JP2008156154A - 水素発生装置の運転方法及び水素発生装置 - Google Patents

水素発生装置の運転方法及び水素発生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】水素発生装置の起動時等にパージガスとして窒素ガス等の不活性ガスを使用することなく、改質反応部や変成反応部における触媒の活性を維持することができ、操作性及び利便性に優れる水素発生装置の運転方法を提供する。
【解決手段】水素発生装置の立上げ過程で、変成反応部2の温度が変成反応部2に原燃料ガスと水蒸気とを含む混合ガスを流通させた場合の変成反応部2における露点である第一露点T1以下であれば、改質反応部1の温度をこの改質反応部1に原燃料を流通させた場合に改質触媒の表面における炭素の析出が開始される温度である炭素析出温度T3未満に維持すると共に改質反応部1に水蒸気を供給することなく原燃料ガスを供給する。改質反応部1の温度が炭素析出温度T3以上となった後、改質反応部1と変成反応部2の温度をそれぞれ所定の反応温度T4,T5まで昇温する間は、前記改質反応部1に原燃料ガスと水蒸気との混合ガスを供給する。
【選択図】図1

Description

本発明は、天然ガス、液化石油ガス、ガソリン、ナフサ、灯油、メタノール等の炭化水素系物質と水とを原料として燃料電池等の水素利用機器に利用される水素を製造する水素発生装置の運転方法及び水素発生装置に関するものである。
化石燃料に代替するエネルギー源の有力候補の一つとして水素が注目されているが、その有効利用のためには水素パイプライン等の社会インフラの整備が必要とされている。その一つの方法として、天然ガス、その他化石燃料、アルコール等現状既に構築されている運送、搬送等のインフラを利用し、水素を必要とする場所でそれら燃料を改質して水素を発生させる方法が検討されている。例えば中小規模でのオンサイト発電装置としての燃料電池のための天然ガス(都市ガス)改質技術、自動車の動力源用の燃料電池のためのメタノール改質技術等が、様々な形で提案されている。それらの原料を改質して水素を発生させるためには高温での触媒反応が用いられ、代表的な方法として部分酸化法、水蒸気改質法、両者を併用したオートサーマル法と呼ばれる方法がある。
しかし、改質反応は高温で進行するため、生成物である水素と共にその反応平衡から複生成物として一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)が生成する。生成した水素を燃料電池で利用するとき、特に高分子型燃料電池においては、副生成物であるCOは燃料電池の電極を被毒してその性能を著しく劣化させるため、CO濃度を極力低濃度にしておく必要がある。そのため、改質反応部の下流側に、変成反応部、CO除去部を付加して、CO濃度を数十ppmまで低下させる方法を採用するのが一般的である。このとき、改質反応部にはルテニウムやニッケル系の改質触媒が採用され、変成反応部には殆どの場合銅系の金属触媒が反応活性が優れているために採用され、またCO除去部には貴金属系触媒が採用されている。この一連の反応系で、改質反応部で生成される約10%程度の濃度のCOは変成反応部で1%以下まで低減され、更にCO除去部で数十ppmまで低減され、燃料電池等に供給されることとなる(特許文献1等参照)。
このように、燃料電池、特に高分子型燃料電池に水素を供給するための水素発生装置は、改質反応、変成反応、CO除去反応を経由するのが一般的であり、これらの反応のための触媒として、改質反応用にはニッケル等のベースメタル或いはルテニウム等の貴金属等が、変成反応用には銅系のベースメタルが、CO除去部には白金やルテニウム等の貴金属が用いられていた。このとき、上記触媒中のベースメタル類は還元された(金属)状態で触媒として高活性が得られるものであるが、酸化されるとその活性が失われ、一度酸化されると次に還元操作を加えても元の活性を取り戻しにくいものであった。また、当然、度重なる酸化/還元の繰り返しの過程において活性を維持することは困難であった。
また、特に変成反応部で使用される銅系触媒は、改質反応部やCO除去部で使用される金属触媒と比較すると容易に空気や水蒸気により酸化され、またこの触媒上への水の凝集、蒸発の繰り返しにより物理的に破壊されやすいという問題点があった。
そのため、上記反応系は運転中に常時還元状態に維持しておく必要があると同時に、運転停止状態、ヒートアップ時、クールダウン時には窒素等の不活性ガスを充填するか或いは流通させて上記触媒の酸化を防止する必要があるという問題点があった。この操作は、専門の運転者が管理できる状況においては、水素発生装置の傍らに窒素ボンベ等を準備しておくと解決できるものであるが、例えば家庭用機器や自動車等に適用する場合には、窒素等の高圧ボンベを配置することが困難であり、将来の家庭用機器や自動車等、小型分散型の装置への適用して一つの大きな問題点となっていた。また、特に運転状態から運転停止状態に移行すると、内部の気体が収縮するため、大気との隔離が不十分であると空気が混入して触媒が酸化されその活性が低下し、また、大気と十分隔離して空気の混入を防ぐためには圧力差にうち勝つ圧力容器に準じる構造を必要とするという問題点があった。
特開2002−293506号公報
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、水素発生装置の起動時等にパージガスとして窒素ガス等の不活性ガスを使用することなく、改質反応部や変成反応部における触媒の活性を維持することができ、操作性及び利便性に優れる水素発生装置の運転方法及び水素発生装置を提供することを目的とするものである。
