JP2008166539A - 光電変換素子の製造方法、光電変換素子、固体撮像素子 - Google Patents

光電変換素子の製造方法、光電変換素子、固体撮像素子 Download PDF

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Abstract

【課題】暗電流の少ない光電変換素子の製造方法を提供する。
【解決手段】基板上に下部電極101を形成する下部電極形成工程と、下部電極101上に有機光電変換層102を形成する有機光電変換層形成工程と、有機光電変換層102上に金属酸化体からなる正孔ブロッキング層103を形成する正孔ブロッキング層形成工程と、正孔ブロッキング層103上に上部電極104を形成する上部電極形成工程とを備え、ブロッキング層形成工程は、有機光電変換層102上に金属材料を成膜する成膜工程と、該成膜工程で成膜された金属材料を酸化する酸化工程とからなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、下部電極と、前記下部電極に対向する上部電極と、前記下部電極と前記上部電極との間に形成された有機光電変換層と、前記上部電極から前記有機光電変換層に電荷が注入されるのを抑制する前記有機光電変換層と前記上部電極との間に形成されたブロッキング層とを含む光電変換素子、およびその製造方法に関する。
従来の光センサは、シリコン(Si)などの半導体基板中にフォトダイオード(PD)を形成して作成した素子が一般的であり、固体撮像素子としては、半導体基板中にPDを2次元的に配列し、各PDで光電変換により発生した信号電荷に応じた信号をCCDやCMOS回路で読み出す平面型固体撮像素子が広く用いられている。カラー固体撮像素子を実現する方法としては、平面型固体撮像素子の光入射面側に、色分離用に特定の波長の光のみを透過するカラーフィルタを配した構造が一般的であり、特に、現在デジタルカメラなどに広く用いられている方式として、2次元的に配列した各PD上に、青色(B)光、緑色(G)光、赤色(R)光をそれぞれ透過するカラーフィルタを規則的に配した単板式固体撮像素子がよく知られている。
ただし、単板式固体撮像素子においては、カラーフィルタが限られた波長の光のみしか透過しないため、カラーフィルタを透過しなかった光が利用されず光利用効率が悪い。また、高集積化に伴い、PDのサイズが光の波長と同程度のサイズとなり、光がPDに導波されにくくなる。また、青色光、緑色光、赤色光を、近接するそれぞれ別々のPDで検出した後それらを演算処理することによって色再現するため、偽色が生じることがあり、この偽色を回避するために光学的ローパスフィルタを必要とし、このフィルタによる光損失も生じる。
従来、これらの欠点を解決する素子として、シリコンの吸収係数の波長依存性を利用して、シリコン基板内に3つのPDを積層し、それぞれのPDのpn接合面の深さの差によって色分離を行うカラーセンサが報告されている(特許文献1,2,3参照)。しかしながら、この方式では、積層されたPDでの分光感度の波長依存性がブロードであり、色分離が不十分であるという問題点がある。特に、青色と緑色の色分離が不十分である。
この問題点を解決するために、緑色光を検出してこれに応じた信号電荷を発生する有機光電変換素子をシリコン基板上方に設け、シリコン基板内に積層した2つのPDで青色光と赤色光を検出するという積層型撮像素子が提案されている(特許文献4参照)。シリコン基板上方に設けられる有機光電変換素子は、シリコン基板上に積層された下部電極と、下部電極上に積層された有機材料からなる有機光電変換層と、有機光電変換層上に積層された上部電極とを含んで構成されており、下部電極と上部電極間に電圧を印加することで、有機光電変換層内で発生した信号電荷が下部電極と上部電極に移動し、いずれかの電極に移動した信号電荷に応じた信号が、シリコン基板内に設けられたCCDやCMOS回路等で読み出される構成となっている。本明細書において、光電変換層とは、そこに入射した特定の波長の光を吸収し、吸収した光量に応じた電子及び正孔を発生する層のことを言う。
このような積層型撮像素子において、上部電極側から光を当てるものとし、この光によって光電変換層で発生した信号電荷のうちの電子を上部電極で捕集し、正孔を下部電極で捕集するものとした場合のエネルギーダイヤグラムを図10に示した。この場合、上部電極は、光を有機光電変換層へ入射させる必要があるため、透明性の高い電極を用いる必要がある。透明性の高い電極材料としては透明導電性酸化物、特にプロセス適性や平滑性の観点からITO(Snがドープされた酸化インジウム)等が候補として挙げられる。透明導電性酸化物を電子捕集する電極として用いた場合、その仕事関数が一般に大きいため、図10に示したように有機光電変換層への正孔注入が起こりやすい。したがって、下部電極で捕集した正孔に応じた信号を外部に取り出して利用しようとする場合は、特にバイアス印加時の暗電流が著しく増大して撮像時のS/N比を確保することが難しい。
このため、上部電極と有機光電変換層との間に、上部電極から正孔注入を抑制するための正孔ブロッキング層を設けることが望まれる。正孔ブロッキング層は、上部電極からの正孔注入をブロッキングするとともに、有機光電変換層により生じた電子を効率良く上部電極に輸送できる必要がある。したがって、正孔輸送性・注入性が低く、かつ電子輸送性が高い材料を用いることが望まれる。
正孔ブロッキング層として正孔をブロッキングする機能を十分に発現するためにはある程度の厚みが必要になるが、有機材料を用いる場合、高い電子輸送性を有する有機材料が少ないため、ある一定の量子効率を得るために要する印加電圧が非常に大きくなる。又、ブロッキング層として設けた厚みの分だけ、必然的に大きな駆動電圧が必要となる。駆動電圧が大きくなると、撮像素子に適用した場合に、消費電力が増加する、画素欠陥が目立って現れてくるといった欠点を生じる。
一方、無機材料は有機材料に比べて電子輸送性に優れた材料が比較的多い。又、無機材料には比誘電率が大きなものも多く、その場合ブロッキング層として用いても電圧は主に有機光電変換層にかかることになる。そのため、駆動電圧の増大は有機材料をブロッキング層に用いた場合に比べて小さく、効率良く正孔注入をブロッキングすることが可能となる。比誘電率の大きな材料による注入電流抑制については、特願2006-059968に詳しく記載されている。
さらに、無機材料は有機材料に比べ物理的に堅牢なものが多いため、無機材料によるブロッキング層を有機光電変換膜上に損傷を与えることなく成膜できれば、上部電極成膜時における有機光電変換層の損傷も抑えられると期待できる。
このような理由から、有機光電変換素子においては、物理的に堅牢性が高く、かつ電子輸送性が高くて透明性の高い無機材料を正孔ブロッキング層として用いることが考えられる。そのような材料の代表例として、金属酸化物等の金属酸化体が挙げられる。尚、本明細書において、「金属酸化体」とは、酸化数が正である金属原子を含む無機化合物であるとする。又、「酸化」とは、広く電子を奪われる化学変化を意味しており、一般に「広義の」酸化と呼ばれるものである(一方、「狭義の」酸化は、純物質が酸素と化合することを意味する)。「酸化数」についても、広義の酸化の定義に基づいて一般に定義されている。これら定義に基づき、例えば、化学変化により単体の金属原子の酸化数がゼロから正の値に変わる現象は、金属の「酸化」現象に含まれることとなる。
しかしながら、有機光電変換層と金属酸化体とを組み合わせて有機光電変換素子を作成する場合には、大きな問題が残されている。例えば金属酸化物を例に挙げると、そのほとんどは融点・沸点が著しく高いため、通常の抵抗加熱蒸着法では成膜が困難である。これらを薄膜形成するためには、主に真空中で電子ビーム蒸着法、あるいはスパッタ法により成膜することになる。抵抗加熱蒸着で成膜することができる金属酸化物もあるが、非常に高温の加熱を必要とする。下部電極で正孔捕集し、上部電極で電子捕集する有機光電変換素子を作製する場合、下部電極、有機光電変換層、金属酸化物、上部電極の順に成膜することになるが、上記いずれの成膜方法においても、金属酸化物の成膜時に有機光電変換層に与える物理的・化学的な損傷が大きく、素子性能の劣化、あるいは素子のショートを生む原因となりえる。損傷の無い素子を作製することもできるが、その場合においても、複数の有機光電変換素子を作ったときの歩留まりは大きく損なわれる結果となる。ここでは金属酸化物を例に挙げたが、他の金属酸化体についても、有機光電変換層に損傷を与えない程度の温度で抵抗加熱蒸着ができる材料はごくわずかである。
