JP2008153598A - 半導体膜、受光素子、感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材上に形成され、13族元素と炭素と15原子%以上55原子%以下の酸素とを含むことを特徴とする半導体膜、この半導体膜を有する受光素子、この半導体膜有する感光体、この感光体を含むプロセスカートリッジ、及びこの感光体を含む画像形成装置。
【選択図】なし
Description
これらの非晶質半導体の有する問題点を解決する材料として、III−V族化合物半導体の非晶質材料が検討されている(IUPACの1989年無機化学命名法改訂版による族番号で、III(IIIb)族は13族、V族は15族)。
例えば、感光層上に、触媒CVD法を利用してアモルファスシリコンカーバイド表面保護層を形成する方法(特許文献2参照)、耐湿性や耐刷性を改善することを目的としてアモルファス炭素中に微量のガリウム原子を含有させる技術(特許文献3参照)、ダイヤモンド結合を有するアモルファス窒化炭素を用いる技術(特許文献4参照)、非単結晶の水素化窒化物半導体を用いる技術(特許文献5参照)が提案されている。
請求項1に記載の発明は、13族元素と炭素と15原子%以上55原子%以下の酸素とを含むことを特徴とする半導体膜である。
本実施の形態の半導体膜は、基材上に形成され、13族元素と炭素と15原子%以上55原子%以下の酸素とを含むことを特徴としている。
本実施の形態の半導体膜は、13族元素と炭素と15原子%以上55原子%以下の酸素だけを含むものであってもよいが、この他にも水素等の第4の元素や、窒素が必要に応じて含まれていてもよい。水素を含むことで、水素が13族元素と炭素と酸素との結合により発生したダングリングボンドや構造欠陥を補償している。
半導体膜の厚み方向における炭素の濃度分布は基材側に向かって増加し、酸素の濃度分布は基材側に向かって減少していても良いし、反対に炭素の濃度分布は基材側に向かって減少し酸素の濃度分布は基材側に向かって増加していても良い。
また、半導体膜中の酸素の含有量は15原子%以上55原子%以下であることが必要であるが、20原子%以上55原子%以下であることがより好ましく、30原子%以上53原子%以下であることが更に好ましい。
水素の含有量が0.1原子%未満の場合には膜内部に構造的な乱れを内蔵したままとなり、電気的に不安定となったり機械的な特性も不十分となる場合がある。また、30原子%を超える場合には水素が13族元素と炭素原子に2原子以上結合する確立が増加して、三次元構造を保つことができず硬度や化学的安定性(特に耐水性)などが不十分となる場合がある。
加速器:NEC社 3SDH Pelletron、エンドステーション:CE&A社 RBS−400を用い、システムとして、3S−R10を用いた。解析にはCE&A社のHYPRAプログラムを用いた。
He++イオンビームエネルギー:2.275eV
検出角度160°入射ビームに対してGrazing Angle30°
最表面に吸着しているHは、清浄なSi表面に吸着しているH量を差し引くことによって行うことができる。
窒素の含有量が30原子%を超えると水素とN−H結合などをつくるため、結果として撥水性が低下する場合がある。
この場合、これらの原子の半導体中の含有量の組み合わせは制限は無いが、上記4つの元素のうち、Inの場合には可視光域に吸収があり、In以外の元素は可視光域に吸収がないため、使用する13族元素を選択することにより、半導体膜の光に対する感応波長域を調整することが可能である。例えば、本実施の形態の半導体膜を受光素子の光導電層として用いる場合には、感度波長領域を可視光域となるように元素を選択することができる。また、本実施の形態の半導体膜を感光体の表面層として用いる場合には、この感光体を備えた画像形成装置において、画像形成装置に設けられた感光体に静電潜像を形成するときに該感光体に照射される露光光の露光波長や、除電工程のときに感光体に照射されるイレーズ波長などに対して、これらの光を出来るだけ吸収しないように元素を選択する必要がある。
He++イオンビームエネルギーは2.275eV
検出角度 160°
入射ビームに対してGrazing Angle 109°
前記非晶質とは、例えば、透過電子線回折パターンや低速電子線回折において全くリング状の回折パターンがなく、ぼんやりしたハローパターンの完全に長距離秩序の欠如しているものから、ハローパターンの中にリング状の回折パターンが見られるもの、さらにその中に輝点が見られるものまでを指している。ただし、このような非晶質膜は透過電子線回折より広範囲を観測するX線回折測定においては、ほとんど何のピークも得られないことが多い。
前記微結晶の結晶系は、立方晶系あるいは六方晶系のいずれか一つであってもよく、また、複数の結晶系が混合された状態でもよい。微結晶の大きさは5nm以上10μm以下、好ましくは10nm以上10μm以下、より好ましくは15nm以上10μm以下である。この微結晶の大きさは、X線回折や電子線回折および断面の電子顕微鏡写真を用いた形状測定などによって測定することができる。また、微結晶とは、例えば、透過電子線回折パターンにおいてリング状の回折パターンとともに輝点が多数見られるもの、スポット状の輝点のみ見られるものを指している。ただし、このような微結晶からなる膜は、X線回折測定においては、わずかに結晶面に相当するピークが得られるが、ピーク強度が単結晶に比べて弱く、かつ、ピーク幅が単結晶に比べて広いことが多い。
前記多結晶とは、複数の面方位を含む結晶の集まりであってもよい。また高度に配向し、ある面方位が主となって成長した微結晶の集まりであってもよい。この場合には成長方向に小さい柱状の結晶が並んだ状態であってもよい。この柱状の結晶の大きさは1nm以上10μm以下、好ましくは5nm以上10μm以下、より好ましくは10nm以上10μm以下である。このような多結晶からなる膜は、X線回析測定において単一結晶面のピークを主に示し、そのピーク強度も強く、ピーク半値巾は狭い。この半値巾は、1arcmin以上1°以下、好ましくは1arcmin以上0.5°以下、より好ましくは、1arcmin以上0.1°以下である。また、複数の面方位を含む結晶の集まりと大きさは透過電子顕微鏡写真や走査電子顕微鏡写真によって測定することが出来る。
このため、本実施の形態の半導体膜を受光素子の光導電層に用いた場合には、受光素子における光電流が安定化されて、本実施の形態の半導体膜を感光体の表面層に用いた場合には帯電と露光が繰り返された場合の電荷の内部蓄積による感光体表面の残留電位やそのサイクルアップを抑え、帯電特性がより安定化される。
次に、本実施の形態の半導体膜を用いた受光素子について説明する。本実施の形態の受光素子は、基体と光導電層と電極をと含み、光導電層を構成する層として本実施の形態の半導体膜が用いられる。
なお、図7に示す例では、光導電層54が単層である場合を説明するが、特願平10−17203に記載されているように、2層型の構成や3層型の構成であってもよい。
また、絶縁性の基板としては、高分子フィルム、ガラス、石英、セラミック等を挙げることができる。電極の形成(導電化処理)は、絶縁性の基板に対して上記に列挙したような金属又は金、銀、銅等を蒸着法、スパッター法、イオンプレーティング法などにより成膜することができる。
なお、本実施の形態において「透光性」とは、波長380〜780nmの光の80%以上を透過する性質を示している。
p型、i型、n型の層の各々の厚みは各層が1nmから数10μmであってもよい。おなじ膜厚の積層や繰り返しでもよいし異なる膜厚の積層や繰り返しでもよく光吸収率や活性部の電場、バリア長などによって設定することができる。
