JP2008282472A - 透明スタンパ - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、現在ある比較的安価な製造装置を用いて、多層光記録媒体の製造用に用いられるスタンパの製造方法において透過率が高く製造時間の短縮が図られる透明スタンパを提供することにある。
【解決手段】本発明は、透明基板上に化学量論組成から微量に酸素が欠損した組成の酸化タングステンWO、酸化モリブデンMoO、または、タングステンにモリブデンが添加された酸化物WMoOからなる無機レジスト膜上に形成されたパターンを光反応性硬化樹脂に転写する透明スタンパであって、前記パターンが形成された前記無機レジスト膜上に透過率増大膜を有し、前記透過率増大膜により、前記透明基板の前記無機レジスト膜が形成された面に対向する側から入射される前記光反応性硬化樹脂を硬化させる光の前記透明スタンパの透過率を増大させることを特徴とする透明スタンパである。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明は、透明基板上に化学量論組成から微量に酸素が欠損した組成の酸化タングステンWO、酸化モリブデンMoO、または、タングステンにモリブデンが添加された酸化物WMoOからなる無機レジスト膜上に形成されたパターンを光反応性硬化樹脂に転写する透明スタンパであって、前記パターンが形成された前記無機レジスト膜上に透過率増大膜を有し、前記透過率増大膜により、前記透明基板の前記無機レジスト膜が形成された面に対向する側から入射される前記光反応性硬化樹脂を硬化させる光の前記透明スタンパの透過率を増大させることを特徴とする透明スタンパである。
【選択図】 図1
Description
本発明は、多層光記録媒体の製造に用いる透明スタンパに関する。
音声信号をデジタル信号として記録する光記録媒体として開発されたコンパクトディスク(以下、CDと略す)は、音声信号以外のデジタル信号の記録媒体としても使用されている。デジタル信号を記録する媒体は、パーソナルコンピューターのバックアップ、画像記録等の要求により、記録密度の向上が求められ、デジタル多用途ディスク(Digital Versatile Disc:以下、DVDと略す)が開発された。
しかしながら、テレビの高精細化およびデジタル化に伴い、更なる、高密度化が要求されている。
一般に、光記録媒体の記録密度は、記録再生光学系のレーザ光の波長λ及び対物レンズの開口数NAに大きく依存する。即ち、信号再生可能な記録ピットの空間周波数は2NA/λ程度となる。そのため、短波長技術や高NA化技術を用いた高記録密度化の研究が盛んに行われている。例えば、CDでは記録再生用のレーザ光の波長が780nm、レンズの開口数が0.45で650〜700MBであったが、DVDではレーザ光の波長が650nm、レンズの開口数が0.6で4.7GBの容量となっている。
DVDの容量を更に拡大するため、記録再生光学系のレーザ波長を405nmに短波長化した、Blu−lay DISK(登録商標)(以下、BDと略す)およびHigh Definition DVD(登録商標)(以下、HD DVDと略す)の2通りの規格が決められている。
HD DVDは、開口数0.65のレンズを用い、BDでは開口数0.85のレンズが用いられている。開口数の大きなレンズを用いているBDの方が記録容量を大きく取れ、HD DVDの一層の記録容量が15GBであるのに対し、一層で25GB超の記録容量が得られている。
一方で、2層以上の記録層を積層することで、大容量化を実現しようという研究も盛んに行われている。例えば、DVDやBDでは記録層を2層積層することで2倍の記録容量を実現している。BDでは次世代への高集積化を目指した4層以上の記録媒体の開発も進んでいる。
BDの記録層を複数積層する方法として、特許文献1、非特許文献1に2層構造のBDの製造方法が開示されている。2層目の樹脂にフォトポリマー(Photopolymer:以下2P樹脂と略す)を用い、2P樹脂にピットや案内溝等からなる信号パターンを転写するので、この製造方法は、2P法と呼ばれている。
