JP2008150858A - 手摺壁及び建物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第一手摺壁Bは、複数の水平材B9,B9,…が所定間隔に上下に並べて設けられ、上側の水平材B9の背面部B92の下端部B92aと、下側の水平材B9の背面部B92の上端部B92bとの間の高さHと、水平材B9の正面部B91と背面部B92との間の厚さTと、厚さT方向に対する冬至の南中時における太陽角度αと、厚さT方向に対する夏至の南中時における太陽角度βとが以下の式(1)を満たす。
T(tanβ−tanα)=H・・・(1)
【選択図】図7
Description
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、外部からの視線を遮ることができ、また、四季や地方に応じて角度の異なる日射しに対して最適設計することのできる手摺壁及び建物を提供することを目的としている。
前記水平材B9,B9,…は、バルコニー5に対して前後に互いに対向して配された正面部B91及び背面部B92と、これら正面部B91及び背面部B92の側方に互いに対向して配された一対の側面部B93,B94と、前記正面部B91及び背面部B92の上下に互いに対向して配された上面部B95及び下面部B96とを備え、
前記上面部B95及び前記下面部B96が前記正面部B91側から前記背面部B92側に向けて下方に傾斜し、
上下に互いに隣接する水平材B9,B9における前記正面部B91,B91同士が同一平面上に配置されるとともに、前記背面部B92,B92同士が同一平面上に配置され、
上側の水平材B9の背面部B92の下端部B92aと、下側の水平材B9の背面部B92の上端部B92bとの間の高さHと、前記水平材B9の前記正面部B91と前記背面部B92との間の厚さTと、前記厚さT方向に対する冬至の南中時における太陽角度αと、前記厚さT方向に対する夏至の南中時における太陽角度βとが以下の式(1)を満たすことを特徴とする。
T(tanβ−tanα)=H・・・(1)
また、互いに隣接する水平材B9,B9の隙間B9aを介して光が射し込むことになるが、上側の水平材B9の背面部B92の下端部B92aと、下側の水平材Bの背面部B92の上端部B92bとの間の高さHと、水平材B92の厚さTと、冬至の南中時における太陽角度αと、夏至の南中時における太陽角度βとが上記式(1)を満たすので、四季や各地方に応じて日射角度の異なる日射しに対応した最適設計とすることができる。すなわち、各地方に応じた夏場の日射しSを遮ることができるとともに、冬場の日射しWを確実に室内へと取り込むことができる。
また、上下に互いに隣接する水平材B9,B9の正面部B91,B91同士が同一平面上に配置され、背面部B92,B92同士は同一平面上に配置されているので、足の掛かりにくい形状とすることができる。また、バルコニー5の外側及び内側から見た際の外観を優れたものとすることができる。
前記上面部B95と前記下面部B96とが互いに平行ではないことを特徴とする請求項1に記載の手摺壁。
前記上面部F95が曲面であることを特徴とする。
前記上面部G95が側断面視山形状であることを特徴とする。
複数の水平材B9,B9は、前記水平材B9の左右方向に所定間隔に設けられて上下に延在する複数の支持材B10,B10,…によって支持されていることを特徴とする。
請求項1〜5に記載の手摺壁(第一手摺壁B)を備えたことを特徴とする。
図1は、建物1の外観斜視図、図2は、建物1の二階を示す平面図である。
図1及び図2に示すように、建物本体2は一階の正面角部に玄関ポーチ4が設けられ、玄関ポーチ4の軒先の上に床部5bが張り出されてバルコニー5が形成されている。バルコニー5は、二階のリビング6の折れ戸5aを介して出入り自在となっている。また、リビング6の正面側には腰窓6aや高窓6bが設けられ、一階と二階とを繋ぐ階段7に対向する外壁面3bに採光用窓7aが設けられている。
第一被覆壁Aの上端部は建物本体2の高窓6bの下方に位置し、下端部は玄関ポーチ4の上端部に位置している。
第一手摺壁Bは、第一被覆壁Aの右側の突出部A14に隣接し、被覆部A15に対して水平となるように配置されている。第一手摺壁Bは、第一被覆壁Aと支持壁Cとの間に第一被覆壁A及び支持壁Cに対して水平となるように設けられた手摺パネルB1と、第一被覆壁Aと支持壁Cとの間に設けられて手摺パネルB1を固定支持する上フレームB2、下フレームB3及び複数の支柱部B4,B5,B6とを備えている。
