JP2008167600A - 電動車両 - Google Patents

電動車両 Download PDF

Info

Publication number
JP2008167600A
JP2008167600A JP2006355452A JP2006355452A JP2008167600A JP 2008167600 A JP2008167600 A JP 2008167600A JP 2006355452 A JP2006355452 A JP 2006355452A JP 2006355452 A JP2006355452 A JP 2006355452A JP 2008167600 A JP2008167600 A JP 2008167600A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
regenerative
motor generator
power
braking
current
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006355452A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Sakadai
弘幸 坂大
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2006355452A priority Critical patent/JP2008167600A/ja
Publication of JP2008167600A publication Critical patent/JP2008167600A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/70Energy storage systems for electromobility, e.g. batteries

Landscapes

  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Abstract

【課題】電動車両に搭載された電動発電機について出力制限が必要となるような高温状態の発生を予防するための回生発電制御を簡易な制御構成により実現する。
【解決手段】判定部250は、電流積算部240により算出された現時点から所定時間遡及した一定時間内でのモータジェネレータの通過電流に基づく電流積算値Imintと基準値Irとを比較し、Imint≧Irのときに高電流フラグFhcをオンする。制動協調制御部150は、運転者のブレーキ踏力BK等に基づき車両全体で必要とされるトータル制動パワーPtを算出するとともに、油圧ブレーキおよびモータジェネレータによる回生ブレーキ間での分担を制御する。制動パワー配分部170は、同一のブレーキ操作に対して、高電流フラグFhcのオン時に設定される回生制動パワーPmg♯が、高電流フラグFhcのオフ時に設定される回生制動パワーPmgよりも小さくなるように回生制動を制限する。
【選択図】図5

