JP2008154669A - X線ct装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アーチファクトの発生を低減した、被検体を構成する原子の分布情報を表わす断層像を画像再構成できるX線CT装置を提供する。
【解決手段】X線を照射するX線発生装置と、相対してX線を検出するX線検出器とを、その間にある回転中心のまわりに回転運動させながら、その間にある被検体を透過したX線投影データを収集するX線データ収集手段と、そのX線データ収集手段から収集された投影データを画像再構成する画像再構成手段とを含むX線CT装置において、前記X線データ収集手段は、複数のX線管電圧を順次切り替えてX線を照射し、それぞれのX線管電圧のX線照射によって得られるX線投影データを収集する手段を含み、前記画像再構成手段は、前記複数のX線管電圧の切り替え区間について、切り替え前後の2種類のX線管電圧に依存した補正処理を行う手段と含む。
【選択図】図7

Description

本発明は、医療用X線CT(Computed Tomography)装置、または産業用X線CT装置におけるコンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)またはシネスキャンまたはヘリカルスキャンまたは可変ピッチヘリカルスキャンまたはヘリカルシャトルスキャンの被検体を構成する原子の分布を画像表示するX線CT画像再構成方法、X線CT画像撮影方法の技術に関する。
従来は多列X線検出器X線CT装置またはフラットパネルに代表されるマトリクス構造の2次元X線エリア検出器によるX線CT装置においては、複数のX線管電圧による断層像撮影を複数回行い、例えば低いX線管電圧として80kVの断層像撮影1を行い、数秒後に高いX線管電圧として140kVの断層像撮影2を行い、その被検体を構成する原子の分布に関する断層像を画像再構成する技術が存在していた。その例を非特許文献1,2に示す。
丹野他、CTによる骨塩定量法(QCT)−その原理と方法−、「The Bone(ザ ボーン)」、メディカルレビュー社、1996年9月、第10巻、第3号、p.145-149 丹野他、「CTによる骨塩定量法(QCT)−臨床応用−」、「The Bone(ザ ボーン)」、メディカルレビュー社、1996年9月、第10巻、第4号、p129-134
しかし、時刻t1の低いX線管電圧80kVの断層像撮影と、時刻t2の高いX線管電圧140kVの断層像撮影との間には数秒間時間差があり、その切り替え区間において得られたX線投影データを画像再構成するとアーチファクトが発生するという問題点があった。
そこで、本発明の目的は、アーチファクトの発生を低減した、被検体を構成する原子の分布情報を表わす断層像を画像再構成できるX線CT装置を提供することにある。
第1の観点では、本発明は、X線を照射するX線発生装置と、相対してX線を検出するX線検出器とを、その間にある回転中心のまわりに回転運動させながら、その間にある被検体を透過したX線投影データを収集するX線データ収集手段と、そのX線データ収集手段から収集された投影データを画像再構成する画像再構成手段とを含むX線CT装置において、前記X線データ収集手段は、複数のX線管電圧を順次切り替えてX線を照射し、それぞれのX線管電圧のX線照射によって得られるX線投影データを収集する手段を含み、前記画像再構成手段は、前記複数のX線管電圧の切り替え区間について、切り替え前後の2種類のX線管電圧に依存した補正処理を行う手段と含むことを特徴とするX線CT装置を提供する。
第2の観点では、本発明は、請求項1のX線CT装置において、前記複数のX線管電圧に依存した補正処理とは、ビームハードニング補正またはX線散乱線補正のうち少なくとも1つを含むことを特徴とするX線CT装置を提供する。
第3の観点では、本発明は、請求項1または請求項2のいずれかのX線CT装置において、前記画像再構成手段は、補正データの存在する前記切り替え前後の2種類のX線管電圧の補正データにより前処理されたX線投影データを加重加算処理して前記切り替え区間の前処理したX線投影データを求める手段を含むことを特徴とするX線CT装置を提供する。
第4の観点では、本発明は、請求項1から請求項3までのいずれかのX線CT装置において、前記X線データ収集手段は、少なくとも180度+X線検出器ファン角の2倍分以上のビュー角度のX線投影データ収集を行う手段を含むことを特徴とするX線CT装置を提供する。
第5の観点では、本発明は、請求項1から請求項4までのいずれかのX線CT装置において、前記画像再構成手段は、画像空間の処理により、被検体を構成する原子の分布に関連した断層像を画像再構成する手段を含むことを特徴とするX線CT装置を提供する。
第6の観点では、本発明は、請求項1から請求項5までのいずれかのX線CT装置において、前記画像再構成手段は、X線投影データ空間の処理により、被検体の原子の分布に関連した断層像を画像再構成する手段を含むことを特徴とするX線CT装置を提供する。
本発明のX線CT装置によれば、アーチファクトを低減した、被検体を構成する原子の分布情報を表わす断層像の画像再構成を実現できる効果がある。
以下、図に示す実施の形態により本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施形態にかかるX線CT装置の構成ブロック図である。このX線CT装置100は、操作コンソール1と、撮影テーブル10と、走査ガントリ20とを具備している。
