JP2008157415A - ジョイント構造 - Google Patents

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稔 横内
Kenichi Tsukahara
憲一 塚原
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Abstract

【課題】清浄度の維持および容易な組立が可能であるとともに、簡易な構成で、1箇所を中心として複数のパイプ部材の接合が可能で、かつ、長手方向におけるパイプ部材の中間位置でもパイプ同士を接合できるパイプ部材のジョイント構造を提供すること。
【解決手段】壁部2aで囲まれている中空部2bを有する金属製のパイプ部材2Aとパイプ部材2Cとを接合するためのジョイント構造1は、パイプ部材2Cの中空部2bに挿入されるとともに、パイプ部材2Cを固定可能なジョイント部材4と、パイプ部材2Aの内壁面側に配置されるナット部5cと、ナット部5cに螺合するボルト部6aを有しパイプ部材2Aの外壁面にジョイント部材4を固定するボルト部材6とを備えている。
【選択図】図3

Description

本発明は、パイプ部材を接合するためのジョイント構造に関する。
たとえば、クリーンルーム等に設置される構造体を組み立てる際の骨格材料として、ステンレス等の金属製の中空角パイプが一般的に用いられている。この中空角パイプを用いて構造体を組み立てる場合には、通常、中空角パイプ同士を溶接によって、接合している。しかしながら、中空角パイプ同士を溶接で接合した場合、以下のような問題が生じる。
すなわち、溶接により2つの中空角パイプを接合した場合、接合部分の仕上げ加工においては、通常、バフを用いたバフ磨きが行われる。ところが、バフ磨きを行うと、コンパウンドおよび磨き時の金属微粒子を成分とするバフ粉が構造体に付着してしまう。このバフ粉は、エタノール等の薬液を用いて拭き取りする等によっても、完全に除去することが困難である。その結果、クリーンルーム等の清浄度が要求される設備の中でこの構造体を使用することは困難である。
また、溶接で接合されたパイプ間の曲がりやねじれ等の発生を防止するためには、熟練した溶接作業が要求される。ところが、熟練した溶接作業者は、年々減少しており、確保し難くなっている。さらに、溶接作業のための専用の治具が必要になる、溶接箇所の肉厚にバラツキが生じて溶接箇所に割れが生じる、また、構造体の組立後の搬送コストがかかる等の問題が生じる。
そこで、これらの問題を解決するためのジョイント構造が本願発明者らによって提案されている(たとえば、特許文献1参照)。すなわち、特許文献1に記載のジョイント構造は、隣り合うパイプ部材の中空部に挿入されるジョイント部材と、パイプ部材とジョイント部材とを互いに係止させる係止部材とを備えている。そのため、溶接を行わずに、2つのパイプ部材を接合することができ、上述の問題を解消することができる。
なお、特許文献1では、ジョイント部材を用いて、パイプ部材の端部同士を接合するための構成が開示されている。また、特許文献1では、パイプ部材の中空部へ挿入される挿入部とベース部とが別体で形成されたジョイント部材が開示されており、このジョイント部材を用いた場合には、ベース部を中心に、最大で6本のパイプ部材を互いに90°ピッチで接合することが可能になる。
特開2006−153266号公報
しかしながら、特許文献1に記載のジョイント構造では、1箇所(特許文献1ではベース部)を中心に3本以上のパイプ部材を連結するために、ブロック状に形成されたベース部が必要になる。そのため、このジョイント構造を用いた構造体の構成が複雑になるとともに、重量も増加する。また、特許文献1では、パイプ部材の端部同士を接合するための構成は提案されているものの、長手方向におけるパイプ部材の中間位置で、パイプ部材同士を接合するための構成は提案されていない。
そこで、本発明の課題は、清浄度の維持および容易な組立が可能であるとともに、簡易な構成で、1箇所を中心として複数のパイプ部材の接合が可能で、かつ、長手方向におけるパイプ部材の中間位置でもパイプ同士を接合できるパイプ部材のジョイント構造を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明は、壁部で囲まれている中空部を有する金属製の一方のパイプ部材と他方のパイプ部材とを接合するためのジョイント構造であって、一方のパイプ部材の中空部に挿入されるとともに、一方のパイプ部材を固定可能なジョイント部材と、他方のパイプ部材の内壁面側に配置されるナット部と、ナット部に螺合するボルト部を有し他方のパイプ部材の外壁面にジョイント部材を固定するボルト部材とを備えることを特徴とする。
本発明のジョイント構造では、他方のパイプ部材の内壁面側に配置されるナット部とボルト部材とを用いて、一方のパイプ部材を固定可能なジョイント部材を他方のパイプ部材の外壁面に固定している。すなわち、ナット部とボルト部材とジョイント部材とを用いて、一方のパイプ部材と他方のパイプ部材とを接合している。そのため、溶接を行わずにパイプ部材同士を接合することができる。したがって、本発明のジョイント構造を用いると、清浄度の維持および容易な組立が可能になる。
また、本発明では、パイプ部材同士を接合するためのナット部を、長手方向におけるパイプ部材の任意の位置に形成できる。そのため、ナット部とボルト部材とジョイント部材とを用いた簡易な構成で、長手方向におけるパイプ部材の中間位置でもパイプ部材同士を接合することができる。また、ナット部を所定の寸法で形成することで、長手方向におけるパイプ部材の所定の位置に(具体的には、内壁面側に)、複数のナット部を配置することが可能になる。そのため、1箇所を中心とした複数のパイプ部材の接合が可能となる。たとえば、パイプ部材が中空角パイプである場合には、パイプ部材の長手方向における所定の位置の4面にナット部を形成することで、その所定位置を中心に4本のパイプ部材を1本のパイプ部材に接合することができる。
