JP2008152837A - スタンパの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】多層光記録媒体の製造において使用し、繰り返し使用できる透明スタンパを簡単な工程で製造できる方法を提供する。
【解決手段】透明基板上に透光性の無機レジスト層(化学量論組成から酸素が欠損したW又はMoの酸化物を含むものである)を積層し、該無機レジスト層に露光及び現像を行い、ピット又は案内溝を形成し、次いで、基板及び無機レジストを加熱処理する。
【選択図】図1

Description

本発明は、多層光記録媒体の案内溝、情報ピットを製造する際に用いる透明なスタンパの製造方法に関する。
高記録密度な情報記録再生技術として、CD、DVD、BD等の光ディスクが脚光を浴びている。近年、動画像のデジタル化、装置の小型化と相まって、さらなる記録の高密度化及び大容量化が要求されている。
一般に、光ディスクの記録密度は、記録再生光学系のレーザー光の波長λ及び対物レンズの開口数NAに大きく依存することが知られている。すなわち、信号再生可能な記録ピットの空間周波数は2NA/λ程度となる。そのため、短波長技術や高NA化技術を用いた記録の高密度化の研究が盛んに行われている。例えば、CDでは、記録再生用のレーザー光の波長が780nmであり、レンズの開口数NAが0.45であるので、記録容量は650MBであった。DVD−ROMでは、レーザー光として波長650nmのものを使用し、レンズを開口数NA0.6のものとすることで、該容量は4.7GBとなっている。さらに、BDでは、レーザー光は波長405nmと短く、レンズの開口数NAも0.85であり、記録容量も23GB超まで大容量化が進んでいる。
一方で、記録面を複数積層することで、大容量化を実現しようという研究も盛んに行われている。例えば、DVDやBDでは記録面を二層積層することで二倍の記録容量を実現している。BDでは次世代への高集積化を目指した4層メディアの開発も進んでいる。
従来、公知の多層構成の光記録媒体の製造方法として、次のようなものがある。まず、基板面にピットや案内溝を成形し、反射層や記録層を成膜して、第1の情報記録層を形成する。その後、第1の情報記録層上に紫外線硬化樹脂又はドライフォトポリマー層を形成する(工程1)。その紫外線硬化樹脂又はドライフォトポリマー層に当該記録層に必要な情報(ピット、案内溝等)を担持したスタンパを重ね合わせ、硬化してピットや案内溝を形成し、スタンパを剥離する(工程2)。ピットや案内溝上に半透明膜を形成することにより第2の情報記録層が形成される(工程3)。これらの工程を繰り返すことでさらに第3、第4の記録層が形成される(例えば、特許文献1、非特許文献1等参照)。
上記提案では、記録層(半透明膜)を通して積み重ねられた紫外線硬化型樹脂やドライフォトポリマーを硬化させると照射する紫外線が減衰するので、スタンパを紫外線に対し透明なもの(透明スタンパ)とし、スタンパ側から紫外線を照射する必要があった。
透明スタンパとしては、通常、樹脂製のものが用いられているが、生産性や品質上樹脂製スタンパを再利用することが困難で、層形成に使用される毎にスタンパは使い捨てられるので、コストが高くなる問題があった。
また、エッチングによりガラス素材に情報パターンに対応したパターンを形成して、これを透明スタンパとして使用する方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
このガラス製の透明スタンパの製造法は図3に示すようなものである。
まず、石英ガラス基板71上にフォトレジスト72を均一に塗布する(図3(1))。次に、このフォトレジスト72にレーザー光73を用いて情報パターンに対応したパターンを記録し(図3(2))、続いて現像処理により所望のパターンを担持したフォトレジスト72とする(図3(3))。フォトレジスト72面よりこの石英ガラス基板71にCF4ガスプラズマ74でドライエッチングを行い、所望の深さで停止させる(図3(4))。その後、残存するフォトレジスト72を酸素(O2)によりアッシング除去し、ガラス製の透明スタンパを得る(図3(5))。