操作コンソール1は、操作者の入力を受け付ける入力装置2と、前処理、画像再構成処理、後処理などを実行する中央処理装置3と、走査ガントリ20で収集したX線検出器データを収集するデータ収集バッファ5と、X線検出器データを前処理して求められた投影データから画像再構成した断層像を表示するモニタ6と、プログラムやX線検出器データや投影データやX線断層像を記憶する記憶装置7とを具備している。
撮影条件の入力はこの入力装置2から入力され、記憶装置7に記憶される。撮影テーブル10は、被検体を乗せて走査ガントリ20の開口部に出し入れするクレードル12を具備している。クレードル12は撮影テーブル10に内蔵するモータで昇降およびテーブル直線移動される。
走査ガントリ20は、X線管21と、X線コントローラ22と、コリメータ23と、ビーム形成X線フィルタ28と、多列X線検出器24とデータ収集装置(DAS:Data Acquisition System)25と、被検体の体軸の回りに回転しているX線管21などを制御する回転部コントローラ26と、制御信号などを前記操作コンソール1や撮影テーブル10とやり取りする制御コントローラ29とを具備している。ビーム形成X線フィルタ28は撮影中心である回転中心に向かうX線の方向にはフィルタの厚さが最も薄く、周辺部に行くに従いフィルタの厚さが増し、X線をより吸収できるようになっているX線フィルタである。このため、円形または楕円形に近い断面形状の被検体の体表面の被曝を少なくできるようになっている。また、走査ガントリ傾斜コントローラ27により、走査ガントリ20はz方向の前方および後方に±約30度ほど傾斜できる。
X線管21と多列X線検出器24は、回転中心ICの回りを回転する。鉛直方向をy方向とし、水平方向をx方向とし、これらに垂直なテーブルおよびクレードル進行方向をz方向とするとき、X線管21および多列X線検出器24の回転平面は、xy平面である。また、クレードル12の移動方向は、z方向である。
X線管21は、コーンビームCBと呼ばれるX線ビームを発生する。コーンビームCBの中心軸方向がy方向に平行なときを、ビュー角度0度とする。
多列X線検出器24は、z方向にJ列、例えば256列のX線検出器列を有する。また、各X線検出器列はチャネル方向にIチャネル、例えば1024チャネルのX線検出器チャネルを有する。
X線が被検体に照射されて、収集された投影データは、多列X線検出器24からデータ収集装置(DAS)25でA/D変換され、スリップリング30を経由してデータ収集バッファ5に入力される。データ収集バッファ5に入力されたデータは、記憶装置7のプログラムにより中央処理装置3で処理され、断層像に画像再構成されてモニタ6に表示される。なお、本実施形態では多列X線検出器24を適用した場合であるが、フラットパネルX線検出器に代表されるマトリクス構造の2次元X線エリア検出器を適用することもできるし、1列のX線検出器を適用することができる。
(X線CT装置の動作フローチャート)
図2は本実施形態のX線CT装置の動作の概要を示すフローチャートである。
ステップP1では、被検体をクレードル12に乗せ、位置合わせを行う。クレードル12の上に乗せられた被検体は各部位の基準点に走査ガントリ20のスライスライト中心位置を合わせる。
ステップP2では、スカウト像(スキャノ像、X線透視像ともいう。)収集を行う。スカウト像は通常0度,90度で撮影できる。部位によっては例えば頭部のように、90度スカウト像のみの場合もある。スカウト像撮影では、X線管21と多列X線検出器24とを固定させ、クレードル12を直線移動させながらX線検出器データのデータ収集動作を行う。
ステップP3では、スカウト像上に撮影する断層像の位置、大きさを表示しながら撮影条件設定を行う。本実施形態では、コンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)、ヘリカルスキャン、可変ピッチヘリカルスキャン、ヘリカルシャトルスキャンなどの複数のスキャンパターンを有している。コンベンショナルスキャンとは、クレードル12をz軸方向に所定の間隔で移動するごとにX線管21および多列X線検出器24を回転させて投影データを取得するスキャン方法である。ヘリカルスキャンとは、X線管21と多列X線検出器24からなるデータ収集系が回転しながらクレードル12を一定速度で移動させ、投影データを収集する撮影方法である。可変ピッチヘリカルスキャンとは、ヘリカルスキャンと同様にX線管21および多列X線検出器24からなるデータ収集系を回転させながらクレードル12の速度を可変させて投影データを収集する撮影方法である。ヘリカルシャトルスキャンとは、ヘリカルスキャンと同様にX線管21および多列X線検出器24からなるデータ収集系を回転させながらクレードル12を加速・減速させて、z軸の正方向またはz軸の負方向に往復移動させて投影データを収集するスキャン方法である。これらの複数の撮影を設定すると、1回分の全体としてのX線線量情報の表示を行う。また、シネスキャンにおいては、回転数または時間を入れるとその関心領域における入力された回転数分、または入力された時間分のX線線量情報が表示される。
ステップP4では、断層像撮影を行う。
ステップP5では、画像再構成された断層像を表示する。
ステップP6では、z方向に連続に撮影された断層像を3次元画像として用いて、3次元画像表示を行う。
(断層像撮影およびスカウト像撮影の動作フローチャート)
図3は、本発明のX線CT装置100の断層像撮影およびスカウト像撮影の動作の概略を示すフローチャートである。
ステップS1において、ヘリカルスキャンは、X線管21と多列X線検出器24とを被検体の回りに回転させ、かつ撮影テーブル10上のクレードル12を直線移動させながらX線検出器データのデータ収集動作を行う。ビュー角度viewと、検出器列番号jと、チャネル番号iとで表わされるX線検出器データD0(view,j,i)(j=1〜ROW,i=1〜CH)にz方向座標位置Ztable(view)を付加させて、一定速度の範囲のデータ収集を行う。
