JP2008166446A - Cmp装置のウェハ温度制御方法及びウェハ温度制御機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成でウェハの温度均一性を高めてウェハ面内の平坦性及び研磨レートを向上させる。
【解決手段】ウェハ保持ヘッド3内にウェハ裏面に接触するメンブレン13を設けると共に、メンブレン13の上面側に所定温度のエアが流動するエアフロート層14を形成し、メンブレン13にウェハWの中心部並びに外周部とそれぞれ対応する、熱伝導を小さくして温度を制御するシート20並びに熱伝導を大きくして温度を制御するシート21を設けることで、ウェハWとエアフロート層14間にて熱を移動させて、ウェハWを加熱又は冷却して温度を制御する。熱伝導を小さくして温度を制御するシート20は、熱伝導を大きくして温度を制御するシート21よりも熱伝導度が小さく、例えば熱を通しにくいポリウレタン等の発泡樹脂にて円形に形成する。又、熱伝導を大きくして温度を制御するシート21は、熱を通し易いアルミニウム箔等の薄い金属にて円環形に形成する。
【選択図】図3
【解決手段】ウェハ保持ヘッド3内にウェハ裏面に接触するメンブレン13を設けると共に、メンブレン13の上面側に所定温度のエアが流動するエアフロート層14を形成し、メンブレン13にウェハWの中心部並びに外周部とそれぞれ対応する、熱伝導を小さくして温度を制御するシート20並びに熱伝導を大きくして温度を制御するシート21を設けることで、ウェハWとエアフロート層14間にて熱を移動させて、ウェハWを加熱又は冷却して温度を制御する。熱伝導を小さくして温度を制御するシート20は、熱伝導を大きくして温度を制御するシート21よりも熱伝導度が小さく、例えば熱を通しにくいポリウレタン等の発泡樹脂にて円形に形成する。又、熱伝導を大きくして温度を制御するシート21は、熱を通し易いアルミニウム箔等の薄い金属にて円環形に形成する。
【選択図】図3
Description
本発明はCMP装置のウェハ温度制御方法及びウェハ温度制御機構に関するものであり、特に、ウェハ保持ヘッドに保持されたウェハを回転中の研磨パッドに押し付けて研磨するCMP装置のウェハ温度制御方法及びウェハ温度制御機構に関するものである。
従来、此種CMP装置は、研磨パッドが貼り付けられたプラテン(研磨定盤)の上方にウェハ保持ヘッドが配設され、該ウェハ保持ヘッドの下部側にはウェハが着脱可能に保持される。
ウェハを研磨する際は、前記プラテン及びウェハ保持ヘッドをモータで夫々回転駆動すると共に、該研磨パッド上面にスラリーを供給しながら該研磨パッド上面にウェハを押し付けることにより、ウェハを化学的機械的に研磨している。
ここで、ウェハ研磨面の平坦性を確保するには、研磨パッドに対するウェハの押し付け力の調整と共に、研磨中におけるウェハ温度が大きな要因になる。そこで、このウェハ温度を制御するためには、ウェハ保持ヘッド内におけるウェハ裏面(背面)側に加熱板又は放熱板を設けた温度制御機構、或いは、エアバック又は空洞を温度調整可能に設けた温度制御機構などが提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
特開平09−29591号公報
特開2001−341064号公報
特開2005−268566号公報
特開2006−289506号公報
上記特許文献1及び2記載の従来技術のように、ウェハ保持ヘッド内に加熱板又は放熱板を設けた場合は、ウェハ保持ヘッドの構造が複雑になりコスト高になる。又、上記特許文献3及び4記載の従来技術のように、ウェハ保持ヘッド内に大きなエアバック又は複数の空洞を設けて温度制御した場合は、加熱若しくは冷却されるエアバック又は空洞内の静圧状態のエアに熱が蓄積されるため、ウェハ表面への熱の伝導が遅くなり、所望の温度プロファイルを得ることが困難になる。
