JP4444553B2 - 炉心スプレーシステムの取付け組立体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般的に原子炉に関し、より具体的には、そのような原子炉内の炉心スプレーシステムを連結するための組立体に関する。
【0002】
【従来の技術】
沸騰水型原子炉(BWR)の原子炉圧力容器(RPV)は、一般的に、ほぼ円筒形の形状を有し、例えば、底部ヘッドと取り外し可能な上部ヘッドにより、両端が閉じられている。シュラウドは、一般的に、炉心を取り囲み、シュラウド支持構造体によって支持される。
【0003】
沸騰水型原子炉は、非常に多くの配管システムを有しており、そのような配管システムは、例えば、RPV全体にわたって水を行き渡らせるために利用される。例えば、原子炉は、冷却媒体が喪失する事故が生じたときに、炉心スプレーシステムが冷却水を原子炉の炉心に供給することができるような構成にされる。配管と、降水管と、Tボックス組立体と、炉心スプレー噴霧器とを有する炉心スプレーシステムを用いて、RPVの外側からRPVの内側へ水を運ぶ。この炉心スプレーシステムは、水を原子炉の炉心に供給するものである。
【0004】
応力腐食割れ(SCC)は、構造部材、配管、留め具及び溶接部のような、高温の水に曝される原子炉の部品に生じる公知の現象である。原子炉の部品は、例えば、熱膨張差、原子炉冷却水を格納するために必要とされる操作圧、及び、溶接、冷間加工、他の不均一な金属処理に起因する残留応力のような他の源に関連する種々の応力に曝される。更に、水質、溶接、熱処理及び放射線により、部品における金属がSCCを生じる懼れが増大する可能性がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
炉心スプレー噴霧器、及びTボックス組立体のような原子炉の内部配管は、SCCの結果として、又は他の理由のために交換を必要とするようになることがよくある。スプレー噴霧器を交換するためには、Tボックス組立体、及び降水管を含む炉心スプレー配管の取り外し及び交換が必要になることがある。スプレー噴霧器、Tボックス及び降水管の交換は、作業スペースが制限されること、放射能水準が高いこと、及び高度に放射性のシュラウドに対する溶接に関連した問題により、複雑なものになる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
一つの態様において、原子炉の圧力容器における炉心スプレーシステムのための連結装置が提供される。この連結装置は、シュラウドと、Tボックスハウジングと、降水管エルボと、スパイダと、引張ボルトとを含む。シュラウドは、内面と、外面と、内面と外面の間を延びるシュラウド開口部とを含む。Tボックスハウジングは、入口と、第1出口と、第2出口と、入口に対向するボルト開口部とを含む。降水管エルボは、第1端部と第2端部を含み、第1端部は、内部と外部とを有する。スパイダは、降水管エルボの第1端部の内部に取り付けられる。引張ボルトは、Tボックスハウジングのボルト開口部と、Tボックスハウジングの入口と、シュラウド開口部とを貫通して延び、スパイダと係合する。引張ボルトは、Tボックスハウジングの入口をシュラウド内面に連結する。引張ボルトはまた、降水管エルボをシュラウド外面に連結する。
【0007】
別の態様において、原子炉の圧力容器における炉心スプレーシステムのための連結装置が提供される。この連結装置は、シュラウドと、Tボックスハウジングと、降水管エルボと、複数の引張ボルトとを含む。シュラウドは、内面と、外面と、内面と外面との間を延びるシュラウド開口部と、シュラウド開口部に隣接する複数のボルト開口部とを含む。Tボックスハウジングは、入口と、第1出口と、第2出口と、複数の側部ブラケットと、側部ブラケットのボルト開口部とを含む。降水管エルボは、取付けフランジと、複数のフランジのボルト受けとを含む。複数の引張ボルトは、Tボックスハウジングの側部ブラケットとシュラウドのボルト開口部とを貫通して延びて、降水管の取付けフランジのボルト受けと係合し、引張ボルトは、Tボックスハウジングの入口をシュラウド内面に連結し、かつ降水管エルボをシュラウド外面に連結する。
