JP2008165005A - 樹脂粒子分散液及びその製造方法、静電荷像現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤、並びに、画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂粒子の高温高湿環境下での長期保存安定性に優れ、また、樹脂粒子を静電荷像現像用トナーに用いた場合に、2次色定着画像の光沢度の均一性、高湿環境下での長期画質維持性に優れた樹脂粒子分散液及びその製造方法を提供すること。また、2次色定着画像の光沢度の均一性、高温高湿環境下での長期画質維持性、耐オフセット性、耐ブロッキング性及びトナー流動性に優れた静電荷像現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤、並びに、画像形成方法を提供すること。
【解決手段】重縮合樹脂を含む樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液において、樹脂粒子分散液中に含まれる硫黄元素濃度をA、窒素元素濃度をBとした場合に、樹脂粒子分散液が1.0×A≦B≦400×Aを満たし、遠心分離可能である酸価が15以上50以下の高酸価の重縮合樹脂(1)及び酸価が15未満である低酸価の重縮合樹脂(2)を含む樹脂粒子分散液。
【選択図】なし
【解決手段】重縮合樹脂を含む樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液において、樹脂粒子分散液中に含まれる硫黄元素濃度をA、窒素元素濃度をBとした場合に、樹脂粒子分散液が1.0×A≦B≦400×Aを満たし、遠心分離可能である酸価が15以上50以下の高酸価の重縮合樹脂(1)及び酸価が15未満である低酸価の重縮合樹脂(2)を含む樹脂粒子分散液。
【選択図】なし
Description
樹脂粒子分散液及びその製造方法、静電荷像現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤、並びに、画像形成方法に関する。
静電荷像現像用トナー用ポリエステル樹脂、特に非晶質ポリエステル(以下、「非結晶性ポリエステル」ともいう。)の樹脂を得る一般的な重縮合法としては、その単量体の反応性の低さゆえに200℃を越す高温下で大動力による撹拌下、かつ高減圧下で10時間を遥かに越える時間が必要であり、高エネルギーを必要とする製法により製造されている。
このように反応性が低いポリエステル樹脂を得る場合においては、高温領域でより活性の強い金属触媒が一般的に用いられてきていた。
このように反応性が低いポリエステル樹脂を得る場合においては、高温領域でより活性の強い金属触媒が一般的に用いられてきていた。
しかし、硫黄原子を含むブレンステッド酸をポリエステル樹脂の重縮合触媒として用いる技術は、150℃以下での低温重合を達成できる技術であるため、トータルとしてのトナーの製造エネルギーを低減するため地球環境保護上極めて重要である。
ポリエステル樹脂粒子分散液を作製する手段としては、溶剤法、転相乳化法、高温乳化法等の従来技術があるが、溶剤法は回収設備に多大な投資が必要で環境安全上好ましくなく、更には溶剤を完全に取り除くのは困難でトナーの残溶剤から発生する臭気、及び非画像部におけるカブリ等の画質不良を招く課題もある。
また自己乳化性ポリエステル樹脂を作製するために特定の構造を有する親水性重合体、及びその塩(スルホニルフタル酸、例えばSDSPを例としたスルホン酸・そのアルカリ中和塩)をトナー用樹脂に用いた場合、体積抵抗値の低下、特に高温・高湿下での帯電性が悪化してしまい実用化上の問題を有していた。
一方で、溶剤を使用しないポリエステルの乳化技術としては例えば以下の例が挙げられるが、いずれも下記記載の品質上の課題がある。
特許文献1においては、ポリエステルを含有するトナー用原料を190℃以上の高温での加熱溶融後に水中乳化を行っているが、樹脂乳化時のエネルギーが莫大で、実用に供し得ず、更には、高エネルギー条件下における乳化分散は、樹脂の分解などを招きやすく、組成の偏在の発生や、分散液中の樹脂粒子の粒径分布の均一性を実現することが難しいなどの問題が生じ、これらの材料を用いたトナーにおいては、非画像部のカブリ発生やや画質安定性などに問題を生じてしまう。
特許文献1においては、ポリエステルを含有するトナー用原料を190℃以上の高温での加熱溶融後に水中乳化を行っているが、樹脂乳化時のエネルギーが莫大で、実用に供し得ず、更には、高エネルギー条件下における乳化分散は、樹脂の分解などを招きやすく、組成の偏在の発生や、分散液中の樹脂粒子の粒径分布の均一性を実現することが難しいなどの問題が生じ、これらの材料を用いたトナーにおいては、非画像部のカブリ発生やや画質安定性などに問題を生じてしまう。
このような状況下で、非溶剤系において、高温乳化法や、上記方法とは異なり、ポリエステル樹脂に加熱したアルカリ溶液を加えて樹脂末端を中和させて水への溶解性を持たせることによる中和乳化法(以下、「アルカリ中和法」と略す場合がある。)の技術も存在する。このような中和乳化法を用いてポリエステルの樹脂粒子分散液を得る方法としては、下記の例などが挙げられている。
特許文献2には、ポリエステルを含む樹脂に対して1.1〜1.3倍当量のアミン系中和剤を用いて、樹脂の中和を行い、樹脂粒子分散液を作製しているが、本方法については、得られた樹脂粒子分散液の粒度分布が2山であったり、メジアン径が1μm以上と粗大になりやすく、本方法については、トナー用の樹脂粒子分散液としては適さないことは明らかである。
また別の中和乳化の例としては、特許文献3では、酸価が2〜70KOHmg/gのポリエステル樹脂と該ポリエステル樹脂のカルボキシル基をイオン化することができる中和剤と水性媒体を含むポリエステル系水分散体を得ている。ポリエステル単量体と反応し乳化性を付与する目的で1個の官能基を有する化合物としてアルキルグリシジルエステルの例示があるが、特許文献3に記載のアプローチではポリエステルの溶解性や粒子化が充分では無いため、トナー用樹脂として好適なアモルファス様ポリエステル樹脂をトナー用樹脂粒子分散液として好適な粒径まで乳化するのは困難である。
また、特許文献4には、ポリエステルを含む樹脂に対し、1.1〜1.3倍当量のアミン系中和剤を用いて樹脂中和を行い、樹脂粒子分散液を作製した後に該分散液をジェット粉砕処理を施すことによって、粒度分布を改善したポリエステル樹脂粒子分散液が開示されているが、樹脂末端のCOOH基のアルカリ化量が一定とならず、一部樹脂に溶け残りが発生したり得られるポリエステル樹脂粒子分散液の粒径や粒度分布が不均一であるため、該乳化液を原料に用いてトナーを作製した場合、高湿下において非画像部のカブリが発生する問題点がある。
このように従来技術においては、ポリエステル末端のカルボキシ基の中和法を含む何れの乳化法を用いてポリエステル樹脂粒子分散液を作製した場合、アルカリ添加量の制御によって樹脂粒子分散液の特性をある程度変化させることはできる。しかし、静電荷像現像用トナー用樹脂粒子分散液の粒度分布を制御できた例は未だ存在しないのが現状である。
また粒度分布にムラがあったりブロードであるポリエステル樹脂粒子分散液を原料に用いてトナーを作製する場合、凝集・合一の安定化の阻害要因となったり、高温高湿度下での電荷漏洩が発生し易くなり、非画像部のカブリ、あるいは2次色定着画像のGlossムラを発生させる要因となっていたが、これらを改善できる方法が見出されていないのが現状である。
また更には酸触媒を用いて重合させた樹脂は経時色相安定性が低く、高湿度下に長期(≧60日)保管しておくと残留酸触媒により樹脂変色・或いは着色進行が起こり、高湿環境下保管において低エリアカバレッジ(AC)(AC≦5%)の画像の明度が暗くなる、或いは彩度が低下するという問題があった。このような、残留触媒に起因する樹脂の経時色相安定性を改善する例としては下記の発明が開示されている。
また粒度分布にムラがあったりブロードであるポリエステル樹脂粒子分散液を原料に用いてトナーを作製する場合、凝集・合一の安定化の阻害要因となったり、高温高湿度下での電荷漏洩が発生し易くなり、非画像部のカブリ、あるいは2次色定着画像のGlossムラを発生させる要因となっていたが、これらを改善できる方法が見出されていないのが現状である。
また更には酸触媒を用いて重合させた樹脂は経時色相安定性が低く、高湿度下に長期(≧60日)保管しておくと残留酸触媒により樹脂変色・或いは着色進行が起こり、高湿環境下保管において低エリアカバレッジ(AC)(AC≦5%)の画像の明度が暗くなる、或いは彩度が低下するという問題があった。このような、残留触媒に起因する樹脂の経時色相安定性を改善する例としては下記の発明が開示されている。
特許文献5には、芳香族ジカルボン酸のエステル形成性誘導体とアルキレングリコールとをアルカリ土類金属化合物を触媒として用いてエステル交換反応させ、リン化合物を一定量添加して前記アルカリ土類金属化合物の触媒活性を失わせた後に、次いでチタン化合物成分と、リン化合物成分との未反応混合物から実質的になる重縮合触媒系を一定量添加し、系内の芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコールとのジエステルを重縮合反応させたポリエステル原着繊維が開示されている。
本例では、リン化合物を後添加することによりエステル交換反応触媒の大部分を予め失活させることで、重縮合触媒として用いる着色懸念のあるチタン化合物の添加量を抑えることが可能になり、くすみや色調変動の少ない良好な色調を有し、変退色にも優れたポリエステル原着繊維を得ている。
本例では、リン化合物を後添加することによりエステル交換反応触媒の大部分を予め失活させることで、重縮合触媒として用いる着色懸念のあるチタン化合物の添加量を抑えることが可能になり、くすみや色調変動の少ない良好な色調を有し、変退色にも優れたポリエステル原着繊維を得ている。
また他にも金属触媒を失活させる例が存在する。例えば、特許文献6においては、ポリエステル樹脂重合の為のチタン化合物を重縮合触媒とし、かつ触媒が水中加熱処理により失活する性質を有し、そのため溶融熱安定性が良好となるとともに、成形後の環状低量体増加を低減できるため、成形時の金型汚れが少ないポリエステル樹脂を得る例が開示されている。
或いは、特許文献7においては、2種類以上の原料ポリマーを溶融ブレンドしてなる組成物において、各原料ポリマーが失活可能なチタン、アンチモン、ゲルマニウムの等の金属化合物重合触媒で重合されており、溶融成型工程中に触媒失活能を有する化合物を作用させて実質的に触媒機能を失活させるポリエステルの製造方法を用いることによって、触媒失活によってエステル交換・アミド交換などの反応による溶融時の物性低下を抑制してなる高物性ポリエステルを得る方法が挙げられている。
上記のように金属触媒を別の金属を用いて失活させる例、或いは金属触媒を異種金属を用いて樹脂着色を改良する例は存在する。しかしながら酸触媒を用いて作製したポリエステル樹脂については前記触媒を失活させて樹脂を得る例、及び樹脂粒子分散液を得る例は存在しない。更には本発明のように、失活に用いた塩基性物質を、他の塩基性物質を用いることなく中和乳化剤として用いるアルカリ中和乳化法は存在せず、上記品質課題が改善できていないのが現状である。
窒素原子を含む失活乳化剤を用いて重量平均分子量Mw≧20,000の樹脂、或いは樹脂酸価が10未満の樹脂を用いて樹脂粒子分散液を得る場合、固形分濃度は5重量%程度が上限となり、前記樹脂粒子分散液としてトナー製造に用いるには使用に耐えられなかった。更には重量平均分子量Mw≧20,000の樹脂、或いは樹脂酸価が10未満の樹脂をトナーに用いない場合には、その分子量の低さや樹脂酸価の高さに起因して、十分なHOTが得られない、高湿下での非画像のカブリが悪化する懸念があった。
重量平均分子量が20,000以上の高分子量樹脂を用いた例として、特許文献7及び特許文献8には、樹脂を水に分散させて乳化物を得る際に、5〜50%の親水性のポリエステル成分を含ませて、アクリレート共重合の樹脂粒子分散液を得る方法が開示されている。しかし前記方法ではポリエステルのみから成る樹脂粒子分散液を得る事は不可能であり、更には熱硬化性コーティング剤用の樹脂粒子分散液であり、トナー用の樹脂粒子分散液として用いるには、樹脂粒子のメジアン径や酸価が大き過ぎる為、トナー製造には到底耐えられるものではない。
また特許文献9には、樹脂の酸価が3〜30mgKOH/gであるポリエステル樹脂のカルボキシ基の全量に対して1〜3当量の塩基性化合物を存在させながら正帯電トナー用原料用樹脂粒子分散液を得る方法が記載されているが、本製造方法においては、溶剤を用いる転相乳化法を用いており、溶剤回収に多大な投資が必要でかつ環境安全上好ましくなく、更には残留モノマーによる臭気や非画像部におけるカブリ等の画質不良を招く課題が生じる。
このように、ポリエステルの乳化法において、非溶剤乳化法により得られるトナー用樹脂粒子分散液として使用可能な樹脂粒子分散液は未だ存在しないのが現状である。
このように、ポリエステルの乳化法において、非溶剤乳化法により得られるトナー用樹脂粒子分散液として使用可能な樹脂粒子分散液は未だ存在しないのが現状である。
本発明が解決しようとする1つの課題は、溶剤法・転相・高温乳化法による樹脂粒子分散液の製造の環境負荷が多大である問題点を克服し、溶剤を使用せず100℃以下の低環境負荷の乳化法によって静電荷像現像用トナー用樹脂粒子分散液を得る製造方法を提供することである。
本発明が解決しようとする他の1つの課題は、非画像部等のカブリ、2次色Glossムラの画質不良を発生させない静電荷像現像用トナー用樹脂粒子分散液及びその製造方法を提供することである。
重縮合樹脂中に残留した酸触媒により樹脂の経時色相安定性が悪く、高湿度下に長期(≧60日)保管しておくと樹脂変色・変質が起こる。
本発明が解決しようとする他の1つの課題は、前記樹脂変色・変質により、低エリアカバレッジ(AC)(AC≦5%)画像の明度が低下しない静電荷像現像用トナー用樹脂粒子分散液及びその製造方法を提供することである。
本発明が解決しようとする他の1つの課題は、前記樹脂変色・変質により、低エリアカバレッジ(AC)(AC≦5%)画像の明度が低下しない静電荷像現像用トナー用樹脂粒子分散液及びその製造方法を提供することである。
窒素元素を含む失活剤及び乳化剤を用いる方法では、重量平均分子量Mw≧20,000の重縮合樹脂、或いは樹脂酸価が15mgKOH/g未満の樹脂を用いて樹脂粒子分散液を得る場合、固形分濃度は5重量%程度が上限となり、樹脂粒子分散液としてトナー製造に用いるには使用に耐えられなかった。更には前記重縮合樹脂を樹脂粒子分散液の製造に用いない場合には、その分子量の低さや樹脂酸価の高さに起因して、高湿下での非画像のカブリが悪化する懸念があった。
本発明が解決しようとする他の1つの課題は、重量平均分子量Mw≧20,000であり、酸価が15mgKOH/g未満である重縮合樹脂を用いて40重量%程度の十分な固形分濃度を有する静電荷像現像用トナー用樹脂粒子分散液及びその製造方法を提供することである。
本発明が解決しようとする他の1つの課題は、重量平均分子量Mw≧20,000であり、酸価が15mgKOH/g未満である重縮合樹脂を用いて40重量%程度の十分な固形分濃度を有する静電荷像現像用トナー用樹脂粒子分散液及びその製造方法を提供することである。
また、本発明が解決しようとする他の1つの課題は、2次色定着画像の光沢度の均一性、高温高湿環境下での長期画質維持性に優れた静電荷像現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤、並びに、画像形成方法を提供することである。
本発明が解決しようとする課題は、下記<1>、<7>、<8>、<9>、<10>及び<11>の手段により解決された。好ましい実施形態である<2>〜<6>と共に以下に記載する。
<1>重縮合樹脂を含む樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液において、前記樹脂粒子分散液中に含まれる硫黄元素濃度をA(at%)、窒素元素濃度をB(at%)とした場合に、前記樹脂粒子分散液が1.0×A≦B≦400×Aを満たし、遠心分離可能な、酸価が15mgKOH/g以上50mgKOH/g以下の高酸価の重縮合樹脂(1)及び酸価が15mgKOH/g未満である低酸価の重縮合樹脂(2)を含むことを特徴とする静電荷像現像用トナー用樹脂粒子分散液、
<2>前記樹脂粒子分散液が前記高酸価の重縮合樹脂(1)を0.1〜30重量%含み、前記低酸価の重縮合樹脂(2)を70〜99.9重量%含む<1>に記載の静電荷像現像用トナー用樹脂粒子分散液、
<3>前記樹脂粒子のメジアン径が0.1μm〜2.0μmである<1>又は<2>に記載の静電荷像現像用トナー用樹脂粒子分散液、
<4>前記重縮合樹脂が多価カルボン酸及びポリオールを重縮合反応させて得たものであり、前記多価カルボンの50〜100mol%が式(1)で表される化合物及び/又は式(2)で表される化合物よりなり、前記ポリオールの50〜100mol%が式(3)で表される化合物よりなる<1>〜<3>いずれか1つに記載の静電荷像現像用トナー用樹脂粒子分散液、
R1OOCA1 mB1 nA1 lCOOR1' (1)
(A1:メチレン基、B1:芳香族炭化水素基、R1、R1':水素原子又は1価の炭化水素基、1≦m+l≦12、1≦n≦3)
R2OOCA2 pB2 qA2 rCOOR2' (2)
(A2:メチレン基、B2:脂環式炭化水素基、R2、R2':水素原子又は1価の炭化水素基、0≦p≦6、0≦r≦6、1≦q≦3)
HOXh−Ph−Y−Ph−XkOH (3)
(X:アルキレンオキサイド基、Y:C(CH3)2又はフルオレン構造、1≦h≦4、1≦k≦4)、
<5>硫黄元素が硫黄酸により供給され、窒素元素が塩基性物質により供給される<1>〜<4>いずれか1つに記載の静電荷像現像用トナー用樹脂粒子分散液、
<6>前記樹脂粒子分散液のpHが8.0〜11.0である<1>〜<5>いずれか1つに記載の静電荷像現像用トナー用樹脂粒子分散液、
<7>硫黄酸の存在下で重縮合性単量体の重縮合反応を行い、酸価が15mgKOH/g以上50mgKOH/g以下である高酸価の重縮合樹脂(1)を得る工程、硫黄酸の存在下で重縮合性単量体の重縮合反応を行い、酸価が15mgKOH/g未満である低酸価の重縮合樹脂(2)を得る工程、重縮合樹脂の総量に対して0.1〜30重量%の前記高酸価の重縮合樹脂(1)及び重縮合樹脂の総量に対して70〜99.9重量%の前記低酸価の重縮合樹脂(2)を混合する工程、並びに、前記重縮合樹脂(1)及び前記重縮合樹脂(2)の混合物に窒素元素を含む塩基性物質を添加して乳化分散させる工程を含む静電荷像現像用トナー用樹脂粒子分散液の製造方法であって、前記樹脂粒子分散液に含まれる硫黄元素濃度をA(at%)、前記樹脂粒子分散液に含まれる窒素元素濃度をB(at%)としたとき、1.0×A≦B≦400×Aである静電荷像現像用トナー用樹脂粒子分散液の製造方法、
<8>少なくとも樹脂粒子を含む分散液中で前記樹脂粒子を凝集させて凝集粒子を得る工程、及び、前記凝集粒子を加熱して融合させる工程を含む静電荷像現像用トナーの製造方法であって、前記樹脂粒子分散液が、<7>に記載の製造方法により製造された静電荷像現像用トナー用樹脂粒子分散液である静電荷像現像用トナーの製造方法、
<9><8>に記載の製造方法により製造された静電荷像現像用トナー、
<10><9>に記載の静電荷像現像用トナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤、
<11>潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程、前記潜像保持体表面に形成された静電潜像を、トナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程、前記潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写工程、及び、前記被転写体表面に転写されたトナー像を熱定着する定着工程を含む画像形成方法であって、前記トナーとして<9>に記載の静電荷像現像用トナー、又は、前記現像剤として<10>に記載の静電荷像現像剤を用いる画像形成方法。
<1>重縮合樹脂を含む樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液において、前記樹脂粒子分散液中に含まれる硫黄元素濃度をA(at%)、窒素元素濃度をB(at%)とした場合に、前記樹脂粒子分散液が1.0×A≦B≦400×Aを満たし、遠心分離可能な、酸価が15mgKOH/g以上50mgKOH/g以下の高酸価の重縮合樹脂(1)及び酸価が15mgKOH/g未満である低酸価の重縮合樹脂(2)を含むことを特徴とする静電荷像現像用トナー用樹脂粒子分散液、
<2>前記樹脂粒子分散液が前記高酸価の重縮合樹脂(1)を0.1〜30重量%含み、前記低酸価の重縮合樹脂(2)を70〜99.9重量%含む<1>に記載の静電荷像現像用トナー用樹脂粒子分散液、
<3>前記樹脂粒子のメジアン径が0.1μm〜2.0μmである<1>又は<2>に記載の静電荷像現像用トナー用樹脂粒子分散液、
<4>前記重縮合樹脂が多価カルボン酸及びポリオールを重縮合反応させて得たものであり、前記多価カルボンの50〜100mol%が式(1)で表される化合物及び/又は式(2)で表される化合物よりなり、前記ポリオールの50〜100mol%が式(3)で表される化合物よりなる<1>〜<3>いずれか1つに記載の静電荷像現像用トナー用樹脂粒子分散液、
R1OOCA1 mB1 nA1 lCOOR1' (1)
(A1:メチレン基、B1:芳香族炭化水素基、R1、R1':水素原子又は1価の炭化水素基、1≦m+l≦12、1≦n≦3)
R2OOCA2 pB2 qA2 rCOOR2' (2)
(A2:メチレン基、B2:脂環式炭化水素基、R2、R2':水素原子又は1価の炭化水素基、0≦p≦6、0≦r≦6、1≦q≦3)
HOXh−Ph−Y−Ph−XkOH (3)
(X:アルキレンオキサイド基、Y:C(CH3)2又はフルオレン構造、1≦h≦4、1≦k≦4)、
<5>硫黄元素が硫黄酸により供給され、窒素元素が塩基性物質により供給される<1>〜<4>いずれか1つに記載の静電荷像現像用トナー用樹脂粒子分散液、
<6>前記樹脂粒子分散液のpHが8.0〜11.0である<1>〜<5>いずれか1つに記載の静電荷像現像用トナー用樹脂粒子分散液、
<7>硫黄酸の存在下で重縮合性単量体の重縮合反応を行い、酸価が15mgKOH/g以上50mgKOH/g以下である高酸価の重縮合樹脂(1)を得る工程、硫黄酸の存在下で重縮合性単量体の重縮合反応を行い、酸価が15mgKOH/g未満である低酸価の重縮合樹脂(2)を得る工程、重縮合樹脂の総量に対して0.1〜30重量%の前記高酸価の重縮合樹脂(1)及び重縮合樹脂の総量に対して70〜99.9重量%の前記低酸価の重縮合樹脂(2)を混合する工程、並びに、前記重縮合樹脂(1)及び前記重縮合樹脂(2)の混合物に窒素元素を含む塩基性物質を添加して乳化分散させる工程を含む静電荷像現像用トナー用樹脂粒子分散液の製造方法であって、前記樹脂粒子分散液に含まれる硫黄元素濃度をA(at%)、前記樹脂粒子分散液に含まれる窒素元素濃度をB(at%)としたとき、1.0×A≦B≦400×Aである静電荷像現像用トナー用樹脂粒子分散液の製造方法、
<8>少なくとも樹脂粒子を含む分散液中で前記樹脂粒子を凝集させて凝集粒子を得る工程、及び、前記凝集粒子を加熱して融合させる工程を含む静電荷像現像用トナーの製造方法であって、前記樹脂粒子分散液が、<7>に記載の製造方法により製造された静電荷像現像用トナー用樹脂粒子分散液である静電荷像現像用トナーの製造方法、
<9><8>に記載の製造方法により製造された静電荷像現像用トナー、
<10><9>に記載の静電荷像現像用トナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤、
<11>潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程、前記潜像保持体表面に形成された静電潜像を、トナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程、前記潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写工程、及び、前記被転写体表面に転写されたトナー像を熱定着する定着工程を含む画像形成方法であって、前記トナーとして<9>に記載の静電荷像現像用トナー、又は、前記現像剤として<10>に記載の静電荷像現像剤を用いる画像形成方法。
本発明によれば、溶剤を使用せず100℃以下の低環境負荷の乳化法によって静電荷像現像用トナー用樹脂粒子分散液を得る製造方法を提供することができる。
本発明によれば、非画像部等のカブリ、2次色Glossムラの画質不良を発生させない静電荷像現像用トナー用樹脂粒子分散液及びその製造方法を提供することができる。
本発明によれば、前記樹脂変色・変質により、低エリアカバレッジ(AC)(AC≦5%)画像の明度が低下しない静電荷像現像用トナー用樹脂粒子分散液及びその製造方法を提供することができる。
本発明によれば重量平均分子量Mw≧20,000であり、酸価が15mgKOH/g未満である重縮合樹脂を用いて40重量%程度の十分な固形分濃度を有する静電荷像現像用トナー用樹脂粒子分散液及びその製造方法を提供することができる。
本発明によれば、2次色定着画像の光沢度の均一性、高温高湿環境下での長期画質維持性に優れた静電荷像現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤、並びに、画像形成方法を提供することができる。
本発明によれば、非画像部等のカブリ、2次色Glossムラの画質不良を発生させない静電荷像現像用トナー用樹脂粒子分散液及びその製造方法を提供することができる。
本発明によれば、前記樹脂変色・変質により、低エリアカバレッジ(AC)(AC≦5%)画像の明度が低下しない静電荷像現像用トナー用樹脂粒子分散液及びその製造方法を提供することができる。
本発明によれば重量平均分子量Mw≧20,000であり、酸価が15mgKOH/g未満である重縮合樹脂を用いて40重量%程度の十分な固形分濃度を有する静電荷像現像用トナー用樹脂粒子分散液及びその製造方法を提供することができる。
本発明によれば、2次色定着画像の光沢度の均一性、高温高湿環境下での長期画質維持性に優れた静電荷像現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤、並びに、画像形成方法を提供することができる。
本発明の静電荷像現像用トナー用樹脂粒子分散液は、重縮合樹脂を含む樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液であり、前記樹脂粒子分散液中に含まれる硫黄元素濃度をA(at%)、窒素元素濃度をB(at%)とした場合に、前記樹脂粒子分散液が1.0×A≦B≦400×Aを満たし、遠心分離可能である酸価が15mgKOH/g以上50mgKOH/g以下の高酸価の重縮合樹脂(1)及び酸価が15mgKOH/g未満である低酸価の重縮合樹脂(2)を含むことを特徴とする。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下、本発明について詳細に説明する。
<重縮合触媒>
従来の高エネルギー消費型の製法を回避して150℃以下の低温でポリエステル樹脂を製造する事は、トータルな意味での樹脂の製造エネルギー及びトナーの製造エネルギーを低減するためには極めて重要である。従来よりも100℃前後低い150℃以下の低温での重縮合を行うためには酸触媒を用いることが好ましい。酸触媒はブレンステッド酸のような酸性を示すものが好ましくこれらの塩化合物も含まれる。中でも硫黄酸を用いることがより好ましい。
従来の金属触媒を用いた高温での重縮合による非晶系ポリエステルにおいては、樹脂中に残留する金属触媒により高湿下で電荷漏洩を生じ、非画像部のカブリが発生していたが、重縮合性樹脂とブレンステッド酸触媒を用いることによって高湿下での電荷漏洩が抑制され、高湿下での非画像部でのカブリを改善することが可能になる。
従来の高エネルギー消費型の製法を回避して150℃以下の低温でポリエステル樹脂を製造する事は、トータルな意味での樹脂の製造エネルギー及びトナーの製造エネルギーを低減するためには極めて重要である。従来よりも100℃前後低い150℃以下の低温での重縮合を行うためには酸触媒を用いることが好ましい。酸触媒はブレンステッド酸のような酸性を示すものが好ましくこれらの塩化合物も含まれる。中でも硫黄酸を用いることがより好ましい。