本発明に係る水素発生装置の運転方法は、少なくともNi又はRuを含む改質触媒を備え、原燃料ガスと水蒸気とから水蒸気改質反応により水素を含む改質ガスを生成する改質反応部1と、前記改質ガス中に含まれるCOガスを水性シフト反応により低減させる変成反応部2と、前記改質反応部1及び前記変成反応部2を加熱する加熱部4,10を具備する水素発生装置の運転方法であって、水素発生装置の運転を停止した状態から前記改質反応部1及び前記変成反応部2をそれぞれ所定の反応温度T4,T5まで昇温する立上げ過程と、前記改質反応部1及び変成反応部2をそれぞれ前記反応温度T4,T5に維持した状態で前記改質反応部1に原燃料ガスと水蒸気とを含む混合ガスを供給する通常運転過程とを含み、前記立上げ過程において、前記変成反応部2の温度が、変成反応部2に原燃料ガスと水蒸気とを含む混合ガスを流通させた場合の変成反応部2における露点である第一露点T1以下である状態では、前記改質反応部1の温度を、この改質反応部1に原燃料を流通させた場合に改質触媒の表面における炭素の析出が開始される温度である炭素析出温度T3未満に維持すると共に改質反応部1に水蒸気を供給することなく原燃料ガスを供給し、前記改質反応部1の温度が炭素析出温度T3以上となった後、改質反応部1と変成反応部2の温度をそれぞれ所定の反応温度T4,T5まで昇温する間は、前記改質反応部1に原燃料ガスと水蒸気との混合ガスを供給することを特徴とする。
これにより、立上げ過程では、変成反応部2の温度が第一露点T1に達するまでは改質反応部1には水蒸気は供給されずに原燃料のみがパージガスとして供給され、変成反応部2の温度が第一露点T1に達していない状態では変成反応部2には水蒸気が流通せず原燃料のみが流通することとなり、変成反応部2のシフト触媒の表面には水滴が付着することがなくなる。また、改質反応部1に水蒸気を供給せずに原燃料を供給している間は、改質反応部1の温度は炭素析出温度T3未満であるため、改質反応部1内では原燃料の分解による改質触媒表面の炭素の析出は生じることがない。また、改質反応部1の温度が炭素析出温度T3以上となった場合には、原燃料と水蒸気との混合ガスを改質反応部1に供給しても水蒸気改質反応が進行することとなって改質触媒の表面には炭素の析出は生じず、しかもこの水蒸気改質反応により水素を含む改質ガスを生成することができる。
前記立上げ過程においては、前記変成反応部2の温度が第一露点T1に達する前に、前記改質反応部1の温度が、改質反応部1に原燃料ガスと水蒸気とを含む混合ガスを流通させた場合の改質反応部1における露点である第二露点T2に達する場合、前記変成反応部2の温度が第一露点T1を超えた後、改質反応部1の温度が炭素析出温度T3未満の状態では、前記改質反応部1に原燃料と水蒸気のうち少なくとも一方を供給することが好ましい。この場合、変成反応部2の温度が第一露点T1以下であることと、改質反応部1の温度が第二露点T2以下であることの、いずれか一方が満たされていれば、改質反応部1に水蒸気が供給されることなく原燃料が供給されることとなり、改質反応部1の温度が第二露点T2に達していない状態では、改質反応部1には水蒸気が流通せず、原燃料のみが流通し、改質触媒の表面にも水滴が付着することがなくなる。また、変成反応部2の温度が第一露点T1を超えた後、改質反応部1の温度が炭素析出温度T3未満の状態では、原燃料のみ、水蒸気のみ、両者の混合ガスのいずれを改質反応部1に供給しても、改質触媒及びシフト触媒の表面には水滴の付着は生じず、また改質触媒の表面に炭素が析出することもない。
また、このとき前記変成反応部2の温度が第一露点T1に達する以前に前記改質反応部2の温度が炭素析出温度T3未満の所定温度に達する場合は、前記変成反応部2の温度が第一露点T1に達するまで加熱部4を断続的に作動して改質反応部1の温度を炭素析出温度T3未満の温度に維持することが好ましい。このように変成反応部2の温度が第一露点T1に達する以前での改質反応部1の温度上昇を抑制することで、変成反応部2の温度が第一露点T1に達する以前で改質反応部1に水蒸気を供給せずに原燃料を供給されている状態では改質反応部1の温度が炭素析出温度T3に達することを防ぎ、このときの改質触媒の表面での炭素の析出を確実に防止することができる。
また、前記立上げ過程においては、前記変成反応部2の温度が第一露点T1に達した後、前記改質反応部1の温度が、改質反応部1に原燃料ガスと水蒸気とを含む混合ガスを流通させた場合の改質反応部1における露点である第二露点T2に達する場合、前記変成反応部2の温度が第一露点T1を超えた後、前記改質反応部1の温度が第二露点T2以下の状態では、前記改質反応部1に水蒸気を供給することなく原燃料ガスを供給し、前記改質反応部1の温度が第二露点T2を超えた後、改質反応部1の温度が炭素析出温度T3未満の状態では、前記改質反応部1に原燃料と水蒸気のうち少なくとも一方を供給することが好ましい。この場合も、変成反応部2の温度が第一露点T1以下であることと、改質反応部1の温度が第二露点T2以下であることの、いずれか一方が満たされていれば、改質反応部1に水蒸気が供給されることなく原燃料が供給されることとなり、改質反応部1の温度が第二露点T2に達していない状態では、改質反応部1には水蒸気が流通せず、原燃料のみが流通し、改質触媒の表面にも水滴が付着することがなくなる。また、改質反応部1の温度が第二露点T2を超えた後、改質反応部1の温度が炭素析出温度T3未満の状態では、原燃料のみ、水蒸気のみ、両者の混合ガスのいずれを改質反応部1に供給しても、改質触媒及びシフト触媒の表面には水滴の付着は生じず、また改質触媒の表面に炭素が析出することもない。
このような水素発生装置の運転方法においては、変成反応部2が、少なくとも銅を含むシフト触媒を備えることが好ましい。この場合、他の触媒と比較して安価であると共に、本発明の効果がより顕著に表れる。
