JP2004358497A - 抵抗溶接方法およびその装置 - Google Patents

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淳 近藤
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義典 近江
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Abstract

【課題】中炭素鋼以上の炭素含有量を有する炭素鋼を抵抗溶接で接合すると、一旦高温になった接合部が冷やされて金属組成がマルテンサイト相になる。この結果、接合部の靱性が低下して脆くなり、接合部に割れが生じたり、時効割れ(遅れ破断)が生じる。
【解決手段】炭素含有率が0.35重量%の炭素鋼で形成したコモンレール本体20とホルダ26に電流を流して圧接部分を接合する。続いてコモンレール本体20とホルダ26に流す電流値と通電時間をコントロールして、高温になった接合部30の温度を徐々に冷やすなまし処理を施す。すると、接合部30のビッカース硬さを600HV以下、接合部30の金属組成の大部分を中間段階相にできる。この結果、接合部30の靱性が向上するため、接合部30の割れや、時効割れを防ぐことができる。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2つの金属部材を抵抗溶接によって接合する抵抗溶接方法および抵抗溶接装置に関するものであり、特に2つの金属部材の少なくても一方が中炭素鋼以上の炭素含有量を有する炭素鋼を用いる場合の技術に関する。
なお、中炭素鋼は、炭素の含有量が0.15重量%〜0.3重量%の炭素鋼であり、高炭素鋼は、炭素の含有量が0.3重量%以上の炭素鋼である。
【0002】
【従来の技術】
従来技術の一例として、コモンレールの接合箇所を用いて説明する。
コモンレールには、図6に示すように、高圧燃料を蓄えるコモンレール本体20と、配管(高圧ポンプ配管6、インジェクタ配管7等)とを接続する配管継手21が設けられている。
この図6に示す配管継手21は、配管の先端に形成された円錐部23を、コモンレール本体20に形成された円錐テーパ形状の受圧座面24に押し付けて配管接合箇所のシール(油密)を確保するものであり、配管6、7の円錐部23をコモンレール本体20の受圧座面24に押し付けるための締結手段が設けられている。
【0003】
この締結手段は、受圧座面24の周囲に形成された本体平面部25に強固に接合されたホルダ26(固定ネジ部材)と、円錐部23の背部の段差27に係止した状態でホルダ26にネジ込まれる配管締結ネジ28とで構成される。
コモンレール本体20は、超高耐圧が要求されるため、中炭素鋼以上の硬度の材料によって形成される必要がある。
【0004】
一方、2つの金属部材を接合する技術として抵抗溶接が知られている。抵抗溶接は、2つの金属部材を圧接させた状態で2つの金属部材に電流を流し、2つの金属部材を一旦溶かすか、または塑性流動させて接合する技術である。
炭素を含有する炭素鋼を抵抗溶接で接合する技術として、炭素を含有する金属部材に電流を流して両者を接合する処理に続いて、2つの金属部材に流す電流値を急激(1秒以内)に下げる技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】特開平4−147773号公報(第3頁、右上欄第20行目〜右下欄第1行目)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
中炭素鋼以上の炭素含有量を有する炭素鋼(金属部材)を抵抗溶接で接合すると、一旦高温になった接合部が冷やされて金属組成がマルテンサイト相になり、結果的に接合部の硬度がビッカース硬さ600HVより硬くなる。また、特許文献1のように2つの金属部材に流す電流値を急激(1秒以内)に下げる場合も、一般の抵抗溶接と同様に一旦高温になった部分が短時間で冷やされるため、接合部の金属組成がマルテンサイト相になり、接合部の硬度がビッカース硬さ600HVより硬くなる。