なお、光導電層54が単層構成の場合には、光導電層54は本実施の形態の半導体膜から構成されるが、光導電層54が多層構成の場合は、少なくともいずれか1層が本実施の形態の半導体膜であればよいが、全ての層が本実施の形態の半導体膜で構成されることが好ましい。
次に、本実施の形態の半導体膜を用いた感光体について説明する。
本実施の形態の感光体は、基体と、感光層と、表面層とを含み、前記基体上に前記感光層と前記表面層とがこの順に積層され、表面層として本実施の形態の半導体膜が用いられる。
本実施の形態の感光体は、表面層として本実施の形態の半導体膜を利用しており、表面層は13族元素の酸化物を含むため、画像形成装置内で、帯電器によって発生するオゾンや窒素酸化物等による酸化雰囲気に対して、感光体表面自体が酸化され難いため、酸化による感光体の劣化を防止することができる。また、機械的耐久性や耐酸化性に優れることから、これらの特性を長期に渡って高いレベルで維持することが容易である。
さらに、表面層が水素を含む場合には、表面層の最表面の表面エネルギーが小さくなるために放電生成物の付着が抑制でき、放電生成物の付着に起因する画像欠陥の発生も抑制できる。これに加えて、表面層の最表面の摩擦係数も小さくなるため、磨耗の進行や傷の発生をより一層抑制することができる。
図1に示す感光体は、基体1上に、電荷発生層2A、電荷輸送層2B、表面層3がこの順に積層された層構成を有し、感光層2は電荷発生層2Aおよび電荷輸送層2Bの2層から構成される。
図2は、本実施の形態の感光体の層構成の他の例を示す模式断面図であり、図2中、4は下引層、5は中間層を表し、他は、図1中に示したものと同様である。
図2に示す感光体は、基体1上に、下引層4、電荷発生層2A、電荷輸送層2B、中間層5、表面層3がこの順に積層された層構成を有する。
図3は、本実施の形態の感光体の層構成の他の例を示す模式断面図であり、図3中、6は感光層を表し、他は、図1、図2中に示したものと同様である。
図3に示す感光体は、基体1上に、下引層4、感光層6、表面層3がこの順に積層された層構成を有し、感光層6は、図1や図2に示す電荷発生層2Aおよび電荷輸送層2Bの機能が一体となった層である。
なお、感光層2、及び感光層6は、有機高分子から形成されたものでも良いし、無機材料から形成されたものでも良いし、それらが組み合わされたものでも良い。
次に、本実施の形態の感光体が有機感光体である場合の好ましい構成について、その概要を説明する。
感光層を形成する有機高分子化合物は熱可塑性であっても熱硬化性のものであっても、また2種類の分子を反応させて形成するものでも良い。また、感光層と表面層との間に、硬度や膨張係数、弾力性の調整、密着性の向上などの観点から中間層を設けても良い。中間層は、表面層の物性および感光層(機能分離型の場合は電荷輸送層)の物性の両者に対して、中間的な特性を示すものが好適である。また、中間層を設ける場合には、中間層は、電荷をトラップする層として機能しても良い。
このように、表面層を形成する前に感光体表面に中間層を設けることで、表面層を形成するときの紫外線や、画像形成装置内で感光体が使用された場合のコロナ放電や各種の光源からの紫外線などの短波長光による感光層への影響を防ぐことができる。
次に、本実施の形態の感光体がアモルファスシリコン感光体である場合の好ましい構成について、その概要を説明する。
アモルファスシリコン感光体は、正帯電用でも負帯電用の感光体でも良い。導電性基板の上に電荷注入阻止や接着性向上のための下引き層を形成し、ついで光導電層と表面層を設けたものが使用できる。表面層は感光層の表面に中間層を設け、さらにその表面に表面層を設けても良いし、感光層の表面に直に表面層を設けても良い。
また、感光層の最上層(表面層側の層)は、p型アモルファスシリコンであってもよくn型アモルファスシリコンであってもよく、感光層と表面層との間に中間層(電荷注入阻止層)として、例えば、SiXO(1−X):H,SiXN(1−X):H,SiXC(1−X):H,アモルファスカーボン層が形成されていてもよい。
次に、本実施の形態の表面層の好ましい特性等についてより詳細に説明する。
表面層は、既述したように非晶性あるいは結晶性のいずれでもよいが、感光層(あるいは中間層)との密着性を高めかつ感光体表面の滑りを良くするためには、表面層は非晶質性であることが好ましい。また表面層の感光層側が微結晶性であり、最も感光層から遠い側が非晶質性であっても良い。
表面層の厚さは0.01μmから5μmの範囲内が好ましい。厚みが0.01μm以下では感光層の影響を受けやすく、機械的強度が不十分となる場合がある。また、厚みが5μm以上では帯電露光の繰り返しによって、残留電位が上昇し、また感光層に対する機械的な内部応力が増加して、剥離やひび割れが発生しやすくなる場合がある。
表面層が電荷注入層としても機能する場合には、中間層や感光層の表面(表面層側の面)で電荷がトラップされる。負帯電の場合にn型の表面層は電荷注入層として機能し、p型の表面層は電荷注入阻止層として機能する。正帯電の場合にはn型の表面層は電荷注入阻止層として機能し、p型の表面層は電荷注入層として機能する。
また、静電潜像を維持するため、高抵抗としたi型の半導体膜を表面層として形成しても良い。ここで、「高抵抗」とは、体積抵抗率が1012Ωcm以上の値であることを意味している。
次に、本実施の形態の感光体を構成する基体および感光層の詳細や、必要に応じて設けられる下引層や中間層の詳細について、本実施の形態の感光体が機能分離型の感光層を有する有機感光体用である場合について説明する。
基体としては、アルミニウム、銅、鉄、ステンレス、亜鉛、ニッケル等の金属ドラム;シート、紙、プラスチック、ガラス等の基材上にアルミニウム、銅、金、銀、白金、パラジウム、チタン、ニッケル−クロム、ステンレス鋼、銅−インジウム等の金属を蒸着したもの;酸化インジウム、酸化スズ等の導電性金属化合物を上記基材に蒸着したもの;金属箔を上記基材にラミネートしたもの;カーボンブラック、酸化インジウム、酸化スズ−酸化アンチモン粉、金属粉、ヨウ化銅等を結着樹脂に分散し、上記基材に塗布することによって導電処理したもの等が挙げられる。また、基体の形状は、ドラム状、シート状、プレート状のいずれであってもよい。
次に、下引層について説明する。下引層を構成する材料としては、ポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂;ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂などの高分子樹脂化合物のほかに、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、シリコン原子などを含有する有機金属化合物などが挙げられる。
これらの化合物は単独にあるいは複数の化合物の混合物あるいは重縮合物として用いることができる。これらの中でも、ジルコニウムもしくはシリコンを含有する有機金属化合物は、残留電位が低く環境による電位変化が少なく、また繰り返し使用による電位の変化が少ないため好ましく使用される。また、有機金属化合物は、これを単独または2種以上を混合したり、さらに上述の結着樹脂と混合して用いることが可能である。
なお、樹脂粒子としては、シリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメチルメタクリレート樹脂粒子等を用いることができる。また、表面粗さの調整のために下引層表面を研磨することもできる。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、ウエットホーニング、研削処理等を用いることができる。なお、正帯電構成の画像形成装置に用いられる感光体では、レーザ入射光は感光体の極表面の周辺で吸収され、さらに感光層中で散乱されるため、下引層の表面粗さの調整は強くは必要とされない。