このz方向座標位置はX線投影データに付加させても良いし、また別ファイルとしてX線投影データと関連付けて用いても良い。ヘリカルシャトルスキャン、可変ピッチヘリカルスキャン時にX線投影データを3次元画像再構成する場合に、このz方向座標位置の情報は用いられる。また、ヘリカルスキャンまたはコンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)またはシネスキャン時に用いることにより、画像再構成された断層像の精度改善、画質改善を実現することもできる。
このz方向座標位置は撮影テーブル10のクレードル12の位置制御データを用いても良いし、撮影条件設定時に設定された撮影動作から予測される各時刻におけるz方向座標位置を用いることもできる。
また、可変ピッチヘリカルスキャンまたはヘリカルシャトルスキャンにおいては、一定速度の範囲のデータ収集に加えて、加速時、減速時においてもデータ収集を行うものとする。
また、コンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)またはシネスキャンでは撮影テーブル10上のクレードル12をあるz方向位置に固定させたまま、データ収集系を1回転または複数回転させてX線検出器データのデータ収集を行う。必要に応じて、次のz方向位置に移動した後に、再度データ収集系を1回転または複数回転させてX線検出器データのデータ収集を行う。
また、スカウト像撮影では、X線管21と多列X線検出器24とを固定させ、撮影テーブル10上のクレードル12を直線移動させながらX線検出器データのデータ収集動作を行うものとする。
ステップS2では、X線検出器データD0(view,j,i)に対して前処理を行い、投影データに変換する。図4にステップS2の前処理について具体的な処理を示す。ステップS21では、オフセット補正を行い、ステップS22では、対数変換を行い、ステップS23では、X線線量補正を行い、ステップS24では感度補正を行う。
スカウト像撮影の場合は、前処理されたX線検出器データをチャネル方向の画素サイズおよびクレードル12の直線移動方向であるz方向の画素サイズをモニタ6の表示画素サイズに合わせて表示すればスカウト像として完成である。
図3 に戻り、ステップS3において、前処理された投影データD1 (view,j,i)に対して、ビームハードニング補正を行なう。ステップS3のビームハードニング補正は前処理S2のステップS24の感度補正が行なわれた投影データをD1(view,j,i)とし、ステップS3のビームハードニング補正の後のデータをD11(view,j,i)とすると、ステップS3のビームハードニング補正は以下の(数式1)のように、例えば多項式形式で表わされる。なお、本実施形態においては、乗算演算は“●”で表している。
Figure 2008154669
この時、検出器の各j列ごとに独立したビームハードニング補正を行なえるため、撮影条件で各データ収集系の管電圧が異なっていれば、各列ごとの検出器のX線エネルギー特性の違いを補正できる。
ステップS4では、ビームハードニング補正された投影データD11(view,j,i)に対して、z方向(列方向)のフィルタをかけるzフィルタ重畳処理を行う。
すなわち、各ビュー角度、各データ収集系における前処理後、ビームハードニング補正された多列X線検出器D11(view,j,i) (i=1〜CH, j=1〜ROW)の投影データに対し、列方向に例えば下記の(数式2),(数式3)に示すような、列方向フィルタサイズが5列のフィルタをかける。
Figure 2008154669
補正された検出器データD12(view,j,i)は以下の(数式4)のようになる。
Figure 2008154669
となる。なお、チャネルの最大値はCH, 列の最大値はROWとすると、
以下の(数式5),(数式6)のようになる。
Figure 2008154669
また、列方向フィルタ係数を各チャネルごとに変化させると画像再構成中心からの距離に応じてスライス厚を制御できる。一般的に断層像では再構成中心に比べ周辺部の方がスライス厚が厚くなる。このため、フィルタ係数を中心部と周辺部で変化させてスライス厚は周辺部でも画像再構成中心部でもほぼ一様にすることもできる。例えば、列方向フィルタ係数を中心部と周辺部で変化させて、列方向フィルタ係数を中心部チャネル近辺では列方向フィルタ係数の幅を広く変化させ、周辺部チャネル近辺では列方向フィルタ係数の幅をせまく変化させると、スライス厚は周辺部でも画像再構成中心部でもほぼ一様にすることもできる。
このように、多列X線検出器24の中心部チャネルと周辺部チャネルの列方向フィルタ係数を制御してやることにより、スライス厚も中心部と周辺部で制御できる。列方向フィルタでスライス厚を弱干厚くすると、アーチファクト、ノイズともに大幅に改善される。これによりアーチファクト改善具合、ノイズ改善具合も制御できる。つまり、3次元画像再構成された断層像つまり、xy平面内の画質が制御できる。また、その他の実施形態として列方向(z方向)フィルタ係数を逆重畳(デコンボリューション)フィルタにすることにより、薄いスライス厚の断層像を実現することもできる。
また、このz方向のフィルタ処理によりX線散乱補正も行える。
z方向のプロファイル面積のz方向の変化により、X線の散乱量を求めることができる。z方向に被検体の前処理されたX線投影データよりチャネル方向のX線透過経路長分布が求められ、そのプロファイル面積が求められる。被検体をあるX線投影方向に投影し、チャネル方向の分布として被検体の透過経路長分布を得られる。この被検体の透過経路長分布をチャネル方向に積分することで、被検体のプロファイル面積が得られる。
