JP6232654B2 - ウェーハ研磨装置 - Google Patents

ウェーハ研磨装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6232654B2
JP6232654B2 JP2013267186A JP2013267186A JP6232654B2 JP 6232654 B2 JP6232654 B2 JP 6232654B2 JP 2013267186 A JP2013267186 A JP 2013267186A JP 2013267186 A JP2013267186 A JP 2013267186A JP 6232654 B2 JP6232654 B2 JP 6232654B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wafer
work chuck
rotating body
polishing apparatus
chuck
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013267186A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015126001A (ja
Inventor
哲 丸岡
哲 丸岡
禎 足立
禎 足立
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Seimitsu Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Seimitsu Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Seimitsu Co Ltd filed Critical Tokyo Seimitsu Co Ltd
Priority to JP2013267186A priority Critical patent/JP6232654B2/ja
Publication of JP2015126001A publication Critical patent/JP2015126001A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6232654B2 publication Critical patent/JP6232654B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明はウェーハ研磨装置に関するものであり、特に、化学的機械研磨法(CMP: Chemical Mechanical Polishing)による半導体ウェーハを研磨するウェーハ研磨装置に関するものである。
近年、ICの微細加工が進んでおり、多層にわたってICパターンを形成することが行われている。このようなIC構造では、パターンを形成した層の表面にある程度の凹凸が生じるのが避けられない。
このようなパターン形成途中において、パターンを形成した層の表面に生じる凹凸を平坦化すべく、ウェーハを研磨するのに、CMP法によるウェーハ研磨装置(CMP装置)が用いられる。
ウェーハ研磨装置として、表面に研磨パッド(研磨布)が貼付された円盤状の研磨定盤と、研磨すべきウェーハ裏面を保持してウェーハ表面を研磨パッドに当接させる複数の研磨ヘッドと、これら研磨ヘッドを研磨定盤に対し相対回転させるヘッド駆動機構とを具備し、研磨パッドとウェーハとの間に研磨材であるスラリーを供給することにより、ウェーハの研磨を行う構造のものが一般に広く知られている。
そして、この種のウェーハ研磨装置の一例として、研磨ヘッドで保持するウェーハ表面を研磨パッドに押し当てるに際し、研磨ヘッドとウェーハとの間に空気層を形成し、この空気層にエアーを供給することにより、エアー圧を利用してウェーハを研磨パッドに所定の押圧力をもって押し当てる構造のものが提案されている。そして、このウェーハ研磨装置では、空気室からのエアー漏れが適宜量となるように、ウェーハの径方向外側にリテーナリングが配置されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−42459号公報
上述したウェーハ研磨装置にあっては、リテーナリングが研磨パッドと当接することが避けられず、ウェーハのみならずこのリテーナリングも研磨パッドによって研磨される。このため、リテーナリングを一定期間ごとに交換することが必要になる。しかしながら、リテーナリングは適宜可撓性を有するよう特殊な材料から作られていることもあって比較的高価であるから、このようなリテーナリングを一定期間ごとに交換することが、ラニングストを上昇させる一要因となっていた。
また、この種ウェーハ研磨装置にあっては、ウェーハ表面を研磨パッドに押し当てる際に、研磨パッドに対してウェーハ表面全域をできるだけ均一の押圧力をもって押し当てることが可能なように、ウェーハを保持するワークチャックを、チャック支持体に対し揺動可能に支持する方式のものがある。
