレン含有排水をろ過することによって固液分離し、バリウム塩をセレン含有排水から除去している。なお、硫酸イオンとの反応により生成された難溶解性の塩を、セレン含有排水から除去する方法としては、例えば、フィルタープレス、デカンテーション等、任意の方法を用いてよい。
上記ステップ3によりバリウム塩が除去されたセレン含有排水に樹脂を添加し、セレンをこの樹脂に吸着させる(ステップ4)。本発明の実施の形態では、樹脂として例えばイオン交換樹脂を用いている。なお、イオン交換樹脂は、OH型の弱塩基陰イオンタイプ又は強塩基陰イオンタイプを用いるのが好ましい。
セレン含有排水をろ過し、セレンを吸着させた樹脂をセレン含有排水から除去する(ステップ5)。なお、上記ステップ4、5では、セレン含有排水を樹脂に添加した後にろ過し、セレンを吸着させた樹脂をセレン含有排水から除去する場合について説明したが、セレン含有排水を樹脂塔に通液させることによって、セレン含有排水中のセレンを吸着除去するようにしてもよい。
上記ステップ0〜5の手順により、セレンを低濃度に減少してセレン濃度を法律で規制される値以下にした排水が得られ、セレン含有排水の処理が完了する(ステップ6)。このようにして得られた排水は、その他規制物質等が基準を十分に満たしていれば放水可能となる。
以上の実施の形態によれば、セレン含有排水中のセレンを樹脂で吸着除去する前に、セレン含有排水中に硫酸イオンと難溶解性塩を形成する薬剤として塩(又はイオン)を添加することによって、セレン含有排水が硫酸イオンを含んでいる場合には、硫酸イオンの濃度を低減し、セレンを樹脂に効果的に吸着させることが可能になる。これは、硫酸イオンが樹脂へのセレンの吸着を阻害する要因になっているからである。このように硫酸イオンという阻害要因を除去することにより、樹脂としては、セレン等に特化していない市販の樹脂(例えばイオン交換樹脂等)を用いて処理することが可能になる。このため、排水の処理コストを大幅に低減できる。さらに、本発明の手順によるセレン含有排水の処理は非常に簡便であるため、原位置での処理が可能になる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
上述した実施形態では、塩又はイオンの添加により形成された難溶解性のバリウム塩をセレン含有排水から除去した(上記ステップ3)後に、バリウム塩が除去されたセレン含有排水に樹脂を添加し、セレンをこの樹脂に吸着させ(上記ステップ4)、その後樹脂ごとセレンを除去する(上記ステップ5)場合について説明したが、形成された難溶解性のバリウム塩を除去せず(即ち、上記ステップ3を実行せず)に、セレン含有排水のセレンを樹脂で吸着除去してもよい。
本発明を実施例と比較例を用いて説明する。
下記表1は、本発明の手順によりセレン含有排水を処理した結果(実施例1〜5)と、本発明の手順によらず、樹脂による吸着除去だけでセレン含有排水を処理した結果(比較例1、2)を示している。
上記表1において、実施例1〜5の「試験条件」は、セレン含有排水を処理するために準備した樹脂の種類(樹脂Aは、塩素型陰イオン強塩基タイプ;樹脂Bは、OH型陰イオン弱塩基タイプである)、樹脂の量(mL/50mL)、添加するバリウム塩の種類、添加するバリウム塩の量(mmol/L)を示している。
上記表1において、実施例1〜5、比較例1、2の「バリウム塩添加前の状態」は、処理を行う前の初期状態のセレン含有排水のpH、セレン濃度(mg/L)、硫酸イオン濃度(mg/L)を示している。即ち、実施例1〜5の「バリウム添加前の状態」は、セレン含有排水に硫酸イオンと難溶解性塩を形成する薬剤として塩を添加する(図1に示すステップ2)前の状態を示しており、比較例1、2の「バリウム添加前の状態」は、樹脂を用いてセレンを吸着除去する前の状態を示している。
上記表1において、実施例1〜5の「バリウム塩添加後の状態」は、セレン含有排水に硫酸イオンと難溶解性塩を形成する薬剤として塩を添加し、形成された難溶解性塩を除去した(図1に示すステップ2、3)後の状態を示しており、セレン含有排水のpH、セレン濃度(mg/L)、硫酸イオン濃度(mg/L)を各々示している。
上記表1において、実施例1〜5、比較例1、2の「樹脂によるセレン除去後の結果」は、処理を行った結果のセレン含有排水のpH、セレン濃度(mg/L)、硫酸イオン濃度(mg/L)を示している。即ち、実施例1〜5の「樹脂によるセレン除去後の結果」は、セレン含有排水に樹脂を添加した後にセレン含有排水をろ過し、セレンを吸着させた樹脂をセレン含有排水から除去した(即ち、図1に示すステップ4、5)後の結果を示しており、比較例1、2の「樹脂によるセレン除去後の結果」は、初期状態のセレン含有排水を樹脂で処理した後の結果を示している。
以下、実施例1〜5、比較例1、2の各々について詳細に説明する。