本発明において、他方のパイプ部材の壁部には孔部が形成され、ナット部は、孔部に挿通され壁部に固定されるポップナットに形成されていることが好ましい。このように構成すると、他方のパイプ部材の壁部にポップナットを締結するといった容易な作業で、他方のパイプ部材の内壁面側にナット部を配置することができる。ここで、本明細書における「ポップナット」とは、軸方向における一方向からの締結作業(カシメ作業)で母材(本発明では、壁部)に対して締結可能なナット部材をいい、「クリンプナット」と表記されることもある。
本発明において、孔部は、多角形状に形成され、ポップナットの外周であって、孔部に配置される配置部分の少なくとも一部は、多角形状に形成されていることが好ましい。このように構成すると、他方のパイプ部材の壁部に対するポップナットの相対回転を確実に止めることが可能になる。そのため、ボルト部材とポップナットとの共回りを防止することが可能になる。
本発明において、ポップナットは、他方のパイプ部材の内側に配置される底面部を有する袋状に形成されていることが好ましい。このように構成すると、ポップナットとボルト部材との締結時等に生じる塵案が他のパイプ部材の内部へ侵入するのを防止できる。そのため、より高い清浄度を維持することが可能になる。
本発明において、ジョイント部材には、ボルト部を挿通させるための小径孔と、小径孔より径が大きくボルト部材の頭部が配置される大径孔とを有する段付孔が形成され、小径孔と大径孔との境界に形成される段部に、ボルト部材の頭部が当接することが好ましい。このように構成すると、ナット部とボルト部材との締結具合を調整するだけで、2つのパイプ部材を容易に接合することができる。
本発明において、ナット部は、他方のパイプ部材の長手方向の端部近傍の内壁面側に配置されるとともに、他方のパイプ部材の端部に形成される開口部には、開口部を塞ぐカバー部材が配置されていることが好ましい。このように構成すると、他方のパイプ部材の長手方向の端部近傍に一方のパイプ部材が接合され、他方のパイプ部材の端部に開口部が形成される場合であっても、開口部から他方のパイプ部材の内部への塵案の侵入を防止できる。そのため、より高い清浄度を維持することが可能になる。
本発明において、カバー部材は、他方のパイプ部材と一体で形成されていることが好ましい。このように構成すると、カバー部材の取扱いが容易になる。また、カバー部材の構成を簡素化できる。
また、上記の課題を解決するため、本発明は、壁部で囲まれている中空部を有する金属製の一方のパイプ部材と他方のパイプ部材とを接合するためのジョイント構造であって、一方のパイプ部材の中空部に挿入されるとともに、一方のパイプ部材を固定可能なジョイント部材と、他方のパイプ部材の外壁面にジョイント部材を固定するナット部材およびボルト部材とを備え、ナット部材およびボルト部材のいずれか一方が、他方のパイプ部材の壁部に固定されていることを特徴とする。
本発明のジョイント構造では、他方のパイプ部材の壁部に固定されるナット部材およびボルト部材のいずれか一方と、ナット部材およびボルト部材のいずれか他方とを用いて、一方のパイプ部材を固定可能なジョイント部材を他方のパイプ部材の外壁面に固定している。そのため、溶接を行わずにパイプ部材同士を接合することができ、清浄度の維持および容易な組立が可能になる。
また、本発明では、パイプ部材同士を接合するためのナット部材およびボルト部材のいずれか一方を、長手方向におけるパイプ部材の任意の位置に固定できる。そのため、ナット部材とボルト部材とジョイント部材とを用いた簡易な構成で、長手方向におけるパイプ部材の中間位置でもパイプ部材同士を接合することができる。また、固定されるナット部材やボルト部材を所定の寸法で形成することで、長手方向におけるパイプ部材の所定の位置に、複数のナット部材あるいはボルト部材を配置することが可能になる。そのため、1箇所を中心とした複数のパイプ部材の接合が可能となる。
以上のように、本発明にかかるジョイント構造では、清浄度の維持および容易な組立が可能になる。また、簡易な構成で、1箇所を中心として複数のパイプ部材の接合が可能になるとともに、長手方向におけるパイプ部材の中間位置でパイプ同士を接合することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(構造体の概略構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかるジョイント構造1を用いて構成された構造体3の一例を示す斜視図である。
本形態のジョイント構造1(図2、図3参照)は、複数のパイプ部材2を接合するための構造である。このジョイント構造1によって、たとえば、図1に示す構造体3が製造される。
なお、以下の説明では、図1の左上りで紙面前後方向に傾斜する方向をX方向とし、特に紙面手前方向をX1方向、紙面奥方向をX2方向とする。また、X方向に直交する方向であって、図1の右上りで紙面前後方向に傾斜する方向をY方向とし、特に紙面手前方向をY1方向、紙面奥方向をY2方向とする。さらに、X方向およびY方向に直交する図1の上下方向をZ方向とし、特に、特に上方向をZ1方向、下方向をZ2方向とする。また、X方向とY方向とから構成される平面をXY平面、Z方向とX方向とから構成される平面をZX平面とする。
構造体3は、たとえば、清浄度が要求されるクリーンルームに設置される。この構造体3は、X方向を長手方向として配置される6本のパイプ部材2と、Y方向を長手方向として配置される4本のパイプ部材2と、Z方向を長手方向として配置される6本のパイプ部材2との合計16本のパイプ部材2を備えている。