すると、接合部の靱性が低下して脆くなり、接合部に割れが生じたり、時効割れ(遅れ破断)が生じる。
具体的な例では、中炭素鋼のコモンレール本体20とホルダ26とを既存の抵抗溶接の技術で接合すると、コモンレール本体20とホルダ26との接合部30が脆くなって、接合部30に割れが生じたり、時効割れ(遅れ破断)が生じるなどの問題が生じる。
【0007】
【発明の目的】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、中炭素鋼以上の炭素含有量を有する炭素鋼(金属部材)を抵抗溶接で接合しても、接合部の靱性が低下するのを防ぐことができ、接合部の割れや、時効割れを防ぐことのできる抵抗溶接方法およびその装置の提供にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
〔請求項1および請求項2の手段〕
請求項1の手段を採用する抵抗溶接方法、および請求項2の手段を採用する抵抗溶接装置は、2つの金属部材の少なくても一方が中炭素鋼以上の炭素含有量を有する炭素鋼の場合、2つの金属部材に電流を流して圧接部分を接合する処理に続いて、2つの金属部材に流す電流値と通電時間をコントロールして、接合直後に高温になった接合部の温度を徐々に冷やすなまし処理を施すものである。
このように、一旦高温になった接合部が、電流値と通電時間のコントロールによって徐々に冷やされるため、一旦高温になった接合部の硬化が抑えられる。すると、接合部の靱性が高まるため、接合部の割れや、時効割れを防ぐことができる。
【0009】
〔請求項3の手段〕
請求項3の手段のなまし処理は、2つの金属部材に流す電流値と通電時間をコントロールして、一旦高温になった接合部の硬度をビッカース硬さ600HVより低く抑えるものである。
このように、接合部の硬度をビッカース硬さ600HVより低く抑えることにより、接合部の靱性が高まるため、接合部の割れや、時効割れを防ぐことができる。
【0010】
〔請求項4の手段〕
請求項4の手段のなまし処理は、2つの金属部材に流す電流値と通電時間をコントロールして、一旦高温になった接合部の金属組成を中間段階相にするものである。
このように、一旦高温になった部分の金属組成を中間段階相にすることにより、接合部がマルテンサイト相よりも柔らかくなるため、接合部の靱性が向上し、接合部の割れや、時効割れを防ぐことができる。なお、上記した中間段階相の金属組成とは、フェライト相組成とマルテンサイト相組成の中間相組成とすることである。
【0011】
〔請求項5の手段〕
請求項5の手段は、なまし処理中に2つの金属部材に流す電流値を、段階的もしくは連続的に可変させて減少させるものである。
このようになまし処理中における電流値を可変減少することにより、なまし処理中に接合部が冷える速度をコントロールできる。
【0012】
〔請求項6の手段〕
請求項6の手段は、2つの金属部材の一方が中炭素鋼以上の炭素含有量を有する炭素鋼よりなるコモンレール本体であり、2つの金属部材の他方がコモンレール本体に配管を接続するための配管継手のホルダである。
このように、コモンレール本体と、それに接合されるホルダとの接合に本発明を適用することにより、コモンレール本体とホルダとの接合部の割れや、時効割れを防ぐことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、実施例と変形例を用いて説明する。
[実施例]
この実施例では、まず、蓄圧式燃料噴射装置のシステム構成を図5を参照して説明し、その後で配管継手の構造を図6を参照して説明し、さらにその後で本発明が適用された溶接方法を図1〜図4を参照して説明する。
【0014】
図5に示す蓄圧式燃料噴射装置は、排気量が2〜3リットルのエンジン(例えば、4気筒〜8気筒のディーゼルエンジン:図示しない)に燃料噴射を行うシステムであり、コモンレール1、インジェクタ2、サプライポンプ3、ECU4(エンジン制御ユニット)、EDU5(駆動ユニット)等から構成される。
