以下、図面を参照しながら、この発明の実施形態に係る用紙処理装置について説明をする。
図1は、本発明に係る実施形態としての用紙処理装置を応用したバインド装置100の構成例を示す概念図である。
図1に示すバインド装置100は用紙処理装置の一例を構成し、コピー機や印刷装置から出力される記録紙(以下単に用紙3という)にパンチ処理をし、その後、所定の綴じ部品(消耗品)43で綴じ処理をして排出する装置である。もちろん、用紙処理装置は、所定の用紙3を揃えて一時保留する装置のみに適用してもよい。バインド装置100は装置本体部(筐体)101を有している。バインド装置100は複写機や印刷機(画像形成装置)等と並べて使用されることが好ましく、装置本体部101は、複写機や印刷機等と同程度の高さを有している。
装置本体部101内には、用紙搬送手段の一例を構成する用紙搬送部10が備えられる。用紙搬送部10は、第1の搬送路11及び第2の搬送路12を有している。搬送路11は、給紙口13及び排出口14を有しており、給紙口13から引き込んだ用紙3を所定の位置となる排出口14へ向けて搬送するスルーパス機能を有している。
ここにスルーパス機能とは、上流側の複写機や印刷機等と下流側の他の用紙処理装置の間に位置する搬送路11が、複写機や印刷機等から他の用紙処理装置へ用紙3を直接受け渡す機能をいう。このスルーパス機能が選択された場合は、後述する搬送ローラの加速処理やバインド処理等を省略するようになされる。用紙3は、通常、片面コピーの場合に、フェースダウンの状態で送られてくる。給紙口13には給紙センサ111が取付けられ、用紙3の先端を検知して給紙検知信号S11を制御部50へ出力するようになされる。
搬送路12は、当該搬送路11から搬送経路を切り替え可能なスイッチバック機能を有している。ここにスイッチバック機能とは、搬送路11の所定の位置で用紙3の搬送を減速及び停止し、その後、搬送路11から搬送路12に用紙3の搬送経路を切り替え、かつ、当該用紙3を逆方向に送出する機能をいう。搬送路11には、フラップ15が設けられ、搬送経路を搬送路11から搬送路12に切換えるようになされる。
また、搬送路11と搬送路12との切換え点には、3連の搬送ローラ17c、19a’,19aが設けられる。搬送ローラ17c及び19aは時計方向回りに回転し、搬送ローラ19a’は反時計方向回りに回転する。例えば、搬送ローラ19a’が駆動ローラで搬送ローラ17c及び19aが従動ローラとなっている。搬送ローラ17c及び19a’により取り込まれた用紙3は、減速及び停止するが、フラップ15が上方位置から下方位置に切り換えられると、搬送ローラ19a’及び19aにより給紙されて搬送路12に搬送される。3連の搬送ローラ17c,19a’,19aの手前には用紙検知センサ114が配設され、用紙の前端及び後端側を検知して用紙検知信号S14を制御部50へ出力するようになされる。
搬送路12の下流側には、パンチ処理部20が配置されている。この例で、上述の搬送路11と搬送路12との間は、所定の角度を有するように設計されている。例えば、搬送路11の搬送面とパンチ処理部20の用紙被穿孔面の間には、第1の俯角θ1が設定されている。ここに用紙被穿孔面とは、用紙3に孔を穿孔する面をいう。パンチ処理部20は、搬送路11の搬送面を基準にして俯角θ1を有する位置に用紙被穿孔面を設定するように配置される。
パンチ処理部20では、搬送路11からスイッチバックし、搬送路12によって搬送される用紙3の一端に二以上の綴じ用の孔(以下孔部という)を穿孔するようになされる。パンチ処理部20は、例えば、往復動作可能なパンチ刃21を駆動するモータ22を有している。用紙3はモータ22によって駆動されるパンチ刃21によって、1枚づつ穿孔される。
パンチ処理部20内には、孔あけ位置の基準となる開閉可能なフェンス24が設けられ、用紙3を当てつけるように使用される。更に、パンチ処理部20には、サイドジョーガー23が設けられ、用紙3の姿勢を修正するようになされる。例えば、用紙3の先端が開閉可能なフェンス24に均等に当接するようになされる。フェンス24は用紙端部の揃え時の位置基準となる。サイドジョーガー23の手前には用紙検知センサ118が配設され、用紙の前端及び後端を検知して用紙検知信号S18を制御部50へ出力するようになされる。
パンチ処理部20は、用紙3をフェンス24に当接させて停止させ、その後、当該用紙3の先端を穿孔する。なお、パンチ処理本体の下方には、パンチカス収納部26が設けられ、パンチ刃21によって切り落とされたパンチカスを収納するようになされる。パンチ処理部20の下流側には、排出ローラ25が設けられ、用紙穿孔後の用紙3’を次段のユニットに搬送するようになされる。
パンチ処理部20の下流側には、用紙保留手段の一例となるバインダ紙揃えユニット30が配置され、パンチ処理部20から排紙される複数枚の用紙3’の孔部の位置を揃えて一時保留(蓄積)するようになされる。
バインダ紙揃えユニット30は、搬送部11の搬送面を基準にして第2の俯角θ2を有する位置に用紙保留面を設定するように配置される。ここに用紙保留面とは、孔部が形成された用紙3’を保留(積層)する面をいう。この例では、俯角θ1と俯角θ2との関係がθ1<θ2に設定される。俯角θ1に関しては、0°<θ1<45°に設定され、俯角θ2に関しては、0°<θ2<90°に各々設定される。この設定は本体装置101の幅を縮小化するため、及び、この条件下で用紙3’を直線的に搬送するためである。
バインダ紙揃えユニット30は用紙カール押え機構31及び用紙ガイド叩落機構301を有している。用紙カール押え機構31は、当該ユニット30において、用紙進入口付近に配置され、用紙進入時に当該用紙3’の前端側をカールフェンス34a,34bで隣接する突起部342間に案内し、用紙通過時に当該用紙3’の下面から突起部342を退避させると共に、次位の突起部342にて当該用紙3’の後端側を用紙搬送路側へ押えるようになされる。
用紙ガイド叩落機構301は用紙カール押え機構31の構成部品間の用紙搬送路I上に配設され、上方から用紙搬送路I側に向って回動して用紙3’の後端側を押し下げるように回動動作し、この回動動作と同期して、用紙進入後、用紙3’の後端側を押し上げ解放する。その際に、当該用紙3’の後端側を下方側に押し込むように動作する(図3、図5〜9参照)。
また、バインダ紙揃えユニット30は用紙幅寄せ機能を有している。この例では、当該ユニット30に多櫂状の回転部材(以下パドルローラ37という)及びサイドジョーガー70が設けられ、紙進入時、用紙3’の先端を基準位置に当接すると共に、側端部を幅寄せして用紙束を揃えるようになされる。
バインダ紙揃えユニット30は、更に、クランプ移動機構80を有している。クランプ移動機構80は、用紙穿孔後の用紙3’を積層した用紙束3”をクランプ部材で保持して用紙搬送方向に移動するようになされる。
また、バインダ紙揃えユニット30の下流側には、バインド処理部40が配置され、当該ユニット30によって揃えられた複数枚の用紙束3”を綴じ部品43で綴じて冊子90を作成するようになされる。冊子90とは、綴じ部品43が嵌合され綴じられた用紙束3”をいう。
この例で、バインド処理部40は移動機構41を有している。移動機構41は、バインダ紙揃えユニット30の用紙搬送方向と、上述した搬送部11の搬送方向と直交する位置との間を往復回動するように移動する。バインド処理部40は、バインダ(綴じ部品)カセット42を有している。バインダカセット42には、複数個の綴じ部品がセットされる。綴じ部品は、例えば、射出成形され、用紙束3”の厚みに応じた複数種類が準備される。