以下、特許文献1、非特許文献1に開示された、2P法による多層記録媒体の製造方法を説明する。
まず、基板上に信号パターンを形成後、反射層や記録層を成膜し、第1の情報記録層を形成する。その後、
(1)第1の情報記録層上に2P樹脂層を形成する。2P樹脂としては、アクリル系樹脂、カチオン系樹脂、熱硬化性樹脂、又は、紫外線硬化樹脂等を用いることができる。以下の説明では、紫外線を用いて2P樹脂層を硬化させる方法で説明するので、紫外線硬化樹脂を用いる。
(2)紫外線硬化樹脂に透明な樹脂スタンパを重ね合わせ、樹脂スタンパに形成された信号パターンを2P樹脂表面に転写する。その後、樹脂スタンパを介して紫外線を照射し、紫外線硬化樹脂を硬化させた後、樹脂スタンパを剥離する。
(3)その後、信号パターン上に反射膜や記録膜を形成し、第2の情報記録層を形成した後、保護膜を形成する。
(1)第1の情報記録層上に2P樹脂層を形成する。2P樹脂としては、アクリル系樹脂、カチオン系樹脂、熱硬化性樹脂、又は、紫外線硬化樹脂等を用いることができる。以下の説明では、紫外線を用いて2P樹脂層を硬化させる方法で説明するので、紫外線硬化樹脂を用いる。
(2)紫外線硬化樹脂に透明な樹脂スタンパを重ね合わせ、樹脂スタンパに形成された信号パターンを2P樹脂表面に転写する。その後、樹脂スタンパを介して紫外線を照射し、紫外線硬化樹脂を硬化させた後、樹脂スタンパを剥離する。
(3)その後、信号パターン上に反射膜や記録膜を形成し、第2の情報記録層を形成した後、保護膜を形成する。
透明スタンパ側から紫外線を照射する必要があり、特許文献1、非特許文献1では、透明スタンパとしては樹脂製スタンパが用いられる。しかし、樹脂製スタンパの場合、生産性や品質上を再利用することが困難なため、樹脂製スタンパを使い捨てにするという問題があった。
この問題を解消するものとして、特許文献2では、エッチングによりガラス素材に情報パターンに対応したパターンを形成して、これを透明スタンパとして使用する方法が提案されている。
特許文献2の方法で製造された透明スタンパは繰り返し利用が可能となるが、ドライエッチング工程やアッシング工程の複雑な工程管理が必要となってしまう。また、ドライエッチングに用いられるCF4ガスやCHF3ガスは、温室効果ガスとして知られており、これらのガスは使用しないことが望ましい。さらに、上記方法ではガラス素材に直接パターンを形成してしまうので、ガラス素材を再利用する際は、研磨を行う必要があった。
一方、タングステン等の金属酸化物から成る無機レジストが特許文献3に開示されている。この無機レジストは、酸素の含有量を選択することで紫外線を透過する膜が得られることが知られている。紫外線を透過する金属酸化物からなるレジストを例えば石英基板上に形成し、スタンパを形成することで透明スタンパが形成することができる。
特許文献3の無機レジストを用いた透明スタンパを用いて2P樹脂にパターンを転写することで樹脂製スタンパの使い捨てにする問題が解決する。
以下、特許文献3で開示された無機レジストを用いた透明スタンパを用い、2P樹脂にパターンを転写する方法を、図7を用いて以下に説明する。
透明スタンパ20は、透明基板11と透明基板11上にピット又は案内溝を形成する透光性の無機レジスト膜12を設けた構成の原盤を用いて、無機レジスト膜12に露光及び現像を行うことでピット又は案内溝を形成し透明スタンパ20が形成される。
さらに、透明スタンパ20を用いた多層光記録媒体の製造方法は、図7に示すように、基板15上に記録層(不図示)を成膜した後に該記録層上に光反応性硬化樹脂からなる中間層14を塗布する。その後、透明スタンパ20のピット又は案内溝が形成された無機レジスト膜12と中間層14とを対向する様に配置し、透明スタンパ20を中間層14に押圧する。その後、透明スタンパ20の無機レジスト膜12が形成されている面と対向する側から中間層14を硬化させる光16を入射し、中間層14を硬化させる。
透明スタンパは、無機レジスト膜12をパターニングする際に使用される露光光に対して10%以上の吸収率を有し、透明スタンパ20として使用する際に使用される紫外線16、特に硬化時に必要な波長365nmの紫外線16に対して19%以上の透過率を有するように調整される。