パイプ部材2はそれぞれ、ジョイント構造1を用いて接合されている。以下では、X1方向側、かつ、Z1方向側でY方向を長手方向として配置されるパイプ部材2(以下、パイプ部材2Aとする。)へのパイプ部材2の接合部分(図1のE部)、および、X1方向側、かつ、Y1方向側でZ方向を長手方向として配置されるパイプ部材2(以下、パイプ部材2Bとする。)へのパイプ部材2の接合部分(図1のF部)を例に本形態のジョイント構造1を説明する。
なお、E部では、Y方向におけるパイプ部材2Aの略中心位置に、4本のパイプ部材2C〜2Fが接合され、F部では、パイプ部材2BのZ1方向端側にパイプ部材2A、2Gが接合されている。また、Z方向を長手方向として配置されるパイプ部材2への、X方向、Y方向を長手方向として配置されるパイプ部材2の接合は、F部と同様に行われる。また、X2方向側、かつ、Z1方向側でY方向を長手方向として配置されるパイプ部材2へのパイプ部材2Cの接合、および、X1方向側、かつ、Z2方向側でY方向を長手方向として配置されるパイプ部材2へのパイプ部材2Fの接合は、後述のパイプ部材2Aへのパイプ部材2Cの接合と同様に行われる。
(ジョイント構造の構成)
図2は、図1に示すパイプ部材2Aとパイプ部材2Cとが接合されるイメージを示す分解斜視図である。図3は、図1のE部におけるXY平面に平行な断面を示す断面図である。図4は、図1のE部におけるZX平面に平行な断面を示す断面図である。図5は、図1のF部におけるXY平面に平行な断面を示す断面図である。図6は、図3に示すポップナット5の固定作業を説明するための図であり、(A)は孔部2dにポップナット5を挿入後、締結作業前の状態を示す部分断面図、(B)は締結作業後の状態を示す部分断面図、(C)は、(A)のG−G断面を示す断面図である。図7は、図1のF部におけるパイプ部材2Bの端部の構成を説明するための図であり、(A)は平面図、(B)はカバー部材2fの折り曲げ前の状態を(A)のH−H方向から示す図、(C)はカバー部材2fの折り曲げ前の状態を(A)のI−I方向から示す図である。
本形態におけるジョイント構造1とは、図2、図3等に示すように、ジョイント部材4、ナット部材としてのポップナット5、ボルト部材としての固定ボルト6および固定ネジ7等を用いて、パイプ部材2を連結する構造を指す。すなわち、本形態のジョイント構造1は、ジョイント部材4、ポップナット5、固定ボルト6および固定ネジ7を備えている。
なお、図1のE部では、パイプ部材2Aに、4本のパイプ部材2C〜2Fが接合されており、E部においては、パイプ部材2C〜2Fが一方のパイプ部材に対応し、パイプ部材2Aが他方のパイプ部材に対応する。また、図1のF部では、パイプ部材2Bに、パイプ部材2A、2Gが接合されており、F部においては、パイプ部材2A、2Gが一方のパイプ部材に対応し、パイプ部材2Bが他方のパイプ部材に対応する。
パイプ部材2は、たとえば、1辺の長さが25mm〜50mmに形成された中空角パイプである。本形態のパイプ部材2は、冷間圧延ステンレス鋼帯を素材とし、この鋼帯を折り曲げるととともに、たとえば、TIG(イナートガスタングステンアーク)溶接または高周波誘導溶接により、断面が中空角形状となるように造管した管部材である。すなわち、パイプ部材2は、互いに略直交する4つの壁部2aと、4つの壁部2aで囲まれた中空部2bとを備えている。また、パイプ部材2は、たとえば、レーザ加工装置を用いて切断され、その切断部位には、パイプ部材2の長手方向に対して、略垂直な縁部2cが形成されている。なお、Z方向を長手方向として配置されるパイプ部材2の端部には、後述のように、カバー部材2fが配置されている。
以下では、まず、図1のE部の構成を説明し、その後、F部の構成を説明する。
Y方向におけるパイプ部材2Aの略中心位置には、図3、図4等に示すように、ポップナット5が挿通され固定される孔部2dが、壁部2aを貫通するように形成されている。具体的には、4つの壁部2aのそれぞれに、かつ、壁部2aの短手方向の略中心位置に孔部2dが形成されている。また、この孔部2dは、多角形状に形成されている。本形態では、孔部2dは6角形状に形成されている。なお、孔部2dの形成位置は、Y方向におけるパイプ部材2Aの略中心位置には限定されず、Y方向における任意の位置に孔部2dを形成することができる。すなわち、Y方向におけるパイプ部材2Aの任意の位置にポップナット5を固定することが可能である。
パイプ部材2Cの両端部側には、図2、図3に示すように、固定ネジ7のネジ部が挿通される挿通孔2eが、壁部2aを貫通するように形成されている。具体的には、3つの壁部2aのそれぞれに、かつ、壁部2aの短手方向の略中心位置に挿通孔2eが形成されている。なお、挿通孔2eは、4つの壁部2aのそれぞれに形成されても良い。
ジョイント部材4は、たとえば、ステンレス(SUS)等の金属材料で形成されている。本形態では、ジョイント部材4は、切削加工で形成されている。なお、ジョイント部材4は、アルミニウムまたはアルミニウム合金等、種々の金属材料で形成されても良いし、樹脂等の金属以外の材料で形成されても良い。また、ジョイント部材4は、SUS318等のステンレスの粉末を圧縮して焼き固める金属射出成型によって形成されても良い。
また、ジョイント部材4は、略直方体形状に形成され、パイプ部材2の中空部2bに挿入される。本形態のジョイント部材4の長手方向に直交する縦方向および横方向の幅寸法は、中空部2bの寸法に対応している。このため、ジョイント部材4を中空部2bに挿入すると、ジョイント部材4が中空部2bにおいて、ガタ付かない。
ジョイント部材4の周方向における4隅には、溝部4aが形成されている。また、ジョイント部材4には、固定ボルト6が配置される段付孔4bが長手方向に貫通するように形成されている。さらに、ジョイント部材4には、固定ネジ7が螺合する固定用ネジ孔4cが、外壁面から段付孔4bまで貫通するように形成されている。