下フレームB3は、バルコニー5の床部5bの正面側の外縁部で第一被覆壁Aと支持壁Cとの間に水平となるように架け渡された下梁材B8と所定間隔を隔てて、かつ、下梁材B8と平行となるようにその外側に設けられている。下梁材B8の上端面は、床部5bの上面よりも上方に突出している。上フレームB2は、下梁材B8の上方に第一被覆壁Aと支持壁Cとの間に水平となるように架け渡された上梁材B7と所定間隔を隔てて、かつ、上梁材B7と平行となるようにその外側に設けられている。上フレームB2と下フレームB3との間で、両端部及び中間部には支柱部B4,B5,B6が上下に架け渡されている。上フレームB2、下フレームB3及び支柱部B4,B5,B6は図示しないブラケットによって所定位置に取り付けられている。
手摺パネルB1は、正面視矩形状であり、上下に等間隔に並設された複数の水平材B9,B9,…と、各水平材B9,B9,…を固定支持する複数の支持材B10,B10,…とを備えている。そして、各水平材B9,B9,…間に形成された隙間B9a,B9a,…を介して日射しが射し込むとともに採風される。
また、上下に互いに隣接する水平材B9,B9における正面部B91,B91同士が同一平面上に配置されるとともに、上下に互いに隣接する水平材B9,B9における背面部B92,B92同士が同一平面上に配置されている。そして、上側の水平材B9の背面部B92の下端部B92aと、下側の水平材B9の背面部B92の上端部B92bとの間の高さHと、水平材B9の正面部B91と背面部B92との間の厚さTと、厚さTに対する冬至の南中時における太陽角度αと、夏至の南中時における太陽角度βとが以下の式(1)を満たしている。なお、図7中、Wは冬至の南中時における日射しを示し、Sは夏至の南中時における日射しを示している。
T(tanβ−tanα)=H・・・(1)
具体的には、東京では冬至の南中時における太陽角度α=31°、夏至の南中時における太陽角度β=77°であることから、tanα=0.60、tanβ=4.33となり、3.73T=Hを満たす必要がある。
γ>α・・・(2)
このようにして支持材B10,B10,…によって固定された水平材B9,B9,…は、上下に互いに隣接する水平材B9,B9の正面部B91,B91同士は同一平面上に配され、背面部B92,B92同士も同一平面上に配されている。
このようにして取り付けられた第一手摺壁Bの上端部は第一被覆壁Aの上端部と同程度の高さである。
図9及び図10に示すように、第二手摺壁Dは、支持壁Cの第一手摺壁Bと反対側の端部に隣接して支持壁Cに対して水平となるように配置されている。第二手摺壁Dは、支持壁Cと第二被覆壁Eとの間に支持壁C及び第二被覆壁Eに対して水平となるように設けられた手摺パネルD1と、支持壁Cと第二被覆壁Eとの間に設けられて手摺パネルD1を固定支持する上フレームD2、下フレームD3、中間フレームD12,D13及び複数の支柱部D4,D5,D6とを備えている。
中間フレームD12は、バルコニー5の床部5bの側面側の外縁部で支持壁Cと第二被覆壁Eとの間に水平となるように架け渡された下梁材D8と所定間隔を隔てて、かつ、下梁材D8と平行となるようにその外側に設けられている。下梁材D8の上端面は、床部5bの上面よりも上方に突出している。上フレームD2は、下梁材D8の上方に支持壁Cと第二被覆壁Eとの間に水平となるように架け渡された上梁材D7と所定間隔を隔てて、かつ、上梁材D7と平行となるようにその外側に設けられている。また、中間フレームD12の下方には、中間フレームD13が同様に支持壁Cと第二被覆壁Eとの間に水平となるように架け渡されている。さらに、中間フレームD13の下方で玄関ポーチ4の外側には、下フレームD3が支持壁Cと第二被覆壁Eとの間に水平となるように架け渡されている。上フレームD2と下フレームD3との間で、両端部及び中間部には支柱部D4,D5,D6が上下に架け渡されている。上フレームD2、下フレームD3、中間フレームD12,D13及び支柱部D4,D5,D6は図示しないブラケットによって所定位置に取り付けられている。
このようにして取り付けられた第二手摺壁Dの上端部は支持壁Cの上端部と同程度の高さである。
まず、建物本体2をパネル工法等で組み立てるとともに、框材を矩形状に組み付けてなる枠体の両面に面材を貼設し、それらの面材の上から胴縁を介してサイディングを取り付けて、第一被覆壁Aの壁パネルを形成しておく。また、支持壁C及び第二被覆壁Eについても第一被覆壁Aと同様に壁パネルを形成しておく。このとき第一被覆壁Aの被覆部A15には建物本体2の腰窓6aに対応する位置に嵌め殺し窓A8を設けておき、第二被覆壁Eの被覆部E1には採光用窓7aに対応する位置に嵌め殺し窓E1を設けておく。
