JP2008156884A - 木造住宅用換気システム - Google Patents

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Abstract

【課題】特に冬期の換気時において、低温の外部空気を直接に居室内へ供給しないで済む木造住宅用換気システムを提供する。
【解決手段】下階居室11及び上階居室13の間の上階防音床15内に空気層17を形成し、下階居室11及び上階居室13の排気口21を屋内通路19に開口させ、この屋内通路19に通気口23を開口させて下階吸排気室25を設ける。この下階吸排気室25には空気層17を外気へ開放する吸気路27と、排気室内空気を外部へ排気する排気ファン29とを設ける。上階防音床15の空気層17と、この空気層17連通する上階間仕切壁内空間31との空気を、それぞれの居室内へ供給する給気ファン39を、上階居室の天井37と、下階居室の天井35とに設けた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、防音床構造を利用した木造住宅用換気システムに関し、特に、簡素な構造で且つ安価なコストで快適な居室換気を可能とする改良技術に関する。
最近、住宅は高断熱性を得るために高気密化が図られた結果、排気だけの換気では住宅内が負圧となり、窓や戸の開閉に支障を来したり、換気量の確保が不足したりする場合がある。このため強制給気などで積極的に新鮮な外気を導入して換気を行う必要がある。また、高気密化住宅における換気は、喫煙やシックハウス症候群の原因とされている有害ガス(ホルムアルデヒド等)を室内に滞留させないように迅速に排気することも重要な目的となる。
従来より行われている一般的な換気システムの一つには、例えば各居室に給気ファンを設け、建物外壁に開口させたベントキャップ等の給気口より、新鮮外気を直接導入するものがあった。このような一般的な換気システムは、ダクトを使用しないため、簡便に且つ安価な強制給気を行うことができた。
また、特許文献1に開示される住宅用ダクトレス給排気システムは、各室の天井空間を連通させて一の閉鎖的な空間構成からなる全域天井空間を形成し、適宜な室の天井内に外気導入の起点となる給気ボックスを配置する。給気ボックスの一面に外気導入開口部を形成し、天井内の外壁に形成した外気導入口との間にダクトを介設して経路を戸外に自然開放する。給気ボックスの他の隣接する二面に第1給気口と第2給気口を形設して、第1給気口を対室側の天井に開口させ、かつ、第2給気口を外気導入開口部と対向形成して全域天井空間に臨ませるとともに、サニタリを除く台所及び他の室にそれぞれ天井給気口を形設する。これにより、給排気ファンやダクトを使用せず、住宅の天井空間を給気チャンバ又は風路として利用し、レンジフードその他の強制排気手段の作動又は導入外気の風圧に応動して、少なくとも天井面から各室へ給気可能としている。
さらに、特許文献2に開示される戸建住宅用ダクトレス換気システムは、同一階の各部屋の天井内と各部屋の下部を連通部により連通させ、適宜の部屋の天井内に循環型給気ファンを設置し、他の部屋の天井内に、この他の部屋の空気を屋外に排気する排気ファンを設置し、循環型給気ファンの吸込側には外気取入口に連なる外気取入ダクトを接続すると共に、吐出側には給気ダクトを接続して、その端部を近接した部屋の天井内に開口させ、天井には部屋への吹出口を設けると共に、循環型給気ファンの吸込側には、更に還流ダクトを接続して、その端部を近接した部屋又は廊下側に開口させると共に、適所に空気清浄装置を設けている。これにより、ダクトを設置するための下り天井を不要にし、または小サイズのダクトによる不十分な換気風量の改善が図られている。
特開2006−10269号公報 特開2003−50034号公報
しかしながら、各居室外壁に排気ファンを設ける従来の一般的な換気システムは、吸気した外部空気が直接居室内へ吹き出されるため、外気のドラフト風を感じることで人の暑い寒いの感覚から来る体感温度に悪影響を及ぼすことがあった。特に冬期の場合には、低温の外部空気が当たることにより、不快なコールドドラフトが発生し易く、居室換気が不快なものとなった。また、上記の一般的な換気システムは、建物外壁に複数のベントキャップ等の開口部が突出することとなり、建物の美観を損ねる問題があった。さらに、各居室に給気ファン或いは排気ファンを設ける場合、エアコン室内機等と取付位置が重複する等の不具合が生じ易い問題もあった。
