JP2008135145A - 多層光記録媒体の製造方法、多層光記録媒体製造用スタンパ及びその製造方法 - Google Patents

多層光記録媒体の製造方法、多層光記録媒体製造用スタンパ及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な工程で作製できかつ繰り返し使用が可能な多層光記録媒体製造用のスタンパを提供する。
【解決手段】多層光記録媒体の製造に用いられるスタンパにおいて、透光性の基板と、前記透光性の基板上にピット又は案内溝が形成された透光性の無機レジスト層とを有する。前記無機レジスト層は、少なくともタングステン、モリブデンのいずれかを含むことが好ましく、特に、化学量論組成から酸素が欠損したタングステン若しくはモリブデンの酸化物を含むことが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、多層光記録媒体の製造方法に関し、特に、スピンコート等を用いて光反応性硬化樹脂を基板に塗布し記録層を積層する多層光記録媒体の製造方法に関するものである。
高記録密度な情報記録再生技術として、DVDやBDなどの光ディスク(光記録媒体)が脚光を浴びている。近年、動画像のデジタル化の動き、装置の小型化への動きとあいまって、さらなる高記録密度化、大容量化が要求されている。
一般に、光ディスクの記録密度は、記録再生光学系のレーザ光の波長λ及び対物レンズの開口数NAに大きく依存する。即ち、信号再生可能な記録ピットの空間周波数は2NA/λ程度となる。そのため、短波長技術や高NA化技術を用いた高記録密度化の研究が盛んに行われている。例えば、CDでは記録再生用のレーザ光の波長が780nm、レンズの開口数が0.45で650MBであったが、DVD−ROMではレーザ光の波長が650nm、レンズの開口数が0.6で4.7GBの容量となっている。さらに、BDではレーザ光の波長が405nm、レンズの開口数が0.85で、23GB超まで大容量化が進んだ。
一方で、記録面を複数積層することで、大容量化を実現しようという研究も盛んに行われている。例えばDVDやBDでは記録面を二層積層することで二倍の記録容量を実現している。BDでは次世代への高集積化を目指した4層メディアの開発も進んでいる。
記録面を複数積層する方法として、特許文献1及び2、非特許文献1などが提案されている。
特許文献2及び非特許文献1では、多層構成の光記録媒体の製造方法として、基板面にピットや案内溝を成形し、反射層や記録層を成膜して、第1の情報記録層を形成した後、次の工程を繰り返すことが提案されている。
(1)第1の情報記録層上に紫外線硬化樹脂またはドライフォトポリマーを形成する。
(2)その紫外線硬化樹脂またはドライフォトポリマーに樹脂スタンパを重ね合わせることによりピットや案内溝を形成してスタンパを剥離する。
(3)ピットや案内溝上に半透明膜を形成する。
ところが、上記提案は、半透明膜により紫外線硬化型樹脂やドライフォトポリマーを硬化させるための紫外線の減衰が生じるため、透明なスタンパを用いて、スタンパ側から紫外線を照射する必要があった。透明スタンパとしては、樹脂製スタンパが用いられることが考えられているが、生産性や品質上樹脂製スタンパを再利用することが困難なため、各層形成毎に樹脂製スタンパを使い捨てており、コストが高くなる問題があった。
ここで従来の多層構造の光記録媒体の従来製造方法について説明しておく。
ここで、4層の情報記録面L0層〜L3層を有する多層構成の光記録媒体の従来製造方法について、図8(図8A〜図8D)を用いて説明する。図8は中心孔を有する回転対称なディスク状の断面図の片側半分を示すものであり、基板やスタンパの中心孔は省略されている。
図8−(1)において、PC基板15は、射出成形用スタンパA21を用いて射出成形されたポリカーボネート製の基板であり、PC基板15上にはL0層の情報パターン16(ピットや案内溝)が形成されている。典型的には、PC基板15は、厚さ1.1mm、直径120mm、中心孔径15mmである。
図8−(2)において、L0層の情報パターン16上にL0層記録膜17が成膜される。L0層記録膜17は、典型的には、光を透過しない反射膜を含んで構成される。
図8−(3)において、L0層の上に設けられるL1層との間の中間層3を構成するための中間層3用2p樹脂18がL0層記録膜17上に塗布される。中間層3用2p樹脂18の樹脂厚は、例えば10μmである。簡単のため、中間層3用2p樹脂18は単層としたが、転写性、剥離性や厚み精度を満足するために、複数の樹脂が組み合わされて使用される場合もある。
図8−(4)において、中間層3用2p樹脂18上に、L1層の情報パターンが予め形成された樹脂製の透明スタンパA19−1が中心孔(図示せず)を用いて位置合わせされ、重ね合わされる。その後、UV光源5から紫外線が透明スタンパA19−1越しに照射され、中間層3用2p樹脂18が硬化される。中間層3用2p樹脂18は、透明スタンパA19−1に塗布されてから、PC基板15上のL0層記録膜17と重ね合わされても良い。
図8−(5)において、中間層3用2p樹脂18が硬化後、透明スタンパA19−1が剥離され、PC基板15上にはL1層の情報パターン13(ピットや案内溝)が形成される。剥離された透明スタンパA19−1は、紫外線を照射されたために劣化し、スタンパとして再使用できないばかりか、再利用するにも用途が制限されてしまう。
図8−(6)において、L1層の情報パターン13上にL1層記録膜14が成膜される。L1層記録膜14は、半透明膜で構成される。
図8−(7)において、L1層の上に設けられるL2層との間の中間層2を構成するための中間層2用2p樹脂11がL1層記録膜14上に前記と同様に塗布される。中間層2用2p樹脂11の樹脂厚は、例えば15μmである。
図8−(8)において、中間層2用2p樹脂11上に、L2層の情報パターンが予め形成された樹脂製の透明スタンパB19−2が中心孔(図示せず)を用いて位置合わせされ、重ね合わされる。その後、前記と同様にUV光源5から透明スタンパB19−2越しに紫外線が照射され、中間層2用2p樹脂11が硬化される。
図8−(9)において、中間層2用2p樹脂11が硬化後、透明スタンパB19−2が剥離され、PC基板15上にはL2層の情報パターン9(ピットや案内溝)が形成される。前記と同様に、剥離された透明スタンパB19−2は、紫外線を照射されたために劣化し、スタンパとして再使用できない。
図8−(10)において、L2層の情報パターン9上にL2層記録膜10が成膜される。前記と同様にL2層記録膜10は、半透明膜で構成される。
図8−(11)において、L2層の上に設けられるL3層との間の中間層1を構成するための中間層1用2p樹脂7がL2層記録膜10上に同様に塗布される。中間層1用2p樹脂7の樹脂厚は、例えば10μmである。
図8−(12)において、中間層1用2p樹脂7上に、L3層の情報パターンが予め形成された樹脂製の透明スタンパC19−3が中心孔(図示せず)を用いて位置合わせされ、重ね合わされる。その後、前記と同様にUV光源5から透明スタンパC越しに紫外線が照射され、中間層1用2p樹脂7が硬化される。
図8−(13)において、中間層1用2p樹脂7が硬化後、透明スタンパC19−3が剥離され、PC基板15上にはL3層の情報パターン4(ピットや案内溝)が形成される。前記と同様に、剥離された透明スタンパCは、紫外線を照射されたために劣化し、スタンパとして再使用できない。
図8−(14)において、L3層の情報パターン4上にL3層記録膜6が成膜される。前記と同様にL3層記録膜6は、半透明膜で構成される。
図8−(15)において、L3層記録膜6上にカバーシートを構成するためのカバーシート用2p樹脂2が前記同様に塗布される。カバーシート用2p樹脂2の樹脂厚は例えば70μmである。
図8−(16)において、UV光源5から紫外線が照射され、カバーシート用2p樹脂2が硬化される。カバーシート用2p樹脂2の塗布及び硬化の代わりに厚さ70μmの樹脂シートを貼り付けても良い。
このように、従来例においては、樹脂製の透明スタンパA、B、Cが用いられるが、これらは生産性や品質上再利用することが困難なため、各層形成毎に使い捨てており、コストが大幅に高くなる問題があった。特に、多層の層数が増えるほど、樹脂製スタンパの使い捨てによるコスト増問題は深刻となっていた。
また、特許文献3では、エッチングによりガラス素材に情報パターンに対応したパターンを形成して、これを透明スタンパとして使用する方法が提案されている。図7に示すように、石英ガラス基板71上にフォトレジスト72を均一に塗布する(図7−(1))。次に、このフォトレジスト72上にレーザ光73を用いて情報パターンに対応したパターンを記録し(図7−(2))、続いて現像処理により所望のパターンを得る(図7−(3))。次に、この基板にCF4ガスプラズマ74中でドライエッチングを行い所望の深さで停止させる(図7−(4))。さらに残存するフォトレジスト72を酸素(O2)によりアッシングして除去し、ガラス製のスタンパを得る(図7−(5))方法が提案されている。
特開2002−260307号公報 特開2003−203402号公報 特開平1−188332号公報 松下テクニカルジャーナルVol.50 No.5 Oct.2004 p.64〜68
特許文献3の方法で製造された透明スタンパは繰り返し利用が可能となるが、ドライエッチング工程やアッシング工程の複雑な工程管理が必要となってしまう。また、ドライエッチングに用いられるCF4ガスやCHF3ガスは、温室効果ガスとして知られており、これらのガスは使用しないことが望ましい。さらに、上記方法ではガラス素材に直接パターンを形成してしまうので、ガラス素材を再利用する際は、研磨を行う必要があった。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、その目的は、簡単な工程で作製できかつ繰り返し使用が可能な光記録媒体製造用スタンパを用いた多層光記録媒体の製造方法、それに使用可能な多層光記録媒体製造用スタンパ及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、多層光記録媒体の製造に用いられるスタンパにおいて、
