JP2008155828A - 車体構造 - Google Patents

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知生 田口
Toshinori Sakamoto
敏則 坂本
Toru Furusawa
透 古沢
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英夫 國木
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Abstract

【課題】フロントエンジンリアドライブ(FR)形式の車両に関し、車体構造に大幅な設計変更無しに、エンジン駆動式車両のパワートレインに置換して電気自動車に含まれる重量物の構成要素を配置する。
【解決手段】内燃機関7、発電機8、インバーターユニット9、メインバッテリ10はホイールベース内に配設され、そして、インバーターユニット9とメインバッテリ10とは側面視したときに互いに重複した位置に配設されている。車室フロアパネル35には、運転席シート30と助手席シート31との間に膨出部40が形成され、その後端は後席シート31の前方で終端している。膨出部40は、発電機8に対応した第1隆起部位40a、インバーターユニット9に対応して運転席側に位置する第2隆起部位40b、助手席側に位置してメインバッテリ10を受け入れる第3隆起部位40cで構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、唯一電動モータを駆動源とする電気自動車に関し、より詳しくは、その車体構造に関する。
環境問題の声の高まりから電気自動車が注目されている。特許文献1は、内燃機関で駆動される発電機を有し、この発電機で生成した電気エネルギを使って電動モータで後輪を駆動する電気自動車を開示している。この特許文献1の米国特許の出願は1962年に出願されたものであり、その当時は、十分なトルクを発生できる小型の電動モータなど電気自動車の要素技術の開発も十分では無かったため、特許文献1は電気自動車の基本構想を開示するに止まる。
USP3,205,966号公報
近時は、内燃機関と電動モータとを併用したハイブリッドカーの普及により電気自動車に搭載可能な構成要素(電動モータや各種の補機)も大きく進化し、これまでの内燃機関を唯一の駆動源とする自動車(エンジン駆動式車両)と遜色無い走行性能を備えた電気自動車を生産できる段階に入っている。とは言っても、需要がエンジン駆動式車両から電気自動車へと一気に変化するものではなく、電気自動車が普及したとしても、エンジン駆動式車両、ハイブリッドカー、電気自動車が併存して、その選択をユーザの好みに委ねることになる、と予想される。
また、電気自動車にあっても、これまで進化し続けてきたエンジン駆動式車両と同様の走行性能が要求されることになる。特に、例えばスポーツカーのような走行性能を重視した車両にあっては、フロントエンジンリアドライブ形式が採用されているが、この種の車両の走行性能を電気自動車に求める場合には、電気自動車に含まれる重量物の構成要素の配置が問題となる。
そこで、本発明の目的は、フロントエンジンリアドライブ(FR)形式の車両に関し、車体構造に大幅な設計変更無しに、エンジン駆動式車両のパワートレインに置換して電気自動車に含まれる重量物の構成要素を配置することのできる車体構造を提供することにある。
上記技術的課題は、本発明によれば、
ダッシュパネルを境に車室の前方に形成されたエンジンルーム内に縦置きされた内燃機関から後方に延びる出力軸に連結された発電機と、該発電機によって生成された電力を蓄えるバッテリと、車室後方のリアフロアパネルの下に配設され且つ前記バッテリを電源として駆動する左右一対の後輪駆動用モータとを有し、
前端が前記ダッシュパネルに連結される車室フロアパネルの前部に上方に向けて膨出し且つ前記エンジンルームに通じる第1隆起部が形成され、該第1隆起部の下に前記発電機が収容されていることを特徴とする車体構造を提供することにより達成される。
比較的大型である発電機をエンジンルームに搭載した場合には、それでなくても近時の車両は補機類が増えて余裕が無いエンジンルームの各種の補機類の配置に悩まされることなく発電機を車両に搭載することができる。