<実施例1>
まず、セレンを含む排水を用意した。上記表1に示すように、この排水のpHは7.9、硫酸イオン濃度は290.0mg/L、セレン濃度は8.5mg/Lであった(以下、mg/Lは各濃度を示す)。この排水を撹拌した状態で水酸化バリウム八水和物(Ba(OH)2・8H2O)を添加した。添加量は1.5mmol/Lとした。その後、ろ過により沈殿物と液とを分離し、ろ過により得た液を試験溶液とした。この試験溶液は、pH10.4、硫酸イオン濃度は168.1mg/L、セレン濃度は7.5mg/Lであった。
まず、セレンを含む排水を用意した。上記表1に示すように、この排水のpHは7.9、硫酸イオン濃度は290.0mg/L、セレン濃度は8.5mg/Lであった(以下、mg/Lは各濃度を示す)。この排水を撹拌した状態で水酸化バリウム八水和物(Ba(OH)2・8H2O)を添加した。添加量は1.5mmol/Lとした。その後、ろ過により沈殿物と液とを分離し、ろ過により得た液を試験溶液とした。この試験溶液は、pH10.4、硫酸イオン濃度は168.1mg/L、セレン濃度は7.5mg/Lであった。
この試験溶液50mLを100mLのポリエチレン製の密閉容器に貯留した。試験溶液中のセレンを除去するため、吸着材として市販されているイオン交換樹脂(即ち、樹脂A)を0.05mL添加した。20時間振とうして試験溶液と樹脂を接触させた後、ろ過して樹脂と液を分離し、セレン除去処理を終了した。ろ液に含まれるセレンの測定はICP−HYD(水素化合物発生高周波誘導結合プラズマ発光分光分析装置)を使用し、硫酸イオンはイオンクロマトグラフを使用した。
その結果、pH11.3、硫酸イオン濃度88.7mg/L、セレン濃度は3.8mg/Lであった。試験溶液中のセレンの濃度が低減したことから、セレンが樹脂に吸着除去されていることがわかる。樹脂1mL当たりのセレンの吸着量を算出すると、3.7mg(セレン濃度の前後差)×0.05L(試験溶液の体積)÷0.05mL(樹脂の体積)=3.7mg/mLであった。
<実施例2>
水酸化バリウム八水和物の添加量を3.0mmol/Lにした以外は、実施例1と同様の条件で試験を実施した。水酸化バリウム八水和物添加後の試験溶液は、pH11.5、硫酸イオン濃度は57.4mg/L、セレン濃度7.3mg/Lであった。樹脂でセレンを除去した結果、pH11.6、硫酸イオン濃度は27.2mg/L、セレン濃度は2.8mg/Lであり、樹脂1mLあたりのセレン吸着量を算出すると4.5mg/Lであった。
水酸化バリウム八水和物の添加量を3.0mmol/Lにした以外は、実施例1と同様の条件で試験を実施した。水酸化バリウム八水和物添加後の試験溶液は、pH11.5、硫酸イオン濃度は57.4mg/L、セレン濃度7.3mg/Lであった。樹脂でセレンを除去した結果、pH11.6、硫酸イオン濃度は27.2mg/L、セレン濃度は2.8mg/Lであり、樹脂1mLあたりのセレン吸着量を算出すると4.5mg/Lであった。
<実施例3>
水酸化バリウム八水和物(Ba(OH)2・8H2O)の代わりに塩化バリウム二水和物(BaCl2・2H2O)を使用した以外は実施例1と同様の条件で試験を行った。塩化バリウム二水和物を添加後の試験用液は、pH7.9、硫酸イオン濃度は147.4mg/L、セレン濃度は8.3mg/Lであった。樹脂でセレンを除去した結果、pH9.6、硫酸イオン濃度は101.9mg/L、セレン濃度は5.8mg/Lであり、樹脂1mLあたりのセレン吸着量を算出すると2.5mg/Lであった。
水酸化バリウム八水和物(Ba(OH)2・8H2O)の代わりに塩化バリウム二水和物(BaCl2・2H2O)を使用した以外は実施例1と同様の条件で試験を行った。塩化バリウム二水和物を添加後の試験用液は、pH7.9、硫酸イオン濃度は147.4mg/L、セレン濃度は8.3mg/Lであった。樹脂でセレンを除去した結果、pH9.6、硫酸イオン濃度は101.9mg/L、セレン濃度は5.8mg/Lであり、樹脂1mLあたりのセレン吸着量を算出すると2.5mg/Lであった。
<実施例4>
塩化バリウム二水和物の添加量を3.0mmol/Lとした以外は実施例3と同様の条件で試験を行った。塩化バリウム二水和物を添加後の試験用液は、pH7.5、硫酸イオン濃度は5.2mg/L、セレン濃度は6.8mg/Lであった。樹脂でセレンを除去した結果、pH9.3、硫酸イオン濃度は2.8mg/L、セレン濃度は1.6mg/Lであり、樹脂1mLあたりのセレン吸着量を算出すると5.2mg/Lであった。
塩化バリウム二水和物の添加量を3.0mmol/Lとした以外は実施例3と同様の条件で試験を行った。塩化バリウム二水和物を添加後の試験用液は、pH7.5、硫酸イオン濃度は5.2mg/L、セレン濃度は6.8mg/Lであった。樹脂でセレンを除去した結果、pH9.3、硫酸イオン濃度は2.8mg/L、セレン濃度は1.6mg/Lであり、樹脂1mLあたりのセレン吸着量を算出すると5.2mg/Lであった。