溝部4aは、ジョイント部材4の長手に沿うように形成されている。この溝部4aは、パイプ部材2の中空部2bに存在する溶接の肉盛り部分を逃げるために形成されている。すなわち、パイプ部材2は、上述のように、金属の板状部材を折り曲げ、溶接等することで形成されるが、通常、中空部2bには隆起している肉盛り部分(図示省略)が残存した状態となっている。そのため、溝部4aを形成することで、肉盛り部分とジョイント部材4との干渉が防止されている。
段付孔4bは、固定ボルト6を構成する後述のボルト部6aを挿通するための小径孔4dと、小径孔4dよりも径が大きく固定ボルト6を構成する後述の頭部6bが配置される大径孔4eとから構成されている。小径孔4dと大径孔4eとの境界には、段部4fが形成されている。ポップナット5と固定ボルト6とが螺合すると、段部4fには、固定ボルト6の頭部6bが当接する。なお、小径孔4dが開口するジョイント部材4の端面4gには、ポップナット5を構成する後述の先端鍔部5aが配置される逃げ凹部が窪むように形成されている。
固定用ネジ孔4cには、メネジが形成されている。そして、パイプ部材2Cの中空部2bにジョイント部材4が挿入された状態で、挿通孔2eに挿通された固定ネジ7が固定用ネジ孔4cに螺合すると、パイプ部材2Cとジョイント部材4とが固定される。なお、固定用ネジ孔4cの挿入部位は、固定ネジ7の抜き出し方向に向かうにつれて大径となるテーパ形状に形成されている。
ポップナット5は、長手方向(軸方向)の一端に形成される先端鍔部5aと、他端を塞ぐように形成される底面部5bとを有する鍔付きで袋状の略円筒形状に形成されている。すなわち、ポップナット5は、いわゆるシールドナットである。先端鍔部5aは、孔部2dよりも大きく形成されており、壁部2aの外壁面に当接している。底面部5bは、壁部2aの内側に配置されている。
また、ポップナット5の底面部5b側の内周面には、固定ボルト6のボルト部6aが螺合するナット部5cが形成されている。ナット部5cは、壁部2aの内側に配置されている。すなわち、ナット部5cは、パイプ部材2Aの内壁面側に配置されている。さらに、先端鍔部5a側の端面からナット部5cまで連通する連通孔5dが形成されている。この連通孔5dは、ナット部5cの内径よりも大きくなっている。
また、ポップナット5の外周側には、パイプ部材2Aの壁部2aにポップナット5を固定するための締結部5eが径方向外側に突出するように、かつ、壁部2aの内壁面に当接するように形成されている。さらに、図6(C)に示すように、ポップナット5の外周であって、孔部2dに配置される配置部分5fは、多角形状に形成されている。本形態では、孔部2dに対応するように、配置部分5fは6角形状に形成されており、配置部分5fは、壁部2aに対するポップナット5の回り止めの機能を果たしている。
図4に示すように、4つの壁部2aのそれぞれに固定されるポップナット5は、互いに接触しないように構成されている。すなわち、ポップナット5の、パイプ部材2Aの内部に配置される部分の軸方向および径方向の寸法は、4つの壁部2aのそれぞれに固定されるポップナット5が互いに干渉しないように設定されている。
壁部2aに固定される前のポップナット5は、図6(A)に示すように、締結部5eを有さない鍔付きで袋状の略円筒形状に形成されている。壁部2aにポップナット5を固定する際には、まず、図6(A)に示すように、この状態のポップナット5が、図6(A)の上側から孔部2dに挿通される。具体的には、先端鍔部5aが壁部2aの外壁面に当接するまで、ポップナット5が孔部2dに挿通される。その後、ナット部5cに螺合するボルト部を有する所定の締結工具(図示省略)によって、図6(A)の上方向に向かってポップナット5を引き上げることで、図6(B)に示すように、壁部2aの内壁面に当接する締結部5eが形成され、壁部2aにカシメ固定される。すなわち、ポップナット5は、軸方向における一方向からの締結作業で、壁部2aに固定される。
固定ボルト6は、たとえば、六角穴付きボルトであり、ボルト部6aと頭部6bとから構成されている。ボルト部6aの先端側にはナット部5cに螺合するオネジが形成されている。
以上のように構成されたジョイント構造1を用いて、以下のように、パイプ部材2Aとパイプ部材2Cとを接合する。
まず、ポップナット5の位置とジョイント部材4の段付孔4bとの位置が一致するように、ジョイント部材4の端面4gをパイプ部材2Aの外壁面に当接させる。その後、固定ボルト6をボルト部6a側から段付孔4bに差し込む。
その後、六角レンチ等の工具を用いて、ボルト部6aをポップナット5のナット部5cに捻じ込んでいく。ボルト部6aがナット部5cに所定量捻じ込まれると、固定ボルト6の頭部6bが、段部4fに当接する。その後、さらに所定の締め付けトルクにて固定ボルト6を増し締めすると、ジョイント部材4がパイプ部材2Aの外壁面に固定される。この状態では、ジョイント部材4に外力が加わっても、ジョイント部材4は、容易にはぐらつかない。
その後、パイプ部材2Cを、ジョイント部材4に向けて移動させ、縁部2cがパイプ部材2Aの外壁面に当接するまで、ジョイント部材4を、パイプ部材2Cの中空部2bへ差し込んでいく。なお、ジョイント部材4が中空部2bに差し込まれると、ジョイント部材4がパイプ部材2Cの内壁面に当接する状態となる。
パイプ部材2Cの差し込みが終わると、挿通孔2eに固定ネジ7を挿通して、固定ネジ7を固定用ネジ孔4cに螺合する。固定ネジ7を固定用ネジ孔4cに螺合すると、ジョイント部材4に対するパイプ部材2Cの移動が規制される状態となり、パイプ部材2Aとパイプ部材2Cとの接合が完了する。
ここで、パイプ部材2D〜2Fの両端部側にも、パイプ部材2Cと同様に、挿通孔2eが形成されている(図示省略)。そして、パイプ部材2Aとパイプ部材2D〜2Fとの接合も、パイプ部材2Aとパイプ部材2Cとの接合と同様に行われる。なお、図1のE部において、パイプ部材2Aには、1本のパイプ部材2が接合されても良いし、2本あるいは3本のパイプ部材2が接合されても良い。