上述してきた構成とは逆に、下部電極で電子捕集し、上部電極で正孔捕集する有機光電変換素子の構成も考えられる。この場合、下部電極、金属酸化物、有機光電変換層、上部電極の順に成膜するため、金属酸化物の成膜によって有機光電変換層が損傷を受けることはない。しかしながら、有機光電変換材料は一般に電子輸送性に優れておらず、その電子ドリフト長は短い。光照射時には光入射側である有機光電変換層上部で多くの電子(および正孔)が発生するが、電子ドリフト長が短いために、電子を下部電極に取り出して利用する場合、多くの電子は下部電極まで輸送されることができず量子効率が大きく損なわれることとなる。この電荷輸送性と捕集電極による量子効率の変化については、特願2005-263670および特願2005-267138に詳しく記載されている。
以上のような理由から、有機光電変換素子においては、有機光電変換層で発生した正孔に応じた信号を利用する場合と、有機光電変換層で発生した電子に応じた信号を利用する場合とのいずれの場合も、上部電極で電子を捕集し、下部電極で正孔を捕集するのが好ましいと考えられる。
非特許文献1には、基板上に形成された下部電極と、下部電極上に形成された無機材料(例としてa−Se)からなる無機光電変換層と、無機光電変換層上に形成された上部電極とを備え、上部電極を光入射側の電極とし、下部電極を電子捕集用として、下部電極と無機光電変換層との間に、金属酸化物(例としてSnOやCeO)からなる正孔ブロッキング層を設けた受光素子が開示されている。
米国特許第5965875号明細書 米国特許第6632701号明細書 特開平7−38136号公報 特開2003−332551号公報 Japanese Journal of Applied Physics VOL.21,No2,February,1982 pp213-223
非特許文献1の受光素子において、無機光電変換層を有機光電変換層に変える場合、上述した理由から、上部電極を電子捕集電極とし、上部電極と有機光電変換層との間に金属酸化物からなる正孔ブロッキング層を設けることが好ましいが、この構成を実現しようとすると、上述したような有機光電変換層の性能劣化という技術的課題が発生するため、非特許文献1の正孔ブロッキング層の技術を有機光電変換素子に適用することは容易ではない。しかしながら、有機膜に損傷を与えること無くその上部に金属酸化体を成膜する手段があれば、光電変換材料である有機材料の比誘電率(通常3程度)がa-Seの比誘電率(約6)に比べ小さいため正孔ブロッキング層にかかる電圧は小さくなり、光電変換材料にa-Seを用いた光電変換素子より効果的に正孔注入電流を抑えられる可能性がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、正孔ブロッキング層成膜時における有機光電変換層の性能劣化という技術的課題を解決して、暗電流の少ない光電変換素子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の光電変換素子の製造方法は、下部電極と、前記下部電極に対向する上部電極と、前記下部電極と前記上部電極との間に形成された有機光電変換層と、前記上部電極から前記有機光電変換層に電荷が注入されるのを抑制する前記有機光電変換層と前記上部電極との間に形成されたブロッキング層とを含む光電変換素子の製造方法であって、前記上部電極が光入射側の電極であり、基板上に前記下部電極を形成する下部電極形成工程と、前記下部電極上に前記有機光電変換層を形成する有機光電変換層形成工程と、前記有機光電変換層上に金属酸化体からなる前記ブロッキング層を形成するブロッキング層形成工程と、前記ブロッキング層上に前記上部電極を形成する上部電極形成工程とを備え、前記ブロッキング層形成工程は、前記有機光電変換層上に金属材料を成膜する成膜工程と、前記成膜工程で成膜された前記金属材料を酸化する酸化工程とからなる。
本発明の光電変換素子は、下部電極と、前記下部電極上に形成された有機光電変換層と、前記有機光電変換層上に形成された上部電極とを含む光電変換素子であって、前記上部電極を光入射側の電極とし、前記上部電極と前記有機光電変換層との間に前記上部電極から前記有機光電変換層に電荷が注入されるのを抑制するブロッキング層を備え、前記ブロッキング層が金属酸化体で構成される。
本発明の光電変換素子は、前記金属酸化体が、金属酸化物又は金属水酸化物の絶縁材料である。
本発明の光電変換素子は、前記ブロッキング層が、前記有機光電変換層上に金属材料を成膜する成膜工程と、前記成膜工程によって成膜された前記金属材料を酸化する酸化工程とによって形成されたものである。
本発明の光電変換素子は、前記成膜工程が、前記金属材料を抵抗加熱蒸着法によって成膜する工程である。
本発明の光電変換素子は、前記酸化工程が、前記成膜工程における前記金属材料の成膜時の前記金属材料と前記有機光電変換層との界面で起こる酸化還元反応によって実現される工程である。
本発明の光電変換素子は、前記酸化工程が、酸素濃度1%以下の不活性ガス雰囲気下で行われたものである。
本発明の光電変換素子は、前記金属酸化体が、仕事関数4eV以下の金属の酸化体である。
本発明の光電変換素子は、前記金属酸化体が、酸化数が+1価又は+2価の金属原子を含む。
本発明の光電変換素子は、前記金属酸化体がカルシウムの酸化体である。
本発明の光電変換素子は、前記カルシウムの酸化体が水酸化カルシウムである。
本発明の光電変換素子は、前記ブロッキング層の厚みが1〜100nmである。
本発明の光電変換素子は、前記ブロッキング層の比誘電率が10以上である。
本発明の光電変換素子は、前記ブロッキング層が可視光を90%以上透過する透明層である。
本発明の光電変換素子は、前記上部電極を前記有機光電変換層で発生した電子を捕集するための電極とし、前記下部電極を前記有機光電変換層で発生した正孔を捕集するための電極とした。
本発明の光電変換素子は、前記有機光電変換層の厚みが10nm〜200nm以下である。
本発明の光電変換素子は、前記上部電極及び前記下部電極間に3Vの電圧を印加したときの外部量子効率が10%以上となる。
本発明の光電変換素子は、前記上部電極及び前記下部電極間に10Vの電圧を印加したときの外部量子効率が25%以上となる。
本発明の光電変換素子は、前記有機光電変換層が、キナクリドン骨格又はフタロシアニン骨格を有する有機材料を含んで構成される。
本発明の光電変換素子は、前記上部電極がスパッタ法によって形成されたものである。
本発明の光電変換素子は、前記上部電極がITOである。
本発明の光電変換素子は、前記下部電極がITOである。
本発明の固体撮像素子は、半導体基板上方に少なくとも1つ積層された請求項2〜22のいずれか1項記載の光電変換素子と、前記少なくとも1つの光電変換素子の各々で発生した信号電荷に応じた信号を読み出す、前記半導体基板に形成されたCMOS型又はCCD型の信号読出し部とを備える。
本発明の固体撮像素子は、前記光電変換素子が前記上部電極を前記有機光電変換層で発生した電子を捕集するための電極とし、前記下部電極を前記有機光電変換層で発生した正孔を捕集するための電極としたものであり、前記信号読出し部が、前記光電変換素子の下部電極に接続されており、前記下部電極で捕集した正孔を信号電荷として用いる。
本発明の固体撮像素子は、前記半導体基板内に、前記光電変換素子の前記有機光電変換層を透過した光を吸収し、該光に応じた電荷を発生してこれを蓄積する基板内光電変換部を備える。
本発明の固体撮像素子は、前記有機光電変換層が緑色の波長域の光を吸収してこれに応じた信号電荷を発生し、前記基板内光電変換部が、前記半導体基板内に積層された2つのフォトダイオードからなり、前記2つのフォトダイオードが、赤色の波長域の光を吸収してこれに応じた信号電荷を発生するRフォトダイオードと、青色の波長域の光を吸収してこれに応じた信号電荷を発生するBフォトダイオードである。
本発明の固体撮像素子は、前記半導体基板上方に前記光電変換素子が3つ積層され、前記3つの光電変換素子が、赤色の波長域の光を吸収してこれに応じた信号電荷を発生するR光電変換素子と、緑色の波長域の光を吸収してこれに応じた信号電荷を発生するG光電変換素子と、青色の波長域の光を吸収してこれに応じた信号電荷を発生するB光電変換素子である。