移動機構41は、例えば、搬送部11の搬送方向と直交する位置でバインダカセット42から1個の綴じ部品43を引き抜いて保持し、この状態で、バインダ紙揃えユニット30の用紙搬送方向を見通せる位置に回動する。この位置で、バインド処理部40は、バインダ紙揃えユニット30から、パンチ孔が位置決めされた用紙束3”を受入れ、そのパンチ孔に綴じ部品43を挿入して綴じ処理を実行する(自動製本機能)。
バインド処理部40の下流側には、排出ユニット60が配置され、バインド処理部40により作成された冊子90を排出処理するようになされる。排出ユニット60は、例えば、第1のベルトユニット61、第2のベルトユニット62及びスタッカ63を有して構成される。
ベルトユニット61は、バインダ紙揃えユニット30から落下してくる冊子90を受止めて送出方向を切換えるようになされる。例えば、バインダ紙揃えユニット30の用紙搬送方向を見通せる位置から所定の排出方向へベルトユニット本体を振り向けるようになされる。
ベルトユニット62は、ベルトユニット61によって送出方向が切換えられた冊子90を受け取ってリレー搬送するようになされる。スタッカ63はベルトユニット61及び62によって搬送されてくる冊子90を溜め込むようになされる。
続いて、本発明に係る用紙処理方法について説明する。図2A〜Dは、バインド装置100の機能例を示す工程図である。
図2Aに示す用紙3は、当該バインド装置100の上流側から給紙されたものである。パンチ孔が開孔されていないものである。用紙3は、図1に示した搬送路11の所定の位置に向けて搬送され、搬送路11の所定の位置で減速及び停止される。その後、搬送路11から搬送路12に用紙3の搬送経路が切り替えられ、かつ、当該用紙3を逆方向に送出されてパンチ処理部20に搬送される。
パンチ処理部20では、図2Bに示すように用紙3の一端に所定の数の綴じ用の孔が穿孔される。綴じ用の孔部が形成された用紙3’は、バインダ紙揃えユニット30へ搬送される。バインダ紙揃えユニット30では、用紙3’が予め設定された用紙枚数に到達し、図2Cに示す用紙束3”となると、その綴じ用の孔部の位置が揃えられ、バインド処理部40と協調して綴じ部品43をその孔部へ挿入するようになされる。これにより、綴じ部品43が挿通された、図2Dに示すような冊子90を得ることができる。
図3は、バインダ紙揃えユニット30の構成例を示す斜視図であり、シャッター83を開口した状態を示している。図3に示すバインダ紙揃えユニット30は、図1に示した用紙搬送部10によって搬送される用紙3’を揃えて一時保留するものである。バインダ紙揃えユニット30は用紙進入口付近に用紙カール押え機構31及び用紙ガイド叩落機構301を有している。
用紙カール押え機構31は、用紙進入時、リヤガイドシート306によって案内された用紙3’の前端側をカールフェンス34a,34bで隣接する突起部342間に案内し、用紙通過時、当該用紙3’の下面から上方向に向かい突起部342を退避させると共に、次位の突起部342にて当該用紙3’の後端側を押えるようになされる。リヤガイドシート306には所定の形状に加工された金属フレームに、所定に厚みを有した樹脂フィルムを接着し又はビス止めしたものが使用される。
用紙保留部32は、用紙3’を蓄積して一時保留する。用紙保留部32の用紙進入口付近の左右には、用紙カール押え機構31にて回転押え部材の一例を構成するカールフェンス部34a,34bが設けられる。
図4で、左右のカールフェンス部34a,34bは、動力伝達軸(カールフェンスシャフト)307に取り付けられている。動力伝達軸307に一端には、減速歯車309を介してモータ301’が取り付けられる。モータ301’は駆動部の一例を構成し、カールフェンス部34a,34bを所定の方向に回転させる。
カールフェンス部34aは、円盤状の回転本体部341及び複数の突起部342を有して構成される。回転本体部341は軸部341aを有している。軸部341aには、動力伝達軸307が取り付けられる。回転本体部341の円周部分には、例えば、90°置きに4個の突起部342が配置される。各々の突起部342は、軸部341aと平行する方向に突出した形状を有している。このようにカールフェンス部34aを構成すると、用紙揃え一時保留中、その突起部342でカール状の用紙3’を押えることができる。
例えば、突起部342が用紙進入毎に上方に巡回されることで、積層中の用紙3’のカール部位を押える状態を維持できるようになる。なお、カールフェンス部34bの構造及び機能に関しても、カールフェンス部34aと同様に構成され、かつ同様に機能するので、その説明を省略する。
このように、カールフェンス部34a,34bによれば、用紙進入時、リヤガイドシート306によって案内された用紙3’の前端側をカールフェンス34a,34bで隣接する突起部342間に案内し、用紙通過時、当該用紙3’の下面から突起部342を上方回転して、次位の突起部342にて当該用紙3’の後端側を押えるようになされる。リヤガイドシート306は用紙案内部材の一例を構成する。
上述の用紙保留部32の用紙搬出口付近には、図5で示す通り基準面を有するシャッター83が備えられ、用紙束揃え時には用紙搬送路Iが閉鎖される。シャッター83の内側(用紙保留部32側)では、クランプ移動機構80の可動側のアッパアーム801a及び固定側のロアアーム801bから成るクランプ部材が解放され、この状態で用紙3’が束ねられる。用紙搬出時には、シャッター83が開口され、アッパアーム801a及びロアアーム801bにより用紙束が挟持されて次工程に搬出される。
用紙ガイド叩落機構301は、用紙カール押え機構31のカールフェンス部34a,34bの回転軸に列設しており、リヤガイドシート306と、カールプレスアーム31a,31b,31cとを含み構成される。リヤガイドシート306は図5中、軸支部318に回動自在に係合され、用紙後端進入時、反時計方向に回動して用紙3’の後端側を持ち上げるように上下動する。カールプレスアーム31a,31b,31cは、用紙押下部材の一例を構成し、用紙進入後、リヤガイドシート306が用紙3’の後端側を持ち上げて解放する際に、当該用紙3’の後端側をリヤガイドシート306の下側に押し込むように動作する。
なお、カールプレスアーム31a,31b,31cは、ガイド支持部材303bに取り付けられる。ガイド支持部材303bの一端であって、本体基板81の外側には、アーム姿勢規制用のリンク部材313bが取り付けられている。この本体基板81の内側であって、ガイド支持部材303bには、図5に示すようなシート開閉用のリンク部材315が取り付けられている。
図4は、その用紙カール押え機構31及び用紙ガイド叩落機構301の構成例を示す斜視図である。
図4に示す用紙カール押え機構31及び用紙ガイド叩落機構301は、図3に示したバインダ紙揃えユニット30から取り出したもので、カールプレスアーム31a,31b,31c、カールフェンス部34a,34b、リヤ固定ガイド部305a,305b、リヤガイドシート306(図5参照)、及び、アッパーガイド310等を備えて構成される。用紙カール押え機構31については、図3でその説明をしているのでその説明を省略する。