その結果、ウェハ面内の温度が不均一になり、ウェハ研磨面の平坦性低下を招く。特に、研磨の進行に伴いウェハの中心部が外周部よりも温度が高くなり、この温度差に伴い化学的な研磨速度が変化して、ウェハ面内の研磨レートにバラツキが生じるという問題があった。
そこで、構造が簡単でありながらウェハ温度の均一性を確保し、ウェハ表面の平坦性及び研磨レートを向上させるために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、回転する研磨パッドにスラリーを供給しながら、ウェハ保持ヘッドに保持されたウェハを前記研磨パッドに押し付けて研磨するCMP装置において、所定温度のエアが流動するエアフロート層とウェハ裏面との間においてメンブレンを介して熱を伝導させ、且つ、前記メンブレンの一部の熱伝導度を該メンブレンの他の部分の熱伝導度よりも小さく若しくは大きくして、前記ウェハの中心部及び外周部の温度を制御するCMP装置のウェハ温度制御方法を提供する。
この方法によれば、ウェハ研磨中、エアフロート層は所定温度のエアが常に流動するため所定温度に維持される。このエアフロート層とウェハ裏面(ウェハ研磨面と反対側の面)の間には、メンブレンを介して熱の伝導現象が生じ、この場合、熱伝導度(ウェハに対する加熱又は冷却の速さ)は、ウェハの一部の方が外周部よりも小さい若しくは大きい。このように、中心部用温度制御シートは外周部用温度制御シートよりも熱を通し難い若しくは通しやすいので、エアフロート層によるウェハに対する加熱作用又は冷却作用は、ウェハの中心部の方が外周部よりも小若しくは大である。
従って、例えば、エアフロート層がウェハよりも高温のとき、エアフロート層の熱はウェハ裏面に伝わるため、ウェハは加熱作用を受ける。この時、ウェハの中心部よりも外周部が低温である場合は、エアフロート層の熱はウェハの中心部よりも外周部の方が伝導し易い若しくは伝導し難いので、中心部よりも外周部の方が加熱効果は大きく若しくは小さくなる。その結果、中心部と外周部間の温度差が小さくなり、ウェハ半径方向の温度が制御される。尚、エアフロート層がウェハよりも低温のときは、ウェハの熱はエアフロート層側に伝わるため、ウェハは冷却作用を受けて、上記と同様にウェハ半径方向の温度が制御される。
請求項2記載の発明は、回転する研磨パッドにスラリーを供給しながら、ウェハ保持ヘッドに保持されたウェハを前記研磨パッドに押し付けて研磨するCMP装置において、
前記ウェハ保持ヘッド内にウェハ裏面に接触するメンブレンを設けると共に、該メンブレンの上面側に所定温度のエアが流動するエアフロート層を形成し、該メンブレンに前記ウェハの中心部及び外周部と夫々対応する中心部用温度制御シート及び外周部用温度制御シートを設け、該中心部用温度制御シートの熱伝導度は外周部用温度制御シートの熱伝導度よりも小さくなるように若しくは大きくなるように構成して成るCMP装置のウェハ温度制御機構を提供する。
前記ウェハ保持ヘッド内にウェハ裏面に接触するメンブレンを設けると共に、該メンブレンの上面側に所定温度のエアが流動するエアフロート層を形成し、該メンブレンに前記ウェハの中心部及び外周部と夫々対応する中心部用温度制御シート及び外周部用温度制御シートを設け、該中心部用温度制御シートの熱伝導度は外周部用温度制御シートの熱伝導度よりも小さくなるように若しくは大きくなるように構成して成るCMP装置のウェハ温度制御機構を提供する。
この構成によれば、ウェハ研磨中にエアフロート層には所定温度のエアが常に流動するため、エアフロート層は所定温度に維持される。このエアフロート層とウェハ裏面の間には、メンブレンを介して熱の伝導現象が生じる。この場合、メンブレンの中心部用温度制御シートの熱伝導度(熱伝導率)は外周部用温度制御シートの熱伝導度よりも小さい若しくは大きいため、熱伝導の速度、即ち、エアフロート層によるウェハに対する加熱作用又は冷却作用は、ウェハの外周部の方が中心部よりも速やかに若しくは緩やかに行われる。
