JP2008162003A - 超音波研磨装置に用いる砥石及び弾性体 - Google Patents

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Abstract

【課題】被研磨物を高精度且つ高速で研磨できる超音波研磨装置を提供する。
【解決手段】 アルミ製のリング状の弾性体2の上下面を旋盤により切削し両面に段差を設ける。弾性体2の厚肉の外周部の両面に2個のリング状の圧電セラミック12a、12bを、エポキシ接着剤を用いて接合する。圧電セラミック12a、12bは表面に防水用の塗料を塗布している。また弾性体2の内部に4個の取付け孔24を設ける。アルミ製の弾性体2の上下面に接合した圧電セラミック12は、板厚方向に分極されている。
【選択図】図6

Description

本発明は、ガラス、シリコン、セラミックおよび超硬金属および金属材料などを、超音波振動を用いて研磨する超音波研磨装置及びこれに用いる砥石及び弾性体に関する。
ガラス、シリコン、シリコンナイトライド、希土類磁石材料、超硬金属および金属材料などの被研磨物を研磨するために、円環状の砥石を備えた研磨装置が一般的に用いられている。
しかし、半導体材料、磁性材料、圧電材料および光学材料などにおいては、より高精度である研磨面が求められている。また金属材料などは製造コストを削減するために、より研磨速度を高めることが求められている。
これらの要求を満たすために超音波振動を利用することが提案されている。機械加工に超音波振動を利用することは従来から行われており、例えば、工作機械のバイトなどの工具に超音波振動を付与しながら加工対象物を切削している。このような切削方法は、超音波切削加工と呼ばれており、非特許文献1に詳しく記載されている。超音波切削加工は、加工対象物と工具との摩擦抵抗が小さくなるために、加工面の熱歪みが低減され、加工精度が高くなり、そして切削工具の寿命が長くなるなどの利点を有している。
図1は、特許文献1に記載の従来の超音波研磨装置の構成例を示す側面図であり、そして図2は、図1に示すA−A線よりの上面図である。図に示す符号1は、円環形状で厚さ5〜10mm、幅3〜8mmに形成された砥石1である。この砥石1は、ダイヤモンド砥粒と金属ボンドあるいは、レジボンドが含有構成されている。また、砥石1の上面には、同径で形成され、青銅、アルミ合金、ジュラルミン、ステンレス、チタン合金などの振動伝達の優れた材質で圧電素子の変位を効率よく伝達する材質により形成された弾性体2が一体的に装着されている。この弾性体2の上面中央位置には、基端を駆動手段と接続構成された円柱状の研磨軸3が配設し、弾性体2及び砥石1を上下動自在に構成すると共に、左右方向に往復運動するように構成されている。
上記弾性体2の上面には、法線方向から一定角度傾斜した方向に小判形状の溝を形成し、その溝の中央にはそれぞれ一定角度傾斜した方向に変位するように矩形状に構成された積層型圧電アクチュエータ8がそれぞれエポキシ系接着剤で固定装着されている。また、上記積層型圧電アクチュエータと弾性体2の上記小判形状に生じた間隔には防湿用の樹脂9がそれぞれ埋設されている。また、上記積層型圧電アクチュエータ8は、それぞれパラレルに結線し、図示しない駆動回路により交番電圧を印加し、弾性体2と砥石1とを研磨面に対して平行に往復運動されるように構成されている。
砥石1の研磨面(下面)側には、砥石1より大径に形成されたワーク固定台5が配設されている。このワーク固定台5の上面には、被研磨物7であるガラスがホットメルト接着剤により貼着固定されている。また、ワーク固定台5の下面中央位置には、その基端に駆動手段と接続した円柱状のワーク固定台軸6が装着されて、被研磨物7を均等に研磨するため、上記研磨軸3とは一定間隔ずれた状態にて駆動するように配設されている。上記ワーク固定台5の上方位置には、スラリー供給手段と接続構成されたパイプよりスラリー4が被研磨物7上に噴出するように構成されている。