従来の金属触媒を用いた高温での重縮合による非晶系ポリエステルにおいては、樹脂中に残留する金属触媒により高湿下で電荷漏洩を生じ、非画像部のカブリが発生していたが、重縮合性樹脂とブレンステッド酸触媒を用いることによって高湿下での電荷漏洩が抑制され、高湿下での非画像部でのカブリを改善することが可能になる。
本発明に用いることができる硫黄酸として無機硫黄酸又は有機硫黄酸等が挙げられる。無機硫黄酸としては、硫酸、亜硫酸及びこれらの塩等が挙げられる。また、有機硫黄酸としては、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸及びこれらの塩等のスルホン酸類や、アルキル硫酸、アリール硫酸及びその塩等の有機硫酸類が挙げられる。硫黄酸としては、有機硫黄酸であることが好ましく界面活性効果を有する有機硫黄酸であることがより好ましい。界面活性効果を有する酸とは、疎水基と親水基とからなる化学構造を有し、少なくとも親水基の一部がプロトンからなる酸の構造を有するものである。
界面活性効果を有する有機硫黄酸としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルジスルホン酸、アルキルフェノールスルホン酸、アルキルナフタリンスルホン酸、アルキルテトラリンスルホン酸、アルキルアリルスルホン酸、石油スルホン酸、アルキルベンゾイミダゾールスルホン酸、高級アルコールエーテルスルホン酸、アルキルジフェニルスルホン酸、長鎖アルキル硫酸エステル、高級アルコール硫酸エステル、高級アルコールエーテル硫酸エステル、高級脂肪酸アミドアルキロール硫酸エステル、高級脂肪酸アミドアルキル化硫酸エステル、硫酸化脂肪、スルホ琥珀酸エステル、樹脂酸アルコール硫酸、及び、これらすべての塩化合物などが挙げられ、必要に応じて複数を組み合わせてもよい。これらの中でも、アルキル基若しくはアラルキル基を有するスルホン酸、アルキル基若しくはアラルキル基を有する硫酸エステル、又は、これらの塩化合物であることが好ましく、前記アルキル基又はアラルキル基の炭素数が7〜20であることがより好ましい。具体的には、ドデシルベンゼンスルホン酸、イソプロピルベンゼンスルホン酸、しょうのうスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、モノブチルフェニルフェノール硫酸、ジブチルフェニルフェノール硫酸、ドデシル硫酸、ナフテニルアルコール硫酸等を好ましく例示できる。
前記以外の界面活性効果を有する酸としては、各種脂肪酸、スルホン化高級脂肪酸、高級アルキルリン酸エステル、樹脂酸、ナフテン酸、及び、これらすべての塩化合物などが例示できる。
これら重縮合触媒は、単独でも、複数を組み合わせて使用してもよい。さらにこれらの触媒は必要により回収再生することも可能である。
前記以外の界面活性効果を有する酸としては、各種脂肪酸、スルホン化高級脂肪酸、高級アルキルリン酸エステル、樹脂酸、ナフテン酸、及び、これらすべての塩化合物などが例示できる。
これら重縮合触媒は、単独でも、複数を組み合わせて使用してもよい。さらにこれらの触媒は必要により回収再生することも可能である。
<塩基性物質>
更に一貫した低環境負荷でのトナー製法を確立するためには、上記低温重縮合樹脂を原料に用いることに加え、従来の乳化法とは異なる非溶剤系、かつ100℃以下での前記問題を改善した樹脂粒子分散液の製造方法が好ましい。
非溶剤系で100℃以下の低温乳化を実現する方法としては、例えば、樹脂にアルカリ溶液を加えて浸漬・撹拌することにより、樹脂を構成する分子鎖末端カルボキシ基(COOH基)のプロトン脱離によりアルカリ中和(COO−)させて樹脂に自己乳化力を付与する方法(以下、中和乳化法と略す場合がある)が挙げられる。
しかし従来の中和乳化法では、樹脂粒子分散液内において粒径分布ムラ、組成分布偏在、微量の親水性成分の発生等により、前記樹脂粒子分散液を用いてトナーを作製した場合、高温高湿下での非画像部のカブリや、定着画像において2次色のGlossムラが発生しやすいという問題点があるため、前記問題点を回避できる樹脂粒子分散液の製造方法の提供が必要である。
更に一貫した低環境負荷でのトナー製法を確立するためには、上記低温重縮合樹脂を原料に用いることに加え、従来の乳化法とは異なる非溶剤系、かつ100℃以下での前記問題を改善した樹脂粒子分散液の製造方法が好ましい。
非溶剤系で100℃以下の低温乳化を実現する方法としては、例えば、樹脂にアルカリ溶液を加えて浸漬・撹拌することにより、樹脂を構成する分子鎖末端カルボキシ基(COOH基)のプロトン脱離によりアルカリ中和(COO−)させて樹脂に自己乳化力を付与する方法(以下、中和乳化法と略す場合がある)が挙げられる。
しかし従来の中和乳化法では、樹脂粒子分散液内において粒径分布ムラ、組成分布偏在、微量の親水性成分の発生等により、前記樹脂粒子分散液を用いてトナーを作製した場合、高温高湿下での非画像部のカブリや、定着画像において2次色のGlossムラが発生しやすいという問題点があるため、前記問題点を回避できる樹脂粒子分散液の製造方法の提供が必要である。
この問題点を改善した樹脂粒子分散液を得る方法としては、例えば、中和に用いるアルカリ量の制御によって樹脂粒子分散液の特性を変化させる方法が挙げられる。
例えば樹脂末端カルボキシ基に対し、アルカリ当量が極端に不足している場合は、樹脂末端カルボキシル基のアルカリ中和率が低くなるため、樹脂の分散が起こり難く、樹脂の溶け残りが発生したり、十分な固形分濃度(S.C)が得られなかったり、更には好適なメジアン径(0.1〜2.0μm)や、組成分布偏在のない分散液を得難くなる。
一方、樹脂中に含まれるカルボキシ基に対し、アルカリが過剰に存在する場合は、カルボキシ基は全て中和(COO−)され、全ての樹脂分子鎖が塩を形成するため、水中に完全に溶解してしまいエマルション形成ができなくなったり、あるいは中和率過剰となった分散したポリエステル樹脂粒子同士が凝集体形成により増粘・沈降し、水とポリエステル樹脂とが分離してしまう。
例えば樹脂末端カルボキシ基に対し、アルカリ当量が極端に不足している場合は、樹脂末端カルボキシル基のアルカリ中和率が低くなるため、樹脂の分散が起こり難く、樹脂の溶け残りが発生したり、十分な固形分濃度(S.C)が得られなかったり、更には好適なメジアン径(0.1〜2.0μm)や、組成分布偏在のない分散液を得難くなる。
一方、樹脂中に含まれるカルボキシ基に対し、アルカリが過剰に存在する場合は、カルボキシ基は全て中和(COO−)され、全ての樹脂分子鎖が塩を形成するため、水中に完全に溶解してしまいエマルション形成ができなくなったり、あるいは中和率過剰となった分散したポリエステル樹脂粒子同士が凝集体形成により増粘・沈降し、水とポリエステル樹脂とが分離してしまう。
また重縮合により得られた重縮合樹脂中には、様々な分子量や酸価を持つ分子鎖が存在するため、分子量分布や酸価分布、親水度の差を有し、更には分散液中の樹脂間においても分子量、分子量分布、酸価、親水度等の各特性値のばらつきも存在するため、上記樹脂において、微視的には、分子量が小さく親水性が高い分子鎖については、容易に中和分散され、親水性成分を発生させ易い一方、分子量が大きい分子鎖については、中和され難く分散を起こし難い等、前記のような分子鎖のばらつきが組成分布偏在や粒度分布ムラ、親水性成分発生の一要因であることを発明者らの検討によって見出している。
上記のような問題を発生させずに乳化する方法として、樹脂末端の中和率を規定範囲内に制御する方法が挙げられる。この方法によって、ポリエステルの分散の際に必要なアルカリ中和剤の量を最低限に抑えることが可能になった。また、樹脂粒子分散液における組成分布偏在や粒径分布ムラ、更にはアルカリ過剰による樹脂粒子の凝集沈降を防止することが可能になった。その結果、該樹脂粒子分散液を原料に用いたトナーにより、非画像部カブリ・2次色のGlossムラが発生するという問題を回避できることが発明者らによって見出された。
一方で、上述のように樹脂末端中和率を一定にして樹脂粒子分散液を作製したとしても、樹脂粒子分散液を用いてトナーを作製し、高温高湿度下に長期保管すると、樹脂中の残留酸触媒によって経時でトナーを構成する樹脂が変色する為、低エリアカバレッジ(AC≦5%)でのプリントを得た時に明度(L*)が暗くなる、或いは彩度が落ちるといった現象が起きる。このような樹脂の経時による色相変化は酸触媒から放出されるプロトンがカルボキシル基の酸素原子と水素結合を形成し、カルボキシル基の二重結合性を弱めることがある為に、可視光吸光度が変化するためである。この経時色相安定性を改善する為には酸触媒を失活させる必要がある。
重縮合後に樹脂粒子分散液中に塩基性物質を含ませておくことにより酸触媒が失活されて経時色相安定性が改善される。上記塩基性物質としては、触媒に用いた酸と反応し得る塩基性物質であれば特に制限はない。
また本発明において、上記塩基性物質は酸触媒を失活させる為だけでなく、ポリエステル樹脂の末端のカルボキシ基を中和する為の中和乳化剤としても兼用することができる。中和乳化剤としては、ポリエステル樹脂のカルボキシ基と中和反応を起こすことができる塩基性物質であれば特に制限はなく、M(OH)n(Mはアルカリ金属、又は、アルカリ土類金属類、n=1〜3)の化学式を有する金属水酸化物や、アンモニウム化合物等が挙げられる。
上記中和乳化剤のうち、金属水酸化物やその水溶液を用いた場合は残留金属による着色懸念がある。失活兼乳化剤として金属水酸化物水溶液を用いる場合は、失活反応よりも早く樹脂の一部の乳化が始まることも有り得る為、十分な失活がなされないまま樹脂粒子分散液が作製されることがある。
上記中和乳化剤のうち、金属水酸化物やその水溶液を用いた場合は残留金属による着色懸念がある。失活兼乳化剤として金属水酸化物水溶液を用いる場合は、失活反応よりも早く樹脂の一部の乳化が始まることも有り得る為、十分な失活がなされないまま樹脂粒子分散液が作製されることがある。
上記問題点を克服する為には、重縮合終了直後から乳化前に失活できる水酸基を含まない塩基性物質が好ましく、特には有機アミン系材料が好ましい。
上記有機アミン系材料としては、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、トリブタノールアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、イソプロピルアミン、モノメタノールアミン、モルフォリン、メトキシプロピルアミン、ピリジン、ビニルピリジン等、有機アミン類であれば特に制限はないが、後述する乳化剤として併用することを考慮するとトリエタノールアミン等の水への溶解度が高い材料であることがより好ましい。
上記有機アミン系材料としては、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、トリブタノールアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、イソプロピルアミン、モノメタノールアミン、モルフォリン、メトキシプロピルアミン、ピリジン、ビニルピリジン等、有機アミン類であれば特に制限はないが、後述する乳化剤として併用することを考慮するとトリエタノールアミン等の水への溶解度が高い材料であることがより好ましい。
本発明における樹脂粒子分散液中に含まれる塩基性物質としては、重縮合塩基性触媒を含んでも良い。塩基性触媒を用いる場合は、例えば酸触媒量を塩基性触媒量より多く用いて重縮合を行い、ポリエステル樹脂を得た後に、前記塩基性触媒を重縮合終了後に酸触媒量と等量以上を添加し、後に乳化を行う方法で用いることも可能である。
また本発明においては酸触媒の失活の方法は、上記のように、重縮合後に塩基性物質を加えて重縮合を停止させた後に、樹脂の乳化時に、再度塩基性物質を加える手法を採ることも可能である。この際、重縮合終了時に加える塩基性物質と乳化時に加える塩基性物質は同一であっても異なる物質であってもどちらでも構わない。
また本発明においては酸触媒の失活の方法は、上記のように、重縮合後に塩基性物質を加えて重縮合を停止させた後に、樹脂の乳化時に、再度塩基性物質を加える手法を採ることも可能である。この際、重縮合終了時に加える塩基性物質と乳化時に加える塩基性物質は同一であっても異なる物質であってもどちらでも構わない。
本発明における樹脂粒子分散液中に含まれる硫黄元素濃度と窒素元素濃度との比は、該樹脂粒子分散液中に含まれる硫黄元素濃度をA(at%)、窒素元素濃度をB(at%)とした場合に
1.0×A ≦ B ≦ 400×A を満たし、
1.2×A ≦ B ≦ 350×A を満たす事がより好ましく、
1.5×A ≦ B ≦ 300×A を満たす事が更に好ましい。
硫黄元素は硫黄酸由来であることが好ましい。また、窒素元素は塩基性物質由来であることが好ましい。
上記の窒素元素濃度及び硫黄元素濃度は、樹脂粒子分散液を乾燥させて樹脂成分を取り出し、THF等の溶媒に溶解して分析液を得た後、ICP(Inductively Coupled Plasma)発光分析法により測定することができる。
上記範囲よりも塩基性物質の量が少ないと十分な失活効果が得られずに、樹脂の経時色相安定性が得られず、高温高湿環境保管下における低エリアカバレッジ画像サンプルの明度が低下する現象を十分抑制しきれなくなる。また上記範囲を越えて塩基性物質が多く存在する場合には、酸触媒は十分に失活される一方で、樹脂末端カルボキシ基も過剰に中和されてしまう為に樹脂が完全に溶解する、あるいは中和率過剰となった分散したポリエステル粒子同士が凝集体形成により増粘、沈降するため、トナーに用いる為の好適な樹脂粒子分散液が得られなくなる。
前記窒素元素濃度及び硫黄元素濃度は、公知の方法を用いて測定することができるが、at%(原子個数%)として測定する場合は、樹脂粒子分散液を乾燥させて樹脂成分を取り出し、THF等の溶媒に溶解して分析液を得た後、ICP(Inductively Coupled Plasma)発光分析法により測定することが好ましい。なお、測定の際には、全元素を測定する必要はなく、試料中に、明らかに含有していない又は数値の算出に影響がない程度の極微量しか含有していない元素は測定しなくともよい。また、ICP発光分析法で測定する場合、測定を行わなかった又は行えなかった軽元素(少なくとも炭素より軽い元素)の量を、水素原子の量として算出してもよい。
硫黄元素濃度A(at%)と窒素元素濃度B(at%)との比B/Aは、試料中のB(mol)/A(mol)比として求めてもよい。
なお、「at%」とは、原子個数%のことであり、試料中の全原子の個数に対する当該原子の個数の割合を表す。
また、単位としてat%を使用して求めた値をwt%(重量%)に換算する場合は、以下の式により求めることができる。
1.0×A ≦ B ≦ 400×A を満たし、
1.2×A ≦ B ≦ 350×A を満たす事がより好ましく、
1.5×A ≦ B ≦ 300×A を満たす事が更に好ましい。
硫黄元素は硫黄酸由来であることが好ましい。また、窒素元素は塩基性物質由来であることが好ましい。
上記の窒素元素濃度及び硫黄元素濃度は、樹脂粒子分散液を乾燥させて樹脂成分を取り出し、THF等の溶媒に溶解して分析液を得た後、ICP(Inductively Coupled Plasma)発光分析法により測定することができる。
上記範囲よりも塩基性物質の量が少ないと十分な失活効果が得られずに、樹脂の経時色相安定性が得られず、高温高湿環境保管下における低エリアカバレッジ画像サンプルの明度が低下する現象を十分抑制しきれなくなる。また上記範囲を越えて塩基性物質が多く存在する場合には、酸触媒は十分に失活される一方で、樹脂末端カルボキシ基も過剰に中和されてしまう為に樹脂が完全に溶解する、あるいは中和率過剰となった分散したポリエステル粒子同士が凝集体形成により増粘、沈降するため、トナーに用いる為の好適な樹脂粒子分散液が得られなくなる。
前記窒素元素濃度及び硫黄元素濃度は、公知の方法を用いて測定することができるが、at%(原子個数%)として測定する場合は、樹脂粒子分散液を乾燥させて樹脂成分を取り出し、THF等の溶媒に溶解して分析液を得た後、ICP(Inductively Coupled Plasma)発光分析法により測定することが好ましい。なお、測定の際には、全元素を測定する必要はなく、試料中に、明らかに含有していない又は数値の算出に影響がない程度の極微量しか含有していない元素は測定しなくともよい。また、ICP発光分析法で測定する場合、測定を行わなかった又は行えなかった軽元素(少なくとも炭素より軽い元素)の量を、水素原子の量として算出してもよい。
硫黄元素濃度A(at%)と窒素元素濃度B(at%)との比B/Aは、試料中のB(mol)/A(mol)比として求めてもよい。
なお、「at%」とは、原子個数%のことであり、試料中の全原子の個数に対する当該原子の個数の割合を表す。
また、単位としてat%を使用して求めた値をwt%(重量%)に換算する場合は、以下の式により求めることができる。
Mxi:元素Xiの分子量
Wxi:元素Xiのwt%
Xi:i番目の元素
n:at%を測定又は算出した全元素数
なお、上記式において、測定により検出されなかった元素、明らかに含有していない元素、及び、数値の算出に影響がない程度の極微量しか含有していない元素は考慮しなくともよい。
また本発明における樹脂粒子分散液のpHは、8以上11以下であることが好ましく、8以上10以下であることがより好ましく、8以上9.5以下であることがより好ましい。上記範囲内であると、樹脂末端のカルボキシ基の中和率が好適であり、十分な固形分濃度が得られ、トナー用樹脂粒子分散液に用いるのに必要な粒度分布が得られるため、トナーに用いる為の好適な樹脂粒子分散液が得られる。
<高酸価の重縮合樹脂及び低酸価の重縮合樹脂>
本発明の樹脂粒子分散液は、高酸価の重縮合樹脂(1)及び低酸価の重縮合樹脂(2)を含むことを特徴とする。高酸価の重縮合樹脂(1)とは酸価が15mgKOH/g以上50mgKOH/g以下の樹脂を指す。また、低酸価の重縮合樹脂(2)は分子量が20,000以上で酸価が15mgKOH/g未満の樹脂を指す。以下、高酸価の重縮合樹脂(1)を高酸価樹脂、低酸価の重縮合樹脂(2)を低酸価樹脂ともいう。
本発明の樹脂粒子分散液は、高酸価の重縮合樹脂(1)及び低酸価の重縮合樹脂(2)を含むことを特徴とする。高酸価の重縮合樹脂(1)とは酸価が15mgKOH/g以上50mgKOH/g以下の樹脂を指す。また、低酸価の重縮合樹脂(2)は分子量が20,000以上で酸価が15mgKOH/g未満の樹脂を指す。以下、高酸価の重縮合樹脂(1)を高酸価樹脂、低酸価の重縮合樹脂(2)を低酸価樹脂ともいう。
酸触媒を失活させる塩基性物質として窒素元素を含む失活剤を用いた場合、重量平均分子量Mw≧20,000の高分子樹脂、或いは樹脂酸価が15mgKOH/g未満の低酸価樹脂を用いて樹脂粒子分散液を得る場合、固形分濃度5重量%程度が上限となり、前記樹脂粒子分散液としてトナー製造に用いるには使用に耐えられない。しかし、重量平均分子量Mw≧20,000の樹脂、或いは樹脂酸価が15mgKOH/g未満の前記樹脂をトナー製造に用いない場合には、その分子量の低さや樹脂酸価の高さに起因して、高湿下での非画像のカブリが悪化する懸念があった。
重量平均分子量Mw≧20,000、或いは酸価が15mgKOH/g未満の重縮合樹脂の乳化を行う場合には、高酸価樹脂を0.1重量%〜30重量%混合させることにより、40重量%程度の十分な固形分濃度を有する樹脂粒子分散液が得られることを発明者らは見出した。
高酸価樹脂は、中和されるカルボキシ基の数が多く、中和された樹脂は、親水性を増す為、より界面活性機能が高まり、水中への分散を促進させる働きを持つようになる。高酸価樹脂中の炭化水素基、即ち疎水鎖は、乳化されていない樹脂中にもぐりこむ所謂アンカー効果を発現させる。本発明において、乳化させる樹脂に少量の高酸価樹脂を含ませることによって、従来は非溶剤アルカリ中和乳化が不可能であった高分子樹脂や低酸価樹脂を乳化させることが可能になる。
本発明における上記高酸価樹脂は、乳化させる高分子樹脂や低酸価樹脂とは別に合成しておき、乳化させる直前で樹脂と混合する事が好ましい。3時間以上の長時間に渡って乳化する樹脂と高酸価樹脂との加熱混合を行った場合、高酸価樹脂が乳化する低酸価樹脂と完全に相溶し、分子量分布が1ピーク化してしまう為、乳化促進効果を失ってしまう。
上記の高酸価樹脂の含有量は、乳化しようとする重縮合樹脂全体のうち、0.1重量%以上30重量%以下であることが好ましく、0.2重量%以上20重量%以下がより好ましく、更には0.5重量%以上10重量%以下がさらに好ましい。
高酸価樹脂の含有量が上記の数値の範囲内であると、活性効果が十分に得られ、高分子樹脂や低酸価樹脂の乳化が容易となり十分な固形分を有する樹脂粒子分散液が得られる。また、トナーの酸価が適切であるため、特に高湿度下において、大気中の存在する水分とトナーとの親和力が大きくならず、トナーへの水分吸着量が増大しないため非画像部のカブリが発生しない。
上記の高酸価樹脂の含有量は、乳化しようとする重縮合樹脂全体のうち、0.1重量%以上30重量%以下であることが好ましく、0.2重量%以上20重量%以下がより好ましく、更には0.5重量%以上10重量%以下がさらに好ましい。
高酸価樹脂の含有量が上記の数値の範囲内であると、活性効果が十分に得られ、高分子樹脂や低酸価樹脂の乳化が容易となり十分な固形分を有する樹脂粒子分散液が得られる。また、トナーの酸価が適切であるため、特に高湿度下において、大気中の存在する水分とトナーとの親和力が大きくならず、トナーへの水分吸着量が増大しないため非画像部のカブリが発生しない。
本発明の樹脂粒子分散液に含まれる高酸価樹脂の量は以下の方法で測定できる。
樹脂粒子分散液10gをガラス試験管に採取してKOKUSAN H18の12本アングルタイプのローター(コクサン(株)製)にセットし、2,000×gで30分間の遠心分離処理をすると試験管上部に目視でも確認できる上澄液が生じる。ここで単位「×g」は地球の重力加速度との比で示した相対遠心加速度(RCF:Rerative Centrifugal Force)を示す。目視でも確認できる上澄液とは、遠心分離処理によって液層の上部に生じる白濁した親水性の樹脂粒子成分を多く含む液を指す。
上記の遠心分離処理によって得られた上澄液の重量を測定し、エーアンドディー社製のハロゲンランプ水分計MX−50等によって上澄液に含まれる重縮合樹脂の固形分濃度を測定し、上澄液の重量と固形分濃度とを積算することによって上澄液に含まれる高酸価樹脂の重量を算出することができる。
樹脂粒子分散液10gをガラス試験管に採取してKOKUSAN H18の12本アングルタイプのローター(コクサン(株)製)にセットし、2,000×gで30分間の遠心分離処理をすると試験管上部に目視でも確認できる上澄液が生じる。ここで単位「×g」は地球の重力加速度との比で示した相対遠心加速度(RCF:Rerative Centrifugal Force)を示す。目視でも確認できる上澄液とは、遠心分離処理によって液層の上部に生じる白濁した親水性の樹脂粒子成分を多く含む液を指す。
上記の遠心分離処理によって得られた上澄液の重量を測定し、エーアンドディー社製のハロゲンランプ水分計MX−50等によって上澄液に含まれる重縮合樹脂の固形分濃度を測定し、上澄液の重量と固形分濃度とを積算することによって上澄液に含まれる高酸価樹脂の重量を算出することができる。
遠心処理後の液の下半分の液についても、液の重量を測定し、エーアンドディー社製のハロゲンランプ水分計MX−50等によって下半分の液に含まれる樹脂の固形分濃度を測定し、下半分の液に含まれる樹脂の重量を算出することができる。遠心処理後の液の下半分の液とは、遠心分離処理後の液層の下半分を指す。沈殿が生じている場合には沈殿を除いた液層の下半分を指す。
本発明における重縮合樹脂の酸価を測定する方法は下記の通りである。ここで記載する酸価とは、樹脂試料1.0g中に含まれる樹脂酸・或いは遊離脂肪酸等を中和するのに要するエタノール性水酸化カリウムのmg数の事を指す。
上記の酸価の測定方法は、重縮合樹脂を1.0g採取し、トルエン50mLに溶解させた後、フェノールフタレイン指示薬溶液1%を加えた溶液を作製した後、スターラーで2時間以上撹拌を行った後、ビュレットを用い0.1mol/Lのエタノール性水酸化カリウム溶液にて滴定を行う方法である。
この時の酸価は
酸価(mgKOH/g)=A×5.611×f÷試料採取重量(g)
で表される。
ここでAとは、滴定に要した0.1mol/Lのエタノール性水酸化カリウム溶液の量(mL)であり、fとは、使用したエタノール性水酸化カリウム溶液のファクターの値である。
上記の酸価の測定方法は、重縮合樹脂を1.0g採取し、トルエン50mLに溶解させた後、フェノールフタレイン指示薬溶液1%を加えた溶液を作製した後、スターラーで2時間以上撹拌を行った後、ビュレットを用い0.1mol/Lのエタノール性水酸化カリウム溶液にて滴定を行う方法である。
この時の酸価は
酸価(mgKOH/g)=A×5.611×f÷試料採取重量(g)
で表される。
ここでAとは、滴定に要した0.1mol/Lのエタノール性水酸化カリウム溶液の量(mL)であり、fとは、使用したエタノール性水酸化カリウム溶液のファクターの値である。
本発明の樹脂粒子分散液において、上澄液に含まれる樹脂の酸価は15mgKOH/g以上50mgKOH/g以下である。上澄液に含まれる樹脂の酸価が15mgKOH/g未満であると十分な固形分濃度を有する樹脂粒子分散液を得ることができない。また、樹脂の酸価が50mgKOH/gを超えると樹脂酸価の高さに起因して高湿下での非画像のカブリが悪化する。
また、遠心処理後の液の下半分の液に含まれる樹脂の酸価が15mgKOH/g未満である。該液の酸価が15mgKOH/gを超えると樹脂酸価の高さに起因して高湿下での非画像のカブリが悪化する。
また、遠心処理後の液の下半分の液に含まれる樹脂の酸価が15mgKOH/g未満である。該液の酸価が15mgKOH/gを超えると樹脂酸価の高さに起因して高湿下での非画像のカブリが悪化する。
本発明の樹脂粒子分散液における樹脂粒子のメジアン径(中心径)は0.1μm以上2.0μm以下であることが好ましく、0.1μm以上1.0μm以下であることがより好ましく、0.15μm以上0.8μm以下であることがさらに好ましい。このメジアン径が上記範囲となることで、水系媒体中における樹脂粒子の分散状態が安定する。従って、トナー作製の際には、粒子化の際の凝集性が良好であり遊離の樹脂粒子が生じにくく、また系の粘度も上昇しにくいため粒径の制御が容易である。また、粗粉が発生しにくく粒度分布が良好であるとともにワックスなどの離型剤が遊離しにくいために、定着時の剥離性やオフセット性に優れるトナーが得られる。
なお、樹脂粒子のメジアン径は、例えば、レーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−920)で測定することができる。
なお、樹脂粒子のメジアン径は、例えば、レーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−920)で測定することができる。
また、本発明の樹脂粒子分散液は、そのメジアン径だけでなく、超微粉や超粗粉の発生がないことも好適であり、メジアン径が0.03μm以下又は5.0μm以上の重縮合樹脂粒子の比率が全体の10重量%以下であることが好ましく、より好ましくは5重量%以下である。なお、この比率は、例えば、LA−920における測定結果において粒子径と頻度積算の関係をプロットし、0.03μm以下、又は5.0μm以上の頻度積算量から求めることができる。
本発明の樹脂粒子分散液は、分散液を少量試験管(例えば、ポリプロピレン材質の50mL遠沈管(30mm径、高さ118mm)に採取し、2,000rpm×10分間で遠心分離をかけた後の上澄み部と底部からスポイトでサンプル採取し、各々粒径測定した場合に、分散液上部のメジアン径(上メジアン径)と分散液下部のメジアン径(下メジアン径)との比率(上メジアン径/下メジアン径)が0.80〜1であることが好ましく、0.90〜1であることがより好ましい。前記遠心処理に用いることができる遠心分離機としては、日立小型卓上遠心機(himac CT4i)(日立ハイテク社製作)などを好ましく用いることができる。
<重縮合樹脂>
本発明の重縮合樹脂の重縮合反応に用いることができる重縮合性単量体としては、例えば、多価カルボン酸、ポリオール、ヒドロキシカルボン酸、又は、それらの混合物が挙げられ、少なくとも多価カルボン酸とポリオールとを用いることが好ましい。特に、重縮合性単量体としては、多価カルボン酸とポリオールと更にはこれらのエステル化合物(オリゴマー及び/又はプレポリマー)であることが好ましく、直接エステル反応、又は、エステル交換反応を経て、ポリエステルを得るものがよい。この場合、重合されるポリエステル樹脂としてはアモルファス(無定形)ポリエステル(非結晶性ポリエステル)、結晶性ポリエステルなどのいずれかの形態、またはそれらの混合形態をとることができる。
