JP2008166022A - 燃料電池システムおよびその運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】非電力で燃料電池に発電させる場合に燃料電池が正常に発電しているか否かを判定できる、燃料電池システムおよびその運転方法を提供する。
【解決手段】燃料電池システム10は、セルスタック12、セルスタック12に酸素を含む空気を供給するためのエアポンプ32、セルスタック12の電圧を検出する電圧検出回路60、および燃料電池システム10の動作を制御するCPU50を含む。エアポンプ32にはハンドルが着脱可能に設けられ、エアポンプ32はハンドルを回転させることによって人力で駆動される。CPU50は、セルスタック12の電圧と所定電圧との比較結果およびセルスタック12の電圧の検出開始からの時間と所定時間との比較結果に基づいて、エアポンプ32が人力で駆動されている状態でセルスタック12が正常に発電しているか否かを判定する。
【選択図】図1

Description

この発明は燃料電池システムおよびその運転方法に関し、より特定的には、電力以外の力で燃料電池に発電させることができる燃料電池システムおよびその運転方法に関する。
一般に、燃料電池システムでは、燃料電池の出力でポンプ等の補機類を駆動する通常運転に移行するまでは二次電池からの電力で補機類を駆動することによって燃料電池に発電させることが知られている。このような燃料電池システムでは、二次電池の蓄電量が少なければ、燃料電池の発電を開始できないといった問題や通常運転に移行するまでにシステムが停止してしまうといった問題があった。
そこで特許文献1には、二次電池の蓄電量が少ない場合、高圧水素タンクから燃料電池に供給される水素ガスの圧力で燃料電池に酸素を供給する送風装置を駆動する燃料電池システムが開示されている。特許文献1の技術によれば、二次電池の蓄電量が少ない場合であっても、燃料電池の発電を開始でき、通常運転に移行できる。
特開2004−247052号公報
しかし、特許文献1の技術では、何らかの異常で燃料電池の出力上昇が望めない状態であっても、その状態で待機する。このように燃料電池が正常に発電していない状態で待機することによって燃料電池の劣化を進めるおそれがあった。また、燃料電池システムの使用者がいつまでも待機していなければならず、使用者にとっての利便性が悪かった。
それゆえに、この発明の主たる目的は、非電力で燃料電池に発電させる場合に燃料電池が正常に発電しているか否かを判定できる、燃料電池システムおよびその運転方法を提供することである。
上述の目的を達成するために、請求項1に記載の燃料電池システムは、燃料電池、前記燃料電池に燃料を供給する燃料供給手段、電力と非電力とのいずれでも駆動可能であり前記燃料電池に酸素を供給する酸素供給手段、少なくとも前記酸素供給手段の駆動開始からの経過時間を計測する計時手段、前記燃料電池の出力状態を検出する状態検出手段、および前記酸素供給手段が非電力で駆動されている状態で前記計時手段の計時結果と前記状態検出手段の検出結果とに基づいて前記燃料電池が正常に発電しているか否かを判定する判定手段を備える。
請求項2に記載の燃料電池システムは、請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、前記燃料供給手段は、電力と非電力とのいずれでも駆動可能であり、前記判定手段は、少なくとも前記酸素供給手段が非電力で駆動されている状態で前記計時手段の計時結果と前記状態検出手段の検出結果とに基づいて前記燃料電池が正常に発電しているか否かを判定することを特徴とする。
請求項3に記載の燃料電池システムは、燃料電池、電力と非電力とのいずれでも駆動可能であり前記燃料電池に燃料を供給する燃料供給手段、少なくとも前記燃料供給手段の駆動開始からの経過時間を計測する計時手段、前記燃料電池の出力状態を検出する状態検出手段、および前記燃料供給手段が非電力で駆動されている状態で前記計時手段の計時結果と前記状態検出手段の検出結果とに基づいて前記燃料電池が正常に発電しているか否かを判定する判定手段を備える。
請求項4に記載の燃料電池システムは、請求項1から3のいずれかに記載の燃料電池システムにおいて、二次電池、および前記二次電池の蓄電量を検出する蓄電量検出手段をさらに含み、前記判定手段は、前記蓄電量検出手段の検出結果に基づいて前記燃料電池の発電状態を判定するか否かを決定することを特徴とする。
請求項5に記載の燃料電池システムの運転方法は、燃料電池に非電力で燃料と酸素との少なくともいずれか一方の供給を開始する第1工程、少なくとも前記第1工程からの経過時間を計測する第2工程、前記燃料電池の出力状態を検出する第3工程、および前記経過時間が所定時間を経過するまでに前記燃料電池の出力状態が所定の出力状態にならなければ前記燃料電池が正常に発電していないと判定する第4工程を備える。
請求項6に記載の燃料電池システムの運転方法は、請求項5に記載の燃料電池システムの運転方法において、二次電池の蓄電量を検出する工程をさらに含み、前記二次電池の蓄電量が所定値未満である場合に前記第4工程を行うことを特徴とする。
なお、「非電力」とは、電力以外の物理的な力をいう。
請求項1に記載の燃料電池システムでは、燃料電池に非電力で酸素を供給している状態で少なくとも酸素の供給開始からの経過時間を計測しかつ燃料電池の出力状態を検出する。非電力で酸素を供給している状態で燃料電池が正常に発電していれば、経過時間が所定時間を経過するまでに燃料電池の出力状態が所定の出力状態になる。したがって、経過時間と所定時間との比較結果および燃料電池の出力状態と所定の出力状態との比較結果に基づいて燃料電池が正常に発電しているか否かを判定できる。所定時間を経過するまでに所定の出力状態にならない場合、何らかの異常によって燃料電池内の酸素や燃料が少なくなっている可能性が高い。燃料が少ない状態で発電を継続すれば燃料電池の劣化を進めるおそれがある。所定時間を経過するまでに所定の出力状態にならなければ正常に発電していないと判定し、その旨を当該燃料電池システムの使用者に報知する。これによって、燃料電池の発電を停止させることができ、燃料電池の劣化を抑制できる。また、燃料電池の出力がいつまでも上昇しない状態であるにもかかわらず使用者を待機させるといったことを防止でき、使用者にとっての利便性を向上させることができる。請求項5に記載の燃料電池システムの運転方法についても同様である。