乾式法を用いる場合においては、まず、金属酸化物粒子を加熱乾燥して表面吸着水を除去する。表面吸着水を除去することによって、金属酸化物粒子表面に均一にカップリング剤を吸着させることができる。次に、金属酸化物粒子をせん断力の大きなミキサ等で攪拌しながら、直接あるいは有機溶媒または水に溶解させたカップリング剤を滴下、乾燥空気や窒素ガスとともに噴霧させることによって均一に処理される。カップリング剤を添下あるいは噴霧する際には、50℃以上の温度で行われることが好ましい。カップリング剤を添加あるいは噴霧した後、さらに100℃以上で焼き付けを行うことが好ましい。焼き付けの効果によりカップリング剤を硬化させ金属酸化物粒子と堅固な化学反応を起こさせることができる。焼き付けは、所望の電子写真特性が得られる温度、時間であれば任意の範囲で実施できる。
中でも下引層上に形成される層の塗布溶剤に不溶な樹脂が好ましく用いられ、特にフェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などが好ましく用いられる。分散型下引層形成用塗布液中の金属酸化物粒子と結着樹脂との比率は所望する感光体特性を得られる範囲で任意に設定できる。
この分散型下引層用塗布剤により下引層を形成する方法は、上述した下引層用塗布剤を用いて下引層を形成する方法と同じように行うことができる。
次に、感光層について、電荷輸送層と電荷発生層とに分けてこの順に以下に説明する。
電荷輸送層に用いられる電荷輸送材料としては、下記に示すものが例示できる。即ち2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールなどのオキサジアゾール誘導体、1,3,5−トリフェニル−ピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノスチリル)ピラゾリンなどのピラゾリン誘導体、トリフェニルアミン、トリ(P−メチル)フェニルアミン、N,N−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン、ジベンジルアニリン、9,9−ジメチル−N,N−ジ(p−トリル)フルオレノン−2−アミンなどの芳香族第3級アミノ化合物、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジアミンなどの芳香族第3級ジアミノ化合物、3−(4’ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ−(4’−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジンなどの1,2,4−トリアジン誘導体、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、4−ジフェニルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、[p−(ジエチルアミノ)フェニル](1−ナフチル)フェニルヒドラゾン、1−ピレンジフェニルヒドラゾン、9−エチル−3−[(2メチル−1−インドリニルイミノ)メチル]カルバゾール、4−(2−メチル−1−インドリニルイミノメチル)トリフェニルアミン、9−メチル−3−カルバゾールジフェニルヒドラゾン、1,1−ジ−(4,4’−メトキシフェニル)アクリルアルデヒドジフェニルヒドラゾン、β,β−ビス(メトキシフェニル)ビニルジフェニルヒドラゾンなどのヒドラゾン誘導体、2−フェニル−4−スチリル−キナゾリンなどのキナゾリン誘導体、6−ヒドロキシ−2,3−ジ(p−メトキシフェニル)−ベンゾフランなどのベンゾフラン誘導体、p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N−ジフェニルアニリンなどのα−スチルベン誘導体、エナミン誘導体、N−エチルカルバゾールなどのカルバゾール誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体などの正孔輸送物質が用いられる。あるいは、上記化合物から構成される基を主鎖又は側鎖に有する重合体などが挙げられる。これらの電荷輸送材料は、単独又は2種以上を組み合せて使用できる。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノン又はそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物などが挙げられる。
有機燐系酸化防止剤では、トリスノニルフェニルフォスフィート、トリフェニルフォスフィート、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−フォスフィートなどが挙げられる。
ベンゾフェノン系光安定剤として、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジ−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
ベンゾトリアゾール系光安定剤として、2−(−2’−ヒドロキシ−5’メチルフェニル−)−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3’’,4’’,5’’,6’’−テトラ−ヒドロフタルイミド−メチル)−5’−メチルフェニル]−ベンゾトリアゾール、2−(−2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル 5’−メチルフェニル−)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル−)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−t−ブチルフェニル−)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル−)−ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
その他の光安定剤としては、2,4,ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、ニッケルジブチル−ジチオカルバメートなどがある。
また電荷輸送層形成用塗布液には、塗布形成される塗膜の平滑性向上のためのレベリング剤としてシリコーンオイルを添加することもできる。添加量としては、電荷輸送層の固形分に対して1ppm以上10,000ppm以下が好ましく、5ppm以上2,000ppm以下がさらに好ましい。
電荷発生層は、電荷発生材料を真空蒸着法により蒸着させて形成するか、有機溶剤及び結着樹脂を含む溶液を塗布することにより形成される。
また、これらの有機顔料は一般に数種の結晶型を有しており、特にフタロシアニン化合物ではα型、β型などをはじめとしてさまざまな結晶型が知られているが、目的にあった感度その他の特性が得られる顔料であるならば、これらのいずれの結晶型でも用いることが可能である。
(1)電荷発生材料としてCukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)において、少なくとも7.6°,10.0°,25.2°,28.0°の位置に回折ピークを有する結晶型のヒドロキシガリウムフタロシアニン。
(2)電荷発生材料としてCukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)において、少なくとも7.3°,160°,25.4°,28.1°の位置に回折ピークを有する結晶型のクロルガリウムフタロシアニン、
