JP2008157301A - 自動変速機のオイル排出方法及びオイル排出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】自動変速機からオイルを排出するに際し、オイル全量を迅速且つ容易に排出することが可能な自動変速機のオイル排出装置及びオイル排出方法を提供する。
【解決手段】自動変速機のオイル交換時におけるオイル排出動作において、変速機ケーシング内部を負圧吸引した状態で、ノーマルクローズタイプのON/OFFソレノイドバルブSRに給電を行って強制的に開放させる。これにより、このON/OFFソレノイドバルブSRが存在していたために密閉状態となっていた空間に負圧を作用させることができ、この空間に残存していた作動油を強制的に油圧回路1から排出することが可能になる。
【選択図】図4
【解決手段】自動変速機のオイル交換時におけるオイル排出動作において、変速機ケーシング内部を負圧吸引した状態で、ノーマルクローズタイプのON/OFFソレノイドバルブSRに給電を行って強制的に開放させる。これにより、このON/OFFソレノイドバルブSRが存在していたために密閉状態となっていた空間に負圧を作用させることができ、この空間に残存していた作動油を強制的に油圧回路1から排出することが可能になる。
【選択図】図4
Description
本発明は、自動変速機を変速操作するための作動油として用いられるオイル(ATフルード)を油圧回路中から排出するためのオイル排出方法及びオイル排出装置に係る。特に、本発明は、油圧回路中においてバルブ同士の間で密閉される空間内に残留しているオイルを排出可能にするための改良に関する。
従来より、自動車等に搭載される自動変速機は、複数の摩擦係合要素(クラッチやブレーキ)を備え、これら摩擦係合要素を係合または解放することにより所望の変速段が得られるようになっている。また、これら摩擦係合要素は、油圧回路から供給される油圧により上記係合動作及び解放動作を行う。
この摩擦係合要素を作動させるための油圧制御装置として、具体的には、高密度に集約された油路が形成されたバルブボディに、油圧調整のためのリニアソレノイドバルブや油路開閉のためのON/OFFソレノイドバルブが一体的に組み付けられ、これらリニアソレノイドバルブによる油圧調整動作やON/OFFソレノイドバルブによる油路の開閉動作等によって、各摩擦係合要素を作動させるための油圧サーボへの供給油圧を調整して変速制御を行っている。
ところで、この種の自動変速機を長期間使用した場合、劣化した作動油(以下、オイルという)の交換が必要になる場合がある。これまでの一般的なオイル交換作業としては、先ず、自動変速機底部のオイルパンに取り付けられているドレンプラグを取り外してドレン孔を開放し、オイルパン内に貯留されているオイルをその自重により排出する。その後、ドレン孔を閉塞し、オイル供給口(リフィル孔)から新たなオイルを自動変速機内部に供給するようにしている。
また、下記の特許文献1には、オイルの交換作業に際し、オイルクーラの排出口にオイル交換装置のリターンホースを、レベルゲージ挿入管にオイル交換装置の給油ホースをそれぞれ接続し、エンジンを駆動させた状態でリターンホースからのオイル回収動作と給油ホースからの新たなオイルの供給動作とを同時に行うことが開示されている。
しかしながら、上述したようなドレン孔からオイルを排出する従来の手法や上記特許文献1に開示されている手法では、油圧回路内のオイル(劣化した古いオイル)の全てを排出することは困難であった。その理由について以下に述べる。
上述した如く、自動変速機の油圧回路には油圧調整のためのリニアソレノイドバルブや油路開閉のためのON/OFFソレノイドバルブが複数備えられている。そして、これらバルブの中には、ノーマルクローズタイプ(非通電時には閉鎖状態となるタイプ)のものがある。つまり、このノーマルクローズタイプのバルブの配設位置において油圧回路は遮断されることになる。そして、このノーマルクローズタイプのバルブのポートが他のバルブの閉鎖空間(例えばコントロールバルブにおいてスプールにより閉鎖された空間)に連通している場合には、この両バルブ同士の間の油路が外部から完全に遮断された密閉空間となる。このような状態では、上記ドレン孔を開放したり、オイルクーラ排出口にリターンホースを接続してオイル排出動作を行ったとしても、上記密閉空間に残留しているオイルを排出することは不可能である。つまり、劣化したオイルがそのまま油圧回路中に残存した状態となってしまう。
このような状況でオイルの交換作業が行われると、排出できなかった古いオイルと新たに供給したオイルとが混合されて自動変速機内に存在してしまうことになり、オイル交換作業を行った効果を十分に得ることができない。
尚、自動変速機の油圧回路中からオイルの全量を排出したいといった要求は、上述したオイル交換時ばかりでなく、自動変速機の廃棄処分等を行う場合にも生じている。つまり、バルブボディ内部にオイルが残存した状態で廃棄処分することは地球環境問題に鑑みると好ましいことではない。また、バルブボディをリサイクルする場合にも内部にオイルが残存していることは好ましくない。このため、バルブボディを分解するといった煩雑な作業を行わねば油圧回路中の全てのオイルを排出することができないといった現状を改善したいといった要求が予てよりなされている。
油圧回路中のオイルの略全量を排出するために提案されたものとして下記の特許文献2がある。この特許文献2のものでは、自動変速機のケーシング内に洗浄用液体を導入しながら自動変速機を作動させ、これにより、自動変速機内部に残留しているオイルの全量を排出可能にしている。
特開平7−2296号公報
特開2005−255175号公報
しかしながら、上記特許文献2のものでは、以下に述べる課題があった。
先ず、油圧回路中のオイルの略全量が排出された時点では、自動変速機のオイルが洗浄用液体に入れ換えられた状態になる。つまり、上記オイルに代わって洗浄用液体が自動変速機の作動液として機能しながら自動変速機が作動することになる。そもそも自動変速機用のオイルは、自動変速機を構成しているギヤ等の各摺動部分の潤滑機能をも発揮している。このため、上記洗浄用液体としても作動油と同様の潤滑機能を備えている必要があり、洗浄用液体として使用可能な液体成分としては制約が大きく、コスト面等において実用性に欠けるものである。
また、油圧回路中のオイルの略全量が排出された後、自動変速機の内部には比較的大量の洗浄用液体が存在していることになるため、新たなオイルを充填するためには、この洗浄用液体の全量を排出するための動作が必要になる。つまり、古いオイルの排出作業ばかりでなく、その後に洗浄用液体の排出作業が必要になり、オイルの交換作業が煩雑で且つ長い時間を要してしまう。
そればかりでなく、上述したように、ノーマルクローズタイプのバルブのポートが他のバルブの閉鎖空間に連通している場合には、この両バルブ同士の間の油路が外部から完全に遮断された密閉空間となり、この密閉空間に洗浄用液体が残存してしまうことになる。つまり、洗浄用液体の排出が不十分となり、新たな作動油と洗浄用液体との混合液が自動変速機内に存在することになって、その後の自動変速機の作動の信頼性が十分に確保できなくなる虞もある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、自動変速機からオイルを排出するに際し、オイル全量を迅速且つ容易に排出することが可能な自動変速機のオイル排出方法及びオイル排出装置を提供することにある。
−課題の解決原理−
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決原理は、自動変速機の油圧回路に備えられたソレノイドバルブ(例えばノーマルクローズタイプのON/OFFソレノイドバルブ等)を強制的に作動させると共に負圧によってオイルを吸引排出するようにしている。これにより、油圧回路内で密閉状態となっていた空間に残留するオイルが排出可能となり、油圧回路内のオイル全量を排出できる。