【0015】
コモンレール1は、インジェクタ2に供給する高圧燃料を蓄圧する蓄圧容器であり、燃料噴射圧に相当するコモンレール圧が蓄圧されるように高圧ポンプ配管6を介して高圧燃料を圧送するサプライポンプ3の吐出口と接続されるとともに、各インジェクタ2へ高圧燃料を供給する複数のインジェクタ配管7が接続されている。なお、コモンレール1と高圧ポンプ配管6の接続構造、およびコモンレール1とインジェクタ配管7の接続構造の詳細は後述する。
【0016】
コモンレール1から燃料タンク8へ燃料を戻すリリーフ配管9には、プレッシャリミッタ10が取り付けられている。このプレッシャリミッタ10は圧力安全弁であり、コモンレール1内の燃料圧が限界設定圧を超えた際に開弁して、コモンレール1の燃料圧を限界設定圧以下に抑える。
また、コモンレール1には、減圧弁11が取り付けられている。この減圧弁11は、ECU4から与えられる開弁指示信号によって開弁してリリーフ配管9を介してコモンレール圧を急速に減圧するものである。このように、コモンレール1に減圧弁11を搭載することによって、ECU4はコモンレール圧を車両走行状態に応じた圧力へ素早く低減制御できる。
【0017】
インジェクタ2は、エンジンの各気筒毎に搭載されて燃料を各気筒内に噴射供給するものであり、コモンレール1より分岐する複数のインジェクタ配管7の下流端に接続されて、コモンレール1に蓄圧された高圧燃料を各気筒内に噴射供給する燃料噴射ノズル、およびこの燃料噴射ノズル内に収容されたニードルのリフト制御を行う電磁弁等を搭載している。
なお、インジェクタ2からのリーク燃料も、リリーフ配管9を経て燃料タンク8に戻される。
【0018】
サプライポンプ3は、コモンレール1へ高圧燃料を圧送する高圧燃料ポンプであり、燃料タンク8内の燃料をフィルタ12を介してサプライポンプ3へ吸引するフィードポンプを搭載し、このフィードポンプによって吸い上げられた燃料を高圧に圧縮してコモンレール1へ圧送する。フィードポンプおよびサプライポンプ3は共通のカムシャフト13によって駆動される。なお、このカムシャフト13は、エンジンによって回転駆動されるものである。
【0019】
サプライポンプ3は、燃料を高圧に加圧する加圧室内に燃料を導く燃料流路に、その燃料流路の開度度合を調整するためのSCV14(吸入調量弁)が取り付けられている。このSCV14は、ECU4からのポンプ駆動信号によって制御されることにより、加圧室内に吸入される燃料の吸入量を調整し、コモンレール1へ圧送する燃料の吐出量を変更するバルブであり、コモンレール1へ圧送する燃料の吐出量を調整することにより、コモンレール圧を調整するものである。即ち、ECU4はSCV14を制御することにより、コモンレール圧を車両走行状態に応じた圧力に制御できる。
【0020】
ECU4は、CPU、RAM、ROM等(図示しない)を搭載しており、ROMに記憶されたプログラムと、RAMに読み込まれたセンサ類の信号(車両の運転状態)とに基づいて各種の演算処理を行う。
具体的な演算の一例を示すと、ECU4は、燃料の噴射毎に、ROMに記憶されたプログラムと、RAMに読み込まれたセンサ類の信号(車両の運転状態)とに基づいて、各気筒毎の目標噴射量、噴射形態、インジェクタ2の開弁閉弁時期を決定するように設けられている。
【0021】
EDU5は、ECU4から与えられるインジェクタ開弁信号に基づいてインジェクタ2の電磁弁へ開弁駆動電流を与える駆動回路であり、開弁駆動電流を電磁弁に与えることにより高圧燃料が気筒内に噴射供給され、開弁駆動電流を停止することで燃料噴射が停止するものである。
【0022】
なお、ECU4には、車両の運転状態等を検出する手段として、コモンレール圧を検出する圧力センサ15の他に、アクセル開度を検出するアクセルセンサ、エンジン回転数を検出する回転数センサ、エンジンの冷却水温度を検出する水温センサ等のセンサ類が接続されている。
【0023】
(配管継手の説明)