特許文献2記載のこの方法では、透明スタンパの繰り返し利用が可能となるが、透明スタンパ製造にはドライエッチング工程やアッシング工程などの複雑な工程管理が必要である。また、ドライエッチングに用いるCF4ガスやCHF3ガスは、温室効果ガスであり、使用が制限されているので、好ましくは使用しないことが望ましい。さらに、この方法ではガラス基板に直接パターンを形成してしまうので、ガラス基板の再利用には、研磨して再生する必要がある。
本発明者は、上記問題点に鑑み、透明ガラス基板上に、酸化タングステンWOを含むレジストを用いて情報パターンに対応したパターンを形成して、これを透明スタンパとして使用する方法を見出した(特願2006−20895)。
この手順を図4により説明する。
ガラス基板11上にレジスト12を形成する(図4(1))。レジストとしては、化学量論組成から微量に酸素が欠損した組成のWO又はモリブデンMoが添加されたWMoOを用いる。
WO、WMoO及びMoOは、化学量論組成においては紫外線に対して吸収が著しく小さいが、化学量論組成から僅かでも酸素含有量がずれると、紫外線に対する吸収が大きくなる。したがって、化学量論組成から微量に酸素を欠損させたWO、WMoO、MoOは、紫外光を吸収し発熱する。それによりWO、WMoO、MoOは状態が変わり、露光部と未露光部とでアルカリ溶液に対する溶解性に差が現れる。すなわち、WO、WMoO、MoOの薄膜は紫外線露光することにより、アルカリ溶液に対するエッチング速度が変化し、レジストとして機能する。
また、このレジスト成分は低分子であるために、高分子からなる有機レジストに比べて未露光部と露光部との境界が明瞭となるので、高精度なレジストパターンを得ることができる。
上記したように、WO、WMoO及びMoOは、酸素欠損量が少なく化学量論組成に近い組成では光線透過率が高く、酸素欠損量が多くなるに伴い光線透過率が低くなる。また、WO、WMoO及びMoOは、紫外線領域では、波長が短いほど吸収率は大きい。
したがって、WO、WMoO及びMoOの組成と膜厚を調整し、露光用の光に対して充分な吸収率を持たせ、中間層用の光反応性硬化樹脂の硬化に用いる光(スタンパとして使用する際に使用される紫外線)に対しては硬化に充分な透過率を持たせることができる。
WOは成膜条件を変えることで、ポジ型レジストとしてもネガ型レジストとしても機能する。また、WOに対してMoを添加すると、露光時の感度を高くすることができる。
図4(2)はガラス基板11とレジスト12を斜め上から見た状況を示している。露光用の光13をレジストに集光させ、ガラス基板を回転させながら、露光用の光をガラス基板の半径方向14に移動させ、レジスト上に螺旋状に情報パターン(ピットや案内溝)に対応した露光パターンを形成する。露光領域の膜質は、図4(3)に示すように変化する。ここで、所望の溝深さが得られる条件で現像を行うことで情報パターン(ピットや案内溝)を得る(図4(4))。こうして得られたガラス基板上にレジストで情報パターン(ピットや案内溝)を形成した状態のものを透明スタンパ15として使用する。
この透明スタンパ15は、従来透明スタンパを製造するために必要とされる電鋳装置、裏面研磨装置、射出成型機、RIE装置等を使用する必要が無く、成膜及び露光現像と言う簡便な方法で製造することができる。また、該透明スタンパ15は、低分子レジストを用いているため高精度な情報パターンを有している。
次に、中間層用の光反応性硬化樹脂17が塗布された支持基板16と、透明スタンパ15とを重ね合わせ、その後、該透明スタンパ15を通して紫外線を照射することによって、光反応性硬化樹脂17を硬化させる(図4(5))。その後、支持基板16から透明スタンパ15を剥離することで情報パターン18が光反応性硬化樹脂17上に形成される。
この透明スタンパは、無機材料でできているため、紫外線によって劣化することなく、繰り返し使用することができる。
ところが、鋭意検討をしたところ、紫外線に対する透過率が高くなるような酸素含有量が多い組成のWO、WMoO、Moでは、情報パターン(ピットや案内溝)を高速度で露光するとピットや案内溝の形状が悪化してしまうという課題が見つかった。