透光性の基板と、
前記透光性の基板上にピット又は案内溝が形成された透光性の無機レジスト層と
を有するスタンパを提供する。
また、多層光記録媒体の製造に用いられるスタンパの製造方法において、
A)透光性の基板上に透光性の無機レジスト層を積層する工程と、
B)前記無機レジスト層に露光及び現像を行うことで、ピット又は案内溝を形成する工程と、
を有するスタンパの製造方法を提供する。
さらに、多層光記録媒体の製造方法において、
a1)ピット又は案内溝が形成された支持基板上に記録層を成膜する工程と、
b1)前記記録層上に光反応性硬化樹脂からなる中間層を積層する工程と、
c1)透光性の基板上にピット又は案内溝が形成された無機レジスト層を有するスタンパを介して、前記中間層に紫外線光を照射することにより、前記光反応性硬化樹脂を硬化するとともに前記スタンパに形成されている前記ピット又は案内溝を前記中間層に転写する工程と、
d1)前記スタンパに形成されている前記ピット又は案内溝が転写された前記中間層上に記録層を積層する工程と、
を有する多層光記録媒体の製造方法を提供する。
さらに、多層光記録媒体の製造方法において、
a2)ピット又は案内溝が形成された支持基板上に光反応性硬化樹脂からなる中間層を形成する工程と、
b2)透光性の基板上にピット又は案内溝が形成された無機レジスト層を有するスタンパを介して、前記中間層に紫外線光を照射することにより、前記光反応性硬化樹脂を硬化するとともに前記スタンパに形成されている前記ピット又は案内溝を前記樹脂層に転写する工程と、
c2)前記スタンパに形成されている前記ピット又は案内溝が転写された前記中間層上に記録層を積層する工程と、
d2)前記支持基板を剥離した上で、前記支持基板に形成されているピット又は案内溝が転写された前記中間層上に記録層を積層する工程と、
を有する多層光記録媒体の製造方法を提供する。
これらの多層光記録媒体の製造方法において、前記スタンパを他の多層光記録媒体の製造に再利用する工程を更に有することが好ましい。
さらに、前記無機レジスト層は、前記露光に使用する露光光に対して10%以上の吸収率を有し、前記紫外線光に対して15%以上の透過率を有することが好ましい。
さらに、前記無機レジスト層は、少なくともタングステン、モリブデンのいずれかを含むことが好ましい。
さらに、前記無機レジスト層は、タングステン若しくはモリブデンの化学量論組成から酸素が欠損した酸化物を含むことが好ましい。
前記無機レジスト層は、前記現像によって露光部が凸になるネガ型のレジスト、又は前記現像によって露光部が凹になるポジ型のレジストであることが好ましい。
前記透光性の基板は、ガラス、石英、透明セラミックのいずれかを含むことが好ましい。
なお、本発明の多層光記録媒体としては、光ディスク、光カード、光テープ等が挙げられる。
本発明によれば、簡単な工程で作製できかつ繰り返し使用が可能な透明スタンパを用いるため、低コスト化を図ることが出来る。
本発明の実施の形態について説明する。
図1を用いて本発明の光ディスクの製造方法の概念を説明する。図1は本発明による光ディスクの製造方法を説明する模式図である。
まず、スタンパの説明をする。
図1−(1)に示すように、透明基板111上にレジスト112を形成する。透明基板としては、ガラス基板、石英基板、透明セラミック基板等の透光性を有する基板を用いる。また、透明基板111は、厚さが情報信号パターンを転写させる際に充分な強度及び透過率があれば良く、例えば、厚さが0.5mm〜20mm、直径80〜120mm、中心孔径10〜15mmのものが好適である。典型的には、直径および中心孔径は最終的に作製されるディスクと略同じで、例えばそれぞれ120mm、15mmの例を用いて説明する。
レジスト112としては、少なくともタングステン、モリブデンのいずれかを含む透光性を有する無機レジスト層を用いることができる。例えば、化学量論組成から微量に酸素が欠損した組成の酸化タングステンWO、またはモリブデンが添加されたWMoO等のタングステン若しくはモリブデンの酸化物を用いることができる。形成されるレジスト112の厚さは、所望の凹凸となる厚さになるように調整すればよく、例えば、20nm〜1000nmとすることが好ましい。
WOまたはWMoOの酸化物は、化学量論組成においては紫外線に対して吸収が著しく小さいが、化学量論組成から僅かでも酸素含有量がずれると、紫外線に対する吸収が大きくなることが知られている。よって、化学量論組成から微量に酸素を欠損させた前記レジストは、露光用の光を吸収することにより熱によって膜の状態が変わり、露光部と未露光部とでアルカリ溶液に対するエッチングレートが変化し、レジストとして機能する。また、前記レジストは低分子であるために、高分子からなる有機レジストに比べて未露光部と露光部との境界が明瞭となるので、高精度なレジストパターンを得ることができる。
また、前記レジストは、酸素欠損量が少なく化学量論組成に近い組成では透過率が高く、酸素欠損量が多くなると透過率が低くなっていく。また、紫外線領域においては、光の波長が短くなるほど吸収率は大きく透過率は小さくなる。すなわち、組成と膜厚を調整することで、露光用の光に対しては充分な吸収率を持たせ、中間層用の光反応性硬化樹脂硬化用の光に対しては硬化に充分な透過率を持たせることが可能になる。
ここで、WOは成膜条件を変えることで、露光部が凸となるネガ型レジストとしても、露光部が凹となるポジ型レジストとしても機能する。また、WOに対してMoを添加していくと、露光時の感度を高くすることができる。
本発明は、レジストが、レジストを露光する露光光に対して10%以上の吸収率を持ち、現像を行うことでピットもしくは案内溝に対応した凹凸を形成することによって得られたスタンパを用いることが好ましい。そして、得られたスタンパは、一方の面側から紫外線光を照射することによって他方の面側に配置されている光反応性硬化樹脂を硬化可能である。特に、スタンパが、光反応性硬化樹脂を硬化させるために照射する紫外線の波長帯域内で最も透過率が高い波長において15%以上の透過率を持つことが好ましい。しかし、光反応性硬化樹脂の硬化時間を考慮すれば数sで硬化可能な19%以上が好ましい。
図1−(2)は前記透明基板111とレジスト112を斜め上から見た図である。露光用の光113をレジストに集光させ、ガラス基板を回転させながら、露光用の光をガラス基板の半径方向114に移動させることで、レジスト上から螺旋状に情報パターン(ピットや案内溝)に対応したパターン露光をした。このとき、図1−(3)に示すように、露光領域の膜質が変化する。さらに、図1−(4)に示すように、所望の溝深さが得られる条件で現像を行うことで情報パターン(ピットや案内溝)を得る。前記、ガラス基板上のレジスト(酸化タングステンを含む)に情報パターン(ピットや案内溝)を形成した状態のものを透明スタンパ115として使用する。
本発明による透明スタンパは、従来透明スタンパを製造するために必要とされる電鋳装置、裏面研磨装置、射出成型機、RIE装置を使用する必要が無く、成膜及び露光現像と言う簡便な方法で製造することができる。また、本発明による透明スタンパは、低分子レジストを用いているため高精度な情報パターンを得ることができる。
次に、図1−(5)に示すように、例えば中間層用の光反応性硬化樹脂117を塗布された支持基板116と、透明スタンパ15とを重ね合わせ、その後、前記透明スタンパ115を通して紫外線を照射することによって、光反応性硬化樹脂117を硬化させる。
次に、図1−(6)に示すように、支持基板116から透明スタンパ115を剥離することで情報パターン118を光反応性硬化樹脂117上に形成する。
本発明による透明スタンパは、無機材料で出来ているため、紫外線によって劣化することなく、繰り返し使用することが出来る。
以下、本発明に従う光ディスクの製造方法の詳細な実施例を用いて説明するが、この構成に限定するものではない。
(実施例1)
本実施例では、L0層とL1層の2つの情報記録面を持つ光ディスクの製造方法を例に説明する。L0層を本発明による透明スタンパを用いて形成する。レジストとして化学量論組成から微量に酸素が欠損した組成の酸化タングステンWOを例に説明する。本実施例1で用いる、化学量論組成から酸素が微量に欠損した酸化タングステンWOは、露光用の光を照射することで膜の状態が変わり、アルカリ溶液による現像で露光部が凸となるネガ型レジストである。
まず、実施例1による光ディスク製造用透明スタンパの製造方法を説明する。
図1の説明と同様の手順で製造する。透明基板として厚さ1mm、外径120mm、内径15mmの石英基板を用いた。まず石英基板上に、化学量論組成から微量に酸素が欠損した酸化タングステンWOを形成する。Wを含んだWOxターゲットを、Arガス50sccmとO2ガス40sccmの雰囲気中でスパッタリングすることでWOを形成した。組成はArガスとO2ガスの比率を変えることで調整することができる。膜厚はスパッタリング時間で調整することができる。実施例1では、露光前の膜厚は100nmとし、露光光である351nmの波長の光に対して10%の吸収率を持つ組成とした。
次に、露光を行う。図1−(2)で説明したように、露光用の光をレジストに集光させ、石英基板を回転させながら、露光用の光を石英基板の半径方向に移動させることで、レジスト上からL0層用の情報パターン304(ピットや案内溝)に対応したパターン露光をした。実施例1では、露光用の光の波長は351nmとした。データ記録領域の露光条件は、線速0.7m/s、パワー1.4mWとした。トラックピッチTPは320nmとした。
ここで、露光時のレジスト膜厚や露光光に対する吸収率を限定するものではない。また、露光光の波長を限定するものでもない。露光によってレジストの膜質を変化させることが出来るような条件(波長、線速、パワー)とレジスト条件の組み合わせ選ぶ事ができる。また、現像後の透過率も限定するものではなく、後述する中間層用2p樹脂を紫外線によって硬化させることが出来れば良い。現像後の透過率は現像後の膜厚にも依存する。
