以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態に係る用紙処理装置について説明をする。
図1は、本発明に係る実施形態としての用紙処理装置を応用したバインド装置100の構成例を示す概念図である。
図1に示すバインド装置100は用紙処理装置の一例を構成し、コピー機や印刷装置から出力される記録紙(以下単に用紙3という)にパンチ処理をし、所定の位置に各々穿孔された孔部の位置を揃え、かつ、複数枚の用紙3を束ねて用紙束にする。バインド装置100では、更に、所定の綴じ部品(消耗品)43で綴じ処理をして排出するようになされる。
バインド装置100は装置本体部(筐体)101を有している。バインド装置100は複写機や印刷機(画像形成装置)等と並べて使用されることが好ましく、装置本体部101は、複写機や印刷機等と同程度の高さを有している。
装置本体部101内には、用紙搬送手段の一例を構成する用紙搬送部10が備えられる。用紙搬送部10は、第1の搬送路11及び第2の搬送路12を有している。搬送路11は、給紙口13及び排出口14を有しており、給紙口13から引き込んだ用紙3を所定の位置となる排出口14へ向けて搬送するスルーパス機能を有している。
ここにスルーパス機能とは、上流側の複写機や印刷機等と下流側の他の用紙処理装置の間に位置する搬送路11が、複写機や印刷機等から他の用紙処理装置へ用紙3を直接受け渡す機能をいう。このスルーパス機能が選択された場合は、後述する搬送ローラの加速処理やバインド処理等を省略するようになされる。用紙3は、通常、片面コピーの場合に、フェースダウンの状態で送られてくる。給紙口13には給紙センサ111が取付けられ、用紙3の先端を検知して給紙検知信号S11を制御部50へ出力するようになされる。
搬送路12は、当該搬送路11から搬送経路を切り替え可能なスイッチバック機能を有している。ここにスイッチバック機能とは、搬送路11の所定の位置で用紙3の搬送を減速及び停止し、その後、搬送路11から搬送路12に用紙3の搬送経路を切り替え、かつ、当該用紙3を逆方向に送出する機能をいう。搬送路11には、フラップ15が設けられ、搬送経路を搬送路11から搬送路12に切換えるようになされる。
また、搬送路11と搬送路12との切換え点には、3連の搬送ローラ17c、19a’、19aが設けられる。搬送ローラ17c及び19aは時計方向回りに回転し、搬送ローラ19a’は反時計方向回りに回転する。例えば、搬送ローラ19a’が駆動ローラで搬送ローラ17c及び19aが従動ローラとなっている。搬送ローラ17c及び19a’により取り込まれた用紙3は、減速及び停止するが、フラップ15が上方位置から下方位置に切り換えられると、搬送ローラ19a’及び19aにより給紙されて搬送路12に搬送される。3連の搬送ローラ17c、19a’、19aの手前には用紙検知センサ114が配設され、用紙の前端及び後端側を検知して用紙検知信号S14を制御部50へ出力するようになされる。
搬送路12の下流側には、パンチ処理部20が配置されている。この例で、上述の搬送路11と搬送路12との間は、所定の角度を有するように設計されている。例えば、搬送路11の搬送面とパンチ処理部20の用紙被穿孔面の間には、第1の俯角θ1が設定されている。ここに用紙被穿孔面とは、用紙3に孔を穿孔する面をいう。パンチ処理部20は、搬送路11の搬送面を基準にして俯角θ1を有する位置に用紙被穿孔面を設定するように配置される。
パンチ処理部20では、搬送路11からスイッチバックし、搬送路12によって搬送される用紙3の一端に二以上の綴じ用の孔(以下パンチ孔3aという)を穿孔するようになされる。パンチ処理部20は、例えば、往復動作可能なパンチ刃21を駆動するモータ22を有している。用紙3はモータ22によって駆動されるパンチ刃21によって、1枚づつ穿孔される。
パンチ処理部20内には、孔あけ位置の基準となる開閉可能なフェンス24が設けられ、用紙3を当てつけるように使用される。更に、パンチ処理部20には、サイドジョーガー23が設けられ、用紙3の姿勢を修正するようになされる。例えば、用紙3の先端が開閉可能なフェンス24に均等に当接するようになされる。フェンス24は用紙端部の揃え時の位置基準となる。サイドジョーガー23の手前には用紙検知センサ118が配設され、用紙の前端及び後端を検知して用紙検知信号S18を制御部50へ出力するようになされる(図19参照)。
パンチ処理部20は、用紙3をフェンス24に当接させて停止させ、その後、当該用紙3の先端を穿孔する。なお、パンチ処理本体の下方には、パンチカス収納部26が設けられ、パンチ刃21によって切り落とされたパンチカスを収納するようになされる。パンチ処理部20の下流側には、排出ローラ25が設けられ、用紙穿孔後の用紙3’を次段のユニットに搬送するようになされる。
この例で、パンチ処理部20の下流側には、1ブロック化された用紙揃え&綴じ処理ユニット110が備えられる。用紙揃え&綴じ処理ユニット110は、バインダ紙揃えユニット30を有しており、パンチ処理部20から排紙される複数枚の用紙3’のパンチ孔3aの位置を揃えて一時保留(蓄積)するようになされる。
バインダ紙揃えユニット30は、搬送部11の搬送面を基準にして第2の俯角θ2を有する位置に用紙保留面を設定するように配置される。ここに用紙保留面とは、パンチ孔3aが形成された用紙3’を保留(積層)する面をいう。この例では、俯角θ1と俯角θ2との関係がθ1<θ2に設定される。俯角θ1に関しては、0°<θ1<45°に設定され、俯角θ2に関しては、0°<θ2<90°に各々設定される。この設定は本体装置101の幅を縮小化するため、及び、この条件下で用紙3’を直線的に搬送するためである(図2参照)。
用紙揃え&綴じ処理ユニット110の下流側には、排出ユニット60が配置され、バインド処理部40により作成された冊子90を排出処理するようになされる。排出ユニット60は、例えば、第1のベルトユニット61、第2のベルトユニット62及びスタッカ63を有して構成される。
ベルトユニット61は、バインダ紙揃えユニット30から落下してくる冊子90を受止めて送出方向を切換えるようになされる。例えば、バインダ紙揃えユニット30の用紙搬送方向を見通せる位置から所定の排出方向へベルトユニット本体を振り向けるようになされる。
ベルトユニット62は、ベルトユニット61によって送出方向が切換えられた冊子90を受け取ってリレー搬送するようになされる。スタッカ63は、ベルトユニット61及び62によって搬送されてくる冊子90を溜め込むようになされる。
図2は、用紙揃え&綴じ処理ユニット110の構成例を示す正面図である。図2に示す用紙揃え&綴じ処理ユニット110は、図1に示したバインド装置100に実装されるものであり、バインダ紙揃えユニット30の他に、バインド処理部取付け用のシャーシ45を有して構成される。
シャーシ45は、図2に示すような所定形状を有しており、バインダ紙揃えユニット30及びバインド処理部40を支持するようになされる。例えば、図2において、シャーシ45の左端側の上部が閉鎖され、下部が開放され、正面にはバインダカセット装着領域が設けられ、左端側及び背面側が閉鎖された筐体状を成している。
シャーシ45の前面の所定の位置には、凸状の被係合部46が下部に、及び、被係合部47が上部に備えられ、図示せずも、その背面の所定の位置にも、凸状の被係合部46及び被係合部47を備え、バインダ紙揃えユニット30をシャーシ45の左側面で支持するようになされる。
バインダ紙揃えユニット30は本体基板900を有しており、本体基板900の両側面には平行四辺形状の右端フレーム92a、左端フレーム92bが備えられる(図7参照)。左端フレーム92bには、例えば、U形状を有した下部係合用の溝部929、同様にして上部係合用の溝部930が設けられる。シャーシ45の凸状の被係合部46には下部係合用の溝部929が引っ掛けられ、その凸状の被係合部47に上部係合用の溝部930が各々引っ掛けられて固定され、バインダ紙揃えユニット30とバインド処理部40とが一体化される。
更に、バインダ紙揃えユニット30において、右端フレーム92a、左端フレーム92b及び本体基板900に囲まれた領域内は、各種機構部品を実装する部品実装領域II、IIIとなされている。この例では、部品実装領域II及びIIIを区分する境界、この例では平行四辺形状を成す左端フレーム92bの対角線上に、用紙固定移動機構の一例を構成するクランプ移動機構80が配置される。クランプ移動機構80は、用紙穿孔後の用紙3’を積層した用紙束3”をクランプ部材で保持して用紙搬送方向に移動するようになされる。
このクランプ移動機構80の取り付け位置を基準にして右側の部品実装領域IIIには、用紙カール押え機構31及びパドルローローラ37が配置されている。用紙カール押え機構31は、当該ユニット30において、用紙進入口付近に配置され、紙進入時にバインダ紙揃えユニット30の所定の位置(用紙保留部32等)に用紙3’を案内し、紙進入完了時に用紙3’の後端側を押えるようになされる。バインダ紙揃えユニット30は、用紙先端及び端部幅揃え機能を有している。この例では、当該ユニット30に多櫂状の回転部材(以下パドルローラ37という)が設けられ、紙進入時、用紙3’の先端を基準位置に当接すると共に、側端部を幅寄せして用紙束を揃えるようになされる。図2に示すハンドル型のクランプレバー840は、クランプ解除時に使用される(図22参照)。
上述のクランプ移動機構80を基準にして左側の部品実装領域IIには、整列ピン駆動機構91が配置され、用紙3’に開けられたパンチ孔3aを利用して用紙束3’を揃え直すようになされる。上述の整列ピン駆動機構91の下流側には、バインド処理部40が配置され、バインダ紙揃えユニット30によって揃えられた複数枚の用紙束3”を綴じ部品43で綴じて冊子90を作成するようになされる。冊子90とは、綴じ部品43が嵌合され綴じられた用紙束3”をいう。