これに対し、外気のドラフト風を緩和できる熱交換型ダクトを使用すれば、ドラフト風や、美観の問題、エアコン室内機等との取り合いの問題は解消されるが、施工コストが増大するとともに、天井懐に大きな設置スペースを確保しなければならないため、天井高の制約から設置が不可能となる新たな問題を招請した。
また、特許文献1、特許文献2に開示される住宅用ダクトレス給排気システム、戸建住宅用ダクトレス換気システムは、ダクトに代えて天井内を利用しているが、天井懐をそのシステム用に設けなくてはならないため、天井高の制約から設置が不可能となる問題があった。これに加え、前者の住宅用ダクトレス給排気システムは、自然給気のため、レンジフード等の強制排気手段の作動が無い場合、安定した給気が得られない虞もあった。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、特に冬期の換気時において、低温の外部空気を直接居室へ供給しないで済む木造住宅用換気システムを提供し、もって、低温の外部空気が当たることによる不快なコールドドラフトを防止し、快適な居室換気の実現を図ることを目的とする。
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明の請求項1記載の木造住宅用換気システムは、下階居室11及び上階居室13の間の上階防音床15内に形成された空気層17と、
前記下階居室11及び上階居室13に通じる屋内通路19、
前記下階居室11及び上階居室13に設けられ該屋内通路17に開口する排気口21と、
前記屋内通路19に通気口23を開口させる下階吸排気室25と、
該下階吸排気室25に設けられ前記空気層17を外気へ開放する吸気路27と、
前記下階吸排気室25に設けられ該排気室内空気を外部へ排気する排気ファン29と、
前記空気層17に連通する上階間仕切壁内空間31及び該上階間仕切壁内空間31に連通する上階天井内空間33と、
前記下階居室11の天井35に設けられ前記空気層17の空気を下階居室11内へ供給するとともに、前記上階居室13の天井37に設けられ前記上階天井内空間33の空気を上階居室13内へ供給する複数の給気ファン39と、
を具備したことを特徴とする。
この木造住宅用換気システムでは、特に冬期の換気時には、低温の外部空気が吸気路27から吸気され、上階防音床15内の空気層17を通過して各居室へ給気される間に、下階居室11・下階通路19の天井35、及び上階居室13・上階通路19の床15と自然に熱交換がなされる。また、上階防音床15の空気層17が空気搬送手段及び熱交換機の役割として利用され、高価な熱交換型ダクトを別途に設ける必要が無くなる。さらに、外壁にはそれぞれ一つの吸気路27開口と、排気ファン29とが開口するのみとなり、各居室外壁に排気ファンを設ける必要が無くなる。また、居室では、天井に給気ファン39が設けられるのみとなり、各居室に排気ファンが設けられる場合のように、エアコン室内機と取付位置が重複する等の不具合が無くなる。
請求項2記載の木造住宅用換気システムは、前記上階防音床が、
床梁45の上面に敷設される下地板47で構成されている下側床面41と、該下側床面41上に前記空気層17を介して、間隔をおいて複数配置される根太部材49と該根太部材49の上面に敷設される床下地板51とで構成される該下側床面41と独立した上側床面43、該床面間に配置されるスペーサー材55とによって構成されたことを特徴とする。
この木造住宅用換気システムでは、平行に配設された複数のスペーサー材55上に、複数の根太部材49が直交方向で井桁状に配設され、スペーサー材55同士の間の空間と、根太部材49同士の間の空間とが上下で連通した空気層17に形成される。
請求項3記載の木造住宅用換気システムは、前記屋内通路19に通気口23を開口させる上階排気室81と、
該上階吸排気室81に設けられ該排気室内空気を外部へ排気する排気ファン29と、
を具備したことを特徴とする。
この木造住宅用換気システムでは、排気が下階と上階とのそれぞれで行える。
請求項4記載の木造住宅用換気システムは、前記下階吸排気室25の天井懐に吸排気チャンバー83が設けられ、
該吸排気チャンバー83に連通する天井開口85が前記下階吸排気室25の天井に設けられ、