z座標ごとのプロファイル面積をps(z)とする。また、この時のX線データ収集系の回転中心におけるX線データ収集系のX線ビーム幅、X線開口幅をap、X線管電圧をkVとすると、あるz方向座標位置におけるX線散乱量の大きさはこのプロファイル面積ps(z)の変化量、X線開口幅ap、X線管電圧kVなどに依存する。
X線散乱はz方向に広がるため、X線散乱を補正するにはz方向の逆重畳処理などにより補正が行われる。
つまり、この時のX線散乱補正のz方向逆重量フィルタの係数は、プロファイル面積のz方向変化量dps(z)/dz、X線開口幅sp、X線管電圧kVに依存する。
このため、あらかじめ被検体と同様なサイズのファントムを複数撮影してX線散乱のデータを収集しておき、プロファイル面積の大きさに応じてX線散乱補正用z方向フィルタ係数を決めれば良い。
図5にX線散乱補正の処理の流れの1例を示す。
ステップS1では、被検体の各z方向座標位置のプロファイル面積ps(z)をあらかじめスカウト像より求めておく。または、被検体の断層像撮影のX線投影データの第1ビューより、そのz方向座標位置のプロファイル面積ps(z)を求める。
ステップS2では、プロファイル面積ps(z)よりX線散乱補正用z方向フィルタの係数を選択する。
ステップS3では、X線散乱補正用z方向フィルタ処理を行う。
このような処理によりX線散乱補正が行われる。これはz方向のX線散乱補正であるが、X線検出器のチャネル方向X線散乱線防止用コリメータがあればxy平面内のチャネル方向のX線散乱は防げるが、もしこのX線検出器のチャネル方向X線散乱防止用コリメータがない場合においては、xy平面内のX線散乱補正が同様に必要となる。
また、本実施形態においては、z方向にはX線散乱防止用コリメータがないものと規定しているので、上記のようなz方向のX線散乱補正を行っている。
ちなみにX線散乱は図6に示すように、例えばz方向に広がる被検体でX線ビームが照射されている領域からどんどん入ってくるので、z方向のX線散乱防止用コリメータがない場合は、z方向に被検体のプロファイル面積が大きく変化する所でz方向からの散乱X線が大きくなり、断層像上にCT値のずれなどのアーチファクトとして影響が出てくる。
ステップS5では、再構成関数重畳処理を行う。すなわち、投影データを周波数領域に変換するフーリエ変換(Fourier Transform)を行い、再構成関数を掛け、逆フーリエ変換する。再構成関数重畳処理S5では、zフィルタ重畳処理後の投影データをD12とし、再構成関数重畳処理後の投影データをD13、重畳する再構成関数をKernel(j)とすると、再構成関数重畳処理は以下の(数式7)のように表わされる。なお、本実施形態においては、重畳(コンボリューション)演算を“*”で表している。
Figure 2008154669
つまり、再構成関数kernel(j)は検出器の各j列ごとに独立した再構成関数重畳処理を行なえるため、各列ごとのノイズ特性、 分解能特性の違いを補正できる。
ステップS6では、再構成関数重畳処理した投影データD13(view,j,i)に対して、3次元逆投影処理を行い、逆投影データD3(x,y,z)を求める。画像再構成される画像はz軸に垂直な面、xy平面に3次元画像再構成される。以下の再構成領域Pはxy平面に平行なものとする。
ステップS7では、逆投影データD3(x,y,z)に対して画像フィルタ重畳、CT値変換などの後処理を行い、断層像D31(x,y,z)を得る。
後処理の画像フィルタ重畳処理では、3次元逆投影後の断層像をD31(x,y,z)とし、画像フィルタ重畳後のデータをD32(x,y,z)、断層像平面であるxy平面において重畳される2次元の画像フィルタをFilter(z)とすると、以下の(数式8)のようになる。
Figure 2008154669
つまり、各z座標位置の断層像ごとに独立した画像フィルタ重畳処理を行なえるため、各列ごとのノイズ特性、分解能特性の違いを補正できる。
または、この2次元の画像フィルタ重畳処理の後に、下記に示す画像空間z方向フィルタ重畳処理を行ってもよい。また、この画像空間z方向フィルタ重畳処理は2次元画像フィルタ重畳処理の前に行ってもよい。さらには、3次元の画像フィルタ重畳処理を行って、この2次元の画像フィルタ重畳処理と、画像空間z方向フィルタ重畳処理の両方を兼ねるような効果を出してもよい。
画像空間z方向フィルタ重畳処理では、画像空間z方向フィルタ重畳処理された断層像をD33(x,y,z)、2次元の画像フィルタ重畳処理された断層像をD32(x,y,z)とすると、以下の(数式9)のようになる。ただし、v(i)はz方向の幅が2l+1の画像空間z方向フィルタ係数で以下の(数式10)のような係数列となる。
Figure 2008154669
ヘリカルスキャンにおいては、画像空間フィルタ係数v(i)はz方向位置に依存しない画像空間z方向フィルタ係数であってよい。しかし、特にz方向に検出器幅の広い2次元X線エリア検出器24または多列X線検出器24などを用い、コンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)またはシネスキャンを行う場合、画像空間z方向フィルタ係数v(i)はz方向のX線検出器の列の位置に依存した画像空間z方向フィルタ係数を用いるのが好ましい。その理由としては、各断層像の列位置に依存した詳細な調整ができるため更に効果的であるからである。
得られた断層像はモニタ6に表示される。
上記のようなX線CT装置において、以下に本実施形態を示す。
