JP2008151782A - ジェットポンプディフューザアダプタと尾管の溶接を修理する方法および装置 - Google Patents

ジェットポンプディフューザアダプタと尾管の溶接を修理する方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ジェットポンプディフューザアダプタと尾管の溶接を修理する方法および装置を提供すること
【解決手段】クランプアセンブリは、沸騰水型原子炉のジェットポンプディフューザのディフューザ尾管にディフューザアダプタまたは下部リングを連結する。クランプアセンブリは、ディフューザの外周に全体的に対応する形に作られた少なくとも2つのクランプセグメント(12)と、クランプセグメントの各々の各端に取り付けられたスイベルリンク(14)と、クランプセグメントの端とクランプセグメント端の間でスイベルリンクに旋回可能に固定された少なくとも2つの連結バンド(16)とを含む。クランプセグメント各々は、ディフューザアダプタまたは下部リングおよびディフューザ尾管と係合可能なロックアセンブリ(20、22)を含む。クランプアセンブリは、ディフューザアダプタまたは下部リングとディフューザ尾管を接合する溶接部を構造的に取り替え/修理する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ジェットポンプディフューザアセンブリのバイメタル溶接部の修理または取替えに関し、より詳細には、その溶接部を構造的に取り替え/修理するジェットポンプディフューザクランプアセンブリに関する。
沸騰水型原子炉において、シュラウドアニュラスの中に位置付けされた中空管ジェットポンプは、必要とされる炉心流を供給する。ジェットポンプの下の部分は、長い円錐状管部である。ディフューザの機能は、高速流量の速度を落として、その流量の動的ヘッドを静的圧力に変えることである。
沸騰水型原子炉のジェットポンプディフューザアセンブリは、2つの異なる設計構成の1つであることがある。第1の構成は、アダプタ部品を一部に含み、このアダプタ部品は、上部オーステナイトステンレス鋼リングと下部インコネル合金600リングとで構成されている。これら2つのリングは工場溶接されたが、この溶接は、バイメタル溶接(異類金属の溶接部)であり、同類金属を接合する溶接よりも行うのが困難であった。アダプタの下の部分は、インコネル合金600シュラウド支持板に溶接されているので、このアダプタ部品は、それで、ディフューザの原子炉への組立を容易にした。それから、オーステナイトステンレス鋼で作られたディフューザ尾管が、オーステナイトステンレス鋼で作られたアダプタの上の部分に接合された。したがって、原子炉の現場組立のときに、同類金属のこれら2つの溶接が行われた。
第2の設計構成は、ディフューザ尾管に工場溶接されたインコネル合金600で作られた下部リングから成っている。ディフューザ尾管はオーステナイトステンレス鋼から作られているので、この溶接はバイメタル溶接である。この設計方法では、結果として、原子炉の現場組立のときに行う必要のある唯一の溶接として、下部リングをシュラウド支持板に溶接することになる。
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検討しているディフューザアセンブリの設計構成にかかわらず、ディフューザアセンブリにバイメタル溶接部が存在している。ディフューザアセンブリのバイメタル溶接部の構造的な完全性が万一損なわれた場合には、この溶接部を補強するか構造的に取り替える手段が求められる。
本発明の例示の実施形態では、クランプアセンブリは、沸騰水型原子炉のジェットポンプディフューザのディフューザ尾管にディフューザアダプタまたは下部リングを連結する。クランプアセンブリは、ディフューザの外周に全体的に対応する形に作られた少なくとも2つのクランプセグメントと、クランプセグメントの各々の各端に取り付けられたスイベルリンクと、クランプセグメントの端とクランプセグメント端の間でスイベルリンクに旋回可能に固定された少なくとも2つの連結バンドとを含む。クランプセグメント各々は、ディフューザアダプタまたは下部リングおよびディフューザ尾管と係合可能なロックアセンブリを含む。