しかしながら、この方式の従来のウェーハ研磨装置にあっては、ワークチャックの揺動中心が、ウェ―ハの被加工面から遠く離れた位置に設定されているため、ワークチャックの傾斜角度が大きくなると、ウェーハの回転中心位置が研磨定盤に対して偏心することとなり、これに起因して、ウェーハを研磨パッドに押し当てて研磨する際に不要なモーメントが生じ、結果的にウェーハ表面の研磨にむらが生じる問題があった。
本発明は、このような背景の下になされたものであって、リテーナリングのような消耗品をなくすることでランニングコストを下げることができ、しかも、ウェーハ表面を均一に研磨することができるウェーハ研磨装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明のウェーハ研磨装置は、回転体と、前記回転体と同軸状に配置されかつ前記回転体と一体的に回転するとともに前記回転体に対して回転中心の軸線の方向に相対移動可能に設けられた回転軸と、前記回転体に対して前記回転軸を一端側へ付勢する付勢部材と、前記回転軸の他端側に球面軸受機構を介して揺動可能に支持されるとともに研磨対象であるウェーハを保持するワークチャックと、前記回転体と前記ワークチャックとの間に介装されたエアーバッグとを備え、前記球面軸受機構は、その揺動中心が前記ウェーハを含む前記ワークチャックの厚さ内に位置するように設定され、前記エアーバッグにエアーが導入されるときに、前記付勢部材の付勢力に抗して前記ワークチャックが回転体から離間する方向へ相対移動し、該ワークチャックに保持された前記ウェーハを研磨パッドへ押し付けることを特徴とする。
この発明によれば、まず、ワークチャックでウェーハを保持し、この状態で、エアーバッグにエアーを導入する。エアーバッグに導入されたエアーの圧力によって、回転軸を付勢する付勢部材の付勢力に抗してワークチャックが回転体から離間する方向へ相対移動し、保持したウェーハを研磨パッドに押し付ける。これにより、ウェーハが研磨される。このとき、エアーは、閉空間であるエアーバッグに導入されるだけであって、エアーの漏れ調整を行う消耗部材であるリテーナリングを用いる必要がない。このため、交換用のリテーナリングを予め用意する管理や、リテーナリングの交換時期の管理が不要になる。
また、上記ワークチャックで保持したウェーハを研磨パッドに押し付ける際に、ワークチャックは、球面軸受機構を介して回転軸に揺動可能に支持されるが、このときワークチャックの揺動中心がウェーハを含むワークチャックの厚さ内に位置するように設定されているため、ワークチャックの傾斜角度が大きくなる場合でも、ウェーハの回転中心位置が研磨定盤に対して偏心する量は極めて僅かである。この結果、ウェーハを研磨パッドに押し当てて研磨する際に不要なモーメントが生じにくくなり、結果的にウェーハ表面をほぼ均一に研磨することが可能となる。
前記球面軸受機構は、前記回転軸に形成された内側凸球面と、前記ワークチャックに形成された外側凹球面と、前記内側凸球面と前記外側凹球面との間に介装された複数の球体とを備えることが好ましい。
この場合、球体を介して内側凸球面と外側凹球面とが接することとなり、ワークチャックを揺動可能に支持するにあたり、極めて摩擦の小さい支持が可能となる。
前記球面軸受機構は、揺動中心が、前記ワークチャックに保持される前記ウェーハの被加工面と面一の位置に設定されていることが好ましい。
この場合、ワークチャックの傾斜角度が例え大きくなる場合であっても、ウェーハの回転中心位置が研磨定盤に対して偏心することがない。この結果、ウェーハを研磨パッドに押し当てて研磨する際に不要なモーメントが生じず、結果的にウェーハ表面をより均一に研磨するのが可能となる。
前記エアーバッグは、前記回転体の前記ワークチャックとの対向面上であって前記回転軸を中心としてその径方向外側に配置されたリング状の可撓膜を備えることが好ましい。
この場合、ワークチャックがリング状の可撓膜を介して回転体から離間するようエアー圧による押圧力を受けるため、ワークチャックは周方向全域に渡って均一な押圧力を受ける。これに伴い、ワークチャックで保持したウェーハを周方向全域に渡って研磨パッドに均一に押し付けることが可能となる。
前記リング状の可撓膜は、幅方向中心が前記球面軸受機構よりも外側に配置されていることが好ましい。
ワークチャックを回転体から離間する方向つまり研磨パッド側へ押圧させる際の押圧面積を広くとることができること、並びに、ワークチャックを研磨パッド側へ押圧するにあたり球面軸受機構よりも外側から押圧できることから、研磨パッドの表面の凹凸に追従してワークチャックを揺動させるときの応答時間を短くすることができる。
前記回転軸の回転を前記ワークチャックに伝達する回転伝達機構を備えることが好ましい。
回転軸の回転力が回転伝達機構を介してワークチャックに伝達され、ワークチャックが回転する。これに伴い、ワークチャックによって保持されたウェーハを研磨パッド上で強制的に回転させることができる。
前記ワークチャックには冷却機構が設けられていることが好ましい。