さらに、酸素含有量が少ない組成では、高速度で露光しても良好な形状のピットや案内溝が得られることが新たに発見された。ところが、この酸素含有率が少ない組成では紫外線に対する透過率が低くなってしまい、光反応性硬化樹脂を硬化させるために必要な時間が長くなってしまうという課題も見つかった。
高速露光及び紫外線照射時間を短時間化、すなわち、酸素含有量を少なくした状態で高速露光・現像を行い(形状良好)、その後加熱処理することで透過率UPさせる。すると紫外線効果に要する時間を少なくできる。
特開2003−203402号公報 特開平01−188332号公報 松下テクニカルジャーナル、Vol.50(No.5)、Oct.2004、p.64〜68
したがって、本発明の目的は、繰り返し使用が可能である透明スタンパを簡単な工程で製造できる方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討し、上述の酸化物からなる無機レジストを加熱処理すると、光反応性硬化樹脂を硬化させるのに用いる光に対する透過率を高めうることを見出し、さらに検討して、本発明に至った。
すなわち、本発明は、下記構成を有するものである。
(1)多層光記録媒体の製造に用いられるスタンパの製造方法であって、
a)透光性を有する基板上に透光性の無機レジスト層を積層する工程、
b)該無機レジスト層に露光及び現像を行い、ピット又は案内溝を形成する工程、及び、
c)基板及び無機レジストに加熱処理を行う工程
を有することを特徴とするスタンパの製造方法。
(2)前記無機レジスト層が、化学量論組成から酸素が欠損したタングステン亦はモリブデンの酸化物を含むものであることを特徴とする上記のスタンパの製造方法。
(3)前記基板が、ガラス、石英又は透明セラミックであることを特徴とする上記のスタンパの製造方法。
(4)前記加熱処理が、酸素の存在下で行われることを特徴とする上記のスタンパの製造方法。
本発明によれば、簡単な工程で作製でき、かつ、繰り返し使用が可能な透明スタンパが提供できる。また、本発明によれば、使い捨てのスタンパが無くなるため、光ディスクの低コスト化を図ることができる。また、本発明によれば、透明スタンパの透過率を高くすることができるので、光ディスクの製造タクトが短縮される。
本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明による光ディスク製造用の透光性を有する透明なスタンパの製造方法を説明する模式図である。
まず、透明基板11上に無機材料からなるレジスト12を形成する(図1(1))。
透明基板としては、ガラス、石英、透明セラミック基板等の透光性を有する基板を用いることができる。また、透明基板としては、情報パターンを転写させる際に十分な強度及び透光性があれば良い。
レジストとしては、化学量論組成から酸素が欠損した組成のWO、Moが添加されたWMoO、MoO等を含む無機レジストを用いる。例えば、WOxターゲットをArガスとO2ガスの雰囲気中でスパッタリングすることで酸素が欠損したWO膜が形成できる。なお、該組成はArガスとO2ガスの比率を変えることで調整可能である。膜厚はスパッタリング時間で調整する。ここでは、露光時のレジスト膜厚や露光光に対する吸収率は限定されない。また、露光光の波長も限定されない。露光によってレジストの膜質を変化させることができるような条件(波長、線速、パワー)とレジスト条件の組み合わせで選ぶことが好ましい。
図1(2)は、ガラス基板11にレジスト12を堆積したものを斜め上から見た図である。ここで、露光用の光13をレジストに集光させ、ガラス基板を回転させながら、露光用の光をガラス基板の半径方向14に移動させることで、レジスト上に螺旋状に情報パターン(ピットや案内溝)に対応した露光パターンを形成する。ここでは、レジスト膜は露光領域で図1(3)に見られるように膜質が変化する。