本発明の他の例示の実施形態では、沸騰水型原子炉のジェットポンプディフューザのディフューザ尾管にディフューザアダプタまたは下部リングを接合する溶接部を修理する方法は、ディフューザアダプタまたは下部リングおよびディフューザ尾管に複数の穴を形成する段階と、それぞれクランプ本体および上部ピンインサートおよび下部ピンインサートを含む2つのクランプセグメントを、上部ピンインサートがディフューザ尾管の穴に係合するように、かつ下部ピンインサートがディフューザアダプタまたは下部リングの穴に係合するように、ディフューザの上に位置付けする段階と、クランプセグメントの各々の各端にスイベルリンクを連結する段階と、クランプセグメントの端とクランプセグメントの端の間で2つの連結バンドをスイベルリンクに固定する段階と、適切なぴったりのはめあい(fit−up)および負荷の実質的に均等な分布を確実にするようにクランプセグメントとスイベルリンクの間の連結を締める段階とを含む。
本発明のさらに他の例示の実施形態では、クランプアセンブリは、ディフューザの外周に全体的に対応する形に作られた2つのクランプセグメントを含む。各クランプセグメントは、上部ピンインサートおよび下部ピンインサートを収容するクランプ本体を含む。上部および下部ピンインサートは、ディフューザアダプタまたは下部リングおよびディフューザ尾管に形成された対応する穴と係合可能なピンを有する。スイベルリンクが、クランプセグメントの各々の各端に取り付けられ、少なくとも2つの連結バンドが、クランプセグメントの端とクランプセグメントの端の間でスイベルリンクに旋回可能に固定されている。
図1〜3で、ジェットポンプディフューザクランプアセンブリ10は、ジェットポンプディフューザPDに取り付けられて示されている。クランプアセンブリ10の部品には、ディフューザPDの外周に全体的に対応する形に作られたクランプセグメント12と、クランプセグメント12の各端に取り付けられたスイベルリンク14と、クランプセグメント12の端とクランプセグメント12の端の間でスイベルリンク14に旋回可能に固定された連結バンド16がある。
図4、6および7に示されるように、クランプセグメント12は、クランプ本体18と、上部ピンインサート20および下部ピンインサート22を含む一対のピンインサートとから構成されている。クランプ本体18各々は、上部および下部ピンインサート20、22を収容するような大きさに作られた一対の周方向溝24をその内面に含んでいる。ピンインサート20、22は、ディフューザアダプタまたは下部リングDAおよびディフューザ尾管TPに形成された対応する穴Hと係合可能な複数のピン26を含む。好ましくは、ピン26は円錐状の形に作られ、ディフューザアダプタまたは下部リングおよびディフューザ尾管に形成された穴Hは、対応したテーパを付けられている。
好ましくは円錐状であるピンおよび噛み合うテーパ付き穴は、ピンがテーパ付き穴にぴったりはまるような大きさに作られる(すなわち、クランプアセンブリボルトがしっかり締められたとき、ピンインサートおよびクランプ本体が底に達しない、すなわちディフューザに接触しない)。したがって、理論的には円錐状のピンはテーパ付き穴にぴったりはまるので、冷却剤の漏れは最小限になる。円柱状のピンが使用されるかもしれなし、本発明は円錐状のピンそれ自体に限定される意図でないが、ピンが円柱状であり円筒状の穴に嵌め込まれる場合、組立を容易にするために、ピンと穴の間に隙間があること必要であろう。したがって、半径方向の隙間は、すべてのピン−穴界面に漏れ経路を生じるだろう。漏れを最小限にしようとして、円錐状のピンとテーパ付き穴が設けられる。
続けて図1および6を参照して、クランプセグメント12の各々は、それの各端に、対応する1つのスイベルリンク14と係合可能なボルト32を収容する少なくとも1つの開口30を含むボルトカラー28を含んでいる。
連結バンド16の端は、そこに、スイベルリンク14の開口36と開口36の間に一直線に並べられる開口34を含む。ピン38は、これらの整列された開口を貫通して嵌め込まれて、連結バンド16をスイベルリンクの中に固定する。好ましくは、ボルト32およびピン38の各々は、また、締め具保持力を確実にするためにクリンプカラー40を含む。
ディフューザ尾管TPおよびディフューザアダプタまたは下部リングDAは、一般に、異なる熱膨張係数を有する異なる材料で形成されるので、任意の接続する部品間で熱膨張係数を合わせることが望ましい。したがって、ディフューザ尾管TPと係合可能な上部ピンインサート20は、ディフューザ尾管TPの熱膨張係数に実質的に合った熱膨張係数を有する第1の材料で形成される。対応して、ディフューザアダプタまたは下部リングDAと係合可能な下部ピンインサート22は、ディフューザアダプタまたは下部リングDAの熱膨張係数に実質的に合った熱膨張係数を有する第2の材料で形成される。1つの例示の配列では、上部ピンインサートの第1の材料は、316型のオーステナイトステンレス鋼であり、下部ピンインサートの第2の材料はインコネル合金600である。