【0008】
別の態様において、原子炉の圧力容器における炉心スプレー噴霧器のためのブラケット組立体が提供され、このブラケット組立体は、シュラウドと、炉心スプレーラインと、嵌込みスペーサと、引張ボルトと、球面座金と、球面ナットとを含む。シュラウドは、内面と、外面と、シュラウドのボルト開口部とを含み、シュラウドのボルト開口部は、シュラウド内面に端ぐりを含む。炉心スプレーラインは、取付けブラケットを含み、取付けブラケットは、ボルト受けを含む。嵌込みスペーサは、端ぐりに受けられる大きさにされる。引張ボルトは、操作頭部と、操作頭部から延びるボルトシャフトと、シャフト周辺部と、ボルトシャフト周辺部にある複数のスカラップとを含む。ボルトシャフトは、ねじ付き部分を含む。球面座金は、球面状のキャビティを含む。球面ナットは、シャフトのスカラップにクリンプ取り付けされるように構成されたボルト保持器と、球面座金に受けられる大きさにされた球面状の部分とを含み、嵌込みスペーサにかかる圧縮張力を維持する。
【0009】
別の態様において、炉心スプレーラインのための端クランプ組立体が提供される。この炉心スプレーラインは、原子炉の圧力容器において、端キャップと、複数のノズルとを含む。端クランプ組立体は、上部スリーブと、下部スリーブと、止めピンと、複数の締付けボルトとを含む。上部スリーブは、外面と、少なくとも一つのフランジ部分とを含み、各々のフランジ部分には、ボルト開口部が含まれる。下部スリーブは、上部スリーブに連結されるように構成され、外面と、少なくとも1つのボルト受けと、止めピン開口部と、下部スリーブからほぼ垂直に延びる端部分とを含む。止めピンは、下部スリーブの止めピン開口部を貫通して、炉心スプレーライン内に延びる。締付けボルトは、上部スリーブのフランジ部分を貫通して延びて、下部スリーブのボルト受けと係合し、下部スリーブの端部分は、噴霧器のスプレーラインの端キャップと接触する。
【0010】
別の態様において、原子炉の圧力容器における炉心スプレー噴霧器が提供される。炉心スプレー噴霧器は、複数の炉心スプレーラインと、連結装置と、ブラケット組立体と、端クランプ組立体とを含む。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、沸騰水型原子炉の圧力容器10の一部を切り欠いた斜視図である。原子炉の圧力容器10は、容器壁12と、圧力容器10の炉心(図示せず)を取り囲むシュラウド14とを含む。環状空間16が、容器壁12とシュラウド14との間に形成される。原子炉の支持配管が環状空間16内に配置されるので、環状空間16内のスペースは制限される。
【0012】
冷却水は、冷却媒体が喪失する事故が生じたときに、炉心スプレーシステム18を介して原子炉の炉心に供給される。炉心スプレーシステム18には、圧力容器10内に配置された炉心スプレー噴霧器20が含まれる。一部の公知の原子炉においては、炉心スプレーシステム18は、冗長性のために多数の同一の(又は鏡像関係にある)噴霧器20を含み、冷却水が原子炉の炉心に供給可能であることを保証する。簡単にするために、単一の噴霧器20についてのみ説明する。炉心スプレー噴霧器20は、シュラウド14内に配置された複数の炉心スプレーライン24及び26と、連結装置30と、少なくとも一つのブラケット組立体32と、少なくとも一つの端クランプ組立体34とを含む。各々の炉心スプレーライン24及び26は、連結装置30から端キャップ35まで延びる。各々の炉心スプレーライン24及び26は、少なくとも一つのブラケット組立体32によって支持される。
【0013】
図2は、連結装置30の概略側面断面図である。この連結装置30は、シュラウド14と、Tボックスハウジング36と、降水管エルボ40と、スパイダ42と、引張ボルト44とを含む。Tボックスハウジング36と降水管エルボ40は、スパイダ42と引張ボルト44によりシュラウド14に取り付けられる。
【0014】