用紙ガイド叩落機構301は、カールフェンス部34a,34bの動力伝達軸307に列設され、リヤガイドシート306(図5参照)と、カールプレスアーム31a,31b,31cとを含み構成される。動力伝達軸307は、カールフェンス部34a,34bを所定の方向に回転する動力を伝達するようになされる。
カールプレスアーム31a,31b,31cは所定形状を有しており、リヤガイドシート306の開閉動作と同期して回動する。例えば、カールプレスアーム31a,31b,31cは、本体部がへ字状を有しており、用紙進入後、リヤガイドシート306が用紙3’の後端側を持ち上げて用紙を解放する際に、当該用紙3’の後端側を用紙搬送路I側に押し込むように動作する。カールプレスアーム31a,31b,31cには、例えば、へ字状に加工された金型に樹脂を封入して成形したものが使用される。リヤガイドシート306は、用紙3’の後端側を用紙保留部32へ案内するように動作する。
用紙ガイド叩落機構301は、図3及び図4に示すように、ガイド支持部材303a,303b、カム311、ローラアーム部材312、リンク部材313及び螺旋コイルバネ314を備えて構成される。ガイド支持部材303bには例えば、3個のへ字状のカールプレスアーム31a,31b,31cが設けられ、リヤガイドシー卜306の開閉動作と同期して動作する。
カールプレスアーム31a,31b,31cは、リヤガイドシート306と対峙する位置に搭載される。例えば、カールプレスアーム31a,31b,31cは、ガイド支持部材303bを成すピンにより回転固定している。3個のカールプレスアーム31a,31b,31cをガイド支持部材303bに設けたのは、用紙幅全域にわたり、用紙3’に対する叩き落とし効果を得るためである。
動力伝達軸307の一端にはカールフェンス34aの他、その外側にカム311が固定されている。カム311にはローラアーム部材312が係合されている。ガイド支持部材303bの他端には、所定形状のリンク部材313の一端が固定されている。螺旋コイルバネ314は、リンク部材313の他端と、本体基板81との間に取り付けられ、当該リンク部材313を常時一定の方向に付勢するようになされる。本体基板81の内側であって、ガイド支持部材303bには図示しないリンク部材313’が固定され、その他端は、リヤガイドシー卜306に可動自在に係合されている。
これにより、リヤガイドシート306に案内された用紙3’の後端をカールプレスアーム31a,31b,31cによって、押し下げて当該リヤガイドシート306の下方に回り込ませることができる。このとき、リヤガイドシート306が用紙後端を解放する際に、用紙後端のカールも一緒に持ち上げられてしまうが、カールプレスアーム31a,31b,31cの回動動作により、一旦持ち上げられた用紙3’をリヤガイドシート306の下に強制的に叩き落す動作により、用紙後端がカールした場合であっても、確実に、リヤガイドシート306で浮き上がりを押さえ、用紙走行路を確保でき、ジャムを防止できるようになった。
なお、左右のカールフェンス部34a,34bの近傍に設けられたリヤガイドシート306は、当該バインダ紙揃えユニット30へ進入する用紙3’の先端部を用紙保留部32の方向へ案内するようになされる。
上述のリヤガイドシート306は、回動可能な構造を備えている(図5参照)。この回動構造によって、カールフェンス部34a,34bの直近まで、用紙3’をガイドする構成とすることができ、カールした用紙3’が進入してきた場合であっても、用紙カール押え機構31及び用紙ガイド叩落機構301によって、カールフェンス部34a,34bに激突する事態を防止でき、この衝突を原因とするジャムを防止できるようになる。
上述のカールフェンス部34a,34b間を接続した動力伝達軸307の用紙搬送方向の前後には、リヤ固定ガイド305a,305b(図4参照)が設けられる。リヤ固定ガイド305a,305bは、リヤガイドシート306によって案内される用紙3’を用紙保留部32に案内するようになされる。リヤ固定ガイド305a,305bは、用紙保留部32の用紙整列面から離れた位置に固定された構造を有している。例えば、リヤ固定ガイド305a,305bは、動力伝達軸307の用紙搬送方向の前後に配置された1組のガイド支持部材303a,303bに橋架固定される。リヤ固定ガイド305a,305bは用紙進入口の左右に配置される。
ガイド支持部材303bにはアッパーガイド310(図4参照)が取り付けられ、用紙3’の先端部の進入方向を規制し、用紙保留部32に案内するようになされる。リヤ固定ガイド305a,305bは、例えば、板金部品(樹脂による射出成形品でもよい)、上から見たとき、底部位が円弧状のR面を有している。大きさは、幅20mm乃至30mmで、長さ60mm乃至80mm程度である。高さは8mm乃至10mm程度である。このようにすると、カール状の用紙3’が進入した場合に、その用紙3’が持ち上がろうとする力を緩和でき、カール状の用紙3’の進入を原因とするジャムを防止できる。
上述のリヤガイドシート306は、カールフェンス部34aと連動するカム311と連携している。用紙進入完了時、カム311の駆動によってカールフェンス部34aの回転軌跡から退避するようになされる。例えば、図4に示すようにリヤガイドシート306のローラアーム部材312は、カム311に対してフォロアリングで結合されており、カールフェンス部34aの回転と連動するようになされている。このようにすると、カールフェンス部34aが回転すると同時にリヤガイドシート306も回動し、用紙進入完了時、カールフェンス部34aの回転軌跡から退避し、カールフェンス部34aの突起部342と干渉するのを防止できるようになる。
しかも、リヤガイドシート306を回動可能にしたことで、カールフェンス部34aの直近まで、ガイド構成することができ、ジャムを防止できるようになる。なお、カム311及びフォロアリングに関して、カールフェンス部34bも、カールフェンス部34aと同様に構成され、かつ同様に機能するので、その説明を省略する。
上述の動力伝達軸307の他端には、カールフェンスホームポジション検知用の所定形状(この例では四つ葉状)を有したディスク307aが取り付けられる。このディスク307aと係合される位置には、カールフェンス用のホームポジションセンサ(以下HPセンサ117という)が備えられる。HPセンサ117は、モータ301によって回転されるカールフェンス部34a,34bの停止位置を検出するようになされる。HPセンサ117には透過型の光学センサ(発光&受光素子)が使用される。
上述の用紙保留部32の用紙搬出口の内側には、サイドジョーガー70が備えられ、用紙束揃え時に、用紙束3”の幅を揃えるために、その両側から幅寄せ部材を寄せるようになされる。用紙搬出時には、サイドジョーガー70における幅寄せ部材が用紙束3”の両側に退避するようになされる。用紙搬送路Iに余裕を持たせるためである(図10参照)。
用紙保留部32の用紙搬出口の内側には、サイドジョーガー70の他に、繰り出しローラ38及びプレスローラ33(図5参照)が配置され、用紙束3”を次工程に排出する際に、用紙束3”を表裏から加圧するようになされる。このように用紙搬出用のローラを構成すると、綴じ部品43で用紙束3”を綴じない場合であっても、束状態を維持したまま次工程に用紙束3”を搬出できるようになる。