Description

この発明は、電動車両に関し、より特定的には、車両駆動力の発生および回生制動時の回生発電を行なうモータジェネレータを搭載した電動車両に関する。
近年環境に配慮した自動車としてハイブリッド車両が注目されている。ハイブリッド車両は、従来のエンジンに加え車両駆動用電動機によって車両走行パワーを発生することが可能な自動車である。特に、車両の回生制動時に回生発電によりエネルギ回収するように、車両用電動機としては電動機および発電機の機能を併せ持つモータジェネレータ(電動発電機)が一般に採用される。
電動車両の回生制御について、2003−47103号公報(以下、特許文献1)には、降坂時等に発生する回生電流によりバッテリが過充電となって劣化する現象を防止するための回生過充電抑制制御装置が開示されている。この回生過充電抑制制御装置では、バッテリから消費される電流およびバッテリへ流入する電流の積算に基づき、回生電流による過充電を回避するように充電電気量を制限する。
また、電動車両では、車両駆動力を発生する力行時および回生制動力を発生させる回生時における電動発電機によるトルク出力に伴い、電動発電機の温度(以下、モータ温度とも称する)が主にコイル巻線での発熱により上昇する。モータ温度が上昇すると、電流量すなわち出力トルクの制限が必要となるため、電動発電機により発生できる車両駆動力が制限されることとなる。
このような現象を回避するために、特開2002−369578号公報(以下、特許文献2)には、ハイブリッド車両に搭載された電動モータの過熱状態を温度センサを用いることなく簡易に防止することが可能な制御装置が開示されている。特許文献1による制御装置によれば、電動モータのトルク指令値に基づきファジー推論等により電動モータの推定温度変化量を求めて、この推定温度変化量の積分により累積温度変化量をさらに求め、この累積温度変化量が所定値を超えたときに電動モータの出力が制限される。
特開2003−47103号公報 特開2002−369578号公報
しかしながら、特許文献2による制御装置では、トルク指令値から温度変化量を推定するために制御が複雑化する。また、出力制限により電動発電機を過高温から保護できる反面、出力制限のために電動発電機の出力(力行)トルクが制限されて動力性能が不十分となる状態を回避するような予防的な制御を行なうことはできない。
この結果、比較的勾配が緩い下り坂が連続する場合や、降坂走行および登坂走行が交互に連続する山岳路走行時において、回生発電のための回生トルク出力によってモータ温度が上昇し、降坂走行後の登坂走行や平坦路走行時に電動発電機の出力(力行)トルクが制限されて、車両の動力性能を十分に発揮できなくなる可能性がある。
また、特許文献1による回生過充電抑制制御装置では、バッテリの過充電を回避することはできるものの、上述のような電動発電機の温度上昇防止に着目した制御構成については何ら言及されていない。
この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、この発明の目的は、電車車両に搭載された電動発電機について出力制限が必要となるような高温状態の発生を予防するための回生発電制御を簡易な制御構成により実現することである。
この発明による電動車両は、電動発電機と、電力変換装置と、電流検出器と、少なくとも運転者によるブレーキ操作に応じて、回生制動動作時における電動発電機のトルク指令値を生成するための回生制御部とを備える。電動発電機は、車輪との間で回転力を相互に伝達可能に構成される。電力変換装置は、電動発電機がトルク指令値に従ったトルクを出力するように、充電可能な電源および電動発電機の間で双方向の電力変換を行なう。電流検出器は、前記電動発電機の通過電流を検出する。回生制御部は、電流検出器の検出値に基づき現時点から所定の一定時間遡及した期間内における電動発電機の通過電流の積算値を逐次求める電流積算部と、電流積算部による積算値が、所定の基準値以上である第1の状態および、基準値未満である第2の状態のいずれであるかを判定する判定部とを含む。さらに、回生制御部は、判定部による判定結果に基づき、同一のブレーキ操作に対応する第1および第2の状態のそれぞれでの回生制動動作時のトルク指令値について、第1の状態時には第2の状態時よりもトルク指令値の絶対値が小さくなるように制限する。
上記電動車両によれば、現時点までの一定時間内での電流積算値が基準値以上となったときには、回生発電による電動発電機の発熱を抑制することができる。この結果、電流検出器による電流検出値に基づく積算処理という比較的簡易な制御構成により、電動発電機の出力(力行トルク)制限により動力性能を十分に発揮できなくなるような高温状態の発生を効果的に予防できる。特に、予防的な回生電力制限により電動発電機の大きな温度上昇を回避できるので、冷却構造の簡略化による電動発電機体格の小型化、あるいは、温度上昇時の走行性能確保のための車両全体のローギヤ化を回避したハイギヤ化による高速走行時の燃費向上を図ることができ、電動発電機に関連した仕様設計を効率的にすることについても可能となる。
好ましくは、回生制御部は、制動協調制御部と、回生トルク設定部とを含む。制動協調制御部は、電動車両の状態およびブレーキ操作に応じて、車両全体での要求制動パワーを算出するとともに該要求制動パワーのうちの電動発電機が分担する回生制動パワーを設定する。回生トルク設定部は、制動強調制御部によって設定された回生制動パワーに従って回生制動動作時のトルク指令値を生成する。そして、制動協調制御部は、判定部による判定結果に基づき、同一のブレーキ操作に対応して設定される回生制動パワーを、第1の状態時には第2の状態時よりも低く制限する。
また好ましくは、回生制御部は、電源の充電状態に応じて電源の充電要求電力を設定する充電制御部をさらに含む。制動協調制御部は、充電要求電力以下の範囲内で回生制動パワーを設定し、充電制御部は、判定部による判定結果に基づき、同一の充電状態に対応して設定される充電要求電力を、第1の状態時には第2の状態時よりも低く制限する。
このような構成とすることにより、制動協調制御あるいは充電要求制御の調整によって、一定時間内での電流積算値が基準値以上となったときに回生発電を制限することにより出力制限に至るような電動発電機の温度上昇を効果的に予防できる。
あるいは好ましくは、回生制御部は、第2の状態時に対する第1の状態時における回生制動動作時のトルク指令値の制限度合を電動発電機の通過電流積算値に応じて設定する。
このような構成とすることにより、現時点までの一定時間での電流積算値に基づき電動
発電機の温度上昇度合を簡易に評価して、電動発電機による回生発電を適切な度合により制限することができる。この結果、可能な範囲内で回生発電によるエネルギ回収を図った上で、電動発電機の温度上昇を防止することが可能となる。
さらに好ましくは、電動車両は、電動発電機の温度を取得する温度取得手段をさらに備え、判定部は、電流積算値の基準値を電動発電機の温度に応じて可変に設定する。
このような構成とすることにより、出力制限に至るような電動発電機の温度上昇をさらに効果的に予防できるとともに、温度に余裕がある場合には積極的に回生発電によるエネルギ回収を図ることができる。
また、さらに好ましくは、電流積算部は、電動発電機の各相電流の2乗値の積算によって出力トルクの積算値を求める。
このような構成とすることにより、電動発電機の電流積算値と温度上昇との相関を高めることができる。
この発明による電動車両によれば、電車車両に搭載された電動発電機について出力制限が必要となるような高温状態の発生を予防するための回生発電制御を簡易な制御構成により実現できる。
以下において、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお以下では図中における同一または相当部分には同一符号を付してその説明は原則として繰返さないものとする。
図1は、本発明の実施の形態に従う電動車両の車両駆動用電動機に関連する概略構成図である。
図1を参照して、本発明の実施の形態に従う電動車両100は、直流電圧発生部10♯と、平滑コンデンサC0と、インバータ20と、代表的にはECU(Electronic Control