次に、アルカリ現像液を用いて未露光部のレジストを除去し、データ記録領域の溝深さがd=20nmになるように現像を行う事で透明スタンパ300を製造した。ここで情報トラック側がスタンパ基板に対して凸になっている。
前記透明スタンパ300は、現像後の状態で350nm〜400nmの波長の光に対して最高80%の透過率があった。
次に図3を用いて実施例1による光ディスクの製造方法を説明する。図3は中心孔を有する回転対称なディスク状の断面図の片側半分を示すものであり、基板やスタンパの中心孔は省略されている。また、全ての行程は、記録再生用の光束入射面を下にして図示されている。
図3−(1)に示すように、スタンパA301はL1層の情報パターン302(ピットや案内溝)が形成されている。スタンパAは透明である必要は無い。スタンパA301は、例えばニッケル製等のものが好適である。スタンパA301としては、厚さ0.2〜2mm、直径80〜120mm、内径10〜15mmのものが好適である。典型的には、スタンパA301は、厚さ0.3mm、直径および中心孔径は最終的に作製されるディスクと略同じで、例えばそれぞれ120mm、15mmである。本実施例ではスタンパに対して情報トラック(情報Tr)が凹になっている、厚さ0.3mm、外径120mm、内径15mmのニッケルスタンパを用いた。
スタンパA上にL0層とL1層との間の中間層を構成するための中間層用2p樹脂(光反応性硬化樹脂)303を塗布する。中間層用2p樹脂303は、中心孔(図示しない)を有するスタンパA301の内周側に円環状に滴下され、スタンパA301を回転させて振り切り、均一の厚み(第1の一定な厚み)とした。中間層用2p樹脂303としては、後に行う紫外線照射により硬化可能な樹脂から適宜選択すればよい。例えばエポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、シリコンアクリレート樹脂等が好ましく用いられる。中間層用2p樹脂303の樹脂厚は、例えば25μmである。簡単のため、中間層用2p樹脂303は単層としたが、転写性、剥離性や厚み精度を満足するために、複数の樹脂が組み合わされて使用される場合もある。
図3−(2)に示すように、透明スタンパ300は前述したWOを含む透明なスタンパであり、L0層の情報パターン304(ピットや案内溝)が形成されている。記録トラック(記録Tr)側がスタンパに対して凸となっている。中間層用2p樹脂303が塗布されたスタンパA301と、透明スタンパ300を、L0層の情報パターン304とL1層の情報パターン302が対向する向きで重ねあわせた。この時、中心孔(図示せず)を用いて位置合わせをおこなった。その後、前記透明スタンパ300を通して紫外線(波長は345〜400nm)を照射することによって、中間層用2p樹脂303を硬化させた。中間層1用2p樹脂303を硬化させるために、必要なUV照射時間は2秒未満であった。ここで、中間層用2p樹脂303は、透明スタンパ300に塗布されてから、スタンパA上に重ね合わされても良い。
図3−(3)に示すように、中間層用2p樹脂303を硬化後、透明スタンパ300を剥離することで、L0層の情報パターン304が形成される。剥離された透明スタンパ300は、UV光束を照射しても劣化することはなく、繰り返し使用することが可能である。
図3−(4)に示すように、L0層の情報パターン304上にL0層記録膜305を成膜した。L0層記録膜305は典型的には、光を透過しない反射膜か反射膜を含んで構成される。本実施例では、例えばスパッタリング法を用いて、誘電体膜、L0記録膜、誘電体膜、L0反射膜の順に成膜した。
図3−(5)に示すように、L0層と支持基板を接着するための接着用2p樹脂306が塗布される。接着用2p樹脂306は、中心孔(図示しない)を有するスタンパAの内周側に円環状に滴下され、透明スタンパを回転させて振り切り、均一の厚みとした。樹脂厚は例えば10〜20μmであるが、一定厚みでありさえすれば良い。接着用2p樹脂306は転写性を考慮する必要がなく、密着性と厚み精度を満足すれば良いので単層構成で十分である。
図3−(6)に示すように、スタンパA301と、透明支持基板307を重ね合わせた。この時、中心孔(図示せず)を用いて位置合わせをおこなった。その後、UV光源310から透明支持基板307を通して紫外線を照射し、接着用2p樹脂306を硬化する。透明支持基板307としては、ポリカーボネート(PC)基板以外に、シクロオレフィン基板、ポリメチルメタクリレート(PMMA)基板、ガラス基板等も好ましく用いられる。また、透明支持基板307としては、厚さ0.5〜10mm、直径80〜120mm、中心孔径10〜15mmのものが好適である。典型的には、直径および中心孔径は最終的に作製されるディスクと略同じで、例えばそれぞれ120mm、15mmである。本実施例は透明支持基板307として、厚さ1.1mm、直径120mm、中心孔径15mmの透明PC支持基板を用いた。ここで、PC基板は、UV照射により透過率などの光学特性が多少劣化していても、記録再生のための光束は透明支持基板307を通過することはないので、問題はない。
図3−(7)に示すように、透明支持基板307を接着後、スタンパAを剥離することで、透明支持基板307上にはL1層の情報パターン302が形成される。
図3−(8)に示すように、L1層の情報パターン302上にL1層記録膜308を成膜した。L1層記録膜308は、半透明膜で構成される。例えばスパッタリング法を用いて、L1高屈折率膜、L1反射膜、L1誘電体膜、L1記録膜、誘電体膜の順に成膜した。
図3−(9)に示すように、L1層記録膜308上に、カバーシート(樹脂保護層)を構成した。カバーシート用2p樹脂309を、中心孔(図示しない)を有する透明支持基板307の内周側に円環状に滴下し、透明支持基板307を回転させて振り切り、均一の厚みとした。カバーシート用2p樹脂309としては、後に行う紫外線照射により硬化可能な樹脂から適宜選択すればよい。例えば、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、シリコンアクリレート樹脂等が好ましく用いられる。カバーシート用2p樹脂309の樹脂厚は、40〜100μmとすることが好ましく、例えば75μmである。その後、UV光源310から紫外線を照射し硬化し、本実施例における2層構成の光記録媒体が完成する。
ここで、図2を用いて記録膜の構成について説明する。
図2は完成した実施例1の2層光記録媒体の断面図である。透明支持基板215上に、透明支持基板側から記録層L0層217とL1層214が中間層207を介して配置され、カバー層202がL1層214上を覆っている。記録再生のための光束は矢印(記録再生用光束入射方向)223の方向から媒体に入射する。
L0層217とL1層214それぞれの記録膜は、記録型のものを例に説明する。それぞれの記録膜は、追記型でも書き換え型でも良いし、それらの組み合わせでも良い。
図3−(4)において説明したように、L0層の情報パターン216上にL0層記録膜217が以下の手順で成膜される。まず、中間層207上に形成されたL0層の情報パターン216上に、L0誘電体層228、必要に応じてL0界面層227、L0記録層226、必要に応じてL0界面層225、L0反射層224が順次成膜される。
すなわち本実施例1のL0層217は記録再生用の光束入射方向側の層から順次積層していくため誘電体層−記録層−反射層の順で成膜がなされる。
図3−(8)において説明したように、L1層の情報パターン上にL1層記録膜が以下の手順で成膜される。まず、案内溝やピットの形成されたL1層の情報パターン213上に、必要に応じてL1高屈折率層229、L1反射層230、必要に応じてL1界面層231、L1記録層232、必要に応じてL1界面層233、L1誘電体層234が順次成膜される。すなわち、情報パターン上に、反射層−記録層−誘電体層の順番で成膜がなされる。
通常の2層光記録媒体においては、記録再生用の光束入射方向と逆側の層から順次積層していくため、反射層−記録層−誘電体層の順番で成膜を行っていた。反射層としては主に銀合金やアルミ合金が用いられているが、これらの材料は成膜時に粒塊が出来てしまう。そのため、反射層の成膜後に記録層を成膜すると、記録層もこの粒塊を反映した形状になってしまううえ、WOレジストの良好な溝形状もうもれてしまう。その結果、メディアノイズの増加につながり、信号にも悪影響を与えてしまっていた。
本実施例1によれば、L0層は記録再生用の光束入射方向側の層から順次膜を積層していくため誘電体層−記録層−反射層の順で成膜する。ここで、誘電体層は反射層と比較して表面性が良い。その結果、本発実施例によれば、反射層の表面性の悪影響も受けず、WOレジストの良好な溝形状の特性も活かせる。
後述する比較例1のL0層は通常通り反射層−記録層−誘電体層の順番で成膜している。比較例1のL0層と比較して実施例1のL0層のメディアノイズは、約5dB低減していた。
こうして作製した光ディスクに対してレーザ波長405nm、対物レンズのN.Aを0.85の光学系を用いて、線速4.92m/sにおいて、容量25GBの(1−7)変調のランダムデータを用いて信号の再生評価を行った。リミットイコライザで等化してData to Clockでジッタを測定したところ、L0層では5.0%、L1層では6.7%の充分な値を得ることが出来た。
本発明の光ディスクの製造方法によれば、製造工程が簡便でかつ、繰り返し利用可能な透明スタンパを用いるため、他の多層構成の光ディスクにも用いることができる。これにより安価な多層構成の光ディスクを供給することが可能になる。
本実施例の光ディスクの製造方法によれば、ネガ型の透明スタンパを用いて記録再生用の光束入射方向側から積層していくため、記録膜よりも後に反射膜をする工程になる。その結果、反射膜の荒れた表面性の影響受けず、良好な特性が得られる。
(比較例1)
比較例1では、L0層とL1層の2つの情報記録面を持つ光ディスクの製造方法を例に説明する。L1層の形成には、射出成形用スタンパを用いて射出成形された樹脂製の透明スタンパを用いる。