(3)電荷発生材料としてCukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)において、少なくとも9.5°,24.2°,27.3°の位置に回折ピークを有する結晶型のチタニルフタロシアニン。
電荷発生層を形成する為の塗布液の溶媒として公知の有機溶剤、例えば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n―ブタノール等の脂肪族アルコール系溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状あるいは直鎖状エーテル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶剤等が挙げられる。
中間層としては、例えば、帯電器により感光体表面を帯電させる際に、帯電電荷が感光体表面から対抗電極である感光体の基体にまで注入して帯電電位が得られなくなることを防止するために必要に応じて表面保護層と電荷発生層との間に電荷注入阻止層を形成することができる。
電荷注入阻止層の材料としては上記に列挙したシランカップリング剤、チタンカップリング剤、有機ジルコニウム化合物、有機チタン化合物、その他の有機金属化合物、ポリエステル、ポリビニルブチラールなどの汎用樹脂を用いることができる。電荷注入阻止層の膜厚は0.001μm以上5μm以下程度の範囲内で成膜性及びキャリアブロッキング性を考慮して設定される。
図6に示すように、本実施の形態の画像形成装置30は、上記説明した感光体としての感光体32を含んで構成されている。
感光体32は、所定方向(図6中、矢印A方向)に回転可能に設けられている。感光体32の周辺には、感光体32の回転方向に沿って順に、帯電装置34、露光装置36、現像装置38、転写装置40、及び除去装置42が設けられている。また、画像形成装置30は、記録媒体48上のトナー像(後述)を記録媒体48に定着させるための定着装置44を含んで構成されている。
トナー像を転写された記録媒体48は、図示を省略するローラ等によって定着装置44の設置箇所に搬送され、定着装置44によって未定着のトナー像を該記録媒体48上に定着される。定着装置44によってトナー像を定着された記録媒体48は、図示を省略するローラ等によって画像形成装置30の外部へと排出される。
感光体32上の未定着トナーや紙粉等の付着物は、除去装置42によって感光体32上から除去される。
なお、画像形成装置30は、各色のトナーに対応した感光体を複数有するいわゆるタンデム機であってもよく、この場合、全ての感光体が本実施の形態の感光体であることが好ましい。また、トナー像の転写は、感光体から記録媒体に直接転写する方式に限られず、感光体から中間転写体にトナー像を転写した後に、中間転写体から記録媒体に転写する中間転写方式であってもよい。
次に本実施の形態の半導体膜の製造方法について説明する。本実施の形態の半導体膜は、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法、有機金属気相成長法、分子線エキタピシー法、蒸着、スパッタリング等の公知の気相成膜法が利用できるが有機金属気相成長法を用いることが好ましい。
この場合、炭素を含む物質および酸素を含む物質を反応に必要なエネルギー状態または励起状態に活性化する活性化手段によって、前記チッ素を含む物質および前記酸素を含む物質を活性種とし、前記活性種と、活性化していない13族元素を含む有機金属化合物とを反応させることにより、基材上に本実施の形態の半導体膜を形成することが好ましい。
これにより、基材が有機材料を含む場合、例えば、受光素子の基体として、高分子フィルム基板を用いる場合や、感光体が有機感光体である場合においても、基体や感光層に熱的なダメージを与えることなく、受光素子の光導電層や、感光体の表面層として上述した特性を有する半導体膜を形成することができる。なお、半導体膜の形成に際しては、基材の表面を予めプラズマによりクリーニングしてもよい。
これにより、13族元素を含む有機金属化合物が導入された位置よりも上流側で活性化されたチッ素を含む物質および酸素を含む物質が、活性化手段の下流側で合流するため、活性化していない13族元素を含む有機金属化合物と活性化した炭素を含む物質および酸素を含む物質とを反応させることができる。
図4は、本実施の形態の感光体(図6中、感光体32参照)の表面層の形成に用いる成膜装置の一例を示す概略模式図であり、図4(A)は、成膜装置を側面から見た場合の模式断面図を表し、図4(B)は、図4(A)に示す成膜装置のA1−A2間における模式断面図を表す。図4中、10は成膜室、11は排気口、12は基体回転部、13は基体ホルダー、14は基体、15はガス導入管、16はシャワーノズル、17はプラズマ拡散部、18は高周波電力供給部、19は平板電極、20はガス導入管、21は高周波放電管部である。
このプラズマ発生装置は、高周波放電管部21と、高周波放電管部21内に配置され、放電面が排気口11側に設けられた平板電極19と、高周波放電管部21外に配置され、平板電極19の放電面と反対側の面に接続された高周波電力供給部18とから構成されたものである。なお、高周波放電管部21には、高周波放電管部21内にガスを供給するためのガス導入管20が接続されており、このガス導入管20のもう一方の端は、不図示の第1のガス供給源に接続されている。
ここで、シャワーノズルは複数のガスを流出するノズルを有し、その構造は、各ノズルからのガスの流量が均一であれば特に限定されるものではない。例えば、複数の穴を有するガスノズルを有する構造でも良い。複数の穴から同じ流量でガスを噴出すためには二股の分岐を複数組み合わせたものでも良いし、複数の穴の開いた管状の筒で、穴の距離をガス流量が均一になるように各々変えて設置したものでも良い。また複数の各々開度が可変のバルブを設けたガス管から構成されるものでも良い。ノズルの形状は円筒状でも、ラッパ型でも良い。
なお、図4に示す装置により受光素子を作製する場合には、円筒状の基体14を固定する基体ホルダー13の代わりに基体のような、平板状の基板を固定する基体ホルダーを取り付けても良いし、基体ホルダー13に取り付けられた基体14の外周面に基体を貼り付けて、基体ホルダー13を回転させながら、半導体膜を形成することもできる。
平板電極19は電極の周りをアースシールドで囲んだものでも良い。
ここで、炭素ガスの原料としては、メタン、エタン、エチレン、プロパン、ブタン、等の炭化水素、メタノール、エタノール、ブロパノール、イソプロパノールなどのアルコール類、アセトン等をガス状の状態にしたものが利用できる。
基体14表面の温度は加熱および/または冷却手段(図中、不図示)によって制御しても良いし、放電時の自然な温度の上昇に任せてもよい。基体14を加熱する場合にはヒータを基体14の外側や内側に設置しても良い。基体14を冷却する場合には基体14の内側に冷却用の気体または液体を循環させても良い。
放電による基体14表面の温度の上昇を避けたい場合には、基体14表面に当たる高エネルギーの気体流を調節することが効果的である。この場合、ガス流量や放電出力、圧力などの条件を所要温度となるように調整する。
これらの液体や固体を気化して単独にあるいはキャリアガスでバブリングすることによる混合状態で使用することができる。
例えば、表面層の形成の初期において、トリメチルインジウムをガス導入管15、シャワーノズル16を介して成膜室10内に導入することにより、基体14上にチッ素とインジウムとを含む膜を成膜すれば、この膜が、継続して成膜する場合に発生し、感光層を劣化させる紫外線を吸収することができる。このため、成膜時の紫外線の発生による感光層へのダメージを抑制できる。