上記構成によれば、積層型圧電アクチュエータを用いているため、装置を小型に製造でき、非共振時においても大振幅が得られやすく、発熱がほとんど発生しないとされている。さらに研磨装置が安価に製造できるとされている。また、通常の研磨時間に比較して、約3分の1にすることができ、かつ研磨面も通常研磨に比較して非常に緻密に形成することができるとされている。さらに印加する電圧を調整することにより荒研磨と精密研磨ができるとされている。
特開平5−200659公報 超音波便覧編集委員会、「超音波便覧」、丸善株式会社、平成11年8月、p679−684
しかし、上記特許文献1の構成は、1KHz以下の非共振時においても数十ミクロン以下の大振幅が得られやすい積層型圧電アクチュエータを用いているが、これに用いている圧電材料は機械的品質係数が小さい、いわゆるLQ材を用いているため、超音波領域の共振時の発熱は非常に大きく、圧電材料の分極が消滅する恐れがある。もし、分極が消滅すると振動源として作用しなくなる。さらに、加工面精度も低下する。
また、積層型圧電アクチュエータによっても砥石1の直径が0.1mを超えるようなサイズの砥石1と弾性体2を15KHz以上の超音波領域の非共振で1ミクロン以上の振動を与えることは非常に困難である。
本発明の目的は、優れた研磨面精度と研磨速度を実現する研磨装置を提供することにある。
本発明は、超音波振動を用いて研磨を行う超音波研磨装置において、砥石を接合した弾性体が円環状であり、かつ中心軸に対して同心円状に段差を設け、かつ外周部の厚さが大きく、内周部の厚さが小さいこと、さらに前記厚さの大きい外周部の弾性体の上面、下面の2面に圧電セラミックを接合し、厚さが小さい内周部を保持固定するものである。
本発明はまた、超音波振動を用いて研磨を行う超音波研磨装置において、砥石を接合した弾性体が円環状であり、かつ中心軸に対して同心円状に溝部を設けていること、さらに前記厚さの大きい部分でかつ最も外周部の弾性体の上面、下面の2面に圧電セラミックを接合し、溝部より内周部を保持固定するものである。
本発明の超音波研磨装置は、研磨面に平行な振動を砥石に付与することができる。このため、研磨面精度を高めることができる。
本発明の超音波研磨装置はまた、砥石の消耗が大きく減少するため、省資源、及び製造コストの低減に役立つ。
本発明の第一の実施の形態について説明する。図3の側面図は本発明の弾性体2の上下面に圧電セラミック12を接合し、その弾性体2に砥石1を接合した構成を用いたものである。加工テーブル10を回転させる加工テーブル回転軸11がある。そして、加工テーブル回転軸11は、図示しないモータに接続されている。加工テーブル上には鋼製の円板上に、たとえば被研磨物7であるリチウムナイオベイト基板を、ホットメルトワックスを用い接着する。
一方、砥石1と圧電セラミック12a、12bを接合した円環状の弾性体2は、弾性体2を回転させるための回転円板14にボルト27b、27cにより接続する。その際弾性体2をより均一にボルト27b、27cにより締め付けるためにリング状のアルミ合金製の剛性板26を用いる。そして弾性体2を接合した回転円板14をネジ27aにより砥石回転軸18に取り付ける。回転円板14の上部には回転側のロータリートランス15aが図示しないボルトにより接続されている。そして対向する位置のモータカーバー21に固定側のロータリートランス15bがある。固定側のロータリートランス15bにはリード線16により超音波発振器17が接続されている。
回転側のロータリートランス15aと固定側のロータリートランス15bの詳細を図4(A)の正面図とその正面図のA−A線で切断した切断図である図4(B)とにより説明する。軟磁性体であるフェライト22にコイル23を配置した回転側のロータリートランス15aと固定側のロータリートランス15bを対向させ、固定側のロータリートランス15bより回転側のロータリートランス15aに超音波交流電力を伝達する。