続いて、用紙カール押え機構31及び用紙ガイド叩落機構301の動作例について説明する。図5〜図9は、用紙カール押え機構31及び用紙ガイド叩落機構301における用紙進入時の動作例(その1〜5)を示す構成図である。
図5は、バインダ紙揃えユニット30における用紙3’の進入直前の構成例を示す側面図である。図5に示すガイド支持部材303bには、シート開閉用のリンク部材315が取り付けられている。リンク部材315にはリヤガイドシート306が可動自在に係合されている。例えば、リヤガイドシート306の所定部位には、三角状を有し、かつ、長孔(図示せず)を有した突出部316が立設されている。この突出部316の長孔に、リンク部材315に設けられた係合ピン317が可動自在に係合される。
この用紙カール押え機構31及び用紙ガイド叩落機構301の動作例では、カールフェンス部34a、34bの回転本体部341に、90°置きに4個の突起部342を配置している場合を例に採る。図3に示す螺旋コイルバネ314は、リンク部材313と本体基板81との間に取り付けられ、当該リンク部材313を常時一定の方向に付勢している場合を例に挙げる。図5〜図9中、カールフェンス部34bについては、カールフェンス部34aと同様な動作となるのでその説明を省略する。
図5において、バインダ紙揃えユニット30の用紙排出口に設けられたシャッター83は閉鎖している。アッパアーム801a及びロアアーム801bは、解放されている。この状態で用紙3’は、図1に示したパンチ処理部20から、図3に示したバインダ紙揃えユニット30へ進入し、その用紙3’の先端部が用紙カール押え機構31及び用紙ガイド叩落機構301を通過するようになる。
図中、Dmaxはバインダ紙揃えユニット30で取り扱われる最大の冊子厚みである。Pxは最下点に巡回した突起部342の位置である。Hpは、用紙カール押え機構31のカールフェンス部34aにおける突起部342のホームポジション(ホームポジションの位置)である。この例で、ホームポジションHPは、回転本体部341に90°置きに配置された4個の突起部342のうち、上下の突起部342が垂直に並んだ状態である。この状態の用紙ガイド叩落機構301によれば、図3に示した螺旋コイルバネ314の付勢力により、外付け用のリンク部材313が用紙搬送方向(図3中右方向)へ引っ張られ、ガイド支持部材303bがカールプレスアーム31a,31b,31cを振り上げた姿勢を維持するようになされる。
この状態で、次に、図6に示す用紙カール押え機構31へ進入した用紙3’は、カールフェンス部34a等の突起部342の間を通過し、当該バインダ紙揃えユニット30の用紙保留部32で積層される。このとき、用紙3’の後端部は、カールフェンス部34a等の突起部342の上に乗った状態である。カールフェンス部34a等では、一の突起部342と他の突起部342との間に用紙3’の用紙搬送路Iが形成される。図6に示す用紙ガイド叩落機構301によれば、螺旋コイルバネ314の付勢力によりガイド支持部材303bはカールプレスアーム31a,31b,31cを振り上げたままである。
このとき、HPセンサ117は、カールフェンス部34b等の突起部342の位置を検知してHP検知信号S17を出力する。この例では、動力伝達軸307に取り付けられたディスク307aは、HPセンサ117のスリットに入って遮光したたままである。HPセンサ117は、ローレベル(以下「L」レベルという)のHP検知信号S17を図11に示す制御部50に出力するようになる。
その後、図7に示すパドルローラ37により掻き込まれて用紙3’の先端がシャッター83に到達すると、用紙カール押え機構31のカールフェンス部34aは、90°矢印方向(時計方向)に回転する。このとき、図7に示す用紙ガイド叩落機構301によれば、螺旋コイルバネ314の付勢力によりガイド支持部材303bはカールプレスアーム31a,31b,31cを振り上げたままである。リヤガイドシート306は、用紙後端進入時、反時計方向に回動して用紙3’の後端側を持ち上げるように上下動する。このときも、HPセンサ117は「L」レベルのHP検知信号S17を制御部50に出力する。
その後、当該用紙3’の下方に位置していた突起部342は、用紙3’の後方に抜き取られる。当該用紙3’の下方位置の突起部342の抜き取りと同時に、図8に示すリヤガイドシート306が用紙後端を持ち上げて用紙を解放し、次の突起部342が用紙3’の上方に位置するようになる。この結果、前後の用紙3’で継続して押え込む状態を維持できるようになる。
このとき、図8に示す用紙ガイド叩落機構301によれば、3個のへ字状のカールプレスアーム31a,31b,31cがリヤガイドシー卜306の開閉動作と同期して動作する。例えば、図4に示した動力伝達軸307の一端に固定されたカム311に、ローラアーム部材312が当接されて上方向(又は下方向)へ回動する。ローラアーム部材312の回動によって、ガイド支持部材303bの他端に固定された、図8に示すリンク部材315が回動する。リンク部材315が回動することで、リヤガイドシート306が軸支部318を回動中心にして回動する。なお、動力伝達軸307の他端に取り付けられたディスク307aは、HPセンサ117のスリットから抜け出すので、HPセンサ117は、「L」レベルから「H」レベルに反転したHP検知信号S17を制御部50に出力するようになる。
そして、リヤガイドシート306が持ち上げた用紙後端を解放する際に、カールプレスアーム31a,31b,31cが当該用紙後端をリヤガイドシート306の側に押し込むように動作する。この例では、螺旋コイルバネ314の付勢力に打ち勝ってガイド支持部材303bはカールプレスアーム31a,31b,31cを振り降ろす。これにより、リヤガイドシート306に案内された用紙3’の後端をカールプレスアーム31a,31b,31cにより押し叩いて(押し下げて)当該リヤガイドシート306の下方に回り込ませることができる。
この例で、用紙3’の後端側を押えるカールフェンス部34a等で押える順番が巡ってきた突起部342の位置Pxは、バインダ紙揃えユニット30で取り扱われる最大の冊子厚みDmaxよりも、上方に設定される。このように突起部342の位置Pxを設定すると、突起部342が冊子厚み方向にむやみに用紙3’を押し込む事態を回避できるようになる(図5参照)。
また、カールフェンス部34a等は、図6に示した一の突起部342と他の突起部342との間に用紙3’の用紙搬送路Iを有しているので、左右のカールフェンス部34a、34bの各々の突起部342間で用紙3’の姿勢を事前に規制する(揃える)ことができ、用紙束整列時に、用紙3’に開口された孔部を容易かつ瞬時に整列できるようになる。
カールフェンス部34a等の突起部342間に用紙3’を通すことで、複雑な動作をすることなく、用紙押えと用紙ジャム防止動作を円滑に行うことができる。従って、リヤガイドシート306の端部から強制的に用紙端部を叩き落すようにカールプレスアーム31a,31b,31cを動作させることができ、叩き落された用紙端部を当該リヤガイドシート306で引き続き押さえ込むことができる。なお、動力伝達軸307の他端のディスク307aは、再び、HPセンサ117のスリットに入って遮光するので、HPセンサ117は、「H」レベルから「L」レベルに反転したHP検知信号S17を制御部50に出力するようになる。