具体的には、少なくとも一つ以上のドーパント元素を含むガスをガス導入管15、シャワーノズル16を介して成膜室10内に導入することによってn型、p型等の導電型の表面層を得ることができる。
例えば、図4に示す成膜装置において、水素ガスと炭素ガスとを別々の位置から成膜装置内に導入する場合には、水素ガスの活性化状態と、炭素ガスの活性化状態とを各々独立して制御できるように、複数のプラズマ発生装置を設けてもよい。また、これに対して、装置の簡素化という点では、水素および炭素の供給材料としてCH3等の炭素原子と水素原子とを同時に含むガスを用いたり、炭素ガスと水素ガスとを混合したガスを用いて、これをプラズマにより活性化することが好ましい。
また、キャリアガスとしてヘリウムなどの希ガスや、水素を組み合わせて用いれば、ヘリウムなどの希ガスと水素による基体14表面で成長している膜のエッチング効果により100℃以下の低温でも、200℃以上の高温成長時と同等の水素の少ない(20原子%以下の)非晶質の13族元素と炭素と酸素の化合物を形成できる。
この硬質膜は、シリコンカーバイトに含まれるsp2結合性の炭素原子とは異なり、ダイヤモンドを構成する炭素原子のように、GaとNとがsp3結合を形成するため透明となる。さらに、この膜は透明且つ硬質である上に、膜の表面は撥水性を有すると共に低摩擦となる。
さらに、これらの装置を2種類以上組み合わせて用いてもよく、あるいは、同種の装置を2つ以上用いてもよい。プラズマの照射によって基体14表面の温度が上昇しないようにするためには高周波発振装置が好ましいが、熱の照射を防止する装置を設けても良い。
例えば、2種類のプラズマ発生手段をガス流に対して直列に設置する場合、図4に示す成膜装置を例に上げれば、シャワーノズル16を電極として成膜室10内に放電を起こさせる第2のプラズマ発生装置として利用できる。この場合、ガス導入管15を介して、シャワーノズル16に高周波電圧を印加して、シャワーノズル16を電極として成膜室10内に放電を起こさせることができる。
また、異なる2種類のプラズマ発生装置を同一の圧力下で利用する場合、例えば、マイクロ波発振装置と高周波発振装置とを用いる場合、励起種の励起エネルギーを大きく変えることができ、膜質の制御に有効である。また、放電は大気圧近傍(300〜1200hPaの範囲)で行っても良い。大気圧近傍で放電を行う場合にはキャリアガスとしてHeを使用することが望ましい。
(実施例A1)
基体として厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(以下「PETフィルム」と称す場合もある)(東レ社製、ルミラー)の片面に膜厚0.2μmのITOが成膜されているPETフィルムを用いた。基体への半導体層の形成は図4に示す構成を有する成膜装置を用いて行った。
成膜装置の成膜室10内の基体ホルダー13に円筒状のAl管を載せ、このAl管の表面に、ITOが形成された面が外周面側となるようにPETフィルムを粘着テープにより固定した。
次に、水素ガスをキャリアガスとしたトリメチルガリウムガスを含む混合ガスを、ガス導入管15を介してシャワーノズル16(ノズル直径2mm、ノズル数20個、ノズル間隔20mm、直線状に一列配置)から成膜室10内のプラズマ拡散部17に、トリメチルガリウムガスの流量が3sccmとなるように導入した。この時、バラトロン真空計(MKS社製、絶対圧トランスデューサタイプ622A)で測定した成膜室10内の反応圧力は40Paであった。
PETフィルムへの成膜に際し、Al管に固定したSi基板に同時に成膜したサンプル膜の赤外線吸収スペクトル測定を実施したところ、微小のGa−H結合、結合およびC−H結合に起因するピークが確認された。これらのことから、表面層中には、ガリウムと炭素と水素とが含まれていることがわかった。さらにGaOと思われるピークが強く観察された。
Si基板上に形成されたサンプル膜の構成原子の組成について水素をラザフォード・バック・スキャタリング(RBS)により測定し、ガリウム、酸素、炭素、窒素をハイドロジェン・フォワードスキヤタリング(HFS)を用いて測定した。
次に、このITO膜が形成されてあるPETフィルムの上に成膜した光導電層の上に大きさ3mmの円形のAu電極を厚みが0.1μmとなるように蒸着して、受光素子を作製した。続いて、ITO電極とAu電極に端子線を銀ペーストを用いて取り付けた。次にこの素子の紫外感度を測定した。
光源には分光した100WのXeランプを用いた。Xeランプの波長は360nmである。デジタル電流計(ADVANTEST社製、R8240)を直接接続し、受光素子のAu電極が設けられた領域に対応するように、受光素子のPETフィルム側から光を照射した。なお、照射時の受光素子とXeランプとの距離は10cmとした。
この時の暗電流(未照射時)は1×10−10Aであった。また、紫外光(上記分光したXeランプ光:波長360nm、100W)を照射すると電流は1×10−6Aの起電流が流れた。これに対して市販のUV測定器(富士ゼロックス社製 UVケアメイト)に使用されている光導電層として多結晶窒化ガリウムを利用したUVセンサーを用いて比較したところ、出力は1.5×10−6Aで同等であることがわかった。また、受光素子を室内の可視光に曝したが、特に反応しなかった。以上の結果から、この素子は紫外線受光素子として機能することがわかった。
また、受光素子を作製後、大気中に6ヶ月放置してから同様の評価を実施したが、ほぼ同様の結果が得られ、性能の劣化は見られなかった。また半年後に赤外吸収スペクトルを測定したところ全く変化がみとめられなかった。
実施例A1と同じ基体、同じ成膜装置を用いて、光導電層としてマグネシウムをドープした半導体膜を形成した受光素子を以下のように作製した。
まず、成膜室10内を、圧力が0.1Pa程度になるまで真空排気した。次に、メタンガスとHeガスと水素ガスと酸素ガスとを混合したガスをガス導入管20から、直径50mmの平板電極19が設けられた高周波放電管部21内に約500sccm(メタンガス100sccm、Heガス200sccm,水素200sccm、酸素ガス0.3sccm)導入し、高周波電力供給部18およびマッチング回路(図4中不図示)により、13.56MHzのラジオ波を出力80Wにセットしチューナでマッチングを取り平板電極19から放電を行った。この時の反射波は0Wであった。
次に、水素ガスをキャリアガスとしてトリメチルガリウムガスを含む混合ガスを3sccmと、ビスペンタジエニルマグネシウムを50℃に加熱し水素をキヤリアガスとした混合ガスを3sccm導入した。この時、バラトロン真空計(MKS社製、絶対圧トランスデューサタイプ622A)で測定した成膜室10内の反応圧力は40Paであった。
PETフィルムへの成膜に際し、Al管に固定したSi基板に同時に成膜したサンプル膜の赤外線吸収スペクトル測定を実施したところ、微小のGa−H結合、およびC−H結合に起因するピークが確認された。これらのことから、表面層中には、ガリウムと炭素と水素とが含まれていることがわかった。さらにGaOと思われるピークが強く観察された。
Si基板上に形成されたサンプル膜の構成原子の組成について水素をラザフォード・バック・スキャタリングにより測定し、ガリウム、マグネシウム、炭素、酸素、窒素をハイドロジェン・フォワードスキヤタリングを用いて測定した。その結果、ガリウムと炭素と酸素と水素がそれぞれ30原子%、5原子%、47原子%、14原子%、さらにマグネシウムが4原子%であることが分った。また、酸素は層全体に分布しており、窒素は検出されなかった。
この結果、PETフィルム上に形成された膜(光導電層)は、形成された表面層は、非晶質膜で、酸素、炭素、ガリウムを主とする組成を有し、マグネシウムがドープされた膜であることが分った。
次に、実施例A1と同様に受光素子を作製し、同様に光電流を測定した。
