JP2008151099A - コモンレールの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 穴交差部を生産性良く、且つ焼ムラなく焼入でき、さらに寸法精度の悪化を招かないコモンレールの製造方法を提供する。
【解決手段】 鍛造によりレール本体20のベースを製造し、切削加工が可能な低硬度に焼入し、切削加工し、穴交差部27を丸め加工する。次に、蓄圧室孔23の内部に高周波発生治具31を挿入し、高周波焼入によって穴交差部27に、切削加工が困難な高硬度焼入を施す。次に、レール本体20に錆止め等の表面処理を行い、その後、レール本体20に各機能部品を組付ける。穴交差部27に高周波焼入を施すことで、穴交差部27の焼ムラを招かない。また、高周波焼入によりレール本体20に局部的な焼入を行うものであるため、レール本体20の寸法精度が悪化しない。さらに、高周波焼入を用いることで、レーザ焼入に比較して容易に穴交差部27に焼入を施すことができ、生産性に優れる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、蓄圧式燃料噴射装置に搭載されて高圧燃料を蓄圧するコモンレールの製造方法に関する。
コモンレールにおけるレール本体の製造方法を図2(a)を参照して説明する。
(1)先ず、鍛造工程によりレール本体の未加工ベースを製造する(鍛造工程A)。
(2)鍛造工程Aで得られた未加工ベースの全体に、切削加工が可能な硬度の焼入焼戻を施す(低硬度焼入工程B)。
(3)低硬度焼入が施されたレール本体に、内外連通孔やネジ等を切削加工により形成する(切削工程C)。
(4)続いて、蓄圧室孔に開口する内外連通孔の開口部(以下、穴交差部と称す)を丸め加工する(穴交差部丸め工程D)。
(5)続いて、レール本体の表面に錆止め等の表面処理を行う(表面処理工程E)。
以上の工程によって、レール本体が製造される。
(6)その後、レール本体に圧力センサ(レール圧センサ)や減圧弁等の機能部品を組付け(各部品組付工程F)、コモンレールの製造が完了する。
しかるに、従来の焼入処理は、切削加工が可能な硬度の焼入(低硬度焼入)であったため、近年の高圧化の要求には穴交差部の強度が不足してしまう。
具体的に、蓄圧室孔の内部には、超高圧の燃料が蓄圧されるため、蓄圧室孔の内周面には高い圧力が作用する。このため、蓄圧室孔の内周面に開口する穴交差部には応力が集中する。すると、高い応力が集中する穴交差部からレール破損が開始される懸念がある。そこで、上記に示す技術では、穴交差部に丸め加工を施して、穴交差部の応力集中を緩和してレール破損を防いでいた。
しかるに、近年の高圧化の要求に伴い、蓄圧室孔の燃料圧がさらに高まることで、穴交差部の強度が不足してしまう。
そこで、図2(b)に示すように、切削加工前の低硬度焼入工程Bを止め、代わりに穴交差部丸め工程Dの後に、切削加工が困難な硬度の焼入焼戻(高硬度焼入工程B’)をレール本体の全体に施す案が提案されている。
これによって穴交差部の強度が高まり、近年の高圧化の要求に満足するコモンレールを提供することができる。
しかし、切削工程Cで完成したレール本体の寸法が、高硬度焼入工程B’を実施することで歪むため、寸法精度の高いレール本体を製造することが困難となる。
そこで、図5に示すように、蓄圧室孔J1の内部にミラーJ2を配置し、内外連通孔J3の外部よりミラーJ2に向けてレーザ光J4を照射し、ミラーJ2をコントロールすることで穴交差部J5に局部的な焼入を施すレーザ焼入の技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、レーザ焼入は、穴交差部J5を焼き境がないように均一に焼入硬化させるのは困難である。即ち、レーザ焼入は、焼ムラが発生し易いため、信頼性の低下を招いてしまう。
また、レーザ焼入を穴交差部J5の焼入に適用する場合、細く長い内外連通孔J3の外部から蓄圧室孔J1の内部のミラーJ2にレーザ光J4を照射し、さらに狭い蓄圧室孔J1の内部でミラーJ2の向きを連続的にコントロールする必要があるため、生産性の悪化を招いてしまう。
特開平11−324852号公報
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、穴交差部を生産性良く、且つ焼ムラなく焼入でき、さらに寸法精度の悪化を招かないコモンレールの製造方法の提供にある。