シュラウド14は、内面46と、外面50と、内面46と外面50との間を延びるシュラウド開口部52とを含む。シュラウド14はまた、シュラウド開口部52に隣接するシュラウド内面のシート面54、56と、シュラウド開口部52に隣接するシュラウド外面のシート62,96とを含む。シュラウド内面のシート面54、56は、シュラウドの内面46に機械加工により形成され、Tボックスハウジング36のための特定のシート形状を与える。シュラウド内面のシート面54、56は、シュラウド開口部52のすぐ近くにある凹状或いは球面状のシート面である。別の実施形態においては、シュラウド内面のシート面54、56は、シュラウド開口部52に向けて先細になった平らな面である。シュラウド外面のシート62,96は、シュラウド開口部52のすぐ近くにある機械加工されたリップに隣接する取付け溝60を含む。
【0015】
図3は、Tボックスハウジング36の概略斜視図である。図2及び図3を参照すると、Tボックスハウジング36は、入口64と、第1出口66と、第2出口68と、入口64に対向したボルト開口部70と、入口64からボルト開口部70を通って延びる中心軸線71とを含む。第1出口66と第2出口68は、ほぼ対向しており、各々が入口64から約90度に配向されている。第1出口66及び第2出口68は、炉心スプレーライン24及び26(図1に示す)にそれぞれ連結するように構成される。円錐形状の流体デフレクタ72が、第1出口66と第2出口68との間に配置される。ボルト開口部70は、Tボックスハウジング36と、入口64に対向する流体デフレクタ72とを貫通して延びる。
【0016】
Tボックスハウジング36は、入口のシート面74と、ボルト開口部70に隣接する非円形の端ぐり76を更に含む。入口のシート面74は、シュラウド内面の球面状のシート面54,56に係合する大きさにされたTボックスの球面シート80を含む。別の実施形態において、入口のシート面74は、平らな先細のシュラウド内面のシート面54に着座させられる大きさにされたTボックスの球面シート80を含む。端ぐり76は、ボルト開口部70に隣接するより大きな孔であり、Tボックスハウジング36を貫通して延びてはいない。端ぐり76は、中心軸線71の周りにある非円形のものであり、球面状の底部82を含む。例示的な実施形態において、端ぐり76は、中心軸線71の周りにある方形である。
【0017】
図4は、降水管エルボ40の概略斜視図である。図2及び図4を参照すると、降水管エルボ40は、第1端部84と第2端部86を含む。第1端部84は、内部90と外部92を含む。降水管エルボの第1端部84は、第1端部84から延びる周方向の降水管舌部94と、周方向の降水管シート96を含む。降水管舌部94は、中心軸線71にほぼ平行であり、取付け溝60内に受けられる大きさにされる。降水管のシート96は、中心軸線71にほぼ垂直であり、シュラウド外側の機械加工されたリップ62に接合する大きさにされる。
【0018】
スパイダ42は、降水管エルボの第1端部84に取り付けられ、内部90にわたって延びる。スパイダ42は、スパイダの中心軸線100と、中心ハブ102と、中心ハブ102から半径方向に延びる複数のウェブ部材104とを含む。中心ハブ102は、ねじ付き内部106を含む。ウェブ部材104は、流れ抵抗を最小限にし、降水管エルボの内部90のわずかな割合だけを遮断するように構成される。一つの実施形態において、ウェブ部材104は、流れ抵抗を最小限にするような形状にされる。スパイダの中心軸線100は、中心軸線71とほぼ同一線上にある。例示的な実施形態において、スパイダ42は、降水管エルボ40と一体の部分として鋳造される。別の実施形態において、スパイダ42は、降水管エルボ40に溶接される。更に別の実施形態において、スパイダ42は、降水管エルボ40にねじ係合される。
【0019】