実施例1においては、被検体の体動を押えた断層像撮影の例をまず示す。
図7に示すスキャンにおいては、まず低いX線管電圧で断層像撮影した後に続けてX線をオフせずに、高いX線管電圧で断層像撮影するスキャンを示している。各々の断層像撮影はts秒、例えばデータ収集系1回転で0.35秒でスキャンが行われ、2回転で2・ts秒、つまり0.7秒で低いX線管電圧と高いX線管電圧の撮影が行われる。0.7秒程度であれば体動はかなり押えられる。
この場合に、X線管電圧は低い管電圧80kVから高い管電圧140kVに移行するのに、X線管電圧移行期間として約0.1秒程度かかっている。
通常、X線CT装置においては、X線管電圧に依存する前処理の補正データとしては、すべてのX線管電圧について持っているわけではなく、約3、4種類程度のX線管電圧について補正データをあらかじめ校正して持っているのが通常である。例えば図7に示す場合は、80kV,100kV,120kV,140kVにおいて前処理の補正データを持っているものとする。前処理の中でも特にX線管電圧の影響を大きく受ける処理には、ビームハードニング、X線散乱補正、X線検出器の各チャネル間の感度補正などが考えられる。
このため、X線管電圧が一定の80kVと140kVの部分は、各々80kV,140kVの補正データで前処理を行えば良いが、80kVから140kVまで連続的に変化している(移行区間)部分は、各々のX線管電圧の補正データがあるわけではない。このため、補正データの存在する80kV,100kV,120kV,140kVの補正データのみで、この80kVから140kVまで連続的に変化している部分を補正する必要がある。
この時に、kVのX線管電圧で収集されたchチャネル,row列,viewビューのX線投影データをD(kV,ch,row,view)とし、このX線投影データを前処理した結果を
Figure 2008154669
とする。
kVのX線管電圧に補正データが存在せずに、kV1,kV2のX線管電圧に補正データが存在するとする。ただし、kV1<kV<kV2であるとする。X線管電圧kV1,kV2には補正データが存在するため、それらの補正データで前処理を行ったX線投影データを
Figure 2008154669
とする。
この場合にX線管電圧kVの前処理されたX線投影データ
Figure 2008154669
は以下の(数式22)で表わされる。
Figure 2008154669
なおこの時の加重係数w1,w2は以下の(数式23),(数式24)のようになる。
Figure 2008154669
例えば85kVのX線管電圧の場合は、100kVと80kVの補正データで前処理されたX線投影データにより、85kVの前処理されたX線投影データが以下の(数式25)のように求められる。
Figure 2008154669
この処理の流れを図8に示す。ただし、X線投影データのビュー数はNとする。
ステップK1では、i=1とする。
ステップK2では、iビューのX線投影データを読み込む、およびそのX線投影データのX線管電圧値kVを読み込む
ステップK3では、X線管電圧値kVの補正データはあるかを判断し、YESであればステップK4へ行き、NOであればステップK5へ行く。
ステップK4では、X線管電圧値kVの補正データにより前処理を行う。
ステップK5では、X線管電圧値kVより低いX線管電圧kV1、高いX線管電圧kV2の補正データを読み込む。
ステップK6では、X線管電圧値kV1で補正されたiビューのX線投影データの前処理を行う。
ステップK7では、X線管電圧値kV2で補正されたiビューのX線投影データの前処理を行う。
ステップK8では、X線管電圧値kV1で補正された前処理結果Prep1、X線管電圧値kV2で補正された前処理結果Prep2を加重加算してX線管電圧値kVでの前処理結果Prepを求める。
ステップK9では、i=Nビューかを判断し、YESであれば終了する。NOであればステップK10へ行く。
ステップK10では、i=i+1を行い、ステップK2へ戻る。
なお、ステップK8においては(数式22),(数式23),(数式24)の処理が行われる。
X線管電圧が80kVから100kVまでの移行区間は、80kVと100kVの補正データまたは補正されたX線投影データから補正結果を加重加算して求めることができる。
X線管電圧が100kVから120kVまでの移行区間は、100kVと120kVの補正データまたは補正されたX線投影データから補正結果を加重加算して求めることができる。
X線管電圧が120kVから140kVまでの移行区間は、120kVと140kVの補正データまたは補正されたX線投影データから補正結果を加重加算して求めることができる。
このため、図7に示すように、
X線管電圧80kVから100kVまではX線管電圧80kVの補正データで補正されたX線投影データを求める。
X線管電圧80kVから120kVまではX線管電圧100kVの補正データで補正されたX線投影データを求める。
X線管電圧100kVから140kVまではX線管電圧120kVの補正データで補正されたX線投影データを求める。
X線管電圧120kVから140kVまではX線管電圧140kVの補正データで補正されたX線投影データを求める。
このように常に、より低いX線管電圧kV1、より高いX線管電圧kV2の補正データによる前処理されたX線投影データ
Figure 2008154669
が用意されているので、(数式23),(数式24)による加重係数w1,w2を変化させるたけでX線管電圧kVの前処理されたX線投影データは求められる。
以下にkVの条件と各々のkV1,kV2を示す。
X線管電圧の範囲(単位:kV) kV1(単位:kV) kV2(単位:kV)