本発明の車体構造では、最も典型的には、内燃機関及び発電機が車両のセンターライン上に配設されるが、このような電気自動車を設計するのであれば、上記第1隆起部は、エンジン駆動式FR車両に設けられるプロペラシャフトを収容するトンネル部の前端部に相当することになる。つまり従来のエンジン駆動式のFR車両と実質的に同じに運転席と助手席との間に第1隆起部が位置することになる。したがって、従来のエンジン駆動式のFR車両の基本的な車体構造をそのまま使って車室フロアパネルを置換することで電気自動車の車体を作ることができる。
本発明の好ましい実施の形態では、前記バッテリに蓄電するために前記発電機が生成した電力を直流に変換するインバーターユニットを更に有し、該インバーターユニットが前記第1隆起部から後方に延びる第2隆起部の下に収容される。これによれば、これよれば、エンジンルームにインバーターユニットを搭載する必要が無いため、これをエンジンルームに搭載するのに比べて、エンジンルームの各種の補機類の配置に悩まされることなくインバーターユニットを車両に搭載する。本発明の好ましい実施の形態では、上記インバーターユニットによってバッテリに蓄えられた電力が交流に変換されると共に周波数及び電圧が制御され、これにより左右の後輪駆動用モータが独立して制御される。
本発明の実施例では、前記車室フロアパネルの下に設けられ且つ前端が前記エンジンルームの左右のフロントサイドフレームに連結されて車体前後方向に延びる左右のフロアフレームを更に有し、前記バッテリが前記車室フロアパネルの下に配設されると共に、前記左右のフロアフレームの間に前記インバーターユニットと前記バッテリとが配設されている。これによれば、インバーターユニットとバッテリとを車体中央に寄せた状態で車両に搭載できるため車両の走行性能を向上できるだけでなく、インバーターユニットとバッテリとの間を接続する配線を短くすることができて電力のロスを低減できると共に電線の保護も容易になる。
本発明の実施例では、前記インバーターユニットと前記バッテリが車両を側面視したときに互いに重複した位置に配設されている。特に好ましくは、前記インバーターユニットを収容する前記第2隆起部が運転席側に設けられ、前記バッテリを収容するための第3隆起部が助手席側に設けられて、前記第2隆起部と前記第3隆起部が横隣りに形成されている。これによれば、助手席シートの高さを変えることなく、助手席シートに着座した乗員が足を置く領域だけを高くすることができるため、助手席の居住性の悪化を最小限にしつつ大容量のバッテリを車両に搭載することができる。
以下に、添付の図面に基づいて本発明の好ましい実施例を説明する。
図1は、電気自動車の車体構造の概要を平面視で示す説明図である。この図1を参照して、電気自動車1は、ダッシュパネル2を挟んで、その前方に形成されるエンジンルーム3と、その後方に形成される車室4とを有する。参照符号5は前輪であり、6は後輪である。図中、前輪5及び後輪6には、それぞれ、右側車輪には「R」、左側車輪には「L」の文字を付記してある。
エンジンルーム3内には、内燃機関7がその出力軸を車両のセンターラインCL上にほぼ一致させて搭載されており、この縦置き内燃機関7は、前輪5の車軸よりも後方に配置されている。すなわち、電気自動車1はフロントミッドシップ車両であり、エンジンルーム3に搭載された内燃機関7は、その出力軸を後方に向けて配置されると共に車室4に隣接した位置に配置されている。
内燃機関7は、より詳しくは、例えば4つの気筒を備えた往復動型エンジンで構成され、好ましくは、圧縮比よりも膨張比を大きくして熱効率を改善することのできるアトキンソンサイクルのエンジンが採用される。勿論、内燃機関7は、ガソリンエンジンであってもよいしディーゼルエンジンであってもよい。
内燃機関7には、その後方に隣接して配置された発電機8が直列に接続され、また、発電機8の後方には、これに隣接してインバーターユニット9及びメインバッテリ10が配設される。発電機8は、内燃機関7と同様に、センターラインCL上に配置されているが、インバーターユニット9は中心軸線CLから運転席側にオフセットして配置され、他方、メインバッテリ10はセンターラインCLから助手席側にオフセットして配置されている。なお、メインバッテリ10は比較的扁平な形状を有し、主に後輪駆動用の電源として用いられる。