〔請求項1の手段〕
請求項1のコモンレールの製造方法は、穴交差部焼入工程において、蓄圧室孔の内部に高周波発生治具を挿入し、この高周波発生治具により穴交差部に高周波焼入を行う。
高周波焼入を用いることで、穴交差部(具体的には、内外連通孔の内部開口の周縁および周辺)を焼き境なく略均一的に硬化させることができ、穴交差部の焼ムラを招かない。これによって、耐圧性が高く、高い信頼性のコモンレールを製造することができる。
また、レール本体に局部的な焼入を行うことで穴交差部の硬度を高めるため、穴交差部の硬度を高める焼入によりレール本体の寸法精度が悪化するのを防ぐことができる。
さらに、高周波焼入を用いることで、従来のレーザ焼入に比較して容易に穴交差部に焼入を施すことができ、生産性に優れる。
〔請求項2の手段〕
請求項2のコモンレールの製造方法は、レール本体の全体に低硬度焼入(切削加工が可能な硬度の焼入)を施してから切削加工を施し、その後で高周波焼入(切削加工が困難な硬度の焼入)により穴交差部のみを高硬度焼入する。
低硬度焼入により、レール本体の全体を必要硬度に高めることができる。
その後で切削加工を施すことで、切削加工で完成したレール本体の寸法が、低硬度焼入により歪む不具合を回避することができる。
そして切削加工の後に、穴交差部のみを高周波焼入により高硬度焼入するため、切削加工で完成したレール本体の寸法が歪む不具合を回避できる。
即ち、レール本体の全体強度が高く、寸法精度が高く、さらに穴交差部を高硬度に焼入したレール本体を製造することができる。
最良の形態1のコモンレールの製造方法は、次の工程を備える。
(1)レール本体の全体に、切削加工が可能な低硬度焼入を施す。
(2)その後、レール本体に切削加工を施す。
(3)その後、蓄圧室孔の内部に高周波発生治具を挿入し、高周波焼入によって穴交差部に、切削加工が困難な高硬度焼入を施す。
この実施例1では、先ず、図3を参照して蓄圧式燃料噴射装置のシステム構成を説明し、次に、図4を参照してコモンレールの構造を説明し、続いて、図1、図2を参照してコモンレールの製造方法を説明する。
(蓄圧式燃料噴射装置の説明)
図3に示す蓄圧式燃料噴射装置は、エンジン(例えばディーゼルエンジン:図示しない)の各気筒に燃料噴射を行うシステムであり、コモンレール1、インジェクタ2、サプライポンプ3、ECU4(エンジン制御ユニット)、EDU5(駆動ユニット)等から構成される。なお、EDU5はECU4のケース内に内蔵される場合もある。
コモンレール1は、インジェクタ2に供給する高圧燃料を蓄圧する蓄圧容器であり、燃料噴射圧に相当するコモンレール圧が蓄圧されるように高圧ポンプ配管6を介して高圧燃料を圧送するサプライポンプ3の吐出口と接続されるとともに、各インジェクタ2へ高圧燃料を供給する複数のインジェクタ配管7が接続されている。
コモンレール1から燃料タンク8へ燃料を戻すリリーフ配管9には、プレッシャリミッタを兼ねた減圧弁10が取り付けられている。プレッシャリミッタの機能は圧力安全弁であり、コモンレール圧が限界設定圧を超えた際に開弁して、コモンレール圧を限界設定圧以下に抑える。また、減圧弁10は、ECU4およびEDU5の指示により開弁して、コモンレール圧を急速に減圧するものである。なお、減圧弁10とは別にプレッシャリミッタを独立して搭載したものであっても良い。
インジェクタ2は、エンジンの各気筒毎に搭載されて燃料を各気筒内に噴射供給するものであり、コモンレール1より分岐する複数のインジェクタ配管7の下流端に接続されて、コモンレール1に蓄圧された高圧燃料を各気筒内に噴射供給する燃料噴射ノズル、およびこの燃料噴射ノズル内に収容されたニードルのリフト制御を行う電磁弁等を搭載している。
なお、インジェクタ2からのリーク燃料も、リリーフ配管9を経て燃料タンク8に戻される。
サプライポンプ3は、コモンレール1へ高圧燃料を圧送する高圧燃料ポンプであり、燃料タンク8内の燃料をフィルタ11を介してサプライポンプ3へ吸引するフィードポンプと、このフィードポンプによって吸い上げられた燃料を高圧に圧縮してコモンレール1へ圧送する高圧ポンプとを搭載する。フィードポンプおよび高圧ポンプは共通のカムシャフト12によって駆動される。なお、このカムシャフト12は、エンジンによって回転駆動されるものである。