この時の暗電流は1×10−12Aであった。また、紫外光を照射すると2×10−6Aの起電流が流れた。これに対して光導電層として多結晶窒化ガリウムを利用した市販のUV測定器(富士ゼロックス社製 UVケアメイト)に使用されている光導電層として多結晶窒化ガリウムを利用したUVセンサーを用いて比較したところ、出力は1.5×10−6Aで同等であることがわかった。また、受光素子を室内の可視光に曝したが、特に反応しなかった。以上の結果から、この素子は紫外線受光素子として機能することがわかった。
また、受光素子を作製後、大気中に6ヶ月放置してから同様の評価を実施したが、ほぼ同様の結果が得られ、性能の劣化は見られなかった。また半年後に赤外吸収スペクトルを測定したところ全く変化がみとめられなかった。
実施例A1と同じ基体、同じ成膜装置を用いて、光導電層として半導体膜を形成した受光素子を以下のように作製した。
まず、成膜室10内を、圧力が0.1Pa程度になるまで真空排気した。次に、メタンガスとHeガスと水素ガスと酸素ガスとを混合したガスをガス導入管20から、直径50mmの平板電極19が設けられた高周波放電管部21内に約500sccm(メタンガス200sccm、Heガス200sccm,水素100sccm、酸素ガス0.02sccm)導入し、高周波電力供給部18およびマッチング回路(図1中不図示)により、13.56MHzのラジオ波を出力80Wにセットしチューナでマッチングを取り平板電極19から放電を行った。この時の反射波は0Wであった。
Al管を1rpmで回転させながら、40分間成膜することによりPETフィルム上に膜厚0.15μmの水素を含むGaON膜を形成した。なお、成膜に際しては、加熱は行わなかった。また、Al管に貼り付けておいた温度測定用ステッカー(Wahl社製、テンプ・プレート P/N101)の色を、成膜後に確認したところ、約40℃であった。
PETフィルムへの成膜に際し、Al管に固定したSi基板に同時に成膜したサンプル膜の赤外線吸収スペクトル測定を実施したところ、微小のGa−H結合、およびC−H結合に起因するピークが確認された。これらのことから、表面層中には、ガリウムと炭素と水素とが含まれていることがわかった。さらにGaOと思われるピークが強く観察された。
Si基板上に形成されたサンプル膜の構成原子の組成について、水素をラザフォード・バック・スキャタリングにより測定し、ガリウム、炭素、酸素、窒素をハイドロジェン・フォワードスキヤタリングを用いて測定した。その結果、ガリウムと炭素と酸素と水素がそれぞれ31原子%、25原子%、17原子%、27原子%であることが分った。また、酸素は膜全体に分布しており、窒素は検出されなかった。この結果、PETフィルム上に形成された膜(光導電層)は、非晶質膜で、水素を含んだ膜であることが分った。
次に、このITO膜が形成されてあるPETの上に成膜した光導電層の上に大きさ3mmの円形のAu電極を厚みが0.1μmとなるように蒸着して、受光素子を作製した。続いて、ITO電極とAu電極に端子線を銀ペーストを用いて取り付けた。次にこの素子の紫外感度を実施例A1と同様に測定した。
この時の暗電流(未照射時)は1×10−11Aであった。また、紫外光(上記分光したXeランプ光:波長360nm、100W)を照射すると電流は0.1×10−6Aの起電流が流れた。市販のUV測定器(富士ゼロックス社製 UVケアメイト)に使用されている光導電層として多結晶窒化ガリウムを利用したUVセンサーの1/10であったが使用可能であることがわかった。また、受光素子を室内の可視光に曝したが、特に反応しなかった。以上の結果から、この素子は紫外線受光素子として機能することがわかった。
また、受光素子を作製後、大気中に6月放置してから同様の評価を実施したが、ほぼ同様の結果が得られ、性能の劣化は見られなかった。また半年後に赤外吸収スペクトルを測定したところ全く変化がみとめられなかった。
実施例A1と同じ基体、同じ成膜装置を用いて、光導電層として半導体膜を形成した受光素子を以下のように作製した。酸素ガスを使用しない以外は実施例A1と同じ条件で成膜を行った。
PETフィルムへの成膜に際し、Al管に固定したSi基板に同時に成膜したサンプル膜の赤外線吸収スペクトル測定を実施したところ、強いGa−H結合、および強いC−H結合に起因するピークが確認された。これらのことから、表面層中には、炭素と水素とが多く含まれていることがわかった。
Si基板上に形成されたサンプル膜の構成原子の組成について、水素をラザフォード・バック・スキャタリングを用いて測定し、ガリウム、炭素、酸素、窒素をハイドロジェン・フォワードスキヤタリングを用いて測定した。その結果、ガリウムと炭素と水素がそれぞれ37原子%、43原子%、20原子%であることが分った。窒素と酸素は検出されなかった。
次に、実施例A1と同様にして素子を作製しUV感度を測定した。
この時の暗電流(未照射時)は1×10−9Aであった。また、紫外光(分光したXeランプ光:波長360nm、100W)を照射すると電流は5x10−8Aの起電流が流れた。市販のUV測定器(富士ゼロックス社製 UVケアメイト)に使用されている光導電層として多結晶窒化ガリウムを利用したUVセンサーの1/100以下であり、使用出来ないことがわかった。
また半年後に赤外吸収スペクトルを測定したところGa−H結合のピークが1/2に減少していた。
(実施例B1)
まず、以下に説明する手順により、Al基体上に、下引層と電荷発生層と電荷輸送層とをこの順に積層形成した有機感光体を作製した。
ジルコニウム化合物(商品名:マツモト製薬社製オルガノチックスZC540)20質量部、シラン化合物(商品名:日本ユニカー社製A1100)2.5質量部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:積水化学社製エスレックBM−S)10質量部およびブタノール45質量部を攪拌混合して得た溶液を、外径 84mmのAl製基体表面に塗布し、150℃10分間加熱乾燥することにより、膜厚1.0μmの下引層を形成した。
次に、電荷発生材料としてクロロガリウムフタロシアニン1質量部を、ポリビニルブチラール(商品名:積水化学社製エスレックBM−S)1質量部および酢酸n−ブチル100質量部と混合して得られた混合物をガラスビーズとともにペイントシェーカーで1時間分散し、電荷発生層形成用分散液を得た。
この分散液を浸漬法により下引層の上に塗布した後、100℃で10分間乾燥させ、膜厚0.15μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記構造式(1)で表される化合物を2質量部、および、下記構造式(2)で表される高分子化合物(重量平均分子量:39000)3質量部をクロロベンゼン20質量部に溶解させて電荷輸送層形成用塗布液を得た。
ノンコート感光体表面への表面層の形成は、図4に示す構成を有する成膜装置を用いて行った。
まず、ノンコート感光体を、成膜装置の成膜室10内の基体ホルダー13に載せ、排気口11を介して成膜室10内を、圧力が0.1Pa程度になるまで真空排気した。次に、メタンガスとHeガスと水素ガスと酸素ガスとを混合したガスをガス導入管20から、直径100mmの平板電極19が設けられた高周波放電管部21内に450.3sccm(メタンガス100sccm、Heガス150sccm、水素200sccm、酸素0.3sccm)導入し、高周波電力供給部18およびマッチング回路(図4中不図示)により、13.56MHzのラジオ波を出力100Wにセットしチューナでマッチングを取り平板電極19から放電を行った。この時の反射波は0Wであった。