左右の後輪6L、6Rは、夫々に対応する左右の3相交流の電動モータ11L、11Rによって駆動される。すなわち、左後輪6Lは左側の電動モータ11Lによって駆動され、右後輪6Rは右側の電動モータ11Rによって駆動される。各電動モータ11L、11Rは、夫々、減速ギア12L、12Rを介して後輪車軸13L、13Rに連結される。なお、図示を省略したが、電気自動車1のサスペンション機構は、前輪5にあってはダブルウイッシュボーンが好ましく採用され、後輪6はマルチリンクが好ましく採用される。これにより、あらゆる走行状況に対して最適なジオメトリーを実現することができる。
図1において、参照符号15は、エアクリーナ15aを含む吸気系部品を示し、16は排気系部品を示す。排気系部品16は、サイレンサ16aの他に上流側触媒16b及び下流側触媒16cを含む。
エンジンルーム3には、ダッシュパネル2に隣接して助手席側に比較的小容量のサブバッテリ17が配設され、このサブバッテリ17は主に内燃機関始動用(スタータモータ用)として用いられる。運転席には、その前方に、ダッシュパネル2に固設されたブレーキ倍力装置であるマスターバック18が設けられており、その真空源として、図外の電動バキュームポンプを採用するのが好ましい。
エンジンルーム3には、また、その前端部に3つのラジエータ20、21、22が車体前後方向に並んで配設されている。一番前方に位置する第1ラジエータ20にはインバーターユニット9を冷やすための冷却水が循環され、第2番目の第2ラジエータ21には電動モータ11を冷やすための冷却水が循環され、最も後方に位置する第3ラジエータ22には、その後方に隣接して冷却ファン23が配設されており、この第3のラジエータ22には内燃機関7を冷やすための冷却水が循環される。なお、インバーターユニット9、電動モータ11、内燃機関7の各冷却水経路は線図の錯綜を回避するために図示を省略してある。
内燃機関7によって駆動される発電機8が生成した電力はインバーターユニット9によって直流に変換された後にメインバッテリ10及びサブバッテリ17に蓄えられる。メインバッテリ10に蓄えられた電力はインバーターユニット9に交流に変換されると共に周波数及び電圧が制御され、これにより左右の電動モータ11R、11Lが独立して、その回転数及び発生トルクが制御される。
後輪6の車軸上に配置された左右の電動モータ11L、11Rは、後輪サスペンション機構であるマルチリンクに含まれるリンクの長さを確保するために、左右後輪6L、6Rから極力離間して配設するためにセンターラインCLに寄せて配置されている。このように、左右の電動モータ11L、11RをセンターラインCLに隣接して配置したことに関連して、左右の電動モータ11L、11Rに隣接して、その前方に燃料タンク25が配設されている。この燃料タンク25の形状については後に詳しく説明する。
如上の説明から分かるように、重量物である、内燃機関7、発電機8、インバーターユニット9、メインバッテリ10は、実施例の電気自動車1では、前輪5の車軸と後輪6の車軸との間つまりホイールベース内に配設され、インバーターユニット9とメインバッテリ10とは側面視したときに互いに重複した位置に配設されている。
電気自動車1は、図2から分かるように、左右に離間して配置された2つの前席シート30、31と、1つの後席シート32とを有する。前席シート30、31は、右側が運転席シート30であり左側が助手席シート31である。後席シート32は、左右の前席シート30と31との間の後方に配設され、後席シート32に着座した乗員のレッグスペースは、図2、図3から理解できるように、左右の前席シート30と31との間の隙間が利用される。
車室4の床面を形成する車室フロアパネル35には、図1、図4を参照して、運転席シート30と助手席シート31との間に、上方に向けて隆起した膨出部40が形成され、この膨出部40はセンターラインCLに沿って車体前後方向に延在している。この膨出部40はその前端がダッシュパネル2の下端部に連結され、他方、膨出部40の後端は、後席シート31の前方で終端している。