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決原理は、自動変速機の油圧回路に備えられたソレノイドバルブ(例えばノーマルクローズタイプのON/OFFソレノイドバルブ等)を強制的に作動させると共に負圧によってオイルを吸引排出するようにしている。これにより、油圧回路内で密閉状態となっていた空間に残留するオイルが排出可能となり、油圧回路内のオイル全量を排出できる。
−解決手段−
具体的に、本発明は、油圧回路に備えられた複数のソレノイドバルブの切り換え動作により複数の摩擦係合要素それぞれに対する作動油圧を調整して各摩擦係合要素の係合動作及び解放作動を行い、これにより変速動作を行う自動変速機に対し、上記油圧回路内から作動油を排出するためのオイル排出方法を前提とする。そして、上記油圧回路の開放側に負圧を作用させると共に、上記ソレノイドバルブに強制的な開放動作を行わせて、上記油圧回路内の作動油を上記負圧により吸引排出するようにしている。
具体的に、本発明は、油圧回路に備えられた複数のソレノイドバルブの切り換え動作により複数の摩擦係合要素それぞれに対する作動油圧を調整して各摩擦係合要素の係合動作及び解放作動を行い、これにより変速動作を行う自動変速機に対し、上記油圧回路内から作動油を排出するためのオイル排出方法を前提とする。そして、上記油圧回路の開放側に負圧を作用させると共に、上記ソレノイドバルブに強制的な開放動作を行わせて、上記油圧回路内の作動油を上記負圧により吸引排出するようにしている。
上記オイル排出方法を実施するためのオイル排出装置の構成としては以下のものが挙げられる。先ず、油圧回路に備えられた複数のソレノイドバルブの切り換え動作により複数の摩擦係合要素それぞれに対する作動油圧を調整して各摩擦係合要素の係合動作及び解放作動を行い、これにより変速動作を行う自動変速機に対し、上記油圧回路内から作動油を排出するためのオイル排出装置を前提とする。そして、上記油圧回路の開放側にこの油圧回路内の作動油を吸引排出するための負圧が作用している状態において上記ソレノイドバルブに強制的な開放動作を行わせるバルブ強制作動手段を備えさせている。
この場合、より具体的には、複数のソレノイドバルブのうちノーマルクローズタイプのソレノイドバルブに対して強制的な開放動作を行わせるようバルブ強制作動手段を構成する。
これら特定事項により、自動変速機の作動油交換時や廃棄処分時等において、この自動変速機の油圧回路内(より具体的にはバルブボディの油圧回路内)から作動油を排出するに際し、この油圧回路内から作動油を吸引するための負圧を作用させる。例えば、自動変速機のケーシングに設けられているフィラーチューブからケーシング内に負圧を作用させることで油圧回路内を負圧吸引する。また、オイルパンのドレン孔に負圧を作用させるようにしてもよい。尚、このような負圧吸引によって油圧回路内から作動油を排出させる作業の前段階として、オイルパンに貯留されている作動油(油圧回路から既に回収されている作動油)についてはドレン孔から排出させておくことが好ましい。
そして、上記負圧を作用させた状態でソレノイドバルブに強制的な開放動作を行わせる。特に、上述の如くノーマルクローズタイプのソレノイドバルブに対して強制的な開放動作を行わせれば、上記ソレノイドバルブがクローズ状態であったためにそれまで密閉状態となっていた空間が油圧回路の開放側(例えばオイルパンに向けて開放するストレーナ側)に連通することになる。つまり、上記密閉状態となっていた空間(油路)に上記負圧を作用させることができ、この空間に残存していた作動油を強制的に油圧回路から排出することができる。これにより、油圧回路内の作動油の全量を容易に排出することが可能になる。また、洗浄用液体等の特別な液体を使用することがないので、オイル交換を行う場合には、作動油の排出動作の後、直ぐに新たな作動油を供給することができる。つまり、洗浄用液体の全量を排出させるなどといった動作が必要なく、迅速なオイル全量排出が可能である。
また、上記目的を達成するための他の解決手段としては以下のものが挙げられる。先ず、油圧回路に備えられた複数のソレノイドバルブの切り換え動作により複数の摩擦係合要素それぞれに対する作動油圧を調整して各摩擦係合要素の係合動作及び解放作動を行い、これにより変速動作を行う自動変速機に対し、上記油圧回路内から作動油を排出するためのオイル排出方法を前提とする。そして、上記油圧回路の開放側に負圧を作用させると共に、上記ソレノイドバルブに強制的な開放動作及び閉鎖動作を繰り返し行わせて、上記油圧回路内の作動油を上記負圧により吸引排出するようにしている。
上記オイル排出方法を実施するためのオイル排出装置の構成としては以下のものが挙げられる。油圧回路に備えられた複数のソレノイドバルブの切り換え動作により複数の摩擦係合要素それぞれに対する作動油圧を調整して各摩擦係合要素の係合動作及び解放作動を行い、これにより変速動作を行う自動変速機に対し、上記油圧回路内から作動油を排出するためのオイル排出装置を前提とする。そして、上記油圧回路の開放側にこの油圧回路内の作動油を吸引排出するための負圧が作用している状態において上記ソレノイドバルブに強制的な開放動作及び閉鎖動作を繰り返し行わせるバルブ強制作動手段を備えさせている。
この場合、より具体的には、複数のソレノイドバルブの全てに対してバルブ強制作動手段が強制的な開放動作及び閉鎖動作を繰り返し行わせるよう構成する。
この特定事項によっても、自動変速機のオイル交換時や廃棄処分時等において、この自動変速機の油圧回路内から作動油を排出するに際し、この油圧回路内から作動油を吸引するための負圧を作用させる。このような負圧を作用させた状態でソレノイドバルブに強制的な開放動作及び閉鎖動作を繰り返し行わせる。これにより、上述した場合と同様に、ノーマルクローズタイプのソレノイドバルブが存在していたために密閉状態となっていた空間(油路)に上記負圧を作用させることができ、この空間に残存していた作動油を強制的に油圧回路から排出することができる。そればかりでなく、ノーマルオープンタイプのソレノイドバルブにも強制的な開放動作及び閉鎖動作を繰り返し行わせることで、油圧回路内に設けられているコントロールバルブをも作動させることができる。つまり、このコントロールバルブは、通常、スプールがコイルスプリング等の付勢力を受けて収容され、油圧(正圧)の作用により上記付勢力に抗してスプールが移動して油路の切り換えなどを行う機構を備えている。上記ソレノイドバルブに強制的な開放動作及び閉鎖動作を繰り返し行わせることで、このコントロールバルブに作用する負圧が変動することになり、それに伴ってスプールを移動させることも可能になる。これにより、コントロールバルブ内の作動油や、コントロールバルブ同士を接続している油路に対しても上記負圧を効果的に作用させることができ、このコントロールバルブ内やコントロールバルブ同士間の油路に作動油が残存してしまうといった状況も解消できる。
上述した油圧回路内から作動油を排出する動作を実行するタイミングを認識可能にする構成としては以下のものが挙げられる。つまり、油圧回路内から作動油を排出する要求が生じたことを判定する排出要求判定手段を備えさせ、作動油を排出する要求が生じたことを上記排出要求判定手段が判定した際に上記バルブ強制作動手段がソレノイドバルブに強制的な動作を行わせる構成としている。