従って、例えば、エアフロート層がウェハよりも高温のとき、エアフロート層の熱はウェハ裏面に伝わるため、ウェハは加熱作用を受ける。この時、ウェハの中心部よりも外周部が低温である場合は、エアフロート層の熱はウェハの中心部よりも外周部の方が伝導し易い若しくは伝導し難いので、中心部よりも中心部の方が加熱効果は大きく若しくは小さくなる。その結果、中心部と外周部間の温度差が小さく若しくは大きくなり、ウェハ半径方向の温度が制御される。
本発明では、メンブレンにおける温度プロファイルは、ウェハの寸法や研磨条件などに応じて任意に決定される。この場合、熱伝導を大きくして温度を制御するシート及び熱伝導を小さくして温度を制御するシートの材質(熱伝導率の異なる材料)又は表面積を各別に変更することにより、所望の温度プロファイルが得られる。
請求項3記載の発明は、上記熱伝導度を小さくする温度制御シートが発泡樹脂等の合成樹脂にて形成され、且つ、熱伝導度を大きくする温度制御シートがアルミニウム箔等の薄い金属にて形成されている請求項2記載のCMP装置のウェハ温度制御機構を提供する。
この構成によれば、アルミニウム箔等の金属から成る熱伝導を大きくして温度を制御するシートは熱伝導率が高く、発泡樹脂等の合成樹脂から成る熱伝導を小さくして温度を制御するシートは熱伝導率が低いので、熱伝導を小さくして温度を制御するシート、及び、熱伝導を大きくして温度を制御するシートの厚さを薄くしても、両者間において所要の熱伝導度の差が得られる。
請求項4記載の発明は、上記中心部用温度制御シートが円形に形成され、且つ、上記外周部用温度制御シートが円環形に形成されている請求項2記載のCMP装置のウェハ温度制御機構を提供する。
この構成によれば、円形の中心部用温度制御シートと円環形の外周部用温度制御シートを互いに同心円状に形成することにより、メンブレンの周方向、即ち、ウェハの周方向において一様な温度分布が得られる。
請求項1記載の発明は、ウェハ表面の半径方向における温度分布が制御できるので、ウェハ面内の平坦性を向上させることができる。又、ウェハ研磨面の研磨レートも制御するので、ウェハの歩留り改善に大いに寄与することができる。
請求項2記載の発明は、ウェハ半径方向における温度分布を制御できるので、ウェハ研磨面の平坦性及び研磨レートの双方を向上させることができる。又、ウェハ保持ヘッド内にエアバック又は空洞を設ける必要がないため、従来に比べてウェハ保持ヘッドの構造が簡素化するメリットを有する。
請求項3記載の発明は、熱伝導を小さくして温度を制御するシート及び熱伝導を大きくして温度を制御するシートの熱伝導度の差が大きいので、請求項2記載の発明の効果に加えて、熱伝導を小さくして温度を制御するシート及び熱伝導を大きくして温度を制御するシートを薄く形成しても、所望の温度プロファイルを容易に得ることができ、且つ、材料コストの低減化が図られる。
請求項4記載の発明は、メンブレンの円周方向の温度分布が一様になるので、請求項2記載の発明の効果に加えて、ウェハの仕様や研磨条件などに応じてウェハの温度プロファイルを一層自由に設定することができる。又、中心部用温度制御シートの半径、又は外周部用温度制御シートの内径若しくは外径を変更することにより、ウェハの中心部又は外周部に対する熱伝導度を各別に容易に変更することができる。
本発明は、簡単な構造でウェハ温度の均一性を確保でき、ウェハ表面の平坦性及び研磨レートを向上させるという目的を、回転する研磨パッドにスラリーを供給しながら、ウェハ保持ヘッドに保持されたウェハを前記研磨パッドに押し付けて研磨するCMP装置において、前記ウェハ保持ヘッド内にウェハ裏面に接触するメンブレンを設けると共に、該メンブレンの上面側に所定温度のエアが流動するエアフロート層を形成し、前記メンブレンに前記ウェハの中心部及び外周部に、熱伝導を小さくして温度を制御するシート及び熱伝導を大きくして温度を制御するシートを設け、該熱伝導を小さくして温度を制御するシートの熱伝導度は、熱伝導を大きくして温度を制御するシートの熱伝導度よりも小さくすることによって達成した。