引張ボルト44は、操作部分114を含むボルト頭部110と、該ボルト頭部110から延びるねじ付きシャフト116と、球面座金120とを含む。この球面座金120は、ボルト保持器122と、座金の球面状の基部124と、ボルト頭部110を受ける大きさにされた頭部受け126とを含む。ボルト保持器122は、ボルト頭部110にクリンプ取り付けされるように構成される。一つの実施形態において、ボルト頭部110は、ボルト保持器122との係合を強化するために、周辺部のスカラップ130を含む。操作部分114は、取付け工具(図示せず)を受け入れる大きさにされる。球面状の基部124は、凹状又は球面状の端部128を含み、半径方向に非円形のものである。例示的な実施形態において、球面状の基部124は、球面状の端部128を有する半径方向に方形であり、端ぐり底部82内に受けられる大きさにされる。引張ボルト44は、Tボックスハウジングのボルト開口部70と、Tボックスハウジングの入口64と、シュラウド開口部52とを貫通して延びて、スパイダ42に係合する。より具体的には、引張ボルト44のねじ付きシャフト116が、スパイダの中心ハブのねじ付き内部106に係合する一方で、球面状の端部128が、Tボックスハウジングの端ぐりの底部82に係合する。引張ボルト44は、入口のシート面74、及びシュラウド内面のシート面54において、Tボックスハウジングの入口64をシュラウド内面46に連結させる。引張ボルト44はまた、降水管舌部94がシュラウドの取付け溝60内に受けられた状態で、降水管エルボ40をシュラウドの外面50にも連結させる。
【0020】
図5は、別の実施形態による連結装置200の概略側面断面図である。連結装置200は、シュラウド202と、Tボックスハウジング204と、降水管エルボ206とを含む。上述のシュラウド14と同様に、シュラウド202は、内面210と、外面212と、内面210と外面212との間を延びるシュラウド開口部214と、シュラウド開口部214に隣接するシュラウド内面のシート面216と、シュラウド開口部214に隣接するシュラウド外面のシート218とを含む。シュラウド202はまた、シュラウド開口部214に隣接する複数のボルト開口部220も含む。
【0021】
上述のTボックスハウジング36に類似したTボックスハウジング204は、入口222と、第1出口224と、第2出口226と、入口のシート面228とを含む。Tボックスハウジング204はまた、Tボックスの外面232から延びる複数の側部ブラケット230つを示す)を含む。各々の側部ブラケット230は、ボルト開口部234を含む。側部ブラケットのボルト開口部234は、シュラウドのボルト開口部220とほぼ位置合わせされる。
【0022】
降水管エルボ206は、第1端部236と、第1端部236から延びる周方向の降水管舌部240と、周方向の降水管のシート242とを含む。降水管エルボ206はまた、取付けフランジ244と、複数のフランジのボルト受け246を含む。フランジのボルト受け246は、シュラウドのボルト開口部220及び側部ブラケットのボルト開口部234とほぼ位置合わせされる。
【0023】
連結装置200は、上述の引張ボルト44とほぼ同一である複数の引張ボルト250つを示す)を含む。引張ボルト250は、Tボックスハウジングの側部ブラケット開口部232と、シュラウドのボルト開口部220とを貫通して延びて、降水管の取付けフランジのボルト受け246に係合する。引張ボルト250は、Tボックスハウジングの入口222をシュラウド内面210に連結し、降水管エルボ206をシュラウド外面212に連結する。より具体的には、引張ボルト250は、Tボックスの入口のシート面228をシュラウド内面のシート面216に連結し、降水管舌部240と降水管のシート242をシュラウド外面のシート218に連結する。
【0024】
図6は、図1に示す炉心スプレー噴霧器20のブラケット組立体32の概略側面図である。ブラケット組立体32は、シュラウド300と、炉心スプレーライン302と、嵌込みスペーサ304と、引張ボルト306と、球面座金310と、球面ナット312とを含む。ブラケット組立体32は、シュラウド300に連結される。シュラウド300は、前述のシュラウド14又はシュラウド202にほぼ類似しており、炉心スプレーライン302は、前述の炉心スプレーライン24及び26にほぼ類似している。シュラウド300は、内面314と、外面316と、シュラウドのボルト開口部320とを含む。シュラウドのボルト開口部320は、シュラウド300を貫通して内面314から外面316まで延びる。シュラウドのボルト開口部320には、シュラウドの内面314に端ぐり322が含まれる。端ぐり322は、ボルト開口部320の周りを周方向に延びており、シュラウドのボルト開口部320にほぼ垂直な、ほぼ平らな端ぐり底部324を含む。嵌込みスペーサ304は、端ぐり322内に受けられる大きさにされる。嵌込みスペーサ304は、精密に機械加工されて現場で取り付けられ、炉心スプレーライン302を所望の位置に配置させるものである。
