JP2008157325A - 弁装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 流路3,5,19が形成された筐体7と、流路3,5,19を流れる流体の流量を調節する弁座9および弁体11と、弁体11を筐体7に設けられた弁座9に対して接触離間させる軸体15と、弁体11の移動方向と交差する方向への弁体11の移動を許容するとともに、弁体11の振動を抑制する抑制部17と、が設けられたことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
このような玉形弁において、弁体と弁座とが極めて接近した状態となると、弁体と弁座との間に発生する高速流により弁体に自励振動が生じ、弁体と弁座とが衝突(チャタリング)するという問題があった。特に、玉形弁の上流側と下流側との圧力差が大きい条件下では、弁体の自励振動が発生しやすいという問題があった。
本発明の弁装置は、流路が形成された筐体と、前記流路を流れる流体の流量を調節する弁座および弁体と、前記弁体を前記筐体に設けられた前記弁座に対して接触離間させる軸体と、前記弁体の移動方向と交差する方向への前記弁体の移動を許容するとともに、前記弁体の振動を抑制する抑制部と、が設けられたことを特徴とする。
弁体の移動方向と交差する方向への弁体の移動は許容されるため、弁体の中心軸線と弁座の中心軸線とを一致させることができ、弁体と弁座を接触させたときの流体の漏れを防止することができる。
減衰部は、弁体と軸体との相対移動に対して抵抗力を発揮するものであるため、弁体の移動方向と交差する方向への弁体の移動は許容される。
弾性体は変形することにより、弁体の移動方向と交差する方向への弁体の移動を許容できるため、弁体と弁座を接触させたときの流体の漏れを防止することができる。
以下、本発明の第1の実施形態に係る玉形弁ついて図1から図3を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る玉形弁の全体構成を説明する断面図である。
玉形弁(弁装置)1には、図1に示すように、水などの液体(流体)が流れる入口流路(流路)3および出口流路(流路)5等が形成された弁箱(筐体)7と、玉形弁1を流れる液体の流量を制御する弁座9および弁体11と、弁体11を弁座9に接触離間させる軸体15と、弁体11の自励振動を減衰させる減衰部(抑制部)17と、が設けられている。
減衰部17は軸体15と弁体11との間に配置され、弁体11の自励振動を減衰させるものである。減衰部17には、図1および図2に示すように、弁体11の自励振動を減衰させる突起部25および液体室27が設けられている。
突起部25は、軸体15から液体室27に向かって突出する板状部材であり、軸体15の中心軸線に沿って延びるように配置されている。本実施形態では、4つの突起部25が軸体15の周囲に約90°の位相間隔をあけて配置された例に適用して説明する。一対の突起部25は、入口流路3、出口流路5、連通流路19が含まれる平面(図1における紙面)に含まれるように配置され、残りの一対の突起部25は、上述の平面に対して直交するとともに軸体15の中心軸線を含む平面に含まれるように配置されている。このように配置することで、弁体11において自励振動が多く発生する振動方向に対する減衰力を効果的に発揮することができる。
なお、軸体15の中心軸線と弁体11の中心軸線とが一致した状態における、液体室27における軸体15の外周面から弁体11の内周面までの距離を10とすると、突起部25の外側端面から弁体11の内周面までの距離は、1以下であることが好ましい。このように設定することで、減衰部17における減衰力を効果的に発揮することができる。
玉形弁1において液体は、図1に示すように、入口流路3から玉形弁1に流入し、連通流路19における弁座9および弁体11の間を通過し、出口流路5を通って玉形弁1から流出する。このとき、弁体11と弁座9との間隔を制御することにより、玉形弁1を通過する液体の流量が制御されている。具体的には、軸体15により弁体11を弁座9に接触離間させることにより、上述の間隔が制御されている。
なお、軸体15における弁体11を移動させる機構等は、公知の機構等を用いることができ、特に限定するものではない。
まず、本実施形態における弁体11の自励振動について説明する。
図3は、図1の玉形弁における弁体の自励振動を説明する模式図である。
弁座9と弁体11との隙間が、図3に示すように微小な隙間であって、弁座9および弁体11の上流側と下流側との圧力差が大きな状況(例えば、1MPaから2MPa以上の差圧がある状況)では、弁座9と弁体11との隙間に液体の高速流が形成される。一方、弁体11は、弁座9と接触した際に弁座接触面21と弁体接触面23とを密着させるため、弁体11の中心軸線と直交する方向に移動可能とされている。
移動後、弁体11は新たに形成された周方向に係る圧力分布の不均一にしたがって移動を繰り返す。この移動周期と弁体11等の固有振動周期とが所定の関係を満たすと、弁体11に自励振動が励起される。
弁体11に、弁体11の中心軸線に対して直交する方向の振動である自励振動が励起されると、図2に示すように、弁体11は振動することにより軸体15に対する相対位置が変化し、液体室27の形状も変化する。液体室27の内部の粘性液体は、上述の液体室27の形状変化に応じて、液体室27内を軸体15の周方向に沿って流動する。
このような、液体室27内の粘性液体の流動、および、突起部25の流動に対する抵抗としての働きにより弁体11の振動に対する減衰力が働くため、弁体11は高速で動くことができない。
弁体11と弁座9とが、互いの中心軸線がずれた状態で接近すると、最初に弁体接触面23の一部と弁座接触面21の一部とが接触する。この状態でさらに弁体11と弁座9とが接近すると、弁体11は、弁座9により互いの中心軸線が一致する方向に押される。