これにより、図9に示す用紙ガイド叩落機構301によれば、螺旋コイルバネ314の付勢力によりガイド支持部材303bがカールプレスアーム31a,31b,31cを振り上げるようになる。
図10は、バインダ紙揃えユニット30におけるサイドジョーガー70の構成例を示す斜視図である。
図10に示すサイドジョーガー70は用紙幅寄せ機構の機能の一例を構成し、図3に示したバインダ紙揃えユニット30内に設けられる。サイドジョーガー70は、用紙搬送路Iを挟んだ用紙幅方向で相互に対峙する位置にて用紙3’を寄せるように動作する。
サイドジョーガー70は、本体筐体部71、幅寄せガイド72a、幅寄せ基準ガイド72b、レール73a,73b、モータ74a,74b、移動ステージ75a,75bを有して構成される。本体筐体部71は、上面部位と底面部位を有して構成される。本体筐体部71は、鉄板を折り曲げ加工して略箱状体に形成されている。箱状体の上面部位は解放されている。本体筐体部71の背面部位は、モータ取り付け領域となされている。その上面部位は、移動ステージ領域となされている。
移動ステージ領域には、幅寄せガイド72a、幅寄せ基準ガイド72b、レール73a,73b及び移動ステージ75a,75bが配置される。例えば、本体筐体部71の内部の両壁面間にはレール73a,73bが渡橋するように設置されている。レール73a,73bは、2本の丸棒を本体筐体部71の右側端及び左側端を貫く位置で固定するように取り付けられる。このレール73a,73bには1組の移動ステージ75a,75bが左右に移動自在に係合される。
移動ステージ75a,75bは、例えば、樹脂成形部品から構成され、この移動ステージ75a,75bには、左右を貫くような開口部(図示せず)が設けられ、この開口部にレール73a,73bが通される。もちろん、開口部にレール73a,73bを通す形態に限られることはなく、移動ステージ75a,75bに駆動輪を取り付けてレール73a,73b上を走行する形態を採ってもよい。
移動ステージ75aの上部左端には幅寄せ基準ガイド72bが取り付けられ、用紙3’の端面基準となる。その上部右端には幅寄せガイド72aが取り付けられ、用紙3’を1枚毎に幅寄せ基準ガイド72bに押し付けて整列するようになされる。幅寄せガイド72a及び基準幅寄せガイド72bは一対の幅寄せ部材の一例を構成し、共に独立して駆動するようになされる。もちろん、幅寄せ基準ガイド72bを固定し、幅寄せガイド72aを幅寄せ基準ガイド72b側に寄せるように駆動してもよい。
幅寄せガイド72aは例えば、鉄板を変形コ字状に折り曲げ加工したものが使用される。幅寄せ基準ガイド72bは例えば、鉄板を変形逆コ字状に折り曲げ加工したものが使用される。幅寄せガイド72a及び幅寄せ基準ガイド72bは、上流側が広く、下流側が狭くなされている。これは、カール状の用紙3’を用紙保留部32の先端に再現性良くガイドするためである。
幅寄せガイド72a及び幅寄せ基準ガイド72bの上流側は、紙案内用に上端部が跳ね上がった形状(フラップ)を有し、かつ、下端部は反対に垂下した形状を有している。これらの形状は、パンチ処理部20から送られてくる用紙3’をパドルローラ37と協働してクランプ移動機構80へ案内するために設けられる。
また、本体筐体部71の背面部位に設けられたモータ取り付け領域には、モータ74a,74bが取り付けられる。モータ74a,74bは、用紙3’が基準面に至る間に幅寄せガイド72aの寄せ幅を数段階に分けて駆動するように制御される。モータ74a,74bには各々ステッピングモータが使用される。モータ74a,74bでは、それらのモータ回転軸が本体筐体部71の底面部位から上面部位に貫通して設けられる。
この例では、本体筐体部71の上面部位側には、従動用のプーリー77a、77b(図示せず)が取り付けられる。ベルト駆動用のプーリー76aと従動用のプーリー77aとの間に無終端状のベルト78aが係合される。同様にして、ベルト駆動用のプーリー76bと従動用のプーリー77b(図示せず)との間に無終端状のベルト78bが係合される。
上述の移動ステージ75a,75bはベルト78a,78bの一部とを係合されてベルト駆動される。これにより、幅寄せガイド72a及び幅寄せ基準ガイド72bを用紙搬送方向と直交する方向で移動可能なサイドジョーガー70を構成できるようになる。例えば、サイドジョーガー70では、用紙3’を1枚毎に寄せ基準側に押し付けることにより、バインダ紙揃えユニット30に一時保留された用紙3’の幅を揃えることができる。
図11は、バインダ紙揃えユニット30の制御系の構成例を示すブロック図である。
図11に示す制御部50には、モータ駆動部35,36、プレスローラ用のHPセンサ115、カールフェンス用のHPセンサ117、用紙検知センサ119、排出ローラ駆動部122、モータ駆動部180〜185が接続されている。
用紙検知センサ119は、パンチ処理部20から排出される用紙3’を検知して用紙検知信号S19を制御部50に出力する。制御部50は、用紙検知信号S19に基づいてモータ駆動部35,36、モータ駆動部180〜183を制御する。例えば、用紙検知信号S19に基づいてモータ駆動部36にモータ制御信号S36を出力する。
排出ローラ駆動部122には、排出ローラ回転用のモータ205が接続される。排出ローラ駆動部122は、制御部50からモータ制御信号S22を入力して、モータ205を駆動し排出ローラ25を回転する。パンチ処理部20から排出された用紙3’は、排出ローラ25の回転により搬送され、バインダ紙揃えユニット30内に進入するようになる。
HPセンサ117は、カールフェンス部34a,34b等の突起部342の位置を検知してホームポジション(以下HPという)検知信号S17を制御部50に出力する。制御部50は、用紙検知信号S19及びHP検知信号S17に基づいてモータ駆動部35にモータ制御信号S35を出力する。
モータ駆動部35には、カールフェンス回転用のモータ301’が接続される。モータ駆動部35は、制御部50からモータ制御信号S35を入力して、モータ301’を回転し、用紙カール押え機構31のカールフェンス部34a,34bや、用紙ガイド叩落機構301のガイド支持部材303a,303b等をカム311を介して駆動する。
モータ駆動部36には、パドルローラ回転用のモータ708が接続される。モータ駆動部36は、制御部50からモータ制御信号S36を入力して、モータ708を回転し、パドルローラ37を駆動する。
モータ駆動部180には、クランプ移動機構用のモータ308が接続される。モータ駆動部180は、制御部50からモータ制御信号S80を入力して、モータ308を回転し、クランプ移動機構80を駆動する。例えば、クランプ移動機構80では、図3に示したシャッター83を開口すると共に、用紙束3”を狭持したクランプ部材を次工程に移行させるべく降下するようになされる。その後、用紙束3”を解放すると共に、クランプ部材を上昇し、シャッター83を閉鎖するようになされる。
モータ駆動部181には、クランプ部材駆動用のモータ86が接続される。モータ駆動部181は、制御部50からモータ制御信号S81を入力して、モータ86を回転し、アッパアーム801aやロアアーム801b等のクランプ部材を駆動する。用紙束揃え時には、クランプ部材が解放される。用紙束3”を狭持する場合は、クランプ部材が閉鎖される。