コモンレール1には、内部に超高圧の燃料を蓄えるパイプ形状を呈するコモンレール本体20に、高圧ポンプ配管6およびインジェクタ配管7等を接続するための配管継手21が複数設けられている。また、コモンレール本体20には、配管継手21の他に、プレッシャリミッタ10、減圧弁11、圧力センサ15等を取り付けるための機能部品接続部22が設けられている。
なお、コモンレール本体20は、図5に示すものではなく、安価なパイプ材で構成し、そのパイプ材の軸方向に多数の配管継手21を設けて低コスト化を図ったものであっても良い。
【0024】
配管継手21は、図6に示されるように、配管(高圧ポンプ配管6、インジェクタ配管7等)の先端に形成された円錐部23を、コモンレール本体20に形成された円錐テーパ形状の受圧座面24に押し付けて配管接合箇所のシール(油密)を確保するものであり、受圧座面24の周囲に形成されたリング状の本体平面部25に接合されたホルダ26(固定ネジ部材)と、円錐部23の背部の段差27に係止した状態でホルダ26にネジ込まれる配管締結ネジ28とを備える。なお、受圧座面24の中心底部には、コモンレール本体20の内外を貫通する内外貫通孔29が開口する。
【0025】
(実施例の特徴)
次に、コモンレール本体20とホルダ26の溶接方法およびその装置について説明する。
コモンレール本体20は、超高耐圧が要求されるため、中炭素鋼以上の炭素含有量の炭素鋼によって形成される。
ここで、「発明が解決しようとする課題」の項でも説明したように、中炭素鋼以上の炭素含有量を有する炭素鋼を一般的な抵抗溶接で接合すると、一旦高温(融点を超えた温度)になった接合部30が冷やされて金属組成の大部分がマルテンサイト相になり、接合部30の硬度がビッカース硬さ600HVより硬くなる。つまり、接合部30の靱性が低下して脆くなり、接合部30に割れが生じたり、時効割れ(遅れ破断)が生じる。
【0026】
既存の抵抗溶接方法では、通電パターンに関して割れの発生の限界値を明確にしたものがなく、また通電パターンとその結果得られる接合部30の硬度に関して相関を明確にしたものがない。
そこで、本願発明者等は、コモンレール本体20(2つの金属部材の一方)と、ホルダ26(2つの金属部材の他方)とをテストピースとして、通電パターンに対する接合部30の割れと硬度の検討テストを実施した。
【0027】
テストピースに用いたコモンレール本体20とホルダ26は、ともに炭素の含有率が0.35重量%の炭素鋼(SCM435)で形成したものである。
テストピースに用いたコモンレール本体20とホルダ26における各部の形状および寸法を図3(a)を参照して説明する。
【0028】
コモンレール本体20は、上述したように排気量が2〜3リットルのエンジンに適用されるものである。このコモンレール本体20は、外形が筒管形状を呈するものであり、その外径寸法は直径32mmに設けられ、内径寸法(蓄圧室31の内径)は10mmに設けられている。
【0029】
ホルダ26は、内周に雌ネジ32が形成された円筒形状を呈するものであり、その外径寸法は直径26mmに設けられ、内径寸法は14mmに設けられている。また、ホルダ26の長さ(筒長)は29mmである。
そして、ホルダ26の端部(コモンレール本体20に接合される部分)は、図3(b)に示すように内径および外径がともに傾斜したテーパ形状に設けられており、その先端面には抵抗溶接時にコモンレール本体20の本体平面部25に一致する環状のホルダ平面部33が設けられている。このホルダ平面部33の内周エッジの径寸法(内径寸法)は19.5mmに設けられ、外周エッジの寸法(外径寸法)は20.5mmに設けられている。即ち、ホルダ平面部33の半径方向の幅は1mmに設けられている。
【0030】
コモンレール本体20とホルダ26をテストピースとした通電パターンに対する接合部30の割れと硬度の検討テストでは、図4に示すように、コモンレール本体20の本体平面部25に、ホルダ26のホルダ平面部33を当接させた状態で、抵抗溶接機の電極34、35によってコモンレール本体20とホルダ26を加圧し(これによって、コモンレール本体20の本体平面部25とホルダ26のホルダ平面部33が圧接される)、2つの電極34、35間に電流を流してコモンレール本体20とホルダ26の圧接部分を接合した。