本発明の固体撮像素子は、前記半導体基板上方に前記光電変換素子が1つ積層され、前記光電変換素子が、赤外域の光を吸収してこれに応じた信号電荷を発生する赤外光電変換素子である。
本発明によれば、暗電流の少ない光電変換素子の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態である光電変換素子の断面模式図である。
図1に示す光電変換素子は、下部電極101と、下部電極101上に形成された光電変換層102と、光電変換層102上に形成された正孔ブロッキング層103と、正孔ブロッキング層103上に形成された上部電極104とを備える。
光電変換層102は、光電変換機能を有する有機材料を含んで構成される。有機材料としては、例えば電子写真の感光材料に用いられているような、様々な有機半導体材料を用いることができる。その中でも、高い光電変換性能を有すること、分光する際の色分離に優れていること、長時間の光照射に対する耐久性が高いこと、真空蒸着を行いやすいこと、等の観点から、キナクリドン骨格を含む材料やフタロシアニン骨格を含む有機材料が特に好ましい。
光電変換層102として以下の化1で示されるキナクリドンを用いた場合には、光電変換層102にて緑色の波長域の光を吸収してこれに応じた電荷を発生することが可能となる。光電変換層102として以下の化2で示される亜鉛フタロシアニンを用いた場合には、光電変換層102にて赤色の波長域の光を吸収してこれに応じた電荷を発生することが可能となる。
光電変換層102は、この上の正孔ブロッキング層103が、上部電極104形成時に光電変換層102に与えられる損傷を軽減する役割も果たす場合、光電変換層102上に上部電極104が直接形成される従来構成よりも厚みを薄くすることが可能となる。光電変換層102の厚みは、光吸収率やバイアス電圧の低電圧化等を考慮すると、10nm〜200nm程度であることが好ましい。
図1に示す光電変換素子は、上部電極104上方から光が入射するものとしている。又、図1に示す光電変換素子は、光電変換層102で発生した電荷(正孔及び電子)のうち、正孔を下部電極101に移動させ、電子を上部電極104に移動させるように、下部電極101及び上部電極104間にバイアス電圧が印加されるものとしている。つまり、上部電極104を電子捕集用の電極とし、下部電極101を正孔捕集用の電極としている。
上部電極104は、光電変換層102に光を入射させる必要があるため、透明な導電性材料で構成されている。ここで、透明とは、波長が約420nm〜約660nmの範囲の可視光を約80%以上透過することを言う。透明な導電性材料としてはITOを用いることが好ましい。
下部電極101は導電性材料であれば良く、透明である必要はない。しかし、図1に示す光電変換素子は、後述するが、下部電極101下方にも光を透過させることが必要になる場合もあるため、下部電極101も透明な導電性材料で構成することが好ましい。上部電極104と同様に、下部電極101においてもITOを用いることが好ましい。
正孔ブロッキング層103は、光電変換層102に光を入射させる必要があるため、波長が約420nm〜約660nmの範囲の可視光を80%以上、好ましくは90%以上透過する材料で構成される。又、正孔ブロッキング層103は、バイアス電圧印加時に、上部電極104から光電変換層102に正孔が注入されるのを抑制すると共に、光電変換層102で発生した電子を輸送する機能を持たせる必要があるため、前述のように、正孔輸送性・注入性が低く、かつ電子輸送性が高い材料が用いられる。
本実施形態では、正孔輸送性・注入性が低くかつ電子輸送性が高い材料として水酸化カルシウム等の絶縁性の金属水酸化物等やCeO等の絶縁性の金属酸化物の金属酸化体を用いたことを特徴としている。ただし、光電変換層102上に金属酸化体そのものを成膜して正孔ブロッキング層103を形成する方法では、上述したように、光電変換層102の性能が劣化してしまう。そこで、本実施形態の光電変換素子では、その製造方法を工夫することで、光電変換層102の性能劣化を防ぐことを可能にしている。以下、図1に示した光電変換素子の製造方法を説明する。
まず、ガラス基板等の絶縁体上に、例えばITOをスパッタ法によって成膜して下部電極101を形成する。次に、下部電極101上に、例えばキナクリドンを真空加熱蒸着によって成膜して光電変換層102を形成する。次に、光電変換層102上に、金属を抵抗加熱蒸着法によって成膜する。次に、成膜した金属を酸化させて金属酸化体として正孔ブロッキング層103を形成する。最後に、正孔ブロッキング層103上に、例えばITOをスパッタ法によって成膜して上部電極104を形成する。
成膜した金属を酸化する方法としては、金属の蒸着時に、光電変換層102との界面近傍で発生する酸化還元反応を利用する方法(1)や、酸素が存在する雰囲気下に基板を移動させて金属と酸素とを化合する方法(2)や、水分が存在する雰囲気下に基板を移動させ、金属を水と反応させる方法(3)や、(1)と(2)又(3)とを組み合わせた方法等がある。
例えば、金属としてCa(カルシウム)を用いた場合を例にすると、キナクリドンとの界面極近傍のカルシウムは、抵抗加熱蒸着時にキナクリドンと酸化還元反応を起こし酸化される。さらに、基板を、酸素と水分が存在する雰囲気下にあるグローブボックスに一定期間入れておくと、グローブボックス雰囲気中の極微量の水分と反応して金属カルシウムの層全体が酸化される。
非特許文献(S.Cros et al, Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B 251 (2006) 257-260)によれば、同位体分析の結果から、酸素と水分が存在する雰囲気下では、金属カルシウムは室温において酸素とはほとんど反応せず、水と反応して水酸化カルシウムを形成することが分かっている。雰囲気に含まれる水分が極微量であっても(例えば露点−80℃の雰囲気下であっても)、この反応はよく進むことが知られている。実際、石英基板上に、抵抗加熱蒸着によってCaを100nmの厚みで成膜した場合、Caの蒸着直後は金属光沢を有する金属カルシウム膜が形成されたが、この石英基板を大気に晒すことなく酸素濃度0.3ppm、露点−80℃の雰囲気下のグローブボックスに移して数時間保存すると、金属カルシウム膜が透明な水酸化カルシウム膜となった。このように、Caの場合は、上記(1)と(3)とを組み合わせることで、金属酸化体を形成することができる。
前記水酸化カルシウム膜は、透明性が非常に高く可視光の吸収はほとんど無い。又、インピーダンス測定により求めた水酸化カルシウムの比誘電率は約12であり、一般的な有機材料より大きいため、正孔ブロッキング層として用いた場合に大きなバイアス電圧を必要としない。又、水酸化カルシウム膜は、有機材料に比べて物理的にも堅牢な膜であるため、上部電極104形成時の光電変換層102の損傷を防ぐのにも適している。
金属を抵抗加熱蒸着法によって成膜する場合は、金属酸化体を抵抗加熱蒸着法によって成膜する場合に比べて加熱温度を低くすることができる。このため、以上の製造方法によれば、正孔ブロッキング層103形成時に光電変換層102に加わる損傷を減らすことができる。又、上部電極104形成時には、正孔ブロッキング層103を光電変換層102の保護層として機能させることができるため、上部電極104形成時に光電変換層102に加わる損傷を減らすことができる。この結果、暗電流が少なく、且つ、光電変換性能の劣化が少ない光電変換素子を製造することが可能となる。
尚、酸素が多く存在する雰囲気に光電変換層102を晒すと、有機光電変換材料の電子輸送性が下がり、外部量子効率を大きく損なう。このため、大気中のような環境での酸化は好ましくない(この現象については特願2005-263670に詳しく記載されている)。実際に、上部電極104形成前にキナクリドンを酸素に晒した場合、電子輸送性が低下して外部量子効率を損なう結果となった。このため、金属の酸化は、外部量子効率に影響がでない程度の雰囲気下(酸素濃度1%以下の不活性ガス(例えばN2、Ar等)雰囲気下)で行うのが好ましく、酸素濃度が1ppm以下であれば特に好ましい。