Unit)により構成される制御回路50および制御装置80と、モータジェネレータMGと、駆動軸62と、駆動軸62の回転に伴って回転駆動される車輪65とを含む。駆動軸62は、一般的には図示しない減速機等の変速機構を介して、モータジェネレータMGの出力軸との間で回転力を相互に伝達可能に構成される。また、車輪65には、制動機構、代表的には油圧供給により機械的に制動力を発揮する油圧ブレーキ90が設けられる。このような制動機構は、一般的には各車輪に設けられる。
モータジェネレータMGは、ハイブリッド自動車または電気自動車等の電動車両に搭載されて、力行時に車輪の駆動トルクを発生するとともに、回生時には、駆動輪65の回転方向と反対方向の回生トルクを発生することにより、電気的な制動力(回生制動力)の発生による回生発電を行なう。すなわち、モータジェネレータMGは、電動機および発電機への機能を併せ持つ車両駆動用の「電動発電機」として構成される。ハイブリッド自動車では、エンジンにて駆動される発電機の機能を持つように構成された、別のモータジェネレータがさらに設けられてもよい。なお、電動車両100がハイブリッド自動車である場合には、エンジン(図示せず)の出力によっても駆動軸62を回転可能なように車両駆動系が構成される。
直流電圧発生部10♯は、直流電源Bと、システムリレーSR1,SR2と、平滑コン
デンサC1と、昇降圧コンバータ12とを含む。直流電源Bとしては、ニッケル水素またはリチウムイオン等の二次電池、あるいは、電気二重層キャパシタ等の蓄電装置を適用可能である。直流電源Bが出力する直流電圧Vbは、電圧センサ10によって検知される。電圧センサ10は、検出した直流電圧Vbを制御回路50へ出力する。
システムリレーSR1は、直流電源Bの正極端子および電源ライン6の間に接続され、システムリレーSR2は、直流電源Bの負極端子および接地ライン5の間に接続される。システムリレーSR1,SR2は、制御回路50からの信号SEによりオン/オフされる。より具体的には、システムリレーSR1,SR2は、制御回路50からのH(論理ハイ)レベルの信号SEによりオンされ、制御回路50からのL(論理ロー)レベルの信号SEによりオフされる。平滑コンデンサC1は、電源ライン6および接地ライン5の間に接続される。
昇降圧コンバータ12は、リアクトルL1と、電力用半導体スイッチング素子Q1,Q2とを含む。電力用半導体スイッチング素子Q1およびQ2は、電源ライン7および接地ライン5の間に直列に接続される。電力用半導体スイッチング素子Q1およびQ2のオン・オフは、制御回路50からのスイッチング制御信号S1およびS2によって制御される。
本発明の実施の形態において、電力用半導体スイッチング素子(以下、単に「スイッチング素子」と称する)としては、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、電力用MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタあるいは、電力用バイポーラトランジスタ等を用いることができる。スイッチング素子Q1,Q2に対しては、逆並列ダイオードD1,D2が配置されている。
リアクトルL1は、スイッチング素子Q1およびQ2の接続ノードと電源ライン6の間に接続される。また、平滑コンデンサC0は、電源ライン7および接地ライン5の間に接続される。
インバータ20は、電源ライン7および接地ライン5の間に並列に設けられる、U相アーム22と、V相アーム24と、W相アーム26とから成る。各相アームは、電源ライン7および接地ライン5の間に直列接続されたスイッチング素子から構成される。たとえば、U相アーム22は、スイッチング素子Q11,Q12から成り、V相アーム24は、スイッチング素子Q13,Q14から成り、W相アーム26は、スイッチング素子Q15,Q16から成る。また、スイッチング素子Q11〜Q16に対して、逆並列ダイオードD11〜D16がそれぞれ接続されている。スイッチング素子Q11〜Q16のオン・オフは、制御回路50からのスイッチング制御信号S11〜S16によって制御される。
各相アームの中間点は、モータジェネレータMGの各相コイルの各相端に接続されている。すなわち、モータジェネレータMGは、3相の永久磁石モータであり、U,V,W相の各相コイル巻線の一端が中性点Nに共通接続されて構成される。さらに、各相コイル巻線の他端は、各相アーム22,24,26のスイッチング素子の中間点と接続されている。
昇降圧コンバータ12は、昇圧動作時には、直流電源Bから供給された直流電圧Vbを昇圧した直流電圧VH(インバータ20への入力電圧に相当)をインバータ20へ供給する。より具体的には、制御回路50からのスイッチング制御信号S1,S2に応答して、スイッチング素子Q1,Q2のデューティ比(オン期間比率)が設定され、昇圧比は、デューティ比に応じたものとなる。
また、昇降圧コンバータ12は、降圧動作時には、平滑コンデンサC0を介してインバータ20から供給された直流電圧を降圧して直流電源Bを充電する。より具体的には、制御回路50からのスイッチング制御信号S1,S2に応答して、スイッチング素子Q1のみがオンする期間と、スイッチング素子Q1,Q2の両方がオフする期間とが交互に設けられ、降圧比は上記オン期間のデューティ比に応じたものとなる。
平滑コンデンサC0は、昇降圧コンバータ12からの直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ20へ供給する。電圧センサ13は、平滑コンデンサC0の両端の電圧(すなわち、インバータ入力電圧)を検出し、その検出値VHを制御回路50へ出力する。
インバータ20は、モータジェネレータMGのトルク指令値が正(Tqcom>0)の場合には、制御回路50からのスイッチング制御信号S11〜S16に応答したスイッチング素子Q11〜Q16のスイッチング動作により、平滑コンデンサC0から供給される直流電圧を交流電圧に変換して正のトルクを出力するようにモータジェネレータMGを駆動する。また、インバータ20は、モータジェネレータMGのトルク指令値が零の場合(Tqcom=0)には、スイッチング制御信号S11〜S16に応答したスイッチング動作により、直流電圧を交流電圧に変換してトルクが零になるようにモータジェネレータMGを駆動する。これにより、モータジェネレータMGは、トルク指令値Tqcomによって指定された零または正のトルクを発生するように駆動される。
さらに、電動車両100の回生制動時には、モータジェネレータMGのトルク指令値Tqcomは負に設定される(Tqcom<0)。この場合には、インバータ20は、スイッチング制御信号S11〜S16に応答したスイッチング動作により、モータジェネレータMGが発電した交流電圧を直流電圧に変換し、その変換した直流電圧(システム電圧)を平滑コンデンサC0を介して昇降圧コンバータ12へ供給する。
なお、ここで言う回生制動とは、ハイブリッド自動車または電気自動車の運転者によるフットブレーキ(ブレーキペダル)操作があった場合の回生発電を伴う制動や、フットブレーキを操作しないものの、走行中にアクセルペダルをオフすることで回生発電をさせながら車両を減速(または加速の中止)させることを含む。
ホールセンサ等により構成される電流センサ27は、モータジェネレータMGに流れるモータ電流MCRTを検出し、その検出したモータ電流を制御回路50へ出力する。なお、三相電流iu,iv,iwの瞬時値の和は零であるので、図1に示すように電流センサ27は2相分のモータ電流(たとえば、V相電流ivおよびW相電流iw)を検出するように配置すれば足りる。あるいは、信頼性向上のために各相に電流センサ27を配置してもよい。電流センサ27は、本発明での「電流検出器」に対応する。このように、制御回路50は、各時点において、モータジェネレータMGの各相電流iu,iv,iwを取得することができる。
回転角センサ(レゾルバ)28は、モータジェネレータMGの図示しない回転子の回転角θを検出し、その検出した回転角θを制御回路50へ送出する。制御回路50では、回転角θに基づきモータジェネレータMGの回転数Nmt(回転角速度ω)を算出することができる。