サプライポンプ3には、燃料を高圧に加圧する加圧室内に燃料を導く燃料流路に、その燃料流路の開度度合を調整するためのSCV13(吸入調量弁)が搭載されている。このSCV13は、ECU4からのポンプ駆動信号によって制御されることにより、加圧室内に吸入される燃料の吸入量を調整し、コモンレール1へ圧送する燃料の吐出量を変更するバルブであり、コモンレール1へ圧送する燃料の吐出量を調整することにより、コモンレール圧を調整するものである。即ち、ECU4はSCV13を制御することにより、コモンレール圧を車両走行状態に応じた圧力に制御できる。
ECU4は、CPU、記憶装置(ROM、RAM、SRAM、EEPROM等のメモリ)を搭載しており、ROMに記憶されたプログラムと、RAM等に読み込まれたセンサ類の信号(車両の運転状態)とに基づいて各種の演算処理を行う。
具体的な演算の一例を示すと、ECU4は、燃料の噴射毎に、ROMに記憶されたプログラムと、RAMに読み込まれたセンサ類の信号(車両の運転状態)とに基づいて、各気筒毎の目標噴射量、噴射形態、インジェクタ2の開弁閉弁時期、SCV13の開度(通電電流値)を決定するように設けられている。
EDU5は、インジェクタ駆動回路を備える。このインジェクタ駆動回路は、ECU4から与えられるインジェクタ開弁信号に基づいてインジェクタ2の電磁弁へ開弁駆動電流を与える駆動回路であり、開弁駆動電流を電磁弁に与えることにより高圧燃料が気筒内に噴射供給され、開弁駆動電流を停止することで燃料噴射が停止するものである。なお、この図3では、SCV13の電磁弁へ駆動電流を与えるSCV駆動回路がECU4のケース内に設けられる例を示すが、EDU5のケース内に配置されるものであっても良い。
なお、ECU4には、車両の運転状態等を検出する手段として、コモンレール圧を検出する圧力センサ14の他に、アクセル開度を検出するアクセルセンサ、エンジン回転数を検出する回転数センサ、エンジンの冷却水温度を検出する水温センサ等のセンサ類が接続されている。
(コモンレール1の説明)
図4に示すコモンレールは、内部に超高圧の燃料を蓄える略筒形状を呈するレール本体20に、高圧ポンプ配管6およびインジェクタ配管7を接続するための配管ジョイント21と、レール本体20をエンジン等の固定部材に装着するためのステー22とを設けたものである。
略棒状を呈するレール本体20には、高圧燃料の蓄圧室を成す蓄圧室孔23が軸方向に貫通するように形成されている。なお、蓄圧室孔23の軸芯は、レール本体20の外径の中心であっても良いし、配管ジョイント21とは異なる側に所定量オフセットしたものであっても良い。
レール本体20の両端部には、減圧弁10および圧力センサ14を取り付けるためのネジ穴24が形成されている。
レール本体20には、径方向に複数の内外連通孔25が形成されている。この複数の内外連通孔25は、レール本体20の軸方向に適切な間隔を隔てて配置された配管ジョイント21の中心に穴空け加工したものである。各内外連通孔25の内側は、蓄圧室孔23の内壁面に開口するものであり、各内外連通孔25の外側は、配管ジョイント21の先端中心部において開口する。具体的に、配管ジョイント21の先端面には、高圧ポンプ配管6およびインジェクタ配管7の先端に形成された先細テーパ面が差し込まれる略円錐テーパ形状を呈した受圧座面が形成されており、この受圧座面の底部において内外連通孔25の外側が開口する。
内外連通孔25の奥方(蓄圧室孔23側)には、内外連通孔25の流路径を絞るオリフィス26が設けられている。内外連通孔25にオリフィス26を設けることで、インジェクタ配管7を介して内外連通孔25に伝播される圧力脈動をオリフィス26で減衰させることができる。この結果、圧力脈動による蓄圧室孔23内の圧力変動を抑えることができ、圧力脈動による燃料噴射への悪影響を抑えることができる。なお、この実施例では、レール本体20に直接オリフィス26を形成した例を示すが、レール本体20に直接オリフィス26を形成しないものであっても良い。
(実施例1の特徴)
蓄圧室孔23の内部には、超高圧(例えば、数百MPa)の燃料が蓄圧される。このため、レール本体20には、全体強度を高めるための低硬度焼入(焼入処理と焼戻処理による焼入)が施されて、レール本体20の全体強度が高められている。この低硬度焼入は、レール本体20の全体に施されるものであり、低硬度焼入によってレール本体20の各部寸法精度が低下するのを防ぐため、切削加工前に行うものであり、切削が可能な硬度に焼入られる。