例えば作動油の交換作業要求が生じた場合に、作業者から何らかの要求情報が排出要求判定手段に与えられ、この排出要求判定手段が作動油排出要求を認識する。これにより、「作動油排出モード」に切り換わり、上述したようなソレノイドバルブの強制的な作動によって油圧回路内の作動油の全量が排出可能な状況となる。上記作業者から交換作業要求情報を付与する手段としては、車両のヒューズボックス内の特定のヒューズ同士を短絡させ、それをECUが認識することで上記「作動油排出モード」に切り換わるようにしたり、ECUにOBD用ツールを接続し、このツールからの指令信号により「作動油排出モード」に切り換わるようにすることも可能である。
本発明では、自動変速機の油圧回路に備えられたソレノイドバルブを強制的に作動させると共に油圧回路内に負圧を作用させることで、この油圧回路内のオイルを吸引排出して、油圧回路内で密閉状態となっていた空間に残留するオイルを排出可能にしている。このため、油圧回路内の作動油の全量を容易に排出することが可能になる。また、洗浄用液体等の特別な液体を使用することがないので、この洗浄用液体の全量を排出させるといった動作が必要なく、作動油の交換作業を迅速に行うことが可能である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、前進5速段、後進1速段の自動変速機に本発明を適用した場合について説明する。
(第1実施形態)
−自動変速機構の構成説明−
図1は本実施形態に係る自動変速機構10を示すスケルトン図であり、図2は自動変速機構10の作動状態等を示す作動表である。
−自動変速機構の構成説明−
図1は本実施形態に係る自動変速機構10を示すスケルトン図であり、図2は自動変速機構10の作動状態等を示す作動表である。
図2中のクラッチ、ブレーキ、ワンウェイクラッチ(OWC)の表示欄における「○」は係合を、「(○)」はエンジンブレーキ時の係合を、「●」は変速段の達成に寄与しない係合を、「×」は非係合(解放)をそれぞれ示している。また、ソレノイドの表示欄における「○」はON状態を、「×」はOFF状態を、「(○)」はエンジンブレーキ時のON状態を、「(×)」はエンジンブレーキ時のOFF状態を、「《○》」はイグニッションキーをONした際(通電時)の状態をそれぞれ示している。
この自動変速機構10は、複数の摩擦係合要素(後述するクラッチC−1〜C−3、ブレーキB−1〜B−4)の係合状態及び解放状態が油圧により制御されることで、前進5速段、後進1速段を形成する構成となっている。
図3は、上記各クラッチC−1〜C−3、ブレーキB−1〜B−4の係合状態及び解放状態を制御するための油圧回路が形成されたバルブボディ70の分解斜視図である。このバルブボディ70は、2枚のアッパバルブボディ71,72及び1枚のロアバルブボディ73を備え、これらが互いに重ね合わされることで内部に油圧回路を形成している。また、これらバルブボディ71〜73はアルミニウム合金製である。
そして、上記ロアバルブボディ73に、油圧調整のためのリニアソレノイドバルブSL1,SL2や油路開閉のためのON/OFFソレノイドバルブS1,S2,SRが一体的に組み付けられており、これらリニアソレノイドバルブSL1,SL2による油圧調整動作やON/OFFソレノイドバルブS1,S2,SRによる油路の開閉動作等によって、上記各クラッチC−1〜C−3、ブレーキB−1〜B−4を作動させるための油圧サーボへの供給油圧を調整して変速制御が行われる構成となっている。図4は、このバルブボディ70、リニアソレノイドバルブSL1,SL2、ON/OFFソレノイドバルブS1,S2,SR等により構成される油圧回路1の一部分を示す回路図である。この回路構成については後述する。
図1に示すように、上記自動変速機構10は、入力軸11及び出力軸15を有しており、それら入力軸11及び出力軸15と同軸上に、サンギヤS1とピニオンギヤP1−1,P1−2とキャリヤCR1とリングギヤR1とを有するダブルピニオンプラネタリギヤ12、サンギヤS2とピニオンギヤP2とキャリヤCR2とリングギヤR2とを有するシンプルプラネタリギヤ13、サンギヤS3とピニオンギヤP3とキャリヤCR3とリングギヤR3とを有するシンプルプラネタリギヤ14が配設されている。自動変速機構10の入力側には、クラッチC−1が内周側に、また、2つのクラッチが並設された所謂ダブルクラッチとしてのクラッチC−2及びクラッチC−3が外周側に、それぞれ配設されている。
上記クラッチC−3は上記サンギヤS1に接続されており、このサンギヤS1は、ブレーキB−3の係止によって係合するワンウェイクラッチF−2により一方向の回転が規制されている。このサンギヤS1に噛合するピニオンギヤP1−1を支持しているキャリヤCR1は、ワンウェイクラッチF−1により一方向の回転が規制されていると共に、1速段のエンジンブレーキとなるブレーキB−1により固定自在となっている。このキャリヤCR1に支持されているピニオンギヤP1−2に噛合するリングギヤR1は、リングギヤR2に接続されており、このリングギヤR1及びリングギヤR2はブレーキB−2により固定自在となっている。
一方、上記クラッチC−2は、上記リングギヤR2に噛合するピニオンギヤP2を支持しているキャリヤCR2に接続されると共に、このキャリヤCR2はリングギヤR3に接続されており、これらキャリヤCR2及びリングギヤR3はワンウェイクラッチF−3により一方向の回転が規制されていると共に、ブレーキB−4により固定自在となっている。また、上記クラッチC−1は、上記サンギヤS2及びサンギヤS3に接続されており、サンギヤS2はキャリヤCR2に支持されているピニオンギヤP2に、サンギヤS3はキャリヤCR3に支持されているピニオンギヤP3にそれぞれ噛合している。そして、このキャリヤCR3に支持されているピニオンギヤP3は、上記リングギヤR3に噛合すると共に、キャリヤCR3は出力軸15に接続されている。
−自動変速機構10の動作説明−
<前進1速段>
図2に示すように、前進1速段(1ST)では、ON/OFFソレノイドバルブS1がON、ON/OFFソレノイドバルブS2がOFF、ON/OFFソレノイドバルブSRがOFF、リニアソレノイドバルブSL1がOFF、及びリニアソレノイドバルブSL2がONとなった状態で、クラッチC−1が係合し、ワンウェイクラッチF−3が作動する。すると、図1に示すように、クラッチC−1を介して入力軸11の回転がサンギヤS3に入力されると共に、ワンウェイクラッチF−3によってリングギヤR3の回転が一方向に規制され、入力回転のサンギヤS3と回転が規制されたリングギヤR3とによりキャリヤCR3が減速回転になる。これにより、出力軸15より前進1速段としての正転回転が出力されて、つまり自動変速機構10は前進1速段を形成する。
<前進1速段>
図2に示すように、前進1速段(1ST)では、ON/OFFソレノイドバルブS1がON、ON/OFFソレノイドバルブS2がOFF、ON/OFFソレノイドバルブSRがOFF、リニアソレノイドバルブSL1がOFF、及びリニアソレノイドバルブSL2がONとなった状態で、クラッチC−1が係合し、ワンウェイクラッチF−3が作動する。すると、図1に示すように、クラッチC−1を介して入力軸11の回転がサンギヤS3に入力されると共に、ワンウェイクラッチF−3によってリングギヤR3の回転が一方向に規制され、入力回転のサンギヤS3と回転が規制されたリングギヤR3とによりキャリヤCR3が減速回転になる。これにより、出力軸15より前進1速段としての正転回転が出力されて、つまり自動変速機構10は前進1速段を形成する。
尚、前進1速段のエンジンブレーキ(コースト)時では、図2に示すように、ワンウェイクラッチF−3に代えてブレーキB−4を係止することで、リングギヤR3の空転を防止する形でその回転を固定し、上述と同様に前進1速段を形成する。
<前進2速段>