又、以上の説明では、正孔ブロッキング層103形成のための金属の成膜を、抵抗加熱蒸着によって行っているが、成膜方法はこれに限らず、光電変換層102の特性を劣化させるほどの損傷を与えない成膜方法であれば他の方法を採用することもできる。
正孔ブロッキング層103に用いることのできる金属酸化体としては、例えばLi、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、Ce、Y、Hf、Ni、Ga、Tlのいずれかの金属の酸化物が挙げられる。これらの金属の中でも、仕事関数が4eV以下の金属や、+1価又は+2価の酸化数をとる金属や、仕事関数が4eV以下で且つ+1価又は+2価の酸化数をとる金属は、酸化しやすいため、特に好ましく用いることができる。
正孔ブロッキング層103の厚みは、1nm〜200nmの範囲が好ましい。光電変換層102で発生した電子を上部電極104に移動させる必要があるので、この厚みが大きすぎるとブロッキング性は向上するが、光電変換層102で発生した電子が取り出しにくくなり、外部量子効率が低下してしまうためである。
以上の説明では、正孔注入を防ぐために金属酸化体の正孔ブロッキング層を設けるものとしたが、電子を捕集する側の上部電極と光電変換層との間に、仕事関数の小さい金属の薄い層を設けることでも、正孔注入を効果的に抑制することができる。このような技術については、特願2005-251745に詳しく記載されている。透明性を保ちつつ正孔注入を抑制するために、仕事関数の小さい金属を極薄膜として、透明電極と組み合わせて用いている。これにより数桁の暗電流抑制が達成できるが、透明性を保つために数nmオーダーの極薄膜を用いており、nmレベル以上の凹凸を持つ電極あるいは有機膜の上にこれを成膜する場合、正孔注入を効果的に抑えることができる印加電圧の範囲が十分でない。高い電圧を印加した時の暗電流を、さらに抑える必要がある。本発明の光電変換素子によれば、このような問題はなく、暗電流を効果的に抑制することができる。
光電変換層の電荷輸送特性については、特願2005-263670および特願2005-267138に詳しく記載されている。
以下の第二実施形態〜第四実施形態では、上述したような光電変換素子を半導体基板上方に積層した構成のセンサとしてあげられる構成例を説明する。
(第二実施形態)
図2は、本発明の第二実施形態を説明するための固体撮像素子の1画素分の断面模式図である。図2において図1と同等の構成には同一符号を付してある。
この固体撮像素子は、図2に示す1画素が同一平面上でアレイ状に多数配置されたものであり、この1画素から得られる信号によって画像データの1つの画素データを生成することができる。
図2に示す固体撮像素子の1画素は、p型シリコン基板1と、p型シリコン基板1上に形成された透明な絶縁膜7と、絶縁膜7上に形成された下部電極101、下部電極101上に形成された光電変換層102、光電変換層102上に形成された正孔ブロッキング層103(図示省略)、及び正孔ブロッキング層103上に形成された上部電極104からなる第一実施形態で説明した構成の光電変換素子とを含んで構成され、光電変換素子上には開口の設けられた遮光膜14が形成されている。上部電極104上には透明な絶縁膜15が形成されている。
p型シリコン基板1内には、その浅い方からn型不純物領域(以下、n領域と略す)4と、p型不純物領域(以下、p領域と略す)3と、n領域2がこの順に形成されている。n領域4の遮光膜14によって遮光されている部分の表面部には、高濃度のn領域(n+領域という)6が形成され、n+領域6の周りはp領域5によって囲まれている。
n領域4とp領域3とのpn接合面のp型シリコン基板1表面からの深さは、青色光を吸収する深さ(約0.2μm)となっている。したがって、n領域4とp領域3は、青色光を吸収してそれに応じた電荷を蓄積するフォトダイオード(Bフォトダイオード)を形成する。Bフォトダイオードで発生した電子は、n領域4に蓄積される。
n領域2とp型シリコン基板1とのpn接合面のp型シリコン基板1表面からの深さは、赤色光を吸収する深さ(約2μm)となっている。したがって、n領域2とp型シリコン基板1は、赤色光を吸収してそれに応じた電荷を蓄積するフォトダイオード(Rフォトダイオード)を形成する。Rフォトダイオードで発生した電子は、n領域2に蓄積される。
n+領域6は、絶縁膜7に開けられた開口に形成された接続部9を介して下部電極101と電気的に接続されている。下部電極101で捕集された正孔は、n+領域6の電子と再結合するため、捕集した正孔の数に応じ、n+領域6にリセット時に蓄積された電子が減少することとなる。接続部9は、下部電極101とn+領域6以外とは絶縁膜8によって電気的に絶縁される。
n領域2に蓄積された電子は、p型シリコン基板1内に形成されたnチャネルMOSトランジスタからなるMOS回路(不図示)によってその電荷量に応じた信号に変換され、n領域4に蓄積された電子は、p領域3内に形成されたnチャネルMOSトランジスタからなるMOS回路(不図示)によってその電荷量に応じた信号に変換され、n+領域6に蓄積されている電子は、p領域5内に形成されたnチャネルMOSトランジスタからなるMOS回路(不図示)によってその電荷量に応じた信号に変換されて、固体撮像素子100外部へと出力される。各MOS回路は配線10によって図示しない信号読み出しパッドに接続される。尚、n領域2、n領域4に引き出し電極を設け、所定のリセット電位をかけると、各領域が空乏化し、各pn接合部の容量は限りなく小さい値になる。これにより、接合面に生じる容量を極めて小さくすることができる。
このような構成により、光電変換層102でG光を光電変換し、p型シリコン基板1中のBフォトダイオードとRフォトダイオードでB光およびR光を光電変換することができる。また上部でG光がまず吸収されるため、B−G間およびG−R間の色分離は優れている。これが、シリコン基板内に3つのPDを積層し、シリコン基板内でBGR光を全て分離する形式の固体撮像素子に比べ、大きく優れた点である。
(第三実施形態)
本実施形態では、図2のシリコン基板1内に2つのフォトダイオードを積層するのではなく、入射光の入射方向に対して垂直な方向に2つのフォトダイオードを配列して、p型シリコン基板内で2色の光を検出するようにしたものである。
図3は、本発明の第三実施形態を説明するための固体撮像素子の1画素分の断面模式図である。図3において図1と同等の構成には同一符号を付してある。
図3に示す固体撮像素子200の1画素は、p型シリコン基板17と、p型シリコン基板17上方に形成された下部電極101、下部電極101上に形成された光電変換層102、光電変換層102上に形成された正孔ブロッキング層103(図示省略)、及び正孔ブロッキング層103上に形成された上部電極104からなる第一実施形態で説明した構成の光電変換素子とを含んで構成され、光電変換素子上には開口の設けられた遮光膜34が形成されている。また、上部電極104上には透明な絶縁膜33が形成されている。
遮光膜34の開口下方のp型シリコン基板17表面には、p領域19とn領域18からなるフォトダイオードと、p領域21とn領域20からなるフォトダイオードとが、p型シリコン基板17表面に並んで形成されている。p型シリコン基板17表面上の任意の面方向が、入射光の入射方向に対して垂直な方向となる。
p領域19とn領域18からなるフォトダイオードの上方には、透明な絶縁膜24を介してB光を透過するカラーフィルタ28が形成され、その上に下部電極101が形成されている。p領域21とn領域20からなるフォトダイオードの上方には、透明な絶縁膜24を介してR光を透過するカラーフィルタ29が形成され、その上に下部電極101が形成されている。カラーフィルタ28,29の周囲は、透明な絶縁膜25で覆われている。
p領域19とn領域18からなるフォトダイオードは、カラーフィルタ28を透過したB光を吸収してそれに応じた電子を発生し、発生した電子をn領域18に蓄積する。p領域21とn領域20からなるフォトダイオードは、カラーフィルタ29を透過したR光を吸収してそれに応じた電子を発生し、発生した電子をn領域20に蓄積する。
n型シリコン基板17表面の遮光膜34によって遮光されている部分には、n+領域23が形成され、n+領域23の周りはp領域22によって囲まれている。