なお、この検討テストでは、2つの電極34、35による加圧力は一定(25kN)とし、2つの電極34、35に流す電流値と通電時間(電流を流す時間)を可変させることで、通電パターンに対する接合部30の割れと硬度の検討を行った。
【0031】
検討テストでは、図2に示すように、5つの通電パターンでテストを実施し、接合部30の割れと硬度を測定した。なお、以下に示す通電パターン1は、コンデンサ式抵抗溶接機を用いたものであり、通電パターン2〜5は三相整流式抵抗溶接機を用いたものである。
通電パターン1は、電流値=86kA、通電時間=32msを実施した場合の接合部30の硬度を示す。
通電パターン2は、電流値=43kA、通電時間=200msを実施した場合の接合部30の硬度を示す。
【0032】
上記通電パターン1、2は、コモンレール本体20とホルダ26に電流を流して圧接部分を溶かす溶融処理を施すだけの例であり、溶融処理によって高温になった接合部30の熱はコモンレール本体20とホルダ26に奪われて素早く冷えるものである。
【0033】
通電パターン3は、電流値=43kA、通電時間=200msを実施し、連続して電流値=32kA、通電時間=200msを実施した場合の接合部30の硬度を示す。
通電パターン4は、電流値=43kA、通電時間=200msを実施し、連続して電流値=14kA、通電時間=1000msを実施した場合の接合部30の硬度を示す。
通電パターン5は、電流値=43kA、通電時間=200msを実施し、連続して電流値=14kA、通電時間=1000msを実施し、さらに引き続いて電流値=10kA、通電時間=3000msを実施した場合の接合部30の硬度を示す。
【0034】
上記通電パターン3〜5は、コモンレール本体20とホルダ26に電流を流して圧接部分を溶かす溶融処理を施し、続いてコモンレール本体20とホルダ26に流す電流値と通電時間をコントロールして、溶融処理によって高温になった接合部30の温度を徐々に冷やすなまし処理を施した例である。
また、上記通電パターン5は、なまし処理中にコモンレール本体20とホルダ26に流す電流値を、段階的に可変させて減少する例である。
【0035】
(検討結果)
上記通電パターン1〜5の接合部30の検討を行った。
通電パターン1では、通電時間が短く、接合による熱影響が小さいものの、接合部30に割れが発生していた。
この接合部30の硬度を測定したところ、ビッカース硬さが約700HVと非常に硬く、これは、図1の破線Aに示すように、一旦高温になった接合部30が素早く冷やされて金属組成の大部分がマルテンサイト相になったと考えられる。
【0036】
通電パターン2でも接合部30に割れが発生していた。
この接合部30の硬度を測定したところ、ビッカース硬さが約620HVであり、この硬度では割れの防止は実施できない。これは、図1の実線Bに示すように、一旦高温になった接合部30が素早く冷やされて金属組成がマルテンサイト相になったと考えられる。
確認のために、通電時間=200msと一定のままで、低い電流値(一定電流)を与えたり、高い電流値(一定電流)を与えるテストを実施して、接合部30に割れが発生することを確認した。
【0037】
通電パターン3では接合部30に割れが発生していなかった。
この接合部30の硬度を測定したところ、ビッカース硬さが約600HVであった。このテスト結果から、本検討形状および材質において、接合部30のビッカース硬さが約600HV以下において割れが発生しないことが確認できた。
このように接合部30のビッカース硬さが約600HVに軟化したのは、一旦高温になった接合部30が徐々に冷やされたことにより、金属組成が中間段階相を含む組織になったためであると考えられる。
【0038】
通電パターン4でも接合部30に割れが発生していなかった。
この接合部30の硬度を測定したところ、ビッカース硬さが約550HVであった。このように接合部30のビッカース硬さが約550HVに軟化したのは、図1の実線Cに示すように、一旦高温になった接合部30が徐々に時間をかけて冷やされたことにより、金属組成が中間段階相を含む組織になったためであると考えられる。