請求項2に記載の燃料電池システムでは、燃料供給手段と酸素供給手段とが電力と非電力とのいずれでも駆動可能であり、少なくとも酸素供給手段を非電力で駆動する。通常、燃料供給手段の消費電力は酸素供給手段の消費電力よりも少ないので、燃料電池の出力で燃料供給手段を駆動できるようになれば、燃料供給手段を燃料電池からの電力で駆動しかつ酸素供給手段を非電力で駆動する。これによって、より確実に燃料電池に発電させることができる。また、燃料供給手段と酸素供給手段とをそれぞれ非電力で駆動することによって、電力を使用できない場合であっても燃料電池に発電させることができる。
請求項3に記載の燃料電池システムでは、燃料電池に非電力で燃料を供給している状態で少なくとも燃料の供給開始からの経過時間を計測しかつ燃料電池の出力状態を検出する。非電力で燃料を供給している状態で燃料電池が正常に発電していれば、経過時間が所定時間を経過するまでに燃料電池の出力状態が所定の出力状態になる。したがって、経過時間と所定時間との比較結果および燃料電池の出力状態と所定の出力状態との比較結果に基づいて燃料電池が正常に発電しているか否かを判定できる。このように燃料電池が正常に発電しているか否かを判定することによって、上述のように、燃料電池の劣化を抑制でき、また使用者にとっての利便性を向上させることができる。
請求項4に記載の燃料電池システムでは、二次電池の蓄電量が通常運転に移行するまでに必要な所定値以上であれば、燃料電池が正常に発電しているか否かを判定することなく、二次電池からの電力で燃料電池に発電させる。このように二次電池の蓄電量が十分である場合は二次電池からの電力で燃料電池に発電させることによって、通常運転に確実に移行できる。請求項6に記載の燃料電池システムの運転方法についても同様である。
この発明によれば、非電力で燃料電池に発電させる場合に燃料電池が正常に発電しているか否かを判定できる。
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。
図1および図2を参照して、この発明の一実施形態の燃料電池システム10は、メタノール(メタノール水溶液)を改質せずにダイレクトに電気エネルギの生成(発電)に利用する直接メタノール型燃料電池システムである。燃料電池システム10は、自動二輪車等の輸送機器に搭載され、輸送機器を駆動するための電動モータ等である負荷100に電力を供給する。燃料電池システム10は、燃料電池セルスタック(以下、単にセルスタックという)12を含む。
図2に示すように、セルスタック12は、メタノールに基づく水素イオンと空気に含まれる酸素との電気化学反応によって発電できる燃料電池(燃料電池セル)14を、セパレータ16を挟んで複数個積層(スタック)して構成されている。セルスタック12を構成する各燃料電池14は、固体高分子膜等から構成される電解質膜14aと、電解質膜14aを挟んで互いに対向するアノード(燃料極)14bおよびカソード(空気極)14cとを含む。アノード14bおよびカソード14cはそれぞれ、電解質膜14a側に設けられる白金触媒層を含む。
また、燃料電池システム10は、セルスタック12の電気化学反応の燃料となる高濃度(たとえば、メタノールを約50wt%含む)のメタノール燃料(高濃度メタノール水溶液)を保持する燃料タンク18を含む。
燃料タンク18にはパイプP1を介して燃料ポンプ20が接続されている。また、燃料タンク18には、たとえばフロートセンサからなり、燃料タンク18内の液面の高さ(液位)を検出するレベルセンサ22が装着されている。
燃料ポンプ20にはパイプP2を介して水溶液タンク24が接続されている。水溶液タンク24は、燃料タンク18からのメタノール燃料をセルスタック12の電気化学反応に適した濃度(たとえば、メタノールを約3wt%含む)に希釈したメタノール水溶液を保持している。燃料ポンプ20を駆動させることによって、燃料タンク18から水溶液タンク24にメタノール燃料が供給される。
水溶液タンク24にはパイプP3を介して水溶液ポンプ26が接続されている。また、水溶液タンク24には、たとえばフロートセンサからなり、水溶液タンク24内の液位を検出するレベルセンサ28が装着されている。
水溶液ポンプ26にはパイプP4を介してセルスタック12が接続されている。パイプP4はセルスタック12のアノード入口A1に接続されている。水溶液ポンプ26を駆動させることによって、水溶液タンク24から各燃料電池14のアノード14bにメタノール水溶液が供給される。
水溶液タンク24はセルスタック12よりも高い位置に設けられ、水溶液タンク24とセルスタック12とは水溶液タンク24からのメタノール水溶液が各燃料電池14のアノード14bに流れるように接続されている。したがって、水溶液タンク24にメタノール水溶液が保持されていれば、各燃料電池14のアノード14bにはメタノール水溶液が存在している。このように各燃料電池14のアノード14bをメタノール水溶液に浸しておくことによって、電解質膜14aの乾燥ひいては劣化が防止される。
セルスタック12のアノード入口A1付近には、セルスタック12に供給されたメタノール水溶液の温度を検出する温度センサ30が設けられている。また、セルスタック12と水溶液タンク24とはパイプP5によって接続されている。パイプP5はセルスタック12のアノード出口A2に接続されている。
上述したパイプP1〜P5は主として燃料の流路となる。
また、セルスタック12には、パイプ(吸気管)P6が接続されるエアポンプ32がパイプP7を介して接続されている。パイプP7はセルスタック12のカソード入口C1に接続されている。エアポンプ32を駆動させることによって、外部から各燃料電池14のカソード14cに酸素を含む空気(エア)が供給される。
また、セルスタック12にはパイプP8を介してラジエータ34が接続されている。パイプP8はセルスタック12のカソード出口C2に接続されている。気液分離用のラジエータ34にはラジエータ34を冷却するためのファン36が設けられている。ラジエータ34にはパイプP9を介して水タンク38が接続され、水タンク38にはパイプ(排気管)P10が設けられている。水タンク38は、セルスタック12の電気化学反応に伴って生成される水を収容している。水タンク38には、たとえばフロートセンサからなり、水タンク38内の液位(水位)を検出するレベルセンサ40が装着されている。