次に、所望の溝深さが得られる条件で現像を行い、情報パターン(ピットや案内溝)を形成する(図1(4))。この状態では、透明スタンパは光反応性硬化樹脂の硬化に使用する光に対して透過率は十分でなくて良い。
本発明では、情報パターンが形成された透明スタンパを、例えば加熱処理用オーブン中にて加熱処理する(図1(5))。加熱処理することで、レジストを構成するWO等が酸素と反応することで酸素含有量が多くなるため、光反応性硬化樹脂を硬化させる光に対する透過率を高くすることができる。
加熱処理は時間をかけるほど該透過率が上がり、やがて飽和する。しかし、加熱処理は高い温度で行うと、該透過率が飽和する時間が短くなるが、高くしすぎると、スタンパの表面形状が悪化してしまうことがある。加熱処理の温度と時間を適宜選択して、該透過率が高くなる組み合わせとする。この加熱処理は、酸素の存在下で、すなわち、空気中で行なうと効果があり、酸素雰囲気中で行うとより短時間の処理で有効である。
なお、本加熱処理においては、光反応性硬化樹脂を硬化させるのに照射する紫外光のうち最も有効な波長での透過率を20%以上、より好ましくは45%以上となるようにする。このような加熱処理としては、典型的には200℃から350℃の温度範囲で、10分から4時間の間で行う。
加熱処理されたレジストは酸素と反応しているため、レジストの表面ほど酸素含有量が多い。そのため、レジストの表面から離れるにしたがって酸素含有量が少なくなり、光反応性硬化樹脂を硬化させる光に対する透過率が小さくなる。さらに、表面からの距離が同じ箇所では均一な透光性を持つ。
本発明による透明スタンパは、加熱処理を行う工程を追加するだけでよく、従来透明スタンパを製造するために必要とされる電鋳装置、裏面研磨装置、射出成型機、RIE装置を使用する必要が無く、成膜及び露光現像という簡便な方法で製造することができる。また、本発明による透明スタンパは、低分子レジストを用いているため高精度な情報パターンを得ることができる。
上記にて作成した透明スタンパ15を、中間層用の光反応性硬化樹脂17が塗布された支持基板16と、透明スタンパ15とを重ね合わせる。その後、透明スタンパ15を通して紫外線を照射して、光反応性硬化樹脂17を硬化させる(図1(6))。これにより、透明スタンパ15に形成された情報パターンを中間層用の光反応性硬化樹脂17に転写することができる。そして、本発明による透明スタンパは、加熱処理により、光反応性硬化樹脂を硬化させる光に対する透過率を高くしてあるので、より短時間で光反応性硬化樹脂17を硬化させることが可能になる。
その後、支持基板から透明スタンパ15を剥離し、情報パターン18が光反応性硬化樹脂上に形成された支持基板が得られる。
以下、実施例にて、本発明を説明する。
実施例1
透明基板として、厚さ1mm、外径120mm、内径15mmの石英基板を用いた。まず、石英基板上に、Wを含んだWOxターゲットを、Arガス50sccmとO2ガス5sccmの雰囲気中でスパッタリングして、WO膜を形成した。なお、膜厚は100nmであり、351nmの紫外光(露光光)に対する吸収率は75%であった。
次に、露光用の光をWO膜レジストに集光させ、石英基板を回転させながら、露光用の光を石英基板の半径方向に移動させて、WO膜レジスト上にL1層情報パターン(ピットや案内溝)に対応した露光パターンを形成した。なお、データ記録領域の露光条件は、線速4.9m/s、パワー3.0mWとした。また、トラックピッチTPは320nmとした。
次に、アルカリ現像液を用いて、データ記録領域の溝深さがd=20nmになるように現像を行い、スタンパ40を製造した。ここでは、露光部である、情報トラック側がスタンパ基板に対して凹になっていた(ポジ型)。
ここで作成されたスタンパは、現像後の状態で350nmから400nmの間の波長の光に対して透過率は最高15%であった。
次に、このスタンパを空気雰囲気中300℃で10分間加熱処理をした。その結果、スタンパ40は透過率が上がり、350nmから400nmの間の波長の光に対して最高20%の透過率となった。
次に、図2を用いて、2つの情報記録面L0層、L1層を有する光ディスクの製造について説明する。