【0039】
また、通電パターン3と通電パターン4とを比較すると、なまし処理における通電時間を長く設定したことにより、接合部30をさらに軟化できることが判る。そこで、炭素含有量が多くなるに従い、なまし処理における通電時間を長く設定することで、接合部30の硬さを600HV以下に抑え、接合部30の靱性の低下を防いで、接合部30に割れが発生するのを防ぐことができる。
【0040】
通電パターン5でも接合部30に割れが発生していなかった。
この接合部30の硬度を測定したところ、ビッカース硬さが約500HVであった。このように接合部30のビッカース硬さが約500HVに軟化したのは、図1の破線Dに示すように、一旦高温になった接合部30が徐々に時間をかけて緩やかに冷やされたことにより、金属組成が中間段階相を含む組織になったためであると考えられる。
【0041】
また、通電パターン5からは、なまし処理中に流す電流値を段階的(または連続的)に可変させて減少することにより、徐々に冷える接合部30の温度のコントロール幅を広げ、徐々に冷える接合部30の温度のコントロールによって接合部30をさらに軟化できることが判る。そこで、炭素含有量が多くなるに従い、徐々に冷える接合部30の温度をコントロールすることによって、接合部30の硬さを600HV以下に抑え、接合部30の靱性の低下を防いで、接合部30に割れが発生するのを防ぐことができる。
【0042】
(実施例の効果)
上記で示したように、コモンレール本体20とホルダ26に電流を流して圧接部分を接合し、連続してコモンレール本体20とホルダ26に流す電流値と通電時間をコントロールして、高温になった接合部30の温度を徐々に冷やすなまし処理を施すことにより、中炭素鋼以上の炭素含有量を有する炭素鋼よりなるコモンレール本体20とホルダ26の接合部30のビッカース硬さを600HV以下、接合部30の金属組成を中間段階相を含む組織にして、接合部30の靱性を高め、接合部30の割れや、時効割れを防ぐことができる。
即ち、中炭素鋼以上の炭素含有量を有する炭素鋼よりなるコモンレール本体20およびホルダ26を、本発明の抵抗溶接方法によって接合することにより、コモンレール本体20とホルダ26の接合部30の割れや、時効割れを防ぐことができる。
【0043】
そこで、コモンレール本体20とホルダ26を電極34、35で挟み付け、その電極34、35を介してコモンレール本体20とホルダ26に電流を流して、コモンレール本体20とホルダ26の圧接部分を接合する抵抗溶接装置に、コモンレール本体20とホルダ26に流す電流値と通電時間を上述した通電パターン3〜5のようにコントロールして、接合時に高温になった接合部30の温度を徐々に冷やすなまし処理が可能な電流制御装置(図示しない)を搭載させる。
そして、その抵抗溶接装置によって、中炭素鋼以上の炭素含有量を有する炭素鋼よりなるコモンレール本体20とホルダ26を接合し、電流制御装置によるなまし処理によって一旦高温になった接合部30の温度を徐々に冷やすことにより、コモンレール本体20とホルダ26の接合部30の割れや、時効割れを防ぐことができる。
【0044】
[変形例]
上記の実施例で示した配管継手21は、実施例を説明する一例であって、他の構造の配管継手21のコモンレール本体20とホルダ26の接合に本発明を適用しても良い。
上記の実施例では、コモンレール本体20とホルダ26の接合に本発明の抵抗溶接方法を適用した例を示したが、ホルダ26とは異なる部品(例えば、レール取付ステー等)とコモンレール本体20の接合に本発明の抵抗溶接方法を適用しても良い。
さらに、コモンレール本体20以外であっても、接合する2つの金属部材のうちの少なくても一方が中炭素鋼以上の炭素含有量を有する炭素鋼の場合に、本発明の抵抗溶接方法を適用しても良い。
【0045】
上記の実施例では、2つの金属部材(実施例では、コモンレール本体20とホルダ26)に流す電流値を段階的に可変させる例を示したが、電流値を連続可変可能なインバータ抵抗溶接機を用いて、2つの金属部材に流す電流値を連続的に可変させて減少するように設けても良い。
