JP2008166504A - 電界効果トランジスタおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】活性層とソース電極,ドレイン電極との間のコンタクト抵抗を小さくした電界効果トランジスタおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】電界効果トランジスタ10は、炭化珪素,シリコン,サファイアの中から選ばれる1種の基板11と、基板11上に設けられ,キャリアを供給する活性層を含むIII族窒化物系半導体層12と、この半導体層12上に離間して設けられ,TiとTaとAlを含み、半導体層12に対してオーミック接触性を有するソース電極13およびドレイン電極14と、半導体層12上においてソース電極13とドレイン電極14の間に設けられたゲート電極15を具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電界効果トランジスタに関し、特に、活性層とソース電極,ドレイン電極との間の抵抗を小さくした電界効果トランジスタ、およびその製造方法に関する。
従来より、GaAsやInP等からなる化合物半導体基板を用いて構成される化合物半導体電界効果トランジスタ(MESFET;Metal-Semiconductor Field Effect Transistor)やヘテロ接合電界効果トランジスタ(HFET;Hetero Junction Field Effect Transistor)等の電界効果トランジスタが各種高周波素子に利用されているが、近年の情報ネットワークシステムの急速な発展に伴い、このようなシステム機器に用いられる電界効果トランジスタに対して、超高速動作や高周波動作,低消費電力(低発熱性),高効率等の特性が要求されている。例えば、第3世代携帯電話等の無線通信システムでは、地下街やビル内等での通信の確立と通信速度維持のために、複数の小エリア基地局で顧客を分散して受け持つマイクロセル化が進められており、このようなマイクロセルに適した小型基地局の設置には、電界効果トランジスタの高性能化は必要不可欠である(例えば、非特許文献1参照)。
このような次世代高速デバイスとして、高い絶縁破壊電圧と高い飽和電子速度を有する窒化ガリウム(GaN)系材料を窒化珪素(SiC)基板やシリコン(Si)基板またはサファイア(Al2O3)基板上に形成してなるGaN−HEMT(High Electron Mobility Transistor)等の研究開発が鋭意進められている。
ここで、GaN−HEMTにおいては、キャリアを供給する活性層とソース電極,ドレイン電極との間には十分に低い抵抗が要求される(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、現在、GaN−HEMTに用いられているTi/Al系コンタクト材料では、コンタクト抵抗値の増大や変動が発生し、それにより素子特性が劣化するという問題が生じている。
特開2003−77862号公報(段落[0003]等) 高田賢治,津田邦男、「AlGaN/GaN HEMTパワーデバイス」、東芝レビュー、Vol.59、No.7(2004)、p35−38
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、活性層とソース電極,ドレイン電極との間のコンタクト抵抗を小さくした電界効果トランジスタ、およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、炭化珪素,シリコン,サファイアの中から選ばれる1種の基板と、前記基板上に設けられ,キャリアを供給する活性層を含むIII族窒化物系半導体層と、前記III族窒化物系半導体層上に離間して設けられ,チタンとタンタルとを含むソース電極およびドレイン電極と、前記III族窒化物系半導体層上において前記ソース電極と前記ドレイン電極の間に設けられたゲート電極と、を具備することを特徴とする電界効果トランジスタが提供される。
この電界効果トランジスタは、前記ソース電極と前記ドレイン電極がそれぞれアルミニウムをさらに含む構造としてもよい。III族窒化物系半導体層はGaN層とAlGaN層からなる積層構造を有していることが好ましく、この場合に前記活性層はこれらGaN層とAlGaNとの境界近傍に出現する二次元電子ガスチャネルである。
本発明は上記電界効果トランジスタの製造方法を提供する。すなわち、本発明は、炭化珪素,シリコン,サファイアの中から選ばれる1種の基板上にキャリアを供給する活性層を含むIII族窒化物系半導体層を形成し、このIII族窒化物系半導体層上においてソース電極およびドレイン電極をそれぞれ形成するための領域にチタン層とタンタル層を順次積層し、前記基板の表面を加熱して前記チタン層とタンタル層とを前記III族窒化物系半導体層に対してオーミック接触性を有するソース電極およびドレイン電極とすることを特徴とする電界効果トランジスタの製造方法を提供する。
ソース電極とドレイン電極がアルミニウムを含む電界効果トランジスタを製造するには、形成したタンタル層上にさらにアルミニウム層を積層すればよく、これにより、その後の基板の表面を加熱する工程において、これらチタン層とタンタル層とアルミニウム層とが、III族窒化物系半導体層に対してオーミック接触性を有するソース電極およびドレイン電極となる。