次に、水素ガスをキャリアガスとしたトリメチルガリウムガスを含む混合ガスを、ガス導入管15を介してシャワーノズル16(ノズル直径2mm、ノズル数20個、ノズル間隔20mm、直線状に一列配置)から成膜室10内のプラズマ拡散部17に、トリメチルガリウムガスの流量が3sccmとなるように導入した。この時、バラトロン真空計(MKS社製、絶対圧トランスデューサタイプ622A)で測定した成膜室10内の反応圧力は40Paであった。
ノンコート感光体表面への成膜に際し、同様の条件でSi基板に成膜したサンプル膜の赤外線吸収スペクトル測定を実施したところ、Ga−H結合、C−H結合、Ga−O結合に起因するピークが確認された。これらのことから、表面層中には、ガリウムと炭素と水素と酸素が含まれていることがわかった。C−H結合、Ga−H結合に起因する吸収ピークの強度は、相対値でそれぞれ0.2、0.005、Ga−ON結合に起因する吸収ピークの半値幅は230cm−1であった。
また、サンプル膜の構成原子の組成について、水素をラザフォード・バック・スキャタリングを用いて測定し、13族元素、炭素、酸素、窒素をハイドロジェン・フォワードスキヤタリングを用いて測定した。結果からガリウムと炭素と酸素と水素がそれぞれ33原子%、10原子%、38原子%、19原子%であることが分った。酸素は表面層全体に分布しており、表面層中に含まれる窒素は検出限界(0.5原子%)以下であった
また、成膜直後のSi基板上に形成されたサンプル膜を、水に浸しても跡が残ら無かった。また純水対する接触角は95°であった。また表面をステンレス鋼やSi結晶で擦っても傷が付かなかった。
以上の分析・評価結果から、ノンコート感光体表面に形成された表面層は、非晶質膜で、水素を含んだ酸化ガリウムで、耐水性、撥水性および十分な硬度をもっていることが分った。
次に、この表面層を設けた有機感光体の電子写真特性を評価した。まず、上述の表面層形成前のノンコート感光体と、表面層を設けた感光体とに対して、露光用の光(光源:半導体レーザー、波長780nm、出力5mW)を用い、感光体の表面を走査しながら40rpmで回転させながら、スコロトロン帯電器により−700Vに負帯電させた状態で照射した後の、表面の残留電位を測定した。その結果、ノンコート感光体が−20Vであるの対し、表面層を設けた有機感光体は−40V以下で、かつ温度湿度依存性が少なく良好なレベルであることがわかった。
また、感度に対する影響については、光源の波長を赤外領域から可視領域全体にわたって評価したが、ノンコート感光体と、表面層を設けた感光体とでは殆ど差異は見られず、表面層を設けたことによる感度の低下が無いことがわかった。
さらに、表面層を設けた感光体の表面に対して、貼りつけた粘着テープを剥がす剥離試験を行ったが、表面層は全く剥離せず、接着性は良好であることがわかった。
その結果、プリントテスト初期およびプリントテスト終了後のいずれにおいてもノンコート感光体を用いて形成されたプリントテスト初期の画像と同様の鮮明で網点部での画像ボケの無い画像で10本/mmの解像度を得ることができた。またプリントテスト後の感光体表面を目視により観察したところ傷の発生は無く、膜厚測定による磨耗は0.0μmであった。さらにプリントテスト後の感光体表面の放電生成物の付着についても確認されなかった。さらに、プリントテスト前の感光体表面のすべりはクリーンティッシュー(ベンコット)で擦った定性試験ですべり性がよく低摩擦であった。これに対し、ノンコート感光体では、プリントテスト後の感光体表面に傷が発生し、磨耗は0.3μmであった。
以上の結果から、表面層を設けた感光体は、耐久性が向上すると共に、感度や画像ボケのように画質の点では実用上問題ないレベルであることがわかった。
実施例B1において、表1に示したようにトリメチルガリウム(TMG)を含むガスとCH4とHeとH2と酸素の流量やその比率を変えた以外は、実施例B1と同様に成膜をおこない表面層を形成した有機感光体を作製し、実施例B1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
実施例B1において表面層の形成を、以下のように変更した以外は、実施例B1と同様に成膜をおこない表面層を形成した有機感光体を作製し、実施例B1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
ノンコート感光体表面への表面層の形成は、図4に示す構成を有する成膜装置を用いて行った。
まず、ノンコート感光体を、成膜装置の成膜室10内の基体ホルダー13に載せ、排気口11を介して成膜室10内を、圧力が0.1Pa程度になるまで真空排気した。次に、メタンガスとHeガスと水素ガスと酸素ガスとを混合したガスをガス導入管20から、直径100mmの平板電極19が設けられた高周波放電管部21内に532sccm(メタンガス100sccm、水素400sccm、酸素2sccm、窒素30sccm)導入し、高周波電力供給部18およびマッチング回路(図4中不図示)により、13.56MHzのラジオ波を出力100Wにセットしチューナでマッチングを取り平板電極19から放電を行った。この時の反射波は0Wであった。
次に、水素ガスをキャリアガスとしたトリメチルガリウムガスを含む混合ガスを、ガス導入管15を介してシャワーノズル16(ノズル直径2mm、ノズル数20個、ノズル間隔20mm、直線状に一列配置)から成膜室10内のプラズマ拡散部17に、トリメチルガリウムガスの流量が3sccmとなるように導入した。この時、バラトロン真空計(MKS社製、絶対圧トランスデューサタイプ622A)で測定した成膜室10内の反応圧力は40Paであった。
実施例B8において、表1に示したようにトリメチルガリウム(TMG)を含むガスとCH4とH2と酸素と窒素の流量やその比率を変えた以外は、実施例B1と同様に成膜をおこない表面層を形成した有機感光体を作製し、実施例B1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
実施例B1において表面層の形成を、以下のように変更した以外は、実施例B1と同様に成膜をおこない表面層を形成した有機感光体を作製し、実施例B1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
ノンコート感光体表面への表面層の形成は、図4に示す構成を有する成膜装置を用いて行った。
まず、ノンコート感光体を、成膜装置の成膜室10内の基体ホルダー13に載せ、排気口11を介して成膜室10内を、圧力が0.1Pa程度になるまで真空排気した。次に、メタンガスとHeガスと水素ガスと酸素ガスとを混合したガスをガス導入管20から、直径100mmの平板電極19が設けられた高周波放電管部21内に650.05sccm(メタンガス50sccm、水素600sccm、酸素0.05sccm)導入し、高周波電力供給部18およびマッチング回路(図4中不図示)により、13.56MHzのラジオ波を出力100Wにセットしチューナでマッチングを取り平板電極19から放電を行った。この時の反射波は0Wであった。
次に、水素ガスをキャリアガスとしたトリメチルアルミニウム(TMA)を含む混合ガスを、ガス導入管15を介してシャワーノズル16(ノズル直径2mm、ノズル数20個、ノズル間隔20mm、直線状に一列配置)から成膜室10内のプラズマ拡散部17に、トリメチルガリウムガスの流量が2sccmとなるように導入した。この時、バラトロン真空計(MKS社製、絶対圧トランスデューサタイプ622A)で測定した成膜室10内の反応圧力は40Paであった。
実施例B9において、表1に示したようにCH4とH2と酸素の流量やその比率を変えた以外は、実施例B9と同様に成膜をおこない表面層を形成した有機感光体を作製し、実施例B1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