また、なまし処理において2つの金属部材(実施例では、コモンレール本体20とホルダ26)に与える電流を断続させて接合部30の温度を徐々に冷やすようにしても良い。
上記に示した数値や形状等は、実施例を説明するための一例であって、本発明が実施例中に開示された数値や形状等に限定されるものではなく、抵抗溶接によって接合される2つの金属部材の形状や大きさ等に応じて適宜変更可能なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】接合部の温度変化を示すグラフである。
【図2】通電パターンと接合部の硬度との関係を示すグラフである。
【図3】コモンレール本体とホルダの断面図である。
【図4】コモンレール本体とホルダを2つの電極で挟み付けた状態を示す断面図である。
【図5】蓄圧式燃料噴射装置のシステム構成図である。
【図6】配管継手の断面図である。
【符号の説明】
20 コモンレール本体(2つの金属部材の一方)
26 ホルダ(2つの金属部材の他方)
30 接合部
34 電極
35 電極

Claims (6)

  1. 2つの金属部材を圧接させた状態で前記2つの金属部材に電流を流して、前記2つの金属部材の圧接部分を接合する抵抗溶接方法において、
    前記2つの金属部材の少なくても一方が中炭素鋼以上の炭素含有量を有する炭素鋼の場合、
    前記2つの金属部材に電流を流して前記圧接部分を接合する処理に続いて、前記2つの金属部材に流す電流値と通電時間をコントロールして、接合によって高温になった接合部の温度を徐々に冷やすなまし処理を施すことを特徴とする抵抗溶接方法。
  2. 2つの金属部材を挟み付ける電極を有し、その電極を介して前記2つの金属部材に電流を流して、前記2つの金属部材の圧接部分を接合する抵抗溶接装置において、
    前記2つの金属部材の少なくても一方が中炭素鋼以上の炭素含有量を有する炭素鋼の場合、
    前記2つの金属部材に電流を流して前記圧接部分を接合する処理に続いて、前記2つの金属部材に流す電流値と通電時間をコントロールして、接合によって高温になった接合部の温度を徐々に冷やすなまし処理が可能な電流制御装置を備えることを特徴とする抵抗溶接装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の抵抗溶接方法または抵抗溶接装置において、前記なまし処理は、前記2つの金属部材に流す電流値と通電時間をコントロールして、前記接合部の硬度をビッカース硬さ600HVより低く抑える処理であることを特徴とする抵抗溶接方法または抵抗溶接装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の抵抗溶接方法または抵抗溶接装置において、
    前記なまし処理は、前記2つの金属部材に流す電流値と通電時間をコントロールして、前記接合部の金属組成を中間段階相にする処理であることを特徴とする抵抗溶接方法または抵抗溶接装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の抵抗溶接方法または抵抗溶接装置において、
    前記なまし処理中に前記2つの金属部材に流す電流値は、段階的もしくは連続的に可変させて減少させることを特徴とする抵抗溶接方法または抵抗溶接装置。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の抵抗溶接方法または抵抗溶接装置において、
    前記2つの金属部材の一方は、内部に高圧燃料を蓄える中炭素鋼以上の炭素含有量を有する炭素鋼よりなるコモンレール本体であり、
    前記2つの金属部材の他方は、前記コモンレール本体に配管を接続するための配管継手のホルダであることを特徴とする抵抗溶接方法または抵抗溶接装置。
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