ウェーハが研磨される際に、摩擦熱が生じる。この摩擦熱を冷却機構によって好適に除去することができる。このため、ウェーハやワークチャックが摩擦熱によって必要以上に温度上昇するのを未然に回避できる。
本発明のウェーハ研磨装置によれば、リテーナリングのような消耗品をなくすることでランニングコストを下げることができ、しかも、ウェーハ表面を均一に研磨することができる。
本発明に係るウェーハ研磨装置の実施形態の全体構造図である。 本発明に係るウェーハ研磨装置の実施形態の研磨ヘッドの縦断面図である。 (a)、(b)はそれぞれ本発明に係るウェーハ研磨装置の球面軸受機構の作用を表す図であって、図2のIII円部の詳細図である。 本発明に係るウェーハ研磨装置の実施形態のチャック本体の底面図である。 本発明に係るウェーハ研磨装置の実施形態の研磨ヘッドの、図2とは異なる箇所で切断したときの縦断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明に係るウェーハ研磨装置の実施形態を説明する。図1は本発明に係るウェーハ研磨装置の実施形態の全体構造図、図2は本発明に係るウェーハ研磨装置の実施形態の研磨ヘッドの縦断面図、図3(a)、(b)はそれぞれ本発明に係るウェーハ研磨装置の球面軸受機構の作用を表す図であって、図2のIII円部の詳細図である。
図1に示すように、ウェーハ研磨装置1は、主としてプラテン2と、研磨ヘッド3とから構成されている。
プラテン2は、円盤状に形成され、その下面中央には支持軸4が連結されており、支持軸4の下端に連結されたモータ5の駆動によって所定方向へ回転する。プラテン2の上面には研磨パッド6が貼着されており、該研磨パッド6上に図示しないノズルから研磨材と化学薬品との混合物であるスラリーが供給される。
研磨ヘッド3は、図示せぬ移動機構により、プラテン2、研磨前のウェ―ハが載置されるウェーハ待機位置、および研磨後のウェーハが載置されるウェーハ収納位置の間を適宜移動される。
図2に示すように、前記研磨ヘッド3は、主として装置本体の支持部10に支持された回転体12と、回転体12と同軸状に配置され、かつ回転体12と一体的に回転するとともに回転体12に対して回転軸線lの方向つまり上下方向に相対移動可能に設けられた回転軸13と、回転軸13の他端側に球面軸受機構30を介して揺動可能に支持されるとともに研磨対象であるウェーハを保持するワークチャック15とを備える。
回転体12は、上下方向に移動可能な前記支持部10にベアリング11を介して回転可能に支持されている。回転体12は上部に回転ギヤ部17を備え、この回転ギヤ部17を介して図示せぬ回転駆動手段から回転を伝達される。回転体12の中央部には円筒状の回転本体部18が設けられ、回転本体部18は前記ベアリング11と係合する。回転体12の下部には円盤状の回転平板部19が設けられ、この回転平板部19は後述するエアーバッグ31を介してワークチャック15を下方へ押圧する。
回転軸13は、前記回転本体部18の内側に設けられた支持部18aと上下動可能かつ一体的に回転するようにスプライン嵌合された上部回転軸部21と、上部回転軸部21の下端に連結された連結板部22と、連結板部22のさらに下端に連結された平板部23とを備える。上部回転軸部21の上部にはバネ受け21aが設けられ、このバネ受け21aと前記支持部18aとの間に介装された圧縮バネ24によって、回転軸13は一端側つまり上方へ付勢される。
ワークチャック15は、円盤状に形成されたチャック本体26と、チャック本体26の上側に設けられたリング状の上板部27とを備える。上板部27と平板部23との間には前記球面軸受機構30が設けられている。
図3(a)、(b)にも示すように、球面軸受機構30は、上板部27の内周部に設けられた外側凹球面30aと、平板部23の外周部に設けられた内側凸球面30bと、それら外側凹球面30aと内側凸球面30bとの間に介装された複数の球体30cとを備える。球面軸受機構30によるワークチャックの揺動中心Pは、該ワークチャック15に保持されるウェーハWの被加工面と面一の位置となるように設定されている。つまり、外側凹球面30aおよび内側凸球面30bの曲率中心は、ワークチャック15に保持されるウェーハWの被加工面と面一の位置、より具体的には、ウェーハWの被加工面の中心位置となるように設定されている。
なお、必要に応じて、球体30cが、外側凹球面30aと内側凸球面30bとの間の隙間から脱落しないよう、球体30cを保持するリテーナを備える構成にしてもよい。
図2に示すように、回転体12の回転平板部19とワークチャック15の上板部27との間にエアーバッグ31が介装され、このエアーバッグ31に所定圧のエアーが導入されるときに、圧縮バネ24の付勢力に抗して、ワークチャック15が回転体12から離間する方向、つまり図中下方へ相対移動される。エアーバッグ31は、回転平板部19の下面にリング状の溝31aが形成され、この溝31aを下側から塞ぐように、固定リング32によりリング状の可撓膜31bが取り付けられて構成されている。