そして、床部5bの正面側及び側面側の外縁部にそれぞれ上梁材B7,D7及び下梁材B8,D8を取り付ける。第一被覆壁Aと支持壁Cとの間に上フレームB2及び下フレームB3を架け渡し、上フレームB2及び下フレームB3の両端部及び中間部に支柱部B4,B5,B6をそれぞれ取り付ける。同様にして、支持壁Cと第二被覆壁Eとの間にも上フレームD2、下フレームD3及び中間フレームD12,D13を架け渡し、上フレームD2、下フレームD3及び中間フレームD12,D13の両端部及び中間部に支柱部D4,D5,D6をそれぞれ取り付ける。その後、手摺パネルB1,D1の支持材B10,B10,…、D10,D10,…を、対応する支柱部B4,B5,B6,D4,D5,D6のブラケットB11,D11に嵌めこんでネジ止めする。
また、互いに隣接する水平材B9,B9の隙間B9aを介して光が射し込むことになるが、上側の水平材B9の背面部B92の下端部B92aと、下側の水平材Bの背面部B92の上端部B92bとの間の高さHと、水平材B92の厚さTと、冬至の南中時における太陽角度αと、夏至の南中時における太陽角度βとが上記式(1)を満たすので、四季や各地方に応じて日射角度の異なる日射しに対応した最適設計とすることができる。すなわち、各地方に対応した夏場の日射しSを遮ることができるとともに冬場の日射しWを確実に室内へと取り込むことができる。
さらに、上下に互いに隣接する水平材B9,B9の正面部B91,B91同士が同一平面上に配置され、背面部B92,B92同士は同一平面上に配置されているので、足の掛かりにくい形状とすることができる。また、バルコニー5の外側及び内側から見た際の外観を優れたものとすることができる。
そして、複数の水平材B9,B9は、複数の支持材B10,B10,…によって支持されているので、水平材B9の取り付けが容易となるとともに水平材B9を確実に支持固定することができる。
例えば、上記実施の形態において、手摺パネルB1,D1は、支持材B10,B10,…を水平材B9,B9,…の両端部及び中間部に設けるとしたが、その個数は適宜変更可能である。また、水平材B9,D9は左右に一列のみ設けるとしたが、第一被覆壁Aと支持壁Cとの間の距離や、支持壁Cと第二被覆壁Eとの間の距離が長い場合には、水平材B9,D9を左右に複数列並べて設けるようにしても構わない。
5 バルコニー
B 第一手摺壁
B9,F9,G9 水平材
B10 支持材
B91 正面部
B92 背面部
B93,B94 側面部
B95 上面部
B96 下面部
D 第二手摺壁
D9 水平材
D10 支持材
Claims (6)
- 複数の水平材が所定間隔に上下に並べて設けられた手摺壁であって、
前記水平材は、前後に互いに対向して配された正面部及び背面部と、これら正面部及び背面部の側方に互いに対向して配された一対の側面部と、前記正面部及び背面部の上下に互いに対向して配された上面部及び下面部とを備え、
前記上面部及び前記下面部が前記正面部側から前記背面部側に向けて下方に傾斜し、
上下に互いに隣接する水平材における前記正面部同士が同一平面上に配置されるとともに、前記背面部同士が同一平面上に配置され、
上側の水平材の背面部の下端部と、下側の水平材の背面部の上端部との間の高さHと、前記水平材の前記正面部と前記背面部との間の厚さTと、前記厚さT方向に対する冬至の南中時における太陽角度αと、前記厚さT方向に対する夏至の南中時における太陽角度βとが以下の式(1)を満たすことを特徴とする手摺壁。
T(tanβ−tanα)=H・・・(1) - 前記上面部と前記下面部とが互いに平行ではないことを特徴とする請求項1に記載の手摺壁。
- 前記上面部が曲面であることを特徴とする請求項2に記載の手摺壁。
- 前記上面部が側断面視山形状であることを特徴とする請求項2に記載の手摺壁。
- 複数の水平材は、前記水平材の左右方向に所定間隔に設けられて上下に延在する複数の支持材によって支持されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の手摺壁。
- 請求項1〜5に記載の手摺壁を備えたことを特徴とする建物。
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