上述したパイプP6〜P10は主として排気の流路となる。
水タンク38にはパイプP11を介して水ポンプ42が接続され、水ポンプ42と水溶液タンク24とはパイプP12によって接続されている。水ポンプ42を駆動させることによって、水タンク38から水溶液タンク24に水が供給される。
上述したパイプP11,P12は水の流路となる。
また、パイプP4の分岐部Jには、パイプP4を流れるメタノール水溶液の一部が流入するようにパイプP13が接続されている。パイプP13には超音波センサ44が取り付けられている。超音波センサ44は、メタノール水溶液の濃度(メタノール水溶液におけるメタノールの割合)に応じて超音波の伝播時間(伝播速度)が変化することを利用して、メタノール水溶液の濃度を検出するために用いられる。超音波センサ44は、発信部44aと受信部44bとを含み、発信部44aから発信した超音波を受信部44bで受信してパイプP13内での超音波伝播時間を検出し、その伝播時間に相当する電圧値を物理的な濃度情報とする。コントローラ48のCPU50(後述)はその濃度情報に基づいてパイプP13内のメタノール水溶液の濃度を検出する。
パイプP13には検出用バルブ46が接続され、検出用バルブ46と水溶液タンク24とはパイプP14によって接続されている。濃度検出時には検出用バルブ46が閉じられ、パイプP13内でのメタノール水溶液の流れが止められる。濃度検出後、検出用バルブ46が開けられ、濃度検出済みのメタノール水溶液が水溶液タンク24に戻される。
上述したパイプP13,P14は濃度検出用の流路となる。
ついで、燃料電池システム10の電気的構成について説明する。
図1に示すように、燃料電池システム10はコントローラ48を含む。コントローラ48は、必要な演算を行い燃料電池システム10の動作を制御するCPU50、CPU50に時間計測等に用いるクロック信号を与えるクロック回路52、EEPROM等からなるメモリ54、セルスタック12を二次電池56と負荷100とに接続するための電気回路58における電圧を検出する電圧検出回路60、セルスタック12を流れる電流を検出する電流検出回路62、電気回路58を開閉するためのON/OFF回路64、セルスタック12と負荷100とを接続し、またその接続を遮断するためのON/OFF回路66、および電気回路58に所定の電圧を供給するための電源回路68を含む。
電気回路58には、二次電池56の蓄電量を検出する蓄電量検出器70が設けられている。セルスタック12からの電力で充電される二次電池56は、セルスタック12の出力を補完するものであり、CPU50の指令に応じて負荷100や補機類等に電力を与える。蓄電量検出器70は、二次電池56の電圧を検出し、検出した電圧と予め設定されている定数とを掛けることによって二次電池56の蓄電量を算出する。
蓄電量検出器70は、インターフェイス回路72を介してCPU50に接続されている。また、インターフェイス回路72には、電動モータである負荷100の駆動状態等の各種データを計測表示するためのメータ74が接続されている。
コントローラ48のCPU50には、レベルセンサ22,28および40からの検出信号、温度センサ30からの検出信号、ならびに超音波センサ44からの検出信号が入力される。また、CPU50には、電圧検出回路60からの電圧検出値、および電流検出回路62からの電流検出値が入力される。また、CPU50には、インターフェイス回路72を介して蓄電量検出器70からの検出信号およびメータ74からの各種データに対応する信号が入力される。さらに、CPU50には、入力部76からの信号が入力される。入力部76には、電源をオン/オフするためのメインスイッチ、発電開始を指示するための開始ボタン、および発電停止を指示するための停止ボタン等が設けられている。燃料電池システム10の使用者(ここでは輸送機器のドライバ)の指示は、入力部76を介してCPU50に与えられる。
また、CPU50によって、燃料ポンプ20、水溶液ポンプ26、エアポンプ32、ファン36、水ポンプ42および検出用バルブ46等の補機類が制御される。燃料ポンプ20、水溶液ポンプ26、エアポンプ32、ファン36、水ポンプ42および検出用バルブ46は、CPU50の指令に応じてセルスタック12または二次電池56から電力が供給されることによって駆動される。
水溶液ポンプ26およびエアポンプ32は非電力でも駆動可能である。具体的に、水溶液ポンプ26の電動モータには駆動手段であるハンドル82(図2参照)が着脱可能であり、当該電動モータの回転軸に取り付けたハンドル82を人力で回転させることによっても水溶液ポンプ26が駆動される。同様に、エアポンプ32の電動モータには駆動手段であるハンドル84(図2参照)が着脱可能であり、当該電動モータの回転軸に取り付けたハンドル84を人力で回転させることによってもエアポンプ32が駆動される。
また、CPU50によって、ON/OFF回路64,66が制御される。ON/OFF回路64をオンにする(閉じる)ことによって、電気回路58が閉回路になり、セルスタック12から電力の取り出しが可能となる。また、ON/OFF回路66をオンにすることによってセルスタック12に負荷100が接続される。燃料電池システム10の運転を停止する際には、ON/OFF回路64,66がオフにされ、電気回路58が開回路にされるとともにセルスタック12と負荷100との接続が遮断される。
ON/OFF回路64には、使用者がON/OFF回路64をオンにするためのONボタン78が接続される。後述するように人力で発電を開始する場合、事前にONボタン78が押されることによってセルスタック12から電力の取り出しが可能となる。
さらに、CPU50によって報知手段である表示部80が制御される。表示部80は、たとえば液晶ディスプレイ等で構成され、CPU50の指令に応じて使用者に各種情報を報知する。
メモリ54は、燃料電池システム10の動作を制御するためのプログラムやデータおよび演算データ等を格納している。具体的に、記憶手段であるメモリ54は、図5および図6に示す動作を実行するためのプログラム、フラグおよび演算データ等を格納している。
この実施形態では、電圧検出回路60が状態検出手段に相当し、CPU50が判定手段に相当し、蓄電量検出器70が蓄電量検出手段に相当する。燃料供給手段は水溶液ポンプ26を含み、酸素供給手段はエアポンプ32を含み、計時手段はCPU50とクロック回路52とを含む。