本発明に係る電界効果トランジスタによれば、III属窒化物系半導体層とソース電極,ドレイン電極との間のコンタクト抵抗値が極めて小さいために、低消費電力で発熱量が小さくなり、動作特性が安定するという効果が得られる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1に本発明の一実施形態に係る電界効果トランジスタの概略断面図を示す。電界効果トランジスタ10は、基板11上にIII族窒化物系半導体層(以下“半導体層”という)12が形成され、さらにこの半導体層12上にソース電極13およびドレイン電極14が離間して形成され、これらソース電極13とドレイン電極14との間にゲート電極が形成された構造を有している。
基板11は、炭化珪素(SiC),シリコン(Si),サファイア(単結晶アルミナ(Al))の中から選ばれる1種の基板である。
半導体層12はキャリアを供給する活性層を含んでおり、例えば、基板11表面側に窒化ガリウム(GaN)層が形成され、このGaN層上に窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)層が形成された構造を有するものが好適に用いられる。この場合の活性層は、これらGaN層とAlGaNとの境界近傍のGaN側に出現する二次元電子ガスチャネルである。
ソース電極13は、半導体層12側からチタン(Ti)層部13a,タンタル(Ta)層部13b,アルミニウム(Al)層部13cが順次積層されてなる構造を有しており、同様にドレイン電極14は半導体層12側からTi層部14a,Ta層部14b,Al層部13cが順次積層された構造を有している。これらソース電極13とドレイン電極14はそれぞれ、半導体層12に対してオーミック接触性を有している。
なお、図1において、ソース電極13は、Ti層部13a,Ta層部13b,Al層部13cの層構造で示しているが、後述するように、ソース電極13を形成する際の熱処理においては成分拡散が生じるために、例えば、Ti層部13aはTiのみからなるものではなく、主たる成分がTiであることを表している。このことは、ソース電極13を構成している他の層についても同様であり、また、ドレイン電極14についても同様である。
一般的に、GaN系半導体層に対してオーミック接触性を有するソース電極とドレイン電極を形成する場合には、蒸着法等により所定の金属層を形成した後に、これに加熱処理を施して元素拡散を生じさせることにより行われ、その処理温度は600℃以上と高温である。ここで、Al層が厚い場合には、この加熱処理においてAl層が溶融する等して電極のモホロジーが悪くなるおそれがある。このようなソース電極とドレイン電極のモホロジーの悪化(つまり、形状の崩れ)が生じると、所望の導電特性が得られなくなったり、ゲート電極との間隔が変動して所望の動作特性が得られなくなる等の問題を生じる。
これに対して、電界効果トランジスタ10では、ソース電極13とドレイン電極14にそれぞれTa層部13b,14bを設けることにより、Al層部13c,14cの厚さを薄くすることができ、これにより、Alを半導体層12へ拡散させてオーミック接触性を確保しながら、しかも、ソース電極13とドレイン電極14のモホロジーの悪化を抑制することができる。また、オーミック接触性を有する電極形成では処理温度を高温とするため、Ta層部13b,14bを設けることにより、Ti/Al電極層に比べて、高温特性に優れた電極が得られるという利点がある。
ゲート電極15は、半導体層12に対してショットキー接触性を有しており、例えば、ニッケル(Ni)と金(Au)の積層構造を有している。このゲート電極15は、ソース電極13とドレイン電極14の間に形成された間隙の中心よりもソース電極13側に、例えば、0.5μmオフセットした位置に設けられる。
図2に本発明の別の実施形態に係る電界効果トランジスタ10Aの概略断面図を示す。この電界効果トランジスタ10Aが図1に示した電界効果トランジスタ10と異なる点は、ソース電極13Aとドレイン電極14AがAl層部13c,14cを有していない点である。
このように、Al層部13c,14cを有していなくとも、ソース電極とドレイン電極となる電極層を半導体層上に形成した後に、これを熱処理することによって、半導体層12からTi層部13a,13bへ窒素が移動するとともに、Ta層部13b,14bからTaが半導体層12へ拡散することによって、オーミック接触性を得ることができる。しかも、Al層部13c,14cを有していないために、この熱処理によって電極のモホロジーが悪化することなく、良好な導電特性および動作特性を得ることができる。また、電界効果トランジスタ10と同様に、高温特性に優れた電極が形成される。
次に、電界効果トランジスタ10の製造方法について説明する。図3に電界効果トランジスタ10の製造プロセスを模式的に示す。炭化珪素,シリコン,サファイアの中から選ばれる1種の基板11を準備する(図3(a))。基板11の表面に、有機金属気相成長法(MOCVD,MOPVE)や、ハイドライド成長法(HDCVD)等の方法により、最初にGaN層をエピタキシャル成長させ、さらにGaN層上にAlGaN層をエピタキシャル成長させて、半導体層12を形成する(図3(b))。なお、基板11の種類に応じて、基板11の表面にバッファ層または遷移層(図示せず)が設けられ、その上にGaN層が形成される。
続いて、半導体層12の表面にレジスト膜21を形成する(図3(c))。このレジスト膜21をフォトリソグラフィー技術により、所定のパターンで露光し、現像して、ソース電極13およびドレイン電極14を形成すべき領域を露出させる(図3(d))。