次に図4を用いて比較例1による光ディスクの製造方法を説明する。図4は中心孔を有する回転対称なディスク状の断面図の片側半分を示すものであり、基板やスタンパの中心孔は省略されている。また、全ての行程は、記録再生用の光束入射面を下にして図示されている。
まず、図4−(1)に示すように、射出成型により、L0層の情報パターン402(ピットや案内溝)が形成されている厚さ1.1mm、直径120mm、中心孔径15mmのポリカーボネート(PC)基板401を形成した。情報トラックが凸になっている。
次に、図4−(2)に示すように、L0層の情報パターン402上にL0層記録膜403を成膜した。L0層記録膜403は典型的には、光を透過しない反射膜か反射膜を含んで構成される。本実施例では、例えばスパッタリング法を用いて、L0反射膜、誘電体膜、L0記録膜、誘電体膜、の順に成膜した。
図4−(3)に示すように、L0層とL1層との間の中間層を構成するための中間層用2p樹脂(光反応性硬化樹脂)404を実施例1と同様例えば25μmの厚さで塗布した。
図4−(4)に示すように、透明スタンパ400は樹脂製の透明スタンパであり、L1層の情報パターン405(ピットや案内溝)が形成されている。情報トラックがスタンパに対して凹になっている。中間層用2p樹脂404が塗布されたポリカーボネート基板401と、透明スタンパ400を、L0層の情報パターンとL1層の情報パターンが対向する向きで重ねあわせた。この時、中心孔(図示せず)を用いて位置合わせをおこなった。その後、透明スタンパ400を通して紫外線を照射することによって、中間層用2p樹脂404を硬化させた。
図4−(5)に示すように、中間層用2p樹脂404を硬化後、透明スタンパ400を剥離することで、L1層の情報パターン405が形成される。剥離された透明スタンパ400は、紫外線を照射されたために劣化し、スタンパとして再使用できないばかりか、再利用するにも用途が制限されてしまう。
図4−(6)に示すように、L1層の情報パターン405にL1層記録膜406を成膜した。L1層記録膜406は、半透明膜で構成される。例えばスパッタリング法を用いて、L1高屈折率膜、L1反射膜、L1誘電体膜、L1記録膜、誘電体膜の順に成膜した。
図4−(7)に示すように、L1層記録膜406上に、カバーシート用2p樹脂(樹脂保護層)407を構成した。実施例1と同様にカバーシート用2p樹脂407を例えば75μm塗布した。その後、UV光源から紫外線を照射し硬化し、本比較例における2層構成の光記録媒体が完成する。
こうして作製した光ディスクに対してレーザ波長405nm、対物レンズのN.Aを0.85の光学系を用いて、線速4.92m/sにおいて、容量25GBの(1−7)変調のランダムデータを用いて信号の再生評価を行った。リミットイコライザで等化してData to Clockでジッタを測定したところ、L0層では6.0%、L1層では6.7%の値が得られた。
本比較例では、樹脂製の透明スタンパ400が使い捨てになったうえ、実施例1と比べてL0層のメディアノイズ高くなりジッタ値も悪化している。
(実施例2)
本実施例では、L0層、L1層、L2層及びL3層の4つの情報記録面を持つ光ディスクの製造方法を例に説明する。L0層、L1層、L2層及びL3層の全てを本発明による透明スタンパを用いて形成する。透明スタンパを形成するレジストとしては、実施例1と同じネガ型レジストのWOを用いる。
まず、実施例1と同様の工程で、L0層用の透明スタンパ、L1層用の透明スタンパ、L2層用の透明スタンパ、L3層用の透明スタンパを作製した。それぞれ、L0層、L1層、L2層及びL3層用の情報パターン(ピットや案内溝)に対応した露光パターンを形成した。ここで情報トラック側がスタンパ基板に対して凸になっている。
次に図5(図5A〜図5B)を用いて実施例2による光ディスクの製造方法を説明する。図5は中心孔を有する回転対称なディスク状の断面図の片側半分を示すものであり、基板やスタンパの中心孔は省略されている。また、全ての行程は、記録再生用の光束入射面を下にして図示されている。実施例2は、L3層側から順次、L2層、L1層、L0層と形成していく。
図5−(1)に示すように、支持基板上にカバーシート(樹脂保護層)を構成するためのカバーシート用2p樹脂(光反応性硬化樹脂)を塗布する。支持基板としては、平坦性(チルト特性、表面性)と強度を満たしていれば良く、樹脂基板、金属基板、ガラス基板等が好ましく用いられる。支持基板は透明である必要は無いが、厚さ0.5〜10mm、直径80〜150mm、内径10〜15mmのものが好適である。典型的には、直径および中心孔径は最終的に作製されるディスクと略同じで、例えばそれぞれ120mm、15mmである。本実施例では、厚さ1mm、外径120mm、内径15mm、のガラス基板を用いた。
カバーシート用2p樹脂は、中心孔(図示しない)を有するガラス基板の内周側に円環状に滴下し、ガラス基板を回転させて振り切り、均一の厚みとした。カバーシート用2p樹脂としては、実施例1と同様に、後に行う紫外線照射により硬化可能な樹脂から適宜選択すればよい。カバーシート用2p樹脂の樹脂厚は、40〜100μmとすることが好ましく、例えば70μmである。
図5−(2)において、L3用透明スタンパは前述したWOを含む透明なスタンパであり、L3層の情報パターン(ピットや案内溝)が形成されている。カバーシート用2p樹脂上に、L3用透明スタンパを、中心孔(図示せず)を用いて位置合わせして重ね合わせた。その後、L3用透明スタンパを通して紫外線を照射することによって、カバーシート用2p樹脂を硬化した。カバーシート用2p樹脂は、L3用透明スタンパに塗布してから、ガラス基板と重ね合わせても良い。簡単のため、カバーシート用2p樹脂は単層としたが、転写性、剥離性や厚み精度を満足するために、複数の樹脂が組み合わされて使用される場合もある。
図5−(3)に示すように、カバーシート用2p樹脂を硬化後、L3用透明スタンパを剥離することで、ガラス基板上にL3層の情報パターン(ピットや案内溝)が形成される。剥離されたL3用透明スタンパは、UV光束を照射しても劣化することはなく、繰り返し使用することが可能である。
図5−(4)に示すように、L3層の情報パターン上にL3層記録膜を成膜した。L3層記録膜は、半透明膜で構成される。
図5−(5)に示すように、L3層記録膜上に、L3層とL2層との間の中間層を構成するための中間層用2p樹脂が塗布した。中間層用2p樹脂は、中心孔(図示しない)を有するガラス基板の内周側に円環状に滴下し、ガラス基板を回転させて振り切り、均一の厚みとした。中間層用2p樹脂としては、実施例1と同様に、後に行う紫外線照射により硬化可能な樹脂から適宜選択すればよい。中間層用2p樹脂の樹脂厚は、例えば10μmである。
図5−(6)において、L2用透明スタンパは前述したWOを含む透明なスタンパであり、L2層の情報パターン(ピットや案内溝)が形成されている。中間層用2p樹脂上に、L2用透明スタンパを、中心孔(図示せず)を用いて位置合わせして重ね合わせた。その後、L2用透明スタンパを通して紫外線を照射することによって、中間層用2p樹脂を硬化した。中間層用2p樹脂は、L2用透明スタンパに塗布してから、ガラス基板上に重ね合わせても良い。簡単のため、中間層用2p樹脂は単層としたが、転写性、剥離性や厚み精度を満足するために、複数の樹脂が組み合わされて使用される場合もある。
図5−(7)に示すように、中間層用2p樹脂を硬化後、L2用透明スタンパを剥離することで、L2層の情報パターン(ピットや案内溝)が形成される。剥離されたL2用透明スタンパは、UV光束を照射しても劣化することはなく、繰り返し使用することが可能である。
図5−(8)に示すように、L2層の情報パターン上にL2層記録膜を成膜した。L2層記録膜は、半透明膜で構成される。
図5−(9)に示すように、L2層記録膜上に、L2層とL1層との間の中間層を構成するための中間層用2p樹脂を塗布した。中間層用2p樹脂は、中心孔(図示しない)を有するガラス基板の内周側に円環状に滴下し、ガラス基板を回転させて振り切り、均一の厚みとした。中間層用2p樹脂としては、実施例1と同様に、後に行う紫外線照射により硬化可能な樹脂から適宜選択すればよい。中間層用2p樹脂の樹脂厚は、例えば15μmである。
図5−(10)において、L1用透明スタンパは前述したWOを含む透明なスタンパであり、L1層の情報パターン(ピットや案内溝)が形成されている。中間層用2p樹脂上に、L1用透明スタンパを、中心孔(図示せず)を用いて位置合わせして重ね合わせた。その後、L1用透明スタンパを通して紫外線を照射することによって、中間層用2p樹脂を硬化した。中間層用2p樹脂は、L1用透明スタンパに塗布してから、ガラス基板上に重ね合わせても良い。簡単のため、中間層用2p樹脂は単層としたが、転写性、剥離性や厚み精度を満足するために、複数の樹脂が組み合わされて使用される場合もある。
図5−(11)に示すように、中間層用2p樹脂を硬化後、L1用透明スタンパを剥離することで、L1層の情報パターン(ピットや案内溝)が形成される。剥離されたL1用透明スタンパは、UV光束を照射しても劣化することはなく、繰り返し使用することが可能である。
図5−(12)に示すように、L1層の情報パターン上にL1層記録膜を成膜した。L1層記録膜は、半透明膜で構成される。
図5−(13)に示すように、L1層記録膜上に、L1層とL0層との間の中間層を構成するための中間層用2p樹脂を塗布した。中間層用2p樹脂は、中心孔(図示しない)を有するガラス基板の内周側に円環状に滴下し、ガラス基板を回転させて振り切り、均一の厚みとした。中間層用2p樹脂としては、実施例1と同様に、後に行う紫外線照射により硬化可能な樹脂から適宜選択すればよい。中間層用2p樹脂の樹脂厚は、例えば10μmである。
図5−(14)において、L0用透明スタンパは前述したWOを含む透明なスタンパであり、L0層の情報パターン(ピットや案内溝)が形成されている。中間層用2p樹脂上に、L0用透明スタンパを、中心孔(図示せず)を用いて位置合わせして重ね合わせた。その後、L0用透明スタンパを通して紫外線を照射することによって、中間層用2p樹脂を硬化した。中間層用2p樹脂は、L0用透明スタンパに塗布してから、ガラス基板上に重ね合わせても良い。簡単のため、中間層用2p樹脂は単層としたが、転写性、剥離性や厚み精度を満足するために、複数の樹脂が組み合わされて使用される場合もある。