【0025】
炉心スプレーライン302は、取付けブラケット326を含み、この取付けブラケット326は、ボルト受け330を含む。例示的な実施形態において、取付けブラケット326は、炉心スプレーライン302と共に単一の装置として鋳造される。別の実施形態において、取付けブラケット326は、炉心スプレーライン302に溶接される。ボルト受け330は、取付けブラケット326を貫通して延びる。例示的な実施形態において、ボルト受け330は、熱膨張を助け、これに関連する応力を減少させるためのスロットである。
【0026】
引張ボルト306は、操作頭部334と、該操作頭部334から延びるボルトシャフト336と、シャフト周辺部338と、ボルトシャフト周辺部338にある複数のスカラップ340とを含む。ボルトシャフト336は、ねじ付き部分342を有する。操作頭部334は、取付け工具(図示せず)を受ける大きさにされる。
【0027】
球面座金310は、球面状のキャビティ344と、ボルト受け330内に延びる大きさにされたボス346とを含む。球面座金310はまた、引張ボルトのシャフト336が通過できる大きさにされた中心開口部350を含む。中心開口部350は、球面状のキャビティ344とボス346を含む球面座金310を貫通して延びる。球面ナット312は、ねじ付き中心開口部352と、ボルト保持器354と、球面状の部分356とを含む。ねじ付き中心開口部352は、引張ボルトのねじ付き部分342を受けて保持する大きさにされる。ボルト保持器354は、シャフト周辺部338にクリンプ取り付けされ、球面ナット312を引張ボルト306に対して所定の位置に維持するように構成される。より具体的には、ボルト保持器354は、ボルトシャフトのスカラップ340にクリンプ取り付けされるように構成される。球面状の部分356は、球面座金310内に受けられる大きさにされる。より具体的には、座金の球面状のキャビティ344は、ナットの球面状の部分356を受けられ、軽微な心ずれを吸収しながら、嵌込みスペーサ304にかかる圧縮張力を維持する。
【0028】
図7は、端クランプ組立体34の概略斜視図であり、図8は、部品が取り除かれた状態における、端クランプ組立体34の概略端面図である。図7及び図8を参照すると、端クランプ組立体34は、炉心スプレーライン400と、円筒形の炉心スプレーライン外部402と、端キャップ404と、複数のスプレーノズル406とを含む。炉心スプレーライン400は、前述の炉心スプレーライン24及び26にほぼ類似している。各々の端クランプ組立体34は、上部スリーブ408と、下部スリーブ410と、止めピン412と、複数の締付けボルト414とを更に含む。上部スリーブ408は、内面416と、外面420と、少なくとも一つのフランジ部分422とを含み、各々のフランジ部分422には、ボルト開口部424が含まれる。上部スリーブの内面416は、炉心スプレーライン400に従い、これに接触するように構成される。より具体的には、上部スリーブの内面416は、スプレーノズル406の間にある炉心スプレーラインの外部402に接触する。下部スリーブ410は、上部スリーブ408に連結するように構成され、内面426と、外面430と、少なくとも一つのボルト受け432と、止めピンの開口部434と、下部スリーブ410からほぼ垂直に延びる端部分436とを含む。下部スリーブの内面426は、炉心スプレーライン400に従い、これに接触する。より具体的には、下部スリーブの内面426と上部スリーブの内面416を合わせると、炉心スプレーラインの外部402の周囲の半分以上に接触することになる。
【0029】