次に、図1のF部の構成について説明する。
F部に配置されるパイプ部材2Bの両端部側には、パイプ部材2Aに形成された孔部2dと同様の孔部2dが形成されている。すなわち、パイプ部材2Bの両端部側には、図5に示すように、ポップナット5が挿通され固定される孔部2dが、壁部2aを貫通するように形成されている。具体的には、パイプ部材2A、2Gがそれぞれ固定される2つの壁部2aに、かつ、壁部2aの短手方向の略中心位置に孔部2dが形成されている。この孔部2dには、ポップナット5が固定されている。
また、パイプ部材2Bの両端には、図7(A)に示すように、カバー部材2fが配置されている。すなわち、パイプ部材2Bの両端には開口部が形成されるが、この開口部を塞ぐカバー部材2fが配置されている。本形態のカバー部材2fは、パイプ部材2Bと一体で形成されている。具体的には、パイプ部材2Bの4つの壁部2aのうちの1つの壁部4a端から突出する突出部分を形成し、この突出部分を折り曲げることで、カバー部材2fが形成されている。このカバー部材2fは、以下のように形成される。
すなわち、図7(B)、(C)に示すように、4つの壁部2aのうちの1つの壁部4a(図7(B)では紙面手前側の壁部4a)端に、カバー部材2fとなる突出部分が形成されるように、パイプ部材2Bの端部のレーザ加工を行う。具体的には、図7(B)の紙面手前側の壁部4aと突出部分とが連結部2gを介して連結されるように、かつ、図7(B)の左右に配置される壁部4aと突出部分とが切り離されるように、レーザ加工を行う。本形態では、2つの連結部2gが、所定の間隔をあけた状態で形成されている。また、突出部分を容易に折り曲げることができるように、連結部2gの幅が設定されている。なお、連結部2gは1つであっても良いし、3つ以上であっても良い。
また、突出部分の先端に、カバー部材2fの位置決め突起2hが形成されるように、レーザ加工を行うとともに、図7(B)の紙面奥側の壁部4a端に、位置決め突起2hが嵌り込む位置決め凹部2jが形成されるように、レーザ加工を行う。
その後、突出部分を図7(C)の左側に向かって折り曲げる。具体的には、連結部2gを支点として、位置決め突起2hが位置決め凹部2jに嵌り込むように、突出部分を折り曲げる。そして、突出部分の折り曲げが完了すると、パイプ部材2Bの端部にカバー部材2fが配置される。
パイプ部材2Bに接合されるパイプ部材2Aの両端部側には、図2に示すように、パイプ部材2Cに形成された挿通孔2eと同様の挿通孔2eが形成されている。また、パイプ部材2Gの両端部側にも、同様に、挿通孔2eが形成されている(図示省略)。
パイプ部材2Bとパイプ部材2Aとの接合も、ジョイント構造1を用いて、パイプ部材2Aとパイプ部材2Cとの接合と同様に行われる。すなわち、パイプ部材2Bとパイプ部材2Aとの接合においては、まず、ジョイント部材4の端面4gをパイプ部材2Bの外壁面に当接させて、固定ボルト6で固定する。その後、パイプ部材2Aの中空部2bへジョイント部材4を差し込んで、固定ネジ7でジョイント部材4にパイプ部材2Aを固定する。また、パイプ部材2Gも同様に、パイプ部材2Bに接合される。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態のジョイント構造1では、パイプ部材2A、2Bの壁部2aに固定されるポップナット5と固定ボルト6とを用いて、ジョイント部材4をパイプ部材2A、2Bの外壁面に固定している。すなわち、パイプ部材2A、2Bの内壁面側に配置されるナット部5cと固定ボルト6とを用いて、ジョイント部材4をパイプ部材2A、2Bの外壁面に固定している。また、固定ネジ7を用いてジョイント部材4にパイプ部材2C〜2F、あるいは、パイプ部材2A、2Gを固定している。そのため、溶接を行わずに複数のパイプ部材2を接合することができる。その結果、本形態のジョイント構造1を用いると、構造体3の清浄度の維持および容易な組立が可能になる。
また、本形態では、長手方向におけるパイプ部材2Aの任意の位置に孔部2dを形成することで、パイプ部材2を接合するためのポップナット5を、長手方向におけるパイプ部材2Aの任意の位置に固定することができる。そのため、ジョイント部材4とポップナット5と固定ボルト6とを用いた簡易な構成で、長手方向におけるパイプ部材2Aの中間位置でもパイプ部材2を接合することができる。また、パイプ部材2Bの端部側でもパイプ部材2を接合することができる。
さらに、本形態では、パイプ部材2Aの4つの壁部2aのそれぞれに固定されるポップナット5は、互いに接触しないように構成されている。そのため、たとえば、長手方向におけるパイプ部材2Aの略中心位置を中心に複数のパイプ部材2C〜2Fを接合することができる。たとえば、4つの壁部2aに合計で4本のパイプ部材2を互いに直交するように接合したり、2つの壁部2aに合計で2本のパイプ部材2を接合することができる。すなわち、パイプ部材2Aの一箇所から2方向、3方向あるいは4方向に向かって、パイプ部材2を接合することができる。
また、壁部2aに固定されるポップナット5は、互いに接触しないように構成されているため、図5に示すように、直交する2つの壁部2aにポップナット5が固定される場合には、ポップナット5が、固定される壁部2aに対向する壁部2aから外側へ突出することがない。したがって、構造体3の外観が好ましいものとなる。
本形態では、壁部2aに固定されるナット部材として、ポップナット5が採用されている。そのため、軸方向における一方向からの締結作業で、容易に、ポップナット5を壁部2aに固定することができる。すなわち、簡易な締結作業で、パイプ部材2A、2Bの内壁面側に容易にナット部5cを配置することができる。