図5−(15)に示すように、中間層用2p樹脂を硬化後、L0用透明スタンパを剥離することで、L0層の情報パターン(ピットや案内溝)が形成される。剥離されたL0用透明スタンパは、UV光束を照射しても劣化することはなく、繰り返し使用することが可能である。
図5−(16)に示すように、L0層の情報パターン上にL0層記録膜を成膜した。L0層記録膜は典型的には、光を透過しない反射膜か反射膜を含んで構成される。
図5−(17)に示すように、L0層と透明支持基板を接着するための接着用2p樹脂を塗布した。接着用2p樹脂は、中心孔(図示しない)を有するガラス基板の内周側に円環状に滴下し、ガラス基板を回転させて振り切り、均一の厚みとした。接着用2p樹脂としては、実施例1と同様に、後に行う紫外線照射により硬化可能な樹脂から適宜選択すればよい。接着層用2p樹脂の樹脂厚は、例えば10〜20μmであるが、一定厚みでありさえすれば良い。接着用2p樹脂は転写性を考慮する必要がなく、密着性と厚み精度を満足すれば良いので単層構成で十分である。
図5−(18)に示すように、接着用2p樹脂上に、透明支持基板を、中心孔(図示せず)を用いて位置合わせして重ね合わせた。その後、透明支持基板を通して紫外線を照射することによって、接着用2p樹脂を硬化した。透明支持基板としては、実施例1と同様の材料が好ましく用いられる。本実施例は透明支持基板として、厚さ1.1mm、直径120mm、中心孔径15mmの透明PC支持基板を用いた。ここで、PC基板は、UV照射により透過率などの光学特性が多少劣化していても、記録再生のための光束は透明支持基板を通過することはないので、問題はない。
図5−(19)に示すように、接着用2p樹脂を硬化後、支持基板を剥離することで、実施例2の4層構成の光ディスクが完成する。
ここで、記録膜の構成について説明する。
図5−(4)、(8)、(12)及び(16)において説明したように、L3〜L0層の情報パターン上にL3〜L0層記録膜が以下の手順で成膜される。まず、案内溝やピットの形成されたL3〜L0層の情報パターン上に、誘電体層が成膜され、必要に応じて界面層、記録層、必要に応じて界面層、反射層、必要に応じて高屈折率層が順次成膜される。すなわち、情報パターン上に、誘電体層−記録層−反射層の順番で成膜がなされる。また、必要に応じて、記録膜と反射層の間には誘電体層があっても良い。
次に図6を用いて、L0〜L3層記録膜の構成について詳述する。図6は完成した本発実施例の4層光記録媒体の断面図である。透明支持基板715上に、透明支持基板側から4層の記録層L0層717、L1層714、L2層710、L3層706が接着層720、中間層718、711、707を介して配置され、カバー層702がL3層上を覆っている。記録再生のための光束は矢印(光束入射方向)723の方向から媒体に入射する。
L0〜L3層それぞれの記録膜717、714、710、706は、記録型のものを例に説明する。それぞれの記録膜は、追記型でも書き換え型でも良いし、それらの組み合わせでも良い。
図5−(4)において、L3層の情報パターン上にL3層記録膜が以下の手順で成膜される。まず、案内溝やピットの形成されたL3層の情報パターン上に、L3誘電体層746が成膜され、必要に応じてL3界面層743、L3記録層744、必要に応じてL3界面層745、L3反射層742、必要に応じてL3高屈折率層741が順次成膜される。すなわち、情報パターン上に、誘電体層−記録層−反射層の順番で成膜がなされる。
同様に、図5−(8)において、L2層の情報パターン上にL2層記録膜710が以下の手順で成膜される。まず、案内溝やピットの形成されたL2層の情報パターン上に、L2誘電体層740が成膜され、必要に応じてL2界面層737、L1記録層738、必要に応じてL2界面層739、L2反射層736、必要に応じてL2高屈折率層735が順次成膜される。すなわち、情報パターン上に、誘電体層−記録層−反射層の順番で成膜がなされる。
同様に、図5−(12)において、L1層の情報パターン上にL1層記録膜714が以下の手順で成膜される。まず、案内溝やピットの形成されたL1層の情報パターン上に、L1誘電体層734が成膜され、必要に応じてL1界面層731、L1記録層732、必要に応じてL1界面層733、L1反射層730、必要に応じてL1高屈折率層729が順次成膜される。すなわち、情報パターン上に、誘電体層−記録層−反射層の順番で成膜がなされる。
同様に、図1−(16)において、L0層の情報パターン上にL0層記録膜717が以下の手順で成膜される。まず、案内溝やピットの形成されたL0層の情報パターン上に、L0誘電体層728が成膜され、必要に応じてL0界面層727、L0記録層726、必要に応じてL0界面層725、L0反射層724が順次成膜される。すなわち、情報パターン上に、誘電体層−記録層−反射層の順番で成膜がなされる。
従来例及び後述する比較例2の光記録媒体においては、いずれの層も反射層−記録層−誘電体層の順番で成膜されていた。
本実施例2によれば、全ての層を、誘電体層−記録層−反射層の順で成膜する。その結果、全ての層において実施例1で説明したような反射層の表面性の悪影響を受けず、WOを含む透明スタンパの良好な溝形状を活かすことができる。
比較例2の光記録媒体と比較して本実施例1の光記録媒体では、L0のメディアノイズは約5dB低減し、L1〜L3のメディアノイズは2.5dB低減していた。
こうして作製した光ディスクに対してレーザ波長405nm、対物レンズのN.Aを0.85の光学系を用いて、線速4.92m/sにおいて、容量25GBの(1−7)変調のランダムデータを用いて信号の再生評価を行った。リミットイコライザで等化してData to Clockでジッタを測定したところ、L0層では5.5%、L1層では6.5%、L2層では6.7%、L3層では6.0%の値を得ることが出来た。
本発明の光ディスクの製造方法によれば、製造工程が簡便でかつ、繰り返し利用可能な透明スタンパを用いるため、安価な多層構成の光ディスクを供給することが可能になる。本実施例の光ディスクの製造方法によれば、全ての層を本発明による透明スタンパを用いることができるため、電鋳装置や射出成型機が必用無くなる。そのため、より安価な多層構成の光ディスクを供給することが可能になる。
さらに、本発明の光ディスクの製造方法によれば、ネガ型の透明スタンパを用いて、全ての層を記録再生用の光束入射方向側から積層していくため、全ての層で記録膜よりも後に反射膜をする工程になる。その結果、全ての層において、反射膜の荒れた表面性の影響受けず、良好な特性が得られた。
(比較例2)
比較例2では、従来例と同様の方法(図8A〜D)で、L0層、L1層、L2層及びL3層の4つの情報記録面を持つ光ディスクを製造した。
ここで、記録膜の構成について説明する。
図8−(2)に示すように、L0層の情報パターン16上にL0層記録膜17を成膜した。L0層記録膜17は典型的には、光を透過しない反射膜か反射膜を含んで構成される。本比較例では、例えばスパッタリング法を用いて、L0反射膜、誘電体膜、L0記録膜、誘電体膜、の順に成膜した。
図8−(6)に示すように、L1層の情報パターン13上にL1層記録膜14を成膜した。L1層記録膜14は、半透明膜で構成される。例えばスパッタリング法を用いて、L1高屈折率膜、L1反射膜、L1誘電体膜、L1記録膜、誘電体膜の順に成膜した。
図8−(10)に示すように、L2層の情報パターン9上にL2層記録膜10を成膜した。L2層記録膜10は、半透明膜で構成される。例えばスパッタリング法を用いて、L2高屈折率膜、L2反射膜、L2誘電体膜、L2記録膜、誘電体膜の順に成膜した。
図8−(14)に示すように、L3層の情報パターン5上にL3層記録膜6を成膜した。L3層記録膜6は、半透明膜で構成される。例えばスパッタリング法を用いて、L3高屈折率膜、L3反射膜、L3誘電体膜、L3記録膜、誘電体膜の順に成膜した。
比較例2によれば、全ての層を、反射層−記録層−誘電体層の順で成膜する。
こうして作製した光ディスクに対してレーザ波長405nm、対物レンズのN.Aを0.85の光学系を用いて、線速4.92m/sにおいて、容量25GBの(1−7)変調のランダムデータを用いて信号の再生評価を行った。リミットイコライザで等化してData to Clockでジッタを測定したところ、L0層では6.4%、L1層では7.1%、L2層では7.3%、L3層では6.6%の値が得られた。
本比較例では、樹脂製の透明スタンパA、B、Cが使い捨てになったうえ、実施例2と比べて全ての層のメディアノイズが高くなり、ジッタ値も悪化している。
(実施例3)
実施例3ではWOの組成を変えた以外は、実施例1と同様の方法でスタンパを作製した。
透明基板として厚さ1mm、外径120mm、内径15mmの石英基板を用いた。まず石英基板上に、化学量論組成から微量に酸素が欠損した酸化タングステンWOを形成する。Wを含んだWOxターゲットを、Arガス50sccmとO2ガス10sccmの雰囲気中でスパッタリングすることでWOを形成した。組成はArガスとO2ガスの比率を変えることで実施例1と比較して酸素欠損量を多くした。実施例3では、露光前の膜厚は100nmとし、露光光である351nmの波長の光に対して70%の吸収率を持つ組成とした。
次に、露光用の光をレジストに集光させ、石英基板を回転させながら、露光用の光を石英基板の半径方向に移動させることで、レジスト上からL0層の情報パターン304(ピットや案内溝)に対応したパターン露光をした。実施例3では、露光用の光の波長は351nmとした。データ記録領域の露光条件は、線速2.0m/s、パワー2.0mWとした。トラックピッチTPは320nmとした。
次に、アルカリ現像液を用いて未露光部のレジストを除去し、データ記録領域の溝深さがd=20nmになるように現像を行う事で透明スタンパを製造した。ここで情報トラック側がスタンパ基板に対して凸になっている。
前記透明スタンパは、現像後の状態で350nm〜400nmの波長の光に対して最高19%の透過率があった。