バインド処理部40は、綴じ部品43を装着されたバインダカセット42及び、綴じ処理用の移動機構41を有して構成される。移動機構41は、バインダ紙揃えユニット30の用紙搬送路Iと、上述した搬送部11の搬送方向と直交する位置との間を往復移動するように動作する。バインド処理部40は、バインダ(綴じ部品)カセット42を有している。バインダカセット42には、複数個の綴じ部品がセットされる。綴じ部品43は、例えば、射出成形され、用紙束3”の厚みに応じた複数種類が準備される。
また、シャーシ45の前面下部には、綴じ処理用の移動機構41が取付けられる。この例で、シャーシ45の前面下部は、下方に進むにつれて幅が狭くなされる。この部分には、円弧状の長孔ガイド部441及び長孔ガイド部442と、U形状の軸受け部401とが各々設けられる。
この例で、移動機構41の所定の位置には、移動機構回転軸41d、ガイド用の突起部48及び駆動軸規制用のギヤ軸部49が設けられる。移動機構回転軸41dは、上述の軸受け部401に可動自在に係合され、突起部48は、長孔ガイド部441に係合され、ギヤ軸部49は、長孔ガイド部442に可動自在に係合される。綴じ処理時、移動機構回転軸41dを基準にして、移動機構41は、長孔ガイド部441,49に沿って、図中、矢印Yに示す円弧状に規制されて動作する。
一方、クランプ移動機構80は、その下方先端両側にローラ部材817,818を備えており、移動機構41は、その上方先端両側にY形状部44a,44bを備えている。この例で、綴じ部品43をバインド処理する際に、クランプ移動機構80の用紙固定移動部880のみが自重落下して自己整合的に、ローラ部材817がY形状部44aに嵌合し、ローラ部材818がY形状部44bに嵌合するようになされる。このように、ローラ部材817,818がY形状部44a,44bに嵌合されることで、移動機構41が一直線上に連結され、用紙束3”のセンター位置が綴じ部品43のセンター位置に案内される構造となされている。
移動機構41は、バインダカセット42から1個の綴じ部品43を引き抜いて保持し、この状態で、バインダ紙揃えユニット30の用紙搬送方向Iを見通せる位置に回動する。この位置で、移動機構41は、バインダ紙揃えユニット30から、パンチ孔3aが位置揃えされた用紙束3”を受入れ、そのパンチ孔3a(図3参照)に綴じ部品43を挿入して綴じ処理を実行する(自動製本機能)。
続いて、本発明に係る用紙処理方法について説明する。図3A〜Dは、バインド装置100の機能例を示す工程図である。
図3Aに示す用紙3は、当該バインド装置100の上流側から給紙されたものである。パンチ孔3aが開孔されていないものである。用紙3’は、図1に示した搬送路11の所定の位置に向けて搬送され、搬送路11の所定の位置で減速及び停止される。その後、搬送路11から搬送路12に用紙3’の搬送経路が切り替えられ、かつ、当該用紙3を逆方向に送出されてパンチ処理部20に搬送される。
パンチ処理部20では、図3Bに示すように用紙3の一端に所定の数の綴じ用の孔が穿孔される。綴じ用のパンチ孔3aが形成された用紙3’は、バインダ紙揃えユニット30へ搬送される。バインダ紙揃えユニット30では、用紙3’が予め設定された用紙枚数に到達し、図3Cに示す用紙束3”となると、その綴じ用のパンチ孔3aの位置が揃えられ、バインド処理部40と協調して綴じ部品43をそのパンチ孔3aへ挿入するようになされる。これにより、綴じ部品43が挿通された、図3Dに示すような冊子90を得ることができる。
図4は、バインダ紙揃えユニット30の構成例を示す斜視図であり、シャッター83を開口した状態を示している。図5は、その用紙カール押え機構31及び周辺機構の構成例を示す斜視図である。
図4に示すバインダ紙揃えユニット30は、図1に示した用紙搬送部10によって搬送される複数枚の用紙3’を基準位置に当接して用紙束3”のパンチ孔3aの位置を揃え積層して一時保留するものである。バインダ紙揃えユニット30は用紙保留部32を有している。バインダ紙揃えユニット30は、用紙進入口付近に用紙カール押え機構31を有している。
用紙カール押え機構31は、紙進入時に、用紙保留部32に用紙3’を案内し、紙進入完了時に用紙3’の後端側を押えるようになされる。用紙保留部32は、用紙3’を蓄積して一時保留する。
用紙保留部32の用紙搬出口付近には、シャッター83が備えられ、用紙束揃え時には用紙束搬送路Iが閉鎖される。シャッター83の内側(用紙保留部32側)では、クランプ移動機構80の可動用のアッパーアーム801b及び固定用のロアアーム801aから成るクランプ部材が開放され、この状態で用紙3’が束ねられる。用紙搬出時には、シャッター83が開口され、アッパーアーム801b及びロアアーム801aにより用紙束が挟持されて次工程に搬出される。
図5に示す用紙カール押え機構31は、図4に示したバインダ紙揃えユニット30から取り出したもので、カールフェンス部34a,34b、リヤガイド部(導入ガイド)304a,304b(図45参照)及びカールガイド部(走行ガイド)305a,305b等を備えている。
用紙保留部32の用紙進入口付近の左右には、カールフェンス部34a,34bが設けられる。カールフェンス部34a,34bは、リヤガイド部304a,304b、カールガイド部305a,305bによって案内された用紙3’の後端側を押えると共に次の用紙3’の先端部を受け入れる動作をする。
左右のカールフェンス部34a,34bは、動力伝達軸(カールフェンスシャフト)307に取り付けられている。動力伝達軸307に一端には、減速歯車309を介してモータ301が取り付けられる。モータ301は駆動部の一例を構成し、カールフェンス部34a,34bを所定の方向に回転する。
カールフェンス部34aは、円盤状の回転本体部341及び複数の突起部342を有して構成される。回転本体部341は軸部341aを有している。軸部341aには、動力伝達軸307が取り付けられる。回転本体部341の円周部分には、例えば、90°置きに4個の突起部342が配置される。各々の突起部342は、軸部341aと平行する方向に突出した形状を有している。このようにカールフェンス部34aを構成すると、用紙揃え一時保留中、その突起部342でカール状の用紙3’を押えることができる。
例えば、突起部342が用紙進入毎に上方に巡回されることで、積層中の用紙3’のカール部位を押える状態を維持できるようになる。なお、カールフェンス部34bの構造及び機能に関しても、カールフェンス部34aと同様に構成され、かつ同様に機能するので、その説明を省略する。
左右のカールフェンス部34a,34bの近傍には、リヤガイド部304a,304bが設けられる(図4参照)。リヤガイド部304a,304bは、当該バインダ紙揃えユニット30へ進入する用紙3’の先端部を所定の方向へ案内するようになされる。
上述のリヤガイド部304a,304bは、図示しないへら状の突出片を有して回転可動な構造を備えている。この回転構造によって、突起部342の直近まで、用紙3’をガイドする構成とすることができ、カールした用紙3’が進入してきた場合であっても、突起部342に激突する事態を防止でき、この衝突を原因とするジャムを防止できるようになる。
上述のカールフェンス部34a,34b間を接続した動力伝達軸307の下方には、カールガイド部305a,305bが設けられる(図4参照)。カールガイド部305a,305bは、リヤガイド部304a,304bによって案内される用紙3’を用紙保留部32に案内するようになされる。カールガイド部305a,305bは、用紙保留部32の用紙整列面から離れた位置に固定された構造を有している。例えば、カールガイド部305a,305bは、用紙進入口の左右に渡された1組のガイド支持棒303a,303bに固定される。
ガイド支持棒303bにはアッパーガイド310が取り付けられ、用紙3’の後端部を保持し、用紙保留部32に案内するようになされる。カールガイド部305a,305bは、例えば、樹脂による射出成形品で、上から見たとき、底部位が円弧状のR面を有している。もちろん、カールガイド部305a,305bに板金製のものを使用してもよい。大きさは、幅20mm乃至30mmで、長さ60mm乃至80mm程度である。高さは8mm乃至10mm程度である。このようにすると、カール状の用紙3’が進入した場合に、その用紙3’が持ち上がろうとする力を緩和でき、カール状の用紙3’の進入を原因とするジャムを防止できる。
上述のリヤガイド部304aは、カールフェンス部34aと連動するカム311に係合している。用紙進入完了時、カム311の駆動によってカールフェンス部34aの回転軌跡から退避(待避)するようになされる。例えば、リヤガイド部304aのカム311は、フォロアリングで結合されており、カールフェンス部34aの回転と連動するようになされている。このようにすると、カールフェンス部34aが回転すると同時にリヤガイド部304aも回動し、用紙進入完了時、カールフェンス部34aの回転軌跡から退避し、突起部と干渉するのを防止できるようになる。
しかも、リヤガイド部304aを回転可能にしたことで、突起部342の直近まで、ガイド構成することができ、ジャムを防止できるようになる。なお、カム311及びフォロアリングに関して、カールフェンス部34bも、カールフェンス部34aと同様に構成され、かつ同様に機能するので、その説明を省略する。
上述の動力伝達軸307に他端には、カールフェンスホームポジション検知用の所定形状(この例では四つ葉状)を有したディスク307aが取り付けられる。このディスク307aと係合される位置には、カールフェンスホームポジション検知用のセンサ(以下HPセンサ117という)が備えられる。HPセンサ117は、モータ301によって回転されるカールフェンス部34a,34bの停止位置を検出するようになされる。HPセンサ117には透過型の光学センサ(発光&受光素子)が使用される。
図4に示した用紙保留部32の用紙搬出口の内側には、図5に示すようなサイドジョーガー70(幅寄せ機構)が備えられ、用紙束整列時に、用紙束3”の片側から幅寄せ部材を押し当てて、用紙3’の幅を揃えるようになされる(第1のプレ整列処理)。第1のプレ整列処理は、用紙3’の側端部を揃える用紙端部整列処理である。