以下、本発明の好適な実施例を図1乃至図5に従って説明する。本実施例は、回転駆動されるプラテンに貼り付けられた研磨パッドにスラリーを供給しながら、該研磨パッドにウェハを押し付けて研磨するCMP装置に適用したものであって、ウェハ温度制御機構はウェハ保持ヘッド内のウェハ裏面側に設けられている。
図1はCMP装置の全体構成を示す斜視図、図2はウェハ保持ヘッドの内部構造を示す縦断面図、図3はウェハ温度制御機構のメンブレンを示す平面図、図4は温度プロファイルの一例を示すグラフ、図5はウェハ温度制御機構のメンブレンの配置例を示す平面図である。
図1に示すように、CMP装置1は、回転駆動可能なプラテン(研磨定盤)2及びウェハ保持ヘッド3等によって構成され、該ウェハ保持ヘッド3は昇降駆動可能に設けられている。又、前記プラテン2は円盤状に形成され、該プラテン2の上部には研磨パッド4が貼り付けられている。
又、プラテン2の下部にはスピンドル5が連結され、該スピンドル5の下端部にはモータ6が連結されている。従って、モータ6によってスピンドル5を回転駆動することにより、プラテン2は図1の矢印A方向に回転する。更に、研磨パッド4の上方には、該研磨パッド4上面にスラリー(研磨剤)Sを供給するための供給ノズル7が設けられている。
前記ウェハ保持ヘッド3の上部には回転軸8が連結され、該回転軸8の上端部には図示しないモータが連結されている。従って、該モータによって回転軸8を回転駆動することにより、ウェハ保持ヘッド3は図1の矢印B方向に回転する。
ウェハ保持ヘッド3に保持されたウェハWを研磨する際は、プラテン2及びウェハ保持ヘッド3を夫々回転駆動すると共に、研磨パッド4上面にスラリーSを供給しながら該研磨パッド4上面にウェハWを押し付けることにより、該ウェハW下面に対して化学的機械的な研磨が実施される。
本発明に係るウェハ温度制御機構は、ウェハ保持ヘッド3内におけるウェハW裏面側に設けられている。このウェハ温度制御機構により、研磨中にウェハWの中心部と外周部をそれぞれ独立に加熱又は冷却でき、且つ、ウェハWの中心部の加熱作用又は冷却作用をウェハWの外周部よりも小さくすることにより、ウェハWに対して所要の温度制御が可能になっている。
ウェハ温度制御機構が設けられたウェハ保持ヘッド3の内部構成は、図2に示すように、ヘッド本体10、バックプレート11、リテーナ12及びメンブレン(保護シート)13などから構成され、メンブレン13とバックプレート11との間にはエアフロート層14が形成されている。尚、図2中のエアフロート層14及びメンブレン13等については、説明の都合上誇張して図時されている。
ヘッド本体10は円盤状に形成され、該ヘッド本体10の内側には円板形のバックプレート11が配置されている。このバックプレート11はアルミニウム、銅等の高い熱伝導率を有する金属より成る。更に、バックプレート11には複数のエア噴出孔15が形成され、エア噴出孔15はエアライン16を介して一次エア(図示せず)に接続されている。又、エアライン16の途中には、図示しないバキュームポンプ及び給気ポンプが切り替え運転可能に設置されている。
更に、バックプレート11の下側には円形のメンブレン13が配置され、該メンブレン13の外周縁部はリング状のリテーナ12下部に固定されている。尚、リング状のリテーナ12の下面開口部はウェハWよりも若干大径に形成され、ウェハWの径方向への動きを規制している。