さらに、モータジェネレータMGには、温度センサ29がさらに設けられる。一般に、温度センサ29は、温度上昇による絶縁被覆の破壊等が懸念されるコイル巻線部位の温度を測定して、少なくとも制御装置80へ出力するように設けられる。以下では、温度センサ29により測定された温度をモータ温度Tmgと称する。
制御装置80には、直流電源(バッテリ)Bの充電状態や入出力電力制限を示すバッテリ情報や、各種車両センサ信号(たとえば、車速や路面状況等の車両状態を示すセンサ検出値や、車両内の各種機器の動作状態を示すセンサ検出値)が入力される。代表的には、運転者によって操作されるブレーキペダル70には踏力センサ75が設けられ、踏力センサ75は、運転者によるブレーキ操作を示すブレーキ踏力BKを検知して、制御装置80へ伝達する。
Gセンサ等で構成される勾配センサ95からは、電動車両100の走行路の勾配GRを示す信号が制御装置80へ入力される。あるいは、制御装置80は、ナビゲーションシステム98から地図上の各点(現在地および進行方向)の標高データを受けることにより、走行路の勾配を検知または予測することも可能である。
制御装置80は、車両状態および運転者によるアクセル/ブレーキ操作等に基づき、モータジェネレータMGのトルク指令値Tqcomおよび回生指示信号RGEを発生する。なお、制御装置80は、直流電源Bに関する、満充電時を100%とした充電率(SOC:State of Charge)や充電制限を示す入力可能電力Pin、放電制限を示す出力可能電力Pout等の情報に基づき、直流電源Bの過充電あるいは過放電が発生しない範囲内で、トルク指令値Tqcomおよび回生指示信号RGEを生成する。
電動機制御用の制御回路(MG−ECU)50は、制御装置80から入力されたトルク指令値Tqcom、電圧センサ10によって検出されたバッテリ電圧Vb、電圧センサ13によって検出されたシステム電圧VHおよび電流センサ27からのモータ電流MCRT、回転角センサ28からの回転角θに基づいて、モータジェネレータMGがトルク指令値Tqcomに従ったトルクを出力するように、昇降圧コンバータ12およびインバータ20の動作を制御するスイッチング制御信号S1,S2,S11〜S16を生成する。すなわち、制御装置80は、制御回路(MG−ECU)50の上位ECUに相当する。なお、図1の例では、制御回路50および制御装置80を別個のECUで構成したが、両者の機能を単一のECUに一体化する構成とすることも可能である。
このように、図1に示した構成では、昇降圧コンバータ12、インバータ20および制御回路50により、モータジェネレータMGがトルク指令値Tqcomに従ったトルク(正トルク、負トルクまたは零トルク)を出力するように、直流電源BおよびモータジェネレータMG間での双方向の電力変換を行なう「電力変換装置(PCU)」が構成される。
昇降圧コンバータ12の昇圧動作時には、制御回路50は、モータジェネレータMGの運転状態に応じてシステム電圧VHの指令値を算出し、この指令値および電圧センサ13によるシステム電圧VHの検出値に基づいて、出力電圧VHが電圧指令値となるようにスイッチング制御信号S1,S2を生成する。
また、制御回路50は、電動車両100が回生制動モードに入ったことを示す制御信号RGEを制御装置80から受けると、トルク指令値Tqcomに従った回生トルクの出力によりモータジェネレータMGで発電された交流電圧を直流電圧に変換するようにスイッチング制御信号S11〜S16を生成してインバータ20へ出力する。これにより、インバータ20は、モータジェネレータMGからの回生電力を直流電圧に変換して昇降圧コンバータ12へ供給する。
さらに、制御回路50は、制御信号RGEに応答して、インバータ20から供給された直流電圧を必要に応じて直流電源Bの充電電圧に降圧するように、スイッチング制御信号S1,S2を生成し、昇降圧コンバータ12へ出力する。このようにして、モータジェネ
レータMGからの回生電力は、直流電源Bの充電に用いられる。
さらに、制御回路50は、電動車両100の駆動システム起動/停止時に、システムリレーSR1,SR2をオン/オフするための信号SEを生成してシステムリレーSR1,SR2へ出力する。
図2は、本発明の実施の形態に従う電動車両における回生制動時におけるモータジェネレータMGの回生トルク設定を説明する概略ブロック図である。
図2を参照して、ハイブリッド車両の回生制動時に回生トルクのトルク指令値を設定する回生制御部110は、制動協調制御部150と、充電制御部200とを有する。
充電制御部200は、バッテリ情報(SOC,Pin等)に基づき、直流電源Bによる受入電力を示す充電要求電力Pchを設定する。制動協調制御部150は、運転者のブレーキ踏力BKに基づき車両全体で必要とされるトータル制動力(パワー)を算出するとともに、このトータル制動力の出力についての油圧ブレーキ90およびモータジェネレータMGの間での分担を制御する。
ここで、図3および図4により、電動車両100がハイブリッド車両である場合における制動協調制御の例について説明する。
図3に示すように、電動車両(ハイブリッド車両)100では、油圧ブレーキ90によって発生される機械的制動力と、モータジェネレータMGによる回生トルクにより発生される電気的制動力(回生制動力)との組合せにより、トータル制動力が協調的に確保される。これにより、減速時の車両エネルギを回収した直流電源Bの充電電力の発生および制動力の確保が車両運転性を損なわないように設定される。
図4には、ハイブリッド車両における各車速領域での油圧制動および回生制動の協調制御例の例が示される。図4(a)〜(d)に共通に示されるように、基本的には、車両全体で要求されるトータル制動パワーPtは、ブレーキ踏力BKの増加に従って比例的に増加する。
図4(a),(b)に示したエンジン駆動を伴う高速時および低・中速時には、エンジンブレーキによる制動パワーPeg、モータジェネレータMGによる回生制動パワーPmgおよび油圧ブレーキによって発生される油圧制動パワーPolの和によって、トータル制動パワーPtが確保される。具体的には、エンジンブレーキによる制動パワーPegが一定的に確保された上で、回生制動パワーPmgは、ブレーキ踏力の増加に応じて所定レベルまで増加される。そして、エンジンブレーキおよび回生制動によるトータル制動パワーの不足分については、油圧ブレーキ90によって確保される。
また、図4(c)に示したエンジン停止の低・中速時には、図4(b)と同様に回生制動パワーPmgを設定するとともに、回生制動によるトータル制動パワーの不足分については、油圧ブレーキ90によって確保される。さらに、図4(d)に示した、モータジェネレータMGのみにより車両駆動力が発生される極低速時には、基本的には、回生制動のみによりトータル制動パワーが確保される。
なお、図4(a)〜(d)では、ブレーキ踏力=0のとき回生制動パワーPmg=0としているが、アクセルペダルのオフに伴い、ブレーキ踏力=0であってもエンジンブレーキ的に所定量の回生制動パワーを発生させて、車両を減速あるいは加速を中止させることとしてもよい。
再び、図2を参照して、回生制御部110は、回生制動時のモータジェネレータMGによる回生発電(回生制動)を適切に制御するように回生トルクの指令値Tqcom(一般的には負値)を設定する。特に、制動協調制御部150は、回生制動に伴う回生電力を充電制御部200によって設定された充電要求電力Pch以下の範囲内に制限して、モータジェネレータMGによる制動パワー(回生制動パワー)の分担を決定する。回生制御部110は、この回生制動パワーの出力に必要な回生トルクに従い、回生制動時におけるトルク指令値Tqcomを設定する。トルク指令値Tqcomは制御回路(MG−ECU)50へ伝達され、MG−ECU50は、図1で説明したような制御構成に従い、トルク指令値Tqcomに従った回生トルクをモータジェネレータMGが発生するように、コンバータ12およびインバータ20のスイッチング動作を制御する。
さらに、回生制御部110は、トータル制動パワーが電動車両100全体で確保されるように、トータル制動パワーと回生制動パワーとの差分に相当する、油圧ブレーキ90に要求する油圧制動パワーを油圧制御部120へ指示する。油圧制御部120は、要求された油圧制動パワーを油圧ブレーキ90が発生するように、各油圧ブレーキ90への供給油圧を制御する。そして各油圧ブレーキ90は、油圧制御部120に設定された油圧に従った制動力を出力する。なお、各車輪に設けられた油圧ブレーキ90の制動力は減速時における車両走行性が快適に維持されるように適宜独立に制御され得る。