また、前記第二露点は90〜100℃の範囲内となるように水素発生装置を設計することが好ましい。この場合、改質反応部1に水が凝縮することが防ぎやすくなると共に、昇温速度を短縮でき、起動エネルギーを抑えることができる。
また、前記炭素析出温度は200〜300℃であることが好ましい。この場合、改質触媒の劣化を抑え、耐久性が優れた水素発生装置となる。
本発明に係る水素発生装置は、少なくともNi又はRuを含む改質触媒を備え、原燃料ガスと水蒸気とから水蒸気改質反応により水素を含む改質ガスを生成する改質反応部1と、前記改質ガス中に含まれるCOガスを水性シフト反応により低減させる変成反応部2と、前記改質反応部1及び前記変成反応部を加熱する加熱部4,10とを備え、水素発生装置の運転を停止した状態から前記改質反応部1及び前記変成反応部2をそれぞれ所定の反応温度T4,T5まで昇温する立上げ過程を経た後、前記改質反応部1及び変成反応部2をそれぞれ前記反応温度T4,T5に維持した状態で前記改質反応部1に原燃料ガスと水蒸気とを含む混合ガスを供給する通常運転過程により水素を製造する水素発生装置であって、前記立上げ過程において前記改質反応部1に水蒸気が供給されることなく原燃料が供給される場合に、この改質反応部1の温度が改質触媒の表面における炭素の析出が開始される温度である炭素析出温度T3まで昇温される前に、前記変成反応部2の温度を、前記混合ガスが変成反応部2に供給される場合の変成反応部2における露点である第一露点T1以上まで昇温させるように前記加熱部4,10による前記改質反応部1及び変成反応部2の加熱制御を行う制御手段を具備することを特徴とする。
かかる水素発生装置を作動させることにより、立上げ過程では、変成反応部2の温度が第一露点T1に達するまでは改質反応部1には水蒸気は供給されずに原燃料のみがパージガスとして供給されるようにすれば、変成反応部2の温度が第一露点T1に達していない状態では変成反応部2には水蒸気が流通せず原燃料のみが流通することとなり、変成反応部2のシフト触媒の表面には水滴が付着することがなくなる。また、改質反応部1に水蒸気を供給せずに原燃料を供給している間は、改質反応部1の温度は制御手段により炭素析出温度T3未満に維持され、改質反応部1内では原燃料の分解による改質触媒表面の炭素の析出は生じることがない。また、改質反応部1の温度が炭素析出温度T3以上となった場合には、原燃料と水蒸気との混合ガスを改質反応部1に供給しても水蒸気改質反応が進行することとなって改質触媒の表面には炭素の析出は生じず、しかもこの水蒸気改質反応により水素を含む改質ガスを生成することができる。
この水蒸気発生装置は、改質反応部1及び変成反応部2の温度を検出する温度検出手段を具備することが好ましい。この場合、温度検出手段の検出結果に基づき、改質反応部1及び変成反応部2の加熱制御を行うことができる。
本発明によれば、水素発生装置の起動時等にパージガスとして窒素ガス等の不活性ガスを使用することなく、変成反応部の温度が第一露点以下では原燃料を、改質反応部の温度が炭素析出温度以上では原燃料と水蒸気との混合ガスをパージガスとして用いることができて、別途に不活性ガスの供給手段を設けることなく立上げ過程におけるパージを行うことができ、またこのときのシフト触媒の表面での水滴の付着や改質触媒の表面での炭素の析出を防止することができて触媒活性の低下を防止することができるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は水素発生装置の構成の一例を概念的に示すものである。
改質反応部1は内部にニッケル(Ni)又はルテニウム(Ru)のうち少なくとも一方を含む改質触媒が充填されるものであり、水素発生装置の通常運転時には原燃料と水蒸気との混合ガスが供給され、水性改質反応により水素を含む改質ガスを生成する。この反応は吸熱反応であり、炭化水素系の原燃料を使用する場合はその反応温度T5は通常は600〜800℃の範囲に設定することが好ましい。この改質反応部1には、改質反応部1の内部のガスの温度を測定する熱電対や高温型サーミスタ等の温度検知器8が設けられている。
変成反応部2は、内部に銅系のシフト触媒が充填されており、水素発生装置の通常運転時には改質反応部1にて生成された改質ガスが供給され、水性シフト反応により改質ガス中のCOの大部分をCO2に変換し、改質ガス中のCO濃度を低減する。この反応は発熱反応であり、その反応温度T4は通常200〜300℃の範囲に設定することが好ましい。この変成反応部2には、変成反応部2の内部のガスの温度を測定する熱電対等の温度検知器9が設けられている。
また、図示の例ではCO除去部3も設けられている。CO除去部3は白金、ルテニウム等のCO酸化触媒が充填されており、水素発生装置の通常運転時には変成反応部2から改質ガスが供給され、この改質ガス中に未だ残存するCOをCO選択酸化反応によりCO2に酸化し、改質ガス中のCO濃度を更に低減する。この反応は発熱反応であり、その反応温度は通常は120〜180℃の範囲に設定することが好ましい。
上記改質反応部1には、水供給部5と原燃料供給部6とが接続されている。水供給部5は改質反応部1に、両者間を接続する水供給路11を介して水を供給するものであり、このとき加熱された改質反応部1に水が供給されることで、改質反応部1に水蒸気が供給される。また、原燃料供給部6は原燃料が充填されたボンベ等で構成され、この原燃料供給部6は改質反応部1に、両者間を接続する原燃料供給路12を介して原燃料を供給する。原燃料としては、ブタンガス等の炭化水素系の気体または液体の燃料や、アルコール系の燃料等を用いるものを用いることができ、例えば天然ガス、液化石油ガス、ガソリン、ナフサ、灯油、メタノール等を用いることができる。原燃料供給部6から加熱された改質反応部1に原燃料が供給されることにより、改質反応部1にガス状の原燃料が供給される。