この例で、サイドジョーガー70の下流側、すなわち、ユニット本体の用紙搬出口付近には整列ピン駆動機構91(図7参照)が備えられ、用紙3’に開けられたパンチ孔3aを利用して用紙束3’を揃え直すようになされる(第2の整列処理)。第2の整列処理は、用紙3’の先端を揃え直す用紙先端整列処理である。用紙搬出時には、サイドジョーガー70における幅寄せ部材が用紙束3”の両側に退避するようになされる。用紙束搬送路Iに余裕を持たせるためである。
用紙保留部32の用紙搬出口の内側には、サイドジョーガー70の他に、繰り出しローラ33(図示せず)及びプレスローラ38(図4参照)が配置され、用紙束3”を次工程に排出する際に、用紙束3”を表裏から加圧するようになされる。
用紙搬出口には、シャッター83が設けられ、用紙束搬送路Iを開閉するように動作する。例えば、シャッター83が開口されると、上述の繰り出しローラ33及びプレスローラ38で用紙束3”を用紙束搬送路Iに沿って搬送(排紙)するようになされる。このように用紙搬出用のローラを構成すると、綴じ部品43で用紙束3”を綴じない場合であっても、束状態を維持したまま用紙束3”を次工程に搬出できるようになる。
図6は、バインダ紙揃えユニット30におけるサイドジョーガー70の構成例を示す斜視図である。
この例で、サイドジョーガー70は、用紙3’の端面基準となる幅寄せ基準ガイド72bと、用紙3’を1枚毎に幅寄せ基準ガイド72bに押し付ける幅寄せガイド72aとが用紙幅方向に対向して配置され、幅寄せガイド72aと幅寄せ基準ガイド72bとを共に独立して駆動するようになされる。サイドジョーガー70は、例えば、用紙3’を1枚毎に寄せ基準側に押し付けて整列するようになされる。これにより、バインダ紙揃えユニット30に一時保留された用紙3’の幅を揃えることができる。
図6に示すサイドジョーガー70は、図4に示したバインダ紙揃えユニット30内に設けられる。サイドジョーガー70は、本体筐体部71、幅寄せガイド72a、幅寄せ基準ガイド72b、レール73a,73b、モータ74a,74b、移動ステージ75a,75bを有して構成される。
本体筐体部71は、上面部位と背面部位を有して構成される。本体筐体部71は、鉄板を折り曲げ加工して箱状体に形成されている。箱状体の上面部位は開放されている。この例で、本体筐体部71の背面部位は、モータ取り付け領域となされている。その上面部位は、移動ステージ領域となされている。
移動ステージ領域には、幅寄せガイド72a、幅寄せ基準ガイド72b、レール73a,73b及び移動ステージ75a,75bが配置される。例えば、本体筐体部71の内部の両壁面間にはレール73a,73bが渡橋するように設置されている。レール73a,73bは、2本の丸棒を本体筐体部71の右側端及び左側端を貫く位置で固定するように取り付けられる。このレール73a,73bには1組の移動ステージ75a,75bが左右に移動自在に係合される。
移動ステージ75a,75bは、例えば、樹脂成形部品から構成され、この移動ステージ75a,75bには、左右を貫くような開口部(図示せず)が設けられ、この開口部にレール73a,73bが通される。もちろん、開口部にレール73a,73bを通す形態に限られることはなく、移動ステージ75a,75bに駆動輪を取り付けてレール73a,73b上を走行する形態をとってもよい。
移動ステージ75aの上部左端には幅寄せ基準ガイド72bが取り付けられ、その上部右端には幅寄せガイド72aが取り付けられる。紙寄せガイド72a及び幅寄せ基準ガイド72bは例えば、鉄板を変形コ字状に折り曲げ加工したものが使用される。幅寄せガイド72a及び幅寄せ基準ガイド72bは、上流側が広く、下流側が狭くなされている。これは、カール状の用紙3’を用紙保留部32の先端に再現性良くガイドするためである。
幅寄せガイド72a及び幅寄せ基準ガイド72bの上流側は、紙案内用に上端部が跳ね上がった形状(フラップ)を有し、かつ、下端部は反対に垂下した形状を有している。これらの形状は、パンチ処理部20から送られてくる用紙3’をパドルローラ37と共にクランプ移動機構80へ案内するために設けられる。
また、本体筐体部71の背面部位に設けられたモータ取り付け領域には、モータ74a,74bが取り付けられる。モータ74a,74bには各々ステッピングモータが使用される。モータ74a,74bでは、それらのモータ回転軸が本体筐体部71の背面部位から上面部位に貫通して設けられる。
この例では、本体筐体部71の上面部位側には、従動用のプーリー77a、77bが取り付けられる。ベルト駆動用のプーリー76aと従動用のプーリー77aとの間に無終端状のベルト78aが係合される。同様にして、ベルト駆動用のプーリー76bと従動用のプーリー77bとの間に無終端状のベルト78bが係合される。
上述の移動ステージ75a、75bがベルト駆動されるように、ベルト78a,78bの一部と移動ステージ75a,75bとを係合することで、紙寄せガイド72a及び幅寄せ基準ガイド72bを用紙搬送方向と直交する方向で移動可能な構成とすることができる。
図7は、整列ピン駆動機構91の構成例を示す斜視図である。図7に示す整列ピン駆動機構91は、図4に示したバインド紙揃えユニット30から抽出したものであり、パンチ孔3aが開けられた用紙束3”をそのパンチ孔3aを基準にして揃え直すものである。図7に示す用紙束3”は、ピン整列前に、アッパーシャフト803及びロアシャフト804を介してクランプ移動機構80によって挟持されている状態である。
整列ピン駆動機構91は、バインダ紙揃えユニット30のベースや、クランプ移動機構80のベースとなる本体基板900に備えられ、整列ピン85a,85b、モータ89、整列ピンホームポジションセンサ(以下HP検知センサ93という)及び整列ピン上端検知用のセンサ(以下上端検知センサ94という)を有して構成される。
本体基板900の各々の側には、所定形状の右端フレーム92a(右端側面用の躯体)及び左端フレーム92b(左端側面用の躯体)が設けられている。この例で、右端フレーム92aは、2つの摺動溝931及び922を有しており、左端フレーム92bは、2つの摺動溝932及び924を有している。これらの摺動溝921〜924には、図8に示す用紙固定移動部880が用紙搬送方向Iに移動自在に取り付けられる。用紙固定移動部880は、本体基板900や左右端フレーム92a,92bに取り付けられるクランプ開閉駆動部881(図10参照)から独立して下流側へ移動するようになされる。
この例で、本体基板900は、鉄板を折り曲げ加工したものが使用され、右端フレーム92a及び左端フレーム92bを支持するように取り付けられる。右端フレーム92a及び左端フレーム92bには、モータ取り付け領域が設けられ、右端フレーム92aにはクランパ82aの取り付け領域が設けられ、左端フレーム92bにはクランパ82bの取り付け領域が各々設けられている。
図7に示す右端フレーム92aの所定位置には、V溝部925が設けられ、左端フレーム92bの所定位置にもV溝部926が設けられる。この例では、用紙束整列時、右端側のロアアーム801aのロアシャフト804がV溝部925に係合され、左端側のロアアーム801aのロアシャフト804がV溝部926に係合される。用紙束移動時には、右端側のロアアーム801aのロアシャフト804がV溝部925から外され、左端側のロアアーム801aのロアシャフト804がV溝部926から各々外される。
このようにすると、用紙束整列時、左端側及び右端側のロアアーム801aを拘束状態とすること、及び、用紙束移動時、ロアアーム801aを非拘束状態とすることができる。しかも、用紙束移動時、用紙束3”がバインダ紙揃えユニット30の用紙束搬送路Iの底部から離れるので、バインド処理部40の所定綴じ位置(センター)に案内する際の用紙束3”の屈曲を緩和できるようになる。これにより、用紙束3”の傷や痛み、用紙ずれを防止できるようになる。
また、本体基板900には整列ピン用のモータ89が取り付けられ、整列ピン85a,85bを上下に駆動するようになされる。モータ89には、DCモータが使用される。モータ89には減速歯車98(ギヤユニット)が係合され、モータ回転数を所定の減速比に変換する。減速歯車98には、アップダウン用のラック部材(以下UDラック95という)が係合され、所定の減速比に変換された回転力に基づいて上下動する。
UDラック95の一端には所定形状のプレート97の一端が接合されている。プレート97の他端には、所定形状のアーム99a,99bが回転軸を共通にして係合されている。アーム99a,99bはその中央を回転軸に軸支された先述の回転軸を基準にしてX状に開いたり、真一文字に閉じたりなされる(図8,図9参照)。
この例で、アーム99a,99bの一端は、本体基板900の所定の位置に回転自在かつスライド自在に係合される。アーム99a,99bの他端には、所定形状のリンク96が回転自在かつスライド自在に係合される。リンク96は、例えば、逆π形状を成しており、アーム99aの他端は、逆π形状の一端に回転自在かつスライド自在に係合され、アーム99bの他端は、その他端に回転自在かつスライド自在に係合される。
リンク96の一方の端部には整列ピン85aが係合され、リンク96の他方の端部には整列ピン85bが係合される。整列ピン85a,85bは、整列用の棒状体の一例を構成し、用紙保留部32に一時保留された複数枚の用紙束3”のパンチ孔3aを揃えるようになされる。例えば、整列ピン85a,85bは、用紙3’の所定の2カ所のパンチ孔3aに貫通される(図3a参照)。
なお、左端フレーム92bの所定の位置にはHP検知センサ93が取り付けられ、整列ピン85a,85bのホームポジション(下端)位置を検知してHP検知信号S93を出力する。左端フレーム92bにおいて、HP検知センサ93の上方の所定の位置には上端検知センサ94が取り付けられ、整列ピン85a,85bの上端位置を検知して上端検知信号S94を出力するようになされる(図19参照)。このように整列ピン駆動機構91を構成し、モータ89を回転すると、整列ピン85a,85bを上下に駆動できるようになる。