砥石1と圧電セラミック12を接合した円環状の弾性体2および回転円板14に接合した回転側のロータリートランス15aは砥石回転軸18に接続され、砥石回転軸18は図示しないモータに接続されている。
また、加工テーブル10の上方位置にタンク19よりパイプ20を通して水4が噴出するように配置されている。
図3に用いた砥石1と圧電セラミック12を接合した弾性体2の詳細を図5で平面図に、そして図5のA−A線での断面図である図6を用いて説明する。また砥石1と弾性体2を接合した構成は、カップ砥石またはグラインディングホイールなどの名称で呼ばれている。
アルミ製のリング状の弾性体2の上下面を旋盤により切削し両面に段差を設ける。弾性体2の厚肉の外周部の両面に2個のリング状の圧電セラミック12a、12bを、エポキシ接着剤を用いて接合する。圧電セラミック12a、12bは表面に防水用の塗料を塗布している。また弾性体2の内部に4個の取付け孔24を設ける。この4個の取付け孔24は回転円板14に取り付けるためのものである。
アルミ製の弾性体2は、外径120mm、内径40mmであり、厚さが12mmの部分は外径120mm、内径80mmであり、厚さが6mmの部分は外径80mm、内径40mmである。
そして回転円板14の外径が76mmであり、この回転円板14により弾性体の厚さが6mmの部分で直径76mm以内は、回転円板14により固定保持される。
弾性体2の上下面に接合した圧電セラミック12は、板厚方向に分極されている。そしてその寸法は、外径120mm、内径80mmであり、厚さが1mmである。
この条件で弾性体2と圧電セラミック12の振動モードを、有限要素法を用いて計算した。モデルは軸対称であるので、90度だけを計算した。その結果を図7に示す共振周波数が約39KHzに所望の振動モードがあった。図中の矢印方向は振動方向を、矢印の大きさは振動の大きさを示す。このように圧電セラミック12を接合した弾性体2の外周部が一様に半径方向に振動していることがわかる。
弾性体に同心円状の段差を設け、厚さの大きい外周部に圧電セラミックを接合し、厚さの小さい内周部を回転円板14により固定支持することにより、外周部が一様に半径方向に大きく変位する所望の20KHz以上100KHz以下で所望の振動モードが得られる。
比較のため段差を設けない一様な厚さを持つ弾性体の外周部に圧電セラミックを接合し、内周部を回転円板14により固定支持した場合を計算した。これを図8に示す。共振周波数が約46KHzであるところに所望の振動モードがあった。
溝部13を設けることにより所望の振動モードが得られる固有振動数を調整できることが明らかになった。この方法を用いることにより所望の共振周波数で所望の半径方向の振動を得ることができる。
さらに溝部13がない場合、圧電セラミックの振動が、そのまま弾性体の内周部に伝播し、回転円板に伝播してしまうので、実際には、溝部13がない場合は、所望の振動の大きさを得ることは困難になる。また、溝部13がない場合、弾性体2と回転円板14などを含む振動体となるので、弾性体2だけに所望の振動を励起することは困難である。
また、上記の実施の形態では、弾性体の両面に圧電セラミックを接合したが、これは研磨面に平行な振動を得るためである。実験結果によると研磨面に平行な振動は、研磨面に垂直な振動に比較して加工面精度を向上させることが明らかになった。
したがって、特に面精度にこだわらない荒加工では、弾性体の片面に圧電セラミックを接合してもよい。この場合、どうしても研磨面に垂直な振動も励起される。
次にこの超音波研磨装置の運転方法について図3を用いて説明する。まず、加工テーブル10にリチウムナイオベイト基板を接着した鋼製の円板を電磁力により吸着する。そして砥石1の位置を適正な位置になるように図示しない調整装置により合わせる。次にモータを起動して加工テーブル10を回転させる。これと同時にタンク19よりパイプ20を通して水4が噴出させる。そして、超音波発振器17の電源を入れて固定側ロータリートランス15b、回転側ロータリートランス15aを介して弾性体2に接合した圧電セラミック12に超音波交流電圧を印加する。次にモータの電源を入れて砥石1を回転させ、リチウムナイオベイト基板を研磨する。