特開2003−203402号公報
特開平1−188332号公報
特開2005−203052号公報
松下テクニカルジャーナル、Vol.50、No.5、Oct.2004、p.64〜68
上述の透明スタンパ20は、無機レジスト膜12をパターニングする際に使用される露光光に対して10%以上の吸収率を有し、透明スタンパ20として使用する際に使用される紫外線16、特に硬化時に必要な波長365nmの紫外線16に対して19%以上の透過率を有するように調整される。
しかしながら、このような低い透過率を有するスタンパを用いた場合、光反応性硬化樹脂層を硬化させるために必要な硬化時間は5秒以上必要であり、透過率が40%であっても2秒かかる。
生産性を考慮すると硬化時間は短い方が好ましい。硬化時間を短くするためには同じ照射エネルギーであれば透過率が高い方が良いことは当業者にはよく知られていることである。そこで、生産性を向上するために透過率を高くする必要があるという課題があった。
また、図8に示すように無機レジスト材料の屈折率が高いため、膜厚により透過率が大きく変化し同じ程度の透過率が得られる膜厚のマージンが狭いという課題があった。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、現在ある比較的安価な製造装置を用いて、多層光記録媒体の製造用に用いられるスタンパの製造方法において透過率が高く製造時間の短縮が図られる透明スタンパを提供することにある。
本発明は、透明基板上に化学量論組成から微量に酸素が欠損した組成の酸化タングステンWO、酸化モリブデンMoO、または、タングステンにモリブデンが添加された酸化物WMoOからなる無機レジスト膜上に形成されたパターンを光反応性硬化樹脂に転写する透明スタンパであって、前記パターンが形成された前記無機レジスト膜上に透過率増大膜を有し、前記透過率増大膜により、前記透明基板の前記無機レジスト膜が形成された面に対向する側から入射される前記光反応性硬化樹脂を硬化させる光の前記透明スタンパの透過率を増大させることを特徴とする透明スタンパである。
パターニングされた無機レジスト層上に透明な誘電体からなる透過率増大膜を形成することにより光反応性硬化樹脂の硬化時間が短縮された透明スタンパの提供が可能となった。
更に、無機レジスト膜厚に対する透過率のマージンが広げられるという効果を持っている。
この結果、光ディスクが安価になり短時間で製造可能なため生産性の向上が図られる。
本発明者は、透明基板上に化学量論組成から微量に酸素が欠損した組成のタングステン、モリブデンあるいはタングステンのモリブデンが添加された酸化物を無機レジスト膜として用いた透明スタンパについて詳細な検討を行った。この透明スタンパの、無機レジスト膜上に形成されたパターンが形成されている。この無機レジスト上に、透過率増大膜を形成する。この結果、透明基板の無機レジスト膜が形成された面と対向する面から入射される、光の透過率を増大させることを見いだした。透明スタンパの光硬化性樹脂膜を硬化させる光の透過率が増大するので、光硬化樹脂の硬化時間を短縮することができる。
以下、本発明の透明スタンパを用いた微細パターン形成方法について、図1を参照しながら詳細に説明する。
本発明の透明スタンパ20は、透明基板11上にピット又は案内溝からなる凹凸パターンが形成された無機レジスト膜12が形成され、無機レジスト膜12上に透過率増大膜13が形成されている。
透過率増大膜13と、基板15上に形成された光反応性樹脂からなる中間層14と、を対向する様に配置し、透明スタンパ20を中間層14に押圧する。その後、透明スタンパ20の無機レジスト膜12が形成されている面と対向する側から中間層14を硬化させる光16を入射し、中間層14を硬化させる。
透明基板11としてはガラス基板、石英基板、透明セラミック基板等を用いることができる。また、透明基板11は、情報信号パターンを転写させる際に充分な強度及び透過率があれば良く、例えば、厚さが0.5mm以上20mm以下、直径80nm以上120mm以下、中心孔径10mm以上15mm以下のものが好適である。透過率は、分光光度計を用いることにより測定可能である。