続いて、整列ピン駆動機構91における整列ピン85a,85bの動作例について説明する。図8は、整列ピン駆動機構91におけるピン貫通前の動作例を示す斜視図である。図中、説明を明確にするため、右端フレーム92a、左端フレーム92b、シャッター83及び本体基板900を省略している。
図8において、ホームポジション(HP)に位置する整列ピン85a,85bは、紙揃え動作時、用紙束搬送路Iの外側に退避している。HP検知センサ93は、整列ピン85a,85bのホームポジション位置を検知してHP検知信号S93を制御部50へ出力する。
図9は、整列ピン駆動機構91におけるピン貫通時の動作例を示す斜視図である。図9において、ピン整列を行う際は、可動用のクランプ部材(アッパーフレーム801b)を開放した状態で、固定用のクランプ部材(ロアフレーム801a)側から整列ピン85a,85bが突出する。例えば、図8に示したホームポジションHPにおいて、モータ89がONされ、モータが時計方向に回転すると、減速歯車98が時計方向に回転する。減速歯車98が時計方向に回転すると、UDラック95がアップ方向に移動する。
UDラック95がアップ方向に移動すると、閉じ姿勢に有ったアーム99a,99bの回転軸をアップ方向に引き上げる。アーム99a,99bの回転軸を引き上げると、当該アーム99a,99bがX状に開く。アーム99a,99bをX状に開くことで、リンク96が引き上げられる。リンク96が引き上げられることで、整列ピン85a,85bがアップ方向へ引き上がる。この結果、用紙束3”のパンチ孔3aに整列ピン85a,85bが貫通する。上端検知センサ94は、整列ピン85a,85bの上端位置を検知して上端検知信号S94を制御部50へ出力する。これにより、整列ピン85a,85bをパンチ孔3aに挿入して用紙束3”を整列させることができる。
図10は、バインダ紙揃えユニット30における第1の実施例としてのクランプ移動機構80の構成例を示す斜視図である。
この例では、用紙束3”が整列された後、クランプ移動機構80では、用紙固定移動部880のみを用紙束毎に綴じ工程へ移動するようになされる。図10に示すクランプ移動機構80は用紙固定移動機構の一例を構成し、本体基板900、シャッター83、クシ型の押え部材84a,84b、用紙固定移動部880及びクランプ開閉駆動部881を有して構成される。
用紙固定移動部880とクランプ開閉駆動部881とが独立した構造を成している。この例では、用紙束整列時、用紙固定移動部880とクランプ開閉駆動部881とが係合され、用紙束移動時、用紙固定移動部880とクランプ開閉駆動部881とが分離される。これは、用紙束3”を固定した状態で、用紙固定移動部880をバインド処理部40へ自重落下できるようにするためである。
用紙固定移動部880は、本体基板900の両側の右端フレーム92a、左端フレーム92bに対して可動自在に取り付けられると共に、クランプ開閉駆動部881と独立に用紙束3”を保持固定したり、それを自由開放したりするように動作する。用紙固定移動部880は、右端側のクランプ部材(以下単にクランパ82aという)、左端側のクランプ部材(以下単にクランパ82bという)を有している。クランパ82a、82bは、固定用のクランプ部材の一例となるロアアーム801aと、可動用のクランプ部材の一例となるアッパーアーム801bとを有している。アッパーアーム801bは上下方向に移動可能となされる。
例えば、バインダ紙揃えユニット30の左端側及び右端側にロアアーム801aとアッパーアーム801bとが各々配置されて、用紙3’を揃える用紙束整列時、用紙1枚毎あるいは複数毎にアッパーアーム801bを駆動して閉鎖する。このようにすると、用紙3’のカールを矯正することができる。用紙固定移動部880は、また、用紙束移動時、用紙束3”を固定して移動するようになされる。この例では、用紙束整列時、用紙束3”の固定を解除し、ピン整列を行った後、用紙束3”のパンチ孔側の端部を固定して用紙搬送方向に沿って用紙カール押え機構31から下流側へ移動するようになされる。
この例で、用紙束整列時、アッパーアーム801bは、用紙束3”の厚さより広く、用紙束搬送路Iの高さより狭い任意の中間位置まで開放して停止し、整列ピン85a,85bが上端検知センサ94で上端位置まで到達したことを検知するまで、この位置で待機している。左端側のクランパ82bも同様にして構成される。
用紙固定移動部880では、付勢部材の一例を構成するスプリングバネ816がロアアーム801aとアッパーアーム801bとの間に取付けられ、用紙束整列時、固定されるロアアーム801a側にアッパーアーム801bを付勢してクランプ閉鎖状態を維持するようになされる。用紙束移動時、常時閉鎖する方向に付勢し、用紙束3”を保持するようになされる。
上述の本体基板900の右端側に設けられたクランパ82aには、クランプ取付け用の基板の一例となる規制孔付きのジョイントプレート801が取り付けられる。ジョイントプレート801は、先の尖った剣先状(先端剣先状)を有しており、その一端に軸孔807aを有し、かつ、他端の所定位置に長孔808aを有している。ジョイントプレート801は、更に、クランプ開閉規制用の細長い規制孔806a及び806bを有している。
クランパ82aは、ロアアーム801a、アッパーアーム801bを有して構成されている。ロアアーム801aの一端にはロアシャフト804が可動自在に取り付けられている。アッパーアーム801bの一端にはアッパーシャフト803が可動自在に取り付けられている。
クランパ82aに対向する側のクランパ82bには、同様な剣先状を有してその一端に軸孔807bを有し、かつ、他端の所定位置に長孔808bを有したジョイントプレート802を備えられている。左端側のロアアーム801a及びアッパーアーム801bの他端は、規制孔付きのジョイントプレート802の軸孔807bに係合され、右端側のロアアーム801a及びアッパーアーム801bの他端は、規制孔付きのジョイントプレート801の軸孔807aに係合され、左右端側で、ロアアーム801aの一端とアッパーアーム801bの一端とが共有する支点が支点軸部材805を介して可動自在に係合されている。
右端側のロアアーム801aの他端に設けられたロアシャフト804が長孔状の規制孔806aに連結され、同様にして、右端側のアッパーアーム801bの他端に設けられたアッパーシャフト803が長孔状の規制孔806bに連結される。図示せずも、左端側のロアアーム801aの他端に設けられたロアシャフト804は、ジョイントプレート802の規制孔806aに係合され、同様にして、左端側のアッパーアーム801bの他端に設けられたアッパーシャフト803がジョイントプレート802の規制孔806bに連結される。
この例で、左右端側のジョイントプレート801、802において、各々の規制孔806aにはロアシャフト804の端部が露出され、規制孔806bには、アッパーシャフト803の端部が露出するように組み立てられる。これにより、右端側のジョイントプレート801で、アッパーシャフト803及びロアシャフト804が、規制孔806a、806bで用紙搬送方向と直交する方向(以下クランプ開閉方向という)に可動自在となされる。左端側のジョイントプレート802でも、アッパーシャフト803及びロアシャフト804が長孔状の規制孔806a、806bでクランプ開閉方向に可動自在となされる。
クランパ82bでクランパ82aと同じ構成部分は、右端側と同様に形成されるので、その説明を省略する。クランパ82bと、クランパ82aとは、その後端で上述した支点軸部材805により可動自在に係合されると共に、前端では、規制孔付きのジョイントプレート801及び802に、アッパーシャフト803及びロアシャフト804が可動自在に係合される。
また、クランパ82a、82bは、本体基板900に対し、用紙束3”を保持した状態で用紙束搬送路Iに沿って下流側に移動する構造を有している。例えば、図7に示した右端フレーム92aの2つの摺動溝931及び922と、左端フレーム92bの2つの摺動溝932及び924とにクランプ移動機構80の所定部位が可動自在に係合され、この4つの摺動溝931,922、932,924に沿ってクランプ移動機構80を下流側へ移動するようになされる。これにより、クランプ移動機構80を本体基板900や左右端フレーム92a,92b等に対して下流側へ移動できるようになる。
クランプ開閉駆動部881は、図7に示した本体基板900又はその両側に位置する右端フレーム92a又は左端フレーム92bに取り付けられて左端側及び右端側のアッパーアーム801bを駆動する。例えば、クランプ開閉駆動部881は、アッパーアーム801bを開放するためのモータ86、カム87a、87b及びギヤユニット88を有して構成され、用紙束整列時、ロアアーム801aに対してアッパーアーム801bを所定の位置まで押し上げて(移動して)用紙束3”を開放する。カム87a,87bは、半径を異にする2つの異径円弧(湾曲形状部位)と当該異径円弧間が突起状を成した変形楕円状を有している(図23参照)。
この例で、クランプ開閉駆動部881は、用紙固定移動部880のアッパーアーム801bに対する、図10に示すスプリングバネ816の付勢力に打ち勝ってクランプ開放状態を維持する。このようにすると、用紙固定移動部880が開放された状態で用紙束3”を揃えることができる。
クランプ開閉駆動部881は、整列ピン駆動機構91が用紙3’のパンチ孔3aに整列ピン85a,85bの貫通を開始すると同時にロアアーム801aに対するアッパーアーム801bの移動を開始するように動作する。このようにすると、用紙間の摩擦抵抗を軽減することができる。また、ロアアーム801aに対するアッパーアーム801bの退避位置を中間位置とすることで、用紙3’が整列ピン85a,85bで持ち上げられないで、用紙束整列を行うことができるため、用紙3’の状態のばらつきを低減できるようになる。ここに中間位置とは、クランプ閉鎖位置とクランプ全開放位置との間の位置をいう。