同様な背景で、クランプ本体18はディフューザ尾管TPとディフューザアダプタまたは下部リングDAの両方にまたがるので、クランプ本体の熱膨張は、動作温度でディフューザ尾管TPとディフューザアダプタまたは下部リングDAの組み合わされた熱膨張に実質的に等しくなるように設計製作することが望ましい。したがって、クランプ本体18は、オーステナイトステンレス鋼(アダプタおよびディフューザ尾管の上部)とインコネル合金600(アダプタまたは下部リングの下部)の係数の中間の熱膨張係数を有する材料で形成される。本発明の例示の実施形態では、クランプ本体18の材料は、XM−19型オーステナイトステンレス鋼(nitronic 50)である。
その結果として、原子炉が周囲温度から動作温度に加熱するときに、ピン26は、膨張する穴Hと足並みを揃えて膨張し、さらに、ピン26の形状寸法は穴Hの形状寸法に実質的に合っているので、漏れは最小限になり、クランプおよびディフューザ部品に熱応力が加わらない。さらに、クランプ本体18の熱膨張は、ジェットポンプ尾管TPとアダプタ部分または下部リングDAの組み合わされた熱膨張に等しくなるように設計製作される。その結果として、アダプタのバイメタル溶接部の熱応力は軽減される。
本発明の好ましい例示の実施形態では円錐状である穴Hは、図5に示されるように、尾管TPおよびアダプタまたは下部リングDA部品に放電加工(EDM)によって形成されてもよい。穴Hは、尾管TPの一列の穴と、アダプタまたは下部リングDAにある直ぐ下の一列の穴とを含む。各列の穴の穴Hの中心線は、好ましくは互いに等間隔で、共通面内にある。また、図6に示されるように、まったく同じ穴が、尾管TPおよびアダプタまたは下部リングDAの反対側に設けられる。バイメタル溶接の上および下の穴の相対的な距離は、また、様々な材料の熱膨張係数の関数である。例示の実施形態では、穴Hは、直径がおおよそ3/4(4分の3)インチで、全テーパ角が10°である。28個の穴が示され、そのうちの14個がディフューザの一方の側に加工され、他の14個がディフューザの他方の側に加工されている。ジェットポンプの任意の側の穴Hは、溶接ラインの上および下で穴間隔を維持するために、好ましくは、同時に加工される。溶接部の上および下のこれらの穴の距離と、クランプ本体部品の材料選択とで、溶接部に生じる追加の熱応力が最小限になる。
修理用クランプ取付けプロセスが図7に示されている。いったん穴Hがジェットポンプディフューザに加工されると、クランプ部品が取り付けられる。好ましい例示の実施形態では、クランプセグメント12、スイベルリンク14、ボルト32、およびボルトクリンプカラー40を含んだ予め組み立てられた部分アセンブリが、上部および下部ピンインサート20、22がジェットポンプディフューザの穴Hと連絡するように、ジェットポンプディフューザPDの各側に取り付けられる。その後、連結バンド16が、ピン38によって連結バンドの各端のスイベルリンク14に取り付けられ固定される。次に、クランプ部品の適切なぴったりのはめあいおよび負荷の均等な分布を確実にするように、ボルト32が連続してしっかり締められる。最後に、締め具保持力を確実にするようにピンおよびボルトクリンプカラー40がかしめられる。
本明細書で説明されたクランプアセンブリは、ジェットポンプアダプタまたは下部リングをジェットポンプ尾管に連結する溶接部を構造的に修理/取替えするのに役立つ。クランプアセンブリは、連結バイメタル溶接部を構造的に取り替えるように設計されているので、修理用クランプが取り付けられた後で目視検査のために既存の溶接部がアクセス可能であることは必要でない。クランプアセンブリは、遠く離れて原子炉に取り付け可能である。クランプアセンブリは、設計および取付けが簡単化され、ジェットポンプディフューザ修理施設の優れた代替えをもたらす。
本発明は、最も実際的で好ましい実施形態であると現在考えられるものに関連して説明されたが、本発明は、開示された実施形態に限定されるべきでなく、それどころか、添付の特許請求の範囲の精神および範囲内に含まれる様々な修正物および同等の配列を含む意図であることは理解されるべきである。
ジェットポンプディフューザに取り付けられたクランプアセンブリを示す等角図である。 図1のクランプアセンブリを示す正面図である。 クランプアセンブリを示す平面図である。 クランプセグメントのロックアセンブリを示す半断面図である。 クランプアセンブリピンインサートとの係合のためにディフューザに形成された穴を示す図である。 クランプアセンブリを示す分解組立図である。 クランプ取付けプロセスを示す図である。
符号の説明
10 ジェットポンプディフューザクランプアセンブリ
12 クランプセグメント
14 スイベルリンク
16 連結バンド
18 クランプ本体