前進2速段(2ND)では、図2に示すように、ON/OFFソレノイドバルブS1、S2がそれぞれON、ON/OFFソレノイドバルブSRがOFF、リニアソレノイドバルブSL1がOFF、及びリニアソレノイドバルブSL2がONとなった状態で、クラッチC−1が係合すると共にブレーキB−3が係止し、ワンウェイクラッチF−1及びワンウェイクラッチF−2が作動する。すると、図1に示すように、ブレーキB−3の係止により係合するワンウェイクラッチF−2によってサンギヤS1の回転が一方向に規制されると共に、ワンウェイクラッチF−1によってキャリヤCR1の回転が一方向に規制され、リングギヤR1及びリングギヤR2の回転も一方向に規制される。クラッチC−1を介して入力軸11の回転がサンギヤS2に入力されると、入力回転のサンギヤS2と上記回転が規制されたリングギヤR2とによりキャリヤCR2及びリングギヤR3が減速回転となる。更に、クラッチC−1を介して入力軸11の回転がサンギヤS3に入力されると、入力回転のサンギヤS3と減速回転のリングギヤR3とによりキャリヤCR3が上記前進1速段より僅かに高い減速回転となる。それにより、出力軸15より前進2速段としての正転回転が出力されて、つまり自動変速機構10は前進2速段を形成する。
前進2速段(2ND)では、図2に示すように、ON/OFFソレノイドバルブS1、S2がそれぞれON、ON/OFFソレノイドバルブSRがOFF、リニアソレノイドバルブSL1がOFF、及びリニアソレノイドバルブSL2がONとなった状態で、クラッチC−1が係合すると共にブレーキB−3が係止し、ワンウェイクラッチF−1及びワンウェイクラッチF−2が作動する。すると、図1に示すように、ブレーキB−3の係止により係合するワンウェイクラッチF−2によってサンギヤS1の回転が一方向に規制されると共に、ワンウェイクラッチF−1によってキャリヤCR1の回転が一方向に規制され、リングギヤR1及びリングギヤR2の回転も一方向に規制される。クラッチC−1を介して入力軸11の回転がサンギヤS2に入力されると、入力回転のサンギヤS2と上記回転が規制されたリングギヤR2とによりキャリヤCR2及びリングギヤR3が減速回転となる。更に、クラッチC−1を介して入力軸11の回転がサンギヤS3に入力されると、入力回転のサンギヤS3と減速回転のリングギヤR3とによりキャリヤCR3が上記前進1速段より僅かに高い減速回転となる。それにより、出力軸15より前進2速段としての正転回転が出力されて、つまり自動変速機構10は前進2速段を形成する。
尚、前進2速段のエンジンブレーキ(コースト)時では、図2に示すように、ワンウェイクラッチF−1及びワンウェイクラッチF−2に代えてブレーキB−2を係止することで、リングギヤR1及びリングギヤR2の空転を防止する形でその回転を固定し、上述と同様に前進2速段を形成する。
<前進3速段>
前進3速段(3RD)では、図2に示すように、ON/OFFソレノイドバルブS1がOFF、ON/OFFソレノイドバルブS2がON、ON/OFFソレノイドバルブSRがOFF、リニアソレノイドバルブSL1がOFF、及びリニアソレノイドバルブSL2がONとなった状態で、クラッチC−1が係合すると共にクラッチC−3が係合し、ワンウェイクラッチF−1が作動する。すると、図1に示すように、クラッチC−3の係合によりサンギヤS1に入力回転が入力されると共に、ワンウェイクラッチF−1によってキャリヤCR1の回転が一方向に規制され、入力回転のサンギヤS1と回転が規制されたキャリヤCR1とによりリングギヤR1及びリングギヤR2が減速回転となる。一方、クラッチC−1を介して入力軸11の回転がサンギヤS2に入力されると、入力回転のサンギヤS2と上記減速回転のリングギヤR2とによりキャリヤCR2及びリングギヤR3が比較的高い減速回転となる。更に、クラッチC−1を介して入力軸11の回転がサンギヤS3に入力されると、入力回転のサンギヤS3と減速回転のリングギヤR3とによりキャリヤCR3が上記前進2速段より僅かに高い減速回転となる。それにより、出力軸15より前進3速段としての正転回転が出力されて、つまり自動変速機構10は前進3速段を形成する。
前進3速段(3RD)では、図2に示すように、ON/OFFソレノイドバルブS1がOFF、ON/OFFソレノイドバルブS2がON、ON/OFFソレノイドバルブSRがOFF、リニアソレノイドバルブSL1がOFF、及びリニアソレノイドバルブSL2がONとなった状態で、クラッチC−1が係合すると共にクラッチC−3が係合し、ワンウェイクラッチF−1が作動する。すると、図1に示すように、クラッチC−3の係合によりサンギヤS1に入力回転が入力されると共に、ワンウェイクラッチF−1によってキャリヤCR1の回転が一方向に規制され、入力回転のサンギヤS1と回転が規制されたキャリヤCR1とによりリングギヤR1及びリングギヤR2が減速回転となる。一方、クラッチC−1を介して入力軸11の回転がサンギヤS2に入力されると、入力回転のサンギヤS2と上記減速回転のリングギヤR2とによりキャリヤCR2及びリングギヤR3が比較的高い減速回転となる。更に、クラッチC−1を介して入力軸11の回転がサンギヤS3に入力されると、入力回転のサンギヤS3と減速回転のリングギヤR3とによりキャリヤCR3が上記前進2速段より僅かに高い減速回転となる。それにより、出力軸15より前進3速段としての正転回転が出力されて、つまり自動変速機構10は前進3速段を形成する。
尚、前進3速段のエンジンブレーキ(コースト)時では、図2に示すように、ワンウェイクラッチF−1に代えてブレーキB−1を係止することで、キャリヤCR1の空転を防止する形でその回転を固定し、上述と同様に前進3速段を形成する。
<前進4速段>
自動変速機構10の入力軸11の回転と出力軸15の回転とが直結する直結段である前進4速段(4TH)では、図2に示すように、ON/OFFソレノイドバルブS1,S2,SRがいずれもOFF、リニアソレノイドバルブSL1がOFF、及びリニアソレノイドバルブSL2がONとなった状態で、クラッチC−1及びC−2がそれぞれ係合する。すると、図1に示すように、クラッチC−2の係合によりキャリヤCR2及びリングギヤR3に入力回転が入力されると共に、クラッチC−1を介して入力軸11の回転がサンギヤS3に入力される。すると、入力回転のサンギヤS3と入力回転のリングギヤR3とにより、即ち直結回転となってキャリヤCR3が入力回転となる。それにより、出力軸15より前進4速段としての正転回転が出力されて、つまり自動変速機構10は前進4速段を形成する。
自動変速機構10の入力軸11の回転と出力軸15の回転とが直結する直結段である前進4速段(4TH)では、図2に示すように、ON/OFFソレノイドバルブS1,S2,SRがいずれもOFF、リニアソレノイドバルブSL1がOFF、及びリニアソレノイドバルブSL2がONとなった状態で、クラッチC−1及びC−2がそれぞれ係合する。すると、図1に示すように、クラッチC−2の係合によりキャリヤCR2及びリングギヤR3に入力回転が入力されると共に、クラッチC−1を介して入力軸11の回転がサンギヤS3に入力される。すると、入力回転のサンギヤS3と入力回転のリングギヤR3とにより、即ち直結回転となってキャリヤCR3が入力回転となる。それにより、出力軸15より前進4速段としての正転回転が出力されて、つまり自動変速機構10は前進4速段を形成する。
<前進5速段>
前進5速段(5TH)では、図2に示すように、ON/OFFソレノイドバルブS1,S2がそれぞれOFF、ON/OFFソレノイドバルブSRがON、リニアソレノイドバルブSL1がON、及びリニアソレノイドバルブSL2がOFFとなった状態で、クラッチC−2が係合すると共にクラッチC−3が係合し、ブレーキB−1が係止する。すると、図1に示すように、クラッチC−3の係合によりサンギヤS1に入力回転が入力されると共に、ブレーキB−1によりキャリヤCR1の回転が固定され、入力回転のサンギヤS1と固定されたキャリヤCR1とによりリングギヤR1及びリングギヤR2が減速回転となる。一方、クラッチC−2の係合によりキャリヤCR2及びリングギヤR3に入力回転が入力され、入力回転のキャリヤCR2と減速回転のリングギヤR2とによりサンギヤS2及びサンギヤS3が増速回転となる。更に、増速回転のサンギヤS3と入力回転のリングギヤR3とによりキャリヤCR3が増速回転となる。それにより、出力軸15より前進5速段としての正転回転が出力されて、つまり自動変速機構10は前進5速段を形成する。