クランプ開閉駆動部881のモータ86は、図7に示した左端フレーム92bの内側に設けられたモータ取り付け領域に取り付けられる。モータ86はギヤユニット88に係合され、モータ回転数を所定の歯車比により変換し、モータ回転力をカム87a及び87bに伝達するようになされる。ギヤユニット88には、一方のカム87bが取り付けられている。カム87bはカム連動部材819を介して他方のカム87aに取り付けられている。
各々のクランパ82a及び82bのアッパーアーム801bは、クランプ開閉用のローラ826を有している。各ローラ826はカム作用部位を成し、それぞれカム87aと87bに係合され、クランプ開閉駆動部881から動力を受けてアッパーアーム801bを開放する。
例えば、用紙束整列時、クランプ開閉駆動部881でモータ86が駆動され、ギヤユニット88を介してカム87a、87bが駆動される。カム87aは右端側のアッパーアーム801bのローラ826を押圧して右端のクランパ82aを開放し、カム87bは左端側のアッパーアーム801bのローラ826を押圧して左端のクランパ82bを開放する。この例では、スプリングバネ816と協調して、当該ローラ826と、カム87a,87bとを当接させることで、クランプ開閉動作が行われる。
用紙束移動(綴じ処理)時には、カム87a,87bが駆動して、ローラ826から退避され、アッパーアーム801bはスプリングバネ816によって閉鎖状態となり、用紙束3”を保持するようになされる。この状態では、用紙固定移動部880のローラ826と、クランプ開閉駆動部881のカム87a,87bは嵌合がはずれているため、クランパ82a,82bは、用紙束3”を保持したままバインド処理部40へ移動できるようになる。これにより、各々のクランパ82a及び82bを同期して開閉するようになされる。
用紙束整列時には、用紙固定移動部880とクランプ開閉駆動部881とがローラ826とカム87a,87bとで連結され、用紙束移動(綴じ処理)時には、クランプ開閉駆動部881から分断され、クランパ82a,82bを常時閉鎖状態とすることで、用紙束3”を保持する状態を維持できるようになる。すなわち、クランプ開閉駆動部881から用紙固定移動部880が分離されたとき、用紙束3”を固定したままの状態を維持でき、この状態でバインド処理部40へ自重落下できるようになる。
なお、ロアアーム801a側には、図7に示した整列ピン駆動機構91が設けられる。クランプ開閉駆動部881は、用紙束整列時、整列ピン駆動機構91が用紙束3”のパンチ孔3aに整列ピン85a,85bの貫通した状態で、ロアアーム801aに対するアッパーアーム801bを閉鎖して用紙束3”を固定する。このようにすると、用紙束整列時、確実に用紙束3”を整列できるようになる。
また、本体基板900の前面にはシャッター83が可動自在に取り付けられ、用紙保留部32に蓄積された用紙束3”の排紙を制限するように動作する。シャッター83は用紙束3”の搬送方向と直交する方向で上下駆動するようになされる。シャッター83の両脇にはスライドガイド部材811,812が設けられ、シャッター83は、スライドガイド部材811,812に沿って摺動するようになされる。この例で、クランパ82a,82bが用紙束3”を自由開放状態としたときに、シャッター83を閉鎖することにより、用紙束3”の自然落下をストップすることができる。
シャッター83は、図示しない駆動軸を介してソレノイドに取り付けられ、往復運動によりシャッター83を開閉するようになされる。もちろん、これに限られることはなく、図示しないモータの回転運動を往復運動に変換してシャッター83を開閉するようにしてもよい。
また、本体基板900の前面部位の内側には、整列ピン駆動機構91が設けられ、整列ピン85a,85bが上下に駆動される。この例で、綴じ処理前に、用紙束3”のパンチ孔3aに、整列ピン85a,85bを貫通してその位置を揃え直すようになされる。整列ピン85a,85bの各々の先端は、円錐形状を有している。例えば、上部押え部材84aと下部押え部材84bとの間には、図11Bに示すように整列ピン85a,85bを挿入する前に、用紙束3”が挟み込まれて保持される。
図11Aはクシ型の押え部材84a,84bの構成例を示す上面図であり、図11Bは、整列ピン駆動機構91の整列ピン85a,85bの挿入前を示すX1−X1矢視断面図、図11Cは、整列ピン85a,85bの挿入後を示すX1−X1矢視断面図である。
この例で、図11Aに示すクシ型の上部押え部材84bが、図10に示したアッパーシャフト803に取り付けられ、ロアシャフト804には、同型の下部押え部材84aが取り付けられる。クシ型の上部押え部材84bは、U形状に切り落とした、クシ歯部位を有している。クシ歯部位の配置ピッチは、用紙束3”のパンチ孔3aの配置ピッチに等しくなされている。
クシ歯部位は長い歯部位847と、短い歯部位848とが混在して形成されている。長い歯部位847は、用紙束3”の紙端部よりも前方に飛び出すように配置され、短い歯部位848は、用紙束3”の紙端部よりも手前に控えるように配置される。これはシャッター83に選択的に開口された部位に長い歯部位847を嵌合することで、上部押え部材84b及び下部押え部材84aの保持固定精度及びシャッターの閉鎖機能を向上させるためである。
この例では、整列ピン85a,85bで用紙束3”の孔の位置を揃えるために、図10に示したシャッター83を閉じた状態で、クランパ82a,82bが開放される。また、図11Cに示したように整列ピン85bが用紙束3”のパンチ孔3aに挿入される。このとき、二点鎖線に示すサイドジョーガー70は、用紙束3”の両側を揺らして整列ピン85a,85bを挿入し易く、かつ、用紙束3”の孔位置を揃えるようになされる。これは、綴じ部品43をパンチ孔3aに挿入し易くするためである。
図12は、クランプ移動機構80における用紙固定移動部880のパンタグラフ構造例を示す正面図である。
図12に示すクランプ駆動機構881と分離可能な用紙固定移動部880には、破線に示す小判形状の等長リンク部材813a、813bが設けられる。
この例で、ロアアーム801aのロアシャフト804(軸部)と、そのアッパーアーム801bのアッパーシャフト803(軸部)とが等長リンク部材813a、813bの一端に係合され、かつ、当該等長リンク部材813a、813bの他端がジョイントプレート801の長孔808a(図10参照)に係合部材809aを介して係合される。
図示せずも、反対側のロアアーム801aのロアシャフト804と、アッパーアーム801bのアッパーシャフト803とが等長リンク部材813a、813bの一端に係合され、かつ、当該等長リンク部材813a、813bの他端がジョイントプレート802の長孔808bに係合部材809bを介して係合され、用紙固定移動部880がパンタグラフ構造を成している。
この例で、ジョイントプレート801,802の各々において、アッパーアーム801b及びロアアーム801aが、バンタグラフ構造の等長リンク部材813a、813bで結合されているため、等長リンク部材813a、813bの結合部材809aが、常に、アッパーアーム801b及びロアアーム801a間の中心に位置するようになされる。
このようなパンタグラフ構造により、一方の側の等長リンク部材813a、813bの支点を係合部材809aでジョイントプレート801に連結することができ、図示せずも、他方の側の等長リンク部材813a、813bの支点を係合部材809bでジョイントプレート802に連結することができ、直接、用紙束3”のセンター位置をバインド処理部40の綴じ処理の移動機構41に案内することができ、用紙束3”のセンター位置の案内構造を簡素化できるようになる。また、用紙束3”の厚みに応じてセンター位置がリニアに変化するので、複雑な処理や制御が不要になる。
このような等長リンク部材813a、813bを係合した係合部材809aを有するジョイントプレート801の先端側には、ローラ部材817が備えられ、図10に示したように、ジョイントプレート802の先端側にも、ローラ部材818が備えられる。図2に示したバインド処理部40の先端に設けられたY形状の開口部44aによって案内され、用紙束3”を次工程の所定の綴じ位置にセットするようになされる。ここにジョイントプレート801の先端側とは、支点用の軸孔807aを配置した終端側に対する位置をいう。
この例では、支点軸部材805は図7に示した長孔922及び長孔924に可動自在に係合される。係合部材829は長孔921及び長孔923に各々可動自在に係合される。クランプ移動機構80では、ジョイントプレート801のローラ部材817と、その等長リンク部材813a、813bの係合部材809aと、その支点用の軸孔807aとが1直線上に配置される。また、そのジョイントプレート802のローラ部材818と、その等長リンク部材813a、813bの係合部材809bと、その支点用の軸孔807bとが1直線上に配置される。
この例で、図10に示したジョイントプレート802上には、屈曲形状を有したリードプレート801’が設けられる。リードプレート801’の一端も、支点軸部材805を共通にしてジョイントプレート801と共に係合され、長孔922,924に可動自在に係合される。また、リードプレート801’の中央部も、ジョイントプレート801と共に係合部材829も長孔923,921に可動自在に係合される。反対側のジョイントプレート802及びリードプレート802’についても同様に構成される。
上述のジョイントプレート801の上部に設けられたリードプレート801’には、その下端にローラ部材827が設けられる。ローラ部材827は、移動機構41に設けられた扇形のカム402と係合される。
カム402の形状は、図2に示した移動機構回転軸41dを中心した円弧の一部を有している。カム402は用紙固定移動部880のローラ部材827を当接し続けるようになされる。カム402は、当該移動機構41が移動する全範囲をカバーできる位置であって、用紙固定移動部880のローラ部材827を受け止める(フォローする)位置に設けられている。換言すると、移動機構41がバインダカセット42の下方及びバインダ紙揃えユニット30の下方のどちらに姿勢を傾けた場合であっても、用紙固定移動部880のローラ部材837を受け止める(フォローする)位置に設けられる。