<実施例5>
樹脂の種類を別のイオン交換樹脂(樹脂B)とした以外は実施例4と同様の条件で試験を行った。樹脂でセレンを除去した結果、pH9.2、硫酸イオン濃度は0.7mg/L、セレン濃度は1.4mg/Lであり、樹脂1mLあたりのセレン吸着量を算出すると5.4mg/mLであった。
樹脂の種類を別のイオン交換樹脂(樹脂B)とした以外は実施例4と同様の条件で試験を行った。樹脂でセレンを除去した結果、pH9.2、硫酸イオン濃度は0.7mg/L、セレン濃度は1.4mg/Lであり、樹脂1mLあたりのセレン吸着量を算出すると5.4mg/mLであった。
<比較例1>
水酸化バリウムを添加しない以外は実施例1と同様の条件で試験を実施した。樹脂でセレンを除去した結果、pH9.6、セレン濃度は7.3mg/Lであり、樹脂1mLあたりのセレン吸着量を算出すると1.2mg/Lであった。
水酸化バリウムを添加しない以外は実施例1と同様の条件で試験を実施した。樹脂でセレンを除去した結果、pH9.6、セレン濃度は7.3mg/Lであり、樹脂1mLあたりのセレン吸着量を算出すると1.2mg/Lであった。
<比較例2>
塩化バリウムを添加しない以外は実施例5と同様の条件で試験を実施した。樹脂でセレンを除去した結果、pH9.8、セレン濃度は7.5mg/Lであり、樹脂1mLあたりのセレン吸着量を算出すると、1.0mg/mLであった。
塩化バリウムを添加しない以外は実施例5と同様の条件で試験を実施した。樹脂でセレンを除去した結果、pH9.8、セレン濃度は7.5mg/Lであり、樹脂1mLあたりのセレン吸着量を算出すると、1.0mg/mLであった。
<考察>
実施例1と比較例1を比較することによって、本発明の手順に従ってバリウム塩を添加することで、本発明を用いない場合に比べて樹脂のセレン吸着量を2.1〜4.3倍に高めることができることが分かる。さらに、実施例5と比較例2を比較することによって、樹脂の種類を樹脂Aから樹脂Bに代えた場合においても、本発明の手順に従ってバリウム塩を添加することによって、樹脂のセレン吸着量を5.4倍に高めることができることが分かる。即ち、本発明の効果は任意の種類の樹脂に適用できることが判明した。
実施例1と比較例1を比較することによって、本発明の手順に従ってバリウム塩を添加することで、本発明を用いない場合に比べて樹脂のセレン吸着量を2.1〜4.3倍に高めることができることが分かる。さらに、実施例5と比較例2を比較することによって、樹脂の種類を樹脂Aから樹脂Bに代えた場合においても、本発明の手順に従ってバリウム塩を添加することによって、樹脂のセレン吸着量を5.4倍に高めることができることが分かる。即ち、本発明の効果は任意の種類の樹脂に適用できることが判明した。
また、実施例1と実施例2を比較することによって、水酸化バリウムの添加量を増やすことで樹脂のセレン吸着量を向上できることがわかる。実施例1と実施例3を比較することによって、硫酸イオンと難溶解性塩を形成する薬剤としての塩は、水酸化バリウムでなく、塩化バリウムを用いてもよいことが分かる。実施例3と実施例4を比較することによって、塩化バリウムを用いた場合にも添加量を増やすことで樹脂のセレン吸着量が向上することが分かる。即ち、バリウム塩の種類によらず、樹脂によるセレン除去効率を向上することができることが分かる。
本発明は、産業のため発生したセレン含有排水や、セレン含有処理水の処理に特に有用である。また、天然由来の水にセレンが含まれている場合の処理にも適用可能である。
Claims (5)
- セレン含有排水に硫酸イオンと難溶解性塩を形成する薬剤を添加した後に、前記セレン含有排水中のセレンを樹脂で吸着除去することを特徴とする、セレン含有排水の処理方法。
- 前記薬剤の添加により形成した難溶解性塩を前記セレン含有排水から除去した後に、前記セレン含有排水中のセレンを樹脂で吸着除去することを特徴とする、請求項1に記載のセレン含有排水の処理方法。
- 前記難溶解性塩を形成する薬剤がアルカリ土類金属塩であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のセレン含有排水の処理方法。
- 前記難溶解性塩を形成する薬剤がバリウム塩であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のセレン含有排水の処理方法。
- 前記樹脂がOH型イオン交換樹脂であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のセレン含有排水の処理方法。
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