また、本発明に用いることができるポリエステルは、末端カルボキシル基を有するポリエステルであり、非結晶性ポリエステルであることが好ましい。
本発明において、前記多価カルボンの50〜100mol%が式(1)で表される化合物及び/又は式(2)で表される化合物よりなり、前記ポリオールの50〜100mol%が式(3)で表される化合物よりなることが好ましい。
R1OOCA1 mB1 nA1 lCOOR1' (1)
(A1:メチレン基、B1:芳香族炭化水素基、R1、R1':水素原子又は1価の炭化水素基、1≦m+l≦12、1≦n≦3)
R2OOCA2 pB2 qA2 rCOOR2' (2)
(A2:メチレン基、B2:脂環式炭化水素基、R2、R2':水素原子又は1価の炭化水素基、0≦p≦6、0≦r≦6、1≦q≦3)
HOXh−Ph−Y−Ph−XkOH (3)
(X:アルキレンオキサイド基、Y:C(CH3)2又はフルオレン構造、1≦h≦4、1≦k≦4)
本発明の重縮合樹脂の重縮合反応に用いることができる重縮合性単量体としては、例えば、多価カルボン酸、ポリオール、ヒドロキシカルボン酸、又は、それらの混合物が挙げられ、少なくとも多価カルボン酸とポリオールとを用いることが好ましい。特に、重縮合性単量体としては、多価カルボン酸とポリオールと更にはこれらのエステル化合物(オリゴマー及び/又はプレポリマー)であることが好ましく、直接エステル反応、又は、エステル交換反応を経て、ポリエステルを得るものがよい。この場合、重合されるポリエステル樹脂としてはアモルファス(無定形)ポリエステル(非結晶性ポリエステル)、結晶性ポリエステルなどのいずれかの形態、またはそれらの混合形態をとることができる。
また、本発明に用いることができるポリエステルは、末端カルボキシル基を有するポリエステルであり、非結晶性ポリエステルであることが好ましい。
本発明において、前記多価カルボンの50〜100mol%が式(1)で表される化合物及び/又は式(2)で表される化合物よりなり、前記ポリオールの50〜100mol%が式(3)で表される化合物よりなることが好ましい。
R1OOCA1 mB1 nA1 lCOOR1' (1)
(A1:メチレン基、B1:芳香族炭化水素基、R1、R1':水素原子又は1価の炭化水素基、1≦m+l≦12、1≦n≦3)
R2OOCA2 pB2 qA2 rCOOR2' (2)
(A2:メチレン基、B2:脂環式炭化水素基、R2、R2':水素原子又は1価の炭化水素基、0≦p≦6、0≦r≦6、1≦q≦3)
HOXh−Ph−Y−Ph−XkOH (3)
(X:アルキレンオキサイド基、Y:C(CH3)2又はフルオレン構造、1≦h≦4、1≦k≦4)
本発明において、特定の構造を有するポリカルボン酸及びポリオールを重縮合樹脂の主成分とすることにより、従来、脂肪族ポリエステルのみで可能であった高反応性に起因した無溶媒かつ低温でのエステル化反応が、非結晶性樹脂においても可能となった。また、脂肪族ポリエステルは生分解性が優れるなど易分解性を有するが、本発明における重縮合樹脂は耐水、耐熱性が高く、硬化後の被膜強度も高く、かつ低温での高い反応性を有するため、熱硬化時に必要とするエネルギーを抑制できる。
式(1)及び式(2)で表されるジカルボン酸並びに式(3)で表されるジオールについて以下に説明する。
本発明に使用されるポリカルボン酸の50mol%以上、100mol%以下は、式(1)及び/又は式(2)で表される化合物(ジカルボン酸)よりなる。なお、本発明において、「カルボン酸」とはそのエステル化物及び酸無水物をも含む意である。
R1OOCA1 mB1 nA1 lCOOR1' (1)
(A1:メチレン基、B1:芳香族炭化水素基、R1、R1':水素原子又は1価の炭化水素基、1≦m+l≦12、1≦n≦3)
R2OOCA2 pB2 qA2 rCOOR2' (2)
(A2:メチレン基、B2:脂環式炭化水素基、R2、R2':水素原子又は1価の炭化水素基、0≦p≦6、0≦r≦6、1≦q≦3)
ここで、1価の炭化水素基とは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、炭化水素基、又は窒素元素及び硫黄元素を含まない複素環基を表し、これらの基は任意の置換基を有していてもよい。R1、R1'、R2及びR2'としては、水素原子又は低級アルキル基が好ましく、水素原子、メチル基、エチル基がより好ましく、水素原子が最も好ましい。
また、式(1)中の芳香族炭化水素基及び式(2)中の脂環式炭化水素基は、さらに置換されていてもよい。
本発明に使用されるポリカルボン酸の50mol%以上、100mol%以下は、式(1)及び/又は式(2)で表される化合物(ジカルボン酸)よりなる。なお、本発明において、「カルボン酸」とはそのエステル化物及び酸無水物をも含む意である。
R1OOCA1 mB1 nA1 lCOOR1' (1)
(A1:メチレン基、B1:芳香族炭化水素基、R1、R1':水素原子又は1価の炭化水素基、1≦m+l≦12、1≦n≦3)
R2OOCA2 pB2 qA2 rCOOR2' (2)
(A2:メチレン基、B2:脂環式炭化水素基、R2、R2':水素原子又は1価の炭化水素基、0≦p≦6、0≦r≦6、1≦q≦3)
ここで、1価の炭化水素基とは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、炭化水素基、又は窒素元素及び硫黄元素を含まない複素環基を表し、これらの基は任意の置換基を有していてもよい。R1、R1'、R2及びR2'としては、水素原子又は低級アルキル基が好ましく、水素原子、メチル基、エチル基がより好ましく、水素原子が最も好ましい。
また、式(1)中の芳香族炭化水素基及び式(2)中の脂環式炭化水素基は、さらに置換されていてもよい。
<式(1)で表されるジカルボン酸>
式(1)で表されるジカルボン酸は、少なくとも一つの芳香族炭化水素基B1を有するが、その構造は特に限定されない。芳香族炭化水素基B1としては、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アセナフチレン、フルオレン、アントラセン、フェナントレン、テトラセン、フルオランセン、ピレン、ベンゾフルオレン、ベンゾフェナントレン、クリセン、トリフェニレン、ベンゾピレン、ペリレン、アントラスレン、ベンゾナフタセン、ベンゾクリセン、ペンタセン、ペンタフェン、コロネン骨格等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらの構造にはさらに置換基が付加していてもよい。
式(1)で表されるジカルボン酸は、少なくとも一つの芳香族炭化水素基B1を有するが、その構造は特に限定されない。芳香族炭化水素基B1としては、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アセナフチレン、フルオレン、アントラセン、フェナントレン、テトラセン、フルオランセン、ピレン、ベンゾフルオレン、ベンゾフェナントレン、クリセン、トリフェニレン、ベンゾピレン、ペリレン、アントラスレン、ベンゾナフタセン、ベンゾクリセン、ペンタセン、ペンタフェン、コロネン骨格等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらの構造にはさらに置換基が付加していてもよい。
式(1)で表されるジカルボン酸中に含まれる芳香族炭化水素基B1の数は、1個以上、3個以下であることが好ましい。上記の数値の範囲内であると、製造されるポリエステルが非結晶性であり、ジカルボン酸の入手が容易であるために費用、製造効率が良く、式(1)で表されるジカルボン酸の融点及び粘度が適切であり、大きさ、嵩高さに起因する反応性の低下がないため好ましい。
式(1)で表されるジカルボン酸が、複数の芳香族炭化水素基を含む場合、その芳香族炭化水素基同士は直接結合していてもよく、芳香族炭化水素間に他の飽和脂肪族炭化水素基等の骨格を有する構造をとることもできる。前者の例としてはビフェニル骨格等、後者の例としてはビスフェノールA骨格、ベンゾフェノン、ジフェニルエテン骨格などを挙げることができるがこれに限定されるものではない。
芳香族炭化水素基B1として好適な基は、その主骨格の炭素数がC6〜C18の構造である。この主骨格の炭素数には、主骨格に結合する官能基に含まれる炭素数を含まない。例えば、ベンゼン、ナフタレン、アセナフチレン、フルオレン、アントラセン、フェナントレン、テトラセン、フルオランセン、ピレン、ベンゾフルオレン、ベンゾフェナントレン、クリセン、トリフェニレン、ビスフェノールA骨格等を挙げることができる。これらの中で特に好適な骨格としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレンが例示できる。最も好適には、ベンゼン、ナフタレン構造が用いられる。
主骨格の炭素数が6以上であると、モノマーの製造が容易であるので好ましい。また、主骨格の炭素数が18以下であると、モノマー分子の大きさが適当で、分子運動の制限による反応性の低下が生じないので好ましい。さらに、モノマー分子中における反応性官能基の割合が適切であり、反応性が低下することがないので好ましい。
主骨格の炭素数が6以上であると、モノマーの製造が容易であるので好ましい。また、主骨格の炭素数が18以下であると、モノマー分子の大きさが適当で、分子運動の制限による反応性の低下が生じないので好ましい。さらに、モノマー分子中における反応性官能基の割合が適切であり、反応性が低下することがないので好ましい。
式(1)で表されるジカルボン酸は、少なくとも1個以上のメチレン基A1を含む。メチレン基は、直鎖、分岐のどちらでもよく、例えば、メチレン鎖、分岐メチレン鎖、置換メチレン鎖等を用いることができる。分岐メチレン鎖の場合、分岐部の構造は問わず、不飽和結合やさらなる分岐、環状構造等を有していてもよい。
メチレン基A1の数は、分子内の合計m+lとして、少なくとも1個以上12個以下であることが好ましい。好適にはm+lが2個以上、6個以下であり、mとlは同数であることがさらに好ましい。
上記の数値の範囲内であると、芳香族炭化水素と両末端のカルボキシル基が直接結合する構造とならないため、触媒と式(1)で表されるジカルボン酸とが形成する反応中間体が共鳴安定化することがなく、反応性が低下することがない。また、式(1)で表されるジカルボン酸に対し直鎖部分が大きくなりすぎることがないため、製造されるポリマーが非結晶性の特性を有し、ガラス転移温度Tgが適切である。
メチレン基A1の数は、分子内の合計m+lとして、少なくとも1個以上12個以下であることが好ましい。好適にはm+lが2個以上、6個以下であり、mとlは同数であることがさらに好ましい。
上記の数値の範囲内であると、芳香族炭化水素と両末端のカルボキシル基が直接結合する構造とならないため、触媒と式(1)で表されるジカルボン酸とが形成する反応中間体が共鳴安定化することがなく、反応性が低下することがない。また、式(1)で表されるジカルボン酸に対し直鎖部分が大きくなりすぎることがないため、製造されるポリマーが非結晶性の特性を有し、ガラス転移温度Tgが適切である。
メチレン基A1又はカルボキシル基と、芳香族炭化水素基B1の結合箇所は特に限定されず、o−位、m−位、p−位のいずれでもよい。
式(1)で表されるジカルボン酸としては、1,4−フェニレンジ酢酸、1,4−フェニレンジプロピオン酸、1,3−フェニレンジ酢酸、1,3−フェニレンジプロピオン酸,1,2−フェニレンジ酢酸、1,2−フェニレンジプロピオン酸等を挙げることができるがこれに限定されるものではない。好適には、1,4−フェニレンジプロピオン酸、1,3−フェニレンジプロピオン酸、1,4−フェニレンジ酢酸、1,3−フェニレンジ酢酸を挙げることができる。
式(1)で表されるジカルボン酸としては、1,4−フェニレンジ酢酸、1,4−フェニレンジプロピオン酸、1,3−フェニレンジ酢酸、1,3−フェニレンジプロピオン酸,1,2−フェニレンジ酢酸、1,2−フェニレンジプロピオン酸等を挙げることができるがこれに限定されるものではない。好適には、1,4−フェニレンジプロピオン酸、1,3−フェニレンジプロピオン酸、1,4−フェニレンジ酢酸、1,3−フェニレンジ酢酸を挙げることができる。
式(1)で表されるジカルボン酸には、その構造のいずれかに各種官能基が付加していてもよい。また、重縮合反応性官能基であるカルボン酸基は、酸無水物、酸エステル化物、酸塩化物であってもよい。しかし、酸エステル化物とプロトンとの中間体が安定化しやすく、反応性を抑制する傾向があるため、好適には、カルボン酸、又はカルボン酸無水物、カルボン酸塩化物が使用される。
<式(2)で表されるジカルボン酸>
式(2)で表されるジカルボン酸は脂環式炭化水素基B2を含む。脂環式炭化水素構造には特に限定はなく、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロウンデカン、シクロドデカン、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、ノルボルネン、アダマンタン、ジアマンタン、トリアマンタン、テトラマンタン、アイセアン、及び、ツイスタン骨格等を挙げることができるが、これに限定されない。またこれらの構造には置換基が付加していてもよい。その構造の安定性、分子の大きさや嵩高さなどを考慮すると、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ノルボルネン、アダマンタン骨格などが好ましい。
このモノマー中に含まれる脂環式炭化水素基の数は、少なくとも1個以上、3個以下である。上記の数値の範囲内であると、製造されるポリエステルの非結晶性を有しており、融点の上昇や分子の大きさや嵩高さにより反応性が低下することもないため好ましい。
複数の脂環式炭化水素基を含む場合は、脂環式炭化水素基同士が直接結合する構造、間に他の飽和脂肪族炭化水素等の骨格を有する構造のどちらもとることができる。前者の例としては、ジシクロヘキシル骨格等であり、後者の例としては、水素添加ビスフェノールA骨格などを挙げることができるがこれに限定されない。
式(2)で表されるジカルボン酸は脂環式炭化水素基B2を含む。脂環式炭化水素構造には特に限定はなく、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロウンデカン、シクロドデカン、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、ノルボルネン、アダマンタン、ジアマンタン、トリアマンタン、テトラマンタン、アイセアン、及び、ツイスタン骨格等を挙げることができるが、これに限定されない。またこれらの構造には置換基が付加していてもよい。その構造の安定性、分子の大きさや嵩高さなどを考慮すると、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ノルボルネン、アダマンタン骨格などが好ましい。
このモノマー中に含まれる脂環式炭化水素基の数は、少なくとも1個以上、3個以下である。上記の数値の範囲内であると、製造されるポリエステルの非結晶性を有しており、融点の上昇や分子の大きさや嵩高さにより反応性が低下することもないため好ましい。
複数の脂環式炭化水素基を含む場合は、脂環式炭化水素基同士が直接結合する構造、間に他の飽和脂肪族炭化水素等の骨格を有する構造のどちらもとることができる。前者の例としては、ジシクロヘキシル骨格等であり、後者の例としては、水素添加ビスフェノールA骨格などを挙げることができるがこれに限定されない。
脂環式炭化水素基で好適なものは、炭素数C3〜C12の物質である。この主骨格の炭素数には、主骨格に結合する官能基に含まれる炭素数を含まない。例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ノルボルネン、アダマンタン骨格等を有する物質を挙げることができる。これらの中で特に好適な骨格としては、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ノルボルネン、アダマンタン骨格が例示できる。
式(2)で表されるジカルボン酸は、メチレン基A2をその構造の中に有してもよい。メチレン基は、直鎖、分岐のどちらでもよく、例えば、メチレン鎖、分岐メチレン鎖、置換メチレン鎖等を用いることができる。分岐メチレン鎖の場合、分岐部の構造は問わず、不飽和結合やさらなる分岐、環状構造等を有していてもよい。
メチレン基A2数は、p、rがそれぞれ6以下である。p,rのいずれか、又は両方が6より大きい場合、式(2)で表されるジカルボン酸に対し直鎖部分が大きくなりすぎるため、製造されるポリマーが結晶性の特性を有したり、ガラス転移温度Tgが低下することがある。
メチレン基A2数は、p、rがそれぞれ6以下である。p,rのいずれか、又は両方が6より大きい場合、式(2)で表されるジカルボン酸に対し直鎖部分が大きくなりすぎるため、製造されるポリマーが結晶性の特性を有したり、ガラス転移温度Tgが低下することがある。
メチレン基A2又はカルボキシル基と、脂環式炭化水素基B2の結合箇所は特に限定されず、o−位、m−位、p−位のいずれでもよい。
式(2)で表されるジカルボン酸としては、1,1−シクロプロパンジカルボン酸、1,1−シクロブタンジカルボン酸、1,2−シクロブタンジカルボン酸、1,1−シクロペンテンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキセンジカルボン酸、ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、アダマンタンジカルボン酸等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。この中で好ましく用いられるのは、シクロブタン、シクロヘキサン、シクロヘキサン骨格を有する物質であり、特に好ましくは、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸である。
また、式(2)で表されるジカルボン酸は、その構造のいずれかに各種官能基が付加していてもよい。また、重縮合反応性官能基であるカルボン酸基は、酸無水物、酸エステル化物、酸塩化物であってもよい。しかし、酸エステル化物とプロトンとの中間体が安定化しやすく、反応性を抑制する傾向があるため、好適には、カルボン酸、又はカルボン酸無水物、カルボン酸塩化物が使用される。
式(2)で表されるジカルボン酸としては、1,1−シクロプロパンジカルボン酸、1,1−シクロブタンジカルボン酸、1,2−シクロブタンジカルボン酸、1,1−シクロペンテンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキセンジカルボン酸、ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、アダマンタンジカルボン酸等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。この中で好ましく用いられるのは、シクロブタン、シクロヘキサン、シクロヘキサン骨格を有する物質であり、特に好ましくは、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸である。
また、式(2)で表されるジカルボン酸は、その構造のいずれかに各種官能基が付加していてもよい。また、重縮合反応性官能基であるカルボン酸基は、酸無水物、酸エステル化物、酸塩化物であってもよい。しかし、酸エステル化物とプロトンとの中間体が安定化しやすく、反応性を抑制する傾向があるため、好適には、カルボン酸、又はカルボン酸無水物、カルボン酸塩化物が使用される。
本発明において、ポリカルボン酸成分の全体に対して、上記の式(1)及び/又は式(2)で表される化合物(ジカルボン酸)を50mol%以上、100mol%以下含む。上記式(1)で表される化合物と式(2)で表される化合物は単独で使用することもでき、組み合わせて使用することもできる。
式(1)及び/又は式(2)で表される化合物の割合が50mol%未満であると、低温重縮合での反応性が十分に発揮できないために、分子量が伸長せず、重合度が低いポリエステルとなったり、残留重縮合成分が多数混在することがある。これにより、硬化物が常温でべたつく等、硬化物の性能が悪化したり、粘弾性やガラス転移温度が悪化することがある。上記式(1)及び/又は式(2)で表される化合物を60〜100mol%含むことが好ましく、上記式(1)及び/又は式(2)で表される化合物を80〜100mol%含むことがより好ましい。
式(1)及び/又は式(2)で表される化合物の割合が50mol%未満であると、低温重縮合での反応性が十分に発揮できないために、分子量が伸長せず、重合度が低いポリエステルとなったり、残留重縮合成分が多数混在することがある。これにより、硬化物が常温でべたつく等、硬化物の性能が悪化したり、粘弾性やガラス転移温度が悪化することがある。上記式(1)及び/又は式(2)で表される化合物を60〜100mol%含むことが好ましく、上記式(1)及び/又は式(2)で表される化合物を80〜100mol%含むことがより好ましい。
<式(3)で表されるジオール>
本発明の樹脂形成組成物は、ポリカルボン酸とポリオールの重縮合反応を伴って硬化し、該ポリオールの50mol%以上100mol%以下が式(3)で表される化合物(ジオール)よりなる。
HOXh−Ph−Y−Ph−XkOH (3)
(X:アルキレンオキサイド基、Y:C(CH3)2又はフルオレン構造、1≦h≦4、1≦k≦4)
式(3)で表されるジオールにおいて、フェニル基に対するアルキレンオキサイド基の置換位置は特に限定されず、o−位、m−位及びp−位のいずれでもよいが、p−位であることが好ましい。従って、式(3)で表されるジオールは、ビスフェノールA又はビスフェノールフルオレンのアルキレンオキサイド付加物であることが好ましい。
式(3)で表されるジオールの好ましい構造を以下に示す。
本発明の樹脂形成組成物は、ポリカルボン酸とポリオールの重縮合反応を伴って硬化し、該ポリオールの50mol%以上100mol%以下が式(3)で表される化合物(ジオール)よりなる。
HOXh−Ph−Y−Ph−XkOH (3)
(X:アルキレンオキサイド基、Y:C(CH3)2又はフルオレン構造、1≦h≦4、1≦k≦4)
式(3)で表されるジオールにおいて、フェニル基に対するアルキレンオキサイド基の置換位置は特に限定されず、o−位、m−位及びp−位のいずれでもよいが、p−位であることが好ましい。従って、式(3)で表されるジオールは、ビスフェノールA又はビスフェノールフルオレンのアルキレンオキサイド付加物であることが好ましい。
式(3)で表されるジオールの好ましい構造を以下に示す。
本発明において、式(3)で表されるジオールは少なくとも一つのアルキレンオキサイド基を有する。アルキレンオキサイド基はエチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、ブチレンオキサイド基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。好適には、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドであり、特に好適にはエチレンオキサイドが例示できる。
アルキレンオキサイド基数h及びkは1分子中にそれぞれ1個以上4個以下であることが好ましい。
上記の数値の範囲内であると、水酸基とビスフェノール骨格中の芳香環との共鳴安定化により電子が非局在化しないため、式(3)で表されるジオールによるポリカルボン酸への求核攻撃性が抑制されないため、分子量の伸長や重合度の進展が適切である。また、式(3)で表されるジオール中の直鎖部分が長すぎないため、製造されるポリエステルが結晶性の性質を有することがなく、また、式(3)で表されるジオール中の反応性官能基数が適切であるため、反応確率も適切である。
hとkが同数であることが、均等な反応を促進する上で好ましい。
また、アルキレンオキサイド基数h+kが6以下であることが好ましく、より好ましくはアルキレンオキサイド基数h及びkが各2、又は各1である場合である。また、2個以上のアルキレンオキサイド基を有する場合は、2種以上のアルキレンオキサイド基を1分子中に有することもできる。
アルキレンオキサイド基数h及びkは1分子中にそれぞれ1個以上4個以下であることが好ましい。
上記の数値の範囲内であると、水酸基とビスフェノール骨格中の芳香環との共鳴安定化により電子が非局在化しないため、式(3)で表されるジオールによるポリカルボン酸への求核攻撃性が抑制されないため、分子量の伸長や重合度の進展が適切である。また、式(3)で表されるジオール中の直鎖部分が長すぎないため、製造されるポリエステルが結晶性の性質を有することがなく、また、式(3)で表されるジオール中の反応性官能基数が適切であるため、反応確率も適切である。
hとkが同数であることが、均等な反応を促進する上で好ましい。
また、アルキレンオキサイド基数h+kが6以下であることが好ましく、より好ましくはアルキレンオキサイド基数h及びkが各2、又は各1である場合である。また、2個以上のアルキレンオキサイド基を有する場合は、2種以上のアルキレンオキサイド基を1分子中に有することもできる。
式(3)で表されるジオールは、芳香環の有する剛直な構造に、アルキレンオキサイド付加物が適量付加しているため、粘度を低く保つことができ、さらに低温での反応性を有する。よって、塗布時には低粘度であり、被膜形成後は十分な硬度を有するものと推測される。さらに、この主成分は、後述する添加剤などを均一に分散することも可能とする、可溶化剤としての機能を有すると考えられる。つまり、高融点の配合物や、他の機能剤などを配合する場合に、本主成分の存在下では、それらが均一に分散又は溶解した状態となり、均質な被膜の形成が可能となる。
式(3)で表されるジオールとしては、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールAエチレンオキサイドプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノキシエタノールフルオレン、ビスフェノキシプロパノールフルオレン等を挙げることが出来るが、これらに限定されない。特に好適には、ビスフェノールAエチレンオキサイド1モル付加物、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド1モル付加物、ビスフェノールAエチレンキサイド1モルプロピレンオキサイド2モル付加物、及び、ビスフェノキシエタノールフルオレンが挙げられる。
本発明において、式(3)で表されるジオールは、ポリオール中に50mol%以上、100mol%以下含まれる。含有量が50mol%未満であると、低温重縮合での反応性が十分に発揮できないために、分子量が伸長せず、重合度が低いポリエステルとなったり、残留重縮合成分が多数混在することがある。これにより、硬化物が常温でべたつく等、硬化物の性質が悪化したり、所望の粘弾性やガラス転移温度を得られないことがある。上記式(3)で表されるジオールを60〜100mol%含むことがより好ましく、上記式(3)で表されるジオールを80〜100mol%含むことがさらに好ましい。
本発明において、式(1)及び/又は式(2)で表されるジカルボン酸及び式(3)で表されるジオールは、それぞれ単量体の状態でも、オリゴマー、ポリマーの状態でも樹脂形成組成物として使用することができる。オリゴマー、ポリマーの場合、好ましい分子量はMw300〜30,000であり、より好ましくは300〜25,000である。この分子量の範囲である場合、公知の方法により被膜形成が可能であり、被膜形成後にさらに硬化させることが可能となる。
<三官能以上の多官能重縮合性単量体>
本発明において、樹脂形成組成物は、三官能以上の多官能重縮合性単量体を、ポリカルボン酸及びポリオールからなる重縮合性単量体成分のうち0.1mol%以上50mol%未満含有することが好ましい。これにより、硬化被膜の耐水性、耐熱性を向上させることができる。より好適には0.1〜30mol%、さらに好適には0.5〜20mol%含有することが好ましい。即ち、三官能以上のポリカルボン酸を添加する場合は、ポリカルボン酸成分の50mol%未満となるように添加する。0.1mol%以上50mol%未満となるように添加することが好ましく、より好ましくは0.1〜30mol%であり、さらに好ましくは0.5〜20mol%である。また、同様に三官能以上のポリオールを添加する場合は、ポリオール成分の50mol%未満となるように添加する。0.1mol%以上50mol%未満となるように添加することが好ましく、より好ましくは0.1〜30mol%であり、さらに好ましくは0.5〜20mol%である。