また、蓄圧室孔23の内部には、超高圧(例えば、数百MPa)の燃料が蓄圧されるため、蓄圧室孔23の内周面には高い圧力(蓄圧室孔23が広がろうとする力)が作用する。このため、蓄圧室孔23の内周面に開口する穴交差部(内外連通孔25の内側開口部:この実施例1では、オリフィス26における蓄圧室孔23側の開口部)27には応力が集中する。この穴交差部27の応力集中により、穴交差部27からレール破損が開始されることが懸念される。
そこで、この実施例では、穴交差部27の開口周縁に丸め加工を施し、穴交差部27の開口縁を面取りすることで、穴交差部27の応力集中を緩和している。
しかるに近年では、蓄圧燃料のさらなる高圧化の要求があるため、さらに高圧化されてもレール破損を回避する必要がある。
そこで、この実施例1では、蓄圧室孔23の内側から穴交差部27に高硬度焼入を行い、蓄圧燃料がさらに高圧化されてもレール破損を回避している。
この高硬度焼入は、上記低硬度焼入による硬度よりも、さらに穴交差部27の硬度を高めるものであり、各部の切削加工が終了した後に、穴交差部27のみに「切削加工が困難な硬度」の焼入を行うものである。
この高硬度焼入は、レール本体20の各部切削加工が終了した後、図1に示すように、蓄圧室孔23の内部に高周波発生治具31を挿入し、この高周波発生治具31により穴交差部27に高周波焼入を行い、穴交差部27を切削加工が困難な硬度に焼入るものである。
蓄圧室孔23の内周面に高周波焼入する原理を説明する。蓄圧室孔23の内部にコイル32を挿入し、そのコイル32に高周波電流を流す。すると、コイル32の周囲の蓄圧室孔23の表面に高周波磁束による誘導電流が流れ、この誘導電流が流れることでレール本体20を成す金属抵抗により熱が発生する(レール本体20は鉄系金属製である)。そしてこの熱により蓄圧室孔23の内周面に焼入が成される。コイル32の通電停止後、冷却水により発熱部分(蓄圧室孔23の内周面:図1のハッチングi参照)を急速冷却することで、急速な焼戻が行われ、高周波焼入による焼入処理が完了する。
高周波焼入装置の一例を図1を参照して説明する。
高周波焼入装置は、蓄圧室孔23の内部に挿入される高周波発生治具31と、蓄圧室孔23の内部に冷却水を供給する冷却水供給部33と、高周波電流および冷却水供給の制御等を行う制御装置(図示しない)とを備える。
高周波発生治具31は、筒状を呈するコイル32と、コイル32の先端部に取り付けられてコイル32の外周面と蓄圧室孔23の内周面との距離(隙間)を保つガイド34とからなる。なお、図1は説明図であり、実際の高周波発生治具31は、蓄圧室孔23に挿入された状態で全ての穴交差部27の内側に配置されるものであり、1度の高周波焼入の実施により全ての穴交差部27の焼入が行われるようになっている。
冷却水供給部33は、コイル32の内側に冷却水を流すコイル冷却手段35と、コイル32の外周面と蓄圧室孔23の内周面との間に冷却水を流すワーク冷却手段36とからなる。なお、コイル冷却手段35およびワーク冷却手段36から供給された冷却水は、コイル32および蓄圧室孔23の内周面を冷却した後、高周波発生治具31の挿入口(図1上側:減圧弁10または圧力センサ14を取り付けるためのネジ穴24)および内外連通孔25を通って外部へ排出される。
次に、レール本体20の製造方法を図2(c)の製造工程図を参照して説明する。
(1)鍛造工程によりレール本体20の未加工ベースを製造する(鍛造工程A)。
(2)鍛造工程Aで得られた未加工ベースの全体に、切削加工が可能な硬度の焼入焼戻を施す(低硬度焼入工程B)。
(3)低硬度焼入が施されたレール本体20に、内外連通孔25やネジ部24等を切削加工により形成する(切削工程C)。
(4)続いて、穴交差部27を丸め加工する(穴交差部丸め工程D)。
(5)続いて、蓄圧室孔23の内部に高周波発生治具31を挿入し、高周波焼入によって穴交差部27を含む蓄圧室孔23の内周面に、切削加工が困難な高硬度焼入を施す(穴交差部焼入工程α)。
(6)続いて、レール本体20の表面に錆止め等の表面処理を行う(表面処理工程E)。 以上の工程によって、実施例1のレール本体20が製造される。
(7)その後、レール本体20に減圧弁10や圧力センサ14等の機能部品を組付け(各部品組付工程F)、コモンレール1の製造が完了する。
(実施例1の効果)