前進5速段(5TH)では、図2に示すように、ON/OFFソレノイドバルブS1,S2がそれぞれOFF、ON/OFFソレノイドバルブSRがON、リニアソレノイドバルブSL1がON、及びリニアソレノイドバルブSL2がOFFとなった状態で、クラッチC−2が係合すると共にクラッチC−3が係合し、ブレーキB−1が係止する。すると、図1に示すように、クラッチC−3の係合によりサンギヤS1に入力回転が入力されると共に、ブレーキB−1によりキャリヤCR1の回転が固定され、入力回転のサンギヤS1と固定されたキャリヤCR1とによりリングギヤR1及びリングギヤR2が減速回転となる。一方、クラッチC−2の係合によりキャリヤCR2及びリングギヤR3に入力回転が入力され、入力回転のキャリヤCR2と減速回転のリングギヤR2とによりサンギヤS2及びサンギヤS3が増速回転となる。更に、増速回転のサンギヤS3と入力回転のリングギヤR3とによりキャリヤCR3が増速回転となる。それにより、出力軸15より前進5速段としての正転回転が出力されて、つまり自動変速機構10は前進5速段を形成する。
<後進1速段>
後進1速段(REV)では、図2に示すように、ON/OFFソレノイドバルブS1がON、ON/OFFソレノイドバルブS2,SRがそれぞれOFF、リニアソレノイドバルブSL1がOFF、リニアソレノイドバルブSL2がONとなった状態で、クラッチC−3が係合すると共にブレーキB−4が係止し、ワンウェイクラッチF−1が作動する。すると、図1に示すように、クラッチC−3の係合によりサンギヤS1に入力回転が入力されると共に、ワンウェイクラッチF−1によりキャリヤCR1の回転が一方向に規制され、入力回転のサンギヤS1と回転が規制されたキャリヤCR1とによりリングギヤR1及びリングギヤR2が減速回転となる。一方、ブレーキB−4の係止によりキャリヤCR2及びリングギヤR3の回転が固定される。すると、減速回転のリングギヤR2と固定されたキャリヤCR2とによりサンギヤS2及びサンギヤS3が逆転回転となり、逆転回転のサンギヤS3と固定されたリングギヤR3とによりキャリヤCR3が逆転回転となる。それにより、出力軸15より後進1速段としての逆転回転が出力されて、つまり自動変速機構10は後進1速段を形成する。
後進1速段(REV)では、図2に示すように、ON/OFFソレノイドバルブS1がON、ON/OFFソレノイドバルブS2,SRがそれぞれOFF、リニアソレノイドバルブSL1がOFF、リニアソレノイドバルブSL2がONとなった状態で、クラッチC−3が係合すると共にブレーキB−4が係止し、ワンウェイクラッチF−1が作動する。すると、図1に示すように、クラッチC−3の係合によりサンギヤS1に入力回転が入力されると共に、ワンウェイクラッチF−1によりキャリヤCR1の回転が一方向に規制され、入力回転のサンギヤS1と回転が規制されたキャリヤCR1とによりリングギヤR1及びリングギヤR2が減速回転となる。一方、ブレーキB−4の係止によりキャリヤCR2及びリングギヤR3の回転が固定される。すると、減速回転のリングギヤR2と固定されたキャリヤCR2とによりサンギヤS2及びサンギヤS3が逆転回転となり、逆転回転のサンギヤS3と固定されたリングギヤR3とによりキャリヤCR3が逆転回転となる。それにより、出力軸15より後進1速段としての逆転回転が出力されて、つまり自動変速機構10は後進1速段を形成する。
尚、後進1速段のエンジンブレーキ(コースト)時では、図2に示すように、ワンウェイクラッチF−1に代えてブレーキB−1を係止することでキャリヤCR1の空転を防止し、上述と同様に後進1速段を形成する。
<Nレンジ>
また、Nレンジでは、図2に示すように、ON/OFFソレノイドバルブS1がON、ON/OFFソレノイドバルブS2,SRがそれぞれOFF、リニアソレノイドバルブSL1がOFF、リニアソレノイドバルブSL2がONとなった状態で、クラッチC−1〜C−3、ブレーキB−1〜B−4及びワンウェイクラッチF−1〜F−3の全てが非係合又は非作動状態となり、入力軸11の回転が出力軸15に伝達されない状態となる(図1参照)。
また、Nレンジでは、図2に示すように、ON/OFFソレノイドバルブS1がON、ON/OFFソレノイドバルブS2,SRがそれぞれOFF、リニアソレノイドバルブSL1がOFF、リニアソレノイドバルブSL2がONとなった状態で、クラッチC−1〜C−3、ブレーキB−1〜B−4及びワンウェイクラッチF−1〜F−3の全てが非係合又は非作動状態となり、入力軸11の回転が出力軸15に伝達されない状態となる(図1参照)。
−油圧回路1の説明−
次に、上記油圧回路1について図4に沿って説明する。尚、図4に示す油圧回路1は、油圧制御装置の油圧回路の一部分について概略的に示したものであり、実際の油圧回路は、この図4に示すもの以外に多くのバルブや油路等を有して構成される。例えば上述した自動変速機構10における複数の摩擦係合要素(クラッチC−1〜C−3、ブレーキB−1〜B−4)の係合状態を制御する油圧サーボ、ロックアップクラッチ、潤滑油回路等を油圧制御するものである。尚、図4中の「EX」はドレーンポートを示している。
次に、上記油圧回路1について図4に沿って説明する。尚、図4に示す油圧回路1は、油圧制御装置の油圧回路の一部分について概略的に示したものであり、実際の油圧回路は、この図4に示すもの以外に多くのバルブや油路等を有して構成される。例えば上述した自動変速機構10における複数の摩擦係合要素(クラッチC−1〜C−3、ブレーキB−1〜B−4)の係合状態を制御する油圧サーボ、ロックアップクラッチ、潤滑油回路等を油圧制御するものである。尚、図4中の「EX」はドレーンポートを示している。
図4に示すように、本油圧回路1は、リニアソレノイドバルブSL2と、ブレーキコントロールバルブ16と、クラッチアプライコントロールバルブ17と、2−3シフトバルブ19と、B−1アキュムレータ20と、ON/OFFソレノイドバルブSRと、シーケンスバルブ22と、3−4シフトバルブ23と、1−2シフトバルブ25とを有している。
リニアソレノイドバルブSL2は、ノーマルオープンタイプで成り、ソレノイド部26及び調圧バルブ部27を備え、制御部(図示せず)から制御信号を受けてONした状態でソレノイド圧を適宜変更し得る。このソレノイド部26では、コイル26cがヨーク26aとステータコア26bとで挟まれるように収容され、且つシャフト29が、ステータコア26bの中心孔26dを摺動自在に貫通すると共に調圧バルブ部27のスプール32に当接されている。一方、調圧バルブ部27は、バルブ本体31及びこのバルブ本体31内に摺動自在に嵌挿している上記スプール32を有し、且つこのスプール32が、縮設されたスプリング33によって図4の上方に付勢されている。また、バルブ本体31は、モジュレータ圧Pmodが入力されるポートcと、このモジュレータ圧Pmodに基づいて、ブレーキコントロールバルブ16の調圧状態を制御する制御圧PSL2を出力するポートdとを有している。このポートdは、油路35を介して、ブレーキコントロールバルブ16の制御油室16cに連通している。