次に、実施例1と同様の光ディスクの製造方法で光ディスクを製造した。前記光ディスクを実施例1と同様に評価したところ、実施例1と同等の特性が得られた。中間層1用2p樹脂303を硬化させるために、必要なUV照射時間は5秒間であった。
(実施例4)
実施例4ではWOの組成を変えた以外は、実施例1と同様の方法でスタンパを作製した。
透明基板として厚さ1mm、外径120mm、内径15mmの石英基板を用いた。まず石英基板上に、化学量論組成から微量に酸素が欠損した酸化タングステンWOを形成する。Wを含んだWOxターゲットを、Arガス50sccmとO2ガス5sccmの雰囲気中でスパッタリングすることでWOを形成した。組成はArガスとO2ガスの比率を変えることで実施例3と比較して酸素欠損量を多くした。実施例4では、露光前の膜厚は100nmとし、露光光である351nmの波長の光に対して75%の吸収率を持つ組成とした。
次に、露光用の光をレジストに集光させ、石英基板を回転させながら、露光用の光を石英基板の半径方向に移動させることで、レジスト上からL0層の情報パターン304(ピットや案内溝)に対応したパターン露光をした。実施例4では、露光用の光の波長は351nmとした。データ記録領域の露光条件は、線速1.9m/s、パワー2.0mWとした。トラックピッチTPは320nmとした。
次に、アルカリ現像液を用いて露光部のレジストを除去し、データ記録領域の溝深さがd=20nmになるように現像を行う事で透明スタンパを製造した。ここで情報トラック側がスタンパ基板に対して凹のポジ型になっていた。
前記スタンパは、現像後の状態で350nm〜400nmの波長の光に対して最高15%の透過率があった。
次に、実施例1と同様の光ディスクの製造方法で光ディスクを製造したところ、中間層1用2p樹脂303を硬化させるために、UV照射時間を60秒間かける必要があった。
(比較例3)
比較例3ではWOの組成を変えた以外は、実施例1と同様の方法でスタンパを作製した。
透明基板として厚さ1mm、外径120mm、内径15mmの石英基板を用いた。まず石英基板上に、化学量論組成から微量に酸素が欠損した酸化タングステンWOを形成する。Wを含んだWOxターゲットを、Arガス50sccmとO2ガス50sccmの雰囲気中でスパッタリングすることでWOを形成した。組成はArガスとO2ガスの比率を変えることで実施例1と比較して酸素含有率が多くした。比較例3では、露光前の膜厚は100nmとした。露光光である351nmの波長の光に対して5%の吸収率であった。
次に、露光用の光をレジストに集光させ、石英基板を回転させながら、露光を行ったが、高パワーを導入しても、パターンを得ることは出来なかった。
(実施例5)
実施例5では、露光光の波長を405nmに変えた以外は、実施例3と同様の方法でスタンパを作製した。
透明基板として厚さ1mm、外径120mm、内径15mmの石英基板を用いた。まず石英基板上に、化学量論組成から微量に酸素が欠損した酸化タングステンWOを形成する。Wを含んだWOxターゲットを、Arガス50sccmとO2ガス10sccmの雰囲気中でスパッタリングすることでWOを形成した。露光前の膜厚は100nmとした。露光光である405nmの波長の光に対して30%の吸収率であった。紫外線領域近傍においては、光の波長が長くなるほど吸収率は小さくなる。
次に、露光用の光をレジストに集光させ、石英基板を回転させながら、露光用の光を石英基板の半径方向に移動させることで、レジスト上からL0層の情報パターン304(ピットや案内溝)に対応したパターン露光をした。実施例3では、露光用の光の波長は351nmとした。データ記録領域の露光条件は、線速1.5m/s、パワー2.0mWとした。トラックピッチTPは320nmとした。
次に、アルカリ現像液を用いて未露光部のレジストを除去し、データ記録領域の溝深さがd=20nmになるように現像を行う事で透明スタンパを製造した。ここで情報トラック側がスタンパ基板に対して凸になっている。
前記透明スタンパは、実施例3と同様に現像後の状態で350nm〜400nmの波長の光に対して最高19%の透過率があった。
次に、実施例1と同様の光ディスクの製造方法で光ディスクを製造した。前記光ディスクを実施例1と同様に評価したところ、実施例1と同等の特性が得られた。
(実施例6)
実施例6ではW金属ターゲットを用いて、透明スタンパを作製した。
透明基板として厚さ1mm、外径120mm、内径15mmの石英基板を用いた。まず石英基板上に、化学量論組成から酸素が欠損した酸化タングステンWOを形成する。W金属ターゲットを、Arガス30sccmとO2ガス20sccmの雰囲気中でスパッタリングすることでWOを形成した。露光前の膜厚は100nmとし、露光光である351nmの波長の光に対して60%の吸収率を持つ組成とした。
次に、露光用の光をレジストに集光させ、石英基板を回転させながら、露光用の光を石英基板の半径方向に移動させることで、レジスト上からL1層の情報パターン(ピットや案内溝)に対応したパターン露光をした。実施例6では、データ記録領域の露光条件は線速3.0m/s、パワー3.0mW、トラックピッチTP320nmとした。ここで、本実施例6で用いる、化学量論組成から酸素が欠損した酸化タングステンWOは、露光用の光を照射することで膜の状態が変わり、アルカリ溶液による現像で露光部が凹となるポジ型レジストである。
次に、アルカリ現像液を用いて露光部のレジストをエッチングし、データ記録領域の溝深さがd=20nmになるように現像を行う事で透明スタンパ900を製造した。情報トラック側がスタンパに対して凹となっている。
前記透明スタンパは、現像後の状態で350nm〜400nmの波長の光に対して最高30%の透過率があった。
次に実施例6では、本発明による透明スタンパ900を用いる以外は、比較例1の光ディスクの製造方法と同様に光ディスクを製造した。
図9を用いて説明する。図9は中心孔を有する回転対称なディスク状の断面図の片側半分を示すものであり、基板やスタンパの中心孔は省略されている。また、全ての工程は、記録再生用の光束入射面を下にして図示されている。
まず、図9−(1)に示すように、射出成型により、L0層の情報パターン902(ピットや案内溝)が形成されている厚さ1.1mm、直径120mm、中心孔径15mmのポリカーボネート(PC)基板901を形成した。情報トラックが凸になっている。
次に、図9−(2)に示すように、L0層の情報パターン902上にL0層記録膜903を成膜した。L0層記録膜903は典型的には、光を透過しない反射膜か反射膜を含んで構成される。本実施例では、例えばスパッタリング法を用いて、L0反射膜、誘電体膜、L0記録膜、誘電体膜、の順に成膜した。
図9−(3)に示すように、L0層とL1層との間の中間層を構成するための中間層用2p樹脂(光反応性硬化樹脂)904を実施例1と同様例えば25μmの厚さで塗布した。
図9−(4)に示すように、透明スタンパ900は本実施例による透明スタンパであり、L1層の情報パターン905(ピットや案内溝)が形成されている。情報トラックがスタンパに対して凹になっている。中間層用2p樹脂904が塗布されたポリカーボネート基板901と、透明スタンパ900を、L0層の情報パターンとL1層の情報パターンが対向する向きで重ねあわせた。この時、中心孔(図示せず)を用いて位置合わせをおこなった。その後、透明スタンパ900を通して紫外線を照射することによって、中間層用2p樹脂904を硬化させた。中間層用2p樹脂904を硬化させるために、必要なUV照射時間は3秒未満であった。
図9−(5)に示すように、中間層用2p樹脂904を硬化後、透明スタンパ900を剥離することで、L1層の情報パターン905が形成される。剥離された透明スタンパ900は、UV光束を照射しても劣化することはなく、繰り返し使用することが可能である。
図9−(6)に示すように、L1層の情報パターン905にL1層記録膜906を成膜した。L1層記録膜906は、半透明膜で構成される。例えばスパッタリング法を用いて、L1高屈折率膜、L1反射膜、L1誘電体膜、L1記録膜、誘電体膜の順に成膜した。
図9−(7)に示すように、L1層記録膜906上に、カバーシート用2p樹脂(樹脂保護層)907を構成した。実施例1と同様にカバーシート用2p樹脂907を例えば75μm塗布した。その後、UV光源から紫外線を照射し硬化し、本実施例における2層構成の光記録媒体が完成する。
こうして作製した光ディスクに対してレーザ波長405nm、対物レンズのN.Aを0.85の光学系を用いて、線速4.92m/sにおいて、容量25GBの(1−7)変調のランダムデータを用いて信号の再生評価を行った。リミットイコライザで等化してData to Clockでジッタを測定したところ、L0層では5.5%、L1層では6.7%の値が得られた。
本発明の光ディスクの製造方法によれば、製造工程が簡便でかつ、繰り返し利用可能な透明スタンパを用いるため、安価な多層構成の光ディスクを供給することが可能になる。
(実施例7)
実施例7ではWOの組成を変えた以外は、実施例6と同様の方法で透明スタンパを作製した。
透明基板として厚さ1mm、外径120mm、内径15mmの石英基板を用いた。まず石英基板上に、化学量論組成から酸素が欠損した酸化タングステンWOを形成する。W金属ターゲットを、Arガス50sccmとO2ガス20sccmの雰囲気中でスパッタリングすることでWOを形成した。実施例7では、露光前の膜厚は100nmとし、露光光である351nmの波長の光に対して70%の吸収率を持つ組成とした。
次に、露光用の光をレジストに集光させ、石英基板を回転させながら、露光用の光を石英基板の半径方向に移動させることで、レジスト上からL1層の情報パターン(ピットや案内溝)に対応したパターン露光をした。実施例7では、データ記録領域の露光条件は線速3.0m/s、パワー2.9mW、トラックピッチTP320nmとした。
次に、アルカリ現像液を用いて露光部のレジストをエッチングし、データ記録領域の溝深さがd=20nmになるように現像を行う事で透明スタンパを製造した。情報トラック側がスタンパに対して凹となっている。