モータ駆動部182には、整列ピン駆動用のモータ89が接続される。モータ駆動部182は、制御部50からモータ制御信号S82を入力して、モータ89を回転し、図示しない整列ピンを駆動する。用紙束整列時には、整列ピンが用紙束3”の孔部に貫通される。
モータ駆動部183には、サイドジョーガー用のモータ74a,74bが接続される。モータ駆動部183は、制御部50からモータ制御信号S83を入力して、モータ74a,74bを回転し、サイドジョーガー70を駆動する。
この例では、用紙束整列時、サイドジョーガー70の幅寄せガイド72a及び幅寄せ基準ガイド72bが用紙束3”の幅方向を寄せるようになされる。例えば、制御部50は多段幅寄せ制御を実行する。ここに多段幅寄せ制御とは、用紙3’が基準面に至る間に幅寄せガイド72aの寄せ幅を数段階に分けて駆動するようにモータ74a,74bを制御することをいう。多段幅寄せ制御では、制御部50からモータ駆動部183へ多段幅寄せ制御用のモータ制御信号S83が出力される(図12及び図13参照)。用紙束排出時には、サイドジョーガー70の幅寄せガイド72a及び幅寄せ基準ガイド72bが退避される。
プレスローラ用のHPセンサ115は、プレスローラ33の位置を検知してローラ検知信号S15を制御部50に出力する。プレスローラ33のホームポジションとは、用紙整列面から所定距離上昇した位置をいう。プレスローラ33はこの位置で待機するようになる。制御部50は、用紙束排出時には、ローラ検知信号S15に基づいてプレスローラ33及び繰り出しローラ38を制御する。
モータ駆動部184には、プレスローラ移動用のモータ814が接続される。モータ駆動部184は、制御部50からモータ制御信号S84を入力して、モータ814を回転し、プレスローラ33を駆動する。
モータ駆動部185には、繰り出しローラ回転用のモータ815が接続される。モータ駆動部185は、制御部50からモータ制御信号S85を入力して、モータ815を回転し、繰り出しローラ38を駆動する。用紙束排出時、上述のプレスローラ33及び繰り出しローラ38は、用紙束3”を表裏から加圧するようにして次工程へ送り出すようになされる。これらにより、バインダ紙揃えユニット30の制御系を構成する。
図12及び図13は、制御部50による多段幅寄せ制御例(その1,2)を示す上面図である。図12Aは、サイドジョーガー進入直前の用紙3’の搬送例を示す上面図である。図12Aに示すサイドジョーガー70の幅寄せガイド72aの内側には、多孔質の緩衝部材701が設けられる。幅寄せ基準ガイド72bの内側には当接面を規定するため緩衝部材は設けられていない。緩衝部材701には所定の厚みを有したスポンジが使用される。
図12Aに示す多段幅寄せ制御例によれば、サイドジョーガー70へ搬送される用紙3’の幅をw(以下、用紙幅wという)とし、その幅寄せガイド72a及び幅寄せ基準ガイド72bの間の離隔幅をWx(x=0,1,2,3)とし、用紙3’の寄せ幅余裕をα1,α2(α2<α1)としたとき、図11に示した制御部50は、幅寄せガイド72a及び幅寄せ基準ガイド72b間の初期の離隔幅W1をw+2・α1に設定する。この例で、寄せ幅余裕はα1=5mm程度に設定される。
上述の離隔幅Wxとは、幅寄せガイド72aの緩衝部材701の側面から、幅寄せ基準ガイド72bの側面に至る距離をいう。用紙3’がA4サイズである場合、用紙幅がw=297mmで、寄せ幅余裕がα1=5mmであり、幅寄せガイド72a及び幅寄せ基準ガイド72bの間の離隔幅W1は、307mmとなる。サイドジョーガー70は離隔幅W1を以て用紙3’を受け入れるようになされる。
図12Bは、サイドジョーガー通過時における用紙3’の搬送例を示す上面図である。図11に示した制御部50では、図12Bに示すように、幅寄せ基準ガイド72bを固定し、幅寄せガイド72aを幅寄せ基準ガイド72b側に寄せる一次寄せ制御を実行する。この一次寄せ制御によれば、当該幅寄せガイド72a及び幅寄せ基準ガイド72b間の目標の離隔幅W2をw+α2に設定する。この例で、寄せ幅余裕はα2=2mm程度に設定される。上述のA4サイズの例で幅寄せガイド72a及び幅寄せ基準ガイド72bの間の離隔幅W2は、299mmに縮小される。サイドジョーガー70は離隔幅W2を以て用紙3’を揃えるようになされる。
図13Aは、サイドジョーガー通過後における用紙3’の搬送例(基準面到達時)を示す上面図である。図13Aに示す多段幅寄せ制御例によれば、一次寄せ制御の後に、図13に示すように、幅寄せガイド72a及び幅寄せ基準ガイド72b間の終期の離隔幅W0を用紙幅よりも狭いw−βに設定し、幅寄せガイド72aを幅寄せ基準ガイド72b側に寄せる二次寄せ制御を実行する。なお、βは用紙3’への押付量である。例えば、押付量βは、0<β<α2に設定する。
このように余裕α1,α2を設定して、用紙幅wより広い位置で幅寄せガイド72aを停止している。一次寄せ制御で用紙3’の走行位置を制限しているが、走行中に幅寄せガイド72aを幅寄せして用紙3’を挟むことなく、用紙搬送路Iに影響が出ないようになる。
この多段幅寄せ制御例によれば、用紙3’の先端側にパンチ孔3aが開口される場合であって、制御部50は、当該用紙3’の先端側が前回揃え済みの用紙3’のパンチ孔3aに到達する前に一次寄せ制御を実行する。そして、当該用紙3’の先端側が前回揃え済みの用紙3’のパンチ孔3aに到達した後に二次寄せ制御を実行する。
例えば、制御部50による押し付け制御は、当該用紙3’の先端側がバインダ紙揃えユニット30の基準面(シャッター83における当接面)に到達した後に実行する。この制御は、幅寄せガイド72aや幅寄せ基準ガイド72b等の緩衝部材701,702にスポンジ等の柔らかい部材を使用したとき、効果的かつ有効的に用紙揃えに寄与する。この押し付け制御は二次寄せ制御に含めてもよい。
図14及び図15は、バインダ紙揃えユニット30における用紙幅寄せ制御例(その1,2)を示す動作タイムチャートである。
この例で、制御部50はタイムスケージュールに基づいて用紙揃え制御を実行する。この用紙揃え制御の中で多段幅寄せ制御が実行される。例えば、用紙3’の進入を検知してから所要時間500msで用紙3’の1枚目の揃え動作を完了するようにタイムスケージュールが設定される。
この設定の中で、用紙先端がシャッター83に到達する前に幅寄せガイド72aを動作させ、用紙3’がパンチ孔3aの上を通過する際は、用紙3’のコーナーがパンチ孔3aの外側を通過するよう用紙幅w+α2(α2=2mm)の位置まで1次寄せ制御を行い、用紙先端がシャッター83に到達したら、幅寄せ基準ガイド72bまで用紙3’を押付けるように2次寄せ制御を行う。このように多段幅寄せ制御を実行することで、用紙3’のコーナーがパンチ孔3aに引っ掛かり、耳折れや整列不良を防止できるようになる。
図14Aは、制御部50における用紙幅寄せ制御例を示すタイムスケージュールである。この例では、まず、図14Bに示す時刻t=0で用紙検知センサ119が用紙3’の進入を検知して「L」レベルの用紙検知信号S19を制御部50へ出力する。
また、図14Eに示すパドルローラ回転用のモータ708は、図14Bに示した時刻t=0でオンして所要時間15ms後に所定の速度を維持して回転する。その後、図14Fに示すクランプ部材駆動用のモータ86は、図14Bに示した時刻t=0から図14Fに示す時刻t=50msに至る時間を待機した後に、オンして、例えば、所要時間145ms程度を要してクランプ部材を待避させる。