n+領域23は、絶縁膜24,25に開けられた開口に形成された接続部27を介して下部電極101と電気的に接続されている。下部電極101で捕集された正孔は、n+領域23の電子と再結合するため、捕集した正孔の数に応じ、n+領域23にリセット時に蓄積された電子が減少することとなる。接続部27は、下部電極101とn+領域23以外とは絶縁膜26によって電気的に絶縁される。
n領域18に蓄積された電子は、p型シリコン基板17内に形成されたnチャネルMOSトランジスタからなるMOS回路(不図示)によってその電荷量に応じた信号に変換され、n領域20に蓄積された電子は、p型シリコン基板17内に形成されたnチャネルMOSトランジスタからなるMOS回路(不図示)によってその電荷量に応じた信号に変換され、n+領域23に蓄積されている電子は、p領域22内に形成されたnチャネルMOSトランジスタからなるMOS回路(不図示)によってその電荷量に応じた信号に変換されて、固体撮像素子200外部へと出力される。各MOS回路は配線35によって図示しない信号読み出しパッドに接続される。
尚、信号読出し部は、MOS回路ではなくCCDとアンプによって構成しても良い。つまり、n領域18、n領域20、及びn+領域23に蓄積された電子をp型シリコン基板17内に形成したCCDに読み出し、これをCCDでアンプまで転送して、アンプからその電子に応じた信号を出力させるような信号読出し部であっても良い。
このように、信号読み出し部は、CCDおよびCMOS構造が挙げられるが、消費電力、高速読出し、画素加算、部分読出し等の点からは、CMOSの方が好ましい。
尚、図3では、カラーフィルタ28,29によってR光とB光の色分離を行っているが、カラーフィルタ28,29を設けず、n領域20とp領域21のpn接合面の深さと、n領域18とp領域19のpn接合面の深さを各々調整して、それぞれのフォトダイオードでR光とB光を吸収するようにしても良い。この場合、p型シリコン基板17と下部電極101との間(例えば絶縁膜24とp型シリコン基板17との間)に、光電変換層102を透過した光を吸収して、該光に応じた電荷を発生しこれを蓄積する無機材料からなる無機光電変換部を形成することも可能である。この場合、p型シリコン基板17内に、この無機光電変換部の電荷蓄積領域に蓄積された電荷に応じた信号を読み出すためのMOS回路を設け、このMOS回路にも配線35を接続しておけば良い。
また、p型シリコン基板17内に設けるフォトダイオードを1つとし、p型シリコン基板17上方に光電変換部を複数積層した構成としても良い。更に、p型シリコン基板17内に設けるフォトダイオードを複数とし、p型シリコン基板17上方に光電変換部を複数積層した構成としても良い。また、カラー画像を作る必要がないのであれば、p型シリコン基板17内に設けるフォトダイオードを1つとし、光電変換部を1つだけ積層した構成としても良い。
(第四実施形態)
本実施形態の固体撮像素子は、図1のシリコン基板内にフォトダイオードを設けず、シリコン基板上方に複数(ここでは3つ)の光電変換素子を積層した構成である。
図4は、本発明の第四実施形態を説明するための固体撮像素子の1画素分の断面模式図である。
図4に示す固体撮像素子300は、シリコン基板41上方に、下部電極101r、下部電極101r上に積層された光電変換層102r、光電変換層102r上に形成された正孔ブロッキング層103r(図示省略)、及び正孔ブロッキング層103r上に積層された上部電極104rを含むR光電変換素子と、下部電極101b、下部電極101b上に積層された光電変換層102b、光電変換層102b上に形成された正孔ブロッキング層103b(図示省略)、及び正孔ブロッキング層103b上に積層された上部電極104bを含むB光電変換素子と、下部電極101g、下部電極101g上に積層された光電変換層102g、光電変換層102g上に形成された正孔ブロッキング層103g(図示省略)、及び正孔ブロッキング層103g上に積層された上部電極104gを含むG光電変換素子とが、それぞれに含まれる下部電極をシリコン基板41側に向けた状態で、この順に積層された構成となっている。
シリコン基板41上には透明な絶縁膜48が形成され、その上にR光電変換素子が形成され、その上に透明な絶縁膜59が形成され、その上にB光電変換素子が形成され、その上に透明な絶縁膜63が形成され、その上にG光電変換素子が形成され、その上に開口の設けられた遮光膜68が形成され、その上に透明な絶縁膜67が形成されている。
G光電変換素子に含まれる下部電極101g、光電変換層102g、正孔ブロッキング層103g、及び上部電極104gは、それぞれ、図1に示す下部電極101、光電変換層102、正孔ブロッキング層103、及び上部電極104と同じ構成である。ただし、光電変換層102gは、緑色光を吸収してこれに応じた電子及び正孔を発生する有機材料を用いる。
B光電変換素子に含まれる下部電極101b、光電変換層102b、正孔ブロッキング層103b、及び上部電極104bは、それぞれ、図1に示す下部電極101、光電変換層102、正孔ブロッキング層103、及び上部電極104と同じ構成である。ただし、光電変換層102bは、青色光を吸収してこれに応じた電子及び正孔を発生する有機材料を用いる。
R光電変換素子に含まれる下部電極101r、光電変換層102r、正孔ブロッキング層103r、及び上部電極104rは、それぞれ、図1に示す下部電極101、光電変換層102、正孔ブロッキング層103、及び上部電極104と同じ構成である。ただし、光電変換層102rは、赤色光を吸収してこれに応じた電子及び正孔を発生する有機材料を用いる。
シリコン基板41表面の遮光膜68によって遮光されている部分には、n+領域43,45,47が形成され、それぞれの周りはp領域42,44,46によって囲まれている。
n+領域43は、絶縁膜48に開けられた開口に形成された接続部54を介して下部電極101rと電気的に接続されている。下部電極101rで捕集された正孔は、n+領域43の電子と再結合するため、捕集した正孔の数に応じ、n+領域43にリセット時に蓄積された電子が減少することとなる。接続部54は、下部電極101rとn+領域43以外とは絶縁膜51によって電気的に絶縁される。
n+領域45は、絶縁膜48、R光電変換素子、及び絶縁膜59に開けられた開口に形成された接続部53を介して下部電極101bと電気的に接続されている。下部電極101bで捕集された正孔は、n+領域45の電子と再結合するため、捕集した正孔の数に応じ、n+領域45にリセット時に蓄積された電子が減少することとなる。接続部53は、下部電極101bとn+領域45以外とは絶縁膜50によって電気的に絶縁される。
n+領域47は、絶縁膜48、R光電変換素子、絶縁膜59、B光電変換素子、及び絶縁膜63に開けられた開口に形成された接続部52を介して下部電極101gと電気的に接続されている。下部電極101gで捕集された正孔は、n+領域47の電子と再結合するため、捕集した正孔の数に応じ、n+領域47にリセット時に蓄積された電子が減少することとなる。接続部52は、下部電極101gとn+領域47以外とは絶縁膜49によって電気的に絶縁される。
n+領域43に蓄積されている電子は、p領域42内に形成されたnチャネルMOSトランジスタからなるMOS回路(不図示)によってその電荷量に応じた信号に変換され、n+領域45に蓄積されている電子は、p領域44内に形成されたnチャネルMOSトランジスタからなるMOS回路(不図示)によってその電荷量に応じた信号に変換され、n+領域47に蓄積されている電子は、p領域46内に形成されたnチャネルMOSトランジスタからなるMOS回路(不図示)によってその電荷量に応じた信号に変換されて、固体撮像素子300外部へと出力される。各MOS回路は配線55によって図示しない信号読み出しパッドに接続される。尚、信号読出し部は、MOS回路ではなくCCDとアンプによって構成しても良い。つまり、n+領域43,45,47に蓄積された電子をシリコン基板41内に形成したCCDに読み出し、これをCCDでアンプまで転送して、アンプからその正孔に応じた信号を出力させるような信号読出し部であっても良い。
以上の説明において、B光を吸収する光電変換層とは、少なくとも400〜500nmの光を吸収することができ、好ましくはその波長域でのピ−ク波長の吸収率が50%以上であるものを意味する。G光を吸収する光電変換層とは、少なくとも500〜600nmの光を吸収することができ、好ましくはその波長域でのピ−ク波長の吸収率が50%以上であることを意味する。R光を吸収する光電変換層とは、少なくとも600〜700nmの光を吸収することができ、好ましくはその波長域でのピ−ク波長の吸収率が50%以上であることを意味する。