前記吸排気チャンバー83に前記排気ファン29が設けられ、
前記吸気路27が前記吸排気チャンバー83内に収容されたことを特徴とする。
この木造住宅用換気システムでは、下階吸排気室25の壁面に排気ファン29が露出しなくなる。
請求項5記載の木造住宅用換気システムは、前記吸気路27に、外部空気清浄フィルタ71が介装されたことを特徴とする。
この木造住宅用換気システムでは、外部から取り込んだ直後の空気が一箇所で清浄化され、排気ガス等の汚染空気の流入が入り口で阻止される。
請求項6記載の木造住宅用換気システムは、前記吸気路27に、吸気補助ファン91が介装されたことを特徴とする。
この木造住宅用換気システムでは、吸気補助ファン91によって、より効率的に外部の空気の取り込みが行え、屋内への空気の供給を確実に行うことが可能となる。
本発明に係る請求項1記載の木造住宅用換気システムによれば、下階居室及び上階居室の間の上階防音床内に空気層を形成し、下階居室及び上階居室の排気口を屋内通路に開口させ、この屋内通路に通気口を開口させて下階吸排気室を設け、下階吸排気室には空気層を外気へ開放する吸気路と、排気室内空気を外部へ排気する排気ファンとを設け、空気層及びこの空気層に連通する上階間仕切壁内空間の空気を、それぞれの居室内へ供給する給気ファンを居室天井に設けたので、特に冬期の換気時には、低温の外部空気を吸気路から吸気し、上階防音床内の空気層を通過させて各居室へ給気する間に、下階居室・下階通路の天井、及び上階居室・上階通路の床と自然に熱交換がなされて、外部空気を直接居室へ導入する場合に比べ、吹出温度を略居室内温度まで高めることができる。この結果、低温の外部空気が当たることによる不快なコールドドラフトを防止し、快適な居室換気を可能にできる。また、上階防音床の空気層を空気搬送手段及び熱交換機の役割として利用するので、高価な熱交換型ダクトを別途に設ける場合に比べ、施工コストを大幅に低減できるとともに、熱交換型ダクトを設ける場合の天井懐の確保も不要となり、設計自由度を高めることができる。さらに、外壁にはそれぞれ一つの吸気路開口と、排気ファンとが開口するのみであるので、各居室外壁に排気ファンを設ける場合に比べ、美観を損ねることがない。また、居室では、天井に給気ファンを設けるのみであるので、各居室の壁面に給気ファンを設ける場合のように、エアコン室内機と取付位置が重複する等の不具合を生じ難くできる。
請求項2記載の木造住宅用換気システムによれば、上階防音床が、床梁の上面に敷設される下地板で構成されている下側床面と、この下側床面上に空気層を介して、間隔をおいて複数配置される根太部材とこの根太部材の上面に敷設される床下地板とで構成される上側床面、床面間に配置されるスペーサー材とによって構成されたので、平行に配設された複数のスペーサー材上に、直交方向で井桁状に配設された複数の根太部材とによって、スペーサー材同士の間の空間と、根太部材同士の間の空間とを上下で連通させて空気層を形成できる。この結果、広い熱交換面積を有し、且つ上下階の全領域に面する薄厚の空気搬送路を容易に構築することができる。
請求項3記載の木造住宅用換気システムによれば、下階吸排気室に加え、上階排気室を備えたので、排気が下階と上階とでそれぞれで行え、上下階での排気を均一にすることができる。
請求項4記載の木造住宅用換気システムによれば、下階吸排気室の天井懐に吸排気チャンバーを設け、この吸排気チャンバーに排気ファンと吸気路とを共に収容したので、下階吸排気室の壁面に排気ファンが露出しなくなり、室内の美観を向上させることができる。
請求項5記載の木造住宅用換気システムによれば、吸気路に、外部空気清浄フィルタを介装したので、外部から取り込んだ直後の空気を一箇所で清浄化することができ、排気ガス等の汚染空気の流入を入り口で阻止することができ、清浄な空気を屋内全体に流入させることができる。この結果、各居室への供給空気は元より、空気層へも清浄な空気を供給することができ、汚染空気による空気層の汚れの堆積も防止することができる。
請求項6記載の木造住宅用換気システムによれば、吸気補助ファンを介装したので、より効率的に外部の空気の取り込みが行え、屋内への空気の供給を確実に行うことが可能となり、逆流するなどの不具合なども発生することがない。