又、メンブレン13は所要の可撓性を有する材料、例えば、薄いゴム材等によりシート状に形成されている。該メンブレン13は、エアフロート層14内のエア圧をウェハWに伝達し、且つ、エアフロート層14とウェハW裏面の間において熱を伝える役目をなす。
更に又、メンブレン13には複数の真空吸着用のエア孔17が開穿されている。前記バキュームポンプによりエアフロート層14内のエアAを吸引して負圧を発生させることで、ウェハWをメンブレン13に吸着保持し、該ウェハWをプラテン2に装着されている研磨パッド4上に移載する。然る後、該ウェハWを研磨する際は、給気ポンプによりエアフロート層14内に所定圧のエアAを供給することで、ウェハWを研磨パッド4上面に所定圧力で押し付けて研磨する。尚、エアフロート層14内に供給された加圧エアは、リテーナ12に形成されている間隙18から自然に排出されてエアフロート層14内のエア圧が自然に調整される。
ウェハWの研磨中、メンブレン13を介するエアフロート層14とウェハW間の熱伝導により、温度の高い方から低い方へ熱が移動するため、ウェハWが加熱又は冷却されて温度制御が行われる。即ち、ウェハW裏面に接触するメンブレン13の中心部と外周部には、それぞれ互いに熱伝導度の異なる後述の2つのシートが設けられている。この2つのシートの熱伝導度の差を利用することによって、ウェハW裏面の温度を部分的かつ積極的に制御する。斯くして、ウェハW裏面側の温度分布を自由に制御でき、ウェハW面内の温度均一性を確保することができる。
上記メンブレン13の具体的構造は、図3に示すように、熱伝導を小さくして温度を制御する20、及び、熱伝導を大きくして温度を制御するシート21がメンブレン13上面の中心部及び外周部にそれぞれ貼設されている。熱伝導を小さくして温度を制御するシート20、及び、熱伝導を大きくして温度を制御するシート21は、ウェハW裏面の中心部及び外周部に配置されている。
又、熱伝導を小さくして温度を制御するシート20、及び、熱伝導を大きくして温度を制御するシート21の面積は、設計事項などに応じてメンブレン13の総面積に対して任意の割合に決定することができる。尚、熱伝導を小さくして温度を制御する20、及び、熱伝導を大きくして温度を制御するシート21は、必要に応じてメンブレン13下面に面一となるように設けてもよく、又、メンブレン13の中にサンドイッチ状に挟んで設けることもできる。要は、メンブレン13の中心部と外周部において熱伝導の差が生じるように構成すればよい。
熱伝導を大きくして温度を制御するシート21は、熱伝導を小さくして温度を制御する20よりも熱を通し易い材料により形成されている。このため、ウェハWの中心部に対する加熱作用又は冷却作用は、ウェハWの外周部よりも遅く若しくは早くなるように構成されている。
本実施例では、熱伝導を小さくして温度を制御するシート20は、薄い発泡樹脂、例えば発泡ポリウレタン又は発泡ポリスチレン等の発泡材により形成され、そして、該熱伝導を小さくして温度を制御するシート20の形状は、円形に形成されている。又、熱伝導を大きくして温度を制御するシート21は極めて薄い金属から形成され、例えば、アルミニウム箔により形成され、そして、該熱伝導を大きくして温度を制御するシート21の形状は円環形に形成されている。円形の熱伝導を小さくして温度を制御するシート20の中心と、円環形の熱伝導を大きくして温度を制御するシートの中心は、メンブレン13及びウェハWの中心と同芯上に位置している。
円形の熱伝導を小さくして温度を制御するシート20、及び、円環形の熱伝導を大きくして温度を制御するシート21を介して、ウェハWとエアフロート層14の間にて熱伝導現象が発生する。例えば、エアフロート層14の温度がウェハWの温度よりも高い場合は、エアフロート層14の熱がウェハWに移動して、ウェハWの温度が上がる(加熱作用)。逆に、エアフロート層14の温度がウェハWの温度よりも低い場合は、ウェハWの熱がエアフロート層14に移動して、ウェハWの温度が下がる(冷却作用)。斯くして、ウェハWの中心部及び外周部は、熱伝導を小さくして温度を制御するシート20、及び、熱伝導を大きくして温度を制御するシート21を介して、異なる速度で別々に加熱又は冷却される。