特に、図1、図4を参照して、膨出部40は、発電機8に対応して大きく上方に隆起した第1隆起部位40aと、インバーターユニット9に対応してセンターラインCLから運転席側に位置する第2隆起部位40bと、センターラインCLから助手席側に位置して、メインバッテリ10を受け入れる第3隆起部位40cとで構成され、第1隆起部位40aは発電機8に対応した大きさを有し、第2隆起部位40bはインバーターユニット9に対応した大きさを有し、第3隆起部位40cはメインバッテリ10に対応した大きさを有している。
図5は、膨出部40に関する変形例を示す。図5の電気自動車1にあっては、第3膨出部位40cは車幅方向外端部まで延びて助手席シート31の前方領域を占める面積を有し、この第3膨出部位40cにおいて、センターラインCLに隣接する態様で平面視略矩形の比較的扁平なメインバッテリ10が収容される。
図5に例示した車室フロアパネル35の形態つまり第3膨出部位40cを助手席シート31の前方領域に広げることにより、図6に示すように助手席シート31の設置高さ位置を車室フロアパネル35の基準面に設定しつつ、この助手席シート31に着座した乗員の足元領域だけを高くすることができ、これにより助手席シート31に着座した乗員の居住性の悪化を抑えつつ大容量のメインバッテリ10を車室フロアパネル35の下に設置することができる。
図7は、実質的に図5の電気自動車1のフロア部分を車幅方向に沿って断面した図である。なお、この図7の例では、膨出部位40の第2膨出部位40bがセンターラインCLを跨いで助手席シート31側まで広がっている。
図7は、また、車室フロアパネル35の下面に接合される左右のフロアフレーム41L、41Rを示す。なお、図7において、参照符号42Lは左サイドシルであり、42Rは右サイドシルである。左右一対のフロアフレーム41L、41Rは上方に開放した断面ハット状の形状を有し、その上端フランジが車室フロアパネル35の下面に接合されている。このような左右一対のフロアフレーム41L、41Rは従来から周知であり、その前端がエンジンルーム3内で前後方向に延びるフロントサイドフレーム(図示せず)に連結される。
インバーターユニット9及びメインバッテリ10は、車幅方向に離間した左右のフロアフレーム41Lと41Rの間に配設されている。メインバッテリ10は、その車幅方向外端部は第1ブラケット44を介して左フロアフレーム41Lに連結され、車幅方向内端部は連結具45を介してインバーターユニット9と連結され、インバーターユニット9の車幅方向外端部が第2膨出部位40bの壁面に第2ブラケット46を介して連結されている。
図7に示す参照符号47は高電圧ケーブルを示し、この高電圧ケーブル47は、インバーターユニット9から左右の電動モータ11L、11Rに高電圧交流電力が供給される。図7から分かるように、車幅方向に並置されるインバーターユニット9とメインバッテリ10は、その底面が実質的に同じ水平面上に位置決めされ、また、インバーターユニット9の方がメインバッテリ10よりも高さ寸法が大きいため、車室フロアパネル35の第2膨出部位40bには、メインバッテリ10のセンターラインCL側の上方にデッドスペースが形成されるが、図7に示す例では、このデッドスペースに高電圧ケーブル47や図示しないハーネスが配索される。これにより高電圧ケーブル47などは、その下方領域がメインバッテリ10によって囲まれることになるためメインバッテリ10によって高電圧ケーブル47を保護することができる。
図7に図示した左右のフロアフレーム41Lと41Rとの間には、従来と同様に複数のクロスメンバが車体前後方向に離間して設けられるが、車室フロアパネル35の前部に図8に示すようにクロスメンバ50を位置決めして、このクロスメンバ50に発電機8の後端を弾性部材51を介してマウントするのがよい。
図8は、また、縦置き内燃機関7の搭載形態を説明する図でもある。内燃機関7は、前述したように、その出力軸つまりクランクシャフトがセンターラインCLに沿って後方に延出し、その後端に関連して発電機8が配設されているが、内燃機関7は、水平ラインHLよりも僅かに前傾した形態でエンジンルーム3に搭載されるのがよい(水平ラインHLから前傾した角度を図面に「θ」で示してある)。すなわち、縦置き内燃機関7はその前端が後端に比べて低位に位置しており、これによりエンジンルーム3の上方領域を覆うボンネット52との間の隙間Sを拡大することができる。このことは、歩行者保護の視点から内燃機関とボンネットとの間の離間距離を確保するのが好ましい。フロント内燃機関と後輪とをプロペラシャフトで連結した自動車では、一般的に、縦置き内燃機関は、その前端を後端よりも高位に位置する後傾した形態で搭載されるため、内燃機関とボンネットとの間の隙間を確保するのが難しく、このため上方に膨らんだボンネットを採用するなど、ボンネットラインの設定に制約となっている。これに対して、縦置き内燃機関7を前傾した形態でマウントすることによりボンネットラインの設定に関する自由度を高めることができる。