図2は中心孔を有する回転対称なディスク状の断面図の片側半分を示すものであり、基板やスタンパの中心孔は省略されている。また、全ての工程は、記録再生用の光束入射面を下にして図示している。
まず、射出成型により、L0層の情報パターン42(ピットや案内溝)が形成されている厚さ1.1mm、直径120mm、中心孔径15mmのポリカーボネート(PC)基板41を形成した(図2(1))。なお、本例では情報トラックが凸になっている。
次に、L0層情報パターン42上にL0層記録膜43を成膜した(図2(2))。L0層記録膜43は、典型的には、光を透過しない反射膜か反射膜を含んで構成される。なお、本例では、L0層記録膜は、スパッタリング法により、L0反射膜、誘電体膜、L0記録膜及び誘電体膜の順に成膜したものである。
そのL0層記録膜43上にL0層とL1層との間の中間層を構成するための中間層用2p樹脂(光反応性硬化樹脂)44を25μmの厚さで塗布した(図2(3))。
この中間層用2p樹脂43の上に、上記で作成した透明スタンパ40を重ね合わせ、透明スタンパ40を通して紫外線照射し、中間層用2p樹脂を硬化させた(図2(4))。なお、この透明スタンパは、L1層情報パターン45(ピットや案内溝)が形成され、また、情報トラックがスタンパに対して凹に形成されている。ここで、PC基板41と透明スタンパ40の位置合わせは、中心孔(図示せず)を用いて行った。さらに、中間層1用2p樹脂44の硬化に必要な紫外線照射時間は5秒未満であった。
なお、中間層用2p樹脂44は、PC基板41側でなく、透明スタンパ40上に塗布されて、PC基板41に重ね合わされても良い。
中間層用2p樹脂44を硬化した後、透明スタンパ40を剥離して、L1層情報パターン45を中間層用2p樹脂44表面に形成した(図2(5))。透明スタンパ40は、UV光束を照射しても劣化することはなく、繰り返し使用することが可能であった。
L1層情報パターン45にL1層記録膜46を成膜した(図2(6))。なお、L1層記録膜46は、半透明膜で構成されている。ここでは、スパッタリング法により、L1高屈折率膜、L1反射膜、L1誘電体膜、L1記録膜、誘電体膜の順に成膜した。
最後に、L1層記録膜46上に、カバーシート用2p樹脂47を塗布し、紫外線硬化してカバーシート(樹脂保護層)を構成し、2層構成の光記録媒体が作成された(図2(7))。なお、カバーシート用2p樹脂の厚みは75μmとした。
こうして作製した2層構成の光ディスクに対して、レーザー波長405nm、対物レンズのNA0.85の光学系を用いて、線速4.92m/sにおいて、容量25GBの(1−7)変調のランダムデータを用いて信号の再生評価を行った。リミットイコライザで透過してData to Clockでジッタを測定したところ、L0層では6.0%、L1層では6.7%の値が得られた。
実施例2
透明スタンパ40の加熱処理の時間を、30分間とした以外は、実施例1と同様の方法で透明スタンパ40を製造した。得られた透明スタンパ40の透過率は上がり、350nmから400nmの間の波長の光に対して最高34%の透過率が得られた。
この透明スタンパ40を用いて、実施例1と同様に光ディスクを製造した。なお、中間層用2p樹脂44を硬化させるのに必要な紫外線照射時間は2秒未満で十分であった。また、得られた光ディスクは実施例1と同等の特性が得られた。
実施例3
透明スタンパ40の加熱処理の時間を3時間とした以外は、実施例1と同様の方法で透明スタンパ40を製造した。得られた透明スタンパ40の透過率がさらに上がり、350nmから400nmの間の波長の光に対して最高40%の透過率が得られた。
この透明スタンパ40を用いて、実施例1と同様に光ディスクを製造した。なお、中間層用2p樹脂44を硬化させるのに必要な紫外線照射時間は2秒未満であり、照射強度を下げることも可能であった。また、得られた光ディスクは実施例1と同等の特性が得られた。
実施例4
透明スタンパ40の加熱処理の時間を4時間とした以外は、実施例1と同様の方法で透明スタンパ40を製造した。得られた透明スタンパ40の透過率は、350nmから400nmの間の波長の光に対して最高41%の透過率が得られた。