前記透明スタンパは、現像後の状態で350nm〜400nmの波長の光に対して最高19%の透過率があった。
次に、実施例6と同様の光ディスクの製造方法で光ディスクを製造した。前記光ディスクを実施例6と同様に評価したところ、実施例6と同等の特性が得られた。中間層1用2p樹脂を硬化させるために、必要なUV照射時間は5秒間であった。
(実施例8)
実施例8ではWOの組成を変えた以外は、実施例6と同様の方法で透明スタンパを作製した。
透明基板として厚さ1mm、外径120mm、内径15mmの石英基板を用いた。まず石英基板上に、化学量論組成から酸素が欠損した酸化タングステンWOを形成する。W金属ターゲットを、Arガス15sccmとO2ガス16sccmの雰囲気中でスパッタリングすることでWOを形成した。実施例8では、露光前の膜厚は100nmとし、露光光である351nmの波長の光に対して50%の吸収率を持つ組成とした。
次に、露光用の光をレジストに集光させ、石英基板を回転させながら、露光用の光を石英基板の半径方向に移動させることで、レジスト上からL1層の情報パターン(ピットや案内溝)に対応したパターン露光をした。実施例8では、データ記録領域の露光条件は線速1.0m/s、パワー2.5mW、トラックピッチTP320nmとした。ここで、本実施例8で用いる、化学量論組成から酸素が欠損した酸化タングステンWOは、露光用の光を照射することで膜の状態が変わり、アルカリ溶液による現像で露光部が凸となるネガ型レジストである。
次に、アルカリ現像液を用いて未露光部のレジストをエッチングし、データ記録領域の溝深さがd=20nmになるように現像を行う事で透明スタンパ1000を製造した。情報トラック側がスタンパに対して凸になっている。
前記透明スタンパは、現像後の状態で350nm〜400nmの波長の光に対して最高40%の透過率があった。
次に実施例8では、本発明による透明スタンパ1000と、情報トラックが凹になっているL0層用の基板を用い、さらに有機系の記録材料を用いた以外は実施例6と同様に光ディスクを製造した。
図10を用いて説明する。図10は中心孔を有する回転対称なディスク状の断面図の片側半分を示すものであり、基板やスタンパの中心孔は省略されている。また、全ての工程は、記録再生用の光束入射面を下にして図示されている。
まず、図10−(1)に示すように、射出成型により、L0層の情報パターン1002(ピットや案内溝)が形成されている厚さ1.1mm、直径120mm、中心孔径15mmのポリカーボネート(PC)基板1001を形成した。情報トラックが凹になっている。
次に、図10−(2)に示すように、L0層の情報パターン1002上にL0層記録膜1003を形成した。L0層記録膜1003は典型的には、光を透過しない反射膜か反射膜を含んで構成される。本実施例では、例えばスパッタリング法を用いてL0反射膜を形成後、スピンコート法を用いて有機色素系のL0記録膜を形成し、さらにスパッタリング法を用いて誘電体膜を形成した。
図10−(3)に示すように、L0層とL1層との間の中間層を構成するための中間層用2p樹脂(光反応性硬化樹脂)1004を実施例1と同様例えば25μmの厚さで塗布した。
図10−(4)に示すように、透明スタンパ1000は本実施例による透明スタンパであり、L1層の情報パターン1005(ピットや案内溝)が形成されている。情報トラックがスタンパに対して凸になっている。中間層用2p樹脂1004が塗布されたポリカーボネート基板1001と、透明スタンパ1000を、L0層の情報パターンとL1層の情報パターンが対向する向きで重ねあわせた。この時、中心孔(図示せず)を用いて位置合わせをおこなった。その後、透明スタンパ1000を通して紫外線を照射することによって、中間層用2p樹脂1004を硬化させた。中間層用2p樹脂1004を硬化させるために、必要なUV照射時間は2秒未満であった。
図10−(5)に示すように、中間層用2p樹脂1004を硬化後、透明スタンパ1000を剥離することで、L1層の情報パターン1005が形成される。剥離された透明スタンパ1000は、UV光束を照射しても劣化することはなく、繰り返し使用することが可能である。
図10−(6)に示すように、L1層の情報パターン1005にL1層記録膜1006を成膜した。L1層記録膜1006は、半透明膜で構成される。例えばスパッタリング法を用いて、L1高屈折率膜、L1反射膜を形成した後、スピンコート法を用いて有機色素系のL1記録膜を形成し、さらにスパッタリング法を用いて誘電体膜を形成した。
図10−(7)に示すように、L1層記録膜1006上に、カバーシート用2p樹脂(樹脂保護層)1007を構成した。実施例1と同様にカバーシート用2p樹脂1007を例えば75μm塗布した。その後、UV光源から紫外線を照射し硬化し、本実施例における2層構成の光記録媒体が完成する。
こうして作製した光ディスクに対してレーザ波長405nm、対物レンズのN.Aを0.85の光学系を用いて、線速4.92m/sにおいて、容量25GBの(1−7)変調のランダムデータを用いて信号の再生評価を行った。リミットイコライザで等化してData to Clockでジッタを測定したところ、L0層では5.5%、L1層では6.7%の値が得られた。
(実施例9)
本実施例9では、ポリカーボネート(PC)基板越しに記録再生を行う光ディスクの製造方法の例を説明する。ここで、光ディスクの記録再生用の光学系に近い側の情報記録面をL1と称し、遠い側をL0と称す。
トラックピッチTを400nmに変えた以外は、実施例8と同様の方法でL0用の透明スタンパ1100を作製した。情報トラック側がスタンパに対して凸になっている。
次に実施例9では、本発明による透明スタンパ1100と、情報トラックが凹になっているL1層用の基板を用い、さらに有機系の記録材料を用いて光ディスクを製造した。
図11を用いて説明する。図11は中心孔を有する回転対称なディスク状の断面図の片側半分を示すものであり、基板やスタンパの中心孔は省略されている。また、全ての工程は、記録再生用の光束入射面を下にして図示されている。
まず、図11−(1)に示すように射出成型により、L1層の情報パターン1102(ピットや案内溝)が形成されている厚さ0.6mm、直径120mm、中心孔径15mmのポリカーボネート(PC)基板1101を形成した。情報トラックが基板に対して凹になっている。
次に、図11−(2)に示すようにL1層の情報パターン1102上にL1層記録膜1103を形成した。L1層記録膜は半透明膜で構成される。例えばスピンコート法を用いて有機色素系のL1記録膜を形成した後に、スパッタリング法を用いてL1反射膜を形成した。
次に、図11−(3)に示すようにL0層とL1層との間の中間層を構成するための中間層用2p樹脂(光反応性硬化樹脂)1104を、例えば35μmの厚さで塗布した。
図11−(4)に示すように、透明スタンパ1100は本実施例による透明スタンパであり、L0層の情報パターン1105(ピットや案内溝)が形成されている。情報トラックがスタンパに対して凸になっている。中間層用2p樹脂1104が塗布されたポリカーボネート基板1101と、L0層の情報パターン1105が形成された透明スタンパ1100を、L0層の情報パターンとL1層の情報パターンが対向する向きで重ねあわせた。この時、中心孔(図示せず)を用いて位置合わせをおこなった。その後、透明スタンパ1100を通して紫外線を照射することによって、中間層用2p樹脂1104を硬化させた。中間層用2p樹脂1104を硬化させるために、必要なUV照射時間は2秒未満であった。
図11−(5)に示すように中間層用2p樹脂1104を硬化後、透明スタンパ1100を剥離することで、L0層の情報パターン1105が形成される。剥離された透明スタンパ1100は、UV光束を照射しても劣化することはなく、繰り返し使用することが可能である。
図11−(6)に示すように、L0層の情報パターン1105にL0層記録膜1106を成膜した。L0層記録膜は典型的には、光を透過しない反射膜か反射膜を含んで構成される。本実施例では、例えばスピンコート法を用いて有機色素系のL0記録膜を形成した後に、スパッタリング法を用いてL0反射膜を形成した。
図11−(7)に示すように、L0層記録膜上に、厚さ0.6mmのポリカーボネート基板1108を、UV硬化接着材1109を用いて貼り付け、本実施例における2層構成の光記録媒体が完成する。
こうして作製した光ディスクに対してレーザ波長405nm、対物レンズのN.Aを0.65の光学系を用いて、容量15GBのETM(8/12)変調を用いて信号の再生評価を行った。SbER(Simulated bit Error Rate)を測定したところ、L0層では4.2×10−6、L1層では7.0×10−6の値が得られた。
(実施例10)
実施例10では、レジストとして化学量論組成から酸素が欠損した組成の酸化モリブデンMoOを例に説明する。本実施例10で用いる、酸化モリブデンMoOは、露光用の光を照射することで膜の状態が変わり、アルカリ溶液による現像で露光部が凹となるポジ型レジストである。
透明基板として厚さ1mm、外径120mm、内径15mmの石英基板を用いた。まず石英基板上に、化学量論組成から酸素が欠損した酸化モリブデンMoOを形成する。Mo金属ターゲットを、Arガス50sccmとO2ガス11.5sccmの雰囲気中でスパッタリングすることでMoOを形成した。露光前の膜厚は100nmとし、露光光である351nmの波長の光に対して50%の吸収率を持つ組成とした。
次に、露光用の光をレジストに集光させ、石英基板を回転させながら、露光用の光を石英基板の半径方向に移動させることで、レジスト上にL1層の情報パターン(ピットや案内溝)に対応したパターン露光をした。実施例10では、データ記録領域の露光条件は線速1.0m/s、パワー0.8mW、トラックピッチTP320nmとした。
次に、アルカリ現像液を用いて露光部のレジストをエッチングし、データ記録領域の溝深さがd=20nmになるように現像を行う事で透明スタンパを製造した。情報トラック側がスタンパに対して凹となっている。前記透明スタンパは、現像後の状態で350nm〜400nmの波長の光に対して最高40%の透過率があった。