無機レジスト膜12としては、特許文献3に記載されているように化学量論組成から微量に酸素が欠損した組成の酸化タングステンWO、酸化モリブデンMoOまたはタングステンにモリブデンが添加された酸化物WMoOを用いることができる。
WOまたはWMoOの酸化物は、化学量論組成においては紫外線に対して吸収が著しく小さいが、化学量論組成から僅かでも酸素含有量がずれると、紫外線に対する吸収が大きくなることが知られている。よって、化学量論組成から微量に酸素を欠損させたレジストは、露光用の光を吸収することにより熱によって膜の状態が変わり、露光部と未露光部とでアルカリ溶液に対するエッチングレートが変化し、レジストとして機能する。
また、上述のレジストは低分子であるために、高分子からなる有機レジストに比べて未露光部と露光部との境界が明瞭となるので、高精度なレジストパターンを得ることができる。
形成される無機レジスト膜12の厚さは、所望の凹凸となる厚さになるように調整すればよく、例えば、20nm以上1000nm以下とすることが好ましい。1000nmよりも厚いと成膜に時間がかかる。更に、膜にある程度吸収があると透過率が小さくなるので透過率増大膜13を形成しても透過率が小さくなる。そのため光反応性硬化樹脂の硬化時間が長くなるので生産性が低下する。そこで、200nmより薄い方がより好ましい。
透過率増大膜13は、光反応性硬化樹脂を硬化させる光の波長で透明であることが好ましい。
透過率増大膜13の屈折率が、無機レジスト材料の屈折率より小さく、光反応性硬化樹脂の屈折率より大きくないと透過率及び反射率等の光学的特性が変化しない。透過率増大膜13の屈折率は、無機レジスト材料の屈折率より0.4以下の方が効果として大きいので好ましい。また、透過率増大膜13の屈折率は、光反応性硬化樹脂材料の屈折率より0.4以上の方が効果として大きいので好ましい。屈折率は、分光エリプソメータにより測定可能である。
透過率増大膜13としては、上記屈折率の条件を満たす透明で光反応性硬化樹脂と密着力が強くない誘電体が使用可能である。例えば、ZnS、ZnSSiO2、SiN、SiO、SiON、AlONが挙げられるが、その他の酸化物や窒化物あるいはこれらの混合物でもよい。
無機レジスト膜12の膜厚は、パターンの形状に大きく影響を与えない範囲で透過率増大の効果が得られる10〜60nmが好ましい。
<実験例>
<実験例1>
ガラス基板11として厚さ1mm、外径120mm、内径15mmの石英基板を用いた。
<実験例1>
ガラス基板11として厚さ1mm、外径120mm、内径15mmの石英基板を用いた。
まず石英基板上に、化学量論組成から酸素が欠損した酸化タングステンWOからなる無機レジスト膜12を形成した。W金属ターゲットを、Arガス15sccmとO2ガス16sccmの雰囲気中でスパッタリングすることでWOを形成した。露光前の膜厚は150nmとし、露光光である351nmの波長の光に対して35%の吸収率を持つ組成とした。この時の酸化タングステンWOからなる無機レジスト膜12の屈折率は、2.7であった。
次に、露光用の光をレジストに集光させ、石英基板を回転させながら、露光用の光を石英基板の半径方向に移動させることで、レジスト上からの情報パターン(ピットや案内溝)に対応したパターン露光をした。この際のデータ記録領域の露光条件は線速1.0m/s、パワー2.5mW、トラックピッチTP320nmとした。ここで用いる化学量論組成から酸素が欠損した酸化タングステンWOは、露光用の光を照射することで膜の状態が変わり、アルカリ溶液による現像で露光部が凸となるネガ型レジストである。露光部の膜厚は、現像の前後で変化することはない。
次に、アルカリ現像液を用いて未露光部の無機レジスト膜12をエッチングし、データ記録領域の溝深さがd=20nmになるように現像を行う事で透明スタンパ20を製造した。
本実験例では、情報トラック側がスタンパに対して凸になっている。図1における凸部の幅Xは、110nmとした。