本実施例によれば、ウェハWの研磨中、ウェハW裏面側のエアフロート層14には、連続的に絶えず流れる所定温度のエアAが存在するため、エアフロート層14は所定温度に維持される。このエアフロート層14とウェハW裏面の間ではメンブレン13を介して熱が伝導し、ウェハW裏面全域に対して熱交換が起こる。その結果、エアフロート層14とウェハW裏面との温度差に応じて、ウェハWの中心部及び外周部が速やかに加熱又は冷却される。
このように本実施例は、エアフロート層14内を所定温度のエアが定常的に流動することで、メンブレン13を介してエアフロート層14とウェハWの間で熱移動現象、即ち、クーラによる冷却作用の如くウェハW裏面から熱を奪ったり、或いは、ヘアドライヤによる加熱作用の如くウェハW裏面に熱を与えることができる。この場合、メンブレン13の熱伝導を小さくして温度を制御するシート20の熱伝導度が、熱伝導を大きくして温度を制御するシート21の熱伝導度よりも小さいため、ウェハWにおける熱交換の速度(加熱速度又は冷却速度)は、中心部の方が外周部よりも遅くなる。
従って、例えば、研磨中においてエアフロート層14がウェハWよりも高温の場合であって、ウェハWの外周部よりも中心部の温度が高くなったときは、エアフロート層14からウェハWへ移動する熱量は、中心部よりも外周部の方が多いため、中心部に比べて外周部の方が顕著な加温効果を奏する。従って、前記中心部と外周部との間の温度差が小さくなり、ウェハW半径方向の温度が均一になるように速やかに制御される。
斯くして、ウェハW裏面側の温度を部分的かつ積極的に適切に制御することで、ウェハW表面の温度均一性を改善して、ウェハWの仕上がり研磨面の平坦性及び研磨レートの双方を向上させることができる。又、ウェハ保持ヘッド3内に大きなエアバック又は空洞を設ける必要がないため、ウェハ保持ヘッド3をシンプルに構成できる。尚、図示例において、エアライン16の途中にはエアAの温度及び流量を調整するためのエア温度調整器及びエア流量調整器(図示せず)を設けることができる。この構成によれば、研磨中にエアフロート層14の適当な温度を調整することで、ウェハWに対する加熱又は冷却作用をより効果的に実施できる。
更に、上記の加熱又は冷却作用を一層高めるために、エアフロート層14又はバックプレート11を加熱手段又は冷却手段により直接もしくは間接的に加熱又は冷却することによって、エアフロート層14内の温度を調整することも可能である。加熱手段又は冷却手段は特に限定されないが、例えば、ヒータ、チラー又はペルチェ素子などを採用することができる。
尚、上記メンブレン13における温度プロファイルは、ウェハWの寸法や研磨条件などに応じて任意に決定される。この場合、熱伝導を小さくして温度を制御するシート20、及び、熱伝導を大きくして温度を制御するシート21の材質、厚さ又は表面積を各別に変更することにより、所望の温度プロファイルが容易に得られる。
図4に前記温度プロファイルの一例を説明のために誇張して段差状に描いて示す。同図の横軸はウェハ半径方向の位置(符号Cは中心位置)、縦軸はメンブレン13の表面温度である。中心部用温度制御シート20、外周部用温度制御シート21及びその中間部の温度を夫々T1、T2及びT3とすると、T1<T3<T2の関係がある。図4ではウェハ半径方向において、外周部の温度が中心部の温度に比べて階段状に高くなっているが、曲線状に温度が高くなるように設定することもできる。