こうしてパターニングされたレジスト膜21を備えた基板11の表面に、スパッタ法や電子ビーム蒸着法等の蒸着法を用いて、Ti層22,Ta層23,Al層24の順に金属層を形成する(図3(e))。例えば、Ti層22は10nm〜100nm、Ta層23は5nm〜50nm、Al層24は50nm〜500nmとする。その後、レジスト膜21とこのレジスト膜21上に形成された金属層を剥離させる(図3(f))。
次に、基板11全体または基板11の表面を、常圧窒素雰囲気において所定温度に加熱する。この加熱処理は、例えば、ハロゲンランプ等を用いた急速熱アニール(RTA;Rapid Thermal Anneal)により行うことができる。この加熱処理により、半導体層12上に形成された3層構造の電極部はそれぞれ、半導体層12に対してオーミック接触性を有するソース電極13とドレイン電極14となる(図3(g))。
なお、この加熱処理では、半導体層12の窒素がTi層23へ移動し、この窒素の脱けたサイトにAlが進入することで、オーミック接触性が得られる。また、Al層部13c,14cを有さない電界効果トランジスタ10A(図2)の製造においては、Taを半導体層12へ拡散させることにより、オーミック接触性を発現させる。TaはAlよりも高融点であるため、拡散のための熱処理温度は、Al層24が形成されている場合よりも高い温度に設定される。逆に言えば、Al層24が形成されている場合には、Alの拡散によりオーミック接触性が得られる温度に加熱すればよく、そのような温度ではTaの拡散速度はAlの拡散速度に比べて遅いために、半導体層12へは主にAlが進入する。
ソース電極13とドレイン電極14を形成した後に、基板11の表面にレジスト膜25を形成し(図3(h))、所定のパターンで露光し、現像して、ゲート電極15を形成すべき領域を露出させる(図3(i))。続いて基板表面に、例えば、Ni層とAu層からなるゲート電極15を形成する(図3(j))。その後、レジスト膜25を剥離することにより、電界効果トランジスタ10が得られる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこのような形態に限定されるものではない。例えば、ソース電極13とドレイン電極14として、実質的には積層構造を有するものについて説明したが、これに限られず、Ti,Ta,Alが所定の割合で存在する合金膜、またはTi,Taが所定の割合で存在する合金膜を形成し、これを所定温度に加熱することで半導体層に対するオーミック接触性を発現させることもできる。このような形態もまた好ましい。
電界効果トランジスタの一実施形態を示す断面図。 電界効果トランジスタの別の実施形態を示す断面図。 図1に示す電界効果トランジスタの製造プロセスを模式的示す図。
符号の説明
10・10A…電界効果トランジスタ、11…基板、12…III族窒化物系半導体層、13・13A…ソース電極、14・14A…ドレイン電極、13a・14a…Ti層部、13b・14b…Ta層部、13c・14c…Al層部、15…ゲート電極、21…レジスト膜、22…Ti層、23…Ta層、24…Al層、25…レジスト膜。

Claims (5)

  1. 炭化珪素,シリコン,サファイアの中から選ばれる1種の基板と、
    前記基板上に設けられ,キャリアを供給する活性層を含むIII族窒化物系半導体層と、
    前記III族窒化物系半導体層上に離間して設けられ,チタンとタンタルとを含むソース電極およびドレイン電極と、
    前記III族窒化物系半導体層上において前記ソース電極と前記ドレイン電極の間に設けられたゲート電極と、を具備することを特徴とする電界効果トランジスタ。
  2. 前記ソース電極と前記ドレイン電極はさらにアルミニウムを含むことを特徴とする請求項1に記載の電界効果トランジスタ。
  3. 前記III族窒化物系半導体層はGaN層とAlGaN層からなる積層構造を有し、前記活性層は前記GaN層と前記AlGaNとの境界近傍に出現する二次元電子ガスチャネルであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電界効果トランジスタ。
  4. 炭化珪素,シリコン,サファイアの中から選ばれる1種の基板上に、キャリアを供給する活性層を含むIII族窒化物系半導体層を形成し、
    このIII族窒化物系半導体層上においてソース電極およびドレイン電極をそれぞれ形成するための領域に、チタン層とタンタル層を順次積層し、
    前記基板の表面を加熱して、前記チタン層とタンタル層とを前記III族窒化物系半導体層に対してオーミック接触性を有するソース電極およびドレイン電極とすることを特徴とする電界効果トランジスタの製造方法。
  5. 前記タンタル層を形成した後にこのタンタル層上にアルミニウム層を積層する工程をさらに有し、
    前記基板の表面を加熱する工程において、前記チタン層とタンタル層と前記アルミニウム層とを前記III族窒化物系半導体層に対してオーミック接触性を有するソース電極およびドレイン電極とすることを特徴とする請求項4に記載の電界効果トランジスタの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108701596A (zh) * 2016-02-24 2018-10-23 株式会社神户制钢所 欧姆电极

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