リング状のエアーバッグ31は、前記回転体12の回転軸線lと同心状に配置されている。また、リング状のエアーバッグ31、より具体的には前記リング状の可撓膜31bは、幅方向中心が前記球面軸受機構30よりも外側となるように配置されている。
また、エアーバッグ31には、回転ギヤ部17および回転本体部18をそれぞれ貫通する縦孔33a、および縦孔33aにつながるよう回転平板部19に形成されたクランク状の孔33bを有するエアー通路33を介して、図示せぬエアー供給源から所定圧の圧縮エアーが供給される。
回転軸13とワークチャック15との間には、回転軸13の回転をワークチャック15に伝達する回転伝達機構35が介装されている。回転伝達機構35は、連結板部22の下面に設けられた一のカップリング片35aと、チャック本体26の上面に設けられた他のカップリング片35bとによって構成されるオルタム継手によって構成される。したがって、回転軸13とワークチャック15の互いの軸線が多少ずれる場合であっても、回転軸13の回転がワークチャック15に伝達される。
図4は本発明に係るウェーハ研磨装置の実施形態のワークチャックの底面図、図5は本発明に係るウェーハ研磨装置の実施形態の研磨ヘッドの、図2とは異なる箇所で切断したときの縦断面図である。
図4にも示すように、チャック本体26の下部には、ワークチャック15を冷却するための冷却機構36が設けられている。冷却機構36は、チャック本体26の下面全域に渡って形成された渦巻き状の溝37aと、この渦巻き状の溝37aを下側から覆うカバー37bとからなる冷却水通路37を備える。冷却水通路37には、チャック本体26の外周部の一端に冷却水入口部38が設けられている。この冷却水入口部38から導入された冷却水は、渦巻き状の溝37aに沿って周方向に沿いながら徐々にチャック本体26の中央側に至り、中央部で折り返して、再び渦巻き状の溝37aに沿って周方向に沿いながら徐々にチャック本体26のチャック本体26の外周側に至り、最終的にチャック本体の外周部の他端に設けられた冷却水出口部39に至る。チャック本体26において、冷却水入口部38および冷却水出口部39は、球面軸受機構30との干渉を避けるため、球面軸受機構30よりも外側に配置される。
図5に示すように、冷却水入口部38には、回転ギヤ部17および回転本体部18をそれぞれ貫通する縦孔40a、および縦孔40aにつながるよう回転平板部19に形成されたクランク状の孔40bを有する冷却水往路40が形成され、図示せぬ冷却水供給源からこの冷却水往路40を介して冷却水入口部38に冷却水が供給される。供給された冷却水は、冷却水通路37を通過した後、冷却水出口部39に至る。冷却水は、そこから回転平板部19に形成されたクランク状の孔41b、およびクランク状の孔41bにつながるよう回転ギヤ部17および回転本体部18をそれぞれ貫通する縦孔41aを有する冷却水復路41を通過して、図示せぬ冷却水供給源に戻る。
チャック本体26の下面には凹部26aが形成され、この凹部26aには通気性を有する多孔質板43が収納されている。多孔質板43は、回転ギヤ部17および回転本体部18をそれぞれ貫通する縦孔44a、並びに縦孔44aにつながるよう回転平板部19に形成されたクランク状の孔44bを有するウェーハ吸着路44を介して、真空ポンプ等の真空源に連通されている。真空源が駆動されると、多孔質板43が減圧され、該多孔質板43の下面に研磨対象であるウェーハWを吸着保持可能となる。
前記エアーバッグ31へ圧縮エアーを供給するエアー通路33、冷却機構と連通する冷却水往路40、冷却水復路41、および多孔質板43を減圧するウェーハ吸着路44は、図2、図5に示すように断面図で見ると、回転軸13および回転平板部19に対し、それらの回転中心(回転軸線l)から半径方向に向けて同じ位置に形成されているように見えるが、これらは周方向にずれた位置、例えば90°置きにずれた位置に形成されていて、互いに干渉しないように配置される。
なお、符号45は、互いに対向する回転平板部19と上板部27の外周部に設けられて、ワークチャック15内への塵埃等の侵入を防止する塵埃カバーである。
次に、このように構成されたウェーハ研磨装置1の作用について説明する。まず、研磨ヘッド3を図示しない移動機構により、所定箇所に待機中の研磨前のウェーハW上まで移動させる。そして、研磨ヘッド3に付随する図示せぬ真空源を作動させ、ウェーハ吸着路44を介して多孔質板43を減圧し、該多孔質板43の下面の吸着作用によって研磨前のウェーハWを吸着保持する。その後、ウェーハWを吸着保持したまま研磨ヘッド3を、前記移動機構によりプラテン2上の所定高さ位置にまで運ぶ。
次いで、図示せぬ圧縮エアー供給源を作動し、エアー通路33を介してエアーバッグ31に圧縮エアーを供給して、エアーバッグ31を膨らませる。エアーバッグ31が膨らむと、ワークチャック15を回転体12から離間する方向つまり下方へ押圧し、これに伴い、圧縮バネ24の付勢力に抗して、ワークチャック15を回転軸13とともに下方へ移動させる。これに伴い、ワークチャック15の下面に吸着保持しているウェーハWを研磨パッド6に押し付けることができる。