図示の例では水供給路11と原燃料供給路12とが合流した合流供給路13が改質反応部1に接続されており、この合流供給路13において水と原燃料とが混合された状態で改質反応部1に供給され、これにより改質反応部1に水蒸気と原燃料とが混合した混合ガスが供給される。但し、水供給路11と原燃料供給路12とを改質反応部1に別個に接続して、改質反応部1内で水蒸気と原燃料とが混合されるようにすることで、改質反応部1に水蒸気と原燃料との混合ガスを供給するようにしても良い。
また、加熱部4は、改質反応部1や変成反応部2を加熱するものであり、バーナーや触媒燃焼装置等にて構成することができる。この加熱部4は燃焼用燃料と燃焼用空気が供給されるものであり、この燃焼用燃料と燃焼用空気との燃焼反応により加熱ガスを発生させる。そして加熱ガスを媒体として熱エネルギーを改質反応部1や変成反応部2に供給し、これらを加熱するものである。
この加熱部4にはエアポンプ等で構成される燃焼用空気供給部7が燃焼用空気供給路14を介して接続されており、また原燃料供給部6が燃焼用燃料供給路15を介して接続されている。このとき、図示の例では燃焼用空気供給路14と燃焼用燃料供給路15とが合流した燃焼用合流供給路16が加熱部4に接続されている。これにより、加熱部4には燃焼用空気供給部7から燃焼用空気が供給されると共に、原燃料供給部6から原燃料が燃焼用燃料として供給される。
また、上記水供給路11、原燃料供給路12、燃焼用空気供給路14及び燃焼用燃料供給路15には、調整弁17,18,19,20がそれぞれ設けられている。
また、図示の例では変成反応部2に、上記加熱部4とは別途の加熱部10が設けられている。この加熱部10はヒーターや触媒燃焼装置等にて構成することができ、この加熱部10にて、上記加熱部4と共に変成反応部2を加熱することができる。
また、この水素発生装置には、水素発生装置の動作制御を行う制御手段として制御部21が設けられる。この制御部21は、検知器8,9にて測定される改質反応部1及び変成反応部2の温度情報に基づき、改質反応部1への原燃料及び水蒸気の供給量制御と、改質反応部1及び変成反応部2の温度制御とを行う。このとき制御部21は調整弁17及び調整弁18に制御信号を出力してその開閉制御及び開度の制御を行うことで、改質反応部1への原燃料及び水蒸気の供給量制御を行い、また、調整弁19及び調整弁20に制御信号を出力してその開閉制御及び開度の制御を行ったり加熱部4,10に制御信号を出力して改質反応部1や変成反応部2への熱エネルギーの供給制御を行うことで、改質反応部1及び変成反応部2の温度制御を行うようにすることができる。このような制御部21は、例えば上記温度検知器8,9から出力される改質反応部1及び変成反応部2の温度の検知情報が入力されてこれを演算処理装置が読みとり可能な情報に変換する入力装置、入力装置から伝達された情報に基づいて演算処理を行い調整弁17,18,19,20及び加熱部4,10の動作制御信号を生成する演算処理装置、演算処理装置を動作させるプログラムや参照情報が格納された記憶装置、演算処理装置にて生成された動作制御信号を調整弁17,18,19,20及び加熱部4,10に出力する出力装置から構成することができる。
上記の水素発生装置にて水素を発生するにあたっては、予め第一露点T1、第二露点T2、炭素析出温度T3、変成反応部2における反応温度T4、改質反応部1における反応温度T5を、上記制御部21に参照情報として記憶させておく。
第一露点T1は、原燃料ガスと水蒸気とを通常運転時と同一の所定の割合で含む混合ガスを変成反応部2に流通させた状態での、変成反応部2における露点(変成触媒の表面に水滴が付着し始める温度)である。この第一露点T1は通常運転時の前記混合ガス中の水蒸気と原燃料との割合、変成反応部2におけるガスの流通量、及び変成反応部2の内部構造に依存する値であり、水素発生装置の運転に先立って実測により導出することができる。
この第一露点T1は、62〜93℃の範囲内となるように水素発生装置を設計することが好ましく、例えば90℃に設定される。この第一露点T1の値は、例えば反応温度、原燃料と水蒸気との供給量割合、供給圧力等を調整して設定することができる。
第二露点T2は、原燃料ガスと水蒸気とを通常運転時と同一の所定の割合で含む混合ガスを改質反応部1に流通させた状態での、改質反応部1における露点(改質触媒の表面に水滴が付着し始める温度)である。この第二露点T2は通常運転時の前記混合ガス中の水蒸気と原燃料との割合、改質反応部1におけるガスの流通量、及び改質反応部1の内部構造に依存する値であり、水素発生装置の運転に先立って実測により導出することができる。
この第二露点T2は、90〜100℃の範囲内となるように水素発生装置を設計することが好ましく、例えば100℃に設定される。第二露点T2の値は、例えば原燃料と水蒸気との供給量割合を調整して設定することができる。
炭素析出温度T3は、改質反応部1に水蒸気を供給せず原燃料を供給させた状態で、改質反応部1において原燃料が分解して改質触媒の表面に炭素の析出が発生し始める温度である。この炭素析出温度T3は通常運転時の前記混合ガス中の水蒸気と原燃料との割合、改質反応部1におけるガスの流通量、改質反応部1の内部構造、改質触媒の種類に依存する値であり、水素発生装置の運転に先立って実測により導出することができる。この値は200〜300℃の範囲に設定されていることが一般的である。
この炭素析出温度T3は主として原燃料の種類及び改質触媒の種類に依存して変動するものであり、例えば原燃料として13A都市ガスを用いると、改質触媒としてNiを含むものを用いる場合には300℃、Ruを含むものを用いる場合には500℃と設定することができる。