ON/OFFソレノイドバルブSRは、ノーマルクローズタイプで成り、制御部(図示せず)から制御信号を受けて作動し、ライン圧(元圧)PLをON状態で信号圧Aとして供給し、OFF状態で遮断するように構成されている。このON/OFFソレノイドバルブSRは、ライン圧PLが油路36を介して入力されるポートeと、このON/OFFソレノイドバルブSRのON時に、上記信号圧Aを油路37に出力するポートfとを有している。そして、このON/OFFソレノイドバルブSRは、クラッチアプライコントロールバルブ17と、シーケンスバルブ22とに共通の信号圧Aを出力し、両バルブ17,22を同期して作動させる。
尚、ここでは、不図示のオイルポンプ(油圧源)からの油圧をプライマリレギュレータバルブ(図示せず)などで調圧した圧を「ライン圧」とし、図示されないシフトレバーやスイッチなどのシフト操作部材の操作にて切換えられるマニュアルバルブに上記ライン圧を入力してレンジ毎に発生させた圧を「レンジ圧」として説明する。
ブレーキコントロールバルブ16は、図4の上下方向に移動し得るスプール16aと、このスプール16aを上方に付勢するスプリング16bと、リニアソレノイドバルブSL2から油路35及びオリフィス34を介して制御圧PSL2が供給される制御油室16cと、クラッチアプライコントロールバルブ17からのDレンジ圧(元圧)が油路40を介して供給される入力ポートjと、このDレンジ圧を制御圧PSL2に基づき調圧した係合圧Bを油路41に出力する出力ポートgと、この出力ポートgから出力された係合圧Bがオリフィス42を介してそれぞれフィードバックされる制御油室h,iとを有している。このブレーキコントロールバルブ16は、クラッチアプライコントロールバルブ17から出力される第1経路のDレンジ圧、又はコントロールバルブ17の入力ポートlから出力ポートkを介して出力される第2経路のDレンジ圧を適時調圧して、ブレーキB−1,B−2,B−4用の各油圧サーボ53,39,45に向けて出力する。
クラッチアプライコントロールバルブ17は、上下方向に移動し得るスプール17aと、このスプール17aを上方に付勢するスプリング17bと、ON/OFFソレノイドバルブSRのONに基づき出力される信号圧Aが油路37を介して供給されるポートaと、マニュアルシフトバルブ(図示せず)が例えばDレンジであるときにこのシフトバルブ等を介してDレンジ圧が供給される入力ポートlと、図中の左半位置にあってはDレンジ圧を油路40に出力する出力ポートkと、3−4シフトバルブ23の出力ポートmに連通して第1経路のDレンジ圧を供給される入力ポートbと、右半位置にあっては入力ポートlに入力されるDレンジ圧をクラッチC−1(図4では図示せず)に向けて出力するポートnとを有している。
1−2シフトバルブ25は、上下方向に移動し得るスプール25aと、このスプール25aを上方に向けて付勢するスプリング25bと、不図示のON/OFFソレノイドバルブS2(図2参照)のOFF時に出力される信号圧(S2)が供給されるポートoと、ブレーキB−4用の油圧サーボ45に係合圧Bをオリフィス47を介して供給する出力ポートpと、シーケンスバルブ22から出力されて3−4シフトバルブ23を経由した係合圧Bが油路49を介して供給される入力ポート25cとを有している。油路49にはオリフィス50とチェックバルブ51とが介在されており、上記入力ポート25cにはオリフィス50を介して係合圧Bが供給される。チェックバルブ51は、3−4シフトバルブ23側から1−2シフトバルブ25側への油圧の作用を許容し、かつこれと逆方向の油圧の作用を阻止するように設けられている。
2−3シフトバルブ19は、上下方向に移動し得るスプール19aと、このスプール19aを上方に向けて付勢するスプリング19bと、ON/OFFソレノイドバルブS1(図2参照)のOFF時に出力される信号圧(S1)が供給されるポートrと、ブレーキコントロールバルブ16から油路41を介して係合圧Bが供給される入力ポートtと、左半位置にあっては油路52を介して係合圧BをブレーキB−1用の油圧サーボ53に出力する出力ポートsと、右半位置にあっては油路56を介して係合圧Bをシーケンスバルブ22の入力ポートvに出力する出力ポートuとを有している。上記油路52には、オリフィス62、チェックバルブ63及びオリフィス65が介在されている。チェックバルブ63は、2−3シフトバルブ19側からの係合圧Bの作用を阻止すると共に、油圧サーボ53側からの係合圧Bのドレーンを許容するように設けられている。
尚、上記ON/OFFソレノイドバルブS1は、ノーマルオープンタイプで成り、OFF状態で信号圧(S1)を出力し、且つON状態で信号圧(S1)を遮断するように構成されている。また、上記ON/OFFソレノイドバルブS2は、ノーマルクローズタイプから成るが、上記ON/OFFソレノイドバルブS1と同様に、OFF状態で信号圧(S2)を出力し、かつON状態で信号圧(S2)を遮断するように構成されている。
3−4シフトバルブ23は、上下方向に移動し得るスプール23aと、このスプール23aを上方に向けて付勢するスプリング23bと、不図示のON/OFFソレノイドバルブS2(図2参照)のOFF時に出力される信号圧(S2)が供給されるポートwと、Dレンジ圧が供給される入力ポートxと、左半位置にあっては入力ポートxに供給されたDレンジ圧を油路24に出力する出力ポートmと、シーケンスバルブ22から油路66を介して係合圧Bが入力される入力ポート23cと、左半位置にあってはこの入力ポート23cへの係合圧Bを油路49を介して1−2シフトバルブ25の入力ポート25cに供給する出力ポート23dとを有している。
シーケンスバルブ22は、上下方向に移動し得るスプール22aと、このスプール22aを上方に向けて付勢するスプリング22bと、ON/OFFソレノイドバルブSRのON時に油路37を介して信号圧Aが供給されるポートyと、2−3シフトバルブ19の出力ポートuから係合圧Bが供給される入力ポートvと、左半位置にあっては係合圧BをブレーキB−2用の油圧サーボ39に油路57を介して出力する出力ポートzと、右半位置にあっては係合圧Bを3−4シフトバルブ23に油路66を介して出力する出力ポート22cとを有している。出力ポートzからの係合圧Bはオリフィス59,60を経由して上記油圧サーボ39に供給され、この油圧サーボ39からの排出時には、オリフィス59と共に、このオリフィス59と並列して設けられたチェックバルブ61を介してドレーンされる。
B−1アキュムレータ20は、上記油路52におけるチェックバルブ63とオリフィス65との間の部分に接続されて、ブレーキB−1係合時の所謂くいつきショックを軽減し、油圧振動を抑制する。
−オイル交換動作−
以上のように構成された油圧回路1を備えた自動変速機構10を長期間に亘って使用した場合、劣化したオイルの交換が必要になる場合がある。ところが、上述した如く上記ON/OFFソレノイドバルブSRはノーマルクローズタイプのものであるため、このON/OFFソレノイドバルブSRがOFF状態であると、油路37に連通するポートfが遮断されることになる。また、この油路37は、クラッチアプライコントロールバルブ17のポートa及びシーケンスバルブ22のポートyにそれぞれ接続されている。クラッチアプライコントロールバルブ17にあってはスプリング17bの付勢力によりスプール17aが図中上側位置に移動している。同様に、シーケンスバルブ22にあってはスプリング22bの付勢力によりスプール22aが図中上側位置に移動している。このため、上記ON/OFFソレノイドバルブSRのポートf、油路37、クラッチアプライコントロールバルブ17におけるスプール17aの上側空間、シーケンスバルブ22におけるスプール22aの上側の空間に亘る空間は、外部に連通しない密閉された空間となっている。このため、自動変速機底部のオイルパンに取り付けられているドレンプラグを取り外してドレン孔を開放したとしても、この密閉空間に残留しているオイルは排出できないことになる。