これらにより、クランプ移動機構80及びその周辺機構を構成し、これらの部材が取り付けられた本体基板900、右端部フレーム92a及び左端フレーム92bがバインダ処理部40のシャーシ45に取り付けられることで、1ブロック化した用紙揃え&綴じ処理ユニット110が構成される。
図13は、用紙揃え&綴じ処理ユニット110における用紙固定移動部880と移動機構41との連結例を示す正面図である。
図13に示すクランプ移動機構80の下流側には、バインド処理部40が備えられ、用紙束3”に綴じ部品43を取り付けるようになされる。この例で、用紙束整列時、カム402が上方に押し上げられ、用紙固定移動部880がクランプ開閉動作を実行する。
用紙束移動時は、バインド処理部40がバインダカセット42から綴じ部品43を受け取り、バインダカセット42の下方からバインダ紙揃えユニット30の下方へ移動すると共に、移動機構41によって、カム402が下方に引き下げられ、用紙固定移動部880がホームポジションHP’からカム402の退避位置に至るまで自重落下するようになされる。このとき、移動機構41の先端に設けられたY形状の開口部44a,44b(係合部)により、用紙固定移動部880の下端に設けられたローラ部材817,818が受け入れられる。
その後、移動機構41によって、用紙束3”に綴じ部品43が取り付けられると、カム402が上方に押し上げられ、移動機構41がバインダカセット42の下方へ退避し、用紙固定移動部880がホームポジションHP’に戻り、冊子排出時に、ロアアーム801a及びアッパーアーム801bが可動自在となされる。
このように、用紙束移動(綴じ処理)時、ローラ部材817,818がバインド処理部40のY形状の開口部44a,44bに自己整合的に係合されるため、バインド処理部40のリングバインド動作タイミングに合わせてクランプ開放動作を連動させることができる。この例では、綴じ部品43を用紙束3”にバインド処理するとき、用紙束3”のセンター位置が綴じ部品43のセンター位置に案内され、そして、用紙束3”に確実に綴じ部品43をバインド処理できるようになる。
続いて、クランプ移動機構80における動作例を説明する。図14〜図17はクランプ移動機構80における用紙束整列時の動作例(その1〜4)を示す正面図である。
この例でクランプ移動機構80の動作例(その1)によれば、図10に示したシャッター83が閉鎖され、用紙3’が用紙保留部32に進入され、シャッター83に当接される毎に、アッパーアーム801bが閉鎖される場合を前提とする。整列ピン85aは、用紙束3”に挿入されていない待機状態である。
図14に示すクランプ移動機構80における用紙束整列時の動作例によれば、クランパ82bと、クランパ82aとがその後端では、支点軸部材805を基準にして、前端では、規制孔付きのジョイントプレート801及び802の規制孔806a及び806bにより、アッパーシャフト803及びロアシャフト804が制限を受けながらクランプ動作を実行する。
この例で、図14に示したアッパーシャフト803に取り付けられたクシ型の上部押え部材84bと、ロアシャフト804に取り付けられたクシ型の下部押え部材84aとが、用紙保留部32に進入してくる用紙3’を保持する。このとき、図11Aに示した長い歯部位847は、その紙端部よりも前方に飛び出す位置で用紙束3”を挟み込み、短い歯部位848は、その紙端部よりも手前に控える位置で、用紙束3”を挟み込むようになされる。また、長い歯部位847がシャッター83の開口部位に配されることで、上部押え部材84b及び下部押え部材84aの保持固定精度及びシャッター83の閉鎖精度を向上させることができる。
このとき、カム87a及び87bは、カム退避位置Pc(非ホームポジション)で所定の姿勢をとる。例えば、カム87a及び87bの突起部が真横を向いている状態である。この状態は、図10に示したスプリングバネ816の付勢力によってクランパ82a及び82bが閉鎖している状態である。
この例で、カム87bに近接して、クランプ用のホームポジションセンサ(以下HPセンサ821という)が配置され、クランパ82b等のホームポジション(HP)を検知してホームポジション検知信号(以下カムHP検知信号S21という)を制御部50に出力するようになされる。クランパ82bのホームポジションHPは、アッパーアーム801bが最も下方に移動した位置(クランプ閉鎖位置)に設定される。クランパ82aも同様に設定されるが、その説明は省略する。
また、本体基板900には用紙厚検知センサ822が配置され、アッパーアーム801bにはスリット部823が設けられ、この用紙厚検知センサ822と組み合わせて使用される。用紙厚検知センサ822には透過型のフォトセンサが使用される。
例えば、スリット部823には、所定ピッチのスリット形状が施され、用紙束3”が一定の厚さになる毎に用紙厚検知センサ822でアッパーアーム801bのエッジを検知し、アッパーアーム801bが開閉動作を行うことで、用紙厚を検知するようになる。クランパ82a、82bの開閉量は、用紙束厚によって変化するので、エッジ検知により用紙束3”の厚さを検出することができる。このように、用紙厚検知センサ822は、バインダ紙揃えユニット30に進入し積層され(束ねられ)た用紙束3”の厚みを検知して紙厚検知信号S22を制御部50に出力するようになされる。なお、クランプ位置は、綴じ部品43を綴じる位置にあるため、綴じ動作時の厚さを正確に検出できるようになる。
また、用紙厚検知センサ822に隣接して、本体基板900には50枚用紙厚検知センサ(以下50枚センサ824という)が配置され、アッパーアーム801bには遮光部825が設けられ、この50枚センサ824と組み合わせて使用される。50枚検知センサ824は、用紙3’が50枚束ねられたときの厚みを検知して50枚検知信号S42を制御部50に出力するようになされる。
この例で図15に示すクランプ移動機構80における用紙束整列時の動作例(その2)によれば、用紙3’が進入するとき、及び、用紙束3”のパンチ孔3aの位置を揃えるときに、図10に示したシャッター83を閉じた状態で、クランパ82a,82bが開放され、その後、図7に示した整列ピン駆動機構91で整列ピン85a,85bが挿入される。
クランプ移動機構80では、カム87a及び87bが、クランプ開放位置(非ホームポジションHP)で所定の姿勢をとる。例えば、図13に示したクランパ82a,82bが閉鎖している状態から、モータ86は、ギヤユニット88を通じてモータ回転数を所定の歯車比により変換し、モータ回転力をカム87a及び87bに伝達する。この結果、カム87a及び87bは、カム退避位置Pcから時計方向に90°回転した状態となる。
このとき、各々のクランパ82a及び82bにおいて、ロアアーム801aのローラ826にカム87aの突起部が押圧され、かつ、アッパーアーム801bのローラ826にカム87bの突起部が押圧されることで、各々のクランパ82a及び82bを同期して開放するようになされる。
規制孔付きのジョイントプレート801及び802では、支点軸部材805を可動基準にしてロアアーム801aとアッパーアーム801bとが開くように動作する。このとき、ロアシャフト804、アッパーシャフト803は、ジョイントプレート801及び802の細長い規制孔806a、806bによって、移動が制限され、ジョイントプレート801及び802におけるクランプ開放幅が規制される。駆動力は、ロアアーム801aに可動自在に取り付けられたロアシャフト804と、アッパーアーム801bに可動自在に取り付けられたアッパーシャフト803とに伝達される。
この結果、アッパーシャフト803に取り付けられたクシ型の上部押え部材84bと、ロアシャフト804に取り付けられたクシ型の下部押え部材84aとが用紙束3”を自由開放する。これらのクランパ82a,82bが用紙束3”を自由開放状態としても、シャッター83が閉鎖されていることにより、用紙束3”の自然落下をストップすることができる。
そして、モータ89が駆動され、図7に示した整列ピン駆動機構91により、モータ89の正回転運動がピン上昇運動に変換されて、整列ピン85a、85bを用紙束3”のパンチ孔3aに貫通するようになされる。このとき、図6に示したサイドジョーガー70は、用紙束3”の両側を揺らして整列ピン85a,85bを挿入し易くするようになされる。これにより、用紙束3”のパンチ孔3aの位置を揃えることができる。
図16に示すクランプ移動機構80における用紙束整列時の動作例(その3)によれば、用紙束3”のパンチ孔3aが揃って、整列ピン挿入状態で再びクランプ・ロック状態にする。そして、図14に示したような用紙束3”から整列ピン85a,85bを抜く場合を説明する。
クランプ移動機構80では、カム87a及び87bが、クランプ開放位置(ホームポジションHP)からカム退避位置Pcに戻って、それらの突起部が真横を向いている状態である。この状態は、モータ86が逆回転し、ギヤユニット88を通じてモータ回転数を所定の歯車比により変換し、モータ回転力をカム87a及び87bに伝達する。そして、カム87a及び87bが、クランプ開放位置(ホームポジションHP)から、反時計方向に90°回転してカム退避位置Pcに戻った結果による。
このカム退避動作によって、クランパ82a及び82bは、図示しないスプリングバネの付勢力によって、用紙束3”の厚みに応じた任意の位置で所定の姿勢をとる。例えば、各々のクランパ82a及び82bにおいて、ロアアーム801aのローラ826へのカム87aの突起部が非押圧状態となされ、かつ、アッパーアーム801bのローラ826へのカム87bの突起部が非押圧状態となされることで、各々のクランパ82a及び82bを同期して閉鎖するようになされる。