図5は、この発明の実施の形態による回生制動部の構成をさらに詳細に説明するブロック図である。図5に示される各ブロックは、制御装置80によりソフトウェアあるいはハードウェア的に実現される。
図5を参照して、回生制御部110は、制動協調制御部150と、充電制御部200と、電流積算部240と、判定部250と、回生トルク設定部260とを含む。
電流積算部240は、モータジェネレータMGの通過電流の積算に基づき、現時点から所定の一定時間(たとえば5〜10分間程度)遡及した一定時間内における電流積算値Imintを算出する。たとえば、各相電流iu,iv,ivの2乗値の和である、Im=iu2+iv2+iv2を所定周期毎に求めて、かつ積算することによって電流積算値Imintが得られる。これにより、モータジェネレータMGのコイル巻線における電流通過によるジュール発熱量と、電流積算値Imintとの相関を高めることができる。なお、演算の簡易化を優先する場合には、各相電流の絶対値の和(Im=|iu|+|iv|+|iw|)を積算して電流積算値Imintを求めてもよい。
さらに、電流積算部240は、積算期間を時間経過に応じて逐次移動させていくことによって、現時点を起点として一定時間遡及して積算値が得られるように電流積算値Imintを逐次更新する。
判定部250は、上記一定時間内での電流積算値Imintが所定の基準値Ir以上、および基準値Ir未満のいずれであるかを判定し、電流積算値Imint≧Irのときには高電流フラグFhcをオンし、それ以外のときには、高電流フラグFhcをオフする。基準値Irは、一定時間内でのモータ温度上昇の推定量に対応させて予め定められる。なお、基準値Irについては、温度センサ29により測定されたモータ温度Tmgに応じて可変に設定、具体的には、モータ温度Tmgの上昇に応じて基準値Irが低下するように設定してもよい。
充電制御部200は、バッテリ情報(SOC,Pin)に応じて、直流電源Bの受入れ可能な充電電力に応じて充電要求電力Pchを設定する。なお、直流電源Bが十分に充電
され、あるいは高温状態となって、充電が禁止される場合にはPch=0に設定される。
制動協調制御部150は、必要制動パワー算出部160と、制動パワー分配部170とを含む。必要制動パワー算出部160は、ブレーキ踏力BKおよび車速等を示す各種センサ出力に基づき、電動車両100全体で必要とされるトータル制動パワーPtを算出する。制動パワー分配部170は、たとえば、図4に例示した車速に応じた協調制御方式に従い、充電制御部200によって設定された充電要求電力Pch以下の範囲内で回生制動パワーPmgを設定するとともに、残りの制動パワー(Pt−Pmg−Peg)に従い油圧制動パワーPolを設定する。図2に示したように、油圧制御部120により油圧制動パワーPolに従って各油圧ブレーキ90への供給油圧が制御される。
この際に、制動パワー分配部170は、高電流フラグFhcのオン時(高電流通過後)には、通常時(高電流フラグFhcのオフ時)と比較して回生制動パワーを制限する。すなわち、同一のトータル制動パワーPtおよび車両状況(車速等)に対して、高電流通過後に設定される回生制動パワーPmg♯は、通常時に設定される回生制動パワーPmgよりも低い値とされる(すなわち、Pmg♯<Pmg)。
なお、充電制御部200により、直流電源Bの同様の状態(同一のSOCまたはPin)に対応して、高電流通過後(高電流フラグFhcのオン時)に設定される充電要求電力Pch♯を、通常時(高電流フラグFhcのオフ時)における充電要求電力Pchと比較して低い値に設定するように(すなわち、Pch♯<Pch)構成すれば、制動パワー分配部170によりPmg♯=Pch♯に設定できる。このようにしても、高電流通過後に設定される回生制動パワーPmg♯を、通常時に設定される回生制動パワーPmgよりも低い値(Pmg♯<Pmg)に制限することができる。
回生トルク設定部260は、制動パワー分配部170により設定された回生制動パワーPmgまたはPmg♯に従い、モータジェネレータMGのトルク指令値Tqcomを設定する。これにより、回生制動パワーPmgまたはPmg♯に見合った回生制動力が得られるようにモータジェネレータMGの回生トルクが発生される。すなわち、通常時には回生制動パワーPmg♯に従って回生トルクが設定される一方で、高電流通過後には回生制動パワーPmgに従って回生トルクTqcomが設定される。
なお、高電流フラグFhcのオン時には回生トルクの発生を禁止するように、すなわち回生制動パワーPmg♯=0となるように設定すれば、高電流通過後における回生制動によるモータジェネレータMGのさらなる温度上昇を確実に抑制できる。
あるいは、図6に示すように、電流積算値Imintに基づき、回生制動パワーの制限度合(Pmg−Pmg♯の制限量、あるいは、(Pmg−Pmg♯)/Pmgで示される制限率)、すなわち高電流通過後での回生トルクの制限度合を可変に設定してもよい。
図7は、本発明の実施の形態に従う電動車両におけるモータジェネレータMGの回生トルク設定の手順を説明するフローチャートである。図7に示した制御処理手順は、たとえば制御装置(ECU)80に予め格納されたプログラムを所定周期で実行することにより実現できる。
図7を参照して、制御装置80は、ステップS100により、ブレーキ踏力、車両状況等より電動車両100全体で必要とされるトータル制動パワーPtを算出する。すなわちステップS100での処理は、図5における必要制動パワー算出部160の機能に相当する。
さらに制御装置80は、ステップS110により、現時点までの一定時間内での電流積算値Imintを取得する。すなわちステップS110での処理は、図5における電流積算部240の機能に相当する。
そして、制御装置80は、ステップS120では、ステップS110で求めた電流積算値Imintが基準値Ir以上であるかどうかを判定する。すなわち、ステップS120での処理は、図5に示した判定部250の機能に相当する。上述のように、基準値Irについては、モータ温度Tmgの上昇に伴い相対的に低く設定することにより、モータジェネレータMGの出力制限に至るような温度上昇をさらに効果的に予防できる。
制御装置80は、電流積算値Imintが基準値Ir未満の場合(S120のNO判定時)には、ステップS140によりバッテリ情報等に応じて通常時の充電要求電力Pchを設定し、さらに、ステップS160により車速、充電要求電力Pch等に応じて、トータル制動パワーPtのうちの、モータジェネレータMGによる分担分である回生制動パワーPmgを設定する。このとき、回生制動パワーPmgは、Pmg≦Pchの範囲内で設定される。そして制御装置80は、ステップS180により、ステップS160で設定された回生制動パワーPmgに従ってトルク指令値Tqcom(すなわち回生トルク指令)を設定する。
一方、電流積算値Imintが基準値Ir以上の場合(ステップS120のYES判定時)には、制御装置80は、ステップS200により、バッテリ情報等に応じて高電流通過後の充電要求電力Pch♯を設定する。すなわち、同一のバッテリ状態に対応して、ステップS200により設定される充電要求電力Pch♯は、ステップS140により設定される充電要求電力Pchよりも低くなる(Pch♯<Pch)。
さらに、制御装置80は、ステップS220により、車速、充電要求電力等に応じて高電流通過後における回生制動パワーPmg♯を設定する。すなわち、同一条件下で設定される回生制動パワーは、ステップS220により設定される回生制動パワーPmg♯の方が、ステップS160により設定される回生制動パワーPmgよりも低くなる(Pmg♯<Pmg)。
ここで、図6で説明したように、充電要求電力および回生制動パワーの制限度合(制限量あるいは制限率)は、電流積算値Imintに応じて可変設定される。あるいは、回生トルクの発生を禁止して確実にモータ温度の上昇を回避するために、Pch♯=0と設定してもよい。
さらに、制御装置80は、ステップS240により、ステップS220で設定された回生制動パワーPmg♯に従いトルク指令値Tqcom(回生トルク指令)を設定する。