(第五実施形態)
図5は、本発明の第五実施形態を説明するための固体撮像素子の断面模式図である。
p型シリコン基板81上方の同一面上の行方向とこれに直交する列方向には、主としてRの波長域の光を透過するカラーフィルタ93rと、主としてGの波長域の光を透過するカラーフィルタ93gと、主としてBの波長域の光を透過するカラーフィルタ93bとの3種類のカラーフィルタがそれぞれ多数配列されている。
カラーフィルタ93rは、公知の材料を用いることができるが、このような材料は、Rの波長域の光の他に、赤外域の光の一部も透過する。カラーフィルタ93gは、公知の材料を用いることができるが、このような材料は、Gの波長域の光の他に、赤外域の光の一部も透過する。カラーフィルタ93bは、公知の材料を用いることができるが、このような材料は、Bの波長域の光の他に、赤外域の光の一部も透過する。
カラーフィルタ93r,93g,93bの配列は、公知の単板式固体撮像素子に用いられているカラーフィルタ配列(ベイヤー配列や縦ストライプ、横ストライプ等)を採用することができる。
カラーフィルタ93r下方には、カラーフィルタ93rに対応させてn型不純物領域(以下、n領域という)83rが形成されており、n領域83rとp型シリコン基板81とのpn接合によって、カラーフィルタ93rに対応するR光電変換素子が構成されている。
カラーフィルタ93g下方には、カラーフィルタ93gに対応させてn領域83gが形成されており、n領域83gとp型シリコン基板81とのpn接合によって、カラーフィルタ93gに対応するG光電変換素子が構成されている。
カラーフィルタ93b下方には、カラーフィルタ93bに対応させてn領域83bが形成されており、n領域83bとp型シリコン基板81とのpn接合によって、カラーフィルタ93bに対応するB光電変換素子が構成されている。
n領域83r上方には下部電極87r(図1の下部電極101と同じ機能を持つ)が形成され、n領域83g上方には下部電極87g(図1の下部電極101と同じ機能を持つ)が形成され、n領域83b上方には下部電極87b(図1の下部電極101と同じ機能を持つ)が形成されている。下部電極87r,87g,87bは、それぞれカラーフィルタ93r,93g,93bの各々に対応して分割されている。下部電極87r,87g,87bは、それぞれ、可視光及び赤外光に対して透明な材料で構成され、例えばITOやIZO等を用いることができる。透明電極87r,87g,87bは、それぞれ、絶縁層内に埋設されている。
下部電極87r,87g,87bの各々の上には、主として波長580nm以上の赤外域の光を吸収してこれに応じた電荷を発生し、赤外域以外の可視域(波長約380nm〜約580nm)の光を透過する、カラーフィルタ93r,93g,93bの各々で共通の一枚構成である光電変換層89(図1の光電変換層102と同じ機能を持つ)が形成されている。光電変換層89を構成する材料は、例えば、フタロシアニン系有機材料やナフタロシアニン系有機材料を用いる。
光電変換層89上には、カラーフィルタ93r,93g,93bの各々で共通の一枚構成である上部電極80(図1の上部電極104と同じ機能を持つ)が形成されている。上部電極80は、可視光及び赤外光に対して透明な材料で構成され、例えばITOやIZO等を用いることができる。尚、図示していないが、光電変換層89と上部電極80との間には、図1の正孔ブロッキング層103と同じ機能を持つ正孔ブロッキング層が形成されている。
下部電極87rと、それに対向する上部電極80と、これらに挟まれる光電変換層89の一部とにより、カラーフィルタ93rに対応する光電変換素子が形成される。以下では、この光電変換素子を、半導体基板上に形成されたものであるため、R基板上光電変換素子という。
下部電極87gと、それに対向する上部電極80と、これらに挟まれる光電変換層89の一部とにより、カラーフィルタ93gに対応する光電変換素子が形成される。以下では、この光電変換素子をG基板上光電変換素子という。
下部電極87bと、それに対向する上部電極80と、これらに挟まれる光電変換層89の一部とにより、カラーフィルタ93bに対応する光電変換素子が形成される。以下では、この光電変換素子をB基板上光電変換素子という。
n領域83rの隣には、R基板上光電変換素子の下部電極87rと接続された高濃度のn型不純物領域(以下、n+領域という)84rが形成されている。尚、n+領域84rに光が入るのを防ぐために、n+領域84r上には遮光膜を設けておくことが好ましい。
n領域83gの隣には、G基板上光電変換素子の下部電極87gと接続されたn+領域84gが形成されている。尚、n+領域84gに光が入るのを防ぐために、n+領域84g上には遮光膜を設けておくことが好ましい。
n領域83bの隣には、B基板上光電変換素子の下部電極87bと接続されたn+領域84bが形成されている。尚、n+領域84bに光が入るのを防ぐために、n+領域84b上には遮光膜を設けておくことが好ましい。
n+領域84r上にはタングステン、アルミニウム等の金属からなるコンタクト部86rが形成され、コンタクト部86r上に下部電極87rが形成されており、n+領域84rと下部電極87rはコンタクト部86rによって電気的に接続されている。コンタクト部86rは、可視光及び赤外光に対して透明な絶縁層85内に埋設されている。
n+領域84g上にはタングステン、アルミニウム等の金属からなるコンタクト部86gが形成され、コンタクト部86g上に下部電極87gが形成されており、n+領域84gと下部電極87gはコンタクト部86gによって電気的に接続されている。コンタクト部86gは絶縁層85内に埋設されている。
n+領域84b上にはタングステン、アルミニウム等の金属からなるコンタクト部86bが形成され、コンタクト部86b上に下部電極87bが形成されており、n+領域84bと下部電極87bはコンタクト部86bによって電気的に接続されている。コンタクト部86bは絶縁層85内に埋設されている。
n領域83r,83g,83b、n+領域84r,84g,84bが形成されている以外の領域には、n領域83r及びn+領域84rに蓄積されている電子に応じた信号をそれぞれ読み出すためのnチャネルMOSトランジスタからなる信号読み出し部85rと、n領域83g及びn+領域84gに蓄積されている電子に応じた信号をそれぞれ読み出すためのnチャネルMOSトランジスタからなる信号読み出し部85gと、n領域83b及びn+領域84bに蓄積されている電子に応じた信号をそれぞれ読み出すためのnチャネルMOSトランジスタからなる信号読み出し部85bとが形成されている。信号読み出し部85r,85g,85bは、それぞれ、CCDによって構成しても良い。尚、信号読み出し部85r,85g,85bに光が入るのを防ぐために、信号読み出し部85r,85g,85b上には遮光膜を設けておくことが好ましい。
このような構成によれば、RGBカラー画像と、赤外画像とを同一解像度で同時に得ることができる。このため、この固体撮像素子を電子内視鏡等に応用すること等が可能となる。
以下、本発明の実施例を説明する。
(比較例1)正孔ブロッキング層が無い素子構成(素子構成:下から順にITO/キナクリドン/ITO)
比較例1として、以下の光電変換素子を作製した。
まず、厚み100nmの市販のITO電極(理研計器(株)製の大気中光電子分光装置AC-2で求めた仕事関数4.8eV)上に、4×10−4Pa下で真空加熱蒸着によりキナクリドンを蒸着速度約0.6Å/secで100nm成膜した。その後、酸素濃度0.3ppm、露点−80℃のグローブボックスを介して、大気に晒すことなくスパッタ装置に搬送し、上部電極としてITOを厚み5nmスパッタ成膜した。ここで、上部ITO電極の成膜にはコニカルスパッタ装置を用い、1×10−1Pa、50Wでキナクリドン膜上に成膜した。
素子面積2mm×2mmとして実際にこの素子を複数作成して測定を行った結果、多くの素子はショートしてしまっていた。ショートしなかった素子もいくつかあったものの、電圧1V印加時(下部電極を負バイアスとして正孔捕集、以下も同様)で暗電流が約10μA/cm2と大きな値となった。この値は光電流より大きなレベルの電流であるため、光電流を定量的に測定することもできず、この素子は撮像素子に用いる光電変換素子として用いることはできない。ショートの原因は、主に上部ITO電極成膜時の有機膜損傷であると考えられる。また、ショートしない場合も、正孔注入に起因する暗電流が著しく大きくなる。