本形態では、孔部2dは、6角形状に形成され、ポップナット5の配置部分5fは、6角形状に形成されている。そのため、パイプ部材2A、2Bの壁部2aに対するポップナット5の相対回転を確実に止めることができる。その結果、固定ボルト6とポップナット5との共回りを防止して、複数のパイプ部材2を強固に接合することができる。
本形態では、ポップナット5は、底面部5bを有する袋状に形成されている。そのため、ポップナット5と固定ボルト6との締結時等に生じる塵案がパイプ部材2の内部へ侵入するのを防止できる。そのため、より高い清浄度を維持することが可能になる。
本形態では、ジョイント部材4には、段付孔4bが形成され、段部4fに、固定ボルト6の頭部6bが当接している。そのため、ポップナット5と固定ボルト6との締結具合を調整するだけで、パイプ部材2を容易に接合することができる。
本形態では、パイプ部材2Bの両端部には、開口部を塞ぐカバー部材2fが配置されている。そのため、パイプ部材2Bの端部に形成される開口部からパイプ部材2Bの内部への塵案の侵入を防止できる。したがって、より高い清浄度を維持することが可能になる。特に、本形態では、カバー部材2fは、パイプ部材2Bと一体で形成されている。そのためカバー部材2fの取扱いが容易になる。また、カバー部材2fの構成を簡素化できる。
(構造体の変形例)
図8は、本発明の実施の形態にかかるジョイント構造1を用いて構成された他の構造体13を示す斜視図である。図9は、図8のJ部の構成を説明するための斜視部である。図10は、図8のJ部におけるXY平面に平行な断面を示す断面図である。図11は、図8に示すベース部材21の側面図である。図12は、図11のK−K断面の一例を示す断面図である。図13は、図11のK−K断面の他の例を示す断面図である。
上述した構造体3と、図8に示す変形例にかかる構造体13との相違点は、構造体1では、ジョイント構造1を用いて、Z方向を長手方向として配置されるパイプ部材2への、X方向、Y方向を長手方向として配置されるパイプ部材2の接合が行われているのに対し、構造体13では、Z方向を長手方向として配置されるパイプ部材2への、X方向、Y方向を長手方向として配置されるパイプ部材2の接合がベース部材21を用いて行われている点である。また、その他の点では、構造体3の構成と構造体13の構成とはほぼ共通する。
したがって、以下では、この相違点を中心に、変形例にかかる構造体13の構成を説明し、上述した形態と共通する構成については、その説明を省略または簡略化する。なお、図8から図10では、上述した形態と同一の構成については、同一の符号を付している。
上述のように、構造体13では、ベース部材21が使用されている。ベース部材21は、略立方体形状に形成されている。また、ベース部材21の縦横および高さ方向の寸法は、パイプ部材2の幅寸法と略同一となっている。本形態のベース部材21は、SUS318等のステンレスの粉末を圧縮して焼き固める金属射出成型によって形成されている。なお、ベース部材21は、ステンレス等の金属部材の切削加工によって形成されても良い。
また、本形態では、ジョイント部材4もSUS318等のステンレスの粉末を圧縮して焼き固める金属射出成型によって形成されることが好ましい。このように、ベース部材21やジョイント部材4を金属射出成型で形成すると、ベース部材21やジョイント部材4の肉厚を薄くすることが可能であるため、ベース部材21やジョイント部材4を軽量化することができる。また、ベース部材21やジョイント部材4の材質がステンレスである場合、ステンレスは硬度が高いため、切削加工で、ベース部材21やジョイント部材4を形成することは技術的に困難であり、また、製造コストも高くなる。これに対して、ベース部材21やジョイント部材4を金属射出成型で形成すると、かかる問題を解消して、容易、かつ、低コストで、ベース部材21やジョイント部材4を形成することができる。
ベース部材21には、外面を窪ませた矩形状の凹平面部21aが形成されている。また、凹平面部21aの周囲には、矩形状のリブ21bが形成されている。本形態では、ベース部材21の6面のうち、パイプ部材2が連結される3面に凹平面部21aおよびリブ21bが形成されている。なお、凹平面部21aおよびリブ21bが形成される外面の数を任意に選定することで、ベース部材21には、最大6本のジョイント部材4の取り付けが可能になる。
凹平面部21aには、ジョイント部材4の端面4gが当接する。また、凹平面部21aの略中央部分には、ネジ孔21cが形成されている。このネジ孔21cには、図10に示すように、ジョイント部材4の段付孔4bに挿通された固定ボルト6のボルト部6aが螺合する。そして、ベース部材21に対してジョイント部材4が固定される。
リブ21bは、凹平面部21aからベース部材21の外面まで立ち上がるように形成されている。このリブ21bの幅は、パイプ部材2の壁部2aの厚みとほぼ等しくなっている。
以上のように構成されたベース部材21を用いて、以下のように、Z方向を長手方向として配置されるパイプ部材2へ、X方向、Y方向を長手方向として配置されるパイプ部材2を接合する。
まず、ジョイント部材4の端面4gを凹平面部21aに当接させる。その後、固定ボルト6をボルト部6a側から段付孔4bに差し込み、固定ボルト6の頭部6bが、段部4fに当接して、ジョイント部材4がベース部材21に固定されるまで、ボルト部6aをネジ孔21cに捻じ込む。
その後、パイプ部材2を、ジョイント部材4に向けて移動させ、縁部2cがリブ21bに当接するまで、ジョイント部材4を、パイプ部材2の中空部2bへ差し込んでいく。パイプ部材2の差し込みが終わると、挿通孔2eに固定ネジ7を挿通して、固定ネジ7を固定用ネジ孔4cに螺合する。固定ネジ7を固定用ネジ孔4cに螺合すると、ジョイント部材4に対するパイプ部材2の移動が規制される状態となり、複数のパイプ部材2の接合が完了する。