すなわち、ステップS140およびS200による処理は図5に示した充電制御部200の機能に相当し、ステップS160およびステップS220による処理は図5に示す制動パワー分配部170の機能に相当し、ステップS180およびS240による処理は図5に示した回生トルク設定部260の機能に相当する。なお、ステップS200による充電要求電力の制限(Pchに代えてPch♯を設定)については非実行としても、ステップS200により高電流通過後における回生制動パワーを制限(Pmgに代えてPmg♯を設定)することが可能である。
図8および図9には、本発明の実施の形態に従う電動車両におけるトルク指令値設定例を示す波形図が示される。
図8を参照して、登坂走行−平坦路走行−降坂走行が交互に順次実行される走行パターンRPTに従って、トルク指令値Tqcomが適時設定される。図8の例では、説明を簡略化するために、平坦路走行時におけるモータジェネレータMGのトルク指令値=0であり、かつ、モータジェネレータMGの通過電流は0であるものとする。
トルク指令値Tqcomは、車両駆動力を発生するために登坂走行時には正方向に上昇する。これに伴う力行トルクの発生によりモータジェネレータMGのコイル巻線を電流が通過してモータ温度Tmgが上昇する。また、通常の降坂走行時には、ブレーキ操作に応じて回生制動力発生のための回生トルクを出力するように負方向にトルク指令値Tqcomが増大する。これに伴う回生トルクの発生により、モータジェネレータMGのコイル巻線を電流が通過してモータ温度Tmgが上昇する。降坂走行が終了すると、再びトルク指令値Tqcom=0に設定される。
登坂走行時および降坂走行時には、トルク指令値Tqcom≠0に設定されて一定時間内の電流積算値が上昇する。ここで、回生制動が行なわれる降坂走行後に、さらに登坂走行のためにトルク出力(正方向)が要求される場面を想定すると、降坂走行中のモータ温度上昇により、このような場面でモータ温度Tmgがトルク制限の必要な領域に達すると力行トルクを十分に発生することができなくなって、モータジェネレータMGによる車両駆動力の確保が困難となる可能性がある。このような状況が発生すると、ハイブリッド自動車では低効率の領域でのエンジン駆動が必要となって燃費が悪化する他、電気自動車では車両駆動力の確保が困難となる。
したがって、本発明の実施の形態による電動車両では、電流積算値Imintが基準値Ir以上となると、回生制動時におけるトルク指令値Tqcom♯は、運転者によるブレーキ操作に対して通常時よりも回生トルクの絶対値が小さくなるように制限される。この結果、通常時と同様のトルク指令値Tqcomを設定する場合と比較して、降坂走行等のブレーキ操作期間におけるモータ温度Tmg♯の上昇を抑制できる。これにより、降坂走行等のブレーキ操作期間での回生発電によるモータ温度上昇を防止でき、その後の走行において、モータジェネレータMGの出力制限により車両駆動力の確保が困難となるような状況が発生することを予防できる。
また、図9に示すように、一旦電流積算値Imintが基準値Ir以上となって、回生制動時における回生トルクが制限(Tqcom♯)された後、低トルク出力状態が継続すると、電流積算値Imintが低下することにより高電流フラグFhcがオフされて、再び回生トルクの発生が可能となる。これにより、出力制限が懸念されるような温度上昇の可能性が低い場合には、回生発電によるエネルギ回収を図ることができる。
このように本発明の実施の形態による電動車両では、モータジェネレータMGの電流積算処理という比較的簡易な制御構成により、一定時間内の電流積算値Imintが基準値Ir以上となった高電流通過後には回生トルクの出力を制限あるいは禁止(Tqcom♯=0)することができる。これにより、モータジェネレータMGの出力(力行トルク)が制限されるような高温状態の発生を効果的に予防して、モータジェネレータMGの出力確保により十分な動力性能を発揮することが可能となる。
さらに、電流積算値Imintの基準値Irをモータ温度Tmgに応じて可変に設定することにより、出力制限に至るようなモータジェネレータMGの温度上昇をさらに効果的に予防できるとともに、温度に余裕がある場合には積極的に回生発電によるエネルギ回収を図ることができる。
また、回生トルク制限時の制限度合を電流積算値Imintに応じて設定することによ
り、高電流通過後における回生発電を適切な度合で制限することができる。この結果、可能な範囲内で回生発電によるエネルギ回収を図った上で、モータジェネレータMGの出力制限に至るような温度上昇を防止することができる。
特に、予防的な回生電力制限によりモータジェネレータMGの大きな温度上昇を回避できるので、モータジェネレータMGの温度上昇抑制のための仕様を緩和することも可能である。この結果、モータジェネレータMGの冷却構造の簡略化による体格の小型化を図ることが可能となり、さらには、温度上昇下での走行性能確保のための車両全体のローギヤ化を回避できるので、ハイギヤ化によって高速走行時の燃費向上を図ることも可能となる。このように、本発明の実施の形態による電動車両ではモータジェネレータMGに関連した仕様設計を効率的なものとすることが可能となる。
なお、本発明の適用はハイブリッド車両および電気自動車のみに限定されるものではなく、力行トルクの発生により車両駆動力を発生し、かつ回生トルクの発生により回生発電を実行するように構成された電動発電機(モータジェネレータ)を搭載した電動車両であれば、本発明を共通に適用することが可能である点について、確認的に記載しておく。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態に従う電動車両の車両駆動用電動機に関連する概略構成図である。 本発明の実施の形態に従う電動車両における回生制動時におけるモータジェネレータの回生トルク設定を説明する概略ブロック図である。 本発明の実施の形態に従う電動車両の一例であるハイブリッド車両における制動協調制御の例を示す概念図である。 ハイブリッド車両における各車速での油圧制動および回生制動の協調制御例の例を示す概念図である。 図2に示した回生制動部の構成をさらに詳細に説明するブロック図である。 電流積算値に対する回生トルクの制限度合の設定例を説明する概念図である。 本発明の実施の形態に従う電動車両におけるモータジェネレータの回生トルク設定の手順を示すフローチャートである。ブレーキ踏力に対する回生トルクの制限度合の設定例を説明する概念図である。 本発明の実施の形態に従う電動車両におけるトルク指令値設定例を示す第1の波形図である。 本発明の実施の形態に従う電動車両におけるトルク指令値設定例を示す第2の波形図である。
符号の説明
5 接地ライン、6,7 電源ライン、10,13 電圧センサ、10♯ 直流電圧発生部、12 コンバータ、20 インバータ、22,24,26 各相アーム、27 電流センサ、28 回転角センサ、29 温度センサ、50 制御回路(MG−ECU)、62 駆動軸、65 車輪(駆動輪)、70 ブレーキペダル、75 踏力センサ、80
制御装置(上位ECU)、90 油圧ブレーキ、95 勾配センサ、98 ナビゲーションシステム、100 電動車両、110 回生制御部、120 油圧制御部、150 制動協調制御部、160 必要制動パワー算出部、170 制動パワー分配部、200
充電制御部、240 電流積算部、250 判定部、260 回生トルク設定部、B 直流電源、BK ブレーキ踏力、C0,C1 平滑コンデンサ、D1,D2,D11〜D16 逆並列ダイオード、Fhc 高電流フラグ、GR 勾配、L1 リアクトル、MCRT モータ電流、MG モータジェネレータ、N 中性点、Pch 充電要求電力、Peg制動パワー、Pin 入力(充電)可能電力、Pmg 回生制動パワー、Pol 油圧制動パワー、Pt トータル制動パワー、Q1,Q2,Q11〜Q16 電力用半導体スイッチング素子、RGE 回生指示信号、RPT 走行パターン、S1,S2,S11〜S16 スイッチング制御信号、SR1,SR2 システムリレー、Tmg モータ温度、Tqcom トルク指令値、iu,iv,iw 各相電流(モータジェネレータ)、Imint 電流積算値、Ir 基準値(電流積算値)、Vb,VH 直流電圧、θ 回転角。