この状態で、プラテン2および研磨ヘッド3は、図1に示すように予め回転しており、回転する研磨パッド6上に図示しないノズルからスラリーが供給されて、ウェーハW上の所定の導電性膜等が研磨される。
ここで、研磨パッド6が載置される研磨定盤は制作誤差等に起因して多少の凹凸や傾きが生じることが避けられないものの、これら凹凸や傾きに追従するよう、回転軸13に揺動可能に支持されたワークチャック15が随時揺動しながら、研磨パッド6の上面に密着する。
このとき、ワークチャック15の揺動中心Pが、ワークチャック15に保持されるウェーハWの被加工面と面一の位置に設定されているため、図3(a)に示すように研磨定盤の凹凸や傾きに追従してワークチャック15の傾斜角度が例え大きくなる場合でも、ウェーハWの回転中心位置が研磨定盤に対して偏心することがない。この結果、ウェーハW研磨の際に不要なモーメントが生じず、結果的にウェーハ表面を均一な平滑面に研磨することができる。
また、ウェーハWを研磨パッド6に押し付けるための圧縮エアーを供給する際、圧縮エアーはエアー通路33を介して閉空間であるエアーバッグ31に導入するだけであって、エアーの漏れ調整を行う消耗部材であるリテーナリングを用いる必要がない。このため、交換用のリテーナリングを予め用意する管理や、リテーナリングの交換時期の管理が不要になり、ランニングコストを大幅に低減することができる。
また、ウェーハを研磨パッド6に押し付ける際のエアーバッグ31は、その幅方向中心が球面軸受機構30よりも外側に配置されており、このため、ワークチャック15を下方へ押圧させる際の押圧面積を広くとることができること、並びに、ワークチャック15を球面軸受機構30よりも外周側から押圧できることから、研磨パッド6の表面の凹凸や傾きに追従してワークチャックを揺動させるときの応答時間を短くすることができる。この結果、ウェーハ表面をより一層、均一な平滑面に研磨することができる。
なお、回転体12が回転するとき、回転体12の回転は、回転本体部18の支持部18aとスプライン嵌合された回転軸13に伝達され、この回転軸13からオルダム継手である回転伝達機構35を介してさらにワークチャック15に伝達される。このため、ワークチャック15は、回転軸13に揺動可能に支持されているものの、回転体12と一体的に回転することとなる。したがって、ウェーハWが研磨パッド6との摩擦によって、とも回りを起こすことなく、回転体12から伝達される強制的な回転力によって、ウェーハWを回転させることができる。
前記エアーバッグ31への圧縮エアーの供給と同時、冷却供給源から冷却水往路40を介して冷却水を冷却水通路37に供給する。
ウェーハWを研磨する際に摩擦熱が発生するが、この摩擦熱は、冷却水通路37に供給する冷却水によって除去することができる。このため、ウェーハWやワークチャック15が摩擦熱によって必要以上に温度上昇するのを未然に回避できる。
研磨が終了すると、圧縮エアーの供給と冷却水の供給をそれぞれ停止する。エアーバッグ31は元の大きさに戻り、これに伴い、圧縮バネ24の付勢力によってワークチャック15が回転軸13とともに所定高さまで上昇する。
その後、図示せぬ移動機構を作動させて、研磨したウェーハを研磨ヘッド3とともに、ウェーハ収納位置まで運ぶ。
なお、本発明のウェーハ研磨装置は、前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、構成部品の変更や改良をすることが可能である。
前記実施形態では、ワークチャック15を支持する球面軸受機構30の揺動中心Pをワークチャックに15に保持されるウェーハWの被加工面と面一の位置に設定しているが、これに限られることなく、揺動中心Pを若干上方側ずらしてもよい。つまり、揺動中心PをウェーハWを含むワークチャック15の厚さ内に位置するように設定してもよい。
また、前記実施形態では、回転軸13を上方へ付勢する付勢部材として圧縮バネ24を用いているが、付勢部材は、これに限られることなく、引っ張りバネや、ゴム等の弾性部材を用いたものであっても、さらには圧縮エアー等を利用した構造であってもよい。
また、前記実施形態では、エアーバッグ31として、回転平板部19の下面に形成されたリング状の溝31aと、この溝31aを下側から塞ぐように取り付けられたリング状の可撓膜31bからなるものを用いているが、エアーバッグ31は、これに限られることなくリング状の弾性材からなる袋状のものであってもよい。
1 ウェーハ研磨装置、2 プラテン、3 研磨ヘッド、6 研磨パッド、11 ベアリング、12 回転体、13 回転軸、15 ワークチャック、19 回転平板部、24 圧縮バネ(付勢部材)、30 球面軸受機構、30a 外側凹球面、30b 内側凸球面、30c 球体、31 エアーバッグ、31a リング状の溝、31b リング状の可撓膜、33 エアー通路、35 回転伝達機構、36 冷却機構、W ウェーハ、P 揺動中心、l 回転軸線。