透明スタンパ20は、現像後の状態で365nmの波長の光に対して52.4%の透過率があった。
実験例1−1は、上述のスタンパ20に透過率増大膜13が形成されていない。凸部の幅Xは、130nmとし、硬化時間は2secであった。
実験例1−2では、上述のスタンパ20上に屈折率2.1のSiNからなる透過率増大膜13を10nm形成し、凸部の幅Xを130nmとした。硬化時間は2secであった。
実験例1−3では、上述のスタンパ20上に屈折率2.1のSiNからなる透過率増大膜13を20nm形成した。比較例1−3では、凸部の幅Xを110nmとした。硬化時間は1.9secであった。
実験例1−4では、上述のスタンパ20上に屈折率2.1のSiNからなる透過率増大膜13を30nm形成した。透過率は63.5%であった。硬化時間は1.5secであった。
実験例1−5では、上述のスタンパ20上に屈折率2.1のSiNからなる透過率増大膜13を40nm形成し、凸部の幅Xを100nmとした。透過率は、63.5%であった。硬化時間は1.5secであった。
実験例1−6では、上述のスタンパ20上に屈折率2.1のSiNからなる透過率増大膜13を50nm形成した。凸部の幅Xを100nmとした。硬化時間は1.5secであった。
実験例1−7では、上述のスタンパ20上に屈折率2.1のSiNからなる透過率増大膜13を60nm形成した。凸部の幅Xを90nmとした。硬化時間は1.7secであった。
尚、上述の実験例で凸部の幅Xを変えている理由は、透過率増大膜13が無機レジスト膜12上に形成されているため、スタンパ20上に形成されている凸部の幅Xのパターンが中間層14に転写された凹部の幅が膜厚により狭められるのを防止する目的である。
次に、実験例1−1〜7のスタンパ20を用い、光反応性硬化樹脂からなる中間層14に波長365nmの光を照射して硬化させた。尚、光反応性硬化樹脂は、日本化薬:MD−500を用い、屈折率は、1.5であった。後述の実験例及び比較例の光反応性硬化樹脂及び反応性硬化樹脂を硬化させる光の波長は、本実験例と同じ樹脂を用いた。
実験例1−1〜7の各サンプルの透過率増大値ΔTおよび硬化時間は表1に示すような
結果であった。
結果であった。
表1から、SiNの膜厚を10nm以上とすることで、透過率が増大し、膜厚が20nmで硬化時間の短縮が図れた。
図2、図3及び図4は、SiNの膜厚を0、10、20、30、40、50、60nmと変えた場合の透過率のWO膜の膜厚に対する依存性を示す図である。図2、図3及び図4から、
1.SiN膜を形成すると透過率が増大し、
2.SiNの膜厚として30〜40nmとした時に、WO膜の膜厚に対する透過率変化の依存性が最も小さくなることがわかった。
1.SiN膜を形成すると透過率が増大し、
2.SiNの膜厚として30〜40nmとした時に、WO膜の膜厚に対する透過率変化の依存性が最も小さくなることがわかった。
また、図2及び図3よりWO膜の膜厚が、(硬化時に使用される波長/(4×無機レジスト膜の屈折率))の奇数倍に相当する、膜厚(33nm、100nm、170nm)で透過率増大の効果が大きいことがわかった。
SiNからなる透過率増大膜の膜厚は、10nm以上で透過率の向上が見られが、20nm以上であることがより好ましい。透過率増大膜の膜厚は、透過率の点では、特に上限を設ける必要はないが、膜厚が50nmになると凹部の幅が90nmとなり、膜厚が60nmになると凹部の幅が70nmとなる。このように凹部の幅が狭くなると反射光量が低下し、サーボに必要な光量が得られない状態となる。その結果、プッシュプル信号振幅が得られずトラックジャンプが安定しない状態となるので、透過率増大膜の膜厚は50nmを超えないことが好ましく、40nm以下であることがより好ましい。
<実験例2>
実験例1と同じWOを用いて凸部の幅Xが同じ100nmで、溝深さが20nmとした透明スタンパ20を作成した。
実験例1と同じWOを用いて凸部の幅Xが同じ100nmで、溝深さが20nmとした透明スタンパ20を作成した。
実験例2−1〜6では、透過率増大膜の材料として、TiO2、ZnSSiO2、SiN、SiO、SiON、Al2O3、SiO2を用いた。