なお、図11から図13に示すように、リブ21bには、ベース部材21の外面から突出する薄い突起部21dが形成されていることが好ましい。この突起部21dは、たとえば、ベース部材21の金属射出成型時に一体で形成される。また、ベース部材21が金属射出成型で形成された後に、アウトサート成型によって、樹脂製あるいはゴム製の突起部21dがリブ21bに形成されても良い。また、突起部21dの断面形状は、図12に示すように、矩形状に形成されても良いし、図13に示すように、先端に向かうにしたがって幅が狭くなるような4角形状あるいは3角形状に形成されても良い。また、突起部21dは、図11に示すように、リブ21bの各辺に沿って連続的に形成されても良いし、断続的に複数、形成されても良い。
このように、リブ21bに薄い突起部21dが形成されていると、パイプ部材2の縁部2cがリブ21bに当接する際に、突起部21dが潰れる。そのため、パイプ部材2やベース部材21に、公差範囲内あるいは公差範囲外の寸法のばらつきが生じて、パイプ部材2とベース部材21との間に隙間が生じるような場合であっても、この潰れた突起部21dによって、その隙間を塞ぐことが可能になる。その結果、構造体13の外観が好ましいものとなる。また、パイプ部材2とベース部材21との間からパイプ部材2の中へ塵埃が入り込むのを防止できる。
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
上述した形態では、ジョイント構造1は、ポップナット5を備えている。この他にもたとえば、ジョイント構造1は、ポップナット5に代えて、図14に示すように、ナット部材としてのインサートナット25を備えていても良い。
このインサートナット25は、長手方向の一端に形成される先端鍔部25aと、他端を塞ぐように形成される底面部25bとを有する鍔付きで袋状の略円筒形状に形成されている。インサートナット25の底面部25b側の内周面には、固定ボルト6のボルト部6aが螺合するナット部25cが形成されている。また、先端鍔部25a側の端面からナット部25cまで連通する連通孔25dが形成されている。なお、インサートナット25の外周であって、孔部2dに配置される配置部分は、ポップナット5と同様に、多角形状に形成されていることが好ましい。
壁部2aにインサートナット25を固定する際には、まず、図14(A)に示すように、インサートナット25が、図14(A)の上側から孔部2dに挿通される。その後、ナット部25cに螺合するボルト部を有する所定の締結工具(図示省略)によって、図14(A)の上方向に向かってインサートナット25を引き上げることで、インサートナット25の外径が大きくなる。その結果、図14(B)に示すように、孔部2dにインサートナット25が固定される。
また、ポップナット5に代えて、図15に示すように、壁部2aにバーリング加工部35を形成し、このバーリング加工部35にナット部35cを形成しても良い。また、孔部2dに六角ナット等のナット部材を圧入で固定しても良いし、パイプ部材2の内壁面に溶接でナット部材を固定しても良い。
上述した形態では、壁部2aにポップナット5が固定されている。この他にもたとえば、壁部2aに、軸方向における一方向からの締結作業で締結が可能なポップボルト(カシメボルト)を固定しても良い。この場合には、ジョイント部材4の段付孔4bにナット部材を挿入して、パイプ部材2の外壁面にジョイント部材4を固定すれば良い。
上述した形態では、孔部2dが6角形状に形成され、ポップナット5の配置部分5fも6角形状に形成されている。この他にもたとえば、孔部2dおよび/または配置部分5fは、3角形状、4角形状、5角形状、8角形状等の多角形に形成されても良いし、楕円形状、星型形状等に形成されても良い。また、孔部2dおよび/または配置部分5fは、円の一部をカットした形状に形成されても良い。また、いわゆるローレット加工を配置部分5fに施して、配置部分5fに対応する形状を孔部2dに形成しても良い。すなわち、孔部2dと配置部分5fとの間に、回転止めの機能を果たす構成が設けられていれば良い。なお、孔部2dおよび/または配置部分5fは、円形に形成されても良い。
上述した形態では、ポップナット5は、底面部5bを有する袋状に形成されている。この他にもたとえば、ポップナット5は、底面部5bを有さない底なしの円筒状に形成されても良い。
上述した形態では、カバー部材2fは、パイプ部材2Bと一体で形成されている。この他にもたとえば、カバー部材は、パイプ部材2Bと別体で形成されても良い。この場合には、カバー部材を樹脂やゴムで形成して、パイプ部材2Bの開口部へ圧入等によって固定しても良い。また、カバー部材を金属で形成して、パイプ部材2Bの開口部へカシメ固定しても良いし、溶接しても良い。
上述した形態では、パイプ部材2C等の縁部2cを、直接、パイプ部材2Aの外壁面に当接させ、パイプ部材2A等の縁部2cを、直接、パイプ部材2Bの外壁面に当接させている。この他にもたとえば、パイプ部材2の縁部2cと外壁面との間に、縁部2cの形状に対応した四角枠状の緩衝部材を介在させるようにしても良い。この場合、緩衝部材は、たとえばシリコンゴム等のような、容易に弾性変形可能な材質から形成されるのが好ましい。このようにすれば、縁部2cとパイプ部材2の外壁面との間が、隙間なく密封され、これらの間に塵埃が入り込むのを防止できる。
上述した形態では、パイプ部材2は中空角パイプである。しかしながら、パイプ部材2は、中空角パイプには限られず、たとえば、断面形状が円形である中空状のパイプ部材であっても良い。また、パイプ部材2の外壁面のうち、縁部2cが突き当てられる部分に、極所的に大きな応力が作用する場合には、この部分に、より大面積の板部材を取り付けるようにしても良い。