ジョイントプレート801及び802では、支点軸部材805を可動基準にしてロアアーム801aとアッパーアーム801bとが閉じるように動作する。駆動力は、ロアアーム801aに可動自在に取り付けられたロアシャフト804と、アッパーアーム801bに可動自在に取り付けられたアッパーシャフト803とに伝達される。この結果、アッパーシャフト803に取り付けられたクシ型の上部押え部材84bと、ロアシャフト804に取り付けられたクシ型の下部押え部材84aとが用紙束3”を保持固定するようになる。
その後、モータ89が駆動され、図7に示した整列ピン駆動機構91により、モータ89の逆回転運動が降下運動に変換されて、用紙束3”のパンチ孔3aから整列ピン85aを引き抜くようになされる。これにより、綴じ処理前に、用紙束3”のパンチ孔3aの位置を揃えて保持固定することができる。シャッター83は、この間、用紙保留部32に蓄積された用紙束3”の排紙を制限するように動作する。
図17に示すクランプ移動機構80における用紙束整列時の動作例(その4)によれば、クランプされた状態の用紙束3”が下流側に移動する場合である。クランプ移動機構80では、用紙固定移動部880のみが、図7に示した本体基板900や左右端フレーム92a,92b等から独立し、所定の摺動溝921〜924に沿って下流側へ移動するようになされる。この移動の直前に、同図に示したシャッター83が用紙束3”の搬送方向と直交する方向に摺動するように開かれる。これにより、用紙保留部32に蓄積され、パンチ孔3aが揃え直された用紙束3”を次工程へ排出できるようになる。
図18は、用紙固定移動部880の移動例を補足する正面図である。図18に示す用紙固定移動部880によれば、本体基板900から独立し、所定の摺動溝921〜924に沿って下流側へ移動した状態を示している。
この状態は、バインダ処理部40の扇形状のカム402が下降することで、用紙固定移動部880がクランプ開閉駆動部881に分離して自重落下することで生じる。このとき、移動機構41の先端のY形状の開口部44a,44bにより、用紙固定移動部880の下端のローラ部材817,818が受け入れられる。その後、移動機構41によって、用紙束3”に綴じ部品43が取り付けられると、移動機構41がバインダカセット42の下方へ退避すると共に、用紙固定移動部880がホームポジションHP’に戻る。
このときの用紙固定移動部880の上昇動力は、バインダ処理部40の移動機構41から与えられる。例えば、移動機構41の扇形状のカム402が上昇することで、ローラ部材827が押上られる。これにより、用紙固定移動部880がホームポジションHP’に復帰する。その後、冊子を排出するために、ロアアーム801a及びアッパーアーム801bが可動自在となされる。
続いて、バインダ紙揃えユニットの制御系の構成例について説明する。図19は、バインダ紙揃えユニット30の制御系の構成例を示すブロック図である。
図19に示す制御部50には、モータ駆動部35、36、整列ピン用のHP検知センサ93、上端検知センサ94、プレスローラ用のHPセンサ115、カールフェンス用のHPセンサ117、用紙検知センサ119、排出ローラ駆動部122、モータ駆動部180〜185及びクランプ用のHPセンサ821が接続されている。
用紙検知センサ119は、パンチ処理部20から排出される用紙3’を検知して用紙検知信号S19を制御部50に出力する。制御部50は、用紙検知信号S19に基づいてモータ駆動部35、36、モータ駆動部180〜183を制御する。例えば、用紙検知信号S19に基づいてモータ駆動部36にモータ制御信号S36を出力する。
排出ローラ駆動部122には、排出ローラ回転用のモータ205が接続される。排出ローラ駆動部122は、制御部50からモータ制御信号S22を入力して、モータ205を駆動し排出ローラ25を回転する。パンチ処理部20から排出された用紙3’は、排出ローラ25の回転により搬送され、バインダ紙揃えユニット30内に進入するようになる。
HPセンサ117は、カールフェンス部34b等の突起部342の位置を検知してホームポジション(以下HPという)検知信号S17を制御部50に出力する。制御部50は、用紙検知信号S19及びHP検知信号S17に基づいてモータ駆動部35にモータ制御信号S35を出力する。
モータ駆動部35には、カールフェンス回転用のモータ301が接続される。モータ駆動部35は、制御部50からモータ制御信号S35を入力して、モータ301を回転し、カールフェンス部34a,34bを駆動する。
モータ駆動部36には、パドルローラ回転用のモータ708が接続される。モータ駆動部36は、制御部50からモータ制御信号S36を入力して、モータ708を回転し、パドルローラ37を駆動する。
モータ駆動部180には、バインダ処理部40の移動機構用のモータ308が接続される。モータ駆動部180は、制御部50からモータ制御信号S80を入力して、モータ308を回転し、移動機構41を駆動する。例えば、クランプ移動機構80では、シャッター83を開口すると共に、移動機構41の扇状のカム402が引き下げられるので、用紙束3”を狭持した用紙固定移動部880を降下して次工程に移行するようになされる。その後、用紙固定移動部880を上昇し、用紙束3”を開放し、用紙束排出後に、シャッター83を閉鎖するようになされる。
クランプ用のHPセンサ821は、クランプ移動機構80のクランプ開放位置を検出する。この例では、クランパ82aや82b等のホームポジション(HP)に関して、カム87a,87bのホームポジションHPを検出し、カムHP検知信号S21を制御部50に出力する。制御部50は、用紙束整列時には、カムHP検知信号S21に基づいてモータ駆動部181を介してクランプ部材移動用のモータ86を制御する。
モータ駆動部181には、クランプ部材駆動用のモータ86が接続される。モータ駆動部181は、制御部50からモータ制御信号S81を入力して、モータ86を回転し、ロアアーム801aやアッパーアーム801b等のクランプ部材を駆動する。用紙束整列時には、クランプ部材が開放される。用紙束3”を狭持する場合は、クランプ部材が閉鎖される。
HP検知センサ93は、整列ピン85a,85bのホームポジションHPを検知してピンHP検知信号S93を制御部50に出力する。整列ピン85a,85bのホームポジションHPとは、用紙整列面から所定距離降下した位置をいう。整列ピン85a,85bはこの位置で待機するようになる。上端検知センサ94は、整列ピン85a,85bの上端を検知してピントップ検知信号S94を制御部50に出力する。制御部50は、用紙束整列時には、ピンHP検知信号S93及びピントップ検知信号S94に基づいてモータ駆動部182を介してピン部材移動用のモータ89を制御する。
モータ駆動部182には、整列ピン駆動用のモータ89が接続される。モータ駆動部182は、制御部50からモータ制御信号S82を入力して、モータ89を回転し、減速歯車98、UDラック95、リンク96、X状のアーム99a,99bや整列ピン85a,85b等を駆動する。用紙束整列時には、整列ピン85a,85bが用紙束3”のパンチ孔3aに貫通される。
モータ駆動部183には、サイドジョーガー用のモータ74a、74bが接続される。モータ駆動部183は、制御部50からモータ制御信号S83を入力して、モータ74a、74bを回転し、サイドジョーガー70を駆動する。用紙束整列時には、サイドジョーガー70の紙寄せガイド72a及び幅寄せ基準ガイド72bが用紙束3”の幅方向を揃えるようになされる。用紙束排出時には、その紙寄せガイド72a及び幅寄せ基準ガイド72bが退避される。
HPセンサ115は、プレスローラ33の位置を検知してローラ検知信号S15を制御部50に出力する。プレスローラ33のホームポジションとは、用紙整列面から所定距離上昇した位置をいう。プレスローラ33はこの位置で待機するようになる。制御部50は、用紙束排出時には、ローラ検知信号S15に基づいてプレスローラ33及び繰り出しローラ38を制御する。
モータ駆動部184には、プレスローラ移動用のモータ814が接続される。モータ駆動部184は、制御部50からモータ制御信号S84を入力して、モータ814を回転し、プレスローラ33を駆動する。
モータ駆動部185には、繰り出しローラ回転用のモータ815が接続される。モータ駆動部185は、制御部50からモータ制御信号S85を入力して、モータ815を回転し、繰り出しローラ38を駆動する。用紙束排出時、上述のプレスローラ33及び繰り出しローラ38は、用紙束3”を表裏から加圧するようにして次工程へ送り出すようになされる。
続いて、バインド装置100における用紙揃え時の制御例を説明する。図20及び図21は、バインド紙揃えユニット30の制御例(その1、2)を示すフローチャートである。
この実施例では、用紙束整列時、用紙固定移動部880がホームポジションHP’でクランプ開閉動作を実行し、用紙束移動時は、バインド処理部40がバインダカセット42から綴じ部品43を受け取り、バインダカセット42の下方からバインダ紙揃えユニット30の下方へ移動すると共に、用紙固定移動部880のみがホームポジションHP’からカム402の退避位置に至るまで自重落下する場合を前提とする。その後、移動機構41によって、用紙束3”に綴じ部品43が取り付けられると、移動機構41がバインダカセット42の下方へ退避すると共に、用紙固定移動部880がホームポジションHP’に戻り、冊子排出時に、ロアアーム801a及びアッパーアーム801bが可動自在となされる場合を例に挙げる。
これらを制御条件にして、図20に示すフローチャートのステップST1でピン整列動作の開始命令を待機する。上位の制御系から開始命令が有った場合は、ステップST2でパドルローラ37を退避する。次に、ステップST3でサイドジョーガー70における紙寄せガイド72a及び幅寄せ基準ガイド72bの退避を実行する。