80<kV<100 80 100
100<kV<120 100 120
120<kV<140 120 140
ただし、kV=80,100,120,140の場合は補正データが存在するので、通常の前処理を行うものとする。
上記のようにして得られたX線投影データは、フルスキャン360度分のX線投影データとする。図3の画像再構成のフローに従って画像再構成を行う。前処理されたX線投影データをステップS5の再構成関数重畳処理、ステップS6の3次元逆投影処理、ステップS7の後処理のように処理を進める。図7の場合、このようにして得られた2種類の80kV,140kVの断層像に対して以下のような方法で被検体を構成する物質の弁別が行える。
なお、ここでは80kVと140kVを用いたが、他のX線管電圧を用いても同様な処理を行え、同様な効果を出すことができる。
以下の計算により物質X,Yを弁別した画像が得られる。つまりこの場合は、各原子ごとに異なるX線吸収係数の管電圧依存情報を画像化することで物質X,Yの存在分布を画像化できる。
X線線質の異なる、つまり、X線管電圧のエネルギーが異なる2種類の断層像においては、例えば図9に示すように、それぞれ実効エネルギーkV1,kV2に対応したX線吸収係数のX線管電圧依存性であるエネルギー特性を持つ2つの異なる断層像CTA,CTBが得られる。そして、エネルギーkV1のX線に基づくX線投影データから画像再構成した断層像と、エネルギーkV2のX線に基づくX線投影データから画像再構成した断層像から、所望の物質に関する定量的なX線吸収係数のX線管電圧依存性であるエネルギー特性の分布画像を計算によって求めることができる。
エネルギーkV1のX線に基づく投影データから画像再構成した断層像におけるCT値、およびエネルギーkV2のX線に基づく投影データから画像再構成した断層像におけるCT値は、それぞれ次の(数式26),(数式27)で与えられる。
Figure 2008154669
ここで、X,Yは所望の物質の量(未知数)である。αA,αB,βA,βB,γA,γBは予め測定によって判明している定数である。
このようなCT値からX,Yが次の(数式28),(数式29)によってそれぞれ求められ、
Figure 2008154669
このようにして、Xに関する画像およびYに関する画像がそれぞれ形成される。X,Yは例えばカルシウム分、脂肪、鉄分等である。このようにして、2つのX線線質の異なる断層像から所望の物質の定量的な分布画像を得ることができる。
つまり、(数式28),(数式29)は以下の(数式30)のように書き換えられる。
Figure 2008154669
これにより、以下の(数式31)が得られる。
Figure 2008154669
つまり、物質X,Yは以下の(数式32)、(数式33)のように求められる。
Figure 2008154669
ただし、この時のw1,w2,w3,w4,c1,c2は以下の(数式34),(数式35),(数式36),(数式37)(数式38),(数式39)となる。
Figure 2008154669
つまり、物質X,物質Yの存在分布画像は画像空間における処理では、低いX線管電圧kV1の断層像CTAと高いX線管電圧kV2の断層像CTBとの線型画像間演算で得られる。図10の画像空間において、低いX線管電圧の断層像CTAと高いX線管電圧の断層像CTBとの線型画像間演算で物質Xの存在分布画像を求める方法を示す。
また、X線投影データ空間においても同様に線型画像間演算により、物質X,YのX線投影データを求めることができ、この物質X,YのX線投影データを画像再構成することにより、物質X,Yの断層像が得られる。
なお、X線投影データ空間における処理においては、X線投影データの加重加算処理や加重減算処理を行う場合には、X線投影データの収集開始ビュー角度、収集終了ビュー角度を合わせておく必要がある。
実施例1の場合においては、フルスキャン360度分のX線投影データを考えているため、図12(a)に示すように2つのX線投影データの開始ビュー角度が一致していなくても、常に0度から360度までのX線投影データになるようにX線投影データを移動させて開始ビュー角度を揃えておくことができる。
つまり、低いX線管電圧のX線投影データをRAとし、高いX線管電圧のX線投影データをRBとし、物質XのX線投影データをRX、物質YのX線投影データをRYとすると、以下の(数式40),(数式41)のように、物質XのX線投影データと物質YのX線投影データとが求められる。
Figure 2008154669
この物質XのX線投影データRX、物質YのX線投影データRYを画像再構成することにより、物質X,物質Yの断層像が得られる。
図11の投影データ空間において、X線投影データの線型画像間演算を用いて、低いX線管電圧のX線投影データRA、高いX線管電圧のX線投影データRBを求め、これらを画像再構成して、低いX線管電圧の断層像、高いX線管電圧の断層像が求められることを示す。
また、この時に用いられるX線投影データは、前処理およびビームハードニング補正を行われたX線投影データを用いる。特にビームハードニング補正では、各X線管電圧において水等価なX線透過経路長にすることにより、水以外の物質のX線吸収係数のX線管電圧依存性をより正しく評価することができる。
実施例1においては、フルスキャン360度分のX線投影データの場合を用いて説明したが、本実施例においては、ハーフスキャン180度+ファン角度の場合も含めて考える。
特に被検体の体動が大きい部位については、ハーフスキャンを用いた方が良い。この場合にX線投影データ空間上の処理により被検体の原子の分布の断層像を画像再構成する場合について説明する。