Claims (7)

  1. 回転体と、
    前記回転体と同軸状に配置されかつ前記回転体と一体的に回転するとともに前記回転体に対して回転中心の軸線の方向に相対移動可能に設けられた回転軸と、
    前記回転体に対して前記回転軸を一端側へ付勢する付勢部材と、
    前記回転軸の他端側に球面軸受機構を介して揺動可能に支持されるとともに研磨対象であるウェーハを保持するワークチャックと、
    前記回転体と前記ワークチャックとの間に介装されたエアーバッグとを備え、
    前記球面軸受機構は、その揺動中心が前記ウェーハを含む前記ワークチャックの厚さ内に位置するように設定され、
    前記エアーバッグにエアーが導入されるときに、前記付勢部材の付勢力に抗して前記ワークチャックが回転体から離間する方向へ相対移動し、該ワークチャックに保持された前記ウェーハを研磨パッドへ押し付けることを特徴とするウェーハ研磨装置。
  2. 前記球面軸受機構は、前記回転軸に形成された内側凸球面と、前記ワークチャックに形成された外側凹球面と、前記内側凸球面と前記外側凹球面との間に介装された複数の球体とを備えることを特徴とする請求項1に記載のウェーハ研磨装置。
  3. 前記球面軸受機構は、揺動中心が、前記ワークチャックに保持される前記ウェーハの被加工面と面一の位置に設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載のウェーハ研磨装置。
  4. 前記エアーバッグは、前記回転体の前記ワークチャックとの対向面上であって前記回転軸を中心としてその径方向外側に配置されたリング状の可撓膜を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のウェーハ研磨装置。
  5. 前記リング状の可撓膜は、幅方向中心が前記球面軸受機構よりも外側に配置されていることを特徴とする請求項4に記載のウェーハ研磨装置。
  6. 前記回転軸の回転を前記ワークチャックに伝達する回転伝達機構を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のウェーハ研磨装置。
  7. 前記ワークチャックには冷却機構が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のウェーハ研磨装置。
JP2013267186A 2013-12-25 2013-12-25 ウェーハ研磨装置 Active JP6232654B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013267186A JP6232654B2 (ja) 2013-12-25 2013-12-25 ウェーハ研磨装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013267186A JP6232654B2 (ja) 2013-12-25 2013-12-25 ウェーハ研磨装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015126001A JP2015126001A (ja) 2015-07-06
JP6232654B2 true JP6232654B2 (ja) 2017-11-22