実験例2−1では、透過率増大膜材料としてTiO2を、実験例2−2では、透過率増大膜の材料として、ZnSSiO2を、実験例2−3では、透過率増大膜の材料として、SiNを、実験例2−4では、透過率増大膜の材料として、SiOを用いた。
実験例2−5では、透過率増大膜の材料として、Al2O3を、実験例2−6では、透過率増大膜の材料として、SiO2を用いた。
尚、実験例2−2で用いたZnSSiO2は、ZnSとSiO2モル比が4:1であるZnSSiO2を用いた。この時のスタンパ20の透過率は64.9%であり、透過率増大値ΔTは、12.5%で、硬化時間は1.4secであった。
表2に、実施例2−1〜3及び比較例2−1〜3の透過率増大膜の材料、屈折率、透過率増大値ΔT及び硬化時間を示す。
表2から、光反応性硬化樹脂の屈折率は、1.5であり無機レジスト膜であるWO膜の屈折率は2.7である。表2の結果から、透過率増大の効果は、透過率増大膜に隣接する反応性硬化樹脂及びWO膜の材料の屈折率が、透過率増大膜の屈折率と差がある場合に得られることがわかる。隣接する反応性硬化樹脂及びWO膜の材料の屈折率が、透過率増大膜の屈折率との差が0.4以上あれば効果がより大きいことがわかる。
つまり、透過率増大膜の屈折率をn増大膜、前記無機レジスト膜の屈折率をn無機膜及び前記光反応性硬化樹脂膜の屈折率をn2Pとしたときに、n無機膜>n増大膜>n2Pを満たすことが好ましく、n無機膜−0.4≧n増大膜≧n2P+0.4を満たすことがより好ましい。
図5及び図6は、WO膜の膜厚に対するZnSSiO2の膜厚を0、10、20、30、40nmと変えた場合の透過率の依存性を示す図である。図5及び6からZnSSiO2の膜厚として30〜40nmとした方が、透過率増大の効果が大きく、WO膜の膜厚に対する透過率変化の依存性も小さくなることがわかった。
また、図5及び図6よりWO膜の膜厚が、(硬化時に使用される波長/(4×無機レジスト膜の屈折率))の奇数倍に相当する、膜厚(33nm、100nm、170nm)で透過率増大の効果が大きいことがわかった。
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
11 透明基板
12 無機レジスト層
13 透過率増大膜
14 中間層(光反応性硬化樹脂層)
15 基板
16 紫外線
20 透明スタンパ
12 無機レジスト層
13 透過率増大膜
14 中間層(光反応性硬化樹脂層)
15 基板
16 紫外線
20 透明スタンパ
Claims (5)
- 透明基板上に形成された、化学量論組成から微量に酸素が欠損した組成の酸化タングステンWO、酸化モリブデンMoO、または、タングステンにモリブデンが添加された酸化物WMoOからなる無機レジスト膜を有し、該無機レジスト膜上に形成されたパターンを光反応性硬化樹脂に転写する透明スタンパであって、
前記透明スタンパは、前記パターンが形成された前記無機レジスト膜上に透過率増大膜を有し、
前記透過率増大膜により、前記透明基板の前記無機レジスト膜が形成された面と対向する側から入射される前記光反応性硬化樹脂を硬化させる光の前記透明スタンパの透過率を増大させることを特徴とする透明スタンパ。 - 前記透過率増大膜の屈折率をn増大膜、前記無機レジスト膜の屈折率をn無機膜及び前記光反応性硬化樹脂膜の屈折率をn2Pとしたときに、n無機膜>n増大膜>n2Pを満たすことを特徴とする請求項1に記載の透明スタンパ。
- 前記透過率増大膜の屈折率をn増大膜、前記無機レジスト膜の屈折率をn無機膜及び前記光反応性硬化樹脂膜の屈折率をn2Pとしたときに、n無機膜−0.4≧n増大膜≧n2P+0.4を満たすことを特徴とする請求項2に記載の透明スタンパ。
- 前記透過率増大膜の膜厚が20nm以上であることを特徴とする請求項1に記載の透明スタンパ。
- 前記無機レジスト膜の膜厚をt、屈折率をn無機膜とした時に、tが、(硬化時に使用される光の波長/(4×n無機膜))の奇数倍であることを特徴とする請求項1に記載の透明スタンパ。
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