図12(a)に示すように、360度フルスキャンの場合は、開始ビュー角度がどこから始っても基本的に0〜360度のビューデータがすべて含まれているため、開始ビュー角度を0度にすれば、どのX線投影データも0〜360度のビューデータを対応させることができる。
これに対し、図12(c)に示すハーフスキャンの場合は、180度+ファン角度分のX線投影データしかないので、2つのハーフスキャンのX線投影データにおいて開始ビュー角度が異なった場合には2つのハーフスキャンをビューごとに対応付けることはできない。このため、各ビュー角度における各チャネルデータ各々の対向ビームデータを求める。
図13にはX線ビームとその対向ビームの関係を示している。180度+ファン角度分のX線投影データであれば、その対向ビームも用いれば360度フルスキャン分のX線投影データを得ることができる。
0〜360度のX線投影データに並び換えれば、どのX線投影データも各ビューを対応付けることが可能になる。これにより、各ビューの加重加算処理、加重減算処理などが可能になる。
このようにして、ファンビームのハーフスキャンのX線投影データから対向ビームデータを補いながら、ファンビームのフルスキャンのX線投影データを求めても良い。
または図14のように、ビュー角度180度+ファン角度分のファンビームデータからビュー角度180度分の平行ビームデータを作り、180度分の平行ビームの対向ビームデータを補い、ビュー角度360度分のフルスキャンX線投影データを求めて、より低いX線管電圧kV1と、より高いX線管電圧kV2のX線投影データを対応付けて加重減算処理を行い画像再構成することもできる。
本実施例においては、実施例1においてX線データ収集したX線投影データを画像再構成する際に、X線管電圧が変化した部分のX線投影データのビュー加重係数をより小さくすることにより、X線管電圧変化時のアーチファクトをより少なくできる。
図15に、そのビュー加重係数の1例を示す。X線管電圧が変化しているΔθ分のビュー角度部分の加重係数を小さくし、その対向ビームに当たる部分の加重係数をその分多くしている。
しかし、補正データを収集されている80kV,100kV,120kV,140kVにおいては、正しく補正が行える。このため、X線管電圧が変化している間でも正しい補正データがある部分においては加重係数を大きくする。
例えば、図15においては、ビュー角度[2π−3・Δθ,2π+3・Δθ]の範囲でX線管電圧が変化している。このビュー角度[2π−3・Δθ,2π+3・Δθ]の範囲の中でも、θ=2π−Δθの時、X線管電圧が100kV、θ=2π+Δθの時、X線管電圧が120kVの場合は正しい補正データを持っている。このため、θ=2π−Δθ,2π+Δθにおいては、ビュー加重係数を“1”にして大きくしている。しかし、X線管電圧が90kV,110kV,130kVにおいては、つまり、ビュー角度θ=2π−2・Δθ,2π,2π+2・Δθにおいては、補正データの存在しているX線管電圧までは遠いため、ビュー加重係数は“0”にしている。その代わりに対向ビューになるビュー角度θ=π−2・Δθ,π,3π,3π+2・Δθにおいて、ビュー加重係数を“1”にしている。これにより、より正しい補正データを持つX線投影データの加重係数を大きくし、より良い画質の断層像を得ることができる。
これにより、X線管電圧が変化した部分のビームハードニング補正などの前処理がうまく行えなかった場合でも、ビューの加重係数が小さいのでアーチファクトが発生しにくく、より安定した、より画質の良い画像が得られる。
実施例1においては、連続的に変化するX線管電圧によるX線投影データを複数のX線管電圧における補正データにより補正を行い、連続的に変化するX線管電圧のX線投影データの前処理を行った。
通常、X線投影データに付帯する補正データまたは校正データは、1種類の補正データまたは校正データである。これは通常のX線投影データではX線管電圧を変化させることはなく、1種類のX線管電圧の補正データがあれば十分であった。
しかし、本実施例による場合は、連続してX線管電圧が図16に示すように変化する。このため、使用X線管電圧範囲よりも低い補正データを持つX線管電圧のうちで最大のX線管電圧kV1と、使用X線管電圧範囲よりも高い補正データをX線管電圧のうちで最小のX線管電圧kV2を求め、この[kV1,kV2]のX線管電圧の範囲に含まれるすべての補正データ、校正データを持つX線管電圧を探し、その補正データ、校正データをX線投影データに付けておく。図17は、この処理の流れを示したものである。
以上のX線CT装置100において、本発明のX線CT装置によれば、アーチファクトを低減した、被検体を構成する原子の分布情報を表わす断層像の画像再構成を実現できる効果がある。
なお、本実施例においては、X線管電圧値kVの補正データがない場合に、X線管電圧値kVより低いX線管電圧kV1、高いX線管電圧kV2の補正データにより補正して前処理したX線投影データを線型1次の加重係数で加重加算しているが、2次もしくは3次以上の加重係数で加重加算処理を行っても良く、同様の効果を出すことができる。
なお、本実施例における画像再構成法は、従来公知のフェルドカンプ法による3次元画像再構成法でもよい。さらに、他の3次元画像再構成方法でもよい。または2次元画像再構成でも良い。
本実施例では、コンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)の場合で書かれているが、シネスキャンの場合も同様に効果を出すことができる。
本実施例は、ヘリカルスキャンの場合で書かれているが、可変ピッチヘリカルスキャン、ヘリカルシャトルスキャンの場合も同様に効果を出すことができる。