止めピン412は、下部スリーブの止めピン開口部434を貫通して、炉心スプレーライン400内に延びる。より具体的には、止めピン412は、炉心スプレーライン400におけるスプレーラインのピン開口部440内に延びる。止めピン412は、先細端部442と、止めピンシャフト444と、止めピン頭部446と、ピン保持器448とを含む。ピン保持器448は、下部スリーブの止めピン開口部434に取り付けられ、止めピン頭部446にクリンプ取り付けされて、止めピン412を保持するものである。
【0030】
締付けボルト414は、上部スリーブのフランジ部分422を貫通して延び、下部スリーブのボルト受け432に係合する。締付けボルト414は、前述の引張ボルト44にほぼ類似している。止めピン412と締付けボルト414は協働して、炉心スプレーライン400に対して上部スリーブ408と下部スリーブ410を固定状態に維持する。下部スリーブの端部分436は、噴霧器スプレーラインの端キャップ404と接触している。端クランプ組立体34は、炉心スプレーライン400、より具体的には炉心スプレーラインの端キャップ404を補強するものである。
【0031】
連結組立体のような炉心スプレー噴霧器の部品及びブラケットを交換するためには、例えば、回転切断、従来の水中プラズマアーク切断、及び/又は放電加工(EDM)といったあらゆる適切な方法で既存の部品が取り除かれ、又は、機械加工される。次に、例えば、Tボックスハウジング36、降水管エルボ40、Tボックスハウジング204、降水管エルボ206、引張ボルト306、及び嵌込みスペーサ304を含む上述の部品を受け、接合させることができるように、通常はEDMによりシュラウド14を準備する。より具体的には、シュラウド内面のシート面54をEDMによって機械加工し、所望のシート形状を形成する。更に、シュラウド外面のシート56も準備する。
【0032】
連結装置30は、炉心スプレーライン24及び26をシュラウド14の外側にある炉心スプレーシステム18に接続するために用いられる。Tボックスハウジング36は、溶接を含む公知の管接続を用いて、炉心スプレーライン24及び26に接合される。降水管エルボ40が、シュラウド外面50に対して位置決めされ、降水管舌部94が、シュラウド外面の取付け溝60内に着座させられる。次に、Tボックスの球面シート80が、シュラウド内面のシート面54に着座させられる。引張ボルト44が、Tボックスハウジングのボルト開口部70と、Tボックスハウジングの入口64と、シュラウド開口部52を貫通して挿入され、スパイダハブのねじ付き内部106に係合するようになる。引張ボルト44が、所望のトルクで締められた後、ボルト保持器122がクリンプ取り付けされて、ボルト頭部110の周辺部のスカラップ130に係合するようになる。非円形の端ぐり76の座金基部124に取り付けられて拘束されたボルト保持器122は、Tボックスハウジング36に対して固定されたボルト44を維持する。球面座金120が端ぐり76内に取り付けられた引張ボルト44、Tボックスの球面シート80、及びシュラウド内面のシート面54が、連結装置30を位置合わせする際の許容差の吸収を助けることになる。降水管エルボ40とスパイダ42は、シュラウド14に接合されるが、Tボックスハウジング36には直接的に接合されない。連結装置200は、同様の手法で組み立てられる。
【0033】
ブラケット組立体32はまた、シュラウド300の準備も必要とする。一つの実施形態において、シュラウド300は、シュラウド14にほぼ類似している。シュラウドのボルト開口部320と端ぐり322は、EDMによって正確な寸法に機械加工される。同様に、嵌込みスペーサ304が、正確な寸法にされて炉心スプレーライン302と位置合わせされる。嵌込みスペーサ304は、シュラウドの端ぐり322内に位置決めされる。スロット332がシュラウドのボルト開口部320と位置合わせされるように、取付けブラケット326を含む炉心スプレーライン302が嵌込みスペーサ304に隣接して位置決めされる。引張ボルト306は、シュラウドのボルト開口部320と、嵌込みスペーサ304と、スロット332を貫通して挿入される。球面座金310が、スロット332内にボス346を位置させて引張ボルト306上に位置決めされる。球面ナット312が、シャフトのねじ付き部分342に係合され、座金の球面状のキャビティ344における球面状の部分356に着座する。炉心スプレーラインの位置決めが順調になされ、引張ボルト306が所望のトルクにあるとき、ボルト保持器354は、シャフト周辺部338のスカラップ340にクリンプ取り付けされて、球面ナットを引張ボルト306に対して固定された状態に維持する。