また、変成反応部2における反応温度T4は、通常運転時における変成反応部2の温度であり、既述のように通常は200〜300℃の範囲に設定される。
また、改質反応部1における反応温度T5は、通常運転時における改質反応部1の温度であり、既述のように通常は600〜800℃の範囲に設定される。
水素発生装置を停止状態から起動させて改質反応部1及び変成反応部2の温度を所定の反応温度T4,T5まで昇温させる立上げ過程において、本発明では、変成反応部2の温度が第一露点T1以下である状態では、改質反応部1を炭素析出温度T3未満に維持すると共に改質反応部1に水蒸気を供給することなく原燃料ガスを供給し、また、改質反応部1の温度が炭素析出温度T3以上となった後は、改質反応部1に原燃料ガスと水蒸気との混合ガスを供給する。
この立上げ過程では、水素発生装置の運転開始後、まず制御部21は調整弁17を閉じて水供給部5から改質反応部1へ水が供給されないようにし、調整弁18を所定の開度で開いて原燃料供給部6から改質反応部1に所定の流量で原燃料を供給し、調整弁19及び調整弁20を所定の開度で開いて原燃料供給部6から原燃料を、空気供給部7から空気を、それぞれ所定の流量で加熱部4に供給し、加熱部4,10を動作させて改質反応部1及び変成反応部2に熱エネルギーを供給して加熱する制御を行う。
このように改質反応部1及び変成反応部2の昇温を開始した後は、改質反応部1及び変成反応部2の温度上昇の仕方に応じ、水素発生装置の運転動作が次の二通りの運転シーケンスに分岐する。
図2のグラフに示される第一の運転シーケンスは、加熱部4,10による改質反応部1及び変成反応部2の昇温を開始した後、変成反応部2の温度が第一露点T1に達する前に、改質反応部1の温度が第二露点T2に達する場合のものである。この場合、制御部21は次の動作を行うことにより、変成反応部2の温度が第一露点T1に達するまで(図示の領域A)は改質反応部1に水蒸気を供給することなく原燃料ガスを供給し、変成反応部2の温度が第一露点T1を超えた後、改質反応部1の温度が炭素析出温度T3未満の状態(図示の領域B)では、改質反応部1に原燃料と水蒸気のうち少なくとも一方を供給するようにする。
まず、制御部21は、温度検知器9にて検知される変成反応部2の温度が第一露点T1未満の状態で、温度検知器8にて検知される改質反応部1の温度が第二露点T2に達したことを認識した場合、各調整弁17,18,19,20及び加熱部4,10の動作をそのまま維持する。
その後、制御部21が温度検知器9にて検知される変成反応部2の温度が第一露点T1を超えたことを制御部21が認識すると、制御部21は調整弁18を所定の開度で開く制御を行う。このとき同時に制御部21は調整弁17を閉じる制御を行うようにしても良い。或いは、各調整弁17が所定の開度で開くと共に調整弁18が閉じた状態を維持しても良い。これにより、改質反応部1に原燃料と水蒸気のうち一方を供給し、或いは原燃料と水蒸気との混合ガスを供給する。
次に、温度検知器8にて検知される改質反応部1の温度が炭素析出温度T3に達したことを制御部2が検知すると、制御部21は調整弁17を所定の開度で開くと共に調整弁18を所定の開度で開くように調整弁17及び調整弁18を制御し、改質反応部1に原燃料と水蒸気との混合ガスを供給する(図示の領域C)。このとき同時に制御部21は調整弁19,20の開度を変更するなどして加熱部4から改質反応部1や変成反応部2で伝達される熱エネルギーを増減させたり、加熱部10から変成反応部2へ伝達される熱エネルギーを増減させたりする制御を行うと、改質反応部1及び変成反応部2の昇温速度を増大させるようにして立上げに要する時間を短縮したり、改質反応部1と変成反応部2の昇温速度を調整して変成反応部2が反応温度T4に達すると同時に改質反応部1が反応温度T5に達するようにすることができる。
変成反応部2が反応温度T4に達すると共に改質反応部1が反応温度T5に達すると、立上げ過程は終了し、通常運転過程に移行する。
通常運転過程では、制御部21は温度検知器9による検知温度が反応温度T4以上であることを認識した場合に加熱部4,10による変成反応部2への熱エネルギーの供給を停止し、この検知温度が反応温度T4未満であることを認識した場合に加熱部4,10から変成反応部2へ熱エネルギーを供給するように加熱部4,10を断続的に動作させる制御を行うなどして、変成反応部2の温度を反応温度T4に維持する。また、制御部21は温度検知器8による検知温度が反応温度T5以上であることを認識した場合に加熱部4による改質反応部1への熱エネルギーの供給を停止し、この検知温度が反応温度T5未満であることを認識した場合に加熱部4から改質反応部1へ熱エネルギーを供給するように加熱部4を断続的に動作させる制御を行うなどして、改質反応部1の温度を反応温度T5に維持する。
このように立上げ過程から通常運転過程に移行する際及びこの通常運転過程の間は、制御部21は調整弁17及び調整弁18の動作を大きく変更することなしに、調整弁17が所定の開度で開くと共に調整弁18が所定の開度で開いた状態を維持し、改質反応部1に原燃料と水蒸気との混合ガスが供給されるようにする。
水素発生装置を上記のように動作させると、立上げ過程では、加熱部4,10を作動させて改質反応部1及び変成反応部2の昇温を開始した後、改質反応部1の温度が炭素析出温度T3未満の状態で、変成反応部2の温度が第一露点T1に達するまで(図示の領域A)は、改質反応部1には水蒸気は供給されず、原燃料のみがパージガスとして供給される。このため、変成反応部2の温度が第一露点T1に達していない状態では、変成反応部2には水蒸気が流通せず、原燃料のみが流通することとなり、変成反応部2のシフト触媒の表面には水滴が付着することがなくなる。また改質反応部1の温度が第二露点T2に達していない状態では、改質反応部1には水蒸気が流通せず、原燃料のみが流通することとなり、改質触媒の表面にも水滴が付着することがない。また、改質反応部1に水蒸気を供給せずに原燃料を供給している間は、改質反応部1の温度は炭素析出温度T3未満であるため、改質反応部1内では原燃料の分解による改質触媒表面の炭素の析出は生じることがない。