この透明スタンパ40を用いて、実施例1と同様に光ディスクを製造した。なお、中間層用2p樹脂44を硬化させるのに必要な紫外線照射時間は2秒未満であり、照射強度を実施例3の場合よりさらに下げることも可能であった。また、得られた光ディスクは実施例1と同等の特性が得られた。
実施例5
加熱処理を空気雰囲気中から酸素雰囲気中に変えた以外は、実施例1と同様の方法で透明スタンパ40を製造した。透明スタンパ40の透過率は上がり、350nmから400nmの間の波長の光に対して最高41%の透過率が得られた。
この透明スタンパ40を用いて、実施例1と同様に光ディスクを製造した。なお、中間層用2p樹脂44を硬化させるのに必要な紫外線照射時間は2秒未満であり、照射強度を下げることも可能であった。また、得られた光ディスクは実施例1と同等の特性が得られた。
実施例6
加熱処理の加熱温度を350℃に変えた以外は、実施例1と同様の方法で透明スタンパ40を製造した。得られた透明スタンパ40の透過率は上がり、350nmから400nmの間の波長の光に対して最高34%の透過率が得られた。
この透明スタンパ40を用いて、実施例1と同様に光ディスクを製造した。なお、中間層用2p樹脂44を硬化させるのに必要な紫外線照射時間は2秒未満であった。また、得られた光ディスクは実施例1と同等の特性が得られた。
比較例1
実施例1で作成した、加熱処理前の透明スタンパ40をそのまま用いて、実施例1と同様に光ディスクを製造したところ、中間層用2p樹脂44を硬化させるために、必要な紫外線照射時間は60秒であった。なお、このスタンパ40の350nmから400nmの間の波長の光に対する透過率は最高15%であった。
実施例7
WO膜の形成条件、及び露光条件を変えた以外は、実施例5と同様の方法で透明スタンパ40を製造した。なお、WO膜の形成は、Arガス50sccmとO2ガス10sccmの雰囲気中で行った。また、露光光は351nmの波長の光を用い、この波長に対してのWO膜の吸収率は70%であった。さらに、露光部への露光条件は、線速4.9m/s、パワー3.2mWとした。
アルカリ現像液での現像は、データ記録領域の溝深さがd=20nmになるように行ったが、露光部はスタンパ基板に対して凸になっていた(ネガ型)。すなわち、情報トラック側が凹状になった。また、透明スタンパ40は、現像後で350nmから400nmの波長の光に対して最高19%の透過率であり、加熱処理後は350nmから400nmの波長の光に対して最高45%の透過率であった。
次に、加熱処理後の透明スタンパ40を用い、実施例5と同様に光ディスクを製造した。なお、中間層用2p樹脂44を硬化させるために、必要な紫外線照射時間は2秒未満であり、さらに紫外線照射強度を弱くすることが可能であった。また、得られた光ディスクは実施例5と同等の特性が得られた。
比較例2
実施例7で作成した、加熱処理前の透明スタンパ40をそのまま用いて、実施例7と同様に光ディスクを製造したところ、中間層用2p樹脂44を硬化させるために、必要な紫外線照射時間は5秒強であった。なお、このスタンパ40の350nmから400nmの間の波長の光に対する透過率は最高19%であった。
比較例3
WO膜の形成条件、及び露光条件を変え、加熱処理をしなかった以外は、実施例7と同様の方法で透明スタンパを製造した。なお、WO膜の形成は、Arガス50sccmとO2ガス40sccmの雰囲気中で行った。また、露光光は351nmの波長の光を用い、この波長に対してのWO膜の吸収率は10%であった。さらに、露光部への露光条件は、線速4.9m/s、パワー5.7mWとした。
アルカリ現像液での現像は、データ記録領域の溝深さがd=20nmになるように行った。露光部はスタンパ基板に対して凸になっていた(ネガ型)。また、透明スタンパは、現像後で350nmから400nmの波長の光に対して最高80%の透過率であった。
次に、前記透明スタンパを用い、実施例7と同様に光ディスクを製造したところ、中間層用2p樹脂44を硬化させるために、必要な紫外線照射時間は2秒未満であった。しかし、本比較例では、高速で露光したために、案内溝の形状が悪化してしまい、L1層のジッタが7.5%と悪化してしまった。