また、本発明において、樹脂形成組成物は三官能以上の多官能重縮合性単量体を0.5〜80重量%含有することが好ましい。
三官能以上の多官能性重縮合性単量体としては、例えば、三官能以上のポリアルコールや三官能以上のポリカルボン酸が例示できる。また、三官能以上のポリカルボン酸の酸無水物、酸塩化物や、エステル化物も例示できる。さらに、三官能以上のポリオールのアルキルアルコールも例示できるがこれに限定されるものではない。
三官能以上の多官能重縮合性単量体は、一種単独で使用することもできるが、二種以上を併用することもできる。また、三官能以上のポリカルボン酸又は三官能以上のポリオールをそれぞれ二種以上使用することもできるが、三官能以上のポリカルボン酸と三官能以上のポリオールを併用することもできる。
本発明において、樹脂形成組成物は、三官能以上の多官能重縮合性単量体を、ポリカルボン酸及びポリオールからなる重縮合性単量体成分のうち0.1mol%以上50mol%未満含有することが好ましい。これにより、硬化被膜の耐水性、耐熱性を向上させることができる。より好適には0.1〜30mol%、さらに好適には0.5〜20mol%含有することが好ましい。即ち、三官能以上のポリカルボン酸を添加する場合は、ポリカルボン酸成分の50mol%未満となるように添加する。0.1mol%以上50mol%未満となるように添加することが好ましく、より好ましくは0.1〜30mol%であり、さらに好ましくは0.5〜20mol%である。また、同様に三官能以上のポリオールを添加する場合は、ポリオール成分の50mol%未満となるように添加する。0.1mol%以上50mol%未満となるように添加することが好ましく、より好ましくは0.1〜30mol%であり、さらに好ましくは0.5〜20mol%である。
また、本発明において、樹脂形成組成物は三官能以上の多官能重縮合性単量体を0.5〜80重量%含有することが好ましい。
三官能以上の多官能性重縮合性単量体としては、例えば、三官能以上のポリアルコールや三官能以上のポリカルボン酸が例示できる。また、三官能以上のポリカルボン酸の酸無水物、酸塩化物や、エステル化物も例示できる。さらに、三官能以上のポリオールのアルキルアルコールも例示できるがこれに限定されるものではない。
三官能以上の多官能重縮合性単量体は、一種単独で使用することもできるが、二種以上を併用することもできる。また、三官能以上のポリカルボン酸又は三官能以上のポリオールをそれぞれ二種以上使用することもできるが、三官能以上のポリカルボン酸と三官能以上のポリオールを併用することもできる。
三官能以上のポリカルボン酸としては、例えば、トリメリト酸、ピロメリト酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ピレントリカルボン酸、ピレンテトラカルボン酸等を挙げることができる。また、三官能以上のポリオールとしては、例えば、グリセリン、ペンタエリスリトール、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサエチロールメラミン、テトラメチロールベンゾグアナミン、テトラエチロールベンゾグアナミン等を挙げることができる。
好ましく使用される三官能以上の多官能性重縮合性単量体成分としては、トリメリト酸、ピロメリト酸、ペンタエリスリトールが例示できる。
好ましく使用される三官能以上の多官能性重縮合性単量体成分としては、トリメリト酸、ピロメリト酸、ペンタエリスリトールが例示できる。
<その他の重縮合性化合物>
本発明において、樹脂形成組成物は、その特性を損なわない限り、上述した以外の重縮合性成分であるポリカルボン酸及びポリオールとともに重縮合することも可能である。
ポリカルボン酸としては、1分子中にカルボキシル基を2個以上含有する多価カルボン酸を用いることができる。このうち、2価のカルボン酸は1分子中にカルボキシル基を2個含有する化合物であり、例えば、シュウ酸、コハク酸、イタコン酸、グルタコン酸、グルタル酸、マレイン酸、アジピン酸、β−メチルアジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、フマール酸、シトラコン酸、ジグリコール酸、リンゴ酸、クエン酸、ヘキサヒドロテレフタール酸、マロン酸、ピメリン酸、酒石酸、粘液酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラクロルフタル酸、クロルフタル酸、ニトロフタル酸、ビフェニル−p,p’−ジカルボン酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−1,5−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸等を挙げることができる。
また、これらの酸無水物あるいは酸塩化物、酸エステル化物を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
本発明において、樹脂形成組成物は、その特性を損なわない限り、上述した以外の重縮合性成分であるポリカルボン酸及びポリオールとともに重縮合することも可能である。
ポリカルボン酸としては、1分子中にカルボキシル基を2個以上含有する多価カルボン酸を用いることができる。このうち、2価のカルボン酸は1分子中にカルボキシル基を2個含有する化合物であり、例えば、シュウ酸、コハク酸、イタコン酸、グルタコン酸、グルタル酸、マレイン酸、アジピン酸、β−メチルアジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、フマール酸、シトラコン酸、ジグリコール酸、リンゴ酸、クエン酸、ヘキサヒドロテレフタール酸、マロン酸、ピメリン酸、酒石酸、粘液酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラクロルフタル酸、クロルフタル酸、ニトロフタル酸、ビフェニル−p,p’−ジカルボン酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−1,5−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸等を挙げることができる。
また、これらの酸無水物あるいは酸塩化物、酸エステル化物を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
ポリオール(多価アルコール)としては、1分子中水酸基を2個以上含有するポリオールを用いることができる。このうち、2価のポリオール(ジオール)は1分子中に水酸基を2個含有する化合物であり、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ブテンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタングリコール、ヘキサングリコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールや、上述したビスフェノール類を除くビスフェノール類、水素添加ビスフェノール類等を挙げることができる。
これらのモノマーの含有量は、それぞれ重縮合性単量体(重縮合成分)であるポリカルボン酸及びポリアルコールの50mol%未満である。より好ましくは40mol%以下、さらに好ましくは20mol%以下である。
本発明においては、重縮合工程として、既述の重縮合成分であるポリカルボン酸及びポリオールと、予め作製しておいたプレポリマーとの重合反応とを含むこともできる。プレポリマーは、上記単量体に溶融又は均一混合できるポリマーであれば限定されない。
さらに本発明の樹脂形成組成物は、上述した重縮合成分の単独重合体、上述した重合性成分を含む2種以上の単量体を組み合せた共重合体、又はそれらの混合物、グラフト重合体、一部枝分かれや架橋構造などを有していてもよい。
さらに本発明の樹脂形成組成物は、上述した重縮合成分の単独重合体、上述した重合性成分を含む2種以上の単量体を組み合せた共重合体、又はそれらの混合物、グラフト重合体、一部枝分かれや架橋構造などを有していてもよい。
(6)物理物性
ここで、重縮合樹脂が結晶性樹脂の場合、結晶融点Tmは50〜120℃であることが好ましく、55〜90℃であることがより好ましい。Tmが上記の数値の範囲内であると、高温度域での結着樹脂自体の凝集力が良好であり、定着の際に剥離性やホットオフセット性に優れる。また十分な溶融が得られ、最低定着温度が上昇しにくい。
ここで、重縮合樹脂が結晶性樹脂の場合、結晶融点Tmは50〜120℃であることが好ましく、55〜90℃であることがより好ましい。Tmが上記の数値の範囲内であると、高温度域での結着樹脂自体の凝集力が良好であり、定着の際に剥離性やホットオフセット性に優れる。また十分な溶融が得られ、最低定着温度が上昇しにくい。
一方、重縮合樹脂が非結晶性樹脂の場合、ガラス転移点Tgは50〜80℃であることが好ましく、50〜65℃であることがより好ましい。上記の数値の範囲内であると、高温度域での結着樹脂自体の凝集力が良好であり、定着の際にホットオフセット性に優れる。また十分な溶融が得られ、最低定着温度が上昇しにくい。
ここで、結晶性樹脂の融点の測定には、示差走査熱量計(DSC−50、島津製作所製)を用い、室温から150℃まで毎分10℃の昇温速度で測定を行った時のJIS K−7121:87に示す入力補償示差走査熱量測定の融解ピーク温度として求めることができる。なお、結晶性の樹脂には、複数の融解ピークを示す場合があるが、本発明においては、最大のピークをもって融点とみなす。ここで、非結晶性樹脂のガラス転移点は、ASTM D3418−82に規定された方法(DSC法)で測定した値をいう。なお、前記の「結晶性ポリエステル樹脂」に示すような「結晶性」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱変化ではなく、明確な吸熱ピークを有することを示し、具体的には、昇温速度10℃/minで測定した際の吸熱ピークの半値幅が6℃以内であることを意味する。一方、吸熱ピークの半値幅が6℃を越える樹脂や、明確な吸熱ピークが認められない樹脂は、非結晶性(非晶質)であることを意味する。
(7)分子量
低酸価樹脂の重量平均分子量Mwは、5,000〜55,000であることが好ましく、20,000〜30,000であることがより好ましい。
低酸価樹脂の重量平均分子量が上記の数値の範囲内であると、バインダー樹脂の凝集力が良好であり、ホットオフセット性に優れる。
また、高酸価樹脂は、例えば重量平均分子量が3,000以上10,000未満の線状ポリエステルであれば特に樹脂を構成する重縮合性単量体の種は問わないものとする。
低酸価樹脂の重量平均分子量Mwは、5,000〜55,000であることが好ましく、20,000〜30,000であることがより好ましい。
低酸価樹脂の重量平均分子量が上記の数値の範囲内であると、バインダー樹脂の凝集力が良好であり、ホットオフセット性に優れる。
また、高酸価樹脂は、例えば重量平均分子量が3,000以上10,000未満の線状ポリエステルであれば特に樹脂を構成する重縮合性単量体の種は問わないものとする。
<分散媒>
本発明に用いることのできる分散媒は、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水や、エタノール、メタノール等のアルコール類などが挙げられる。これらの中でも、エタノールや水であることが好ましく、蒸留水及びイオン交換水等の水が特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし2種以上を併用してもよい。また、水系媒体には、水混和性の有機溶媒を含んでいてもよい。水混和性の有機溶媒としては、例えば、アセトンや酢酸等が挙げられる。
本発明に用いることのできる分散媒は、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水や、エタノール、メタノール等のアルコール類などが挙げられる。これらの中でも、エタノールや水であることが好ましく、蒸留水及びイオン交換水等の水が特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし2種以上を併用してもよい。また、水系媒体には、水混和性の有機溶媒を含んでいてもよい。水混和性の有機溶媒としては、例えば、アセトンや酢酸等が挙げられる。
本発明の樹脂粒子分散液における水系媒体中の固形分濃度は、樹脂粒子分散液全体に対して10〜50重量%が好ましく、15〜45重量%がより好ましく、20〜40重量%がより好ましい。上記の数値の範囲内であると流動性に優れ、保管条件によりクリームムース状に変質しない。また、樹脂粒子分散液を用いてトナーを作製する際、全組成に占める本分散媒の割合が大きくならず、組成の調製が容易で、輸送の際のコストを抑制でき好ましい。また重合の際に、重縮合性単量体に加え、後述の着色剤、ワックス等を予め混合しておくことも可能である。このような方法により着色剤やワックスを取り込んだ形で樹脂粒子を得ることができる。
前記重縮合樹脂を水系媒体中に分散する際には、上記各材料を水系媒体に例えば機械的シェアや超音波などを使用し分散するが、この分散の際に必要に応じて界面活性剤や高分子分散剤、無機分散剤などを水系媒体中に添加することも可能である。また、重縮合樹脂を含む混合物(油相)中に水系媒体を添加し、最終的に水系媒体中に重縮合樹脂を乳化分散させてもよい。
<界面活性剤>
本発明の樹脂粒子分散液には、分散効率の向上や樹脂粒子分散液の安定性向上のため、界面活性剤を添加することもできる。本発明に用いることができる界面活性剤は、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤及び非イオン系界面活性剤等が挙げられる。これらの中でもアニオン界面活性剤、カチオン系界面活性剤が好ましい。また、窒素元素及び/又は硫黄元素を含まないものが好ましい。前記非イオン系界面活性剤は、前記アニオン界面活性剤又はカチオン系界面活性剤と併用することが好ましい。前記界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の樹脂粒子分散液には、分散効率の向上や樹脂粒子分散液の安定性向上のため、界面活性剤を添加することもできる。本発明に用いることができる界面活性剤は、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤及び非イオン系界面活性剤等が挙げられる。これらの中でもアニオン界面活性剤、カチオン系界面活性剤が好ましい。また、窒素元素及び/又は硫黄元素を含まないものが好ましい。前記非イオン系界面活性剤は、前記アニオン界面活性剤又はカチオン系界面活性剤と併用することが好ましい。前記界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
アニオン界面活性剤は具体的にはオレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等などが挙げられる。
非イオン系界面活性剤は具体的にはポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドのエステル、ソルビタンエステル等を挙げることができる。
非イオン系界面活性剤は具体的にはポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドのエステル、ソルビタンエステル等を挙げることができる。
また、本発明の樹脂粒子分散液には、高分子分散剤や安定助剤を添加してもよい。高分子分散剤としては、ポリカルボン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、無機分散剤としては、炭酸カルシウムなどを例示することが出来るが、これらはなんら本発明を制限するものではない。
さらに通常水系媒体中での単量体エマルション粒子のOstwald Ripning現象を防ぐためにしばしば、ヘプタノールやオクタノールに代表される高級アルコール類、ヘキサデカンに代表される高級脂肪族炭化水素類を安定助剤として配合することも可能である。
<付加重合性単量体>
また、本発明においては、重縮合性単量体に加え、さらに付加重合性単量体、好ましくはラジカル重合性単量体を必要に応じて添加することもでき、重縮合と付加重合を同時あるいは別々に行い複合化してもよい。付加重合性単量体としては、例えば、カチオン重合性単量体及びラジカル重合性単量体が挙げられるが、ラジカル重合性単量体であることが好ましい。
また、本発明においては、重縮合性単量体に加え、さらに付加重合性単量体、好ましくはラジカル重合性単量体を必要に応じて添加することもでき、重縮合と付加重合を同時あるいは別々に行い複合化してもよい。付加重合性単量体としては、例えば、カチオン重合性単量体及びラジカル重合性単量体が挙げられるが、ラジカル重合性単量体であることが好ましい。
ラジカル重合性単量体は具体的にはスチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン等のα−置換スチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン等の核置換スチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレン、ジブロモスチレン等の核置換ハロゲン化スチレン等のビニル芳香族類、(メタ)アクリル酸(なお、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルを意味するものとし、以下も同様とする。)、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸類、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸エステル類、
(メタ)アクリルアルデヒド等の不飽和カルボン酸誘導体類、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル化合物類、ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルシクロヘキサン等の多官能ビニル化合物類、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能アクリレート類等が挙げられる。これらの中でも、共役ジエン類、多官能ビニル化合物類及び多官能アクリレート類は生成された重合体に架橋反応を生起させることもできる。これらを単独であるいは組み合わせて使用できる。
(メタ)アクリルアルデヒド等の不飽和カルボン酸誘導体類、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル化合物類、ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルシクロヘキサン等の多官能ビニル化合物類、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能アクリレート類等が挙げられる。これらの中でも、共役ジエン類、多官能ビニル化合物類及び多官能アクリレート類は生成された重合体に架橋反応を生起させることもできる。これらを単独であるいは組み合わせて使用できる。
前記付加重合性単量体、特にラジカル重合性単量体は、その重合法としてラジカル重合開始剤を用いる方法、熱による自己重合、紫外線照射を用いる方法等の既知の重合方法を用いることができる。この場合、ラジカル開始剤を用いる方法としてラジカル重合開始剤は、油溶性、水溶性のものがあるがどちらのラジカル重合開始剤を使用しても構わない。具体的にはアセチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチル−α−クミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、α−クミルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート等のパーオキシエステル、t−ブチルヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、ジ−イソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド等のヒドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等のパーオキシカーボネート等の有機過酸化物類、過酸化水素等の無機過酸化物類、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩類等が挙げられる。なお、レドックス重合開始剤を併用することもできる。また、付加重合時に連鎖移動剤を用いてもよい。
(10)共界面活性剤
本発明においては、前記付加重合性単量体を含有するポリエステル含有物の平均粒子径を特定の範囲に保つために、共界面活性剤を併用することができる。その共界面活性剤としては、水不溶性若しくは難溶性で且つ単量体可溶性であり、従来公知の“ミニエマルション重合”において用いられているものを用いることができる。
好適な共界面活性剤の例としては、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカン等の炭素数8〜30のアルカン類、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等の炭素数8〜30のアルキルアルコール類、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の炭素数8〜30のアルキル(メタ)アクリレート類、及び、その他、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート等のポリマー又はポリアダクト類、カルボン酸類、ケトン類、アミン類等が挙げられる。
本発明においては、前記付加重合性単量体を含有するポリエステル含有物の平均粒子径を特定の範囲に保つために、共界面活性剤を併用することができる。その共界面活性剤としては、水不溶性若しくは難溶性で且つ単量体可溶性であり、従来公知の“ミニエマルション重合”において用いられているものを用いることができる。
好適な共界面活性剤の例としては、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカン等の炭素数8〜30のアルカン類、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等の炭素数8〜30のアルキルアルコール類、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の炭素数8〜30のアルキル(メタ)アクリレート類、及び、その他、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート等のポリマー又はポリアダクト類、カルボン酸類、ケトン類、アミン類等が挙げられる。
<樹脂粒子分散液の製造方法>
本発明の樹脂粒子分散液は、以下に示す製造方法により製造されることが好ましい。
硫黄酸の存在下で重縮合性単量体の重縮合反応を行い、酸価が15以上50以下である高酸価の重縮合樹脂(1)を得る工程、硫黄酸の存在下で重縮合性単量体の重縮合反応を行い、酸価が15未満である低酸価の重縮合樹脂(2)を得る工程(以下、高酸価の重縮合樹脂(1)及び低酸価の重縮合樹脂(2)を得る工程を「重縮合工程」ともいう。)、重縮合樹脂の総量に対して0.1重量%〜30重量%の前記高酸価の重縮合樹脂(1)及び重縮合樹脂の総量に対して70重量%〜99.9重量%の前記低酸価の重縮合樹脂(2)を混合する工程、並びに、前記重縮合樹脂(1)及び前記重縮合樹脂(2)の混合物に窒素元素を含む塩基性物質を添加して乳化分散させる工程(以下、「分散工程」ともいう。)を含む方法であることが好ましい。
また、本発明の樹脂粒子分散液の製造方法は、必要に応じ、他の工程や、公知である任意の工程を含んでいてもよい。
本発明の樹脂粒子分散液は、以下に示す製造方法により製造されることが好ましい。
硫黄酸の存在下で重縮合性単量体の重縮合反応を行い、酸価が15以上50以下である高酸価の重縮合樹脂(1)を得る工程、硫黄酸の存在下で重縮合性単量体の重縮合反応を行い、酸価が15未満である低酸価の重縮合樹脂(2)を得る工程(以下、高酸価の重縮合樹脂(1)及び低酸価の重縮合樹脂(2)を得る工程を「重縮合工程」ともいう。)、重縮合樹脂の総量に対して0.1重量%〜30重量%の前記高酸価の重縮合樹脂(1)及び重縮合樹脂の総量に対して70重量%〜99.9重量%の前記低酸価の重縮合樹脂(2)を混合する工程、並びに、前記重縮合樹脂(1)及び前記重縮合樹脂(2)の混合物に窒素元素を含む塩基性物質を添加して乳化分散させる工程(以下、「分散工程」ともいう。)を含む方法であることが好ましい。
また、本発明の樹脂粒子分散液の製造方法は、必要に応じ、他の工程や、公知である任意の工程を含んでいてもよい。
(1)重縮合工程
本発明の樹脂粒子分散液の製造方法は、重縮合性単量体を重縮合して末端カルボキシル基を有する高酸価樹脂及び低酸価樹脂を得る工程を含むことが好ましい。
重縮合工程における重縮合反応の反応温度は、従来の反応温度よりも低温で反応させることが好ましい。反応温度は70〜150℃が好ましく、より好適には70℃以上140℃以下であり、さらに好適には80℃以上140℃未満である。反応温度が70℃以上であると、モノマーの溶解性、触媒活性度の低下せず、反応性が十分高く、分子量の伸長抑制等が起こらないため好ましい。また、反応温度が150℃以下であると、低エネルギー製法という目的を達成することができるため好ましい。更に高温に起因する樹脂の着色や、生成したポリエステルの分解等が起こりにくいため好ましい。
低酸価樹脂の重縮合反応時間は、反応温度にも依存するが、0.5〜72時間が好ましく、1〜48時間がより好ましい。また、高酸価樹脂の重縮合反応時間は、反応温度にも依存するが、0.5〜20時間が好ましく、1〜15時間がより好ましい。
本発明の樹脂粒子分散液の製造方法は、重縮合性単量体を重縮合して末端カルボキシル基を有する高酸価樹脂及び低酸価樹脂を得る工程を含むことが好ましい。
重縮合工程における重縮合反応の反応温度は、従来の反応温度よりも低温で反応させることが好ましい。反応温度は70〜150℃が好ましく、より好適には70℃以上140℃以下であり、さらに好適には80℃以上140℃未満である。反応温度が70℃以上であると、モノマーの溶解性、触媒活性度の低下せず、反応性が十分高く、分子量の伸長抑制等が起こらないため好ましい。また、反応温度が150℃以下であると、低エネルギー製法という目的を達成することができるため好ましい。更に高温に起因する樹脂の着色や、生成したポリエステルの分解等が起こりにくいため好ましい。
低酸価樹脂の重縮合反応時間は、反応温度にも依存するが、0.5〜72時間が好ましく、1〜48時間がより好ましい。また、高酸価樹脂の重縮合反応時間は、反応温度にも依存するが、0.5〜20時間が好ましく、1〜15時間がより好ましい。
本発明の重縮合工程における重縮合反応は、バルク重合、乳化重合、懸濁重合等の水中重合、溶液重合、界面重合等一般の重縮合法で実施することが可能であるが好適にはバルク重合又は水中重合が用いられる。また、大気圧下で反応が可能であるが樹脂の高分子量化等を目的とした場合、減圧、窒素気流下等の一般的な条件を広く用いることができる。
前記重縮合工程における重縮合反応は、水系媒体で行ってもよい。重縮合反応に用いることができる水系媒体は、前述の水系媒体と同様であり、好ましい範囲も同様である。