また、変成反応部2の温度が第一露点T1を超えた後、炭素析出温度T3に達する前までの間(図示の領域B)は、改質反応部1には原燃料と水蒸気のいずれか一方又は原燃料と水蒸気との混合ガスがパージガスとして供給される。このとき、改質反応部1と変成反応部2には、水蒸気のみ、原燃料のみ、或いは水蒸気との混合ガスが流通するが、いずれの場合であっても、改質反応部1が第二露点T2以上であると共に変成反応部2が第一露点T1以上であるから、改質触媒及び変成触媒には水滴が付着することがなく、また改質触媒の表面における炭素の析出も生じない。
また、改質反応部1の温度が炭素析出温度T3に達した以後(図示の領域C)は、改質反応部1には原燃料と水蒸気との混合ガスが供給されることから、改質反応部1では水蒸気改質反応が進行するため、やはり改質触媒の表面には炭素の析出が生じず、またこの水蒸気改質反応により生成される水素を含む改質ガスを水素発生装置から導出して燃料電池等に利用可能とすることができる。
また、改質反応部1が所定の反応温度T5に達すると共に変成反応部2が所定の反応温度T4に達して通常運転過程に移行した後(図示の領域D)は、改質反応部1が反応温度T5に維持されると共に変成反応部2が反応温度T4に維持された状態で、改質反応部1に原燃料と水蒸気との混合ガスが供給される。このとき、まず改質反応部1では水蒸気改質反応が進行し、水素を含む改質ガスが生成される。この改質ガスは変成反応部2に送られ、変成反応部2において水性シフト反応により改質ガス中のCOの大部分がCO2に変換され、改質ガス中のCO濃度が低減される。この改質ガスは更にCO除去部3に送られ、CO除去部3において改質ガス中に未だ残存するCOがCO選択酸化反応によりCO2に酸化され、改質ガス中のCO濃度が更に低減される。
この改質ガスは、水素発生装置から外部に導出され、燃料電池用燃料等として利用することができる。
この第一の運転シーケンスでは、既述のように変成反応部2の温度が第一露点T1に達するまでは、改質反応部1の温度は炭素析出温度T3未満に維持する。このため、水素発生装置の運転開始後の改質反応部1の昇温速度が大きい場合には、変成反応部2の温度が第二露点に達するまでは、改質反応部1の温度を炭素析出温度T3未満に維持する動作を行わせる必要がある。このため、立上げ過程において、変成反応部2の温度が第一露点T1に達する以前に改質反応部1の温度が炭素析出温度T3未満の所定温度に達する場合、変成反応部2の温度が第一露点T1に達するまで加熱部4を断続的に作動して改質反応部1の温度を前記所定温度に維持することで、改質反応部1の温度を炭素析出温度T3未満に維持することが好ましい。前記所定温度は炭素析出温度T3より少し低い適宜の温度に設定できるが、改質反応部1の温度を前記所定温度に維持する過程においてこの温度がオーバーシュートにより炭素析出温度T3に達しない範囲で調整することが望ましく、そのため例えばこの所定温度を、炭素析出温度T3よりも30〜100℃だけ低い温度に設定する。
図3のグラフに示される第二の運転シーケンスは、第一の運転シーケンスにおいて、改質反応部1の温度を炭素析出温度T3未満に維持する動作が加わったものである。
このとき、まず、制御部21は温度検知器8にて検知される改質反応部1の温度が第二露点T2に達したことを認識すると、温度検知器9にて検知される変成反応部2の温度を参照し、この温度が第一露点T1未満であれば、各調整弁17,18,19,20及び加熱部4,10の動作をそのまま維持する。
その後、温度検知器9にて検知される変成反応部2の温度が第一露点T1に達する前に、改質反応部1の温度が炭素析出温度T3未満の所定温度に達したことを制御部21が認識すると、制御部21は、温度検知器8による検知温度が前記所定温度以上であることを認識した場合に加熱部4による改質反応部1への熱エネルギーの供給を停止し、この検知温度が前記所定温度未満であることを認識した場合に加熱部4から改質反応部1へ熱エネルギーを供給するように加熱部4を断続的に動作させる制御を行い、変成反応部2の温度を前記所定温度に維持する。
次に、制御部21は、温度検知器9にて検知される変成反応部2の温度が第一露点T1に達したことを認識すると、加熱部4にて改質反応部1へ熱エネルギーを連続的に供給するように加熱部4の動作を制御し、改質反応部1を昇温させる。また、同時に制御部21は調整弁17を所定の開度で開くと共に調整弁18を所定の開度で開く制御を行う。また、このとき図示のように加熱部4,10から変成反応部2に伝達される熱エネルギーを増大させ、変成反応部2の昇温速度を増大させるようにして立上げに要する時間を短縮すると共に改質反応部1と変成反応部2の昇温速度を調整して、変成反応部2が反応温度T4に達すると同時に改質反応部1が反応温度T5に達するようにしても良い。
以後の動作は、第一の運転シーケンスと同様である。
水素発生装置を上記のように動作させると、水素発生装置の運転開始後の改質反応部1の昇温速度が大きい場合であっても、変成反応部2の温度が第一露点T1以下にあるときは改質反応部1の温度は炭素析出温度T3未満の状態に維持され、この状態で改質反応部1に水蒸気を供給せずに原燃料を供給するようにしても、改質反応部1の改質触媒の表面には炭素が析出することがなくなる。