(比較例2)有機材料の正孔ブロッキング層を設けた構成(素子構成:下から順にITO/キナクリドン/Alq3/ITO)
比較例2として、有機材料の正孔ブロッキング層を用いた光電変換素子を作製した。キナクリドンの真空加熱蒸着後に、続けてAlq3(構造式は化3参照)を厚み50nmで真空加熱蒸着した以外は、比較例1と全く同様の手順で素子を作製した。素子面積2mm×2mmとして実際にこの素子を作成し、I-V測定を行った結果を図6に示す。なお、Alq3を50nm積層した効果により、2mm×2mmの素子においてショートは素子6個中0個と、十分に防ぐことができた。光電流密度については、住友重機械アドバンストテクノロジー社製、定エネルギー分光感度測定装置を用い、波長550nmの緑色の単色光を50μW/cm2の強度で照射した際の電流値を測定し、暗電流を差し引いた値を光電流としている。正孔ブロッキング層が無い比較例1に比べ、暗電流を著しく減少させることができている。
しかし、低バイアス時の外部量子効率は小さい結果となった。図7(a)は比較例2の素子の作用スペクトルである。前述の定エネルギー分光感度測定装置を用い、50μW/cm2の一定のエネルギーで380nm〜700nmの範囲における分光感度を測定した。印加電圧0V、1Vでは量子効率はほぼ0%であった。また、3V印加で4%弱、5V印加で約10%の外部量子効率が得られた。CMOS信号転送回路の駆動電源の電圧は通常約3V程度であるため、高感度のCMOS撮像素子に使用する光電変換素子としては、3V程度の低い印加電圧でさらに高い外部量子効率が望まれる。尚、インピーダンス測定により求めたAlq3の比誘電率は3.4であった。
(実施例1)金属酸化体の正孔ブロッキング層を設けた構成(素子構成:下から順にITO/キナクリドン/Ca(OH)2/ITO)
本発明の実施例1として、金属酸化体を正孔ブロッキング層として用いた素子を作製した。キナクリドンの真空加熱蒸着後に、続けて金属カルシウムを厚み10nmで抵抗加熱蒸着した以外は、比較例1と全く同様の手順で素子を作製した。キナクリドンとの界面極近傍のカルシウムは、抵抗加熱蒸着時にキナクリドンと酸化還元反応を起こし酸化される。さらにグローブボックスを経由する際、雰囲気中の極微量の水分と反応して金属カルシウムの層全体が酸化されて、最終的に水酸化カルシウム膜となった。インピーダンス測定により求めたこの水酸化カルシウムの比誘電率は約12であった。
素子面積2mm×2mmとして上記素子を作成して、比較例2の場合と同じ測定を行った結果を、図6および図7(b)に示す。なお、Ca(OH)2を10nm積層した効果により、2mm×2mmの素子においてショートは素子6個中0個と、十分に防ぐことができた(Alq3を10nm積層した場合は、6個中3個ショートした)。Ca(OH)2の高い緩衝効果により、10nmという薄い膜厚で、上部ITO電極成膜時のショートを十分に防止できたことを示している。また、注目すべきは、10nmという薄い膜厚にもかかわらず、低電圧印加時においてAlq3厚み50nmを成膜した比較例2とほぼ同等なレベルまで暗電流を抑制できている点である。この結果はCa(OH)2の正孔ブロッキング性能の高さを示している。
さらに特筆すべきは、低電圧印加時における外部量子効率の高さである。図7(a)および(b)から分かるように、比較例2では2V程度印加するまでは外部量子効率が0%であったが、実施例1では、1Vのわずかな印加電圧で約5%の外部量子効率が得られ、さらに3Vで13%、5Vでは18%の外部量子効率が得られた。電子輸送性が高く比誘電率も大きい金属酸化体を正孔ブロッキング層に用いたことで、比較例2の場合と同じ印加電圧で、より高い外部量子効率を得ることができた。
(実施例2)光電変換素子を信号読み出し回路上に設けた撮像素子
実施例1で作製した光電変換素子をシリコン基板上に積層した撮像素子を作成した。
図8は、実施例2で作成した撮像素子の1画素分の断面模式図である。
図8に示す撮像素子の1画素は、p型のシリコン基板109内に高濃度のn型不純物領域108が形成され、シリコン基板109上にタングステンからなる遮光膜106が形成され、その上に窒化ケイ素からなる絶縁膜107が形成され、絶縁膜107にコンタクトホールが形成され、ここにタングステン105が埋め込まれ、その上に実施例2の光電変換素子が積層された構成となっている。シリコン基板109内には、n型不純物領域108に接続されたnチャネルMOSトランジスタからなるCMOS信号読み出し回路が形成されている。
図8において、上部電極104と下部電極101のどちらを該CMOS信号読み出し回路に接続しても構わないが、プロセス難易度の観点からは、下部電極101を該信号読み出し回路に接続し、下部電極101で捕集された正孔に応じた信号を用いる方式の方が好ましい。又、信号読み出し回路の方式としては、CMOSおよびCCD構造が挙げられるが、消費電力、高速読出し、画素加算、部分読出し等の点から、CMOS型の方が好ましい。CMOS信号読み出し回路の駆動電源の電圧は通常約3V程度であるため、消費電力を上昇させないためには、光電変換層102に印加する外部バイアス電圧も3V以下であることが好ましい。又、信号読み出し回路に接続された電極で捕集する信号電荷としては、電子および正孔のいずれかが考えられる。シリコン中での電荷移動度およびプロセス条件の完成度等の点からは電子の方が好ましく、有機材料の電子輸送性が一般に低くて光入射側から輸送しにくいという点からは正孔の方が好ましい。これらの選択は使用の用途、用いる有機材料の特性、作成における制約条件等に応じて、決定するべきものである。
実施例2では、n型不純物領域108にある電子が、下部電極101で捕集された正孔と結合して消滅するため、p型不純物領域108のポテンシャルが正方向(通常のCMOSの場合とは逆方向)に変化する。その電位変化を読み出して、画素毎の出力を得た。このような、正孔を信号電荷として用いるためのCMOS信号読み出し回路については、特願2005-293775および特願2005-293776で詳細に記述されている。
CMOS信号読み出し回路上への光電変換素子の積層は、CMOS信号読み出し回路等を形成したシリコン基板が配置されているパッケージを用いて行った。上部の開口部を除けば、シリコン基板全体はセラミックスパッケージにより覆われている。このパッケージ内のシリコン基板上には、画素毎に分離された下部電極101が228×248個形成されており、プラグ105を通じてn型不純物領域108と接続されている。画素ピッチは18μm、画素サイズは16μm角、下部電極101間距離は2μmである。マスク法を用いて、実施例1の光電変換素子と全く同等の手順で、このパッケージ上にキナクリドン100nm、金属カルシウム10nmを真空蒸着し、グローブボックス中でカルシウム金属を水酸化物カルシウムに酸化させた後、真空中に搬送してITO電極5nmをスパッタ成膜した。上部ITO電極成膜時に、バイアス印加するための電源回路と上部電極が接続される。さらに、パッケージ上部の開口部をガラス板により封止した。紫外線硬化樹脂を用いて、酸素濃度0.5ppm以下、露点−80℃の窒素雰囲気において、上部開口部にガラス板を貼り付けて封止密閉した。
図9は、実施例2の撮像素子を用いて解像度チャートを撮影した撮像結果を示す図である。
図9(a)が上下電極間に3Vの外部バイアス電圧を印加した時、図9(b)が5Vの外部バイアス電圧を印加した時、図9(c)が10Vの外部バイアス電圧を印加した時の結果である。電極間に印加する外部バイアスは、下部電極の電圧が上部電極に対して負となる方向に印加している。明らかに図9(c)10Vの場合は、5V以下の場合に比べ画素のリークを示す白点が多いことが分かる。高電圧印加により局所的なリーク電流が生じることを示している。そのため、光電変換層に印加する電圧としては、10Vよりも小さいことが好ましく、さらにCMOS信号読み出し回路の駆動電源の電圧が通常約3V程度であることを考えると、消費電力を上昇させないためには光電変換層に印加する電圧も3V以下であることが好ましい。図9(a)を見て分かるように、本実施例の撮像素子は、ノイズが小さく、かつ低いバイアス電圧でも高い感度を有する光電変換素子を用いているため、電源3Vにおいても良好な撮像結果を得ることができた。