次に、実施例6と同様の光ディスクの製造方法で光ディスクを製造した。前記光ディスクを実施例6と同様に評価したところ、実施例6と同等の特性が得られた。中間層用2p樹脂を硬化させるために、必要なUV照射時間は2秒未満であった。
本発明は、繰り返し使用可能な、透明基板上に、酸化タングステンを含むレジスト層が形成され、前記レジスト層に、情報信号パターン(ピットまたは案内溝)に対応する凹凸が形成されてなるスタンパを使用することに特徴がある。したがって、スタンパの構成、情報記録面の積層順序や積層方向、また、記録材料等を、上記実施例に限定するものではない。
本発明による光ディスクの製造方法を説明する模式図である。 2層の光記録媒体の断面図である。 実施例1による光ディスクの製造方法を説明する模式図である。 比較例1による光ディスクの製造方法を説明する模式図である。 実施例2による光ディスクの製造方法における工程(1)〜(9)を説明する模式図である。 実施例2による光ディスクの製造方法における工程(10)〜(18)を説明する模式図である。 4層の光記録媒体の断面図である。 従来の透明スタンパを製造する方法を説明する模式図である。 従来の4層記録媒体の製造方法における工程(1)〜(5)を説明するための断面図である。 従来の4層記録媒体の製造方法における工程(6)〜(10)を説明するための断面図である。 従来の4層記録媒体の製造方法における工程(11)〜(14)を説明するための断面図である。 従来の4層記録媒体の製造方法における工程(15)〜(16)を説明するための断面図である。 実施例6による光ディスクの製造方法を説明する模式図である。 実施例8による光ディスクの製造方法を説明する模式図である。 実施例9による光ディスクの製造方法を説明する模式図である。
符号の説明
2, カバーシート用2p樹脂(カバー層)
4, L3層パターン(L3層の情報パターン)
5, UV光源
6, L3層記録膜(L3層)
7, 中間層1用2p樹脂(中間層1)
9, L2層パターン(L2層の情報パターン)
10, L2層記録膜(L2層)
11, 中間層2用2p樹脂(中間層2)
13, L1層パターン(L1層の情報パターン)
14, L1層記録膜(L1層)
15, PC基板
16, L0層パターン(L0層の情報パターン)
17, L0層記録膜(L0層)
18, 中間層3用2p樹脂(中間層3)
19−1, 透明スタンパA
19−2, 透明スタンパB
19−3, 透明スタンパC
19−4, 透明スタンパD
20, 接着層用2p樹脂(接着層)
22, 射出成形用スタンパ
71, 石英ガラス基板
72, フォトレジスト
73, レーザ光
74, CF4ガスプラズマ
111, 透明基板
112, レジスト
113, 露光用の光
114, 半径方向
115, 透明スタンパ
116, 支持基板
117, 光反応性硬化樹脂
118, 情報パターン
202, カバー層
207, 中間層

Claims (24)

  1. 多層光記録媒体の製造に用いられるスタンパにおいて、
    透光性の基板と、
    前記透光性の基板上にピット又は案内溝が形成された透光性の無機レジスト層と
    を有することを特徴とするスタンパ。
  2. 前記ピット又は案内溝は、前記透光性の基板上に積層された前記無機レジスト層に露光及び現像を行うことで形成されたものであって、前記無機レジスト層は、前記露光に使用する露光光に対して10%以上の吸収率を有し、
    前記スタンパは、一方の面側から紫外線光を照射することによって他方の面側に配置されている光反応性硬化樹脂を硬化可能であって、前記無機レジスト層は、前記紫外線光に対して15%以上の透過率を有することを特徴とする請求項1に記載のスタンパ。
  3. 前記無機レジスト層は、前記現像によって露光部が凸になるネガ型のレジスト、又は前記現像によって露光部が凹になるポジ型のレジストであることを特徴とする請求項2に記載のスタンパ。
  4. 前記無機レジスト層は、少なくともタングステン、モリブデンのいずれかを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のスタンパ。
  5. 前記無機レジスト層は、化学量論組成から酸素が欠損したタングステン若しくはモリブデンの酸化物を含むことを特徴とする請求項4に記載のスタンパ。
  6. 前記透光性の基板は、ガラス、石英、透明セラミックのいずれかを含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のスタンパ。
  7. 多層光記録媒体の製造に用いられるスタンパの製造方法において、
    A)透光性の基板上に透光性の無機レジスト層を積層する工程と、
    B)前記無機レジスト層に露光及び現像を行うことで、ピット又は案内溝を形成する工程と、
    を有することを特徴とするスタンパの製造方法。
  8. 前記無機レジスト層は、前記露光に使用する露光光に対して10%以上の吸収率を有し、
    前記スタンパは、一方の面側から紫外線光を照射することによって他方の面側に配置されている光反応性硬化樹脂を硬化可能であって、前記無機レジスト層は、前記紫外線光に対して15%以上の透過率を有することを特徴とする請求項7に記載のスタンパの製造方法。
  9. 前記無機レジスト層は、前記現像によって露光部が凸になるネガ型のレジスト、又は前記現像によって露光部が凹になるポジ型のレジストであることを特徴とする請求項8に記載のスタンパの製造方法。
  10. 前記無機レジスト層は、少なくともタングステン、モリブデンのいずれかを含むことを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載のスタンパの製造方法。
  11. 前記無機レジスト層は、化学量論組成から酸素が欠損したタングステン若しくはモリブデンの酸化物を含むことを特徴とする請求項10に記載のスタンパの製造方法。
  12. 前記透光性の基板は、ガラス、石英、透明セラミックのいずれかを含むことを特徴とする請求項7乃至11のいずれかに記載のスタンパの製造方法。
  13. 多層光記録媒体の製造方法において、
    a1)ピット又は案内溝が形成された支持基板上に記録層を成膜する工程と、
    b1)前記記録層上に光反応性硬化樹脂からなる中間層を積層する工程と、
    c1)透光性の基板上にピット又は案内溝が形成された無機レジスト層を有するスタンパを介して、前記中間層に紫外線光を照射することにより、前記光反応性硬化樹脂を硬化するとともに前記スタンパに形成されている前記ピット又は案内溝を前記中間層に転写する工程と、
    d1)前記スタンパに形成されている前記ピット又は案内溝が転写された前記中間層上に記録層を積層する工程と、
    を有することを特徴とする多層光記録媒体の製造方法。
  14. 前記スタンパに形成されている前記ピット又は案内溝は、前記透光性の基板上に積層された前記無機レジスト層に露光及び現像を行うことで形成されたものであって、前記無機レジスト層は、前記露光に使用する露光光に対して10%以上の吸収率を有し、
    前記無機レジスト層は、前記紫外線光に対して15%以上の透過率を有することを特徴とする請求項13に記載の多層光記録媒体の製造方法。
  15. e1)前記スタンパを他の多層光記録媒体の製造に再利用する工程を更に有することを特徴とする請求項13または14に記載の多層光記録媒体の製造方法。
  16. 前記無機レジスト層は、少なくともタングステン、モリブデンのいずれかを含むことを特徴とする請求項13乃至15のいずれかに記載の多層光記録媒体の製造方法。
  17. 前記無機レジスト層は、化学量論組成から酸素が欠損したタングステン若しくはモリブデンの酸化物を含むことを特徴とする請求項16に記載の多層光記録媒体の製造方法。
  18. 前記透光性の基板は、ガラス、石英、透明セラミックのいずれかを含むことを特徴とする請求項13乃至17のいずれかに記載の多層光記録媒体の製造方法。
  19. 多層光記録媒体の製造方法において、
    a2)ピット又は案内溝が形成された支持基板上に光反応性硬化樹脂からなる中間層を形成する工程と、
    b2)透光性の基板上にピット又は案内溝が形成された無機レジスト層を有するスタンパを介して、前記中間層に紫外線光を照射することにより、前記光反応性硬化樹脂を硬化するとともに前記スタンパに形成されている前記ピット又は案内溝を前記樹脂層に転写する工程と、
    c2)前記スタンパに形成されている前記ピット又は案内溝が転写された前記中間層上に記録層を積層する工程と、
    d2)前記支持基板を剥離した上で、前記支持基板に形成されているピット又は案内溝が転写された前記中間層上に記録層を積層する工程と、
    を有することを特徴とする多層光記録媒体の製造方法。
  20. 前記スタンパに形成されている前記ピット又は案内溝は、前記透光性の基板上に積層された前記無機レジスト層に露光及び現像を行うことで形成されたものであって、前記無機レジスト層は、前記露光に使用する露光光に対して10%以上の吸収率を有し、
    前記無機レジスト層は、前記紫外線光に対して15%以上の透過率を有することを特徴とする請求項19に記載の多層光記録媒体の製造方法。
  21. e2)前記スタンパを他の多層光記録媒体の製造に再利用する工程を更に有することを特徴とする請求項19または20に記載の多層光記録媒体の製造方法。
  22. 前記無機レジスト層は、少なくともタングステン、モリブデンのいずれかを含むことを特徴とする請求項19乃至21のいずれかに記載の多層光記録媒体の製造方法。
  23. 前記無機レジスト層は、化学量論組成から酸素が欠損したタングステン若しくはモリブデンの酸化物を含むことを特徴とする請求項22に記載の多層光記録媒体の製造方法。
  24. 前記透光性の基板は、ガラス、石英、透明セラミックのいずれかを含むことを特徴とする請求項19乃至23のいずれかに記載の多層光記録媒体の製造方法。
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