本実施例は、走査ガントリ20が傾斜していない場合で書かれているが、走査ガントリ20が傾斜した、いわゆるチルト・スキャンの場合でも同様な効果を出すことができる。
本実施例は、生体信号に同期しない場合で書かれているが、生体信号、特に心拍信号に同期させても同様な効果を出すことができる。
また、本実施例では、多列X線検出器または、フラットパネルX線検出器に代表されるマトリクス構造の2次元X線エリア検出器を持ったX線CT装置について書かれているが、1列のX線検出器のX線CT装置においても同様の効果を出せる。
また、本実施例では、各列ごとに係数の異なった列方向(z方向)フィルタを重畳することにより、画質のばらつきを調整し、各列において均一なスライス厚、アーチファクト、ノイズの画質を実現しているが、これには様々なz方向フィルタ係数が考えられるが、いずれも同様の効果を出すことができる。
本実施例では、医用X線CT装置を元に書かれているが、産業用X線CT装置または他の装置と組合わせたX線CT−PET装置,X線CT−SPECT装置などで利用できる。
本発明の一実施形態にかかるX線CT装置を示すブロック図である。 被検体撮影の流れを示すフロー図である。 本発明の一実施形態に係るX線CT装置の画像再構成の概略動作を示すフロー図である。 前処理の詳細を示すフロー図である。 X線散乱補正の処理の流れのフロー図である。 ある断層像位置におけるX線散乱線を示す図である。 X線管電圧の変化と補正データの使用範囲を示す図である。 複数のX線管電圧値を持ったX線投影データの処理フロー図である。 実効エネルギーA,Bを持つX線線質分布を示す図である。 画像空間におけるX線吸収係数のX線管電圧依存情報の断層像の求め方を示す図である。 投影データ空間におけるX線吸収係数のX線管電圧依存情報の断層像の求め方を示す図である。 (a)360度フルスキャンの場合のX線投影データ開始ビュー角度の合わせ方を示す図である。 (b)180度+ファン角ハーフスキャンの場合の開始ビュー角度を合わせたX線投影データ収集を示す図である。 (c)180度+ファン角ハーフスキャンの場合のX線投影データ収集の開始 ビュー角度の合わせ方を示す図である。 X線ビームとその対向ビームを示す図である。 ファンパラ変換後の360度平行ビーム作成を示す図である。 X線管電圧の変化部分の画質を改善するビュー加重係数を示す図である。 X線データ収集を行ったX線管電圧と補正データのあるX線管電圧を示す図である。 X線投影データに複数のX線管電圧の補正データを付帯させるフロー図を示す図である。
符号の説明
1 操作コンソール
2 入力装置
3 中央処理装置
5 データ収集バッファ
6 モニタ
7 記憶装置
10 撮影テーブル
12 クレードル
15 回転部
20 走査ガントリ
21 X線管
22 X線コントローラ
23 コリメータ
24 多列X線検出器または2次元X線エリア検出器
25 データ収集装置(DAS)
26 回転部コントローラ
27 走査ガントリ傾斜コントローラ
28 ビーム形成X線フィルタ
29 制御コントローラ
30 スリップリング
dP X線検出器面
P 画像再構成領域
PP 投影面
IC 回転中心(ISO)
CB X線ビーム
BC ビーム中心軸
D 回転中心軸上での多列X線検出器幅

Claims (6)

  1. X線を照射するX線発生装置と、相対してX線を検出するX線検出器とを、その間にある回転中心のまわりに回転運動させながら、その間にある被検体を透過したX線投影データを収集するX線データ収集手段と、
    そのX線データ収集手段から収集された投影データを画像再構成する画像再構成手段と
    を含むX線CT装置において、
    前記X線データ収集手段は、複数のX線管電圧を順次切り替えてX線を照射し、それぞれのX線管電圧のX線照射によって得られるX線投影データを収集する手段を含み、
    前記画像再構成手段は、前記複数のX線管電圧の切り替え区間について、切り替え前後の2種類のX線管電圧に依存した補正処理を行う手段と含む
    ことを特徴とするX線CT装置。
  2. 請求項1のX線CT装置において、
    前記複数のX線管電圧に依存した補正処理とは、ビームハードニング補正またはX線散乱線補正のうち少なくとも1つを含む
    ことを特徴とするX線CT装置。
  3. 請求項1または請求項2のいずれかのX線CT装置において、
    前記画像再構成手段は、補正データの存在する前記切り替え前後の2種類のX線管電圧の補正データにより前処理されたX線投影データを加重加算処理して前記切り替え区間の前処理したX線投影データを求める手段
    を含むことを特徴とするX線CT装置。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれかのX線CT装置において、
    前記X線データ収集手段は、少なくとも180度+X線検出器ファン角の2倍分以上のビュー角度のX線投影データ収集を行う手段
    を含むことを特徴とするX線CT装置。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれかのX線CT装置において、
    前記画像再構成手段は、画像空間の処理により、被検体を構成する原子の分布に関連した断層像を画像再構成する手段を含む
    ことを特徴とするX線CT装置
  6. 請求項1から請求項5までのいずれかのX線CT装置において、
    前記画像再構成手段は、X線投影データ空間の処理により、被検体の原子の分布に関連した断層像を画像再構成する手段を含む
    ことを特徴とするX線CT装置。
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