本発明の第一実施形態である光電変換素子の断面模式図 本発明の第二実施形態を説明するための固体撮像素子の1画素分の断面模式図 本発明の第三実施形態を説明するための固体撮像素子の1画素分の断面模式図 本発明の第四実施形態を説明するための固体撮像素子の1画素分の断面模式図 本発明の第五実施形態を説明するための固体撮像素子の断面模式図 比較例1、比較例2、実施例1の光電変換素子の出力特性を示す図 比較例2と実施例1の光電変換素子の外部量子効率を示す図 実施例2の撮像素子の概略断面模式図 実施例2の撮像素子の撮像結果を示す図 従来の積層型撮像素子のエネルギーダイヤグラムを示す図
符号の説明
101 下部電極(ITO)
102 光電変換層(キナクリドン)
103 正孔ブロッキング層(金属酸化体)
104 上部電極(ITO)

Claims (28)

  1. 下部電極と、前記下部電極に対向する上部電極と、前記下部電極と前記上部電極との間に形成された有機光電変換層と、前記上部電極から前記有機光電変換層に電荷が注入されるのを抑制する前記有機光電変換層と前記上部電極との間に形成されたブロッキング層とを含む光電変換素子の製造方法であって、
    前記上部電極が光入射側の電極であり、
    基板上に前記下部電極を形成する下部電極形成工程と、
    前記下部電極上に前記有機光電変換層を形成する有機光電変換層形成工程と、
    前記有機光電変換層上に金属酸化体からなる前記ブロッキング層を形成するブロッキング層形成工程と、
    前記ブロッキング層上に前記上部電極を形成する上部電極形成工程とを備え、
    前記ブロッキング層形成工程は、前記有機光電変換層上に金属材料を成膜する成膜工程と、前記成膜工程で成膜された前記金属材料を酸化する酸化工程とからなる光電変換素子の製造方法。
  2. 下部電極と、前記下部電極上に形成された有機光電変換層と、前記有機光電変換層上に形成された上部電極とを含む光電変換素子であって、
    前記上部電極を光入射側の電極とし、
    前記上部電極と前記有機光電変換層との間に前記上部電極から前記有機光電変換層に電荷が注入されるのを抑制するブロッキング層を備え、
    前記ブロッキング層が金属酸化体で構成される光電変換素子。
  3. 請求項2記載の光電変換素子であって、
    前記金属酸化体が、金属酸化物又は金属水酸化物の絶縁材料である光電変換素子。
  4. 請求項2又は3記載の光電変換素子であって、
    前記ブロッキング層が、前記有機光電変換層上に金属材料を成膜する成膜工程と、前記成膜工程によって成膜された前記金属材料を酸化する酸化工程とによって形成されたものである光電変換素子。
  5. 請求項4記載の光電変換素子であって、
    前記成膜工程が、前記金属材料を抵抗加熱蒸着法によって成膜する工程である光電変換素子。
  6. 請求項4又は5記載の光電変換素子であって、
    前記酸化工程が、前記成膜工程における前記金属材料の成膜時の前記金属材料と前記有機光電変換層との界面で起こる酸化還元反応によって実現される工程である光電変換素子。
  7. 請求項4〜6のいずれか1項記載の光電変換素子であって、
    前記酸化工程が、酸素濃度1%以下の不活性ガス雰囲気下で行われたものである光電変換素子。
  8. 請求項2〜7のいずれか1項記載の光電変換素子であって、
    前記金属酸化体が、仕事関数4eV以下の金属の酸化体である光電変換素子。
  9. 請求項2〜8のいずれか1項記載の光電変換素子であって、
    前記金属酸化体が、酸化数が+1価又は+2価の金属原子を含む光電変換素子。
  10. 請求項9記載の光電変換素子であって、
    前記金属酸化体がカルシウムの酸化体である光電変換素子。
  11. 請求項10記載の光電変換素子であって、
    前記カルシウムの酸化体が水酸化カルシウムである光電変換素子。
  12. 請求項2〜11のいずれか1項記載の光電変換素子であって、
    前記ブロッキング層の厚みが1〜100nmである光電変換素子。
  13. 請求項2〜12のいずれか1項記載の光電変換素子であって、
    前記ブロッキング層の比誘電率が10以上である光電変換素子。
  14. 請求項2〜13のいずれか1項記載の光電変換素子であって、
    前記ブロッキング層が可視光を90%以上透過する透明層である光電変換素子。
  15. 請求項2〜14のいずれか1項記載の光電変換素子であって、
    前記上部電極を前記有機光電変換層で発生した電子を捕集するための電極とし、前記下部電極を前記有機光電変換層で発生した正孔を捕集するための電極とした光電変換素子。
  16. 請求項2〜15のいずれか1項記載の光電変換素子であって、
    前記有機光電変換層の厚みが10nm〜200nm以下である光電変換素子。
  17. 請求項2〜16のいずれか1項記載の光電変換素子であって、
    前記上部電極及び前記下部電極間に3Vの電圧を印加したときの外部量子効率が10%以上となる光電変換素子。
  18. 請求項2〜17のいずれか1項記載の光電変換素子であって、
    前記上部電極及び前記下部電極間に10Vの電圧を印加したときの外部量子効率が25%以上となる光電変換素子。
  19. 請求項2〜18のいずれか1項記載の光電変換素子であって、
    前記有機光電変換層が、キナクリドン骨格又はフタロシアニン骨格を有する有機材料を含んで構成される光電変換素子。
  20. 請求項2〜19のいずれか1項記載の光電変換素子であって、
    前記上部電極がスパッタ法によって形成されたものである光電変換素子。
  21. 請求項2〜20のいずれか1項記載の光電変換素子であって、
    前記上部電極がITOである光電変換素子。
  22. 請求項2〜21のいずれか1項記載の光電変換素子であって、
    前記下部電極がITOである光電変換素子。
  23. 半導体基板上方に少なくとも1つ積層された請求項2〜22のいずれか1項記載の光電変換素子と、
    前記少なくとも1つの光電変換素子の各々で発生した信号電荷に応じた信号を読み出す、前記半導体基板に形成されたCMOS型又はCCD型の信号読出し部とを備える固体撮像素子。
  24. 請求項23記載の固体撮像素子であって、
    前記光電変換素子が請求項15記載の光電変換素子であり、
    前記信号読出し部が前記光電変換素子の下部電極に接続されており、
    前記下部電極で捕集した正孔を信号電荷として用いる固体撮像素子。
  25. 請求項23又は24記載の固体撮像素子であって、
    前記半導体基板内に、前記光電変換素子の前記有機光電変換層を透過した光を吸収し、該光に応じた電荷を発生してこれを蓄積する基板内光電変換部を備える固体撮像素子。
  26. 請求項25記載の固体撮像素子であって、
    前記有機光電変換層が緑色の波長域の光を吸収してこれに応じた信号電荷を発生し、
    前記基板内光電変換部が、前記半導体基板内に積層された2つのフォトダイオードからなり、
    前記2つのフォトダイオードが、赤色の波長域の光を吸収してこれに応じた信号電荷を発生するRフォトダイオードと、青色の波長域の光を吸収してこれに応じた信号電荷を発生するBフォトダイオードである固体撮像素子。
  27. 請求項23又は24記載の固体撮像素子であって、
    前記半導体基板上方に前記光電変換素子が3つ積層され、
    前記3つの光電変換素子が、赤色の波長域の光を吸収してこれに応じた信号電荷を発生するR光電変換素子と、緑色の波長域の光を吸収してこれに応じた信号電荷を発生するG光電変換素子と、青色の波長域の光を吸収してこれに応じた信号電荷を発生するB光電変換素子である固体撮像素子。
  28. 請求項23〜26のいずれか1項記載の固体撮像素子であって、
    前記半導体基板上方に前記光電変換素子が1つ積層され、
    前記光電変換素子が、赤外域の光を吸収してこれに応じた信号電荷を発生する赤外光電変換素子である固体撮像素子。
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