Family

ID=53536548

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013267186A Active JP6232654B2 (ja) 2013-12-25 2013-12-25 ウェーハ研磨装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6232654B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101672873B1 (ko) * 2016-02-17 2016-11-04 주식회사 티에스시 화학기계식 웨이퍼연마장치
JP6927560B2 (ja) * 2017-01-10 2021-09-01 不二越機械工業株式会社 ワーク研磨ヘッド
CN114473848B (zh) * 2022-01-27 2023-06-20 北京晶亦精微科技股份有限公司 一种具有冷却功能的抛光装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004237373A (ja) * 2003-02-04 2004-08-26 Mitsubishi Electric Corp Cmp研磨装置
JP2008284634A (ja) * 2007-05-16 2008-11-27 Lapmaster Sft Corp ワークスピンドル
JP2011124302A (ja) * 2009-12-09 2011-06-23 Lapmaster Sft Corp 低重心エアバック式研磨ヘッド

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015126001A (ja) 2015-07-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9604339B2 (en) Vacuum-grooved membrane wafer polishing workholder
US9199354B2 (en) Flexible diaphragm post-type floating and rigid abrading workholder
KR100876381B1 (ko) 기판 고정 장치 및 기판 폴리싱 장치
JP5390750B2 (ja) 研磨装置、および研磨パッド再生処理方法
JP4583207B2 (ja) 研磨装置
US9233452B2 (en) Vacuum-grooved membrane abrasive polishing wafer workholder
US20050191947A1 (en) Retaining ring with shaped surface
US20060199479A1 (en) Substrate holding apparatus and polishing apparatus
JP2010162688A (ja) 研磨パッドのドレッシング方法、研磨パッドのドレッシング装置、基板研磨装置、及び基板研磨方法
JP6535529B2 (ja) 両面研磨装置の研磨布のドレッシング装置およびドレッシング方法
JP6232654B2 (ja) ウェーハ研磨装置
JP3683149B2 (ja) 研磨装置の研磨ヘッドの構造
CN114310627A (zh) 一种用于对硅片进行抛光的抛光垫和抛光设备
JP2002113653A (ja) 基板保持装置及び該基板保持装置を備えたポリッシング装置
JP2005288664A (ja) 研磨装置及び研磨パッド立上完了検知方法
US20120196512A1 (en) Polishing pad and method of fabricating semiconductor device
US7090570B2 (en) Chemical mechanical polishing apparatus and methods using a polishing surface with non-uniform rigidity
JP4342528B2 (ja) ポリッシング方法
JP2009050943A (ja) リテーナリング、キャリアヘッド、および化学機械研磨装置
JP7349791B2 (ja) Cmp装置
JP2003175455A (ja) 基板保持装置及びポリッシング装置
JP5257729B2 (ja) 研磨装置
JP5115839B2 (ja) 研磨装置
JP2008091665A (ja) Cmp装置
JP2009255184A (ja) ウェーハ研磨装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160805

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170417

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170425

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170626

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170926

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171003

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6232654

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250