上述した形態では、図4等に示すように、ポップナット5の先端鍔部5aは、壁部2aの外壁面よりも外側に突出している。ただし、先端鍔部5aが壁部2aの外壁面よりも突出しない方が外観上好ましい。したがって、たとえば、先端鍔部5aが配置される凹部を壁面2aに形成し、先端鍔部5aが壁部2aの外壁面よりも突出しないように、この凹部に先端鍔部5aを配置しても良い。
なお、図10に示すジョイント部材4(すなわち、図1のF部で使用されるジョイント部材4)の端面4gには、図1のE部で使用されるジョイント部材4のように、ポップナット5の先端鍔部5aが配置される逃げ凹部が形成されていない(図3参照)。しかし、図10に示すジョイント部材4の端面4gにもこの逃げ凹部が形成されても良い。また、上述のように、先端鍔部5aが壁部2aの外壁面よりも突出しない場合には、E部で使用されるジョイント部材4は、端面4gに逃げ凹部が形成されていない図10に示すジョイント部材4であっても良い。このように、E部で使用されるジョイント部材4とF部で使用されるジョイント部材4とは、共通であることが好ましい。
本発明の実施の形態にかかるジョイント構造を用いて構成された構造体の一例を示す斜視図である。 図1に示すパイプ部材同士が接合されるイメージを示す分解斜視図である。 図1のE部におけるXY平面に平行な断面を示す断面図である。 図1のE部におけるZX平面に平行な断面を示す断面図である。 図1のF部におけるXY平面に平行な断面を示す断面図である。 図3に示すポップナットの固定作業を説明するための図であり、(A)は孔部にポップナットを挿入後、締結作業前の状態を示す部分断面図、(B)は締結作業後の状態を示す部分断面図、(C)は、(A)のG−G断面を示す断面図である。 図1のF部におけるパイプ部材の端部の構成を説明するための図であり、(A)は平面図、(B)はカバー部材の折り曲げ前の状態を(A)のH−H方向から示す図、(C)はカバー部材の折り曲げ前の状態を(A)のI−I方向から示す図である。 本発明の実施の形態にかかるジョイント構造1を用いて構成された他の構造体を示す斜視図である。 図8のJ部の構成を説明するための斜視部である。 図8のJ部におけるXY平面に平行な断面を示す断面図である。 図8に示すベース部材の側面図である。 図11のK−K断面の一例を示す断面図である。 図11のK−K断面の他の例を示す断面図である。 本発明の他の実施の形態にかかるナット部を説明するための図であり、(A)は孔部にインサートナットを挿入後、締結作業前の状態を示す部分断面図、(B)は締結作業後の状態を示す部分断面図である。 本発明の他の実施の形態にかかるナット部を説明するための図である。
符号の説明
1 ジョイント構造
2 パイプ部材
2A パイプ部材(他方のパイプ部材、一方のパイプ部材)
2B パイプ部材(他方のパイプ部材)
2C〜2G パイプ部材(一方のパイプ部材)
2a 壁部
2b 中空部
2d 孔部
2f カバー部材
4 ジョイント部材
4b 段付孔
4d 小径孔
4e 大径孔
4f 段部
5 ポップナット(ナット部材)
5b 底面部
5c、25c、35c ナット部
5f 配置部分
6 ボルト部材(固定ボルト)
6a ボルト部
6b 頭部
25 インサートナット(ナット部材)

Claims (8)

  1. 壁部で囲まれている中空部を有する金属製の一方のパイプ部材と他方のパイプ部材とを接合するためのジョイント構造であって、
    上記一方のパイプ部材の上記中空部に挿入されるとともに、上記一方のパイプ部材を固定可能なジョイント部材と、上記他方のパイプ部材の内壁面側に配置されるナット部と、上記ナット部に螺合するボルト部を有し上記他方のパイプ部材の外壁面に上記ジョイント部材を固定するボルト部材とを備えることを特徴とするジョイント構造。
  2. 前記他方のパイプ部材の前記壁部には孔部が形成され、
    前記ナット部は、上記孔部に挿通され前記壁部に固定されるポップナットに形成されていることを特徴とする請求項1記載のジョイント構造。
  3. 前記孔部は、多角形状に形成され、
    前記ポップナットの外周であって、前記孔部に配置される配置部分の少なくとも一部は、多角形状に形成されていることを特徴とする請求項2記載のジョイント構造。
  4. 前記ポップナットは、前記他方のパイプ部材の内側に配置される底面部を有する袋状に形成されていることを特徴とする請求項2または3記載のジョイント構造。
  5. 前記ジョイント部材には、前記ボルト部を挿通させるための小径孔と、上記小径孔より径が大きく前記ボルト部材の頭部が配置される大径孔とを有する段付孔が形成され、
    上記小径孔と上記大径孔との境界に形成される段部に、前記ボルト部材の頭部が当接することを特徴とする請求項1から4いずれかに記載のジョイント構造。
  6. 前記ナット部は、前記他方のパイプ部材の長手方向の端部近傍の内壁面側に配置されるとともに、前記他方のパイプ部材の端部に形成される開口部には、上記開口部を塞ぐカバー部材が配置されていることを特徴とする請求項1から5いずれかに記載のジョイント構造。
  7. 前記カバー部材は、前記他方のパイプ部材と一体で形成されていることを特徴とする請求項6記載のジョイント構造。
  8. 壁部で囲まれている中空部を有する金属製の一方のパイプ部材と他方のパイプ部材とを接合するためのジョイント構造であって、
    上記一方のパイプ部材の上記中空部に挿入されるとともに、上記一方のパイプ部材を固定可能なジョイント部材と、上記他方のパイプ部材の外壁面に上記ジョイント部材を固定するナット部材およびボルト部材とを備え、
    上記ナット部材および上記ボルト部材のいずれか一方が、上記他方のパイプ部材の上記壁部に固定されていることを特徴とするジョイント構造。
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