以下、本発明に係る木造住宅用換気システムの好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る木造住宅用換気システムを備えた木造住宅の断面図、図2は図1に示した上階防音床の要部断面図、図3は図2に示した空気層の斜視図、図4は上階防音床の変形例1を(a)、変形例2を(b)に表した要部断面図である。
木造住宅用換気システム100は、下階居室11及び上階居室13の間の上階防音床15内に形成された図2に示す空気層17と、下階居室11及び上階居室13に通じる屋内通路19と、下階居室11及び上階居室13に設けられ屋内通路19に開口する複数の排気口21と、屋内通路19に通気口23を開口させる下階吸排気室25と、下階吸排気室25に設けられ空気層17を外気へ開放する吸気路27と、下階吸排気室25に設けられ排気室内空気を外部へ排気する排気ファン29と、空気層17に連通する上階間仕切壁内空間31及び上階間仕切壁内空間31に連通する上階天井内空間33と、下階居室11の天井35に設けられ空気層17の空気を下階居室11内へ供給するとともに上階居室13の天井37に設けられ上階天井内空間33の空気を上階居室13内へ供給する複数の給気ファン39とを備える。
ここで、上階防音床15について説明する。
上階防音床15は、例えば2階以上の複数階を有する木造住宅において、一例として床梁45の上面に敷設される下側床面41と該下側床面41上に該下側床面41と独立した上側床面43を設置することで、該床構造に遮音性能を付与して、上階居室13で生じる重量床衝撃音や軽量床衝撃音が下階居室11に伝達されることによる弊害を効果的に回避すべく設けられる。
下側床面41は、床梁45と床梁45の上面に敷設される下地板47で構成されている。上側床面43は、根太部材49と根太部材49の上面に敷設される床下地板51とによって構成されており、床下地板51の上面には床化粧材53が敷設されている。下側床面41と上側床面43の間にはスペーサー材55が設けられる。平行に配置された複数の床梁45上には下地板47が配置され、下地板47にはそれぞれの床梁45上となるように平行な複数のスペーサー材55が配置されている。このスペーサー材55上には直交方向で井桁状に平行な複数の根太部材49が配置されている。また、下地板47上には、スペーサー材55の略半分の高さの吸音材57が敷設されている。したがって、図3に示すように、根太部材49同士の上層空間とスペーサー材55同士の下層空間とは、上階防音床15の面方向の任意領域へ通じる空気層17を形成している。
床梁45は、例えば幅105〜120mm程度、高さ210〜330mm程度の矩形断面を有する角材からなる木質梁部材であって、例えば壁59の内部に設けられる柱等で両端を支持され架設された主梁にその両端が支持されることにより、上階居室13の上側床面43の下方に位置して複数平行に架設される。なお、隣接する床梁45の間、或いは床梁45と主梁との間に架設されて、これらと直行する方向に根太61を適宜設けることができる。
下側床面41に敷設される下地板47は、例えば厚さ12〜35mm程度の合板からなり、上階居室13の上側床面43が設けられる領域の下方全域に亘って取り付けられる。下側床面41の上面に敷設される吸音材57は、例えばグラスウール、ロックウール等を用いることができ、好ましくは下側床面41の上面の略全域を覆って設けられ、上階防音床15の中に吸音材57が組み込まれていることによって、床衝撃音を効果的に低減することが可能になる。
上側床面43は、間隔をおいて複数配置される根太部材49と根太部材49の上に敷設される床下地板51で構成される。根太部材49は、4角形断面を有する棒状部材からなり、床下地板51の下面に互いに平行に配置される。根太部材49の上面に敷設される床下地板51は、例えば厚さ15〜30mm程度の合板やパーティクルボードからなり、上階居室13の上側床面43が設けられる領域の下方全域に亘って取り付けられる。
床下地板51の上面には、床化粧材53が敷設されており、木質床材、畳、カーペット等の床用の化粧材として用いられる種々のものを用いることができる。下側床面41と上側床面43の間には、スペーサー材55が介在し、スペーサー材55としては、例えば木材、ゴム等からなるものを使用することで、上側床面43から下側床面41及び建物躯体への振動の伝播経路を遮断することが可能になる。