実施例1のコモンレール1の製造方法は、穴交差部焼入工程αにおいて、蓄圧室孔23の内部に高周波発生治具31を挿入し、その高周波発生治具31により穴交差部27に高周波焼入を行う。
穴交差部27に高周波焼入を施すことで、穴交差部27を焼き境なく略均一的に硬化させることができ、穴交差部27の焼ムラを招かない。これによって、耐圧性が高く、高い信頼性のコモンレール1を製造することができる。
また、高周波焼入によりレール本体20に局部的な焼入を行うことで穴交差部27の硬度を高めるものであるため、穴交差部27の硬度を高める焼入によりレール本体20の寸法精度が悪化する不具合を回避できる。
さらに、高周波焼入を用いることで、従来のレーザ焼入に比較して容易に穴交差部27に焼入を施すことができ、生産性に優れる。特に、蓄圧室孔23の略全域に高周波発生治具31を挿入して、1度に全ての穴交差部27の高周波焼入を実施できるため、生産性が特に優れる。
この実施例1では、レール本体20の全体に低硬度焼入(切削加工が可能な硬度の焼入)を施してから切削加工を施し、その後で穴交差部27のみを高周波焼入により高硬度焼入する。
このように、レール本体20の全体に低硬度焼入を施すことにより、レール本体20の全体を高耐圧に必要となる硬度に高めることができる。
そして、低硬度焼入を施したのちに切削加工を施すことで、切削加工で完成したレール本体20の寸法が、低硬度焼入により歪む不具合を回避することができる。
そして切削加工の後に、穴交差部27のみを高周波焼入により高硬度焼入するため、切削加工で完成したレール本体20の寸法が歪む不具合を回避できる。
即ち、この実施例1によって、レール本体20の全体強度が高く、寸法精度が高く、さらに穴交差部27を高硬度に焼入したレール本体20を製造することができる。
(変形例)
上記の実施例では、蓄圧室孔23の内周面を高周波焼入することで、蓄圧室孔23の内周面に開口してなる穴交差部27を高周波焼入する例を示したが、穴交差部27のみを狙って高周波焼入できるように、高周波発生治具31に部分的にコイル32を設けても良い。例えば、高周波発生治具31を蓄圧室孔23に挿入した状態で、穴交差部27に一致する部分のみにコイル32を設けたり、高周波発生治具31の片面のみにコイル32を設けて、コイル32が設けられた側を穴交差部27に向けて高周波焼入を行うようにしても良い。
上記の実施例では、レール本体20、配管ジョイント21およびステー22を鍛造により設けた鍛造タイプのコモンレール1を示したが、レール本体20、配管ジョイント21、ステー22のうちの一部、あるいは3つを独立して設け、溶接等の接合技術により一体化した接合タイプのコモンレール1の製造に本発明を適用しても良い。即ち、接合タイプのコモンレール1の穴交差部27に高周波焼入を施して接合タイプのコモンレール1における穴交差部27の硬度を高めるようにしても良い。
高周波焼入方法の説明用の模式図である(実施例1)。 レール本体の製造工程図である(従来技術と実施例1)。 蓄圧式燃料噴射装置のシステム構成図である。 コモンレールの軸方向に沿う断面図である。 レーザ焼入方法の説明用の模式図である(従来例)。
符号の説明
1 コモンレール
20 レール本体
23 蓄圧室孔
25 内外連通孔
27 穴交差部(蓄圧室孔に開口する内外連通孔の開口部)
31 高周波発生治具
α 穴交差部焼入工程
B 低硬度焼入工程
C 切削工程

Claims (2)

  1. 内部に高圧燃料を蓄圧する蓄圧室孔、およびこの蓄圧室孔と外部を連通する内外連通孔が設けられたレール本体を備えるコモンレールの製造方法において、
    このコモンレールの製造方法は、
    前記蓄圧室孔の内部に高周波発生治具を挿入し、この高周波発生治具により、
    前記蓄圧室孔に開口する前記内外連通孔の開口部に、高周波焼入を行う穴交差部焼入工程を有することを特徴とするコモンレールの製造方法。
  2. 請求項1に記載のコモンレールの製造方法において、
    このコモンレールの製造方法は、
    前記レール本体の全体に、切削加工が可能な硬度の焼入を施し、
    その後、前記レール本体に切削加工を施し、
    その後、前記開口部のみを前記穴交差部焼入工程によって切削加工が困難な硬度に焼入ることを特徴とするコモンレールの製造方法。
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