ついで、燃料電池システム10の基本的な動作について説明する。
まず、入力部76のメインスイッチがオンされることを契機として、コントローラ48のCPU50が起動される。これによって各種動作の制御が可能となる。そして、CPU50の起動後に入力部76の開始ボタンが押されることを契機として、二次電池56からの電力で水溶液ポンプ26やエアポンプ32等の補機類が駆動され、セルスタック12の発電が開始される。
図2を参照して、水溶液タンク24内のメタノール水溶液は、水溶液ポンプ26の駆動によってパイプP3,P4およびアノード入口A1を介してセルスタック12を構成する各燃料電池14のアノード14bにダイレクトに供給される。
一方、エアポンプ32の駆動によってパイプP6を介して吸入された空気(エア)は、パイプP7およびカソード入口C1を介してセルスタック12を構成する各燃料電池14のカソード14cに供給される。
各燃料電池14のアノード14bでは、供給されたメタノール水溶液におけるメタノールと水とが改質反応し、二酸化炭素および水素イオンが生成される。生成された水素イオンは、電解質膜14aを介してカソード14cに流入し、そのカソード14c側に供給された空気中の酸素と電気化学反応して水(水蒸気)および電気エネルギが生成される。つまり、セルスタック12において発電が行われる。セルスタック12からの電力は、二次電池56の充電や負荷100の駆動等に利用される。
セルスタック12の温度は電気化学反応に伴って発生する熱によって上昇する。
ここで図3に異なる温度におけるセルスタック12の電圧と電流との関係を示す。図3のT1,T2およびT3はそれぞれ、セルスタック12が60℃,50℃および40℃である場合のセルスタック12の電圧と電流との関係を示している。図3から、セルスタック12の電圧値が同じであればセルスタック12の電流値はセルスタック12の温度が高い方が大きくなっていることがわかる。つまり、図3から、セルスタック12の温度が上昇すればセルスタック12の出力も上昇することがわかる。これは、セルスタック12の温度が上昇すればアノード14bにおけるメタノールと水との改質反応およびカソード14cにおける水素イオンと酸素との電気化学反応が活発になるからである。
燃料電池システム10では、セルスタック12が50℃以上になればセルスタック12の出力で補機類や負荷100等の消費電力を賄えるようになる。つまり、セルスタック12が50℃以上になればセルスタック12の出力で負荷100に電力を供給しつつ発電(運転)を継続可能な通常運転に移行できる。セルスタック12の温度は、温度センサ30が検出したメタノール水溶液の温度によって確認できる。
図2に戻って、各燃料電池14のアノード14bで生成された二酸化炭素および未反応メタノールを含むメタノール水溶液は、セルスタック12のアノード出口A2およびパイプP5を介して水溶液タンク24に還流される。このように、水溶液ポンプ26の駆動によって、メタノール水溶液が水溶液タンク24からセルスタック12に供給されるとともにセルスタック12から水溶液タンク24に還流される。つまり、水溶液ポンプ26の駆動によって、セルスタック12にメタノール水溶液が循環供給される。
一方、各燃料電池14のカソード14cで生成された水蒸気の大部分は液化して水となってセルスタック12のカソード出口C2から排出されるが、飽和水蒸気分はガス状態で排出される。カソード出口C2から排出された水蒸気の一部は、パイプP8を介してラジエータ34に与えられて冷却され、その温度が露点以下になることによって液化される。ラジエータ34による水蒸気の液化動作は、ファン36を動作させることによって行われる。水分(水および水蒸気)、二酸化炭素および未反応の空気を含むカソード出口C2からの排気は、パイプP8、ラジエータ34およびパイプP9を介して水タンク38に与えられ、水タンク38に水が回収された後にパイプP10を介して外部に排出される。
また、各燃料電池14のカソード14cでは、クロスオーバーによってカソード14cに移動したメタノールが白金触媒層で酸素と反応して無害な水分と二酸化炭素とに分解される。メタノールから分解された水分と二酸化炭素とは、カソード出口C2から排出され、パイプP8、ラジエータ34およびパイプP9を介して水タンク38に与えられる。さらに、水のクロスオーバーによってカソード14cに移動した水分が、カソード出口C2から排出され、パイプP8、ラジエータ34およびパイプP9を介して水タンク38に与えられる。
燃料タンク18内のメタノール燃料は、燃料ポンプ20の駆動によってパイプP1,P2を介して水溶液タンク24に適宜供給される。また、水タンク38内の水は、水ポンプ42の駆動によってパイプP11,P12を介して水溶液タンク24に適宜供給される。
このような燃料電池システム10では、使用者がハンドル84を用いてエアポンプ32を駆動させることによってもセルスタック12に発電を開始させることができる。詳しくは、ONボタン78を押して電気回路58を閉回路にした状態でハンドル84を回転させて各カソード14cに空気を供給する。これによって、当該空気と各アノード14bに存在しているメタノール水溶液とを用いてセルスタック12が発電を開始する。
ここで、エアポンプ32を人力(手動)で駆動する場合のセルスタック12の電圧の推移の一例を図4示す。
まず、エアポンプ32を人力で駆動することによってセルスタック12に発電を開始させた後、電気回路58ひいてはセルスタック12の電圧が起動電圧(ここでは5V)になればCPU50が起動される(期間P1参照)。
つづいて、セルスタック12の電圧が起動電圧未満にならないように各種センサ等に電力が供給され、CPU50の起動後しばらくはセルスタック12の電圧が起動電圧程度で推移する(期間P2参照)。
そして、時間の経過に伴ってセルスタック12の温度ひいては出力が上昇し、セルスタック12の出力でコントローラ48の各構成要素や各種センサの消費電力を賄えるようになれば、セルスタック12の電圧が上昇し始める(期間P3参照)。
その後、セルスタック12の電圧が所定電圧(ここでは24V)になれば燃料ポンプ20や水溶液ポンプ26の駆動が可能となる。そして、所定電圧未満にならないように燃料ポンプ20や水溶液ポンプ26等の補機類に電力が供給され、しばらくはセルスタック12の電圧が所定電圧程度で推移する。