20 上部ピンインサート
22 下部ピンインサート
24 周方向溝
26 ピン
28 ボルトカラー
30 開口
32 ボルト
34 開口
36 開口
38 ピン
40 クリンプカラー

Claims (10)

  1. 沸騰水型原子炉のジェットポンプディフューザのディフューザ尾管にディフューザアダプタまたは下部リングを連結するためのクランプアセンブリであって、
    前記ディフューザの外周に全体的に対応する形に作られた少なくとも2つのクランプセグメント(12)と、
    前記クランプセグメントの各々の各端に取り付けられたスイベルリンク(14)と、
    前記クランプセグメントの端と前記クランプセグメントの端の間で前記スイベルリンクに旋回可能に固定された少なくとも2つの連結バンド(16)とを備え、
    前記クランプセグメント各々は、前記ディフューザアダプタまたは下部リングおよび前記ディフューザ尾管と係合可能なロックアセンブリ(20、22)を備えるクランプアセンブリ。
  2. 前記クランプセグメント(12)各々は、クランプ本体(18)および前記ロックアセンブリ(20、22)を備え、前記ロックアセンブリの各々は、それのそれぞれのクランプ本体に固定された上部ピンインサート(20)および下部ピンインサート(22)を含み、前記上部および下部ピンインサートは、前記ディフューザアダプタまたは下部リングおよび前記ディフューザ尾管に形成された対応する穴と係合可能なピン(26)を含む請求項1記載のクランプアセンブリ。
  3. 前記クランプ本体は、それの内面に2つの周方向溝(24)を備え、前記周方向溝は、前記上部ピンインサート(20)および下部ピンインサート(22)を収容するような大きさに作られている請求項2記載のクランプアセンブリ。
  4. 前記上部ピンインサート(20)および下部ピンインサート(22)の前記ピン(26)は、円錐状であり、前記ディフューザアダプタまたは下部リングおよび前記ディフューザ尾管に形成された前記穴は、対応したテーパを付けられている請求項2記載のクランプアセンブリ。
  5. 前記ディフューザ尾管と係合可能な前記上部ピンインサート(20)は、前記ディフューザ尾管の熱膨張係数に実質的に合っている熱膨張係数を有する第1の材料で形成され、前記ディフューザアダプタまたは下部リングと係合可能な前記下部ピンインサート(22)は、前記ディフューザアダプタまたは下部リングの熱膨張係数に実質的に合っている熱膨張係数を有する第2の材料で形成されている請求項2記載のクランプアセンブリ。
  6. 前記第1の材料は、316型オーステナイトステンレス鋼であり、前記第2の材料は、インコネル合金600である請求項5記載のクランプアセンブリ。
  7. 前記クランプ本体(18)は、前記ディフューザ尾管の熱膨張係数と前記ディフューザアダプタまたは下部リングの熱膨張係数の中間の熱膨張係数を有する材料で形成されている請求項2記載のクランプアセンブリ。
  8. 前記クランプ本体(18)の材料は、XM−19型オーステナイトステンレス鋼(nitronic 50)である請求項7記載のクランプアセンブリ。
  9. 前記クランプセグメント(12)の各々は、それの各端にボルトカラー(28)を備え、前記ボルトカラーは、前記スイベルリンク(14)のうちの対応する1つと係合可能なボルト(32)を収容する少なくとも1つの開口(30)を含む請求項1記載のクランプアセンブリ。
  10. 沸騰水型原子炉のジェットポンプディフューザのディフューザ尾管にディフューザアダプタまたは下部リングを接合する溶接部を修理する方法であって、
    前記ディフューザアダプタまたは下部リングおよび前記ディフューザ尾管に複数の穴を形成する段階と、
    それぞれクランプ本体(18)および上部ピンインサート(20)および下部ピンインサート(22)を含む2つのクランプセグメント(12)を、前記上部ピンインサートが前記ディフューザ尾管の前記穴に係合するように、かつ前記下部ピンインサートが前記ディフューザアダプタまたは下部リングの前記穴に係合するように、前記ディフューザの上に位置付けする段階と、
    前記クランプセグメントの各々の各端にスイベルリンク(14)を連結する段階と、
    前記クランプセグメントの端と前記クランプセグメントの端の間で、2つの連結バンド(16)を前記スイベルリンクに固定する段階と、
    適切なぴったりのはめあいおよび負荷の実質的に均等な分布を確実にするように、前記クランプセグメントと前記スイベルリンクの間の連結を締める段階とを含む方法。
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