図2に示すように、例えば下階居室11の天井35に設けられた給気ファン39は、天井材63,吸音材57を貫通して空気層17に開口し、この空気層17からの空気を下階居室11へと吸引供給する。上階居室13の天井37に設けられた給気ファン39も同様にして上階天井内空間33の空気を上階居室13内へ吸引供給する。
なお、図示しないが、上階天井内空間33の空気を、ダクトを介して上階居室13内へ吸引供給することとしても良い。
なお、上階防音床15は、図4(a)に示すように、下地板47を下階居室11の天井35とした上階防音床15Aとして構成してもよく、また、図4(b)に示すように、天井35から床梁45の下部を露出させた上階防音床15Bとして構成してもよい。
上記の上階防音床15では、平行に配設された複数のスペーサー材55上に、直交方向で井桁状に配設された複数の根太部材49とによって、スペーサー材55同士の間の空間と、根太部材49同士の間の空間とを上下で連通させて空気層17を形成できる。この結果、広い熱交換面積を有し、且つ上下階の全領域に面する薄厚の空気搬送路を容易に構築することができる。
屋内通路19は、各階に設けられた廊下、及び下階と上階とに亘って設けられた階段とすることができる。下階居室11及び上階居室13に設けられ、屋内通路19に開口する排気口21は、扉と床との間隙開口、或いは扉等に設けられたガラリとすることができる。
図5は下階吸排気室の要部断面図を(a)に、その変形例を(b)に示した図、図6は給気ファンの設けられた下階居室の天井及び上階居室の天井の断面図を(a)に、その変形例を(b)に示した図、図7は上階排気室の断面図である。
図5(a)に示すように、下階吸排気室25は、例えば湿気の排気が必要となる洗面所等のサニタリや、浴室等が好適となる。吸気路27は、下階吸排気室25の天井懐67内に収容され、一端を建物外壁にベントキャップ69等によって開口し、他端を空気層17へ開口させたフレキシブルダクト等を好適に用いることができる。
この吸気路27には、外部空気清浄フィルタ71を介装することが好ましい。このように、吸気路27に外部空気清浄フィルタ71を介装することで、外部から取り込んだ直後の空気を一箇所で清浄化することができ、排気ガス等の汚染空気の流入を入り口で阻止することができ、清浄な空気を屋内全体に流入させることができる。この結果、各居室への供給空気は元より、空気層17へも清浄な空気を供給することができ、汚染空気による空気層17の汚れの堆積も防止することができる。
また、この吸気路27には、吸気補助ファン91を介装することが好ましい。この吸気補助ファン91としては、外部空気清浄フィルタ71の後段に位置するような配置構成、或いは、外部空気清浄フィルタ71の前段に位置するような配置構成とし、すなわち外部空気清浄フィルタ71にて清浄化された空気を吸い込み、吸気路27の後段側へ、そして空気層17へと送るようにする。このような吸気補助ファン91を介装することで、給気ファン39による各居室内への空気の供給を、より確実なものとすることができる。また、この吸気補助ファン91の直下の天井面には、図1,図5(a)に示すように、天井点検口93を備える構成とすることで、吸気補助ファン91に対するメンテナンス性を向上させることが可能となる。
さらに、吸気路27から空気層17への接続部分に、図5(b)にエルボ管95を設け、取り込まれる空気の流れる方向を好ましい方向に促すよう構成することとしても良い。このようなエルボ管95を設けることで、流入する外気が吸気路27の出口部分にて、その真上に当たる直上床面に対し、温度低下を発生させることを防止したり、また結露発生を防止することが可能となる。
図6(a)に示すように、上階防音床15の空気層17は、上階間仕切壁73の内部空間(上階間仕切壁内空間)31に連通している。上階間仕切壁73は、例えばクローゼット75の背面壁とすることができる。すなわち、上階間仕切壁内空間31は、上階防音床15の空気層17とで、1つの空間となるように連通形成され、空気の通路としての空間が形成される。なお、この上階間仕切壁内空間31の上部を塞ぐような構造とし、気密空間状に形成した後、ダクト用開口等を設け、この上階間仕切壁内空間31と上階天井内空間33とを図6(b)に示すようなフレキシブルダクト97等で連通接続し、連続した空間となるように構成してもよく、空間の形状に応じて、このようなダクト97等を用い、空気の流れの生じる連続空間を構成することとしても良い。図6(b)に示した例では、上階間仕切壁内空間31を真直に立ち上げ、クローゼット75の空間を上階居室13の天井面と同等に仕上げることで、クローゼット75内においても十分な空間を形成させることが可能な構造を採用できる。