セルスタック12が正常に発電していればセルスタック12の電圧はこのように推移するが、セルスタック12が正常に発電していなければたとえば図4に一点鎖線で示すようにセルスタック12の電圧は所定電圧(24V)に到達しない。その原因としては、たとえば、各燃料電池14のアノード14bに存在するメタノール水溶液の濃度が極端に薄い(たとえば0.5wt%以下)ことや、ハンドル84の回転速度が遅く各燃料電池14のカソード14cに供給される酸素が少ないこと等が考えられる。セルスタック12に存在するメタノール水溶液の濃度が極端に薄い場合、電解質膜14aの劣化ひいてはセルスタック12の劣化を進めてしまう。また、セルスタック12の出力がいつまでも上昇しない状態であるにもかかわらず、ハンドル84を回転させたまま使用者を待機させることは、使用者にとって利便性が悪い。
そこで、燃料電池システム10では、エアポンプ32が人力で駆動されている状態でセルスタック12が正常に発電しているか否かを判定する。エアポンプ32が人力で駆動されているか否かはエアポンプ32の駆動状態に基づいて確認できる。具体的には、ハンドル84の回転に伴ってエアポンプ32の電動モータに生じる誘起電圧や当該電動モータに設けられるエンコーダーからの信号等に基づいてエアポンプ32が人力で駆動されているか否かを確認できる。
ついで、図5を参照して、エアポンプ32を人力で駆動する場合の燃料電池システム10の動作の一例について説明する。
なお、ここでは前回の通常運転停止時に水溶液タンク24内のメタノール水溶液が所定量に調整されるとともに水溶液タンク24内のメタノール水溶液の濃度が約3wt%から約1wt%に薄められるものとする。このように水溶液タンク24内のメタノール水溶液の濃度を薄めておくことによって、通常運転(発電)停止後にアノード14bからカソード14cにクロスオーバーするメタノールを少なくできる。
まず、エアポンプ32を人力で駆動することによってセルスタック12に発電を開始させた後に、セルスタック12の電圧が起動電圧(ここでは5V)になればCPU50が起動する。セルスタック12からの電力によって起動したCPU50は、蓄電量検出器70によって検出された二次電池56の蓄電量が予め設定されている所定値(ここでは蓄電率10%)未満か否かを判定する(ステップS1)。所定値(蓄電率10%)は、通常運転に移行するまでに必要な電力量に基づいて設定されている。二次電池56の蓄電率(二次電池56の容量に対する蓄電量の割合)が10%以上であれば、通常運転に移行するまでの消費電力を二次電池56からの電力で賄うことができる。
ステップS1において二次電池56の蓄電量が所定値未満である場合、電圧検出回路60によって検出されるセルスタック12の電圧が所定電圧(ここでは24V)に達したか否かがCPU50によって確認される(ステップS3)。所定電圧未満であればセルスタック12の電圧の検出を開始してからの時間(以下、経過時間という)が所定時間(ここでは60秒)を経過したか否かがCPU50によって確認される(ステップS5)。つまり、二次電池56の蓄電量では通常運転に移行するまでの消費電力を賄えない場合、セルスタック12の電圧と経過時間とがCPU50によって確認される。所定電圧(24V)は、燃料ポンプ20や水溶液ポンプ26等のエアポンプ32以外の補機類を駆動させても運転を継続可能な電圧に設定されている。経過時間はクロック回路52からのクロック信号に基づいて取得される。
そして、ステップS5において経過時間が所定時間(60秒)を経過するまでにステップS3においてセルスタック12の電圧が所定電圧(24V)になれば、CPU50は供給フラグを確認する(ステップS7)。供給フラグは、後述するメタノール燃料の供給が完了しているか否かを確認するために用いられ、メモリ54に格納されている。供給フラグは、CPU50によってオンとオフとのいずれか一方に設定される。供給フラグがオフであれば、CPU50は、水溶液タンク24内のメタノール水溶液の濃度を上昇させるために必要なメタノール燃料の量を設定する(ステップS9)。
ステップS9では、予め設定されている供給量(所定供給量)と、通常運転に移行する前に人力駆動による発電が中断されかつそれまでにメタノール燃料が供給されていた場合のメタノール燃料の供給量(供給済み量)との差を供給量として設定する。所定供給量は、水溶液タンク24内の所定量のメタノール水溶液の濃度を1wt%から5wt%に上昇させるために必要なメタノール燃料の量であり、メモリ54に格納されている。また、供給済み量は後述するようにメモリ54に書き込まれる。
つづいて、セルスタック12からの電力で燃料ポンプ20の駆動を開始させ(ステップS11)、ステップS9において設定した量のメタノール燃料が供給されるまで待機する(ステップS13)。メタノール燃料の供給が完了するまでは、CPU50がステップS11からの時間と燃料ポンプ20の出力(単位時間当たりの吐出量)とを掛けることによってメタノールの供給量が算出される。CPU50は、算出したメタノールの供給量を供給済み量としてメモリ54に随時書き込み更新していく(ステップS15)。ステップS11からの時間はクロック回路52からのクロック信号に基づいて取得される。
そして、ステップS13においてメタノール燃料の供給が完了すれば、CPU50は、メモリ54に格納されている供給済み量をリセットする(0にする)とともに燃料ポンプ20の駆動を停止させ(ステップS17)、供給フラグをオンに設定する(ステップS19)。その後、CPU50は、セルスタック12からの電力で水溶液ポンプ26を駆動する(ステップS21)。
ステップS11からS17においてその濃度が約5wt%にされた(濃くされた)メタノール水溶液をステップS21においてセルスタック12に供給することによって、セルスタック12の温度を迅速に上昇させることができる。また、ステップS15において供給済み量をメモリ54に書き込み更新しておくことによって、ステップS11からS17までの間に発電が停止されても、発電再開後にステップS9において適切な供給量を設定できる。つまり、必要以上のメタノール燃料が水溶液タンク24に供給されることを防止できる。