ここで圧電セラミック12に超音波交流電圧を印加したときの砥石1の振動について説明する。図7の有限要素法で計算した振動モードが圧電セラミック12とアルミ製のリング状の弾性体2に励起され、さらに砥石1に伝播する。そして、加工対象物である被研磨物7との摩擦抵抗が小さくなるために、加工面の熱歪みが低減され、加工精度が高くなり、そして砥石の寿命が長くなる。
また、本発明の超音波研磨装置は、弾性体2に接合した圧電セラミック12にロータリートランス15を使用して超音波交流電圧を印加するため、高回転数でも超音波交流電圧を印加できる。したがって、研磨速度を向上させることができる。
本発明の第二の実施の形態について説明する。図9の側面図は本発明の弾性体2に圧電セラミック12を接合し、その弾性体2に砥石1を接合した構成を用いたものである。加工テーブル10を回転させる加工テーブル回転軸11がある。そして、加工テーブル回転軸11は、図示しないモータに接続されている。加工テーブル上には鋼製の円板上に、たとえば被研磨物7であるアルミナーチタンカーバイト基板を、ホットメルトワックスを用い接着する。
一方、砥石1と圧電セラミック12を接合した円環状の弾性体2は、弾性体2を回転させるための回転円板14に図示しないボルトにより接続されている。回転円板14の上部には回転側のロータリートランス15aが図示しないボルトにより接続されている。そして対向する位置のモータカーバー21に固定側のロータリートランス15bがある。固定側のロータリートランス15bにはリード線16によりsin位相とcos位相の電圧を発生する超音波発振器17が接続されている。
回転側のロータリートランス15aと固定側のロータリートランス15bの詳細を図10(A)の正面図とその正面図のA−A線で切断した切断図である図10(B)とにより説明する。軟磁性体であるフェライト22にコイル23を配置した回転側のロータリートランス15aと固定側のロータリートランス15bを対向させ、固定側のロータリートランス15bより回転側のロータリートランス15aに超音波交流電力を伝達する。
ロータリートランス15a、15bはsin波、cos波の位相の電圧を伝送するためにロータリートランス15a、15bを2つの部分に分割している。sin波、cos波の位相の電圧を互いに漏れさせないために、フェライト22aとフェライト22bとの間にシールド材28としてパーマロイを位置させる。
砥石1と圧電セラミック12を接合した円環状の弾性体2および回転円板14に接合した回転側のロータリートランス15aは砥石回転軸18に接続され、砥石回転軸18は図示しないモータに接続されている。
また、加工テーブル10の上方位置にタンク19よりパイプ20を通して水4が噴出するように配置されている。
第二の実施の形態の砥石1などの詳細を図11で平面図に、そして図11のA−A線での断面図である図12を用いて説明する。
アルミ製のリング状弾性体2の両面に同心円状に溝部13を設ける。そして、圧電セラミック12a、12bをリング状弾性体2の最外周部の両面にエポキシ接着剤を用いて接合する。そして、圧電セラミック12は表面に防水用の塗料を塗布している。また弾性体2に4個の取付け孔24を設ける。この4個の取付け孔24は回転円板14に取り付けるためのものである。
1個の円環状の圧電セラミック12の裏側を全面電極にし、表側に8個の分割された電極を設ける。そして図中の丸印は紙面に対して表方向に分極されているところを、四角印は紙面に対して裏方向に向かって分極されているところを示す。またAはcos位相の電圧を印加することを示し、Bはsin位相の電圧を印加することを示す。
円環状の砥石1をリング状弾性体2の最外周にエポキシ樹脂を用いて接合する。砥石1は一体のものをここでは用いているが、もちろん複数個に分割されているものでも良い。