その後、図14Bに示した時刻t=0から図14Dに示す時刻t=165msに至る時間を待機した後に、サイドジョーガー駆動用のモータ74aは一次寄せ制御を実行する。例えば、図12Bに示した一次寄せ制御によれば、用紙3’がサイドジョーガー70を通過するとき、図11に示した制御部50では、図12Bに示したように、幅寄せ基準ガイド72bを固定し、幅寄せガイド72aを幅寄せ基準ガイド72b側に寄せる。
この一次寄せ制御では、当該幅寄せガイド72a及び幅寄せ基準ガイド72b間の目標の離隔幅をW2=w+α2に設定される。制御部50は、モータ駆動部183を介してモータ74aを例えば、所要時間80ms程度だけ駆動する。寄せ幅余裕はα2=2mmに設定されているので、離隔幅W2が299mmに縮小される。
そして、図14Cに示す時刻t=180ms付近で幅寄せセンサ(図示せず)が「H」レベルから「L」レベルに移行する幅寄せ検知信号を制御部50へ出力する(セット)。その後、図14Fに示す時刻t=200ms付近でクランプ部材移動用のモータ86がオフされ、クランプ待避を完了する。
その後、図14Bに示した時刻t=0から同図に示す時刻t=215ms付近で用紙検知センサ119が「L」レベルから「H」レベルに移行する用紙検知信号S19を制御部50へ出力する。そして、図14Bに示した時刻t=0から図15Dに示す時刻t=300msに至る時間を待機した後に、サイドジョーガー駆動用のモータ74aは、二次寄せ制御を実行する。
例えば、図13Aに示したサイドジョーガー通過後における用紙3’の搬送例(基準面到達時)によれば、一次寄せ制御の後に、幅寄せガイド72a及び幅寄せ基準ガイド72b間の終期の離隔幅W0をw−βに設定し、幅寄せガイド72aを幅寄せ基準ガイド72b側に寄せるようになされる。このとき、制御部50は、モータ駆動部183を介してモータ74aを例えば、所要時間40ms程度だけ駆動する。この移動で離隔幅が297mm−βに縮小される。
また、図15Hに示すカールフェンス回転用のモータ301’は、図14Bに示した時刻t=0から図15Hに示す時刻t=300msに至る時間を待機した後に、リヤガイドシート306の閉じ動作に移行する。この例では、用紙進入時、所要時間約160msの間にリヤガイドシート306によって案内された用紙3’の前端側をカールフェンス34a,34bで隣接する突起部342間に案内し、用紙通過時、当該用紙3’の下面から突起部342を退避させると共に、次位の突起部342にて当該用紙3’の後端側を押えるようになされる。このとき、図5〜図9に示した用紙ガイド叩落機構301が動作する。
そして、図15Gに示すHPセンサ117は、図14Bに示した時刻t=0から図15Dに示す時刻t=300msを経過した後にリヤガイドシート306の閉じ動作終了を検出して、「H」レベルから「L」レベルに移行するHP検知信号S17を制御部50へ出力する。なお、図15Dに示したサイドジョーガー駆動用のモータ74aによる二次寄せ制御は、図15GのHPセンサ117が「H」レベルから「L」レベルに移行するHP検知信号S17を制御部50で判別することでその制御終了が確認される。
その後、図14Bに示した時刻t=0から図15Fに示す時刻t=350msに至る時間を待機した後に、クランプ部材駆動用のモータ86をオンして、クランプ部材を動作させて用紙束3”をクランプする。クランプ動作は、例えば、約135ms程度を設定している。また、図14Bに示した時刻t=0から図14Hに示す時刻t=430msに至る時間を待機した後に、カールフェンス回転用のモータ301’は上昇動作に移行する。このモータ301’によるリヤガイドシート306の開き動作開始と共に、図15Gに示すHPセンサ117は、「L」レベルから「H」レベルに移行するHP検知信号S17を制御部50へ出力する。
その後、図15Dに示す時刻t=444msでサイドジョーガー駆動用のモータ74aは低速待避動作に移行する。この例では、低速で所要時間115msだけ駆動することでホームポジションHPに復帰する。また、図15Eに示す時刻t=444msでパドルローラ回転用のモータ708は停止動作に移行する。この例では、パドルローラ回転用のモータ708がオフされ、所要時間15msの後にパドルローラ37が停止する。
そして、用紙3’の進入を検知してから所要時間500msでの1枚目の用紙揃え動作を終了する。その後、図15Bに示した時刻t=540(t=0)で、幅寄せセンサが「L」レベルから「H」レベルに移行する幅寄せ検出信号を制御部50へ出力する(リセット)。また、用紙検知センサ119が次の用紙3’を検知して「L」レベルの用紙検知信号S19を制御部50へ出力する。以下、上述の動作を繰り返すようになされる。
続いて、バインダ紙揃えユニット30の制御例について説明する。図16は、バインダ紙揃えユニット30における用紙揃え時の制御例を示すフローチャートである。
この例では、制御部50からモータ制御信号S22を入力した排出ローラ駆動部122がモータ205を駆動して排出ローラ25を回転し、パンチ処理部20から排出された用紙3’をバインダ紙揃えユニット30内に進入する場合を前提とする。
これらを制御条件にして、図16に示すフローチャートのステップA1で制御部50は、バインダ紙揃えユニット30への用紙3’の進入を検知する。このとき、用紙検知センサ119は、パンチ処理部20から排出される用紙3’を検知して用紙検知信号S19を制御部50に出力する。制御部50は、用紙検知信号S19に基づいて用紙3’の進入を認識する(図14B参照)。
用紙3’の進入を検知した後、例えば、モータ駆動部36にモータ制御信号S36を出力し、モータ駆動部180には、モータ制御信号S80を出力する。そして、ステップA2で、制御部50はパドルローラ37を回転する。このとき、モータ駆動部36は、制御部50から入力したモータ制御信号S36に基づいてモータ708を回転し、パドルローラ37を駆動する(図14E参照)。
その後、ステップA3に移行して制御部50は、クランプ部材を離す解放処理を実行する。このとき、モータ駆動部180は、制御部50から入力したモータ制御信号S80に基づいて、モータ308を回転し、クランプ移動機構80を駆動する(図14F参照)。例えば、クランプ移動機構80では、クランプ部材を離すと共に、アッパアーム801aを上昇し、用紙受け入れ準備状態でシャッター83を閉鎖するようになされる。これにより、パンチ処理部20から排出された用紙3’は、シャッター83に到達する。
その後、ステップA4に移行して制御部50は、多段幅寄せ制御を実行する。このとき、モータ駆動部183は、制御部50からモータ制御信号S83を入力してモータ74a,74bを回転し、サイドジョーガー70を駆動する。サイドジョーガー70では、その幅寄せガイド72aが幅寄せ基準ガイド72bの側へ移動して用紙束3”の幅方向を寄せるようになされる(図14D参照)。
そして、ステップA5に移行して制御部50は、クランプ閉鎖処理を実行する(図14F参照)。このとき、モータ駆動部181は、制御部50から入力したモータ制御信号S81に基づいてモータ86を回転し、ロアアーム801bに対してアッパアーム801aを閉鎖するように駆動する。
その後、ステップA6に移行して制御部50は、用紙カール押え引抜き処理を実行する。例えば、制御部50は、用紙検知信号S19及びHP検知信号S17に基づいてモータ駆動部35にモータ制御信号S35を出力する。モータ駆動部35は、モータ制御信号S35に基づいてモータ301’をONして回転し、カールフェンス部34a,34bを図7に示した矢印(時計方向)の方向に駆動する。