以上のように構成された油圧回路1を備えた自動変速機構10を長期間に亘って使用した場合、劣化したオイルの交換が必要になる場合がある。ところが、上述した如く上記ON/OFFソレノイドバルブSRはノーマルクローズタイプのものであるため、このON/OFFソレノイドバルブSRがOFF状態であると、油路37に連通するポートfが遮断されることになる。また、この油路37は、クラッチアプライコントロールバルブ17のポートa及びシーケンスバルブ22のポートyにそれぞれ接続されている。クラッチアプライコントロールバルブ17にあってはスプリング17bの付勢力によりスプール17aが図中上側位置に移動している。同様に、シーケンスバルブ22にあってはスプリング22bの付勢力によりスプール22aが図中上側位置に移動している。このため、上記ON/OFFソレノイドバルブSRのポートf、油路37、クラッチアプライコントロールバルブ17におけるスプール17aの上側空間、シーケンスバルブ22におけるスプール22aの上側の空間に亘る空間は、外部に連通しない密閉された空間となっている。このため、自動変速機底部のオイルパンに取り付けられているドレンプラグを取り外してドレン孔を開放したとしても、この密閉空間に残留しているオイルは排出できないことになる。
本実施形態は、このように油圧回路1に存在する密閉空間に残留しているオイルを排出可能にしたオイル排出動作に特徴がある。このオイル排出動作を実行するための構成として、車載ECUは「作動油排出モード」への切り換え動作が可能な構成とされている。この「作動油排出モード」は上記ノーマルクローズタイプで成るON/OFFソレノイドバルブSRに給電することにより強制的に開放させるモードである。より具体的には、車両に備えられているヒューズボックス内の特定のヒューズ同士を短絡させる作業を行うことで、その電気抵抗の変化を上記ECUが検知し、上記「作動油排出モード」への切り換え動作を行うようになっている。
以下、オイル排出動作について説明する。先ず、本実施形態において特徴とするオイル排出動作に先立って、自動変速機のオイルパンに取り付けられているドレンプラグを取り外してドレン孔を開放し、このオイルパン内に貯留されているオイル(油圧回路1から既に回収されているオイル)をドレン孔から排出させておく。
このドレン孔からの排出動作が完了した後、ドレンプラグによりドレン孔を閉塞する。そして、予め用意しておいた負圧吸引機の吸引ホースを自動変速機ケーシングに設けられているフィラーチューブに差し込み、このフィラーチューブを介して自動変速機ケーシング内部に負圧を作用させることができるようにする。この負圧吸引機としては、例えば特開2002−80098号公報に開示されているようなオイル吸引装置等が使用可能である。
その後、負圧吸引機を作動させ、上記吸引ホース先端からのエア吸引により、変速機ケーシング内部全体に負圧を作用させる。これにより、バルブボディ70内に形成されている油圧回路1内にも負圧が作用することになる。
この状態から上述した如く車両のヒューズボックス内の特定のヒューズ同士を短絡させる。これにより車載ECUは「作動油排出モード」への切り換え動作を行い(排出要求判定手段による排出要求の判定動作)、上記ノーマルクローズタイプで成るON/OFFソレノイドバルブSRに給電を行って、このON/OFFソレノイドバルブSRを強制的に開放させる(バルブ強制作動手段による強制的なバルブ開放動作)。
この開放動作により、上記密閉空間であったON/OFFソレノイドバルブSRのポートf、油路37、クラッチアプライコントロールバルブ17におけるスプール17aの上側空間、シーケンスバルブ22におけるスプール22aの上側の空間に亘る空間は、外部(変速機ケーシングの内部空間)に連通することになる。つまり、上記密閉状態となっていた空間(油路)に上記負圧を作用させることができる。このため、この空間に残存していた作動油は強制的に油圧回路1から変速機ケーシングの内部空間に排出され、上記負圧吸引機の吸引ホースにより抜き取られることになる。
このようなオイルの抜き取り動作を所定時間(例えば3分間)行った後、上記吸引ホースをフィラーチューブから抜き取り、自動変速機ケーシングのリフィル孔から新たなオイルを所定量だけ自動変速機内部に供給する。これにより、オイル交換動作が完了する。
このように、本実施形態におけるオイル交換時のオイル排出動作によれば、油圧回路1内のオイルの全量を容易に排出することが可能である。このため、オイル交換動作の完了後には、自動変速機内には古いオイルは残っておらず、オイルの全量を新たなオイルとすることができる。また、洗浄用液体等の特別な液体を使用することがないので、オイルの排出動作の後、直ぐに新たなオイルを供給することができる。つまり、洗浄用液体の全量を排出させるなどといった動作が必要なく、迅速なオイル交換作業が可能である。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、オイル排出動作が上記第1実施形態のものと異なっている。自動変速機の構成及びその変速動作は第1実施形態と同様であるのでここではオイル排出動作及びそれを実行するための構成についてのみ説明する。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、オイル排出動作が上記第1実施形態のものと異なっている。自動変速機の構成及びその変速動作は第1実施形態と同様であるのでここではオイル排出動作及びそれを実行するための構成についてのみ説明する。
本実施形態のオイル排出動作を実行するための構成として、車載ECUは「作動油排出モード」への切り換え動作が可能な構成とされている。本実施形態における「作動油排出モード」は、上記ノーマルクローズタイプで成るON/OFFソレノイドバルブSRだけでなく、他のON/OFFソレノイドバルブS1,S2の開放動作と閉鎖動作とを繰り返し行わせる。また、各リニアソレノイドバルブSL1,SL2に対しても供給電流値を切り換えることで開放動作と閉鎖動作とを繰り返し行わせるモードである。本実施形態にあっても、車両に備えられているヒューズボックス内の特定のヒューズ同士を短絡させる作業を行うことで、その電気抵抗の変化を上記ECUが検知し、上記「作動油排出モード」への切り換え動作を行うようになっている。
以下、オイル排出動作について説明する。先ず、第1実施形態の場合と同様に、オイルパンに取り付けられているドレンプラグを取り外してドレン孔を開放し、このオイルパン内に貯留されているオイル(油圧回路1から既に回収されているオイル)をドレン孔から排出させておく。
このドレン孔からの排出動作が完了した後、ドレンプラグによりドレン孔を閉塞する。そして、予め用意しておいた負圧吸引機の吸引ホースをフィラーチューブに差し込み、このフィラーチューブを介して自動変速機ケーシング内部に負圧を作用させることができるようにする。その後、負圧吸引機を作動させ、変速機ケーシング内部全体に負圧を作用させる。これにより、バルブボディ70内に形成されている油圧回路1内にも負圧が作用することになる。
この状態から上述した如く車両のヒューズボックス内の特定のヒューズ同士を短絡させる。これによりECUは「作動油排出モード」への切り換え動作を行う(排出要求判定手段による排出要求の判定動作)。
本実施形態における「作動油排出モード」にあっては、上記ノーマルクローズタイプで成るON/OFFソレノイドバルブSRだけでなく、他のON/OFFソレノイドバルブS1,S2の開放動作と閉鎖動作とを繰り返し行わせる。また、各リニアソレノイドバルブSL1,SL2に対しても供給電流値を切り換えることで開放動作と閉鎖動作とを繰り返し行わせる(バルブ強制作動手段による強制的なバルブ開放動作)。