次にこの超音波研磨装置の運転方法について図9を用いて説明する。まず、加工テーブル10にアルミナーチタンカーバイト基板を接着した鋼製の円板を電磁力により吸着する。そして砥石1の位置を適正な位置になるように図示しない調整装置により合わせる。次にモータを起動して加工テーブル10を回転させる。これと同時にタンク19よりパイプ20を通して水4が噴出させる。そして、超音波発振器17の電源を入れて固定側ロータリートランス15b、回転側ロータリートランス15aを介して弾性体2に接合した圧電セラミック12にsin波、cos波の2相の超音波交流電圧を印加する。次にモータの電源を入れて砥石1を回転させ、アルミナーチタンカーバイト基板を研磨する。
ここで圧電セラミック12にsin波、cos波の2相の超音波交流電圧を印加したときの砥石1の振動について説明する。図11の2点鎖線で示した振動モードが円周周りに回転する。このような振動をモード回転という。そしてこのモード回転の振動は、圧電セラミック12とアルミ製のリング状の弾性体2に励起され、さらに砥石1に伝播する。
モード回転の振動は半径方向だけの振動でなく円周方向にも振動するので、より均一な面精度で研磨できる。そして、加工対象物である被研磨物7との摩擦抵抗が小さくなるために、加工面の熱歪みが低減され、加工精度が高くなり、そして砥石の寿命が長くなる。
また、本発明の超音波研磨装置は、弾性体2に接合した圧電セラミック12にロータリートランス15を使用して超音波交流電圧を印加するため、高回転数でも超音波交流電圧を印加できる。したがって、研磨速度を向上させることができる。
本発明の第三の実施の形態について図の側面断面図を用いて説明する。超音波研磨装置の説明は、第一の実施の形態で説明したものと同様であるので省略する。
砥石1と圧電セラミック12を接合した弾性体2の詳細を図13で平面図に、そして図13のA−A線での断面図である図14を用いて説明する。ステンレス製のリング状の弾性体2上下面を旋盤により切削し両面に溝部13を設ける。弾性体2の最も外周部の両面に2個のリング状の圧電セラミック12a、12bを、エポキシ接着剤を用いて接合する。圧電セラミック12a、12bは表面に防水用の塗料を塗布している。また弾性体2の内周部に回転円板14に取り付けるための4個の取付け孔24を設けているが図面を簡略化するために省略した。
ステンレス製の弾性体2は、外径200mm、内径130mmであり、厚さが10mmである。圧電セラミックは、外径192mm、内径166mmであり、厚さが1mmである。溝部13は外径166mm、内径162mm、深さ2.5mmである。
そして回転円板14により溝部13より内側の外径162mmから内径130mmの間を固定保持される。
弾性体2の外周部の上下面に接合した圧電セラミック12a、12bは、板厚方向に分極されている。そしてその寸法は、外径192mm、内径166mmであり、厚さが1mmである。ここでは、圧電セラミックスは一体としているが、例えば円周方向に9分割すると製造が容易になる、そして超音波振動が励起された場合に、機械的信頼性が高くなる。
この条件で弾性体2と圧電セラミック12の振動モードを、有限要素法を用いて計算した。その結果を図15に示す所望の半径方向の拡がり振動の固有振動数は約41KHzである。図中の矢印方向は振動方向を、矢印の大きさは振動の大きさを示す。このように圧電セラミック12を接合した弾性体2の外周部が一様に半径方向に振動していることがわかる。
弾性体に同心円状の溝部13を設け、外周部に圧電セラミックを接合し、溝部13より内周部を回転円板により固定支持することにより、外周部が一様に半径方向に大きく変位する所望の振動モードが得られる。そして、溝部13の形状により、弾性体の直径が100mmを超えても所望の固有振動数をもつ構成を実現できる。
比較のため溝部13を設けない一様な厚さを持つ弾性体の外周部に圧電セラミックを接合し、内周部を回転円板により固定支持した場合を計算した。これを図16に示す。共振周波数が約57KHzであるところに所望の振動モードがあった。