上述した電気自動車1は、運転席シート30と助手席シート31との間の後方に後席シート32を備えた2×1シーターカーであり、後席シート32の直ぐ後方に燃料タンク25が配設されている。図9、図10を参照して燃料タンク25を説明すると、燃料タンク25は、車幅方向に分離した左右の2つ底部55L、55Rと、各底部55L、55Rの上面の車幅方向外端部から上方且つ後方に延びる起立部56L、56Rと、起立部56L、56Rの上端に連結されて車幅方向に延びる上横断部57とを有している。すなわち、左右の起立部56L、56Rと上横断部57は全体としてアーチ状の形状を有し、このアーチ状の脚部を構成する左右の56L、56Rが左右に分離した底部55L、55Rに連結した形状を有しており、この左底部55Lと右底部55Rとの間の空所Bが形成されている。
図9に図示の参照符号58はリアサイドフレームであり、左リアサイドフレーム58Lと右リアサイドフレーム58Rは、夫々、前述した左フロアフレーム41Lと右フロアフレーム41Rに連結されている。燃料タンク25は、左右のリアサイドフレーム58L、58Rの前部の間に搭載され、左底部55Lと右底部55Rとの間の空所Bに下流側触媒16c(排気系部品16)が配設されている。左右のリアサイドフレーム58L、58Rは、その長手方向中間部分が車幅方向に延びるリアクロスメンバ59によって連結されており、このリアクロスメンバ59は燃料タンク25の直ぐ後方に位置している。
図11を参照して、左右のリアサイドフレーム58L、58Rと左右のフロアフレーム41L、41Rとの間には、車室フロアパネル35の後端から斜め後方に起立するキックアップ部60を有し、このキックアップ部60の上端にリアフロアパネル61が設けられている。図11から分かるように、キックアップ部60には、その上端縁の車幅方向中間部分を切り欠いた形状の切欠き部60aを有し、この切欠き部60aは上方に開放している。また、リアフロアパネル61は、その前部に凹所61aを有し、この凹所61aは、キックアップ部60の切欠き部60aに対応した位置に形成され、前方及び上方に開放している。図9、図10及び図11を対比すると分かるように、リアフロアパネル61の凹所61aは、燃料タンク25の左右の底部55L、55R、左右の起立部56L、56R、上横断部57で形成される空間に対応している。そして、図12から分かるように、リアフロアパネル61の凹所61aに後席シート32が設置される。なお、図11、図12の参照符号62は後席シート32用のシートベルトである。
如上のような構造を採用して後席シート32を設置することにより、2人乗り車両の車体構造を基本としつつ3人乗り車両を作ることができる。勿論、2人乗り車両の車体構造の前後長を僅かに延長するだけで後席シート32の足元スペースに余裕を与えることも可能である。また、内燃機関駆動形式のFR車両(フロント内燃機関リアドライブ車)では車室フロアにトンネル部が形成されて、このトンネル部に後輪駆動用のプロペラシャフトが配設されるが、実施例の電気自動車1によれば、車室フロアパネル35の膨出部40が車室フロアパネル35の前部で終わっており、車室フロアパネル35の後部は平らであるため、車幅方向中央部分に配設した後席シート32の乗員の足置き場として使うことができる。
以上、実施例の電気自動車1を説明したが、当業者であれば分かるように、内燃機関駆動式FR車両の車体構造を使って、膨出部40を形成した車室フロアパネル35を用意することで電気自動車1を製造することができる。すなわち、車体の基本構造を共通にしつつ内燃機関駆動式FR車両と電気自動車とを製造することができる。
また、電気自動車1の重たい構成部品である発電機8、インバーターユニット9、メインバッテリ10をホイールベース内に配置して車両の重心に近づけ且つこれらをセンターラインCLの周囲に且つ低い位置に設置することでZ軸回りのヨー慣性モーメントを低減できる。したがって、コンパクトなスポーツカータイプの電気自動車を製造することができる。