【0034】
端クランプ組立体34は、炉心スプレーライン400上に配置されて、スプレーラインの端キャップ404を補強するものである。炉心スプレーライン24及び26にほぼ類似した炉心スプレーライン400は、例えば、EDMなどの機械加工によって準備される。スプレーラインの開口部440は、正確な寸法に機械加工される。ピン保持器448が取り付けられた下部スリーブ410は、端部分436が端キャップ404に接触し、止めピンの開口部434がスプレーラインのピン開口部440と位置合わせされるように、炉心スプレーライン400に接触した状態で配置される。上部スリーブ408が、炉心スプレーライン400及び下部スリーブ410に接触して配置される。締付けボルト414が取り付けられ、所望のきつさにトルクが与えられる。止めピン412が取り付けられ、ピン保持器448がクリンプ取り付けされて、止めピン412を端クランプ組立体34に対して固定された状態に維持する。止めピン412は、端クランプ組立体34を炉心スプレーライン400に対して固定された状態に維持するのを助ける。
【0035】
本発明を、種々の特定の実施形態に関して説明してきたが、本発明が特許請求の範囲の技術思想及び技術的範囲内の変更で実施できることは当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 沸騰水型原子炉の圧力容器の一部を切り欠いた斜視図。
【図2】 連結装置の概略側面断面図。
【図3】 図2の連結装置におけるTボックスハウジングの概略斜視図。
【図4】 図2に示す連結装置における降水管エルボの概略斜視図。
【図5】 連結装置の別の実施形態の概略側面断面図。
【図6】 図1に示すブラケット組立体の概略側面図。
【図7】 図1に示す端クランプ組立体の概略斜視図。
【図8】 部品が取り除かれた状態における、図7に示す端クランプ組立体の概略端面図。
【符号の説明】
10 原子炉の圧力容器
12 容器壁
14 シュラウド
16 環状空間
18 炉心スプレーシステム
20 炉心スプレー噴霧器
24、26 炉心スプレーライン
30 連結装置
32 ブラケット組立体
34 端クランプ組立体
35 端キャップ
36 Tボックスハウジング
40 降水管エルボ
Claims (9)
- 原子炉の圧力容器(10)における炉心スプレーシステムのための連結装置(30)であって、
内面(46)と、外面(50)と、前記内面(46)と前記外面(50)との間を延びるシュラウド開口部(52)とを含むシュラウド(14)と、
入口(64)と、第1出口(66)と、第2出口(68)と、前記入口(64)に対向するボルト開口部(70)とを有するTボックスハウジング(36)と、
第1端部(84)と第2端部(86)とを有する中空の降水管エルボであって、、前記第1端部(84)において内部(90)と外部(92)とを有する降水管エルボ(40)、
該降水管エルボ(40)の前記第1端部(84)の内部(90)に取り付けられたスパイダ(42)と、
前記Tボックスハウジング(36)のボルト開口部(70)と、前記Tボックスハウジング(36)の入口(64)と、前記シュラウド開口部(52)とを貫通して延びて前記スパイダ(42)に係合し、前記Tボックスハウジング(36)の入口(64)を前記シュラウド(14)の内面(46)に連結し、前記降水管エルボ(40)を前記シュラウド(14)の外面(50)に連結する引張ボルト(44)とを備え、
前記Tボックスハウジング(36)の入口(64)には、球面状または凹状の着座面(74)を有する着座(80)が設けられ、