つづいて、セルスタック12が所定温度(ここでは50℃)になるまで待機する(ステップS23)。所定温度(50℃)は、セルスタック12の出力で燃料電池システム10の各構成要素および負荷100を駆動可能なセルスタック12の温度に設定されている。つまり、所定温度は通常運転に移行可能な温度に設定されている。
ステップS23においてセルスタック12の温度が所定温度になるまでは、水溶液タンク24内のメタノール水溶液の濃度を5wt%に保つように一定間隔(たとえば10秒毎)に燃料タンク18から水溶液タンク24にメタノール燃料が供給される。このときの供給量は、レベルセンサ28の検出結果と超音波センサ44の検出結果とに基づいて設定される。
そして、ステップS23においてセルスタック12が所定温度(50℃)になれば、CPU50は、供給フラグをオフに設定し(ステップS27)、表示部80にメッセージ等を表示させることによって人力駆動が不要であることを使用者に報知する(ステップS29)。つづいて、セルスタック12からの電力でエアポンプ32の駆動を開始させ(ステップS31)、通常運転に移行する。その後、入力部76の停止ボタンが押されれば水溶液ポンプ26やエアポンプ32等の補機類の駆動を停止させ、セルスタック12の発電を終了する。
一方、ステップS3においてセルスタック12の電圧が所定電圧(24V)になるまでにステップS5において経過時間が所定時間(60秒)を経過すれば、CPU50は、何らかの異常によってセルスタック12が正常に発電していないと判定する。そして、表示部80にメッセージ等を表示させることによって、正常に発電できていないこと(エラー)および何らかの対策が必要であることを使用者に報知し(ステップS33)、終了する。
また、ステップS1において二次電池56の蓄電量が所定量(蓄電率10%)以上であれば通常の場合と同様に二次電池56からの電力で補機類を駆動し、セルスタック12に発電させる(ステップS35)。
また、ステップS7において供給フラグがオンである場合はステップS21に進む。供給フラグがオンであれば、通常運転に移行する前に人力駆動による発電が中断されかつ昇温のためのメタノール燃料の供給(ステップS11〜S17)が完了していることを意味する。したがって、このようにステップS21に移ることによって必要以上のメタノール燃料が水溶液タンク24に供給されることを防止できる。
このような燃料電池システム10によれば、エアポンプ32が人力で駆動されている状態で、セルスタック12の電圧と所定電圧(24V)との比較結果および経過時間と所定時間(60秒)との比較結果に基づいてセルスタック12が正常に発電しているか否かを判定できる。所定時間を経過するまでに所定電圧にならない場合、セルスタック12に存在するメタノール水溶液の濃度が薄くなっている可能性やセルスタック12への空気(酸素)の供給量が少ない可能性が高い。メタノール水溶液の濃度が薄い状態で発電を継続すれば、セルスタック12の電解質膜14aにおいてメタノールが偏在し、セルスタック12の劣化を進めるおそれがある。したがって、所定電圧になるまでに所定時間を経過すれば、セルスタック12が正常に発電していないと判定し、その旨を使用者に報知する。これによって、使用者に発電を停止させることができ、セルスタック12の劣化を抑制できる。また、セルスタック12の出力がいつまでも上昇しない状態であるにもかかわらず使用者に待機させるといったことを防止でき、使用者にとっての利便性を向上させることができる。
通常、水溶液ポンプ26の消費電力はエアポンプ32の消費電力よりも少ないので、セルスタック12の出力で水溶液ポンプ26を駆動できるようになれば、水溶液ポンプ26をセルスタック12からの電力で駆動しかつエアポンプ32を人力で駆動する。これによって、より確実にセルスタック12に発電させることができる。
二次電池56の蓄電量が所定値(蓄電率10%)以上であれば、セルスタック12の発電状態を判定することなく、二次電池56からの電力でセルスタック12に発電を開始させる。このように二次電池56の蓄電量が十分である場合は二次電池56からの電力でセルスタック12に発電させることによって、通常運転に確実に移行できる。
なお、図5の動作では、セルスタック12からの出力でCPU50を動作させる場合について説明したが、この発明はこれに限定されない。二次電池56からの電力でCPU50を動作させることができれば、たとえば、エアポンプ32が人力で駆動されること契機として二次電池56からの電力でCPU50を動作させてもよい。また、入力部76のメインスイッチが押されることを契機として二次電池56からの電力でCPU50を起動させた後に、エアポンプ32を人力で駆動するようにしてもよい。
また、図5の動作では、セルスタック12の出力状態として電圧検出回路60によって検出されるセルスタック12の電圧値を用いる場合について説明したが、この発明はこれに限定されない。たとえば電流検出回路62によって検出されるセルスタック12の電流値をセルスタック12の出力状態として用いてもよい。この場合、電流検出回路62が状態検出手段に相当する。また、セルスタック12の電圧値と電流値とに基づいてCPU50によって算出されるセルスタック12の出力を出力状態として用いてもよい。この場合、状態検出手段は電圧検出回路60、電流検出回路62およびCPU50を含む。
さらに、図5の動作では、二次電池56の蓄電量と比較すべき所定値を蓄電率10%に固定する場合について説明したが、二次電池56の蓄電量と比較すべき所定値は可変であってもよい。この場合、たとえば、温度センサ30の検出結果に基づいて所定値を設定すればよい。セルスタック12の温度が高ければその出力も迅速に上昇するので、温度センサ30の検出結果に基づいて適切な所定値を設定できる。
なお、図5の動作では、所定時間と比較すべき経過時間として、電圧検出回路60がセルスタック12の電圧の検出を開始してからの時間を用いる場合について説明したが、この発明はこれに限定されない。たとえば、二次電池56からの電力でCPU50を起動させた場合、人力でエアポンプ32の駆動が開始されてからの時間を経過時間として用いてもよい。
なお、図5の動作では、エアポンプ32のみを人力で駆動する場合について説明したが、エアポンプ32をハンドル84を用いて人力で駆動するとともに水溶液ポンプ26をハンドル82を用いて人力で駆動してもよい。
ついで、図6を参照して、水溶液ポンプ26およびエアポンプ32を人力で駆動する場合の燃料電池システム10の動作の一例について説明する。