Claims (6)

  1. 車輪との間で回転力を相互に伝達可能に構成された電動発電機と、
    前記電動発電機がトルク指令値に従ったトルクを出力するように、充電可能な電源および前記電動発電機の間で双方向の電力変換を行なうための電力変換装置と、
    前記電動発電機の通過電流を検出する電流検出器と、
    少なくとも運転者によるブレーキ操作に応じて、回生制動動作時における前記電動発電機のトルク指令値を生成するための回生制御部とを備え、
    前記回生制御部は、
    前記電流検出器の検出値に基づき、現時点から所定の一定時間遡及した期間内における前記電動発電機の通過電流の積算値を逐次求める電流積算部と、
    前記電流積算部による積算値が基準値以上である第1の状態および、前記基準値未満である第2の状態のいずれであるかを判定する判定部とを含み、
    前記回生制御部は、前記判定部による判定結果に基づき、同一の前記ブレーキ操作に対応する前記第1および前記第2の状態のそれぞれでの前記回生制動動作時のトルク指令値について、前記第1の状態時には前記第2の状態時よりも前記トルク指令値の絶対値が小さくなるように制限する、電動車両。
  2. 前記回生制御部は、
    前記電動車両の状態および前記ブレーキ操作に応じて、車両全体での要求制動パワーを算出するとともに該要求制動パワーのうちの前記電動発電機が分担する回生制動パワーを設定する制動協調制御部と、
    前記制動強調制御部によって設定された前記回生制動パワーに従って前記回生制動動作時のトルク指令値を生成する回生トルク設定部とをさらに含み、
    前記制動協調制御部は、前記判定部による判定結果に基づき、同一の前記ブレーキ操作に対応して設定される前記回生制動パワーを、前記第1の状態時には前記第2の状態時よりも低く制限する、請求項1記載の電動車両。
  3. 前記回生制御部は、前記電源の充電状態に応じて前記電源の充電要求電力を設定する充電制御部をさらに含み、
    前記制動協調制御部は、前記充電要求電力以下の範囲内で前記回生制動パワーを設定し、
    前記充電制御部は、前記判定部による判定結果に基づき、同一の前記充電状態に対応して設定される前記充電要求電力を、前記第1の状態時には前記第2の状態時よりも低く制限する、請求項2記載の電動車両。
  4. 前記回生制御部は、前記第2の状態時に対する前記第1の状態時における前記回生制動動作時のトルク指令値の制限度合を前記通過電流の積算値に応じて設定する、請求項1記載の電動車両。
  5. 前記電動発電機の温度を取得する温度取得手段をさらに備え、
    前記判定部は、前記基準値を前記電動発電機の温度に応じて可変に設定する、請求項1から4のいずれか1項に記載の電動車両。
  6. 電流積算部は、前記電動発電機の各相電流の2乗値の積算によって前記出力トルクの積算値を求める、請求項1から5のいずれか1項に記載の電動車両。
JP2006355452A 2006-12-28 2006-12-28 電動車両 Pending JP2008167600A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006355452A JP2008167600A (ja) 2006-12-28 2006-12-28 電動車両