図4のグラフに示される第三の運転シーケンスは、、加熱部4,10による改質反応部1及び変成反応部2の昇温を開始した後、改質反応部1が第二露点T2に達する前に変成反応部2が第一露点T1に達し、次いで改質反応部1が第二露点T2に達する場合のものである。この場合、制御部21は次の動作を行うことにより、変成反応部2の温度が第一露点に達するまでは改質反応部1に水蒸気を供給することなく原燃料ガスを供給し、変成反応部2の温度が第一露点T1を超えた後、改質反応部1の温度が第二露点T2以下の状態では、引き続き改質反応部1に水蒸気を供給することなく原燃料ガスを供給し、改質反応部1の温度が第二露点T2を超えた後、改質反応部1の温度が炭素析出温度T3未満の状態では、前記改質反応部に原燃料と水蒸気のうち少なくとも一方を供給するようにする。
まず、制御部21は、温度検知器7にて検知される改質反応部1の温度が第二露点T2未満の状態で、温度検知器9にて検知される変成反応部2の温度が第一露点T1に達したことを認識した場合、各調整弁17,18,19,20及び加熱部4,10の動作をそのまま維持する。
その後、制御部21が温度検知器7にて検知される改質反応部1の温度が第二露点T2に達したことを認識すると、制御部21は調整弁18を所定の開度で開く制御を行う。このとき同時に制御部21は調整弁17に制御信号を出力してこの調整弁17を閉じるようにしても良い。或いは、各調整弁17が所定の開度で開くと共に調整弁18が閉じた状態を維持しても良い。これにより、改質反応部1に原燃料と水蒸気のうち一方を供給し、或いは原燃料と水蒸気との混合ガスを供給する。
以後の動作は、図2に示す第一の運転シーケンスと同様である。
水素発生装置を上記のように動作させると、立上げ過程では、加熱部4,10を作動させて改質反応部1及び変成反応部2の昇温を開始した後、改質反応部1の温度が炭素析出温度T3未満の状態で、改質反応部1の温度が第二露点T2に達するまでの間(図示の領域A)は、改質反応部1には水蒸気は供給されず、原燃料のみがパージガスとして供給される。このため、変成反応部2の温度が第一露点T1に達していない状態では、変成反応部2には水蒸気が流通せず、原燃料のみが流通することとなり、このため変成反応部2のシフト触媒の表面には水滴が付着することがない。また改質反応部1の温度が第二露点T2に達していない状態では、改質反応部1には水蒸気が流通せず、原燃料のみが流通することとなり、改質触媒の表面にも水滴が付着することがない。また、改質反応部1に水蒸気を供給せずに原燃料を供給している間は、改質反応部1の温度は炭素析出温度T3未満であるため、改質反応部1内では原燃料の分解による改質触媒表面の炭素の析出は生じることがない。
また、改質反応部1の温度が第二露点T2を超えた後、改質反応部1の温度が炭素析出温度T3に達するまでの間(図示の領域B)は、改質反応部1には原燃料と水蒸気のいずれか一方又は原燃料と水蒸気との混合ガスがパージガスとして供給される。このとき、改質反応部1と変成反応部2には、水蒸気のみ、原燃料のみ、或いは水蒸気との混合ガスが流通するが、いずれの場合であっても、改質反応部1が第二露点T2以上であると共に変成反応部2が第一露点T1以上であるから、改質触媒及び変成触媒には水滴が付着することがなく、また改質触媒の表面における炭素の析出も生じない。
また、改質反応部1の温度が炭素析出温度T3に達した以後(図示の領域C)は、改質反応部1には原燃料と水蒸気との混合ガスが供給されることから、改質反応部1では水蒸気改質反応が進行するため、やはり改質触媒の表面には炭素の析出が生じず、またこの水蒸気改質反応により生成される水素を含む改質ガスを水素発生装置から導出して燃料電池等に利用可能とすることができる。
また、改質反応部1が所定の反応温度T5に達すると共に変成反応部2が所定の反応温度T4に達して通常運転過程に移行した後(図示の領域E)は、改質反応部1が反応温度T5に維持されると共に変成反応部2が反応温度T4に維持された状態で、改質反応部1に原燃料と水蒸気との混合ガスが供給される。このとき、まず改質反応部1では水蒸気改質反応が進行し、水素を含む改質ガスが生成される。この改質ガスは変成反応部2に送られ、変成反応部2において水性シフト反応により改質ガス中のCOの大部分がCO2に変換され、改質ガス中のCO濃度が低減される。この改質ガスは更にCO除去部3に送られ、CO除去部3において改質ガス中に未だ残存するCOがCO選択酸化反応によりCO2に酸化され、改質ガス中のCO濃度が更に低減される。
この改質ガスは、水素発生装置から外部に導出され、燃料電池用燃料等として利用される。
また、上記いずれの運転シーケンスの場合であっても、水素発生装置を停止する場合には、制御部21は調整弁19及び調整弁20を閉じる制御を行い、加熱部4への空気及び原燃料の供給を停止すると共に、加熱部4,10の動作を停止する制御を行い、改質反応部1及び変成反応部2への熱エネルギーの供給を停止して、改質反応部1及び変成反応部2を降温する(図2乃至4の領域F)。このとき同時に制御部21は調整弁17及び調整弁18を閉じる制御を行い、改質反応部1への水蒸気及び原燃料の供給を停止する。
この改質反応部1及び変成反応部2の降温時には、変成反応部2の温度が第一露点T1に達するより前に、改質反応部1の温度を炭素析出温度T3に到達させる。そして、制御部21は、温度検知器7にて検知される改質反応部1の温度が炭素析出温度T3未満となり、且つ変成反応部2の温度が第一露点T1以上であることを認識すると、調整弁18を所定の開度で開く制御を行い、改質反応部1に水蒸気を供給することなく原燃料を供給する。