また、前記重縮合工程において、媒体として有機溶剤を用いてもよい。本発明に用いることができる有機溶剤は、具体的にはトルエン、キシレン、メシチレン等の炭化水素系溶媒、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、ジクロロベンゼン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、p−クロロトルエン等のハロゲン系溶媒、3−ヘキサノン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等のケトン系溶媒、ジブチルエーテル、アニソール、フェネトール、o−ジメトキシベンゼン、p−ジメトキシベンゼン、3−メトキシトルエン、ジベンジルエーテル、ベンジルフェニルエーテル、メトキシナフタレン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、安息香酸メチル、フタル酸メチル、フタル酸エチル、酢酸セロソルブ等のエステル系溶媒、ジフェニルエーテル、又は、4−メチルフェニルエーテル、3−メチルフェニルエーテル、3−フェノキシトルエン等のアルキル置換ジフェニルエーテル、又は、4−ブロモフェニルエーテル、4−クロロフェニルエーテル、4−ブロモジフェニルエーテル、4−メチル−4’−ブロモジフェニルエーテル等のハロゲン置換ジフェニルエーテル、又は、4−メトキシジフェニルエーテル、4−メトキシフェニルエーテル、3−メトキシフェニルエーテル、4−メチル−4’−メトキシジフェニルエーテル等のアルコキシ置換ジフェニルエーテル、又は、ジベンゾフラン、キサンテン等の環状ジフェニルエーテル等のジフェニルエーテル系溶媒が挙げられ、これらは、混合して用いてもよい。そして、溶媒として容易に水と分液分離できるものが好ましく、特に平均分子量の高いポリエステルを得るためにはエステル系溶媒、エーテル系溶媒及びジフェニルエーテル系溶媒がより好ましく、アルキル−アリールエーテル系溶媒及びエステル系溶媒が特に好ましい。
本発明において平均分子量の高い樹脂を得るため、有機溶剤に脱水、脱モノマー剤を加えてもよい。脱水、脱モノマー剤は、具体的にはモレキュラーシーブ3A、モレキュラーシーブ4A、モレキュラーシーブ5A、モレキュラーシーブ13X等のモレキュラーシーブ類、アルミナ、シリカゲル、塩化カルシウム、五酸化二リン、過塩素酸マグネシウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、あるいは水素化カルシウム、水素化ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム等の金属水素化物、又は、ナトリウム等のアルカリ金属等が挙げられる。中でも、取扱い及び再生の容易さからモレキュラーシーブ類が好ましい。
(2)分散工程
本発明の樹脂粒子分散液の製造方法は、前記高酸価樹脂及び前記低酸価樹脂を混合して水系媒体中に分散する工程であることが好ましい。高酸価樹脂と低酸価樹脂とは別に合成しておき、乳化させる直前で乳化する樹脂と加熱混合する事が好ましい。加熱混合は0.1〜3.0時間であることが好ましく、0.1〜1.5時間であることがより好ましい。3時間以上の長時間に渡って低酸価樹脂と高酸価樹脂との加熱混合を行った場合、高酸価樹脂成分が乳化する樹脂と完全に相溶し、分子量分布が1ピーク化してしまう為、乳化促進効果を失ってしまう。
また、加熱混合の温度は90〜150℃であることが好ましく、100〜130℃であることがより好ましい。
前記分散工程では、分散効率の上昇や樹脂粒子分散液の安定性向上のため、界面活性剤等を添加して分散を行うことが好ましい。
本発明の樹脂粒子分散液の製造方法は、前記高酸価樹脂及び前記低酸価樹脂を混合して水系媒体中に分散する工程であることが好ましい。高酸価樹脂と低酸価樹脂とは別に合成しておき、乳化させる直前で乳化する樹脂と加熱混合する事が好ましい。加熱混合は0.1〜3.0時間であることが好ましく、0.1〜1.5時間であることがより好ましい。3時間以上の長時間に渡って低酸価樹脂と高酸価樹脂との加熱混合を行った場合、高酸価樹脂成分が乳化する樹脂と完全に相溶し、分子量分布が1ピーク化してしまう為、乳化促進効果を失ってしまう。
また、加熱混合の温度は90〜150℃であることが好ましく、100〜130℃であることがより好ましい。
前記分散工程では、分散効率の上昇や樹脂粒子分散液の安定性向上のため、界面活性剤等を添加して分散を行うことが好ましい。
前記高酸価樹脂及び前記低酸価樹脂の混合物を水系媒体中に分散、粒子化する方法としては、例えば、強制乳化法、自己乳化法、転相乳化法など、既知の方法からも選択することができる。これらのうち、乳化に要するエネルギー、得られる乳化物の粒径制御性、安定性等を考慮すると、自己乳化法、転相乳化法が好ましく適用される。自己乳化法、転相乳化法に関しては、「超微粒子ポリマーの応用技術(シーエムシー出版)」に記載されている。また、前記高酸価樹脂及び前記低酸価樹脂の混合物は、末端カルボキシル基を有し、さらにその一部を中和するため、自己乳化法がより好ましく用いられる。
前記分散工程において有機溶剤を用いた場合、本発明の樹脂粒子分散液の製造方法として、少なくとも有機溶剤の一部を除去する工程、及び、樹脂粒子を形成する工程を含んでいてもよい。例えば、末端カルボキシル基を有する重縮合樹脂の含有物を乳化後、有機溶剤の一部を除去することにより粒子として固形化することが好ましい。固形化の具体的方法としては、前記重縮合樹脂の含有物を水系媒体中に乳化分散した後、溶液を撹拌しながら空気、あるいは窒素等の不活性ガスを送り込みながら、気液界面での有機溶剤の乾燥を行う方法(廃風乾燥法)、又は、減圧下に保持し必要に応じて不活性ガスをバブリングしながら乾燥を行う方法(減圧トッピング法)、更には、重縮合樹脂含有物を水系媒体中に乳化分散した乳化分散液若しくは重縮合樹脂含有物の乳化液を細孔からシャワー状に放出し、例えば、皿状の受けに落としこれを繰り返しながら乾燥させる方法(シャワー式脱溶剤法)などがある。使用する有機溶剤の蒸発速度、水への溶解度などからこれら方式を適時選択、あるいは組み合わせて脱溶剤を行うのが好ましい。
(3)重縮合停止、中和工程
酸触媒を用いた重縮合樹脂中には酸触媒が残留する為に、樹脂の経時色相安定性が低い。その為前記樹脂を用い樹脂粒子分散液を作製してトナーを得た場合、特に高温高湿度環境度下に長期保管すると、たとえ重縮合樹脂の末端中和率が一定となる樹脂粒子分散液であっても、低エリアカバレッジ(AC≦5%)でのプリントを得た時に、明度(L*)が暗くなる、或いは彩度が落ちるといった現象が起きる。このような樹脂の経時による色相変化は、酸触媒から放出されるプロトンがカルボキシル基の酸素原子と水素結合を形成し、カルボキシル基の二重結合性を弱めることがある為に、可視光吸光度が変化するためである。上記経時色相安定性を改善するには、樹脂粒子分散液中に酸触媒を失活できる塩基性物質を共存させることにより達成できる。上記塩基性物質としては、先に述べた窒素元素を含む塩基性物質を好ましく用いることができる。
酸触媒を用いた重縮合樹脂中には酸触媒が残留する為に、樹脂の経時色相安定性が低い。その為前記樹脂を用い樹脂粒子分散液を作製してトナーを得た場合、特に高温高湿度環境度下に長期保管すると、たとえ重縮合樹脂の末端中和率が一定となる樹脂粒子分散液であっても、低エリアカバレッジ(AC≦5%)でのプリントを得た時に、明度(L*)が暗くなる、或いは彩度が落ちるといった現象が起きる。このような樹脂の経時による色相変化は、酸触媒から放出されるプロトンがカルボキシル基の酸素原子と水素結合を形成し、カルボキシル基の二重結合性を弱めることがある為に、可視光吸光度が変化するためである。上記経時色相安定性を改善するには、樹脂粒子分散液中に酸触媒を失活できる塩基性物質を共存させることにより達成できる。上記塩基性物質としては、先に述べた窒素元素を含む塩基性物質を好ましく用いることができる。
本発明における樹脂粒子分散液中に含まれる塩基性物質としては、重縮合塩基性触媒を含んでもよい。塩基性触媒を用いる場合は、例えば酸触媒量を塩基触媒量より多く用いて重縮合を行いポリエステル樹脂を得た後に、前記塩基性触媒を重縮合終了後に酸触媒量と等量以上を添加し、後に乳化を行う方法で用いることも可能である。
また、本発明においては酸触媒の失活の方法は、上記のように、重縮合後終了時に塩基性物質を加えて重縮合を停止させた後に、樹脂の乳化時に、再度塩基性物質を加える手法を採ることも可能である。この際、重縮合終了時に加える塩基性物質と乳化時に加える塩基性物質は同一であっても異なる物質であってもどちらでも構わない。
また、本発明においては酸触媒の失活の方法は、上記のように、重縮合後終了時に塩基性物質を加えて重縮合を停止させた後に、樹脂の乳化時に、再度塩基性物質を加える手法を採ることも可能である。この際、重縮合終了時に加える塩基性物質と乳化時に加える塩基性物質は同一であっても異なる物質であってもどちらでも構わない。
<静電荷像現像用トナー及びその製造方法>
本発明において、静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)の製造方法は、少なくとも樹脂粒子分散液を含む分散液中で該樹脂粒子を凝集して凝集粒子を得る工程、及び、該凝集粒子を加熱して融合させる工程を含む静電荷像現像用トナーの製造方法であって、前記樹脂粒子分散液が上述の樹脂粒子分散液であることを特徴とする。
本発明において、静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)の製造方法は、少なくとも樹脂粒子分散液を含む分散液中で該樹脂粒子を凝集して凝集粒子を得る工程、及び、該凝集粒子を加熱して融合させる工程を含む静電荷像現像用トナーの製造方法であって、前記樹脂粒子分散液が上述の樹脂粒子分散液であることを特徴とする。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、例えば、本発明において調製した樹脂粒子分散液を、着色剤粒子分散液及び離型剤粒子分散液と混合し、さらに凝集剤を添加しヘテロ凝集を生じさせることによりトナー径の凝集粒子を形成し、その後、樹脂粒子のガラス転移点以上又は融点以上の温度に加熱して前記凝集粒子を融合・合一し洗浄、乾燥することにより、本発明の静電荷像現像用トナーが得られる。なお、トナー形状は不定形から球形までのものが好ましく用いられる。また、凝集剤としては界面活性剤の他、無機塩、2価以上の金属塩を好適に用いることができる。特に金属塩を用いる場合、凝集性制御及びトナー帯電性の特性において好ましい。
また前述の凝集工程において本発明の樹脂粒子分散液、着色剤粒子分散液を予め凝集し、第一の凝集粒子形成後、さらに本発明の樹脂粒子分散液又は別の樹脂粒子分散液を添加して第一の粒子表面に第二のシェル層を形成することも可能である。この例示においては着色剤分散液を別に調製しているが、当然、本発明の樹脂粒子分散液中の樹脂粒子に予め着色剤が配合されてもよい。
本発明において、凝集粒子の形成方法としては、特に限定されるものではなく、従来静電荷像現像用トナーの乳化重合凝集法において用いられている公知の凝集法、例えば、昇温、pH変化、塩添加等によってエマルションの安定性を低減化させてディスパーザー等で撹拌する方法等が用いられる。更に、凝集処理後、粒子表面からの着色剤の滲出を抑える等の目的で、熱処理を施す等により粒子表面を架橋せしめてもよい。なお、用いた界面活性剤等は、必要に応じて、水洗浄、酸洗浄、或いはアルカリ洗浄等によって除去してもよい。
なお、本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法には、必要に応じて、この種のトナーに用いられる帯電制御剤を用いてもよく、その場合、帯電制御剤は、前記単量体粒子エマルションの製造開始時、あるいは重合開始時、又は、前記樹脂粒子の凝集開始時等に、水性分散液等としてもよい。帯電制御剤の添加量は、単量体又は重合体100重量部に対して、好ましくは1〜25重量部、更に好ましくは5〜15重量部である。
その帯電制御剤としては、例えば、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩系化合物、トリフェニルメタン系化合物、イミダゾール系化合物、ポリアミン系樹脂等の正荷電性帯電制御剤、又は、クロム、コバルト、アルミニウム、鉄等の金属含有アゾ系染料、サリチル酸若しくはアキルサリチル酸やベンジル酸等のヒドロキシカルボン酸のクロム、亜鉛、アルミニウム等の金属塩や金属錯体、アミド化合物、フェノール化合物、ナフトール化合物、フェノールアミド化合物等の負荷電性帯電制御剤等、公知のものを用いることができる。
また、本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法には、必要に応じて、この種のトナーに用いられる離型剤としてのワックス類を用いてもよく、その場合、離型剤は、前記単量体エマルションの製造開始時、あるいは重合開始時、又は、前記重合体粒子の凝集開始時等に、水性分散液等として添加してもよい。離型剤の使用量としては、単量体又は重合体100重量部に対して、好ましくは1〜25重量部、更に好ましくは5〜15重量部である。
離型剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン系ワックス、パラフィン系ワックス、水添ヒマシ油、カルナバワックス、ライスワックス等の植物系ワックス、ステアリン酸エステル、ベヘン酸エステル、モンタン酸エステル等の高級脂肪酸エステル系ワックス、アルキル変性シリコーン、ステアリン酸等の高級脂肪酸ステアリルアルコール等の高級アルコール、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、ジステアリルケトン等の長鎖アルキル基を有するケトン等、公知のものを用いることができる。
更に、本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法には、必要に応じてこの種のトナーに用いられる酸化防止剤、紫外線吸収剤等の公知の各種内添剤を用いてもよい。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法により得られるトナーは、1〜10μmの平均粒子径を有することが好ましく、また、その粒子中に、前記ポリエステル100重量部に対して、好ましくは0.1〜50重量部、更に好ましくは0.5〜40重量部、特に好ましくは1〜25重量部の着色剤を含有する。
<付加重合系樹脂粒子分散液>
また、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液及び非結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液以外にも、従来から知られる乳化重合などを用いて作製された付加重合系樹脂粒子分散液を合わせて用いることができる。本発明で用いることのできる付加重合系樹脂粒子分散液中の樹脂粒子のメジアン径は、本発明の樹脂粒子分散液と同様に0.1μm以上2.0μm以下であることが好ましい。
また、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液及び非結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液以外にも、従来から知られる乳化重合などを用いて作製された付加重合系樹脂粒子分散液を合わせて用いることができる。本発明で用いることのできる付加重合系樹脂粒子分散液中の樹脂粒子のメジアン径は、本発明の樹脂粒子分散液と同様に0.1μm以上2.0μm以下であることが好ましい。
これらの付加重合系樹脂粒子分散液を作製するための付加重合性単量体の例としては、前述した付加重合性単量体が好ましく例示できる。付加重合系単量体の場合は、イオン性界面活性剤などを用いて乳化重合を実施して樹脂粒子分散液を作製することができ、その他の樹脂の場合は油性で水への溶解度の比較的低い溶剤に溶解するものであれば、樹脂をそれらの溶剤に溶かし、イオン性の界面活性剤や高分子電解質とともにホモジナイザーなどの分散機により水系媒体中に粒子状に分散し、その後加熱又は減圧して溶剤を蒸散することにより、樹脂粒子分散液を得ることができる。また、付加重合系単量体の重合時に前述の重合開始剤や連鎖移動剤を用いることもできる。
<着色剤>
本発明のトナーに用いることのできる着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デイポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドCローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレレート、チタンブラックなどの種々の顔料や、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアジン系、チアゾール系、キサンテン系などの各種染料などが挙げられる。前記着色剤として、具体的には、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料(C.I.No.50415B)、アニリンブルー(C.I.No.50405)、カルコオイルブルー(C.I.No.azoic Blue3)、クロムイエロー(C.I.No.14090)、ウルトラマリンブルー(C.I.No.77103)、デュポンオイルレッド(C.I.No.26105)、キノリンイエロー(C.I.No.47005)、メチレンブルークロライド(C.I.No.52015)、フタロシアニンブルー(C.I.No.74160)、マラカイトグリーンオクサレート(C.I.No.42000)、ランプブラック(C.I.No.77266)、ローズベンガル(C.I.No.45435)、これらの混合物などを好ましく用いることができる。
本発明のトナーに用いることのできる着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デイポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドCローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレレート、チタンブラックなどの種々の顔料や、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアジン系、チアゾール系、キサンテン系などの各種染料などが挙げられる。前記着色剤として、具体的には、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料(C.I.No.50415B)、アニリンブルー(C.I.No.50405)、カルコオイルブルー(C.I.No.azoic Blue3)、クロムイエロー(C.I.No.14090)、ウルトラマリンブルー(C.I.No.77103)、デュポンオイルレッド(C.I.No.26105)、キノリンイエロー(C.I.No.47005)、メチレンブルークロライド(C.I.No.52015)、フタロシアニンブルー(C.I.No.74160)、マラカイトグリーンオクサレート(C.I.No.42000)、ランプブラック(C.I.No.77266)、ローズベンガル(C.I.No.45435)、これらの混合物などを好ましく用いることができる。
着色剤の使用量は、トナー総量に対して通常0.1〜20重量%であり、特に0.5〜10重量%が好ましい。また、着色剤として、これらの顔料や染料等を1種単独で使用する、又は、2種以上を併せて使用することができる。
これらの分散方法としては、任意の方法、例えば回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどの一般的な分散方法を使用することができ、なんら制限されるものではない。また、これらの着色剤粒子は、その他の粒子成分と共に混合溶媒中に一度に添加してもよいし、分割して多段階で添加してもよい。
これらの分散方法としては、任意の方法、例えば回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどの一般的な分散方法を使用することができ、なんら制限されるものではない。また、これらの着色剤粒子は、その他の粒子成分と共に混合溶媒中に一度に添加してもよいし、分割して多段階で添加してもよい。
本発明の静電荷像現像用トナーは、必要に応じ磁性体や、特性改良剤を含有してもよい。前記磁性体としては、フェライト、マグネタイトを始めとする鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性を示す金属若しくは合金、又は、これらの元素を含む化合物、あるいは強磁性元素を含まないが適当な熱処理を施すことによって強磁性を示すようになる合金、例えばマンガン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−錫などのマンガンと銅とを含むホイスラー合金と呼ばれる種類の合金、または二酸化クロム、その他を挙げることができる。例えば黒色のトナーを得る場合においては、それ自身黒色であり着色剤としての機能をも発揮するマグネタイトを特に好ましく用いることができる。また、カラートナーを得る場合においては、金属鉄などのように黒みの少ないものが好ましい。またこれらの磁性体のなかには着色剤としての機能をも果たすものがあり、その場合には着色剤として兼用してもよい。これら磁性体の含有量は、磁性トナーとする場合にはトナー100重量部当り20〜70重量部であることが好ましく、40〜70重量部であることがより好ましい。
前記特性改良剤としては、定着性向上剤、及び、荷電制御剤などがある。定着性向上剤としては、例えば、ポリオレフィン、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステルおよび脂肪酸エステル系ワックス、部分ケン化脂肪酸エステル、高級脂肪酸、高級アルコール、流動または固形のパラフィンワックス、ポリアミド系ワックス、多価アルコールエステル、シリコンワニス、脂肪族フロロカーボンなどを用いることができる。特に軟化点(環球法:JIS K2531)が60〜150℃のワックスが好ましい。荷電制御剤としては、従来から知られているものを用いることができ、例えば、ニグロシン系染料、含金属染料等が挙げられる。
更に本発明のトナーは、流動性向上剤等の無機粒子を混合して用いることが好ましい。本発明において用いられる前記無機粒子としては、一次粒子径が5nm〜2μmであり、好ましくは5nm〜500nmである粒子である。またBET法による比表面積は20〜500m2/gであることが好ましい。トナーに混合される割合は0.01〜5重量%であり、好ましくは0.01〜2.0重量%である。このような無機粒子としては例えば、シリカ粉末、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化硅素、窒化硅素などが挙げられるが、シリカ粉末が特に好ましい。
ここでいうシリカ粉末はSi−O−Si結合を有する粉末であり、乾式法および湿式法で製造されたもののいずれも含まれる。また、無水二酸化ケイ素の他、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸亜鉛などいずれでもよいが、SiO2を85重量%以上含むものが好ましい。これらシリカ粉末の具体例としては種々の市販のシリカがあるが、表面に疎水性基を有するものが好ましく、例えばAEROSIL R−972、R−974、R−805、R−812(以上アエロジル社製)、タラックス500(タルコ社製)等を挙げることができる。その他シランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコンオイル、側鎖にアミンを有するシリコンオイル等で処理されたシリカ粉末などが使用可能である。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法により得られたトナーの累積体積平均粒径D50は3.0〜9.0μmであることが好ましく、3.0〜5.0μmの範囲であることがより好ましい。上記の数値範囲内であると、付着力が適度であり、現像性が良好であり、また、画像の解像性に優れる。
また、得られるトナーの体積平均粒度分布指標GSDvは1.30以下であることが好ましく、1.24以下であることがより好ましく、1.20以下であることがさらに好ましい。GSDvが1.30以下であると、解像性に優れ、また、トナー飛散やカブリ等の画像欠陥が起こらない。
ここで、累積体積平均粒径D50や平均粒度分布指標は、例えばコールターカウンターTAII(ベックマンーコールター社製)、マルチサイザーII(ベックマンーコールター社製)等の測定器で測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積D16v、数D16P、累積50%となる粒径を体積D50v、数D50P、累積84%となる粒径を体積D84v、数D84Pと定義する。これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16V)1/2、数平均粒度分布指標(GSDp)は(D84P/D16P)1/2として算出される。
得られたトナーの形状係数SF1は、画像形成性の点より100〜140であることが好ましく、より好ましくは110〜135の範囲である。形状係数SF1は、主に顕微鏡画像または走査電子顕微鏡画像を画像解析装置によって解析することによって数値化され、例えば、次のようにして求められる。形状係数SF1の測定は、まず、スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像を、ビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個以上のトナーについて下記式のSF1を計算し、平均値を求めることにより得られる。
得られたトナーには、流動性付与やクリーニング性向上の目的で通常のトナーと同様に乾燥した後、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウムなどの無機粒子やビニル系樹脂、ポリエステル、シリコーンなどの樹脂粒子を乾燥状態でせん断をかけながらトナー粒子表面に添加して使用することができる。
また、水系媒体中にてトナー表面に付着せしめる場合、無機粒子の例としては、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウムなど通常トナー表面の外添剤として使うすべてのものをイオン性界面活性剤や高分子酸、高分子塩基で分散することにより使用することができる。
<静電荷像現像剤>
以上説明した本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法により得られるトナーは、静電荷像現像剤として使用することができる。この現像剤は、この静電荷像現像用トナーを含有することのほかは特に制限はなく、目的に応じて適宜の成分組成をとることができる。静電荷像現像用トナーを、単独で用いると一成分系の静電荷像現像剤として調製され、また、キャリアと組み合わせて用いると二成分系の静電荷像現像剤として調製される。本発明に用いることができるキャリアとしては、特に限定されないが、通常、鉄粉、フェライト、酸化鉄粉、ニッケル等の磁性体粒子;磁性体粒子を芯材としてその表面をスチレン系樹脂、ビニル系樹脂、エチレン系樹脂、ロジン系樹脂、ポリエステル系樹脂、メラミン系樹脂などの樹脂やステアリン酸等のワックスで被覆し、樹脂被覆層を形成させてなる樹脂被覆キャリア;結着樹脂中に磁性体粒子を分散させてなる磁性体分散型キャリア等が挙げられる。中でも、樹脂被覆キャリアは、トナーの帯電性やキャリア全体の抵抗を樹脂被覆層の構成により制御可能となるため特に好ましい。二成分系の静電荷像現像剤における本発明のトナーとキャリアとの混合割合は、通常、キャリア100重量部に対して、トナー2〜10重量部である。また、現像剤の調製方法は、特に限定されないが、例えば、Vブレンダー等で混合する方法等が挙げられる。
以上説明した本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法により得られるトナーは、静電荷像現像剤として使用することができる。この現像剤は、この静電荷像現像用トナーを含有することのほかは特に制限はなく、目的に応じて適宜の成分組成をとることができる。静電荷像現像用トナーを、単独で用いると一成分系の静電荷像現像剤として調製され、また、キャリアと組み合わせて用いると二成分系の静電荷像現像剤として調製される。本発明に用いることができるキャリアとしては、特に限定されないが、通常、鉄粉、フェライト、酸化鉄粉、ニッケル等の磁性体粒子;磁性体粒子を芯材としてその表面をスチレン系樹脂、ビニル系樹脂、エチレン系樹脂、ロジン系樹脂、ポリエステル系樹脂、メラミン系樹脂などの樹脂やステアリン酸等のワックスで被覆し、樹脂被覆層を形成させてなる樹脂被覆キャリア;結着樹脂中に磁性体粒子を分散させてなる磁性体分散型キャリア等が挙げられる。中でも、樹脂被覆キャリアは、トナーの帯電性やキャリア全体の抵抗を樹脂被覆層の構成により制御可能となるため特に好ましい。二成分系の静電荷像現像剤における本発明のトナーとキャリアとの混合割合は、通常、キャリア100重量部に対して、トナー2〜10重量部である。また、現像剤の調製方法は、特に限定されないが、例えば、Vブレンダー等で混合する方法等が挙げられる。
<画像形成方法>