CPU50の起動後、CPU50が水溶液ポンプ26およびエアポンプ32が人力で駆動されていると判定すれば図6の動作が実行される。エアポンプ32と同様に、水溶液ポンプ26が人力で駆動されているか否かは、ハンドル82の回転に伴って水溶液ポンプ26の電動モータに生じる誘起電圧や当該電動モータに設けられるエンコーダーからの信号等に基づいて判定できる。
CPU50の起動前に人力で水溶液ポンプ26が駆動されているので、図6の動作では、図5の動作のステップS21が省略される。また、図6の動作では、図5の動作のステップS31に代えてステップS31aが実行される。ステップS31aでは、セルスタック12からの電力で水溶液ポンプ26およびエアポンプ32の駆動が開始される。それ以外は、図5の動作と同様であるので、同様の処理には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
このように水溶液ポンプ26をも人力で駆動することによって、電力を使用せずともセルスタック12に新しいメタノール水溶液を供給でき、セルスタック12に効率よく発電させることができる。
また、直接メタノール型燃料電池システムである燃料電池システム10では、発電停止状態が長期間続くと気化やクロスオーバーによってメタノール水溶液の濃度が場所によってばらつくおそれがある。このようにエアポンプ32の駆動と同時に水溶液ポンプ26を駆動してメタノール水溶液を循環させることによってメタノール水溶液の濃度のばらつきを解消でき、セルスタック12により効率よく発電させることができる。
ついで、図7および図8を参照して、この発明の他の実施形態の燃料電池システム10aについて説明する。
燃料電池システム10と同様に、燃料電池システム10aは直接メタノール型燃料電池システムである。図8に示すように、燃料電池システム10aでは、セルスタック12のカソード入口C1およびカソード出口C2が大気開放となっている。つまり、燃料電池システム10aでは、各燃料電池14のカソード14cが大気開放となっている。これに伴って、燃料電池システム10aでは、エアポンプ32、ラジエータ34、ファン36およびパイプP6〜P10が省略されている。それ以外は、燃料電池システム10と同様に構成されるので、燃料電池システム10と同様に構成される部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
このような燃料電池システム10aでは、使用者がハンドル82を用いて水溶液ポンプ26を駆動させることによってもセルスタック12に発電を開始させることができる。詳しくは、まず、ONボタン78を押すことによって電気回路58を閉回路にした状態でハンドル82を回転させて各燃料電池14のアノード14bにメタノール水溶液を供給する。これによって、当該メタノール水溶液とカソード入口C1またはカソード出口C2から各燃料電池14のカソード14cに流入した空気とを用いてセルスタック12が発電を開始する。
ついで、図9を参照して、燃料電池システム10aにおいて水溶液ポンプ26を人力で駆動する場合の動作の一例について説明する。
燃料電池システム10aにおいて、CPU50の起動後、水溶液ポンプ26が人力で駆動されているとCPU50が判定すれば図9の動作が実行される。図9の動作では、燃料電池システム10における図6の動作のステップS31aに代えてステップS31bが実行される。ステップS31bでは、セルスタック12からの電力で水溶液ポンプ26の駆動が開始される。それ以外は、図6の動作と同様であるので、同様の処理には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
上述の燃料電池システム10と同様に、このような燃料電池システム10aによれば、水溶液ポンプ26が人力で駆動されている状態でセルスタック12が正常に発電しているか否かを判定できる。したがって、セルスタック12の劣化を抑制でき、使用者にとっての利便性を向上させることができる。
ついで、図10および図11を参照して、この発明のその他の実施形態の燃料電池システム10bについて説明する。
燃料電池システム10および10aと同様に、燃料電池システム10bは直接メタノール型燃料電池システムである。図10に示すように、燃料電池システム10bでは、セルスタック12に代えてセルスタック12aが用いられ、水溶液タンク24に代えて水溶液タンク24aが用いられる。
図11に示すように、セルスタック12aは、水溶液タンク24a内でメタノール水溶液に浸されている。セルスタック12aは、水溶液タンク24aの底から離れるように水溶液タンク24a内で支持部材86によって支持されている。セルスタック12aには、セパレータ16に代えてセパレータ16aが用いられる。セパレータ16aのアノード14b側の面には上下に延びる図示しない溝が形成されている。水溶液タンク24a内で対流するメタノール水溶液が当該溝を流通することによって、各燃料電池14のアノード14bにメタノール水溶液が供給される。なお、水溶液タンク24a内のメタノール水溶液がカソード14cに流入しないように各燃料電池14ひいてはセルスタック12aが構成されていることはいうまでもない。
また、水溶液タンク24aにはパイプP13aが接続され、パイプP13aには検出用ポンプ88が接続されている。検出用ポンプ88と検出用バルブ46とはパイプP13bによって接続され、パイプP13bには超音波センサ44が取り付けられている。
濃度検出時には、検出用ポンプ88を駆動させることによって、水溶液タンク24a内のメタノール水溶液がパイプP13a,P13bおよびP14に流入する。そして、検出用ポンプ88の駆動が停止されるとともに検出用バルブ46が閉じられ、パイプP13a内でのメタノール水溶液の流れが止められる。濃度検出後、検出用バルブ46を開けるとともに検出用ポンプ88が駆動され、濃度検出済みのメタノール水溶液が水溶液タンク24aに戻される。
このような燃料電池システム10bでは、燃料電池システム10と同様に、使用者がハンドル84を用いてエアポンプ32を駆動させることによってもセルスタック12に発電を開始させることができる。
ついで、図12を参照して、燃料電池システム10bにおいてエアポンプ32を人力で駆動する場合の動作の一例について説明する。