溝部13を設けることにより所望の振動モードが得られる固有振動数を調整できることが明らかになった。この方法を用いることにより所望の共振周波数で所望の半径方向の振動を得ることができる。
さらに溝部13がない場合、圧電セラミックから供給した振動エネルギーが、そのまま弾性体2の内周部に伝播し、回転円板に伝播してしまうので、実際には、溝部13がない場合は、所望の振動の大きさを得ることは困難になる。また、弾性体2と回転円板14が一体となって振動するため所望の振動モードを得ることが困難である。
溝部13の効果により所望の固有振動数の超音波振動がリング状の弾性体2に励起され、さらに砥石1に伝播する。また、溝部13の効果により溝部13の内側には振動の伝播が小さくなるので回転円板で保持したときと、回転円板で保持しないときの差が小さい。そして、加工対象物である被研磨物7との摩擦抵抗が小さくなるために、加工面の熱歪みが低減され、加工精度が高くなり、そして砥石の寿命が長くなる。
上記の説明ではカップ砥石、グラインディングホイールを用いたが、もちろん他の回転する砥石を持つものに適用できる。
本発明の超音波研磨装置は、ガラス、シリコン、シリコンナイトライド、希土類磁石材料および金属材料などの被研磨物を研磨することに用いられる。
従来の超音波研磨装置の構成例を示す側面図である。 図1に示すA−A線よりの上面図である。 本発明の第1の実施の形態の弾性体と砥石を取り付けた超音波研磨装置の構成例を示す側面図である。 図3に用いたロータリートランスを示す平面図と側面断面図である。 図3の砥石などの詳細を示す平面図である。 図5のA−A線で切断した断面図である。 図5の構成の振動モードを有限要素法を用いて計算した図である。 図7の比較として段差を設けない構成の振動モードを、有限要素法を用いて計算した図である。 本発明の第2の実施の形態の弾性体と砥石を取り付けた超音波研磨装置の構成例を示す側面図である。 図9に用いたロータリートランスを示す平面図と側面断面図である。 図9の砥石と弾性体の詳細を示す平面図である。 図11のA−A線で切断した断面図である。 本発明の第3の実施の形態の弾性体と砥石を示す平面図である。 図13のA−A線で切断した断面図である。 図13の構成の振動モードを有限要素法を用いて計算した図である。 図13の比較として溝部を設けない構成の振動モードを、有限要素法を用いて計算した図である。
符号の説明
1 砥石
2 弾性体
3 研磨軸
4 水
5 ワーク固定台
6 ワーク固定台軸
7 被研磨物
8 積層型圧電アクチュエータ
9 防湿用の樹脂
10 加工テーブル
11 加工テーブル回転軸
12 圧電セラミック
13 溝部
14 回転円板
15 ロータリートランス
16 リード線
17 超音波発振器
18 砥石回転軸
19 タンク
20 パイプ
21 モータカーバー
22 フェライト
23 コイル
24 取付け孔
25 ケース
26 剛性板
27 ボルト
28 シールド材

Claims (2)

  1. 超音波振動を用いて研磨を行う超音波研磨装置において、砥石を接合した弾性体が円環状であり、かつ中心軸に対して同心円状に段差を設けていること、そして外周部の厚さが大きく、内周部の厚さが小さいものであり、前記厚さの大きい外周部の弾性体の上面、下面の2面に圧電セラミックを接合していること、さらに厚さが小さい内周部を保持することを特徴とする。
  2. 超音波振動を用いて研磨を行う超音波研磨装置において、砥石を接合した弾性体が円環状であり、かつ中心軸に対して同心円状に溝部を設けていること、さらに前記厚さの大きい部分でかつ最も外周部の弾性体の上面、下面の2面に圧電セラミックを接合していること、さらに溝部より内周部を保持することを特徴とする。
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