本発明の画像形成方法は、潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、前記潜像保持体表面に形成された静電潜像トナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、前記潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写工程と、前記被転写体表面に転写されたトナー像を熱定着する定着工程とを含む画像形成方法であって、前記トナーとして本発明の静電荷像現像用トナー、又は、前記現像剤として本発明の静電荷像現像剤を用いることを特徴とする。本発明の画像形成方法としては、上記のような特定のトナーを用いて現像剤を調製し、それを用いて常用の電子写真複写機により静電荷像の形成および現像を行い、得られたトナー像を転写紙上に静電転写した上加熱ローラの温度を一定温度に設定した加熱ローラ定着器により定着して複写画像を形成する。本発明の画像形成方法は、転写紙上のトナーと加熱ローラとの接触時間が1秒間以内、特に0.5秒間以内であるような高速定着を行う際に特に好ましく用いられる。
本発明の画像形成方法は、潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、前記潜像保持体表面に形成された静電潜像トナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、前記潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写工程と、前記被転写体表面に転写されたトナー像を熱定着する定着工程とを含む画像形成方法であって、前記トナーとして本発明の静電荷像現像用トナー、又は、前記現像剤として本発明の静電荷像現像剤を用いることを特徴とする。本発明の画像形成方法としては、上記のような特定のトナーを用いて現像剤を調製し、それを用いて常用の電子写真複写機により静電荷像の形成および現像を行い、得られたトナー像を転写紙上に静電転写した上加熱ローラの温度を一定温度に設定した加熱ローラ定着器により定着して複写画像を形成する。本発明の画像形成方法は、転写紙上のトナーと加熱ローラとの接触時間が1秒間以内、特に0.5秒間以内であるような高速定着を行う際に特に好ましく用いられる。
また、本発明の静電荷像現像剤(静電荷像現像用トナー)は、通常の静電荷像現像方式(電子写真方式)の画像形成方法に使用することができる。本発明の画像形成方法は、具体的には、例えば、静電潜像形成工程、トナー画像形成工程、転写工程、及びクリーニング工程を含む。前記各工程は、それ自体一般的な工程であり、例えば、特開昭56−40868号公報、特開昭49−91231号公報等に記載されている。なお、本発明の画像形成方法は、それ自体公知のコピー機、ファクシミリ機等の画像形成装置を用いて実施することができる。
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担体上に静電潜像を形成する工程である。前記トナー画像形成工程は、現像剤担体上の現像剤層により前記静電潜像を現像してトナー画像を形成する工程である。前記現像剤層としては、前記本発明の静電荷像現像用トナーを含有する本発明の静電荷像現像剤を含んでいれば特に制限はない。前記転写工程は、前記トナー画像を転写体上に転写する工程である。前記クリーニング工程は、静電潜像担持体上に残留する静電荷像現像剤を除去する工程である。
本発明の画像形成方法においては、さらにリサイクル工程をも含む態様が好ましい。前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程において回収した静電荷像現像用トナーを現像剤層に移す工程である。このリサイクル工程を含む態様の画像形成方法は、トナーリサイクルシステムタイプのコピー機、ファクシミリ機等の画像形成装置を用いて実施することができる。また、クリーニング工程を省略し、現像と同時にトナーを回収する態様のリサイクルシステムにも適用することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例において「部」は「重量部」意味する。
<樹脂R1、R2、樹脂粒子分散液L1、L2の作製>
<R1=(1)塩基性物質量=下限 (2)高酸価樹脂酸価=上限 (3)高酸価樹脂量=下限>
<R2=(1)塩基性物質量=下限 (2)高酸価樹脂酸価=上限 (3)高酸価樹脂量=上限>
<R1=(1)塩基性物質量=下限 (2)高酸価樹脂酸価=上限 (3)高酸価樹脂量=下限>
<R2=(1)塩基性物質量=下限 (2)高酸価樹脂酸価=上限 (3)高酸価樹脂量=上限>
<低酸価樹脂P1の作製>
・ビスフェノールA エチレンオキサイド2モル付加物 24.66部
・ビスフェノキシエタノールフルオレン 8.55部
・1,4−シクロヘキサンジカルボン酸 16.80部
・ドデシルベンゼンスルホン酸 0.128部
上記材料を混合し、撹拌機を備えた200mlのリアクターに投入し開放系にて樹脂温度120℃になるように30時間の重縮合反応を実施したところ、均一透明な非結晶性ポリエステル樹脂P1を得た。
その後、トリエタノールアミンを0.035部加えて1時間撹拌させ重縮合反応を停止させた後に、樹脂少量サンプルを採取し、以下の物性を測定した。
・GPCによる重量平均分子量 24,500
・ガラス転移温度(オンセット) 64℃
・酸価 8.1mgKOH/g
・ビスフェノールA エチレンオキサイド2モル付加物 24.66部
・ビスフェノキシエタノールフルオレン 8.55部
・1,4−シクロヘキサンジカルボン酸 16.80部
・ドデシルベンゼンスルホン酸 0.128部
上記材料を混合し、撹拌機を備えた200mlのリアクターに投入し開放系にて樹脂温度120℃になるように30時間の重縮合反応を実施したところ、均一透明な非結晶性ポリエステル樹脂P1を得た。
その後、トリエタノールアミンを0.035部加えて1時間撹拌させ重縮合反応を停止させた後に、樹脂少量サンプルを採取し、以下の物性を測定した。
・GPCによる重量平均分子量 24,500
・ガラス転移温度(オンセット) 64℃
・酸価 8.1mgKOH/g
<分子量の測定>
上記分子量の測定には、ゲル・パーミュエーション・クロマトグラフィ(GPC)によって以下に記す条件で重量平均分子量Mwおよび数平均分子量Mnを測定した。温度40℃において、溶媒(テトラヒドロフラン)を毎分1.2mlの流速で流し、濃度0.2g/20mlのテトラヒドロフラン試料溶液を試料重量として3mg注入し測定を行う。試料の分子量測定にあたっては、当該試料の有する分子量が数種の単分散ポリスチレン標準試料により、作製された検量線の分子量の対数とカウント数が直線となる範囲内に包含される測定条件を選択する。なお、測定結果の信頼性は、上述の測定条件で行ったNBS706ポリスチレン標準試料が、
重量平均分子量Mw=28.8×104
数平均分子量Mn=13.7×104
となることにより確認することができる。
また、GPCのカラムとしては、前記条件を満足するTSK−GEL、GMH(東洋曹達社製)等を用いた。
上記分子量の測定には、ゲル・パーミュエーション・クロマトグラフィ(GPC)によって以下に記す条件で重量平均分子量Mwおよび数平均分子量Mnを測定した。温度40℃において、溶媒(テトラヒドロフラン)を毎分1.2mlの流速で流し、濃度0.2g/20mlのテトラヒドロフラン試料溶液を試料重量として3mg注入し測定を行う。試料の分子量測定にあたっては、当該試料の有する分子量が数種の単分散ポリスチレン標準試料により、作製された検量線の分子量の対数とカウント数が直線となる範囲内に包含される測定条件を選択する。なお、測定結果の信頼性は、上述の測定条件で行ったNBS706ポリスチレン標準試料が、
重量平均分子量Mw=28.8×104
数平均分子量Mn=13.7×104
となることにより確認することができる。
また、GPCのカラムとしては、前記条件を満足するTSK−GEL、GMH(東洋曹達社製)等を用いた。
<ガラス転移温度の測定>
ポリエステルのガラス転移温度Tgの測定には、示差走査熱量計(島津製作所、DSC50)を用いた。
ポリエステルのガラス転移温度Tgの測定には、示差走査熱量計(島津製作所、DSC50)を用いた。
また酸価の測定は、低酸価樹脂と高酸価樹脂を混合した樹脂を1.0部採取し、トルエン溶液50mLに溶解させた後、フェノールフタレイン指示薬溶液1%を加えた溶液を作製した後、スターラーで2時間以上撹拌を行った後、ビュレットを用いて0.1mol/Lのエタノール性水酸化カリウム溶液にて滴定を行う方法にて測定を行い、下記式を用いて酸価を求める方法にて行った。
酸価(mgKOH/g)=A×5.611×f÷試料採取重量(g)
ここでAとは、滴定に要した0.1mol/Lのエタノール性水酸化カリウム溶液の量(mL)であり、fとは、使用したエタノール性水酸化カリウム溶液のファクターの値である。
酸価(mgKOH/g)=A×5.611×f÷試料採取重量(g)
ここでAとは、滴定に要した0.1mol/Lのエタノール性水酸化カリウム溶液の量(mL)であり、fとは、使用したエタノール性水酸化カリウム溶液のファクターの値である。
<高酸価樹脂Q1の作製>
・ビスフェノールA エチレンオキサイド2モル付加物 24.66部
・ビスフェノキシエタノールフルオレン 8.55部
・1,4−シクロヘキサンジカルボン酸 16.80部
・ドデシルベンゼンスルホン酸 0.128部
上記材料を混合し、撹拌機を備えた200mlのリアクターに投入し開放系にて樹脂温度120℃になるように5時間で重縮合を実施したところ、均一透明な非結晶性ポリエステル樹脂Q1を得た。
その後、トリエタノールアミンを0.035部加えて1時間撹拌させ重縮合反応を停止させた後に、樹脂少量サンプルを採取し、以下の物性を測定した。
・GPCによる重量平均分子量 4,200
・ガラス転移温度(オンセット) 56℃
・酸価 48mgKOH/g
・ビスフェノールA エチレンオキサイド2モル付加物 24.66部
・ビスフェノキシエタノールフルオレン 8.55部
・1,4−シクロヘキサンジカルボン酸 16.80部
・ドデシルベンゼンスルホン酸 0.128部
上記材料を混合し、撹拌機を備えた200mlのリアクターに投入し開放系にて樹脂温度120℃になるように5時間で重縮合を実施したところ、均一透明な非結晶性ポリエステル樹脂Q1を得た。
その後、トリエタノールアミンを0.035部加えて1時間撹拌させ重縮合反応を停止させた後に、樹脂少量サンプルを採取し、以下の物性を測定した。
・GPCによる重量平均分子量 4,200
・ガラス転移温度(オンセット) 56℃
・酸価 48mgKOH/g
<樹脂粒子分散液L1の作製>
上記のようにして得られた低酸価樹脂P1を29.7部、高酸価樹脂Q1を0.3部計りとって同じく撹拌機を備えた200mlのリアクターに投入し、その後トリエタノールアミンを0.002部加え、120℃で0.5時間撹拌を行った。
その後、系の温度を90℃に変更した後、90℃に加温したイオン交換水45部を樹脂に加え、1時間撹拌を続けポリエステル樹脂粒子分散液を得た。
その後、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で3分間撹拌を行った後の樹脂粒子分散液中の樹脂分散残の有無の確認を行ったが、樹脂は全て水中に分散し、樹脂分散残はなく、固形分40重量%の樹脂粒子分散液が得られた。
上記の方法によって、粒子の中心径290nm、pH=8.20の非晶系ポリエステル樹脂粒子分散液L1を得た。なお得られた樹脂粒子分散液の粒子径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−920)で測定した。
上記のようにして得られた低酸価樹脂P1を29.7部、高酸価樹脂Q1を0.3部計りとって同じく撹拌機を備えた200mlのリアクターに投入し、その後トリエタノールアミンを0.002部加え、120℃で0.5時間撹拌を行った。
その後、系の温度を90℃に変更した後、90℃に加温したイオン交換水45部を樹脂に加え、1時間撹拌を続けポリエステル樹脂粒子分散液を得た。
その後、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で3分間撹拌を行った後の樹脂粒子分散液中の樹脂分散残の有無の確認を行ったが、樹脂は全て水中に分散し、樹脂分散残はなく、固形分40重量%の樹脂粒子分散液が得られた。
上記の方法によって、粒子の中心径290nm、pH=8.20の非晶系ポリエステル樹脂粒子分散液L1を得た。なお得られた樹脂粒子分散液の粒子径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−920)で測定した。
この樹脂粒子分散液10部をガラス試験管に採取し、KOKUSAN H18の12本アングルタイプのローターにセットし、2,000×gで30分間の遠心分離処理を行うと、試験管上部に目視でも確認できる上澄みが生じた。
上澄み成分だけを採取し、上澄み成分の樹脂粒子分散液の重量・固形分濃度を求め、上澄みの樹脂重量比率・酸価の測定を行った結果、次のような結果となった。
・(1):上澄み成分の樹脂粒子分散液の重量 0.13部
・(2):樹脂粒子分散液の固形分濃度 40重量%
・(3):(1)×(2)より算出される、上澄み液中に含まれる樹脂の重量
0.052部
・(4):樹脂仕込み全体量に対する、上澄み液中に含まれる樹脂の重量比率
1.3重量%
・(5):(3)の樹脂の酸価 49.1mgKOH/g
また更に、上記樹脂粒子分散液中を乾燥させて樹脂成分を取り出し、THF溶液に溶解して、分析液を得た後、ICP発光分析法によりN元素濃度・S元素濃度の測定を行った結果は、表2記載の通りとなった。
上澄み成分だけを採取し、上澄み成分の樹脂粒子分散液の重量・固形分濃度を求め、上澄みの樹脂重量比率・酸価の測定を行った結果、次のような結果となった。
・(1):上澄み成分の樹脂粒子分散液の重量 0.13部
・(2):樹脂粒子分散液の固形分濃度 40重量%
・(3):(1)×(2)より算出される、上澄み液中に含まれる樹脂の重量
0.052部
・(4):樹脂仕込み全体量に対する、上澄み液中に含まれる樹脂の重量比率
1.3重量%
・(5):(3)の樹脂の酸価 49.1mgKOH/g
また更に、上記樹脂粒子分散液中を乾燥させて樹脂成分を取り出し、THF溶液に溶解して、分析液を得た後、ICP発光分析法によりN元素濃度・S元素濃度の測定を行った結果は、表2記載の通りとなった。
<樹脂粒子分散液L2の作製>
上記のようにして得られた低酸価樹脂P1を21.0部、高酸価樹脂Q1を9.0部計りとって同じく撹拌機を備えた200mlのリアクターに投入し、その後トリエタノールアミンを0.002部加え、120℃で0.5時間撹拌を行った。
その後、系の温度を90℃に変更した後、90℃に加温したイオン交換水45部を樹脂に加え、1時間撹拌を続けポリエステル樹脂粒子分散液を得た。
その後、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で3分間撹拌を行った後の樹脂粒子分散液中の樹脂分散残の有無の確認を行ったが、樹脂は全て水中に分散し、樹脂分散残はなく、固形分40%の樹脂粒子分散液が得られた。
上記のようにして得られた低酸価樹脂P1を21.0部、高酸価樹脂Q1を9.0部計りとって同じく撹拌機を備えた200mlのリアクターに投入し、その後トリエタノールアミンを0.002部加え、120℃で0.5時間撹拌を行った。
その後、系の温度を90℃に変更した後、90℃に加温したイオン交換水45部を樹脂に加え、1時間撹拌を続けポリエステル樹脂粒子分散液を得た。
その後、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で3分間撹拌を行った後の樹脂粒子分散液中の樹脂分散残の有無の確認を行ったが、樹脂は全て水中に分散し、樹脂分散残はなく、固形分40%の樹脂粒子分散液が得られた。
上記の方法によって、粒子の中心径300nm、pH=8.00の非晶系ポリエステル樹脂粒子分散液L1を得た。なお得られた粒子分散液の粒子径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−920)で測定した。
この樹脂粒子分散液10部をガラス試験管に採取し、KOKUSAN H18の12本アングルタイプのローターにセットし、2,000×gで30分間の遠心分離処理を行うと、試験管上部に目視でも確認できる上澄みが生じた。
上澄み成分だけを採取し、上澄み成分の樹脂粒子分散液の重量・固形分濃度を求め、上澄みの樹脂重量比率・酸価の測定を行った結果、次のような結果となった。
・(1):上澄み成分の樹脂粒子分散液の重量 3.0部
・(2):樹脂粒子分散液の固形分濃度 40重量%
・(3):(1)×(2)より算出される、上澄み液中に含まれる樹脂の重量
1.2部
・(4):樹脂仕込み全体量に対する、上澄み液中に含まれる樹脂の重量比率
30重量%
・(5):(3)の樹脂の酸価 49.8mgKOH/g
また更に、上記樹脂粒子分散液中を乾燥させて樹脂成分を取り出し、THF溶液に溶解して、分析液を得た後、ICP発光分析法によりN元素濃度・S元素濃度を、測定を行った結果は、表2記載の通りとなった。
上澄み成分だけを採取し、上澄み成分の樹脂粒子分散液の重量・固形分濃度を求め、上澄みの樹脂重量比率・酸価の測定を行った結果、次のような結果となった。
・(1):上澄み成分の樹脂粒子分散液の重量 3.0部
・(2):樹脂粒子分散液の固形分濃度 40重量%
・(3):(1)×(2)より算出される、上澄み液中に含まれる樹脂の重量
1.2部
・(4):樹脂仕込み全体量に対する、上澄み液中に含まれる樹脂の重量比率
30重量%
・(5):(3)の樹脂の酸価 49.8mgKOH/g
また更に、上記樹脂粒子分散液中を乾燥させて樹脂成分を取り出し、THF溶液に溶解して、分析液を得た後、ICP発光分析法によりN元素濃度・S元素濃度を、測定を行った結果は、表2記載の通りとなった。
<樹脂R3、R4、樹脂粒子分散液L3、L4の作製>
<(1)塩基量=上限 (2)高AV樹脂AV値=上限 (3)高AV量=中間>
<(1)塩基量=上限 (2)高AV樹脂AV値=上限 (3)高AV量=中間>
<樹脂P2の作製>
・ビスフェノールA プロピレンオキサイド2モル付加物 24.66部
・ビスフェノキシエタノールフルオレン 8.55部
・フェニレン二酢酸 16.80部
・ドデシルベンゼンスルホン酸 0.128部
上記材料を混合し、撹拌機を備えた200mlのリアクターに投入し開放系にて樹脂温度120℃になるように16時間で重縮合を実施したところ、均一透明な非結晶性ポリエステル樹脂P1を得た。
その後、2−ビニルピリジンを0.05部加えて1時間撹拌させ重縮合反応を停止させた後に、樹脂少量サンプルを採取し、以下の物性を測定した。
・GPCによる重量平均分子量 23,950
・ガラス転移温度(オンセット) 65℃
・酸価 7.9mgKOH/g
・ビスフェノールA プロピレンオキサイド2モル付加物 24.66部
・ビスフェノキシエタノールフルオレン 8.55部
・フェニレン二酢酸 16.80部
・ドデシルベンゼンスルホン酸 0.128部
上記材料を混合し、撹拌機を備えた200mlのリアクターに投入し開放系にて樹脂温度120℃になるように16時間で重縮合を実施したところ、均一透明な非結晶性ポリエステル樹脂P1を得た。
その後、2−ビニルピリジンを0.05部加えて1時間撹拌させ重縮合反応を停止させた後に、樹脂少量サンプルを採取し、以下の物性を測定した。
・GPCによる重量平均分子量 23,950
・ガラス転移温度(オンセット) 65℃
・酸価 7.9mgKOH/g
<高酸価樹脂Q2の作製>
・ビスフェノールA プロピレンオキサイド2モル付加物 24.66部
・ビスフェノキシエタノールフルオレン 8.55部
・フェニレン二酢酸 16.80部
・ドデシルベンゼンスルホン酸 0.128部
上記材料を混合し、撹拌機を備えた200mlのリアクターに投入し開放系にて樹脂温度120℃になるように9時間で重縮合を実施したところ、均一透明な非結晶性ポリエステル樹脂Q2を得た。
その後、2−ビニルピリジンを0.05部加えて1時間撹拌させ重縮合反応を停止させた後に、樹脂少量サンプルを採取し、以下の物性を測定した。
・GPCによる重量平均分子量 8,800
・ガラス転移温度(オンセット) 60℃
・酸価 16.0mgKOH/g
・ビスフェノールA プロピレンオキサイド2モル付加物 24.66部
・ビスフェノキシエタノールフルオレン 8.55部
・フェニレン二酢酸 16.80部
・ドデシルベンゼンスルホン酸 0.128部
上記材料を混合し、撹拌機を備えた200mlのリアクターに投入し開放系にて樹脂温度120℃になるように9時間で重縮合を実施したところ、均一透明な非結晶性ポリエステル樹脂Q2を得た。
その後、2−ビニルピリジンを0.05部加えて1時間撹拌させ重縮合反応を停止させた後に、樹脂少量サンプルを採取し、以下の物性を測定した。
・GPCによる重量平均分子量 8,800
・ガラス転移温度(オンセット) 60℃
・酸価 16.0mgKOH/g
<樹脂粒子分散液L3の作製>
上記のようにして得られた樹脂P2を29.0部、樹脂Q2を1.0部、樹脂合計30部を計りとって同じく撹拌機を備えた200mlのリアクターに投入し、その後トリエタノールアミンを6.6g加え、120℃で0.5時間撹拌を行った。その後、系の温度を90℃に変更した後、90℃に加温したイオン交換水45部を樹脂に加え、2時間撹拌を続けポリエステル樹脂粒子分散液を得た。
その後、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で3分間撹拌を行った後の樹脂粒子分散液中の樹脂分散残の有無の確認を行ったが、樹脂は全て水中に分散し、樹脂分散残はなく、固形分40重量%の樹脂粒子分散液が得られた。
上記の方法によって、粒子の中心径240nm、pH=9.40の非晶系ポリエステル樹脂粒子分散液L3を得た。なお得られた離形剤粒子分散液の粒子径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−920)で測定した。
上記のようにして得られた樹脂P2を29.0部、樹脂Q2を1.0部、樹脂合計30部を計りとって同じく撹拌機を備えた200mlのリアクターに投入し、その後トリエタノールアミンを6.6g加え、120℃で0.5時間撹拌を行った。その後、系の温度を90℃に変更した後、90℃に加温したイオン交換水45部を樹脂に加え、2時間撹拌を続けポリエステル樹脂粒子分散液を得た。
その後、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で3分間撹拌を行った後の樹脂粒子分散液中の樹脂分散残の有無の確認を行ったが、樹脂は全て水中に分散し、樹脂分散残はなく、固形分40重量%の樹脂粒子分散液が得られた。
上記の方法によって、粒子の中心径240nm、pH=9.40の非晶系ポリエステル樹脂粒子分散液L3を得た。なお得られた離形剤粒子分散液の粒子径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−920)で測定した。
この樹脂粒子分散液10部をガラス試験管に採取し、KOKUSAN H18の12本アングルタイプのローターにセットし、2,000×gで30分間の遠心分離処理を行うと、試験管上部に目視でも確認できる上澄みが生じた。
上澄み成分だけを採取し、上澄み成分の樹脂粒子分散液の重量・固形分濃度を求め、上澄みの樹脂重量比率・酸価の測定を行った結果、次のような結果となった。
・(1):上澄み成分の樹脂粒子分散液の重量 0.4部
・(2):樹脂粒子分散液の固形分濃度 40重量%
・(3):(1)×(2)より算出される、上澄み液中に含まれる樹脂の重量
0.16部
・(4):樹脂仕込み全体量に対する、上澄み液中に含まれる樹脂の重量比率4重量%
・(5):(3)の樹脂の酸価 17.8mgKOH/g
また更に、上記樹脂粒子分散液中を乾燥させて樹脂成分を取り出し、THF溶液に溶解して、分析液を得た後、ICP発光分析法によりN元素濃度・S元素濃度を、測定を行った結果は、表2記載の通りとなった。
上澄み成分だけを採取し、上澄み成分の樹脂粒子分散液の重量・固形分濃度を求め、上澄みの樹脂重量比率・酸価の測定を行った結果、次のような結果となった。
・(1):上澄み成分の樹脂粒子分散液の重量 0.4部
・(2):樹脂粒子分散液の固形分濃度 40重量%
・(3):(1)×(2)より算出される、上澄み液中に含まれる樹脂の重量
0.16部
・(4):樹脂仕込み全体量に対する、上澄み液中に含まれる樹脂の重量比率4重量%
・(5):(3)の樹脂の酸価 17.8mgKOH/g
また更に、上記樹脂粒子分散液中を乾燥させて樹脂成分を取り出し、THF溶液に溶解して、分析液を得た後、ICP発光分析法によりN元素濃度・S元素濃度を、測定を行った結果は、表2記載の通りとなった。
<樹脂粒子分散液L4の作製>
上記のようにして得られた樹脂P2を27.0部、樹脂Q2を3.0部、樹脂合計30部を計りとって同じく撹拌機を備えた200mlのリアクターに投入し、その後トリエタノールアミンを6.6部加え、120℃で0.5時間撹拌を行った。その後、系の温度を90℃に変更した後、90℃に加温したイオン交換水45部を樹脂に加え、2時間撹拌を続けポリエステル樹脂粒子分散液を得た。
その後、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で3分間撹拌を行った後の樹脂粒子分散液中の樹脂分散残の有無の確認を行ったが、樹脂は全て水中に分散し、樹脂分散残はなく、固形分40重量%の樹脂粒子分散液が得られた。
上記の方法によって、粒子の中心径250nm、pH=9.20の非晶系ポリエステル樹脂粒子分散液L3を得た。なお得られた離形剤粒子分散液の粒子径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−920)で測定した。
この樹脂粒子分散液10部をガラス試験管に採取し、KOKUSAN H18の12本アングルタイプのローターにセットし、2,000×gで30分間の遠心分離処理を行うと、試験管上部に目視でも確認できる上澄みが生じた。
上澄み成分だけを採取し、上澄み成分の樹脂粒子分散液の重量・固形分濃度を求め、上澄みの樹脂重量比率・酸価の測定を行った結果、次のような結果となった。
・(1):上澄み成分の樹脂粒子分散液の重量 1.3部
・(2):樹脂粒子分散液の固形分濃度 38重量%
・(3):(1)×(2)より算出される、上澄み液中に含まれる樹脂の重量
0.494部
・(4)::樹脂仕込み全体量に対する、上澄み液中に含まれる樹脂の重量比率
13重量%
・(5):(3)の樹脂の酸価 17.8mgKOH/g
また更に、上記樹脂粒子分散液中を乾燥させて樹脂成分を取り出し、THF溶液に溶解して、分析液を得た後、ICP発光分析法によりN元素濃度・S元素濃度の測定を行った結果は、表2記載の通りとなった。
上記のようにして得られた樹脂P2を27.0部、樹脂Q2を3.0部、樹脂合計30部を計りとって同じく撹拌機を備えた200mlのリアクターに投入し、その後トリエタノールアミンを6.6部加え、120℃で0.5時間撹拌を行った。その後、系の温度を90℃に変更した後、90℃に加温したイオン交換水45部を樹脂に加え、2時間撹拌を続けポリエステル樹脂粒子分散液を得た。
その後、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で3分間撹拌を行った後の樹脂粒子分散液中の樹脂分散残の有無の確認を行ったが、樹脂は全て水中に分散し、樹脂分散残はなく、固形分40重量%の樹脂粒子分散液が得られた。
上記の方法によって、粒子の中心径250nm、pH=9.20の非晶系ポリエステル樹脂粒子分散液L3を得た。なお得られた離形剤粒子分散液の粒子径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−920)で測定した。
この樹脂粒子分散液10部をガラス試験管に採取し、KOKUSAN H18の12本アングルタイプのローターにセットし、2,000×gで30分間の遠心分離処理を行うと、試験管上部に目視でも確認できる上澄みが生じた。
上澄み成分だけを採取し、上澄み成分の樹脂粒子分散液の重量・固形分濃度を求め、上澄みの樹脂重量比率・酸価の測定を行った結果、次のような結果となった。
・(1):上澄み成分の樹脂粒子分散液の重量 1.3部
・(2):樹脂粒子分散液の固形分濃度 38重量%
・(3):(1)×(2)より算出される、上澄み液中に含まれる樹脂の重量
0.494部
・(4)::樹脂仕込み全体量に対する、上澄み液中に含まれる樹脂の重量比率
13重量%
・(5):(3)の樹脂の酸価 17.8mgKOH/g