また、下階吸排気室25に加え、屋内通路19に通気口23を開口させるとともに排気ファン29を備えた上階排気室79を、上階にも設けることが好ましい。このように上階にも上階排気室79を備えることで、排気が下階と上階とのそれぞれで行え、上下階での排気を均一にすることができる。この上階排気室79としては、例えばトイレ81とすることができる。
このように構成された木造住宅用換気システム100では、特に冬期の換気時には、低温の外部空気が吸気路27から吸気され、上階防音床15内の空気層17を通過して各居室へ給気される間に、下階居室11・下階屋内通路19の天井35、及び上階居室13・上階屋内通路19の上階防音床15と自然に熱交換されることとなる。そして、自然な熱交換により、略居室内温度と同等となった外部新鮮空気が、給気ファン39によって各居室へと給気される。したがって、空気層17は、各居室や屋内通路19に対して負圧又は同等の圧力となる。これにより、熱交換前の低温外気が、居室や通路へ漏出することが防止される。
各居室へ供給された空気は、排気口21を通過して屋内通路19へ流入し、屋内通路19で統合されて下階吸排気室25の通気口23から吸引され、排気ファン29によって外部へと排気される。
したがって、本実施の形態による木造住宅用換気システムによれば、下階居室11及び上階居室13の間の上階防音床15内に空気層17を形成し、下階居室11及び上階居室13の排気口21を屋内通路19に開口させ、この屋内通路19に通気口23を開口させて下階吸排気室25を設け、下階吸排気室25には空気層17を外気へ開放する吸気路27と、排気室内空気を外部へ排気する排気ファン29とを設け、空気層17及びこの空気層17に連通する上階間仕切壁内空間31の空気を、それぞれの居室内へ供給する給気ファン39を居室天井35、天井37に設けたので、特に冬期の換気時には、低温の外部空気を吸気路27から吸気し、上階防音床15内の空気層17を通過させて各居室へ給気する間に、下階居室11・下階屋内通路19の天井35、及び上階居室13・上階屋内通路19の上階防音床15と自然に熱交換がなされて、外部空気を直接居室へ導入する場合に比べ、吹出温度を略居室内温度まで高めることができる。この結果、低温の外部空気が当たることによる不快なコールドドラフトを防止し、快適な居室換気を可能にできる。
また、上階防音床15の空気層17を空気搬送手段及び熱交換機の役割として利用するので、高価な熱交換型ダクトを別途に設ける場合に比べ、施工コストを大幅に低減できるとともに、熱交換型ダクトを設ける場合の天井懐の確保も不要となり、設計自由度を高めることができる。
さらに、外壁にはそれぞれ一つの吸気路27開口と、排気ファン29とが開口するのみであるので、各居室外壁に排気ファンを設ける場合に比べ、美観を損ねることがない。また、居室では、天井35、天井37に給気ファン39を設けるのみであるので、各居室の壁面に給気ファンを設ける場合のように、エアコン室内機と取付位置が重複する等の不具合を生じ難くできる。
上記実施の形態と同様の構成の木造住宅用換気システム(本発明)を実際に製作し、パイプファンにより外気を直接導入する従来の一般的な換気システム(比較例)との吹き出し温度の差異を検証した。
[比較例]
居室 6畳大の環境試験室
室外開始温度 約0℃
室内開始温度 約20℃(成り行き)
測定時間 上記各温度から6時間経過後
給気ファン パイプファン
風量 15.2m3/h
測定室内温度 14℃
吹出温度 1.8℃
[本発明]
居室 6畳大の環境試験室
室外開始温度 約0℃
室内開始温度 約20℃(成り行き)
測定時間 上記各温度から6時間経過後
給気ファン 空気層連通給気ファン
風量 14.5m3/h
測定室内温度 14℃
吹出温度 13.1℃
本発明に係る構成によれば、室温に近い温度での吹出が可能となることが知見できた。
図8は下階吸排気室の変形例1を表した要部断面図を(a)に、変形例2を(b)に示した図である。