このような各バルブの動作を行うことで、上記第1実施形態の場合と同様に、ノーマルクローズタイプのON/OFFソレノイドバルブSRが存在していたために密閉状態となっていた空間(油路)に上記負圧を作用させることができ、この空間に残存していた作動油を強制的に油圧回路1から排出することができる。
そればかりでなく、他のバルブにも強制的な開放動作及び閉鎖動作を繰り返し行わせることで、油圧回路1内に設けられているコントロールバルブをも作動させることができる。つまり、上記各バルブに強制的な開放動作及び閉鎖動作を繰り返し行わせることで、コントロールバルブに作用する負圧が変動することになり、それに伴ってスプールを移動させることが可能になる。これにより、コントロールバルブ内のオイルや、コントロールバルブ同士を接続している油路に対しても上記負圧を効果的に作用させることができ、このコントロールバルブ内やコントロールバルブ同士間の油路にオイルが残存してしまうといった状況も解消できる。
このようにして、油圧回路1内に残存していた作動油は強制的に変速機ケーシングの内部空間に排出され、上記負圧吸引機の吸引ホースにより抜き取られることになる。
このように、本実施形態のオイル排出動作によっても、油圧回路1内のオイルの全量を容易に排出することが可能である。また、洗浄用液体等の特別な液体を使用することがないので、オイルの排出動作の後、直ぐに新たなオイルを供給することができる。つまり、洗浄用液体の全量を排出させるなどといった動作が必要なく、迅速なオイル交換作業が可能である。
−その他の実施形態−
以上説明した各実施形態は、前進5速段、後進1速段の自動変速機に本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、これとは段数の異なる自動変速機(例えば前進6速段、後進1速段のもの)に対しても適用可能である。また、有段式の自動変速機に限らず、ベルト式CVT(Continuously Variable Transmission)等の無段変速機に対しても本発明は適用可能である。
以上説明した各実施形態は、前進5速段、後進1速段の自動変速機に本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、これとは段数の異なる自動変速機(例えば前進6速段、後進1速段のもの)に対しても適用可能である。また、有段式の自動変速機に限らず、ベルト式CVT(Continuously Variable Transmission)等の無段変速機に対しても本発明は適用可能である。
また、上記各実施形態では、オイル交換時におけるオイル排出動作を例に挙げて説明したが、自動変速機の廃棄処分等を行う場合に油圧回路1内からオイルを排出させる場合にも適用可能である。
1 油圧回路
10 自動変速機構
C1〜C3 クラッチ(摩擦係合要素)
B1〜B4 ブレーキ(摩擦係合要素)
S1,S2,SR ON/OFFソレノイドバルブ
SL1,SL2 リニアソレノイドバルブ
10 自動変速機構
C1〜C3 クラッチ(摩擦係合要素)
B1〜B4 ブレーキ(摩擦係合要素)
S1,S2,SR ON/OFFソレノイドバルブ
SL1,SL2 リニアソレノイドバルブ
Claims (7)
- 油圧回路に備えられた複数のソレノイドバルブの切り換え動作により複数の摩擦係合要素それぞれに対する作動油圧を調整して各摩擦係合要素の係合動作及び解放作動を行い、これにより変速動作を行う自動変速機に対し、上記油圧回路内から作動油を排出するためのオイル排出方法において、
上記油圧回路の開放側に負圧を作用させると共に、上記ソレノイドバルブに強制的な開放動作を行わせて、上記油圧回路内の作動油を上記負圧により吸引排出することを特徴とする自動変速機のオイル排出方法。 - 油圧回路に備えられた複数のソレノイドバルブの切り換え動作により複数の摩擦係合要素それぞれに対する作動油圧を調整して各摩擦係合要素の係合動作及び解放作動を行い、これにより変速動作を行う自動変速機に対し、上記油圧回路内から作動油を排出するためのオイル排出装置において、
上記油圧回路の開放側にこの油圧回路内の作動油を吸引排出するための負圧が作用している状態において上記ソレノイドバルブに強制的な開放動作を行わせるバルブ強制作動手段を備えていることを特徴とする自動変速機のオイル排出装置。 - 請求項2記載の自動変速機のオイル排出装置において、
バルブ強制作動手段は、複数のソレノイドバルブのうちノーマルクローズタイプのソレノイドバルブに対して強制的な開放動作を行わせるよう構成されていることを特徴とする自動変速機のオイル排出装置。 - 油圧回路に備えられた複数のソレノイドバルブの切り換え動作により複数の摩擦係合要素それぞれに対する作動油圧を調整して各摩擦係合要素の係合動作及び解放作動を行い、これにより変速動作を行う自動変速機に対し、上記油圧回路内から作動油を排出するためのオイル排出方法において、
上記油圧回路の開放側に負圧を作用させると共に、上記ソレノイドバルブに強制的な開放動作及び閉鎖動作を繰り返し行わせて、上記油圧回路内の作動油を上記負圧により吸引排出することを特徴とする自動変速機のオイル排出方法。 - 油圧回路に備えられた複数のソレノイドバルブの切り換え動作により複数の摩擦係合要素それぞれに対する作動油圧を調整して各摩擦係合要素の係合動作及び解放作動を行い、これにより変速動作を行う自動変速機に対し、上記油圧回路内から作動油を排出するためのオイル排出装置において、
上記油圧回路の開放側にこの油圧回路内の作動油を吸引排出するための負圧が作用している状態において上記ソレノイドバルブに強制的な開放動作及び閉鎖動作を繰り返し行わせるバルブ強制作動手段を備えていることを特徴とする自動変速機のオイル排出装置。 - 請求項5記載の自動変速機のオイル排出装置において、
バルブ強制作動手段は、複数のソレノイドバルブの全てに対して強制的な開放動作及び閉鎖動作を繰り返し行わせるよう構成されていることを特徴とする自動変速機のオイル排出装置。 - 請求項2、3、5または6記載の自動変速機のオイル排出装置において、
油圧回路内から作動油を排出する要求が生じたことを判定する排出要求判定手段を備え、
上記バルブ強制作動手段は、作動油を排出する要求が生じたことを上記排出要求判定手段が判定した際にソレノイドバルブに強制的な動作を行わせる構成とされていることを特徴とする自動変速機のオイル排出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006344300A JP2008157301A (ja) | 2006-12-21 | 2006-12-21 | 自動変速機のオイル排出方法及びオイル排出装置 |
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JP2006344300A JP2008157301A (ja) | 2006-12-21 | 2006-12-21 | 自動変速機のオイル排出方法及びオイル排出装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010031977A (ja) * | 2008-07-29 | 2010-02-12 | Aisin Aw Co Ltd | バルブボディ |
CN101944153A (zh) * | 2010-10-19 | 2011-01-12 | 上海海事大学 | 一种基于组件的集装箱码头三维仿真方法 |
CN109139740A (zh) * | 2017-06-13 | 2019-01-04 | 朱圣明 | 用于新能源汽车的新型2at、3at液压阀板总成 |
-
2006
- 2006-12-21 JP JP2006344300A patent/JP2008157301A/ja active Pending
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