そのため、弁体11と弁座9とが接近し続けることにより、互いの中心軸線はより接近した状態となり、弁体11の中心軸線と弁座9の中心軸線とが調整される。
減衰部17は、弁体と軸体との比較的速い相対移動に対して抵抗力を発揮するショックアブソーバであって、弁体11の中心軸線と直交する方向への弁体11の移動は許容するため、弁体11の中心軸線と弁座9の中心軸線とを一致させることができる。そのため、弁体11と弁座9を接触させたときに、弁体接触面23と弁座接触面21とが密着するため、液体の漏れを防止することができる。
次に、本発明の第2の実施形態について図4および図5を参照して説明する。
本実施形態の玉形弁の基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、減衰部の変わりに抑制部が設けられている点が異なっている。よって、本実施形態においては、図4および図5を用いて抑制部の構成のみを説明し、その他の構成等の説明を省略する。
図4は、本実施形態に係る玉形弁の全体構成を説明する断面図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
抑制部117は軸体15と弁体11との間に配置され、弁体11の自励振動を抑制するものである。抑制部117には、図4および図5に示すように、弁体11の自励振動を抑制するコイルバネ(弾性体)125および緩衝室127が設けられている。
また、上述のように、抑制部117にコイルバネ125を設けてもよいし、コイルバネ125の代わりに板バネを設けてもよく、特に限定するものではない。
弁体11はコイルバネ125を介して軸体15に相対移動可能に固定されており、コイルバネ125がない場合と比較して、弁体11の固有振動数が高くなっている。すると、弁体11と弁座9との間に形成される圧力分布の不均一に起因する振動周期と、弁体11の振動周期との差が大きくなり、弁体11の自励振動が抑制される。
そのため、コイルバネ125のバネ定数が高いほど弁体11の自励振動の抑制効果が高くなる。
弁体11と弁座9とが、互いの中心軸線がずれた状態で接近すると、最初に弁体接触面23の一部と弁座接触面21の一部とが接触する。この状態でさらに弁体11と弁座9とが接近すると、弁体11は、弁座9により互いの中心軸線が一致する方向に押される。
コイルバネ125は変形することにより、弁体11の中心軸線と直交する方向への弁体11の移動を許容できるため、弁体11と弁座9を接触させたときに、弁体接触面23と弁座接触面21とが密着するため、液体の漏れを防止することができる。
次に、本発明の第3の実施形態について図6および図7を参照して説明する。
本実施形態の玉形弁の基本構成は、第2の実施形態と同様であるが、第2の実施形態とは、抑制部の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図6および図7を用いて抑制部の構成のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図6は、本実施形態に係る玉形弁の全体構成を説明する断面図である。
なお、第2の実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
抑制部217は軸体15と弁体11との間に配置され、弁体11の自励振動を抑制するものである。抑制部217には、図6および図7に示すように、弁体11を支持するとともに自励振動を抑制する支持バネ(弾性体)225および緩衝室227が設けられている。
弁体11は支持バネ225を介して軸体15に相対移動可能に固定されており、支持バネ225がない場合と比較して、弁体11の固有振動数が高くなっている。すると、弁体11と弁座9との間に形成される圧力分布の不均一に起因する振動周期と、弁体11の振動周期との差が大きくなり、弁体11の自励振動が抑制される。
そのため、支持バネ225のバネ定数が高いほど弁体11の自励振動の抑制効果が高くなる。
弁体11と弁座9とが、互いの中心軸線がずれた状態で接近すると、最初に弁体接触面23の一部と弁座接触面21の一部とが接触する。この状態でさらに弁体11と弁座9とが接近すると、弁体11は、弁座9により互いの中心軸線が一致する方向に押される。
支持バネ225は変形することにより、弁体11の中心軸線と直交する方向への弁体11の移動を許容できるため、弁体11と弁座9を接触させたときに、弁体接触面23と弁座接触面21とが密着するため、液体の漏れを防止することができる。
3 入口流路(流路)
5 出口流路(流路)
7 弁箱(筐体)
9 弁座
11 弁体
15 軸体
17 減衰部(抑制部)
19 連通流路(流路)
117,217 抑制部
125 コイルバネ(弾性体)
225 支持バネ(弾性体)
Claims (3)
- 流路が形成された筐体と、
前記流路を流れる流体の流量を調節する弁座および弁体と、
前記弁体を前記筐体に設けられた前記弁座に対して接触離間させる軸体と、
前記弁体の移動方向と交差する方向への前記弁体の移動を許容するとともに、前記弁体の振動を抑制する抑制部と、
が設けられたことを特徴とする弁装置。 - 前記抑制部は、前記軸体と前記弁体との間に設けられ、前記弁体の振動を減衰させる減衰部であることを特徴とする請求項1記載の弁装置。
- 前記抑制部には、前記軸体と前記弁体との間に設けられ、前記弁体の固有振動数を変更させる弾性体が設けられていることを特徴とする請求項1記載の弁装置。
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2006
- 2006-12-22 JP JP2006345248A patent/JP4918346B2/ja active Active
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