なお、上記の実施の形態では、下階吸排気室25の天井懐67に吸気路27を収容し、下階吸排気室の壁面に、排気ファン29を設置した構成を説明したが、本発明に係る木造住宅用換気システムは、図8(a)に示すように、下階吸排気室25の天井懐に吸排気チャンバー83を設け、この吸排気チャンバー83に連通する天井開口85を下階吸排気室25の天井に設け、吸排気チャンバー83に排気ファン29を設けるとともに、吸気路27を吸排気チャンバー83内に収容する構成としてもよい。このような下階吸排気室25の構成によれば、下階吸排気室25の壁面に排気ファン29が露出しなくなり、室内の美観を向上させることができる。
また、図8(b)に示すように、前述した実施形態と同様に、吸気補助ファン91、天井点検口93、エルボ管95を具備する構成としてもよい。
本発明に係る木造住宅用換気システムを備えた木造住宅の断面図である。 図1に示した上階防音床の要部断面図である。 図2に示した空気層の斜視図である。 上階防音床の変形例1を(a)、変形例2を(b)に表した要部断面図である。 下階吸排気室の要部断面図を(a)に、その変形例を(b)に示した図である。 給気ファンの設けられた下階居室の天井及び上階居室の天井の断面図を(a)に、その変形例を(b)に示した図である。 上階排気室の断面図である。 下階吸排気室の変形例1を表した要部断面図を(a)に、変形例2を(b)に示した図である。
符号の説明
11…下階居室
13…上階居室
15…上階防音床
17…空気層
19…屋内通路
21…排気口
23…通気口
25…下階吸排気室
27…吸気路
29…排気ファン
31…上階間仕切壁内空間
33…上階天井内空間
35…下階居室の天井
37…上階居室の天井
39…給気ファン
41…下側床面
43…上側床面
45…床梁
47…下地板
49…根太部材
51…床下地板
55…スペーサー材
71…外部空気清浄フィルタ
81…上階排気室
83…吸排気チャンバー
85…天井開口
91…吸気補助ファン
100…木造住宅用換気システム

Claims (6)

  1. 下階居室及び上階居室の間の上階防音床内に形成された空気層と、
    前記下階居室及び上階居室に通じる屋内通路と、
    前記下階居室及び上階居室に設けられ該屋内通路に開口する排気口と、
    前記屋内通路に通気口を開口させる下階吸排気室と、
    該下階吸排気室に設けられ前記空気層を外気へ開放する吸気路と、
    前記下階吸排気室に設けられ該排気室内空気を外部へ排気する排気ファンと、
    前記空気層に連通する上階間仕切壁内空間及び該上階間仕切壁内空間に連通する上階天井内空間と、
    前記下階居室の天井に設けられ前記空気層の空気を下階居室内へ供給するとともに、前記上階居室の天井に設けられ前記上階天井内空間の空気を上階居室内へ供給する複数の給気ファンと、
    を具備したことを特徴とする木造住宅用換気システム。
  2. 前記上階防音床が、
    床梁の上面に敷設される下地板で構成されている下側床面と、該下側床面上に前記空気層を介して、間隔をおいて複数配置される根太部材と該根太部材の上面に敷設される床下地板とで構成される該下側床面と独立した上側床面、該床面間に配置されるスペーサー材とによって構成されたことを特徴とする請求項1記載の木造住宅用換気システム。
  3. 前記屋内通路に通気口を開口させる上階排気室と、
    該上階吸排気室に設けられ該排気室内空気を外部へ排気する排気ファンと、
    を具備したことを特徴とする請求項1又は2記載の木造住宅用換気システム。
  4. 前記下階吸排気室の天井懐に吸排気チャンバーが設けられ、
    該吸排気チャンバーに連通する天井開口が前記下階吸排気室の天井に設けられ、
    前記吸排気チャンバーに前記排気ファンが設けられ、
    前記吸気路が前記吸排気チャンバー内に収容されたことを特徴とする請求項1,2,3のいずれか1つに記載の木造住宅用換気システム。
  5. 前記吸気路に、外部空気清浄フィルタが介装されたことを特徴とする請求項1,2,3,4のいずれか1つに記載の木造住宅用換気システム。
  6. 前記吸気路に、吸気補助ファンが介装されたことを特徴とする請求項1,2,3,4,5のいずれか1つに記載の木造住宅用換気システム。
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