そして、ステップA7に移行して制御部50は、突起部342がホームポジションHPに到達したか否かを判別する。このとき、HPセンサ117は、カールフェンス部34b等の突起部342の位置を検知してHP検知信号S17を制御部50に出力する。HP検知信号S17は、HPセンサ117のスリットからディスク307aが抜け出ることで、図15Gに示す「L」レベルから「H」レベルに移行する。
制御部50は、HP検知信号S17から突起部342が、未だホームポジションHPに到達していないことを検知した場合は、モータ301’の回転を継続する。このとき、用紙ガイド叩落機構301では、図7に示した螺旋コイルバネ314の付勢力によりガイド支持部材303bがカールプレスアーム31a,31b,31cを振り上げたままの状態を維持する。リヤガイドシート306は、用紙後端進入時、反時計方向に回動して用紙3’の後端側を持ち上げるように開閉動作する。
その後、当該用紙3’の下方に位置していた突起部342は、用紙3’の後方に抜き取られる。当該用紙3’の下方位置の突起部342の抜き取りと同時に、図8に示したリヤガイドシート306が用紙後端を持ち上げ後に用紙を解放する。このとき、図8に示した用紙ガイド叩落機構301によれば、3個のへ字状のカールプレスアーム31a,31b,31cがリヤガイドシー卜306の開閉動作と同期して動作する。上述した例では、図3に示した動力伝達軸307の一端に固定されたカム311に、ローラアーム部材312が当接されて上下方向へ回動する。このローラアーム部材312の回動によって、ガイド支持部材303bの他端に固定されたリンク部材315が回動する(図8参照)。リンク部材315が回動することで、リヤガイドシート306が軸支部318を回動中心にして上昇動作をする。
そして、リヤガイドシート306が持ち上げた用紙後端を解放する際に、カールプレスアーム31a,31b,31cが当該用紙後端をリヤガイドシート306の下側に押し込むように動作する。このとき、螺旋コイルバネ314の付勢力に打ち勝ってガイド支持部材303bはカールプレスアーム31a,31b,31cを振り降ろす。これにより、リヤガイドシート306に案内された用紙3’の後端をカールプレスアーム31a,31b,31cにより押し叩いて(押し下げて)当該リヤガイドシート306の下方に回り込ませることができる。この結果、用紙3’の後端を継続して押え込む状態を維持できるようになる。次の突起部342が次の用紙3’の上方に円滑に進入できるようになる。
なお、制御部50は、突起部342がホームポジションHPに到達したことを検知した場合は、ステップA8に移行してモータ301’を停止(OFF)する。その後、ステップA1に戻って上述した処理を繰り返すようになされる(図14F参照)。
そして、クランプ移動機構80は、クランプ部材を次工程に移行させるべく降下するようになされる。その後、用紙束3”に綴じ部品43が取り付けられると、クランプ部材を解放すると共に、綴じ部品43が取り付けられた冊子90を自由落下させ、クランプ部材を上昇し、シャッター83を閉鎖するようになされる。
なお、次工程で綴じ部品43による綴じ処理をすることなく、用紙束のまま排出する場合は、制御部50は、ローラ検知信号S15に基づいてプレスローラ33及び繰り出しローラ38を制御する。このとき、モータ駆動部184は、制御部50からモータ制御信号S84を入力して、モータ814を回転し、プレスローラ33を駆動する。
これと共に、モータ駆動部185は、制御部50からモータ制御信号S85を入力して、モータ815を回転し、繰り出しローラ38を駆動する。上述のプレスローラ33及び繰り出しローラ38は、用紙束3”を表裏から加圧するようにして次工程へ送り出すようになされる。いずれの場合も、用紙束排出時には、サイドジョーガー70の幅寄せガイド72a、幅寄せ基準ガイド72bが退避される。
このように、実施形態としてのバインド装置100によれば、所定の用紙3’を揃えて一時保留する場合に、用紙進入位置の用紙ガイド叩落機構301では、リヤガイドシート306が用紙入り口の方向に回動して用紙後端を持ち上げるように開閉動作する。へ字状を有した3つのカールプレスアーム31a,31b,31cは、リヤガイドシート306の開閉動作と同期して回動する。このとき、カールプレスアーム31a,31b,31cは、リヤガイドシート306が用紙後端を持ち上げて解放する際に、当該用紙後端をリヤガイドシート306の下側に押し込むように動作する。
従って、リヤガイドシート306の端部から強制的に用紙端部を叩き落すことができ、叩き落された用紙端部を当該リヤガイドシート306の下方で回転本体部341の突起部342を押さえ込むことができる。これにより、用紙3’の厚みが変化した場合や、用紙3’が何らかの原因で後端部がカールした用紙3’であっても、確実に、リヤガイドシート306で用紙3’の浮き上がりを押さえ、用紙進入(走行)路を確保することができ、ジャム発生を防止できるようになった。
特に、用紙ガイド叩落機構301を用紙カール押え機構31と協働させているので、高速で用紙3’をバインダ紙揃えユニット30へ進入させた場合であっても、高速回転するカールフェンス部34a,34bによって、前後の用紙3’を突起部342で高速に引き継き、叩き落とせるので、前の用紙3’の後端側に対する押え動作と、当該用紙3’の後端側に対する押え動作とが重ならないように実行できるようになった。これにより、高速用紙束整列処理に寄与する。
また、バインド装置100によれば、所定の用紙3’を揃えて一時保留する場合、サイドジョーガー70では、一対の幅寄せガイド72a、幅寄せ基準ガイド72bが用紙搬送路Iを挟んで相互に対峙する位置において、用紙3’の幅側を寄せるように動作する。制御部50は、モータ駆動部183を介して、幅寄せ基準ガイド72bを固定し、幅寄せガイド72aのみを寄せるようにモータ74a,74bを駆動する。このとき、制御部50は、用紙3’がシャッター83(基準面)に至る間に幅寄せ基準ガイド72bに対する幅寄せガイド72a,の寄せ幅Wxを2段階に分けて駆動するようにモータ駆動部183を制御するようにした(多段幅寄せ制御)。
従って、バインダ紙揃えユニット30に進入した当該用紙3’の先端部が前回揃え済みの先の用紙3”のパンチ孔3a上を通過する際には、当該用紙3’の隅部(コーナー)が先の用紙3”のパンチ孔3aの外側を通過できるようになる。これにより、当該用紙3’のコーナーが先の用紙3”のパンチ孔3aに引っ掛かったり、それを原因とする耳折れや、用紙整列不良を防止できるようになった。
上述の実施形態では、整列基準位置を用紙3’の外側に設け、幅寄せ基準ガイド72bを固定し、幅寄せガイド72aのみを寄せるようにモータ駆動する場合について説明したが、これに限られることはなく、用紙3’の走行位置と同等の位置に整列基準位置を設定して、多段幅寄せ制御を実行するようにしてもよい。この場合、幅寄せ基準ガイド72bと幅寄せガイド72aとを同一の移動量を設定して、用紙3’の両側から中心に同じ量だけ双方を寄せるようにモータ74a,74bを駆動する。これによっても、用紙3’のコーナーがパンチ孔3aの上を通過するのを防止できるようになる。