水素発生装置を上記のように動作させると、水素発生装置を停止するために改質反応部1及び変成反応部2の温度を降温させる際に、変成反応部2の温度が第一露点T1に達する以前に、改質反応部1の温度が炭素析出温度T3を下回った場合に、改質反応部1に水蒸気を供給することなく原燃料のみをパージガスとして供給することとなる。このとき、改質反応部1の温度が第二露点T2以下となり、また変成反応部2の温度が第一露点以下となっても、原燃料のみをパージガスとして流通させることで改質触媒及びシフト触媒の表面における水滴の付着が防止される。また、原燃料をパージガスとして流通させている間は改質反応部1の温度は炭素析出温度未満であることから、改質触媒の表面における炭素の析出も防止されることとなる。
本発明の実施の形態の一例を示す概略図である。 本発明における第一の運転シーケンスを示すグラフである。 本発明における第二の運転シーケンスを示すグラフである。 本発明における第三の運転シーケンスを示すグラフである。
符号の説明
1 改質反応部
2 変成反応部
4 加熱部
10 加熱部
T1 第一露点
T2 第二露点
T3 炭素析出温度
T4 反応温度
T5 反応温度

Claims (9)

  1. 少なくともNi又はRuを含む改質触媒を備え、原燃料ガスと水蒸気とから水蒸気改質反応により水素を含む改質ガスを生成する改質反応部と、前記改質ガス中に含まれるCOガスを水性シフト反応により低減させる変成反応部と、前記改質反応部及び前記変成反応部を加熱する加熱部を具備する水素発生装置の運転方法であって、
    水素発生装置の運転を停止した状態から前記改質反応部及び前記変成反応部をそれぞれ所定の反応温度まで昇温する立上げ過程と、前記改質反応部及び変成反応部をそれぞれ前記反応温度に維持した状態で前記改質反応部に原燃料ガスと水蒸気とを含む混合ガスを供給する通常運転過程とを含み、
    前記立上げ過程において、前記変成反応部の温度が、変成反応部に原燃料ガスと水蒸気とを含む混合ガスを流通させた場合の変成反応部における露点である第一露点以下である状態では、前記改質反応部の温度を、この改質反応部に原燃料を流通させた場合に改質触媒の表面における炭素の析出が開始される温度である炭素析出温度未満に維持すると共に改質反応部に水蒸気を供給することなく原燃料ガスを供給し、
    前記改質反応部の温度が炭素析出温度以上となった後、改質反応部と変成反応部の温度をそれぞれ所定の反応温度まで昇温する間は、前記改質反応部に原燃料ガスと水蒸気との混合ガスを供給することを特徴とする水素発生装置の運転方法。
  2. 前記立上げ過程において、前記変成反応部の温度が第一露点に達する前に、前記改質反応部の温度が、改質反応部に原燃料ガスと水蒸気とを含む混合ガスを流通させた場合の改質反応部における露点である第二露点に達する場合、前記変成反応部の温度が第一露点を超えた後、改質反応部の温度が炭素析出温度未満の状態では、前記改質反応部に原燃料と水蒸気のうち少なくとも一方を供給することを特徴とする請求項1に記載の水素発生装置の運転方法。
  3. 前記立上げ過程において、前記変成反応部の温度が第一露点に達する以前に前記改質反応部の温度が炭素析出温度未満の所定温度に達する場合は、前記変成反応部の温度が第一露点に達するまで加熱部を断続的に作動して改質反応部の温度を炭素析出温度未満の温度に維持することを特徴とする請求項2に記載の水素発生装置の運転方法。
  4. 前記立上げ過程において、前記変成反応部の温度が第一露点に達した後、前記改質反応部の温度が、改質反応部に原燃料ガスと水蒸気とを含む混合ガスを流通させた場合の改質反応部における露点である第二露点に達する場合、前記変成反応部の温度が第一露点を超えた後、前記改質反応部の温度が第二露点以下の状態では、前記改質反応部に水蒸気を供給することなく原燃料ガスを供給し、前記改質反応部の温度が第二露点を超えた後、改質反応部の温度が炭素析出温度未満の状態では、前記改質反応部に原燃料と水蒸気のうち少なくとも一方を供給することを特徴とする請求項1に記載の水素発生装置の運転方法。
  5. 変成反応部が、少なくとも銅を含むシフト触媒を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の水素発生装置の運転方法。
  6. 前記第二露点が90〜100℃であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の水素発生装置の運転方法。
  7. 前記炭素析出温度が200〜300℃であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の水素発生装置の運転方法。
  8. 少なくともNi又はRuを含む改質触媒を備え、原燃料ガスと水蒸気とから水蒸気改質反応により水素を含む改質ガスを生成する改質反応部と、前記改質ガス中に含まれるCOガスを水性シフト反応により低減させる変成反応部と、前記改質反応部及び前記変成反応部を加熱する加熱部とを備え、水素発生装置の運転を停止した状態から前記改質反応部及び前記変成反応部をそれぞれ所定の反応温度まで昇温する立上げ過程を経た後、前記改質反応部及び変成反応部をそれぞれ前記反応温度に維持した状態で前記改質反応部に原燃料ガスと水蒸気とを所定の割合で含む混合ガスを供給する通常運転過程により水素を製造する水素発生装置であって、
    前記立上げ過程において前記改質反応部に水蒸気が供給されることなく原燃料が供給される場合に、この改質反応部の温度が改質触媒の表面における炭素の析出が開始される温度である炭素析出温度まで昇温される前に、前記変成反応部の温度を、前記混合ガスが変成反応部に供給される場合の変成反応部における露点である第一露点以上まで昇温させるように前記加熱部による前記改質反応部及び変成反応部の加熱制御を行う制御手段を具備することを特徴とする水素発生装置。
  9. 改質反応部及び変成反応部の温度を検出する温度検出手段を具備することを特徴とする請求項8に記載の水素発生装置。
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