実施例B1で用いたAl基体と同じ外径84mmで厚さが4mmのAl基体上に、n型のSi3Nからなる膜厚3μm厚の電荷注入阻止層と、膜厚20μmのi型のアモルファスシリコン感光層と、p型のSi2Cからなる膜厚0.5μmの電荷注入阻止表面層とをこの順に積層形成した負帯電型のアモルファスシリコン感光体の表面に、実施例B1〜実施例B4各々と同様にして表面層を形成し、負帯電アモルファスシリコン感光体用に帯電電位と現像器を調整したプリンターを用いて実施例B1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
比較例B1として、実施例B1において、表1に示したようにトリメチルガリウム(TMG)を含むガスとCH4とHeとH2と酸素の流量やその比率を変えた以外は、実施例B1と同様に成膜をおこない表面層を形成した有機感光体を作製し、実施例B1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
また、比較例B2として、実施例B5において、表1に示したようにトリメチルガリウム(TMG)を含むガスとCH4とH2と酸素の流量やその比率を変えた以外は、実施例B5と同様に成膜をおこない表面層を形成した有機感光体を作製し、実施例B5と同様にして評価した。結果を表1に示す。
比較例B3として、実施例B10において、表1に示したようにトリメチルアルミニウム(TMA)を含むガスとCH4とHeとH2と酸素の流量やその比率を変えた以外は、実施例B10と同様に成膜をおこない表面層を形成した有機感光体を作製し、実施例B10と同様にして評価した。結果を表1に示す。
なお、比較例B1〜B3の感光体においては、大気中で放置しておくと表面層が酸化する特性を有する傾向にあるが、感光体表面を意図的に酸化処理することなく、画像形成装置に取り付け評価を実施した。
−硬度−
硬度は、サイズが5×10mmのSi結晶の角を赤外吸収スペクトル測定に用いたSi結晶基板に成膜した10×10mmの膜に軽く押し当てて擦った際の膜表面の傷の発生具合を目視により以下の基準で評価した。
G1:傷が全く発生しない。
G2:擦った後の膜表面の観察する角度を変えると、傷らしき擦り後が見られるが実用上問題ないレベル。
G3:目視で容易に確認できる傷が膜表面に観察される。
すべりは、プリントテスト前の感光体表面のすべりをクリーンティッシュー(ベンコット)で擦すった際のすべり具合を官能評価した。評価基準は以下の通りである。
G1:ベンコットと感光体表面との間につっかかる感じが全くなく、すべりが非常に良い。
G2:ベンコットと感光体表面との間に若干つっかかる感じがする場合があるが、基本的にはすべりは良い。
G3:ベンコットと感光体表面との間につっかかる感じがある。
初期耐水性は、成膜直後のSi基板上に形成されたサンプル膜を純水に10秒間浸漬した後に引き上げて、膜の表面状態を目視により観察することにより評価した。評価基準は以下の通りである。
G1:純水への浸漬前後で膜の表面には全く変化は見られない。
G2:純水への浸漬前後で膜の表面に若干変化が見られる干渉色の差がでる。
G3:純水への浸漬前後で膜の表面に変化がみられ、浸漬後の膜の表面が潮解したような後が見られる。
初期接触角は、接触角測定装置CA−Xロール型(協和界面科学社製)を用いて、23℃・55%RHの環境下において成膜直後のSi基板上に形成されたサンプル膜に純水を滴下することにより測定した。なお、場所を変えて3回繰り返し測定した際の平均値を接触角として求めた。
画像上の白筋欠陥を20000枚プリント終了前後の画像について評価した。評価基準は以下の通りである。
G1:白筋状の画像欠陥は殆ど見られない。
G2:感光体の傷に起因すると考えられる白筋状の画像欠陥が3個以上見られる。
G3:感光体の傷に起因すると考えられる白筋状の画像欠陥が10個以上見られる。
画像ボケは、30℃80%の高温高湿環境内で2万枚プリントテスト後に、水溶性である放電生成物を除去するため感光体表面の一部分のみ(外周面の90°の領域(全体の45%))を水拭きした。
その後、ハーフトーン画像(画像密度30%)をプリントし、ハーフトン画像中に感光体表面の水拭きした箇所と水拭きしていない箇所とに対応する濃度差が目視で確認できるか否かにより判断し、濃度差が一見して容易に確認できる場合は画像ボケが発生しているものと判断した。
32 感光体
50 受光素子
54 光導電層
Claims (19)
- 13族元素と炭素と15原子%以上55原子%以下の酸素とを含むことを特徴とする半導体膜。
- 前記酸素を、20原子%以上55原子%以下含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体膜。
- 前記炭素を2原子%以上15原子%以下含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体膜。
- 窒素を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体膜。
- 水素を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体膜。
- 半導体膜本体が有機材料を含む基材上に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の半導体膜。
- 基体と光導電層と電極とを含み、前記基体上に前記光導電層と前記電極とがこの順に積層され、
前記光導電層が13族元素と炭素と15原子%以上55原子%以下の酸素とを含む層を有することを特徴とする受光素子。 - 前記酸素を、20原子%以上55原子%以下含むことを特徴とする請求項7に記載の受光素子。
- 窒素を含むことを特徴とする請求項7に記載の受光素子。
- 前記光導電層が水素を含むことを特徴とする請求項7に記載の受光素子。
- 前記基体が、前記光導電層と接する面側に電極が設けられた有機材料を含むことを特徴とする請求項7に記載の受光素子。
- 基体と、感光層と、表面層とを含み、前記基体上に前記感光層と前記表面層とがこの順に積層され、
前記表面層が13族元素と炭素と15原子%以上55原子%以下の酸素とを含むことを特徴とする感光体。 - 前記酸素を、20原子%以上 55原子%以下を含むことを特徴とする請求項12に記載の感光体。
- 前記炭素を2原子%以上15原子%以下含むことを特徴とする請求項12に記載の感光体。
- 窒素を含むことを特徴とする請求項12に記載の感光体。
- 前記表面層が水素を含むことを特徴とする請求項12に記載の感光体。
- 前記感光層が有機材料を含むことを特徴とする請求項12に記載の感光体。
- 基体と感光層と表面層とを含み前記基体上に前記感光層と前記表面層とがこの順に積層された感光体と、前記感光体を帯電する帯電手段、前記帯電手段を露光して静電潜像を形成する露光手段、前記静電潜像を現像する現像手段、及び前記感光体上の付着物を除去する除去手段からなる群より選択された少なくとも一つと、を一体に有し、画像形成装置本体に脱着自在であり、
前記表面層が13族元素と炭素と15原子%以上55原子%以下の酸素とを含むことを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 基体と感光層と表面層とを含み前記基体上に前記感光層と前記表面層とがこの順に積層された感光体と、前記感光体表面を帯電させる帯電手段と、前記帯電手段により帯電された前記感光体表面を露光して静電潜像を形成する潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、を備え、前記表面層が13族元素と炭素と15原子%以上55原子%以下の酸素とを含むことを特徴とする画像形成装置。
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