実施例の電気自動車のエンジンや発電機などの主要な構成要素の配置を平面視で説明するための図である。 実施例の電気自動車に搭載される発電機、インバーターユニット、バッテリの配置を運転席シートと助手席シートとの関係で説明するための図である。 実施例の電気自動車に搭載される燃料タンクの配置位置を説明する図である。 発電機、インバーターユニット、バッテリを車室フロアパネルの下に収容するために車室フロアパネルに形成した第1〜第3隆起部を説明するための図である。 バッテリを助手席側の車室フロアパネルの下に収容するために車室フロアパネルに形成した第3隆起部の変形例を説明するための図である。 図5に示す変形例の第3隆起部と助手席シートとの関係を説明するための断面図である。 図5に示す変形例に関連した図であり、左右のフロアフレームの間にインバーターユニット、バッテリを搭載することを説明するための断面図である。 エンジンルームに縦置き内燃機関を前傾して搭載することでエンジン頂部とボンネットラインとの間の隙間を拡大することを説明するための図である。 車体後部に燃料タンクを配置した様子を説明するための部分斜視図である。 燃料タンクの形状を説明するために燃料タンクを斜め前方から見た斜視図である。 特殊形状の燃料タンクによって車幅方向中央部に形成した1つの後席シートを搭載する領域を説明するための部分斜視図である。 図11に見られる後席シート設置空間に後席シートを設置した状態を説明するための部分斜視図である。
符号の説明
1 電気自動車
2 ダッシュパネル
3 エンジンルーム
4 車室
6 後輪
7 内燃機関
8 発電機
9 インバーターユニット
10 メインバッテリ
11 後輪駆動用モータ
11R 右後輪用駆動モータ
11L 左後輪用駆動モータ
25 燃料タンク
30 運転席シート
31 助手席シート
32 後席シート
35 車室フロアパネル
40a 第1隆起部位(発電機に対応した部位)
40b 第2隆起部位(インバータユニットに対応した部位)
40c 第3隆起部位(メインバッテリに対応した部位)
41R 右フロアフレーム
41L 左フロアフレーム
47 高電圧ケーブル
55L 燃料タンクの左底部
55R 燃料タンクの右底部
56L 燃料タンクの左起立部
56R 燃料タンクの右起立部
57 燃料タンクの上横断部
CL 車両のセンターライン

Claims (5)

  1. ダッシュパネルを境に車室の前方に形成されたエンジンルーム内に縦置きされた内燃機関から後方に延びる出力軸に連結された発電機と、該発電機によって生成された電力を蓄えるバッテリと、車室後方のリアフロアパネルの下に配設され且つ前記バッテリを電源として駆動する左右一対の後輪駆動用モータとを有し、
    前端が前記ダッシュパネルに連結される車室フロアパネルの前部に上方に向けて膨出し且つ前記エンジンルームに通じる第1隆起部が形成され、該第1隆起部の下に前記発電機が収容されていることを特徴とする車体構造。
  2. 前記バッテリに蓄電するために前記発電機が生成した電力を直流に変換するインバーターユニットを更に有し、
    該インバーターユニットが前記第1隆起部から後方に延びる第2隆起部の下に収容される、請求項1に記載の車体構造。
  3. 前記車室フロアパネルの下に設けられ且つ前端が前記エンジンルームの左右のフロントサイドフレームに連結されて車体前後方向に延びる左右のフロアフレームを更に有し、
    前記バッテリが前記車室フロアパネルの下に配設されると共に、前記左右のフロアフレームの間に前記インバーターユニットと前記バッテリとが配設される、請求項2に記載の車体構造。
  4. 前記インバーターユニットと前記バッテリが車両を側面視したときに互いに重複した位置に配設される、請求項3に記載の車体構造。
  5. 前記インバーターユニットを収容する前記第2隆起部が運転席側に設けられ、前記バッテリを収容するための第3隆起部が助手席側に設けられて前記第2隆起部と前記第3隆起部が横隣りに形成されている、請求項3又は4に記載の車体構造。
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