ステップST4でジョイントプレート801及び802のアッパーアーム801bを所定の位置まで開放する。この例では、ロアアーム801aは固定で、アッパーアーム801bのみが駆動する。用紙固定移動部880では、左・右端側のロアアーム801aが用紙保留部32の走行面と、面一に配置されるようにロアアーム801aのロアシャフト804が左右端フレーム92a,92bのV溝部925,926に嵌合し固定状態となされる。
また、左右端のアッパーアーム801bは、スプリングバネ816により、常時、閉鎖方向に付勢され、クランプ開閉駆動部881のカム駆動により、開閉動作が行われる。この例では、クランプ開閉駆動部881がアッパーアーム801bを中間位置まで開放して用紙束3”を整列し易くする。このとき、整列ピン85a,85bは、用紙束搬送路Iの外側に退避している。
ステップST5で制御部50は、整列ピン85a,85bをロアアーム801a側からアッパーアーム801b側へ突出してピン整列を行う。このとき、整列ピン85a,85bの突出動作と同時にアッパーアーム801bは開放動作を開始する。アッパーアーム801bが用紙3’を押さえている力を緩めながら、整列ピン85a,85bが挿入して行く動きとなる。アッパーアーム801bは、冊子厚より広く、用紙束搬送路Iの高さより狭い任意の中間位置まで開放して停止し、整列ピン85a,85bが上端検知センサ94で上端位置まで到達したことを検知するまで、この位置で待機している。
なお、整列ピン85a,85bを振動したり、サイドジョーガー70の紙寄せガイド72a及び幅寄せ基準ガイド72bを振動するようにしてもよい。これにより、用紙3’の摩擦抵抗を低減できるようになり、アッパーアーム801bが開放された状態で、整列ピン85a,85bをパンチ孔3aに容易に挿入し貫通してピン整列を行うことができる。
ステップST6で制御部50は整列ピン85a,85bがパンチ孔3aを貫通したか否かを判別する。この例で、上端検知センサ94は、整列ピン85a,85bが突出動作を開始してから上端位置に到達するまで時間を監視している。所定の時間内に整列ピン85a,85bが上端に到達しないと、ピン整列のリトライ動作に移行するようになる。
上端検知センサ94から制御部50には、上端検知信号S94が出力される。制御部50は、上端検知信号S94に基づいて上端検知センサ94が整列ピン上端を検知したか否かを判別する。上端検知センサ94が整列ピン上端を検知していない場合は、ステップST16に移行して異常処理を実行する。
また、上述のステップST6で既に上端検知センサ94が整列ピン上端を検知した場合は、ステップST7に移行する。ステップST7では、用紙束3”に整列ピン85a,85bが挿入されたので、クランパ82a及び82bを閉鎖する。この例では、クランプ開閉駆動部881のカム87a,87bが退避することで、アッパーアーム801bが閉鎖する。このように、整列ピン85a,85bが上端まで到達している状態、すなわち、整列ピン85a,85bを貫通させた状態でクランパ82a,82bを閉鎖させることにより、確実に、用紙束3”を整列できるようになる。
このようにアッパーアーム801bが閉鎖方向に移動して閉鎖が完了すると、図21に示すステップST8に移行して、整列ピン85a,85bを退避する。この例では、整列ピン85a,85bが下端位置まで退避する。
そして、ステップST9で制御部50はバインド処理部40の移動機構41をバインダ紙揃えユニット30の下方にセットする。例えば、制御部50はモータ駆動部180へモータ制御信号S80を出力して、モータ308を回転し、移動機構41をバインダ紙揃えユニット30の下方に移動する。このとき、扇状のカム402は、ローラ部材827を当接したままである。
そして、ステップST10で、用紙束3”を狭持した用紙固定移動部880を降下して次工程に移動する。この例では、クランプ移動機構80がシャッター83を開口すると共に、バインド処理部40では、移動機構41がバインダ紙揃えユニット30の下方に移動すると共に、扇状のカム402を引き下げるように駆動する。
このカム引き下げ動作に連動して、用紙固定移動部880のロアシャフト804が左・右端フレーム92a,92bのV溝部925,926から外れ、ロアアーム801aが非拘束状態となると共に、移動機構41の扇状のカム402が下方に移動することで、用紙束3”を挟持した用紙固定移動部880のみが自重落下する。
このとき、用紙固定移動部880は、バインド処理部40へ移動開始した時点で、クランプ開閉駆動部881のカム87a,87bの駆動から切り離される。これにより、スプリングバネ816の付勢力により常時、クランパ82a,82bが閉鎖状態となるため、用紙束3”を狭持したまま用紙固定移動部880のみをバインド処理部40へ移動できるようになる。
そして、ステップST11で移動機構41は用紙束3”の綴じ処理を実行する。このとき、モータ駆動部180は、制御部50から入力したモータ制御信号S80に基づいてモータ308を回転し、用紙束3”に綴じ部品43を取り付ける。綴じ処理後の用紙束3”は冊子90となる。これにより、用紙束3”の整列及び綴じ処理を完了する。
次に、ステップST12で冊子90の退避処理を実行する。このとき、制御部50はモータ駆動部180へモータ制御信号S80を出力して、モータ308を回転し、冊子90を狭持した用紙固定移動部880を上昇する。
例えば、シャッター83は、クランプ移動機構80によって開口したままであり、バインド処理部40では、扇状のカム402を押し上げるように駆動する。このカム押し上げ動作に連動して、用紙固定移動部880のロアシャフト804が左・右端フレーム92a,92bのV溝部925,926に入り込み、ロアアーム801aが拘束状態となる。
この扇状のカム402が上方に移動することで、冊子90を挟持した用紙固定移動部880をホームポジションHPに戻るようになる。このとき、用紙固定移動部880は、バインダ紙揃えユニット30へ復帰終了した時点で、クランプ開閉駆動部881のカム87a,87bに係合される。これにより、スプリングバネ816の付勢力により閉鎖状態となされているクランパ82a,82bで、冊子90を狭持したままの用紙固定移動部880をバインダ紙揃えユニット30で再び、開閉動作させることができるようになる。
次に、ステップST13で移動機構41の退避処理を実行する。この例では上述の用紙固定移動部880の復帰に連動して、移動機構41をバインダ紙揃えユニット30の下方からバインダカセット42の下方へ移動する。このとき、扇状のカム402は、ローラ部材827に当接したままである。制御部50はモータ駆動部180へモータ制御信号S80を出力して、モータ308を回転し、バインダ紙揃えユニット30の下方からバインダカセット42の下方へ移動機構41を移動するようになされる。
次に、ステップST14でホームポジションHPで保持されている冊子90の排出処理を実行する。このとき、シャッター83は開放されたままなので、クランプ開閉駆動部881は、カム87a,87bを駆動してアッパーフレーム801bを開くことで、冊子90を開放する。冊子90は、クランパ82a,82bが開放されるので、排出ユニット60上に自重落下する。
その後、ステップST15で制御部50は冊子90を正常に排出したか否かを判別する。この際の判別基準としては、冊子90の排出に係る所定時間を監視し、これを越える場合に、冊子90を正常排出していない場合と判断するようになされる。冊子90を正常に排出した場合は、用紙揃え及び用紙綴じ排出制御を正常終了する。
なお、上述のステップST6で上端検知センサ94が所定時間を経過しても、整列ピン上端を検知できない場合、及び、ステップST15で冊子90を正常排出していない場合は、ジャム等が発生した場合が想定されるので、ステップST16に移行して異常処理を実行する。例えば、図示しない表示部にてエラー表示処理を実行し、エラー原因等を表示するようになされる。第2の実施例では、整列不具合の用紙3’や、冊子不落下等に対するジャム処理を実行するようになされる。
このように、第1の実施例に係るバインド装置100によれば、複数枚の用紙3’を束ねて得られた用紙束3”を移動する場合に、用紙固定移動部880の各々のアッパーアーム801bに対するスプリングバネ816による付勢力に打ち勝ってクランプ開閉駆動部881がクランプ開放状態を維持する。この状態で、複数枚の用紙3’が束ねられ、用紙束3”が得られると、用紙固定移動部880は、クランプ開閉駆動部881と独立に用紙束3”を固定して移動するようになされる。
従って、バインダ紙揃えユニット30をクランプ開閉駆動部881と用紙固定移動部880とに分離する構造とすることができ、必要最低限の機構部品を実装した用紙固定移動部880により用紙束3”を固定して綴じ工程等へ容易に移動できるようになる。
しかも、クランプ開閉駆動部881を用紙固定移動部880に搭載して、クランプ移動機構毎に別手段で移動させ、用紙束3”を綴じ部へ搬送する方法や、用紙束3”を移動させることなく、バインド処理部40の綴じ部品43及び移動機構41を所定の位置まで移動させてきてリングバインド処理を行う方法等に比べて、クランプ機構部の移動エリア(デッドスペース)が少なくなり、用紙揃え&綴じ処理ユニット110の構造をコンパクト、かつ、簡素化できるようになる。
因みに、クランパ82a,82bをステッピングモータ等に直結して駆動したり、用紙束厚に応じてクランパ82a,82bの位置を変化させたりする場合や、用紙保留部32の用紙搬送面を昇降可能な構造としたり、用紙3’の積層枚数に応じて用紙束3”が屈曲しないように制御する場合等に比べて、クランプ移動機構用の構成部材も制御シーケンスも簡易にできるようになる。
また、用紙束移動時、モータ86や、HPセンサ821等の電気部品の移動がないため、配線(ハーネス)処理が不要となり、クランプ移動機構80の構造を簡素化できるようになる。更に、用紙束整列時、ロアアーム801aが用紙搬送面と面一で固定されており、しかも、アッパーアーム801bが開放されているので、用紙カール押え機構31によって用紙3’のカールを矯正しながら正確に紙揃えができる。このため、搬送面に沿って用紙3’を整列することができ、安定した紙揃えが行うことができる。