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006355452A JP2008167600A (ja) 2006-12-28 2006-12-28 電動車両

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008167600A true JP2008167600A (ja) 2008-07-17

Family

ID=39696301

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006355452A Pending JP2008167600A (ja) 2006-12-28 2006-12-28 電動車両

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008167600A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011121525A (ja) * 2009-12-11 2011-06-23 Honda Motor Co Ltd 移動装置
JP2012249365A (ja) * 2011-05-25 2012-12-13 Shin Kobe Electric Mach Co Ltd リチウムイオン電池を搭載した電動カート及び電動カート用リチウムイオン電池の充電方法
CN108215895A (zh) * 2017-12-29 2018-06-29 吉林大学 纯电动汽车回收能量管理方法及管理系统

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08251715A (ja) * 1995-03-15 1996-09-27 Yamaha Motor Co Ltd 電動車のモータ駆動制御装置
JP2000032602A (ja) * 1998-07-10 2000-01-28 Toyota Motor Corp モータ温度制御装置及び方法
JP2000078744A (ja) * 1998-09-01 2000-03-14 Hitachi Ltd 車両用主電動機の保護装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08251715A (ja) * 1995-03-15 1996-09-27 Yamaha Motor Co Ltd 電動車のモータ駆動制御装置
JP2000032602A (ja) * 1998-07-10 2000-01-28 Toyota Motor Corp モータ温度制御装置及び方法
JP2000078744A (ja) * 1998-09-01 2000-03-14 Hitachi Ltd 車両用主電動機の保護装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011121525A (ja) * 2009-12-11 2011-06-23 Honda Motor Co Ltd 移動装置
JP2012249365A (ja) * 2011-05-25 2012-12-13 Shin Kobe Electric Mach Co Ltd リチウムイオン電池を搭載した電動カート及び電動カート用リチウムイオン電池の充電方法
CN108215895A (zh) * 2017-12-29 2018-06-29 吉林大学 纯电动汽车回收能量管理方法及管理系统
CN108215895B (zh) * 2017-12-29 2019-11-19 吉林大学 纯电动汽车回收能量管理方法及管理系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4380700B2 (ja) 電動車両
JP4941595B2 (ja) 電源システム
JP4232789B2 (ja) 内燃機関の停止制御装置および停止制御方法
US8674637B2 (en) Vehicle
US8659182B2 (en) Power supply system and electric powered vehicle including power supply system, and method for controlling power supply system
CA2645623C (en) Motor drive control system and method for controlling the same
JP4946100B2 (ja) モータ駆動制御装置およびそれを搭載する電動車両ならびにモータ駆動制御方法
JP4985561B2 (ja) 車両駆動用モータの制御装置
JP4702112B2 (ja) 電動機制御装置および電動機制御方法
JP4835383B2 (ja) 電力供給ユニットの制御装置および制御方法、その方法をコンピュータに実現させるためのプログラム、そのプログラムを記録した記録媒体
JP2006262645A (ja) 車両の制御装置
JP5015858B2 (ja) 電動車両の電源システムおよびその制御方法
US10189477B2 (en) Hybrid vehicle
JP2009219200A (ja) ハイブリッド車両の電源システム
JP2013192278A (ja) 電動車両
JP4765939B2 (ja) 電動車両
JP5045572B2 (ja) 車両駆動用モータの制御装置
JP2003164002A (ja) 電気自動車の回生制動装置
JP4848976B2 (ja) 電動機の制御装置
JP2009060726A (ja) 車両の電源装置およびその制御方法
JP2017169363A (ja) 車両の制御装置
JP4590960B2 (ja) 電動機駆動装置
JP2019180210A (ja) 車両電源システム
JP2019180213A (ja) 車両電源システム
JP2008167600A (ja) 電動車両

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091014

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110307

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110315

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110511

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111206

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120828