また更に、上記樹脂粒子分散液中を乾燥させて樹脂成分を取り出し、THF溶液に溶解して、分析液を得た後、ICP発光分析法によりN元素濃度・S元素濃度の測定を行った結果は、表2記載の通りとなった。
<樹脂粒子分散液L5の作製>
上記のようにして得られた樹脂P2を27.0部、樹脂Q2を3.0部、樹脂合計30部を計りとって同じく撹拌機を備えた200mlのリアクターに投入し、その後トリエタノールアミンを0.35部加え、120℃で0.5時間撹拌を行った。その後、系の温度を90℃に変更した後、スチレンを3部計りとって上記リアクターに投入した後、90℃に加温したイオン交換水45部を樹脂に加え、2時間撹拌を続けポリエステル樹脂粒子分散液を得た。
2時間経過後、0.3部の過硫酸アンモニウムを水3部に溶かした溶液をゆっくり滴下した後、更に2時間のラジカル重合を行い、その後、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で3分間撹拌を行った後の樹脂粒子分散液中の樹脂分散残の有無の確認を行ったが、樹脂は全て水中に分散し、樹脂分散残はなく、固形分40%の樹脂粒子分散液が得られた。
上記の方法によって、粒子の中心径320nm、pH=9.20の非晶系ポリエステル樹脂粒子分散液L3を得た。なお得られた離形剤粒子分散液の粒子径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−920)で測定した。
この樹脂粒子分散液10部をガラス試験管に採取し、KOKUSAN H18の12本アングルタイプのローターにセットし、2,000×gの30分の遠心分離処理を行うと、試験管上部に目視でも確認できる上澄みが生じた。
上澄み成分だけを採取し、上澄み成分の樹脂粒子分散液の重量・固形分濃度を求め、上澄みの樹脂重量比率・酸価の測定を行った結果、次のような結果となった。
・(1):上澄み成分の樹脂粒子分散液の重量 1.3部
・(2):樹脂粒子分散液の固形分濃度 38重量%
・(3):(1)×(2)より算出される、上澄み液中に含まれる樹脂の重量
0.494部
・(4):樹脂仕込み全体量に対する、上澄み液中に含まれる樹脂の重量比率
13重量%
・(5):(3)の樹脂の酸価 17.8mgKOH/g
また更に、上記樹脂粒子分散液中を乾燥させて樹脂成分を取り出し、THF溶液に溶解して、分析液を得た後、ICP発光分析法によりN元素濃度・S元素濃度を、測定を行った結果は、表2記載の通りとなった。
上記のようにして得られた樹脂P2を27.0部、樹脂Q2を3.0部、樹脂合計30部を計りとって同じく撹拌機を備えた200mlのリアクターに投入し、その後トリエタノールアミンを0.35部加え、120℃で0.5時間撹拌を行った。その後、系の温度を90℃に変更した後、スチレンを3部計りとって上記リアクターに投入した後、90℃に加温したイオン交換水45部を樹脂に加え、2時間撹拌を続けポリエステル樹脂粒子分散液を得た。
2時間経過後、0.3部の過硫酸アンモニウムを水3部に溶かした溶液をゆっくり滴下した後、更に2時間のラジカル重合を行い、その後、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で3分間撹拌を行った後の樹脂粒子分散液中の樹脂分散残の有無の確認を行ったが、樹脂は全て水中に分散し、樹脂分散残はなく、固形分40%の樹脂粒子分散液が得られた。
上記の方法によって、粒子の中心径320nm、pH=9.20の非晶系ポリエステル樹脂粒子分散液L3を得た。なお得られた離形剤粒子分散液の粒子径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−920)で測定した。
この樹脂粒子分散液10部をガラス試験管に採取し、KOKUSAN H18の12本アングルタイプのローターにセットし、2,000×gの30分の遠心分離処理を行うと、試験管上部に目視でも確認できる上澄みが生じた。
上澄み成分だけを採取し、上澄み成分の樹脂粒子分散液の重量・固形分濃度を求め、上澄みの樹脂重量比率・酸価の測定を行った結果、次のような結果となった。
・(1):上澄み成分の樹脂粒子分散液の重量 1.3部
・(2):樹脂粒子分散液の固形分濃度 38重量%
・(3):(1)×(2)より算出される、上澄み液中に含まれる樹脂の重量
0.494部
・(4):樹脂仕込み全体量に対する、上澄み液中に含まれる樹脂の重量比率
13重量%
・(5):(3)の樹脂の酸価 17.8mgKOH/g
また更に、上記樹脂粒子分散液中を乾燥させて樹脂成分を取り出し、THF溶液に溶解して、分析液を得た後、ICP発光分析法によりN元素濃度・S元素濃度を、測定を行った結果は、表2記載の通りとなった。
<比較例用樹脂粒子分散液作製>
<樹脂粒子分散液L6の作製(塩基量過少)>
上記の低酸価樹脂P1及び高酸価樹脂Q1の重縮合樹脂を得る際に、トリエタノールアミン0.035部を加える代わりに、アニリンを0.01部を添加して120℃で0.5時間撹拌を行った樹脂低酸価樹脂P1’及び高酸価樹脂Q1’を作製した。
上記のようにして得られた低酸価樹脂P1’を29部、高酸価樹脂Q1’を1部、重縮合樹脂合計30部を計りとって撹拌機を備えた200mlのリアクターに投入した後に、アニリンを更に0.01部加え、120℃で0.5時間撹拌を行い、系の温度を90℃に変更した後、90℃に加温したイオン交換水45部を重縮合樹脂に加え、2時間撹拌を続けポリエステル樹脂粒子分散液を得た。
その後、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で3分間撹拌を行った後の樹脂粒子分散液中の樹脂分散残の有無の確認を行ったが、重縮合樹脂の大半は分散しきれずに容器底に残ったまま存在しており、得られた樹脂粒子分散液は、殆ど透明状であり、固形分濃度3.3重量%であった。
上記の方法によって、粒子の中心径14,950nm、pH=6.90の非晶系ポリエステル樹脂粒子分散液L3を得た。なお得られた樹脂粒子分散液の粒子径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−920)で測定した。
この樹脂粒子分散液10部をガラス試験管に採取し、KOKUSAN H18の12本アングルタイプのローターにセットし、2,000×gで30分間の遠心分離処理を行った結果、樹脂粒子分散液の固形分濃度が低かった為、上澄みが生じなかった為、上澄みの酸価は測定できなかった。
また更に、上記樹脂粒子分散液中を乾燥させて樹脂成分を取り出し、THF溶液に溶解して、分析液を得た後、ICP発光分析法によりN元素濃度・S元素濃度の測定を行った結果は、表2記載の通りとなった。
<樹脂粒子分散液L6の作製(塩基量過少)>
上記の低酸価樹脂P1及び高酸価樹脂Q1の重縮合樹脂を得る際に、トリエタノールアミン0.035部を加える代わりに、アニリンを0.01部を添加して120℃で0.5時間撹拌を行った樹脂低酸価樹脂P1’及び高酸価樹脂Q1’を作製した。
上記のようにして得られた低酸価樹脂P1’を29部、高酸価樹脂Q1’を1部、重縮合樹脂合計30部を計りとって撹拌機を備えた200mlのリアクターに投入した後に、アニリンを更に0.01部加え、120℃で0.5時間撹拌を行い、系の温度を90℃に変更した後、90℃に加温したイオン交換水45部を重縮合樹脂に加え、2時間撹拌を続けポリエステル樹脂粒子分散液を得た。
その後、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で3分間撹拌を行った後の樹脂粒子分散液中の樹脂分散残の有無の確認を行ったが、重縮合樹脂の大半は分散しきれずに容器底に残ったまま存在しており、得られた樹脂粒子分散液は、殆ど透明状であり、固形分濃度3.3重量%であった。
上記の方法によって、粒子の中心径14,950nm、pH=6.90の非晶系ポリエステル樹脂粒子分散液L3を得た。なお得られた樹脂粒子分散液の粒子径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−920)で測定した。
この樹脂粒子分散液10部をガラス試験管に採取し、KOKUSAN H18の12本アングルタイプのローターにセットし、2,000×gで30分間の遠心分離処理を行った結果、樹脂粒子分散液の固形分濃度が低かった為、上澄みが生じなかった為、上澄みの酸価は測定できなかった。
また更に、上記樹脂粒子分散液中を乾燥させて樹脂成分を取り出し、THF溶液に溶解して、分析液を得た後、ICP発光分析法によりN元素濃度・S元素濃度の測定を行った結果は、表2記載の通りとなった。
<樹脂粒子分散液L7の作製(塩基性物質過剰)>
上記の低酸価樹脂P1,高酸価樹脂Q1の樹脂を得る際に、トリエタノールアミン0.035部を加える代わりに、ビニルピリジンを0.05部を添加して120℃で0.5時間撹拌を行った低酸価樹脂P1”及び高酸価樹脂Q1”を作製した。
上記のようにして得られた低酸価樹脂P1”を21部、高酸価樹脂Q1”を9部、樹脂合計30部を計りとって撹拌機を備えた200mlのリアクターに投入した後に、トリエタノールアミンを更に7.2部加え、120℃で0.5時間撹拌を行い、系の温度を90℃に変更した後、90℃に加温したイオン交換水45部を重縮合樹脂に加え、2時間撹拌を続けポリエステル樹脂粒子分散液を得た。
その後、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で3分間撹拌を行った後の樹脂粒子分散液中の樹脂分散残の有無の確認を行ったが、重縮合樹脂の大半は分散しきれずに容器底に残ったまま存在しており、得られた樹脂粒子分散液は、殆ど透明状であり、固形分濃度5.5重量%であった。
上記の方法によって、粒子の中心径22,780nm、pH=11.2の非晶系ポリエステル樹脂粒子分散液L7を得た。
この樹脂粒子分散液10部をガラス試験管に採取し、KOKUSAN H18の12本アングルタイプのローターにセットし、2,000×gで30分間の遠心分離処理を行うと、試験管上部に目視でも確認できる上澄みが生じた。
上澄み成分だけを採取し、上澄み成分の樹脂粒子分散液の重量・固形分濃度を求め、上澄みの樹脂重量比率・酸価の測定を行った結果、次のような結果となった。
・(1):上澄み成分の樹脂粒子分散液の重量 3.0部
・(2):樹脂粒子分散液の固形分濃度 5.5重量%
・(3):(1)×(2)より算出される、上澄み液中に含まれる樹脂の重量
0.494部
・(4):樹脂仕込み全体量に対する、上澄み液中に含まれる樹脂の重量比率
30.0重量%
・(5):(3)の樹脂の酸価 49.1mgKOH/g
また更に、上記樹脂粒子分散液中を乾燥させて樹脂成分を取り出し、THF溶液に溶解して、分析液を得た後、ICP発光分析法によりN元素濃度・S元素濃度の測定を行った結果は、表2記載の通りとなった。
上記の低酸価樹脂P1,高酸価樹脂Q1の樹脂を得る際に、トリエタノールアミン0.035部を加える代わりに、ビニルピリジンを0.05部を添加して120℃で0.5時間撹拌を行った低酸価樹脂P1”及び高酸価樹脂Q1”を作製した。
上記のようにして得られた低酸価樹脂P1”を21部、高酸価樹脂Q1”を9部、樹脂合計30部を計りとって撹拌機を備えた200mlのリアクターに投入した後に、トリエタノールアミンを更に7.2部加え、120℃で0.5時間撹拌を行い、系の温度を90℃に変更した後、90℃に加温したイオン交換水45部を重縮合樹脂に加え、2時間撹拌を続けポリエステル樹脂粒子分散液を得た。
その後、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で3分間撹拌を行った後の樹脂粒子分散液中の樹脂分散残の有無の確認を行ったが、重縮合樹脂の大半は分散しきれずに容器底に残ったまま存在しており、得られた樹脂粒子分散液は、殆ど透明状であり、固形分濃度5.5重量%であった。
上記の方法によって、粒子の中心径22,780nm、pH=11.2の非晶系ポリエステル樹脂粒子分散液L7を得た。
この樹脂粒子分散液10部をガラス試験管に採取し、KOKUSAN H18の12本アングルタイプのローターにセットし、2,000×gで30分間の遠心分離処理を行うと、試験管上部に目視でも確認できる上澄みが生じた。
上澄み成分だけを採取し、上澄み成分の樹脂粒子分散液の重量・固形分濃度を求め、上澄みの樹脂重量比率・酸価の測定を行った結果、次のような結果となった。
・(1):上澄み成分の樹脂粒子分散液の重量 3.0部
・(2):樹脂粒子分散液の固形分濃度 5.5重量%
・(3):(1)×(2)より算出される、上澄み液中に含まれる樹脂の重量
0.494部
・(4):樹脂仕込み全体量に対する、上澄み液中に含まれる樹脂の重量比率
30.0重量%
・(5):(3)の樹脂の酸価 49.1mgKOH/g
また更に、上記樹脂粒子分散液中を乾燥させて樹脂成分を取り出し、THF溶液に溶解して、分析液を得た後、ICP発光分析法によりN元素濃度・S元素濃度の測定を行った結果は、表2記載の通りとなった。
<樹脂粒子分散液L8の作製(高酸価樹脂の量が過少)>
上記のようにして得られた低酸価樹脂P2を29.8部、高酸価樹脂Q2を0.2部、樹脂合計30部を計りとって撹拌機を備えた200mlのリアクターに投入した後、トリエタノールアミンを0.35部加え、120℃で0.5時間撹拌を行い、系の温度を90℃に変更した後、90℃に加温したイオン交換水45部を樹脂に加え、2時間撹拌を続けポリエステル樹脂粒子分散液を得た。その後、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で3分間撹拌を行った後の樹脂粒子分散液中の樹脂分散残の有無の確認を行ったが、重縮合樹脂の大半は分散しきれずに容器底に残ったまま存在しており、得られた樹脂粒子分散液は、薄い白色状であり、固形分濃度1.4重量%であった。
上記の方法によって、粒子の中心径4,580nm、pH=7.6の非晶系ポリエステル樹脂粒子分散液L8を得た。
この樹脂粒子分散液10部をガラス試験管に採取し、KOKUSAN H18の12本アングルタイプのローターにセットし、2,000×gで30分間の遠心分離処理を行った結果、樹脂粒子分散液の固形分濃度が低かった為、上澄みが生じなかった為、上澄みの酸価は測定できなかった。
また更に、上記樹脂粒子分散液中を乾燥させて樹脂成分を取り出し、THF溶液に溶解して、分析液を得た後、ICP発光分析法によりN元素濃度・S元素濃度の測定を行った結果は、表2記載の通りとなった。
上記のようにして得られた低酸価樹脂P2を29.8部、高酸価樹脂Q2を0.2部、樹脂合計30部を計りとって撹拌機を備えた200mlのリアクターに投入した後、トリエタノールアミンを0.35部加え、120℃で0.5時間撹拌を行い、系の温度を90℃に変更した後、90℃に加温したイオン交換水45部を樹脂に加え、2時間撹拌を続けポリエステル樹脂粒子分散液を得た。その後、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で3分間撹拌を行った後の樹脂粒子分散液中の樹脂分散残の有無の確認を行ったが、重縮合樹脂の大半は分散しきれずに容器底に残ったまま存在しており、得られた樹脂粒子分散液は、薄い白色状であり、固形分濃度1.4重量%であった。
上記の方法によって、粒子の中心径4,580nm、pH=7.6の非晶系ポリエステル樹脂粒子分散液L8を得た。
この樹脂粒子分散液10部をガラス試験管に採取し、KOKUSAN H18の12本アングルタイプのローターにセットし、2,000×gで30分間の遠心分離処理を行った結果、樹脂粒子分散液の固形分濃度が低かった為、上澄みが生じなかった為、上澄みの酸価は測定できなかった。
また更に、上記樹脂粒子分散液中を乾燥させて樹脂成分を取り出し、THF溶液に溶解して、分析液を得た後、ICP発光分析法によりN元素濃度・S元素濃度の測定を行った結果は、表2記載の通りとなった。
<樹脂粒子分散液L9の作製(高酸価樹脂のAV値が過少)>
<高酸価樹脂Q4の作製>
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 33.77部
・フェニレン二酢酸 16.23部
・ドデシルベンゼンスルホン酸 0.109部
上記材料を混合し、撹拌機を備えた200mlのリアクターに投入し開放系にて樹脂温度120℃になるように12時間で重縮合を実施したところ、均一透明な非結晶性ポリエステル樹脂Q4を得た。
その後、アニリン0.04部加えて1時間撹拌させ重縮合反応を停止させた後に、樹脂少量サンプルを採取し、以下の物性を測定した。
・GPCによる重量平均分子量 16,510
・ガラス転移温度(オンセット) 32℃
・酸価 14mgKOH/g
上記のようにして得られた低酸価樹脂P2を29部、高酸価樹脂Q4を1部、樹脂合計30部を計りとって撹拌機を備えた200mlのリアクターに投入し、その後トリエタノールアミンを0.88部加え、120℃で0.5時間撹拌を行い、系の温度を90℃に変更した後、90℃に加温したイオン交換水45部を樹脂に加え、2時間撹拌を続けポリエステル樹脂粒子分散液を得た。その後、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で3分間撹拌を行った後の樹脂粒子分散液中の樹脂分散残の有無の確認を行ったが、重縮合樹脂の一部は分散しきれずに容器底に残ったまま存在しており、得られた樹脂粒子分散液は、薄い白色状であり、固形分濃度6.4重量%であった。
上記の方法によって、粒子の中心径2,580nm、pH=7.8の非晶系ポリエステル樹脂粒子分散液L9を得た。
<高酸価樹脂Q4の作製>
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 33.77部
・フェニレン二酢酸 16.23部
・ドデシルベンゼンスルホン酸 0.109部
上記材料を混合し、撹拌機を備えた200mlのリアクターに投入し開放系にて樹脂温度120℃になるように12時間で重縮合を実施したところ、均一透明な非結晶性ポリエステル樹脂Q4を得た。
その後、アニリン0.04部加えて1時間撹拌させ重縮合反応を停止させた後に、樹脂少量サンプルを採取し、以下の物性を測定した。
・GPCによる重量平均分子量 16,510
・ガラス転移温度(オンセット) 32℃
・酸価 14mgKOH/g
上記のようにして得られた低酸価樹脂P2を29部、高酸価樹脂Q4を1部、樹脂合計30部を計りとって撹拌機を備えた200mlのリアクターに投入し、その後トリエタノールアミンを0.88部加え、120℃で0.5時間撹拌を行い、系の温度を90℃に変更した後、90℃に加温したイオン交換水45部を樹脂に加え、2時間撹拌を続けポリエステル樹脂粒子分散液を得た。その後、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で3分間撹拌を行った後の樹脂粒子分散液中の樹脂分散残の有無の確認を行ったが、重縮合樹脂の一部は分散しきれずに容器底に残ったまま存在しており、得られた樹脂粒子分散液は、薄い白色状であり、固形分濃度6.4重量%であった。
上記の方法によって、粒子の中心径2,580nm、pH=7.8の非晶系ポリエステル樹脂粒子分散液L9を得た。
この樹脂粒子分散液10部をガラス試験管に採取し、KOKUSAN H18の12本アングルタイプのローターにセットし、2,000×gで30分間の遠心分離処理を行うと、試験管上部に目視でも確認できる上澄みが生じた。
上澄み成分だけを採取し、上澄み成分の樹脂粒子分散液の重量・固形分濃度を求め、上澄みの樹脂重量比率・酸価の測定を行った結果、次のような結果となった。
・(1):上澄み成分の樹脂粒子分散液の重量 3.3部
・(2):樹脂粒子分散液の固形分濃度 6.4重量%
・(3):(1)×(2)より算出される、上澄み液中に含まれる樹脂の重量
0.021部
・(4):樹脂仕込み全体量に対する、上澄み液中に含まれる樹脂の重量比率
3.3重量%
・(5):(3)の樹脂の酸価 14.8mgKOH/g
また更に、上記樹脂粒子分散液中を乾燥させて樹脂成分を取り出し、THF溶液に溶解して、分析液を得た後、ICP発光分析法によりN元素濃度・S元素濃度の測定を行った結果は、表2記載の通りとなった。
上澄み成分だけを採取し、上澄み成分の樹脂粒子分散液の重量・固形分濃度を求め、上澄みの樹脂重量比率・酸価の測定を行った結果、次のような結果となった。
・(1):上澄み成分の樹脂粒子分散液の重量 3.3部
・(2):樹脂粒子分散液の固形分濃度 6.4重量%
・(3):(1)×(2)より算出される、上澄み液中に含まれる樹脂の重量
0.021部
・(4):樹脂仕込み全体量に対する、上澄み液中に含まれる樹脂の重量比率
3.3重量%
・(5):(3)の樹脂の酸価 14.8mgKOH/g
また更に、上記樹脂粒子分散液中を乾燥させて樹脂成分を取り出し、THF溶液に溶解して、分析液を得た後、ICP発光分析法によりN元素濃度・S元素濃度の測定を行った結果は、表2記載の通りとなった。
<樹脂粒子分散液L10の作製(高酸価樹脂のAV値が過大)>
<高酸価樹脂Q5の作製>
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 33.77部
・フェニレンジ酢酸 16.23部
・ドデシルベンゼンスルホン酸 0.109部
上記材料を混合し、撹拌機を備えた200mlのリアクターに投入し開放系にて樹脂温度120℃になるように12時間で重縮合を実施したところ、均一透明な非結晶性ポリエステル樹脂Q5を得た。
その後、アニリン0.04部加えて1時間撹拌させ重縮合反応を停止させた後に、樹脂少量サンプルを採取し、以下の物性を測定した。
・GPCによる重量平均分子量 3,250
・ガラス転移温度(オンセット) 24℃
・酸価 52.0mgKOH/g
上記のようにして得られた低酸価樹脂P2を29部、高酸価樹脂Q5を1部、樹脂合計30部を計りとって撹拌機を備えた200mlのリアクターに投入し、その後トリエタノールアミンを0.6部加え、120℃で0.5時間撹拌を行い、系の温度を90℃に変更した後、90℃に加温したイオン交換水45部を重縮合樹脂に加え、2時間撹拌を続けポリエステル樹脂粒子分散液を得た。その後、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で3分間撹拌を行った後の樹脂粒子分散液中の樹脂分散残の有無の確認を行ったが、重縮合樹脂は全て分散し、得られた樹脂粒子分散液は、薄い白色状であり、固形分濃度6.8重量%であった。
上記の方法によって、粒子の中心径680nm、pH=7.8の非晶系ポリエステル樹脂粒子分散液L10を得た。
<高酸価樹脂Q5の作製>
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 33.77部
・フェニレンジ酢酸 16.23部
・ドデシルベンゼンスルホン酸 0.109部
上記材料を混合し、撹拌機を備えた200mlのリアクターに投入し開放系にて樹脂温度120℃になるように12時間で重縮合を実施したところ、均一透明な非結晶性ポリエステル樹脂Q5を得た。
その後、アニリン0.04部加えて1時間撹拌させ重縮合反応を停止させた後に、樹脂少量サンプルを採取し、以下の物性を測定した。
・GPCによる重量平均分子量 3,250
・ガラス転移温度(オンセット) 24℃
・酸価 52.0mgKOH/g
上記のようにして得られた低酸価樹脂P2を29部、高酸価樹脂Q5を1部、樹脂合計30部を計りとって撹拌機を備えた200mlのリアクターに投入し、その後トリエタノールアミンを0.6部加え、120℃で0.5時間撹拌を行い、系の温度を90℃に変更した後、90℃に加温したイオン交換水45部を重縮合樹脂に加え、2時間撹拌を続けポリエステル樹脂粒子分散液を得た。その後、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で3分間撹拌を行った後の樹脂粒子分散液中の樹脂分散残の有無の確認を行ったが、重縮合樹脂は全て分散し、得られた樹脂粒子分散液は、薄い白色状であり、固形分濃度6.8重量%であった。
上記の方法によって、粒子の中心径680nm、pH=7.8の非晶系ポリエステル樹脂粒子分散液L10を得た。
この樹脂粒子分散液10部をガラス試験管に採取し、KOKUSAN H18の12本アングルタイプのローターにセットし、2,000×gで30分間の遠心分離処理を行うと、試験管上部に目視でも確認できる上澄みが生じた。
上澄み成分だけを採取し、上澄み成分の樹脂粒子分散液の重量・固形分濃度を求め、上澄みの樹脂重量比率・酸価の測定を行った結果、次のような結果となった。
・(1):上澄み成分の樹脂粒子分散液の重量 3.5部
・(2):樹脂粒子分散液の固形分濃度 6.8重量%
・(3):(1)×(2)より算出される、上澄み液中に含まれる樹脂の重量
0.024部
・(4):樹脂仕込み全体量に対する、上澄み液中に含まれる樹脂の重量比率
3.5重量%
・(5):(3)の樹脂の酸価 55.4mgKOH/g
また更に、上記樹脂粒子分散液中を乾燥させて樹脂成分を取り出し、THF溶液に溶解して、分析液を得た後、ICP発光分析法によりN元素濃度・S元素濃度の測定を行った結果は、表2記載の通りとなった。
上澄み成分だけを採取し、上澄み成分の樹脂粒子分散液の重量・固形分濃度を求め、上澄みの樹脂重量比率・酸価の測定を行った結果、次のような結果となった。
・(1):上澄み成分の樹脂粒子分散液の重量 3.5部
・(2):樹脂粒子分散液の固形分濃度 6.8重量%
・(3):(1)×(2)より算出される、上澄み液中に含まれる樹脂の重量
0.024部
・(4):樹脂仕込み全体量に対する、上澄み液中に含まれる樹脂の重量比率
3.5重量%
・(5):(3)の樹脂の酸価 55.4mgKOH/g
また更に、上記樹脂粒子分散液中を乾燥させて樹脂成分を取り出し、THF溶液に溶解して、分析液を得た後、ICP発光分析法によりN元素濃度・S元素濃度の測定を行った結果は、表2記載の通りとなった。
<高温金属触媒重合+転相乳化でのNG例(樹脂P4の作製)>
・ビスフェノールAエチレンオキサイド4モル付加物 32.59部
・テレフタル酸 17.41部
・トリメチロールエタン 2.4部
・酸化ジブチルスズ{(C4H9)2SnO=248.94} 0.8部
上記材料を混合し、撹拌機を備えた200mlのリアクターに投入し開放系にて樹脂温度220℃になるように56時間、0.5Mpa減圧雰囲気で重縮合を実施したところ、均一透明な非結晶性ポリエステル樹脂P4を得た。
ここで樹脂少量サンプルを採取し、以下の物性を測定した。
・GPCによる重量平均分子量 21,560
・ガラス転移温度(オンセット) 63℃
・酸価 9.7mgKOH/g
・ビスフェノールAエチレンオキサイド4モル付加物 32.59部
・テレフタル酸 17.41部
・トリメチロールエタン 2.4部
・酸化ジブチルスズ{(C4H9)2SnO=248.94} 0.8部
上記材料を混合し、撹拌機を備えた200mlのリアクターに投入し開放系にて樹脂温度220℃になるように56時間、0.5Mpa減圧雰囲気で重縮合を実施したところ、均一透明な非結晶性ポリエステル樹脂P4を得た。
ここで樹脂少量サンプルを採取し、以下の物性を測定した。
・GPCによる重量平均分子量 21,560
・ガラス転移温度(オンセット) 63℃
・酸価 9.7mgKOH/g
<樹脂粒子分散液L11の作製>
上記のようにして得られた樹脂P4を30部を計りとって同じく撹拌機を備えた200mlのリアクターに投入し、更に界面活性剤としてソフト型ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部を加え、さらに酢酸エチル300部に溶解させ均一な油相を作製した。この油相に水を徐々に加え、転相乳化を実施した。
転相乳化は、60℃に加熱しながら上記リアクタ中でホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散しながら水を加えていった。
ホモジナイザーによる撹拌を継続しながら継続するとポリエステル樹脂の粒子乳化分散液を得た。この分散液をロータリーエバポレータに入れ、減圧に引きながら10時間脱溶剤を継続した。
上記の方法によって、粒子の中心径170nm、pH=7.9、固形分濃度40重量%の非晶系ポリエステル樹脂粒子分散液L11を得た。
この樹脂粒子分散液10部をガラス試験管に採取し、KOKUSAN H18の12本アングルタイプのローターにセットし、2,000×gで30分間の遠心分離処理を行った結果、樹脂粒子分散液の固形分濃度が低かった為、上澄みが生じなかった為、上澄みの酸価は測定できなかった。
また更に、上記樹脂粒子分散液中を乾燥させて樹脂成分を取り出し、THF溶液に溶解して、分析液を得た後、ICP発光分析法によりN元素濃度・S元素濃度の測定を行ったが、検出限界以下の値であった。