又、アルミニウム箔等から成る熱伝導を大きくして温度を制御するシート21は高い熱伝導率を有し、且つ、発泡樹脂等から成る熱伝導を小さくして温度を制御する制御シート20は低い熱伝導率を有するので、熱伝導を小さくして温度を制御するシート20、及び、熱伝導を大きくして温度を制御するシート21の厚さを薄く形成しても、中心部と外周部とで所要の熱伝導度の差を得ることができる。
更に、熱伝導を小さくして温度を制御するシート20と、熱伝導を大きくして温度を制御するシート21とを同心円状に形成することにより、メンブレン13の円周方向において一様な温度分布が得られ、ウェハWの仕様や研磨条件などに応じて、ウェハWの温度プロファイルを一層適切に設定することができる。
又、熱伝導を小さくして温度を制御するシート20の半径、又は熱伝導を大きくして温度を制御するシート21の内径若しくは外径を変更することにより、ウェハWの中心部又は外周部に対する熱伝導度を別々に調整することができる。
上記メンブレン13の具体的構造は、図5(a)〜(f)に示すように、様々な配置が可能である。尚、図5中の符号22は前記両シート20又は21の双方または一方とは熱伝導を大きく若しくは小さくして温度を制御するシートである。
本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
1 CMP装置
2 プラテン
3 ウェハ保持ヘッド
4 研磨パッド
11 バックプレート
12 リテーナ
13 メンブレン(保護シート)
14 エアフロート層
15 エア噴出孔
20 熱伝導を小さくして温度を制御するシート
21 熱伝導を大きくして温度を制御するシート
2 プラテン
3 ウェハ保持ヘッド
4 研磨パッド
11 バックプレート
12 リテーナ
13 メンブレン(保護シート)
14 エアフロート層
15 エア噴出孔
20 熱伝導を小さくして温度を制御するシート
21 熱伝導を大きくして温度を制御するシート
Claims (4)
- 回転する研磨パッドにスラリーを供給しながら、ウェハ保持ヘッドに保持されたウェハを前記研磨パッドに押し付けて研磨するCMP装置において、
所定温度のエアが流動するエアフロート層とウェハ裏面との間においてメンブレンを介して熱を伝導させ、且つ、前記メンブレンの一部の熱伝導度を該メンブレンの他の部分の熱伝導度よりも小さく若しくは大きくして、前記ウェハの中心部及び外周部の温度を制御することを特徴とするCMP装置のウェハ温度制御方法。 - 回転する研磨パッドにスラリーを供給しながら、ウェハ保持ヘッドに保持されたウェハを前記研磨パッドに押し付けて研磨するCMP装置において、
前記ウェハ保持ヘッド内にウェハ裏面に接触するメンブレンを設けると共に、該メンブレンの上面側に所定温度のエアが流動するエアフロート層を形成し、該メンブレンに前記ウェハの中心部及び外周部と夫々対応する中心部用温度制御シート及び外周部用温度制御シートを設け、該中心部用温度制御シートの熱伝導度は外周部用温度制御シートの熱伝導度よりも小さく若しくは大きくしたことを特徴とするCMP装置のウェハ温度制御機構。 - 熱伝導度を小さくする温度制御シートが発泡樹脂等の合成樹脂にて形成され、且つ、熱伝導度を大きくする温度制御シートがアルミニウム箔等の薄い金属にて形成されていることを特徴とする請求項2記載のCMP装置のウェハ温度制御機構。
- 上記中心部用温度制御シートが円形に形成され、且つ、上記外周部用温度制御シートが円環形に形成されていることを特徴とする請求項2記載のCMP装置のウェハ温度制御機構。
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- 2006-12-27 JP JP2006353472A patent/JP2008166446A/ja active Pending
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