このように、酸素含有量が多いレジストでは、高速度で露光するとピットや案内溝の形状が悪化してしまう。
実施例8
本実施例8では、レジストをMoOとした。なお、MoOを含んだレジストは、露光用の光を照射することで膜の状態が変わりアルカリ溶液で現像することにより、露光部が凹となるポジ型レジストである。
透明基板として、厚さ1mm、外径120mm、内径15mmの石英基板を用いた。まず、石英基板上に、Moを含んだMoOxターゲットを、Arガス50sccmとO2ガス6sccmの雰囲気中でスパッタリングして、MoO膜を形成した。なお、膜厚は100nmであり、351nmの紫外光(露光光)に対する吸収率は70%であった。
次に、露光用の光をMoO膜レジストに集光させ、石英基板を回転させながら、露光用の光を石英基板の半径方向に移動させて、MoO膜レジスト上にL1層情報パターン(ピットや案内溝)に対応した露光パターンを形成した。なお、データ記録領域の露光条件は、線速4.9m/s、パワー2.8mWとした。また、トラックピッチTPは320nmとした。
次に、アルカリ現像液を用いて、データ記録領域の溝深さがd=20nmになるように現像を行い、スタンパを製造した。ここで作成したスタンパは、現像後の状態で350nmから400nmの間の波長の光に対して透過率は最高20%であった。
次に、このスタンパを空気雰囲気中300℃で10分間加熱処理をした。その結果、スタンパは透過率が上がり、350nmから400nmの間の波長の光に対して最高46%の透過率となった。
次に、加熱処理後の透明スタンパを用い、実施例5と同様に光ディスクを製造した。なお、中間層用2p樹脂44を硬化させるために、必要な紫外線照射時間は2秒未満であり、さらに紫外線照射強度を弱くすることが可能であった。また、得られた光ディスクは実施例5と同等の特性が得られた。
なお、本発明では、WO、WMoO、MoO等を含む無機レジストを用いたが、加熱処理により、光反応性硬化樹脂を硬化させるのに用いる光に対する透過率を高めうることが可能な材料であれば、いずれでも使用可能である。
本発明の光ディスク製造用透明スタンパを製造する工程を説明する模式図である。 2層光ディスクを製造する工程を説明する模式図である。 従来のガラス基板をドライエッチングして透明スタンパを製造する工程を説明する模式図である。 従来例のWOレジストを用いて透明スタンパを製造する工程を説明する模式図である。
符号の説明
11 透明基板
12 レジスト(酸素が欠損したWO、WMoO又はMo膜)
13 露光用の光(露光光)
14 ガラス基板の半径方向
15 透明スタンパ
16 支持基板
17 光反応性硬化樹脂
18 情報パターン
40 透明スタンパ
41 ポリカーボネート(PC)基板
42 L0層情報パターン
43 L0層記録膜
44 中間層用2p樹脂
45 L1層情報パターン
46 L1層記録膜
47 カバーシート用2p樹脂
71 石英ガラス基板
72 フォトレジスト
73 レーザー光
74 CF4ガスプラズマ

Claims (4)

  1. 多層光記録媒体の製造に用いられるスタンパの製造方法であって、
    a)透光性を有する基板上に透光性の無機レジスト層を積層する工程、
    b)該無機レジスト層に露光及び現像を行い、ピット又は案内溝を形成する工程、及び、
    c)基板及び無機レジストに加熱処理を行う工程
    を有することを特徴とするスタンパの製造方法。
  2. 前記無機レジスト層が、化学量論組成から酸素が欠損したタングステン又はモリブデンの酸化物を含むものであることを特徴とする請求項1に記載のスタンパの製造方法。
  3. 前記基板が、ガラス、石英又は透明セラミックであることを特徴とする請求項1に記載のスタンパの製造方法。
  4. 前記加熱処理が、酸素の存在下で行われることを特徴とする請求項1に記載のスタンパの製造方法。
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