燃料電池システム10bにおいて、CPU50の起動後、エアポンプ32が人力で駆動されているとCPU50が判定すれば図12の動作が実行される。図12の動作は、燃料電池システム10における図5の動作のステップS21を省略したものである。それ以外は、図5の動作と同様であるので、同様の処理には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
上述の燃料電池システム10および10aと同様に、このような燃料電池システム10bによれば、エアポンプ32が人力で駆動されている状態でセルスタック12が正常に発電しているか否かを判定できる。したがって、セルスタック12の劣化を抑制でき、使用者にとっての利便性を向上させることができる。
なお、上述の各実施形態では、燃料としてメタノールを、燃料水溶液としてメタノール水溶液を用いたが、これに限定されず、燃料としてエタノール等のアルコール系燃料、燃料水溶液としてエタノール水溶液等のアルコール系水溶液を用いてもよい。
また、この発明は、水素ガスを燃料として燃料電池に供給する水素型燃料電池システムや改質器搭載型燃料電池システムにも適用できる。
なお、上述の各実施形態では、燃料供給手段および酸素供給手段を駆動するための駆動手段として使用者が手で回転させるハンドルを用いる場合について説明したが、駆動手段はこれに限定されない。駆動手段として使用者が足で踏み下ろすペダル(キックペダル)等を用いてもよい。また、たとえば、酸素供給手段および燃料供給手段を電力と流体(気体または液体)の圧力とのいずれでも駆動可能に構成し、駆動手段として人力で流体を供給するポンプ等を用いてもよい。このように非電力としては、電力以外の任意の物理的な力を用いることができる。
また、この発明は、人力で酸素供給手段や燃料供給手段を駆動する場合に限定されない。たとえば、燃料として水素ガスを用いる場合、水素ガスタンクからの水素ガスの圧力で酸素供給手段を駆動してもよい。
なお、この発明の燃料電池システムは、自動二輪車だけではなく、自動車、船舶等の外部からの電力供給が困難な任意の輸送機器に好適に用いられる。また、この発明の燃料電池システムは、外部からの電力(商用電源)が使用できない場合に用いられる緊急用の発電装置としても好適に用いられる。
また、この発明は、据え付けタイプの燃料電池システムにも適用でき、さらに、パーソナルコンピュータ、携帯機器等の電子機器に搭載される可搬型の燃料電池システムにも適用できる。
この発明の一実施形態の燃料電池システムを示すブロック図である。 図1の燃料電池システムの配管を示すシステム図である。 異なる温度におけるセルスタックの電圧と電流との関係を示すグラフである。 人力駆動におけるセルスタックの電圧の推移の一例を示すグラフである。 図1の燃料電池システムの動作の一例を示すフロー図である。 図1の燃料電池システムの動作の他の例を示すフロー図である。 この発明の他の実施形態の燃料電池システムを示すブロック図である。 図7の燃料電池システムの配管を示すシステム図である。 図7の燃料電池システムの動作の一例を示すフロー図である。 この発明のその他の実施形態の燃料電池システムを示すブロック図である。 図10の燃料電池システムの配管を示すシステム図である。 図10の燃料電池システムの動作の一例を示すフロー図である。
符号の説明
10,10a,10b 燃料電池システム
12,12a 燃料電池セルスタック
14 燃料電池(燃料電池セル)
16,16a セパレータ
24,24a 水溶液タンク
26 水溶液ポンプ
32 エアポンプ
48 コントローラ
50 CPU
52 クロック回路
56 二次電池
60 電圧検出回路
62 電流検出回路
70 蓄電量検出器
82,84 ハンドル
P1〜P14,P13a,P13b パイプ

Claims (6)

  1. 燃料電池、
    前記燃料電池に燃料を供給する燃料供給手段、
    電力と非電力とのいずれでも駆動可能であり前記燃料電池に酸素を供給する酸素供給手段、
    少なくとも前記酸素供給手段の駆動開始からの経過時間を計測する計時手段、
    前記燃料電池の出力状態を検出する状態検出手段、および
    前記酸素供給手段が非電力で駆動されている状態で前記計時手段の計時結果と前記状態検出手段の検出結果とに基づいて前記燃料電池が正常に発電しているか否かを判定する判定手段を備える、燃料電池システム。
  2. 前記燃料供給手段は、電力と非電力とのいずれでも駆動可能であり、
    前記判定手段は、少なくとも前記酸素供給手段が非電力で駆動されている状態で前記計時手段の計時結果と前記状態検出手段の検出結果とに基づいて前記燃料電池が正常に発電しているか否かを判定する、請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 燃料電池、
    電力と非電力とのいずれでも駆動可能であり前記燃料電池に燃料を供給する燃料供給手段、
    少なくとも前記燃料供給手段の駆動開始からの経過時間を計測する計時手段、
    前記燃料電池の出力状態を検出する状態検出手段、および
    前記燃料供給手段が非電力で駆動されている状態で前記計時手段の計時結果と前記状態検出手段の検出結果とに基づいて前記燃料電池が正常に発電しているか否かを判定する判定手段を備える、燃料電池システム。
  4. 二次電池、および
    前記二次電池の蓄電量を検出する蓄電量検出手段をさらに含み、
    前記判定手段は、前記蓄電量検出手段の検出結果に基づいて前記燃料電池の発電状態を判定するか否かを決定する、請求項1から3のいずれかに記載の燃料電池システム。
  5. 燃料電池に非電力で燃料と酸素との少なくともいずれか一方の供給を開始する第1工程、
    少なくとも前記第1工程からの経過時間を計測する第2工程、
    前記燃料電池の出力状態を検出する第3工程、および
    前記経過時間が所定時間を経過するまでに前記燃料電池の出力状態が所定の出力状態にならなければ前記燃料電池が正常に発電していないと判定する第4工程を備える、燃料電池システムの運転方法。
  6. 二次電池の蓄電量を検出する工程をさらに含み、
    前記二次電池の蓄電量が所定値未満である場合に前記第4工程を行う、請求項5に記載の燃料電池システムの運転方法。
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