上記のようにして得られた樹脂P4を30部を計りとって同じく撹拌機を備えた200mlのリアクターに投入し、更に界面活性剤としてソフト型ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部を加え、さらに酢酸エチル300部に溶解させ均一な油相を作製した。この油相に水を徐々に加え、転相乳化を実施した。
転相乳化は、60℃に加熱しながら上記リアクタ中でホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散しながら水を加えていった。
ホモジナイザーによる撹拌を継続しながら継続するとポリエステル樹脂の粒子乳化分散液を得た。この分散液をロータリーエバポレータに入れ、減圧に引きながら10時間脱溶剤を継続した。
上記の方法によって、粒子の中心径170nm、pH=7.9、固形分濃度40重量%の非晶系ポリエステル樹脂粒子分散液L11を得た。
この樹脂粒子分散液10部をガラス試験管に採取し、KOKUSAN H18の12本アングルタイプのローターにセットし、2,000×gで30分間の遠心分離処理を行った結果、樹脂粒子分散液の固形分濃度が低かった為、上澄みが生じなかった為、上澄みの酸価は測定できなかった。
また更に、上記樹脂粒子分散液中を乾燥させて樹脂成分を取り出し、THF溶液に溶解して、分析液を得た後、ICP発光分析法によりN元素濃度・S元素濃度の測定を行ったが、検出限界以下の値であった。
上記のように作製した樹脂粒子分散液を原材料に用いてトナーを作製するに当たって、下記の離型剤粒子分散液W1、着色剤分散液C1、を作製した。
<離型剤粒子分散液W1の調製>
・ポリエチレンワックス(東洋ペトロライト社製、Polywax725、融点103℃) 30部
・カチオン性界面活性剤(花王社製、サニゾールB50) 3部
・イオン交換水 67部
上記成分をホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で95℃に加熱しながら十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザー(ゴーリン社製、ゴーリンホモジナイザー)で分散処理し、離型剤粒子分散液(W1)を調製した。得られた分散液中の離型剤粒子の個数平均粒子径D50nは4,600nmであった。その後イオン交換水を加えて、分散液の固形分濃度を30重量%に調製した。
・ポリエチレンワックス(東洋ペトロライト社製、Polywax725、融点103℃) 30部
・カチオン性界面活性剤(花王社製、サニゾールB50) 3部
・イオン交換水 67部
上記成分をホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で95℃に加熱しながら十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザー(ゴーリン社製、ゴーリンホモジナイザー)で分散処理し、離型剤粒子分散液(W1)を調製した。得られた分散液中の離型剤粒子の個数平均粒子径D50nは4,600nmであった。その後イオン交換水を加えて、分散液の固形分濃度を30重量%に調製した。
<シアン顔料分散液C1の調製>
・シアン顔料(大日精化工業社製、PB15:3) 20部
・アニオン系界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR) 2部
・イオン交換水 78部
上記成分を、マゼンタ顔料分散液(M1)と同様にして調製し、シアン顔料分散液を得た。分散液中の顔料の数平均粒子径D50nは121nmであった。その後イオン交換水を加えて分散液の固形分濃度を15重量%に調製した。
・シアン顔料(大日精化工業社製、PB15:3) 20部
・アニオン系界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR) 2部
・イオン交換水 78部
上記成分を、マゼンタ顔料分散液(M1)と同様にして調製し、シアン顔料分散液を得た。分散液中の顔料の数平均粒子径D50nは121nmであった。その後イオン交換水を加えて分散液の固形分濃度を15重量%に調製した。
<2次色Glossムラ測定用のイエロー着色剤粒子分散液Y1の調製>
・イエロー顔料(クラリアントジャパン社製、C.I.Pigment Yellow 74) 20部
・アニオン系界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR) 2部
・イオン交換水 78部
上記成分を、着色剤粒子分散液C1と同様にして調製し、着色剤粒子分散液Y1を得た。分散液中の顔料の数平均粒子径D50nは118nmであった。その後イオン交換水を加えて分散液の固形分濃度を15重量%に調製した。
・イエロー顔料(クラリアントジャパン社製、C.I.Pigment Yellow 74) 20部
・アニオン系界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR) 2部
・イオン交換水 78部
上記成分を、着色剤粒子分散液C1と同様にして調製し、着色剤粒子分散液Y1を得た。分散液中の顔料の数平均粒子径D50nは118nmであった。その後イオン交換水を加えて分散液の固形分濃度を15重量%に調製した。
<トナー実施例>
<トナー粒子の調製>
<トナー実施例T1(樹脂粒子分散液L1を使用したトナーの作製)>
・樹脂粒子分散液(L1) 160部
・離型剤粒子分散液(W1) 33部
・サイアン顔料分散液(C1) 60部
・ポリ塩化アルミニウム10重量%水溶液(浅田化学社製、PAC100W) 15部
・1%硝酸水溶液 3部
上記成分を、丸型ステンレス鋼製フラスコ中で、ホモジナイザー(LKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて5,000rpmで3分間分散した後、前記フラスコに磁力シールを有した撹拌装置、温度計とpH計を具備した蓋をしてから、加熱用マントルヒーターをセットし、フラスコ中の分散液全体が撹拌される最低の回転数に適宜調節して撹拌しながら62℃まで1℃/1minで加熱し、62℃で30分間保持し、凝集粒子の粒径をコールターカウンター(日科機社製、TA II)で確認した。昇温停止後ただちに樹脂粒子分散液(L1)を50部追加し、30分間保持したのち、系内のpHが6.5になるまで水酸化ナトリウム水溶液を加えてから、1℃/1minで97℃まで加熱した。昇温後、硝酸水溶液を加えて系内のpHを5.0にして、10時間保持して凝集粒子を加熱融合した。
<トナー粒子の調製>
<トナー実施例T1(樹脂粒子分散液L1を使用したトナーの作製)>
・樹脂粒子分散液(L1) 160部
・離型剤粒子分散液(W1) 33部
・サイアン顔料分散液(C1) 60部
・ポリ塩化アルミニウム10重量%水溶液(浅田化学社製、PAC100W) 15部
・1%硝酸水溶液 3部
上記成分を、丸型ステンレス鋼製フラスコ中で、ホモジナイザー(LKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて5,000rpmで3分間分散した後、前記フラスコに磁力シールを有した撹拌装置、温度計とpH計を具備した蓋をしてから、加熱用マントルヒーターをセットし、フラスコ中の分散液全体が撹拌される最低の回転数に適宜調節して撹拌しながら62℃まで1℃/1minで加熱し、62℃で30分間保持し、凝集粒子の粒径をコールターカウンター(日科機社製、TA II)で確認した。昇温停止後ただちに樹脂粒子分散液(L1)を50部追加し、30分間保持したのち、系内のpHが6.5になるまで水酸化ナトリウム水溶液を加えてから、1℃/1minで97℃まで加熱した。昇温後、硝酸水溶液を加えて系内のpHを5.0にして、10時間保持して凝集粒子を加熱融合した。
この後系内を50℃まで降温、水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを12.0に調節して10分間保持した。その後フラスコから取り出し、イオン交換水を用いて充分にろ過、通水洗浄した後、さらに固形分量が10重量%となるようにイオン交換水中に分散し、硝酸を加えてpH3.0で10分間撹拌した後、再びイオン交換水を用いて充分にろ過、通水洗浄して得られたスラリーを凍結乾燥してサイアントナー(トナーC1)を得た。
前記サイアン着色粒子に、ヘキサメチルジシラザン(以下、「HMDS」と略す場合がある)で表面疎水化処理した一次粒子平均粒径40nmのシリカ(SiO2)粒子と、メタチタン酸とイソブチルトリメトキシシランの反応生成物である一次粒子平均粒径20nmのメタチタン酸化合物粒子とを、それぞれ1重量%づつ添加し、ヘンシェルミキサーで混合し、サイアン外添トナーを作製した。
このようにして得られたトナー粒子の粒径をコールターカウンターで測定したところ、累積体積平均粒径D50が4.77μm、体積平均粒度分布指標GSDvが1.20であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子の形状係数SF1は131のポテト形状であった。
このようにして得られたトナー粒子の粒径をコールターカウンターで測定したところ、累積体積平均粒径D50が4.77μm、体積平均粒度分布指標GSDvが1.20であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子の形状係数SF1は131のポテト形状であった。
<トナー実施例T2(樹脂粒子分散液L2を使用したトナーの作製)>
トナー実施例1において、樹脂粒子分散液をL2に変えた以外は同様の方法でサイアン着色粒子を得、累積体積平均粒径D50と体積平均粒度分布指標GSDv、形状係数を測定した。本トナーにトナー実施例1と同様に外添剤を添加してサイアン外添トナーを得た。
この結果実施例2では、D50が4.65μm、体積平均粒度分布指標GSDvが1.20であった。形状係数SF1は130のポテト形状であった。
トナー実施例1において、樹脂粒子分散液をL2に変えた以外は同様の方法でサイアン着色粒子を得、累積体積平均粒径D50と体積平均粒度分布指標GSDv、形状係数を測定した。本トナーにトナー実施例1と同様に外添剤を添加してサイアン外添トナーを得た。
この結果実施例2では、D50が4.65μm、体積平均粒度分布指標GSDvが1.20であった。形状係数SF1は130のポテト形状であった。
<トナー実施例T3〜T5>
以下、同様にして、下記記載のトナーを得た。
・樹脂粒子分散液L3を用いたトナー実施例3では、D50が4.58、GSDvが1.20、形状係数SF1が126トナーが得られ、
・樹脂粒子分散液L4を用いたトナー実施例4では、D50が4.96、GSDvが1.20、形状係数SF1が131のトナーが得られ、
・樹脂粒子分散液L5を用いたトナー実施例5では、D50が4.61、GSDvが1.20、形状係数SF1が125のトナーが得られた。
以下、同様にして、下記記載のトナーを得た。
・樹脂粒子分散液L3を用いたトナー実施例3では、D50が4.58、GSDvが1.20、形状係数SF1が126トナーが得られ、
・樹脂粒子分散液L4を用いたトナー実施例4では、D50が4.96、GSDvが1.20、形状係数SF1が131のトナーが得られ、
・樹脂粒子分散液L5を用いたトナー実施例5では、D50が4.61、GSDvが1.20、形状係数SF1が125のトナーが得られた。
<トナー比較例T6〜T11(樹脂粒子分散液L6〜L11を使用したトナーの作製)>
トナー実施例1において、それぞれ樹脂粒子分散液をL6〜L11に変えた以外は同様の方法でサイアン着色粒子を得、累積体積平均粒径D50と体積平均粒度分布指標GSDv、形状係数を測定した。本トナーにトナー実施例1と同様に外添剤を外添しサイアン外添トナーを得る為の検討を行った。
その結果、樹脂粒子分散液L6,L7を用いてトナーを作製しようとしたが、樹脂粒子分散液の樹脂粒子が大きすぎて、11μm以下のトナーは得られなかったので、トナー評価を中断した。
トナー実施例1において、それぞれ樹脂粒子分散液をL6〜L11に変えた以外は同様の方法でサイアン着色粒子を得、累積体積平均粒径D50と体積平均粒度分布指標GSDv、形状係数を測定した。本トナーにトナー実施例1と同様に外添剤を外添しサイアン外添トナーを得る為の検討を行った。
その結果、樹脂粒子分散液L6,L7を用いてトナーを作製しようとしたが、樹脂粒子分散液の樹脂粒子が大きすぎて、11μm以下のトナーは得られなかったので、トナー評価を中断した。
<トナー比較例8〜11>
・樹脂粒子分散液L8を用いたトナー比較例T8では、D50が10.55、GSDvが1.61、形状係数SF1が130のトナーが得られ、
・樹脂粒子分散液L9を用いたトナー比較例T9では、D50が8.75、GSDvが1.41、形状係数SF1が133のトナーが得られた。
・樹脂粒子分散液L10を用いたトナー比較例T10では、D50が4.99、GSDvが1.32、形状係数SF1が126のトナーが得られた。
・樹脂粒子分散液L11を用いたトナー比較例T11では、D50が4.82、GSDvが1.26、形状係数SF1が126のトナーが得られた。
・樹脂粒子分散液L8を用いたトナー比較例T8では、D50が10.55、GSDvが1.61、形状係数SF1が130のトナーが得られ、
・樹脂粒子分散液L9を用いたトナー比較例T9では、D50が8.75、GSDvが1.41、形状係数SF1が133のトナーが得られた。
・樹脂粒子分散液L10を用いたトナー比較例T10では、D50が4.99、GSDvが1.32、形状係数SF1が126のトナーが得られた。
・樹脂粒子分散液L11を用いたトナー比較例T11では、D50が4.82、GSDvが1.26、形状係数SF1が126のトナーが得られた。
<キャリアの作製>
体積平均粒子径35μmのCu−Znフェライト粒子100部にγ−アミノプロピルトリエトキシシラン0.1部を含有するメタノール溶液を添加し、ニーダーで被覆した後、メタノールを留去し、さらに120℃で2時間加熱して上記シラン化合物を完全に硬化させた。この粒子に、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート−メチルメタクレート共重合体(共重合比40:60)をトルエンに溶解させたものを添加し、真空減圧型ニーダーを使用してパーフルオロオクチルエチルメタクリレート−メチルメタクレート共重合体のコーティング量が0.5重量%となるように樹脂被覆型キャリアを製造した。
体積平均粒子径35μmのCu−Znフェライト粒子100部にγ−アミノプロピルトリエトキシシラン0.1部を含有するメタノール溶液を添加し、ニーダーで被覆した後、メタノールを留去し、さらに120℃で2時間加熱して上記シラン化合物を完全に硬化させた。この粒子に、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート−メチルメタクレート共重合体(共重合比40:60)をトルエンに溶解させたものを添加し、真空減圧型ニーダーを使用してパーフルオロオクチルエチルメタクリレート−メチルメタクレート共重合体のコーティング量が0.5重量%となるように樹脂被覆型キャリアを製造した。
<現像剤の作製>
上述のように作製した各トナー8部を、得られた樹脂被覆型キャリア100部に投入しVブレンダーにて混合して、静電荷像現像剤を作製した。これを以下に示す評価において現像剤として使用した。上記のようにして作製した各現像剤を用いて、下記のトナー評価・画質評価を行った。
上述のように作製した各トナー8部を、得られた樹脂被覆型キャリア100部に投入しVブレンダーにて混合して、静電荷像現像剤を作製した。これを以下に示す評価において現像剤として使用した。上記のようにして作製した各現像剤を用いて、下記のトナー評価・画質評価を行った。
<トナー粒子、及び、画質の評価>
前記記載の方法にて得られた現像剤での定着、画質の評価は富士ゼロックス社製Docu Centre Color500CP改造機を用いて、定着温度140℃、プロセススピード=240mm/secにて下記の定着評価を行った。なお高湿度環境保管による評価は、蒸気改造機を35℃65%RHの環境に保管した後に評価を行った。
前記記載の方法にて得られた現像剤での定着、画質の評価は富士ゼロックス社製Docu Centre Color500CP改造機を用いて、定着温度140℃、プロセススピード=240mm/secにて下記の定着評価を行った。なお高湿度環境保管による評価は、蒸気改造機を35℃65%RHの環境に保管した後に評価を行った。
(1):2次色のGlossムラ評価(ΔGloss)
トナー実施例T1〜T5、並びにトナー比較例T6〜T11で作製したシアントナーと同様の方法で、樹脂粒子分散液L1〜L11を用いて着色剤粒子分散液をC1からY1に変更して2次色定着用にイエロートナーを作製した。
得られたシアントナーとイエロートナーの2次色で形成されるGreen色の5×5cmの未定着ベタ画像形成を行い、上記の定着方法にて定着を行った後、ベタ画像形成部の中央部と、その周辺を含めた5点についてGloss測定を行い、5点の測定値のうち、Gloss最大値と最小値の差の値(ΔGloss)により、以下のように判定した。
○:ΔGloss=(Gloss最大値)−(Gloss最小値)≦4
△:4<ΔGloss<5
×:5≦ΔGloss
得られた各トナーについて上記評価を行った結果、トナー実施例T1〜T5の方法により作製したトナーの2次色の定着ベタ画像を作成し、5点のGlossを測定した時のΔGlossは表3記載のように、4以下であり、目視でもGlossムラは確認されなかった。
一方でトナー比較例T6〜T11のトナーについては、比較例T11はΔGlossが2.4と4以下でありGlossムラは殆どなかったのに対し、比較例11を除き、全てΔGlossは、4以上であり、目視でもGlossムラが確認された。
トナー実施例T1〜T5、並びにトナー比較例T6〜T11で作製したシアントナーと同様の方法で、樹脂粒子分散液L1〜L11を用いて着色剤粒子分散液をC1からY1に変更して2次色定着用にイエロートナーを作製した。
得られたシアントナーとイエロートナーの2次色で形成されるGreen色の5×5cmの未定着ベタ画像形成を行い、上記の定着方法にて定着を行った後、ベタ画像形成部の中央部と、その周辺を含めた5点についてGloss測定を行い、5点の測定値のうち、Gloss最大値と最小値の差の値(ΔGloss)により、以下のように判定した。
○:ΔGloss=(Gloss最大値)−(Gloss最小値)≦4
△:4<ΔGloss<5
×:5≦ΔGloss
得られた各トナーについて上記評価を行った結果、トナー実施例T1〜T5の方法により作製したトナーの2次色の定着ベタ画像を作成し、5点のGlossを測定した時のΔGlossは表3記載のように、4以下であり、目視でもGlossムラは確認されなかった。
一方でトナー比較例T6〜T11のトナーについては、比較例T11はΔGlossが2.4と4以下でありGlossムラは殆どなかったのに対し、比較例11を除き、全てΔGlossは、4以上であり、目視でもGlossムラが確認された。
(2):高湿保管前後でのCyan低エリアカバレッジ画像のΔL*(AC5%画像濃度差)画質評価
実施例・比較例で作製したトナーは、室温環境で、上記Docu Centre Color500CP改造機を用いてCyan画像をエリアカバレッジ5%(A4サイズ)にて一枚プリントを行い、L*(保管前)の値を測定した。
その後、高温高湿環境に60日保管後、上記同様にエリアカバレッジ5%(A4サイズ)50,000枚プリントを行い、50,001枚目にプリントしたサンプルのL*の値を測定し、ΔL*=L*(保管前)−L*(60日保管後)の値を算出した。
ここでの判断基準は下記とする。
ΔL*=L*(保管前)−L*(60日保管後)が、
○:ΔL*<0.5
△;ΔL*=0.5〜0.6
×:ΔL*>0.6
実施例・比較例で作製したトナーは、室温環境で、上記Docu Centre Color500CP改造機を用いてCyan画像をエリアカバレッジ5%(A4サイズ)にて一枚プリントを行い、L*(保管前)の値を測定した。
その後、高温高湿環境に60日保管後、上記同様にエリアカバレッジ5%(A4サイズ)50,000枚プリントを行い、50,001枚目にプリントしたサンプルのL*の値を測定し、ΔL*=L*(保管前)−L*(60日保管後)の値を算出した。
ここでの判断基準は下記とする。
ΔL*=L*(保管前)−L*(60日保管後)が、
○:ΔL*<0.5
△;ΔL*=0.5〜0.6
×:ΔL*>0.6
得られた各トナーについて上記評価を行った結果、トナー実施例T1〜T5のトナー、及びトナー比較例T8〜T10のトナーはいずれもL*の変化は0.5より小さく、目視でも画像の明度の差は確認されなかった。しかし、トナー比較例T11の転相乳化により得られた樹脂粒子分散液から作製したトナーは、明度が0.6以上変化しており、目視でも保管前後で明度に違いが生じているのが確認できた。
(3):高湿保管前後での非画像部カブリの画質評価。
上記のようにして作製した現像剤を1週間、高温高湿度下保管後に、上記改造機を用いて細線画像を50,000枚プリントアウトした後、50,001枚目の定着した画質の細線間の非画像部分について、反射濃度計(X−Rite404、X−Rite社製)にて測定して、反射濃度が地カブリのところで0.01よりも大きい濃度増加があれば×、0.01以下であれば○とした。
上記のようにして作製した現像剤を1週間、高温高湿度下保管後に、上記改造機を用いて細線画像を50,000枚プリントアウトした後、50,001枚目の定着した画質の細線間の非画像部分について、反射濃度計(X−Rite404、X−Rite社製)にて測定して、反射濃度が地カブリのところで0.01よりも大きい濃度増加があれば×、0.01以下であれば○とした。
得られた各トナーについて上記評価を行った結果、トナー実施例T1〜T5のトナーを用いた場合、及び比較例3、5を用いた場合では、全くカブリが見られず、X−Rite404による非画像部の濃度測定でも0.01以下であった。
比較例3、4、6及び7のトナーを用いた時では、X−Rite404による非画像部の濃度測定では全て0.01以上の濃度増加が確認され、目視でもわずかにカブリが発生していることが認められた。
比較例3、4、6及び7のトナーを用いた時では、X−Rite404による非画像部の濃度測定では全て0.01以上の濃度増加が確認され、目視でもわずかにカブリが発生していることが認められた。
表1に記載された略号は以下の化合物を示す。
BPA−2EOはビスフェノールA エチレンオキサイド2モル付加物、BPA−2POはビスフェノールA プロピレンオキサイド2モル付加物、BPA−4EOはビスフェノールA エチレンオキサイド4モル付加物、BPEFはビスフェノキシエタノールフルオレン、CHDAは1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、PDAAはフェニレン二酢酸、TPAはテレフタル酸、DBSAはドデシルベンゼンスルホン酸を示す。
BPA−2EOはビスフェノールA エチレンオキサイド2モル付加物、BPA−2POはビスフェノールA プロピレンオキサイド2モル付加物、BPA−4EOはビスフェノールA エチレンオキサイド4モル付加物、BPEFはビスフェノキシエタノールフルオレン、CHDAは1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、PDAAはフェニレン二酢酸、TPAはテレフタル酸、DBSAはドデシルベンゼンスルホン酸を示す。
表2に記載されたS.C可否の評価基準は以下の通りである。
S.C≧25重量%・・・○
15重量%<S.C<25重量%・・・△
S.C≦15重量%・・・×
S.C≧25重量%・・・○
15重量%<S.C<25重量%・・・△
S.C≦15重量%・・・×
Claims (11)
- 重縮合樹脂を含む樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液において、
前記樹脂粒子分散液中に含まれる硫黄元素濃度をA(at%)、窒素元素濃度をB(at%)とした場合に、
前記樹脂粒子分散液が
1.0×A≦B≦400×A
を満たし、
遠心分離可能な、酸価が15mgKOH/g以上50mgKOH/g以下の高酸価の重縮合樹脂(1)及び酸価が15mgKOH/g未満である低酸価の重縮合樹脂(2)を含むことを特徴とする
静電荷像現像用トナー用樹脂粒子分散液。 - 前記樹脂粒子分散液が前記高酸価の重縮合樹脂(1)を0.1〜30重量%含み、前記低酸価の重縮合樹脂(2)を70〜99.9重量%含む請求項1に記載の静電荷像現像用トナー用樹脂粒子分散液。
- 前記樹脂粒子のメジアン径が0.1μm〜2.0μmである請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー用樹脂粒子分散液。
- 前記重縮合樹脂が多価カルボン酸及びポリオールを重縮合反応させて得たものであり、
前記多価カルボンの50〜100mol%が式(1)で表される化合物及び/又は式(2)で表される化合物よりなり、
前記ポリオールの50〜100mol%が式(3)で表される化合物よりなる請求項1〜3いずれか1つに記載の静電荷像現像用トナー用樹脂粒子分散液。
R1OOCA1 mB1 nA1 lCOOR1' (1)
(A1:メチレン基、B1:芳香族炭化水素基、R1、R1':水素原子又は1価の炭化水素基、1≦m+l≦12、1≦n≦3)
R2OOCA2 pB2 qA2 rCOOR2' (2)
(A2:メチレン基、B2:脂環式炭化水素基、R2、R2':水素原子又は1価の炭化水素基、0≦p≦6、0≦r≦6、1≦q≦3)
HOXh−Ph−Y−Ph−XkOH (3)
(X:アルキレンオキサイド基、Y:C(CH3)2又はフルオレン構造、1≦h≦4、1≦k≦4) - 硫黄元素が硫黄酸により供給され、窒素元素が塩基性物質により供給される請求項1〜4いずれか1つに記載の静電荷像現像用トナー用樹脂粒子分散液。
- 前記樹脂粒子分散液のpHが8.0〜11.0である請求項1〜5いずれか1つに記載の静電荷像現像用トナー用樹脂粒子分散液。
- 硫黄酸の存在下で重縮合性単量体の重縮合反応を行い、酸価が15mgKOH/g以上50mgKOH/g以下である高酸価の重縮合樹脂(1)を得る工程、
硫黄酸の存在下で重縮合性単量体の重縮合反応を行い、酸価が15mgKOH/g未満である低酸価の重縮合樹脂(2)を得る工程、
重縮合樹脂の総量に対して0.1〜30重量%の前記高酸価の重縮合樹脂(1)及び重縮合樹脂の総量に対して70〜99.9重量%の前記低酸価の重縮合樹脂(2)を混合する工程、並びに、
前記重縮合樹脂(1)及び前記重縮合樹脂(2)の混合物に窒素元素を含む塩基性物質を添加して乳化分散させる工程を含む
静電荷像現像用トナー用樹脂粒子分散液の製造方法であって、
前記樹脂粒子分散液に含まれる硫黄元素濃度をA(at%)、前記樹脂粒子分散液に含まれる窒素元素濃度をB(at%)としたとき、
1.0×A≦B≦400×Aである
静電荷像現像用トナー用樹脂粒子分散液の製造方法。 - 少なくとも樹脂粒子を含む分散液中で前記樹脂粒子を凝集させて凝集粒子を得る工程、及び、前記凝集粒子を加熱して融合させる工程を含む静電荷像現像用トナーの製造方法であって、前記樹脂粒子分散液が、請求項7に記載の製造方法により製造された静電荷像現像用トナー用樹脂粒子分散液である静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 請求項8に記載の製造方法により製造された静電荷像現像用トナー。
- 請求項9に記載の静電荷像現像用トナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤。
- 潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程、前記潜像保持体表面に形成された静電潜像を、トナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程、前記潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写工程、及び、前記被転写体表面に転写されたトナー像を熱定着する定着工程を含む画像形成方法であって、前記トナーとして請求項9に記載の静電荷像現像用トナー、又は、前記現像剤として請求項10に記載の静電荷像現像剤を用いる画像形成方法。
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-
2006
- 2006-12-28 JP JP2006355388A patent/JP2008165005A/ja not_active Withdrawn
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