前記シュラウドの内面(46)には、前記シュラウド開口部(52)に隣接する凹状または球面形状の着座面(54、56)が形成され、
前記シュラウドの内面(46)側の前記凹状または球面形状の着座面(54、56)は、前記Tボックスハウジング側の球面状または凹状の前記着座面(74)を有する前記着座(80)を受ける大きさにされたことを特徴とする連結装置(30)。 - 原子炉の圧力容器(10)における炉心スプレーシステム(18)のための連結装置(200)であって、
内面(210)と、外面(212)と、前記内面(210)と前記外面(212)との間を延びるシュラウド開口部(214)と、該シュラウド開口部(214)に隣接する複数のボルト開口部(220)とを含むシュラウド(202)と、
入口(222)と、第1出口(224)と、第2出口(226)と、複数の側部ブラケット(230)と、該側部ブラケット(230)のボルト開口部(234)とを有するTボックスハウジング(204)と、
取付けフランジ(244)と、複数のフランジのボルト受け(246)とを含む降水管エルボ(206)と、
前記Tボックスハウジングの側部ブラケット(230)と前記シュラウドのボルト開口部(220)とを貫通して延びて前記降水管エルボ(206)の取付けフランジのボルト受け(246)に係合し、前記Tボックスハウジング(204)の入口を前記シュラウド内面(210)に連結し、前記降水管エルボ(206)を前記シュラウドの外面(212)に連結する複数の引張ボルト(250)と、を備え、
前記Tボックスハウジング(204)の入口(222)には、先細平面状の外側着座面(228)が設けられ、
前記シュラウドの内面(210)には、前記シュラウド開口部(220)に隣接して先細平面状の内側着座面(216)が設けられ、この内側着座面(216)が、前記Tボックスハウジングの入口(222)側の前記先細平面状の外側着座面(228)を受ける大きさにされたことを特徴とする連結装置(200)。 - 前記シュラウド(14)の外面(50)の前記シュラウド開口部(52)に隣接して、シュラウド外面(50)用の着座面(62,96,242)を備えることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の連結装置(30)。
- 前記降水管エルボの第1端部(84)が、舌部(94、240)を備え、前記シュラウド外面の着座面(62,96,242)が、前記舌部(94、240)を受ける大きさにされたスポット面及び取付け溝(60)を備えることを特徴とする、請求項3に記載の連結装置。
- 前記スパイダ(42)は、中心軸線(100)を中心が通る円筒形状を有し、ねじ付きハブ(102)と、該ねじ付きハブから半径方向に延びる複数のウェブ部材(104)とを備えることを特徴とする、請求項1に記載の連結装置(30)。
- 前記スパイダ(42)が、流れ抵抗を最小限にするように十字型の断面形状を有することを特徴とする、請求項5に記載の連結装置。
- 前記引張ボルト(44)が、
操作部分(114)を含むボルト頭部(110)と、
該ボルト頭部(110)から延び、前記スパイダ(42)にねじ係合する大きさにされたねじ付きシャフト(116)と、
前記ボルト頭部(110)にクリンプ取り付けされるように構成されたボルト保持器(122)と、球面状の端部(128)を含む非円形の座金基部(124)と、前記ボルト頭部(110)を受ける大きさにされたボルト受け(126)とを含む球面座金(120)と、
を備えることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の連結装置(30)。 - 前記引張ボルトが、前記ボルト頭部の周辺部に、前記ボルト保持器に係合するように構成された周方向のスカラップを更に備えることを特徴とする、請求項7に記載の連結装置。
- 前記Tボックスが、前記座金基部を受けて拘束する大きさにされた、隣接する非円形の端ぐりを更に備えることを特徴とする、請求項7に記載の連結装置。
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